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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046259
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】車両用回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240327BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H05K3/46 U
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
H05K7/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151542
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西塚 万規夫
【テーマコード(参考)】
5E316
5E322
【Fターム(参考)】
5E316AA15
5E316AA42
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316BB13
5E316CC08
5E316CC16
5E316EE01
5E316FF01
5E316GG15
5E316GG28
5E316HH17
5E316HH22
5E316HH40
5E316JJ02
5E322AA03
5E322AA11
5E322AB02
5E322AB08
5E322EA10
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】放熱性を高めることが可能な車両用回路基板を提供する。
【解決手段】車両に搭載される回路基板10であって、基板20と、前記基板20に実装され、熱源端子33を有する第1電子部品30と、前記基板20に実装され、通信機能、記憶機能、及び情報処理機能のうち少なくともいずれかの機能を有する第2電子部品40と、前記基板20に設けられ、前記熱源端子33と前記第2電子部品40の空き端子43とを接続する伝熱路50と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される回路基板であって、
基板と、
前記基板に実装され、熱源端子を有する第1電子部品と、
前記基板に実装され、通信機能、記憶機能、及び情報処理機能のうち少なくともいずれかの機能を有する第2電子部品と、
前記基板に設けられ、前記熱源端子と前記第2電子部品の空き端子とを接続する伝熱路と、を備えている、車両用回路基板。
【請求項2】
前記第1電子部品及び前記第2電子部品はいずれも、前記基板の表裏両面のうち一方の第1面に配置され、
前記伝熱路は、前記第1面において前記熱源端子から前記第2電子部品の空き端子まで延びている、請求項1に記載の車両用回路基板。
【請求項3】
前記基板は、複数の絶縁層を積層した積層基板であり、
前記第1電子部品及び前記第2電子部品はいずれも、前記積層基板の表裏両面のうち一方の第1面に配置され、
前記伝熱路は、前記積層基板の内部を通って前記熱源端子から前記第2電子部品の空き端子まで延びている、請求項1又は請求項2に記載の車両用回路基板。
【請求項4】
前記第1電子部品は、前記基板の表裏両面のうち一方の第1面に配置され、前記第2電子部品は、前記基板の表裏両面のうち他方の第2面に配置され、
前記伝熱路は、前記基板を厚さ方向に貫通して前記熱源端子から前記第2電子部品の空き端子まで延びている、請求項1に記載の車両用回路基板。
【請求項5】
前記空き端子は、通信機能を有する入出力用の端子である、請求項1に記載の車両用回路基板。
【請求項6】
前記空き端子は、情報記憶用の端子である、請求項1に記載の車両用回路基板。
【請求項7】
前記第1電子部品に入力される電流の最大値は、前記第2電子部品に入力される電流の最大値よりも大きい、請求項1に記載の車両用回路基板。
【請求項8】
前記第1電子部品は、パワー系デバイスである、請求項1に記載の車両用回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される回路基板の熱対策として様々な方法が知られている。例えば下記特許文献1には、回路基板に実装された発熱部品のリード部と、回路基板に実装されたコネクタの固定用のペグとを、プリント配線を介して接続する方法が記載されている。この方法によれば、発熱部品の熱は、プリント配線を伝わってコネクタの固定用のペグに逃がされる。固定用のペグを放熱構造の一部として利用することによって、熱対策専用の部品を用いることなく放熱性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-41485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成において発熱部品の放熱先は固定用のペグに限られる。発熱部品の放熱先を増やし、車両用回路基板の放熱性を高めたいという要望がある。
【0005】
本開示は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、放熱性を高めることが可能な車両用回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車両用回路基板は、車両に搭載される回路基板であって、基板と、前記基板に実装され、熱源端子を有する第1電子部品と、前記基板に実装され、通信機能、記憶機能、及び情報処理機能のうち少なくともいずれかの機能を有する第2電子部品と、前記基板に設けられ、前記熱源端子と前記第2電子部品の空き端子とを接続する伝熱路と、を備えているものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、放熱性を高めることが可能な車両用回路基板を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態にかかる車両用回路基板を示す平面図である。
