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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046274
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】風呂システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/308 20210101AFI20240327BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20240327BHJP
   A61H 33/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A61B5/308
A47K3/00 Z
A61H33/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151573
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】曽我 浩二
【テーマコード(参考)】
2D005
4C094
4C127
【Fターム(参考)】
2D005FA00
4C094AA01
4C094BC30
4C094FF09
4C127AA02
4C127LL08
(57)【要約】
【課題】入浴者の心電測定を精度高く実行可能な風呂システムを提供する。
【解決手段】本発明の風呂システムは、浴槽1と、心電測定装置3とを備えている。心電測定装置3は、信号検出手段31、32と、水位検出手段33と、解析手段30とを有している。信号検出手段31、32は浴槽1内に配置されており、湯水W1を通じて入浴者100の心拍を心電信号として検出する。解析手段30は、信号検出手段31、32及び水位検出手段33と接続されている。水位検出手段33は、信号検出手段31、32が心電信号の検出を開始した後、予め設定された設定時間毎における浴槽1内の湯水W1の最高水位と最低水位とを検出する。解析手段30は、最高水位と最低水位との水位差が予め設定された閾値を超えた場合、その後に水位差が閾値以下となるまでの間に検出された心電信号を除外して心電波形P1を作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を貯留可能な浴槽と、
前記浴槽内に貯留された前記湯水に入浴している入浴者の心電測定を行う心電測定装置とを備えた風呂システムであって、
前記心電測定装置は、前記浴槽内に配置され、前記湯水を通じて前記入浴者の心拍を心電信号として検出する信号検出手段と、
前記浴槽内における前記湯水の水位を検出する水位検出手段と、
前記信号検出手段及び前記水位検出手段と接続されるとともに前記心電信号を解析して心電波形を作成する解析手段とを有し、
前記水位検出手段は、前記信号検出手段が前記心電信号の検出を開始した後、予め設定された設定時間毎における前記湯水の最高水位と最低水位とを検出し、
前記解析手段は、前記最高水位と前記最低水位との水位差が予め設定された閾値を超えた場合、その後に前記水位差が前記閾値以下となるまでの間に検出された前記心電信号を除外して前記心電波形を作成することを特徴とする風呂システム。
【請求項2】
前記浴槽及び前記解析手段と接続された給湯器をさらに備え、
前記給湯器は、前記浴槽内に前記湯水を供給する湯張り運転、前記浴槽内に貯留された前記湯水を再加熱するとともに再加熱した前記湯水を前記浴槽内に供給する追い焚き運転、前記浴槽内に貯留された前記湯水の水量を増加させる足し湯運転、及び、前記浴槽内に貯留された前記湯水中に気泡を発生させる気泡発生運転の少なくとも一つを特定運転として実行可能であり、
前記解析手段は、前記給湯器が前記特定運転を実行している間に検出された前記心電信号を除外して前記心電波形を作成する請求項1記載の風呂システム。
【請求項3】
湯水を貯留可能な浴槽と、
前記浴槽内に貯留された前記湯水に入浴している入浴者の心電測定を行う心電測定装置とを備えた風呂システムであって、
前記心電測定装置は、前記浴槽内に配置され、前記湯水を通じて前記入浴者の心拍を心電信号として検出する信号検出手段と、
前記浴槽内における前記湯水の水位を検出する水位検出手段と、
前記信号検出手段及び前記水位検出手段と接続されるとともに前記心電信号を解析して心電波形を作成する解析手段と、
前記信号検出手段及び前記水位検出手段と接続され、前記信号検出手段の制御を行う制御手段とを有し、
前記水位検出手段は、前記信号検出手段が前記心電信号の測定を開始した後、予め設定された設定時間毎における前記湯水の最高水位と最低水位とを検出し、
前記制御手段は、前記最高水位と前記最低水位との水位差が予め設定された閾値を超えた場合、その後に前記水位差が前記閾値以下となるまでは前記信号検出手段による前記心電信号の検出を停止させることを特徴とする風呂システム。
【請求項4】
前記浴槽及び前記制御手段と接続された給湯器をさらに備え、
前記給湯器は、前記浴槽内に前記湯水を供給する湯張り運転、前記浴槽内に貯留された前記湯水を再加熱するとともに再加熱した前記湯水を前記浴槽内に供給する追い焚き運転、前記浴槽内に貯留された前記湯水の水量を増加させる足し湯運転、及び、前記浴槽内に貯留された前記湯水中に気泡を発生させる気泡発生運転の少なくとも一つを特定運転として実行可能であり、
