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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046302
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】吸着ドラム及びラベル装着装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/08 20060101AFI20240327BHJP
   B65C 3/16 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
B65C9/08
B65C3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151610
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】595039900
【氏名又は名称】株式会社フジヤマ技研
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】秋山 隆
(72)【発明者】
【氏名】廣重 秀輝
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA07
3E095BA02
3E095CA01
3E095DA34
3E095DA42
3E095DA82
3E095FA07
3E095FA18
(57)【要約】
【課題】様々なサイズや形状の容器に対応可能な吸着ドラムを提供することで、装置の低コスト化を図る。
【解決手段】外周面に形成された吸着孔からの吸引力によって、ラベルを吸着保持しながら回転するものであって、外周面に吸着孔hを有する複数のドラム要素31を有し、それらのドラム要素31が軸方向に着脱可能であるようにした。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に形成された吸着孔からの吸引力によって、ラベルを吸着保持しながら回転するものであって、
外周面に前記吸着孔を有する複数のドラム要素を有し、それらのドラム要素が軸方向に着脱可能であることを特徴とする吸着ドラム。
【請求項2】
前記ドラム要素として、前記吸着孔に負圧を発生させる負圧発生手段に接続されるベースドラムと、前記ベースドラムの軸方向上端部に着脱可能な上側ドラムとを有し、
前記ベースドラムが有底筒状をなし、前記上側ドラムが軸方向両端の開口した筒状をなすことを特徴とする請求項1記載の吸着ドラム。
【請求項3】
前記上側ドラムの上端部に、別の上側ドラムが着脱可能であることを特徴とする請求項2記載の吸着ドラム。
【請求項4】
軸方向に沿って互いに隣り合う一対の前記ドラム要素の間に介在して、一方の前記ドラム要素に対して他方の前記ドラム要素を位置決めするための位置決め機構が設けられていることを特徴とする請求項1記載の吸着ドラム。
【請求項5】
前記ドラム要素が、軸方向に沿って前記吸着孔が列状に形成されるとともに、それらの列状の前記吸引孔が周方向に沿って複数列設けられており、
ある列に含まれる前記吸引孔の前記軸方向に沿った高さ位置が、その隣の列に含まれる前記吸引孔の前記軸方向に沿った高さ位置と異なることを特徴とする請求項1記載の吸着ドラム。
【請求項6】
列状に形成されている前記吸引孔のうち、互いに隣り合う2つの前記吸引孔の間隔が、互いに隣り合う別の2つの前記吸引孔の間隔と異なることを特徴とする請求項5記載の吸着ドラム。
【請求項7】
請求項1記載の吸着ドラムを備えることを特徴とするラベル装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器にラベルを装着するラベル装着装置及びこの装置に用いられる吸着ドラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラベル装着装置としては、特許文献1に示すように、多数の容器を間欠的に移送するとともに、それらの容器に、吸着ドラムに吸着保持させたラベルを貼り付けるように構成されたものがある。
【0003】
この吸着ドラムは、円筒状をなすものであり、その外周面に多数の吸着孔が形成されている。そして、吸着ドラムと容器とを回転させながら、これらの外周面同士を接触させることで、吸着ドラムの外周面に保持されているラベルが、容器の外周面に貼り付けられる。
