(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004636
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】システム等
(51)【国際特許分類】
G01S 7/495 20060101AFI20240110BHJP
G01S 17/86 20200101ALI20240110BHJP
G01S 7/38 20060101ALI20240110BHJP
G01S 13/86 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G01S7/495
G01S17/86
G01S7/38
G01S13/86
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104338
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】小林 典仙
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
【テーマコード(参考)】
5J070
5J084
【Fターム(参考)】
5J070AA02
5J070AE20
5J070AF03
5J070AK40
5J070BD06
5J070BD08
5J070BH11
5J084AA20
5J084AB20
5J084AC02
5J084BA03
5J084BA20
5J084BA34
5J084BA36
5J084BB02
5J084BB20
5J084CA03
5J084CA31
5J084CA49
5J084DA01
5J084EA24
(57)【要約】
【課題】従来とは異なるシステム等を提供すること、例えば速度測定装置から発せられる電磁波の受光に応じて、ユーザの好ましい運転に資する情報を提供する。
【解決手段】電子機器10は、車両40の速度を測定する速度測定装置30から発せられた前記測定をするための電磁波を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記電磁波に応じてユーザに報知する制御を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記ユーザへの報知として、前記車両の減速を促す第1報知を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の速度を測定する速度測定装置から発せられた前記測定をするための電磁波を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記電磁波に応じてユーザに報知する制御を行う制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記ユーザへの報知として、前記車両の減速を促す第1報知を行う
システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記受信部が受信した前記電磁波の強度が向上している場合に、前記第1報知を行う
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記電磁波が受信されているときの前記車両の加速度が所定値以下である場合に、前記第1報知を行う
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記電磁波が受信されているときの前記車両の速度差が所定値以下である場合に、前記第1報知を行う
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1報知を行うときに前記車両の加速度を示す加速度計を表示する制御を行う
請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記車両の加速度が変化していない場合に、前記車両の加速度の変化を促す第2報知を行う
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記車両の速度が制限速度を超過しているか又は超過している可能性があり、かつ前記車両の加速度が変化していない場合に、前記第2報知を行う
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御部は、
前記速度測定装置の位置を通過したと判定した場合に、速度超過だった可能性を示す報知を行うとともに、前記車両の減速中に通過したか否かの情報を報知する第3報知を行う
請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記受信部により前記電磁波を受信しなくなった時点と、前記電磁波を受信していたときの前記車両の速度の履歴とに基づいて、前記速度測定装置により前記車両の速度が測定される地点における走行速度の情報を報知する第4報知を行う
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記受信部により前記電磁波を受信しなくなった時点と、前記電磁波を受信していたときの前記車両の速度の履歴とに基づいて、前記速度測定装置により前記車両の速度が測定されるエリア内での前記車両の加減速の情報を報知する第5報知を行う
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記速度測定装置は、前記電磁波としてレーザー光を発し、
前記受信部は、前記レーザー光を受光する受光部を有する
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記制御部は、
前記速度測定装置よりも手前の位置における併走車両の状況に応じた処理を行う
請求項1から11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記併走車両の状況に応じた処理は、前記ユーザへ報知する処理を含む
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ユーザへ報知する処理は、他の車両との併走を促す旨の報知を行う処理を含む
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記併走車両の状況に応じた処理は、前記車両に配置されたカメラで撮像した画像を取得し、取得した画像を記録する処理を含む
請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記速度測定装置は、前記電磁波としてレーザー光を発し、
前記受信部は、前記レーザー光を受光する受光部を有し、
前記制御部は、
前記レーザー光の受光に応じた報知が行われているときに、前記車両の進行方位を記録する
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御部は、
前記カメラで撮像された画像を再生する機能を有するソフトウェアにより再生可能なデータ形式で、前記カメラで撮像された画像及び前記進行方位の記録を行う
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記速度測定装置は、前記電磁波としてレーザー光を発し、
前記受信部は、前記レーザー光を受光する受光部を有し、
前記制御部は、
前記レーザー光の受光に応じた報知が行われているときに、前記受光部による可視光の受光状態を記録する
請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御部は、
