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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046250
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】動力伝達装置及び組付方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/025 20120101AFI20240327BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
F16H57/025
B25J19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151529
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】重見 貴夫
(72)【発明者】
【氏名】守谷 幸次
【テーマコード(参考)】
3C707
3J063
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707AS06
3C707AS12
3C707AS21
3C707AS34
3C707CX03
3C707KS10
3C707KS28
3C707KS33
3C707KX10
3J063AA27
3J063BA01
3J063BA07
3J063BB48
3J063CD41
3J063XA08
(57)【要約】
【課題】動力伝達装置に関する組付作業をするときに、その組付状態の良否を把握できるようにするための技術を提供する。
【解決手段】外部部材に組み付けられる動力伝達装置であって、動力伝達装置に関する状態量を検出するセンサ50を備え、センサ50は、動力伝達装置を外部部材に組み付けているときに、センサ50により検出された状態量を示す検出情報を出力する。センサ50は、動力伝達装置の運転中に、検出情報に基づいて被制御装置を制御する制御装置に検出情報を出力してもよい。センサ50は、外部部材に動力伝達装置を組み付けているとき、制御装置とは別の情報処理装置に検出情報を出力してもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部部材に組み付けられる動力伝達装置であって、
前記動力伝達装置に関する状態量を検出するセンサを備え、
前記センサは、前記動力伝達装置を前記外部部材に組み付けているときに、前記センサにより検出された状態量を示す検出情報を出力する動力伝達装置。
【請求項2】
前記センサは、前記動力伝達装置の運転中に、前記検出情報に基づいて被制御装置を制御する制御装置に前記検出情報を出力する請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記センサは、前記外部部材に前記動力伝達装置を組み付けているとき、前記制御装置とは別の情報処理装置に前記検出情報を出力する請求項2に記載の動力伝達装置。
【請求項4】
前記情報処理装置に前記検出情報を出力するための出力コネクタを備える請求項3に記載の動力伝達装置。
【請求項5】
組付相手に組付対象品を組み付ける組付方法であって、
前記組付相手は、請求項1から4のいずれかに記載の外部部材であり、前記組付対象品は、請求項1から4のいずれかに記載の動力伝達装置であり、
前記組付相手に対する前記組付対象品の組付状態を調整することで得られた異なる複数の組付状態毎に、前記センサの検出情報を取得する取得ステップと、
取得した前記複数の組付状態毎の前記センサの検出情報に基づいて、前記複数の組付状態のなかからいずれかを最終組付状態として決定する決定ステップと、を含む組付方法。
【請求項6】
組付相手に組付対象品を組み付ける組付方法であって、
前記組付相手は、請求項1から4のいずれかに記載の外部部材であり、前記組付対象品は、請求項1から4のいずれかに記載の動力伝達装置であり、
前記組付相手に対して前記組付対象品が組付状態にあるときに、前記センサの検出情報を取得する取得ステップと、
取得した前記センサの検出情報に基づいて、前記組付状態の良否を判定する判定ステップと、
前記組付状態が良好であると判定された場合、その前記組付状態を最終組付状態として決定する決定ステップと、を含み、
前記組付状態が良好ではないと判定された場合、前記組付対象品の組付状態を調整し、再度、前記取得ステップと前記判定ステップを行う組付方法。
【請求項7】
相手部品と、前記相手部品に組み付けられる組付部品と、を備える動力伝達装置であって、
前記相手部品又は前記組付部品に関する状態量を検出するセンサを備え、
前記センサは、前記組付部品を前記相手部品に組み付けているときに、前記センサにより検出された状態量を示す検出情報を出力する動力伝達装置。
【請求項8】
前記センサは、前記相手部品に対して前記組付部品を組み付けるとき、組み付け始め位置から組み付け終わり位置に至るまで、複数回又は連続的に、前記センサの検出情報を出力する請求項7に記載の動力伝達装置。
【請求項9】
前記センサは、前記動力伝達装置の運転中に、前記検出情報に基づいて被制御装置を制御する制御装置に前記検出情報を出力する請求項8に記載の動力伝達装置。
【請求項10】
前記センサは、前記相手部品に前記組付部品を組み付けているとき、前記制御装置とは別の情報処理装置に前記検出情報を出力する請求項9に記載の動力伝達装置。
【請求項11】
組付対象品を組付相手に組み付ける組付方法であって、
前記組付対象品は、請求項7から10のいずれかに記載の相手部品であり、前記組付相手は、請求項7から10のいずれかに記載の組付部品であり、
前記組付相手に対する前記組付対象品の組付状態を調整することで得られた異なる複数の組付状態毎に、前記センサの検出情報を取得する取得ステップと、
取得した前記複数の組付状態毎の前記センサの検出情報に基づいて、前記複数の組付状態のなかからいずれかを最終組付状態として決定する決定ステップと、を含む組付方法。
【請求項12】
組付対象品を組付相手に組み付ける組付方法であって、
前記組付対象品は、請求項7から10のいずれかに記載の相手部品であり、前記組付相手は、請求項7から10のいずれかに記載の組付部品であり、
前記組付相手に対して前記組付対象品が組付状態にあるときに、前記センサの検出情報を取得する取得ステップと、
取得した前記センサの検出情報に基づいて、前記組付状態の良否を判定する判定ステップと、
前記組付状態が良好であると判定された場合、その前記組付状態を最終組付状態として決定する決定ステップと、を含み、
前記組付状態が良好ではないと判定された場合、前記組付対象品の組付状態を調整し、再度、前記取得ステップと前記判定ステップを行う組付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ロボットを構成するアーム部材等の外部部材に組み付けられる動力伝達装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-217573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動力伝達装置に関する組付作業として、外部部材に対する動力伝達装置の組付作業、動力伝達装置の構成部品間の組付作業等がある。本願発明者は、このような動力伝達装置に関する組付作業をするときに、その組付状態の良否を把握できるようにするための新たなアイデアを見出した。
