特開 2024-46353 包装箱

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024046353

(43)【公開日】2024-04-03

(54)【発明の名称】包装箱

(51)【国際特許分類】

   B65D 5/465 20060101AFI20240327BHJP

【ＦＩ】

B65D5/465

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022151679

(22)【出願日】2022-09-22

(71)【出願人】

【識別番号】390029148

【氏名又は名称】大王製紙株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100107766

【弁理士】

【氏名又は名称】伊東 忠重

(74)【代理人】

【識別番号】100070150

【弁理士】

【氏名又は名称】伊東 忠彦

(72)【発明者】

【氏名】藤原 侑加

(72)【発明者】

【氏名】石川 祥丈

【テーマコード（参考）】

3E060

【Ｆターム（参考）】

3E060AA03

3E060AB05

3E060BA03

3E060BB03

3E060BC02

3E060CA01

3E060CA13

3E060CA33

3E060DA30

3E060EA06

(57)【要約】

【課題】提げ手を箱本体の外部から容易に着脱することができる包装箱を提供することを目的とする。
【解決手段】
底面部と、２対の側面部と、天面部とを有する箱本体と、前記箱本体に着脱可能に取り付けられた帯状の提げ手とを備え、前記天面部は、前記提げ手の長手方向両端の先端部が挿入される１対の提げ手取付け孔を有し、前記提げ手取付け孔は、第１スリットと、第２スリットとを含み、前記第１スリットの周縁は、直線部と、前記直線部の両端を繋ぎ、前記直線部と直交する方向に向かって凸となる頂部を有する凸形状部とを有し、前記第２スリットは、前記頂部から、前記直線部と直交する方向に延設され、少なくとも前記先端部に、前記提げ手の短手方向の長さを二等分する折り目が形成され、前記先端部の前記短手方向の長さは、前記直線部の長さより大きく、前記先端部は、前記第１スリットと係合する。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

底面部と、前記底面部から立設された２対の側面部と、前記２対の側面部の上端に連接された天面部とを有する箱本体と、前記箱本体に着脱可能に取り付けられた帯状の提げ手とを備え、
前記天面部は、前記提げ手の長手方向両端の先端部が挿入される１対の提げ手取付け孔を有し、
前記提げ手取付け孔は、第１スリットと、第２スリットとを有し、
前記第１スリットの周縁は、直線部と、前記直線部の両端を繋ぎ、前記直線部と直交する方向に向かって凸となる頂部を有する凸形状部とを含み、
前記第２スリットは、前記頂部から、前記直線部と直交する方向に延設され、
少なくとも前記先端部に、前記提げ手の短手方向の長さを二等分する折り目が形成され、
前記先端部の前記短手方向の長さは、前記直線部の長さより大きく、前記先端部は、前記第１スリットと係合する包装箱。

【請求項2】

前記提げ手は、前記長手方向両端の前記先端部に連接された把持部を有し、
前記短手方向において、前記先端部の長さは、前記把持部の長さより大きい請求項１に記載の包装箱。

【請求項3】

前記把持部の前記短手方向の長さは、前記直線部の長さと同じである請求項２に記載の包装箱。

【請求項4】

前記第１スリットの前記直線部と前記第２スリットの先端との距離は、前記先端部の前記短手方向の長さの１／２以上である請求項２又は３に記載の包装箱。

【請求項5】

前記短手方向における、前記先端部の長さと前記把持部の長さの差と、前記直線部の長さの比は、１：１．５～１：４である請求項４に記載の包装箱。

【請求項6】

前記第１スリットは、前記天面部に設けられた折り曲げ片を、前記直線部に位置する折り曲げ線を基点として折り曲げることにより形成されている請求項５に記載の包装箱。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、包装箱に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、製品等を梱包するための包装箱として、底面部と、底面部から立設された２対の側面部と、２対の側面部の上端に連接された天面部とを備え、１対の側面部に把手穴を形成するための切目線が設けられた、段ボール等からなる包装箱が知られている。

