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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046213
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】遮光装置および空気処理装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20240327BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20240327BHJP
   F21V 11/16 20060101ALI20240327BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20240327BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240327BHJP
【FI】
F21S8/02 410
F21V33/00 450
F21V11/16
F21V33/00 470
F21Y113:10
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151460
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】貴家 学
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB03
3K014RB06
(57)【要約】
【課題】遮光性を確保しながら、空気の通気効率を向上できる遮光装置および空気処理装置を提供する。
【解決手段】遮光装置25は、略円形の板金に、中央の取付部41から外径側に至る溝部42が周方向に複数設けられるとともに、複数の溝部42間に取付部41に連結された遮光羽部43が周方向に複数設けられ、複数の遮光羽部43が取付部41から周方向に対して斜めに切り起された遮光部材40を備える。2枚の遮光部材40が、溝部42と遮光羽部43の位置が互い違いとなるように取付部41を介して組み合われる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円形の板金に、中央の取付部から外径側に至る溝部が周方向に複数設けられるとともに、複数の溝部間に前記取付部に連結された遮光羽部が周方向に複数設けられ、複数の前記遮光羽部が前記取付部から周方向に対して斜めに切り起された遮光部材を備え、
2枚の前記遮光部材が、前記溝部と前記遮光羽部の位置が互い違いとなるように前記取付部を介して組み合われる
ことを特徴とする遮光装置。
【請求項2】
前記遮光羽部は、前記取付部の一面側と反対の他面側とに突出された
ことを特徴とする請求項1記載の遮光装置。
【請求項3】
前記取付部は、周方向に沿って複数の取付孔を有し、
2枚の前記遮光部材は、前記取付孔の所定数分ずつ角度をずらして組み合わせることで、2枚の前記遮光部材の前記溝部と前記遮光羽部の位置が互い違いとなる
ことを特徴とする請求項1記載の遮光装置。
【請求項4】
筐体と;
前記筐体内に外部の空気を循環させるファンと;
前記筐体内に循環される空気に少なくとも紫外領域の光を照射する紫外線照射部と;
前記筐体内に循環される空気の流通経路に配置される請求項1ないし3いずれか一記載の遮光装置と;
を備えることを特徴とする空気処理装置。
【請求項5】
前記筐体内に配設され、前記紫外線照射部からの光が照射される光触媒部を備える
ことを特徴とする請求項4記載の空気処理装置。
【請求項6】
中央に吸気口を有する環状に設けられ、可視光を照射する可視光照射部を備え、
前記遮光装置は、前記吸気口に配置され、
前記紫外線照射部は、前記吸気口から前記遮光装置を通過した空気に光を照射する
ことを特徴とする請求項4記載の空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、遮光装置および空気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、頂点部を介して所定の角度に折曲された板状の遮光部材を同じ方向に向けて複数配設し、通気性と遮光性を確保した遮光装置が知られている。
【0003】
