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特開2024-46285特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムおよびプログラム、ならびに、システム
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  • 特開-特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムおよびプログラム、ならびに、システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046285
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムおよびプログラム、ならびに、システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20240327BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151588
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】520226872
【氏名又は名称】バリュエンステクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】深谷 良治
(72)【発明者】
【氏名】松岡 重亮
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムの提供。
【解決手段】本発明のコンピュータシステムは、所定の期間内に販売された特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、所定の期間内に販売された特定のタイプの商品サービス群の総販売金額のうち特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の占有率を算出する手段と、所定の期間内に販売された特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、所定の期間内に販売された特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の増減係数を算出する手段と、占有率と増減係数とに基づいて、所定の期間内の一定期間ごとに、所定の期間内に販売された特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出する手段とをさらに備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムであって、前記特定のタイプの商品サービス群は、前記特定のタイプの複数のサブ商品サービス群を備え、前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれは、前記複数の商品またはサービスを備え、前記コンピュータシステムは、データベース部を備え、前記データベース部には、所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額および販売時期を示す情報が格納されており、前記コンピュータシステムは、
前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の総販売金額のうち前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額が占有している割合を示す占有率を算出する手段と、
前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の増減の割合を示す増減係数を算出する手段と、
前記占有率と前記増減係数とに基づいて、前記所定の期間内の一定期間ごとに、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出する手段と
をさらに備える、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれには、ランクが付与されており、
前記占有率を算出する手段は、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに、前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの前記占有率を算出し、
前記増減係数を算出する手段は、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに、前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの前記増減係数を算出し、
前記指標値を算出する手段は、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記占有率および前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記増減係数に基づいて、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに、前記所定の期間内の前記一定期間ごとに、個別指標値を算出し、前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれのランクごとの前記個別指標値に基づいて、前記指標値を算出する、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記個別指標値に基づいて、前記指標値を算出することは、前記所定の期間内の一定期間ごとに、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記個別指標値を加算し、前記所定の期間内の一定期間ごとの前記個別指標値の総和を前記指標値として算出する、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記個別指標値は、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記占有率と、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記増減係数との積である、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスは、前記特定のタイプの複数の中古品である、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記増減係数は、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額の中央値に基づく、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記一定期間ごとの前記指標値を、前記一定期間と対応付けた状態で提示する手段をさらに備える、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記所定の期間は、第1の所定の期間であり、
前記指標値は、第1の指標値であり、