前記レーザー光の受光に応じた報知が行われているときに、前記受光部による可視光の受光状態とともに前記レーザー光の受光状態を記録する
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御部は、
前記カメラで撮像された画像を再生する機能を有するソフトウェアにより再生可能なデータ形式で、前記カメラで撮像された画像及び前記可視光の受光状態の記録を行う
請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
コンピュータに、
車両の速度を測定する速度測定装置から発せられた前記測定をするための電磁波を受信する受信部が受信した前記電磁波に応じてユーザに報知する制御を行う機能であって、前記ユーザへの報知として、前記車両の減速を促す第1報知を行う機能
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
道路を走行する車両の速度を測定するシステムには、様々な方式のものがある。特許文献1は、車両速度測定装置から発射されたマイクロ波を受信し、車両速度測定装置が存在することを検出した場合には警報を出力する電子機器を開示している。特許文献2は、速度測定装置からのレーザー光を受光して報知する電子機器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-64588号公報
【特許文献2】特開2020-112357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、従来とは異なるシステム等を提供すること、例えば速度測定装置から発せられる電磁波の受光に応じて、ユーザの好ましい運転に資する情報を提供することである。
【0005】
本発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正又は分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)車両の速度を測定する速度測定装置から発せられた前記測定をするための電磁波を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記電磁波に応じてユーザに報知する制御を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記ユーザへの報知として前記車両の減速を促す第1報知を行うシステムが提供されるとよい。
【0007】
このようにすると、ユーザは、受信部による速度測定装置から発せられた電磁波の受信に応じた報知として、車両の減速を促す報知を認識することができる。ユーザは、この報知を、車両を減速させる運転をする動機づけとすることができる。
【0008】
速度測定装置は、測定した車両の速度が所定速度以上である場合、例えば制限速度を超える速度である場合に、その車両をカメラで撮像する。また、速度測定装置には、その本体部から所定距離の範囲を、車両の速度を測定するエリア(測定エリア、計測エリアといってもよい。)とするものがある。このような速度測定装置は、その所定距離の範囲内のうち、本体部から第1距離である第1地点と、第2距離である第2地点との速度差が所定の速度差を超えた場合には、車両を撮像しないが、所定の速度差以下である場合には、撮像する。言い換えると、速度測定装置は、所定距離の範囲内において、第1地点と第2地点とにおいて所定値を超える加速度がある場合には、車両を撮像しないが、所定値以下の加速度である場合には、撮像する。所定距離の範囲としては、例えば、速度測定装置から20mから70の範囲とするとよい。第1距離としては、例えば、25mとするとよい。第2距離としては、例えば、30mとするとよい。所定の速度差としては、例えば1.5%とするとよく、所定値を超える加速度としては、例えば1.5%を超える加速度とするとよい。所定の速度差としては、例えば、速度差の絶対値のことをいうものとするとよい。所定値を超える加速度としては、例えば、所定値を超える加速又は減速(つまり、加減速)があるという意味で、加速度の絶対値が所定値を超えていることをいうものとするとよい。第1報知として、車両の減速を促す報知をするようにしている理由は、このような性質の速度測定装置が存在する、という発明者の知見にも基づいている。また、車両の減速を促す報知を認識したユーザが、車両を減速させる運転をするようになることで、ユーザの安全運転にも資することができる。速度測定装置が発する電磁波としては、例えばレーザー光とするとよいが、レーダー波等としてもよい。
【0009】
第1報知としては、従来とは異なる特別な報知とすると、特によい。特別な報知としては、車両が速度測定装置と所定の接近関係を有する場合の報知の一つであるが、他の場合に行われえる報知とは異なる特別な報知とするとよい。車両の減速を促す報知としては、例えば、「減速を続けてください。」というメッセージを表示、音声又はこれらの組み合わせにより出力するとよい。報知としては、表示、音声に限られず、発光その他の人間が知覚可能な方法の報知が用いられてもよい。
【0010】
(2)前記制御部は、前記受信部が受信した前記電磁波の強度が向上している場合に、前記第1報知を行うとよい。
【0011】
このようにすると、ユーザは、車両が速度測定装置に接近して電磁波の強度が向上している場合に、車両の減速を促す報知を認識することできる。例えば、ユーザは速度測定装置により車両が撮像される可能性を抑えながら、ユーザの安全運転にも資することができる。制御部は、例えば、受光部が出力された信号(受光信号ともいう)に基づいて電磁波の強度を特定するとよい。制御部は、例えば、所定の時間間隔で受光部からの信号を取得して、電磁波の強度を逐次特定するとよい。電磁波の強度が向上している場合としては、例えば、第1の強度で電磁波を受信している状態から、第1の強度よりも高い第2の強度で電磁波を受信している状態に変化した場合をいうとよい。これに代えて又は加えて、電磁波の強度が向上している場合としては、電磁波を受信していない状態から、電磁波を受信している状態に変化した場合をいってもよい。制御部は、例えば、特定したレーザー光の強度が向上している期間中の一部又は全部において第1報知を行うとよい。
【0012】
(3)前記制御部は、前記電磁波が受信されているときの前記車両の加速度が所定値以下である場合に、前記第1報知を行うとよい。
【0013】
このようにすると、ユーザは、電磁波が受信されているときの車両の加速度が所定値以下である場合に、車両の減速を促す報知を認識することできる。例えば、ユーザは、この報知があった場合には、このままの運転を続けると速度測定装置により撮像される可能性が高いことを認識し、より車両の速度に配慮した運転をする動機づけとすることができる。所定値としては、速度測定装置が撮像する加速度に関する条件に基づいて決められるとよく、例えば1.5%の加速度とするとよい。
【0014】
(4)前記制御部は、前記電磁波が受信されているときの前記車両の速度差が所定値以下である場合に、前記第1報知を行うとよい。
【0015】
このようにすると、ユーザは、電磁波が受信されているときの車両の速度差が所定値以下である場合に、車両の減速を促す報知を認識することできる。例えば、ユーザは、この報知があった場合には、このままの運転を続けると速度測定装置により撮像される可能性が高いことを認識し、より車両の速度に配慮した運転をする動機づけとすることができる。所定値としては、速度測定装置が撮像する速度差に関する条件に基づいて決められるとよく、例えば1.5%の速度差とするとよい。
【0016】
(5)前記制御部は、前記第1報知を行うときに前記車両の加速度を示す加速度計を表示する制御を行うとよい。
