特開 2024-46230 筐体、蓄電素子ユニット、建物及び蓄電素子ユニットの製造方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024046230

(43)【公開日】2024-04-03

(54)【発明の名称】筐体、蓄電素子ユニット、建物及び蓄電素子ユニットの製造方法

(51)【国際特許分類】

   H01M 50/244 20210101AFI20240327BHJP

   H05K 5/02 20060101ALI20240327BHJP

   H01M 50/251 20210101ALI20240327BHJP

   H01M 50/242 20210101ALI20240327BHJP

   H02B 1/54 20060101ALI20240327BHJP

【ＦＩ】

H01M50/244 A

H05K5/02 E

H01M50/251

H01M50/242

H02B1/54

【審査請求】未請求

【請求項の数】8

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022151486

(22)【出願日】2022-09-22

(71)【出願人】

【識別番号】000002174

【氏名又は名称】積水化学工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100120031

【弁理士】

【氏名又は名称】宮嶋 学

(74)【代理人】

【識別番号】100120617

【弁理士】

【氏名又は名称】浅野 真理

(74)【代理人】

【識別番号】100127465

【弁理士】

【氏名又は名称】堀田 幸裕

(74)【代理人】

【識別番号】100210790

【弁理士】

【氏名又は名称】石川 大策

(72)【発明者】

【氏名】渡辺 康宏

(72)【発明者】

【氏名】仲村 命

【テーマコード（参考）】

4E360

5G016

5H040

【Ｆターム（参考）】

4E360AB02

4E360EA05

4E360EA12

4E360EB02

4E360EC05

4E360ED02

4E360ED03

4E360GA28

4E360GB99

4E360GC02

4E360GC08

5G016BA06

5H040NN01

(57)【要約】

【課題】振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を建物の壁に取付ける。
【解決手段】筐体は、蓄電素子モジュールを収納し、建物の壁に固定される筐体であって、壁に向かい合う取付壁部と、取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部と、を備える。取付壁部は、複数の貫通孔が設けられ且つ壁に接する取付面を有する取付壁部本体と、取付壁部本体及び取付壁部フレーム部に接続される一対の接続部材と、を有する。一対の接続部材の各々は、取付壁部本体に接続される第１接続部と、取付壁部フレーム部に接続される第２接続部と、第１接続部と第２接続部とを連結する連結部と、を有する。連結部は、取付壁部本体の第１接続部が接続される面、取付壁部フレーム部の第２接続部が接続される面及び水平面に対して角度をなす面を有する。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

蓄電素子モジュールを収納し、建物の壁に固定される筐体であって、
前記壁に向かい合う取付壁部と、
前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部と、を備え、
前記取付壁部は、複数の貫通孔が設けられ且つ前記壁に接する取付面を有する取付壁部本体と、前記取付壁部本体及び前記取付壁部フレーム部に接続される一対の接続部材と、を有し、
前記一対の接続部材の各々は、前記取付壁部本体に接続される第１接続部と、前記取付壁部フレーム部に接続される第２接続部と、前記第１接続部と前記第２接続部とを連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記取付壁部本体の前記第１接続部が接続される面、前記取付壁部フレーム部の前記第２接続部が接続される面及び水平面に対して角度をなす面を有する、筐体。

【請求項2】

前記取付壁部本体は、前記筐体の内側に向かって突出する突起部を有し、
前記取付壁部フレーム部には、前記突起部が挿入される開口が設けられている、請求項１に記載の筐体。

【請求項3】

前記取付壁部本体の上端は、前記筐体の外側から前記取付壁部フレーム部に重なり、
前記取付壁部は、前記取付壁部本体に取付けられ、前記筐体の内側から前記取付壁部フレーム部に重なり、且つ前記取付壁部本体の上端に重なる、上端支持部材をさらに有する、請求項１に記載の筐体。

【請求項4】

上下方向における前記取付面と前記筐体の底面との距離は、５０ｍｍ以上である、請求項１に記載の筐体。

【請求項5】

前記取付面は、前記取付壁部フレーム部の上下方向において前記取付面より下方に位置する部分よりも１０ｍｍ以上、前記取付壁部の厚み方向において前記筐体の外側に位置する、請求項１に記載の筐体。

【請求項6】

請求項１乃至５のいずれか一項に記載の筐体と、
前記筐体に収納される蓄電素子モジュールと、
前記複数の貫通孔の全部又は前記複数の貫通孔から選択される一部の各々を前記筐体の内側から貫通して前記壁にねじ留めされる複数のねじと、を備える、蓄電素子ユニット。

【請求項7】

請求項６に記載の蓄電素子ユニットと、
前記壁と、を備える、建物。

【請求項8】

建物の壁に取付けられた蓄電素子ユニットの製造方法であって、
前記蓄電素子ユニットは、筐体と、前記筐体に収納される蓄電素子モジュールと、複数のねじと、を有し、
前記筐体は、前記壁に向かい合う取付壁部と、前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部と、を有し、
前記取付壁部は、複数の貫通孔が設けられ且つ前記壁に接する取付面を有する取付壁部本体と、前記取付壁部本体及び前記取付壁部フレーム部に接続される一対の接続部材と、を有し、
前記一対の接続部材の各々は、前記取付壁部本体に接続される第１接続部と、前記取付壁部フレーム部に接続される第２接続部と、前記第１接続部と前記第２接続部とを連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記取付壁部本体の前記第１接続部が接続される面、前記取付壁部フレーム部の前記第２接続部が接続される面及び水平面に対して角度をなす面を有し、
前記複数のねじを前記複数の貫通孔の全部又は前記複数の貫通孔から選択される一部の各々に前記筐体の内側から貫通させて前記壁にねじ留めする、ねじ留め工程を備える、蓄電素子ユニットの製造方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、筐体、蓄電素子ユニット、建物及び蓄電素子ユニットの製造方法に関する。

【背景技術】

【0002】

例えば、特許文献１に開示されているように、複数の蓄電素子モジュールを有した蓄電素子ユニットが知られている。蓄電素子ユニットは、複数の蓄電素子モジュールとともに、該蓄電素子モジュールを収納する筐体を備える。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１７－５０２７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

他方、振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を設置することが求められていた。特に、蓄電素子ユニットを建物の内部に配置する際に、筐体を建物の壁に取付けることが求められる場合があった。このような場合にも振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を設置することが求められていた。

【0005】

本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を建物の壁に取付けることを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示の第１の態様は、蓄電素子モジュールを収納し、建物の壁に固定される筐体であって、
前記壁に向かい合う取付壁部と、
前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部と、を備え、
前記取付壁部は、複数の貫通孔が設けられ且つ前記壁に接する取付面を有する取付壁部本体と、前記取付壁部本体及び前記取付壁部フレーム部に接続される一対の接続部材と、を有し、
前記一対の接続部材の各々は、前記取付壁部本体に接続される第１接続部と、前記取付壁部フレーム部に接続される第２接続部と、前記第１接続部と前記第２接続部とを連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記取付壁部本体の前記第１接続部が接続される面、前記取付壁部フレーム部の前記第２接続部が接続される面及び水平面に対して角度をなす面を有する、筐体である。

【0007】

本開示の第２の態様は、上述した第１の態様による筐体において、前記取付壁部本体は、前記筐体の内側に向かって突出する突起部を有し、
前記取付壁部フレーム部には、前記突起部が挿入される開口が設けられていてもよい。

【0008】

本開示の第３の態様は、上述した第１の態様又は上述した第２の態様による筐体において、前記取付壁部本体の上端は、前記筐体の外側から前記取付壁部フレーム部に重なり、
前記取付壁部は、前記取付壁部本体に取付けられ、前記筐体の内側から前記取付壁部フレーム部に重なり、且つ前記取付壁部本体の上端に重なる、上端支持部材をさらに有してもよい。

【0009】

本開示の第４の態様は、上述した第１の態様から上述した第３の態様のそれぞれによる筐体において、上下方向における前記取付面と前記筐体の底面との距離は、５０ｍｍ以上であってもよい。

【0010】

本開示の第５の態様は、上述した第１の態様から上述した第４の態様のそれぞれによる筐体において、前記取付面は、前記取付壁部フレーム部の上下方向において前記取付面より下方に位置する部分よりも１０ｍｍ以上、前記取付壁部の厚み方向において前記筐体の外側に位置してもよい。

【0011】

本開示の第６の態様は、上述した第１の態様から上述した第５の態様のそれぞれによる筐体と、
前記筐体に収納される蓄電素子モジュールと、
前記複数の貫通孔の全部又は前記複数の貫通孔から選択される一部の各々を前記筐体の内側から貫通して前記壁にねじ留めされる複数のねじと、を備える、蓄電素子ユニットである。