この遮光装置の構成では、ファンと組み合わせ、遮光装置を通じて送風する場合、ファンの回転によって生じる旋回しながらの空気の流れと、隣接する遮光部材間の開口方向とが一致しない部分が生じ、空気の通過効率が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6-43498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、遮光性を確保しながら、空気の通気効率を向上できる遮光装置および空気処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の遮光装置は、略円形の板金に、中央の取付部から外径側に至る溝部が周方向に複数設けられるとともに、複数の溝部間に取付部に連結された遮光羽部が周方向に複数設けられ、複数の遮光羽部が取付部から周方向に対して斜めに切り起された遮光部材を備える。2枚の遮光部材が、溝部と遮光羽部の位置が互い違いとなるように取付部を介して組み合われる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の遮光装置によれば、遮光性を確保しながら、空気の通気効率が向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す空気処理装置の斜視図である。
図2】同上空気処理装置の分解斜視図である。
図3】同上空気処理装置の断面図である。
図4】同上空気処理装置に用いられる遮光装置の斜視図である。
図5】同上遮光装置の分解斜視図である。
図6】同上遮光装置の側面図である。
図7】同上遮光装置の平面図である。
図8】同上遮光装置の遮光部材の展開図である。
図9】同上遮光装置の遮光部材の一部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
なお、以下の実施形態における空気処理装置は、空気処理装置の内部に流通する空気に対して、所定の手法により、殺菌、除菌、滅菌、減菌、脱臭、消臭のいずれかの空気処理を行う装置である。以下では、空気処理装置の処理としては殺菌処理として説明を行うが、殺菌処理は、除菌処理、滅菌処理、減菌処理、脱臭処理、消臭処理、などに置き換えて解釈可能である。また、以下での空気処理機能とは、殺菌、除菌、滅菌、減菌、脱臭、消臭のいずれかの機能を指す。また、ここでの所定の手法とは、光照射、光触媒などである。光照射は、UV-C領域、UV-B領域、UV-A領域、可視光領域、赤外領域などの波長の光を照射することをいう。光触媒は、空気処理装置の内部に配設された、酸化チタンなどの光触媒に光(紫外光や可視光)を照射することで生成される活性酵素やOHラジカルによって、空気中に浮遊する菌、ウイルス、においの元などの活動を抑制したり、水と二酸化炭素に分解したりすることをいう。
【0011】
図1ないし図3に空気処理装置10を示す。この空気処理装置10は、設置部材である天井板11に形成された埋込孔12に半埋め込み状態に設置されるダウンライト形で、空気処理機能と照明機能とを有している。
【0012】
空気処理装置10は、天井板11に設置される器具本体である筐体14と、この筐体14の下側から着脱可能に取り付けられる処理ユニット15と、筐体14の外側に取り付けられた電源部16と、を備えている。
【0013】
筐体14は、金属製であり、上面側が閉塞されて下面側が開口された円筒状の本体部17と、この本体部17の下端から外周囲に突出された環状のフランジ部18と、を備えている。環状のフランジ部18の下面には、複数のフィン部19が放射状に設けられている。本体部17が埋込孔12に挿入され、フランジ部18が天井板11の下面に当接され、本体部17の外側面に取り付けられた複数の取付ばね20によって、フランジ部18との間に天井板11が挟み込まれることにより、空気処理装置10が天井板11に取り付けられる。
【0014】
処理ユニット15は、上下に開口する枠体22と、この枠体22の上部側に配設されたファン23と、枠体22の内側に配設された紫外線照射部24(図3に示す)と、枠体22の下面開口に配設された遮光装置25と、紫外線照射部24に対向して遮光装置25上に配設された光触媒部26(図3に示す)と、枠体22の下面側に配設された可視光照射部27(図2に示す)と、を備えている。
【0015】
枠体22は、金属製であり、上下に開口する円筒状の筒部30と、この筒部30の上面側中央に筒部30から複数の支え部31を介して設けられた紫外線照射部用取付部32と、筒部30の下面開口に設けられた遮光装置収容部33と、筒部30の周囲に突設されたフランジ部34と、を備えている。
【0016】
枠体22が筐体14に取り付けられた状態で、枠体22の筒部30の外周面およびフランジ部34の上面と、筐体14の本体部17の内周面およびフランジ部34の下面との間に、ファン23を通じて枠体22内と連通する通風路35が形成される。枠体22の下面開口が通風路35に空気を吸い込む吸気口36であり、フランジ部18,34間の外周側が通風路35から空気を排気する排気口37である。排気口37には、フィン部19が放射状に配置される。