前記制御手段は、前記給湯器が前記特定運転を実行している間は、前記信号検出手段による前記心電信号の検出を停止させる請求項3記載の風呂システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風呂システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の風呂システムが開示されている。この風呂システムは、浴槽と、吐水装置と、心電測定装置と、リモコンとを備えている。浴槽は湯水を貯留可能である。吐水装置は、浴槽に対して上方に離隔して配置されており、浴槽内に湯水を吐出する。
【0003】
心電測定装置は、信号検出手段及び解析手段を有している。信号検出手段は、浴槽内において吐水装置のほぼ真下となる位置に配置されている。解析手段は浴槽の外部に配置されており、信号検出手段と接続されている。リモコンは浴室内に配置されている。リモコンは、吐水装置及び心電測定装置と接続されている。リモコンは表示部を有している。
【0004】
この風呂システムでは、心電測定装置によって入浴者の心電測定を行うことが可能となっている。具体的には、心電測定装置では、信号検出手段が浴槽内の湯水を通じて入浴者の心拍を心電信号として検出する。そして、解析手段は、心電信号を解析して心電波形を作成する。また、この風呂システムでは、解析手段が作成した心電波形がリモコンの表示部に表示される。これにより、入浴者は心電波形を通じて自己の健康状態を把握可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-16064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の風呂システムでは、信号検出手段が浴槽内の湯水を通じて入浴者の心拍を心電信号として検出するため、心電信号の検出中に湯水の揺れが生じると、湯水の揺れに起因するノイズが心電信号に多く含まれてしまう。これにより、心電信号を解析して作成される心電波形が不正確となってしまうことから、この風呂システムでは、心電測定装置が入浴者の心電測定を精度高く行えない問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、入浴者の心電測定を精度高く実行可能な風呂システムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の風呂システムは、湯水を貯留可能な浴槽と、
前記浴槽内に貯留された前記湯水に入浴している入浴者の心電測定を行う心電測定装置とを備えた風呂システムであって、
前記心電測定装置は、前記浴槽内に配置され、前記湯水を通じて前記入浴者の心拍を心電信号として検出する信号検出手段と、
前記浴槽内における前記湯水の水位を検出する水位検出手段と、
前記信号検出手段及び前記水位検出手段と接続されるとともに前記心電信号を解析して心電波形を作成する解析手段とを有し、
前記水位検出手段は、前記信号検出手段が前記心電信号の検出を開始した後、予め設定された設定時間毎における前記湯水の最高水位と最低水位とを検出し、
前記解析手段は、前記最高水位と前記最低水位との水位差が予め設定された閾値を超えた場合、その後に前記水位差が前記閾値以下となるまでの間に検出された前記心電信号を除外して前記心電波形を作成することを特徴とする。
【0009】
本発明の第1の風呂システムでは、解析手段が心電信号を解析して心電波形を作成するにあたり、水位検出手段によって検出された浴槽内の湯水の最高水位と最低水位との水位差が閾値を超えている間に検出された心電信号を除外する。ここで、水位差が閾値を超えている状態とは、例えば、入浴者が浴槽内で姿勢を変化させるなどの理由により、浴槽内の湯水に比較的大きな揺れが生じ、信号検出手段が検出する心電信号に湯水の揺れに起因するノイズが多く含まれ得る状態を意味する。
【0010】
このため、水位差が閾値を超えている間に検出された心電信号を除外することにより、解析手段は、水位差が閾値以下である間に検出された心電信号を解析して心電波形を作成することになる。このため、この風呂システムでは、解析手段が精度の高い心電波形を作成できる。
【0011】
したがって、本発明の第1の風呂システムによれば、入浴者の心電測定を精度高く実行可能である。
【0012】
本発明の第1の風呂システムは、浴槽及び解析手段と接続された給湯器をさらに備え得る。また、給湯器は、浴槽内に湯水を供給する湯張り運転、浴槽内に貯留された湯水を再加熱するとともに再加熱した湯水を浴槽内に供給する追い焚き運転、浴槽内に貯留された湯水の水量を増加させる足し湯運転、及び、浴槽内に貯留された湯水中に気泡を発生させる気泡発生運転の少なくとも一つを特定運転として実行可能であり得る。そして、解析手段は、給湯器が特定運転を実行している間に検出された心電信号を除外して心電波形を作成することが好ましい。
【0013】
給湯器が特定運転を実行している間は浴槽内の湯水に揺れが生じ易く、水位差が閾値を超え易くなる。また、たとえ水位差が閾値を超えていなくても、給湯器が特定運転を実行している間は、浴槽内の湯水に水流が発生し得る。このため、信号検出手段が検出する心電信号には水流に起因するノイズが含まれ得る。これらのため、給湯器が特定運転を実行している間に検出された心電信号を除外することにより、この風呂システムでは、解析手段がより精度の高い心電波形を作成することができる。
【0014】
本発明の第2の風呂システムは、湯水を貯留可能な浴槽と、