【0012】

本開示の第７の態様は、上述した第６の態様による蓄電素子ユニットと、
前記壁と、を備える、建物である。

【0013】

本開示の第８の態様は、建物の壁に取付けられた蓄電素子ユニットの製造方法であって、
前記蓄電素子ユニットは、筐体と、前記筐体に収納される蓄電素子モジュールと、複数のねじと、を有し、
前記筐体は、前記壁に向かい合う取付壁部と、前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部と、を有し、
前記取付壁部は、複数の貫通孔が設けられ且つ前記壁に接する取付面を有する取付壁部本体と、前記取付壁部本体及び前記取付壁部フレーム部に接続される一対の接続部材と、を有し、
前記一対の接続部材の各々は、前記取付壁部本体に接続される第１接続部と、前記取付壁部フレーム部に接続される第２接続部と、前記第１接続部と前記第２接続部とを連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記取付壁部本体の前記第１接続部が接続される面、前記取付壁部フレーム部の前記第２接続部が接続される面及び水平面に対して角度をなす面を有し、
前記複数のねじを前記複数の貫通孔の全部又は前記複数の貫通孔から選択される一部の各々に前記筐体の内側から貫通させて前記壁にねじ留めする、ねじ留め工程を備える、蓄電素子ユニットの製造方法である。

【発明の効果】

【0014】

本開示によれば、振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を建物の壁に取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】図１は、一実施の形態を説明するための図であって、蓄電素子ユニットを示す斜視図である。

【図2】図２は、図１の蓄電素子ユニットの内部を示す斜視図である。

【図3】図３は、図１の蓄電素子ユニットの筐体のフレーム部を示す斜視図である。

【図4】図４は、図１の蓄電素子ユニットの筐体を示す斜視図である。

【図5】図５は、図４の筐体の取付壁部を示す斜視図である。

【図6】図６は、図４のＡ－Ａ線に沿った筐体の断面の一部を拡大して示す部分断面図である。

【図7】図７は、図４のＢ－Ｂ線に沿った筐体の断面の一部を拡大して示す部分断面図である。

【図8】図８は、図４のＢ－Ｂ線に沿った筐体の断面の一部を拡大して示す部分断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

以下、図１乃至図８を参照し、本開示に係る筐体及び筐体を備える蓄電素子ユニットの実施形態の一例について詳細に説明する。

【0017】

以下、図面に示された具体例を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。

【0018】

図１乃至図８は、本開示による一実施の形態を説明するための図である。このうち、図１は、蓄電素子ユニット１０を示す斜視図であり、図２は、蓄電素子ユニット１０の内部を示す斜視図である。なお、図２では、後述する上壁部１３ｂ、及び側壁部１３ｃのうち二つ（図２において手前側に位置するもの）については図示を省略している。

【0019】

なお、図面間での方向関係を明確化するため、いくつかの図面には、第１方向ＤＡ、第２方向ＤＢ及び第３方向ＤＣを図面間で共通する方向として矢印で示している。矢印の先端側が、各方向ＤＡ，ＤＢ，ＤＣの一側ＳＡ１，ＳＢ１，ＳＣ１となる。また、図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、例えば図６に示すように、円の中にＸを設けた記号により示した。

【0020】

図示された例において、第１方向ＤＡ、第２方向ＤＢ及び第３方向ＤＣは、互いに垂直な関係にある。また、第１方向ＤＡは上下方向（鉛直方向）と平行になっている。第１方向ＤＡにおける一側ＳＡ１は、上下方向における下側となり、第１方向ＤＡにおける一側とは反対側となる他側は、上下方向における上側となっている。また、上下方向に垂直な方向を、水平方向とも称する。図示された例において、水平方向は、上下方向に平行な第１方向ＤＡに垂直な方向である。第２方向ＤＢ及び第３方向ＤＣは、水平方向に相当する。

【0021】

蓄電素子ユニット１０は、充放電が可能な二次電池ユニットとして用いられる。図示された蓄電素子ユニット１０は、屋内設置用の蓄電素子ユニット１０であり、建物、特に住宅に適用される。蓄電素子ユニット１０は、建物の配線と電気的に接続されて建物内に設置された電気装置の電源として機能する。

【0022】

図１及び図２に示すように、蓄電素子ユニット１０は、筐体１１と、筐体１１に収納される蓄電素子モジュール２０と、を備えている。図２に示す例において、蓄電素子ユニット１０は、筐体１１に収納される複数の蓄電素子モジュール２０を備えている。また、蓄電素子ユニット１０は、後述するように、複数のねじ７２をさらに備えている。また、蓄電素子ユニットは、制御モジュール１４をさらに備えている。

【0023】

蓄電素子ユニット１０の筐体１１は、建物８０の壁８１に取付けられる。図１に示す例において、建物８０は、床８２と、床８２から立ち上がった壁８１とを備えている。図１に示す例において、建物８０は、壁８１に取付けられて壁８１と床８２との接続部分に沿って延びる巾木８３をさらに備えている。筐体１１は、床８２上に配置され、且つ建物８０の壁８１に取付けられている。蓄電素子ユニット１０は、建物８０の一部とみなすことができる。この場合、建物８０は、蓄電素子ユニット１０と、壁８１とを備えていると言える。

【0024】

まず、筐体１１について説明する。筐体１１は、蓄電素子モジュール２０を収納し且つ建物８０の壁８１に取付けられる。筐体１１は、壁８１に向かい合う取付壁部１３ａを備える。図１及び図２に示す例において、筐体１１は、複数の壁部１３と、隣接する壁部１３同士を接続するフレーム部１２とを備えている。そして、筐体１１は、複数の壁部１３の１つとして、取付壁部１３ａを備えている。複数の壁部１３とフレーム部１２とによって、制御モジュール１４及び蓄電素子モジュール２０の配置空間が形成されている。

【0025】

図１に示す例において、筐体１１は、底面１１ｄ、上面１１ｂ及び４つの側面１１ｃを含む略直方体の形状を有している。底面１１ｄは、第１方向ＤＡにおける一側ＳＡ１に位置する、略長方形の面である。上面１１ｂは、第１方向ＤＡにおいて底面１１ｄと対向する、略長方形の面である。底面１１ｄ及び上面１１ｂは、それぞれ、第３方向ＤＣに延伸する一対の長辺１１１と、第３方向ＤＣに直交する第２方向ＤＢに延伸する一対の短辺１１２と、を有する。側面１１ｃは、縁部において底面１１ｄの縁部に接続する面である。図１に示す例においては、４つの側面１１ｃが、それぞれ、その縁部において、底面１１ｄの一辺に位置する縁部及び上面１１ｂの一辺に位置する縁部と接続する、略長方形の面である。側面１１ｃは、底面１１ｄに垂直となっている。図１に示す例において、４つの側面１１ｃは、底面１１ｄ及び上面１１ｂに垂直となっている。一例として、底面１１ｄは、水平方向に平行な面である。

【0026】

図１に示す筐体１１は、壁部１３として、取付壁部１３ａ、上壁部１３ｂ及び３つの側壁部１３ｃを備える。図１に示す例において、複数の壁部１３は、それぞれ独立した部材である。取付壁部１３ａは、筐体１１の側面１１ｃの１つを形成している。図１に示す例において、取付壁部１３ａは、筐体１１の、第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１に位置する側面１１ｃを形成している。３つの側壁部１３ｃは、筐体１１の、取付壁部１３ａによって形成される側面１１ｃ以外の側面１１ｃを形成している。上壁部１３ｂは、筐体１１の上面１１ｂを形成している。図１に示す例において、筐体１１の底面１１ｄは、フレーム部１２によって形成されている。図示はしないが、筐体１１の底面１１ｄは、取付壁部１３ａ、上壁部１３ｂ及び側壁部１３ｃとは異なる壁部１３によって形成されていてもよい。

【0027】

本実施の形態においては、図１に示すように、複数の壁部１３がそれぞれ、全体として略板状の、独立した部材である。そして、複数の壁部１３はそれぞれ、壁部１３の縁部において、フレーム部１２を介して、隣接する他の壁部１３の縁部と接続される。複数の壁部１３の縁部同士の接続によって、複数の蓄電素子モジュール２０を収納する収納空間を有する筐体１１が形成されている。

【0028】

フレーム部１２は、隣接する壁部１３同士を接続する部材である。図２に示す例において、フレーム部１２は、略直方体の形状を有する筐体１１の辺を構成している。フレーム部１２は、例えば後述する上壁部１３ｂ及び側壁部１３ｃの金属板９２の材料と同様の材料から構成される。

