(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046012
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】集合体シート
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240327BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H05K1/02 B
H05K3/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151144
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】滝本 顕也
(72)【発明者】
【氏名】町谷 博章
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA01
5E338BB12
5E338BB32
5E338BB45
5E338EE31
(57)【要約】
【課題】1つの集合体シートにおける配線回路基板の数を増やしながら、支持部の強度の低下を抑制できる集合体シートを提供する。
【解決手段】集合体シート1は、複数の配線回路基板3と支持部2と連結部5と開口部4とを備える。配線回路基板3は、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32を備える。支持部2は、第1支持部211を備える。連結部5は、第1配線回路基板31に連結する第1連結部51と、第2配線回路基板32に連結する第2連結部52とを備える。支持部2も連結部5も、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32の間にない。第1配線回路基板31は、第1本体部311と第1突出部312とを含む。第2配線回路基板32は、第2本体部321を含む。第2本体部321に対する第1突出部312の突出量が小さくなるように、第1本体部311の中心を通過する第1線L1と、第2本体部321の中心を通過する第2線L2とが、ずれる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配線回路基板と、
前記複数の配線回路基板を支持する支持部と、
前記複数の配線回路基板と、前記支持部とを連結する連結部と、
前記複数の配線回路基板と、前記支持部との間に配置される開口部と、を備える集合体シートであり、
前記複数の配線回路基板は、
金属支持層と、ベース絶縁層と、導体層とを厚み方向に向かって順に備える第1配線回路基板と、
金属支持層と、ベース絶縁層と、導体層とを厚み方向に向かって順に備える第2配線回路基板であって、前記第1配線回路基板と間隔を隔てて並ぶ第2配線回路基板と、を備え、
前記支持部は、前記第1配線回路基板および第2配線回路基板を、前記第1配線回路基板および第2配線回路基板が並ぶ方向および前記厚み方向に直交する第1方向の一方側から支持する第1支持部、を備え、
前記連結部は、
前記第1配線回路基板と前記支持部とを連結する第1連結部であって、前記開口部を横断する第1連結部と、
前記第2配線回路基板と前記支持部とを連結する第2連結部であって、前記開口部を横断する第2連結部と、を備え、
前記支持部は、前記第1配線回路基板および前記第2配線回路基板の間に配置されず、
前記連結部は、前記第1配線回路基板および前記第2配線回路基板の間に配置されず、
前記第1配線回路基板は、
前記第1連結部に連結される第1本体部と、
前記第1本体部の端縁から前記支持部に向かって突出する第1突出部と、を含み、
前記第2配線回路基板は、前記第2連結部に連結される第2本体部であって、前記第1本体部と同一形状を有する第2本体部を含み、
前記第1方向における前記第2本体部の一端縁に対する前記第1突出部の突出量が小さくなるように、前記第1本体部の中心を前記並ぶ方向に沿って通過する第1線と、前記第2本体部の中心を前記並ぶ方向に沿って通過する第2線とが、ずれている、集合体シート。
【請求項2】
前記並ぶ方向に投影したときに、前記第2本体部の一端縁と、前記第1方向における前記第1突出部の一端縁とが、合致する、請求項1に記載の集合体シート。
【請求項3】
前記支持部は、前記第1配線回路基板および前記第2配線回路基板を、前記第1方向の他方側から支持する第2支持部、をさらに備え、
前記第2配線回路基板は、前記第2本体部の端縁から前記前記第2支持部に向かって突出する第2突出部をさらに含み、
前記第1方向における前記第1本体部の他端縁に対する前記第2突出部の突出量が小さくなるように、前記第1線と、前記第2線とが、ずれている、請求項1に記載の集合体シート。
【請求項4】
前記並ぶ方向に投影したときに、前記第1本体部の他端縁と、前記第1方向における前記第2突出部の他端縁とが、合致する、請求項3に記載の集合体シート。
【請求項5】
前記第1本体部は、第1主部と、前記第1主部から、前記第2配線回路基板に向かって突出する第1本体突部を含み、
