(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046044
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ウェーハ収納容器洗浄装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240327BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H01L21/304 648E
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151190
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 淳司
(72)【発明者】
【氏名】宮迫 久顕
(72)【発明者】
【氏名】西部 幸伸
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA37
5F131CA12
5F131DA05
5F131DA22
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA06
5F131GA14
5F131GA15
5F131GA73
5F131GA83
5F131GA84
5F131GA88
5F131HA28
5F157CC21
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】ドアの内部空間に洗浄液が入り込むことを抑制すること。
【解決手段】実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置は、一方面に、ラッチキーが挿入された状態で回転されることによりウェーハ収納容器本体とのロック/アンロックを切り替え可能なキー穴を有し、側面に前記ロック時にラッチが突出可能な突出用穴が形成されるウェーハ収納容器のドアを洗浄するウェーハ収納容器洗浄装置であって、前記ドアを保持するドア保持部と、前記ドアの他方面に対し、洗浄液を供給する洗浄液ノズルと、少なくとも前記洗浄液ノズルから前記洗浄液を前記ドアに供給しているときに、前記突出用穴からの前記洗浄液の侵入を阻害する気体の流れを生じさせる気体ノズルとを備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面に、ラッチキーが挿入された状態で回転されることによりウェーハ収納容器本体とのロック/アンロックを切り替え可能なキー穴を有し、側面に前記ロック時にラッチが突出可能な突出用穴が形成されるウェーハ収納容器のドアを洗浄するウェーハ収納容器洗浄装置であって、
前記ドアを保持するドア保持部と、
前記ドアの他方面に対し、洗浄液を供給する洗浄液ノズルと、
少なくとも前記洗浄液ノズルから前記洗浄液を前記ドアに供給しているときに、前記突出用穴からの前記洗浄液の侵入を阻害する気体の流れを生じさせる気体ノズルと、
を備えることを特徴とするウェーハ収納容器洗浄装置。
【請求項2】
洗浄槽開口部、及び、前記洗浄槽開口部に連通し、前記ウェーハ収納容器本体が載置される処理空間を有する洗浄槽本体と、
前記洗浄槽開口部に対して開閉可能に設けられ、前記ドア保持部を備える開閉蓋と、
をさらに有し、
前記気体ノズルは、前記ドア保持部により前記ドアが保持された状態で、前記ドアの前記一方面側から、前記側面を含む前記開閉蓋と前記ドアとの間に形成される気体供給空間に前記気体を供給することを特徴とする請求項1に記載のウェーハ収納容器洗浄装置。
【請求項3】
前記ドア保持部に設けられ、前記ドアを覆うカバーを備え、
前記気体ノズルは、前記側面と、前記カバーの内壁面のうちの前記側面に対向する対向面との間の隙間に連通する前記気体供給空間に気体を供給する、請求項2に記載のウェーハ収納容器洗浄装置。
【請求項4】
前記気体ノズルは、前記キー穴に対して前記気体を供給する、請求項1乃至3のいずれかに記載のウェーハ収納容器洗浄装置。
【請求項5】
前記ラッチキーおよび前記キー穴は貫通孔を有し、
前記ラッチキーを前記ドアに挿入した状態で、前記気体ノズルから前記貫通孔に対して前記気体を供給する、請求項1乃至3のいずれかに記載のウェーハ収納容器洗浄装置。
【請求項6】
前記気体ノズルは、更に、前記ウェーハ収納容器の洗浄処理後に前記開閉蓋を開くときに前記気体を供給する、請求項2または3に記載のウェーハ収納容器洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ウェーハ収納容器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェーハを収納(収容)するFOUP(Front Opening Unified Pod)やFOSB(Front Opening Shipping Box)等のウェーハ収納容器を洗浄するウェーハ収納容器洗浄装置がある。ウェーハ収納容器は、半導体ウェーハを収納するウェーハ収納容器本体と、ウェーハ収納容器本体に対して開閉可能に設けられたドアとを備える。ドアの側面には、ウェーハ収納容器本体と連結するためのラッチが突出可能な穴が形成されている。また、ドアの内部には、ラッチが摺動可能な状態で設けられていることから、上述した穴と連通している内部空間が形成されている。ドアから突出されたラッチがウェーハ収納容器本体と係合することにより、ドアとウェーハ収納容器本体とが連結する。