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特開2024-46148決済方法自動判別装置、決済方法自動判別システム、決済方法自動判別方法及び決済方法自動判別プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046148
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】決済方法自動判別装置、決済方法自動判別システム、決済方法自動判別方法及び決済方法自動判別プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20240327BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240327BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G06Q20/20 330
G07G1/12 321Z
G07G1/00 311E
G07G1/00 311Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151366
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】立石 裕樹
【テーマコード(参考)】
3E142
5L055
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142CA20
3E142FA03
3E142FA08
3E142GA02
3E142GA06
3E142GA07
3E142JA01
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】電子決済を利用者にスムーズに行わせること。
【解決手段】決済方法自動判別装置は、データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置に対してデータの読み取り指示を発行する第1指示発行部と、読み取り指示を受けた複数種類の読取装置の何れか1つによって読み取られたデータを受信する受信部と、受信部により受信されたデータの中から決済方法を示す識別子を取得する識別子取得部と、識別子取得部により取得された識別子に基づいて決済方法を決定する決済方法決定部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置に対して前記データの読み取り指示を発行する第1指示発行部と、
前記読み取り指示を受けた前記複数種類の読取装置の何れか1つによって読み取られたデータを受信する受信部と、
前記受信部により受信されたデータの中から決済方法を示す識別子を取得する識別子取得部と、
前記識別子取得部により取得された識別子に基づいて決済方法を決定する決済方法決定部と、を備える、
決済方法自動判別装置。
【請求項2】
決済処理の完了を検知する完了検知部と、
前記完了検知部により前記決済処理の完了が検知されると、前記決済処理の完了を通知する完了通知部と、を更に備える、
請求項1に記載の決済方法自動判別装置。
【請求項3】
前記受信部により前記データが受信されると、前記複数種類の読取装置に対して前記データの読み取り停止指示を発行する第2指示発行部、を更に備える、
請求項1に記載の決済方法自動判別装置。
【請求項4】
データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置と、
前記複数種類の読取装置のそれぞれと通信可能に接続された、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の決済方法自動判別装置と、を備える、
決済方法自動判別システム。
【請求項5】
前記複数種類の読取装置は、少なくとも、バーコードスキャナと非接触型カードリーダを含み、
前記バーコードスキャナが所定位置に置かれた媒体に示されるバーコードを読み取ることができ且つ前記非接触型カードリーダが前記所定位置に置かれた媒体が保持する前記データを読み取ることができるように、前記バーコードスキャナと前記非接触型カードリーダとが近接して設置される、
請求項4に記載の決済方法自動判別システム。
【請求項6】
前記複数種類の読取装置は、少なくとも接触型カードリーダを更に含み、
前記決済方法自動判別装置は、操作指示部を更に備え、
前記第1指示発行部が前記読み取り指示を発行してから一定時間経過しても前記受信部が前記データを受信しない場合、前記操作指示部は、前記接触型カードリーダを用いた読み取り操作を利用者に指示する、
請求項5に記載の決済方法自動判別システム。
【請求項7】
前記複数種類の読取装置は、単一の筐体に保持される、
請求項4に記載の決済方法自動判別システム。
【請求項8】
データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置に対して前記データの読み取り指示を発行し、
前記読み取り指示を受けた前記複数種類の読取装置の何れか1つによって読み取られたデータを受信し、
前記受信されたデータの中から決済方法を示す識別子を取得し、
前記取得された識別子に基づいて決済方法を決定する、処理を、コンピュータに実行させる、
決済方法自動判別方法。
【請求項9】
データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置に対して前記データの読み取り指示を発行し、
