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特開2024-46155車両運賃決済システム及び車両運賃決済装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046155
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】車両運賃決済システム及び車両運賃決済装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/32 20120101AFI20240327BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240327BHJP
   G07B 13/00 20060101ALI20240327BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20240327BHJP
【FI】
G06Q20/32 330
G06Q50/30
G07B13/00 H
G07B15/00 J
G07B15/00 K
G07B15/00 V
G07B15/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151377
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】508207790
【氏名又は名称】有限会社 和晃
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】水科 晃
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
3E127AA10
3E127AA11
3E127AA12
3E127BA11
3E127BA50
3E127CA04
3E127CA08
3E127CA38
3E127CA39
3E127CA41
3E127CA47
3E127CA59
3E127DA18
3E127DA20
3E127DA30
3E127DA33
3E127EA02
3E127EA12
3E127EA33
3E127EA43
3E127EA46
5L049CC42
5L055AA64
(57)【要約】
【課題】移動端末上に提示した所定のコードラベル、及びその所定のコードラベルに対して予め連携登録したICタグのいずれか一方又は双方の利用で電子決済に係る車両の運賃を自動算出する車両運賃決済システム及び車両運賃決済装置を提供する。
【解決手段】本発明の車両運賃決済システム1は、ユーザーUの車両Mの乗り降りの際に、ユーザーIDを含むコードラベル情報がコード化されたコードラベルCLを提示可能とする移動端末2と、車両Mに搭載され提示されたコードラベルCLを読み取るか、又はコードラベルCLに予め連携登録され提示されたICタグFを読み取るコードラベル・ICタグ読取端末3と、車両Mに搭載され当該読み取られた情報を基にGPS信号の検出により運賃を自動算出する車両運賃決済装置4と、コードラベルCLとICタグFのいずれの提示でも車両Mの利用履歴を管理して移動端末2に通知する管理センターサーバ6と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運送サービスに関する電子決済に係る車両の運賃を自動算出する車両運賃決済システムであって、
ユーザーの前記車両の乗り降りの際に、少なくともユーザーIDを含むコードラベル情報がコード化されたコードラベルを提示可能とする、前記ユーザーが用いる移動端末と、
前記車両に搭載され、前記ユーザーが用いる移動端末によって提示された前記コードラベルを読み取って前記コードラベル情報を抽出可能とし、且つ前記コードラベルに予め連携登録され前記ユーザーによって提示されたICタグを読み取って固有のICタグ識別情報を抽出可能とするコードラベル・ICタグ読取端末と、
前記車両に搭載され、前記コードラベル・ICタグ読取端末によって抽出された前記コードラベル情報及び前記ICタグ識別情報のいずれか一方の受信を基に、GPS信号を受信して前記車両の現在の位置情報と現在の日時情報を取得するGPS受信機能部、及び、前記車両への前記ユーザーの乗車時点の位置情報及び日時情報と、降車時点の位置情報及び日時情報とを検出し、前記運送サービスに関する取引の予め定められた運賃を自動算出するよう制御する運賃算出部と、を有する車両運賃決済装置と、
前記車両運賃決済装置からの前記コードラベル情報及び前記ICタグ識別情報についての照合を可能とするよう前記コードラベル情報の登録及び前記コードラベル情報に対する前記ICタグ識別情報の連携登録を管理するとともに、前記ユーザーがコードラベルを提示した場合と前記ICタグを提示した場合のいずれにおいても前記車両を利用した利用履歴を管理するために、車両毎に一定期間、1以上のユーザーIDの運送サービスに関する取引のユーザー利用情報を保管し、ユーザーID単位で前記ユーザー利用情報の更新がある度に、当該ユーザーIDに対応する移動端末に利用履歴として通知するユーザー利用情報通知処理を実行する管理センターサーバと、
を備えることを特徴とする車両運賃決済システム。
【請求項2】
前記コードラベルは、前記移動端末で起動する専用アプリケーション上で表示可能に予め購入取得され、その都度電子決済を行うための都度払い、所定期間は自由に車両の利用を可能とする前払い電子決済で購入取得される定期券、利用回数分は車両の利用を可能とする前払い電子決済で購入取得される回数券、及び、事前の電子決済によりチャージした金額の範囲内で車両の利用時にプリペイド電子決済払いとするプリペイド券のうち一種類を示すものとし、
前記ICタグは、1つの前記コードラベルに対してのみ前記管理センターサーバに対して連携登録できるように構成され、
1つの前記コードラベルは、1つ又は複数のICタグを前記管理センターサーバに対して連携登録できるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両運賃決済システム。
【請求項3】
前記車両運賃決済装置は、前記運賃算出部による運賃の算出後の一定期間、前記車両を利用した1以上のユーザーIDの運送サービスに関する取引のユーザー利用情報をユーザー利用情報テーブルとして履歴管理するユーザー利用情報管理制御部と、前記管理センターサーバとの通信制御を行うゲートウェイ機能部と、更に有し、
前記ユーザー利用情報管理制御部は、前記ゲートウェイ機能部と協働して、自車両について履歴管理する当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いは前記管理センターサーバからの要求に応じて、前記管理センターサーバに送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有することを特徴とする、請求項2に記載の車両運賃決済システム。
【請求項4】
前記ゲートウェイ機能部は、前記運賃算出部によって算出した運賃について、前記コードラベルが車両使用時に電子決済を要するときに、自動的に、或いは前記移動端末に対する支払い確認の承諾回答を経て、当該ユーザーが措定する決済会社サーバに対する当該運賃の電子決済を要求し電子決済を完了させる処理を行い、前記ユーザー利用情報管理制御部における当該運賃及び電子決済に係るユーザー利用情報を履歴管理させる決済要求処理部を更に有することを特徴とする、請求項3に記載の車両運賃決済システム。
【請求項5】
請求項1に記載の車両運賃決済システムにおける車両運賃決済装置であって、
前記コードラベル・ICタグ読取端末によって抽出された前記コードラベル情報及び前記ICタグ識別情報のいずれか一方の受信を基に、GPS信号を受信して前記車両の現在の位置情報と現在の日時情報を取得する当該GPS受信機能部と、
前記車両への前記ユーザーの乗車時点の位置情報及び日時情報と、降車時点の位置情報及び日時情報とを検出し、前記運送サービスに関する取引の予め定められた運賃を自動算出するよう制御する当該運賃算出部と、
前記運賃算出部による運賃の算出後の一定期間、前記車両を利用した1以上のユーザーIDの運送サービスに関する取引のユーザー利用情報をユーザー利用情報テーブルとして履歴管理するユーザー利用情報管理制御部と、
前記管理センターサーバとの通信制御を行うゲートウェイ機能部と、を備え、
前記ゲートウェイ機能部は、
前記管理センターサーバに対して、前記コードラベル情報の利用可否に関する照合を行う利用可否判定処理部と、
前記管理センターサーバに対して、前記コードラベル情報に対する前記ICタグ識別情報の連携登録に関する照合を行う連携判定処理部と、
前記運賃算出部によって算出した運賃について、前記コードラベルが車両使用時に電子決済を要するときに、自動的に、或いは前記移動端末に対する支払い確認の承諾回答を経て、当該ユーザーが措定する決済会社サーバに対する当該運賃の電子決済を要求し電子決済を完了させる処理を行い、前記ユーザー利用情報管理制御部における当該運賃及び電子決済に係るユーザー利用情報を履歴管理させる決済要求処理部と、を有し、
前記ユーザー利用情報管理制御部は、前記ゲートウェイ機能部と協働して、自車両について履歴管理する当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いは前記管理センターサーバからの要求に応じて、前記管理センターサーバに送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有することを特徴とする車両運賃決済装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送サービスに関する電子決済に係る車両の運賃を自動算出する車両運賃決済システム及び車両運賃決済装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーがバスやタクシー、或いは電車等の車両を利用する場合、その利用した距離に応じた料金を、現金、乗車チケット、或いはIC(Integrated Circuit)カード等で支払う。近年では、運賃の支払い方法として、現金の他に、電子マネーやクレジットカード等による支払も行われている。
【0003】
ただし、ユーザーがバスやタクシー、或いは電車等の車両を利用する場合、その利用した距離に応じた料金を支払うが、しばしば「乗車券の紛失」で運賃が不明になってしまうことや、「乗り逃げ」や「なりすまし」によるユーザーを事後特定できず、損失が生じたりする問題が生じることがある。
【0004】
ところで、運送サービスを受けたユーザーが迅速に運賃の支払いを完了させる精算システムについて開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に開示される精算システムは、運送サービスに関する取引情報を出力するタクシーに設けられる運賃メータ及び管理端末と、取引情報を取得したユーザー端末からユーザー情報及び取引情報を取得し、ユーザー情報と紐づけ可能な運賃情報を運賃メータから取得するホスト端末と、を有し、タクシーに設けられる管理端末は、その取引情報をユーザー端末に読み取らせるためにQRコード(登録商標)として表示する管理表示部を有している。
【0006】
そして、特許文献1に開示される精算システムは、運送サービスを受けたユーザーが迅速に運賃の支払いを完了させる精算に関する技術であり、取引情報をQRコード(登録商標)として表示する管理表示部を有しており、これによりユーザー端末は、ホスト端末経由で電子決済できるようにしているが、上記の問題を解決することができない。即ち、ユーザー端末がQRコード(登録商標)を提示するものではないため、QRコード(登録商標)自体からユーザー情報を特定できない。また、決済メーカーのアプリケーションが発行するQRコード(登録商標)は、あくまでも決済用の情報しかなく、そのQRコード(登録商標)は或る一定時間を過ぎると更新されるため、どこから乗りどこで降りるかといった運賃等の取引情報をQRコード(登録商標)として表示するとしても、ユーザー端末を特定することはできない。
【0007】
また、ユーザーとしては、ユーザーの秘匿性が保たれた上で、運送サービスに関する取引の運賃が利用距離又は利用時間で確実に算出されて、安心して利用できるシステムが要望される。
【0008】
そこで、運送サービスに関する取引の安全性を高め、尚且つユーザーにとっても利便性の高い車両運賃算出システムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
特許文献2に開示される車両運賃算出システムは、ユーザーの前記車両の乗り降りの際に、ユーザー情報がコード化されたコードラベルを提示可能とするユーザーが用いる移動端末と、車両に搭載され、当該移動端末から当該コードラベルを読み取って当該ユーザー情報を抽出するコードラベル読取端末と、車両に搭載され、GPS信号を受信して車両の現在の位置情報と現在の日時情報を取得するGPS受信機能、及び、車両への前記ユーザーの乗車時点の位置情報及び日時情報と、降車時点の位置情報及び日時情報とを検出し、運送サービスに関する取引の予め定められた運賃を自動算出し、所定の運賃表示器に自動表示するよう制御する運賃算出機能を有する車両運賃決済装置と、を備えるものとしている。
【0010】
