(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046158
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 21/14 20060101AFI20240327BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
F25D21/14 E
F25D19/00 520Z
F25D21/14 U
F25D19/00 540A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151383
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】野口 明裕
【テーマコード(参考)】
3L048
【Fターム(参考)】
3L048AA08
3L048BA01
3L048BC04
3L048BD04
3L048CA02
3L048CB03
3L048DA03
3L048DB03
3L048DB06
3L048DB08
3L048GA02
(57)【要約】
【課題】冷蔵庫内の収容部を確保し、利便性の向上を実現することができる冷蔵庫を提供することである。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、冷却器と、機械室と、蒸発皿と、を持つ。冷蔵庫本体は、貯蔵室を有する。冷却器は、貯蔵室に供給する冷気を生成する。機械室は、冷蔵庫本体の上部に形成される。圧縮機は、機械室に設けられ、冷媒を圧縮する。蒸発皿は、機械室に設けられ、冷却器で生じた除霜水を貯水する。冷却器は、上下方向において機械室の下面よりも上方に設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を有する冷蔵庫本体と、
前記貯蔵室に供給する冷気を生成する冷却器と、
前記冷蔵庫本体の上部に形成された機械室と、
前記機械室に設けられ、冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記機械室に設けられ、前記冷却器で生じた除霜水を貯水する蒸発皿と、
を備え、
前記冷却器は、上下方向において前記機械室の下面よりも上方に設けられる
冷蔵庫。
【請求項2】
前記機械室は、前記冷蔵庫本体の後方に設けられる
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記冷却器と前記圧縮機とは、左右方向に沿って配列する
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記蒸発皿は、上下方向において前記圧縮機よりも下方に設けられる
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記蒸発皿は、上下方向において前記圧縮機よりも上方に設けられる
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記冷蔵庫本体は、前記冷却器を収容する冷却器収容室を備え、
前記冷却器収容室は、左右方向に沿って前記機械室と配列される
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記蒸発皿の少なくとも一部は、上下方向において前記冷却器の最下面よりも下方に設けられる
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記蒸発皿は、前記圧縮機の吐出側に設けられる
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記蒸発皿は、前記圧縮機の吐出側に設けられた蒸発パイプの下方に設けられる
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記貯蔵室は、冷蔵部と、前記冷蔵部よりも下方に設けられた冷凍部とを備え、
前記冷却器は、前記冷蔵部に供給する冷気を生成する第一冷却器と、前記冷凍部に供給する冷気を生成する第二冷却器と、を備える