前記第2本体部は、第2主部と、前記第2主部から、前記第1配線回路基板に向かって突出する第2本体突部を含み、
前記第1本体突部と前記第2本体突部とは、前記第1方向において隣り合う、請求項1に記載の集合体シート。
【請求項6】
前記支持部は、前記金属支持層を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の集合体シート。
【請求項7】
前記支持部は、導体層をさらに含む、請求項5に記載の集合体シート。
【請求項8】
前記導体層は、第1層と、第2層とを、厚み方向の一方側に向かって順に備える、請求項7に記載の集合体シート。
【請求項9】
前記支持部は、絶縁層をさらに含む、請求項6に記載の集合体シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合体シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の配線回路基板と、支持枠と、ジョイント部と、スリットとを備える集合体シートが知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の集合体シートでは、支持枠は、複数の配線回路基板を支持する。ジョイント部は、複数の配線回路基板と、支持枠とを連結する。スリットは、配線回路基板と、支持枠との間に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つの集合体シートにおける配線回路基板の数を増やしたい要求がある。そこで、互いに隣り合う配線回路基板の間に、支持枠もジョイント部も配置しない構成が試案される。
【0006】
上記した構成であれば、支持枠にかかる負荷が高くなるため、支持枠の強度を高める必要がある。
【0007】
一方、配線回路基板の用途および目的によって、配線回路基板は、支持枠に向かって突出する突出部を含む場合がある。その場合には、支持枠が、突出部を回避することから、支持枠の強度が低下するという不具合がある。
【0008】
本発明は、1つの集合体シートにおける配線回路基板の数を増やしながら、支持部の強度の低下を抑制できる集合体シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明[1]は、複数の配線回路基板と、前記複数の配線回路基板を支持する支持部と、前記複数の配線回路基板と、前記支持部とを連結する連結部と、前記複数の配線回路基板と、前記支持部との間に配置される開口部と、を備える集合体シートであり、前記複数の配線回路基板は、金属支持層と、絶縁層と、導体層とを厚み方向に向かって順に備える第1配線回路基板と、金属支持層と、絶縁層と、導体層とを厚み方向に向かって順に備える第2配線回路基板であって、前記第1配線回路基板と間隔を隔てて並ぶ第2配線回路基板と、を備え、前記支持部は、前記第1配線回路基板および第2配線回路基板を、前記第1配線回路基板および第2配線回路基板が並ぶ方向および前記厚み方向に直交する第1方向の一方側から支持する第1支持部、を備え、前記連結部は、前記第1配線回路基板と前記支持部とを連結する第1連結部であって、前記開口部を横断する第1連結部と、前記第2配線回路基板と前記支持部とを連結する第2連結部であって、前記開口部を横断する第2連結部と、を備え、前記支持部は、前記第1配線回路基板および前記第2配線回路基板の間に配置されず、前記連結部は、前記第1配線回路基板および前記第2配線回路基板の間に配置されず、前記第1配線回路基板は、前記第1連結部に連結される第1本体部と、前記第1本体部の端縁から前記支持部に向かって突出する第1突出部と、を含み、前記第2配線回路基板は、前記第2連結部に連結される第2本体部であって、前記第1本体部と同一形状を有する第2本体部を含み、前記第1方向における前記第2本体部の一端縁に対する前記第1突出部の突出量が小さくなるように、前記第1本体部の中心を前記並ぶ方向に沿って通過する第1線と、前記第2本体部の中心を前記並ぶ方向に沿って通過する第2線とが、ずれている、集合体シートを含む。
【0010】
この集合体シートでは、支持部が、第1配線回路基板および第2配線回路基板の間に配置されず、連結部が、第1配線回路基板および第2配線回路基板の間に配置されない。そのため、1つの集合体シートにおける配線回路基板の数を増やすことができる。
【0011】
また、第1突出部の突出量が小さくなるように、第1線と第2線とがずれるので、第1突出部に対応する支持部の強度の低下を抑制できる。
【0012】
本発明[2]は、前記並ぶ方向に投影したときに、前記第2本体部の一端縁と、前記第1方向における前記第1突出部の一端縁とが、合致する、[1]に記載の集合体シートを含む。
【0013】
この集合体シートでは、第2本体部の一端縁と、第1突出部の一端縁とが、合致するので、第2本体部の一端縁に対する第1突出部の突出量を無くすことができる。そのため、第1突出部に対応して、支持部を回避させなくてもよく、支持部の強度の低下をより一層抑制できる。