【0005】
本開示の目的の1つは、動力伝達装置に関する組付作業をするときに、その組付状態の良否を把握できるようにするための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある態様の動力伝達装置は、外部部材に組み付けられる動力伝達装置であって、前記動力伝達装置に関する状態量を検出するセンサを備え、前記センサは、前記動力伝達装置を前記外部部材に組み付けているときに、前記センサにより検出された状態量を示す検出情報を出力する。
【0007】
本開示のある態様の組付方法は、組付対象品を組付相手に組み付ける組付方法であって、前記組付対象品は、動力伝達装置であり、前記組付相手は、外部部材であり、前記組付相手に対する前記組付対象品の組付状態を調整することで得られた異なる複数の組付状態毎に、前記センサの検出情報を取得する取得ステップと、取得した前記複数の組付状態毎の前記センサの検出情報に基づいて、前記複数の組付状態のなかからいずれかを最終組付状態として決定する決定ステップと、を含む組付方法。
【0008】
本開示の他の態様の組付方法は、組付対象品を組付相手に組み付ける組付方法であって、前記組付対象品は、動力伝達装置であり、前記組付相手は、外部部材であり、前記組付相手に対して前記組付対象品が組付状態にあるときに、前記センサの検出情報を取得する取得ステップと、取得した前記センサの検出情報に基づいて、前記組付状態の良否を判定する判定ステップと、前記組付状態が良好であると判定された場合、その前記組付状態を最終組付状態として決定する決定ステップと、を含み、前記組付状態が良好ではないと判定された場合、前記組付対象品の組付状態を調整し、再度、前記取得ステップと前記判定ステップを行う組付方法。
【0009】
本開示の他の態様の動力伝達装置は、相手部品と、前記相手部品に組み付けられる組付部品と、を備える動力伝達装置であって、前記相手部品又は前記組付部品に関する状態量を検出するセンサを備え、前記センサは、前記組付部品を前記相手部品に組み付けているときに、前記センサにより検出された状態量を示す検出情報を出力する動力伝達装置。
【0010】
本開示の他の態様の組付方法は、組付対象品を組付相手に組み付ける組付方法であって、前記組付対象品は、相手部品であり、前記組付相手は、組付部品であり、前記組付相手に対する前記組付対象品の組付状態を調整することで得られた異なる複数の組付状態毎に、前記センサの検出情報を取得する取得ステップと、取得した前記複数の組付状態毎の前記センサの検出情報に基づいて、前記複数の組付状態のなかからいずれかを最終組付状態として決定する決定ステップと、を含む。
【0011】
本開示の他の態様の組付方法は、組付対象品を組付相手に組み付ける組付方法であって、前記組付対象品は、相手部品であり、前記組付相手は、組付部品であり、前記組付相手に対して前記組付対象品が組付状態にあるときに、前記センサの検出情報を取得する取得ステップと、取得した前記センサの検出情報に基づいて、前記組付状態の良否を判定する判定ステップと、前記組付状態が良好であると判定された場合、その前記組付状態を最終組付状態として決定する決定ステップと、を含み、前記組付状態が良好ではないと判定された場合、前記組付対象品の組付状態を調整し、再度、前記取得ステップと前記判定ステップを行う。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、動力伝達装置に関する組付作業をするときに、その組付状態の良否を把握できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の動力伝達装置を模式的に示す側面断面図である。
図2】第1実施形態の組付作業の途中状態を模式的に示す図である。
図3】第1実施形態で用いられる許容範囲の説明図である。
図4】第1実施形態の組付作業の手順を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態の組付作業の手順を示すフローチャートである。
図6】第3実施形態の動力伝達装置に関する組付作業の途中状態を模式的に示す図である。
図7】第3実施形態で用いられる許容範囲の説明図である。
図8図8(A)は、組み付け始め位置の説明図であり、図8(B)は、組み付け終わり位置の説明図である。
図9】組付部品の位置とセンサにより検出された状態量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
【0015】
(第1実施形態)図1を参照する。動力伝達装置10の概要を説明する。動力伝達装置10は、支持部材12に支持されるとともに、駆動装置14の生成した動力を伝達し、動力を出力することで被駆動部材16を駆動する。被駆動部材16は、例えば、産業機械(工作機械、建設機械等)、ロボット(産業用ロボット、サービスロボット等)等の一部である。ここでは、動力伝達装置10がロボットアームの関節部に組み込まれ、支持部材12、被駆動部材16のそれぞれがロボットアームを構成するアーム部材である例を説明する。以下、動力伝達装置10を構成する回転体(ここでは後述する起振体22)の回転中心線に沿った方向を軸方向といい、その回転中心線を円中心とする半径方向及び円周方向を、単に「径方向」、「周方向」という。
【0016】
動力伝達装置10は、動力を生成する駆動装置14と、駆動装置14から入力された動力を伝達し、被駆動部材16に動力を出力する従動装置18と、の少なくとも一方を備える。本実施形態の動力伝達装置10は、駆動装置14を備えておらず、従動装置18のみを備えている。
【0017】
本実施形態の従動装置18は減速装置となる歯車装置20である。歯車装置20は、筒型の撓み噛合い型歯車装置である。この歯車装置20は、駆動装置14の出力軸14aから出力される動力により回転する起振体22と、起振体22の回転により撓み変形する可撓性を持つ外歯歯車24と、起振体22と外歯歯車24との間に配置される起振体軸受26と、外歯歯車24と噛み合う剛性を持つ減速用内歯歯車28A及び出力用内歯歯車28Bと、を備える。
【0018】
起振体22は起振体22の軸方向に直交する断面において楕円状をなす。ここでの「楕円」とは幾何学的に厳密な楕円に限定されず、略楕円も含まれる。減速用内歯歯車28Aは支持部材12にボルトBにより固定され、出力用内歯歯車28Bは被駆動部材16にボルトBにより固定される。本例では、減速用内歯歯車28Aの歯数(例えば、102個)は外歯歯車24の歯数(例えば100個)に対して多く、出力用内歯歯車28Bの歯数は外歯歯車24の歯数と同数である。
【0019】
駆動装置14から出力される動力により起振体22が回転すると、起振体22の形状に合わせた楕円状をなすように外歯歯車24が撓み変形する。このように外歯歯車24が撓み変形すると、外歯歯車24と内歯歯車26A、26Bの噛合位置が起振体22の回転方向に変化する。この結果、起振体22が一回転する毎に、減速用内歯歯車28Aと外歯歯車24の歯数差分だけ外歯歯車24が自転し、その自転成分が出力回転として出力用内歯歯車28Bから被駆動部材16に出力される。