【0029】

本実施の形態においては、フレーム部１２は、上壁部１３ｂと取付壁部１３ａとを接続し、上壁部１３ｂと３つの側壁部１３ｃのそれぞれとを接続し、取付壁部１３ａと側壁部１３ｃとを接続し、３つの側壁部１３ｃのうち隣接するもの同士を接続する。図３は、筐体１１のフレーム部１２を示す斜視図である。図３に示す例において、フレーム部１２は、上壁部１３ｂと取付壁部１３ａとの間及び上壁部１３ｂと３つの側壁部１３ｃとの間に延びる、断面が略Ｌ字形状の、長方形の枠状の第１フレーム部１２ａと、３つの側壁部１３ｃのうち隣接するもの同士の間にそれぞれ延びる、断面が略Ｌ字形状の、棒状の４つの第２フレーム部１２ｂとを有する。第１フレーム部１２ａと、４つの第２フレーム部１２ｂのそれぞれとは、上面１１ｂの角の位置において互いに対して固定されている。図３に示す例において、フレーム部１２は、さらに筐体１１の底面１１ｄを形成する第３フレーム部１２ｃを有する。第３フレーム部１２ｃと、４つの第２フレーム部１２ｂのそれぞれとは、底面１１ｄの角の位置において互いに対して固定されている。

【0030】

本実施の形態において、第３フレーム部１２ｃは、第１金属板１２ｄと、第１金属板１２ｄよりも筐体１１の内側に位置する第２金属板１２ｅとから構成される積層体から構成される。第１金属板１２ｄ及び第２金属板１２ｅは、それぞれ略板状の形状を有する。第１金属板１２ｄと第２金属板１２ｅとは、互いに対して固定されている。一例として、第１金属板１２ｄと第２金属板１２ｅとは、第１金属板１２ｄの貫通孔を通されたねじが第２金属板１２ｅのねじ穴にねじ留めされることによって、互いに対して固定される。

【0031】

第３フレーム部１２ｃの第１金属板１２ｄは、平板状の第１金属板本体部１２ｆと、第１金属板本体部１２ｆの周囲に設けられて第１金属板本体部１２ｆに対して角度をなす第１金属板辺縁部１２ｇと、を有する。図３に示す例において、第１金属板本体部１２ｆと第１金属板辺縁部１２ｇとは、直交している。図３に示す例において、第１金属板本体部１２ｆ及び第１金属板辺縁部１２ｇは、一体として形成されている。より具体的には、一枚の平板状の金属材料が折られて、第１金属板本体部１２ｆ及び第１金属板辺縁部１２ｇを有する第１金属板１２ｄが形成されている。

【0032】

第３フレーム部１２ｃの第２金属板１２ｅは、平板状の第２金属板本体部１２ｈと、第２金属板本体部１２ｈの周囲に設けられて第２金属板本体部１２ｈに対して角度をなす第２金属板辺縁部１２ｉと、を有する。図３に示す例において、第２金属板本体部１２ｈと第２金属板辺縁部１２ｉとは、直交している。図３に示す例において、第２金属板辺縁部１２ｉの一部は、第１金属板辺縁部１２ｇに、筐体１１の内側から重なっている。図３に示す例において、第２金属板本体部１２ｈ及び第２金属板辺縁部１２ｉは、一体として形成されている。より具体的には、一枚の平板状の金属材料が折られて、第２金属板本体部１２ｈ及び第２金属板辺縁部１２ｉを有する第２金属板１２ｅが形成されている。第１金属板辺縁部１２ｇと第２金属板辺縁部１２ｉとを合わせて、第３フレーム部１２ｃの辺縁部１２ｊと称する。図３に示す例において、辺縁部１２ｊは、筐体１１の底面１１ｄに直交する板状の部分である。

【0033】

上壁部１３ｂは、断面が略Ｌ字形状の第１フレーム部１２ａの、上壁部１３ｂに向かい合う部分に取付けられる。特に、上壁部１３ｂは、断面が略Ｌ字形状の第１フレーム部１２ａの、筐体１１の上面１１ｂに平行な面を有する部分に取付けられる。３つの側壁部１３ｃのそれぞれは、断面が略Ｌ字形状の第１フレーム部１２ａ、断面が略Ｌ字形状の第２フレーム部１２ｂ及び第３フレーム部１２ｃの辺縁部１２ｊの、各側壁部１３ｃと向かい合う部分に取付けられる。特に、３つの側壁部１３ｃのそれぞれは、断面が略Ｌ字形状の第１フレーム部１２ａ、断面が略Ｌ字形状の第２フレーム部１２ｂ及び第３フレーム部１２ｃの辺縁部１２ｊの、各側壁部１３ｃによって形成される側面１１ｃに平行な面を有する部分に取付けられる。取付壁部１３ａは、断面が略Ｌ字形状の第１フレーム部１２ａ、断面が略Ｌ字形状の第２フレーム部１２ｂ及び第３フレーム部１２ｃの辺縁部１２ｊの、取付壁部１３ａと向かい合う部分に取付けられる。特に、取付壁部１３ａは、断面が略Ｌ字形状の第２フレーム部１２ｂ及び第３フレーム部１２ｃの辺縁部１２ｊの、取付壁部１３ａによって形成される側面１１ｃに平行な面を有する部分に取付けられる。

【0034】

フレーム部１２の取付壁部１３ａが取付けられる部分を、取付壁部フレーム部１２ｋと称する。図３に示すフレーム部１２は、取付壁部１３ａが取付けられる取付壁部フレーム部１２ｋを有していると言える。図３に示す例において、取付壁部フレーム部１２ｋは、第１フレーム部１２ａの、第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１とは反対側に位置し且つ第２方向ＤＢに垂直な面を有する部分と、第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１とは反対側に位置する２つの第２フレーム部１２ｂの、第２方向ＤＢに垂直な面を有する部分と、第３フレーム部１２ｃの辺縁部１２ｊの、第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１とは反対側に位置し且つ第２方向ＤＢに垂直な面を有する部分と、から形成される長方形の枠状の部分である。

【0035】

図３に示す例において、取付壁部フレーム部１２ｋには、開口１２ｎが設けられている。特に、取付壁部フレーム部１２ｋには、複数の開口１２ｎが設けられている。開口１２ｎは、第２フレーム部１２ｂの取付壁部フレーム部１２ｋを形成する部分に設けられている。取付壁部フレーム部１２ｋを形成する２つの第２フレーム部１２ｂのうち、第３方向ＤＣにおける一側ＳＣ１に位置する第２フレーム部１２ｂを、第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１と称する。また、取付壁部フレーム部１２ｋを形成する２つの第２フレーム部１２ｂのうち、第３方向ＤＣにおける一側ＳＣ１とは反対側に位置する第２フレーム部１２ｂを、第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２と称する。このとき、開口１２ｎは、第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１および第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２の各々の、取付壁部１３ａと向かい合う部分に設けられている。本実施の形態において、第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１および第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２の各々の、取付壁部１３ａと向かい合う部分には、上下方向（第１方向ＤＡ）に並ぶ３つの開口１２ｎが設けられている。図３に示す例において、開口１２ｎは、第２フレーム部１２ｂを貫通している。開口１２ｎには、後述する取付壁部本体７５の突起部７５ｄが挿入される。

【0036】

次に、取付壁部１３ａについて、より詳細に説明する。図４は、図１に示す蓄電素子ユニット１０の筐体１１を、建物８０の壁８１に向かい合う側（第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１）から見た様子を示す斜視図である。図４では、上壁部１３ｂ及び後述する化粧パネル１９については図示を省略している。図５は、取付壁部１３ａを筐体１１の内側から（第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１とは反対側から）見た様子を示す斜視図である。なお、図５には、取付壁部１３ａとともに、取付面７３に設けられた複数の貫通孔７１を筐体１１の内側から貫通する複数のねじ７２を図示している。取付壁部１３ａは、複数の貫通孔７１が設けられ且つ壁８１に接する取付面７３を有する取付壁部本体７５と、取付壁部本体７５及び取付壁部フレーム部１２ｋに接続される一対の接続部材７６と、を有する。図５に示す例において、取付壁部１３ａは、取付壁部本体７５に取付けられた上端支持部材７８をさらに有する。本実施の形態の筐体１１は、取付面７３に設けられた貫通孔７１を通されたねじ７２が壁８１にねじ留めされることによって、壁８１に取付けられる。

【0037】

図４に示す例において、取付面７３は、第１方向ＤＡ及び第３方向ＤＣに平行な、平坦な面である。これによって、取付面７３は、第１方向ＤＡ及び第３方向ＤＣに平行であり且つ平坦な壁８１に接することができる。図４及び図５に示す例において、取付壁部１３ａは、取付壁部本体７５と、取付壁部本体７５及び取付壁部フレーム部１２ｋに接続される一対の接続部材７６と、を有している。そして、取付壁部本体７５が取付面７３を形成している。