【0003】

例えば、特許文献１には、１対の側壁に、運搬穴を形成するべく互いに横方向に離間した２点を同２点の下方領域を経由しつつ接続する第１切込み線と、第１切込み線の１対の側線の上端どうしを横向きに連結するように延びた折曲げ線とが設けられた包装箱が開示されている。第１切込み線で囲まれた第１領域に押し込み力を加えると、第１領域が折曲げ線を介して包装箱の内部に折り曲げられて、折曲げ線の箇所が下向きに突出したハンドル部が、第１運搬穴と同時に形成される。

【0004】

特許文献１に記載の包装箱では、使用者は、一対の側壁に形成された運搬穴に両手を入れて運搬する必要があるため、両手がふさがり、他の物を同時に持つことや他の動作ができず、利便性に欠ける点がある。これに対して、提げ手を設けて片手で持ち運ぶことができる包装箱が知られている。

【0005】

例えば、特許文献２には、上面部材の提げ手取り付け孔に提げ手を取り付けた組立式段ボールケースが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【特許文献1】特許第５８６７８２６号公報

【特許文献2】実開平６－１６２２０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

しかしながら、従来の提げ手を有する包装箱では、包装箱に物品を収容し天面部を閉じて封止した後は、提げ手を着脱することができないため、利便性に欠ける点がある。

【0008】

上記の点に鑑みて、本発明の一形態は、提げ手を箱本体の外部から容易に着脱することができる包装箱を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

本発明の第一の形態は、底面部と、前記底面部から立設された２対の側面部と、前記２対の側面部の上端に連接された天面部とを有する箱本体と、前記箱本体に着脱可能に取り付けられた帯状の提げ手とを備え、前記天面部は、前記提げ手の長手方向両端の先端部が挿入される１対の提げ手取付け孔を有し、前記提げ手取付け孔は、第１スリットと、第２スリットとを含み、前記第１スリットの周縁は、直線部と、前記直線部の両端を繋ぎ、前記直線部と直交する方向に向かって凸となる頂部を有する凸形状部とを有し、前記第２スリットは、前記頂部から、前記直線部と直交する方向に延設され、少なくとも前記先端部に、前記提げ手の短手方向の長さを二等分する折り目が形成され、前記先端部の前記短手方向の長さは、前記直線部の長さより大きく、前記先端部は、前記第１スリットと係合する。

【0010】

上記第一の形態によれば、箱本体に提げ手を取り付ける際、提げ手の先端部を折り目で、提げ手の短手方向の長さの半分に折り畳み、天面部の外側から提げ手取付け孔の第１スリット及び第２スリットに挿入する。そして、折り畳まれた先端部を開くことにより、先端部が第１スリットと係合し、提げ手が箱本体に取り付けられる。提げ手を箱本体から取り外す際は、再度、提げ手の先端部を折り目で短手方向の長さの半分に折り畳み、提げ手取付け孔の第１スリット及び第２スリットから天面部の外側へ抜き出す。よって、提げ手を箱本体の外部から容易に着脱することができる。例えば、箱本体に物品を収容し天面部を封止した後においても、提げ手を箱本体の外部から容易に着脱することができる。

【0011】

本発明の第二の形態は、前記提げ手は、前記長手方向両端の前記先端部に連接された把持部を有し、前記短手方向において、前記先端部の長さは、前記把持部の長さより大きい。

【0012】

上記第二の形態によれば、箱本体に提げ手を取り付ける際、上述したように提げ手の先端部を天面部の外側から提げ手取付け孔の第１スリット及び第２スリットに挿入する。そして、折り畳まれた先端部を開くことにより、提げ手の先端部と把持部との間に形成された段部が、提げ手取付け孔の第１スリットと係合し、提げ手が箱本体に取り付けられる。提げ手を箱本体から取り外す際は、提げ手の先端部を再び折り目で短手方向の長さの半分に折り畳み、提げ手取付け孔の第１スリット及び第２スリットから天面部の外側に抜き出す。よって、提げ手を箱本体の外部から容易に着脱することができる。