【0020】
本実施形態の歯車装置20は、主軸受30を省略したコンポーネントタイプであり、主軸受30は支持部材12と被駆動部材16との間に配置される。歯車装置20は、主軸受30を省略しないタイプであってもよい。
【0021】
支持部材12は、動力伝達装置10が組み付けられる第1外部部材30Aとして機能し、被駆動部材16は、動力伝達装置10が組み付けられる第2外部部材30Bとして機能する。動力伝達装置10は、外部部材30A、30BにボルトBにより固定することで着脱可能に組み付けられる。外部部材30A、30Bに対する動力伝達装置10の固定態様は特に限定されず、例えば、ねじ構造、締まり嵌め、摩擦締結等でもよい。
【0022】
動力伝達装置10は、外部部材30A、30Bに固定される固定部品32A、32Bを備える。固定部品32A、32Bは、単数部材又は複数部材により構成される。本実施形態の固定部品32A、32Bは、第1外部部材30A(支持部材12)に固定される第1固定部品32Aと、第2外部部材30B(被駆動部材16)に固定される第2固定部品32Bとを含む。本実施形態において、第1固定部品32Aは減速用内歯歯車28Aを備え、第2固定部品32Bは出力用内歯歯車28Bを備えている。
【0023】
外部部材30A、30B及び固定部品32A、32Bのそれぞれは、外部部材30A、30Bに動力伝達装置10を組み付けた組付状態にあるときに互いに接触する接触面34A、34Bを備えている。接触面34A、34Bは、軸方向に接触する軸方向接触面34Aと、径方向に接触する径方向接触面34Bとを含んでいる。
【0024】
本実施形態の駆動装置14はモータ装置である。駆動装置14は、動力伝達装置10の運転中に作動し制御装置38により制御される被制御装置36として機能する。制御装置38は、動力伝達装置10の運転中、後述するセンサ50の検出情報に基づいて被制御装置36を制御する。本実施形態の制御装置38は、被制御装置36である駆動装置14に取り付けられる。制御装置38は、例えば、ドライバ回路が組み込まれたマイクロコンピュータ等により構成される。
【0025】
図2を参照する。図2は、本実施形態の組付作業の途中状態を模式的に示す。本実施形態では組付作業における組付相手40が第1外部部材30Aであり、組付相手40に組み付けられる組付対象品42が動力伝達装置10である例を説明する。また、組付相手40に組付対象品42を組み付けることで得られるものを組付結果物46という。
【0026】
組付相手40に組付対象品42を組み付けたとき、組付対象品42の組付状態によって組付結果物46の負荷(荷重)が変化し、組付結果物46に過負荷が作用し得る。これは、例えば、製造バラツキ(加工バラツキ含む)等の影響で、組付相手40及び組付対象品42の接触面34A、34Bが目標形状から大きくゆがんだ状態のまま、両者が無理に接触するようにボルトBを締め付けた場合に生じ得る。この他にも、組付作業をするときに次の作業不良が生じた場合に、組付結果物46に過負荷が作用し得る。この作業不良とは、例えば、組付相手40と組付対象品42の間に異物を噛み込んだままボルトBを締め付ける場合、組付対象品42を目標位置とは異なる位置に誤って配置する誤組付があった場合、ボルトBの締付状態がきつくしすぎた場合をいう。このような過負荷が作用してしまうと、動力伝達装置10の特定性能(例えば、寿命)に悪影響を及ぼし得る。ここでは、このような組付結果物46に作用する負荷との関係で、組付状態の良否を判定するための工夫点を説明する。
【0027】
動力伝達装置10は、動力伝達装置10に関する状態量を検出するセンサ50を備える。動力伝達装置10に関する状態量とは、動力伝達装置10の構成部品に作用する状態量をいう。センサ50は、組付相手40に対する組付対象品42の組付状態に応じて変化する状態量を検出する。本実施形態では、このような状態量として、動力伝達装置10の構成部品(ここでは固定部品32A)に発生する歪みを検出する。この歪みは、固定部品32Aに作用する負荷により発生し、その負荷により相関関係を持って変化するため、歪み量から負荷を推測することができる。この他にも、センサ50は、このような状態量として、第3実施形態のような、動力伝達装置の特定性能と相関関係のある状態量を検出してもよい。
【0028】
センサ50により検出される状態量(以下、検出状態量という)の具体例は特に限定されず、歪みの他に、応力、荷重、振動、温度、磁束密度等でもよい。これを実現するセンサ50の具体例は特に限定されず、例えば、歪みセンサ、応力センサ、荷重センサ(ロードセル等)、振動センサ、温度センサ、磁気センサ等が用いられていてもよい。センサ50は、状態量を検出するセンサ素子(歪みゲージ等)の他に、センサ素子の出力を増幅する増幅器を備えてもよい。
【0029】
センサ50は、組付相手40(ここでは第1外部部材30A)に組付対象品42(ここでは動力伝達装置10)を組み付けているときに、センサ50により検出された状態量を示す検出情報を出力する。ここでの「組み付けているとき」とは、組付相手40に対する組付対象品42の組み付けを開始してから、その組み付けが完了するまでの間をいう。ここでの「組み付けが完了する」とは、組付作業において最終組付状態(後述する)を決定し、その決定した最終組付状態で組付対象品42(ここでは動力伝達装置10)を目標位置に配置し終えることをいう。最終組付状態を決定した時点で組付対象品42を目標位置に配置し終えていれば、その決定した時点で組み付けが完了している。
【0030】
センサ50の検出情報は、主に、二つの用途で用いられる。第一には、検出情報は、組付相手40に組付対象品42を組み付けているときに、組付相手40に対する組付対象品42の組付状態の良否を把握するために用いられる。この場合、センサ50は、後述する伝送部材52を介して制御装置38とは別の情報処理装置54と接続され、その伝送部材52を介して検出情報を情報処理装置54に出力する。第二には、図1に示すように、検出情報は、動力伝達装置10の運転中、つまり、被駆動部材16の駆動中、制御装置38による制御に用いられる。この場合、センサ50は、動力伝達装置10の運転中、ケーブル等の配線部材56を介して制御装置38と接続され、その配線部材56を介して検出情報を制御装置38に出力する。ここで、センサ50は、検出情報を出力するための電力を蓄電する素子を有していてもよいし、制御装置38や情報処理装置54から給電されてもよい。
【0031】
センサ50の検出情報を用いた制御装置38による制御手法は特に限定されない。制御装置38は、例えば、センサ50の検出情報の示す動力伝達装置10の構成部品に作用する歪みに基づいて、関係式、テーブル等を用いて、その構成部品に付与される実トルクを導出してもよい。制御装置38は、その導出した実トルクが目標トルクに近づくように駆動装置14を制御するフィードバック制御を行ってもよい。この他にも、制御装置38は、センサ50の検出情報に基づいて、被駆動部材16への障害物の接触を検出し、接触を検出したときに駆動装置14を停止するように制御してもよい。
【0032】