また、ラッチとウェーハ収納容器本体との係合が解除されることにより、ドアとウェーハ収納容器とが分離(分解)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウェーハ収納容器洗浄装置においては、ウェーハ収納容器本体とドアとが分離された状態でウェーハ収納容器本体及びドアに洗浄液が吐出されることにより、ウェーハ収納容器本体及びドアが洗浄される。このため、ドアの側面に形成された穴から洗浄液が内部空間に入り込んでしまい、液残りが発生してしまうことがある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ドアの内部空間に液体が入り込むことを抑制することができるウェーハ収納容器洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一態様に係るウェーハ収納容器洗浄装置は、一方面に、ラッチキーが挿入された状態で回転されることによりウェーハ収納容器本体とのロック/アンロックを切り替え可能なキー穴を有し、側面に前記ロック時にラッチが突出可能な突出用穴が形成されるウェーハ収納容器のドアを洗浄するウェーハ収納容器洗浄装置であって、前記ドアを保持するドア保持部と、前記ドアの他方面に対し、洗浄液を供給する洗浄液ノズルと、少なくとも前記洗浄液ノズルから前記洗浄液を前記ドアに供給しているときに、前記突出用穴からの前記洗浄液の侵入を阻害する気体の流れを生じさせる気体ノズルと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ドアの内部空間に液体が入り込むことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置の概略構成の一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るドアの模式図であり、ドアの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る洗浄槽内の構成を概略的に示す側面透視図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る制御部の構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る開閉蓋の構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る開閉蓋の構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1のFOUPの洗浄中の動作の一例について説明するための図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置のドア保持部がドアを保持している状態を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態において、ドア保持部から2つの蓋が外され、ドア保持部に露出した2つの穴のそれぞれに気体ノズルが挿入された状態における
図9のB-B断面図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態の変形例において、ドア保持部から2つの蓋が外され、ドア保持部に露出した2つの穴のそれぞれに気体ノズルが挿入された状態における
図9のB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するウェーハ収納容器洗浄装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本願の開示するウェーハ収納容器洗浄装置は、以下の実施形態により限定されるものではない。また、各実施形態及び各変形例は、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせることができる。なお、以下の実施形態では、洗浄対象のウェーハ収納容器が、FOUPである場合を挙げて説明するが、洗浄対象のウェーハ収納容器はこれに限られない。例えば、洗浄対象のウェーハ収納容器は、FOSBであってもよい。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1の概略構成の一例を示す平面図である。ウェーハ収納容器洗浄装置1は、例えば、半導体ウェーハを製造する工場内に設けられ、ウェーハ収納容器を洗浄する。
図1に示すように、ウェーハ収納容器洗浄装置1は、ロードポート2、ロボット3、分解/連結ステージ4、洗浄槽5、真空槽6、アンロードポート7及び制御部8を備える。
【0011】
ロボット3、分解/連結ステージ4、洗浄槽5、真空槽6及び制御部8は、ウェーハ収納容器洗浄装置1のケーシング1aの内部に設けられている。一方、ロードポート2及びアンロードポート7は、ウェーハ収納容器洗浄装置1のケーシング1aの内部及び外部に跨って設けられている。
【0012】
ロードポート2は、ロードポート2のケーシング1aの外部の部分に載置された、洗浄対象となるFOUP20をケーシング1aの内部に搬入する。FOUP20は、FOUP本体(シェル)20aとドア(蓋)20bとを備える。FOUP本体20aは、開口部(FOUP本体開口部)と、半導体ウェーハを収納する収納空間とを有する。収納空間は、FOUP本体開口部よりも内側に存在し、FOUP本体開口部に連通する。FOUP本体20aは、ウェーハ収納容器本体の一例であり、FOUP本体開口部は、容器開口部の一例である。ドア20bは、FOUP本体20aと分解/連結が可能であり、FOUP本体20aと連結した際にはFOUP本体開口部に対して開閉可能な状態で装着される。また、FOUP本体20aにはフランジ20cが設けられている。フランジ20cは、FOUP20がOHT(Overhead Hoist Transport )やロボット3等により搬送される際に把持(保持)される部分である。