【0014】
本発明[3]は、前記支持部は、前記第1配線回路基板および前記第2配線回路基板を、前記第1方向の他方側から支持する第2支持部、をさらに備え、前記第2配線回路基板は、前記第2本体部の端縁から前記前記第2支持部に向かって突出する第2突出部をさらに含み、前記第1方向における前記第1本体部の他端縁に対する前記第2突出部の突出量が小さくなるように、前記第1線と、前記第2線とが、ずれている、[1]に記載の集合体シートを含む。
【0015】
この集合体シートでは、第1本体部の他端縁に対する第2突出部の突出量が小さくなるように第1線と第2線とがずれるので、第2突出部に対応する支持部の強度の低下を抑制できる。
【0016】
本発明[4]は、前記並ぶ方向に投影したときに、前記第1本体部の他端縁と、前記第1方向における前記第2突出部の他端縁とが、合致する、[3]に記載の集合体シートを含む。
【0017】
この集合体シートでは、第1本体部の他端縁と、第2突出部の他端縁とが、合致するので、第1本体部の他端縁に対する第2突出部の突出量を無くすことができる。そのため、第2突出部に対応して、支持部を回避させなくてもよく、支持部の強度の低下をより一層抑制できる。
【0018】
本発明[5]は、前記第1本体部は、第1主部と、前記第1主部から、前記第2配線回路基板に向かって突出する第1本体突部を含み、前記第2本体部は、第2主部と、前記第2主部から、前記第1配線回路基板に向かって突出する第2本体突部を含み、前記第1本体突部と前記第2本体突部とは、前記第1方向において隣り合う、[1]に記載の集合体シートを含む。
【0019】
この集合体シートでは、第2配線回路基板に向かって突出する第1本体突部と、第1配線回路基板に向かって突出する第2本体突部とは、第1方向において隣り合うので、第1本体部と第2本体部とは、並び方向において、コンパクトに配置される。そのため、1つの集合体シートにおける配線回路基板の数をより一層増やすことができる。
【0020】
本発明[6]は、前記支持部は、前記金属支持層を含む、[1]から[5]のいずれか一項に記載の集合体シートを含む。
【0021】
この集合体シートでは、支持部は、金属支持層を含むので、支持部の強度を高くできる。
【0022】
本発明[7]は、前記支持部は、導体層をさらに含む、[5]に記載の集合体シートを含む。
【0023】
この集合体シートでは、支持部は、金属支持層に加え、導体層をさらに含むので、支持部の強度をより一層高くできる。
【0024】
本発明[8]は、前記導体層は、第1層と、第2層とを、厚み方向の一方側に向かって順に備える、[7]に記載の集合体シートを含む。
【0025】
本発明[9]は、前記支持部は、前記絶縁層をさらに含む、[6]に記載の集合体シートを含む。
【0026】
この集合体シートでは、支持部は、金属支持層に加え、絶縁層をさらに含むので、支持部の靱性を高めることができる。そのため、支持部の強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の集合体シートは、1つの集合体シートにおける配線回路基板の数を増やしながら、支持部の強度の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の集合体シートの一実施形態の平面図である。
【
図2】
図1に示す集合体シートにおける基板ユニットの拡大平面図である。
【
図4】
図4Aから
図4Dは、
図3に示す集合体シートの製造工程図である。
図4Aは、ベース絶縁層を形成する工程(1)である。
図4Bは、導体層を形成する工程(2)である。
図4Cは、カバー絶縁層を形成する工程(3)である。
図4Dは、エッチングを形成する工程(4)である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
1. 集合体シート1
図1から
図3を用いて、本発明の集合体シートの一実施形態を説明する。
【0030】
図1に示すように、集合体シート1は、支持部2と、複数の配線回路基板3と、開口部4と、連結部5(
図2参照)と、を備える。
【0031】
1.1 支持部2
支持部2は、集合体シート1における外形をなす。本実施形態において、支持部2は、次に説明する複数の配線回路基板3の周囲に配置される。支持部2は、次に説明する複数の配線回路基板3を支持する。支持部2は、井桁状の部分と、その端部に配置される矩形枠状の部分とを含む。また、支持部2は、第1部分21と、第2部分22と、を含む。
【0032】
第1部分21は、並び方向(後述)に延びる。本実施形態では、第1部分21は、第1方向(後述)において互いに間隔を隔てて複数配置される。
図2に示すように、第1部分21は、第1支持部211および第2支持部212を含む。言い換えれば、支持部2は、第1支持部211および第2支持部212を含む。第1支持部211および第2支持部212は、後で説明する。
【0033】
図1に示すように、第2部分22は、第1方向に延びる。本実施形態では、第2部分22は、並び方向において互いに間隔を隔てて複数配置される。複数の第2部分22のそれぞれは、複数の第1部分21を連結する。
