(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046030
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】テンプレート生成装置、描画システム、テンプレート生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20240327BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240327BHJP
G01B 11/00 20060101ALN20240327BHJP
G01B 11/24 20060101ALN20240327BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 521
G01B11/00 C
G01B11/24 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151168
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】中井 浩平
(72)【発明者】
【氏名】坂本 道昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 尚武
【テーマコード(参考)】
2F065
2H197
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA07
2F065AA12
2F065AA14
2F065AA56
2F065BB01
2F065CC01
2F065DD03
2F065FF01
2F065FF04
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065PP01
2F065PP12
2F065QQ24
2F065QQ39
2F065RR02
2F065RR05
2H197AA21
2H197CC05
2H197CD02
2H197CD06
2H197CD12
2H197CD15
2H197CD17
2H197CD18
2H197EB30
2H197HA02
2H197HA03
2H197HA05
(57)【要約】
【課題】描画装置における基板のアライメント精度を向上する。
【解決手段】テンプレート生成装置の領域選択部は、基板上に設けられるパターンのCADデータから所定の大きさのテンプレート領域を選択する。テンプレート生成部は、描画装置の撮像用解像度にて、当該CADデータのテンプレート領域をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレート71を生成する。当該撮像用解像度は、描画装置の描画用解像度とは異なる。テンプレート生成部は、テンプレート71に含まれる複数の撮像用画素95に対して、パターン要素93に対応する画素の画素値を第1画素値に設定し、背景領域96に対応する画素の画素値を第2画素値に設定し、パターン要素93のエッジを含む画素であるエッジ含有画素95aの画素値を、第1画素値と第2画素値との間の第3画素値に設定する。これにより、描画装置における基板のアライメント精度を向上することができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画装置における基板のアライメントに使用されるテンプレートを生成するテンプレート生成装置であって、
基板上に設けられるパターンのCADデータであるパターンCADデータから、パターン要素の少なくとも一部を含む所定の大きさのテンプレート領域を選択する領域選択部と、
描画装置の描画用解像度とは異なる前記描画装置の撮像部の撮像用解像度にて、前記パターンCADデータの前記テンプレート領域をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレートを生成するテンプレート生成部と、
を備え、
前記テンプレート生成部は、前記テンプレートに含まれる複数の画素に対して、前記パターン要素に対応する画素の画素値を第1画素値に設定し、背景領域に対応する画素の画素値を第2画素値に設定し、前記パターン要素のエッジを含む画素であるエッジ含有画素の画素値を、前記第1画素値と前記第2画素値との間の第3画素値に設定することを特徴とするテンプレート生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のテンプレート生成装置であって、
前記第3画素値は、前記エッジ含有画素における前記エッジの位置に基づいて設定されることを特徴とするテンプレート生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載のテンプレート生成装置であって、
前記第3画素値は、前記エッジ含有画素における前記パターン要素の占有率に基づいて設定されることを特徴とするテンプレート生成装置。
【請求項4】
請求項1に記載のテンプレート生成装置であって、
前記撮像部により取得された前記テンプレート領域の撮像画像に基づいて、前記テンプレートの前記エッジ含有画素の画素値を補正するテンプレート補正部をさらに備えることを特徴とするテンプレート生成装置。
【請求項5】
描画システムであって、
請求項1ないし4のいずれか1つに記載のテンプレート生成装置と、
前記テンプレート生成装置によって生成された前記テンプレートを用いて基板のアライメントを行い、前記基板に光を照射して描画を行う描画装置と、
を備え、
前記描画装置は、
上面上に前記パターンが予め設けられている前記基板を保持するステージと、
前記基板の前記上面に変調された光を照射する描画ヘッドと、
前記基板の前記上面に平行な走査方向に、前記ステージを前記描画ヘッドに対して相対的に移動する走査機構と、
前記パターンの一部を撮像する撮像部と、
前記撮像部により取得された撮像画像に対して前記テンプレートを用いたパターンマッチングを行うことにより前記基板の位置を検出する位置検出部と、
前記パターン上に描画される他のパターンのCADデータである他のパターンCADデータを記憶する記憶部と、
前記他のパターンCADデータをラスタライズしてラスタデータを生成するデータ生成部と、
前記ラスタデータおよび前記位置検出部により検出された前記基板の位置に基づいて前記描画ヘッドおよび前記走査機構を制御することにより、前記描画ヘッドに対して前記走査方向に相対移動する前記基板への前記他のパターンの描画を実行させる描画制御部と、
を備えることを特徴とする描画システム。
【請求項6】
描画装置における基板のアライメントに使用されるテンプレートを生成するテンプレート生成方法であって、
a)基板上に設けられるパターンのCADデータであるパターンCADデータから、パターン要素の少なくとも一部を含む所定の大きさのテンプレート領域を選択する工程と、
b)描画装置の描画用解像度とは異なる前記描画装置の撮像部の撮像用解像度にて前記パターンCADデータの前記テンプレート領域をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレートを生成する工程と、
を備え、
前記b)工程では、前記テンプレートに含まれる複数の画素に対して、前記パターン要素に対応する画素の画素値が第1画素値に設定され、背景領域に対応する画素の画素値が第2画素値に設定され、前記パターン要素のエッジを含む画素であるエッジ含有画素の画素値が、前記第1画素値と前記第2画素値との間の第3画素値に設定されることを特徴とするテンプレート生成方法。
【請求項7】
描画装置における基板のアライメントに使用されるテンプレートを生成する際に使用されるプログラムであって、
前記プログラムがコンピュータによって実行されることにより、
a)基板上に設けられるパターンのCADデータであるパターンCADデータから、パターン要素の少なくとも一部を含む所定の大きさのテンプレート領域を選択する工程と、