前記コンピュータシステムは、
第2の所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報を取得する手段であって、前記第2の所定の期間は、前記第1の所定の期間の後の期間である、手段と、
前記第2の所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記第1の所定の期間および前記第2の所定の期間内の一定期間ごとに、前記第1の所定の期間および前記第2の所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す第2の指標値を算出する手段と
をさらに備える、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、前記特定のタイプの商品サービス群は、前記特定のタイプの複数のサブ商品サービス群を備え、前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれは、前記複数の商品またはサービスを備え、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部およびデータベース部を備え、前記データベース部には、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額および販売時期を示す情報が格納されており、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の総販売金額のうち前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額が占有している割合を示す占有率を算出することと、
前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の増減の割合を示す増減係数を算出することと、
前記占有率と前記増減係数とに基づいて、前記所定の期間内の一定期間ごとに、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
【請求項10】
特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのシステムであって、前記システムは、
オークションにおいて販売された商品またはサービスに関する情報の処理を実行するサーバ装置と、
請求項1~8のいずれかに記載のコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、前記サーバ装置と通信可能なように構成されている、コンピュータシステムと
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムおよびプログラム、ならびに、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、古物取引が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】アクセス行政書士法人、“古物営業法における古物とは・・・?”、[online]、[令和4年9月15日検索]、インターネット<URL:https://kobutusho-kyoka.com/blog/antique-sales-law/17/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の古物取引は、一物一価が原則であり、古物の取引価格は、原則として、個人間の交渉によって決定されていたため、古物の取引価格の変動幅が大きかった。従って、古物の取引価格から古物の相場の傾向を把握することは非常に困難であるというのが従来の常識であった。
【0005】
本発明は、特定のタイプの古物(中古品)群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムおよびプログラム、ならびに、システムを提供することを目的とする。さらに、より一般的に、本発明は、特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムおよびプログラム、ならびに、システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムであり、前記特定のタイプの商品サービス群は、前記特定のタイプの複数のサブ商品サービス群を備え、前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれは、前記複数の商品またはサービスを備え、前記コンピュータシステムは、データベース部を備え、前記データベース部には、所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額および販売時期を示す情報が格納されており、前記コンピュータシステムは、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の総販売金額のうち前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額が占有している割合を示す占有率を算出する手段と、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の増減の割合を示す増減係数を算出する手段と、前記占有率と前記増減係数とに基づいて、前記所定の期間内の一定期間ごとに、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出する手段とをさらに備える。
【0007】
本発明の1つの実施形態では、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれには、ランクが付与されており、前記占有率を算出する手段は、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに、前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの前記占有率を算出し、前記増減係数を算出する手段は、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに、前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの前記増減係数を算出し、前記指標値を算出する手段は、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記占有率および前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記増減係数に基づいて、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに、前記所定の期間内の前記一定期間ごとに、個別指標値を算出し、前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれのランクごとの前記個別指標値に基づいて、前記指標値を算出してもよい。