(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046329
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】計量装置及び計量販売システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240327BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20240327BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G07G1/00 331C
G07G1/00 301Z
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
G07G1/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151648
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋月 香穂
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142BA08
3E142DA01
3E142DA07
3E142DA08
3E142FA41
3E142GA32
(57)【要約】
【課題】操作者(店員等)や顧客に対する使用性(視認性、操作性等)を向上させた計量装置及び計量販売システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の計量装置は、計量部を含む本体と、店員側表示部と、客側表示部と、を有し、前記店員側表示部は、前記本体の前後方向における一側に設けられ、前記客側表示部は、前記本体の前後方向における他側に設けられ、前記客側表示部の縦寸法は、前記本体の高さ寸法よりも大きく、前記客側表示部の下端は、前記本体の底面よりも低い位置に配置可能であり、前記客側表示部は、前記本体に対して鉛直方向に垂れる姿勢に配置可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量部を含む本体と、
店員側表示部と、
客側表示部と、を有し、
前記店員側表示部は、前記本体の前後方向における一側に設けられ、
前記客側表示部は、前記本体の前後方向における他側に設けられ、
前記客側表示部の縦寸法は、前記本体の高さ寸法よりも大きく、
前記客側表示部の下端は、前記本体の底面よりも低い位置に配置可能であり、
前記客側表示部は、前記本体に対して鉛直方向に垂れる姿勢に配置可能であること
を特徴とする計量装置。
【請求項2】
前記店員側表示部の横寸法及び前記客側表示部の横寸法は、前記本体の幅寸法と同等の寸法を有し、
前記店員側表示部の縦寸法は、前記客側表示部の縦寸法よりも大きく形成され、
前記店員側表示部は、前記本体に対して回動可能に設けられるとともに、前記本体に対して前下がりに傾斜する姿勢に配置可能である
ことを特徴とする請求項1記載の計量装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の計量装置と、
前記計量装置からの情報に基づく支払いを受け付ける決済端末と、
を備えた計量販売システムであって、
前記決済端末は、前記本体の前後方向における他側を向いた状態で、前記本体の左右方向における一側に隣接して配置され、前記本体の底面よりも上方に配置されたこと
を特徴とする計量販売システム。
【請求項4】
前記決済端末は、端末表示部および前記端末表示部よりも下方に設けられた端末操作部を有し、前記端末操作部の少なくとも一部が前記客側表示部の上端よりも下方に位置するように配置された
ことを特徴とする請求項3記載の計量販売システム。
【請求項5】
前記決済端末は、その下部に設けられたカード差込口を有するとともに、前記下部が前記決済端末の上部よりも前記本体の前後方向における他側に位置するように傾斜した状態で配置され、
前記カード差込口は、前記本体の底面よりも上方且つ前記客側表示部の上端よりも下方に位置するように配置されたこと
を特徴とする請求項3記載の計量販売システム。
【請求項6】
前記計量部による商品の計量結果に基づく情報が印字された紙媒体を発行する印字装置を更に備え、
前記印字装置は、前記本体の前後方向における一側を向いた状態で、前記本体の左右方向における一側に隣接して配置され、
前記決済端末は、前記印字装置の背面側に配置した
ことを特徴とする請求項3記載の計量販売システム。
【請求項7】
現金を収納するドロアを更に備え、
前記客側表示部は、前記計量装置の前記本体が前記ドロアの上面に載置された状態で、その下端が前記ドロアの上面よりも下方に位置する
ことを特徴とする請求項3記載の計量販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の計量販売に使用される計量装置及び計量販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンを備えた電子秤などのプリンタ付電子秤が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示したような従来のプリンタ付電子秤は、その前部にタッチスクリーンや印字部が設けられるとともに、その反対側の側面に商品の重量や価格等を顧客に表示する表示器が設けられるものであるが、それらタッチスクリーン、印字部及び表示器の配設態様は、操作者(店員等)や顧客に対する使用性(視認性、操作性等)を十分配慮したものではなく、改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みて、操作者(店員等)や顧客に対する使用性(視認性、操作性等)を向上させた計量装置及び計量販売システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の計量装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