b)描画装置の描画用解像度とは異なる前記描画装置の撮像部の撮像用解像度にて前記パターンCADデータの前記テンプレート領域をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレートを生成する工程と、
が実行され、
前記b)工程では、前記テンプレートに含まれる複数の画素に対して、前記パターン要素に対応する画素の画素値が第1画素値に設定され、背景領域に対応する画素の画素値が第2画素値に設定され、前記パターン要素のエッジを含む画素であるエッジ含有画素の画素値が、前記第1画素値と前記第2画素値との間の第3画素値に設定されることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画装置における基板のアライメントに使用されるテンプレートを生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板、プリント基板、または、有機EL表示装置もしくは液晶表示装置用のガラス基板等(以下、「基板」という。)に形成された感光材料に光を照射することにより、パターンの描画が行われている。このような描画を行う描画装置では、基板上に設けられたアライメントマークの位置を検出してパターンの描画位置を自動的に調節するアライメント処理が行われている。
【0003】
近年、プリント基板に対する描画では、1枚の基板から採取できるピース数を増加させるために、アライメントマークを配置するためのスペースの削減が求められている。そこで、基板にアライメント専用のマークを設けることなく、基板上のパターンの一部をアライメントマークとして利用することが行われている。
【0004】
例えば、特許文献1の露光装置では、基板上のパターンを撮像して得られた画像内において、当該パターンの一部が、アライメント処理に利用される基準マークモデル(すなわち、テンプレート)として設定されて予め登録される。そして、露光すべき基板が露光装置に搬入されると、当該基板上のパターンの一部がカメラにより撮像され、得られた画像と上記基準マークモデルとのパターンマッチングが行われて当該基板のアライメント処理が行われる。
【0005】
一方、特許文献2では、走査電子顕微鏡におけるパターンの自動測長において、CADデータから任意の領域のパターンデータを取り込み、当該パターンデータからパターン輪郭エッジデータを抽出してテンプレートエッジデータを生成する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-171988号公報
【特許文献2】特開2000-236007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、描画装置において基板に対する描画データの解像度が、基板上のパターンを撮像するカメラの解像度と異なる場合、当該カメラの解像度に合わせてCADデータから2値のテンプレートを生成すると、量子化誤差が生じるおそれがある。具体的には、CADデータにおけるパターンのエッジが、カメラの画素の境界からずれている部位において、当該エッジを含む画素の値が2値(白または黒)のどちらになるかが不明となる。したがって、生成されたテンプレートにおけるパターンの形状や重心位置が、実際のパターンの形状や重心位置とは異なる可能性があり、アライメント精度の向上が難しかった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、描画装置における基板のアライメント精度を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様1は、描画装置における基板のアライメントに使用されるテンプレートを生成するテンプレート生成装置であって、基板上に設けられるパターンのCADデータであるパターンCADデータから、パターン要素の少なくとも一部を含む所定の大きさのテンプレート領域を選択する領域選択部と、描画装置の描画用解像度とは異なる前記描画装置の撮像部の撮像用解像度にて、前記パターンCADデータの前記テンプレート領域をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレートを生成するテンプレート生成部と、を備える。前記テンプレート生成部は、前記テンプレートに含まれる複数の画素に対して、前記パターン要素に対応する画素の画素値を第1画素値に設定し、背景領域に対応する画素の画素値を第2画素値に設定し、前記パターン要素のエッジを含む画素であるエッジ含有画素の画素値を、前記第1画素値と前記第2画素値との間の第3画素値に設定する。
【0010】
本発明の態様2は、態様1のテンプレート生成装置であって、前記第3画素値は、前記エッジ含有画素における前記エッジの位置に基づいて設定される。
【0011】
本発明の態様3は、態様1のテンプレート生成装置であって、前記第3画素値は、前記エッジ含有画素における前記パターン要素の占有率に基づいて設定される。
【0012】
本発明の態様4は、態様1(態様1ないし3のいずれか1つであってもよい。)のテンプレート生成装置であって、前記撮像部により取得された前記テンプレート領域の撮像画像に基づいて、前記テンプレートの前記エッジ含有画素の画素値を補正するテンプレート補正部をさらに備える。
【0013】
本発明の態様5は、描画システムであって、態様1ないし4のいずれか1つに記載のテンプレート生成装置と、前記テンプレート生成装置によって生成された前記テンプレートを用いて基板のアライメントを行い、前記基板に光を照射して描画を行う描画装置と、を備える。前記描画装置は、上面上に前記パターンが予め設けられている前記基板を保持するステージと、前記基板の前記上面に変調された光を照射する描画ヘッドと、前記基板の前記上面に平行な走査方向に、前記ステージを前記描画ヘッドに対して相対的に移動する走査機構と、前記パターンの一部を撮像する撮像部と、前記撮像部により取得された撮像画像に対して前記テンプレートを用いたパターンマッチングを行うことにより前記基板の位置を検出する位置検出部と、前記パターン上に描画される他のパターンのCADデータである他のパターンCADデータを記憶する記憶部と、前記他のパターンCADデータをラスタライズしてラスタデータを生成するデータ生成部と、前記ラスタデータおよび前記位置検出部により検出された前記基板の位置に基づいて前記描画ヘッドおよび前記走査機構を制御することにより、前記描画ヘッドに対して前記走査方向に相対移動する前記基板への前記他のパターンの描画を実行させる描画制御部と、を備える。
【0014】
本発明の態様6は、描画装置における基板のアライメントに使用されるテンプレートを生成するテンプレート生成方法であって、a)基板上に設けられるパターンのCADデータであるパターンCADデータから、パターン要素の少なくとも一部を含む所定の大きさのテンプレート領域を選択する工程と、b)描画装置の描画用解像度とは異なる前記描画装置の撮像部の撮像用解像度にて前記パターンCADデータの前記テンプレート領域をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレートを生成する工程と、を備える。前記b)工程では、前記テンプレートに含まれる複数の画素に対して、前記パターン要素に対応する画素の画素値が第1画素値に設定され、背景領域に対応する画素の画素値が第2画素値に設定され、前記パターン要素のエッジを含む画素であるエッジ含有画素の画素値が、前記第1画素値と前記第2画素値との間の第3画素値に設定される。
【0015】