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記個別指標値に基づいて、前記指標値を算出することは、前記所定の期間内の一定期間ごとに、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記個別指標値を加算し、前記所定の期間内の一定期間ごとの前記個別指標値の総和を前記指標値として算出してもよい。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記個別指標値は、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記占有率と、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれのランクごとの前記増減係数との積であってもよい。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスは、前記特定のタイプの複数の中古品であってもよい。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記増減係数は、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額の中央値に基づいていてもよい。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、前記一定期間ごとの前記指標値を、前記一定期間と対応付けた状態で提示する手段をさらに備えていてもよい。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、前記所定の期間は、第1の所定の期間であり、前記指標値は、第1の指標値であり、前記コンピュータシステムは、第2の所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報を取得する手段であって、前記第2の所定の期間は、前記第1の所定の期間の後の期間である、手段と、前記第2の所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記第1の所定の期間および前記第2の所定の期間内の一定期間ごとに、前記第1の所定の期間および前記第2の所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す第2の指標値を算出する手段とをさらに備えていてもよい。
【0014】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記特定のタイプの商品サービス群は、前記特定のタイプの複数のサブ商品サービス群を備え、前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれは、前記複数の商品またはサービスを備え、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部およびデータベース部を備え、前記データベース部には、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額および販売時期を示す情報が格納されており、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の総販売金額のうち前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額が占有している割合を示す占有率を算出することと、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの前記複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の増減の割合を示す増減係数を算出することと、前記占有率と前記増減係数とに基づいて、前記所定の期間内の一定期間ごとに、前記所定の期間内に販売された前記特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【0015】
本発明の1つの局面において、本発明のシステムは、特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのシステムであり、前記システムは、オークションにおいて販売された商品またはサービスに関する情報の処理を実行するサーバ装置と、上記のコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、前記サーバ装置と通信可能なように構成されている、コンピュータシステムとを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムおよびプログラム、ならびに、システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を折れ線グラフで示す図。
図2】商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのシステム200の構成の一例を示す図。
図3A】商品サービスデータベース部251に格納されている情報の構成の一例を示す図。
図3B】販売データベース部252に格納されている情報の構成の一例を示す図。
図4】コンピュータシステム210において実行される処理の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本明細書において用いられる用語を定義する。
【0019】
「商品サービス群」とは、商品またはサービスを構成要素とする群をいう。
【0020】
「サブ商品サービス群」とは、商品サービス群の下位概念の群をいい、商品またはサービスを構成要素とする群をいう。
【0021】
「ランク」とは、品質のレベルをいう。特に、中古品の「ランク」とは、中古品の品質のレベルをいう。例えば、「ランク」は、品質が高いものから順番に(例えば、「ランク
S」、「ランクA」、「ランクB」、「ランクC」のように)ランク付けされ得るが、本発明はこれに限定されない。
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
1.商品サービス群の相場の傾向を表す指標値
図1は、商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を折れ線グラフで示す。図1に示されるグラフの縦軸は、商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を示し、図1に示されるグラフの横軸は、商品サービス群に属する商品またはサービスが販売された時期を示す。図1に示される例では、2019年1月時点を基準として、2019年1月~2022年7月に販売された商品サービス群の指標値が示されている。
【0024】
図1に示される商品サービス群の指標値の経時的変化を表示し、その経時的変化を分析することにより、その商品サービス群に属する商品またはサービスの販売実績に関する現在の状態またはトレンドを把握することが可能であり、その商品またはサービスの販売実績の将来の展望を推測することが可能である。図1に示される指標値は、後述されるように、商品またはサービスの実際の販売実績(特に、販売金額および販売時期)に基づいて算出される。
【0025】
