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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046095
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】自動券売システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240327BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20240327BHJP
【FI】
G06Q50/30
G10L15/00 200A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151277
(22)【出願日】2022-09-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】592048741
【氏名又は名称】鉄道情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】川崎 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 幸太
(72)【発明者】
【氏名】野田 友輝
(72)【発明者】
【氏名】生田目 裕一
(72)【発明者】
【氏名】川本 剛志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC43
(57)【要約】
【課題】切符購入希望者の発話を音声認識して発駅または着駅の駅名を抽出するときに誤認識があっても、切符購入希望者の負担を軽減できる対応が可能な自動券売システムを提供する。
【解決手段】切符購入希望者の発話から受話器13が取得した音声データを、自動券売機1からAIサーバ23へ送信し、AIサーバ23が音声認識により発駅や着駅の駅名である蓋然性の高い名称を抽出する。抽出した名称の駅が駅データベース21aで確認できず、駅名を誤認識していた場合、AIサーバ23は駅名変換テーブル23a参照して、誤認識名称に対応する推定駅名を発駅や着駅に補正して切符購入希望者に提示するので、発着駅の修正等に要する切符購入希望者の負担を軽減できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切符を販売する券売場に設置された券売機と、各券売機による切符の販売を統括的に管理するシステムセンタと、を含み、前記券売機を介して切符購入希望者に切符を販売する自動券売システムであって、
前記券売機に設けた通話手段と、
前記通話手段を介して取り込んだ音声から前記切符購入希望者の発話を認識して、言語テキストデータに変換する音声認識手段と、
前記音声認識手段により得られた前記言語テキストデータを形態素解析することで、少なくとも、発駅および/または着駅の駅名である蓋然性の高い名称を抽出する駅名抽出手段と、
前記駅名抽出手段が駅の名称として抽出した抽出名称に該当する駅名の駅が存在するか否かを、駅データベースを参照して判定する駅名判定手段と、
前記音声認識手段が駅名を誤認識する可能性のある誤認識名称と、本来の駅名であろうと推定される推定駅名とを対応させてデータベース化した駅名変換テーブルと、
前記駅名判定手段により、前記抽出名称に該当する駅名が存在しないと判定された場合に、前記駅名変換テーブルを参照して、前記抽出名称と同じ誤変換名称に対応する前記推定駅名を発駅および/または着駅の駅名に補正する駅名補正手段と、
前記駅名判定手段が判定した駅名および/または前記駅名補正手段が補正した駅名に基づく切符の区間を前記切符購入希望者に提示する区間提示手段と、
を備えることを特徴とする自動券売システム。
【請求項2】
前記駅名変換テーブルは、前記推定駅名と同音の駅名である同音駅および/または前記推定駅名と同じ表記である同表記駅を、前記推定駅名と対応させておき、
前記駅名補正手段は、前記駅名変換テーブルを参照して前記抽出名称を前記推定駅名に補正するとき、前記推定駅名に対応する前記同音駅および/または前記同表記駅がある場合、それら全てを補正候補駅とし、
前記区間提示手段は、前記駅名補正手段より受けた全ての前記補正候補駅を、前記切符購入希望者が選択可能に提示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動券売システム。
【請求項3】
前記駅名変換テーブルは、前記推定駅名に対応する前記同音駅および前記同表記駅を一意に決定できる駅固有情報を前記同音駅および前記同表記駅と対応させておき、
前記駅名抽出手段は、前記言語テキストデータを形態素解析することで、前記補正候補駅を一意に決定できる前記駅固有情報を抽出する機能を備え、
前記駅名補正手段は、前記駅名抽出手段によって前記駅固有情報が抽出されていた場合、前記駅固有情報から一意に決定できる駅名が前記補正候補駅の中にあれば、該当する前記補正候補駅を発駅および/または着駅の駅名に補正する、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動券売システム。