本発明の態様7は、描画装置における基板のアライメントに使用されるテンプレートを生成する際に使用されるプログラムであって、前記プログラムがコンピュータによって実行されることにより、a)基板上に設けられるパターンのCADデータであるパターンCADデータから、パターン要素の少なくとも一部を含む所定の大きさのテンプレート領域を選択する工程と、b)描画装置の描画用解像度とは異なる前記描画装置の撮像部の撮像用解像度にて前記パターンCADデータの前記テンプレート領域をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレートを生成する工程と、が実行される。前記b)工程では、前記テンプレートに含まれる複数の画素に対して、前記パターン要素に対応する画素の画素値が第1画素値に設定され、背景領域に対応する画素の画素値が第2画素値に設定され、前記パターン要素のエッジを含む画素であるエッジ含有画素の画素値が、前記第1画素値と前記第2画素値との間の第3画素値に設定される。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、描画装置における基板のアライメント精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一の実施の形態に係る描画システムを示す斜視図である。
【
図4】テンプレート生成装置の機能を示すブロック図である。
【
図9B】テンプレートの生成の流れを示す図である。
【
図10】テンプレートの一部を拡大して示す図である。
【
図12】テンプレートの生成の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る描画システム5を示す斜視図である。描画システム5は、描画装置1と、コンピュータ100とを備える。描画装置1は、空間変調された略ビーム状の光を基板9上の感光材料に照射し、当該光の照射領域を基板9上にて走査することによりパターンの描画を行う直接描画装置である。
図1では、互いに直交する3つの方向をX方向、Y方向およびZ方向として矢印にて示している。
図1に示す例では、X方向およびY方向は互いに垂直な水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。他の図においても同様である。
【0019】
基板9は、例えば、平面視において略矩形状の板状部材である。基板9は、例えば、多層プリント配線基板(以下、単に「プリント基板」と呼ぶ。)である。本実施の形態では、基板9の上面91には、銅(Cu)等により形成された回路パターンが予め形成されており、当該回路パターン上に感光材料により形成されたレジスト膜が設けられている。そして、描画装置1において、基板9の当該レジスト膜にソルダパターンが描画(すなわち、形成)される。当該ソルダパターンは、上述の回路パターン上に、当該回路パターンに合わせて描画される。なお、基板9には、後述する位置検出処理(すなわち、アライメント処理)専用のアライメントマークは設けられていない。
【0020】
以下の説明では、基板9の上面91上に予め形成されているパターン(すなわち、回路パターン)を「第1パターン」とも呼ぶ。また、描画装置1において基板9の上面91上に描画される予定のパターン(すなわち、ソルダパターン)を「第2パターン」または「他のパターン」とも呼ぶ。なお、基板9の種類および形状等は様々に変更されてよい。また、描画装置1により基板9に描画されるパターンもソルダパターンには限定されず、様々に変更されてよい。
【0021】
図1に示すように、描画装置1は、ステージ21と、ステージ移動機構22と、撮像部3と、描画部4とを備える。ステージ21は、撮像部3および描画部4の下方(すなわち、(-Z)側)において、水平状態の基板9を下側から保持する略平板状の基板保持部である。ステージ21は、例えば、基板9の下面を吸着して保持するバキュームチャックである。ステージ21は、バキュームチャック以外の構造を有していてもよく、例えば、メカニカルチャックであってもよい。ステージ21上に載置された基板9の上面91は、Z方向に対して略垂直であり、X方向およびY方向に略平行である。
【0022】
ステージ移動機構22は、ステージ21を撮像部3および描画部4に対して水平方向(すなわち、基板9の上面91に略平行な方向)に相対的に移動する移動機構である。ステージ移動機構22は、第1移動機構23と、第2移動機構24とを備える。第2移動機構24は、ステージ21をガイドレールに沿ってX方向に直線移動する。第1移動機構23は、ステージ21を第2移動機構24と共にガイドレールに沿ってY方向に直線移動する。第1移動機構23および第2移動機構24の駆動源は、例えば、リニアサーボモータ、または、ボールネジにモータが取り付けられたものである。第1移動機構23および第2移動機構24の構造は、様々に変更されてよい。
【0023】
描画装置1では、Z方向に延びる回転軸を中心としてステージ21を回転するステージ回転機構が設けられてもよい。また、ステージ21をZ方向に移動するステージ昇降機構が描画装置1に設けられてもよい。ステージ回転機構として、例えば、サーボモータが利用可能である。ステージ昇降機構として、例えば、リニアサーボモータが利用可能である。ステージ回転機構およびステージ昇降機構の構造は、様々に変更されてよい。
【0024】
撮像部3は、X方向に配列される複数(
図1に示す例では、2つ)の撮像ヘッド31を備える。各撮像ヘッド31は、ステージ21およびステージ移動機構22を跨いで設けられる門形のヘッド支持部30により、ステージ21およびステージ移動機構22の上方にて支持される。2つの撮像ヘッド31のうち、一方の撮像ヘッド31はヘッド支持部30に固定されており、他方の撮像ヘッド31はヘッド支持部30上においてX方向に移動可能である。これにより、2つの撮像ヘッド31間のX方向の距離を変更することができる。なお、撮像部3の撮像ヘッド31の数は、1であってもよく、3以上であってもよい。
【0025】
各撮像ヘッド31は、図示省略の撮像センサおよび光学系を備えるカメラである。各撮像ヘッド31は、例えば、2次元の画像を取得するエリアカメラである。撮像センサは、例えば、マトリクス状に配列された複数のCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備える。各撮像ヘッド31では、図示省略の光源から基板9の上面91へと導かれた照明光の反射光が、光学系を介して撮像センサへと導かれる。撮像センサは、基板9の上面91からの反射光を受光し、略矩形状の撮像領域の画像を取得する。上記光源としては、LED(Light Emitting Diode)等の様々な光源が利用可能である。なお、各撮像ヘッド31は、ラインカメラ等、他の種類のカメラであってもよい。
【0026】
描画部4は、X方向およびY方向に配列される複数の描画ヘッド41を備える。
図1に示す例では、6つの描画ヘッド41がX方向に略直線状に配列される。各描画ヘッド41は、ステージ21およびステージ移動機構22を跨いで設けられる門形のヘッド支持部40により、ステージ21およびステージ移動機構22の上方にて支持される。ヘッド支持部40は、撮像部3のヘッド支持部30よりも(+Y)側に配置されている。なお、描画部4の描画ヘッド41の数は適宜変更されてよい。例えば、描画ヘッド41の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
【0027】
各描画ヘッド41は、図示省略の光源、光学系および空間光変調素子を備える。空間光変調素子としては、DMD(Digital Micro Mirror Device)やGLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(シリコン・ライト・マシーンズ(サニーベール、カリフォルニア)の登録商標)等の様々な素子が利用可能である。光源としては、LD(Laser Diode)等の様々な光源が利用可能である。複数の描画ヘッド41は、略同じ構造を有する。
【0028】
描画装置1では、描画部4の複数の描画ヘッド41から変調された(すなわち、空間光変調された)光を基板9の上面91上に照射しつつ、ステージ移動機構22により基板9をY方向に移動する。これにより、複数の描画ヘッド41からの光の照射領域が基板9上にてY方向に走査され、基板9に対するパターンの描画が行われる。以下の説明では、Y方向を「走査方向」とも呼び、X方向を「幅方向」とも呼ぶ。ステージ移動機構22は、各描画ヘッド41からの光の照射領域を基板9上にて走査方向に移動する走査機構である。