【0004】
しかしながら、容器のサイズや形状は種々あり、容器の外周面においてラベルを貼り付ける高さがまちまちであることから、その貼り付ける高さに応じた様々な高さ寸法の吸着ドラムを準備しておく必要があり、コストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-58755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、様々なサイズや形状の容器に対応可能な吸着ドラムを提供することで、装置の低コスト化を図ることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係る吸着ドラムは、外周面に形成された吸着孔からの吸引力によって、ラベルを吸着保持しながら回転する吸着ドラムであって、前記吸着ドラムが、外周面に前記吸着孔を有する複数のドラム要素を有し、それらのドラム要素が軸方向に着脱可能であることを特徴とするものである。
【0008】
このように構成された吸着ドラムによれば、軸方向に着脱可能な複数のドラム要素を有しているので、ドラム要素の数を増やすことで吸着ドラムの高さを高くすることができ、ドラム要素の数を減らすことで吸着ドラムの高さを低くすることができる。
その結果、本発明に係る吸着ドラムは、様々なサイズや形状の容器に対して対応可能なものとなり、装置の低コスト化を図れる。
【0009】
前記ドラム要素として、前記吸着孔に負圧を発生させる負圧発生手段に接続されるベースドラムと、前記ベースドラムの軸方向上端部に着脱可能な上側ドラムとを有し、前記ベースドラムが有底筒状をなし、前記上側ドラムが軸方向両端の開口した筒状をなすことが好ましい。
このような構成であれば、例えば高さの異なる上側ドラムをいくつか準備しておき、ベースドラムに取り付けられている上側ドラムを交換することにより、容器のサイズや形状に応じて吸着ドラムの高さを変えることができる。
また、複数の上側ドラムに対して、共通のベースドラムを兼用することができ、さらなる低コスト化を図れる。
【0010】
前記上側ドラムの上端部に、別の上側ドラムが着脱可能であることが好ましい。
これならば、高さの同じ上側ドラムや高さの異なる上側ドラムを準備しておき、それらを取捨選択しながら取り付けていくことにより、容器のサイズや形状に応じて吸着ドラムの高さを変えることができる。
【0011】
軸方向に沿って互いに隣り合う一対の前記ドラム要素の間に介在して、一方の前記ドラム要素に対して他方の前記ドラム要素を位置決めするための位置決め機構が設けられていることが好ましい。
これならば、複数のドラム要素の組み立てが簡単になるうえ、例えば互いに隣り合うドラム要素のからのリークを防ぐことができる。
【0012】
吸引孔の配置としては、吸着ドラムの外周面を展開した展開図において、周方向(横方向)及び高さ方向(縦方向)に沿って並べた格子状の配置が挙げられる。
しかしながら、この態様であると、例えばラベルの縁が格子の間に位置する場合に、その縁の吸着が甘くなる。
そこで、前記ドラム要素が、軸方向に沿って前記吸着孔が列状に形成されるとともに、それらの列状の前記吸引孔が周方向に沿って複数列設けられており、ある列に含まれる前記吸引孔の前記軸方向に沿った高さ位置が、その隣の列に含まれる前記吸引孔の前記軸方向に沿った高さ位置と異なることが好ましい。
これならば、吸着ドラムの外周面を展開した展開図において、吸着孔を千鳥状に配置させることができるので、格子状の配置に比べて、ラベルの縁に吸引力を作用させやすくなる。
【0013】
列状に形成されている前記吸引孔のうち、互いに隣り合う2つの前記吸引孔の間隔が、互いに隣り合う別の2つの前記吸引孔の間隔と異なることが好ましい。
このような構成であれば、吸引孔を等間隔に加工する場合に比べて、吸引孔の位置の自由度を向上させることができ、例えばドラム要素の軸方向端部など、加工の難しい箇所を避けて吸引孔を加工することができる。
【0014】
また、本発明に係るラベル装着装置は、上述した吸着ドラム備えることを特徴とするものであり、このようなものであれば、上述した吸着ドラムによる作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0015】
このように構成した本発明によれば、様々なサイズや形状の容器に対応可能な吸着ドラムを提供することで、装置の低コスト化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態のラベル装着装置の全体構成を示す模式図。