【請求項4】
前記駅名変換テーブルは、前記駅データベースにある実在駅名と同音の駅名である同音駅および/または前記実在駅名と同じ表記である同表記駅を、前記実在駅名と対応させておき、
前記駅名補正手段は、前記駅名判定手段が前記抽出名称に該当する駅名が存在すると判定した場合には、前記駅名変換テーブルを参照して、前記実在駅名に対応する前記同音駅および/または前記同表記駅があるか否かを判定し、前記実在駅名に対応する前記同音駅および/または前記同表記駅がある場合には、それら全てを補正候補駅とし、
前記区間提示手段は、前記駅名補正手段より受けた全ての前記補正候補駅を、前記切符購入希望者が選択可能に提示する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動券売システム。
【請求項5】
前記駅名変換テーブルは、前記実在駅名に対応する前記同音駅および前記同表記駅を一意に決定できる駅固有情報を前記同音駅および前記同表記駅と対応させておき、
前記駅名抽出手段は、前記言語テキストデータを形態素解析することで、前記補正候補駅を一意に決定できる前記駅固有情報を抽出する機能を備え、
前記駅名補正手段は、前記駅名抽出手段によって前記駅固有情報が抽出されていた場合、前記駅固有情報から一意に決定できる駅名が前記補正候補駅の中にあれば、該当する前記補正候補駅を発駅および/または着駅の駅名に補正する、
ことを特徴とする請求項4に記載の自動券売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、券売機を介して切符購入希望者に切符を販売する自動券売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道などの旅客会社では、少子高齢化に伴う労働人口減少への対応、運営コストの削減、およびきっぷ購入の利便性向上に向けた取り組みとして、駅出札業務の自動化・効率化を推進している。このような時代背景の中、切符購入窓口での対応を合理化するため、切符購入希望者と遠隔地のコールセンタのオペレータとの対話を可能とした券売機が導入されている。このような券売機のニーズは高く、設置台数の拡大とともに利用者も増加傾向にあるため、オペレータ呼び出しの回数増加による業務負荷や利用者における接客待ち時間の増加が問題となっている。そこで、オペレータに頼らなくても切符購入希望者の利便性を損なわずに、切符購入をアシストできる券売機が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の券売機は、合成音声により切符購入希望者と会話し、切符購入希望者の音声を認識して得た文字データから目的駅の駅名や施設名等を抽出し、券売機の画面に表示するので、切符購入希望者が直接券売機を操作しなくても、切符の区間情報などを自動で入力できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-204351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の券売機では、利用者の音声から認識した目的駅と一致するワード(例えば「はかた」)を含む駅名(例えば「博多」と「博多南」)に対応する乗車券ボタンを表示画面に表示するものでしかない。すなわち、特許文献1に記載の券売機では、音声認識によって目的駅に関する正しい情報が取得できたことを前提としており、音声認識により得られた文字データに誤認識があった場合に、切符購入希望者に煩わしい思いをさせないような対応が想定されていない。文字データの誤認識により、券売機に正しい駅名が表示されていない場合、切符購入希望者は、自ら正しい駅名への修正動作を行わなければならないので、オペレータによるアシストで切符を購入する場合よりも煩わしいと感じさせてしまう。
【0006】
また、切符購入希望者が発話した駅名と同音の駅がある場合には、券売機の音声認識で適切な文字データに変換できないケースが少なくない。よって、同音駅の存在を考慮した情報提示を行うことができれば、切符購入希望者の利便性を高められる。
【0007】
また、読み方は違うが表記は同じである駅が存在する場合、切符購入希望者が駅名を読み間違えていると、券売機の音声認識では正解にたどり着けない。よって、同表記駅の存在を考慮した情報提示を行うことができれば、切符購入希望者の利便性を高められる。
【0008】