【0017】
このようにすると、ユーザは、減速を促す旨の報知があったときに、加速度計に表示された車両の加速度を見て、車両を減速させる運転をすることができる。例えば、ユーザは、加速度計を参考にして、速度測定装置によって車両が撮像されにくくなるように減速した運転をすることができる。
【0018】
加速度計としては、車両の現在の加速度を表示する加速度計とするとよい。加速度計としては、車両の過去の加速度、例えば加速度の履歴を表示する加速度計としてもよい。加速度計としては、例えば、車両の加速度の大きさに応じて、表示する線の傾きを変えて表示するものとするとよい。さらに、報知として、例えば、加速度の大きさに応じた線の傾きの大きさに応じた音程の音を出力するとよい。さらに、例えば、加速度の大きさが急加速又は急減速に相当する大きさである場合には、音声で所定の報知をするものとするとよい。このような加速度の大きさを示す線は、例えば、横軸を時間軸、縦軸を車両の速度とて表示するグラフに重ねて表示するとよい。
【0019】
(6)前記制御部は、前記車両の加速度が変化していない場合に、前記車両の加速度の変化を促す第2報知を行う
請求項5に記載のシステム。
【0020】
このようにすると、車両の加速度が変化していない場合に、第2報知を車両の加速度の変化を生じさせる運転をする動機づけとすることができる。第2報知としては、第1報知と同じく減速を促す報知としてもよいが、加速度の変化を促す別の報知とするとよい。このような報知としては、例えばよりレベルを上げた報知とするとよい。車両の加速度が変化していないこととしては、車両の加速度がゼロである場合のほか、ゼロに近い値である場合のように、車両の加速度が実質的に変化していないとみなせる場合を含むようにすると特に良い。
【0021】
(7)前記制御部は、前記車両の速度が制限速度を超過しているか又は超過している可能性があり、かつ前記車両の加速度が変化していない場合に、前記第2報知を行うとよい。
【0022】
このようにすると、ユーザは、車両の速度が制限速度を超過しているか又は超過している可能性があり、かつ車両の加速度が変化していない場合に、第2報知を車両の加速度の変化を生じさせる運転をする動機づけとすることができる。第2報知としては、第1報知と同じく減速を促す報知としてもよいが、異なる報知とするとよく、例えばよりレベルを上げた報知とするとよい。例えば、車両の速度が制限速度を超過しているか又は超過している可能性がある分、(6)よりもさらにレベルを上げた報知としてもよい。車両の加速度が変化していないこととしては、車両の加速度がゼロである場合のほか、ゼロに近い値である場合のように、車両の加速度が実質的に変化していないとみなせる場合を含むようにすると特に良い。
【0023】
(8)前記制御部は、前記速度測定装置の位置を通過したと判定した場合に、速度超過だった可能性を示す報知を行うとともに、前記車両の減速中に通過したか否かの情報を報知する第3報知を行うとよい。
【0024】
このようにすると、ユーザは、速度測定装置の位置を通過した場合に、速度超過だった可能性と、車両の減速中に通過したか否かの情報とを把握することができる。例えば、ユーザは、速度測定装置の位置を通過した後で、この速度測定装置によって車両が撮像される可能性について把握することができる。
【0025】
(9)前記制御部は、前記受信部により前記電磁波を受信しなくなった時点と、前記電磁波を受信していたときの前記車両の速度の履歴とに基づいて、前記速度測定装置により前記車両の速度が測定される地点における走行速度の情報を報知する第4報知を行うとよい。
【0026】
このようにすると、ユーザは、速度測定装置により車両の速度が測定される地点における走行速度の情報を把握することができる。例えば、ユーザは、速度測定装置の位置を通過した後で、この速度測定装置によって車両が撮像される可能性について把握することができる。
【0027】
(10)前記制御部は、前記受信部により前記電磁波を受信しなくなった時点と、前記電磁波を受信していたときの前記車両の速度の履歴とに基づいて、前記速度測定装置により前記車両の速度が測定されるエリア内での前記車両の加減速の情報を報知する第5報知を行うとよい。
【0028】
このようにすると、ユーザは、速度測定装置により車両の速度が測定されるエリア内での車両の加減速の情報を把握することができる。例えば、ユーザは、速度測定装置の位置を通過した後で、この速度測定装置によって車両が撮像される可能性について把握することができる。
【0029】
(11)前記速度測定装置は、前記電磁波としてレーザー光を発し、前記受信部は、前記レーザー光を受光する受光部を有するとよい。
【0030】
このようにすると、ユーザは、速度測定装置から発せられたレーザー光が受光部により受光されたときの報知として、車両の減速を促す報知を認識することできる。ユーザは、この報知を、車両を減速させる運転をする動機づけとすることができる。
【0031】
(12)前記制御部は、前記速度測定装置よりも手前の位置における併走車両の状況に応じた処理を行うとよい。
【0032】
このようにすると、速度測定装置よりも手前の位置において、併走車両の状況に応じた処理を行うことができる。例えば速度測定装置には、併走車両が車両の所定距離に接近している場合には撮像しないものがある。このような場合には、その速度測定装置によって車両が測定される可能性に応じた処理を行うことができる。例えば、速度測定装置よりも手前の位置として、受信部が速度測定装置からの電磁波を受信している位置とすると、速度測定装置と所定の接近関係を有する場合に、併走車両の状況に応じた処理を行うことができる。
【0033】
(13)前記併走車両の状況に応じた処理は、前記ユーザへ報知する処理を含むとよい。
【0034】
このようにすると、ユーザは、自車両に対する併走車両の状況に応じた報知を認識することができる。ユーザは、この報知に応じた運転をすることができる。報知としては、速度測定装置によって車両が測定される可能性に応じた内容をユーザに報知するものとするとよい。
【0035】
(14)前記ユーザへ報知する処理は、他の車両との併走を促す旨の報知を行う処理を含むとよい。
【0036】
このようにすると、ユーザは、他の車両との併走を促す旨の報知を認識することができる。ユーザは、他の車両と併走する運転をする動機づけとすることができる。例えば、併走車両が車両の所定距離に接近している場合に撮像しない速度測定装置がある場合には、その速度測定装置によって車両を撮像されにくくすることができる。
【0037】
(15)前記併走車両の状況に応じた処理は、前記車両に配置されたカメラで撮像した画像を取得し、取得した画像を記録する処理を含むとよい。
【0038】
このようにすると、ユーザは、自車両に対する併走車両の状況に応じて記録された車両に配置されたカメラで撮像した画像を、後で確認することができる。例えば、速度測定装置よりも手前の位置として、受信部が速度測定装置からの電磁波を受信している位置とすると、ユーザは、速度測定装置と所定の接近関係を有するときの併走車両の状況を、カメラで撮像した画像を用いて確認することができる。
【0039】
(16)前記速度測定装置は、前記電磁波としてレーザー光を発し、前記受信部は、前記レーザー光を受光する受光部を有し、前記制御部は、前記レーザー光の受光に応じた報知が行われているときに、前記車両の進行方位を記録するとよい。
【0040】
このようにすると、太陽が低い位置にあると受光部から出力される信号(受光信号ともいう。)が飽和してしまうことがあるが、ユーザは、太陽の影響を把握するのに参考となる車両の進行方位の情報を、後で確認することができる。