【0034】
1.2 複数の配線回路基板3
複数の配線回路基板3は、上記した支持部2によって支持される。複数の配線回路基板3は、複数の基板ユニット30を含む。複数の基板ユニット30は、並び方向および第1方向において互いに間隔を隔てられる。複数の基板ユニット30は、並び方向において、第2部分22の一部によって、隔てられる。また、複数の基板ユニット30は、第1方向において、第1部分21の一部によって、隔てられる。
【0035】
図2に示すように、1つの基板ユニット30は、第1配線回路基板31と、第2配線回路基板32と、を備える。つまり、複数の配線回路基板3は、第1配線回路基板31と、第2配線回路基板32と、を備える。
【0036】
第1配線回路基板31と、第2配線回路基板32とは、間隔を隔てて並ぶ。つまり、第2配線回路基板32は、第1配線回路基板31と間隔を隔てて並ぶ。第1配線回路基板31および第2配線回路基板32が並ぶ方向は、「並び方向」と称呼される。また、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32は、上記した第1支持部211および第2支持部212の間に配置される。つまり、第1支持部211と、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32と、第2支持部212とが、第1方向において順に並ぶ。第1方向は、並び方向および厚み方向に直交する。第1方向において、第2支持部212は、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32に対して、第1支持部211の反対側に位置する。
【0037】
1.2.1 第1配線回路基板31の構成
第1配線回路基板31は、第1本体部311と、第1突出部312と、を含む。
【0038】
1.2.1.1 第1本体部311
本実施形態では、第1本体部311は、略矩形枠状を含む。より具体的には、第1本体部311は、P字形状を有する。第1本体部311は、第1主部3111と、第1本体突部3112と、を含む。
【0039】
第1主部3111は、略矩形枠状をなす。第1主部3111は、第1本体部311の主要部分である。
【0040】
第1本体突部3112は、並び方向における第1主部3111の他端縁から、第2配線回路基板32に向かって突出する。本実施形態では、第1本体突部3112は、第1方向における第1主部3111の一端部から突出する。本実施形態では、第1本体突部3112は、略矩形状を有する。
【0041】
1.2.1.2 第1突出部312
第1突出部312は、第1方向における第1本体突部3112の一端縁から、第1支持部211に向かって突出する。つまり、第1突出部312は、第1本体部311の端縁から支持部2に向かって突出する。
【0042】
1.2.3 第2配線回路基板32の構成
第2配線回路基板32は、第2本体部321と、第2突出部322と、を含む。
【0043】
1.2.3.1 第2本体部321
第2本体部321は、第1本体部311と同一形状を有する。具体的には、第2本体部321の形状は、第1本体部311を面方向(並び方向および第1方向)において180度回転させた形状と同一である。
【0044】
より具体的には、第2本体部321は、P字形状を有する。第2本体部321は、第2主部3211と、第2本体突部3212と、を含む。
【0045】
第2主部3211は、第1主部3111と同一形状を有する。第2主部3211は、第2本体部321の主要部分である。
【0046】
第2本体突部3212は、第1本体突部3112と同一形状を有する。具体的には、第2本体突部3212は、並び方向における第2主部3211の一端縁から、第1配線回路基板31に向かって突出する。本実施形態では、第2本体突部3212は、第1方向における第2主部3211の他端部から突出する。
【0047】
第1本体突部3112と第2本体突部3212とは、第1方向において隣り合う。他方、第1本体突部3112は、第2主部3211と隣り合わない。また、第2本体突部3212は、第1主部3111と隣り合わない。
【0048】
そして、第1方向における第2主部3211の一端縁に対する第1突出部312の突出量が小さくなるように、第1線L1と、第2線L2とは、ずれている。つまり、第2本体部321の一端縁に対する第1突出部312の突出量が小さくなるように、第1線L1と、第2線L2とは、ずれている。
【0049】
第1線L1は、第1本体部311の第1主部3111の中心を並び方向に沿って通過する。
【0050】
第2線L2は、第2本体部321の第2主部3211の中心を並び方向に沿って通過する。
【0051】
本実施形態では、第2線L2は、第1方向において、第1線L1に対して、一方側(第1支持部211)側にずれる。
【0052】