そこで、本発明は、切符購入希望者の発話を音声認識して発駅または着駅の駅名を抽出するときに誤認識があっても、切符購入希望者の負担を軽減できる対応が可能な自動券売システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、切符を販売する券売場に設置された券売機と、各券売機による切符の販売を統括的に管理するシステムセンタと、を含み、前記券売機を介して切符購入希望者に切符を販売する自動券売システムであって、前記券売機に設けた通話手段と、前記通話手段を介して取り込んだ音声から前記切符購入希望者の発話を認識して、言語テキストデータに変換する音声認識手段と、前記音声認識手段により得られた前記言語テキストデータを形態素解析することで、少なくとも、発駅および/または着駅の駅名である蓋然性の高い名称を抽出する駅名抽出手段と、前記駅名抽出手段が駅の名称として抽出した抽出名称に該当する駅名の駅が存在するか否かを、駅データベースを参照して判定する駅名判定手段と、前記音声認識手段が駅名を誤認識する可能性のある誤認識名称と、本来の駅名であろうと推定される推定駅名とを対応させてデータベース化した駅名変換テーブルと、前記駅名判定手段により、前記抽出名称に該当する駅名が存在しないと判定された場合に、前記駅名変換テーブルを参照して、前記抽出名称と同じ誤変換名称に対応する前記推定駅名を発駅および/または着駅の駅名に補正する駅名補正手段と、前記駅名判定手段が判定した駅名および/または前記駅名補正手段が補正した駅名に基づく切符の区間を前記切符購入希望者に提示する区間提示手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、上記構成において、前記駅名変換テーブルは、前記推定駅名と同音の駅名である同音駅および/または前記推定駅名と同じ表記である同表記駅を、前記推定駅名と対応させておき、前記駅名補正手段は、前記駅名変換テーブルを参照して前記抽出名称を前記推定駅名に補正するとき、前記推定駅名に対応する前記同音駅および/または前記同表記駅がある場合、それら全てを補正候補駅とし、前記区間提示手段は、前記駅名補正手段より受けた全ての前記補正候補駅を、前記切符購入希望者が選択可能に提示してもよい。
【0011】
また、上記構成において、前記駅名変換テーブルは、前記推定駅名に対応する前記同音駅および前記同表記駅を一意に決定できる駅固有情報を前記同音駅および前記同表記駅と対応させておき、前記駅名抽出手段は、前記言語テキストデータを形態素解析することで、前記補正候補駅を一意に決定できる前記駅固有情報を抽出する機能を備え、前記駅名補正手段は、前記駅名抽出手段によって前記駅固有情報が抽出されていた場合、前記駅固有情報から一意に決定できる駅名が前記補正候補駅の中にあれば、該当する前記補正候補駅を発駅および/または着駅の駅名に補正してもよい。
【0012】
また、上記構成において、前記駅名変換テーブルは、前記駅データベースにある実在駅名と同音の駅名である同音駅および/または前記実在駅名と同じ表記である同表記駅を、前記実在駅名と対応させておき、前記駅名補正手段は、前記駅名判定手段が前記抽出名称に該当する駅名が存在すると判定した場合には、前記駅名変換テーブルを参照して、前記実在駅名に対応する前記同音駅および/または前記同表記駅があるか否かを判定し、前記実在駅名に対応する前記同音駅および/または前記同表記駅がある場合には、それら全てを補正候補駅とし、前記区間提示手段は、前記駅名補正手段より受けた全ての前記補正候補駅を、前記切符購入希望者が選択可能に提示してもよい。
【0013】
また、上記構成において、前記駅名変換テーブルは、前記実在駅名に対応する前記同音駅および前記同表記駅を一意に決定できる駅固有情報を前記同音駅および前記同表記駅と対応させておき、前記駅名抽出手段は、前記言語テキストデータを形態素解析することで、前記補正候補駅を一意に決定できる前記駅固有情報を抽出する機能を備え、前記駅名補正手段は、前記駅名抽出手段によって前記駅固有情報が抽出されていた場合、前記駅固有情報から一意に決定できる駅名が前記補正候補駅の中にあれば、該当する前記補正候補駅を発駅および/または着駅の駅名に補正してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る自動券売システムによれば、音声認識手段が切符購入希望者の発話から抽出した発駅および/または着駅の駅名を誤認識していた場合、駅名補正手段が駅名変換テーブルを参照して補正した駅名で切符購入希望者に提示するので、切符購入希望者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る自動券売システムの一実施形態を示す概略構成図である。
図2】自動券売機の概略構成図である。
図3】AIアシスト機能による発着駅の選定過程の第1例を示す前段の流れ図である。
図4】AIアシスト機能による発着駅の選定過程の第1例を示す後段の流れ図である。
図5】発駅を提示した顧客操作表示器の画面イメージ図である。
図6】着駅を提示した顧客操作表示器の画面イメージ図である。
図7】AIアシスト機能による発着駅の選定過程の第2例を示す後段の流れ図である。
図8】着駅の補正候補駅を選択可能に提示した顧客操作表示器の画面イメージ図である。
図9】AIアシスト機能による発着駅の選定過程の第3例を示す後段の流れ図である。
図10】AIアシスト機能による着駅の選定過程を示す流れ図である。