図2に示すように、動力伝達装置10は、センサ50の検出情報を情報処理装置54に出力するための出力コネクタ58を備える。出力コネクタ58は、センサ50の設けられる動力伝達装置10の構成部品(ここでは第1固定部品32A)に設けられる。出力コネクタ58は、組付作業をするときのみに用いられる。出力コネクタ58には、センサ50から情報処理装置54に検出情報を伝送するための伝送部材52の相手コネクタ52aが着脱可能に装着される。出力コネクタ58及び相手コネクタ52aの一方はオスコネクタであり、他方はメスコネクタとなる。伝送部材52は、情報処理装置54とセンサ50を有線接続するためのケーブル等の配線部材である。この他にも、伝送部材52は、情報処理装置54とセンサ50を無線接続するための無線通信アダプタでもよい。センサ50は、出力コネクタ58に内蔵される出力端子に内部配線60を介して導通され、伝送部材52を介して情報処理装置54に検出情報を出力する。なお、センサ50自体が、検出情報を無線出力する機能を有してもよい。
【0033】
情報処理装置54は、例えば、作業者によって利用される情報端末(PC、タブレット等)である。情報処理装置54は、処理部(CPU等)、記憶部(ROM、RAM等)、入出力インターフェース、入力部、出力部等を備える。入力部は、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード、マイク等である。出力部は、例えば、タッチパネル、ディスプレイ、スピーカ等である。入出力インターフェースは通信インターフェースを含み、有線接続又は無線接続によりセンサ50に接続される。センサ50から出力された検出情報は、入出力インターフェースを経由して、情報処理装置54の処理部等に入力される。
【0034】
図3を参照する。組付状態の良否は、センサ50により検出される検出状態量に対して設定される許容範囲70を用いて判定する。許容範囲70は、許容上限値70a及び許容下限値の少なくとも一方によって定まる状態量の許容される範囲をいう。本実施形態の許容範囲70は許容上限値70aのみによって定まる例を示す。許容範囲70は、情報処理装置54の記憶部に記憶される。
【0035】
許容範囲70は、負荷により変化する検出状態量が許容範囲70内にある場合に、動力伝達装置10の特定性能(寿命等)に関する仕様を満足できるように設定される。例えば、許容範囲70内に検出状態量Va1がある場合、特定性能に関して仕様を満足でき得る組付状態であることを示す。これに対して、許容範囲70外に検出状態量Va2がある場合、特定性能に関して仕様を満足でき得ない組付状態であることを示す。
【0036】
検出状態量と、動力伝達装置10の特定性能との関係の度合いは、動力伝達装置10の種類毎、センサ50の位置毎に変化する。このため、動力伝達装置10の種類毎、センサ50の位置毎に、動力伝達装置10の仕様を考慮して許容範囲70を設定しておき、その種類、位置に対応する許容範囲70を用いて組付状態の良否を判定するとよい。ここでの異なる種類の動力伝達装置10とは、例えば、動力伝達装置10のハードウェア構成要素の種類、設計寸法、数、素材等のいずれかが異なるものをいう。
【0037】
図4を参照する。組付相手40に組付対象品42を組み付ける組付方法の作業手順を説明する。本実施形態では、センサ50の検出情報の取得→組付状態の良否の判定、という流れを繰り返し、良好な組付状態を見つけたところで最終組付状態を決定する組付方法を説明する。
【0038】
まず、センサ50により検出される検出情報をセンサ50から情報処理装置54に出力可能となるように、情報処理装置54とセンサ50を接続する接続ステップS10を行う。このとき、前述のように、動力伝達装置10の出力コネクタ58に伝送部材52の相手コネクタ52aを装着する。
【0039】
次に、組付相手40に対して組付対象品42を組み付けた組付状態にする。この後、組付対象品42が組付状態にあるときに、センサ50の検出情報を取得する取得ステップS12を行う。取得ステップS12は、センサ50により検出される検出情報を情報処理装置54に出力し、情報処理装置54によりセンサ50の検出情報を取得することで行われる。このとき、情報処理装置54による制御のもとでセンサ50から情報処理装置54に検出情報を出力させてもよいし、センサ50から情報処理装置54に自動的に検出情報を出力してもよい。
【0040】
次に、取得したセンサ50の検出情報に基づいて、組付対象品42の組付状態の良否を判定する判定ステップS14を行う。ここでは、検出情報の示す検出状態量が許容範囲70内にあるか否かに基づいて、組付対象品42の組付状態の良否を判定する。判定ステップS14では、検出状態量が許容範囲70外である場合、組付対象品42の組付状態が良好ではないと判定する。これに対して、検出状態量が許容範囲70内である場合、組付対象品42の組付状態が良好であると判定する。
【0041】
判定ステップS14において、組付状態が良好であると判定された場合(S14のY)、その組付状態を最終組付状態として決定する決定ステップS16を行う。これに対して、判定ステップS14において、組付状態が良好ではないと判定された場合(S14のN)、組付対象品42の組付状態を調整する調整ステップS18を行う。調整ステップS18は、組付状態が良好ではないと判定された場合に、検出状態量を許容範囲70内に収めるために行われる。
【0042】
組付状態の調整は、例えば、(1)組付相手40又は組付対象品42の少なくとも一方を交換することで行われてもよい。これは、主に、組付相手40又は組付対象品42のうち、その交換しようとするものの寸法を製造バラツキの範囲内で調整するサイジングを目的として行われる。ここでの「交換」とは、組付相手40又は組付対象品42のうちの交換対象と、その交換対象と同じ製造条件のもとで製造された交換対象と同種のものとを交換することをいう。ここでの同じ製造条件とは、設計寸法、加工条件、素材等の製造上の条件が同じであることを意味する。このとき、組付相手40又は組付対象品42の全体を交換対象とせずに、そのうちの一部の構成要素のみを交換対象としてもよい。これにより、例えば、製造バラツキによるゆがみに起因して組付状態の不良を招いていた場合に、目標形状からのずれを低減することで、検出状態量を許容範囲70内に収めることができ得る。なお、交換する組付相手40又は組付対象品42は、同じ製造条件のもとで製造されたものに限定されるものではなく、例えば異なる設計や異なる製造条件のもとで製造された組付相手40又は組付対象品42としてもよい。
【0043】
この他にも、組付状態の調整は、例えば、(2)組付相手40又は組付対象品42の少なくとも一方において組付状態に影響を及ぼす箇所を加工することで行われてもよい。これは、主に、組付状態に影響を及ぼす箇所の寸法を調整するサイジングを目的として行われる。ここでの「組付状態に影響を及ぼす箇所」とは、例えば、組付相手40及び組付対象品42の接触面34A、34Bをいう。ここでの「加工」とは、例えば、切削加工、研削加工等である。この場合、組付状態に影響を及ぼす箇所が設計上の目標形状に近づくように加工する。これにより、(1)と同様、例えば、製造バラツキによるゆがみに起因して組付状態の不良を招いていた場合に、目標形状からのずれを低減することで、検出状態量を許容範囲70内に収めることができ得る。