【0038】

図６は、図４のＡ－Ａ線に沿った筐体１１の断面の、第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１且つ第３方向ＤＣにおける一側ＳＣ１とは反対側に位置する第２フレーム部１２ｂの付近を拡大して示す部分断面図である。図６には、筐体１１が取付けられる壁８１を有する建物８０の断面を併せて示している。また、図６では、側壁部１３ｃについては図示を省略している。図６に示す例において、第２フレーム部１２ｂ、取付壁部本体７５及び接続部材７６が、筐体１１の内側からこの順に重ねられている。そして、取付壁部本体７５及び接続部材７６を貫通する第１ねじ１２１、並びに第２フレーム部１２ｂ及び接続部材７６を貫通する第２ねじ１２２によって、互いに対して固定されている。

【0039】

取付面７３の形態は、壁８１に接することができる限り、特に限られない。図４に示す例において、取付壁部本体７５は、筐体１１の内側に向かって凹み且つ水平方向に延びる線状凹部７７をさらに有している。取付壁部本体７５は、複数の線状凹部７７を有している。図４に示す例において、取付壁部本体７５は、３つの線状凹部７７を有している。図４に示す例において、取付壁部本体７５の、線状凹部７７が形成されていない部分が、取付面７３を形成している。

【0040】

線状凹部７７の水平方向における寸法ｗ１は、取付壁部１３ａの水平方向における寸法ｗ２の０．５倍以上である。図４に示す例において、寸法ｗ１は、線状凹部７７の、水平方向に平行且つ取付面７３に平行な方向における寸法である。また、寸法ｗ２は、取付壁部１３ａの、水平方向に平行且つ取付面７３に平行な方向における寸法である。そして、線状凹部７７の、水平方向に平行且つ取付面７３に平行な方向における寸法ｗ１は、取付壁部１３ａの、水平方向に平行且つ取付面７３に平行な方向（第３方向ＤＣ）における寸法ｗ２の、０．５倍以上である。

【0041】

図示はしないが、取付面７３は、取付壁部１３ａの壁８１に接しない部分によって、複数の部分に分割されていてもよい。例えば、取付壁部１３ａは、壁８１に向かって突出し且つ水平方向に延びる複数の線状凸部を有していてもよい。そして、取付面７３が、複数の線状凸部の面によって形成されていてもよい。この場合、複数の線状凸部の各々が、第１方向ＤＡ及び第３方向ＤＣに平行な平坦面を有しており、複数の線状凸部の各々の当該平坦面が、取付面７３を形成していてもよい。この場合、取付面７３が複数の線状凸部の各々の面によって形成されているために、取付面７３は、取付壁部１３ａの壁８１に接しない部分によって、複数の部分に分割される。

【0042】

図４に示す例において、貫通孔７１は、取付壁部本体７５の取付面７３を形成する部分に設けられている。図４に示す例においては、取付壁部本体７５の取付面７３を形成する部分に、第１方向Ｄ１および第３方向Ｄ３に並ぶように、複数の貫通孔７１が設けられている。取付面７３に設けられる貫通孔７１の数は、筐体１１を建物８０の壁８１に取付ける際に使用することが想定されるねじ７２の本数に応じて適宜選択される。図４に示す例において、取付壁部１３ａは、第３方向Ｄ３に４つの貫通孔７１が並んだ貫通孔７１の列を、４つ有している。当該４つの貫通孔７１の列は、第１方向Ｄ１に並んでいる。このため、取付壁部１３ａの取付面７３には、合計で１６個の貫通孔７１が設けられている。

【0043】

図７は、図４のＢ－Ｂ線に沿った断面の、第１フレーム部１２ａの取付壁部フレーム部１２ｋを形成する部分の付近を拡大して示す部分断面図である。図８は、図４のＢ－Ｂ線に沿った断面の、第３フレーム部１２ｃの取付壁部フレーム部１２ｋを形成する部分の付近を拡大して示す部分断面図である。図７及び図８には、筐体１１が取付けられる壁８１を有する建物８０の断面を併せて示している。また、図７及び図８では、上壁部１３ｂ、側壁部１３ｃ及び後述する化粧パネル１９については図示を省略している。図７に示す例において、取付壁部本体７５の上端７５ａは、筐体１１の外側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なっている。特に、取付壁部本体７５の上端７５ａは、筐体１１の外側から、取付壁部１３ａの厚み方向（第２方向ＤＢ）において取付壁部フレーム部１２ｋに重なっている。特に、取付壁部本体７５の上端７５ａは、筐体１１の外側から取付壁部フレーム部１２ｋに接している。図７に示す例において、取付壁部本体７５の上端７５ａは、筐体１１の外側から、第１フレーム部１２ａの取付壁部フレーム部１２ｋを形成する部分に重なっている。また、図８に示す例において、取付壁部本体７５の下端７５ｂは、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なっている。特に、取付壁部本体７５の下端７５ｂは、筐体１１の内側から、取付壁部１３ａの厚み方向（第２方向ＤＢ）において取付壁部フレーム部１２ｋに重なっている。特に、取付壁部本体７５の下端７５ｂは、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに接している。図７に示す例において、取付壁部本体７５の下端７５ｂは、筐体１１の内側から、第３フレーム部１２ｃの取付壁部フレーム部１２ｋを形成する部分に重なっている。なお、図６に示すように、取付壁部本体７５の一対の側端７５ｃ、すなわち取付壁部本体７５の水平方向における両側の端部の各々も、筐体１１の外側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なっていてもよい。本実施の形態において、取付壁部本体７５の一対の側端７５ｃの各々は、筐体１１の外側から、第２フレーム部１２ｂの取付壁部フレーム部１２ｋを形成する部分に重なっている。

【0044】

図５に示す、取付面７３に平行且つ水平面に平行な方向（第３方向ＤＣ）における取付壁部本体７５の下端７５ｂの寸法ｗ４は、図３に示す、取付面７３に平行且つ水平面に平行な方向における第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１と第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２との間の距離ｗ７以下である。

【0045】

図５及び図６に示すように、取付壁部本体７５は、筐体１１の内側に向かって突出する突起部７５ｄを有する。図５及び図６に示す例において、突起部７５ｄは、取付壁部１３ａの厚み方向（第２方向ＤＢ）に沿って突出している。図５に示す例において、取付壁部本体７５は、複数の突起部７５ｄを有している。取付壁部本体７５の一対の側端７５ｃのうち、第３方向ＤＣにおける一側ＳＣ１に位置する側端７５ｃを、第１側端７５ｃ１と称する。また、取付壁部本体７５の一対の側端７５ｃのうち、第３方向ＤＣにおける一側ＳＣ１とは反対側に位置する側端７５ｃを、第２側端７５ｃ２と称する。このとき、突起部７５ｄは、第１側端７５ｃ１および第２側端７５ｃ２の各々の近傍に位置している。特に、突起部７５ｄは、第１側端７５ｃ１および第２側端７５ｃ２の各々の近傍の、取付壁部フレーム部１２ｋに重なる部分に位置している。取付壁部本体７５は、第１側端７５ｃ１および第２側端７５ｃ２の各々の近傍に３つずつ、合計で６つの突起部７５ｄを有している。第１側端７５ｃ１の近傍に位置する３つの突起部７５ｄ、及び第２側端７５ｃ２の近傍に位置する３つの突起部７５ｄは、それぞれ上下方向（第１方向ＤＡ）に並んでいる。

【0046】

また、上述したように、取付壁部フレーム部１２ｋには、突起部７５ｄが挿入される開口１２ｎが設けられている。上述したように、図３に示す例において、第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１および第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２の各々の、取付壁部１３ａと向かい合う部分には、上下方向（第１方向ＤＡ）に並ぶ３つの開口１２ｎが設けられている。第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１に設けられた３つの開口１２ｎの各々に、第１側端７５ｃ１の近傍に位置する３つの突起部７５ｄの各々が挿入される。また、第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２に設けられた３つの開口１２ｎの各々に、第２側端７５ｃ２の近傍に位置する３つの突起部７５ｄの各々が挿入される。

【0047】

図６に示す例において、取付面７３に平行且つ水平面に平行な方向（第３方向ＤＣ）における突起部７５ｄの幅ｗ９は、取付面７３に平行且つ水平面に平行な方向における、当該突起部７５ｄが挿入される開口１２ｎの幅ｗ１０よりも小さい。なお、水平面は、水平方向に平行な仮想の面である。