計量部を含む本体と、店員側表示部と、客側表示部と、を有し、前記店員側表示部は、前記本体の前後方向における一側に設けられ、前記客側表示部は、前記本体の前後方向における他側に設けられ、前記客側表示部の縦寸法は、前記本体の高さ寸法よりも大きく、前記客側表示部の下端は、前記本体の底面よりも低い位置に配置可能であり、前記客側表示部は、前記本体に対して鉛直方向に垂れる姿勢に配置可能であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る計量装置の一例を示す斜視概念図である。
【
図2】同計量装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】同計量装置(店員側表示部及び客側表示部を共に前下がりに傾斜する姿勢に保持した状態)を上方から見た平面概略図である。
【
図4】同計量装置を側面から見た側面概念図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る計量装置の正面図であって、店員側表示部及び客側表示部を共に前下がりに傾斜する姿勢に保持した正面図である。
【
図9】同実施形態に係る計量装置の右側面図である。
【
図10】同実施形態に係る計量装置の左側面図である。
【
図11】同実施形態に係る計量装置の正面側(客側表示部側)からみた斜視図である。
【
図12】同実施形態に係る計量装置の背面側(店員側表示部側)からみた斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る計量装置の正面図であって、店員側表示部を前下がりに傾斜する姿勢に保持し、客側表示部を鉛直方向に垂れる姿勢に保持した正面図である。
【
図14】同実施形態に係る計量装置の背面図である。
【
図15】同実施形態に係る計量装置の平面図である。
【
図16】同実施形態に係る計量装置の底面図である。
【
図17】同実施形態に係る計量装置の右側面図である。
【
図18】同実施形態に係る計量装置の左側面図である。
【
図19】同実施形態に係る計量装置の正面側(客側表示部側)からみた斜視図である。
【
図20】同実施形態に係る計量装置の背面側(店員側表示部側)からみた斜視図である。
【
図21】同実施形態に係る計量装置において、客側表示部を前下がりに傾斜する姿勢から、鉛直方向に垂れる姿勢に移動可能であることを示す右側面図である。る。
【
図22】本発明に係る計量販売システムの一例であって、店員側操作表示部側から見た斜視概念図である。
【
図23】同計量販売システムを客側表示部側から見た斜視概念図である。
【
図24】本発明に係る計量販売システムの他の例であって、客側表示部側から見た斜視概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る計量装置の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
(計量装置の基本構造)
図1は、本発明に係る計量装置1の一例を示す斜視概念図である。計量装置1は、
図1に示されているように本体2と、店員側操作表示部3と客側表示部4とを備える。
【0009】
この計量装置1は、後述するように、計量部21により計量した商品の計量データを制御部50に出力するとともに、制御部50の制御により、店員側操作表示部3に、商品に関する商品情報、価格情報、入力項目等の各種情報を操作可能に表示し、また、客側表示部4に、商品に関する商品情報、価格情報等の各種情報を表示し、さらに、通信部70により、外部の装置との間で情報を送受信可能に構成されるものである。
また、この計量装置1は、量り売り商品について、量り売り商品の質量(重量)を計量し、その計量結果である質量(重量)と単価(単位重量当たりの価格)とを乗算することでその商品の価格(支払い金額)を算出する機能を有する。
さらに、この計量装置1は、定額商品について、定額商品の単価に販売数量を乗算することでその商品の価格(支払い金額)を算出する機能を有するものである。この場合、定額商品の計量は行わず、店員側操作表示部3の操作のみで、価格の計算及び商品登録を行うことができる。
このように、本発明に係る計量装置1は、商品データ処理装置としても機能するものである。
以下、計量装置1の具体的な構成について説明する。
【0010】
本体2は、計量部21(
図2参照)と計量皿22とを含み構成され、合成樹脂材や金属材を用いて形成された本体2の筐体内部に、計量部21を構成するロードセル、ロードセルから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、電源装置及びノイズフィルター等が設置されている。
また、計量部21のロードセルの上に亘って計量皿22が載置され、計量皿22に計量対象物を載せて計量を行うように構成されている。この計量対象物は、例えば、肉、魚、野菜、果物、総菜等の量り売り商品である。
【0011】
本体2の前後方向における一側(
図1の手前側)に店員側操作表示部3が設けられ、本体2の前後方向における他側(店員側操作表示部3が配置された側と反対側)に客側表示部4が配置されている。
店員側表示部としての店員側操作表示部3は、操作者(店員等)が商品の取引内容を確認・操作できるように、商品に関する商品情報、価格情報、入力項目等の各種情報を操作可能に表示する。
また、客側表示部4は、顧客が商品の取引内容を確認できるように、商品に関する商品情報、価格情報等の各種情報を表示する。
【0012】
(計量装置の概略構成)
図2は、計量装置1の概略構成を示すブロック図である。計量装置1は、