【0044】
この他にも、組付状態の調整は、(3)組付相手40から組付対象品42を分解し、組付相手40に組付対象品42を再び組み付ける再組み付けを行うことで行われてもよい。このとき、組付相手40から組付対象品42を分解した後、組付相手40と組付対象品42との間の異物の有無等を確認したうえで再組み付けを行う。これにより、異物の噛み込み等の作業不良に起因して組付状態の不良を招いた場合に、検出状態量を許容範囲70内に収めることができ得る。
【0045】
この他にも、組付状態の調整は、(4)組付結果物46の構成品の少なくとも一つを交換することなく動かすことで実現してもよい。ここでの「構成品」は、組付相手40、組付対象品42の他に、組付相手40に対して組付対象品42を固定するためのボルトB等の固定具を含む。これは、例えば、ボルトBの締付度合いがきつすぎる場合に、そのボルトBを動かすことで締付け度合いを変更する場合を想定している。この他にも、これは、組付相手40に対して組付対象品42を目標位置とは異なる位置に誤って配置していた場合に、両者の一方を動かすことで組付対象品42の位置を目標位置に変更する場合を想定している。ここでの位置を変更するとは、例えば、軸方向位置及び周方向位置(位相)のうちのいずれかを変更することをいう。これにより、誤組付等の作業不良に起因して組付状態の不良を招いていた場合に、検出状態量を許容範囲70内に収めることができ得る。また、この位置の変更は、組付対象品42を目標位置とは異なる位置に誤って配置した場合に限らず、目標位置に配置した場合に行ってもよい。これは、例えば、製造誤差等により組付相手40又は組付対象品42の周方向の形状が一定でない場合に、組付相手40に対する組付対象品42の周方向位置(位相)を変更する場合を想定している。これにより、検出状態量を許容範囲70内に収めることができ得る。
【0046】
調整ステップS18後、調整された組付対象品42の組付状態で、再度、取得ステップS12と判定ステップS14を行う。この調整ステップS18→取得ステップS14→判定ステップS12の流れは、判定ステップS14において組付状態が良好であると判定されるまで行う。この結果、決定ステップS16を経て最終組付状態が決定され、組付対象品42の組付作業が完了する。
【0047】
以上の手順を経ることで、良好な組付状態と一度判定されてしまえば、それ以降は調整ステップS18が不要となるため、作業工数を削減しつつ最終組付状態を決定できるようになる。
【0048】
なお、判定ステップS14と決定ステップS16は、情報処理装置54及び作業者のいずれが行ってもよい。判定ステップS14及び決定ステップS16の両方を情報処理装置54が行う場合、作業者が最終組付状態を把握できるようにするため、決定した最終組付状態を示す情報(画面、音声等)を情報処理装置54の出力部から出力してもよい。判定ステップS14及び決定ステップS16の両方を作業者が行う場合、検出状態量と許容範囲70とを作業者が把握できるようにするため、それらを示す確認用画像を情報処理装置54の出力部から出力してもよい。この他にも、情報処理装置54が判定ステップS14を行い、その判定結果を示す情報を出力部から出力し、その出力に基づいて作業者が決定ステップを行ってもよい。また、組付相手40に対する組付対象品42の組み付け、調整ステップS18において、組付相手40及び組付対象品42のそれぞれを動かす動作主体は作業者(人間)及び産業用ロボットの何れであってもよい。
【0049】
ここまで説明した各ステップを情報処理装置54により行う場合、そのための処理プログラムを予め情報処理装置54の記憶部に記憶しておき、その処理プログラムを情報処理装置54により読み出すことで各ステップを実行すればよい。
【0050】
以上の組付作業は、組付相手40及び組付対象品42のいずれかが複数ある場合、組付相手40毎、組付対象品42毎に行ってもよい。例えば、本実施形態では組付相手40として複数の外部部材30A、30Bがある。以上の組付作業は、第1外部部材30A(組付相手40)に動力伝達装置10(組付対象品42)を組み付けるときの他に、第2外部部材30B(組付相手40)に動力伝達装置10を組み付けるときにも行ってもよい。後者の場合、第2外部部材30Bに固定される第2固定部品32B(出力用内歯歯車28B)にセンサ50を設け、そのセンサ50の検出情報を用いて取得ステップ等を行ってもよい。
【0051】
以上の動力伝達装置10の効果を説明する。
【0052】
動力伝達装置10は、外部部材30Aに動力伝達装置10を組み付けているときに、動力伝達装置10に関する状態量を示す検出情報を出力するセンサ50を備える。よって、動力伝達装置10の組付作業をするときに、センサ50から出力される検出情報を用いて把握できる範囲で、その組付状態の良否を把握できるようになる。例えば、本実施形態のセンサ50は、動力伝達装置10の構成部品に作用する負荷により変化する状態量として歪みを検出している。よって、センサ50から出力される検出情報を用いて、組付状態に応じて変化する動力伝達装置10の負荷の状態を把握することで、その組付状態の良否を把握できるようになる。
【0053】
組付作業をするときに組付状態の良否を把握できるため、組付状態の不良を早期に発見できるようになる。また、センサ50から出力される検出情報を用いて、組付状態の良否を簡単に把握できるようになる。
【0054】
従来、組付状態に応じて動力伝達装置10の負荷、特定性能等が変化する場合、その負荷、特定性能等との関係で良好な組付状態になっているか、動力伝達装置10の製造元から提供を受けた利用者が把握する手段は存在していなかった。この点、本実施形態によれば、動力伝達装置10の利用者が組付作業をするとき、センサ50から出力される検出情報を用いて、その負荷、特定性能等との関係で良好な組付状態になっているか、利用者自身が把握できるようになる。よって、センサ50から出力される検出情報を用いて利用者自身が組付状態を調整することで、動力伝達装置10の高性能化、高耐久性化を図るように利用者自身で改良可能になる。
【0055】
動力伝達装置10の製造元は、通常、動力伝達装置10の利用者による外部部材30A等に対する組付状態のバラツキが大きくなることを考慮して、高い製品精度の動力伝達装置10を製造している。この点、本実施形態によれば、利用者自身で動力伝達装置10の組付状態を調整することで、利用者による組付状態のバラツキを軽減できるようになる。よって、動力伝達装置10に要求される製品精度を緩和でき、その分、動力伝達装置10の製造コストの軽減を図ることができる。
【0056】
センサ50は、動力伝達装置10の運転中に、検出情報に基づいて被制御装置36を制御する制御装置38に検出情報を出力する。よって、制御装置38の制御に用いられるセンサ50によって、組付状態の良否の判定のためのセンサ50を兼ねることができる。ひいては、組付状態の良否の判定のための専用のセンサを動力伝達装置10に組み込まずに済み、動力伝達装置10の構成を簡素化できる。
【0057】
センサ50は、組付相手40(ここでは外部部材30A)に組付対象品42(ここでは動力伝達装置10)を組み付けているとき、情報処理装置54に検出情報を出力する。よって、検出情報を用いて組付状態の良否を判定するための情報(許容範囲70、処理プログラム等)等を制御装置38に持たせずに済み、制御装置38の機能を簡素化できる。