【0048】

次に、一対の接続部材７６について説明する。接続部材７６は、取付壁部本体７５と取付壁部フレーム部１２ｋとを接続する部材である。本実施の形態において、取付壁部本体７５と取付壁部フレーム部１２ｋとは、直接接続されてはおらず、且つ接続部材７６以外の部材を介して接続されてもいない。

【0049】

図５及び図６に示すように、一対の接続部材７６の各々は、取付壁部本体７５に接続される第１接続部７６ａと、取付壁部フレーム部１２ｋに接続される第２接続部７６ｂと、第１接続部７６ａと第２接続部７６ｂとを連結する連結部７６ｃと、を有する。図５及び図６に示す例において、第１接続部７６ａ、第２接続部７６ｂおよび連結部７６ｃは、一体として形成されている。より具体的には、一枚の平板状の金属材料が折られて、第１接続部７６ａ、第２接続部７６ｂおよび連結部７６ｃを有する接続部材７６が形成されている。第１接続部７６ａと連結部７６ｃとの境界は、平板状の金属材料からなる接続部材７６の折れ７６ｇによって形成されている。また、第２接続部７６ｂと連結部７６ｃとの境界は、平板状の金属材料からなる接続部材７６の折れ７６ｈによって形成されている。

【0050】

図５に示す例において、一対の接続部材７６は、水平方向において、取付壁部本体７５の取付面７３を形成する部分を挟んでいる。特に、一対の接続部材７６は、水平方向に平行且つ且つ取付面７３に平行な方向（第３方向ＤＣ）において、取付壁部本体７５の取付面７３を形成する部分を挟んでいる。

【0051】

ここで、取付壁部本体７５は、第１接続部７６ａが接続される面７６ｄを有する。また、取付壁部フレーム部１２ｋは、第２接続部７６ｂが接続される面７６ｅを有する。また、一対の接続部材７６は、取付壁部本体７５の第１接続部７６ａが接続される面７６ｄ、取付壁部フレーム部１２ｋの第２接続部７６ｂが接続される面７６ｅ及び水平面に対して角度をなす面７６ｆを有する。

【0052】

図５及び図６に示す例において、第１接続部７６ａは、取付壁部本体７５の、筐体１１の内側（第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１とは反対側）の面に接続されている。すなわち、取付壁部本体７５の、筐体１１の内側の面が、第１接続部７６ａが接続される面７６ｄとなっている。図５及び図６に示す例において、面７６ｄは、取付面７３に平行な面である。また、第１接続部７６ａは、取付面７３に平行な面を有する板状の形状を有している。図５及び図６に示す例において、第１接続部７６ａは、取付壁部本体７５及び第１接続部７６ａを貫通する第１ねじ１２１によって、取付壁部本体７５の面に接続されている。

【0053】

図５及び図６に示す例において、第２接続部７６ｂは、取付壁部フレーム部１２ｋの、筐体１１の外側（第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１）の面に接続されている。すなわち、取付壁部本体７５の、筐体１１の外側の面が、第２接続部７６ｂが接続される面７６ｅとなっている。本実施の形態において、一対の接続部材７６の一方は、第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１の面に接続されている。一対の接続部材７６の他方は、第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２の面に接続されている。図５及び図６に示す例において、面７６ｅは、取付面７３に平行な面である。また、第２接続部７６ｂは、取付面７３に平行な面を有する板状の形状を有している。図５及び図６に示す例において、第２接続部７６ｂは、取付壁部フレーム部１２ｋ及び第２接続部７６ｂを貫通する第２ねじ１２２によって、取付壁部フレーム部１２ｋの面に接続されている。

【0054】

図５及び図６に示す例において、連結部７６ｃは、取付面７３に垂直且つ水平面に垂直な板状の形状を有している。このため、連結部７６ｃの第３方向ＤＣにおける両側の面が、取付面７３に垂直且つ水平面に垂直な面となっている。これによって、連結部７６ｃの第３方向ＤＣにおける両側の面が、面７６ｄ、面７６ｅ及び水平面に対して角度をなす面７６ｆとなっている。図５及び図６に示す例において、面７６ｆは、面７６ｄ、面７６ｅ及び水平面に対して直交している。

【0055】

第１接続部７６ａ、第２接続部７６ｂ及び連結部７６ｃが上述した形態を有することによって、接続部材７６の、第１接続部７６ａと連結部７６ｃとの境界を形成する折れ７６ｇは、上下方向（第１方向ＤＡ）に延びている。また、接続部材７６の、第２接続部７６ｂと連結部７６ｃとの境界を形成する折れ７６ｈは、上下方向（第１方向ＤＡ）に延びている。

【0056】

図５及び図６に示す例において、一対の接続部材７６の各々は、さらに位置決め部７６ｉを有している。図５及び図６に示す例において、第１接続部７６ａ、第２接続部７６ｂ及び連結部７６ｃと、位置決め部７６ｉとは、一体として形成されている。より具体的には、一枚の平板状の金属材料が折られて、第１接続部７６ａ、第２接続部７６ｂ、連結部７６ｃ及び位置決め部７６ｉを有する接続部材７６が形成されている。図５及び図６に示す例において、位置決め部７６ｉは、第１接続部７６ａに接続されている。特に、位置決め部７６ｉは、第１接続部７６ａの、第１接続部７６ａと連結部７６ｃとの境界を形成する折れ７６ｇが位置する側とは反対側の端部に接続されている。第１接続部７６ａと位置決め部７６ｉとの境界は、平板状の金属材料からなる接続部材７６の折れ７６ｊによって形成されている。

【0057】

図５に示す例において、位置決め部７６ｉは、筐体１１の内側に向かって突出し且つ上下方向（第１方向ＤＡ）に延びる、線状の凸部である。位置決め部７６ｉは、蓄電素子ユニット１０において筐体１１に収納される、制御モジュール１４や蓄電素子モジュール２０などの部品の位置を定める。すなわち、位置決め部７６ｉは、制御モジュール１４や蓄電素子モジュール２０などの部品に接触して、当該部品が筐体１１の内部を移動することを抑制する。図５に示す例において、線状の凸部をなす位置決め部７６ｉの形状は、平板状の金属材料からなる接続部材７６の一部が折られることによって形成されている。

【0058】

次に、上端支持部材７８について説明する。図５及び図７に示す例において、取付壁部１３ａは、取付壁部本体７５に取付けられ、筐体１１の内側（第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１とは反対側）から取付壁部フレーム部１２ｋに重なり、且つ取付壁部本体７５の上端７５ａに重なる、上端支持部材７８をさらに有する。

【0059】

図５及び図７に示す例において、上端支持部材７８は、平板状の金属材料が折られて形成されている。図５及び図７に示す例において、上端支持部材７８は、取付壁部本体７５に取付けられる取付部７８ａと、取付壁部フレーム部１２ｋに重なる重ね部７８ｂと、取付部７８ａと重ね部７８ｂとを連結する上端支持部材連結部７８ｃと、を有する。取付部７８ａと上端支持部材連結部７８ｃとの境界、及び重ね部７８ｂと上端支持部材連結部７８ｃとの境界は、平板状の金属材料が折られて形成されている。

【0060】

上端支持部材７８は、取付部７８ａにおいて、取付壁部本体７５に取付けられる。取付部７８ａの取付壁部本体７５への取付けは、例えばねじ留めによって行われる。図７に示す例において、取付部７８ａは、取付部７８ａ及び取付壁部本体７５を貫通する第３ねじ７８１によって、取付壁部本体７５にねじ留めされている。

【0061】

図７に示す例において、上端支持部材７８は、重ね部７８ｂにおいて、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なっている。重ね部７８ｂは、取付壁部１３ａの厚み方向（第２方向ＤＢ）において、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なっている。特に、重ね部７８ｂは、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに接している。図７に示す例において、重ね部７８ｂは、筐体１１の内側から、第１フレーム部１２ａの取付壁部フレーム部１２ｋを形成する部分に重なっている。

【0062】

また、図７に示す例において、上端支持部材７８は、重ね部７８ｂにおいて、取付壁部本体７５の上端７５ａに重なっている。特に、重ね部７８ｂは、取付壁部１３ａの厚み方向（第２方向ＤＢ）において、筐体１１の内側から取付壁部本体７５の上端７５ａに重なっている。

【0063】

図１及び図８に示す例において、壁８１には、壁８１と床８２との接続部分に沿って延びる巾木８３が取付けられている。この場合、筐体１１は、取付面７３が、巾木８３によって妨げられることなく壁８１に接することができるように、設計される。

【0064】

一例として、上下方向（第１方向ＤＡ）における取付面７３と筐体１１の底面１１ｄとの距離ｗ３は、５０ｍｍ以上である。巾木８３の高さ（第１方向ＤＡにおける寸法）は、一般的には５０ｍｍより小さいため、距離ｗ３を５０ｍｍ以上とすることによって、取付面７３が巾木８３に接することを抑制できる。これにより、取付面７３が巾木８３に接することで取付面７３の壁８１への接触が妨げられることを抑制できる。