【0041】
(17)前記制御部は、前記カメラで撮像された画像を再生する機能を有するソフトウェアにより再生可能なデータ形式で、前記カメラで撮像された画像、及び前記進行方位の記録を行うとよい。
【0042】
このようにすると、ユーザは、カメラで撮像された画像と、その画像が撮像されたときの太陽の影響を把握するのに参考となる車両の進行方位とを、カメラで撮像された画像を再生する機能を有するソフトウェア上で確認することができる。カメラとしては特にドライブレコーダとするとよい。ソフトウェアとしては、ドライブレコーダ用のビューアとするとよい。カメラで撮像された画像、及び進行方位の記録は、同時刻における画像と車両の進行方位とを再生可能にするデータ形式とすると特に良い。
【0043】
(18)前記速度測定装置は、前記電磁波としてレーザー光を発し、前記受信部は、前記レーザー光を受光する受光部を有し、前記制御部は、前記レーザー光の受光に応じた報知が行われているときに、前記受光部による可視光の受光状態を記録するとよい。
【0044】
このようにすると、太陽が低い位置にあると受光部から出力される信号(受光信号ともいう。)が飽和してしまうことがあるが、ユーザは、太陽の影響を把握するのに参考となる受光部による可視光の受光状態を、後で確認することができる。受光状態としては、受光の状態を示すものとするとよく、例えば、受光強度、受光量、エネルギー分布、受光の良否を示すものとするとよい。
【0045】
(19)前記レーザー光の受光に応じた報知が行われているときに、前記受光部による可視光の受光状態とともに前記レーザー光の受光状態を記録するとよい。
【0046】
このようにすると、ユーザは、太陽の影響を把握するのに参考となる受光部による可視光の受光状態とともに、そのときのレーザー光の受光状態も確認することができる。
【0047】
(20)前記制御部は、前記カメラで撮像された画像を再生する機能を有するソフトウェアにより再生可能なデータ形式で、前記カメラで撮像された画像及び前記可視光の受光状態の記録を行うとよい。
【0048】
このようにすると、ユーザは、カメラで撮像された画像と、その画像が撮像されたときの太陽の影響を把握するのに参考となる可視光の受光状態とを、カメラで撮像された画像を再生する機能を有するソフトウェア上で確認することができる。カメラとしては特にドライブレコーダとするとよい。ソフトウェアとしては、ドライブレコーダ用のビューアとするとよい。カメラで撮像された画像、及び可視光の受光状態の記録は、同時刻における画像と可視光の受光状態とを再生可能にするデータ形式とすると特に良い。
【0049】
(21)コンピュータに、上記いずれかのシステムの機能を実現させるためのプログラムが提供されるとよい。
【0050】
このようにすると、ユーザは、速度測定装置から発せられた電磁波が受信部により受信されたときの報知として、車両の減速を促す報知を認識することできる。ユーザは、この報知を、車両を減速させる運転をする動機づけとすることができる。
【0051】
上述した(1)から(21)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全て又は一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(21)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、従来とは異なるシステム等を提供すること、例えば速度測定装置から発せられる電磁波の受光に応じて、ユーザの好ましい運転に資する情報を提供することができる。
【0053】
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成によって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】本実施形態の本体部の外観構成を示す図である。
【
図3】本実施形態の受光部の電気的構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の電子機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態の受光部の電気的構成の一例を示す回路図である。
【
図6】本実施形態の電子機器の外観構成の他の例を示す図である。
【
図7】本実施形態の第1報知が行われたときの報知画面の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態の加速度計の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態の加速度計の他の例を示す図である。
【
図10】本実施形態の報知画面の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態の報知画面の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態のデータ記録機能の車両の進行方位の記録方法の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態のデータ記録機能の可視光の受光状態の記録方法の一例を示す図である。
【
図14】本実施形態のデータ記録機能の可視光の受光状態及びレーザー光の受光状態の記録方法の一例を示す図である。
【
図15】本実施形態のデータ記録機能のカメラの画像、及び車両の進行方位の記録方法の一例を示す図である。
【
図16】本実施形態のデータ記録機能のカメラの画像、可視光の受光状態の記録方法の一例を示す図である。
【
図17】本実施形態のデータ記録機能のカメラの画像、可視光の受光状態及びレーザー光の受光状態の記録方法の一例を示す図である。
【
図18】本発明の一変形例の受光部の電気的構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成や形状等は単なる説明例であり、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。以下の説明における、第1、第2、・・・という数値を用いたラベリングは各要素を識別するためのもので、要素の数を定めるものではない。また、以下の説明で参照する各図において、各部材、各領域等を認識可能な大きさとするために、実際とは縮尺を異ならせている場合がある。
【0056】
また、以下の説明で用いられる用語として、例えば、水平方向は、厳密に水平でなくても実質的に水平方向であればよい。鉛直方向、垂直、平行、法線等についても、同様である。また、以下の説明において、寸法や波長等の物理量を具体的な数値を用いて記載している場合は、厳密にその数値でなくてもよい。これらの方向や数値は、例えば、同様の作用効果を奏する範囲で変更されてもよい。また、各装置、各部材について大型化・小型化等の変更が加えられてもよい。
【0057】
[1.電子機器10の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器10の概要を説明する図である。電子機器10は、車両40に配置される電子機器であり、ユーザに対して各種の情報を提供する。ユーザとしては、運転者、助手席とするとよいが、本実施形態では主に運転者を想定する。電子機器10は、レーダー/レーザー探知機の機能を有しており、運転手の安全運転に資する情報を提供する。電子機器10は、例えば、車両40とは別にユーザによって購入される等して、車両40に対して後付けされた機器(アフターマーケット商品ともいう。)であるとよい。車両40は、例えば、エンジンを駆動源として有する内燃機関車両、エンジンと走行モータとを駆動源として有するハイブリット車両、走行モータを駆動源として有する電気自動車等である。車両40は、4輪自動車とするとよいが、4輪自動車に限らず、例えばバイク等の2輪車や4輪以上の大型輸送車等としてもよい。なお、