図2】本実施形態のラベル吸着機構の構成を示す模式図。
図3】本実施形態の吸着ドラムの構成を示す模式図。
図4】本実施形態の吸着ドラムの構成を示す断面図。
図5】本実施形態のベースドラムの構成を示す模式図。
図6】本実施形態の吸着孔の配置を示す模式図。
図7】その他の実施形態の吸着孔の配置を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係るラベル装着装置100の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
<装置構成>
本実施形態のラベル装着装置100は、図1に示すように、複数の容器X(ペットボトル等)を搬送しながら、それらの容器Xに連続してラベルを装着するものであり、容器Xを搬送する容器搬送機構10と、ラベルを容器Xまで移送するラベル移送機構20と、これらの機構10、20の動作を制御する制御装置(不図示)とを具備している。
【0019】
容器搬送機構10は、複数の容器Xを連続的に搬送するものであり、図1に示すように、容器Xを搬送する搬送チェーンBと、ラベルを貼付けている最中の容器Xの搬送をガイドするガイド部材Gとを備えている。
【0020】
ラベル移送機構20は、シール状のラベル(所謂タックラベル)を、ラベル装着位置Pに到達した容器Xに移送して貼り付けるものであり、具体的には、ラベルを所定位置Qに供給するラベル供給機構21と、所定位置Qに搬送されたラベルを吸着保持するラベル吸着機22とを備える。
【0021】
ラベル供給機構21は、例えばドラムや搬送チェーンなどによりタックラベルを搬送して所定位置Qに供給するものである。ここでは、2つのラベル供給機構21が設けられているが、ラベル供給機構21の台数は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
【0022】
このラベル吸着機構22は、吸着保持したラベルをラベル装着位置Pに到達した容器Xに貼り付けるものであり、具体的には図2に示すように、ラベルを吸着保持する吸着ドラム3と、吸着ドラム3を回転させる駆動機構4と、吸着ドラム3に負圧を生じさせる送風機5とを備えている。
【0023】
吸着ドラム3は、図2及び図3に示すように、筒状をなし、外周面の周方向に沿った複数箇所に吸着孔hが形成されたものであり、これらの吸着孔hからの吸引力によって、ラベルを吸着保持しながら回転するものである。
本実施形態では、この吸着ドラム3に特徴があるので、詳細は後述する。
【0024】
駆動機構4は、吸着ドラム3に接続された例えばサーボモータ等の回転速度が可変な電気モータであり、ここでは、上述した制御装置(不図示)により制御されるものである。ただし、駆動機構4としては、サーボモータに限らず、ACモータやパルスモータやステッピングモータなど回転速度が一定の電気モータであっても良いし、モータを用いることなく、種々の動力源からの動力をギア等を介して吸着ドラム3に伝達する機械式のものであっても良い。
【0025】
送風機5は、空気を圧送することにより上流側に負圧を発生させる負圧発生手段であり、具体的には、図2に示すように、上流が吸着ドラム3に接続されるとともに、下流が大気開放された流路Lに設けられたブロワである。
【0026】
この送風機5が設けられている流路Lは、上流側開口が上述した吸着ドラム3に接続されており、これにより、送風機5を稼働させると吸着ドラム3の複数の吸着孔hに負圧が発生する。
【0027】
そして、本実施形態の吸着ドラム3は、図3及び図4に示すように、外周面に吸着孔hを有する複数のドラム要素31を有し、それらのドラム要素31が軸方向に着脱可能に構成されている。
【0028】
これらのドラム要素31としては、上述した流路Lを介して負圧発生手段たる送風機5に接続されるベースドラム31Aと、このベースドラム31Aの軸方向上端部に着脱可能な1又は複数の上側ドラム31Bを有している。
【0029】
まず、ベースドラム31Aについて説明する。
ベースドラム31Aは、図4に示すように、有底筒状をなすものであり、その底部には、上述した流路Lに連通する溝3gが形成されている。この溝3gは、図5に示すように、径方向に沿って延びるものであり、ここでは、放射状に複数本の溝3gが形成されている。
【0030】