第1方向における第1線L1および第2線L2の間隔(ずれ量)は、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、2mm以下、好ましくは、1.5mm以下である。第1方向における第1線L1および第2線L2の間隔(ずれ量)が上記した上限以下であれば、第1方向における基板ユニット30の取り数を多くできる。
【0053】
また、本実施形態では、好ましくは、並び方向に投影したときに、第2主部3211の一端縁と、第1方向における第1突出部312の一端縁とが、合致する。つまり、並び方向に投影したときに、第2本体部321の一端縁と、第1方向における第1突出部312の一端縁とが、合致する。この場合には、第1方向における第2主部3211の一端縁に対する第1突出部312の突出量は、無い(ゼロである)。なお、上記した「合致」は、完全に一致する場合と、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32のデザインによっては、2つの一端縁は、10μm以上、100μm以下の公差の範囲内にある場合(ずれる場合)との両方を含む。
【0054】
1.2.3.2 第2突出部322
第2突出部322は、第1方向における第2本体突部3212の他端縁から、第2支持部212に向かって突出する。つまり、第2突出部322は、第2本体部321の端縁から支持部2に向かって突出する。
【0055】
第1方向における第1主部3111の他端縁に対する第2突出部322の突出量が小さくなるように、第1線L1と、第2線L2とが、ずれている。
【0056】
また、本実施形態では、好ましくは、並び方向に投影したときに、第1主部3111の他端縁と、第1方向における第2突出部322の他端縁とが、合致する。つまり、並び方向に投影したときに、第1本体部311の他端縁と、第1方向における第2突出部322の他端縁とが、合致する。この場合には、第1方向における第1主部3111の他端縁に対する第2突出部322の突出量は、無い(ゼロである)。なお、上記した「合致」は、完全に一致する場合と、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32のデザインによっては、2つの他端縁は、10μm以上、100μm以下の公差の範囲内にある場合(ずれる場合)との両方を含む。
【0057】
1.3 第1支持部211,第2支持部212
第1支持部211は、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32を、第1方向の一方側から支持する。本実施形態では、第1支持部211は、並び方向に延びる直線形状を有する。好ましくは、第1方向における第1支持部211の他端縁は、直線形状を有する。第1支持部211の他端縁は、第1突出部312に向かう。
【0058】
第2支持部212は、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32を、第1方向の他方側から支持する。本実施形態では、第2支持部212は、並び方向に延びる直線形状を有する。好ましくは、第1方向における第2支持部212の一端縁は、直線形状を有する。第2支持部212の一端縁は、第2突出部322に向かう。
【0059】
1.3 開口部4
開口部4は、複数の配線回路基板3と、支持部2との間に配置される。本実施形態では、開口部4は、集合体シート1を厚み方向に貫通するスリットである。開口部4は、複数の配線回路基板3の外形を区画する。
【0060】
第1支持部211と、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32との間において、第1突出部312および第2主部3211に対応する開口部4の第1方向長さは、第1主部3111に対応する開口部4の第1方向長さより、短い。
【0061】
第2支持部212と、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32との間において、第2突出部322および第1主部3111に対応する開口部4の第1方向長さは、第2主部3211に対応する開口部4の第1方向長さより、短い。
【0062】
第1配線回路基板31と、第2配線回路基板32との間において、開口部4は、第1本体突部3112および第2本体突部3212に対応して、クランク形状を有する。
【0063】
1.4 連結部5
連結部5は、複数の配線回路基板3と、支持部2とを連結する。具体的には、連結部5は、複数の配線回路基板3のそれぞれと、支持部2とを連結する。連結部5は、第1連結部51と、第2連結部52と、を備える。
【0064】
1.4.1 第1連結部51
第1連結部51は、第1配線回路基板31と支持部2とを連結する。具体的には、第1連結部51は、第1本体部311と、支持部2とを連結する。そのため、第1配線回路基板31は、第1連結部51を介して支持部2に支持される。第1連結部51は、開口部4を横断する。言い換えれば、第1連結部51は、第1配線回路基板31と支持部2とを架橋する。第1連結部51は、第1配線回路基板31の周囲に沿って、間隔を隔てて複数配置される。具体的には、第1連結部51は、第1連結部51A,51B,51Cを含む。第1連結部51Aは、第1支持部211と第1主部3111とを連結する。第1連結部51Bは、第2支持部212と第1主部3111とを連結する。第1連結部51は、支持部2の第2部分22と、第1主部3111とを連結する。