【0013】
例えば、ロードポート2のケーシング1aの外部の部分には、OHTによりフランジ20cが把持された状態で搬送されたFOUP20が載置される。例えば、
図1に示すように、FOUP20のドア20bが、ケーシング1aに対向するように、FOUP20が載置される。このようにしてロードポート2にFOUP20が載置されると、ケーシング1aの開口部1bに設けられたシャッター2aが上昇する。これにより、開口部1bからFOUP20がケーシング1aの内部に搬入可能な状態となる。すなわち、FOUP20がウェーハ収納容器洗浄装置1の内部に搬入可能な状態となる。そして、ロードポート2のスライド装置によりFOUP20が、矢印2bの方向にスライドされる。これにより、FOUP20がケーシング1aの内部に搬入される。スライド装置によるスライドについて説明する。例えば、スライド装置に備えられたピンが、FOUP20の底部(載置面)に設けられた孔部に挿入されることによりFOUP20の載置面がスライド装置に固定される。この状態で、スライド装置が矢印2bの方向へスライドされることによりFOUP20も伴ってスライドされる。これにより、FOUP20は、ロードポート2のケーシング1aの内部の所定の部分上に載置された状態となる。このようにしてFOUP20がケーシング1aの内部に搬入されると、シャッター2aが下降して、ケーシング1aの開口部1bが閉じられる。スライド装置はピンとともにシャッター2aの下端(FOUP20の載置面)よりも低い位置まで降下し、ケーシング1aの外部の元の位置へ戻る。
【0014】
ロボット3は、FOUP20のフランジ20cを把持した状態でFOUP20を各部へ搬送する。ロボット3は、ロボットアーム3a及びロボットハンド3bを備えている。ロボット3は、ロボットハンド3bにフランジ20cを把持させた状態で、ロボットアーム3aを伸縮させたり回転移動させたりすることで、FOUP20を各部へ搬送する。
【0015】
分解/連結ステージ4は、FOUP20をFOUP本体20aとドア20bとに分解したり、FOUP本体20aとドア20bとを連結したりする。分解/連結ステージ4上にはラッチキー4aが設けられている。このラッチキー4aがFOUP20のドア20bに形成されたキー穴に挿入された状態で回転することで、FOUP20がFOUP本体20aとドア20bとに分解(分離)されたり、FOUP本体20aとドア20bとが連結されたりする。例えば、分解/連結ステージ4には、ケーシング1aの内部に搬入されたFOUP20がロボット3により搬送される。この場合、分解/連結ステージ4は、FOUP20をFOUP本体20aとドア20bとに分解する。なお、分解は、アンロックと言い換えることができ、連結は、ロックと言い換えることができる。
【0016】
図2は、第1の実施形態に係るドア20bの模式図であり、ドア20bの構成の一例を示す図である。
図3A及び
図3Bは、
図2のA-A断面図である。
図3Aはロック時、
図3Bはアンロック時を表す。
図2、
図3A及び
図3Bに示すように、ドア20bの外面20dには、キー穴20eが所定間隔で2つ形成されている。すなわち、外面20dには、ラッチキー4aが挿入された状態で回転されることによりFOUP本体20aとドア20bのロック/アンロックを切り替え可能なキー穴20eが形成されている。また、ドア20bの側面20fには、後述するラッチ20iが突出可能な穴(突出用穴)20gが形成されている。ドア20bの外面20dとは反対側の面(内面)20mには、穴が形成されていない。したがって、内面20mには、ドア20bの内部空間に連通するための開口が存在しない。なお、2つのキー穴20eの形成される位置は、規格により定められている。
【0017】
また、ドア20bの内部には、キーシリンダ20h、ラッチ20i及び連結部20tを備えるラッチ機構20jが設けられる空間(ラッチ摺動空間)20kが形成されている。ラッチ摺動空間20kは、ドア20bの内部空間である。ラッチ摺動空間20kは、キー穴20e及び突出用穴20gに連通している。キーシリンダ20hは、キー穴20eに対応する位置に設けられる。具体的には、キー穴20eを介してラッチキー4aがキーシリンダ20hに挿入可能なように、ドア20bのラッチ摺動空間20k内に、キーシリンダ20hが設けられている。
【0018】
キーシリンダ20hに挿入されたラッチキー4aが所定の方向に回転することで、キーシリンダ20hが回転し、キーシリンダ20hに連結された連結部20tがラッチ20iを押し出し、ラッチ機構20jの突出用穴20gから矢印20lの方向にラッチ20iが突出する(
図3A参照)。このようにして、突出されたラッチ20iがFOUP本体20aと係合することで、FOUP本体20aとドア20bとが連結され、ロックされる。FOUP本体20aの開口部端部には、凹部が設けられており、
図3Aに示す突出用穴20gから突出したラッチ20iは当該凹部に挿入される。このように、ラッチ20iは、FOUP本体20aと連結するための部材である。また、FOUP本体20aとドア20bとが連結された状態で、キーシリンダ20hに挿入されたラッチキー4aがロック時と逆の方向に回転して元の位置に戻ることで、ラッチ20iを押し出していた連結部20tも元の位置に戻り、凹部に挿入されていたラッチ20iがドア20bのラッチ摺動空間20k内に引っ込む(