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷蔵庫において、冷蔵庫本体の背面側に設けられた蒸発器と、冷蔵庫本体の下方に設けられた蒸発皿と、圧縮機と、を備えた冷蔵庫が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、冷蔵庫内の収容部を確保し、利便性の向上を実現することができる冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、冷却器と、機械室と、蒸発皿と、を持つ。冷蔵庫本体は、貯蔵室を有する。冷却器は、貯蔵室に供給する冷気を生成する。機械室は、冷蔵庫本体の上部に形成される。圧縮機は、機械室に設けられ、冷媒を圧縮する。蒸発皿は、機械室に設けられ、冷却器で生じた除霜水を貯水する。冷却器は、上下方向において機械室の下面よりも上方に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】
図1中に示された同冷蔵庫のF2-F2線に沿う断面図。
【
図4】同冷蔵庫を前方から見たときの機械室の構成を示す図。
【
図6】同冷蔵庫の放熱パイプの配置形態を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」及び「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
本明細書では、特に断らない限り、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、上下左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。「上下方向」とは、冷蔵庫の高さ方向を意味している。
図中に矢線で示した、+X方向は右方向、-X方向は左方向、+Y方向は後方向、-Y方向は前方向、+Z方向は上方向、-Z方向は下方向である。
【0009】
(第1実施形態)
図1から
図6を参照し、第1実施形態の冷蔵庫1について説明する。まず、冷蔵庫1の全体構成について説明する。ただし、冷蔵庫1は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
【0010】
図1は、冷蔵庫1を示す斜視図である。
図2は、
図1中に示された冷蔵庫1のF2-F2線に沿う断面図である。
図1及び
図2に示すように、冷蔵庫1は、例えば、筐体10、機械室40、複数の扉11、棚12、複数の容器13、流路形成部品14、冷却ユニット30、及び図示しない制御基板を有する。本実施形態では、複数の扉11以外の上記構成によって冷蔵庫本体5が形成されている。
【0011】
図2に示すように、筐体10は、例えば、内箱10aと、外箱10bと、発泡断熱材10cとを含む。
【0012】
内箱10aは、筐体10の内面を形成する部材であり、例えば合成樹脂製である。外箱10bは、筐体10の外面を形成する部材であり、例えば金属製である。外箱10bは、内箱10aよりも一回り大きく形成されており、内箱10aの外側に配置されている。発泡断熱材10cは、例えば発泡ウレタンのような発泡状の断熱材であり、内箱10aと外箱10bとの間に充填されている。これにより、筐体10は、断熱性を有する。
【0013】
図1に示すように、筐体10は、上壁(天板部)21、下壁22、左右の側壁23、24、および後壁25を有する。
【0014】
上壁(天板部)21は、冷蔵庫本体5の上方に設けられ、冷蔵庫本体5の天井となる部材である。上壁21は、略水平に広がっており、
図1及び
図2に示すように、一部が下方向に窪んで凹部210を形成する。具体的には、上壁21は、冷蔵庫本体5の後方かつ左右方向の右方において凹部210を形成する。本実施形態では、上壁21が凹部210を形成することによって、筐体10の内部には、凸部211が形成される。なお、凹部210の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、例えば直方体状に形成されている。
【0015】
上壁(天板部)21は、凹部210の側面の一部である上壁厚板部10d(
図3参照)を有する。上壁厚板部10dは、上下方向及び奥行方向がなす面に沿って形成される。本実施形態では、上壁厚板部10dは、凹部210の左方に有する側面を一部に持つ。
【0016】
下壁22は、略水平に広がっている。左右の側壁23、24は、下壁22の左右方向の端部から上方に起立し、上壁21の左右方向の端部に繋がる。後壁25は、下壁22の後端部から上方に起立し、上壁21の後端部に繋がる。
【0017】
図3は、冷蔵庫1を後方から見た斜視図である。
図4は、冷蔵庫1を前方から見たときの機械室40の構成を示す図である。
図4においては、機械室40を見やすくするため、貯蔵室27及び扉11の図示を省略する。
機械室40は、
図3及び