つまり、この特許文献2に開示される「車両運賃算出システム」では、移動端末上で専用アプリケーション(本願明細書中、「TicketQR」アプリとも称する。)を利用してユーザーがコードラベルを表示し、ユーザーによる車両の昇降時のコードラベルの提示により車両の運賃を自動算出するようになっており、自動算出した運賃については、現金、乗車チケット、或いはICカード等の任意の精算方法で支払うとしている。そこで、特許文献2に開示される「車両運賃算出システム」における精算方法の好適な利用形態として、専用アプリケーション(「TicketQR」)上で、運賃の電子決済を可能とした「車両運賃決済システム」が実用化に向けて令和2年12月1日より実証実験が開始され、加えて令和3年10月1日より実用化が開始されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2020-74146号公報
【特許文献2】特開2022-18823号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】“QRコード(登録商標)決済について(TicketQR)”、[online]、上田バスオンライン、[令和4年8月1日検索]、インターネット〈URL:www.uedabus.co.jp/QR.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した特許文献2に開示される「車両運賃算出システム」、並びに非特許文献1に開示される「車両運賃決済システム」では、移動端末上で専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)を利用してユーザーがコードラベルを提示可能とし、ユーザーによる車両の昇降時のコードラベルの提示により運送サービスに関する車両の運賃を自動算出するものとなっているため、取引の安全性と利便性を高めたものとなっている。特に、非特許文献1に開示される「車両運賃決済システム」では、専用アプリケーション(「TicketQR」)上で、運賃の電子決済を可能となっており、より取引の安全性と利便性を高めたものとなっている。
【0014】
しかしながら、非特許文献1に開示される「車両運賃決済システム」では、ユーザーが専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)を利用する移動端末を携帯していない場合や、移動端末の充電不足で動作しないような場合では、その「車両運賃決済システム」を全く利用できず、その場合は「車両運賃決済システム」には関わらない別の精算方法(現金又は所謂「交通系ICカード」等)を利用するしか車両を利用できないという課題がある。
【0015】
このため、ユーザーが専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)を利用する移動端末を携帯していない場合や、移動端末の充電不足で動作しないような場合であっても、当該専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)に基づいた運送サービスに関する電子決済に係る車両の運賃を自動算出可能とする新たな「車両運賃決済システム」が望まれる。
【0016】
そこで、本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、ユーザーが専用アプリケーションを利用する移動端末を携帯していない場合や動作できない場合でも、当該専用アプリケーションに基づいた運送サービスに関する電子決済に係る車両の運賃を自動算出する車両運賃決済システム及び車両運賃決済装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の車両運賃決済システムは、運送サービスに関する電子決済に係る車両の運賃を自動算出する車両運賃決済システムであって、ユーザーの前記車両の乗り降りの際に、少なくともユーザーIDを含むコードラベル情報がコード化されたコードラベルを提示可能とする、前記ユーザーが用いる移動端末と、前記車両に搭載され、前記ユーザーが用いる移動端末によって提示された前記コードラベルを読み取って前記コードラベル情報を抽出可能とし、且つ前記コードラベルに予め連携登録され前記ユーザーによって提示されたICタグを読み取って固有のICタグ識別情報を抽出可能とするコードラベル・ICタグ読取端末と、前記車両に搭載され、前記コードラベル・ICタグ読取端末によって抽出された前記コードラベル情報及び前記ICタグ識別情報のいずれか一方の受信を基に、GPS信号を受信して前記車両の現在の位置情報と現在の日時情報を取得するGPS受信機能部、及び、前記車両への前記ユーザーの乗車時点の位置情報及び日時情報と、降車時点の位置情報及び日時情報とを検出し、前記運送サービスに関する取引の予め定められた運賃を自動算出するよう制御する運賃算出部と、を有する車両運賃決済装置と、前記車両運賃決済装置からの前記コードラベル情報及び前記ICタグ識別情報についての照合を可能とするよう前記コードラベル情報の登録及び前記コードラベル情報に対する前記ICタグ識別情報の連携登録を管理するとともに、前記ユーザーがコードラベルを提示した場合と前記ICタグを提示した場合のいずれにおいても前記車両を利用した利用履歴を管理するために、車両毎に一定期間、1以上のユーザーIDの運送サービスに関する取引のユーザー利用情報を保管し、ユーザーID単位で前記ユーザー利用情報の更新がある度に、当該ユーザーIDに対応する移動端末に利用履歴として通知するユーザー利用情報通知処理を実行する管理センターサーバと、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の車両運賃決済システムにおいて、前記コードラベルは、前記移動端末で起動する専用アプリケーション上で表示可能に予め購入取得され、その都度電子決済を行うための都度払い、所定期間は自由に車両の利用を可能とする前払い電子決済で購入取得される定期券、利用回数分は車両の利用を可能とする前払い電子決済で購入取得される回数券、及び、事前の電子決済によりチャージした金額の範囲内で車両の利用時にプリペイド電子決済払いとするプリペイド券のうち一種類を示すものとし、前記ICタグは、1つの前記コードラベルに対してのみ前記管理センターサーバに対して連携登録できるように構成され、1つの前記コードラベルは、1つ又は複数のICタグを前記管理センターサーバに対して連携登録できるように構成されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の車両運賃決済システムにおいて、前記車両運賃決済装置は、前記運賃算出部による運賃の算出後の一定期間、前記車両を利用した1以上のユーザーIDの運送サービスに関する取引のユーザー利用情報をユーザー利用情報テーブルとして履歴管理するユーザー利用情報管理制御部と、前記管理センターサーバとの通信制御を行うゲートウェイ機能部と、更に有し、前記ユーザー利用情報管理制御部は、前記ゲートウェイ機能部と協働して、自車両について履歴管理する当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いは前記管理センターサーバからの要求に応じて、前記管理センターサーバに送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の車両運賃決済システムにおいて、前記ゲートウェイ機能部は、前記運賃算出部によって算出した運賃について、前記コードラベルが車両使用時に電子決済を要するときに、自動的に、或いは前記移動端末に対する支払い確認の承諾回答を経て、当該ユーザーが措定する決済会社サーバに対する当該運賃の電子決済を要求し電子決済を完了させる処理を行い、前記ユーザー利用情報管理制御部における当該運賃及び電子決済に係るユーザー利用情報を履歴管理させる決済要求処理部を更に有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の車両運賃決済装置は、本発明の車両運賃決済システムにおける車両運賃決済装置であって、前記コードラベル・ICタグ読取端末によって抽出された前記コードラベル情報及び前記ICタグ識別情報のいずれか一方の受信を基に、GPS信号を受信して前記車両の現在の位置情報と現在の日時情報を取得する当該GPS受信機能部と、前記車両への前記ユーザーの乗車時点の位置情報及び日時情報と、降車時点の位置情報及び日時情報とを検出し、前記運送サービスに関する取引の予め定められた運賃を自動算出するよう制御する当該運賃算出部と、前記運賃算出部による運賃の算出後の一定期間、前記車両を利用した1以上のユーザーIDの運送サービスに関する取引のユーザー利用情報をユーザー利用情報テーブルとして履歴管理するユーザー利用情報管理制御部と、前記管理センターサーバとの通信制御を行うゲートウェイ機能部と、を備え、前記ゲートウェイ機能部は、前記管理センターサーバに対して、前記コードラベル情報の利用可否に関する照合を行う利用可否判定処理部と、前記管理センターサーバに対して、前記コードラベル情報に対する前記ICタグ識別情報の連携登録に関する照合を行う連携判定処理部と、前記運賃算出部によって算出した運賃について、前記コードラベルが車両使用時に電子決済を要するときに、自動的に、或いは前記移動端末に対する支払い確認の承諾回答を経て、当該ユーザーが措定する決済会社サーバに対する当該運賃の電子決済を要求し電子決済を完了させる処理を行い、前記ユーザー利用情報管理制御部における当該運賃及び電子決済に係るユーザー利用情報を履歴管理させる決済要求処理部と、を有し、前記ユーザー利用情報管理制御部は、前記ゲートウェイ機能部と協働して、自車両について履歴管理する当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いは前記管理センターサーバからの要求に応じて、前記管理センターサーバに送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、移動端末上に提示した所定のコードラベル、及びその所定のコードラベルに対して予め連携登録したICタグのいずれか一方又は双方の利用で、移動端末上で動作する専用アプリケーションに基づいた運送サービスに関する電子決済に係る車両の運賃を自動算出するので、ユーザーが専用アプリケーションを利用する移動端末を携帯していない場合や動作できない場合でも、取引の安全性の高い態様で車両を利用することができ、従来よりも更にユーザーにとって利便性を高めることができる。従って、本発明によれば、ユーザーの使い勝手が向上し、本発明に係る車両運賃決済システムの利用が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムにおける車両運賃決済装置及び移動端末の概略構成を示すブロック図である。
図3】(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係るユーザー別にコードラベル管理サーバ内に登録設定されるコードラベルの種別とコードラベル情報例、及びICタグの種別とICタグ識別情報例を示す図である。
図4】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係るICタグ連携管理サーバ内の連携登録情報テーブル例を示す図である。
図5】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係るコードラベルによる車両利用時のシステム動作例を示すフローチャートである。
図6】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係るICタグによる車両利用時のシステム動作例を示すフローチャートである。
図7】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係る車両運賃決済装置内のユーザー利用情報テーブル例を示す図である。
図8】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係るコードラベル管理サーバ内のユーザー利用情報テーブル例を示す図である。
図9】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係るコードラベル管理サーバ及びICタグ連携管理サーバを一体化した管理センターサーバ内のユーザー利用情報テーブル例を示す図である。
図10】(a),(b)は、それぞれユーザーがICタグを用いて或る車両を乗車した時と降車した時の本発明による一実施形態の車両運賃決済システムにおける典型的な運賃算出・電子決済例を示す図である。
図11】(a),(b)は、それぞれユーザーが移動端末上に提示したユーザーが購入取得済みのコードラベルを用いて或る車両を乗車し、そのコードラベルに対し連携登録済みのICタグを用いて降車した時の本発明による一実施形態の車両運賃決済システムにおける典型的な運賃算出・電子決済例を示す図である。
図12】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係るコードラベル及びICタグの連携登録の動作例1を示すフローチャートである。
図13】本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係るコードラベル及びICタグの連携登録の動作例2を示すフローチャートである。
図14】(a)乃至(e)は、それぞれ本発明による一実施形態の車両運賃決済システムに係るコードラベルの種別毎の連携登録済みのICタグに関する移動端末上のリスト表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1について説明する。図1は、本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1における車両運賃決済装置4及び移動端末2の概略構成を示すブロック図である。
【0025】