前記浴槽内に貯留された前記湯水に入浴している入浴者の心電測定を行う心電測定装置とを備えた風呂システムであって、
前記心電測定装置は、前記浴槽内に配置され、前記湯水を通じて前記入浴者の心拍を心電信号として検出する信号検出手段と、
前記浴槽内における前記湯水の水位を検出する水位検出手段と、
前記信号検出手段及び前記水位検出手段と接続されるとともに前記心電信号を解析して心電波形を作成する解析手段と、
前記信号検出手段及び前記水位検出手段と接続され、前記信号検出手段の制御を行う制御手段とを有し、
前記水位検出手段は、前記信号検出手段が前記心電信号の測定を開始した後、予め設定された設定時間毎における前記湯水の最高水位と最低水位とを検出し、
前記制御手段は、前記最高水位と前記最低水位との水位差が予め設定された閾値を超えた場合、その後に前記水位差が前記閾値以下となるまでは前記信号検出手段による前記心電信号の検出を停止させることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の風呂システムでは、水位差が閾値を超えている間は、制御手段が信号検出手段による心電信号の検出を停止させる。このため、湯水の揺れに起因するノイズが多く含まれ得る心電信号は存在しないことになる。これにより、この風呂システムにおいても、解析手段は、水位差が閾値以下である間に検出された心電信号のみを解析を解析して心電波形を作成するため、解析手段は精度の高い心電波形を作成できる。
【0016】
したがって、本発明の第2の風呂システムによれば、入浴者の心電測定を精度高く実行可能である。
【0017】
本発明の第2の風呂システムは、浴槽及び制御手段と接続された給湯器をさらに備え得る。また、給湯器は、浴槽内に湯水を供給する湯張り運転、浴槽内に貯留された湯水を再加熱するとともに再加熱した湯水を浴槽内に供給する追い焚き運転、浴槽内に貯留された湯水の水量を増加させる足し湯運転、及び、浴槽内に貯留された湯水中に気泡を発生させる気泡発生運転の少なくとも一つを特定運転として実行可能であり得る。そして、制御手段は、給湯器が特定運転を実行している間は、信号検出手段による心電信号の検出を停止させることが好ましい。
【0018】
この場合には、水位差が閾値を超えている間における心電信号の他、給湯器が特定運転を実行している間における心電信号、すなわち、水流に起因するノイズが多く含まれ得る心電信号も存在しないことになる。これにより、この風呂システムでも、解析手段がより精度の高い心電波形を作成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の風呂システム及び第2の風呂システムによれば、入浴者の心電測定を精度高く実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施例1の風呂システムの模式図である。
図2図2は、実施例1の風呂システムに係り、浴槽及び心電測定装置を示す斜視図である。
図3図3は、実施例1の風呂システムにおける心電測定の流れを示すフロー図である。
図4図4は、実施例1の風呂システムにおける心電測定の流れを示すフロー図である。
図5図5は、浴槽内における湯水の最高水位と最低水位との差が閾値以下である際に検出された心電信号を解析して作成された入浴者の心電波形である。
図6図6は、浴槽内における湯水の最高水位と最低水位との差が閾値を超えた際に検出された心電信号を解析して作成された入浴者の心電波形である。
図7図7は、給湯器が特定運転を実行している際に検出された心電信号を解析して作成された入浴者の心電波形である。
図8図8は、実施例2の風呂システムにおける心電測定の流れを示すフロー図である。
図9図9は、実施例2の風呂システムにおける心電測定の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
【0022】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の風呂システムは、住宅H1に適用されている。この風呂システムは、浴槽1と、心電測定装置3と、給湯器5と、リモコン7とを備えている。住宅H1には浴室R1が設けられている。
【0023】
浴槽1は浴室R1内に設置されている。図1及び図2に示すように、浴槽1は、互いに対向する第1面1a及び第2面1bと、第1面1a及び第2面1bを挟んで互いに対向する第3面1c及び第4面1dと、第1~4面1a~1dと接続する底面1eとを有している。第3面1c及び第4面1dは、第1面1a及び第2面1bよりも長手方向に長く設計されている。これにより、浴槽1は平面視で一対の短辺と一対の長辺とを有する略長方形をなす箱状に形成されており、内部に湯水W1を貯留可能となっている。また、第1面1aには給水口10が設けられている。なお、浴槽1の形状は適宜設計可能である。また、浴槽1において給水口10を第1面1a以外に設けても良い。
【0024】
図1に示すように、心電測定装置3は、装置本体30と、第1検出電極31と、第2検出電極32と、水位センサ33とを有している。装置本体30は、本発明における「制御手段」及び「解析手段」の一例である。また、第1検出電極31及び第2検出電極32は、本発明における「信号検出手段」の一例である。そして、水位センサ33は、本発明における「水位検出手段」の一例である。
【0025】