図4に示すように、冷蔵庫本体5の冷蔵庫本体5の後方かつ上部に形成される。機械室40は、上壁21が形成する凹部210に設けられた収容空間である。本実施形態では、機械室40は、凹部210の形状に合わせて直方体状に形成されている。
【0018】
筐体10の内部には、
図2及び
図3に示すように、冷却器収容室26と、複数の貯蔵室27が設けられている。
【0019】
冷却器収容室26は、
図3に示すように、冷蔵庫本体5の上壁21の下方に設けられた空間部分である。冷却器収容室26は、冷蔵庫本体5の後方かつ上部に形成され、上壁厚板部10dを挟んで機械室40と左右方向に隣り合うように配列する。冷却器収容室26は、後述の冷却器31を収容する。
【0020】
筐体10の内部の冷却器収容室26と、機械室40とは、上壁厚板部10dを挟んで左右方向に配列する。なお、機械室40の上部には、機械室40を覆う上部カバー等が設けられていてもよい。
【0021】
ここで、上壁厚板部10dは、温度が最も高くなる機械室40と、温度の低い筐体10の内部とを仕切っているため、断熱厚みが、筐体10において最も厚く、断熱性が高い。
【0022】
複数の貯蔵室27は、例えば、冷蔵室(冷蔵部)27A、野菜室(冷蔵部)27B、製氷室(冷凍部)27C、小冷凍室(冷凍部)27D、及び主冷凍室(冷凍部)27Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室27Aが配置され、冷蔵室27Aの下方に野菜室27Bが配置され、野菜室27Bの下方に製氷室27C及び小冷凍室27Dが配置され、製氷室27C及び小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置されている。ただし、貯蔵室27の配置は、上記例に限定されず、例えば、冷蔵室27Aの下方に製氷室27C及び小冷凍室27Dが配置され、製氷室27C及び小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置され、主冷凍室27Eの下方に野菜室27Bが配置されてもよい。製氷室27C、小冷凍室27D及び主冷凍室27E(以下、冷凍部27Q)の温度帯は、略同じである。冷蔵室27A及び野菜室27B(以下、冷蔵部27P)の温度帯は、略同じであるが、野菜室27Bがわずかに高い。冷凍部27Qの温度帯は、冷蔵部27Pの温度帯よりも低い。筐体10は、各貯蔵室27の前面側に、各貯蔵室27に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
【0023】
各貯蔵室27の開口は、複数の扉11によって開閉可能に閉じられる。複数の扉11は、
図1に示すように、例えば、冷蔵室27Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉11Aa、11Ab、野菜室27Bの開口を閉じる野菜室扉11B、製氷室27Cの開口を閉じる製氷室扉11C、小冷凍室27Dの開口を閉じる小冷凍室扉11D、及び主冷凍室27Eの開口を閉じる主冷凍室扉11Eを含む。
【0024】
図1に示すように、左右に隣り合って設けられた左冷蔵室扉11Aa及び右冷蔵室扉11Abは、例えば、観音開き式の扉である。左冷蔵室扉11Aa及び右冷蔵室扉11Abはそれぞれ、例えばヒンジ等によって筐体10に回動可能に支持されている。左冷蔵室扉11Aa及び右冷蔵室扉11Abは、貯蔵室27を開閉可能に閉じている。
本実施形態では、右冷蔵室扉11Abの横幅方向の幅は、左冷蔵室扉11Aaの横幅方向の幅よりも大きい。
特に図示しないが、本実施形態では、左冷蔵室扉11Aa及び右冷蔵室扉11Abの少なくとも一方の表面には、操作パネルユニットの操作/表示領域が設けられてもよい。
【0025】
一方で、野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、及び主冷凍室扉11Eは、例えば、引き出し式の扉である。野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、及び主冷凍室扉11Eは、図示しないレール等によって筐体10に対して引き出し可能に支持されている。
【0026】