前記読み取り指示を受けた前記複数種類の読取装置の何れか1つによって読み取られたデータを受信し、
前記受信されたデータの中から決済方法を示す識別子を取得し、
前記取得された識別子に基づいて決済方法を決定する、処理を、コンピュータに実行させる、
決済方法自動判別プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済方法自動判別装置、決済方法自動判別システム、決済方法自動判別方法及び決済方法自動判別プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を購入する際の決済方法として、端末装置に埋め込まれたIC(Integrated Circuit)チップを用いて行う電子マネー決済が利用されている(例えば特許文献1参照)。また、クレジットカードを用いて行うクレジットカード決済や、端末装置に表示されたバーコードを用いて行うバーコード決済も利用されている。
【0003】
このように、現状、バーコード決済、電子マネー決済、クレジットカード決済等の複数種類の電子決済が利用されている。客(利用者)は、店舗で商品を購入する際、例えば、POS(Point Of Sales)端末の画面に表示された選択肢の中から決済方法を選択し、選択された決済方法で会計を行ったり、希望の決定方法を店員に伝えて、その決済方法で会計を行ったりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-99076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、利用者によっては、例えば、決済方法を選択する画面操作が煩雑であったり分かり難かったりし、また、店員とのコミュニケーションミスにより正しい方法で電子決済を行えないことがある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、電子決済を利用者にスムーズに行わせることができる決済方法自動判別装置、決済方法自動判別システム、決済方法自動判別方法及び決済方法自動判別プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る決済方法自動判別装置は、データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置に対して前記データの読み取り指示を発行する第1指示発行部と、前記読み取り指示を受けた前記複数種類の読取装置の何れか1つによって読み取られたデータを受信する受信部と、前記受信部により受信されたデータの中から決済方法を示す識別子を取得する識別子取得部と、前記識別子取得部により取得された識別子に基づいて決済方法を決定する決済方法決定部と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係る決済方法自動判別システムは、データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置と、前記複数種類の読取装置のそれぞれと通信可能に接続された、上記の決済方法自動判別装置と、を備える。
【0009】
本発明の一実施形態に係る決済方法自動判別方法は、データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置に対して前記データの読み取り指示を発行し、前記読み取り指示を受けた前記複数種類の読取装置の何れか1つによって読み取られたデータを受信し、前記受信されたデータの中から決済方法を示す識別子を取得し、前記取得された識別子に基づいて決済方法を決定する、処理を、コンピュータに実行させる方法である。
【0010】
本発明の一実施形態に係る決済方法自動判別プログラムは、データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置に対して前記データの読み取り指示を発行し、前記読み取り指示を受けた前記複数種類の読取装置の何れか1つによって読み取られたデータを受信し、前記受信されたデータの中から決済方法を示す識別子を取得し、前記取得された識別子に基づいて決済方法を決定する、処理を、コンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、電子決済を利用者にスムーズに行わせることができる決済方法自動判別装置、決済方法自動判別システム、決済方法自動判別方法及び決済方法自動判別プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る決済システムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るPOS端末のハードウェア構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る読取ユニットのハードウェア構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る読取ユニットの外観図である。
図5】本発明の一実施形態に係るPOS端末の機能ブロック図である。