図11】着駅の補正候補駅を選択可能に提示した顧客操作表示器の画面イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すのは、自動券売システムSの実施形態を示す概略構成で、券売業務用ネットワークN1とアシスト業務用ネットワークN2を介して、券売場である駅1とシステムセンタ2とコールセンタ3が相互に接続されたものである。
【0017】
駅1には、利用者が操作することにより、利用者の指定した券を販売する券売機能と、少なくともマイク、スピーカ、カメラを含む操作支援機能とを備えた自動券売機10が設置され、切符の購入を希望する切符購入希望者(以下、単に利用者という)が操作できるものである。また、自動券売機10には、それぞれの個体を識別できるようにユニークな識別番号が割り振られており、この識別番号を使うことで、自動券売システムSに含まれる全ての自動券売機10を特定することが可能となる。
【0018】
自動券売機10には、後述するように、タッチパネル式の表示・操作パネル、きっぷを排出する券売口、購入費用を入れる現金投入口、精算用のクレジットカード等を入れるカード挿排口などを備え、利用者は表示・操作パネルを見ながら操作することで、券売操作の各行程を順次行うことができる。券売に際しては、券売業務用ネットワークN1を介して接続されているシステムセンタ2と交信し、券売業務統括サーバ21から座席指定券の予約可否などの諸情報を受けると共に、決定した券売情報が券売業務統括サーバ21へ送られる。
【0019】
また、自動券売機10は、利用者を映す接客カメラ、コールセンタ3のオペレータからの音声が出力されるスピーカ、利用者の声などをコールセンタ3へ送るためのマイク、提示された申込書や割引証等の紙面を写す書画カメラ、申込書や割引証を回収する申込書回収口などを備える。接客カメラやマイクからの入力情報(利用者を支援するための情報)は、アシスト業務用ネットワークN2を介して、システムセンタ2のコールセンタサーバ22により選定されたコールセンタ3のオペレータが使う音声・映像端末31へ供給され、利用者の求めに応じてオペレータが予約・発券端末32を操作することで、利用者の切符購入を支援する。なお、コールセンタ3の音声・映像端末31から供給された音声・映像情報も、アシスト業務用ネットワークN2を介して駅1の自動券売機10に供給され、コールセンタ3のオペレータからの音声や映像が自動券売機10に表示される。
【0020】
さらに、本実施形態の自動券売システムSは、コールセンタ3のオペレータを介さずに自動券売機10の利用者を支援する機能として、AI自動対応機能を実装している。システムセンタ2に設けたAIサーバ23がアシスト業務用ネットワークN2を介して駅1の自動券売機10と接続されることで、窓口やオペレータと同じような会話での接客をAIによって実現し、窓口やオペレータの負担を軽減する。なお、AI自動対応機能では、利用者の発話(音声)を使用するため、最初に音声の使用に関する同意画面を表示し、利用者の同意後に音声による接客を開始する。AIアシストでは、利用者から出発駅、到着駅、利用日時、人数といった要件を聞き、券売業務統括サーバ21が要望に適した経路等を選定し、自動券売機10にて購入切符の提案を行う。利用者が購入内容を確認し、入金が済むと、自動券売機10が発券処理を行い、利用者の手元に切符が渡される。
【0021】
なお、駅1とシステムセンタ2とコールセンタ3を単一のネットワークで接続しても構わないが、通常の券売処理業務に用いる券売業務用ネットワークN1と音声・映像による支援業務に用いるアシスト業務用ネットワークN2を別に設けておけば、支援業務と券売処理業務とを分離して行うことができ、一方のネットワークに生じた故障や事故が他方のネットワークに影響を与えて更なる障害を引き起こすことを防げるので、自動券売システムS全体としての信頼性を高められる。しかも、券売業務用ネットワークN1とアシスト業務用ネットワークN2を物理的に異なるネットワークとして構築すれば、既に券売業務用ネットワークN1を備えている既存の自動券売システムに対して、後から音声・映像による支援機能を付加し易いという利点もある。
【0022】
自動券売機10は、図2に示すように、装置全体の制御を行う制御部11と、乗車券等を購入するための諸情報を表示する表示パネルと顧客操作による入力操作を受け付けるタッチパネルを一体に備えている顧客操作表示器12と、AIアシスト機能を利用するための通話手段である受話器13と、制御部11が機能するための処理プログラム等を固定的に記憶すると共に処理過程で発生した一時的な情報を記憶する記憶部14と、システムセンタ2の券売業務統括サーバ21やAIサーバ23と通信を行うための通信部15と、購入代金の処理を行うための硬貨部16、紙幣部17、カード処理部18と、顧客操作表示器12の操作により入力された入力内容および券売業務統括サーバ21で管理される情報に基づいて顧客の所望する券を発行する発券部19と、を備えている。
【0023】
上記制御部11は、例えばCPU等からなり、所定の制御プログラム(例えば、記憶部14に格納されているプログラム)に基づいて、当該自動券売機10が取り扱い可能な種類の券を発行するための処理を実行するもので、自動券売機10の全体を制御する心臓部である。