【0058】
動力伝達装置10は出力コネクタ58を備える。よって、組付相手40(ここでは外部部材30A)に組付対象品42(ここでは動力伝達装置10)を組み付けるときは、出力コネクタ58に伝送部材52を装着し、伝送部材52を介して検出情報を出力できる。また、組付作業が完了した後は、出力コネクタ58から伝送部材52を取り外すことで、伝送部材52と周辺の物体との干渉を避けることができる。
【0059】
(第2実施形態)図5を参照する。組付相手40に組付対象品42を組み付ける組付方法の他の作業手順を説明する。ここでも、組付対象品42が動力伝達装置10であり、組付相手40が第1外部部材42Aである例を説明する。本実施形態では、複数の組付状態毎にセンサ50の検出情報を先に取得しておいて、その後に最終組付状態を決定する組付方法を説明する。
【0060】
まず、第1実施形態と同様、情報処理装置54とセンサ50を接続する接続ステップS10を行う。
【0061】
次に、組付相手40に対する組付対象品42の組付状態を調整することで得られた異なる複数の組付状態毎に、センサ50の検出情報を取得する取得ステップS20を行う。組付状態の調整は、例えば、前述の(1)~(4)で説明したいずれかの流れを行うことで実現される。取得ステップS20は、所定数の組付状態でのセンサ50の検出情報を取得し終えるまで、センサ50の検出情報の取得→組付対象品42の組付状態の調整を繰り返す。
【0062】
次に、取得した複数の組付状態毎のセンサ50の検出情報に基づいて、複数の組付状態のなかからいずれかを最終組付状態として決定する決定ステップS22を行う。このとき、第1実施形態と同様、取得したセンサ50の検出情報に基づいて、組付対象品42の組付状態の良否を判定する判定ステップを組付状態毎に行う。この判定ステップの内容は第1実施形態と同様である。
【0063】
この後、組付状態毎に行った判定ステップの判定結果に基づいて最終組付状態を決定する。このとき、判定ステップにより良好であると判定された組付状態が単数のみの場合、その組付状態を最終組付状態として決定する。判定ステップにより良好であると判定された組付状態が複数ある場合、そのうちの任意の組付状態を最終組付状態として決定してもよい。この他にも、所定の決定基準に従って、そのうちの特定の組付状態を最終組付状態として決定してもよい。例えば、許容範囲70内において検出状態量の目標値を設定し、目標値に最も近い検出状態量を取得できた組付状態を最終組付状態として決定してもよい。この他にも、判定ステップにより良好であると判定された組付状態がない場合、追加で所定数の組付状態でのセンサ50の検出情報を取得したうえで、決定ステップS22を再び行ってもよい。
【0064】
決定ステップS22において、最終組付状態を決定した時点において、その決定した最終組付状態とは異なる組付状態になっている場合、決定した最終組付状態となるように、組付対象品42を組付相手40に組み付ける。これに対して、最終組付状態を決定した時点において、その決定した最終組付状態になっていれば、その最終組付状態のまま実際に使用する。
【0065】
以上の手順を経ることで、複数の組付状態のなかから最も良好であると判定された組付状態を最終組付状態として決定できる。この他の点においては、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
(第3実施形態)図6を参照する。次に、動力伝達装置10の構成部品間の組付作業を想定した内容を説明する。動力伝達装置10は、相手部品80と、相手部品80に組み付けられる組付部品82A、82Bと、を備える。相手部品80及び組付部品82A、82Bのいずれも、単一又は複数の部材から構成される。
【0067】
本実施形態の相手部品80は、起振体22と、外歯歯車24と、起振体軸受26とを備えている。本実施形態の組付部品82A、82Bは、第1組付部品82Aと第2組付部品82Bとを含んでいる。第1組付部品82Aは減速用内歯歯車28Aを備えており、第2組付部品82Bは出力用内歯歯車28Bを備えている。相手部品80と組付部品82A、82Bのそれぞれは互いに噛み合う歯車対84を構成する個別の歯車を備えている。ここでの個別の歯車として、本実施形態において、相手部品80は外歯歯車24、組付部品82A、82Bは内歯歯車28A、28Bを備えている。
【0068】
本実施形態の組付方法では、組付作業における組付相手40が相手部品80であり、組付対象品42が第1組付部品82Aである例を説明する。組付相手40に対して組付対象品42を組み付けたとき、組付対象品42の組付状態によって、動力伝達装置10の特定性能が変化し得る。本実施形態では、外歯歯車24を備える相手部品80に、内歯歯車28Aを備える第1組付部品82Aを組み付けたとき、製造バラツキ(寸法バラツキ)等の影響で、外歯歯車24と内歯歯車28Aからなる歯車対84の噛合部におけるバックラッシが変化し得る。ここでは、このような動力伝達装置10の特定性能であるバックラッシとの関係で、組付状態の良否を判定するための工夫点を説明する。
【0069】
動力伝達装置10は、相手部品80又は組付部品82Aに関する状態量を検出するセンサ50を備える。相手部品80又は組付部品82Aに関する状態量とは、相手部品80又は組付部品82Aに作用する状態量をいう。センサ50は、第1実施形態と同様、組付相手40に対する組付対象品42の組付状態に応じて変化する状態量を検出する。センサ50は、このような状態量として、動力伝達装置10の特定性能と相関関係のある状態量を検出する。この特定性能は、センサ50により検出される状態量と同様、組付対象品42(ここでは組付部品82A)の組付状態に応じて変化する。本実施形態において、この「特定性能」は、歯車対84の噛合部におけるバックラッシをいい、それと相関関係のある状態量とは相手部品80及び組付部品82Aのいずれかに作用する歪み、応力、荷重等をいう。バックラッシと歪み等との間には、バックラッシが大きくなるほど歪み等が小さくなり、バックラッシが小さくなるほど歪み等が大きくなる負の相関関係がある。本実施形態のセンサ50は、このような状態量として、第1組付部品82A(減速用内歯歯車28A)に作用する歪みを検出する例を説明する。
【0070】
図7を参照する。本実施形態の許容範囲70は許容上限値70a及び許容下限値70bの両方によって定まる例を示す。検出状態量に対して設定される許容範囲70は、動力伝達装置10の特定性能(ここではバックラッシ)と相関関係のある検出状態量が許容範囲70内にある場合に、その特定性能に関する仕様を満足できるように設定される。ここでは、「特定性能に関する仕様」として、バックラッシの仕様範囲が上下限値によって設定されている場合を考える。前述の通り、バックラッシと検出状態量(歪み)との間には負の相関関係がある。よって、この場合、検出状態量に設定される許容範囲70の許容上限値70aは、バックラッシを仕様範囲の下限値以上にするための条件として設定される。また、検出状態量に設定される許容範囲70の許容下限値70bは、バックラッシを仕様範囲の上限値以下にするための条件として設定される。
【0071】