【0013】

本発明の第三の形態は、前記短手方向における前記把持部の長さは、前記直線部の長さと同じである。

【0014】

上記第三の形態によれば、提げ手の把持部が第１スリットの直線部に当接し固定されるため、第１スリットと強固に係合し、提げ手が強固に箱本体に取り付けられる。よって、提げ手を箱本体に取り付けた後、提げ手が不用意に提げ手取付け孔から離脱することを抑制する。一方、提げ手を箱本体から取り外す際は容易に取り外すことができる。よって、提げ手を箱本体の外部からより容易に着脱することができる。

【0015】

本発明の第四の形態は、前記第１スリットの前記直線部と前記第２スリットの先端との距離は、前記先端部の前記短手方向の長さの１／２以上である。

【0016】

上記第四の形態によれば、箱本体に提げ手を取り付ける際、提げ手の先端部を折り目で短手方向の長さの半分に折り畳み、天面部の外側から提げ手取付け孔の第１スリット及び第２スリットにスムーズに挿入することができる。また、提げ手を箱本体から取り外す際、提げ手の先端部を再び折り目で短手方向の長さの半分に折り畳み、提げ手取付け孔の第１スリット及び第２スリットから天面部の外側にスムーズに抜き出すことができる。よって、提げ手を箱本体の外部からより容易に着脱することができる。

【0017】

本発明の第五の形態は、前記短手方向における、前記先端部の長さと前記把持部の長さの差と、前記直線部の長さの比は、１：１．５～１：４である。

【0018】

上記第五の形態によれば、提げ手の先端部と把持部との間に形成された段部が、提げ手取付け孔の第１スリットと強固に係合し、提げ手が強固に箱本体に取り付けられる。よって、提げ手を箱本体に取り付けた後、提げ手が不用意に提げ手取付け孔から離脱することを抑制する。一方、提げ手を箱本体から取り外す際は容易に取り外すことができる。よって、提げ手を箱本体の外部からより容易に着脱することができる。

【0019】

本発明の第六の形態は、前記第１スリットは、前記天面部に設けられた折り曲げ片を、前記直線部に位置する折り曲げ線を基点として折り曲げることにより形成されている。

【0020】

上記第六の形態によれば、折り曲げ片が折り曲げ線を基点として折り曲げられて形成された丸みのある折り目が、第１スリットの直線部を構成する。箱本体に提げ手を取り付ける際、提げ手７の先端部７１を短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳んで形成された折り目７４を、折り曲げ片が折り曲げられて形成された丸みのある折り目に当接させてスムーズに挿入することができる。また、提げ手を箱本体から取り外す際、提げ手の先端部を再び折り目で短手方向の長さの半分に折り畳み、形成された折り目を、折り曲げ片が折り曲げられて形成された丸みのある折り目に当接させて天面部の外側にスムーズに抜き出すことができる。よって、提げ手を箱本体の外部からより容易に着脱することができる。

【発明の効果】

【0021】

本発明の一形態によれば、提げ手を箱本体の外部から容易に着脱することができる包装箱を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0022】

【図1】一実施形態による包装箱の斜視図である。

【図2】箱本体の展開図である。

【図3】提げ手の平面図である。

【図4】提げ手の取り付け方を説明する図（その１）である。

【図5】提げ手の取り付け方を説明する図（その２）である。

【図6】他の例による提げ手取付け孔を示す斜視図である。

【図7】他の例による提げ手取付け孔形成前の状態を示す箱本体の展開図である。

【発明を実施するための形態】

【0023】

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。図１は、一実施形態による包装箱１００の斜視図であり、図２は、箱本体１の展開図であり、図３は、提げ手７の平面図である。

【0024】

図１及び図２に示すように、包装箱１００は、底面部２と、底面部２から立設された２対の側面部３と、２対の側面部３の上端に連接された天面部５とを有する箱本体１と、箱本体１に着脱可能に取り付けられた帯状の提げ手７とを備える。２対の側面部３のうち１対の側面部は、１対の対向する長側面部３１、３１であり、２対の側面部のうち他の１対の側面部は、１対の対向する短側面部３２、３２であってよい。長側面部３１とは、天面部５の長辺を含む側面部３を意味し、短側面部３２とは、天面部５の短辺を含む側面部３を意味する。図１及び図２に示す例では、箱本体１の形状は、直方体であるが、これに限らず、立方体であってもよい。箱本体１の形状が立方体である場合、いずれの側面部３も短側面部３２となる。