【0065】
1.4.2 第2連結部52
第2連結部52は、第2配線回路基板32と支持部とを連結する。具体的には、第2連結部52は、第2本体部321と、支持部2とを連結する。そのため、第2配線回路基板32は、第2連結部52を介して支持部2に支持される。第2連結部52は、開口部を横断する。言い換えれば、第2連結部52は、第2配線回路基板32と支持部2とを架橋する。第2連結部52は、第2配線回路基板32の周囲に沿って、間隔を隔てて複数配置される。具体的には、第2連結部52は、第2連結部52A,52B,52Cを含む。第2連結部52Aは、第1支持部211と第2主部3211とを連結する。第2連結部52Bは、第2支持部212と第2主部3211とを連結する。第2連結部52は、支持部2の第2部分22と、第2主部3211とを連結する。
【0066】
他方、連結部5は、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32の間に配置されない。また、支持部2も、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32の間に配置されない。つまり、連結部5も支持部2も、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32の間に配置されない。好ましくは、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32には、開口部4のみがある。
【0067】
1.5 集合体シート1の層構成
図3に示すように、集合体シート1は、金属支持層11と、絶縁層の一例としてのベース絶縁層12と、導体層13と、絶縁層の一例としてのカバー絶縁層14と、を備える。また、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32(
図3において図示されない)のそれぞれは、金属支持層11と、ベース絶縁層12と、導体層13とを厚み方向に向かって順に備える。
【0068】
1.5.1 金属支持層11
金属支持層11は、厚み方向における集合体シート1の他端部に位置する。金属支持層11は、集合体シート1の外形をなす。金属支持層11は、支持部2と、複数の配線回路基板3と、連結部5とのそれぞれに含まれる。また、金属支持層11は、開口部4を有する。金属支持層11の材料は、例えば、剛性材料である。剛性材料としては、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅-ベリリウム、りん青銅、銅、銀、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、白金、金、および、銅合金が挙げられる。剛性材料として、支持部2の強度を確保する観点から、好ましくは、ステンレス、および、銅合金が挙げられる。金属支持層11の厚みは、例えば、15μm以上、好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、250μm以下である。
【0069】
1.5.2 ベース絶縁層12
ベース絶縁層12は、厚み方向における金属支持層11の一方面に配置される。ベース絶縁層12は、厚み方向における金属支持層11の一方面に接触する。ベース絶縁層12は、例えば、支持部2と、複数の配線回路基板3と、連結部5とのそれぞれに含まれ、好ましくは、支持部2と、複数の配線回路基板3とのそれぞれに含まれる。また、ベース絶縁層12は、開口部4を有する。ベース絶縁層12の材料としては、例えば、樹脂が挙げられ、好ましくは、ポリイミドが挙げられる。ベース絶縁層12の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、25μm以下、好ましくは、15μm以下である。
【0070】
1.5.3 導体層13
導体層13は、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に配置される。導体層13は、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に接触する。導体層13は、支持部2と、複数の配線回路基板3とのそれぞれに含まれる。導体層13は、単層または複層である。
【0071】
導体層13の一部は、第1層131と、第2層132とを、厚み方向の一方側に向かって順に含む。第1層131は、ベース絶縁層12の一方面に接触する。第2層132は、第1層131の一部に対応する。第2層132は、厚み方向における第1層131の一方面に配置される。本実施形態では、第1層131は、支持部2においては、第1補強層である。第2層132は、配線回路基板3においては、嵩上げ層であってもよく、また、支持部2においては、補強層である。導体層13の残部は、上記した第1層131である。なお、第1層131および第2層132の厚みが互いに異なる場合には、第2層132は、嵩上げ層ではなく、ベース絶縁層12の一方面に配置される信号配線であってもよい。