【0029】
描画装置1では、基板9に対する描画は、いわゆるシングルパス(ワンパス)方式で行われる。具体的には、ステージ移動機構22により、ステージ21が複数の描画ヘッド41に対してY方向に相対移動され、複数の描画ヘッド41からの光の照射領域が、基板9の上面91上にてY方向(すなわち、走査方向)に1回のみ走査される。これにより、基板9に対する描画が完了する。なお、描画装置1では、ステージ21のY方向への移動とX方向へのステップ移動とが繰り返されるマルチパス方式により、基板9に対する描画が行われてもよい。描画装置1においてマルチパス方式の描画が行われる場合、Y方向は主走査方向であり、X方向は副走査方向である。また、ステージ移動機構22の第1移動機構23は、ステージ21を主走査方向に移動させる主走査機構であり、第2移動機構24は、ステージ21を副走査方向に移動させる副走査機構である。
【0030】
図2は、コンピュータ100の構成を示す図である。コンピュータ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、入出力部103と、バス104とを備える通常のコンピュータである。バス104は、プロセッサ101、メモリ102および入出力部103を接続する信号回路である。メモリ102は、各種情報を記憶する。メモリ102は、例えば、記憶媒体81に予め記憶されているプログラムプロダクトであるプログラム109aおよびプログラム109bを読み出して記憶する。記憶媒体81は、例えば、USBメモリやCD-ROMである。
【0031】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶される上記プログラム109a,109b等に従って、メモリ102等を利用しつつ様々な処理(例えば、数値計算や画像処理)を実行する。入出力部103は、操作者からの入力を受け付けるキーボード105およびマウス106、並びに、プロセッサ101からの出力等を表示するディスプレイ107を備える。
【0032】
描画システム5では、コンピュータ100によってプログラム109aが実行されることにより、
図3に示す制御部10の各機能が実現される。制御部10は、描画装置1の一部である。また、描画システム5では、コンピュータ100によってプログラム109bが実行されることにより、
図4に示すテンプレート生成装置6の各機能が実現される。
図3は、制御部10の機能を示すブロック図であり、
図4は、テンプレート生成装置6の機能を示すブロック図である。
図3では、制御部10以外の構成も併せて示し、
図4では、テンプレート生成装置6以外の構成も併せて示す。
【0033】
図3に示す制御部10は、ステージ移動機構22、撮像部3および描画部4等を制御する。制御部10は、記憶部111と、撮像制御部112と、位置検出部113と、データ生成部114と、描画制御部115とを備える。記憶部111は、主にメモリ102により実現され、描画装置1におけるパターンの描画に関する各種情報を予め記憶する。記憶部111に記憶されている情報には、例えば、基板9に描画される予定の第2パターンのCADデータであるパターンCADデータ(以下、「第2CADデータ」とも呼ぶ。)、および、テンプレート生成装置6から描画装置1に送られた情報が含まれる。テンプレート生成装置6からは、例えば、後述するアライメントに使用されるテンプレート等が描画装置1に送られる。
【0034】
撮像制御部112、位置検出部113、データ生成部114および描画制御部115は、主にプロセッサ101により実現される。撮像制御部112は、撮像部3およびステージ移動機構22を制御することにより、基板9の上面91の一部を撮像部3に撮像させて上記第1パターンの一部の画像(以下、「撮像画像」とも呼ぶ。)を取得させる。当該撮像画像は、例えば、グレースケールの画像である。当該撮像画像は、記憶部111へと送られて格納される。
【0035】
位置検出部113は、上述の第1パターンの撮像画像に対して、記憶部111に予め記憶されているテンプレートを用いたパターンマッチングを行うことにより、ステージ21上における基板9の位置(すなわち、描画部4に対する基板9の相対位置)を検出する。データ生成部114は、上述の第2CADデータをラスタライズして、ラスタデータである描画データ(以下、「第2描画データ」とも呼ぶ。)を生成する。第2描画データは、例えば、ランレングスデータである。
【0036】
描画制御部115は、データ生成部114により生成された第2描画データ、および、位置検出部113により検出された基板9の位置等に基づいて、描画部4およびステージ移動機構22を制御することにより、基板9上の描画位置を調節しつつ、描画部4に基板9に対する第2パターンの描画を実行させる。
【0037】
なお、制御部10は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)や回路基板等でにより実現されてもよく、これらと1つ以上のコンピュータとの組み合わせにより実現されてもよい。
【0038】
図4に示すテンプレート生成装置6は、描画装置1における基板9のアライメントに使用されるテンプレート(すなわち、基準画像)を生成する装置である。テンプレート生成装置6は、記憶部61と、領域選択部62と、テンプレート生成部63と、テンプレート補正部64とを備える。記憶部61は、主にメモリ102により実現され、テンプレートの生成に関する各種情報を予め記憶する。記憶部61に記憶されている情報には、例えば、上述の第1パターンのCADデータであるパターンCADデータ(以下、「第1CADデータ」とも呼ぶ。)が含まれる。第1CADデータは、第1パターンを構成する複数のパターン要素を含む。
【0039】
領域選択部62は、上述の複数のパターン要素のうち、1つ以上のパターン要素の少なくとも一部を含む所定の大きさの領域を、テンプレート領域として第1CADデータから選択する。テンプレート生成部63は、第1CADデータのテンプレート領域を、撮像部3の撮像用解像度(すなわち、撮像ヘッド31の撮像センサの解像度)にてラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレートを生成する。当該撮像用解像度は、描画装置1における描画部4の描画用解像度とは異なる。テンプレート補正部64は、テンプレート生成部63により生成されたテンプレートを、必要に応じて補正する。テンプレート生成部63により生成されたテンプレート、および/または、テンプレート補正部64により補正されたテンプレートは、制御部10へと送られる。
【0040】
なお、テンプレート生成装置6は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)や回路基板等でにより実現されてもよく、これらと1つ以上のコンピュータとの組み合わせにより実現されてもよい。
【0041】
図5は、テンプレート領域92の一例を示す図である。テンプレート領域92は、第1CADデータが示す第1パターンの一部である比較的小さい領域である。テンプレート領域92は、撮像部3の各撮像ヘッド31(
図1参照)の視野よりも小さい。
図5に示す例では、テンプレート領域92には、略矩形の1つのパターン要素93が含まれる。
図5では、パターン要素93に平行斜線を付し、パターン要素93のエッジ(すなわち、パターン要素93と背景領域96との境界)を太線にて示す。
図6においても同様である。実際のテンプレート領域92では、
図5に例示するパターン要素93よりも複雑な形状を有する1つ以上のパターン要素の少なくとも一部が含まれる。
【0042】