図6】本発明の一実施形態においてPOS端末により実行される会計処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る決済方法自動判別装置、決済方法自動判別システム、決済方法自動判別方法及び決済方法自動判別プログラムについて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る決済システム1の構成を示す図である。図1に示される決済システム1は、決済方法自動判別システムの一例であり、POS端末10、読取ユニット20、媒体30及び複数の管理サーバS1~Snを備える。POS端末10は、専用線やVPN(Virtual Private Network)等を含むネットワークNを介して、管理サーバS1~Snのそれぞれと相互通信可能に接続される。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態に係るPOS端末10のハードウェア構成を示す図である。POS端末10は、例えば、店員が操作する有人のPOS端末10であってもよく、また、客(利用者)が操作する無人のPOS端末10であってもよい。
【0016】
図2に示されるように、POS端末10は、バス100を備える。バス100に、プロセッサ111、メモリ112、補助記憶装置113、通信インタフェース114、入力装置115及び出力装置116が接続される。なお、POS端末10は、図2に示されていない他の構成を備えていてもよい。すなわち、POS端末10の態様には自由度があり、各種の設計変更が可能である。
【0017】
プロセッサ111は、メモリ112上に展開されたプログラムを実行する。プロセッサ111により実行されるプログラムには、本発明の一実施形態に係る決済方法自動判別プログラム113Aが含まれる。
【0018】
プロセッサ111は、例えばシングルプロセッサ又はマルチプロセッサであり、少なくとも1つのプロセッサを含む。複数のプロセッサを含む構成とした場合、プロセッサ111は、単一の装置としてパッケージ化されたものであってもよく、POS端末10内で物理的に分離した複数の装置で構成されてもよい。
【0019】
メモリ112は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、ワークエリアを提供する。
【0020】
補助記憶装置113は、種々の情報を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクドライブや半導体メモリである。補助記憶装置113には、本発明の一実施形態に係る決済方法自動判別プログラム113Aを含む各種プログラムが記憶される。プロセッサ111は、メモリ112内に確保したワークエリアにプログラムを展開し、展開されたプログラムに従ってPOS端末10を制御する。
【0021】
コンピュータの一例であるPOS端末10は、決済方法自動判別プログラム113Aにより、決済方法自動判別方法を実行する。
【0022】
例示的には、POS端末10は、データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置に対してデータの読み取り指示を発行し、読み取り指示を受けた複数種類の読取装置の何れか1つによって読み取られたデータを受信し、受信されたデータの中から決済方法を示す識別子を取得し、取得された識別子に基づいて決済方法を決定する、という一連の処理を実行する。すなわち、POS端末10は、決済方法自動判別装置の一例として動作する。
【0023】
POS端末10が決済方法自動判別プログラム113Aを実行することにより、会計時において、これまで利用者が行っていた、決済方法を選択する画面操作や店員への決済方法の伝達が不要となる。そのため、利用者は、電子決済をスムーズに行うことができる。
【0024】
通信インタフェース114は、ネットワークNを介してPOS端末10を管理サーバS1~Snのそれぞれと相互通信可能に接続し、また、POS端末10を読取ユニット20と相互通信可能に接続する。
【0025】
入力装置115は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等であり、店員又は利用者からの指示及び情報等の入力を受け付ける。入力装置115は、商品情報を読み取るスキャナを含んでいてもよい。
【0026】
出力装置116は、例えば、表示装置、音声出力装置、プリンタ等を含む。出力装置116は、利用者への指示、処理結果等を出力する。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態に係る読取ユニット20のハードウェア構成を示す図である。
【0028】
図3に示されるように、読取ユニット20は、バス200を備える。バス200に、非接触型カードリーダ211、バーコードスキャナ212、接触型カードリーダ213及びプロセッサ214が接続される。すなわち、読取ユニット20は、データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置を含む。なお、読取ユニット20は、図3に示されていない他の構成を備えていてもよい。すなわち、読取ユニット20の態様には自由度があり、各種の設計変更が可能である。
【0029】
プロセッサ214は、POS端末10のプロセッサ111からの指示に従い、非接触型カードリーダ211、バーコードスキャナ212、接触型カードリーダ213の各読取装置の動作を制御する。
【0030】
媒体30は、例えば、非接触型媒体30A、バーコード媒体30B、接触型媒体30Cである。
【0031】
非接触型媒体30Aは、例えば、RF(Radio Frequency)タグを内蔵する非接触型ICカード(クレジットカード、キャッシュカード、交通系ICカード等)、携帯端末(スマートフォン等)である。