図2に示されているように、例えば、制御部(CPU)50、記憶部60、計量部21、店員側操作表示部3、客側表示部4、通信部70等を有し、上記各構成要素はバスなどを介して互いに接続されている。
【0013】
制御部(CPU)50は、例えば、記憶部60に記憶されている制御プログラムを実行することにより、計量装置1の各構成要素を統合的に制御する。
この制御部(CPU)50は、量り売り商品について、後述する計量部21からの計量データと、単価(単位重量当たりの価格)とを乗算することでその商品の価格(支払い金額)を算出する。さらに、定額商品について、定額商品の単価に販売数量を乗算することでその商品の価格(支払い金額)を算出する機能を有し、この場合、定額商品の計量は行わず、店員側操作表示部3の操作のみで、価格の計算及び商品登録を行うことができる。
【0014】
記憶部60は、RAMやROM等の記憶装置により構成され、制御プログラムや、商品に関する商品情報(例えば、商品名、単価など)、印字に関する印字情報、印字フォーマット情報、各種設定情報(データ)などを記憶する。また、記憶部60には、店員を識別する店員識別情報と店員情報(店員の氏名等)とが対応付けられて記憶されている。なお、記憶部60に記憶されているプログラムや各情報(データ)は、通信路を介して通信可能に接続された外部のコンピュータから得られたものであってもよい。
【0015】
店員側操作表示部3は、本体2の前後方向における一側(
図1の手前側)に設けられており、制御部(CPU)50の制御により、操作者(店員等)が商品の取引内容を確認・操作できるように、商品に関する商品情報、価格情報、入力項目等の各種情報を操作可能に表示する。また、店員側操作表示部3は、操作者(店員等)による操作に応じた信号を制御部(CPU)50に出力する。
【0016】
客側表示部4は、本体2の前後方向における他側(
図1の奥側)に設けられており、制御部(CPU)50の制御により、顧客が商品の取引内容を確認できるように、商品に関する商品情報、価格情報等の各種情報を表示する。
【0017】
計量部21は、例えば、ロードセル、ロードセルから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、電源装置及びノイズフィルター等を有し、計量皿22に載置された商品等の計量対象物の質量(重量)を計量し、計量データを制御部50に出力する。
【0018】
通信部70は、外部の装置(例えば、プリンタ、決済端末、ドロア、携帯端末装置、ストアコントローラ等)との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0019】
次に、
図3及び
図4により、計量装置1の本体2に設けられる店員側操作表示部3及び客側表示部4の配設構造について説明する。
図3には、計量装置1(店員側表示部3及び客側表示部4を共に前下がりに傾斜する姿勢に保持した状態)を上方から見た平面概略図が示され、
図4には、計量装置1を側面から見た側面概念図が示されている。
【0020】
(店員側操作表示部)
店員側操作表示部3は、
図3に示されているように平板状の支持フレーム31に液晶タッチパネル(タッチキー部)32が配置されて構成されている。この液晶タッチパネル(タッチキー部)32は、画面をタッチすることで画面に表示された部分を選択操作することができる。
【0021】
店員側操作表示部3の縦寸法3Lは、
図3及び
図4に示されているように、客側表示部4の縦寸法4Lや、本体2の高さ寸法2Hよりも大きく形成されている。また、店員側操作表示部3の横寸法(幅寸法)3Wは、客側表示部4の横寸法(幅寸法)4W、及び、本体2の幅寸法2Wと同等(略同一)に形成されている。
【0022】
このように、店員側操作表示部3は、本体2に比して大きな表示画面として構成されていることから、店員側操作表示部3を正面から見た場合には、店員側操作表示部3が本体2の前面を覆い隠すように配置されることとなり、あたかも店員側操作表示部3のみが設置面に設置されているような印象を操作者(店員等)に与えることができるため、操作者(店員等)の操作性、視認性等を向上させることができる。
【0023】
また、店員側操作表示部3は、
図4に示されているように、本体2の前後方向における一側(
図4の右側)に、所定の傾斜角度の範囲内で傾斜角度を調整可能に回動自在に支持されている。例えば、本体2の前面に設けられた支持体23に、角度保持機能を備えるヒンジ等の回動機構(不図示)を介して回動可能に取り付けられる。
【0024】
また、本体2の前面に設けられた支持体23の上面には、
図3に示すように、計量皿22の水平を目視によって確認する水準器(水平器)80が設置されている。この水準器80は、液体中に気泡が封入されており、気泡の位置によってその水平度が検出できる構成となっている。また、この計量装置1の底面の4隅近傍位置には
図1に示すように水平調整脚90が設けられている。各水平調整脚90は、これを回転することで、その長さ(高さ)が調整(伸縮)でき、これによって計量皿22の水平度を調節することができる。
このように、水準器80は、本体2の前面に設けられた支持体23の上面に設けられることで、本体2自体に水準器80を設けるスペースが不要となることから、本体2をよりスッキリとした形状に構成することができる。
【0025】
店員側操作表示部3は、このような角度保持機能を備える回動機構を用いることで、本体2に対して、前下がりに傾斜する姿勢から、本体2に対して鉛直方向に垂れる姿勢の任意の姿勢を保持(維持)することができる。
【0026】
図4には、計量装置1を、ショーケースやドロア等の設置面A上に設置した例が示されており、店員側操作表示部3は、本体2に対して前下がりに傾斜する姿勢で、店員側操作表示部3の先端部が、設置面Aに支持されるように配置されている。このように配置すれば、例えば、店員側操作表示部3に不用意な必要以上の押圧方向の力が作用しても店員側操作表示部3の傾斜角度は変化することがない。