図3B参照)。これにより、FOUP本体20aとドア20bとが分解され、アンロックされる。すなわち、ドア20bの内部には、キー穴20eを介してラッチキー4aが挿入された状態で回転されることにより、FOUP本体20aとドア20bのロック/アンロックを切り替え可能なラッチ機構20jが設けられている。
【0019】
洗浄槽5は、FOUP20を洗浄する槽である。
図4は、第1の実施形態に係る洗浄槽5内の構成を概略的に示す側面透視図である。例えば、洗浄槽5は、
図4に示すように、洗浄槽本体50と、開閉蓋(蓋部)5aとを備える。洗浄槽本体50は、上方に開口部(洗浄槽開口部)を有するとともに、FOUP本体20aを載置する処理空間とを有する。この処理空間は、洗浄槽開口部よりも内側に存在し、洗浄槽開口部に連通する。この洗浄槽開口部からFOUP本体20aが洗浄槽本体50の処理空間に搬入される。そして、洗浄槽本体50の処理空間には、搬入されたFOUP本体20aを保持するFOUP本体保持部が設けられている。このように、FOUP本体保持部がFOUP本体20aを保持することにより、洗浄槽本体50の処理空間にFOUP本体20aが収納される。また、開閉蓋5aは、洗浄槽本体50の上方に設けられている。具体的には、洗浄槽本体50の洗浄槽開口部に対して開閉可能に設けられている。開閉蓋5aは、エアシリンダが動作することにより洗浄槽本体50の洗浄槽開口部に対して開閉する。開閉蓋5aの内側にはドア20bを保持することが可能なドア保持部5eが設けられている。開閉蓋5aの構成については後述する。
【0020】
また、洗浄槽本体50の内部には、FOUP本体20a及びドア20bを洗浄処理する際に用いられる洗浄液(液体)が供給される洗浄液ノズル52が設けられる。また、洗浄槽本体50の内部には、FOUP本体保持部により保持されたFOUP本体20aを回転させる回転部53が設けられる。さらに、洗浄槽本体50の開閉蓋5aにはドア保持部5eにより保持されたドア20bを回転させる回転部5r(
図7参照)が設けられている。回転部53、回転部5rにより回転されるFOUP本体20a及びドア20bに、洗浄液ノズル52から洗浄液が噴射されることによって、FOUP20に対して洗浄処理が行われる。具体的には、ドア保持部5eによりドア20bが保持されるとともに、洗浄槽本体50の洗浄槽開口部に対して開閉蓋が閉じられた状態で、洗浄液ノズル52は、FOUP本体20a及びドア20bの内側の面(内面)(
図2、
図3A及び
図3B参照)20mに対して洗浄液を吐出する。吐出される洗浄液の温度は、例えば、60度~90度程度に設定され、比較的高温である。
【0021】
また、洗浄槽本体50の内部には、気体を噴射するエアブローノズル(不図示)が設けられており、液体による洗浄処理の後、エアブローノズルからの気体がFOUP本体20a及びドア20bに噴射されることにより、FOUP本体20a及びドア20bが乾燥される。なお、エアブローノズルからの気体による乾燥処理時においても、FOUP本体20a及びドア20bは回転部53、回転部5rにより回転される。また、エアブローノズルから気体を噴射することなく、回転部53、5rによる回転によってFOUP本体20a及びドア20bに付着した液体の乾燥を行うようにしても良い。エアブローノズルから噴射される気体の温度は、例えば90度~120度程度に設定される。
【0022】
本実施形態では、洗浄槽5においてFOUP20の洗浄が行われる際、ロボット3は、分解/連結ステージ4上のFOUP本体20aとドア20bとを別々に洗浄槽5に搬送する。例えば、ロボット3は、FOUP本体20aの開口部が下方に向けられた状態で、FOUP本体20aを洗浄槽本体50の洗浄槽開口部から洗浄槽本体50の内部に搬送する。そして、FOUP本体保持部は、FOUP本体20aの開口部が下方に向けられた状態で、FOUP本体20aを保持する。また、ロボット3は、ドア20bの外面20dが開閉蓋のドア保持部5eにより保持されるように、ドア20bをドア保持部5eに搬送する。開閉蓋が閉じられると、ドア20bの内側の面(内面)(
図2及び
図3A及び
図3B参照)20mが下方を向くようになる。そして、洗浄液ノズル52は、ドア20bの内面20mに液体を吐出する。
【0023】
なお、洗浄槽5においてFOUP20の洗浄が完了した場合、ロボット3は、洗浄槽5内のFOUP本体20aとドア20bとを別々に真空槽6に搬送する。
【0024】
真空槽6は、FOUP20を真空乾燥する槽である。真空槽6の内部には、真空槽6の内部に搬送されたFOUP本体20a及びドア20bを保持する保持部、ハロゲンランプ、及び、真空槽6の内部を真空引きすることができるターボポンプを備える。真空槽6は、保持部によりFOUP本体20a及びドア20bが保持された状態で、真空槽6の内部をターボポンプにより真空引きしながらハロゲンランプで加温することで、FOUP本体20a及びドア20bを真空乾燥する。
【0025】
なお、真空槽6においてFOUP20の真空乾燥が完了すると、ロボット3は、真空槽6内のFOUP本体20aとドア20bとを別々に分解/連結ステージ4上に搬送する。そして、分解/連結ステージ4は、FOUP本体20aとドア20bとを連結する。
【0026】
アンロードポート7は、アンロードポート7のケーシング1aの内部の部分にロボット3により載置された洗浄済みであり真空乾燥済みであるFOUP20をケーシング1aの外部に搬出する。