【0024】
顧客操作表示器12は、顧客の操作性と視認性を高められる位置(図2を参照)に操作表示面121が現れるように配置した大型のタッチパネルディスプレイで構成し、この操作表示面121に表示される表示画面内に描出されているボタン画像等の操作エリアに指先等で触れると、その操作エリアに対する接触をタッチパネルが検出できるので、ボタン操作を行ったものとして扱われる。なお、顧客操作表示器12のような大型で高価なタッチパネルディスプレイを用いずに、タッチパネルの無い表示器の左右側縁部や上下縁部に近接させて操作ボタン等を適宜に配置しておき、表示器に表示する表示画面内で何れかのボタンを操作するようにガイドすれば、各ボタンのセンサ出力を監視することで、顧客の入力操作を受け付けることができる。
【0025】
受話器13は、顧客操作表示器12の近傍(例えば、左横)に設けられ、利用者が顧客操作表示器12を見ながら使用することで、利用者の発話(音声データ)を取り込む通話手段である。なお、受話器13に代えて集音マイク等を通話手段として設けておき、周辺の環境ノイズをカットして、利用者の発話を取得するようにても良い。
【0026】
記憶部14は、制御部11が発券制御を行うための各種情報やプログラムなどを記憶する機能部である。記憶部14は、例えば、ROMやRAM等の半導体メモリを用いることができる。また、記憶部14は、顧客操作によって入力される各種情報を一時的に、あるいは一定期間、記憶保持する機能も有する。
【0027】
通信部15は、システムセンタ2やコールセンタ3等と通信を行う機能部であり、適宜な通信プロトコルによって双方向通信を行う事ができる。なお、券売業務用ネットワークN1に対応する通信機能に特化した第1通信部と、アシスト業務用ネットワークN2に対応する通信機能に特化した第2通信部とを設けても良い。
【0028】
硬貨部16と紙幣部17は、発券時の支払いを現金で処理するための機能部である。硬貨部16は、硬貨投入口および硬貨排出口による硬貨の入出金を扱う。紙幣部17は、紙幣挿入口および紙幣受取口による紙幣の入出金を扱う。カード処理部18は、発券時の支払いをカードで処理するための機能部である。代金処理可能なカードとしては、クレジットカード、プリペイド式ICカード等があり、カード挿排口からカードを挿入してテンキーで暗証番号等のセキュリティ認証を行い、代金処理が完了すると、カード挿排口からカードが戻されると共に、カード利用の領収書やご利用明細等が切符挿入/受取口から排出される。
【0029】
発券部19は、利用者の望む切符等の発券が可能であり、入金処理が完了した後に、券(新幹線指定席券、在来線指定席券、新幹線自由席券、在来線自由席券、幹在乗継指定席券、在幹乗継指定席券、新幹線乗車券単独券、指定のみ券(フリータイプを除く)、乗車変更券など)を発行する機能部である。なお、発券とは、印刷面に日本語あるいは英語による表記を可視情報として印刷し、磁気面に磁気データを記録した券片を切符挿入/受取口から排出することである。このとき、領収書等も併せて出力する場合もある。
【0030】
本実施形態の自動券売システムSにおける自動券売機10は、利用者が自ら操作したり、コールセンタ3のオペレータのアシストを受けたりして、切符等を購入できるだけでなく、システムセンタ2のAIサーバ23の機能によるAIアシストを受けて切符等を購入できる。
【0031】
AIサーバ23には、音声認識機能や意図理解機能等を備えたAIが実装されている。音声認識機能は、利用者が発話した音声を認識し、言語に変換する機能である。なお、音声認識機能には種々の既製品があり、自動券売システムSに適した音声認識が可能なように、駅名や鉄道用語などの認識率をあげるチューニングを行う。なお、認識する音声は、日本語に限らず、他言語に対応する音声認識機能を持たせても良い。意図理解機能は、音声認識の結果を元に、利用者が発話した内容の意図を理解する機能である。意図理解の結果と現在の接客状況から、次に実施すべき接客動作を判断し、利用者への案内や画面の更新、券売業務統括サーバ21への問い合わせ等を行う。なお、AIサーバ23に実装するAIモデルは、自動学習型モデルでも学習済みモデルでも良い。
【0032】
AIアシストにおいては、利用者の発話から利用者の要望を的確に認識できることが重要である。特に、乗車区間などを判断する上で、発駅や着駅の認識精度が悪いと、利用者に何度も言い直しを求めたり、利用者自ら修正したりする必要があり、却って面倒だと利用者に感じさせてしまう。そこで、本実施形態の自動券売システムSにおいては、発駅や着駅の駅名の認識精度を上げるため、例えば、AIサーバ23に、音声認識手段、駅名抽出手段、駅名判定手段、駅名変換テーブル23a、駅名補正手段等を設けた。
【0033】