また、このベースドラム31Aの周壁部には、同図4に示すように、上述した溝3gに連通するとともに、軸方向に沿って延びるスリットSAが形成されている。
【0031】
ここでは、図5に示すように、複数本のスリットSAが、周方向に沿って等間隔に形成されており、周壁部の全周に亘り設けられている。ただし、周方向に隣り合うスリットSAの間隔は、必ずしも等間隔である必要はなく、互いに隣り合う2本のスリットSAの周方向に沿った間隔が、互いに隣り合う別の2本のスリットSAの周方向に沿った間隔と異なっていても良い。
【0032】
また、スリットSAは、必ずしも周壁部の全周に亘り設けられている必要はなく、周方向に沿った一部の領域にのみ設けられていても良い。
【0033】
ここで、1本のスリットSAに単一の溝3gを連通させようとした場合、互いに隣り合う溝3gの回転軸側が干渉する恐れがあることから、本実施形態では、図5に示すように、互いに隣り合う2本のスリットSAに共通の溝3gが連通している。
【0034】
ただし、溝3gの幅を狭くするなどして、1本のスリットSAに単一の溝3gが連通するようにしても良いし、或いは、3本以上のスリットSAに共通の溝3gが連通するようにしても良い。
【0035】
ベースドラム31Aの外周面には、図3及び図4に示すように、上述したスリットSAに連通する複数の吸着孔hAが開口している。
【0036】
より具体的に説明すると、ここでのベースドラム31Aは、図2図3、及び図5に示すように、外周面の周方向の全周に亘り吸着孔hAが形成されている。なお、ここでは吸着孔hAが、全周に亘り周方向に沿って等間隔に形成されているが、吸着孔hAの周方向に沿った間隔の一部が、吸着孔hAの周方向に沿ったその他の間隔と異なっていても良い。
【0037】
また、この吸着ドラム3は、図3に示すように、周方向のみならず、軸方向に沿っても吸着孔hAが形成されている。つまり、軸方向に沿って形成された列状の吸着孔hAが、周方向に沿って複数列設けられていることになる。
【0038】
本実施形態のベースドラム31Aは、図6に示す外周面の展開図から分かるように、ある列に含まれる吸引孔の軸方向に沿った高さ位置が、その隣の列に含まれる吸引孔の軸方向に沿った高さ位置と異なるように構成されている。
【0039】
言い換えれば、本実施形態のベースドラム31Aは、同図6に示すように、複数の吸着孔hAが千鳥状に配置されている。なお、ここでは各列に等しい個数の吸着孔hAが含まれるようにしてあるが、吸着孔hAの個数はこれに限らず、例えば、ある列に含まれる吸着孔hAの個数と、その隣の列に含まれる吸着孔hAの個数が互いに異なっていても良い。
【0040】
このように軸方向に沿って列状に形成されている吸引孔は、ベースドラム31Aの外周面における軸方向一端部から軸方向他端部に亘り形成されている。
【0041】
ある1列に含まれる複数の吸着孔hAに着目すると、この実施形態では、図6に示すように、吸着孔hAの軸方向に沿った一部の間隔が、その他の間隔とは異なる。つまり、列状に形成されている吸引孔のうち、互いに隣り合う2つの吸引孔の間隔が、互いに隣り合う別の2つの吸引孔の間隔と異なる。
【0042】
具体的には、軸方向一端部及び軸方向他端部の一方又は両方に形成されて互いに隣り合う吸着孔hAの間隔L1が、例えば軸方向中央部などのその他の箇所に配置されて互いに隣り合う吸着孔hAの間隔L2よりも短くなっている。
ただし、ある列に含まれる吸着孔hAそれぞれが、軸方向に沿って等間隔に形成されていても良い。
【0043】
次に、上側ドラム31Bについて説明する。
上側ドラム31Bは、軸方向両端部が開口する筒状をなすものであり、ここでは2つの上側ドラム31Bが設けられている。つまり、この実施形態では、上述したベースドラム31Aの軸方向上端部に第1の上側ドラム31Bが着脱可能に設けられており、この第1の上側ドラム31Bの上端部に別の第2の上側ドラム31Bが着脱可能に設けられている。
【0044】
これらの上側ドラム31Bは、ここでは互いに同じ構造のものであり、例えば高さ寸法や複数の吸着孔hBの配置などが共通したものである。
【0045】
ただし、吸着ドラム3を構成する上側ドラム31Bは1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
【0046】
また、複数の上側ドラム31Bは、必ずしも同じ構造である必要はなく、例えば高さ寸法が異なるものあっても良いし、吸着孔hBの個数や配置などが異なるものであっても良い。