図2に示すように、筐体10は、第1及び第2の仕切部28、29を有する。第1及び第2の仕切部28、29は、例えば、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切部28は、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間に位置し、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間を仕切っている。一方で、第2仕切部29は、野菜室27Bと、製氷室27C及び小冷凍室27Dとの間に位置し、野菜室27Bと、製氷室27C及び小冷凍室27Dとの間を仕切っている。なお、製氷室27C及び小冷凍室27Dと、主冷凍室27Eとの間には、仕切壁は設けられていない。
【0027】
棚12は、冷蔵室27Aにおいて略水平方向に沿って配置されている。棚12は、凸部211において下方の下面211aの高さから奥行方向の前方に向かって延びる。棚12は、冷蔵室27Aを区画して、第一貯蔵部27Aaと、第二貯蔵部27Abと、を形成する。なお、棚12は、冷蔵室27Aにおいて複数設けられていてもよい。
【0028】
第一貯蔵部27Aaは、冷蔵室27Aにおいて最も上方に設けられた空間である。第一貯蔵部27Aaは、冷却器収容室26及び機械室40の前方に設けられている。第二貯蔵部27Abは、冷蔵室27Aにおいて第一貯蔵部27Aaよりも下方に設けられた空間である。第一貯蔵部27Aaの空間の大きさ(広さ)は、第二貯蔵部27Abよりも小さい(狭い)。
【0029】
複数の容器13は、各貯蔵室27にそれぞれ1つまたは複数配置される。
【0030】
流路形成部品14は、筐体10内に配置されている。流路形成部品14は、例えば、第1ダクト部品14Aと、第2ダクト部品14Bとを含む。第1ダクト部品14Aは、筐体10の後壁25に沿って設けられ、上下方向に延びている。第1ダクト部品14Aと筐体10の後壁25との間には、冷気(空気)が流れる通路である第1ダクト空間S1が形成されている。第1ダクト部品14Aは、冷蔵室27Aに開口した複数の冷気吹出口h1と、野菜室27Bに開口した冷気戻り口h2とを有する。第2ダクト部品14Bは、筐体10の後壁25に沿って設けられ、上下方向に延びている。第2ダクト部品14Bと筐体10の後壁25との間には、冷気(空気)が流れる通路である第2ダクト空間S2が形成されている。第2ダクト部品14Bは、製氷室27Cおよび小冷凍室27Dなどに開口した複数の冷気吹出口h3と、主冷凍室27Eに開口した冷気戻り口h4とを有する。
【0031】
冷却ユニット30は、冷却器31と、冷却ファン32と、圧縮機33と、蒸発パイプ34と、中間ユニット35と、放熱パイプ36と、蒸発皿37と、を含む。冷却ユニット30は、
図4に示すように、冷蔵庫本体5の上部に設けられている。
【0032】
図5は、冷蔵庫1を上方から見た断面図である。
冷却器(蒸発器)31は、
図3から
図5に示すように、冷蔵庫本体5の冷却器収容室26に収容される。冷却器31は、各貯蔵室27に供給する冷気を生成する。冷却器31は、
図4に示すように、上下方向において、機械室40の下面40gよりも上方に設けられている。冷却器31は、冷気戻り口h2を通して野菜室27Bから戻る空気を冷蔵に適した温度に冷却して、複数の冷気吹出口h1から冷蔵室27Aに吹き出す。これにより、冷蔵部27Pで冷気が循環され、冷蔵部27Pの冷却が行われる。また、冷却器31は、図示しない制御基板によって切り替えられて、冷気戻り口h4を通して主冷凍室27Eから戻る空気を冷凍に適した温度に冷却して、冷気吹出口h3から製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eに吹き出す。これにより、冷凍部27Qで空気が循環され、冷凍部27Qの冷却が行われる。
【0033】
冷却ファン32は、
図5に示すように、例えば冷却器31の前方に設けられる。冷却ファン32は、冷却器31で生成された冷気を各貯蔵室27に送風する。本実施形態では、冷却ファン32は、1つ設けられているが、特に限定されない。冷却ファン32は、複数設けられていてもよい。また、冷却ファン32は、冷却器31の前方に配置されなくてもよく、好適に冷気を各貯蔵室27に送風できる位置に配置されて入ればよい。
【0034】
圧縮機33は、例えば、機械室40に設けられている。上下方向において、圧縮機33の最下面33gの位置は、
図4に示すように、冷却器(蒸発器)31よりも下方にある。すなわち、冷却器31は、上下方向において圧縮機33の最下面33gの位置よりも上方に設けられている。
【0035】
圧縮機33は、機械室40に設けられ、冷却器31は機械室40よりも左方に形成された冷却器収容室26に設けられている。そのため、冷却器31と圧縮機33とは、左右方向に配列している。
【0036】