【0027】
例えば、アンロードポート7のケーシング1aの内部の部分には、真空乾燥後に、分解/連結ステージ4おいてFOUP本体20aとドア20bとが連結されたFOUP20がロボット3により搬送されて載置される。このようにしてアンロードポート7にFOUP20が載置されると、ケーシング1aの開口部1cに設けられたシャッター7aが上昇する。これにより、開口部1cからFOUP20がケーシング1aの外部に搬出可能な状態となる。すなわち、FOUP20がウェーハ収納容器洗浄装置1の外部に搬出可能な状態となる。そして、アンロードポート7のスライド装置(ロードポート2のスライド装置と同様の機構を有する)によりFOUP20が、矢印7bの方向にスライドされることにより、FOUP20がケーシング1aの外部に搬出される。このようにしてFOUP20がケーシング1aの外部に搬出されると、シャッター7aが下降して、ケーシング1aの開口部1cが閉じられる。
【0028】
制御部8は、ウェーハ収納容器洗浄装置1全体の動作を制御する。例えば、制御部8は、ロードポート2、ロボット3、分解/連結ステージ4、洗浄槽5、真空槽6及びアンロードポート7を制御することにより、上述したように、ロードポート2、ロボット3、分解/連結ステージ4、洗浄槽5、真空槽6及びアンロードポート7を動作させる。
【0029】
図5は、第1の実施形態に係る制御部8の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、制御部8は、CPU(Central Processing Unit)8aと、ROM(Read Only Memory)8bと、RAM(Random Access Memory)8cと、HDD(Hard Disk Drive)8dと、通信インタフェース8eと、を備える。これらは、内部バスを介して接続されている。
【0030】
CPU8aは、RAM8cの記憶領域を各種の処理に用いられるデータの一時的な保存領域として用いながら、各種の処理を実行する。CPU8aにより実行される処理については後述する。ROM8b及びHDD8dには各種の処理を実行するためのプログラムや、各種の処理を実行する際に用いられる各種のデータベースや各種のテーブル等が記憶されている。
【0031】
通信インタフェース8eは、ウェーハ収納容器洗浄装置1の上述した各部と通信を行うとともに、ウェーハ収納容器洗浄装置1とネットワークを介して接続された外部の装置と通信を行うためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース8eは、ネットワークインタフェースカードである。
【0032】
次に、洗浄槽5の開閉蓋の構成について説明する。
図6及び
図7は、第1の実施形態に係る開閉蓋5aの構成の一例を示す図である。
図6には、開閉蓋5aが備えるドア保持部5eによりドア20bが保持された状態が示されている。
図6に示すように、ドア保持部5eには、ドア20bの外側を覆うカバー5bが取り付けられている。カバー5bは、回転部5rによってドア保持部5eとともに回転可能に設けられている。回転時に、カバー5bの外側に位置する開閉蓋5aや洗浄槽本体50の壁面と干渉することがないよう、これらとカバー5bとの間には隙間が形成されている。カバー5bは、中空の円筒形状の部材である。カバー5bには、
図6における紙面手前側の底面を一部切り欠くように開口部5cが形成され、この開口部5cにドア20bの被洗浄面である内面20mが露出した状態で保持される。そのため開口部5cはドア20bの形状に合うように形成され、ロボット3によりドア20bが把持される際に必要なスペースを確保するための切り欠き5dが形成されている。なお、カバー5bの下端(開閉蓋5aが閉まっているときの洗浄槽本体50側の端部)は、開閉蓋5aの下端(開閉蓋5aが閉まっているときの洗浄槽本体50側の端部)よりも下方に突出している。これにより、開閉蓋5aを開いたときに開閉蓋5aに付着している洗浄液が重力にしたがって流れてドア20bに付着することを防止できる。
【0033】
図7には、開閉蓋5a側から見たカバー5bおよびドア保持部5eを示した図であり、開閉蓋5aを省略して示されたものである。なお、
図7では、ドア保持部5eによりドア20bが保持されていない状態が示されている。ドア保持部5eは、開閉蓋5aの内面5f(
図6参照)に設けられている。
図7に示すように、ドア保持部5eは、ドア20bを真空吸着するための2つの吸着パッド5gを備える。これらの吸着パッド5gにより、ドア20bの外面20dが真空吸着されることにより、ドア保持部5eによりドア20bが保持される。
【0034】
また、ドア保持部5eは、4つのパッド5h,5i,5j,5kを備える。これらのうち、2つのパッド5i,5jには、位置決め用のピンが形成されている。位置決め用のピンが、ドア20bの外面20dに形成された位置決め用の穴に係合することで、ドア保持部5eに対してドア20bが位置決めされる。前述の吸着パッド5gも、これらの4つのパッド5h,5i,5j,5kと同じものであり、図示しない吸引源によって吸着力が付与される吸着孔を有する点のみ異なる。
【0035】
また、
図7に示すように、カバー5bには、複数の穴(パージ穴)5lが円周状に形成されている。複数の穴5lを介して、気体(例えば、N
2等)が気体ノズル5n(
図8参照)より供給される。
【0036】
また、開閉蓋5aのドア保持部5eに対向する位置に分散板5mが設けられている。分散板5mは、例えば、L字状に折り曲げられた板状の部材である。分散板5mに気体ノズル5nから供給された気体が当たることで、気体の流れる方向が分散板5mにより分散される。