装置本体30は浴室R1内であって、浴槽1の外部に設置されている。装置本体30は、内部に制御回路301と、解析回路302とが設けられている。詳細な図示を省略するものの、制御回路301及び解析回路302は、それぞれ演算装置としてのCPUの他、記憶装置としてのROM及びRAM等によって構成されている。また、図2では、説明を容易にするため、湯水W1、制御回路301及び解析回路302の図示を省略している。
【0026】
装置本体30では、図1に示す制御回路301が水位センサ33及び第1、2検出電極31、32の作動制御等を行う。また、解析回路302は心電信号を解析して心電波形を作成する。なお、装置本体30の具体的な動作等については後述する。また、装置本体30は、浴室R1の外部に設置されても良い。
【0027】
図2に示すように、第1検出電極31は浴槽1の第3面1cに配置されており、第2検出電極32は浴槽1の第4面1dに配置されている。これにより、第1検出電極31及び第2検出電極32は、浴槽1内において入浴者100の心臓を浴槽1の幅方向から挟むように対向している。より具体的には、第1検出電極31は、入浴者100が図1に示す姿勢で浴槽1内の湯水W1に入浴した際、第3面1cにおいて入浴者100の左手首の近傍となる個所に配置されている。一方、第2検出電極32は、第4面1dにおいて入浴者100の右手首の近傍となる個所に配置されている。また、第1検出電極31及び第2検出電極32は装置本体30と有線接続されている。なお、図1では、説明を容易にするため、第2検出電極32を仮想線で示している。
【0028】
第1検出電極31及び第2検出電極32は、浴槽1内の湯水W1を通じて入浴者100の心拍を心電信号として検出可能であるとともに、検出した心電信号を装置本体30に送信可能である。なお、本実施例では、第1検出電極31及び第2検出電極32には市販品を採用している。このため、第1検出電極31及び第2検出電極32の構成に関する詳細な説明は省略する。
【0029】
水位センサ33は、浴槽1の第3面1cに設けられている。また、水位センサ33は、装置本体30と有線接続されている。水位センサ33は、静電容量の変化を計測することにより、自己の周囲の湯水W1の水位を検出可能となっている。これにより、水位センサ33は、自己の周囲の湯水W1の水位を浴槽1内における湯水W1の全体の水位として検出する。また、水位センサ33は、検出した湯水W1の水位を装置本体30に送信する。ここで、本実施例では、水位センサ33についても市販品を採用している。このため、水位センサ33の構成に関する詳細な説明は省略する。なお、水位センサ33は、フロートの変動を検出したり、湯水W1の水面からの距離等を検出したりすることによって、浴槽1内における湯水W1の水位を検出する構成であっても良い。また、水位センサ33は、浴槽1の外部に設けられていても良い。さらに、第1検出電極31、第2検出電極32及び水位センサ33は、装置本体30と無線接続されていても良い。
【0030】
給湯器5は、住宅H1において浴室R1の外部に設置されている。給湯器5は、浴室R1を含め住宅H1内に設けられた複数の混合水栓(図示略)と配管を通じて接続されている。さらに、給湯器5は、給水口10及び給水口10に接続された配管を通じて浴槽1と接続されている。また、給湯器5には、気泡発生装置53が設けられている。
【0031】
給湯器5は、給湯運転の他、湯張り運転と、追い焚き運転と、足し湯運転と、気泡発生運転とを実行可能である。給湯運転は、各混合水栓に対して湯水W1を供給する。湯張り運転は、浴槽1内に湯水W1を供給することによって、浴槽1内に湯水W1を貯留させる。追い焚き運転は、浴槽1内に貯留された湯水W1を再加熱するとともに再加熱した湯水W1を浴槽1内に供給する。足し湯運転は、浴槽1内に貯留された湯水W1の水量を増加させる。気泡発生運転は、気泡発生装置53を作動させることにより、浴槽1に供給される湯水W1に気体を溶解させて微細気泡を含む状態とする。そして、気泡発生運転では、この微細気泡が含まれた湯水W1を浴槽1内に供給することにより、浴槽1内に貯留された湯水W1中に気泡を発生させる。ここで、給湯器5では、給湯運転、湯張り運転、追い焚き運転、足し湯運転及び気泡発生運転のうち、追い焚き運転及び気泡発生運転を特定運転として設定している。
【0032】
リモコン7は浴室R1内に設けられている。リモコン7は、リモコン本体7aとディスプレイ7bとを有している。リモコン本体7aは心電測定装置3及び給湯器5と無線接続されている。これにより、リモコン本体7aは、心電測定装置3及び給湯器5と通信可能となっている。また、リモコン本体7aには複数の操作ボタンが設けられている。これらの各操作ボタンを通じて、入浴者100は心電測定装置3及び給湯器5を操作可能となっている。また、心電測定装置3と給湯器5とはリモコン7を通じて通信可能となっている。これにより、心電測定装置3は、リモコン7を通じて、給湯器5が給湯運転、湯張り運転、追い焚き運転、足し湯運転及び気泡発生運転のいずれを実行しているかを判断可能となっている。なお、心電測定装置3と給湯器5とは、通信可能に直接接続されていても良い。
【0033】
さらに、リモコン本体7aは時計を内蔵している。これにより、リモコン本体7aは、給湯器5が湯張り運転等を行う際の時間を設定可能となっている。また、心電測定装置3の装置本体30は、リモコン本体7aと通信を行うことにより、リモコン本体7aの時計を参照することが可能となっている。
【0034】