図2図2は、車両用回路基板を示す断面図であって、図1のA-A位置における断面に相当する断面図である。
図3図3は、車両用回路基板を示す断面図であって、図1のB-B位置における断面に相当する断面図である。
図4図4は、車両用回路基板を示す断面図であって、図1のC-C位置における断面に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の車両用回路基板は、
(1)車両に搭載される回路基板であって、基板と、前記基板に実装され、熱源端子を有する第1電子部品と、前記基板に実装され、通信機能、記憶機能、及び情報処理機能のうち少なくともいずれかの機能を有する第2電子部品と、前記基板に設けられ、前記熱源端子と前記第2電子部品の空き端子とを接続する伝熱路と、を備えているものである。このような構成によれば、第1電子部品の熱は、伝熱路を介して第2電子部品の空き端子に逃がされる。第2電子部品の空き端子を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
(2)前記第1電子部品及び前記第2電子部品はいずれも、前記基板の表裏両面のうち一方の第1面に配置され、前記伝熱路は、前記第1面において前記熱源端子から前記第2電子部品の空き端子まで延びていてもよい。このような構成によれば、第1電子部品の熱は、第1面の伝熱路を介して第2電子部品の空き端子に逃がされる。第2電子部品の空き端子を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
(3)前記基板は、複数の絶縁層を積層した積層基板であり、前記第1電子部品及び前記第2電子部品はいずれも、前記積層基板の表裏両面のうち一方の第1面に配置され、前記伝熱路は、前記積層基板の内部を通って前記熱源端子から前記第2電子部品の空き端子まで延びていてもよい。このような構成によれば、第1電子部品の熱は、積層基板の内部を通って第2電子部品の空き端子に逃がされる。第1面に伝熱路を配置できない場合であっても、第2電子部品の空き端子を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
(4)前記第1電子部品は、前記基板の表裏両面のうち一方の第1面に配置され、前記第2電子部品は、前記基板の表裏両面のうち他方の第2面に配置され、前記伝熱路は、前記基板を厚さ方向に貫通して前記熱源端子から前記第2電子部品の空き端子まで延びていてもよい。このような構成によれば、第1電子部品の熱は、基板を厚さ方向に貫通して第2電子部品の空き端子に逃がされる。第2面に配置されている第2電子部品の空き端子を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
(5)前記空き端子は、通信機能を有する入出力用の端子であってもよい。このような構成によれば、入出力用の端子を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
(6)前記空き端子は、情報記憶用の端子であってもよい。このような構成によれば、情報記憶用の端子を放熱構造として利用できるから、放熱性をより高めることができる。
(7)前記第1電子部品に入力される電流の最大値は、前記第2電子部品に入力される電流の最大値よりも大きいものとしてもよい。このような構成によれば、第1電子部品は高発熱部品であり、第2電子部品は、第1電子部品よりも低い発熱部品である。
(8)前記第1電子部品は、パワー系デバイスであるものとしてもよい。このような構成によれば、パワー系デバイスの熱を第2電子部品の空き端子に逃がすことができる。
【0011】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の車両用回路基板の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0012】
本実施形態の車両用回路基板(以後、回路基板10と称する)は、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載される。回路基板10は、ECU(Electronic Control Unit)に備えられる。
【0013】
回路基板10は、図1に示すように、基板20と、第1電子部品30と、第2電子部品40と、伝熱路50と、を備えている。基板20は、図2に示すように、2層の絶縁層21を積層した積層基板である。基板20には、配線パターン24が形成されている。配線パターン24は、基板20の表裏両面のうち一方の第1面22と、基板20の表裏両面のうち他方の第2面23と、基板20の内部とに形成されている。配線パターン24は、銅箔等の導電性材料を含む。配線パターン24は、図面において適宜省略する。
【0014】
第1電子部品30及び第2電子部品40は、基板20に実装されている。第1電子部品30及び第2電子部品40は、通電により発熱する。第1電子部品30の発熱量は、第2電子部品40の発熱量よりも大きい。第1電子部品30は、高発熱部品であり、第2電子部品40は、低発熱部品である。第1電子部品30に入力される電流の最大値は、第2電子部品40に入力される電流の最大値よりも大きい。
【0015】