【0065】

また、取付面７３は、取付壁部フレーム部１２ｋの上下方向（第１方向ＤＡ）において取付面７３より下方に位置する部分よりも１０ｍｍ以上、取付壁部１３ａの厚み方向（第２方向ＤＢ）において筐体１１の外側に位置する。すなわち、図８に示す距離ｗ５は、１０ｍｍ以上である。特に、図８に示す例において、取付面７３は、筐体１１の上下方向（第１方向ＤＡ）において取付面７３より下方に位置する部分よりも１０ｍｍ以上、取付壁部１３ａの厚み方向（第２方向ＤＢ）において筐体１１の外側に位置する。すなわち、図８に示す距離ｗ６は、１０ｍｍ以上である。これによって、筐体１１の取付面７３より下方に位置する部分、特に取付壁部フレーム部１２ｋの取付面７３より下方に位置する部分が巾木８３に接することを抑制できる。これにより、筐体１１の取付面７３より下方に位置する部分が巾木８３に接することで取付面７３の壁８１への接触が妨げられることを抑制できる。

【0066】

取付壁部１３ａの材料は、例えば金属である。取付壁部１３ａは、例えば後述する上壁部１３ｂ及び側壁部１３ｃの金属板９２の材料と同様の材料から構成される。本実施の形態において、取付壁部１３ａは、取付壁部本体７５と、接続部材７６と、上端支持部材７８と、を有する。この場合、取付壁部本体７５、接続部材７６及び上端支持部材７８の材料が、金属、特に金属板９２の材料と同様の金属から構成されてもよい。

【0067】

次に、取付壁部１３ａ以外の壁部１３について、より詳細に説明する。本実施の形態の筐体１１は、取付壁部１３ａ以外の壁部１３として、上壁部１３ｂと３つの側壁部１３ｃとを備えている。本実施の形態において、取付壁部１３ａ以外の壁部１３の各々は、図１及び図４に示す側壁部１３ｃのように、樹脂板９１と、樹脂板９１よりも筐体１１の内側に位置する金属板９２とから構成される積層体から構成される。樹脂板９１及び金属板９２は、それぞれ略板状の形状を有する。

【0068】

図１に示す例において、筐体１１は、１つの側壁部１３ｃを覆う化粧パネル１９をさらに有する。化粧パネル１９は、当該１つの側壁部１３ｃ及び当該１つの側壁部１３ｃ上に設けられた構成要素を保護する部材である。図１に示す例において、化粧パネル１９は、略板状の形状を有する。化粧パネル１９は、例えば樹脂板９１の材料と同様の樹脂材料から構成することができる。

【0069】

次に、筐体１１を備える蓄電素子ユニット１０について説明する。上述したように、本実施の形態の蓄電素子ユニット１０は、筐体１１と、筐体１１に収納される蓄電素子モジュール２０と、筐体１１に収納される制御モジュール１４と、複数のねじ７２と、を備える。

【0070】

制御モジュール１４について説明する。図２に示す例において、制御モジュール１４は、筐体１１の内部に収容されている。制御モジュール１４は、上下方向（第１方向ＤＡ）において蓄電素子モジュール２０に重ねられている。制御モジュール１４は、筐体１１の内部に収容された蓄電素子モジュール２０と電気的に接続される。図示はしないが、制御モジュール１４は、複数のモジュール配線を介して、複数の蓄電素子モジュール２０の各々と電気的に接続されていてもよい。

【0071】

制御モジュール１４は、例えば、複数の蓄電素子モジュール２０の充電及び放電を制御する機能、蓄電素子モジュール２０の充電状態（例えば充電量）を監視する機能、蓄電素子モジュール２０の異常の有無を監視する機能の一以上を有する。また、制御モジュール１４は、蓄電素子ユニット１０の外部に設置された制御装置に、蓄電素子モジュール２０の充電状態や異常の有無の監視結果などの情報を、送信するようにしてもよい。また、制御モジュール１４は、蓄電素子ユニット１０の外部の配線（例えば、建物の配線）と、蓄電素子モジュール２０と、の間の電気的接続及び遮断を切り替える開閉器を有するようにしてもよい。

【0072】

次に、蓄電素子モジュール２０について説明する。図２に示す例において、筐体１１の内部に収容された蓄電素子モジュール２０が観察される。筐体１１の内部には、複数の蓄電素子モジュール２０が収容されてもよい。図示された例において、蓄電素子モジュール２０は、筐体１１の内部において、上下方向（第１方向ＤＡ）に重ねられている。上下方向に重ねられた複数の蓄電素子モジュール２０のうち、上下方向における最も下側（一側ＳＡ１）に位置する蓄電素子モジュール２０は、第３フレーム部１２ｃの第２金属板本体部１２ｈに接触している。すなわち、複数の蓄電素子モジュール２０は、第３フレーム部１２ｃによって上下方向における下側から支持されている。

【0073】

蓄電素子モジュール２０には、図示しない複数のセルを収容する機能を有する。セルは、蓄電素子として取り扱われる最小単位である。セルは、種々の形式を採用できる。セルは、例えばリチウムイオン二次電池でもよい。

【0074】

図示はしないが、蓄電素子モジュール２０は、モジュール配線を含んでもよい。この場合、モジュール配線は、筐体の内部に収容される。また、蓄電素子モジュール２０のモジュール配線は、制御モジュール１４に接続される。モジュール配線は、制御モジュール１４を介して、蓄電素子モジュール２０が電気を供給する対象に、電気的に接続される。

【0075】

次に、複数のねじ７２について説明する。複数のねじ７２は、複数の貫通孔７１の全部又は複数の貫通孔７１から選択される一部の各々を筐体１１の内側から貫通して壁８１にねじ留めされる。図５に示す例において、複数のねじ７２の数は、取付面７３に設けられた複数の貫通孔７１の数と等しい。この場合、複数のねじ７２は、複数の貫通孔７１の全部の各々を筐体１１の内側から貫通して壁８１にねじ留めされる。図５に示す例において、複数のねじ７２の数と、複数の貫通孔７１の数とは、ともに１６個である。

【0076】

一例として、ねじ７２は木ねじである。ねじ７２の種類は、筐体１１が取付けられる壁８１の材料などに応じて、適宜選択できる。特に、壁８１の材料が木材である場合には、ねじ７２として木ねじを用いることができる。「木ねじ」とは、ねじ留めしようとする木材などの部材に雌ねじが設けられていなくても、当該部材に先端を接触させて回転させることなどにより、当該部材に入り込んでねじ留めされるねじを指す。壁８１の材料がコンクリートである場合には、ねじ７２は、コンクリートビスであってもよい。

【0077】

一例として、ねじ７２は、図５に示されている頭部７２ａと、頭部７２ａから延び出す図示しない軸部とを有する。図示はしないが、軸部の少なくとも一部には、らせん状のねじ山が設けられている。ねじ７２の軸部の太さ（軸部の延伸する方向に垂直な方向における軸部の幅）は、ねじ７２が貫通する貫通孔７１の幅以下となっている。また、ねじ７２の頭部７２ａの太さ（軸部の延伸する方向に垂直な方向における頭部７２ａの幅）は、貫通孔７１の幅よりも大きい。これにより、ねじ７２の軸部を貫通孔７１に貫通させて壁８１にねじ留めし、ねじ７２の頭部７２ａと壁８１との間で取付壁部１３ａを挟むことによって、筐体１１を壁８１に取付けることができる。

【0078】

次に、上述した、建物８０の壁８１に取付けられた蓄電素子ユニット１０の製造方法について説明する。蓄電素子ユニット１０の製造方法は、蓄電素子ユニット１０を建物８０の壁８１に取付ける取付方法に相当する。また、蓄電素子ユニット１０の製造方法は、壁８１に取付けられた蓄電素子ユニット１０と、壁８１と、を備える建物８０の製造方法にも相当する。

【0079】

本実施の形態の蓄電素子ユニット１０の製造方法は、複数のねじ７２を複数の貫通孔７１の全部又は複数の貫通孔７１から選択される一部の各々に筐体１１の内側から貫通させて壁８１にねじ留めする、ねじ留め工程を備える。また、本実施の形態の蓄電素子ユニット１０の製造方法は、取付壁部フレーム部１２ｋに対して取付壁部本体７５を配置する本体配置工程と、本体配置工程の後に、取付壁部本体７５に上端支持部材７８を取付ける上端支持部材取付工程と、をさらに備える。また、本実施の形態の蓄電素子ユニット１０の製造方法は、一対の接続部材７６の各々の第１接続部７６ａを取付壁部本体７５に接続する第１接続工程と、一対の接続部材７６の各々の第２接続部７６ｂを取付壁部フレーム部１２ｋに接続する第２接続工程と、をさらに備える。