図1には車両40に配置されるカメラ70が記載されている。カメラ70は、後述する電子機器10とカメラ70とが連係して所定の機能が実現される場合に使用される。この連係の機能が実現されない場合は、車両40にカメラ70が配置されないようにしてもよい。
【0058】
電子機器10は、車両40が所定の目標物と所定の接近関係を有する場合に、ユーザに報知する報知機能を有する。所定の接近関係とは、車両40が目標物に対して所定の距離以下まで接近している関係をいい、さらに、車両40の進行方向、又は進路上に目標物が存在し、かつその目標物に対して所定の距離以下まで接近している関係をいうようにしてもよい。目標物として、車両の速度取締が行われる地点である速度取締地点がある。速度取締地点には、速度測定装置が設置されることがある。電子機器10は、速度測定装置から発せられる取締波を受信する。取締波は、車両の速度を測定するための電磁波で、測定波、速度測定信号等と称されてもよい。速度取締地点は、車両の走行状況(例えば、車両が速度を出しやすいこと)、交通事故の発生状況(例えば、事故の発生数が多い地点)等の状況を勘案して、決定される。速度取締地点の一例は、例えば、車両が走行する路線(道路)のうち、一般道や、直線状の道路、カーブ又はカーブの先の地点等に存在する。速度測定装置としては、固定式、移動式等と呼ばれるもの等、多数存在する。移動式は、例えば、可搬式および車両に搭載される方式がある。
【0059】
電子機器10は、少なくとも、速度測定装置30から発せられる取締波として、レーザー光を受信する。
図1の例では、速度測定装置30は、車道に隣接する歩道に設置され、この車道を走行する車両の速度を測定する。
【0060】
速度測定装置30が発するレーザー光は、所定のパルス幅を有するパルス光で、パルスレーザーとも呼ばれる光である。速度測定装置30が発するレーザー光は、特定波長に集中してエネルギーを有する。特定波長は、速度測定装置30が発する光のエネルギーがピークとなる波長をいうとよい。レーザー光は、例えば可視光領域外の特定波長にエネルギーを有することが望ましい。特定波長は、人間に知覚されない波長とすることがよく、例えば可視光領域外の特定波長にエネルギーを有するようにするとよい。特定波長は、例えば赤外光領域に属し、905nmである。ただし、特定波長は、これに限られず、850nm、950nm、1900nm又はその他の波長であってもよい。
【0061】
速度測定装置30は、速度測定部31と、撮像部32と、ストロボ33とを備える。速度測定部31は、レーザースキャン方式により、車両の速度を測定する。速度測定部31は、中心角が角度θの扇形の測定エリア(例えば、
図1の測定エリアT)内に、方向を変えながら、レーザー光を出射する。θは、例えば110度である。測定エリアは、速度測定部31が設置された位置よりも、車両40の進行方向において上流側の範囲を、下流側の範囲よりも広く含む。速度測定部31は、反時計方向に、レーザー光の出射方向を変化させる。
【0062】
速度測定部31は、出射したレーザー光が車両40に到達して反射すると、その反射光を受光する。速度測定部31は、レーザー光を出射してから、その反射光を受光するまでに要した時間に基づいて、車両40までの距離を測定する。速度測定部31は、車両40までの距離の測定を繰り返し行い、単位時間の車両40の移動距離に基づいて、その車両40の速度を測定する。速度測定部31は、例えば、測定エリア内の車両との距離を測定し、さらに、自装置からそれよりも近い所定距離地点での車両の速度を測定する。
【0063】
撮像部32は、所定の撮像条件を満たす場合に、対象の車両を撮像する。撮像の対象の車両は、例えば、速度測定部31により測定された速度が制限速度を超過している車両(つまり、違反車両)とするとよい。撮像条件については、これ以外のものがあるが、後述する。ストロボ33は、撮像部32により撮像されるときに、光を発する。撮像部32は、夜間でも撮像できるように、赤外光領域の光に基づいて撮像するとよい。この場合、ストロボ33は、赤外光領域にエネルギーを有する光を発するとよい。速度測定装置30は、測定した速度や、撮像された画像等の、速度取締において記録しておくべきデータを、外部のコンピュータへ送信する。
【0064】
電子機器10は、さらにこれ以外の取締波を受信する機能を有する。電子機器10は、所定の電波を発する速度測定装置から発せられた電波を取締波として受信する。この電波を、以下では「レーダー波」といい、例えばマイクロ波である。また、電子機器10は、速度取締地点の周辺を伝搬することがある所定の周波数の無線信号を取締波として受信する機能を有するとよい。なお、以下の説明において、「速度測定装置」は、適宜、「オービス」等と読み替えられてもよい。
【0065】
電子機器10は、本体部101と、固定部102と、に大別される。本体部101は、固定部102を用いて所定の設置位置に固定される。本実施形態では、設置位置は、車両40のダッシュボード41の上面である。固定部102は、本体部101の下に設けられ、本体部101を所定の設置位置に固定させるための固定部材である。固定部102は、ブラケットとも呼ばれる。
【0066】
図2は、本体部101の外観構成を示す図である。
図2(A)は、本体部101を正面側の右斜め上方向から見た図である。
図2(B)は、本体部101を背面側の左斜め上方向から見た図である。
【0067】
本体部101は、筐体1011を有する。筐体1011は、上下よりも左右に長く、かつ厚みが比較的小さい直方体状である。筐体1011は、例えば樹脂又はその他の材料で形成されている。筐体1011の正面側には、上下よりも左右に長い長方形の開口部が設けられている。本体部101は、この開口部の位置で画像を表示するための表示部13、及び表示部13の表示領域に重ねられたタッチセンサ191を有する。本体部101は、その正面側の表示部13の左側の位置に、照度センサ窓201、及び発光部24を有する。発光部24は、上下方向を長手方向とした発光領域を有する。筐体1011の右側面には、媒体保持部としての装着部21が設けられている。記録媒体挿入口を介して、装着部21に対して、記憶媒体50が装着される。記憶媒体50は、例えばSDカードである。SDカードは、例えば、SDメモリカード、miniSDカード、及びmicroSDカード等のいずれの形状も含む。
【0068】
筐体1011の背面側には、レンズホルダ1012が設けられている。レンズホルダ1012は、筐体1011の内外を貫通する貫通孔で、レンズ121を保持する。レンズ121は、集光用のレンズである。レンズ121は、本実施形態では、上下よりも左右よりも長い楕円形状で、光の入射面が非球面状であるアスフェリックレンズ(エスフェリックレンズ)と呼ばれるレンズであるが、他の集光用のレンズが用いられてもよい。筐体1011の背面側の下端付近であって、筐体1011の左右方向の中心付近には、取付部1013が設けられている。取付部1013は、固定部102が取り付けられる部位である。取付部1013は、それぞれが上下に延びている一対の溝部を有する。筐体1011の背面側には、さらに、電子機器10の電源のオン/オフを切り替えるための電源スイッチ221、及び外部の装置を接続するための端子部23が設けられている。
【0069】
図3は、固定部102の外観構成を示す図である。
図3(A)は、固定部102を正面側の右斜め上方向から見た図である。