第1電子部品30は、第1面22に実装されている。第1電子部品30は、パワー系デバイスである。第1電子部品30から出力される電力及び第1電子部品30の発熱量は比較的大きく、耐熱温度も比較的高い。
【0016】
第1電子部品30は、図2に示すように、本体31、端子32及び熱源端子33を有している。本体31は、箱型のパッケージを有している。パッケージの材質は、プラスチック、金属、セラミック等である。端子32は、本体31の底面及び側面から複数突出している。端子32は、リード、電極パッド等である。熱源端子33は、本体31の外面に露出した金属製の部材である。熱源端子33は、放熱パッド、GND端子、ヒートシンク等である。熱源端子33の発熱量は、端子32の発熱量よりも大きい。熱源端子33のうち本体31から露出した部分の体積は、各端子32のうち本体31から露出した部分の体積よりも大きい。
【0017】
第1電子部品30のパッケージの種類は、TO系(Transistor Outline)、SOT系(Small OutlineTransistor)、QFP系(Quad Flat Package)、QFN系(Quad Flat Non-leaded package)、BGA(Ball Grid Array)等であってもよい。第1電子部品30は、SoC(システム・オン・チップ)として構成されてもよい。第1電子部品30は、LDO(Low drop output)リニアレギュレータであってもよい。
【0018】
第2電子部品40は、基板20に複数備えられている。第2電子部品40は、第1面22に実装されている第1面部品40Fと、第2面23に実装されている第2面部品40Sとを備えている。第2電子部品40は、通信機能、記憶機能、及び情報処理機能のうち少なくともいずれかの機能を有している。第2電子部品40は、外部とのデータ通信を行ったり、情報を記憶したり、各種データを処理したりする。第2電子部品40は、マイクロコントローラやメモリ等であって良い。第2電子部品40の発熱量は比較的小さい。
【0019】
第2電子部品40は、本体41、端子42及び空き端子43を有している。本体41は、箱型のパッケージを有している。パッケージの材質は、プラスチック、金属、セラミック等であって良い。端子42は、本体41の底面及び側面から突出している。端子42は、リード、電極パッド等であって良い。
【0020】
空き端子43は、第2電子部品40の端子42のうちのいずれかの端子である。第2電子部品40の端子42のうちいずれの端子を空き端子43とするかは、自由に設定してよい。第2電子部品40の空き端子43は、外部との間で情報や電力のやりとりを行わないものである。第2電子部品40の空き端子43は、配線パターン24に接続されていない。第2電子部品40の空き端子43に熱を流しても第2電子部品40の機能には影響しない。第2電子部品40の空き端子43は、パッケージとして成立させるために備えられているだけのものであって良い。第2電子部品40の空き端子43は、将来的な第2電子部品40の機能拡張のために備えられたものであって良い。例えば空き端子43は、コモンモード(ノイズ抑制)制御用の補助的な端子であってもよい。例えば空き端子43は、入出力用の端子であってもよいし、情報記憶用の端子であってもよい。
【0021】
第2電子部品40のパッケージの種類は、SOP(Small Outline Package)等のSO系、SON系(Small Outline Non-leaded package)、QFP系(Quad Flat Package)、QFN系(Quad Flat Non-leaded package)、BGA(Ball Grid Array)等であってもよい。
【0022】
伝熱路50は、基板20に設けられている。伝熱路50は、第1電子部品30の熱源端子33と第2電子部品40の空き端子43とを接続している。伝熱路50の材質は、熱伝導性が高い伝熱材等である。伝熱路50は、配線パターン24と同様、銅箔等の導電性材料によって形成されていてもよい。伝熱路50は、配線パターン24とは切り離されて交差していない。伝熱路50の幅寸法(延び方向に直交する寸法)は、0.5mm以上である。伝熱路50の幅寸法が小さすぎる場合、放熱効果は低減することがある。しかしながら、伝熱路50の幅寸法は0.5mm以上であるから、十分な放熱効果を得ることができる。
【0023】
伝熱路50は、図2に示すように、第1電子部品30の熱源端子33から第1面部品40Fまで第1面22に沿って延びる第1伝熱路50Fを有している。第1伝熱路50Fは、第1パッド51から第2パッド52まで延びている。第1パッド51には、第1電子部品30の熱源端子33が半田付けされている。第2パッド52には、第2電子部品40の空き端子43が半田付けされている。第1伝熱路50Fは、第1面22に密着している。第1伝熱路50Fは、図1に示すように、1つの第1パッド51と複数の第2パッド52とを有している。第1伝熱路50Fは、第1パッド51から各第2パッド52に向かって分岐している。各第2パッド52は、各第2電子部品40の空き端子43の位置に設けられている。
【0024】
伝熱路50は、図3に示すように、第1電子部品30の熱源端子33から第1面部品40Fまで基板20の内部を通って延びる第2伝熱路50Sを有している。第2伝熱路50Sは、ビア53と内層54とを有している。第2伝熱路50Sは、第1パッド51から第1面22に沿って延びている。ビア53は、第1面22から内層54まで絶縁層21を厚さ方向に貫通している。ビア53は、第1面22の第2伝熱路50Sと内層54とを繋いでいる。内層54は、積層された絶縁層21の間に配置されている。
【0025】