図5では、上述の描画用解像度に対応する画素94(以下、「描画用画素94」とも呼ぶ。)を破線にて示す。複数の描画用画素94は、X方向およびY方向にマトリクス状に配置される。各描画用画素94は、例えば、1辺が1μmの略正方形である。描画用解像度は、描画部4によりパターンが基板9に描画される際の所定の解像度である。
【0043】
図6は、
図5に示す描画用画素94に代えて、上述の撮像用解像度に対応する画素95(以下、「撮像用画素95」とも呼ぶ。)をテンプレート領域92に配置した図である。破線にて示す複数の撮像用画素95は、X方向およびY方向にマトリクス状に配置される。各撮像用画素95は、例えば、1辺が4μmの略正方形である。
図5および
図6に示す例では、撮像用画素95は描画用画素94よりも大きく、撮像用解像度は描画用解像度よりも低い。
【0044】
図5に示すように、パターン要素93の(-X)側のエッジ931、(+Y)側のエッジ932、(+X)側のエッジ933および(-Y)側のエッジ934は、描画用画素94の境界上に位置している。また、
図6に示すように、パターン要素93の(-X)側のエッジ931、および、パターン要素93の(+Y)側のエッジ932は、撮像用画素95の境界上に位置している。一方、パターン要素93の(+X)側のエッジ933は、撮像用画素95の境界からX方向にずれており、Y方向に並ぶ複数の撮像用画素95を縦断している。また、パターン要素93の(-Y)側のエッジ934は、撮像用画素95の境界からY方向にずれており、X方向に並ぶ複数の撮像用画素95を横断している。
【0045】
図7Aおよび
図7Bはそれぞれ、比較例のテンプレート70aおよび70bを示す図である。比較例のテンプレート70a,70bは、比較例のテンプレート生成装置によってテンプレート領域92が撮像用解像度にてラスタライズされて生成された2値のテンプレートである。比較例のテンプレート70a,70bでは、テンプレート領域92のパターン要素93に対応するテンプレート要素707における撮像用画素95の画素値が「0(黒)」に設定され、背景領域96に対応するテンプレート背景領域708における撮像用画素95の画素値が「255(白)」に設定される。
【0046】
上述のように、
図6に示すテンプレート領域92において、パターン要素93のエッジ931,932は撮像用画素95の境界上に位置する。このため、比較例のテンプレート70a,70bにおけるテンプレート要素707の(-X)側および(+Y)側のエッジ701,702の位置は、テンプレート領域92におけるパターン要素93のエッジ931,932の位置と略同じである。
図7Aおよび
図7Bでは、パターン要素93を二点鎖線にて示す。
【0047】
一方、
図6に示すテンプレート領域92において、パターン要素93のエッジ933,934は撮像用画素95の境界上からずれている。このため、比較例のテンプレート70a,70bにおけるテンプレート要素707の(+X)側および(-Y)側のエッジ703,704の位置は、テンプレート領域92におけるパターン要素93のエッジ933,934の位置とは異なる。すなわち、比較例のテンプレート70a,70bでは、描画用解像度と撮像用解像度との差異による量子化誤差が生じ、テンプレート要素707のエッジがずれる。
【0048】
具体的には、比較例のテンプレート70aでは、テンプレート要素707のエッジ703は、二点鎖線にて示すパターン要素93のエッジ933から(+X)側にずれており、テンプレート要素707のエッジ704は、二点鎖線にて示すパターン要素93のエッジ934から(-Y)側にずれている。このため、比較例のテンプレート70aでは、テンプレート要素707は、実際のパターン要素93よりも(+X)側および(-Y)側に膨張している。
【0049】
また、比較例のテンプレート70bでは、テンプレート要素707のエッジ703は、二点鎖線にて示すパターン要素93のエッジ933から(-X)側にずれており、テンプレート要素707のエッジ704は、二点鎖線にて示すパターン要素93のエッジ934から(+Y)側にずれている。このため、比較例のテンプレート70aでは、テンプレート要素707は、実際のパターン要素93よりも(-X)側および(+Y)側に縮小している。
【0050】
比較例のテンプレート70a,70bでは、上述のように、テンプレート要素707の形状および重心位置が、テンプレート領域92におけるパターン要素93の形状および重心位置とは異なる。したがって、比較例のテンプレート70a,70bを用いて基板9のアライメントを行った場合、基板9のアライメント精度(すなわち、基板9の位置合わせの精度)が低下するおそれがある。また、比較例のテンプレート生成装置では、
図6に示すテンプレート領域92からテンプレート70aおよびテンプレート70bのどちらが生成されるか不明である。したがって、上述の量子化誤差を補正してアライメント精度を向上することも難しい。
【0051】
これに対し、本実施の形態にかかるテンプレート生成装置6では、
図8に示すように、グレースケールのテンプレート71が生成される。
図8では、X方向およびY方向にマトリクス状に配列された複数の撮像用画素95の境界を破線にて示し、パターン要素93のエッジ931~934を二点鎖線にて示す。
【0052】
テンプレート71では、複数の撮像用画素95のうち、パターン要素93のエッジ931~934によって囲まれた略矩形の領域に全体が含まれる撮像用画素95(すなわち、パターン要素93に対応する撮像用画素95)の画素値が、所定の第1画素値(例えば、0(黒))に設定される。また、複数の撮像用画素95のうち、パターン要素93のエッジ931~934によって囲まれた略矩形の領域以外の領域に全体が含まれる撮像用画素95(すなわち、
図5に示す背景領域96に対応する撮像用画素95)の画素値が、所定の第2画素値(例えば、255(白))に設定される。
【0053】
テンプレート71では、パターン要素93のエッジを含む撮像用画素95であるエッジ含有画素95aの画素値が、第1画素値と第2画素値との間の画素値である第3画素値に設定される。第3画素値は、例えば、第1画素値と第2画素値との間の中央の値である128(グレー)である。なお、パターン要素93のエッジを含むエッジ含有画素95aとは、当該エッジが、境界以外の部位を通過している撮像用画素95である。エッジ含有画素95aでは、当該エッジは、エッジ含有画素95aの境界と交差し、エッジ含有画素95aの境界よりも外側の領域から、エッジ含有画素95aの境界により囲まれた内側の領域へと延びる。
【0054】
図8に示す例では、パターン要素93の(+X)側の端部において、それぞれがエッジ933の一部を含む4個のエッジ含有画素95aの画素値が第3画素値に設定される。また、パターン要素93の(-Y)側の端部において、それぞれがエッジ934の一部を含む5個のエッジ含有画素95aの画素値が第3画素値に設定される。なお、パターン要素93の(+X)側かつ(-Y)側の角部では、1つのエッジ含有画素95aが、エッジ933の端部、エッジ934の端部、および、エッジ933とエッジ934との交点を含む。当該1つのエッジ含有画素95aの画素値も、上述のように第3画素値に設定される。
【0055】
図8では、第1画素値に設定された撮像用画素95に平行斜線を付し、第2画素値に設定された撮像用画素95には平行斜線は付していない。また、第3画素値に設定された撮像用画素95(すなわち、エッジ含有画素95a)には、第1画素値に設定された撮像用画素95よりも間隔が広い平行斜線を付している。以下の説明では、
図8中において平行斜線が付された撮像用画素95(すなわち、第1画素値に設定された撮像用画素95および第3画素値に設定された撮像用画素95)の集合をまとめて、「テンプレート要素713」とも呼ぶ。
【0056】