【0072】
導体層13の材料としては、例えば、導体が挙げられる。導体として、好ましくは、銅が挙げられる。第1層131および第2層132の材料は、同一または相異なる。
【0073】
導体層13の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、60μm以下、好ましくは、40μm以下である。第1層131および第2層132のそれぞれの厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0074】
1.5.4 カバー絶縁層14
カバー絶縁層14は、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に配置される。カバー絶縁層14は、厚み方向における導体層13の一方面と、導体層13の周側面と、を被覆する。カバー絶縁層14は、例えば、支持部2と、複数の配線回路基板3と、連結部5とのそれぞれに含まれ、好ましくは、支持部2と、複数の配線回路基板3とのそれぞれに含まれる。図示しないが、カバー絶縁層14は、連結部5に含まれていてもよい。また、ベース絶縁層12は、開口部4を有する。
【0075】
カバー絶縁層14の材料としては、可撓性材料が挙げられる。可撓性材料としては、例えば、樹脂が挙げられ、好ましくは、ポリイミドが挙げられる。カバー絶縁層14の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、25μm以下、好ましくは、15μm以下である。
【0076】
1.6 集合体シート1の製造方法
図4Aから
図4Dおよび
図3を用いて、集合体シート1の製造方法を説明する。集合体シート1の製造方法は、工程(1)と、工程(2)と、工程(3)と、工程(4)と、を備える。工程(1)と、工程(2)と、工程(3)と、工程(4)とは、順に実施される。
【0077】
1.6.1 工程(1)
図4Aに示すように、工程(1)では、ベース絶縁層12を形成する。具体的には、ベース絶縁層12を、厚み方向における金属支持板110の一方面に形成する。
【0078】
金属支持板110は、金属支持層11を形成するための金属板である。金属支持板110は、金属支持層11と同じ材料からなり、金属支持層11と同じ厚みを有する。
【0079】
例えば、樹脂を、金属支持板110の一方面に塗布し、フォトリソグラフィーによって、支持部2と、複数の配線回路基板3(
図3参照)とのそれぞれに対応するパターンを有するベース絶縁層12を形成する。
【0080】
1.6.2 工程(2)
図4Bに示すように、工程(2)では、導体層13を形成する。具体的には、導体層13を厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に形成する。例えば、導体パターン形成法によって、導体層13を形成する。導体パターン形成法としては、例えば、アディティブ法、および、サブトラクティブ法が挙げられ、好ましくは、アディティブ法が挙げられる。導体パターン形成法によって、支持部2と、複数の配線回路基板3とのそれぞれに含まれるパターンを有する導体層13を形成する。第1層131および第2層132を形成する場合には、上記した導体パターン形成法を複数回(2回)実施する。
【0081】
1.6.3 工程(3)
図4Cに示すように、工程(3)では、カバー絶縁層14を形成する。具体的には、カバー絶縁層14を、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に形成する。例えば、樹脂を、ベース絶縁層12および導体層13の一方面に塗布し、フォトリソグラフィーによって、支持部2と、複数の配線回路基板3とのそれぞれに対応するパターンを有するカバー絶縁層14を形成する。
【0082】
1.6.4 工程(4)
図3に示すように、工程(4)では、金属支持層11を形成する。具体的には、金属支持板110を外形加工する。外形加工としては、エッチング、打ち抜き、および、レーザーが挙げられる。外形加工として、好ましくは、生産性の観点から、エッチングが挙げられる。
【0083】
エッチングを用いて金属支持板110を外形加工するには、まず、
図4Dに示すように、レジスト15を、厚み方向における金属支持板110の一方面および他方面のそれぞれに配置する。レジスト15は、金属支持層11(
図3参照)の逆パターン(反転パターン)を有する。例えば、レジスト15は、ドライフィルムレジストから調製される。
【0084】
その後、レジスト15から露出する金属支持板110を、エッチングを用いて除去する。その後、レジスト15を除去する。
【0085】
図3に示すように、これによって、集合体シート1が製造される。
【0086】