圧縮機33は、各貯蔵室27の冷却に用いられる冷媒ガスを圧縮する。圧縮機33により圧縮された冷媒ガスは、吐出側に設けられた蒸発パイプ34を経由して、中間ユニット35を介して冷却器31に送られる。圧縮機33の吐出側は、吸込側よりも高温である。なお、蒸発パイプ34は、冷却ユニット30の構成する冷媒パイプのうちの一部であり、冷媒パイプのうち比較的温度が高い。
【0037】
中間ユニット35は、例えば、圧縮機33から吐出される冷媒ガスを受けて放熱液化するコンデンサやドライヤ、電磁弁、絞り装置、逆止弁等を含む。
【0038】
図6は、冷蔵庫1の放熱パイプ36の配置形態を説明する図である。
冷却ユニット30は、冷却器31、圧縮機33、中間ユニット35等を冷媒パイプにより閉ループ状に接続して構成されている。このとき、
図6に示すように、冷却ユニット30を構成する冷媒パイプのうち、圧縮機33の吐出側の比較的高温の部分が、筐体10の外箱10bの内面に沿って配置されるように構成されており、この部分が放熱パイプ36として機能する。放熱パイプ36は、例えば筐体10の各コーナーで折り曲げられて全体にわたって設けられる。この構成により、放熱パイプ36は、熱を冷蔵庫1の外部に放熱することができる。なお、放熱パイプ36は、本実施形態の
図6に係る配置や形状に限定されず、任意の配置や形状に設定することができる。
【0039】
蒸発皿37は、機械室40に設けられている。蒸発皿37は、冷却器31に付着した霜を、例えば電気ヒータなどによって除霜する際に生じる除霜水を貯水するものである。冷却器31の下方には、除霜水を受ける図示しない液受け部及び排水管が設けられている。排水管は、冷却器31と蒸発皿37との間に設けられる。液受け部及び排水管は、少なくとも一部が蒸発皿37に向かって傾斜しているのが好ましい。この構成により、冷却器31から生じた除霜水は、液受け部から排水管をつたって蒸発皿37に流れて貯水される。
【0040】
蒸発皿37は、本実施形態では、
図4に示すように機械室40において、圧縮機33の下方に設けられる。また、蒸発皿37は、
図5に示すように、上下方向からみて、少なくとも一部が圧縮機33と重なる位置に設けられている。
【0041】
蒸発皿37は、圧縮機33に接続されており、圧縮機33から熱を伝達されることによって、除霜水を蒸発させている。除霜水は蒸発すると、冷蔵庫1の外部に排出される。ただし、蒸発皿37の配置は特に限定されず、高温の蒸発パイプ34や放熱パイプ36、圧縮機33に近い位置に設けられていればよい。また、蒸発皿37は、圧縮機33を冷却するために設けられたファンの風や凝縮器などを利用することによって蒸発皿37からの除霜水の蒸発を促進されてもよい。
【0042】
ここで、冷却器31は、上下方向において圧縮機33の最下面33gの位置よりも上方に設けられている。そのため、圧縮機33の下方に設けられた蒸発皿37は、上下方向において冷却器31よりも下方に配置される。この構成により、蒸発皿37は、冷却器31に付着した霜を除霜する際に生じる除霜水を貯水できる。ただし、本実施形態に限定されず、蒸発皿37は、少なくとも一部が冷却器31の最下面31gよりも下方に配置されていればよい。
【0043】
制御基板(不図示)は、冷蔵庫1の全体を統括的に制御する。例えば、制御基板は、貯蔵室27に設けられた温度センサの検出結果に基づき、冷却器31及び圧縮機33の動作を制御する。
【0044】
次に冷蔵庫1の動作及び作用について説明する。
【0045】
本実施形態によれば、蒸発皿37を含む機械室40が冷蔵庫本体5の上部に形成されている。そのため、冷蔵庫1は、蒸発皿37を下方に有さず、貯蔵室27のうち下方に設けられた主冷凍室27Eの空間を従来の冷蔵庫よりも広く形成することができる。特に、本実施形態では、主冷凍室27Eを広く形成することができるため、近年の冷凍食品の購入上昇に伴う冷凍室のニーズに、好適に対応することができる。また、この構成により、冷蔵庫本体5の背が高くユーザの手が届きにくい冷蔵庫本体5の上部の貯蔵室27をデッドスペースとすることなく有効に活用することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、冷蔵庫本体5の上部に形成された機械室40に圧縮機33が設けられている。そのため、圧縮機33によって発生する熱を好適に冷蔵庫1の外部へ発散させることができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、圧縮機33は、機械室40に設けられ、冷却器31は機械室40よりも左方に形成された冷却器収容室26に設けられている。