ディスプレイ7bには、給湯器5が現在実行している給湯運転等が文字情報として表示される他、装置本体30が作成した心電波形(図5参照)が表示される。こうして、ディスプレイ7bは心電波形を入浴者100に表示するための表示手段として機能する。
【0035】
以上のように構成されたこの風呂システムでは、給湯器5によって浴槽1内に貯留された湯水W1に入浴者100が入浴可能となっている。また、入浴中の入浴者100は、例えば追い焚き運転や気泡発生運転を給湯器5に実行させることが可能となっている。これにより、この風呂システムでは、浴槽1内に貯留された湯水W1を適温としたり、浴槽1内に貯留された湯水W1中に気泡を発生させたりすることで、入浴によるリラックス効果を高めることが可能となっている。
【0036】
また、この風呂システムでは、入浴者100が浴槽1内に貯留された湯水W1に入浴している間に心電測定装置3による入浴者100の心電測定を自動で実行することが可能となっている。以下、心電測定装置3による心電測定について具体的に説明する。
【0037】
心電測定を開始するに当たっては、まず初めに、心電測定装置3の装置本体30が水位センサ33を作動させる。これにより、水位センサ33は浴槽1内における湯水W1の水位を検出する(図3のステップS101)。また、水位センサ33は検出した湯水W1の水位を装置本体30に送信する。
【0038】
そして、装置本体30は、水位センサ33から送信された湯水W1の水位の変化を基に入浴者100が浴槽1内に貯留された湯水W1に入浴を開始したか否かを判断する(ステップS102)。
【0039】
すなわち、水位センサ33が検出した湯水W1の水位が単位時間当たりに急激に上昇した場合には、装置本体30は入浴者100が入浴を開始したと判断する(ステップS102:YES)。一方、水位センサ33が検出した湯水W1の水位に変化がない場合には、装置本体30は入浴者100が入浴を開始していないと判断する(ステップS102:NO)。また、水位センサ33が検出した湯水W1の水位が上昇していても、その上昇の割合が単位時間当たりで一定している場合には、装置本体30は給湯器5が湯張り運転等を実行しているものの、入浴者100が入浴を開始していないと判断する(ステップS102:NO)。
【0040】
こうして、装置本体30は入浴者100が入浴を開始したと判断すれば(ステップS102:YES)、第1検出電極31及び第2検出電極32を作動させる。これにより、第1検出電極31及び第2検出電極32は、浴槽1内の湯水W1を通じて入浴者100の心拍を心電信号として検出し始める(ステップS103)。そして、第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した信号は、装置本体30に送信される。また、装置本体30は、リモコン7の時計を参照し、第1検出電極31及び第2検出電極32による心電信号の検出開始時刻を記憶する。
【0041】
また、水位センサ33は、第1検出電極31及び第2検出電極32による心電信号の検出の開始後、予め設定された設定時間が経過する毎に浴槽1内における湯水W1の最高水位と最低水位とを検出する。すなわち、浴槽1内における湯水W1の最高水位とは、浴槽1内に貯留された湯水W1に入浴者100が入浴した状態での湯水W1の最高水位である。一方、浴槽1内における湯水W1の最低水位とは、浴槽1内に貯留された湯水W1に入浴者100が入浴した状態での湯水W1の最低水位である。そして、浴槽1内に貯留された湯水W1に入浴者100が入浴した状態において、例えば入浴者100が姿勢を変化させれば、それによって湯水W1に揺れが生じるため、水位センサ33が検出する湯水W1の最高水位と最低水位とに水位差が生じる。
【0042】
また、この風呂システムでは、設定時間を1秒としている。つまり、水位センサ33は、第1検出電極31及び第2検出電極32による心電信号の開始後、1秒経過毎に浴槽1内における湯水W1の最高水位と最低水位とを検出する。なお、設定時間は適宜変更可能である。
【0043】
そして、装置本体30は、湯水W1の最高水位と最低水位との水位差が予め設定された閾値を超えた否かを判断する(ステップS104)。ここで、この風呂システムでは、閾値を10mmとしている。なお、閾値についても適宜変更可能である。
【0044】
湯水W1の最高水位と最低水位との水位差が閾値以下である場合(ステップS104:NO)、装置本体30は、浴槽1内の湯水W1にさほど大きな揺れが生じていないと判断する。さらに、装置本体30は、給湯器5が特定運転である追い焚き運転又は気泡発生運転を実行しているか否かを判断する(ステップS105)。
【0045】
ここで、水位差が閾値以下であり(ステップS104:NO)、かつ、給湯器5が追い焚き運転及び気泡発生運転のいずれも実行していないと判断した場合(ステップS105:NO)、装置本体30、より具体的には、装置本体30の解析回路302は、第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号の解析を行う。この際、解析回路302は、第1検出電極31及び第2検出電極32から受信した心電信号を60秒間分記憶し、60秒が経過する毎に、記憶した60秒間分の心電信号を解析する。これにより、解析回路302は、図5に示すような入浴者100の心電波形P1を作成する(図3のステップS106)。なお、解析回路302による心電信号の解析方法及び心電波形P1の作成方法は公知の方法と同様である。また、解析回路302が記憶する心電信号の時間は適宜設定可能である。さらに、装置本体30は、第1検出電極31及び第2検出電極32から心電信号を受信する毎にその心電信号を解析して心電波形P1を作成しても良い。