図3(B)は、固定部102を正面側の左斜め上方向から見た図である。
【0070】
固定部102は、固定部材1021を用いて設置位置に固定され、台座部1022と、ソケット部1023と、ボールスタッド1024と、装着部材1025とを有する部材である。台座部1022は、設置位置(設置面ともいう。)に固定される部位である。台座部1022の底面が、例えば粘着シート又は両面テープ等の固定部材1021を用いて設置位置に貼り付けられる。台座部1022は、正面側に開口した空間を有するソケット部1023を有する。ソケット部1023は、ボールスタッド1024が有するボール部が装着される。ソケット部1023と、ソケット部1023に装着されたボールスタッド1024とにより、ボールジョイント機構が構成される。ボールスタッド1024は、外力を受けて、ソケット部1023に装着された状態で、上下、及び左右に姿勢を変化させる。ボールスタッド1024のうちの正面側の部位には、装着部材1025が設けられている。装着部材1025は、本体部101の取付部1013に装着される。装着部材1025は、正面から見て左右の両側に、正面側に突き出す一対の突出部を有する。この一対の突出部が、本体部101の取付部1013の一対の溝部に挿入されることで、本体部101の固定部102への取り付けが完了する。本体部101は外力を受けて、固定部102に装着された状態で、上下左右に姿勢を変化することができる。これにより、ユーザは本体部101を所望する姿勢に固定した状態で、電子機器10を利用することができる。
【0071】
図4は、電子機器10の電気的構成を示すブロック図である。制御部11は、電子機器10の各部を制御する。制御部11は、電子機器10の各部を制御する。制御部11は、例えば、プロセッサ111、及びメモリ112を含むコンピュータである。プロセッサ111は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)の少なくともいずれかを有する。メモリ112は、例えば、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を有する主記憶装置である。プロセッサ111は、メモリ112のROM又は記憶部25から読み出したプログラムをRAMに一時的に記憶させる。また、メモリ112のRAMは、プロセッサ111に作業領域を提供する。プロセッサ111は、プログラムの実行中に生成されるデータをRAMに一時的に記憶させながら演算処理を行うことにより、各種の制御を行う制御部11は、さらに、時刻を計る計時部113を備える。計時部113は、例えばリアルタイムクロックである。計時部113は、プロセッサ111のマザーボードに実装されていてもよいし、プロセッサ111に外付けされてもよい。
【0072】
受光部12は、レーザー方式に対応した速度測定装置から、取締波としてのレーザー光を受光するための受光部である。受光部12は、レンズ121を介して入射した光を受光して、その受光した光に応じた信号を、制御部11に出力する。受光部12は、レーザー光のうちの可視光をカットするフィルタ等の光学部材をさらに有してもよい。受光部12が出力する信号は、例えば受光部12の受光量に応じて変化する。受光部12は、例えば受光素子としてフォトダイオードを備えるが、フォトトランジスタ又はその他の受光素子であってもよい。受光部12は、受光素子を2つ以上備えてもよい。受光部12は、少なくとも赤外光領域に感度を有するとよい。受光部12は、さらに受光素子からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路等を有してもよい。
【0073】
表示部13は、画像を表示する。表示部13は、例えば3.2インチのカラーTFT液晶ディスプレイである。液晶ディスプレイは、例えばIPS(In Plane Switching)式である。表示部13は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ又はその他の方式の表示装置でもよい。
【0074】
音声出力部14は、音声を出力する。音声出力部14は、例えば音声処理回路及びスピーカを有する。
【0075】
レーダー受信部15は、レーダー方式に対応した速度測定装置から、取締波としてのレーダー波を受信する。レーダー波は、例えば、所定のマイクロ波、所定のステルス取締器が計測する瞬間だけ電波を発射するステルス波、通常レーダー波、Kバンド及びXバンドに対応する新型レーダー波、及びキャンセル告知がある。レーダー受信部15は、例えばアンテナ及び受信回路を有する。
【0076】
無線受信部16は、所定の周波数の無線信号を受信する。この所定の周波数の無線信号は、速度取締地点の周辺を伝搬することがあるもので、速度取締地点の存在を示す取締波の一例である。この所定の周波数の無線信号は、例えば、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、所轄系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警察無線等の周波数に属する無線信号がある。無線受信部16は、例えばアンテナ及び受信回路を有する。
【0077】
位置情報取得部17は、電子機器10の位置(より具体的には、現在位置)を示す位置情報を取得する。電子機器10の位置は、電子機器10が配置された車両40の位置、及び車両40に乗車している運転手その他の人(乗員)の位置と同視することができる。位置情報取得部17は、例えば、GNSS(Global Navigation SatelliteSystem:全球測位衛星システム)の一つであるGPS(Global Posisioning System)からの信号に基づき、電子機器10の位置情報(緯度情報、及び経度情報)を取得する。位置情報取得部17は、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)として、みちびきを併せて利用してもよい。位置情報取得部17は、4G、5G通信その他の基地局装置からの信号に基づいて、位置情報を取得してもよい。
【0078】
通信部18は、外部装置と通信する。通信部18は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)その他の無線LAN(Local Area Network)通信や近距離無線通信により、外部装置と無線通信する。外部装置は、例えば、スマートフォンやタブレット型コンピュータその他の車両40内の通信端末である。通信部18は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G、5G等の移動通信システムの規格等に準拠した通信を行うための通信回路を有してもよい。
【0079】
入力部19は、ユーザからの情報の入力を受け付ける。入力部19は、タッチセンサ191と、マイクロホン192と、を有する。タッチセンサ191は、ユーザの操作の入力を受け付ける。タッチセンサ191は、ユーザによりタッチされた位置を検出する。タッチセンサ191は、例えば静電容量方式である。マイクロホン192は、入射した音を電気信号に変換する。マイクロホン192は、例えばコンデンサマイクである。入力部19は、これ以外にも、音量調整ボタン、及び作業用ボタン等の物理ボタンを備えてもよい。
【0080】