〔車両運賃決済システム〕
図1に示す車両運賃決済システム1は、ユーザーUが用いる移動端末2と、ユーザーUが利用する運送サービスに関する取引対象の車両(図示する例ではバス)Mに搭載され賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5と連動するコードラベル・ICタグ読取端末3と、各種サーバ(管理センターサーバ6及び決済会社サーバ7)と無線通信可能な車両運賃決済装置4と、管理センターサーバ6と、を備える。尚、本例では、車両Mの例としてバスを例示しているが、タクシー、或いは電車等の運送サービスに関する取引対象の車両としてもよい。また、管理センターサーバ6(本願明細書中、「TicketQRサーバ」とも称する。)は、コードラベル管理サーバ61及びICタグ連携管理サーバ62からなり、コードラベル管理サーバ61及びICタグ連携管理サーバ62を一体にすることができるが、本例では、説明の便宜上、コードラベル管理サーバ61及びICタグ連携管理サーバ62を別体に構成した例を主として説明する。
【0026】
車両運賃決済システム1において、ユーザーUは、車両Mの乗り降りの際に、移動端末2に表示させた少なくともユーザーUを特定するユーザーID(識別子)を含むコードラベル情報がコード化されたコードラベルCLをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざして読み取らせることができる。コードラベルCLは、本例ではQRコード(登録商標)のような既存フォーマット形式の二次元コードラベルとするが、バーコードのような既存フォーマット形式の一次元コードラベルでもよい。
【0027】
このコードラベルCLは、複数の車両Mにそれぞれ搭載される車両運賃決済装置4を管理するコードラベル管理サーバ61に対し、ユーザーUが例えば移動端末2を利用して車両運賃決済システム1に係るWebサイトのアクセス経由でユーザー登録を行った後、コードラベル管理サーバ61を機能させる車両運賃決済システム1に係るWebサイトから購入取得されるものである。ユーザー登録にあたって、まず、ユーザーUは、移動端末2を用いて車両運賃決済システム1に係るWebサイトにアクセスし、専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)をダウンロードする。そして、ユーザーUは、その専用アプリケーション上のユーザー登録の実行により、車両運賃決済システム1に係るWebサイトのアクセス経由で少なくともユーザー名称及び移動端末2を指定するメールアドレスを記載した個人情報をコードラベル管理サーバ61に送信する。或いは、ユーザーUは、移動端末2の専用アプリケーションをダウンロードする代わりに、車両運賃決済システム1に係るWebサイトへのアクセスで移動端末2上に提示させるものとし、ユーザー登録のために、任意の通信端末(パーソナルコンピュータを含む。)を利用して車両運賃決済システム1に係るWebサイトにアクセスし、少なくともユーザー名称及び移動端末2を指定するメールアドレスを記載した個人情報をコードラベル管理サーバ61に送信する。また、コードラベルCL自体は、車両運賃決済システム1に係るWebサイトのシステムが生成して専用アプリケーション上に提供するとともにコードラベル管理サーバ61に登録管理するとしてもよいし、専用アプリケーションがコードラベルCLを生成する機能を有し、コードラベル管理サーバ61に登録管理させるとしてもよい。
【0028】
コードラベル管理サーバ61は、その個人情報を取得すると固有の識別番号を割り当ててユーザーID(識別子)として管理し、当該ユーザーIDに対応するユーザー登録情報を確認させるためのURL情報(アクセス期限付き)を当該メールアドレスに返信する。従って、ユーザーIDによって、ユーザー名称及び移動端末2を指定するメールアドレスを記載した個人情報を特定できる。そして、ユーザーUは、当該メールアドレスにて指定されるURLにアクセスしてユーザー登録情報を確認し、ユーザー登録を承認する旨の通知をコードラベル管理サーバ61に送信する。次に、ユーザーUは、ユーザー登録後に、専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)上で、電子決済を行う決済会社の設定(即ち、コードラベルCLについて決済利用する決済会社サーバ7の指定設定)や、所定のチケット(図3(a)を参照して後述する。)に対応するコードラベルCLを購入取得する操作を行う。この当該電子決済を行う決済会社の設定及び所定のチケットに対応するコードラベルCLを購入取得するユーザー操作に応じて、コードラベル管理サーバ61は、ユーザー登録の確認(ユーザー認証)後、当該所定のチケットに対応する少なくとも当該ユーザーIDを示すコードラベルCLを有効期限付きで生成し、移動端末2によって利用可能に送信して移動端末2に保持させる。尚、コードラベルCLに設定される有効期限が超過しているときは、そのコードラベルCLはコードラベル管理サーバ61において無効化される。
【0029】
本実施形態では、コードラベルCLの種別については、図3(a)に示すように、本例では5種類のチケット(Type0~Type4)を想定している。図3(a)には、本実施形態の車両運賃決済システム1に係るユーザー別にコードラベル管理サーバ61内に登録設定されるコードラベルCLの種別とコードラベル情報例を示している。5種類の各チケットは、上述したように、ユーザーUが利用する移動端末2において専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)をダウンロードして、或いは車両運賃決済システム1に係るWebサイトへのアクセスで移動端末2上に表示させ、その専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)の機能として、購入取得することができる。
【0030】
具体的には、それぞれ車両Mの利用時にその都度電子決済を行うための「都度払い」(Type0,1)、例えば3か月、6か月、1年等のそれぞれの所定期間を識別可能とする態様で当該所定期間は自由に車両Mの利用を可能とする前払い電子決済で購入取得される「定期券」(Type2)、例えば10回、20回、30回等のそれぞれの利用回数を識別可能とする態様で当該利用回数分は車両Mの利用を可能とする前払い電子決済で購入取得される「回数券」(Type3)、及び、例えば2000年、3000円、5000円等の事前の電子決済によりチャージした金額の範囲内で車両Mの利用時にプリペイド電子決済払いとする「プリペイド券」(Type4)がある。Type1~Type4については、それぞれを識別するコードラベルIDが割り当てられ、ユーザーIDと共にコードラベル情報に含まれる。このため、移動端末2上で表示させたコードラベルCLをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざして読み取らせることで、少なくとも「ユーザーID」を特定し、加えて「都度払い」、「定期券」、「回数券」及び「プリペイド券」のいずれであるかを識別するコードラベル情報が、コードラベル・ICタグ読取端末3によって抽出される。尚、本実施形態では、必須ではないが、ユーザーUが複数の同一タイプのコードラベルCLを購入取得することも許容する好適例として、コードラベル情報が、少なくともユーザーIDを含むだけでなく、個々のコードラベルCLを識別可能とする発券番号も含むものとした。ここで、発券番号が個々のコードラベルCLを識別できるようにしてコードラベルIDを省略したコードラベル情報とすることもできるし、発券番号とコードラベルIDとを区別したコードラベル情報とすることもできる。ユーザーUが購入取得したコードラベルCLは、ユーザー登録されたユーザーIDを基に、所定の有効期限と共に、コードラベル管理サーバ61にて管理される。
【0031】
これにより、ユーザーUは、所定のチケットに対応するコードラベルCLを購入取得する操作を行うことで、コードラベル管理サーバ61を機能させる車両運賃決済システム1に係るWebサイトから、5種類のチケット(Type0~Type4)を識別可能なコードラベルCLを購入取得し、そのコードラベルCLを移動端末2に表示させることができる。コードラベルCL自体は、有効期限付きであり、更に、コードラベル・ICタグ読取端末3で読み取り可能とされるが、読み取られるコードラベル情報として上述した少なくとも「ユーザーID」を特定し、加えて「都度払い」、「定期券」、「回数券」及び「プリペイド券」のいずれであるかを発券番号と共に識別するコードラベル情報が解読されるのみであるため、ユーザーUの個人情報の秘匿性は保たれ、尚且つ取引の安全性も保たれる。尚、コードラベルCLには、当該コードラベル情報を更に符号化した情報をユーザー情報として埋め込むようにして、より個人情報の秘匿性及び取引の安全性を高めるようにしてもよい。また、このコードラベル情報は、上述したように、ユーザーIDによって元より移動端末2を特定することができるものとなっているが、このコードラベル情報に移動端末2のデバイス認証のために移動端末2を特定するデバイス情報を付加したものとしてもよい。
【0032】
ところで、本発明においては、ユーザーUは、購入取得済みの各コードラベルCLに対して任意の1つ又は複数のICタグFを連携登録させて、コードラベルCLを利用する代わりにその連係登録したICタグFを用いて車両Mを利用できるようにしている。
【0033】
本発明に係るICタグFは、一般的なICタグリーダーとして構成されるコードラベル・ICタグ読取端末3によって読み取り可能であれば任意とする。そして、コードラベル・ICタグ読取端末3によってICタグFから読み取られるICタグ識別情報は、他のICタグとは区別できる固有の情報からなる。ICタグFは、一般に、「ICカード」が広く知られており、その他、カード状ではなくキーホルダー状(例えば、台湾の公共交通を利用可能とするキャラクターキーホルダーなど)のものもある。例えば、図3(b)には、ICタグFの種別と、そのICタグFから読み出されるICタグ識別情報例を示している。現在のICタグには、大別して、公共交通機関の利用支払いに係る「交通系ICカード」とスーパーやコンビニ、オンラインショップなどでの支払いに係る「流通系ICカード」があるが、それ以外にも勤怠管理、出席確認(児童や学生など)、IDカード認証プリンタシステム、スタンプラリー、来店ポイントシステム、書籍貸出、受付管理、スクリーンセーバーロック、PCロックドア入退出、PCログイン等がある。そして、これらのICタグFに格納されるICチップにはICタグ識別情報が格納され、ICタグ識別情報は、種々の標準規格に準じたものとされるが、図3(b)に例示するように、大別して、HF帯/UHF帯を含むRFID(Radio Frequency Identification)に準拠するICタグ識別情報を格納するタイプや、NFC(Near Field Communication)に準拠するICタグ識別情報を格納するものがある。
【0034】
ICタグ連携管理サーバ62は、図4に示すように、ユーザーID毎に、ユーザーUが購入取得してコードラベル管理サーバ61に登録済みの各コードラベルCLについて、そのコードラベル情報と連携させる1つ又は複数のICタグFに固有に格納されるICタグ識別情報を登録管理している。尚、ユーザーUが購入取得したコードラベル管理サーバ61に登録済みの各コードラベルCLに対して任意の1つ又は複数のICタグを連携登録させる動作については、図12及び図13を参照して詳細に後述する。
【0035】
そこで、本実施形態に係る車両運賃決済システム1においては、ユーザーUは、車両Mの乗り降りの際に、購入取得してコードラベル管理サーバ61に登録済みのコードラベルCLをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざす代わりに、そのコードラベルCLに対し連携登録済みのICタグ識別情報を格納したICタグFを、コードラベル・ICタグ読取端末3にかざして読み取らせることができる。
【0036】
コードラベル・ICタグ読取端末3は、コードラベルCLから読み取られたコードラベル情報を有線又は近距離無線通信(LAN等)で車両運賃決済装置4に送信する機能、及びユーザーUが利用する連携登録済みのICタグFから読み取られたICタグ識別情報を有線又は近距離無線通信(LAN等)で車両運賃決済装置4に送信する機能を有する。また、コードラベル・ICタグ読取端末3は、車両Mの運転手が操作する操作パネル5と連動するように構成され、操作パネル5の操作でコードラベル・ICタグ読取端末3の動作を制御することができる。また、車両運賃決済装置4によっても操作パネル5とコードラベル・ICタグ読取端末3との連動が制御され、詳細に後述する運賃表示や利用可否照合に基づく利用可通知又はエラー通知を操作パネル5及びコードラベル・ICタグ読取端末3に表示させることができる。
【0037】
このコードラベル・ICタグ読取端末3は、既存フォーマット形式の二次元又は一次元のコードラベルCLを読み取り可能であり、尚且つICタグFを読み取り可能な汎用デバイスを利用できる。尚、コードラベル・ICタグ読取端末3は、コードラベルCLを読み取る機器とICタグFを読み取る機器とを一体とするデバイスに限らず、それぞれ別体の機器で構成されたものであってもよい。
【0038】