そのため、冷却器31と圧縮機33とは、左右方向に配列している。この構成により、冷蔵庫1は、横幅方向に貯蔵室27を広げることができる。さらに、冷却器31と、圧縮機33とが近い距離に配置されるため、冷媒パイプの長さを短くすることができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、機械室40が冷蔵庫本体5の後方に設けられている。そのため、さらにユーザの手が届きにくい上部の貯蔵室27の後方をデッドスペースとすることなく有効に活用することができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、冷却器31は、上下方向において機械室40の下面40gよりも上方に設けられている。そのため、冷蔵庫1は、従来の冷蔵庫本体の背面側に設けていた冷却器31の収容スペースを無くして、従来の冷蔵庫よりも各貯蔵室27を広く形成することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、蒸発皿37は、機械室40において、圧縮機33の下方に設けられ、上下方向において冷却器33の最下面33gよりも下方に設けられる。そのため、蒸発皿37は、除霜水が流れる液受け部及び排水管を蒸発皿37に向かって傾斜させることができ、冷却器31によって生じる除霜水を好適に貯水することができる。
【0051】
(変形例)
本実施形態では、冷却器31を含む冷却器収容室26と、圧縮機33を含む機械室40とは左右方向に配列しているが、特に限定されない。例えば、冷却器収容室26と機械室40とは、奥行方向に配列されてもよい。この場合においても、冷蔵庫1は、機械室40に設けられた蒸発皿37を下方に有さず、貯蔵室27のうち下方に設けられた主冷凍室27Eの空間を従来の冷蔵庫よりも広く形成することができる。
【0052】
また、本実施形態では、蒸発皿37は、上下方向からみて、圧縮機33と重なる位置に設けられているが、特に限定されない。蒸発皿37は、圧縮機33の吐出側に設けられてもよい。圧縮機33の吐出側は、吸込側よりも高温であるため、蒸発皿37は、さらに除霜水を好適に蒸発させることができる。また、蒸発皿37は、圧縮機33の吐出側に設けられた蒸発パイプ34の下方に設けられてもよく、この場合においても、蒸発皿37は同様の効果を奏することができる。
【0053】
また、冷却器や冷却ファンは、複数設けられてもよい。冷却器や冷却ファンの個数は、特に限定されない。例えば、
図7に示すように、冷蔵庫1Aは、筐体10の内部に第一冷却器収容室26aと、第二冷却器収容室26bとを備える。第一冷却器収容室26aには、冷却ユニット30Aの第一冷却器31a及び第一冷却ファン32aが収容される。また、第二冷却器収容室26bには、冷却ユニット30Aの第二冷却器31b及び第二冷却ファン32bが収容される。この場合は、第一冷却器31aによって冷蔵部27Pで冷気が循環され、冷蔵部27Pの冷却が行われ、第二冷却器31bによって冷凍部27Qで空気が循環され、冷凍部27Qの冷却が行われる。そのため、第一冷却器31aと第二冷却器31bとがそれぞれ貯蔵室27を異なる温度で冷却することができる。
【0054】
また、本実施形態では、蒸発皿37は、圧縮機33の下方に設けられているが、特に限定されない。例えば、
図8に示すように、冷蔵庫1Bにおいて、冷却ユニット30Bの蒸発皿37Bは、圧縮機33の上方に設けられていてもよい。この場合においても、蒸発皿37Bは、少なくとも一部が冷却器31よりも下方に設けられていることで、除霜水を貯水し、圧縮機33の高温によって好適に除霜水を蒸発させることができる。
【0055】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫内の収容部を確保し、利便性の向上を実現することができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0057】
1、1A、1B…冷蔵庫、5…冷蔵庫本体、10…筐体、10d…壁厚板部、40…機械室、21…上壁(天板部)、210…凹部、211…凸部、26…冷却器収容室、27…貯蔵室、27P…冷蔵部、27Q…冷凍部、28…第一仕切部、29…第二仕切部、11…扉、12…棚、13…容器、14…流路形成部品、30、30A、30B…冷却ユニット、31…冷却器、32…冷却ファン、33…圧縮機、34…蒸発パイプ、35…中間ユニット、36…放熱パイプ、37、37B…蒸発皿