【0017】
また、ファン23は、ファン台座38に取り付けられ、このファン台座38によって枠体22の上部に取り付けられている。ファン23は、遠心ファンであり、羽根車の回転により、枠体22内に連通する下面側の吸込口23aから空気を吸い込み、通風路35に連通する外周面側の吐出口23bから空気を排気する。ファン23は、羽根車が平面視で反時計回り方向に回転し、枠体22内から吸い込む空気の流れに反時計回り方向の旋回流が生じる。
【0018】
また、紫外線照射部24は、枠体22の紫外線照射部用取付部32の下面側に取り付けられ、下方へ向けて枠体22の内部に光を照射する。紫外線照射部24は、発光素子を有し、発光素子には、空気を殺菌するためのピーク波長が300nm以下のUV-Cの波長成分の紫外線であって、好ましくは260~280nmの波長成分の紫外線を放射する第1LED(殺菌LED)と、光触媒部26に担持された光触媒を励起するための少なくとも360nmから420nmのUV-Aもしくは可視領域の波長成分の光を放射する第2LED(光触媒LED)と、が用いられる。第1LED(殺菌LED)が放射する光の波長は、第2LED(光触媒LED)が放射する光の波長よりも短い。
【0019】
また、遮光装置25は、枠体22の下面開口の遮光装置収容部33に配設され、通気性を確保するとともに、紫外線が枠体22の下面開口から外部に漏れるのを防止する。
【0020】
図2ないし図7に示すように、遮光装置25は、金属製の2つの遮光部材40を重ね合わせて構成されている。遮光部材40は、第1の遮光部材40aと、この第1の遮光部材40aの形状に対して上下方向に反転した形状の第2の遮光部材40bとを備えている。
【0021】
遮光部材40は、図8(遮光部材40の展開図)に示す略円形の板金Sから形成されている。板金Sには、中央に取付部41が設けられ、この取付部41から外径側に至る溝部42が周方向に複数設けられているとともに、これら溝部42間に取付部41に連結された遮光羽部43が周方向に複数設けられている。
【0022】
複数の遮光羽部43が取付部41から周方向に対して斜めに切り起されて、遮光部材40の形状に形成されている。図5に示すように、第1の遮光部材40aは複数の遮光羽部43が取付部41から上方に折曲され、第2の遮光部材40bは複数の遮光羽部43が取付部41から下方に折曲されている。したがって、第1の遮光部材40aと第2の遮光部材40bは、同じ板金Sを用いて上下方向に反転した形状に形成されている。
【0023】
第1の遮光部材40aと第2の遮光部材40bは、遮光羽部43の傾斜方向が逆向きとなっている。上側の第1の遮光部材40aの遮光羽部43の傾斜方向は、遮光羽部43間からファン23へ向かって空気が流れる方向と、ファン23の回転によって空気を吸い込む旋回流の方向とが一致する関係にある。
【0024】
取付部41は、周囲に各遮光羽部43が連結される略三角形状の連結部44を複数有する星形に形成されている。
【0025】
取付部41には、中央に1つの中心孔45が設けられ、周辺部に複数の取付孔46が設けられている。周辺部の取付孔46を利用して、第1の遮光部材40aと第2の遮光部材40bが組み合わされて連結される。
【0026】
周辺部の取付孔46の数は、遮光羽部43の数よりも少なく、偶数であり、例えば8個である。この場合、取付孔46は、中心孔45を中心に、45度ずつずれた位置にそれぞれ配設される。ここで、図3に示すように、周方向に並ぶ取付孔46の1つおきに、第1の取付孔46aと第2の取付孔46bとすると、第1の遮光部材40aと第2の遮光部材40bとで、それぞれ第1の取付孔46a同士、第2の取付孔46b同士が一致するように組み合わされた場合、第1の遮光部材40aと第2の遮光部材40bとで溝部42および遮光羽部43の位置が、第1の遮光部材40aと第2の遮光部材40bとの組合せ方向である平面視で同じとなり、溝部42から光が漏れてしまう。これは、第1の遮光部材40aと第2の遮光部材40bが、同じ板金Sを用いて上下方向に反転した形状に形成されていることによる。
【0027】
第1の遮光部材40aと第2の遮光部材40bとで、第1の取付孔46aと第2の取付孔46bとが互いに異なるように、取付孔46の所定数分ずつ角度をずらして組み合わされた場合、図7に示すように、第1の遮光部材40aと第2の遮光部材40bとで溝部42および遮光羽部43の位置が平面視で互い違いとなり、遮光羽部43で溝部42が覆われ、遮光性が得られる。
【0028】
遮光羽部43は、平板状で、取付部41の連結部44に連結された中央側の幅よりも外径側の幅が広い扇形に形成されている。