したがって、操作者(店員等)は、店員側操作表示部3の液晶タッチパネル(タッチキー部)32を安定して操作することができる。
【0027】
なお、店員側操作表示部3は、角度保持機能を備える回動機構を用いて、本体2に対して前下がりに傾斜する姿勢を保持(維持)することができるので、例えば、計量装置1の設置場所等の関係で、店員側操作表示部3の先端部が設置面Aに支持されていない状態でも、操作者(店員等)は、店員側操作表示部3の液晶タッチパネル(タッチキー部)32を操作することができる。
また、操作者(店員等)の身長等に対応して、店員側操作表示部3の角度を調整することもできるので、操作性や視認性等も向上する。
【0028】
(客側表示部)
客側表示部4は、
図3に示されているように平板状の支持フレーム41に液晶パネル42が配置されて構成されている。
客側表示部4の縦寸法4Lは、
図3及び
図4に示されているように、本体2の高さ寸法2Hよりも大きく形成されている。また、客側表示部4の横寸法(幅寸法)4Wは、店員側操作表示部3の横寸法(幅寸法)3W、及び、本体2の幅寸法2Wと同等(略同一)に形成されている。
【0029】
したがって、客側表示部4は、本体2に比して大きな表示画面として構成されていることから、客側表示部4を正面から見た場合には、客側表示部4が本体2の前面を覆い隠すように配置されることとなり、あたかも客側表示部4のみが設置面に設置されているような印象を顧客に与えることができるため、顧客の視認性が向上するとともに、外観的にもスッキリするのでその外観性も向上させることができる。
【0030】
また、客側表示部4は、
図4に示されているように、本体2の前後方向における他側(
図4の左側)に、所定の傾斜角度の範囲内で傾斜角度を調整可能に回動自在に支持されている。例えば、本体2の他側の部位に、角度保持機能を備えるヒンジ等の回動機構(不図示)を介して回動可能に取り付けられる。
【0031】
客側表示部4は、このような角度保持機能を備える回動機構を用いることで、本体2に対して、前下がりに傾斜する姿勢(
図4の実線)から、本体2に対して鉛直方向に垂れる姿勢(
図4の点線)の任意の姿勢を保持(維持)して配置することができる。また、客側表示部4の下端は、
図4の点線に示されているように、本体2の底面よりも低い位置に配置可能である。
したがって、客側表示部4は、計量装置1の設置場所、設置高さ等に応じて、その角度を調整することができるので、顧客の視認性が向上する。
【0032】
なお、客側表示部4は、支持フレーム41に液晶パネル42を配置して構成したが、この液晶パネル42を店員側操作表示部3と同様に液晶タッチパネル(タッチキー部)で構成することもできる。この場合には、客による液晶タッチパネル(タッチキー部)の操作に応じた信号を制御部(CPU)50に出力する。
【0033】
上述したとおり、本発明に係る計量装置は、店員側操作表示部3及び客側表示部4が、本体2に比して大きな表示画面として構成されていることから、店員が店員側操作表示部3を正面から見た場合には、店員側操作表示部3が本体2の前面を覆い隠すように配置されることとなり、あたかも店員側操作表示部3のみが設置面に設置されているような印象を操作者(店員等)に与えることができるため、操作者(店員等)の操作性、視認性等を向上させることができる。
さらに、客側表示部4を正面から見た場合にも、客側表示部4が本体2の前面を覆い隠すように配置されることとなり、あたかも客側表示部4のみが設置面に設置されているような印象を顧客に与えることができるため、顧客の視認性が向上するとともに、外観的にもスッキリするのでその外観性も向上させることができる。
【0034】
このような本発明の作用効果(操作性、視認性、外観性等の向上)についての理解を助けるために、本発明の実施形態の一例としての計量装置の六面図及び斜視図を示す。
物品としての説明は、店員側と客側の両方に表示部を有する計量装置(対面秤)というものである。
(計量装置の正投影図法による外観)
図5、
図6、
図7、
図8、
図9及び
図10は、それぞれ、店員側表示部及び客側表示部を共に前下がりに傾斜する姿勢に保持した計量装置であって、客側表示部から見た正面図、背面図、平面図、底面図、右側面図及び左側面図である。併せて、正面側(客側表示部側)からみた斜視図及び背面側(店員側表示部側)からみた斜視図を、
図11及び
図12として提示する。
また、
図13、
図14、
図15、
図16、
図17及び
図18は、それぞれ、店員側表示部を前下がりに傾斜する姿勢に保持し、客側表示部を鉛直方向に垂れる姿勢に保持した計量装置であって、客側表示部から見た正面図、背面図、平面図、底面図、右側面図及び左側面図である。併せて、正面側(客側表示部側)からみた斜視図及び背面側(店員側表示部側)からみた斜視図を、
図19及び
図20として提示する。
さらに、客側表示部を前下がりに傾斜する姿勢から、鉛直方向に垂れる姿勢に移動可能であることを示す右側面図を、
図21として提示する。
【0035】
(計量販売システム)
次に、
図22及び
図23を参照して、本発明に係る計量販売システムの実施形態について説明する。
図22には本発明に係る計量販売システムの一例として、店員側操作表示部側から見た斜視概念図が示され、
図23には、同計量販売システムを客側表示部側から見た斜視概念図が示されている。
【0036】
計量販売システム100は、例えば、
図22及び
図23に示されるように、ドロア120の上面(載置面)に、上述した計量装置1とともに、プリンタ(印字装置)110を配置して構成され、プリンタ(印字装置)110及びドロア120は、計量装置1と電気的に接続される。
【0037】
これらのプリンタ110及びドロア120は、例えば、