【0032】
バーコード媒体30Bは、例えば、バーコード(1次元コード、二次元コード等)を画面に表示可能な携帯端末(スマートフォン等)である。
【0033】
接触型媒体30Cは、例えば、ICチップを内蔵する接触型ICカード(クレジットカード、キャッシュカード等)、磁気カード(クレジットカード、キャッシュカード等)である。
【0034】
媒体30は、決済処理に必要なデータDを保持する。例示的には、媒体30は、決済処理に必要なデータDとして、決済サービス側IDと利用者側IDを含む。決済サービス側IDは、電子決済種別を示すものであり、決済方法を示す識別子ともいえる。利用者側IDは、利用者に割り当てられたユニークな識別子である。
【0035】
クレジットカードは、例えば、決済サービス側IDとして、主要産業識別子及び発行会社識別番号を含むとともに、利用者側IDとして、利用者の会員番号を含む。
【0036】
キャッシュカードは、例えば、決済サービス側IDとして、銀行コード及び支店コードを含むとともに、利用者側IDとして、利用者の口座番号を含む。
【0037】
バーコード決済の一例であるPayPay(登録商標)は、例えば、決済サービス側IDとして、決済事業者のIDを含むとともに、利用者側IDとして、利用者(スマートフォン)の電話番号を含む。
【0038】
非接触型カードリーダ211は、会計時、例えば、磁界を発生し、電磁誘導を用いて非接触型媒体30Aに保持されたデータDを読み取り、読み取ったデータDを、バス200を介してPOS端末10に送信する。非接触型カードリーダ211は、電磁誘導方式に代えて又は加えて、電波方式に対応してもよい。
【0039】
バーコードスキャナ212は、会計時、例えば、バーコード媒体30Bである携帯端末の画面に表示されたバーコードを読み取り、読み取ったバーコードが示すデータDを、バス200を介してPOS端末10に送信する。
【0040】
接触型カードリーダ213は、会計時、例えば、磁気ヘッド上をスライドされた磁気カードに記録されたデータDや、カードスロットに挿入された接触型ICカードに記録されたデータDを読み取り、読み取ったデータDを、バス200を介してPOS端末10に送信する。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態に係る読取ユニット20の外観図である。図4に示されるように、読取ユニット20は、単一の筐体20Aを備える。筐体20A内に、非接触型カードリーダ211、バーコードスキャナ212及び接触型カードリーダ213が保持される。
【0042】
このように、非接触型カードリーダ211、バーコードスキャナ212及び接触型カードリーダ213は、筐体20Aにより、一箇所に集約されて保持される。店舗側は、読取装置毎に個別に管理する必要がなく、また、複数種類の読取装置をコンパクトなスペースに設置することができる。
【0043】
より詳細には、筐体20Aは、非接触型カードリーダ211として動作するLSI(Large Scale Integration)211Aを保持する。LSI211Aは、例えば筐体20Aに近付けられた非接触型媒体30Aと無線通信してデータDを読み取り、読み取ったデータDを、バス200を介してPOS端末10に送信する。
【0044】
また、筐体20Aは、バーコードスキャナ212を構成するカメラ212A及びLSI212Bを保持する。カメラ212Aにより、携帯端末の画面に表示されたバーコードが読み取られる。LSI212Bは、カメラ212Aで読み取られたバーコードが示すデータDを、バス200を介してPOS端末10に送信する。
【0045】
また、筐体20Aは、接触型カードリーダ213を構成する磁気ヘッド213A、カードスロット213B及びLSI213Cを保持する。磁気ヘッド213Aにより、磁気カードの磁気ストライプに記録されたデータDが読み取られる。カードスロット213Bにより、接触型ICカードに記録されたデータDが読み取られる。LSI213Cは、磁気ヘッド213A又はカードスロット213Bで読み取られたバーコードが示すデータDを、バス200を介してPOS端末10に送信する。
【0046】
管理サーバS1~Snは、クレジットカード会社、決済事業者、銀行等が管理するサーバである。POS端末10は、読取ユニット20より受信したデータDを用いて管理サーバS1~Snと通信し、決済処理を実行する。
【0047】
図5は、本発明の一実施形態に係るPOS端末10の機能ブロック図である。図5に示されるように、決済方法自動判別装置として動作するPOS端末10は、機能ブロックとして、第1指示発行部100A、受信部100B、操作指示部100C、第2指示発行部100D、識別子取得部100E、決済方法決定部100F、完了検知部100G、完了通知部100Hを含む。各機能ブロックは、コンピュータの一例であるPOS端末10が実行する決済方法自動判別プログラム113Aにより実現される。各機能ブロックは、一部又は全部が専用の論理回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0048】
図6は、POS端末10により実行される会計処理のフローチャートを示す図である。利用者が購入する全ての商品の情報がPOS端末10の入力装置115により読み取られると、店員(有人のPOS端末の場合)又は利用者(無人のPOS端末の場合)がPOS端末10の会計ボタンを押す。会計ボタンが押されたことを契機に、図6に示される会計処理の実行が開始される。