例えば、許容範囲70内に検出状態量Vb1がある場合、特定性能(バックラッシ)に関して仕様を満足でき得る組付状態であることを示す。これに対して、許容範囲70外に検出状態量Vb2、Vb3がある場合、特定性能(バックラッシ)に関して仕様を満足でき得ない組付状態であることを示す。例えば、許容範囲70の許容上限値70aを検出状態量Vb2が上回る場合、つまり、歪み等の検出状態量が組付部品82Aに過大に作用する場合を考える。この場合、バックラッシが過度に小さくなり過ぎて、バックラッシが仕様範囲の下限値未満となり得る組付状態になることを示す。また、許容範囲70の許容下限値70bを検出状態量Vb3が下回る場合、つまり、歪み等の検出状態量が組付部品82Aに過小に作用する場合を考える。この場合、バックラッシが過大に大きくなり過ぎて、バックラッシが仕様範囲の上限値超になり得る組付状態であることを示す。
【0072】
次に、動力伝達装置10の構成部品間の組付方法を説明する。本実施形態でも、第1実施形態(図4参照)、第2実施形態(図5参照)のいずれかと同様の作業手順で組付方法を行うことができる。ここでは、図5を参照して、第2実施形態と同様の作業手順で行う場合の流れを簡単に説明する。
【0073】
まず、第2実施形態と同様、情報処理装置54とセンサ50を接続する接続ステップS10を行う。次に、組付相手40(ここでは相手部品80)に対する組付対象品42(ここでは組付部品82A)の組付状態を調整することで得られた異なる複数の組付状態毎に、センサ50の検出情報を取得する取得ステップS20を行う。組付状態の調整は、例えば,前述の(1)で説明したように、組付相手40又は組付対象品42の少なくとも一方を交換することで行ってもよい。このとき、組付対象品42となる内歯歯車28Aを交換してもよいし、組付相手40の一部の構成要素となる外歯歯車24を交換してもよい。これは、主に、製造バラツキの範囲内で歯車対84の噛合部の寸法を調整するサイジングを目的として行われる。これにより、仕様範囲内のバックラッシを実現するうえで適した寸法を持つ外歯歯車24と内歯歯車28Aの組み合わせを探し出せる。この後、第2実施形態と同様の流れで、取得した複数の組付状態毎のセンサ50の検出情報に基づいて、複数の組付状態のなかからいずれかを最終組付状態として決定する決定ステップS22を行う。なお、製造バラツキの範囲内で歯車対84の噛合部の寸法を調整する場合に限らず、例えば寸法を異ならせて製造した組付相手40又は組付対象品42を交換するようにしてもよい。
【0074】
以上の組付作業は、第1実施形態で説明したように、組付相手40及び組付対象品42のいずれかが複数ある場合、組付相手40毎、組付対象品42毎に行ってもよい。例えば、本実施形態では組付対象品42として複数の組付部品82A、82Bがある。よって、組付作業は、相手部品80に第1組付部品82Aを組み付けるときの他に、相手部品80に第2組付部品82Bを組み付けるときに行ってもよい。後者の場合、第2組付部品82Bにセンサ50を設け、そのセンサ50の検出情報を用いて取得ステップ等を行ってもよい。
【0075】
また、ここまでセンサ50は、組付部品82A、82Bに関する状態量を検出する例を説明したが、相手部品80に作用する状態量を検出してもよい。この場合、組付部品82A、82Bに替えて、相手部品80にセンサ50を設けてもよい。
【0076】
以上の動力伝達装置10の効果を説明する。
【0077】
本実施形態の動力伝達装置10は、組付部品82Aを相手部品80に組み付けているときに、相手部品80又は組付部品82Aのいずれかに関する状態量を示す検出情報を出力するセンサ50を備える。よって、前述と同様、組付部品82Aの組付作業をするときに、センサ50から出力される検出情報を用いて把握できる範囲で、その組付状態の良否を把握できるようになる。例えば、本実施形態のセンサ50は、動力伝達装置10の特定性能と相関関係のある状態量を検出している。よって、センサ50から出力される検出情報を用いて、組付状態に応じて変化する動力伝達装置10の特定性能(ここではバックラッシ)の状態を把握することで、その組付状態の良否を把握できるようになる。
【0078】
この他にも、本実施形態においても、先に第1実施形態で説明した事項と同様の効果を得ることができる。
【0079】
また、本実施形態のように、歯車対84の個別の歯車を組付相手40、組付対象品42のそれぞれが備える場合、以下の利点がある。良好なバックラッシの歯車対84を組み立てるうえでは次の手順が想定される。バックラッシの良否は歯車対84を構成する各歯車の所定の歯車寸法の組み合わせによって決まる。所定の歯車寸法とは、例えば、外歯歯車でいえばOBD(over ball diameter)、内歯歯車でいえばBBD(between ball diameter)である。そこで、良好なバックラッシを得ることのできる各歯車の歯車寸法の組み合わせを規定するテーブルを予め作成しておく。次に、同じ製造条件のもとで製造された第1歯車群のなかから第1歯車を選択し、その選択した第1歯車の第1歯車寸法を測定する。次に、予め作成したテーブルを用いて、第1歯車の歯車寸法の測定値に対応する第2歯車の第2歯車寸法を特定する。次に、同じ製造条件のもとで製造された第2歯車群から、特定した第2歯車寸法を持つ第2歯車を探し出す。このとき、テーブルから特定した第2歯車寸法を持つ第2歯車を探し出すまで、第2歯車群のなかから第2歯車を選択したうえで、その選択した第2歯車の第2歯車寸法を測定する作業を繰り返す。次に、選択した第1歯車と探し出した第2歯車とを組み合わせて歯車対84を組み立てる。
【0080】
このような手順を経る場合、歯車対84の組立作業毎に、事前に各歯車の歯車寸法を測定する手間が生じる。また、組立作業後に得られた歯車対84のバックラッシの良否は、通常、歯車対84を組み込んだ動力伝達装置10を対象として、バックラッシに関する性能(例えば、ヒステリシスロス等)の出荷検査をするまで把握できない。仮に、出荷検査によりバックラッシに関する性能が不良であると判断されると、組み立て済みの動力伝達装置10を分解したうえで歯車対84の再組み立てを要し、作業工数の増大を招く。
【0081】
この点、本実施形態によれば、組付相手40に対する組付対象品42の組付作業をするときに、センサ50の検出情報を用いてバックラッシとの関係で組付状態の良否を判断できる。よって、良好なバックラッシを得ることのできる組付状態を実現するために、歯車対の組立作業毎に、事前に各歯車の歯車寸法を測定する手間を不要にすることができる。また、動力伝達装置10の出荷検査よりも前に、組付相手40に対する組付対象品42の組付作業をするときにバックラッシとの関係で組付状態の良否を判断できる。よって、動力伝達装置の出荷検査後に分解する恐れを軽減でき、それに伴う作業工数の増大を回避できる。
【0082】
図8図9を参照する。センサ50から出力される検出情報の他の用法を説明する。相手部品80に対して組付部品82Aを組み付けるときの、組付部品82Aに対する相手部品80の位置を検討する。
【0083】