このように、グレースケールのテンプレート71では、パターン要素93のエッジを含む撮像用画素95(すなわち、エッジ含有画素95a)の画素値を第3画素値に設定することにより、テンプレート71におけるテンプレート要素713の重心位置(すなわち、テンプレート要素713を構成する複数の撮像用画素95の濃度を考慮した重心位置)を、比較例のテンプレート70a,70bに比べて、テンプレート領域92におけるパターン要素93の重心位置に近づけることができる。換言すれば、テンプレート71では、パターン要素93のエッジを含む撮像用画素95(すなわち、エッジ含有画素95a)において、テンプレート要素713のエッジの位置を意図的に曖昧にすることにより、テンプレート要素713のエッジの位置を、比較例のテンプレート70a,70bに比べて、パターン要素93のエッジの位置に近づけることができる。したがって、テンプレート71を用いて基板9のアライメントを行うことにより、基板9のアライメント精度を向上することができる。
【0057】
なお、上述の第1画素値および第2画素値はそれぞれ、「0(黒)」および「255(白)」である必要はなく、様々に変更されてもよい。第3画素値も、必ずしも「128」である必要はなく、第1画素値と第2画素値との間において決定された1つの画素値であればよい。
【0058】
次に、描画装置1による基板9へのパターンの描画の流れについて、
図9Aおよび
図9Bを参照しつつ説明する。基板9に対する描画の際には、まず、テンプレート生成装置6において、基板9のアライメントに使用されるテンプレート71(
図8参照)が生成され、制御部10の記憶部111に記憶される(ステップS11)。
【0059】
ステップS11では、具体的には、テンプレート生成装置6の記憶部61に記憶されている第1CADデータが読み出され、領域選択部62により、第1CADデータからテンプレート領域92が選択される(ステップS111)。続いて、テンプレート生成部63によって、テンプレート領域92が上記撮像用解像度にてラスタライズされることにより、グレースケールのテンプレート71が生成される(ステップS112)。
図1に例示する描画システム5では、ステップS111において、互いに位置が異なる複数のテンプレート領域92が選択され、ステップS112において、複数のテンプレート領域92にそれぞれ対応する複数のテンプレート71が生成される。
【0060】
次に、基板9が
図1に示す描画装置1に搬入され、ステージ21により保持される(ステップS12)。ステージ21は、撮像部3および描画部4よりも(-Y)側の搬出入位置に位置している。ステージ21上に保持された基板9の上面91上には、上述の第1パターンが予め設けられている。なお、上述のステップS11(すなわち、テンプレート71の生成)は、後述するステップS14よりも前に行われるのであれば、ステップS12と並行して行われてもよく、ステップS12よりも後に行われてもよい。
【0061】
ステップS12が終了すると、ステージ移動機構22により、基板9がステージ21と共に(+Y)方向へと移動され、撮像部3の下方へと移動する。そして、撮像制御部112(
図3参照)により撮像部3およびステージ移動機構22が制御されることにより、基板9上において複数のテンプレート領域92にそれぞれ対応する複数の撮像領域が撮像され、それぞれが第1パターンの一部を含む複数の撮像画像が取得される(ステップS13)。
【0062】
上記複数の撮像領域はそれぞれ、基板9がステージ21上の設計位置に正確に保持された状態において、対応するテンプレート領域92を略中心とする略矩形状の領域である。上記複数の撮像領域の形状および大きさは、互いに同じである。当該撮像領域は、X方向およびY方向にそれぞれ平行な一対の辺を有し、X方向およびY方向の双方において、対応するテンプレート領域92よりも大きい。したがって、ステージ21上における基板9の位置が設計位置から多少ずれていたとしても、テンプレート領域92に含まれるパターン要素93は撮像画像内に含まれる。ステップS13にて取得された撮像画像は、記憶部111に格納される。なお、ステップS13は、ステップS11よりも前に行われてもよく、ステップS11と並行して行われてもよい。
【0063】
ステップS13が終了すると、制御部10の位置検出部113(
図3参照)により、各撮像画像に対して、各撮像画像に対応するテンプレート71を用いたパターンマッチングが行われる。当該パターンマッチングは、公知のパターンマッチング法(例えば、幾何学形状パターンマッチングや正規化相関サーチ等)により行われる。そして、各撮像画像におけるテンプレート71と同じパターン要素の位置、および、各撮像画像を取得した際の基板9と撮像部3との相対位置等に基づいて、ステージ21上における基板9の位置が位置検出部113によって検出される(ステップS14)。
【0064】
ステップS14において位置検出部113により検出される基板9の位置とは、ステージ21上における基板9のX方向およびY方向における座標、基板9の向き、並びに、基板9の歪み等による変形を示す情報を含む。また、基板9の変形を示す情報とは、変形している基板9の形状等の情報である。
【0065】
上述のように、描画システム5では、
図8に示すテンプレート71におけるテンプレート要素713の重心位置を、
図6に示すテンプレート領域92におけるパターン要素93の重心位置に近づけることができる。このため、ステップS14において、テンプレート71を用いて基板9のアライメントを行うことにより、ステージ21上における基板9の位置を精度良く検出することができる。
【0066】
続いて、データ生成部114(
図3参照)により、記憶部111から第2CADデータが読み出され、第2CADデータのラスタライズが行われて第2描画データが生成される(ステップS15)。なお、ステップS15は、ステップS14と並行して行われてもよく、ステップS14よりも前に行われてもよい。ステップS15がステップS14よりも前に行われる場合、例えば、ステップS15は、ステップS11~S13のいずれかと並行して行われてもよく、ステップS11~S14のいずれか2つのステップの間に行われてもよく、ステップS11よりも前に行われてもよい。
【0067】
第2描画データが生成されると、第2描画データおよびステップS14にて検出された基板9の位置に基づいて、描画部4およびステージ移動機構22が描画制御部115(
図3参照)によって制御される。これにより、描画部4の描画ヘッド41に対してY方向に相対移動される基板9に向けて、上述の変調された光が照射され、基板9の上面91上に第2パターンが描画される(ステップS16)。ステップS16では、ステップS14にて検出された基板9の位置に基づいて、描画部4から基板9へと照射される光ビームの変調間隔および変調タイミング、並びに、基板9上における光ビームの走査位置等が、描画部4およびステージ移動機構22において既知の補正方法にて機械的に自動補正される。これにより、第1パターン上に第2パターンを位置精度良く描画することができる。
【0068】
テンプレート生成装置6では、上述のステップS112においてエッジ含有画素95aに設定される第3画素値は、必ずしも1つの画素値に固定される必要はなく、例えば、エッジ含有画素95aにおけるエッジの位置に基づいて変更されてもよい。
【0069】
図10は、Y方向に並ぶ2つのエッジ含有画素95a、および、その近傍の撮像用画素95を拡大して示す図である。
図10では、2つのエッジ含有画素95aの(-X)側に隣接する2つの撮像用画素95は、二点鎖線にて示すパターン要素93に対応する撮像用画素95であり、その画素値は第1画素値に設定される。また、2つのエッジ含有画素95a、および、パターン要素93に対応する上記2つの撮像用画素95を除く他の撮像用画素95は、背景領域96に対応する撮像用画素95であり、その画素値は第2画素値に設定される。
図10に示す例では、第1画素値および第2画素値はそれぞれ、「0(黒)」および「255(白)」である。
【0070】