【0037】
次に、第1の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1のFOUP20の洗浄中の動作について説明する。
図8は、第1の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1のFOUP20の洗浄中(洗浄処理中)の動作の一例について説明するための図である。なお、
図8は、開閉蓋5a、ドア保持部5e、カバー5b、気体ノズル5n、ドア20b等の模式図である。
【0038】
図8に示すように、開閉蓋5aに気体ノズル5nが設けられ、気体ノズル5nと開閉蓋5aとの間がパッキン等で密閉されている。そして、洗浄槽5が、開閉蓋5aを閉じた状態で、FOUP本体20a及びドア20bのそれぞれを洗浄している間、気体ノズル5nは、穴5lに気体を供給する。この結果、気体ノズル5nにより供給された気体は破線の矢印5pの方向に流れる。
【0039】
すなわち、気体ノズル5nは、ドア保持部5eとドア20bの外面20dとの間に形成されるわずかな空間20nに気体を供給する。気体ノズル5nからの気体は、空間20nに連通する隙間20pにも供給される。この隙間20pは、ドア20bの側面20fと、カバー5bの内壁面の側面20fに対向する面(対向面)5xとの間の隙間である。また、隙間20pは、洗浄槽本体50の処理空間とも連通している。空間20nと、隙間20pは、それぞれ気体供給空間の一例である。
【0040】
これにより、空間20n及び隙間20pは、気体ノズル5nにより供給された気体によって陽圧に保たれる。また、ドア20bの突出用穴20gの周辺の隙間20pには、洗浄槽本体50に向かう方向のガス流が形成される。したがって、第1の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1によれば、洗浄液がドア20bの側面20f及び外面20dに付着することを抑制することができるとともに、ドア20bのラッチ摺動空間20k内に入り込むことを抑制することができる。つまり、気体ノズル5nからの気体の流れにより、洗浄液ノズル52からの洗浄液が突出用穴20gから侵入することを阻害することができる。また、カバー5bを有することにより、気体供給空間である空間20n、隙間20pを作りだすことができ(気体を供給すべき空間をできる限り狭くすることができ)、これによって効率的に、洗浄液の突出用穴20gからの侵入を阻害することができる。カバー5bの下端(開閉蓋5aが閉まっているときの洗浄槽本体50側の端部)は、
図8に示すように洗浄槽5の内側に向かって延びる延伸部分を有していることが望ましい。これにより、気体ノズル5nからの気体が隙間20pから排出される箇所を狭くすることができるため、気体の流速を速めることができ、カバー5bの下端より上方において、より好適に陽圧状態を保つことができる。
【0041】
なお、前述したとおりドア20bは回転部5rによって回転されながら洗浄処理を行うため、特定の箇所のみに気体ノズル5nからの気体が供給されて洗浄処理にムラが生じることもない。また、ドア20bの回転によって、空間20n、隙間20pの全体に気体ノズル5nからの気体が供給されることにより、ドア20bの側面20fや外面20dにまで洗浄液が付着することを防止できる。
【0042】
また、第1の実施形態では、洗浄槽5がFOUP20を洗浄した後に、真空槽6がFOUP20に対して真空乾燥を行う。ここで、仮に、洗浄槽5の洗浄後に、ドア20bの側面20f及び外面20dに洗浄液が付着していたり、ラッチ摺動空間20k内に洗浄液が入り込んでいたりする場合には、これらの洗浄液の存在により、真空槽6において目標圧力まで低下させるために要する時間が長くなってしまう。しかしながら、第1の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1によれば、洗浄液がドア20bの側面20f及び外面20dに付着することを抑制したり、ドア20bのラッチ摺動空間20k内に入り込むことを抑制したりするので、真空槽6において目標圧力まで低下させるために要する時間が長くなることを抑制することができる。
【0043】
また、開閉蓋5aに分散板5mを設けることにより、気体が空間20n及び隙間20pの空間全体にいきわたりやすくなり、より好適に陽圧状態を保つことができる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1について説明する。第2の実施形態では、気体ノズル5nがドア20bの内部に気体を供給する点が、第1の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1と異なる。
【0045】
図9は、第2の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1のドア保持部5eがドア20bを保持している状態を示す図であり、カバー5bや開閉蓋5a等を省略して示したものである。
【0046】
第1の実施形態では、
図7に示すドア保持部5eが備える2つのパッド5h,5kのそれぞれに対向するドア20bの外面20dの位置にキー穴20eが形成されている。第2の実施形態では、ドア保持部5eから2つのパッド5h,5kが外され、これにより、