【0047】
この上側ドラム31Bの周壁部には、図4に示すように、ベースドラム31Aと同様、軸方向に沿って延びるスリットSBが形成されている。ここでは、複数本のスリットSBが周方向に沿って等間隔に形成されており、周壁部の全周に亘り設けられている。
【0048】
ただし、周方向に隣り合うスリットSBの間隔は、必ずしも等間隔である必要はなく、互いに隣り合う2本のスリットSBの周方向に沿った間隔が、互いに隣り合う別の2本のスリットSBの周方向に沿った間隔と異なっていても良い。
【0049】
また、スリットSBは、必ずしも周壁部の全周に亘り設けられている必要はなく、周方向に沿った一部の領域にのみ設けられていても良い。
【0050】
これらのスリットSBは、図4に示すように、上述したベースドラム31Aに形成されたスリットSAに連通するものであり、言い換えれば、上側ドラム31Bに形成されているスリットSBの本数及び周方向における配置と、ベースドラム31Aに形成されているスリットSAの本数及び周方向における配置が、互いに等しい。
【0051】
そして、上側ドラム31Bの外周面には、上述したスリットSBに連通する複数の吸着孔hBが開口している。
【0052】
より具体的に説明すると、ここでの上側ドラム31Bは、図2及び図3に示すように、外周面の周方向の全周に亘り吸着孔hBが形成されている。なお、ここでは吸着孔hBが、全周に亘り周方向に沿って等間隔に形成されているが、吸着孔hBの周方向に沿った間隔の一部が、吸着孔hBの周方向に沿ったその他の間隔と異なっていても良い。
【0053】
また、この上側ドラム31Bは、周方向のみならず、軸方向に沿っても吸着孔hBが形成されている。つまり、軸方向に沿って形成された列状の吸着孔hBが、周方向に沿って複数列設けられていることになる。
【0054】
本実施形態の上側ドラム31Bは、図6に示す外周面の展開図から分かるように、ある列に含まれる吸引孔の軸方向に沿った高さ位置が、その隣の列に含まれる吸引孔の軸方向に沿った高さ位置と異なるように構成されている。
【0055】
言い換えれば、本実施形態の上側ドラム31Bは、同図6に示すように、複数の吸着孔hBが千鳥状に配置されている。なお、ここでは各列に等しい個数の吸着孔hBが含まれるようにしてあるが、吸着孔hBの個数はこれに限らず、例えば、ある列に含まれる吸着孔hBの個数と、その隣の列に含まれる吸着孔hBの個数が互いに異なっていても良い。
【0056】
このように軸方向に沿って列状に形成されている吸引孔は、上側ドラム31Bの外周面における軸方向一端部から軸方向他端部に亘り形成されている。
【0057】
ある1列に含まれる複数の吸着孔hBに着目すると、この実施形態では、図6に示すように、吸着孔hBの軸方向に沿った一部の間隔が、その他の間隔とは異なる。つまり、列状に形成されている吸引孔のうち、互いに隣り合う2つの吸引孔の間隔が、互いに隣り合う別の2つの吸引孔の間隔と異なる。
【0058】
具体的には、軸方向一端部及び軸方向他端部の一方又は両方に形成されて互いに隣り合う吸着孔hBの間隔L3が、例えば軸方向中央部などのその他の箇所に配置されて互いに隣り合う吸着孔hBの間隔L4よりも短くなっている。
ただし、ある列に含まれる吸着孔hBそれぞれが、軸方向に沿って等間隔に形成されていても良い。
【0059】
上述した構成において、本実施形態の吸着ドラム3は、図4に示すように、軸方向に沿って互いに隣り合う一対のドラム要素31の間に介在して、一方のドラム要素31に対して他方のドラム要素31を位置決めするための位置決め機構32をさらに備えている。
【0060】
この位置決め機構32は、例えば位置決めプレートなどを利用して構成されており、一方のドラム要素31に対する他方のドラム要素31の相対的な位置、より具体的には周方向に沿った相対的な位置を決めるためのものである。
【0061】
この位置決め機構32を介して、複数のドラム要素31を取り付けることより、一方のドラム要素31に形成されているスリットSA、SBと、他方のドラム要素31に形成されているスリットSA、SBとが互いに連通する。
【0062】
本実施形態では、ベースドラム31Aと、このベースドラム31Aに取り付けられる上側ドラム31Bとの間に位置決め機構32が介在しており、この上側ドラム31Bと、この上側ドラム31Bに取り付けられる別の上側ドラム31Bとの間にも位置決め機構32が介在している。
【0063】