【0025】

箱本体１は、例えば、所定の形状に打ち抜いた段ボールシートを折り曲げて形成することができる。図２に示すように、底面部２は、４つの底面部２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄを含んでいてよく、４つの底面部２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ同士を接着又は接合し、糊代部１１を図２の紙面下部に位置する側面部３（短側面部３２）と接着又は接合することにより、天面部５が開放された箱本体１が得られる。天面部５は、４つの天面部５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄを含んでいてよく、箱本体１に物品を収容し天面部５を閉じる場合は、天面部５ｂ、５ｄを箱本体１の内側に折り曲げ、その後、天面部５ａ、５ｃを箱本体１の内側に折り曲げ、天面部５ａ、５ｃの当接部をテープ等で封止する。箱本体１から物品を取り出す場合は、天面部５の封止を解除して、取り出すことができる。

【0026】

箱本体１を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、紙製の段ボールシート、樹脂製の段ボールシート、紙製の板材（厚紙）、プラスチック等の樹脂製の板材等が挙げられる。

【0027】

包装箱１００において、天面部５は、提げ手７の長手方向Ｄ１両端の先端部７１が挿入される１対の提げ手取付け孔６、６を有する。前記提げ手取付け孔６は、第１スリット６１と、第２スリット６２とを有する。第１スリット６１の周縁は、直線部６１１と、直線部６１１の両端を繋ぎ、直線部６１１と直交する方向に向かって凸となる頂部６１０を有する凸形状部６１２とを含む。凸形状部６１２の形状は、頂部６１０を有する曲線状、円弧状、又は直線状であってよい。第１スリット６１の平面視形状は、頂部６１０を有する半円形状であってよい。第２スリットは、頂部６１０から、直線部６１１と直交する方向に延設されている。第１スリット６１の平面視形状が、頂部６１０を有する半円形状である場合、第２スリットは、頂部６１０から、頂部６１０を通る接線と垂直方向に延設されていてよい。

【0028】

少なくとも先端部７１には、図３に示すように、提げ手７の短手方向Ｄ２の長さを二等分する折り目７４が形成されている。即ち、折り目７４は、短手方向Ｄ２の長さの二等分線７０上に形成されている。提げ手７の先端部７１の短手方向Ｄ２の長さは、直線部６１１の長さより大きい。先端部７１の短手方向Ｄ２の長さが、直線部６１１の長さより大きいことにより、先端部７１は、第１スリット６１と係合する。提げ手７の先端部７１が提げ手取付け孔６と係合することにより、提げ手７が箱本体１に取り付けられている。

【0029】

次に、箱本体１への提げ手７の取り付け方を説明する。図４は、提げ手の取り付け方を説明する図（その１）であり、図５は、提げ手の取り付け方を説明する図（その２）である。箱本体１に提げ手７を取り付ける際、まず、図４に示すように、提げ手７の先端部７１を折り目７４で、提げ手７の短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、天面部５の外面Ｓ１側（外側）から提げ手取付け孔６の第１スリット６１及び第２スリット６２に挿入する。そして、図５に示すように、折り畳まれた先端部７１を開くことにより、先端部７１が第１スリット６１と係合し、提げ手７が箱本体１に取り付けられる。

【0030】

提げ手７を箱本体１から取り外す際は、再度、提げ手７の先端部７１を折り目７４で短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、提げ手取付け孔６の第１スリット６１及び第２スリット６２から天面部５の外側へ抜き出す。よって、提げ手７を箱本体１の外部から容易に着脱することができる。例えば、箱本体１に物品を収容し天面部５を封止した後においても、提げ手７を箱本体１の外部から容易に着脱することができる。