車両運賃決済装置4は、無線通信ネットワークを介して、各種サーバ(コードラベル管理サーバ61及びICタグ連携管理サーバ62からなる管理センターサーバ6、並びに決済会社サーバ7)と無線通信可能となっている。特に、車両運賃決済装置4は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星(図示略)からGPS位置情報及びGPS日時情報を示すGPS信号を受信して、車両Mの現在の位置情報と現在の日時情報を取得するGPS受信機能を有している。そこで、車両運賃決済装置4は、そのGPS受信機能により、ユーザーUの車両Mの乗車時及び降車時に、コードラベル・ICタグ読取端末3からコードラベル情報又はICタグ識別情報を受信するときに、乗車時点及び降車時点の位置情報及び日時情報を決定する。また、車両運賃決済装置4は、車両MへのユーザーUの乗車時点の位置情報及び日時情報と、降車時点の位置情報及び日時情報とを検出することにより、運送サービスに関する取引の予め定められた車両Mの運賃を自動算出する運賃算出機能を有している。
【0039】
そして、車両運賃決済装置4は、コードラベル・ICタグ読取端末3から送信されたコードラベル情報、又はICタグ識別情報に連携されているコードラベル情報について、コードラベル管理サーバ61に対する照合による利用可否判定処理を行う機能と、ICタグ識別情報についてICタグ連携管理サーバ62に対する照合による連携判定処理を行う機能と、車両Mの利用時に電子決済を要するユーザーUが購入取得済みのコードラベルCLについて登録済みのユーザーUが指定する決済会社サーバ7に対して運賃の決済要求を行い、電子決済させることで運賃の支払いを実行させる決済要求処理を行う機能と、操作パネル5からの指示に従いコードラベルCLとICタグとの連携登録処理を行う機能と、を有するゲートウェイ(GW)機能を有している。尚、「定期券」及び「回数券」のコードラベルCLについては、専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)上で既に購入済みのチケットであるから、決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済を要求する必要はないので、ゲートウェイ(GW)機能における決済要求処理は、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応する電子決済が対象となる。
【0040】
また、車両運賃決済装置4は、コードラベルCLの利用可否判定に係る利用可通知、運賃を示す運賃情報通知、及び決済完了を示す決済完了通知をコードラベル・ICタグ読取端末3、及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に送信して表示させる連動制御を行うとともに、その車両Mの利用に関するユーザー利用情報を自装置内で管理するとともに、コードラベル管理サーバ61に送信して、ユーザー利用情報として管理させる機能を有している。また、車両運賃決済装置4は、車両Mの利用時に電子決済を要するユーザーUが購入取得済みのコードラベルCLについて電子決済により運賃の支払いを実行可能とするように構成されているが、利用可否判定処理のエラー、連携判定処理のエラー、又は電子決済のエラー等が生じるような場合も、そのエラーの旨をコードラベル・ICタグ読取端末3、及び操作パネル5に送信して表示させる連動制御を行う。
【0041】
ここで、車両運賃決済装置4は、運賃算出後(及び車両Mの利用時に電子決済を要するときはその電子決済後)の一定期間、自車である車両Mを利用した1以上のユーザーIDの運送サービスに関する取引のユーザー利用情報をユーザー利用情報テーブルとして記憶部42に履歴管理するユーザー利用情報管理制御機能を有し、ゲートウェイ(GW)機能と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有している。コードラベル管理サーバ61は、車両運賃決済装置4からの当該コードラベル情報及び当該ICタグ識別情報についての照合を可能とするよう、コードラベル情報の登録を管理(及びICタグ連携管理サーバ62と協働してコードラベル情報に対するICタグ識別情報の連携登録を管理)するとともに、ユーザーUがコードラベルCLを提示した場合とICタグFを提示した場合のいずれにおいても車両Mを利用した利用履歴を管理するために、車両M毎に一定期間、当該ユーザー利用情報を保管し、更新がある度に、移動端末2に利用履歴として通知するユーザー利用情報通知処理を実行する機能を有する。車両運賃決済装置4、及びコードラベル管理サーバ61は、個人情報の秘匿性及び取引の安全性を高める観点から、運賃算出後の一定期間を経過した当該ユーザー利用情報を自動消去する機能を有するのが好適である。
【0042】
この車両運賃決済システム1によれば、移動端末2上に提示した所定のコードラベルCL、及びICタグFのいずれか一方又は双方の利用で、運送サービスに関する車両Mの運賃を自動算出して電子決済することが可能となる。そして、ユーザーUが車両Mを利用する場合に、「乗車券の紛失」で運賃が不明になってしまうおそれがなくなり、更には、「乗り逃げ」や「なりすまし」による問題が生じても、事後的に不健全なユーザーUを特定することができ、損失の抑制に繋がる。また、健全なユーザーUとしては、ユーザーUの秘匿性が保たれた上で、運送サービスに関する取引の運賃が利用距離又は利用時間で確実に算出されたものとなるので安心して利用できるようになる。
【0043】
〔移動端末〕
図2に示すように、移動端末2は、制御部20、端末UI(ユーザーインターフェース)21、記憶部22、表示部23、及び通信部24を備える。また、移動端末2は、必須ではないが、好適には、コードラベルCLとICタグFとの連携登録の際にICタグFのICタグ識別情報を読み取り可能とするICタグ読取部25を更に備える。
【0044】
端末UI21は、移動端末2をユーザーUが操作するためのヒューマン・マシン・ユーザーインターフェースである。
【0045】
記憶部22は、移動端末2で利用する各種のアプリケーション用プログラムやデータを保存するメモリである。
【0046】
表示部23は、移動端末2で利用する各種のアプリケーションやデータを表示するディスプレイである。
【0047】
通信部24は、他のデバイスとの無線通信を行う機能部であり、本例では、専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)上の本システムの利用に係るユーザー登録設定、コードラベルCLの購入取得操作、利用履歴や登録情報の閲覧時等でコードラベル管理サーバ61と無線通信することや、コードラベルCLによる電子決済を行う決済会社の指定設定時に決済会社サーバ7と無線通信することや、好適例としてコードラベルCLとICタグとの連携登録を行う際にICタグ連携管理サーバ62と無線通信することを含み、これら各種サーバ(複数の車両運賃決済装置4を管理するコードラベル管理サーバ61、及びICタグ連携管理サーバ62、並びに決済会社サーバ7)に対し無線通信ネットワーク(例えばインターネット)経由の相互通信を行う機能を有する。
【0048】
ここでは、使い勝手の良い好適例として、専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)201をインストール済みである例を説明するが、その変形例として、上述したように車両運賃決済システム1に係るWebサイトへのアクセス方式で、専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)201を提示して、インストールしたのと同等の機能を生じさせる形態であってもよい。
【0049】
制御部20は、中央演算処理ユニット(CPU)で構成することができ、端末UI21を介して記憶部22の所定の格納領域に格納されている専用アプリケーション(「TicketQR」アプリ)201を読み出して実行することで、ユーザー登録部202、コードラベル取得管理部203、及びコードラベル表示制御部204の各機能部を機能させ、必須ではないが、好適には、コードラベルCLとICタグFとの連携登録を機能させる連携登録機能部205を更に機能させる。
【0050】
ユーザー登録部202は、通信部24を介して、上述したように、専用アプリケーション201上で、ユーザー操作によって、コードラベル管理サーバ61に対しユーザー登録を行う機能部である。
【0051】
コードラベル取得管理部203は、専用アプリケーション201上で、ユーザー操作によって、コードラベル管理サーバ61に連動する本システム専用のWebサイトから本例では5種類のチケット(Type0~Type4)を識別可能なコードラベルCLを購入取得し、購入取得済みのコードラベルCLをリストとして管理する機能部である。本例では、コードラベル取得管理部203は、当該リストを記憶部22に保持して管理するものとしているが、その変形例として、当該リストを記憶部22に保持させずに、コードラベル管理サーバ61及びICタグ連携管理サーバ62に対するアクセスで読み出して当該リストとして形成するようにして管理する機能部としてもよい。尚、図14を参照して詳細は後述するが、本実施形態においては、購入取得済みの複数の各コードラベルCLに対しユーザーUが所望する1つ又は複数のICタグFを連携登録することができるが、1つのICタグFは1つのコードラベルCLに対してのみ連携登録することができ、専用アプリケーション201の機能として、リストとして移動端末2の表示部23に表示できる。
【0052】
コードラベル表示制御部204は、専用アプリケーション201上で、ユーザー操作によって、コードラベル取得管理部203によってユーザー登録及び購入取得後の5種類のチケット(Type0~Type4)を識別可能なコードラベルCLを表示部23に表示する機能部である。
【0053】
連携登録機能部205は、詳細は図13を参照して説明するが、専用アプリケーション201上で、ユーザー操作によって、購入取得済みの所定のコードラベルCLのコードラベル情報と、当該移動端末2を用いて読み取られたユーザーUが所望するICタグFのICタグ識別情報との連携登録を実行しICタグ連携管理サーバ62に登録する機能部である。通常、移動端末2がスマートフォンで構成されていれば、ICタグFのICタグ識別情報を読み取り可能とするICタグ読取部25が搭載されており、ユーザーUが購入取得済みのコードラベルCLとICタグFとの連携登録の際に利用できる。また、移動端末2にICタグ読取部25が搭載されていなくとも、ICタグFのICタグ識別情報を読み取り可能とする外付けの汎用ICタグリーダーを移動端末2に接続して利用するとしてもよい。ICタグ連携管理サーバ62は、その連携登録完了後に、連携したコードラベルCLとICタグFを示す連携登録完了通知を生成して移動端末2へ通知し、移動端末2は、専用アプリケーション201上で、コードラベル取得管理部203により、ICタグFの連携登録情報を含む購入取得済みのコードラベルCLをリストとして管理する。
【0054】
これにより、ユーザーUは、車両Mの乗り降りの際に、移動端末2に表示させたコードラベルCLをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざすことで提示しコードラベル情報を読み取らせることができる。また、ユーザーUは、車両Mの乗り降りの際に、購入取得済みのコードラベルCLと連携登録したICタグFをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざすことで提示しICタグ識別情報を読み取らせることができる。
【0055】
〔車両運賃決済装置〕
図2に示すように、車両運賃決済装置4は、制御部40、通信部41、記憶部42、GPS受信部43、連動制御部44、及び通信部45を備える。
【0056】
通信部41は、コードラベル・ICタグ読取端末3に対し有線又は近距離無線通信(LAN等)で通信する機能部であり、コードラベル・ICタグ読取端末3によりコードラベルCLを読み取って得られるコードラベル情報を受信する機能と、コードラベル・ICタグ読取端末3によりICタグFを読み取って得られるIC情報を受信する機能と、を有する。
【0057】
記憶部42は、車両運賃決済装置4として機能させるためのプログラムや各種のデータを保存するメモリである。
【0058】
GPS受信部43は、複数のGPS衛星(図示略)からGPS位置情報及びGPS日時情報を示すGPS信号を受信して、車両Mの現在の位置情報と現在の日時情報を取得する機能部である。
【0059】
連動制御部44は、制御部40の機能により、車両Mの運転手の操作による操作パネル5の指示を受け付けてコードラベルCLのコードラベル情報とICタグFのICタグ識別情報との連携登録を実行する際に、コードラベル・ICタグ読取端末3との連動制御を行う機能(図12を参照して後述する。)、並びに利用されるコードラベルCLの利用可否判定に係る利用可通知、ICタグFとの連携判定に係る通知(エラー通知)、運賃を示す運賃情報通知、及び決済完了を示す決済完了通知をコードラベル・ICタグ読取端末3、及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に送信して表示させる連動制御を行う機能を有する。
【0060】
通信部45は、他のデバイスとの無線通信を行う機能部であり、本例では、制御部40の機能により、コードラベルCLの利用可否判定に係る照合のためコードラベル管理サーバ61と無線通信することや、ユーザー利用情報を集約更新させるためコードラベル管理サーバ61と無線通信することや、ICタグFの連携照合のためICタグ連携管理サーバ62と無線通信することや、車両Mの利用時に電子決済を要するコードラベルCL又はそのコードラベルCLに対し連携登録済みICタグFによる利用に対する電子決済を行うユーザー指定設定済みの決済会社サーバ7と無線通信すること、並びに、連動制御部44の連動制御を基に車両Mの運転手の操作による操作パネル5の指示を受け付けてコードラベルCLとICタグとの連携登録を行うためにICタグ連携管理サーバ62と無線通信することを含み、これら各種サーバ(複数の車両運賃決済装置4を管理するコードラベル管理サーバ61、及びICタグ連携管理サーバ62、並びに決済会社サーバ7)に対し無線通信ネットワーク(例えばインターネット)経由の相互通信を行う機能を有する。