指標値のベースとなる実際の販売実績は、所定の期間ごとにもたらされるものであることが好ましい。例えば、指標値のベースとなる実際の販売実績は、定期的に開催されるオークション形式の取引からもたらされるものであることが好ましい。なぜなら、1つの特定のタイミングで販売された特定のタイプの商品またはサービスの大量の販売実績を一挙に利用することが可能であり、オークション形式の取引により、突飛な販売価格の設定を排除することが可能であるからである。これにより、精度の高い安定した販売金額と正確な販売時期とを同時に取得することが可能であり、または、これらを記録することが可能である。
【0026】
以下の実施形態では、中古品であるロレックスの腕時計を例にとり、ロレックスの腕時計の指標値を算出する方法の一例を説明する。以下の実施形態では、ロレックスの腕時計のモデルが「サブマリーナ」、「デイトジャスト」、「デイトナ」の3種類のみであると仮定するが、ロレックスの腕時計のモデルの数は3種類には限定されない。本発明は、ロレックスの腕時計の任意の数のモデルを取り扱うことが可能である。また、以下の実施形態では、2019年1月~2022年7月に販売されたロレックスの腕時計の指標値を算出するものとするが、ロレックスの腕時計が販売された年月はこれらの年月には限定されない。本発明は、任意の年月に(または、所定の期間中に)販売されたロレックスの腕時計の指標値を算出することが可能である。また、各腕時計には、ランクS、ランクA、ランクB、ランクCが付与されているものとするが、各腕時計に付与されているランクの種類はこれらに限定されない。本発明は、任意の数のランクを取り扱うことが可能である。なお、本明細書において、例えば、「サブマリーナ」というモデルに属する腕時計のランクSは、「デイトジャスト」というモデルに属する腕時計のランクSと異なるランクであるとする(すなわち、「ランクごとに算出する」という場合、「サブマリーナ」というモデルに属するランクSの腕時計と「デイトジャスト」というモデルに属するランクSの腕時計とがまとめて指数値の算出の対象とされることはないものとする)。以下の実施形態では、ロレックスの指標値は、1ヶ月単位で算出されているが、ロレックスの指標値が算出される単位はこれに限定されない。本発明は、ロレックスの指標値を任意の期間を単位として算出することが可能である。
【0027】
ステップS101:ロレックスの指標値を算出するために、以下の表1に示されるように、2019年1月~2022年7月に販売されたロレックスの腕時計のうちロレックスの「サブマリーナ」、「デイトジャスト」、「デイトナ」の腕時計のそれぞれが占有している割合を示す占有率を算出する。なお、ステップS101は、ステップS103より前の任意のタイミングで実行され得る。占有率は、表1に示されるように、ロレックスの「サブマリーナ」、「デイトジャスト」、「デイトナ」のそれぞれに属する各腕時計の販売金額に基づいて算出される。表1では、各モデルに属する腕時計のランクごとに、販売金額の小計および占有率が示されている。表1に示される例では、ロレックスの「サブマリーナ」の占有率は、(319450307+144225033+599176766+1002444796)/5071600879=0.41である。例えば、ロレックスの腕時計のランクごとに占有率を算出する場合、ロレックスの「サブマリーナ」に属するランクCの腕時計の占有率は、319450307/5071600879=0.06である。
【表1】
【0028】
ステップS102:ロレックスの指標値を算出するために、2019年1月~2022年7月に販売されたロレックスの「サブマリーナ」、「デイトジャスト」、「デイトナ」のそれぞれの販売金額の増減の割合を示す増減係数を算出する。なお、ステップS102は、ステップS103より前の任意のタイミングで実行され得る(すなわち、ステップS101の前に実行されてもよいし、ステップS101と同時に実行されてもよいし、ステップS101の後に実行されてもよい)。表2では、「サブマリーナ」に属するランクCの腕時計の増減係数が、2019年1月の販売実績を基準として、1ヶ月ごとに示されている。例えば、販売月Xの増減係数が1より大きいことは、販売月Xの販売金額の中央値が2019年1月の販売金額の中央値より大きいことを示している。中央値を利用することによって、突飛な販売金額による悪影響を抑制または排除することが可能である。表2に示される例では、例えば、「サブマリーナ」に属するランクCの腕時計の2019年3月の増減係数は、2019年1月に販売された「サブマリーナ」に属するランクCの腕時計の販売金額の中央値に対する、2019年3月に販売された「サブマリーナ」に属するランクCの腕時計の販売金額の中央値の増減の割合を示しており、734400/691200=1.06である。
【表2】
【0029】
以下の表3は、表2を参照して説明された計算と同様に、表2に示される「サブマリーナ」に属するランクCの腕時計の増減係数以外の増減係数(すなわち、「サブマリーナ」に属するランクB、ランクA、ランクSの腕時計のそれぞれの増減係数、「デイトジャスト」に属するランクC、ランクB、ランクA、ランクSの腕時計のそれぞれの増減係数、「デイトナ」に属するランクC、ランクB、ランクA、ランクSの腕時計のそれぞれの増減係数)を算出したものを示す。
【表3】
【0030】
ステップS103:下記の表4に示されるように、ランクごとに、かつ、販売月ごとに、占有率と増減係数との積を計算し、個別指標値を算出する。例えば、ロレックスの「サブマリーナ」に属するランクCの腕時計の2019年1月の個別指標値は、占有率0.063×増減係数1.00=0.063である。例えば、ロレックスの「サブマリーナ」に属するランクCの腕時計の2019年3月の個別指標値は、占有率0.063×増減係数1.06=0.067である。また、例えば、ロレックスの「サブマリーナ」の2019年2月の個別指標値は、0.063+0.049+0.198+0.307=0.617であり、ロレックスの「デイトジャスト」の2019年2月の個別指標値は、0.028+0.047+0.033+0.033=0.141であり、ロレックスの「デイトナ」の2019年2月の個別指標値は、0.132+0.208+0.167+0.180=0.687である。
【表4】
【0031】
ステップS104:販売月ごとに、ロレックスの指標値を算出する。例えば、ロレックスの2019年2月の指標値は、ロレックスの「サブマリーナ」の2019年2月の個別指標値(すなわち、ロレックスの「サブマリーナ」に属する腕時計の2019年2月のランクごとの個別指標値の合計)と、ロレックスの「デイトジャスト」の2019年2月の個別指標値(すなわち、ロレックスの「デイトジャスト」に属する腕時計の2019年2月のランクごとの個別指標値の合計)と、ロレックスの「デイトナ」の2019年2月の個別指標値(すなわち、ロレックスの「デイトナ」に属する腕時計の2019年2月のランクごとの個別指標値の合計)とを加算することによって算出され、0.617+0.141+0.687=1.445である。このようにして算出されたロレックスの指標値が、図1に示されるように、販売月と対応付けた状態でグラフを用いてユーザに提示される。
【0032】
なお、上述した実施形態では、増減係数がランクごとに算出される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、増減係数は、ランクの上位概念であるモデルごとに算出されてもよい。この場合、個別指標値および指標値もまた、モデルごとに算出され得る。