図2に示される通信部70を介して情報を送受信するように接続することもできるし、又は、計量装置1に設けられた接続部(不図示)を介して情報を送受信するように接続することもできる。例えば、計量装置1、プリンタ110及びドロア120に、それぞれ端子部(接続部)を設け、端子部同士を接触させることによって通信してもよいし、それぞれコネクタ(接続部)を設け、コネクタ同士を繋ぐケーブルによって通信してもよい。
また、計量装置1と、プリンタ110及びドロア120との通信は、有線で行うように構成しても、あるいは、無線(近距離無線通信)で行うように構成してもよい。
【0038】
プリンタ(印字装置)110は、
図22に示されているように、ケース111と、ケース111の開口を開閉するカバー体112とを備え、計量装置1の計量部による商品の計量結果に基づく情報が印字された紙媒体(例えば、商品販売に関する値付けラベル等のラベルや会計処理時のレシート等)を発行する。このプリンタ110は、例えば、商品販売に関する内容を紙媒体としてのラベル用紙やレシート用紙等に印刷し、発行(印刷)されたラベルやレシート等を発行口113より排出する。
【0039】
ケース111は、上端に開口部を有する中空箱状に形成され、その前面に、発行されたラベルやレシート等を排出する発行口113等が設けられている。また、ケース111内には、ラベルやレシート等を発行するための機構として、例えば、ラベル用紙及び/又はレシート用紙を設置する用紙設置部、ラベル用紙やレシート用紙を搬送する搬送部、用紙に印字する印字部、用紙を切断する切断部等が設けられる。
【0040】
カバー体112は、下方を開口した中空箱状の部材であり、ケース111の開口部を覆っている。このカバー体112は、カバー体112の後端側(
図22の奥側)の支軸(不図示)部分で回動するように、ケース111の後端側に支持されている。すなわち、ケース111及びカバー体112は、ケース111の開口部をカバー体112によって開閉するクラムシェル型のケースを構成している。用紙(ラベル用紙、レシート用紙等)を交換する場合は、カバー体112を上方へ回動して、ケース111の開口部を開放状態にして、ケース111内部の用紙設置部に用紙をセットする。
【0041】
このプリンタ110は、本体2の前後方向における一側(
図22の手前側)を向いた状態で、前記本体の左右方向における一側に隣接して配置される。
図22には、計量装置1の右側に、発行口113が店員側操作表示部3側に向くように配置された例が示されているが、この配置は自由に設定することができる。例えば、プリンタ110は、計量装置1の左側に配置することもできる。
また、プリンタ110は、好ましくは、店員側操作表示部3の手前端部よりも奥側(客側表示部4側)に設置するのがよく、また、プリンタ110の発行口113は、店員側操作表示部3の上端部と略同じ高さに設置されるのがよい。
【0042】
このようにプリンタ110を配置すれば、プリンタ110の発行口113は、計量装置1の店員側操作表示部3と隣接して配置されることとなり、操作者(店員等)の操作性及び視認性が向上する。
【0043】
さらに、プリンタ110を店員側操作表示部3の手前端部よりも奥側(客側表示部4側)に設置すれば、プリンタ110より発行されたラベルやレシート等が店員側操作表示部3の左右方向に隣接する空きスペースに送出されるので、送出されたラベルやレシート等の確認及び取り出しを円滑に行うことができる。また、発行口113を店員側操作表示部3の上端部と略同じ高さに設置すれば、発行されたラベルやレシート等が浮いた状態になるので手で取りやすくなる。
【0044】
ドロア120は、顧客から受け取った現金(紙幣、硬貨等の貨幣)や、その他商品券等を収納する収納部であり、計量装置1の店員側操作表示部3を操作することで引き出されるようになっている。操作者(店員等)は、顧客から代金として受け取った現金や商品券等をドロア120に収納することができる。また、操作者(店員等)は、お釣りを顧客に渡す際には、お釣りの金額に応じた貨幣をドロア120から取り出し、顧客に渡すことができる。
また、このドロア120は、計量装置1やプリンタ110を載置する載置台としても機能し、その上面は載置面をなす。
【0045】
計量装置1の店員側操作表示部3及び客側表示部4は、上述したとおり、角度保持機能を備える回動機構を用いることで、本体2に対して、前下がりに傾斜する姿勢から、本体2に対して鉛直方向に垂れる姿勢の任意の姿勢を保持(維持)して配置することができる。
【0046】
図22には、計量装置1の店員側操作表示部3が、ドロア120上に前下がりに傾斜する姿勢であって、その先端部がドロア120の上面(設置面)に支持されて配置された例が示されている。このような支持の態様であれば、操作者(店員等)が店員側操作表示部3の液晶タッチパネル(タッチキー部)32を操作することで店員側操作表示部3に押圧方向の力が作用しても、あるいは、店員側操作表示部3に不用意な必要以上の押圧方向の力が作用しても、店員側操作表示部3の傾斜角度は変化することがない。
したがって、操作者(店員等)は、店員側操作表示部3の液晶タッチパネル(タッチキー部)32を安定して操作することができる。
【0047】
また、計量装置1の客側表示部4は、
図23に示されているように、本体2に対して鉛直方向に垂れる姿勢であって、その下端がドロア120の上面よりも下方に位置するように配置されている。このような配置の態様であれば、客側表示部4の横寸法(幅寸法)4Wが、本体2の幅寸法2Wに同等(略同一)に形成され、かつ、客側表示部4の縦寸法4Lが本体2の高さ寸法2Hよりも大きく形成されていることと相俟って、客側表示部4を正面から見た場合には、客側表示部4が本体2の前面を覆い隠すように配置されることとなり、あたかも客側表示部4のみが設置面に設置されているような印象を顧客に与えることができるため、顧客の視認性が向上するとともに、外観的にもスッキリするのでその外観性も向上させることができる。
【0048】