【0029】
図9は、第2の遮光部材40bの一部を示す。中央の取付部41の連結部44の一辺から遮光羽部43が折曲部47を介して下面側に折曲されている。折曲部47は、この折曲部47が折曲された連結部44と隣接する連結部44から離れた位置に設けられている。これにより、隣接する連結部44に影響なく、折曲部47を介して遮光羽部43を所定角度に折曲することができる。
【0030】
折曲部47に対向する位置に折曲部47から離反する方向に突出する突出部48が設けられている。この突出部48により、遮光羽部43を折り曲げる折り曲げ機が突出部48を含む領域を掴んで折り曲げることができ、その折り曲げ機による掴み代を確保し、折り曲げ加工を確実にできる。
【0031】
隣接する遮光羽部43の突出部48に対向して切欠き部49が設けられる。この切欠き部49の側部位置で折曲部47が折り曲げられることにより、遮光羽部43の突出部48が設けられる第1の縁部43a側が取付部41の下面側に突出され、遮光羽部43の第1の縁部43aとは反対側で切欠き部49が設けられる第2の縁部43bが取付部41の上面側に突出される。第2の縁部43bは、切欠き部49を介して折曲部47の位置よりも第1の縁部43aと反対側に突出されている。
【0032】
遮光羽部43の第1の縁部43aの外径側には、面取り部50が設けられている。
【0033】
この第2の遮光部材40bに対して、第1の遮光部材40aは、遮光羽部43が上方に折曲されたもので、同様に構成されている。
【0034】
そして、2枚の遮光部材40は、2枚の遮光部材40の溝部42および遮光羽部43の位置が互い違いとなるように、取付部41を介して組み合される。さらに、遮光部材40の遮光羽部43は、取付部41の一面側と他面側と突出されるため、図6に示すように、組み合わされた2枚の遮光部材40の遮光羽部43が外径方向から見てオーバーラップされる。
【0035】
図2および図3に示すように、遮光装置25の中央の取付部41上には、中央遮光部材51が配設されている。この中央遮光部材51に対して2枚の遮光部材40の取付孔46を挿通したねじを螺着することにより、遮光装置25が一体に組み立てられる。
【0036】
そして、遮光装置25は、枠体22の遮光装置収容部33に収容され、枠体22の下面側に取り付けられる可視光照射部27の後述するレンズにより保持される。この際、上側の第1の遮光部材40aの面取り部50が遮光装置収容部33の上面側に線状に当接し、また、下側の第2の遮光部材40bの面取り部50が可視光照射部27の後述するレンズに線状に当接し、遮光装置25が安定して保持される。
【0037】
また、図3に示すように、光触媒部26は、中央遮光部材51上に配設され、紫外線照射部24の下方に対向されている。光触媒部26は、担持体に酸化チタンなどの光触媒が保持・塗布されて担持されており、紫外線照射部24から、少なくとも360nmから420nmのUV-Aの波長成分の紫外線もしくは可視光を受けることで、活性酵素とOHラジカルを生成し、生成された活性酵素やOHラジカルによって、空気中のにおい成分を分解して脱臭、消臭したり、ウイルスの活動を抑制したりする。
【0038】
また、可視光照射部27は、枠体22のフランジ部34の下面側に取り付けられる環状の光源モジュール54と、この光源モジュール54を覆って枠体22のフランジ部34の下面側に取り付けられる透光カバーであるレンズ55と、を備えている。
【0039】
光源モジュール54は、環状または複数に分割されていて環状に組み合わされる基板と、この基板に実装された可視光を発光する複数の発光素子と、を備えている。
【0040】
レンズ55は、光透過性を有し、中央に開口部56を有する環状に形成されている。レンズ55の開口部56は枠体22の遮光装置収容部33の下面開口の直径よりも小さく、開口部56の縁部上に枠体22の遮光装置収容部33に配置された遮光装置25を支える支持部57が設けられている。レンズ55の開口部56は、枠体22の遮光装置収容部33の下面開口とともに吸気口36を構成する。
【0041】
また、電源部16は、筐体14の本体部17の上面に取り付けられた取付部材60によって、本体部17の側部に端子台61とともに配置されている。電源部16は、端子台61と配線接続され、端子台61に接続される電源線によって供給される電力を入力する。電源部16は、ファン23を回転させるファン電源部と、紫外線照射部24を点灯させる紫外線点灯電源部と、可視光照射部を点灯させる可視光点灯電源部と、を備えている。なお、電源部16は、筐体14側には固定せず、ケーブルで電気的に接続する別置きタイプでもよい。
【0042】
次に、空気処理装置10の動作を説明する。