音声認識手段は、通話手段としての受話器13を介して取り込んだ音声から利用者の発話を認識して、言語テキストデータに変換する。駅名抽出手段は、音声認識手段により得られた言語テキストデータを形態素解析することで、少なくとも、発駅と着駅の駅名である蓋然性の高い名称を抽出する。なお、形態素解析とは、自然言語で書かれた文を言語上で意味を持つ最小単位(=形態素)に分け、それぞれの品詞や変化などを判別することであり、単語辞書や構文ルール辞書などを利用したパターンマッチングによる文章の単語分解処理や、隠れマルコフモデルなどの確率的言語モデルを利用したスコアリングによる単語分解処理によって行える。駅名判定手段は、駅名抽出手段が駅の名称として抽出した抽出名称に該当する駅名の駅が存在するか否かを、券売業務統括サーバ21が管理する駅データベース21aを参照して判定する。駅名変換テーブル23aは、音声認識手段が駅名を誤認識する可能性のある誤認識名称と、本来の駅名であろうと推定される推定駅名とを対応させてデータベース化したものである。なお、誤認識名称としては、音声認識手段が音声から言語テキストデータを生成する過程での誤認識例を元に、主だったものを抽出しても良いし、誤認識される可能性のある読み方の漢字などを広範に選定しても良い。駅名補正手段は、駅名判定手段により、抽出名称に該当する駅名が存在しないと判定された場合に、駅名変換テーブル23aを参照して、抽出名称と同じ誤変換名称に対応する推定駅名を発駅や着駅の駅名に補正する。
【0034】
このようにして認識精度を上げた発駅や着駅の駅名が自動券売機10に渡され、区間提示手段により、駅名判定手段が判定した駅名あるいは駅名補正手段が補正した駅名に基づく切符の区間を利用者に提示する。
【0035】
ここで、自動券売機10とAIサーバ23が協働することで実現するAIアシスト機能によって発駅および着駅を選定する過程の第1例を図3図6に基づいてき説明する。
【0036】
例えば、自動券売機10を利用者が操作することで、AIアシストが開始されると、受話器13から音声(たとえば、「キョウトカラコウマデイキタイ」)が入力され、その音声データがAIサーバ23へ送信される。AIサーバ23では、音声認識により漢字仮名交じり文の言語テキストデータ(例えば、京都から抗まで行きたい」)に変換する。この言語テキストデータを形態素解析することにより、発駅として「京都」を抽出する。この抽出名称「京都」に該当する駅名の駅が存在するか否かを駅データベース21aを参照して確認し、確認済みの「京都」を発駅として自動券売機10に送信する。自動券売機10の顧客操作表示器12には、図5に示すように、出発駅として「京都」駅が表示される。
【0037】
続いて、AIサーバ23では、言語テキストデータの形態素解析により、着駅として「抗」を抽出する。この抽出名称「抗」に該当する駅名の駅が存在するか否かを駅データベース21aを参照して確認し、合致する駅が無いと判断した場合、AIサーバ23では、駅名変換テーブル23aを確認する。音声認識手段が駅名を誤認識する可能性のある誤認識名称として「抗」を参照すると、本来の駅名であろうと推定される推定駅名として「府中」が対応しているので、着駅名称を「抗」から「府中」に補正し、「府中」を到着駅名称として自動券売機10に送信する。自動券売機10の顧客操作表示器12には、図6に示すように、到着駅として「府中」駅が表示される。
【0038】
なお、上述した発駅および着駅の選定例では、駅名変換テーブル23aに、誤認識名称と推定駅名のみを対応させていたが、駅名変換テーブル23aは、これに限定されるものではない。推定駅名と同音の駅名である同音駅や、推定駅名と同じ表記である同表記駅がある場合には、推定駅名と同音駅および同表記駅を対応させて、駅名変換テーブル23aとしても良い。このような駅名変換テーブル23aを用いる場合、駅名補正手段は、駅名変換テーブル23aを参照して抽出名称を推定駅名に補正するとき、推定駅名に対応する同音や同表記駅がある場合、それら全てを補正候補駅として自動券売機10に送信する。自動券売機10の区間提示手段は、駅名補正手段より受けた全ての補正候補駅を、利用者が選択可能に提示する。
【0039】
例えば、図4に示したのとは異なる駅名変換テーブル23aを用いるAIアシスト機能によって着駅を選定する過程の第2例を図7に示す。ここでは、駅名変換テーブル23aにて、推定駅名「府中」に対応する同音駅・同表記駅が対応付けられているので、同音駅および同表記駅の全て(府中(徳島県)、国府(愛知県)、府中(東京都)、府中(京都府)、府中(広島県))を補正候補駅として自動券売機10に送信する。AIサーバ23より全ての補正候補駅を受けた自動券売機10の顧客操作表示器12には、図8に示すように、到着駅候補として「府中(徳島県)」、「国府(愛知県)」、「府中(東京都)」、「府中(京都府)」、「府中(広島県)」が、選択可能に表示される。
【0040】
このように、AIアシストの利用者が発話した駅名と同音の駅がある場合には、自動券売システムSの音声認識で適切な文字データに変換できないケースもあるが、同音駅の存在を考慮した情報提示を行うことで、利用者の利便性を高められる。また、読み方は違うが表記は同じである駅が存在する場合、利用者が駅名を読み間違えていると、自動券売機10の音声認識では正解にたどり着けないが、同表記駅の存在を考慮した情報提示を行うことで、利用者の利便性を高められる。
【0041】