【0061】
制御部40は、中央演算処理ユニット(CPU)で構成することができ、当該運送サービスの運行中は常時、記憶部42の所定の格納領域に格納されている車両運賃決済装置4として機能させるためのプログラムを読み出して実行することで、GPS受信機能部401、運賃算出部402、ユーザー利用情報管理制御部403、及びゲートウェイ機能部404の各機能部を機能させる。
【0062】
GPS受信機能部401は、ユーザーUの車両Mの乗車時及び降車時に、コードラベル・ICタグ読取端末3から利用可とされるコードラベル情報又は連携可とされるICタグ識別情報を受信するときに、GPS受信部43を機能させ、複数のGPS衛星(図示略)からGPS位置情報及びGPS日時情報を示すGPS信号を受信して、車両Mの現在の位置情報と現在の日時情報を取得し、コードラベル・ICタグ読取端末3から送信された時点の位置情報及び日時情報を決定する機能部である。
【0063】
運賃算出部402は、GPS受信機能部401と協働して、車両MへのユーザーUの乗車時点の位置情報及び日時情報と、降車時点の位置情報及び日時情報とを検出し、運送サービスに関する取引の予め定められた車両Mの運賃を自動算出する機能部である。
【0064】
ユーザー利用情報管理制御部403は、制御部40の機能として、運賃算出及び電子決済後の一定期間、車両IDで識別される自車である車両Mを利用した1以上のユーザーIDの運送サービスに関する取引のユーザー利用情報をユーザー利用情報テーブルとして記憶部42に履歴管理する機能部である。また、ユーザー利用情報管理制御部403は、各種サーバとの通信制御を行うゲートウェイ(GW)機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有している。コードラベル管理サーバ61は、車両M毎に一定期間、当該ユーザー利用情報を保管し、ユーザーID単位でユーザー利用情報の更新がある度に、当該ユーザーIDに対応する移動端末2に利用履歴として通知するユーザー利用情報通知処理を実行する。
【0065】
ゲートウェイ機能部404は、利用可否判定処理部4041、連携判定処理部4042、決済要求処理部4043、及び連携登録処理部4044を備え、これらの処理部を機能させるために、通信部45を介して各種サーバ(複数の車両運賃決済装置4を管理するコードラベル管理サーバ61、及びICタグ連携管理サーバ62、並びに決済会社サーバ7)に対し無線通信ネットワーク(例えばインターネット)経由の相互通信を行うよう制御することや、連動制御部44を機能させてコードラベル・ICタグ読取端末3及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に対する連動制御を機能させることや、ユーザー利用情報管理制御部403に対して記憶部42に履歴管理しているユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信させるよう制御する。
【0066】
より具体的に、利用可否判定処理部4041は、通信部41を介してコードラベル・ICタグ読取端末3から送信されたコードラベル情報、又はICタグ識別情報に連携されているコードラベル情報について、通信部45を介してコードラベル管理サーバ61に対する照合による利用可否判定処理を行う機能部であり、当該コードラベル情報が利用可であればその旨を示す利用可通知を生成し、当該コードラベル情報が利用不可であればその旨を示す利用不可通知(エラー通知)を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び操作パネル5に送信して表示させるよう処理する。
【0067】
また、連携判定処理部4042は、通信部41を介してコードラベル・ICタグ読取端末3から送信されたICタグ識別情報について、通信部45を介してICタグ連携管理サーバ62に対する照合による連携判定処理を行う機能部であり、当該ICタグ識別情報が連携登録済みであればその連携登録済みのコードラベル情報をICタグ連携管理サーバ62から取得し、当該ICタグ識別情報が連携無しであればその旨を示す連携無し通知(エラー通知)を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び操作パネル5に送信して表示させるよう処理する。
【0068】
決済要求処理部4043は、運賃算出部402によって算出した運賃について、コードラベルCLが車両使用時に電子決済を要するときに、自動的に、或いは移動端末2に対する支払い確認の承諾回答を経て、通信部45を介して決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済を要求し電子決済を完了させる処理を行う。そして、決済要求処理部4043は、決済完了を示す決済完了通知を決済会社サーバ7から受信すると、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に送信して表示させるよう処理する。尚、制御部40は、ユーザー利用情報管理制御部403を機能させて当該運賃及び電子決済に係るユーザー利用情報を記憶部42に履歴管理させ、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信させるよう処理する。コードラベル管理サーバ61は、車両M毎に一定期間、当該ユーザー利用情報を保管し、更新がある度に、移動端末2に利用履歴として通知する。尚、「定期券」及び「回数券」のコードラベルCLについては、専用アプリケーション201上で既に購入済みのチケットであるから、決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済を要求する必要はないので、決済要求処理部4043は、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLの電子決済が対象となる。
【0069】
連携登録処理部4044は、詳細は図12を参照して説明するが、連動制御部44を介して車両Mの運転手の操作による操作パネル5からの連携登録モードの指示を受け付けたときに、コードラベルCLとICタグFとの連携登録を実行する連携登録モードに移行し、通信部41を介してその連係登録に係るICタグFのICタグ情報及びコードラベルCLのコードラベル情報の入力を待機する。そして、連携登録モードに移行したとき、連携登録処理部4044は、コードラベル・ICタグ読取端末3に対してICタグFのICタグ識別情報とコードラベルCLのコードラベル情報とを予め定められた順序で読み取らせ、通信部45を介して利用可否判定処理部4041によるコードラベル管理サーバ61に対する利用可否判定処理を実行させた後、それぞれ読み取らせたICタグFのICタグ識別情報とコードラベルCLのコードラベル情報について、通信部45を介してICタグ連携管理サーバ62に対する連携登録を実行し、連携登録完了後に、その旨を示す連携登録完了通知を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3及び操作パネル5に送信して表示させるよう処理する。ICタグ連携管理サーバ62もまた、その連携登録完了後に、連携したコードラベルCLとICタグFを示す連携登録完了通知を生成して移動端末2へ通知する。移動端末2は、専用アプリケーション201上で、コードラベル取得管理部203の機能として、ICタグFの連携登録情報を含む購入取得済みのコードラベルCLをリストとして管理する。
【0070】
(システム動作:コードラベルCLによる車両Mの利用時)
図5は、本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1に係るコードラベルCLによる車両M利用時のシステム動作例を示すフローチャートである。
【0071】
上述した図3(a)に示すように、本実施形態においては、「都度払い」、「定期券」、「回数券」、及び「プリペイド券」に対応するコードラベルCLを想定している。以下では、「定期券」及び「回数券」のコードラベルCLについては、専用アプリケーション201上で既に購入済みのチケットであるから、決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済を要求する必要はないので、代表して、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLによる車両Mの利用時を説明する。
【0072】
移動端末2は、ユーザーUが車両Mに乗車する際に、ユーザーUの操作により専用アプリケーション201が起動され、移動端末2の表示部23に、車両Mの利用に関する事前登録され購入取得済みのコードラベルCLを画面表示される。そして、ユーザーUは、車両Mへの乗車時に、コードラベルCLをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざすことで提示する操作を行う(ステップS1)。
【0073】
そして、コードラベル・ICタグ読取端末3は、移動端末2の表示部23にかざして提示されたコードラベルCLを読み取り、少なくともユーザーUを特定するユーザーIDを含むコードラベル情報を抽出して車両運賃決済装置4に送信する(ステップS2)。
【0074】
続いて、車両運賃決済装置4は、通信部41を介してコードラベル・ICタグ読取端末3から送信されたコードラベル情報の受信時に、ゲートウェイ機能部404により通信部45を介してコードラベル管理サーバ61に対する照合による利用可否判定処理を行う利用可否判定処理部4041を機能させ、当該コードラベル情報が利用可であればその旨を示す利用可通知を生成し、当該コードラベル情報が利用不可であればその旨を示す利用不可通知(エラー通知)を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3及び操作パネル5に送信して表示させるよう処理する(ステップS3)。有効期限切れ等の理由で利用不可通知(エラー通知)が生成されたときは、ユーザーUは車両Mを利用できないため、以降の動作は行われず、ユーザーUは改めてステップS1からの操作を行う必要がある。ここでは、利用可通知が生成されたものとして、以降の動作を説明する。
【0075】
続いて、車両運賃決済装置4は、乗車時の当該コードラベル情報に関する利用可通知の生成後、GPS受信機能部401によりGPS受信部43を機能させ、複数のGPS衛星(図示略)からGPS位置情報及びGPS日時情報を示すGPS信号を受信して、車両Mの現在の位置情報と現在の日時情報を取得することにより、乗車位置及び乗車日時を検出し、自装置(自車)を識別する車両IDと共にユーザー利用情報テーブルとして記憶部42に記録する(ステップS4)。また、ユーザー利用情報管理制御部403は、各種サーバとの通信制御を行うゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有している。ここでは、説明の便宜上、ユーザー利用情報管理制御部403は、ゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させるとして説明する。
【0076】
一方、ユーザーUは、車両Mの降車時に、乗車時と同じ当該コードラベルCLをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざすことで提示する操作を行う(ステップS5)。
【0077】
そして、コードラベル・ICタグ読取端末3は、移動端末2の表示部23にかざして提示された当該コードラベルCLを読み取り、コードラベル情報を抽出して車両運賃決済装置4に送信する(ステップS6)。
【0078】
続いて、車両運賃決済装置4は、通信部41を介してコードラベル・ICタグ読取端末3から送信された当該コードラベル情報の受信時に、ゲートウェイ機能部404により通信部45を介してコードラベル管理サーバ61に対する照合による利用可否判定処理を行う利用可否判定処理部4041を機能させ、乗車時と同じコードラベル情報であるか否かを検証して、乗車時と同じコードラベル情報であり当該コードラベル情報が利用可であればその旨を示す利用可通知を生成し、当該コードラベル情報が利用不可であればその旨を示す利用不可通知(エラー通知)を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び操作パネル5に送信して表示させるよう処理する(ステップS7)。ユーザーUが操作を誤って乗車時とは異なるコードラベルCLを提示した時など利用不可通知(エラー通知)が生成されたときは、ユーザーUは車両Mを利用できないため、以降の動作は行われず、ユーザーUは改めてステップS5からの操作を行う必要がある。ここでは、利用可通知が生成されたものとして、以降の動作を説明する。
【0079】
続いて、車両運賃決済装置4は、降車時の利用可通知の生成後、GPS受信機能部401によりGPS受信部43を機能させ、複数のGPS衛星(図示略)からGPS位置情報及びGPS日時情報を示すGPS信号を受信して、車両Mの現在の位置情報と現在の日時情報を取得することにより、乗車位置及び乗車日時を検出するとともに、運賃算出部402により、検出した車両MへのユーザーUの乗車時点の位置情報及び日時情報と、降車時点の位置情報及び日時情報とを基に、運送サービスに関する取引の予め定められた運賃を自動算出し、自装置(自車)を識別する車両IDと共にユーザー利用情報テーブルとして記憶部42に記録する(ステップS8)。