2つのエッジ含有画素95aのうち(+Y)側のエッジ含有画素95aは、パターン要素93のY方向に延びるエッジ933aを含んでいる。エッジ933aは、当該エッジ含有画素95aのX方向(すなわち、撮像用画素95の配列方向のうちエッジ933aと交差する方向)に関する中央よりも(+X)側に位置している。換言すれば、当該エッジ含有画素95aのうちパターン要素93と重なる領域の面積は、エッジ含有画素95aの面積の半分よりも大きい。さらに換言すれば、当該エッジ含有画素95aのうちパターン要素93と重なる領域の割合(すなわち、当該エッジ含有画素95aにおけるパターン要素93の占有率)は、50%よりも大きい。
【0071】
当該(+Y)側のエッジ含有画素95aの画素値(すなわち、第3画素値)は、例えば、「第1画素値+(第2画素値-第1画素値)×D1/D0」に設定される。D1は、エッジ933aと、エッジ含有画素95aの(+X)側の境界(すなわち、背景領域96に対応する撮像用画素95との境界)との間のX方向における距離である。D0は、エッジ含有画素95aのX方向の全幅である。
図10に示す例では、距離D1は距離D0の約1/4であり、(+Y)側のエッジ含有画素95aに設定される第3画素値は、「64(比較的濃いグレー)」である。
【0072】
2つのエッジ含有画素95aのうち(-Y)側のエッジ含有画素95aは、Y方向に延びるエッジ933bを含んでいる。エッジ933bは、当該エッジ含有画素95aのX方向に関する中央よりも(-X)側に位置している。換言すれば、当該エッジ含有画素95aのうちパターン要素93と重なる領域の面積は、エッジ含有画素95aの面積の半分よりも小さい。さらに換言すれば、当該エッジ含有画素95aにおけるパターン要素93の占有率は、50%よりも小さい。
【0073】
当該(-Y)側のエッジ含有画素95aの画素値(すなわち、第3画素値)は、例えば、「第1画素値+(第2画素値-第1画素値)×D2/D0」に設定される。D2は、エッジ933bと、エッジ含有画素95aの(+X)側の境界(すなわち、背景領域96に対応する撮像用画素95との境界)との間のX方向における距離である。
図10に示す例では、距離D2は距離D0の約3/4であり、(-Y)側のエッジ含有画素95aに設定される第3画素値は、「192(比較的薄いグレー)」である。
【0074】
このように、テンプレート71においてエッジ含有画素95aに設定される第3画素値を、エッジ含有画素95aにおけるエッジの位置に基づいて可変とすることにより、テンプレート71におけるテンプレート要素713の重心位置を、テンプレート領域92におけるパターン要素93の重心位置にさらに近づけることができる。したがって、当該テンプレート71を用いて基板9のアライメントを行うことにより、基板9のアライメント精度をさらに向上することができる。
【0075】
また、テンプレート71においてエッジ含有画素95aに設定される第3画素値は、当該エッジ含有画素95aのうちパターン要素93と重なる領域の割合(すなわち、エッジ含有画素95aにおけるパターン要素93の占有率)に基づいて可変とされてもよい。例えば、エッジ含有画素95aに設定される第3画素値は、「第1画素値+(第2画素値-第1画素値)×(1-S1/S0)」とされてもよい。S1は、エッジ含有画素95aのうちパターン要素93と重なる領域の面積である。S0は、当該エッジ含有画素95a全体の面積である。この場合、S1/S0は、エッジ含有画素95aにおけるパターン要素93の占有率である。
【0076】
図11に示す例では、パターン要素93の(+X)側かつ(-Y)側の角部を含む1つのエッジ含有画素95aでは、上述のパターン要素93の占有率は25%である。したがって、当該エッジ含有画素95aに設定される第3画素値は「192」である。また、当該エッジ含有画素95aの(+Y)側に位置する3つのエッジ含有画素95a、および、当該エッジ含有画素95aの(-X)側に位置する4つのエッジ含有画素95aでは、上述のパターン要素93の占有率は50%である。したがって、これら7つのエッジ含有画素95aに設定される第3画素値は「128」である。
【0077】
このように、テンプレート71においてエッジ含有画素95aに設定される第3画素値を、エッジ含有画素95aにおけるパターン要素93の占有率に基づいて可変とすることによっても、テンプレート71におけるテンプレート要素713の重心位置を、テンプレート領域92におけるパターン要素93の重心位置にさらに近づけることができる。したがって、当該テンプレート71を用いて基板9のアライメントを行うことにより、基板9のアライメント精度をさらに向上することができる。
【0078】
以上に説明したように、テンプレート生成装置6は、描画装置1における基板9のアライメントに使用されるテンプレートを生成する。テンプレート生成装置6は、領域選択部62と、テンプレート生成部63とを備える。領域選択部62は、基板9上に設けられるパターンのCADデータであるパターンCADデータ(すなわち、第1CADデータ)から、パターン要素93の少なくとも一部を含む所定の大きさのテンプレート領域92を選択する。テンプレート生成部63は、描画装置1の撮像部3の撮像用解像度にて、第1CADデータのテンプレート領域92をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレート71を生成する。当該撮像用解像度は、描画装置1の描画用解像度とは異なる。
【0079】
テンプレート生成部63は、テンプレート71に含まれる複数の画素(上記例では、撮像用画素95)に対して、パターン要素93に対応する画素の画素値を第1画素値に設定し、背景領域96に対応する画素の画素値を第2画素値に設定し、パターン要素93のエッジを含む画素であるエッジ含有画素95aの画素値を、第1画素値と第2画素値との間の第3画素値に設定する。これにより、上述のように、テンプレート71の生成時における量子化誤差に起因するパターンマッチングの精度低下を抑制することができる。その結果、描画装置1における基板9のアライメント精度を向上することができる。
【0080】
上述のように、第3画素値は、エッジ含有画素95aにおけるエッジの位置に基づいて設定されることが好ましい。これにより、テンプレート71の生成時における量子化誤差に起因するパターンマッチングの精度低下をさらに抑制することができる。その結果、描画装置1における基板9のアライメント精度をさらに向上することができる。
【0081】
上述のように、第3画素値は、エッジ含有画素95aにおけるパターン要素93の占有率に基づいて設定されることも好ましい。これにより、テンプレート71の生成時における量子化誤差に起因するパターンマッチングの精度低下をさらに抑制することができる。その結果、描画装置1における基板9のアライメント精度をさらに向上することができる。
【0082】
描画システム5は、上述のテンプレート生成装置6と、描画装置1とを備える。描画装置1は、テンプレート生成装置6によって生成されたテンプレート71を用いて基板9のアライメントを行い、基板9に光を照射して描画を行う。描画装置1は、ステージ21と、描画ヘッド41と、走査機構(上記例では、ステージ移動機構22)と、撮像部3と、位置検出部113と、記憶部111と、データ生成部114と、描画制御部115とを備える。
【0083】
ステージ21は、上面91上にパターン(すなわち、第1パターン)が予め設けられている基板9を保持する。描画ヘッド41は、基板9の上面91に変調された光を照射する。走査機構は、基板9の上面91に平行な走査方向(上記例では、Y方向)に、ステージ21を描画ヘッド41に対して相対的に移動する。撮像部3は、第1パターンの一部を撮像する。
【0084】
位置検出部113は、撮像部3により取得された撮像画像に対してテンプレート71を用いたパターンマッチングを行うことにより、基板9の位置を検出する。記憶部111は、第1パターン上に描画される他のパターン(すなわち、第2パターン)のCADデータである他のパターンCADデータ(すなわち、第2CADデータ)を記憶する。データ生成部114は、第2CADデータをラスタライズしてラスタデータ(すなわち、第2描画データ)を生成する。描画制御部115では、第2描画データおよび位置検出部113により検出された基板9の位置に基づいて描画ヘッド41および上記走査機構を制御することにより、描画ヘッド41に対して走査方向に相対移動する基板9への第2パターンの描画を実行させる。