【0049】
図6に示されるように、POS端末10は、非接触型カードリーダ211、バーコードスキャナ212及び接触型カードリーダ213に対してデータDの読み取り指示を発行する(ステップS101)。非接触型カードリーダ211、バーコードスキャナ212及び接触型カードリーダ213は、発行された読み取り指示に従い、データDを読み取り可能な状態に遷移する。
【0050】
このように、ステップS101において、POS端末10は、データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置に対してデータの読み取り指示を発行する第1指示発行部100Aとして動作する。
【0051】
POS端末10は、出力装置116を用いて、会計操作を促すメッセージを利用者に通知する(ステップS102)。メッセージは、例えば、出力装置116の画面に表示されてもよく、また、音声で再生されてもよい。
【0052】
例えば、利用者が非接触型媒体30Aを筐体20Aの上面20Aaに近付けた場合を考える。バーコードスキャナ212及び接触型カードリーダ213は、データDを読み取り可能な状態ではあるものの、非接触型媒体30AからデータDを読み取ることはできない。この場合、非接触型カードリーダ211が、筐体20Aの上面20Aaの上方に位置する非接触型媒体30Aと無線通信してデータDを読み取る。非接触型カードリーダ211は、読み取ったデータDを、バス200を介してPOS端末10に送信する。
【0053】
例えば、利用者がバーコード媒体30Bを筐体20Aの上面20Aaに近付けた場合を考える。非接触型カードリーダ211及び接触型カードリーダ213は、データDを読み取り可能な状態ではあるものの、バーコード媒体30BからデータDを読み取ることはできない。この場合、バーコードスキャナ212が、バーコード媒体30Bである携帯端末の画面に表示されたバーコードを読み取る。バーコードスキャナ212は、読み取ったバーコードが示すデータDを、バス200を介してPOS端末10に送信する。
【0054】
なお、図4の例では、バーコードスキャナ212にバーコードを読み込ませるため、バーコードが表示された携帯端末の画面をカメラ212Aに向ける必要がある。
【0055】
そこで、別の実施形態では、筐体20Aの複数個所にカメラが設置されてもよい。この場合、バーコードスキャナ212は、様々な角度から、バーコードを読み取ることができる。そのため、利用者は、携帯端末の画面の向きを意識することなく、バーコードをバーコードスキャナ212に読み込ませることができる。
【0056】
このように、本実施形態では、バーコードスキャナ212が筐体20Aの上面20Aa付近(所定位置の一例)に置かれたバーコード媒体30Bに示されるバーコードを読み取ることができ且つ非接触型カードリーダ211が上記所定位置に置かれた非接触型媒体30Aが保持するデータDを読み取ることができるように、バーコードスキャナ212と非接触型カードリーダ211とが近接して設置される。
【0057】
例えば、利用者が接触型媒体30Cを磁気ヘッド213Aに通したり又はカードスロット213Bに差し込んだりした場合を考える。非接触型カードリーダ211及びバーコードスキャナ212は、データDを読み取り可能な状態ではあるものの、接触型媒体30CからデータDを読み取ることはできない。この場合、接触型カードリーダ213が、接触型媒体30Cに保持されたデータDを読み取る。接触型カードリーダ213は、読み取ったデータDを、バス200を介してPOS端末10に送信する。
【0058】
POS端末10は、読み取り指示を受けた複数種類の読取装置の何れか1つ(非接触型カードリーダ211、バーコードスキャナ212又は接触型カードリーダ213)によって読み取られたデータDを受信する受信部100Bとして動作する。
【0059】
POS端末10は、読取ユニット20からデータDを受信したか否かを検知する(ステップS103)。データDを受信していない場合(ステップS103:NO)、POS端末10は、ステップS101で読み取り指示を発行してから一定時間経過したか否かを判定する(ステップS104)。一定時間経過していなければ(ステップS104:NO)、POS端末10は、ステップS103の処理に戻る。
【0060】
ステップS101で読み取り指示を発行してから一定時間経過した場合(ステップS104:YES)、利用者が会計に用いようとする媒体30が、読取ユニット20に単純にかざすだけの媒体でなく、少し操作が必要な媒体(すなわち、磁気ヘッド213Aに通す等の操作が必要な接触型媒体30C)である可能性がある。
【0061】
そこで、POS端末10は、出力装置116を用いて、接触型カードリーダ213による読み取り操作を行うことを促すメッセージを利用者に通知する(ステップS105)。メッセージは、例えば、出力装置116の画面に表示されてもよく、また、音声で再生されてもよい。次いで、POS端末10は、ステップS103の処理に戻る。
【0062】
なお、利用者が会計に用いようとする媒体30が、非接触型媒体30A又はバーコード媒体30Bである可能性もある。そのため、POS端末10は、接触型カードリーダ213による読み取り操作を行うことを促すメッセージに加えて、もし利用者が会計に用いようとする媒体30が非接触型媒体30A又はバーコード媒体30Bであれば読取ユニット20にかざすように指示するメッセージを通知してもよい。
【0063】