また、この計量装置1は、本体2の幅寸法2Wと、店員側操作表示部3の横寸法(幅寸法)3Wと、客側表示部4の横寸法(幅寸法)4Wとが、同等(略同一)に形成されているので(
図3参照)、ドロア120の上面(載置面)に配置されたプリンタ110は、計量装置1の片側(右側又は左側)に沿って、本体2の側面、店員側操作表示部3の側面、客側表示部4の側面を案内面(ガイド面)として、前後方向(
図22の手前側から奥側)にスムーズに移動させることができので、例えば、プリンタ110のレイアウト変更を容易に行うことができる。
【0049】
なお、ドロア120の上面(載置面)に、計量装置1及びプリンタ110をより安定化させて設置するために、例えば、プリンタ110の筐体の一部を金属素材等の磁性体で構成するとともに、計量装置1の本体2内部に磁石を収容したり、あるいは、プリンタ110の筐体の内部に磁石を収容するとともに、計量装置1の本体2の一部を金属素材等の磁性体で構成することで、計量装置1の片側(右側又は左側)にプリンタ110を磁気吸着して配置させるように構成することもできる。
【0050】
また、計量装置1の側面及びプリンタ110の側面に、それぞれ、係合部及び被係合部を設け、それら係合部及び被係合部を着脱自在に係合させることで、計量装置1の側面にプリンタ110を安定して配置させるように構成することもできる。
【0051】
また、ドロア120上に、計量装置1やプリンタ110の底部を位置決めする凹部や凸部が形成された敷部材を配置し、この敷部材上に計量装置1及びプリンタ110のそれぞれを位置決めして載置するように構成してもよい。
また、ドロア120上(ドロア自体)に、計量装置1やプリンタ110の底部を位置決めする凹部や凸部を形成し、この凹部や凸部が形成されたドロア120上に、計量装置1及びプリンタ110のそれぞれを位置決めして載置するように構成してもよい。
また、計量装置1やプリンタ110は、ドロア120上に載置することなく、例えば、ショーケースや他の載置面に直に載置することも可能である。この場合においても、ショーケースや他の載置面に、計量装置1やプリンタ110の底部を位置決めする凹部や凸部が形成された敷部材を配置し、この敷部材上に計量装置1及びプリンタ110のそれぞれを位置決めして載置するように構成してもよく、あるいは、ショーケースや他の載置面自体に計量装置1やプリンタ110の底部を位置決めする凹部や凸部を形成してもよい。
【0052】
また、プリンタ110の高さは、
図22及び
図23にも示されるように、計量皿22よりもわずかに低くなるように構成されている。したがって、プリンタ110を計量装置1の横に設置した場合、仮に、計量皿22からはみ出すような幅の大きい商品が載せられてとしても、計量に際して、その商品とプリンタ110とが干渉しないことから、商品の重量を正確に計量することができる。
【0053】
また、計量装置1よりもプリンタの高さが大きい場合には、計量装置1を底上げする部材、敷物、スペーサ等の高さ調整具を使って、プリンタの高さよりもわずかに高くなるよう構成することもできる。この場合、例えば、底上げ部材の内部に計量装置1と他の機器が無線通信するための機器等を設けてもよい。
【0054】
次に、
図24を参照して、本発明に係る計量販売システムの他の実施形態について説明する。
図24に示される計量販売システム200は、計量装置1、プリンタ(印字装置)110、ドロア120及び決済端末210により構成されている。この例は、
図22及び
図23に示される計量販売システムに、さらに決済端末210を付加して計量販売システムとして構成したものである。
【0055】
計量販売システム200は、計量装置1、プリンタ(印字装置)110、ドロア120及び決済端末210を電気的に接続して構成される。決済端末210は、例えば、
図2に示される通信部70を介して通信可能に接続することもできるし、又は、計量装置1に設けられた接続部(不図示)を介して通信可能に接続することもできる。
例えば、計量装置1及び決済端末210に、それぞれ端子部(接続部)を設け、端子部同士を接触させることによって通信してもよいし、それぞれコネクタ(接続部)を設け、コネクタ同士を繋ぐケーブルによって通信してもよい。
また、計量装置1と、決済端末210との通信は、有線で行うように構成しても、あるいは、無線(近距離無線通信)で行うように構成してもよい。
【0056】
決済端末210は、計量装置1からの情報に基づく支払いを受け付ける決済端末である。この計量装置1からの情報は、量り売り商品の質量(重量)から算出された価格(金額)及び定額商品の単価に販売数量を乗算することで算出された価格(金額)の少なくとも一方を含む。
決済端末210は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード等)や、電子マネー等による決済を可能とするものであり、決済に関する情報等を表示する端末表示部211、暗証番号の入力や決済に関する操作を行う端末操作部212、及び、ICカード等を差し込むカード差込口213等を備える。
【0057】
決済端末210は、
図24に示されているように、例えば、本体2の前後方向における他側(
図24の手前側)を向いた状態で、本体2の左右方向における一側に隣接するとともに、本体2の底面よりも上方に配置される。
このように決済端末210を配置すれば、決済端末210は、本体2の前後方向における他側に配置された客側表示部4と隣接して配置されることとなり、顧客の操作性及び視認性が向上する。
【0058】
また、決済端末210は、端末表示部211及びこの端末表示部211よりも下方に設けられた端末操作部212を有して構成されているが、この端末操作部212の少なくとも一部を、客側表示部4の上端よりも下方に位置するように配置するのがよい。
このように決済端末210を配置すれば、決済端末210の端末操作部212は、客側表示部4と隣接し、顧客が主に視認する客側表示部4と、顧客が操作する端末操作部212のテンキーが近い高さに位置することになるので、顧客の操作性及び視認性はさらに向上する。