なお、駅名変換テーブル23aでは、推定駅名に対応する同音駅および同表記駅を一意に決定できる駅固有情報として、駅所在地(例えば、都道府県名)を同音駅および同表記駅と対応させてある。すなわち、利用者が発駅や着駅として希望している駅と同音駅や同表記駅が存在していても、駅の所在地が分かれば、利用者が希望している発駅や着駅を決定できるのである。そこで、駅名抽出手段には、言語テキストデータを形態素解析することで、補正候補駅を一意に決定できる駅固有情報を抽出する機能を持たせておき、駅名補正手段は、駅名抽出手段によって駅固有情報が抽出されていた場合、駅固有情報から一意に決定できる駅名が補正候補駅の中にあれば、該当する補正候補駅を発駅あるいは着駅の駅名に補正する。
【0042】
例えば、図7に示したのと同じ駅名変換テーブル23aを用いるAIアシスト機能によって着駅を選定する過程の第3例を図9に示す。ここでは、駅名変換テーブル23aにて、推定駅名「府中」に対応する同音駅・同表記駅が駅所在地と共に対応付けられている。そして、AIサーバ23では、言語テキストデータ(例えば、「京都から徳島の抗まで行きたい」)を形態素解析することにより、駅固有情報として「徳島の」を抽出していることを利用し、同音駅および同表記駅の全て(府中(徳島県)、国府(愛知県)、府中(東京都)、府中(京都府)、府中(広島県))の中から、「府中(徳島県)」を選定できるので、着駅として「府中(徳島県)」を自動券売機10に送信する。自動券売機10の顧客操作表示器12には、図6に示すように、到着駅として「府中」駅が表示される。
【0043】
このように、利用者の発話から抽出した抽出名称の駅名、或いは駅名変換テーブル23aを参照して得られた推定駅名を一意に決定できる駅固有情報を抽出しておけば、複数の補正候補駅の中から利用者の希望に合致する可能性の高い1つの駅名を選定できる。
【0044】
上述したAIアシスト機能によって着駅を選定する過程では、言語テキストデータにおける抽出名称が実在する駅名ではない場合に、駅名変換テーブル23aを参照して補正候補を確認する処理を行っていたが、駅名変換テーブル23aを用いた補正処理は、これに限定されるものではない。例えば、音声認識手段が誤認識した名称が実在する駅の名称(実在駅名)に該当していた場合を考慮して、実在駅名と同音の同音駅および実在駅名と同じ表記の同表記駅を、実在駅名と対応させた駅名変換テーブル23aを用いる。そして、駅名補正手段は、駅名判定手段が抽出名称に該当する駅名が存在すると判定した場合には、駅名変換テーブル23aを参照して、実在駅名に対応する同音駅または同表記駅があるか否かを判定し、実在駅名に対応する同音駅または同表記駅がある場合には、それら全てを補正候補駅として自動券売機10に送信する。自動券売機10の区間提示手段は、駅名補正手段より受けた全ての補正候補駅を、利用者が選択可能に提示する。
【0045】
AIアシスト機能により着駅を選定する過程を図10に示す。自動券売機10の受話器13を介して取得した「センダイマデ」の音声データがAIサーバ23に供給されると、音声認識機能により、「仙台まで」と認識される。これを形態素解析することで、着駅の抽出名称として「仙台」を取得でき、駅データベース21aにて「仙台」が実在駅であることも確認できる。そして、AIサーバ23では、実在駅名と同音駅・同表記駅名を対応付けた駅名変換テーブル23aを確認し、実在駅名「仙台」に対応する同音駅および同表記駅の全て(仙台(宮城県)、川内(鹿児島県))を補正候補駅として自動券売機10に送信する。AIサーバ23より全ての補正候補駅を受けた自動券売機10の顧客操作表示器12には、図11に示すように、到着駅候補として「仙台」、「川内」が、選択可能に表示される。
【0046】
このように、利用者の発話から抽出した抽出名称が実在駅であっても、誤認識である可能性を考慮した情報提示を行うことで、利用者の利便性を高められる。なお、実在駅名と同音駅および同表記駅を対応させた駅名変換テーブル23aは、同音駅および同表記駅を一意に決定できる駅固有情報を対応させておき、駅名抽出手段には、言語テキストデータを形態素解析することで、補正候補駅を一意に決定できる駅固有情報を抽出する機能を持たせてもよい。そして、駅名補正手段は、駅名抽出手段によって駅固有情報が抽出されていた場合、駅固有情報から一意に決定できる駅名が補正候補駅の中にあれば、該当する補正候補駅を発駅あるいは着駅の駅名に補正する。例えば、利用者の発話が「ミヤギノセンダイマデ」であった場合には、音声認識により「宮城の仙台まで」と認識され、着駅「仙台」と共に駅固有情報「宮城の」を取得できる。よって、駅名変換テーブル23aより得られた補正候補駅(仙台(宮城県)、川内(鹿児島県))のうち、駅固有情報に合致する「仙台」を着駅に選定すれば、利用者を煩わせずに希望の着駅を提示できるのである。
【0047】
以上、本発明に係る自動券売システムの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。
【符号の説明】
【0048】
S 自動券売システム