【0043】
ファン23の回転により、外部の空気を吸気口36から遮光装置25および枠体22の内部を通じてファン23の下面側に吸い込み、ファン23の外周部から筐体14と枠体22との間の通風路35を通じて排気口37から外部に排気される。
【0044】
紫外線照射部24からの紫外領域の光が枠体22の内部に照射され、枠体22の内部を通過する空気に紫外領域の光が照射されて殺菌される。
【0045】
紫外線照射部24からの紫外領域の光は、対向する光触媒部26にも照射される。光触媒部26では、紫外線照射部24から照射される少なくとも360nmから420nmのUV-Aの波長成分の紫外領域の光もしくは可視光が照射されることで、活性酵素とOHラジカルを生成し、生成された活性酵素やOHラジカルによって、空気中のにおい成分を分解して脱臭、消臭したり、ウイルスの活動を抑制したりする。
【0046】
可視光照射部27の点灯により、可視光が下方へ照射される。
【0047】
また、遮光装置25では、2枚の遮光部材40が、溝部42および遮光羽部43の位置が互い違いとなるように平面視で組み合わされているため、遮光性と通気性が確保されている。すなわち、2枚の遮光部材40では、上側の第1の遮光部材40aの第1の縁部43aと下側の第2の遮光部材40bの第1の縁部43aとの間に、上側の第1の遮光部材40aの第2の縁部43bが位置されるため、光が2枚の遮光部材40を一直線上に通過することが不可能であり、遮光性が確保される。また、2枚の遮光部材40の遮光羽部43が互い違いに配置されることで、空気の流通性が確保される。
【0048】
さらに、ファン23側に位置する上側の第1の遮光部材40aの遮光羽部43の傾斜方向は、遮光羽部43間からファン23へ向かって空気が流れる方向と、ファン23の回転によって空気を吸い込む旋回流の方向とが一致する関係にあるため、第1の遮光部材40aの遮光羽部43間から流出する空気がファン23にスムーズに流れ、単位時間当たりの空気の殺菌や消臭の処理能力が向上する。
【0049】
以上のように、本実施形態の遮光装置25では、略円形の板金Sに、中央の取付部41から外径側に至る溝部42が周方向に複数設けられているとともに、これら溝部42間に取付部41に連結された遮光羽部43が周方向に複数設けられ、複数の遮光羽部43が取付部41から周方向に対して斜めに切り起された遮光部材40を2枚用い、この2枚の遮光部材40を、2枚の遮光部材40の溝部42および遮光羽部43の位置が互い違いとなるように、取付部41を介して組み合されるため、遮光性を確保しながら、空気の通気効率を向上できる。
【0050】
さらに、遮光部材40の遮光羽部43は、取付部41の一面側と他面側と突出されるため、組み合わされた2枚の遮光部材40の遮光羽部43が外径方向から見てオーバーラップし、遮光装置25を薄形化できる。
【0051】
さらに、2枚の遮光部材40が同じ板金Sを用いて上下方向に反転した形状に形成される場合でも、2枚の遮光部材40が、取付孔46の所定数分ずつ角度をずらして組み合わせることで、2枚の遮光部材40の溝部42と遮光羽部43の位置が互い違いに配置できる。
【0052】
また、空気処理装置10では、ファン23の回転により、遮光装置25を通じて筐体14内に循環される空気に紫外領域の光を照射して処理でき、遮光装置25によって紫外線領域の光が外部に漏れるのを防止できる。
【0053】
また、空気処理装置10では、遮光装置25を通じて筐体14内に循環される空気に紫外領域の光を照射して処理でき、この紫外線領域の光が外部に漏れるのを遮光装置25により防止できる。
【0054】
さらに、筐体14内に、紫外線照射部24からの光が照射される光触媒部26を備えることにより、空気中のにおい成分を分解して脱臭、消臭したり、ウイルスの活動を抑制したりできる。
【0055】
また、環状の可視光照射部27の中央の吸気口36から遮光装置25を通じて筐体14内に吸い込まれる空気に光を照射することができる。
【0056】
なお、空気処理装置10は、ダウンライト形の照明器具と組み合わせた構成に限らず、他の形式の照明器具と組み合わせてもよく、あるいは、照明機能を備えない空気処理専用の装置と組み合わせてもよい。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
10 空気処理装置
14 筐体
23 ファン
24 紫外線照射部
25 遮光装置
26 光触媒部
27 可視光照射部
36 吸気口
40 遮光部材
41 取付部
42 溝部
43 遮光羽部
46 取付孔
S 板金
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9