【0046】
また、装置本体30は、作成した心電波形P1を記憶するとともに、作成した心電波形P1をリモコン7のディスプレイ7bに表示させる(ステップS107)。
【0047】
次に、装置本体30は、水位センサ33から送信された湯水W1の水位の変化を基に入浴者100が入浴を終了したか否かを判断する(ステップS108)。すなわち、水位センサ33が検出した湯水W1の水位が単位時間当たりに急激に下降した場合には、装置本体30は入浴者100が入浴を終了したと判断する(ステップS108:YES)。一方、水位センサ33が検出した湯水W1の水位に変化がない場合には、装置本体30は入浴者100が入浴を継続していると判断する(ステップS108:NO)。
【0048】
装置本体30は、入浴者100が入浴を継続していると判断した場合(ステップS108:NO)、ステップS104以降の処理を再度実行する。これにより、入浴者100が入浴中は、第1検出電極31及び第2検出電極32による心電信号の検出が継続して行われ、また、1秒経過毎に水位センサ33によって浴槽1内における湯水W1の最高水位と最低水位とが検出される。そして、装置本体30は、第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号の解析を60秒経過毎に順次行い、心電波形P1を作成する。このため、入浴者100が入浴を継続している間は、心電波形P1が60秒経過毎に順次更新されつつディスプレイ7bに表示される。
【0049】
一方、装置本体30は、入浴者100が入浴を終了したと判断した場合(ステップS108:YES)、第1検出電極31及び第2検出電極32を停止させる。これにより、第1検出電極31及び第2検出電極32による心電信号の検出が終了する(ステップS109)。こうして、この風呂システムでは、心電測定装置3による心電測定が終了する。
【0050】
ここで、この風呂システムでは、ステップS104において、水位差が閾値を超えている場合(ステップS104:YES)、装置本体30は、浴槽1内の湯水W1に比較的大きな揺れが生じていると判断する。
【0051】
また、たとえステップS104において、水位差が閾値以下であったとしても(ステップS104:NO)、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を実行している場合があり得る(ステップS105:YES)。
【0052】
そこで、装置本体30は、水位差が閾値を超えたと判断したり、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を実行していると判断したりした場合には、これらの判断を行った時刻を除外発生時刻として記憶する(ステップS110)。なお、この際も装置本体30はリモコン7の時計を参照する。
【0053】
そして、除外発生時刻を記憶した後についても、設定時間である1秒が経過する毎に浴槽1内における湯水W1の最高水位と最低水位とが検出され、装置本体30は、この水位差が閾値以下であるか否を判断する(図4のステップS111)。この際、水位差が閾値を超えていると装置本体30が判断すれば(ステップS111:NO)、ステップS111の処理が再度行われる。
【0054】
また、ステップS111において水位差が閾値以下であると装置本体30が判断しても(ステップS111:YES)、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を引き続き実行していれば(ステップS112:NO)、ステップS111の処理が再度行われる。
【0055】
こうして、装置本体30は、除外発生時刻を記憶した後において、水位差が閾値以下であり(ステップS111:YES)、かつ、給湯器5が追い焚き運転及び気泡発生運転を実行していないと判断すれば(ステップS112:YES)、これらの判断を行った時刻を除外終了時刻として記憶する(ステップS113)。なお、この際も装置本体30はリモコン7の時計を参照する。
【0056】
そして、装置本体30の解析回路302は、除外発生時刻から除外終了時刻までの間に第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号を除外しつつ、心電波形P1を作成する。つまり、この風呂システムでは、除外発生時刻から除外終了時刻までの間に第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号についても、装置本体30に送信される。しかし、解析回路302は、心電波形P1を作成するに際して、除外発生時刻から除外終了時刻までの間に第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号を用いることはない。
【0057】
このため、解析回路302が記憶する60秒分の心電信号のうち、例えば除外発生時刻から除外終了時刻までの間に第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号が10秒間分含まれていれば、解析回路302は、この10秒間分の心電信号を除外した上で心電信号を解析して心電波形P1を作成する。また、こうして作成された心電波形P1についても装置本体30に記憶されるとともに、リモコン7のディスプレイ7bに表示される(ステップS107)。