図9に示すように、ドア保持部5eに露出した2つの穴のそれぞれに気体ノズル5nが挿入される。気体ノズル5nは、開閉蓋5aの外部に設けられる気体供給源からの気体を供給する気体供給管に接続されている。この気体供給管の一端は気体ノズル5nに接続され、他端はロータリージョイントを介して外部の気体供給源に接続されている。
【0047】
図10は、第2の実施形態において、ドア保持部5eから2つのパッド5h,5kが外され、ドア保持部5eに露出した2つの穴のそれぞれに気体ノズル5nが挿入された状態における
図9のB-B断面図である。
図10は、ドア保持部5e、気体ノズル5n、ドア20b等の模式図である。
【0048】
図10に示すように、気体ノズル5nは、キー穴20eに対向する位置に設けられ、キー穴20eに気体を供給する。これにより、気体ノズル5nにより供給された気体は破線の矢印5sの方向に流れる。
【0049】
すなわち、キー穴20eに供給された気体は、ラッチ摺動空間20kを経由して、突出用穴20gから隙間20p(
図8参照)に供給される。この結果、第2の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1は、第1の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1と同様の効果を得ることできる。さらに、ラッチ摺動空間20kに直接気体が供給されることから、第1の実施形態よりもさらにラッチ摺動空間20kに洗浄液が入り込むことを抑制することができる。また、FOUP20の洗浄中は、ドア20bは回転しているため、キー穴20eに供給された気体が突出用穴20gからカバー5bとドア20bとの間の空間に供給されることになる。これによって、気体ノズル5nにより供給された気体が旋回流を形成し、ドア20bの内面20mよりも上の領域に対して洗浄液が入り込みにくくなる。
【0050】
なお、本実施形態においては、キー穴20eに対して気体ノズル5nからの気体を供給することを例示したが、同様に、第1の実施形態においてキー穴20eに対しても気体ノズル5nをさらに設け、ドア20bの突出用穴20gおよびドア20bの外面20d側への洗浄液の入り込みをより確実に防止するようにしても良い。
【0051】
(第2の実施形態の変形例)
次に、第2の実施形態の変形例に係るウェーハ収納容器洗浄装置1について説明する。第2の実施形態の変形例では、気体ノズル5nがラッチキー5n1に形成された貫通孔5n2に気体を供給することによりドア20bの内部に気体を供給する点が、第2の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1と異なる。ラッチキー5n1は、分解/連結ステージ4に設けられるラッチキー4aと同様の構造を有するラッチキーであり、本変形例においては当該ラッチキー5n1がドア20bのキーシリンダ20hに挿入された状態でドア保持部5eに保持される。ラッチキー5n1は、予めドア保持部5eに取り付けられていても良いし、洗浄槽5に搬送される際に取り付けられても良い。予めドア保持部5eに取り付けられている場合には、吸着パッド5gに代えてラッチキー5n1によりドア20bをドア保持部5eに保持するようにしても良い。
【0052】
図11は、第2の実施形態の変形例において、ドア保持部5eから2つのパッド5h,5kが外され、ドア保持部5eに露出した2つの穴のそれぞれに気体ノズル5nが挿入された状態における
図9のB-B断面図である。ただし、
図11は、
図10と同様に、ドア保持部5e、気体ノズル5n、ドア20b等の模式図である。
【0053】
図11に示すように、第2の実施形態の変形例では、キーシリンダ20hにラッチキー5n1が挿入された状態で、ドア20bが洗浄される。そして、ラッチキー5n1には、貫通孔5n2が形成されている。また、キーシリンダ20hにも、貫通孔20s(ラッチ機構穴)が形成されている。貫通孔20sは、ラッチ摺動空間20kに連通する。また、キーシリンダ20hにラッチキー5n1が挿入された状態では、
図11に示すように、貫通孔20sは、貫通孔5n2に連通する。気体ノズル5nは、ラッチキー5n1の貫通孔5n2に対向する位置に設けられ、貫通孔5n2に気体を供給する。これにより、気体ノズル5nにより供給された気体は破線の矢印5tの方向に流れる。
【0054】
すなわち、ラッチキー5n1に形成された貫通孔5n2に供給された気体は、キーシリンダ20hの貫通孔20s及びラッチ摺動空間20kを経由して、突出用穴20gから隙間20p(
図8参照)に供給される。また、FOUP20の洗浄中は、ドア20bは回転しているため、第2の実施形態と同様に、キー穴20eに供給された気体が旋回流のようになる。この結果、第2の実施形態の変形例に係るウェーハ収納容器洗浄装置1は、第2の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1と同様の効果を得ることできる。さらに、ラッチ摺動空間20kに直接気体が供給されることから、第1の実施形態よりもさらにラッチ摺動空間20kに洗浄液が入り込むことを抑制することができる。
【0055】
(その他の変形例)
上述した各種の実施形態又は変形例では、FOUP20の洗浄中に気体ノズル5nが気体を供給する場合について説明した。しかしながら、上述した各種の実施形態又は変形例において、洗浄中のみならず、洗浄が完了し、洗浄槽5のドア保持部5eからドア20bを取り外す作業を行っている最中も、気体ノズル5nは気体を供給してもよい。
【0056】