本実施形態では、外歯歯車24を備える相手部品80に対して、内歯歯車28Aを備える組付部品82Aを軸方向Xに相対的に移動させることで、相手部品80に組付部品82Aが組み付けられる。このように相手部品80に対して組付部品82Aを移動させる過程で、許容範囲70内の検出状態量が検出され始める組付部品82Aの位置を組み付け始め位置Pa1という。また、相手部品80に対して組付部品82Aを移動させるうえで、最終組付状態であるか否かにかかわりなく、その時点で目標とする組付状態を実現する位置を組み付け終わり位置Pa2という。図8(A)は、組付部品82Aが組み付け始め位置Pa1にある状態を示し、図8(B)は、組付部品82Aが組み付け終わり位置Pa2にある状態を示す。以下、組み付け始め位置Pa1から組み付け終わり位置Pa2に至るまでに、組付部品82Aが移動する範囲を移動範囲R1という。
【0084】
センサ50は、組み付け始め位置Pa1から組み付け終わり位置Pa2に組付部品82Aが至るまで、複数回又は連続的に、センサ50の検出情報を出力する。本実施形態のセンサ50は、組み付け始め位置Pa1から組み付け終わり位置Pa2に至るまでの全域において、センサ50の検出情報を連続的に出力する。この他にも、センサ50は、組み付け始め位置Pa1から組み付け終わり位置Pa2に至るまで、センサ50の検出情報を複数回出力してもよい。この場合、センサ50の検出情報は、所定の出力期間毎に周期的にセンサ50の検出情報を出力してもよい。
【0085】
これにより、センサ50の検出情報を出力した時点毎に、センサ50から出力される検出情報を用いて、相手部品80に対する組付部品82の状態を把握できるようになる。例えば、図8の二点鎖線Laの例では、組み付け始め位置Pa1を通過してしばらくは検出状態量が許容範囲70内にあり、移動範囲R1内の途中位置Pb1で検出状態量が許容上限値を上回っている。これは、位置Pb1に達するまでは仕様範囲内のバックラッシの状態であり、位置Pb1に達した以降は仕様範囲外の小さいバックラッシの状態になり得ていることを示す。これは、例えば、歯車対84において位置Pb1に達した以降に噛み合い始めた箇所に、組付状態の不良の原因となり得る箇所(例えば、歯厚が過度に厚くなる箇所)があることを示す。
【0086】
また、図8の一点鎖線Lbの例では、組み付け始め位置Pa1を通過してしばらくは検出状態量が許容範囲70内にあり、移動範囲R1内の途中位置Pb2で検出状態量が許容下限値70bを下回っている。これは、位置Pb2に達するまでは仕様範囲内のバックラッシの状態であり、位置Pb2に達した以降は仕様範囲外の大きいバックラッシの状態になり得ていることを示す。
【0087】
なお、組み付け始め位置Pa1から組み付け終わり位置Pa2に至るまでの組付部品82Aの移動方向は軸方向Xのみに限定されるものではない。この移動方向は、例えば、軸方向Xと周方向を組み合わせてもよい。
【0088】
相手部品80と組付部品82A、82Bの組み合わせの具体例は特に限定されない。相手部品80及び組付部品82A、82Bは、従動装置18が歯車装置20である場合、その歯車装置20の種類によらず、歯車対84を構成する個別の歯車を備えていてもよい。ここでの歯車対84を構成する個別の歯車の具体例は特に限定されず、実施形態のような外歯歯車、内歯歯車の他、一対の外歯歯車、一対の傘歯車、ラックアンドピニオン等でもよい。
【0089】
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。
【0090】
動力伝達装置10の具体例は特に限定されない。動力伝達装置10は、従動装置18及び駆動装置14のうちの一方のみを備えていてもよいし、駆動装置14と従動装置18の両方を備えていてもよい。これら両方を備える場合、動力伝達装置10は、例えば、電動アクチュエータ、流体アクチュエータ(液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ等)等でもよい。
【0091】
駆動装置14の具体例は特に限定されず、モータ装置の他に、ポンプを用いた流体駆動装置等でもよい。従動装置18の具体例は特に限定されず、歯車装置20の他に、トラクションドライブ等でもよい。
【0092】
歯車装置20の種類の具体例は特に限定されない。この種類は、撓み噛合い型歯車装置の他に、偏心揺動型歯車装置、単純遊星歯車装置、直交軸歯車装置、平行軸歯車装置等のいずれでもよい。偏心揺動型歯車装置の種類の具体例も特に限定されず、センタークランクタイプ、振り分けタイプ等のいずれでもよい。撓み噛合い型歯車装置の種類の具体例も特に限定されず、筒型の他に、カップ型、シルクハット型のいずれでもよい。
【0093】
被制御装置36は駆動装置14となるモータ装置である例を説明したが、その具体例は特に限定されない。被制御装置36は、例えば、流体アクチュエータ等に用いられる流体駆動装置等でもよい。この他にも、被制御装置36は、例えば、動力伝達装置10の動力伝達部材(回転軸等)を制動するブレーキでもよい。
【0094】
動力伝達装置10は、実施形態とは異なり、制御装置38を備えていてもよい。この場合、制御装置38は、動力伝達装置10と一体に設けられていてもよいし、動力伝達装置10とは別体に設けられていてもよい。
【0095】
センサ50は、動力伝達装置10の運転中に、制御装置38に検出情報を出力しなくともよい。センサ50は、制御装置38による制御のためのセンサとは別に設けられ、組付状態の良否の把握のための専用のセンサとして機能してもよいともいえる。
【0096】
制御装置38は、情報処理装置54を兼ねていてもよい。センサ50は、組付相手40に組付対象品42を組み付けているとき、情報処理装置54を兼ねる制御装置38に検出情報を出力してもよいともいえる。
【0097】
動力伝達装置10は出力コネクタ58を備えずともよい。この場合、センサ50と制御装置38を接続する配線部材56の接続先を制御装置38から情報処理装置54に替えて、配線部材56を介してセンサ50から検出情報を情報処理装置54に出力してもよい。この他にも、情報処理装置54と無線接続するための無線通信モジュールをセンサ50に組み込み、伝送部材52を用いずに、センサ50から情報処理装置54に検出情報を出力してもよい。センサ50から情報処理装置54への検出情報の出力方法は特に限定されないともいえる。
【0098】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0099】
以上の構成要素の任意の組み合わせも有効である。例えば、実施形態に対して他の実施形態の任意の説明事項を組み合わせてもよいし、変形形態に対して実施形態及び他の変形形態の任意の説明事項を組み合わせてもよい。実施形態において単数部材により構成された構成要素は複数部材で構成されてもよい。同様に、実施形態において複数部材により構成された構成要素は単数部材で構成されてもよい。また、本開示の構成要素及び表現のいずれかを、方法、装置、システム等の間で相互に置換したものも、本開示の態様として有効である。
【符号の説明】
【0100】
10…動力伝達装置、30A、30B…外部部材、36…被制御装置、38…制御装置、40…組付相手、42…組付対象品、50…センサ、54…情報処理装置、58…出力コネクタ、80…相手部品、82A、82B…組付部品。
図1
図2
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図9