上述した構成により、それぞれのドラム要素31を互いに取り付けることで、ドラム要素31それぞれに形成されているスリットSA、SBが互いに連通する。その結果、上述したブロワを作動させることにより、溝3g及びスリットSA、SBを介して、それぞれのスリットSA、SBに連通する吸着孔hに負圧が発生する。
【0064】
<本実施形態の効果>
このように構成したラベル装着装置100によれば、軸方向に着脱可能な複数のドラム要素31を有しているので、ドラム要素31の数を増やすことで吸着ドラム3の高さを高くすることができ、ドラム要素31の数を減らすことで吸着ドラム3の高さを低くすることができる。
その結果、本発明に係る吸着ドラム3は、様々なサイズや形状の容器Xに対して対応可能なものとなり、装置の低コスト化を図れる。
【0065】
また、ベースドラム31Aが負圧発生手段に接続される有底筒状をなすものであり、上側ドラム31Bが軸方向両端の開口した筒状をなすものであるので、例えば高さの異なる上側ドラム31Bをいくつか準備しておき、ベースドラム31Aに取り付けられている上側ドラム31Bを交換することにより、容器Xのサイズや形状に応じて吸着ドラム3の高さを変えることができる。
さらに、複数の上側ドラム31Bに対して、共通のベースドラム31Aを兼用することができ、さらなる低コスト化を図れる。
【0066】
そのうえ、上側ドラム31Bの上端部に、別の上側ドラム31Bが着脱可能であるので、高さの同じ上側ドラム31Bや高さの異なる上側ドラム31Bを準備しておき、それらを取捨選択しながら取り付けていくことにより、容器Xのサイズや形状に応じて吸着ドラム3の高さを変えることができる。
【0067】
加えて、軸方向に沿って互いに隣り合う一対のドラム要素21の間に位置決め機構32を介在させているので、複数のドラム要素21の組み立てが簡単になるうえ、例えば互いに隣り合うドラム要素21に形成されているスリットSからのリークを防ぐことができる。
【0068】
また、ある列に含まれる吸引孔の軸方向に沿った高さ位置が、その隣の列に含まれる吸引孔の軸方向に沿った高さ位置と異なり、言い換えれば、吸着ドラム3の外周面を展開した展開図において、吸着孔hが千鳥状に配置されているので、同展開図において吸着孔hが格子状に配置されている構成に比べて、ラベルの縁に吸引力を作用させやすくなり、ラベルをより確実に吸着保持することができる。
【0069】
さらに、列状に形成されている吸引孔のうち、互いに隣り合う2つの吸引孔の間隔が、互いに隣り合う別の2つの吸引孔の間隔と異なるので、吸引孔を等間隔に加工する場合に比べて、吸引孔の位置の自由度を向上させることができ、例えば吸着ドラム3の軸方向端部など、加工の難しい箇所を避けて吸引孔を加工することができる。
【0070】
加えて、吸引孔が、吸着ドラム3の外周面の全周に亘り形成されているので、駆動機構4による吸着ドラム3の回転量に関わらず、ラベルをより確実に吸着ドラム3に吸着させることができる。
【0071】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記各実施形態に限られるものではない。
【0072】
例えば、複数の吸着孔hは、図7に示すように、吸着ドラム3の外周面を展開した展開図において、格子状に配置されていても良い。
【0073】
また、吸着孔hは、必ずしも吸着ドラム3の外周面の全周に亘り設けられている必要はなく、周方向に沿った一部の領域に吸着孔hが設けられていなくても構わない。
【0074】
さらに、本発明が適用されるラベルは、必ずしもシール状のタックラベルに限らず、搬送の途中で糊付けされるラベル(所謂グルーラベル)であっても構わない。
【0075】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0076】
100・・・ラベル装着装置
X ・・・容器
10 ・・・容器搬送機構
20 ・・・ラベル移送機構
22 ・・・ラベル吸着機構
3 ・・・吸着ドラム
h ・・・吸着孔
31 ・・・ドラム要素
31A・・・ベースドラム
3g ・・・溝
SA ・・・スリット
hA ・・・吸着孔
L1 ・・・間隔
L2 ・・・間隔
31B・・・上側ドラム
SB ・・・スリット
hB ・・・吸着孔
L3 ・・・間隔
L4 ・・・間隔
32 ・・・位置決め機構
4 ・・・駆動機構
5 ・・・送風機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7