洗浄槽5内は、比較的高温の洗浄液を用いていたことにより高温となっているところに、洗浄槽5の開閉蓋5aが開けられると、洗浄槽5内の温度が下がる。これにより、ミスト状の洗浄液が液化し、ドア20bの側面20fに形成された突出用穴20gやドア20bの外面20dへ、液化された洗浄液が流れ込みやすくなる。
【0057】
ドア20bを取り外す作業を行っている際(少なくとも開閉蓋5aを開けるとき)に、気体ノズル5nが気体を供給することで、突出用穴20gやドア20bの外面20dへ、液化された洗浄液が流れ込むことを抑制することができる。また、突出用穴20gからミスト状の洗浄液が入り込むこと自体を防止することができる。さらに気体ノズル5nから気体を供給することで、カバー5bにも気体が吹きかけられるため、洗浄処理後のカバー5bに洗浄液が付着している場合にも突出用穴20gやドア20bの外面20dに洗浄液が付着するのを防止することができる。
【0058】
また、FOUP20の洗浄中から、開閉蓋5aを開けてドア20bを取り外す作業を行うまでの間、継続して、気体ノズル5nは気体を供給してもよい。
【0059】
なお、上述した各種の実施形態又は変形例では、FOUP本体20aとドア20bとを同じ洗浄槽で洗浄、乾燥処理することを例示したが、これに限らず、それぞれ別のタイミングで洗浄するようにしても良い。ドア20b専用の洗浄槽を設けるようにしても良い。
【0060】
なお、上述した各種の実施形態又は変形例では、洗浄液ノズル52とエアブローノズルをそれぞれ有する洗浄槽5を例示したが、これに限らず、同じノズルの供給元を切り替えて洗浄液と気体とを供給するようにしても良い。
【0061】
なお、上述した各種の実施形態又は変形例では、カバー5bに複数の穴5lが備えられることを例示したが、これに限らず、ドア保持部5eとカバー5bとが連結され、かつ、気体ノズル5nからの気体がカバー5bの上側から下側に通過し、この気体が空間20nおよび隙間20pに及ぶような構造になっていれば良い。例えば、カバー5bの、ドア保持部5eとの連結部分が、ドア保持部5eの外周面全域に亘って設けられる面である必要はなく、ドア保持部5eの四隅にのみカバー5bの一部分が連結しているような形でも良い。この場合、カバー5bの開閉蓋5a側の面は、4本の梁が設けられるような形になる。連結している部分は4箇所である必要はなく、ドア保持部5eとカバー5bとが連結していれば良く、2箇所でも3箇所であっても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 ウェーハ収納容器洗浄装置
5 洗浄槽
5a 開閉蓋
5n 気体ノズル
【手続補正書】
【提出日】2023-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
洗浄槽5は、FOUP20を洗浄する槽である。
図4は、第1の実施形態に係る洗浄槽5内の構成を概略的に示す側面透視図である。例えば、洗浄槽5は、
図4に示すように、洗浄槽本体50と、開閉蓋(蓋部)5aとを備える。洗浄槽本体50は、上方に開口部(洗浄槽開口部)を有するとともに、FOUP本体20aを載置する処理空間とを有する。この処理空間は、洗浄槽開口部よりも内側に存在し、洗浄槽開口部に連通する。この洗浄槽開口部からFOUP本体20aが洗浄槽本体50の処理空間に搬入される。そして、洗浄槽本体50の処理空間には、搬入されたFOUP本体20aを保持するFOUP本体保持部が設けられている。このように、FOUP本体保持部がFOUP本体20aを保持することにより、洗浄槽本体50の処理空間にFOUP本体20aが収納される。また、開閉蓋5aは、洗浄槽本体50の上方に設けられている。具体的には、洗浄槽本体50の洗浄槽開口部に対して開閉可能に設けられている。開閉蓋5aは、エアシリンダが動作することにより洗浄槽本体50の洗浄槽開口部に対して開閉する。開閉蓋5aの内側にはドア20bを保持することが可能なドア保持部5e
(図7参照)が設けられている。開閉蓋5aの構成については後述する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
すなわち、気体ノズル5nは、ドア保持部5eとドア20bの外面20dとの間に形成されるわずかな空間20nに気体を供給する。気体ノズル5nからの気体は、空間20nに連通する隙間20pにも供給される。この隙間20pは、ドア20bの側面20fと、カバー5bの内壁面の、側面20fに対向する面(対向面)5xとの間の隙間である。また、隙間20pは、洗浄槽本体50の処理空間とも連通している。空間20nと、隙間20pは、それぞれ気体供給空間の一例である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
(第2の実施形態の変形例)
次に、第2の実施形態の変形例に係るウェーハ収納容器洗浄装置1について
図11を用いて説明する。第2の実施形態の変形例では、気体ノズル5nがラッチキー5n1に形成された貫通孔5n2に気体を供給することによりドア20bの内部に気体を供給する点が、第2の実施形態に係るウェーハ収納容器洗浄装置1と異なる。ラッチキー5n1は、分解/連結ステージ4に設けられるラッチキー4aと同様の構造を有するラッチキーであり、本変形例においては当該ラッチキー5n1がドア20bのキーシリンダ20hに挿入された状態でドア保持部5eに保持される。ラッチキー5n1は、予めドア保持部5eに取り付けられていても良いし、洗浄槽5に搬送される際に取り付けられても良い。予めドア保持部5eに取り付けられている場合には、吸着パッド5gに代えてラッチキー5n1によりドア20bをドア保持部5eに保持するようにしても良い。