センサ部20は、各種のセンサを有する。センサ部20は、例えば、地磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、温度センサ、湿度センサ、及び照度センサの少なくともいずれかを有する。地磁気センサは、方位を検出する方位センサの一例である。電子機器10の車両40への取り付けは、表示部13が車室内の方向を向くようになっていることから、地磁気センサにより検出された方位に基づいて車両40の進行方向を特定することもできる。加速度センサは、例えば車両の前後、左右、上下の加速度を検出する3軸の加速度センサである。ジャイロセンサは、電子機器10の傾きを検出するセンサである。加速度センサ及びジャイロセンサは、例えば、GNSS衛星からの信号が受信できない場合に、自律航法により車両40の位置を推測するのに使用されてもよい。気圧センサは、気圧を測定する。気圧センサは、例えば、高低差を検知して、高速道と一般道を判定するために用いられる。温度センサは、温度を検知する。湿度センサは、湿度を検知する。照度センサは、照度センサ窓201を介して入射した光に基づいて、電子機器10の周辺である車室内の明るさを示す照度を検知するセンサである。照度センサは、例えば表示部13の表示の輝度の調整に使用される。
【0081】
装着部21は、記録媒体挿入口から挿入された記憶媒体50を保持する媒体保持部として機能する。装着部21は、記憶媒体50にデータを書き込んだり、記憶媒体50からデータを読み出したりする。装着部21は、記憶媒体50を1つだけ保持するものでもよいが、2つ以上の記憶媒体50を同時に保持することが可能に構成されてもよい。
【0082】
電源制御部22は、電子機器10の各部への電力の供給を制御する。電源制御部22は、例えば、電源スイッチ221や電源制御回路を有する。電源制御部22は、端子部23を介して車両40側から供給された電力を、電子機器10の各部に供給する。電源制御部22は、さらに、蓄電手段として、二次電池やボタン電池、電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタとも呼ばれる。)を有してもよい。
【0083】
端子部23は、外部の装置と電気的に接続するための端子である。端子部23は、外部の装置から電力の供給を受けるための端子である。端子部23は、例えばminiUSBの規格に準拠した端子を有する。端子部23は、電源用のコード(例えば、シガープラグコード)の一端側のコネクタが接続される。電源用コードの他端側のコネクタは、例えば車両400側に設けられた給電用の端子(例えば、シガーソケット)に接続される。
【0084】
端子部23は、車両40のOBDII(「II」は「2」のローマ数字である。)コネクタに接続可能なOBDIIアダプタが接続されてもよい。OBDIIコネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECU(Engine Control Unit)に接続され、所定の期間毎(例えば、0.5秒毎)に各種の車両情報が出力される端子である。端子部23が、OBDIIアダプタを用いてOBDIIコネクタと接続されることで、電子機器10は、動作用の電力の供給を受けるとともに、車両情報を取得することができる。
【0085】
車両情報は、車両40の状態に関する情報である。車両情報は、例えば、車両40の速度(車速)、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル度、点火時期、残り燃料の割合、インテークマニホールドの圧力、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、エンジン冷却水の温度(冷却水温度)、エンジンに吸気される空気の温度(吸気温度)、車外の気温(外気温度)、燃料タンクの残り燃料の量(残燃料量)、燃料流量、瞬間燃費、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ブレーキ開度、ハンドルの回転操舵角、ギヤポジション、及びドア開閉状態の情報等の少なくとも1つ以上とするとよい。
【0086】
端子部23に接続される装置として、カメラ70がある。端子部23に接続される装置として、車両40側からの給電がなくても、電子機器10が動作できるように、外付けのバッテリが用いられてもよい。端子部23に接続される装置は、例えば、ユーザの安全運転を支援する機能を有する装置であってもよい。このような装置として、例えば、運転手(例えば顔)を撮像して、わき見及び居眠り運転に例示される運転手の状態を検出して報知する機能を有する装置や、車両400の周辺の障害物を検知して報知する機能を有する装置(例えば、前方車両追突警報システム(FCWS:Forward vehicle Collision Warning Systems)のための車両検知に使用される装置)がある。端子部23に接続される装置は、その他にも、ドライブレコーダに例示される撮像装置、カーナビゲーション装置、ディスプレイ装置等の車載装置としてもよい。
【0087】
発光部24は、所定の色で発光する。発光部24は、例えば発光ダイオードを含む。
【0088】
記憶部25は、データを記憶する。記憶部25は、例えば、制御部11が各種の制御を行うためのプログラムを記憶する。制御部11は、記憶部25からプログラムを読み出して実行する。記憶部25は、さらに、地図を示す地図データ、目標物の種類やその位置情報、目標物の存在を報知するためのデータ(例えば、効果音やBGM、音声メッセージ等の音声データ、写真や模式図等の画像データ、等)、電子機器10がナビゲーション機能を有する場合のルート案内機能を実現するためのデータ、待受画面を表示するためのデータ等を記憶する。目標物は、例えば、速度取締地点(公開取締情報を含む。)、速度測定装置(レーザー方式、レーダー方式、ループコイル式、Hシステム、LHシステム、光電管式、移動式等)のほか、居眠り運転事故地点、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等がある。
【0089】
記憶部25には、電子機器10の製品出荷時に、目標物(例えば、経度・緯度を含む位置情報、目標物の種別情報等)に関する情報が登録されている。制御部11は、その後に追加される新規な目標物に関する情報を、装着された記憶媒体50から取得し、又は通信部18を用いて通信により取得し、取得した情報を、記憶部25に記憶させるとよい。このように、制御部11は、新規な目標物に関する情報等についての更新情報を、記憶部25に記憶させる機能を有すると尚良い。
【0090】
なお、記憶部25は、例えば、フラッシュメモリ(例えばeMMC、SSD)に例示される各種の記憶媒体を用いて実現された補助記憶装置とするとよい。記憶部25は、光学式記憶媒体、磁気記憶媒体、及び半導体記憶媒体に例示される各種の記憶媒体を用いて実現されてもよい。
【0091】
図5は、受光部12の電気的構成の一例を示す回路図である。
図5(A)は、受光部12の構成のうちの光学系を主に説明する図である。
図5(B)は、受光部12の構成のうちの回路系を主に説明する図である。
【0092】
図5(A)に示すように、受光部12は、光学系として、レンズ121と、フィルタ122と、受光素子123とを有する。レンズ121は、入射光を集光する集光用のレンズであ。フィルタ122は、入射した光のうちレーザー光を透過させるフィルタ処理を行う光学フィルタである。フィルタ122は、例えば、レーザー光に使用される特定波長λ0に通過帯域を有し、かつ所定の帯域幅を有するバンド・パス・フィルタとするとよい。フィルタ122は、入射光のうちの可視光をカットする可視光カットフィルタの機能を有するとよいが、フィルタ122とは別にこのような可視光カットフィルタが設けられてもよい。例えば、レンズ121が可視光カットフィルタとしての機能を有してもよい。
【0093】