【0033】
また、上述した実施形態では、増減係数が1ヶ月ごとに算出され、個別指標値が1ヶ月ごとに算出され、指標値が1ヶ月ごとに算出される例を説明したが、本発明は、これに限定されない。増減係数は、所定の期間(例えば、2019年1月~2022年7月)内の一定期間(例えば、四半期、半年、1年)ごとに算出され、個別指標値は、所定の期間内の一定期間ごとに算出され、指標値は、所定の期間内の一定期間ごとに算出されるようにしてもよい。
【0034】
上述したように、本発明の指標値は、一定期間ごとの占有率と増減係数との積に基づいて算出される。従って、本発明の指標値は、増減係数において販売金額の中央値がどの程度変化したかを反映するだけでなく、占有率において流通シェアの規模も反映することができる構成を有している。それ故、本発明の指標値を提示されたユーザは、本発明の指標値を基にして商品またはサービスのトレンドを把握することが可能である。
【0035】
2.商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのシステムの構成
図2は、商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのシステム200の構成の一例を示す。
【0036】
システム200は、商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するコンピュータシステム210と、ユーザ装置220~220と、販売された商品またはサービスに関する情報の処理を実行するサーバ装置230~230とを備える。コンピュータシステム210は、インターネット240を介して、ユーザ装置220~220のそれぞれと通信することが可能なように構成されており、かつ、サーバ装置230~230のそれぞれと通信することが可能なように構成されている。ここで、NおよびMは、1以上の整数である。
【0037】
コンピュータシステム210は、商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を管理する会社のための処理を実行する情報処理システムである。図2に示される例では、コンピュータシステム210は、インターフェース部211と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部212と、メモリ部213とを含む。コンピュータシステム210のハードウェア構成は、その機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0038】
インターフェース部211は、ユーザ装置220~220のそれぞれとの通信、および、サーバ装置230~230との通信を制御する。
【0039】
メモリ部213には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部213に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部213にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット240などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部213にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部213にインストールされるようにしてもよい。
【0040】
プロセッサ部212は、コンピュータシステム210全体の動作を制御する。プロセッサ部212は、メモリ部213に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム210は、所望のステップを実行する装置として機能することが可能であり、コンピュータシステム210のプロセッサ部212は、所望の機能を達成する手段として動作することが可能である。
【0041】
図2に示される例では、コンピュータシステム210は、データベース部250に接続されている。データベース部250は、商品サービスデータベース部251と、販売データベース部252とを含む。
【0042】
ユーザ装置220~220のそれぞれは、インターネット240を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。ユーザ装置220~220のそれぞれは、インターフェース部、プロセッサ部、メモリ部、表示部、および入力部を備え得る。例えば、ユーザ装置220~220のそれぞれは、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の携帯無線端末であってもよいし、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0043】
サーバ装置230~230のそれぞれは、販売された商品またはサービス(例えば、オークションにおいて販売された商品またはサービス)の販売実績(例えば、販売金額および販売時期)を取りまとめる(例えば、記録する、集計する)処理を実行する情報処理装置である。サーバ装置230の一例は、オークションサイトを管理および運営する会社のための処理を実行する情報処理装置である。サーバ装置230の他の一例は、POS(Point of sales)システムである。サーバ装置230~230のそれぞれは、インターネット240を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。
【0044】
なお、図2に示される例では、ユーザ装置220~220のそれぞれおよびサーバ装置230~230のそれぞれがインターネット240を介してコンピュータシステム210と通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット240の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。
【0045】
また、図2に示される例では、データベース部250は、コンピュータシステム210の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部250をコンピュータシステム210の内部に設けることも可能である。データベース部250の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部250は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部250は、コンピュータシステム210の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
【0046】
図3Aは、商品サービスデータベース部251に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0047】