【0059】
また、決済端末210は、その下部にカード差込口213を有して構成されており、決済端末210の下部は決済端末210の上部よりも本体2の前後方向における他側(
図24の手前側)に位置するように傾斜した状態で、カード差込口213が本体2の底面よりも上方且つ客側表示部4の上端よりも下方に位置するように配置されている。
このように決済端末210を配置すれば、顧客は、決済端末210のカード差込口213の位置を確認し易くなり、さらに、カード差込口213が設置面から離間して配置されているのでカードを差し込み易くなる。
【0060】
また、決済端末210は、
図24に示されているように、例えば、プリンタ110の後面(発行口113と反対側の面)に設置(固定)することができる。このように設置(固定)する場合には、決済端末210は、例えば、プリンタ110の後面に取付けられたアタッチメント等の取付け部材(不図示)を介して、プリンタ110を設置(固定)することができる。
また、このアタッチメント(取付け部材)をプリンタ110のカバー体112に対して、その上方部位を、角度保持機能を備える回動機構を用いて水平軸回りに回動可能に設けることで、決済端末210をプリンタ110の後面に対して任意の姿勢に配置するように構成することもできる。
【0061】
このように決済端末210を配置すれば、プリンタ110の後面の空間(スペース)を、決済端末210の設置スペースとして有効に活用することができる。また、決済端末210は、客側表示部4と隣接して配置されることとなり、顧客の操作性及び視認性も向上する。
さらに、プリンタ110の用紙を交換する場合、予め、決済端末210をプリンタ110(カバー体112)に対して水平軸回り回動(決済端末210の下端部がドロア120の上面から離間するように回動)させて退避位置に移動させることで、プリンタ110のカバー体112を後端側の支軸部分で回動させても、決済端末210は、カバー体112の回動に干渉することがないので、用紙の交換作業を円滑に行うことができる。
【0062】
なお、決済端末210をプリンタ110に対して固定して設置する場合、アタッチメント等の取付部材を用いることなく、例えば、決済端末210をプリンタ110に直に固定するように構成することもでき、その固定手段は特に限定されない。
【0063】
また、決済端末210の設置態様は、上記実施例に限られない。例えば、決済端末210は、プリンタ110に対して固定して設置することなく、プリンタ110のカバー体112を開けたときに干渉しない位置に、プリンタ110と離間して設置(配置)してもよい。
【0064】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0065】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。以下に説明する変形例は、適宜、上記実施形態及び他の変形例と組み合わされてよい。
上記実施形態の計量販売システムは、ドロア120をも含めて計量販売システムを構成したが、このドロア120を含めずに計量販売システムを構成することもできる。この場合には、計量装置1及びプリンタ110は、ショーケース等の上面(載置面)に載置され、例えば、計量販売システムのプリンタ(印字装置)110によりラベル(値付けラベル)を発行させ、その発行したラベル(値付けラベル)を用いて、別の精算装置で支払うように構成することもできる。
【0066】
また、上記実施形態の計量販売システムは、少なくとも、計量装置1と決済端末210を含むものとして計量販売システムを構成することもできる。この場合には、計量装置1及び決済端末210は、ショーケースやドロア120等の上面(載置面)に載置されるが、決済端末210は、例えば、スタンド等の支持部材を用いて設置することができる。
【0067】
また、上記実施形態の計量販売システムは、計量装置1とプリンタ(印字装置)110とを別体として構成し、それらを電気的に接続して計量販売システムを構成したが、このプリンタ110を計量装置1と一体型として構成することもできる。この場合には、例えば、計量装置1の本体2内部に、用紙設置部、用紙搬送部、印字部、用紙切断部等を設けるとともに、本体2の所要部位に発行口を設けるように構成すればよい。
【0068】
また、上記実施形態の計量販売システムにおいて、計量装置1やプリンタ110の設置高さを調整するスペーサ(アタッチメント)を用いて、計量販売システムを構成することもできる。この場合、例えば、ドロア120やショーケース等の設置面A上に、スペーサ(アタッチメント)を設置し、そのスペーサ(アタッチメント)上に計量装置1やプリンタ110を配置し、その設置高さを調整するように構成することもできる。スペーサ(アタッチメント)は、計量装置1及びプリンタ110の両者を設置(載置)する一体型に形成してもよいし、計量装置1及びプリンタ110のそれぞれを設置(載置)する別体型に形成してもよい。
【0069】
また、上記実施形態の計量販売システムにおいて、決済端末210は、プリンタ110の後面に取付けられたアタッチメント等の取付け部材を介して設置(固定)されているが、その設置の態様はその例に限定されない。例えば、計量装置1や設置面Aに取付けられた支持部材に支持されるように構成することもできる。
【0070】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、商品の計量販売に使用される計量装置及び計量販売システムに関する。
[背景技術]
タッチスクリーンを備えた電子秤などのプリンタ付電子秤が知られている(例えば、特開2000-304600号公報)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