1 駅(券売場)
10 自動券売機
12 顧客操作表示器
13 受話器
2 システムセンタ
21 券売業務統括サーバ
21a 駅データベース
23 AIサーバ
23a 駅名変換テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切符を販売する券売場に設置された券売機と、各券売機による切符の販売を統括的に管理するシステムセンタと、を含み、前記券売機を介して切符購入希望者に切符を販売する自動券売システムであって、
前記券売機に設けた通話手段と、
前記通話手段を介して取り込んだ音声から前記切符購入希望者の発話を認識して、言語テキストデータに変換する音声認識手段と、
前記音声認識手段により得られた前記言語テキストデータを形態素解析することで、少なくとも、発駅および/または着駅の駅名である蓋然性の高い名称を抽出する駅名抽出手段と、
前記駅名抽出手段が駅の名称として抽出した抽出名称に該当する駅名の駅が存在するか否かを、駅データベースを参照して判定する駅名判定手段と、
前記音声認識手段が駅名を誤認識する可能性のある誤認識名称と、本来の駅名であろうと推定される推定駅名とを対応させてデータベース化した駅名変換テーブルと、
前記駅名判定手段により、前記抽出名称に該当する駅名が存在しないと判定された場合に、前記駅名変換テーブルを参照して、前記抽出名称と同じ誤変換名称に対応する前記推定駅名を発駅および/または着駅の駅名に補正する駅名補正手段と、
前記駅名判定手段が判定した駅名および/または前記駅名補正手段が補正した駅名に基づく切符の区間を前記切符購入希望者に提示する区間提示手段と、を備え、
前記駅名変換テーブルは、前記推定駅名と同音の駅名である同音駅および/または前記推定駅名と同じ表記である同表記駅を、前記推定駅名と対応させておくと共に、前記推定駅名に対応する前記同音駅および前記同表記駅を一意に決定できる駅固有情報である駅所在地を前記同音駅および前記同表記駅と対応させておき、
前記駅名補正手段は、前記駅名変換テーブルを参照して前記抽出名称を前記推定駅名に補正するとき、前記推定駅名に対応する前記同音駅および/または前記同表記駅がある場合、それら全てを補正候補駅とし、
前記駅名抽出手段は、前記言語テキストデータを形態素解析することで、前記補正候補駅を一意に決定できる駅所在地を抽出する機能を有し、
前記駅名補正手段は、前記駅名抽出手段によって駅所在地が抽出されていた場合、この駅所在地から一意に決定できる駅名が前記補正候補駅の中にあれば、該当する前記補正候補駅を発駅および/または着駅の駅名に補正する、
とを特徴とする自動券売システム。
【請求項2】
切符を販売する券売場に設置された券売機と、各券売機による切符の販売を統括的に管理するシステムセンタと、を含み、前記券売機を介して切符購入希望者に切符を販売する自動券売システムであって、
前記券売機に設けた通話手段と、
前記通話手段を介して取り込んだ音声から前記切符購入希望者の発話を認識して、言語テキストデータに変換する音声認識手段と、
前記音声認識手段により得られた前記言語テキストデータを形態素解析することで、少なくとも、発駅および/または着駅の駅名である蓋然性の高い名称を抽出する駅名抽出手段と、
前記駅名抽出手段が駅の名称として抽出した抽出名称に該当する駅名の駅が存在するか否かを、駅データベースを参照して判定する駅名判定手段と、
前記音声認識手段が駅名を誤認識する可能性のある誤認識名称と、本来の駅名であろうと推定される推定駅名とを対応させてデータベース化した駅名変換テーブルと、
前記駅名判定手段により、前記抽出名称に該当する駅名が存在しないと判定された場合に、前記駅名変換テーブルを参照して、前記抽出名称と同じ誤変換名称に対応する前記推定駅名を発駅および/または着駅の駅名に補正する駅名補正手段と、
前記駅名判定手段が判定した駅名および/または前記駅名補正手段が補正した駅名に基づく切符の区間を前記切符購入希望者に提示する区間提示手段と、を備え、
前記駅名変換テーブルは、前記駅データベースにある実在駅名と同音の駅名である同音駅および/または前記実在駅名と同じ表記である同表記駅を、前記実在駅名と対応させておくと共に、前記実在駅名に対応する前記同音駅および前記同表記駅を一意に決定できる駅固有情報である駅所在地を前記同音駅および前記同表記駅と対応させておき、
前記駅名補正手段は、前記駅名判定手段が前記抽出名称に該当する駅名が存在すると判定した場合には、前記駅名変換テーブルを参照して、前記実在駅名に対応する前記同音駅および/または前記同表記駅があるか否かを判定し、前記実在駅名に対応する前記同音駅および/または前記同表記駅がある場合には、それら全てを補正候補駅とし、
前記駅名抽出手段は、前記言語テキストデータを形態素解析することで、前記補正候補駅を一意に決定できる駅所在地を抽出する機能を有し、
前記駅名補正手段は、前記駅名抽出手段によって駅所在地が抽出されていた場合、この駅所在地から一意に決定できる駅名が前記補正候補駅の中にあれば、該当する前記補正候補駅を発駅および/または着駅の駅名に補正する、
ことを特徴とする自動券売システム。