【0080】

本実施の形態の蓄電素子ユニット１０の製造方法においては、まず、一対の接続部材７６を取付壁部本体７５に取付ける。取付壁部本体７５への一対の接続部材７６の取付けは、一対の接続部材７６の各々の第１接続部７６ａを取付壁部本体７５に接続する第１接続工程を行うことによって行うことができる。第１接続工程においては、まず、取付壁部本体７５の面７６ｄに一対の接続部材７６の各々の第１接続部７６ａが接触するように、取付壁部本体７５に対して一対の接続部材７６を配置する。そして、図６に示すように第１ねじ１２１をねじ留めする。これによって、一対の接続部材７６の各々の第１接続部７６ａを取付壁部本体７５に接続できる。

【0081】

第１接続工程の後に、図３に示すフレーム部１２の取付壁部フレーム部１２ｋに、取付壁部本体７５を取付ける。取付壁部フレーム部１２ｋへの取付壁部本体７５の取付けは、本体配置工程と第２接続工程とを行うことによって行うことができる。

【0082】

本体配置工程においては、取付壁部本体７５の下端７５ｂが筐体の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なるように、取付壁部フレーム部１２ｋに対して取付壁部本体７５を配置する。また、取付壁部本体７５の上端７５ａが筐体１１の外側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なるように、取付壁部フレーム部１２ｋに対して取付壁部本体７５を配置する。本体配置工程においては、まず、取付壁部フレーム部１２ｋに対して、筐体１１の外側（第２方向ＤＢにおける一側ＳＢ１）から、一対の接続部材７６の取付けられた取付壁部本体７５を接近させる。そして、取付壁部本体７５の下端７５ｂを、第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１と第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２との間を通過させて、筐体の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重ねる。上述したように、取付壁部本体７５の下端７５ｂの寸法ｗ４が、第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１と第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２との間の距離ｗ７以下であることによって、取付壁部本体７５の下端７５ｂは、第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１と第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２との間を通過することができる。上述した方法により取付壁部フレーム部１２ｋに対して一対の接続部材７６の取付けられた取付壁部本体７５を配置することによって、取付壁部本体７５の下端７５ｂが筐体の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なるように、取付壁部フレーム部１２ｋに対して取付壁部本体７５を配置できる。また、取付壁部本体７５の上端７５ａが筐体１１の外側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なるように、取付壁部フレーム部１２ｋに対して取付壁部本体７５を配置できる。また、取付壁部フレーム部１２ｋの面７６ｅに一対の接続部材７６の各々の第２接続部７６ｂが接触するように、取付壁部フレーム部１２ｋに対して、取付壁部本体７５に取付けられた一対の接続部材７６を配置できる。

【0083】

また、本体配置工程においては、取付壁部フレーム部１２ｋの開口１２ｎに取付壁部本体７５の突起部７５ｄが挿入されるように、取付壁部フレーム部１２ｋに対して取付壁部本体７５を配置する。特に、第１取付壁部側端フレーム部１２ｂ１に設けられた３つの開口１２ｎの各々に、第１側端７５ｃ１の近傍に位置する３つの突起部７５ｄの各々が挿入されるように、取付壁部フレーム部１２ｋに対して取付壁部本体７５を配置する。また、第２取付壁部側端フレーム部１２ｂ２に設けられた３つの開口１２ｎの各々に、第２側端７５ｃ２の近傍に位置する３つの突起部７５ｄの各々が挿入されるように、取付壁部フレーム部１２ｋに対して取付壁部本体７５を配置する。

【0084】

本体配置工程の後に、第２接続工程を行う。第２接続工程においては、取付壁部フレーム部１２ｋの面７６ｅに一対の接続部材７６の各々の第２接続部７６ｂが接触した状態で、図６に示すように第２ねじ１２２をねじ留めする。これによって、一対の接続部材７６の各々の第２接続部７６ｂを取付壁部フレーム部１２ｋに接続できる。また、接続部材７６によって、取付壁部本体７５と取付壁部フレーム部１２ｋとを接続できる。

【0085】

また、本体配置工程の後に、上端支持部材取付工程を行う。上端支持部材取付工程は、第２接続工程の前後に、又は第２接続工程と並行して行い得る。上端支持部材取付工程においては、まず、上端支持部材７８を、取付壁部本体７５に対して取付可能な位置に配置する。本実施の形態においては、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なり、且つ取付壁部本体７５の上端７５ａに重なるように、上端支持部材７８を配置する。取付壁部本体７５に対して上端支持部材７８を配置した後に、取付壁部本体７５に上端支持部材７８を取付ける。取付壁部本体７５に上端支持部材７８の取付部７８ａが接触した状態で、図７に示すように第３ねじ７８１をねじ留めすることによって、取付壁部本体７５に上端支持部材７８を取付けることができる。

【0086】

また、フレーム部１２に、３つの側壁部１３ｃを取付ける。フレーム部１２への３つの側壁部１３ｃの取付けは、例えばねじ留めによって行われる。以上によって、上壁部１３ｂのみ取り外され、上側に開口が形成されている状態の筐体１１が形成される。

【0087】

次に、上壁部１３ｂのみ取り外され、上側に開口が形成されている状態の筐体１１を、建物８０の筐体１１を取付ける位置に配置する。すなわち、筐体１１を、建物８０の壁８１に取付面７３及び接触面７４が接するように、建物８０の床８２上に筐体１１を配置する。

【0088】

次に、複数のねじ７２を複数の貫通孔７１の全部又は複数の貫通孔７１から選択される一部の各々に筐体１１の内側から貫通させて壁８１にねじ留めする、ねじ留め工程を行う。本実施の形態においては、複数のねじ７２を複数の貫通孔７１の全部の各々に筐体１１の内側から貫通させて壁８１にねじ留めする。ねじ留めの作業は、筐体１１の上側に形成された開口を介して行うことができる。例えばねじ７２として木ねじを用いる場合には、貫通孔７１にねじ７２を挿入した上で、電動ドライバーなどを用いてねじ７２を回転させることによって、ねじ７２を壁８１にねじ留めすることができる。

【0089】

次に、複数の蓄電素子モジュール２０及び制御モジュール１４を、筐体１１の上側に形成された開口を介して、筐体１１に収納する。そして、上壁部１３ｂを取り付けて当該開口を閉じる。これによって、建物８０の壁８１に取付けられた蓄電素子ユニット１０を製造することができる。

【0090】

以上の本実施の形態によれば、蓄電素子モジュール２０を収納し且つ建物８０の壁８１に取付けられる筐体１１において、壁８１に向かい合う取付壁部１３ａの取付壁部本体７５が、複数の貫通孔７１が設けられ且つ壁８１に接する取付面７３を有する。これにより、ねじ７２を貫通孔７１に通して壁８１にねじ留めすることによって、筐体１１及び筐体１１に蓄電素子モジュール２０を収納してなる蓄電素子ユニット１０を、壁８１に取付けることができる。

【0091】

また、取付壁部本体７５及び取付壁部フレーム部１２ｋに接続される一対の接続部材７６が、取付壁部本体７５に接続される第１接続部７６ａと、取付壁部フレーム部１２ｋに接続される第２接続部７６ｂと、第１接続部７６ａと第２接続部７６ｂとを連結する連結部７６ｃと、を有する。連結部７６ｃは、取付壁部本体７５の第１接続部７６ａが接続される面７６ｄ、取付壁部フレーム部１２ｋの第２接続部７６ｂが接続される面７６ｅ及び水平面に対して角度をなす面７６ｆを有する。これによって、以下の効果が得られる。地震などにより建物８０の壁８１が振動する場合に、連結部７６ｃがたわむことによって、壁８１に取付けられた取付壁部本体７５に対する取付壁部フレーム部１２ｋの相対移動を許容できる。このため、壁８１から取付壁部フレーム部１２ｋに伝わる振動を、連結部７６ｃによって低減することができる。これによって、振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニット１０の筐体１１を建物８０の壁８１に取付けることができる。

【0092】

ここで、振動に対して「耐性を有する」とは、例えば、蓄電素子ユニット１０の設置された建物８０が振動した場合であっても、蓄電素子ユニット１０が転倒しないことを意味する。また、「耐性を有する」とは、建物８０が振動した場合であっても、蓄電素子ユニット１０が転倒せず、且つ蓄電素子ユニット１０として通常の動作が可能であることを意味してもよい。また、「耐性を有する」とは、建物８０が振動した場合であっても、蓄電素子ユニット１０が転倒せず、蓄電素子ユニット１０として通常の動作が可能であり、且つ蓄電素子ユニット１０の外観が損なわれることもないことを意味してもよい。また、「耐性を有する」とは、建物８０が振動した場合に、蓄電素子ユニット１０の内部部品の破壊も生じないことを意味してもよい。