上記従来のプリンタ付電子秤は、その前部にタッチスクリーンや印字部が設けられるとともに、その反対側の側面に商品の重量や価格等を顧客に表示する表示器が設けられるものであるが、それらタッチスクリーン、印字部及び表示器の配設態様は、操作者(店員等)や顧客に対する使用性(視認性、操作性等)を十分配慮したものではなく、改善の余地があった。そこで、本発明は、このような事情に鑑みて、操作者(店員等)や顧客に対する使用性(視認性、操作性等)を向上させた計量装置及び計量販売システムを提供することを課題とする。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、計量部を含む本体と、店員側表示部と、客側表示部と、を有し、前記店員側表示部は、前記本体の前後方向における一側に設けられ、前記客側表示部は、前記本体の前後方向における他側に設けられ、前記客側表示部の縦寸法は、前記本体の高さ寸法よりも大きく、前記客側表示部の下端は、前記本体の底面よりも低い位置に配置可能であり、前記客側表示部は、前記本体に対して鉛直方向に垂れる姿勢に配置可能であることを特徴とする計量装置である。
上記構成によれば、客側表示部は、本体に比して大きな表示画面として構成されていることから、客側表示部を正面から見た場合には、客側表示部が本体の前面を覆い隠すように配置されることとなり、あたかも客側表示部のみが設置面に設置されているような印象を顧客に与えることができるため、顧客の視認性が向上するとともに、外観的にもスッキリするのでその外観性も向上させることができる。
【0071】
(2)本実施形態の一態様は、上記(1)に記載の計量装置において、前記店員側表示部の横寸法及び前記客側表示部の横寸法は、前記本体の幅寸法と同等の寸法を有し、前記店員側表示部の縦寸法は、前記客側表示部の縦寸法よりも大きく形成され、前記店員側表示部は、前記本体に対して回動可能に設けられるとともに、前記本体に対して前下がりに傾斜する姿勢に配置可能なものである。
上記構成によれば、店員側操作表示部は、本体に比して大きな表示画面として構成されていることから、店員側操作表示部を正面から見た場合には、店員側操作表示部が本体の前面を覆い隠すように配置されることとなり、あたかも店員側操作表示部のみが設置面に設置されているような印象を操作者(店員等)に与えることができるため、操作者(店員等)の操作性、視認性等を向上させることができる。
【0072】
(3)本実施形態の一態様は、上記(1)又は(2)に記載の計量装置と、前記計量装置からの情報に基づく支払いを受け付ける決済端末と、を備えた計量販売システムであって、前記決済端末は、前記本体の前後方向における他側を向いた状態で、前記本体の左右方向における一側に隣接して配置され、前記本体の底面よりも上方に配置されたことを特徴とする計量販売システムである。
上記構成によれば、決済端末は、本体の前後方向における他側に配置された客側表示部と隣接して配置されることとなり、顧客の操作性及び視認性が向上する。
【0073】
(4)本実施形態の一態様は、上記(3)に記載の計量販売システムにおいて、前記決済端末は、端末表示部および前記端末表示部よりも下方に設けられた端末操作部を有し、前記端末操作部の少なくとも一部が前記客側表示部の上端よりも下方に位置するように配置されたものである。
上記構成によれば、決済端末210の端末操作部は、客側表示部と隣接して配置され、さらに、顧客が主に視認する客側表示部と、顧客が操作する端末操作部のテンキーが近い高さに位置することになるので、顧客の操作性及び視認性はさらに向上する。
【0074】
(5)本実施形態の一態様は、上記(3)に記載の計量販売システムにおいて、前記決済端末は、その下部に設けられたカード差込口を有するとともに、前記下部が前記決済端末の上部よりも前記本体の前後方向における他側に位置するように傾斜した状態で配置され、前記カード差込口は、前記本体の底面よりも上方且つ前記客側表示部の上端よりも下方に位置するように配置されたものである。
上記構成によれば、顧客は、決済端末のカード差込口の位置を確認し易くなり、さらに、カード差込口が設置面から離間して配置されているのでカードを差し込み易くなる。
【0075】
(6)本実施形態の一態様は、上記(3)に記載の計量販売システムにおいて、前記計量部による商品の計量結果に基づく情報が印字された紙媒体を発行する印字装置を更に備え、前記印字装置は、前記本体の前後方向における一側を向いた状態で、前記本体の左右方向における一側に隣接して配置され、前記決済端末は、前記印字装置の背面側に配置したものである。
上記構成によれば、印字装置は、本体2の前後方向における一側に配置された店員側操作表示部と隣接して配置されることとなり、操作者(店員等)の操作性及び視認性が向上する。さらに、決済端末は、印字装置に対して固定されることから、決済端末の設置スペースを有効に確保することができる。
【0076】
(7)本実施形態の一態様は、上記(3)に記載の計量販売システムにおいて、現金を収納するドロアを更に備え、前記客側表示部は、前記計量装置の前記本体が前記ドロアの上面に載置された状態で、その下端が前記ドロアの上面よりも下方に位置するものである。
上記構成によれば、客側表示部を正面から見た場合に、客側表示部が本体の後面を覆うように配置されることになり、あたかも客側表示部4のみが設置面に設置されているような印象を顧客に与えることができるので、外観的にスッキリし、顧客の視認性を向上させることができる。
【0077】
なお、上記(1)~(7)に記載の各態様は、適宜組み合わされて計量装置及び計量販売システムとして構成することができる。
【符号の説明】
【0078】
1:計量装置
2:本体
3:店員側操作表示部(店員側表示部)
4:客側表示部
100、200:計量販売システム
110:プリンタ(印字装置)
120:ドロア
210:決済端末
211:端末表示部
212:端末操作部
213:カード差込口