商品サービスデータベース部251には、商品またはサービスに関する情報が格納されている。商品またはサービスに関する情報は、商品またはサービスを識別するための情報(商品サービスID)によって識別されることが可能である。商品またはサービスに関する情報は、商品またはサービスの名称、モデル名、型番、色、ランクなどを含む。ランクは、例えば、商品サービスIDによって識別される商品またはサービスの傷および/または汚れの有無、保存状態(例えば、商品またはサービスの構成要素がすべて揃っているかどうか、包装用箱が存在するかどうか、保証書が存在するかどうか)などによって決定され得る。ランクは、コンピュータシステム210によって(例えば、AIを使用して)自動的に決定されてもよいし、コンピュータシステム210の運営会社の従業員によって入力されてもよい。
【0048】
図3Bは、販売データベース部252に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0049】
販売データベース部252には、販売に関する情報が格納されている。販売に関する情報は、販売を識別するための情報(販売ID)によって識別されることが可能である。販売に関する情報は、商品またはサービスを識別するための情報(商品サービスID)に関連付けられている。販売に関する情報は、商品サービスIDによって識別される商品またはサービスの販売時期、販売金額、販売地域などを含む。
【0050】
3.コンピュータシステムにおいて実行される処理
図4は、コンピュータシステム210において実行される処理の一例を示す。図4に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム210のプロセッサ部211によって実行される。以下、図4に示される各ステップを説明する。
【0051】
ステップS401:所定の期間P内に販売された特定のタイプの商品サービス群の総販売金額のうち、特定のタイプの複数のサブ商品サービス群(すなわち、特定のタイプの商品サービス群の複数のサブ商品サービス群)のそれぞれの販売金額が占有している割合を示す占有率が算出される。この処理は、例えば、所定の期間P内に販売された特定のタイプの複数の商品またはサービス(すなわち、特定のタイプの商品サービス群の複数のサブ商品サービス群のうちの少なくとも1つに属する複数の商品またはサービス)のそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて実行され得る。所定の期間P内に販売された特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報は、例えば、サーバ装置230から受信され、データベース部250(特に、販売データベース部252)内に格納されたものであり得る。この処理は、例えば、表1を参照して説明されたものに対応し得る。
【0052】
特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの占有率は、サブ商品サービス群ごとに算出される。特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれにランクが付与されている場合には、特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの占有率は、特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに算出されてもよい。
【0053】
例えば、特定のタイプの商品サービス群が、ロレックスの腕時計を指す場合、特定のタイプの複数のサブ商品サービス群は、例えば、ロレックスの「サブマリーナ」、「デイトジャスト」、および「デイトナ」を指し得る。例えば、特定のタイプの商品サービス群が、ロレックスの「サブマリーナ」の腕時計を指す場合、特定のタイプの複数のサブ商品サービス群は、例えば、ロレックスの「サブマリーナ」に属する型番を指し得る。あるいは、特定のタイプの商品サービス群が、ロレックスの「サブマリーナ」の腕時計を指す場合、特定のタイプの複数のサブ商品サービス群は、例えば、ロレックスの「サブマリーナ」に属する腕時計のランクを指し得る。
【0054】
ステップS402:特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の増減の割合を示す増減係数が算出される。この処理は、例えば、所定の期間P内に販売された特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて実行され得る。この処理は、例えば、表2および表3を参照して説明されたものに対応し得る。
【0055】
特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの増減係数は、サブ商品サービス群ごとに算出される。さらに、特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの増減係数は、所定の期間P内の一定期間(例えば、1ヶ月、四半期、半年、1年)ごとに算出され得る。特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれにランクが付与されている場合には、特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの増減係数は、特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに算出されてもよい。
【0056】
特定のタイプのサブ商品サービス群の増減係数は、所定の期間P内の一定期間ごとの特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれに属する複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額の中央値に基づいて算出され得る。特に、この処理は、例えば、表2を参照して説明されたものに対応し得る。
【0057】
ステップS403:所定の期間P内に販売された特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を示す指標値が算出される。この処理は、ステップS401において算出された特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの占有率と、ステップS402において算出された特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの増減係数とに基づいて実行され得る。特定のタイプの商品サービス群の指標値Sは、例えば、所定の期間P内の一定期間ごとの値であり得る。具体的には、所定の期間P内の一定期間ごとに、特定のタイプのサブ商品サービス群の占有率と特定のタイプのサブ商品サービス群の増減係数との積を計算して特定のタイプのサブ商品サービス群の個別指標値を算出し、特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの個別指標値を加算することによって、所定の期間P内の一定期間ごとの特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの個別指標値の総和が、所定の期間P内の一定期間ごとの特定のタイプの商品サービス群の指標値Sとして算出される。
【0058】