伝熱路50は、図4に示すように、第1電子部品30の熱源端子33から第2面部品40Sまで延びる第3伝熱路50Tを有している。第3伝熱路50Tは、ビア55を有している。第3伝熱路50Tは、第1パッド51から第1面22に沿って延びている。ビア55は、第1面22から第2面23まで基板20を厚さ方向に貫通している。ビア55は、第1面22の第3伝熱路50Tと第2面23の第3伝熱路50Tとを繋いでいる。第3伝熱路50Tは、ビア55から第2パッド52まで第2面23に沿って延びている。
【0026】
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。回路基板10は、車両に搭載される。回路基板10は、基板20と、第1電子部品30と、第2電子部品40と、伝熱路50と、を備えている。第1電子部品30は、基板20に実装され、熱源端子33を有している。第2電子部品40は、基板20に実装され、通信機能、記憶機能、及び情報処理機能のうち少なくともいずれかの機能を有している。伝熱路50は、基板20に設けられ、熱源端子33と第2電子部品40の空き端子43とを接続している。この構成によれば、第1電子部品30の熱は、伝熱路50を介して第2電子部品40の空き端子43に逃がされる。第2電子部品40の空き端子43を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
【0027】
第2電子部品40は、第1電子部品30の周囲に複数備えられている。この構成によれば、第2電子部品40を複数備えることで、複数の放熱先を確保することができ、第1電子部品30の温度を効率よく低下できる。第2電子部品40の配置数は、1つのECUにおいても、コネクタの固定用ペグや未使用端子の数と比較して格段に多い。したがって、第1電子部品30の熱の放熱先として、多数の第2電子部品40の空き端子43を容易に確保できるから放熱性を高めることができる。また、放熱構造として、ゲル等を使わなくて良いし、回路基板10の放熱性のために高発熱部品の使用を控える等しなくてよいから、回路基板10の低コスト化や小型化を図ることができる。
【0028】
第1電子部品30及び第2電子部品40はいずれも、基板20の第1面22に配置されている。第1伝熱路50Fは、第1面22において熱源端子33から第2電子部品40の空き端子43まで延びている。この構成によれば、第1電子部品30の熱は、第1面22の伝熱路50を介して第2電子部品40の空き端子43に逃がされる。第2電子部品40の空き端子43を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
【0029】
基板20は、2層の絶縁層21を積層した積層基板である。第1電子部品30及び第2電子部品40はいずれも、基板20の第1面22に配置されている。第2伝熱路50Sは、基板20の内部を通って熱源端子33から第2電子部品40の空き端子43まで延びている。この構成によれば、第1電子部品30の熱は、基板20の内部を通って第2電子部品40の空き端子43に逃がされる。第1面22に第1伝熱路50Fを配置できない場合であっても、第2電子部品40の空き端子43を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
【0030】
第1電子部品30は、基板20の第1面22に配置されている。第2電子部品40は、基板20の第2面23に配置されている。第3伝熱路50Tは、基板20を厚さ方向に貫通して熱源端子33から第2電子部品40の空き端子43まで延びている。このような構成によれば、第1電子部品30の熱は、基板20を厚さ方向に貫通して第2電子部品40の空き端子43に逃がされる。第2面23に配置されている第2電子部品40の空き端子43を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
【0031】
空き端子43は、通信機能を有する入出力用の端子42である。この構成によれば、入出力用の端子42を放熱構造として利用できるから、放熱性を高めることができる。
【0032】
空き端子43は、情報記憶用の端子42である。この構成によれば、情報記憶用の端子42を放熱構造として利用できるから、放熱性をより高めることができる。
【0033】
第1電子部品30に入力される電流の最大値は、第2電子部品40に入力される電流の最大値よりも大きい。この構成によれば、第1電子部品30は高発熱部品であり、第2電子部品40は、第1電子部品30よりも低発熱部品である。
【0034】
第1電子部品30は、パワー系デバイスである。この構成によれば、パワー系デバイスの熱を第2電子部品40の空き端子43に逃がすことができる。
【0035】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
上記実施形態の場合、基板20は2層の絶縁層21を含む積層基板であるが、基板は1層のみでもよいし、3層以上の絶縁層を含む積層基板であっても良い。
上記実施形態の場合、伝熱路50は、第1伝熱路50F、第2伝熱路50S及び第3伝熱路50Tを有しているが、伝熱路は、第1伝熱路、第2伝熱路及び第3伝熱路のうちのいずれかのみを有していても良い。
上記実施形態において第1電子部品30及び第2電子部品40の個数や配置を例示したが、これらは変更しても良い。
【符号の説明】
【0036】
10…回路基板(車両用回路基板)
20…基板
21…絶縁層
22…第1面
23…第2面
24…配線パターン
30…第1電子部品
31…本体
32…端子
33…熱源端子
40…第2電子部品
40F…第1面部品
40S…第2面部品
41…本体
42…端子
43…空き端子
50…伝熱路
50F…第1伝熱路
50S…第2伝熱路
50T…第3伝熱路
51…第1パッド
52…第2パッド
53…ビア
54…内層
55…ビア
図1
図2
図3
図4