このように、POS端末10は、第1指示発行部100Aが読み取り指示を発行してから一定時間経過しても受信部100BがデータDを受信しない場合、ステップS105において、接触型カードリーダ213を用いた読み取り操作を利用者に指示する操作指示部100Cとして動作する。
【0064】
読取ユニット20からデータDを受信すると(ステップS103:YES)、POS端末10は、非接触型カードリーダ211、バーコードスキャナ212及び接触型カードリーダ213に対してデータDの読み取り停止指示を発行する(ステップS106)。
【0065】
このように、POS端末10は、受信部100BによりデータDを受信すると、ステップS106において、複数種類の読取装置に対してデータDの読み取り停止指示を発行する第2指示発行部100Dとして動作する。
【0066】
非接触型カードリーダ211、バーコードスキャナ212及び接触型カードリーダ213は、第2指示発行部100Dで発行された読み取り停止指示に従い、データDを読み取りできない状態に遷移する。これにより、各読取装置による意図しないデータDの読み取りが防がれる。
【0067】
POS端末10は、読取ユニット20より受信したデータDの中から決済サービス側IDを取得する(ステップS107)。すなわち、ステップS107において、POS端末10は、受信部100Bにより受信されたデータDの中から決済サービス側ID(決済方法を示す識別子の一例)を取得する識別子取得部100Eとして動作する。
【0068】
POS端末10は、ステップS107で取得した決済サービス側IDに基づいて決済方法を決定する(ステップS108)。すなわち、ステップS108において、POS端末10は、識別子取得部100Eにより取得された識別子に基づいて決済方法を決定する決済方法決定部100Fとして動作する。
【0069】
POS端末10は、ステップS108で決定された決済方法で決済処理を行う(ステップS109)。
【0070】
例えば、決済サービス側IDがクレジットカード会社を示す場合を考える。この場合、POS端末10は、決済方法をクレジットカード決済に決定し(ステップS108)、決済サービス側IDが示すクレジットカード会社の管理サーバS1と通信して決済処理を行う(ステップS109)。
【0071】
例えば、決済サービス側IDがバーコード決済の事業者を示す場合を考える。この場合、POS端末10は、決済方法をバーコード決済に決定し(ステップS108)、決済サービス側IDが示す事業者の管理サーバS2と通信して決済処理を行う(ステップS109)。
【0072】
POS端末10は、決済処理が完了したか否かを検知する(ステップS110)。すなわち、ステップS110において、POS端末10は、決済処理の完了を検知する完了検知部100Gとして動作する。
【0073】
POS端末10は、決済処理の完了を検知すると(ステップS110:YES)、決済処理が完了したことを示すメッセージを利用者に通知する(ステップS111)。メッセージは、例えば、出力装置116の画面に表示されてもよく、また、音声で再生されてもよい。利用者は、このメッセージを受けることにより、会計が完了したことを認識することができる。
【0074】
このように、POS端末10は、完了検知部100Gにより決済処理の完了が検知されると、ステップS111において、決済処理の完了を通知する完了通知部100Hとして動作する。
【0075】
従来、例えばPOS端末の画面から決済方法を選択する場合、利用者によっては、選択操作に戸惑うことがあった。また、決済方法を店員に伝える場合、例えば、周囲が騒がしい環境下や利用者がマスクを着けている状況下で、希望の決済方法が店員にうまく伝わらないことがあった。
【0076】
これに対し、本実施形態では、利用者は、決済方法の選択操作や店員への決済方法の伝達を行うことなく、媒体30を読取ユニット20にかざしたり接触型カードリーダ213に通したりするだけで、媒体30に応じた決済方法(例示的には、非接触型媒体30A又は接触型媒体30Cを用いた電子決済、バーコード媒体30Bを用いたバーコード決済など)で会計を行うことができる。そのため、利用者は、希望する方法で電子決済をスムーズに行うことができる。
【0077】
また、本実施形態では、データの読み取り方法がそれぞれ異なる複数種類の読取装置が単一の読取ユニット20として一箇所に集約されている。この点からも、利用者は、バーコード決済、電子マネー決済、クレジットカード決済等の各種電子決済を迷うことなくスムーズに行うことができる。
【0078】
利用者が電子決済をスムーズに行えるため、会計時の待ち時間が短縮される。
【0079】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 :決済システム
10 :POS端末
20 :読取ユニット
20A :筐体
30 :媒体
30A :非接触型媒体
30B :バーコード媒体
30C :接触型媒体
100A :第1指示発行部
100B :受信部
100C :操作指示部
100D :第2指示発行部
100E :識別子取得部
100F :決済方法決定部
100G :完了検知部
100H :完了通知部
111 :プロセッサ
112 :メモリ
113 :補助記憶装置
113A :決済方法自動判別プログラム
114 :通信インタフェース
115 :入力装置
116 :出力装置
211 :非接触型カードリーダ
212 :バーコードスキャナ
213 :接触型カードリーダ
214 :プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6