【0031】

次に、提げ手７について詳細に説明する。提げ手７は、図１及び図３に示すように、長手方向Ｄ１両端の先端部７１に連接された把持部７２を有する。把持部７２は、提げ手７における箱本体１の外部に露出した部分であり、使用者が把持する部分である。提げ手７の短手方向Ｄ２において、先端部７１の長さＬ１は、把持部７２の長さＬ２より大きいことが好ましい。換言すると、提げ手７は、先端部７１と把持部７２との間に段部７３を有することが好ましい。この構成により、提げ手７の先端部７１を天面部５の外側から提げ手取付け孔６に挿入し、折り畳まれた先端部７１を開くと、提げ手７の先端部７１と把持部７２との間に形成された段部７３が、提げ手取付け孔６の第１スリット６１と係合し、提げ手７が箱本体１に取り付けられる。提げ手７を箱本体１から取り外す際は、提げ手７の先端部７１を再び折り目７４で短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、提げ手取付け孔６から天面部５の外側へ抜き出す。よって、提げ手７を箱本体１の外部から容易に着脱することができる。

【0032】

提げ手７の短手方向Ｄ２における把持部７２の長さＬ２は、提げ手取付け孔６の周縁の直線部６１１の長さと同じであることが好ましい。把持部７２の長さＬ２が、直線部６１１の長さと同じであることにより、提げ手７の把持部７２が第１スリット６１の直線部６１１に当接し固定されるため、第１スリット６１と強固に係合し、提げ手７が強固に箱本体１に取り付けられる。よって、提げ手７を箱本体１に取り付けた後、提げ手７が不用意に提げ手取付け孔６から離脱することを抑制する。一方、提げ手７を箱本体１から取り外す際は容易に取り外すことができる。よって、提げ手７を箱本体１の外部からより容易に着脱することができる。

【0033】

提げ手７の短手方向Ｄ２における、提げ手７の先端部７１の長さと把持部７２の長さの差と、提げ手取付け孔６の周縁の直線部６１１の長さの比は、１：１．５～１：４であることが好ましい。換言すると、提げ手７の段部７３の長さと、提げ手取付け孔６の周縁の直線部６１１の長さの比は、１：１．５～１：４であることが好ましい。この構成により、提げ手７の先端部７１と把持部７２との間に形成された段部７３が、提げ手取付け孔６の第１スリット６１と強固に係合し、提げ手７が強固に箱本体１に取り付けられる。よって、提げ手７を箱本体１に取り付けた後、提げ手７が不用意に提げ手取付け孔６から離脱することを抑制する。一方、提げ手７を箱本体１から取り外す際は容易に取り外すことができる。よって、提げ手７を箱本体の外部からより容易に着脱することができる。

【0034】

折り目７４は、先端部７１のみに形成されていてもよく、先端部７１及び、把持部７２の一部又は全部に形成されていてもよい。

【0035】

提げ手７の流れ方向（ＭＤ方向）の曲げこわさは、３．０ｍＮ・ｍ～８．０ｍＮ・ｍであることが好ましく、５．０ｍＮ・ｍ～７．０ｍＮ・ｍであることがより好ましい。曲げこわさは、ＩＳＯ ２４９３「紙及び板紙－曲げ抵抗試験方法」に準じて測定することができる。提げ手７の流れ方向の曲げこわさが３．０ｍＮ・ｍ～８．０ｍＮ・ｍであることにより、提げ手７は、短手方向Ｄ２の断面形状が矩形の状態でより維持されるため、提げ手７の先端部７１を折り目７４で、提げ手７の短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、提げ手取付け孔６に挿入し、折り畳まれた先端部７１を容易に開くことができる。また、先端部７１を開いた後も、短手方向Ｄ２の断面形状が矩形の状態でより維持されるため、提げ手７の把持部７２が第１スリット６１の直線部６１１により当接しやすく、第１スリット６１とより強固に係合し、提げ手７が強固に箱本体１に取り付けられる。

【0036】

提げ手７の寸法は、特に限定はなく、箱本体１の寸法により選択することができ、例えば、長手方向Ｄ１の長さは、１５０ｍｍ～５００ｍｍとすることができ、短手方向Ｄ２の長さは２０ｍｍ～６０ｍｍとすることができる。

【0037】

提げ手７を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、厚紙、プラスチック、紙ラミネート製品等が挙げられる。