その後、図示しないが、集合体シート1から複数の配線回路基板3が取り出される。具体的には、連結部5を切断して、複数の配線回路基板3を支持部3から切り離す。
【0087】
2. 一実施形態の作用効果
図2に示すように、この集合体シート1では、支持部2が、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32の間に配置されず、連結部5が、第1配線回路基板31および第2配線回路基板32の間に配置されない。そのため、1つの集合体シート1における配線回路基板3の数(取り数)を増やすことができる。
【0088】
また、第1線L1と第2線L2とがずれることで、第1突出部312の突出量が小さくなるので、第1突出部312に対応して、支持部2(第1支持部211)を回避させなくてもよく、支持部2(第1支持部211)の強度の低下を抑制できる。
【0089】
この集合体シート1では、第2本体部321の第2主部3211の一端縁と、第1突出部312の一端縁とが、合致するので、第2主部3211の一端縁に対する第1突出部312の突出量を無くすことができる。そのため、第1突出部312に対応する支持部2(第1支持部211)の強度の低下をより一層抑制できる。
【0090】
また、第1線L1と第2線L2とがずれることで、この集合体シート1では、第1本体部311の第1主部3111の他端縁に対する第2突出部322の突出量が小さくなるので、第2突出部322に対応して、支持部2(第2支持部212)を回避させなくても、支持部2(第2支持部212)の強度の低下を抑制できる。
【0091】
この集合体シート1では、第1本体部311の第1主部3111の他端縁と、第2突出部322の他端縁とが、合致するので、第1主部3111の他端縁に対する第2突出部322の突出量を無くすことができる。そのため、第2突出部322に対応する支持部2(第2支持部212)の強度の低下をより一層抑制できる。
【0092】
この集合体シート1では、第2配線回路基板32に向かって突出する第1本体突部3112と、第1配線回路基板31に向かって突出する第2本体突部3212とは、第1方向において隣り合う。そのため、第1本体部311と第2本体部321とは、並び方向において、コンパクトに配置される。そのため、1つの集合体シート1における配線回路基板3の数(取り数)をより一層増やすことができる。
【0093】
図3に示すように、この集合体シート1では、支持部2は、金属支持層11を含むので、支持部2の強度を高くできる。
【0094】
この集合体シート1では、支持部2は、金属支持層11に加え、導体層13をさらに含むので、支持部の強度を1より一層高くできる。
【0095】
この集合体シート1では、支持部2は、金属支持層11に加え、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14をさらに含むので、支持部2の靱性を高めることができる。そのため、支持部2の強度を高めることができる。
【0096】
3. 変形例
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
【0097】
3.1 第1変形例
図示しないが、第1突出部312は、第1本体部311の第1本体突部3112からではなく、第1本体部311の第1主部3111から、支持部2(第1支持部211)に向かって突出してもよい。
【0098】
3.2 第2変形例
図示しないが、第2突出部322は、第2本体部321の第2本体突部3212からではなく、第2本体部321の第2主部3211から、支持部2(第2支持部212)に向かって突出してもよい。
【0099】
3.3 第3変形例
支持部2は、絶縁層として、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14のいずれか一方を含み、他方を含まなくてもよい。
【0100】
3.4 第4変形例
支持部2は、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14のいずれをも含まなくてもよい。
【0101】
3.5 第5変形例
支持部2は、導体層13を含まなくてもよい。
【0102】
一実施形態、および、第3変形例から第5変形例のうち、好ましくは、一実施形態である。一実施形態では、支持部2は、金属支持層11と、ベース絶縁層12と、導体層13と、カバー絶縁層14とを備えるので、支持部2の強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0103】
1 集合体シート
2 支持部
3 配線回路基板
4 開口部
5 連結部
11 金属支持層
12 ベース絶縁層
13 導体層
14 カバー絶縁層
31 第1配線回路基板
32 第2配線回路基板
51 第1連結部
52 第2連結部
131 第1層
132 第2層
211 第1支持部
212 第2支持部
311 第1本体部
312 第1突出部
321 第2本体部
322 第2突出部
3111 第1主部
3112 第1本体突部
3211 第2主部
3212 第2本体突部
L1 第1線
L2 第2線