特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれにランクが付与されている場合には、所定の期間P内の一定期間ごとに、特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに算出された特定のタイプのサブ商品サービス群のランクごとの占有率と、特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれに付与されたランクごとに算出された特定のタイプのサブ商品サービス群のランクごとの増減係数との積を計算して特定のタイプのサブ商品サービス群のランクごとの個別指標値を算出し、特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれのランクごとの個別指標値を加算することによって、所定の期間P内の一定期間ごとの特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれのランクごとの個別指標値の総和が、所定の期間P内の一定期間ごとの特定のタイプの商品サービス群の指標値Sとして算出される。
【0059】
なお、ステップS403の後、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ステップS403において算出された所定の期間P内の一定期間ごとの特定のタイプの商品サービス群の指標値Sを、その一定期間と対応付けた状態でユーザに提示するための処理を実行してもよい。この処理は、例えば、図1に示されるような図式(例えば、折れ線グラフ、棒グラフ、表)をユーザ装置220の表示部に表示するために、ステップS403において算出された所定の期間P内の一定期間ごとの特定のタイプの商品サービス群の指標値Sを含む図式を示すデータをユーザ装置220に送信することを含み得る。
【0060】
なお、ステップS401より前のタイミングでユーザ装置220から、ユーザによって選択された特定のタイプの商品サービス群を示すユーザ入力を受信し、そのユーザ入力を受信したことに応答してステップS401が実行されてもよい。すなわち、コンピュータシステム210は、商品の名称「ロレックスの腕時計」を特定のタイプの商品サービス群として選択したことを示すユーザ入力に応答して、ステップS401およびステップS402を実行し、ユーザによって選択された特定のタイプの商品サービス群の指標値Sを算出してもよい。これにより、ユーザは、商品またはサービスを指定し、ユーザの所望の商品またはサービスの指標値を得ることが可能である。
【0061】
また、コンピュータシステム210は、ステップS401より前のタイミングでユーザ装置220から、「所定の期間P」を指定するためのユーザ入力を受信し、そのユーザ入力に応答して、ステップS401およびステップS402を実行し、ユーザによって指定された所定の期間P内に販売された特定のタイプの商品サービス群の指標値Sを算出してもよい。これにより、ユーザは、所定の期間Pを指定し、ユーザの所望の所定の期間P内に販売された商品サービス群の指標値Sを得ることが可能である。また、コンピュータシステム210は、商品の型番および/または色などをさらに指定するためのユーザ入力を受信し、そのユーザ入力に応答して、ステップS401およびステップS402を実行し、ユーザによって指定された商品の型番および/または色を満たす特定のタイプの商品サービス群の指標値Sを算出してもよい。
【0062】
このように、コンピュータシステム210は、特定のタイプの商品サービス群に関連する条件を規定するためのユーザ入力を受信したことに応答して、特定のタイプの商品サービス群に関連する条件を満たす特定のタイプの商品サービス群の指標値を算出するようにしてもよい。
【0063】
なお、特定のタイプの商品サービス群に含まれる複数の商品は、新品のみであってもよいし、新品および中古品の両方が混在するものであってもよいし、中古品のみであってもよい。
【0064】
なお、ステップS403の後、所定の期間Pの後の所定の期間Qに販売された特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて、所定の期間Pおよび所定の期間Q内の一定期間ごとに、所定の期間Pおよび所定の期間Q内に販売された商品サービス群の相場の傾向を示す指標値Tがさらに算出されてもよい。これにより、指標値Sを更新することが可能である。具体的には、指標値Tは、所定の期間Pおよび所定の期間Q内に販売された特定のタイプの複数の商品またはサービスのそれぞれの販売金額を示す情報に基づいて算出された(1)所定の期間Pおよび所定の期間Q内に販売された特定のタイプの商品サービス群の総販売金額のうち特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額が占有している割合を示す占有率と(2)所定の期間Pおよび所定の期間Q内に販売された特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の増減の割合を示す増減係数とに基づいて、算出される。所定の期間Q内に販売された特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額および販売時期を示す情報は、例えば、サーバ装置230および/またはサーバ装置230から受信され得る。所定の期間Pおよび所定の期間Q内に販売された特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の占有率の計算方法は、所定の期間P内に販売された特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の占有率の計算方法と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。所定の期間Pおよび所定の期間Q内に販売された特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の増減係数の計算方法は、所定の期間P内に販売された特定のタイプの複数のサブ商品サービス群のそれぞれの販売金額の増減係数の計算方法と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。指標値Tの計算方法は、指標値Sの計算方法と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0065】
なお、図4に示される例では、メモリ部に格納されたプログラムをプロセッサ部が実行することによって、図4に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図4に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0066】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、特定のタイプの商品サービス群の相場の傾向を表す指標値を算出するためのコンピュータシステムおよびプログラム、ならびに、システム等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0068】
200 システム
210 コンピュータシステム
220~220 ユーザ装置
230~230 サーバ装置
240 インターネット
250 データベース部
図1
図2
図3A
図3B
図4