【0058】
こうして、この風呂システムでは、水位差が閾値を超えている間に第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号を除外して心電波形P1を作成する。また、この風呂システムでは、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を実行している間に第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号についても、心電波形P1を作成するに当たって除外される。
【0059】
ここで、浴槽1内の湯水W1に比較的大きな揺れが生じ、水位差が閾値を超えている状態では、第1検出電極31及び第2検出電極32が検出する心電信号に湯水W1の揺れに起因するノイズが多く含まれ得る。このため、図6に示すように、このようなノイズが多く含まれた心電信号を解析して作成された心電波形P2は、入浴者100の心拍との乖離が大きくなり、正確性を欠いてしまう。
【0060】
また、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を実行している間は、そもそも浴槽1内の湯水W1に大きな揺れが生じ易く、水位差が閾値を超え易くなる。また、たとえ水位差が閾値を超えていなくても、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を実行している間は、浴槽1内の湯水W1に水流が発生する。このため、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を実行している状態では、第1検出電極31及び第2検出電極32が検出する心電信号に湯水W1の水流に起因するノイズが多く含まれ得る。このため、図7に示すように、このようなノイズが多く含まれた心電信号を解析して作成された心電波形P3についても、図6に示す心電波形P2と同様に入浴者100の心拍との乖離が大きくなり、正確性を欠いてしまう。
【0061】
しかし、上述のように、この風呂システムにおいて心電測定装置3の装置本体30は、水位差が閾値以下であり、かつ、給湯器5が追い焚き運転及び気泡発生運転を実行していない間に第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号のみを解析して心電波形P1を作成する。すなわち、浴槽1内に貯留された湯水W1に入浴者100が入浴している状態では、浴槽1内で入浴者100が身体を動かすことにより、湯水に揺れが不可避的に生じて湯水W1の水位差が不可避的に変化し得る他、浴槽1内に水流が発生し得る。しかしながら、水位差が閾値を超えておらず、かつ、給湯器5が追い焚き運転及び気泡発生運転を実行していなければ、たとえ第1検出電極31及び第2検出電極32が検出する心電信号に湯水W1の揺れや水流に起因するノイズが含まれていたとしても、心電波形P1を作成するに当たってノイズの影響は小さい。このため、この風呂システムでは、解析回路302、ひいては装置本体30が精度の高い心電波形P1を作成することが可能となっている。
【0062】
したがって、実施例1の風呂システムによれば、入浴者100の心電測定を精度高く実行可能である。
【0063】
また、この風呂システムでは、装置本体30が心電波形P1を作成するに当たって、心電信号に含まれる湯水W1の揺れや水流に起因するノイズを除去したり、心電信号においてノイズが含まれる個所を補正したりする必要がない。このため、この風呂システムでは、心電波形P1の作成を行うに当たり、装置本体30の処理の負担を軽減することが可能となっている。
【0064】
さらに、この風呂システムでは、装置本体30が作成した心電波形P1をリモコン7のディスプレイ7bに表示させる。これにより、この風呂システムでは、入浴者100が浴槽1に入浴している間に自己の心電波形P1を容易に確認できるため、利便性が高くなっている。
【0065】
(実施例2)
詳細な図示を省略するものの、実施例2の風呂システムは、実施例1の風呂システムとほぼ同様の構成であり、実施例1の風呂システムと同様に、給湯器5によって浴槽1内に貯留された湯水W1に入浴者100が入浴可能となっている。また、この風呂システムでも、心電測定装置3による入浴者100の心電測定を実行可能となっている。
【0066】
図8に示すように、心電測定を開始するに当たっては、実施例1の風呂システムと同様、心電測定装置3の装置本体30は、ステップS101~ステップS105の各処理を実行する。
【0067】
また、装置本体30は、水位差が閾値以下であり(ステップS204:NO)、かつ、給湯器5が追い焚き運転及び気泡発生運転のいずれも実行していないと判断した場合(ステップS205:NO)、実施例1の風呂システムと同様、ステップS106~ステップS109の各処理を実行する。
【0068】
一方、この風呂システムにおいて、装置本体30は、水位差が閾値を超えたと判断したり(ステップS104:NO)、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を実行していると判断したりした場合(ステップS104:YES)には、第1検出電極31及び第2検出電極32を停止させる。これにより、装置本体30は、第1検出電極31及び第2検出電極32による心電信号の検出を停止させる(ステップS210)。また、装置本体30は、リモコン7の時計を参照しつつ、心電信号の検出を停止させた時刻を記憶する(ステップS211)。