【0038】

次に、提げ手取付け孔６について詳細に説明する。提げ手取付け孔６の第２スリット６２の平面視形状は、直線状であることが好ましい。これにより、提げ手７の先端部７１を折り目７４で、提げ手７の短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、先端部７１を折り畳んだ状態で提げ手取付け孔６に容易に挿入することができる。

【0039】

第２スリット６２の短手方向の長さ（幅）は、提げ手７の厚さの２倍～３倍であることが好ましい。ここで、第２スリット６２の短手方向の長さとは、直線部６１１と平行な長さを意味する。第２スリット６２の短手方向の長さが、提げ手７の厚さの２倍～３倍であることにより、箱本体１に提げ手７を取り付ける際、提げ手７の先端部７１を折り目７４で、提げ手７の短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、先端部７１を折り畳んだ状態で第２スリット６２に容易に挿入することができる。一方、提げ手７を箱本体１から取り外す際は、再度、提げ手７の先端部７１を折り目７４で短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、先端部７１を折り畳んだ状態で第２スリット６２から天面部５の外側へ容易に抜き出すことができる。よって、提げ手７を箱本体の外部からより容易に着脱することができる。

【0040】

図２に示す、第１スリット６１の直線部６１１と第２スリット６２の先端との距離Ｌ３は、提げ手７の短手方向Ｄ２における先端部７１の長さＬ１の１／２以上であることが好ましい。これにより、箱本体１に提げ手７を取り付ける際、提げ手７の先端部７１を折り目７４で短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、天面部５の外側から提げ手取付け孔６の第１スリット６１及び第２スリット６２にスムーズに挿入することができる。また、提げ手７を箱本体１から取り外す際、提げ手７の先端部７１を再び折り目７４で短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、提げ手取付け孔６の第１スリット６１及び第２スリット６２から天面部５の外側にスムーズに抜き出すことができる。よって、提げ手７を箱本体１の外部からより容易に着脱することができる。

【0041】

第１スリット６１の凸形状部６１２は、天面部５の稜線に向かって凸となる形状であることが好ましい。換言すると、第２スリット６２の先端は、第１スリット６１の直線部６１１に対して開封部５０と反対側に配置されていることが好ましい。これにより、使用者が提げ手７を把持したとき、提げ手７の把持部７２が第１スリット６１の直線部６１１に、より当接し固定されるため、第１スリット６１とより強固に係合し、提げ手７がより強固に箱本体１に取り付けられる。よって、提げ手７を箱本体１に取り付けた後、提げ手７が不用意に提げ手取付け孔６から離脱することをより抑制する。

【0042】

１対の提げ手取付け孔６、６は、天面部５の開封部５０に対して線対称に配置されていることが好ましい。これにより、使用者は、提げ手７を把持することで、包装箱１００を片手で安定して持ち運ぶことができる。なお、開封部５０は、天面部５ａ、５ｃを閉じ合わせたときの当接部である。

【0043】

図６は、他の例による提げ手取付け孔６を示す斜視図であり、図７は、他の例による提げ手取付け孔形成前の状態を示す箱本体の展開図である。第１スリット６１は、図６に示すように、天面部５に設けられた折り曲げ片８４を、図２で示す直線部６１１に位置する折り曲げ線８１を基点として、折り曲げることにより形成されていてもよい。折り曲げ片８４は、天面部５の外側に折り曲げられていてもよいが、天面部５の内側に折り曲げられていることが好ましい。

【0044】

この構成により、折り曲げ片８４が折り曲げ線８１を基点として折り曲げられて形成された丸みのある折り目（折り曲げ線８１）が、図２に示す第１スリット６１の直線部６１１を構成する。箱本体１に提げ手７を取り付ける際、提げ手７の先端部７１を短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳んで形成された折り目７４を、折り曲げ片８４が折り曲げられて形成された丸みのある折り目（折り曲げ線８１）に当接させて、先端部７１を天面部５の外面Ｓ１側から提げ手取付け孔６にスムーズに挿入することができる。また、提げ手７を箱本体１から取り外す際、先端部７１を再び短手方向Ｄ２の長さの半分に折り畳み、形成された折り目を、折り曲げ片８４が折り曲げられて形成された丸みのある折り目（折り曲げ線８１）に当接させて天面部５の外側にスムーズに抜き出すことができる。よって、提げ手７を箱本体１の外部からより容易に着脱することができる。