【0085】
描画システム5では、上述のように、描画装置1における基板9のアライメント精度を向上することができる。このため、基板9上に予め描画されている第1パターン上に第2パターンが描画される際に、第1パターンに対する第2パターンの相対位置精度を向上することができる。
【0086】
上述のテンプレート生成方法は、基板9上に設けられるパターンのCADデータであるパターンCADデータ(すなわち、第1CADデータ)から、パターン要素93の少なくとも一部を含む所定の大きさのテンプレート領域92を選択する工程(ステップS111)と、描画装置1の撮像部3の撮像用解像度にて第1CADデータのテンプレート領域92をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレート71を生成する工程(ステップS112)と、を備える。当該撮像用解像度は、描画装置1の描画用解像度とは異なる。
【0087】
ステップS112では、テンプレート71に含まれる複数の画素(上記例では、撮像用画素95)に対して、パターン要素93に対応する画素の画素値が第1画素値に設定され、背景領域96に対応する画素の画素値が第2画素値に設定され、パターン要素93のエッジを含む画素であるエッジ含有画素95aの画素値が、第1画素値と第2画素値との間の第3画素値に設定される。これにより、上述のように、テンプレート71の生成時における量子化誤差に起因するパターンマッチングの精度低下を抑制することができる。その結果、描画装置1における基板9のアライメント精度を向上することができる。
【0088】
上述のプログラム109bは、描画装置1における基板9のアライメントに使用されるテンプレート71を生成する際に使用される。プログラム109bがコンピュータ100によって実行されることにより、基板9上に設けられるパターンのCADデータであるパターンCADデータ(すなわち、第1CADデータ)から、パターン要素93の少なくとも一部を含む所定の大きさのテンプレート領域92を選択する工程(ステップS111)と、描画装置1の撮像部3の撮像用解像度にて第1CADデータのテンプレート領域92をラスタライズすることにより、グレースケールのテンプレート71を生成する工程(ステップS112)と、が実行される。当該撮像用解像度は、描画装置1の描画用解像度とは異なる。
【0089】
ステップS112では、テンプレート71に含まれる複数の画素(上記例では、撮像用画素95)に対して、パターン要素93に対応する画素の画素値が第1画素値に設定され、背景領域96に対応する画素の画素値が第2画素値に設定され、パターン要素93のエッジを含む画素であるエッジ含有画素95aの画素値が、第1画素値と第2画素値との間の第3画素値に設定される。これにより、上述のように、テンプレート71の生成時における量子化誤差に起因するパターンマッチングの精度低下を抑制することができる。その結果、描画装置1における基板9のアライメント精度を向上することができる。
【0090】
ステップS11では、
図12に示すように、上述のステップS111~S112に加えて、テンプレート71の補正(ステップS113)が行われてもよい。ステップS113では、ステップS112において生成されたテンプレート71のエッジ含有画素95aの画素値(すなわち、第3画素値)が、テンプレート補正部64(
図4参照)によって補正される。テンプレート補正部64では、撮像部3によって予め取得されたテンプレート領域92の撮像画像に基づいて、エッジ含有画素95aの画素値が補正される。
【0091】
これにより、基板9上のレジストの色(例えば、白、黒、緑または赤等)や、撮像画像の取得時における照明光の状態等によって、撮像画像中におけるパターンとレジストとのコントラスト(すなわち、パターン要素93と背景領域96とのコントラスト)等が変化したとしても、当該コントラスト等の変化に応じてエッジ含有画素95aの画素値が好適な値に設定される。
【0092】
具体的には、例えば、上述の撮像画像において、パターンの全体またはエッジが第1基準値よりも暗く映っている場合、テンプレート71のエッジ含有画素95aの画素値を128から64へと補正する。また、上述の撮像画像において、パターンの全体またはエッジが、第1基準値より明るい第2基準値よりも明るく映っている場合、テンプレート71のエッジ含有画素95aの画素値を128から192へと補正する。
【0093】
このように、テンプレート生成装置6は、撮像部3により取得されたテンプレート領域92の撮像画像に基づいて、テンプレート71のエッジ含有画素95aの画素値を補正するテンプレート補正部64をさらに備えることが好ましい。これにより、テンプレート71の生成時における量子化誤差に起因するパターンマッチングの精度低下をさらに抑制することができる。その結果、描画装置1における基板9のアライメント精度をさらに向上することができる。
【0094】
上述のテンプレート生成装置6、描画システム5、テンプレート生成方法およびプログラム109bでは、様々な変更が可能である。
【0095】
例えば、第1画素値、第2画素値および第3画素値の大きさは、上述の例には限定されず、様々に変更されてよい。
【0096】
上述のステップS11では、ステップS113におけるテンプレート71の補正は必ずしも行われる必要はない。また、テンプレート71の補正が行われない場合、テンプレート生成装置6からテンプレート補正部64が省略されてもよい。
【0097】
描画装置1における撮像用解像度は、描画用解像度と異なっていればよく、例えば、描画用解像度よりも高くてもよい。すなわち、撮像用画素95は描画用画素94よりも小さくてもよい。この場合であっても、描画用画素94の1辺の長さが、撮像用画素95の1辺の長さの整数倍ではない場合、上述の量子化誤差は生じる可能性がある。したがって、上述のテンプレート生成装置6によりグレースケールのテンプレートを生成することにより、描画装置1における基板9のアライメント精度を向上することができる。
【0098】
上述の例では、基板9の一方の主面に対する描画について説明したが、描画装置1では、基板9の双方の主面に対してパターンの描画が行われてもよい。この場合、基板9の他方の主面に対する描画の際にも、上記と同様に、当該他方の主面に予め形成されているパターンのCADデータから、パターンマッチングに利用されるテンプレートがテンプレート生成装置6において作成される。
【0099】
テンプレート生成装置6は、制御部10を実現するコンピュータとは異なるコンピュータにより実現されてもよい。また、テンプレート生成装置6は、必ずしも描画システム5に設けられる必要はなく、描画装置1から独立した単独の装置として使用されてもよい。
【0100】
上述の基板9は、必ずしもプリント基板には限定されず、例えば、半導体基板、液晶表示装置や有機EL表示装置等のフラットパネル表示装置用のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、または、太陽電池パネル用の基板等であってもよい。
【0101】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0102】
1 描画装置
3 撮像部
5 描画システム
6 テンプレート生成装置
9 基板
21 ステージ
22 ステージ移動機構
41 描画ヘッド
62 領域選択部
63 テンプレート生成部
64 テンプレート補正部
91 (基板の)上面
92 テンプレート領域
93 パターン要素
95 撮像用画素
95a エッジ含有画素
96 背景領域
109b プログラム
111 記憶部
113 位置検出部
114 データ生成部
115 描画制御部
931~934,933a,933b エッジ
S11~S16,S111~S113 ステップ