【0069】
そして、心電信号の検出を停止させた後についても、設定時間である1秒が経過する毎に浴槽1内における湯水W1の最高水位と最低水位とが検出され、装置本体30は、この水位差が閾値以下であるか否を判断する(図9のステップS212)。この際、水位差が閾値を超えていると装置本体30が判断すれば(ステップS212:NO)、ステップS212の処理が再度行われる。
【0070】
また、ステップS212において水位差が閾値以下であっても(ステップS212:YES)、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を引き続き実行していれば(ステップS213:NO)、ステップS212の処理が再度行われる。
【0071】
こうして、装置本体30は、除外発生時刻を記憶した後において、水位差が閾値以下であり(ステップS212:YES)、かつ、給湯器5が追い焚き運転及び気泡発生運転を実行していないと判断すれば(ステップS213:YES)、第1検出電極31及び第2検出電極32を再度作動させ、第1検出電極31及び第2検出電極32による心電信号の検出を再開する(ステップS214)。また、装置本体30は、心電信号の検出を再開させた時刻を記憶する(ステップS215)。そして、心電信号の検出を再開させた後は、装置本体30は、図8のステップS104以降の処理を再度実行する。
【0072】
このように、この風呂システムでは、水位差が閾値を超えている間と、給湯器5が追い焚き運転又は気泡発生運転を実行している間とは、装置本体30が第1検出電極31及び第2検出電極32による心電信号の検出を停止させる。このため、装置本体30に送信されて解析回路302が記憶する心電信号、ひいては、解析回路302が解析を行う心電信号には、湯水W1の揺れに起因するノイズが多く含まれ得る心電信号の他、湯水W1の水流に起因するノイズが多く含まれ得る心電信号は存在しないことになる。このため、実施例1の風呂システムと同様、この風呂システムでも、装置本体30が精度の高い心電波形P1を作成することが可能となっている。この風呂システムにおける他の作用は、実施例1の風呂システムと同様である。
【0073】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0074】
例えば、実施例1、2の風呂システムでは、第1検出電極31と第2検出電極32とを本発明における「信号検出手段」としている。しかし、これに限らず、第1検出電極31又は第2検出電極32の一方のみを本発明における「信号検出手段」としても良い。また、第1検出電極31及び第2検出電極32の他に検出電極を加えて本発明における「信号検出手段」としても良い。
【0075】
また、実施例1、2の風呂システムでは、入浴者100が浴槽1内の湯水W1に入浴した際、第1検出電極31が入浴者100の左手首の近傍となり、第2検出電極32が入浴者100の右手首の近傍となる個所に配置されている。しかし、これに限らず、第1検出電極31及び第2検出電極32が浴槽1に配置される個所は適宜設計可能である。
【0076】
また、実施例1の風呂システムにおいて、水位差が閾値を超えている間に第1検出電極31及び第2検出電極32が検出した心電信号のみ除外して心電波形P1を作成しても良い。同様に、実施例2の風呂システムにおいて、水位差が閾値を超えている間のみ、第1検出電極31及び第2検出電極32による心電信号の検出を停止させても良い。
【0077】
また、実施例1、2の風呂システムでは、入浴者100が浴槽1内の湯水W1に入浴すれば、心電測定装置3が自動的に心電測定を開始する。しかし、これに限らず、入浴者100がリモコン7や装置本体30を操作することにより、心電測定装置3が心電測定を開始しても良い。
【0078】
また、実施例1、2の風呂システムでは、追い焚き運転及び気泡発生運転を特定運転として設定している。しかし、これに限らず、追い焚き運転及び気泡発生運転の一方のみを特定運転としたり、足し湯運転等を特定運転としたりしても良い。
【0079】
また、心電測定装置3は、入浴者100の入浴の終了に依らずに、予め設定された測定時間の経過によって心電測定を終了しても良い。
【0080】
また、実施例1、2の風呂システムでは、入浴者100の入浴中にリモコン7のディスプレイ7bに心電波形P1を表示させている。しかし、これに限らず、入浴者100の入浴終了後に、スマートフォン等のディスプレイに心電波形P1を表示させても良い。また、リモコン7のディスプレイ7bとスマートフォン等のディスプレイとにそれぞれ心電波形P1を表示させても良い。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、住宅、病院及び介護施設等の風呂システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…浴槽
3…心電測定装置
5…給湯器
30…装置本体(解析手段、制御手段)
31…第1検出電極(信号検出手段)
32…第2検出電極(信号検出手段)
33…水位センサ(水位検出手段)
100…入浴者
W1…湯水
P1~P3…心電波形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9