【0045】

他の例による提げ手取付け孔６形成前の状態の箱本体１において、図７に示すように、天面部５は、１対の第１スリット形成部８、８を有し、第１スリット形成部８は、直線状の折り曲げ線８１と、折り曲げ線８１の両端を繋ぎ、折り曲げ線８１と直交する方向に向かって凸となる頂部８３を有する切目線８２と、折り曲げ線８１と切目線８２で囲まれた折り曲げ片８４とを含んでいてよい。折り曲げ線８１は、図２に示す直線部６１１と同じ形状であり、切目線８２は、図２に示す凸形状部６１２と同じ形状である。この構成により、折り曲げ線８１を基点として折り曲げ片８４が折り曲げられることにより、第１スリット６１を形成することができる。なお、折り曲げ線８１と第２スリット６２の先端との距離Ｌ４は、第１スリット６１の直線部６１１と第２スリット６２の先端との距離Ｌ３と同じ長さである。

【0046】

（本発明の態様）
本発明は、以下の態様を含む。
＜態様１＞
底面部と、前記底面部から立設された２対の側面部と、前記２対の側面部の上端に連接された天面部とを有する箱本体と、前記箱本体に着脱可能に取り付けられた帯状の提げ手とを備え、
前記天面部は、前記提げ手の長手方向両端の先端部が挿入される１対の提げ手取付け孔を有し、
前記提げ手取付け孔は、第１スリットと、第２スリットとを有し、
前記第１スリットの周縁は、直線部と、前記直線部の両端を繋ぎ、前記直線部と直交する方向に向かって凸となる頂部を有する凸形状部とを含み、
前記第２スリットは、前記頂部から、前記直線部と直交する方向に延設され、
少なくとも前記先端部に、前記提げ手の短手方向の長さを二等分する折り目が形成され、
前記先端部の前記短手方向の長さは、前記直線部の長さより大きく、前記先端部は、前記第１スリットと係合する包装箱である。
＜態様２＞
前記提げ手は、前記長手方向両端の前記先端部に連接された把持部を有し、
前記短手方向において、前記先端部の長さは、前記把持部の長さより大きい態様１に記載の包装箱である。
＜態様３＞
前記把持部の前記短手方向の長さは、前記直線部の長さと同じである態様２に記載の包装箱である。
＜態様４＞
前記第１スリットの前記直線部と前記第２スリットの先端との距離は、前記先端部の前記短手方向の長さの１／２以上である態様２又は３に記載の包装箱である。
＜態様５＞
前記短手方向における、前記先端部の長さと前記把持部の長さの差と、前記直線部の長さの比は、１：１．５～１：４である態様２から４のいずれか一つに記載の包装箱である。
＜態様６＞
前記第１スリットは、前記天面部に設けられた折り曲げ片を、前記直線部に位置する折り曲げ線を基点として折り曲げることにより形成されている態様１から５のいずれか一つに記載の包装箱である。

【0047】

本実施形態の包装箱１００は、紙製品、食品、衣類等の種々の物品の包装箱に利用でき、中でも、ベビー用あるいは介護用の紙おむつ、生理用ナプキン、衛生用不織布マスク、ティッシュペーパー、スナック菓子、薄手の衣類などの比較的嵩張る製品を複数個梱包する場合に適している。

【0048】

以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

【符号の説明】

【0049】

１ 箱本体
２、２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ 底面部
３ 側面部
３１ 長側面部
３２ 短側面部
５、５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ 天面部
５０ 開封部
６ 提げ手取付け孔
６１ 第１スリット
６１０ 頂部
６１１ 直線部
６１２ 凸形状部
６２ 第２スリット
７ 提げ手
７０ 二等分線
７１ 先端部
７２ 把持部
７３ 段部
７４ 折り目
８ 第１スリット形成部
８１ 折り曲げ線
８２ 切目線
８３ 頂部
８４ 折り曲げ片
１１ 糊代部
１００ 包装箱
Ｓ１ 外面

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】