【0093】

特に、本実施の形態において、一対の接続部材７６は、水平方向において、取付壁部本体７５の取付面７３を形成する部分を挟んでいる。また、連結部７６ｃの面７６ｆは、取付面７３に垂直且つ水平面に垂直である。このような一対の接続部材７６によれば、壁８１から取付壁部フレーム部１２ｋに伝わる水平方向の振動を、連結部７６ｃによって効果的に低減することができる。

【0094】

特に、本件の発明者らは、壁８１に取付けられた蓄電素子ユニット１０用の筐体１１について鋭意研究を重ねた結果、壁８１に取付けられた筐体１１は、上下方向よりも水平方向に振動しやすいことを見出した。特に、壁８１に取付けられた筐体１１は、床８２上を滑るように、水平方向に振動しやすいことが見出された。ここで上述したように水平方向の振動が低減されることによって、筐体１１及び蓄電素子ユニット１０の、水平方向の振動に対する耐性を向上できる。

【0095】

また、本実施の形態によれば、取付壁部本体７５は、筐体１１の内側に向かって突出する突起部７５ｄを有し、取付壁部フレーム部１２ｋには、突起部７５ｄが挿入される開口１２ｎが設けられている。これにより、以下の効果が得られる。取付壁部フレーム部１２ｋに設けられた開口１２ｎに取付壁部本体７５の突起部７５ｄが挿入されることによって、取付壁部フレーム部１２ｋから取付壁部本体７５が外れにくくすることができる。また、取付壁部フレーム部１２ｋに設けられた開口１２ｎに取付壁部本体７５の突起部７５ｄが挿入されている場合には、例えば取付壁部本体７５が取付壁部フレーム部１２ｋにねじ留めされている場合よりも、取付壁部本体７５に対する取付壁部フレーム部１２ｋの相対移動が許容され易い。このため、地震などにより建物８０の壁８１が振動する場合に、壁８１に取付けられた取付壁部本体７５に対する取付壁部フレーム部１２ｋの相対移動を許容できる。

【0096】

特に、本実施の形態によれば、取付面７３に平行且つ水平面に平行な方向における突起部７５ｄの幅ｗ９が、取付面７３に平行且つ水平面に平行な方向における、当該突起部７５ｄが挿入される開口１２ｎの幅ｗ１０よりも小さい。これにより、開口１２ｎに突起部７５ｄを挿入しつつ、壁８１から取付壁部フレーム部１２ｋに伝わる水平方向の振動を、安定的に許容できる。

【0097】

また、本実施の形態によれば、取付壁部１３ａは、取付壁部本体７５に取付けられ、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なり、且つ取付壁部本体７５の上端７５ａに重なる、上端支持部材７８をさらに有する。このため、地震が発生して筐体１１が振動する場合などに、上端支持部材７８が取付壁部フレーム部１２ｋによって支持される。これによって、取付壁部１３ａの全体の変形を抑制できる。特に、本実施の形態においては、取付壁部本体７５の上端７５ａは、筐体１１の外側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なる。この場合にも、上端支持部材７８が筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なることによって、取付壁部１３ａの全体の変形を抑制できる。

【0098】

特に、本実施の形態において、上端支持部材７８は、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに接している。また、取付壁部本体７５の上端７５ａは、筐体１１の外側から取付壁部フレーム部１２ｋに接している。このため、図７に示すように、取付壁部フレーム部１２ｋが、取付壁部本体７５の上端７５ａと上端支持部材７８との間で挟まれている。これによって、取付壁部１３ａの上端を取付壁部フレーム部１２ｋによってより強固に支持させて、取付壁部１３ａの変形をより安定的に抑制できる。

【0099】

また、本実施の形態によれば、取付壁部本体７５の下端７５ｂは、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに重なる。特に、本実施の形態によれば、取付壁部本体７５の下端７５ｂは、筐体１１の内側から取付壁部フレーム部１２ｋに接している。これによって、地震が発生して筐体１１が振動する場合などに、取付壁部本体７５の下端７５ｂを取付壁部フレーム部１２ｋによって支持できる。このため、取付壁部本体７５の下端７５ｂの変形を、取付壁部フレーム部１２ｋによって抑制できる。

【0100】

また、本実施の形態によれば、取付壁部本体７５は、筐体１１の内側に向かって凹み且つ水平方向に延びる線状凹部７７をさらに有する。取付壁部本体７５が水平方向に延びる線状凹部７７を有することによって、取付壁部本体７５に、上下方向に延びる軸を中心として折れるような変形が生じにくくなる。これによって、取付壁部本体７５が、筐体１１の水平方向における振動によって変形しにくくなる。

【0101】

特に、線状凹部７７の水平方向における寸法ｗ１が、取付壁部１３ａの水平方向における寸法ｗ２の０．５倍以上であることによって、取付壁部１３ａの水平方向の広範囲にわたって線状凹部７７が形成される。これによって、線状凹部７７の作用により、水平方向の広範囲における取付壁部１３ａの変形を、効果的に抑制できる。

【0102】

また、本実施の形態によれば、上下方向における取付面７３と筐体１１の底面１１ｄとの距離ｗ３は、５０ｍｍ以上である。これにより、取付面７３が一般的な大きさの巾木８３に接することを抑制できる。このため、取付面７３が巾木８３に接することで取付面７３の壁８１への接触が妨げられることを抑制できる。

【0103】

また、本実施の形態によれば、取付面７３は、取付壁部フレーム部１２ｋの上下方向において取付面７３より下方に位置する部分よりも１０ｍｍ以上、取付壁部１３ａの厚み方向において筐体１１の外側に位置する。これにより、取付壁部フレーム部１２ｋの取付面７３より下方に位置する部分が巾木８３に接することを抑制できる。このため、取付壁部フレーム部１２ｋの取付面７３より下方に位置する部分が巾木８３に接することで取付面７３の壁８１への接触が妨げられることを抑制できる。

【0104】

また、以上の本実施の形態の蓄電素子ユニット１０の製造方法は、複数のねじ７２を複数の貫通孔７１の全部又は複数の貫通孔７１から選択される一部の各々に筐体１１の内側から貫通させて壁８１にねじ留めする、ねじ留め工程を備える。これによって、建物８０の壁８１に取付けられた蓄電素子ユニット１０を製造できる。

【0105】

また、本実施の形態の蓄電素子ユニット１０の製造方法は、以下の方法によって、建物８０の壁８１に取付けられた蓄電素子ユニット１０を製造できる。まず、上述した第１接続工程、本体配置工程、第２接続工程及び上端支持部材取付工程を含めた複数の工程を行って、上壁部１３ｂのみ取り外され、上側に開口が形成されている状態の筐体１１を製造する。次に、筐体１１を、建物８０の壁８１に取付面７３が接するように、建物８０の床８２上に筐体１１を配置する。次に、筐体１１の上側に形成された開口を介して、上述したねじ留め工程を行う。次に、複数の蓄電素子モジュール２０及び制御モジュール１４を、筐体１１の上側に形成された開口を介して、筐体１１に収納する。そして、上壁部１３ｂを取り付けて当該開口を閉じる。この方法によれば、上側に開口が形成されている状態の筐体１１の製造までの作業を建物８０の外部で行っておいて、建物８０の床８２上に筐体１１を配置する以降の作業を、上側に開口が形成されている状態の筐体１１を建物８０内に持ち込んで行うことができる。これにより、上側に開口が形成されている状態の筐体１１の製造までの作業を予め行っておくことができるので、現地、すなわち建物８０内での作業を容易にすることができる。また、現地での作業時間を短縮できる。

【0106】

本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。

【符号の説明】

【0107】

１０ 蓄電素子ユニット
１１ 筐体
１２ フレーム部
１２ｋ 取付壁部フレーム部
１２ｎ 開口
１３ 壁部
１３ａ 取付壁部
１３ｂ 上壁部
１３ｃ 側壁部
１４ 制御モジュール
２０ 蓄電素子モジュール
７１ 貫通孔
７２ ねじ
７３ 取付面
７５ 取付壁部本体
７５ａ 上端
７５ｂ 下端
７５ｄ 突起部
７６ 接続部材
７６ａ 第１接続部
７６ｂ 第２接続部
７６ｃ 連結部
７８ 上端支持部材
８０ 建物
８１ 壁
８２ 床
８３ 巾木

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】