【0080】
ここで、車両運賃決済装置4は、制御部40の機能として、運賃算出部402により運賃を自動算出すると、その運賃を示す運賃情報通知を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に送信して表示させる。尚、コードラベル・ICタグ読取端末3は、運賃表示機能を有するものを想定しているが、運賃表示機能を有していないときはコードラベル・ICタグ読取端末3に対する運賃情報通知の送信は省略される。ただし、運賃情報は、ユーザー利用情報に含まれ、後述するステップS10において、コードラベル管理サーバ61から移動端末2に通知される。
【0081】
また、制御部40の機能として、ユーザー利用情報管理制御部403は、各種サーバとの通信制御を行うゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有している。ここでは、説明の便宜上、ユーザー利用情報管理制御部403は、ゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、コードラベル管理サーバ61に送信するとして説明する。
【0082】
続いて、車両運賃決済装置4は、運賃算出部402によって算出した運賃について、コードラベルCLが車両Mの利用時に電子決済を要するときに、自動的に、或いは移動端末2に対する支払い確認の承諾回答を経て、通信部45を介して決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済を要求し電子決済を完了させる決済要求処理部4043を機能させ、決済完了を示す決済完了通知を決済会社サーバ7から受信すると、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に送信して表示させるよう処理するとともに、ユーザー利用情報管理制御部403を機能させて当該運賃及び電子決済に係るユーザー利用情報を記憶部42に履歴管理させる(ステップS9)。
【0083】
ここで、本例では、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLを想定しているため、決済要求処理部4043による動作を説明しているが、「定期券」及び「回数券」のコードラベルCLについては、既に購入済みのチケットであるから、運賃の算出後に、決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済を要求する必要はないので、この場合は、ステップS9における電子決済の要求動作は省略される。
【0084】
また、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLによる車両Mの利用時の決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済に関して、運賃算出部402によって算出した運賃について、決済要求処理部4043は、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLが車両使用時に電子決済を要するときに、自動的に電子決済要求を実行する。ここで、決済会社サーバ7によっては、ユーザー(即ち、移動端末2)に対して「支払い確認」を経て電子決済要求を実行する取引形態となっている場合があり、この場合でも、本実施形態では、決済会社サーバ7から直接的に、移動端末2に「支払い確認」を求めるのではなく、決済要求処理部4043が決済会社サーバ7からの「支払い確認」を代行するべく、コードラベル管理サーバ61経由で移動端末2に通知する。そして、決済要求処理部4043は、移動端末2から「支払い確認」通知に対する承諾を示す承諾通知をコードラベル管理サーバ61が受信して記録するのを監視して、承諾通知があり次第、決済会社サーバ7に対して承諾通知を転送するようにして代行する。
【0085】
尚、移動端末2に対する支払い確認は、コードラベル管理サーバ61から移動端末2に対して「支払い確認」の旨を通知すると、移動端末2上で専用アプリケーション201が自動的に起動し、その専用アプリケーション201上で「支払い確認」に対する承諾返答ができるようになっている。また、この「支払い確認」は、あくまで決済会社における電子決済の支払いに関する承諾確認のためであり、ユーザーUが「支払い確認」に対して拒否する場合(即ち、承諾返答しない場合)は、「未払い」としてコードラベル管理サーバ61に記録される。以後、専用アプリケーション201上で「未払い」分の支払いが完了するまで、当該移動端末2のユーザーIDに対応するユーザーは、本システムを利用できない旨の表示が、専用アプリケーション201上に表示されるようになっている。
【0086】
ただし、ICタグFを、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLに対して連携登録させて、車両Mの利用時に「支払い確認」を移動端末2に求めることを要する場合では、ユーザーUが車両Mの利用時に、移動端末2を携帯していない場合や、移動端末2の充電不足で動作しないような場合だと、「支払い確認」通知に対する承諾回答ができない。このため、本例では、移動端末2における専用アプリケーション201上での設定で、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLについては、車両運賃決済装置4の決済要求処理部4043が移動端末2に「支払い確認」を求めるのを省略して承諾通知を代行することを、ユーザーUが選択設定できるものとしている。これらの「支払い確認」通知に対する承諾回答の操作や省略設定が煩わしいと感じるユーザーUに対しては、車両Mの利用時の電子決済処理が不要とされる「定期券」及び「回数券」のコードラベルCLに、ICタグFを連携登録させておくことが勧められる。
【0087】
そして、ユーザー利用情報管理制御部403は、当該当該運賃及び電子決済に係るユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信させるよう処理する。ここでは、説明の便宜上、ユーザー利用情報管理制御部403は、ゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させるとして説明する。
【0088】
コードラベル管理サーバ61は、車両M毎に一定期間、当該ユーザー利用情報を保管し、ユーザーID単位でユーザー利用情報の更新がある度に、当該ユーザーIDに対応する移動端末2に利用履歴として通知するユーザー利用情報通知処理を実行する(ステップS10)。
【0089】
このようにして、ユーザーUは、移動端末2に表示させたコードラベルCLを用いて、車両Mを利用することができる。コードラベルCL自体は、有効期限付きであり、更に、任意のコードラベル・ICタグ読取端末3で読み取り可能であるがユーザーIDが解読されるのみであるため、ユーザーUの個人情報の秘匿性は保たれ、尚且つ取引の安全性も保たれる。尚、コードラベルCLには、当該コードラベル情報を更に符号化した情報をユーザー情報として埋め込むようにして、より個人情報の秘匿性及び取引の安全性を高めるようにしてもよい。また、このコードラベル情報には、移動端末2のデバイス認証のために移動端末2を特定するデバイス情報を付加したものとしてもよい。
【0090】
(システム動作:ICタグFによる車両Mの利用時)
図6は、本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1に係るICタグFによる車両M利用時のシステム動作例を示すフローチャートである。図6において、図5に示すステップ番号と同様の動作には、同一のステップ番号を付している。
【0091】
上述した図3(a)に示すように、本実施形態においては、「都度払い」、「定期券」、「回数券」、及び「プリペイド券」に対応するコードラベルCLを想定しており、このいずれかに対してICタグFを連携させるよう、ICタグ連携管理サーバ62に連携登録することができる。以下では、「定期券」及び「回数券」のコードラベルCLについては、既に購入済みのチケットであるから、決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済を要求する必要はないので、代表して、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLに対して連携登録済のICタグFよる車両Mの利用時を説明する。
【0092】
まず、ユーザーUが車両Mに乗車する際に、ユーザーUは、購入取得済みのコードラベルCLに対し連携登録済みのICタグFをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざすことで提示する操作を行う(ステップS1’)。
【0093】
そして、コードラベル・ICタグ読取端末3は、連携登録済みのICタグFを読み取り、ICタグ識別情報を抽出して車両運賃決済装置4に送信する(ステップS2’)。
【0094】
続いて、車両運賃決済装置4は、通信部41を介してコードラベル・ICタグ読取端末3から送信されたICタグ識別情報の受信時に、ゲートウェイ機能部404により通信部45を介してICタグ連携管理サーバ62に対する照合による連携判定処理を行う連携判定処理部4042を機能させ、当該ICタグ識別情報が連携登録済みであればその連携登録済みのコードラベルCLのコードラベル情報をICタグ連携管理サーバ62から取得し、当該ICタグ識別情報が連携無しであればその旨を示す連携無し通知(エラー通知)を生成し(図示略)、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に送信して表示させるよう処理する(ステップS3’)。連携無し通知(エラー通知)が生成されたときは、ユーザーUは当該ICタグFによる車両Mを利用できないため、以降の動作は行われず、ユーザーUは改めてステップS1’(又は図5に示すステップS1)からの操作を行う必要がある。ここでは、ICタグFに連携されているコードラベルCLのコードラベル情報が取得されたものとして、以降の動作を説明する。
【0095】
続いて、車両運賃決済装置4は、図5におけるステップS3の動作と実質的に同様に動作し、ICタグ連携管理サーバ62から取得したコードラベル情報の受信時に、ゲートウェイ機能部404により通信部45を介してコードラベル管理サーバ61に対する照合による利用可否判定処理を行う利用可否判定処理部4041を機能させ、当該コードラベル情報が利用可であればその旨を示す利用可通知を生成し、当該コードラベル情報が利用不可であればその旨を示す利用不可通知(エラー通知)を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び操作パネル5に送信して表示させるよう処理する(ステップS3)。利用不可通知(エラー通知)が生成されたときは、ユーザーUは車両Mを利用できないため、以降の動作は行われず、ユーザーUは改めてステップS1’(又は図5に示すステップS1)からの操作を行う必要がある。ここでは、利用可通知が生成されたものとして、以降の動作を説明する。尚、ステップS3’に係る連携判定処理を行うときは、続くこのステップS3の利用可否判定処理について省略してもよいし、コードラベル管理サーバ61及びICタグ連携管理サーバ62からなる管理センターサーバ6としては、ステップS3’とステップS3とを一処理として行ってもよい。
【0096】
続いて、車両運賃決済装置4は、図5におけるステップS4の動作と実質的に同様に動作し、乗車時の利用可通知の生成後、GPS受信機能部401によりGPS受信部43を機能させ、複数のGPS衛星(図示略)からGPS位置情報及びGPS日時情報を示すGPS信号を受信して、車両Mの現在の位置情報と現在の日時情報を取得することにより、乗車位置及び乗車日時を検出し、自装置(自車)を識別する車両IDと共にユーザー利用情報テーブルとして記憶部42に記録する(ステップS4)。また、ユーザー利用情報管理制御部403は、各種サーバとの通信制御を行うゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有している。ここでは、説明の便宜上、ユーザー利用情報管理制御部403は、ゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させるとして説明する。
【0097】
一方、ユーザーUは、車両Mの降車時に、乗車時と同じ当該ICタグFをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざすことで提示する操作を行う(ステップS5’)。
【0098】
そして、コードラベル・ICタグ読取端末3は、連携登録済みのICタグFを読み取り、ICタグ識別情報を抽出して車両運賃決済装置4に送信する(ステップS6’)。
【0099】
続いて、車両運賃決済装置4は、通信部41を介してコードラベル・ICタグ読取端末3から送信されたICタグ識別情報の受信時に、ゲートウェイ機能部404により通信部45を介してICタグ連携管理サーバ62に対する照合による連携判定処理を行う連携判定処理部4042を機能させ、当該ICタグ識別情報が連携登録済みであればその連携登録済みのコードラベルCLのコードラベル情報をICタグ連携管理サーバ62から取得して乗車時と同じコードラベル情報であるか否かを検証して、降車時に抽出されたICタグ識別情報が当該コードラベルCLに対する連携無しであればその旨を示す連携無し通知(エラー通知)を生成し(図示略)、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に送信して表示させるよう処理する(ステップS7’)。ユーザーUが操作を誤って当該コードラベルCLに連携されていないICタグFを提示した時など当該コードラベルCLに対する連携無し通知(エラー通知)が生成されたときは、ユーザーUは当該ICタグFによる車両Mを利用できないため、以降の動作は行われず、ユーザーUは改めてステップS5’からの操作を行う必要がある。ここでは、乗車時と同じコードラベル情報であると検証されたものとして、以降の動作を説明する。
【0100】
続いて、車両運賃決済装置4は、乗車時と同じコードラベル情報であると降車時に検証された後、図5におけるステップS8の動作と実質的に同様に動作し、GPS受信機能部401によりGPS受信部43を機能させ、複数のGPS衛星(図示略)からGPS位置情報及びGPS日時情報を示すGPS信号を受信して、車両Mの現在の位置情報と現在の日時情報を取得することにより、乗車位置及び乗車日時を検出するとともに、運賃算出部402により、検出した車両MへのユーザーUの乗車時点の位置情報及び日時情報と、降車時点の位置情報及び日時情報とを基に、運送サービスに関する取引の予め定められた運賃を自動算出し、自装置(自車)を識別する車両IDと共にユーザー利用情報テーブルとして記憶部42に記録する(ステップS8)。
【0101】
ここで、車両運賃決済装置4は、制御部40の機能として、運賃算出部402により運賃を自動算出すると、その運賃を示す運賃情報通知を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に送信して表示させる。尚、コードラベル・ICタグ読取端末3は、運賃表示機能を有するものを想定しているが、運賃表示機能を有していないときはコードラベル・ICタグ読取端末3に対する運賃情報通知の送信は省略される。ただし、運賃情報は、ユーザー利用情報に含まれ、後述するステップS10において、コードラベル管理サーバ61から移動端末2に通知される。
【0102】
また、制御部40の機能として、ユーザー利用情報管理制御部403は、各種サーバとの通信制御を行うゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させる機能を有している。ここでは、説明の便宜上、ユーザー利用情報管理制御部403は、ゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、コードラベル管理サーバ61に送信するとして説明する。
【0103】
続いて、車両運賃決済装置4は、図5におけるステップS9の動作と実質的に同様に動作し、運賃算出部402によって算出した運賃について、コードラベルCLが車両Mの利用時に電子決済を要するときに、自動的に、或いは移動端末2に対する支払い確認の承諾回答を経て、通信部45を介して決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済を要求し電子決済を完了させる決済要求処理部4043を機能させ、決済完了を示す決済完了通知を決済会社サーバ7から受信すると、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3、及び運賃表示器(図示略)を兼ねる操作パネル5に送信して表示させるよう処理するとともに、ユーザー利用情報管理制御部403を機能させて当該運賃及び電子決済に係るユーザー利用情報を記憶部42に履歴管理させる(ステップS9)。
【0104】
ここで、本例では、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLを想定しているため、決済要求処理部4043による動作を説明しているが、「定期券」及び「回数券」のコードラベルCLについては、既に購入済みのチケットであるから、運賃の算出後に、決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済を要求する必要はないので、この場合は、ステップS9における電子決済の要求動作は省略される。
【0105】
また、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLによる車両Mの利用時の決済会社サーバ7に対する当該運賃の電子決済に関して、運賃算出部402によって算出した運賃について、決済要求処理部4043は、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLが車両使用時に電子決済を要するときに、自動的に電子決済要求を実行する。
【0106】
ここで、決済会社サーバ7によっては、ユーザー(即ち、移動端末2)に対して「支払い確認」を経て電子決済要求を実行する取引形態となっている場合があり、この場合でも、本実施形態では、上述したように、移動端末2における専用アプリケーション201上での設定で、「都度払い」又は「プリペイド券」に対応するコードラベルCLについては、車両運賃決済装置4の決済要求処理部4043が移動端末2に「支払い確認」を求めるのを省略して承諾通知を代行することを、ユーザーUが選択設定できる。
【0107】
そして、ユーザー利用情報管理制御部403は、当該当該運賃及び電子決済に係るユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、又は定期的に、或いはコードラベル管理サーバ61からの要求に応じて、コードラベル管理サーバ61に送信させるよう処理する。ここでは、説明の便宜上、ユーザー利用情報管理制御部403は、ゲートウェイ機能部404と協働して、当該ユーザー利用情報を、その更新がある度に逐次、コードラベル管理サーバ61に送信し、一定期間当該ユーザー利用情報を保管させるとして説明する。
【0108】
コードラベル管理サーバ61は、車両M毎に一定期間、当該ユーザー利用情報を保管し、ユーザーID単位でユーザー利用情報の更新がある度に、当該ユーザーIDに対応する移動端末2に利用履歴として通知するユーザー利用情報通知処理を実行する(ステップS10)。
【0109】
尚、図7には、本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1に係る車両運賃決済装置4内のユーザー利用情報テーブル例を示している。車両運賃決済装置4は、図7に例示するように、自装置(自車)の車両ID毎に、読み取られたコードラベル情報、読み取られた連携登録済みICタグ識別情報、対応するユーザーID、乗車情報、降車情報、及び運賃・電子決済額を対応付けて、ユーザーUの当該車両Mの利用状況を更新しながら監視することで、ユーザー利用情報を管理することができるようになっている。
【0110】
一方、図8には、本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1に係るコードラベル管理サーバ61内のユーザー利用情報テーブル例を示す図である。コードラベル管理サーバ61は、図8に例示するように、ユーザーID毎に、登録済みコードラベル情報、ユーザーIDを持つユーザーUが利用した車両ID、ユーザーUが利用した乗車情報、降車情報、及び運賃・電子決済額を対応付けて、ユーザーUの各車両の利用履歴を更新しながら監視することで、ユーザー利用情報を管理することができるようになっている。尚、図4に示したように、ICタグ連携管理サーバ62内の連携登録情報テーブルは、ユーザーID、登録済みコードラベル情報、及び連携登録済みICタグ識別情報が対応付けて登録管理されている。
【0111】
ここで、図9には、コードラベル管理サーバ61及びICタグ連携管理サーバ62を一体化した場合の管理センターサーバ6内のユーザー利用情報テーブル例について示している。即ち、図9は、図4及び図8に例示する情報を全て対応付けてテーブル化した例であり、管理センターサーバ6は、図9に示すユーザー利用情報テーブルを用いて、ユーザーUの各車両の利用履歴を更新しながら監視することで、ユーザー利用情報を管理することができる。
【0112】
(システム動作の典型例)
図10(a),(b)は、それぞれユーザーUがICタグFを用いて或る車両Mを乗車した時と降車した時の本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1における典型的な運賃算出・電子決済例を示す図である。
【0113】
図10(a)に示すように、ユーザーUが本システムに係る或る車両Mを乗車した時に、車両運賃決済装置4は、コードラベル・ICタグ読取端末3を介してユーザーUが購入取得済みのコードラベルCLに対し連携登録済みのICタグFからICタグ情報を取得すると、連携判定処理を経てユーザーUが当該購入取得済みのコードラベルCLのコードラベル情報を特定し、そのコードラベル情報を基に利用可否判定処理を行った上で、GPS受信機能部401の機能により、当該ユーザーUの乗車位置及び乗車日時を記録して管理する。
【0114】
また、図10(b)に示すように、ユーザーUが本システムに係る或る車両Mを降車する時に、車両運賃決済装置4は、コードラベル・ICタグ読取端末3を介してユーザーUが購入取得済みのコードラベルCLに対し連携登録済みのICタグFからICタグ情報を取得すると、連携判定処理を経て連携登録済みのコードラベル情報を乗車時と同じであるかの検証を行った上で、GPS受信機能部401の機能により、当該ユーザーUの降車位置及び降車日時を記録して管理するとともに、運賃を自動算出する。そして、車両運賃決済装置4は、「定期券」及び「回数券」のコードラベルCLについては当該運賃の電子決済の要求処理は省略し、「都度払い」又は「プリペイド券」のコードラベルCLについては当該運賃の電子決済の要求処理を行い、ユーザー利用情報として、車両Mの車両運賃決済装置4内に利用履歴として記録し所定期間管理するとともに、管理センターサーバ(TicketQRサーバ)6に対して利用履歴として記録し所定期間管理させる。また、管理センターサーバ(TicketQRサーバ)6は、ユーザーUに関する利用履歴の更新がある度に、その更新に係るユーザー履歴情報を移動端末2に通知する。
【0115】
このようにして、ユーザーUは、移動端末2に表示させたコードラベルCLを用いる代わりに、コードラベルCLに対し連携登録済みのICタグFを用いて、車両Mを利用することができる。このため、ユーザーが専用アプリケーション201を利用する移動端末2を携帯していない場合や、移動端末2の充電不足で動作しないような場合であっても、予め連携登録させた標準的なICタグFをユーザーUが利用して、本発明に係る車両運賃決済システム1を利用でき、従来よりも更にユーザーUにとって利便性を高めることができる。
【0116】
そして、事実上、標準的な「ICタグ」を予め連携登録させたコードラベルCLで動作するため、そのコードラベルCL自体は、有効期限付きであり、更に、任意のコードラベル・ICタグ読取端末3で読み取り可能であるがユーザーIDが解読されるのみであるため、ユーザーUの個人情報の秘匿性は保たれ、尚且つ取引の安全性も保たれる。
【0117】
(システム動作の別の典型例)
図11(a),(b)は、それぞれユーザーUが移動端末2上に提示したユーザーUが購入取得済みのコードラベルCLを用いて或る車両Mを乗車し、そのコードラベルCLに対し連携登録済みのICタグFを用いて降車した時の本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1における典型的な運賃算出・電子決済例を示す図である。
【0118】
図11(a)に示すように、ユーザーUが本システムに係る或る車両Mを乗車した時に、車両運賃決済装置4は、コードラベル・ICタグ読取端末3を介して移動端末2上に表示させたユーザーUが購入取得済みのコードラベルCLからコードラベル情報を取得すると、そのコードラベル情報を基に利用可否判定処理を行った上で、GPS受信機能部401の機能により、当該ユーザーUの乗車位置及び乗車日時を記録して管理する。
【0119】
また、図11(b)に示すように、ユーザーUが本システムに係る或る車両Mを降車する時に、車両運賃決済装置4は、コードラベル・ICタグ読取端末3を介して乗車時に用いたコードラベルCLに対し連携登録済みのICタグFからICタグ情報を取得すると、連携判定処理を経て当該ICタグ情報に連携するコードラベルCLのコードラベル情報が乗車時と同じであるかの検証を行った上で、GPS受信機能部401の機能により、当該ユーザーUの降車位置及び降車日時を記録して管理するとともに、運賃を自動算出する。そして、車両運賃決済装置4は、「定期券」及び「回数券」のコードラベルCLについては当該運賃の電子決済の要求処理は省略し、「都度払い」又は「プリペイド券」のコードラベルCLについては当該運賃の電子決済の要求処理を行い、ユーザー利用情報として、車両Mの車両運賃決済装置4内に利用履歴として記録し所定期間管理するとともに、管理センターサーバ(TicketQRサーバ)6に対して利用履歴として記録し所定期間管理させる。また、管理センターサーバ(TicketQRサーバ)6は、ユーザーUに関する利用履歴の更新がある度に、その更新に係るユーザー履歴情報を移動端末2に通知する。
【0120】
このように、ユーザーUは、車両Mの乗車時には移動端末2上に提示したユーザーUが購入取得済みのコードラベルCLを用い、車両Mの降車時にはそのコードラベルCLに対し連携登録済みのICタグFを用いるようにしても、車両Mを利用できる。
【0121】
加えて、図示説明は省略するが、図11に示す例とは逆に、ユーザーUは、車両Mの乗車時にはICタグFを用い、車両Mの降車時には移動端末2上に表示させたコードラベルCLを用いるようにしても、車両Mを利用できる。
【0122】
従って、本実施形態によれば、ユーザーの使い勝手が向上し、コードラベルCLを本発明に係る車両運賃決済システム1の利用が促進されるようになる。
【0123】
以下、コードラベルCL及びICタグの連携登録の動作として2つの例を説明する。
【0124】
(コードラベルCL及びICタグFの連携登録の動作例1)
図12は、本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1に係るコードラベルCL及びICタグFの連携登録の動作例1を示すフローチャートである。
【0125】
この動作例1では、操作パネル5に対する運転手の操作で、コードラベル・ICタグ読取端末3は、ユーザーUが連携希望するコードラベルCLとICタグFとの連係登録モードに移行し、連係登録モードの指示を車両運賃決済装置4に出力して、ICタグFとコードラベルCLの読み取り待機状態となる(ステップS101)。
【0126】
また、車両運賃決済装置4においても、連動制御部44を介して車両Mの運転手の操作による操作パネル5からの連携登録モードの指示を受け付けたときに、ゲートウェイ機能部404の連携登録処理部4044を機能させ、コードラベルCLとICタグFとの連携登録を実行する連携登録モードに移行し、通信部41を介してその連係登録に係るICタグFのICタグ情報及びコードラベルCLのコードラベル情報の入力を待機する(ステップS102)。
【0127】
続いて、この操作パネル5に対する運転手の操作で、コードラベル・ICタグ読取端末3及び車両運賃決済装置4が連携登録モードに移行した後、ユーザーUが連携希望するICタグFをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざす操作を行うと(ステップS103)、コードラベル・ICタグ読取端末3は、当該ICタグFを読み取り、ICタグ識別情報を抽出して、車両運賃決済装置4に出力する(ステップS104)。
【0128】
続いて、車両運賃決済装置4は、通信部41を介してICタグ識別情報が入力されると、連携登録処理部4044により、そのICタグ識別情報を記憶部42に一時記憶し、コードラベルCLのコードラベル情報の入力を待機する(ステップS105)。
【0129】
続いて、ユーザーUが移動端末2上で専用アプリケーション201を起動し、車両利用に関する事前登録され取得済みのコードラベルCLを移動端末2上で画面表示し、そのコードラベルCLをコードラベル・ICタグ読取端末3にかざす操作を行うと(ステップS106)、コードラベル・ICタグ読取端末3は、当該コードラベルCLを読み取り、コードラベル情報を抽出して、車両運賃決済装置4に出力する(ステップS107)。
【0130】
続いて、車両運賃決済装置4は、連携登録モードとして通信部41を介してコードラベル情報が入力されると、連携登録処理部4044により、利用可否判定処理部4041を機能させ、通信部45を介してコードラベル管理サーバ61に対する照合による利用可否判定処理を行い、当該コードラベル情報が利用可であればその旨を示す利用可通知を生成し、当該コードラベル情報が利用不可であればその旨を示す利用不可通知(エラー通知)を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3及び操作パネル5に送信して表示させるよう処理する(ステップS108)。有効期限切れ等の理由で利用不可通知(エラー通知)が生成されたときは、連携登録できないため、以降の動作は行われず、ユーザーUは改めてステップS56の操作を行う必要がある。ここでは、利用可通知が生成されたものとして、以降の動作を説明する。
【0131】
続いて、車両運賃決済装置4は、連携登録モードとして当該コードラベル情報に関する利用可通知の生成後、連携登録処理部4044により、一時記憶していたICタグFのICタグ識別情報と利用可とされたコードラベルCLのコードラベル情報について、通信部45を介してICタグ連携管理サーバ62に対する連携登録を実行し、連携登録完了後に、その旨を示す連携登録完了通知を生成し、連動制御部44を介してコードラベル・ICタグ読取端末3及び操作パネル5に送信して表示させるよう処理する(ステップS109)。尚、本例では、連携手順として、ICタグの読み取り後に、コードラベルCLの読み取りを行う手順を例に説明したが、コードラベルCLの読み取り後に、ICタグの読み取りを行う手順としてもよく、予め定めた順序とする。
【0132】
また、ICタグ連携管理サーバ62は、その連携登録完了後に、連携したコードラベルCLとICタグFを示す連携登録完了通知を生成して移動端末2へ通知する(ステップS59)。移動端末2は、専用アプリケーション201上で、ICタグFの連携登録情報を含む購入取得済みのコードラベルCLをリストとして管理する(ステップS110)。尚、上記の登録動作の手順と同様にして、操作パネル5に対する運転手の操作で、コードラベルCLに対して連携登録したICタグFについて個別に、ICタグ連携管理サーバ62に対し連携登録を解除することができる。また、専用アプリケーション201上に示される当該リスト上の設定操作で、コードラベルCLに対して連携登録したICタグFについて個別に、ICタグ連携管理サーバ62に対し連携登録を解除することができる。
【0133】
(コードラベルCL及びICタグFの連携登録の動作例2)
図13は、本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1に係るコードラベルCL及びICタグFの連携登録の動作例2を示すフローチャートである。ここでは、移動端末2が「ICタグ読取機能付き」であるとする例を説明する。通常、移動端末2がスマートフォンで構成されていれば、ICタグFのICタグ識別情報を読み取り可能とするICタグ読取部25が搭載されており、ユーザーUが購入取得済みのコードラベルCLとICタグFとの連携登録の際に利用できる。また、移動端末2にICタグ読取部25が搭載されていなくとも、ICタグFのICタグ識別情報を読み取り可能とする外付けのICタグリーダーを移動端末2に接続して利用するとしてもよい。
【0134】
この動作例2では、ユーザーUが移動端末2上で専用アプリケーション201を起動し、その専用アプリケーションン(「TicketQR」アプリ)上で、連携登録機能部205の機能として、ユーザーUが連携希望するコードラベルCLとICタグFとの連係登録モードに移行する(ステップS201)。
【0135】
次に、その専用アプリケーション上の連係登録モードに移行後、ユーザーUが連携希望するICタグFを「ICタグ読取機能付き」の移動端末2にかざすことで、「ICタグ読取機能付き」の移動端末2は、当該ICタグFを読み取り、ICタグ識別情報を抽出し(ステップS202)、その専用アプリケーション201上の連係登録モードで、連携登録機能部205の機能として、抽出したICタグ識別情報を記憶部22に一時記憶する(ステップS203)。
【0136】
続いて、「ICタグ読取機能付き」の移動端末2は、専用アプリケーション201上では、コードラベル取得管理部203により、ICタグFの連携登録情報を含む購入取得済みのコードラベルCLをリストとして記憶部22に保持し、或いは変形例としてコードラベル管理サーバ61及びICタグ連携管理サーバ62に対するアクセスで読み出して当該リストを形成するようにして管理しているため、専用アプリケーション201上の連係登録モードで、連携登録機能部205の機能として、このリストから、当該一時記憶したICタグ識別情報と連携登録したい車両利用に関する事前登録され取得済みのコードラベルCLを指定する(ステップS204)。
【0137】
続いて、「ICタグ読取機能付き」の移動端末2は、専用アプリケーション201上の連係登録モードで、連携登録機能部205の機能として、コードラベル管理サーバ61に対して、指定したコードラベルCLの利用確認処理を実行する(ステップS205)。即ち、連係登録モードではコードラベルCLを指定すると、そのコードラベル情報が自動的に抽出され、移動端末2からその指定したコードラベルCLのコードラベル情報について、通信部24を介して利用確認問い合わせ要求をコードラベル管理サーバ61に送信する。
【0138】
この利用確認問い合わせ要求に対して、コードラベル管理サーバ61は、当該コードラベル情報が利用可であればその旨を示す利用可通知を生成し、当該コードラベル情報が利用不可であればその旨を示す利用不可通知(エラー通知)を生成し、移動端末2に返信する。コードラベル管理サーバ61から、有効期限切れ等の理由で利用不可通知(エラー通知)が返信されたときは、連携登録できないため、以降の動作は行われず、ユーザーUは改めてステップS204の操作を行う必要がある。ここでは、利用可通知が返信されたものとして、以降の動作を説明する。
【0139】
続いて、「ICタグ読取機能付き」の移動端末2は、専用アプリケーション201上の連係登録モードで、連携登録機能部205の機能として、一時記憶していたICタグFのICタグ識別情報と利用可とされたコードラベルCLのコードラベル情報について、通信部24を介してICタグ連携管理サーバ62に連携登録させる連携登録処理を実行する(ステップS206)。このとき、ICタグ連携管理サーバ62は、その連携登録処理の実行による連携登録要求の送信に応じて連携登録を行い、その連携登録完了後に、連携したコードラベルCLとICタグFを示す連携登録完了通知を生成して移動端末2へ通知する。尚、本例では、連携手順として、ICタグの読み取り後に、コードラベルCLの指定を行う手順を例に説明したが、コードラベルCLの指定後に、ICタグの読み取りを行う手順としてもよく、予め定めた順序とする。
【0140】
続いて、移動端末2は、専用アプリケーション201上で、ICタグFの連携登録情報を含む購入取得済みのコードラベルCLをリストとして管理する(ステップS207)。尚、専用アプリケーション201上に示される当該リスト上の設定操作で、コードラベルCLに対して連携登録したICタグFについて個別に、ICタグ連携管理サーバ62に対し連携登録を解除することができる。
【0141】
(コードラベルCLの種別毎の連携登録済みのICタグFに関するリスト表示例)
図14(a)乃至(e)は、それぞれ本発明による一実施形態の車両運賃決済システム1に係るコードラベルCLの種別毎の連携登録済みのICタグFに関する移動端末上のリスト表示例を示す図である。
【0142】
図14(a)乃至(e)には、「都度払い」、「定期券」、「回数券」及び「プリペイド券」の各種の購入取得済みのコードラベルCLについて、連携登録済みのICタグFに関するリスト表示例を示しており、1つのコードラベルCLに対し1つ又は複数のICタグFを連携登録可能である。ただし、1つのICタグFは、1つのコードラベルCLに対してのみ連携させることができる。
【0143】
尚、図14(a)乃至(e)においてリスト表示画面上で、「コードラベルCLの表示」をタップする度に、その図示する縮小表示から拡大表示へ、拡大表示から図示する縮小表示へ、切り替え可とする表示形態とすることができる。また、「利用履歴」をタップする度に、その図示するタイトル表示から詳細表示へ、詳細表示からタイトル表示へ、切り替え可とする表示形態とすることができる。また、「ICタグ1」、「ICタグ2」…の表示形態は、ICタグ連携管理サーバ62がユーザーIDに対するICタグFのICタグ情報毎に割り当てた識別表示となっているが、例えば「ICタグ1」をタップにより指定することで、ユーザーUが「ICタグ1」の種別を一意に理解できるような所望の名称へと任意に変更することや、連携登録を削除するなどの設定変更メニューへと表示移行させることができる。
【0144】
以上のように、1つのコードラベルCLに対し1つ又は複数のICタグFの連携登録が可能である。従って、本実施形態の車両運賃決済システム1によれば、移動端末2上に提示した所定のコードラベルCL、及びその所定のコードラベルCLに対して予め連携登録したICタグFのいずれか一方又は双方の利用で、運送サービスに関する車両Mの運賃を自動算出して電子決済することが可能となる。
【0145】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明によれば、運送サービスに関する取引の安全性を高め、尚且つユーザーにとっても利便性を高めることができるので、車両運賃の自動算出及び電子決済の用途に有用である。
【符号の説明】
【0147】
1 車両運賃決済システム
2 移動端末
3 コードラベル・ICタグ読取端末
4 車両運賃決済装置
5 操作パネル
6 管理センターサーバ6
7 決済会社サーバ
20 制御部
21 端末UI(ユーザーインターフェース)
22 記憶部
23 表示部
24 通信部
25 ICタグ読取部
201 アプリケーション
202 ユーザー登録部
203 コードラベル取得管理部
204 コードラベル表示制御部
205 連携登録機能部
40 制御部
41 通信部
42 記憶部
43 GPS受信部
44 連動制御部
45 通信部
61 コードラベル管理サーバ
62 ICタグ連携管理サーバ
401 GPS受信機能部
402 運賃算出部
403 ユーザー利用情報管理制御部
404 ゲートウェイ機能部
4041 利用可否判定処理部
4042 連携判定処理部
4043 決済要求処理部
4044 連携登録処理部
CL コードラベル
F ICタグ
U ユーザー
M 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14