受光素子123は、受光し、その受光に応じた信号を出力する。受光素子123は、その入射した光の光量に応じた信号を出力するとよい。受光素子123は、レンズ121、及びフィルタ122を通過した光が入射する位置(つまり、光路上)に配置される。受光素子123は、本実施形態では、入射した光に応じた電流を信号(第1信号)として出力する受光素子、ここではフォトダイオードである。受光素子123は、例えば、フォトトランジスタ等の受光素子であってもよい。受光素子123は、本実施形態では、レンズ無しの受光素子である。
【0094】
次に、
図5(B)を参照して、受光部12の回路系を説明する。
図5(B)では、レンズ121、及びフィルタ122の図示を省略してある。受光素子123のカソードは高電位側の電源ラインと接続され、受光素子123のアノードは抵抗R1の一端と接続する。抵抗R1の他端は接地されている。受光素子123は、入射した光の光量に応じた電流を第1信号として出力する。受光素子123の出力は、入射した光の光量に応じて大きくなるようにするとよい。
【0095】
受光素子123の後段には集積回路(IC)125が配置される。集積回路125の入力端子は、コンデンサC1を介して受光素子123のアノードと抵抗R1の一端とに共通に接続される。
【0096】
集積回路125は、受光部12の出力である第1信号の電圧信号への変換及び増幅を行って第2信号を出力する。集積回路125は、高利得アンプIC等と呼ばれるICとしてもよい。集積回路125は、例えば、レーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路とするよく、例えば光距離測定用とするとよい。このようなレーザー探知とは異なる特定の用途のための集積回路125を、電子機器100のレーザー探知の用途に用いることで、レーザー光の受光感度を向上させることができる。
【0097】
集積回路125は、トランスインピーダンスアンプを有する集積回路(トランスインピーダンスアンプICともいう。)を用いるとよい。集積回路125は、受光素子123の出力である第1信号をリニアに増幅する。例えば、速度測定装置が出射する速度測定用のレーザー光のパルス幅が20nsと細く、高周波数領域のレーザーパルスであっても、集積回路125において個々の非常に細いパルス幅をそれぞれ1つのパルスとして処理される。また、トランスインピーダンスアンプを有する集積回路125でもって、充分大きな利得が得られる。
【0098】
以上のような構成の集積回路125は、入力側が、受光素子123を高電位側に配置されている。そのため、集積回路125は、速度測定用のレーザー光が受光素子123に入射して第1信号が入力端に入力したことに応じて、出力端から負パルスを出力する。
【0099】
集積回路125の出力端は、トランジスタ1261を用いたエミッタ接地の増幅回路126に接続される。増幅回路126は、集積回路125の出力信号を反転するとともにさらに増幅する。これにより、増幅回路126からは、正パルスが出力される。増幅回路126は、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光が属する特定波長の波長領域の信号の増幅率を高くするように設計されていることが望ましい。トランジスタ1261は、例えばnpn型を用いて構成するとよく、入力信号等に応じて適宜のタイプを用いるとよい。
【0100】
増幅回路126の出力端は、コンデンサC3を介してエミッタフォロワ回路127に接続される。エミッタフォロワ回路127の出力端は、コンパレータとして機能する差動増幅器124の入力端に接続される。
【0101】
エミッタフォロワ回路127のベース側に温度補償回路としてサーミスタ129が設けられる。エミッタフォロワ回路127の入力側からの信号は、コンデンサC3により直流成分がカットされ、交流成分のみ入力されるため、トランジスタ1271のベース側の周囲の抵抗R4、R5等の分圧により決定される。増幅回路126の出力端に接続されるコンデンサC3と、エミッタフォロワ回路127の入力端であるトランジスタ1271のベースの間に、抵抗R3を介して接地されるサーミスタ129が配置される。サーミスタ129の一端は、エミッタフォロワ回路127の入力端に接続され、他端は接地されている。
【0102】
差動増幅器124は、受信した信号レベルが閾値を超えるとハイレベルの信号を出力し、閾値以下であるとローレベルの信号を出力する。受光素子123で受光する速度測定装置が出射する速度測定用のレーザー光のパルス幅は、例えば20nsと短いため、レーザー光が受光された場合には、差動増幅器124からはそのパルス幅に応じた細いパルス幅のパルスが出力される。
【0103】
差動増幅器124の出力端が波形整形回路128に接続される。波形整形回路128は、速度測定用のレーザー光の受光に応じて入力端に入力された細いパルス幅を、制御部11で処理可能な所定幅のパルス幅のパルスを生成し、出力するものである。上述したように、速度測定用のレーザー光の受光に応じて差動増幅器124から出力されるパルスのパルス幅は、例えば20nsと非常に細いパルス幅であり、そのまま制御部11を構成するマイコン等に入力すると、制御部11での処理が難しい場合がある。そこで、波形整形回路128は、例えば50μs程度に広げたパルスを生成し出力するとよい。波形整形回路128は、例えば、アンド素子とモノステーブル・マルチバイブレータ等で構成し、モノステーブル・マルチバイブレータの時定数で規定される所定幅のパルス光を出力する用に構成するとよい。
【0104】
波形整形回路128の出力端は、制御部11に接続される。制御部11は、波形整形回路128からの出力(言い換えると、受光部12からの出力)に基づいて、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光したか否かを判定する。制御部11は、特定波長λ0としての905nmの光で、パルス幅が例えば略20ns又は略15nsで、かつパルス間隔が略80msである光を受光したと判定した場合に、レーザー光を受光したと判定する。「略」は、基準となる値と同一又はその値と実質的に同一とみなせる所定範囲内とするとよい。制御部11がレーザー光を受光したと判定することは、制御部11が速度測定装置30が存在すると判定すること、と読み替えてもよい。制御部11は、例えば、上述した条件を満たすパルスが少なくとも1回受光されたと判定した場合に、レーザー光を受光したと判定するとよいが、このパルスが複数回受光されたと判定した場合に、レーザー光を受光したと判定するとよい。
【0105】
[2.電子機器10の報知機能・その1]
電子機器10の報知機能は、受光部12、レーダー受信部15、無線受信部16、及び位置情報取得部17等を用いて、ユーザに情報を報知する機能である。報知機能は、POI(Point of interest)と呼ばれる目標物に関する情報を報知する機能である。報知機能は、例えば、以下で説明する機能を有する。報知機能による報知は、表示部13への表示、音声出力部14による音声の出力、発光部24の所定の発光、及びその他の人間が知覚可能な方法のいずれかを用いて行われるとよい。
【0106】
<2-1.レーザー警報機能>
制御部11は、レーザー警報機能を有する。具体的には、制御部11は、受光部12を用いて、レーザー方式に対応する速度測定装置から、速度測定用のレーザー光を受光したと判定した場合に、警報を発する警報制御を行う。レーザー方式に対応するレーザー光は、特定波長の光で、所定のパルス幅を有するパルスレーザーである。特定波長は、例えば赤外光領域に属し、その波長は例えば850nm、905nm、950nm、又は1900nmである。パルス幅は、例えば略20ns又は略15nsである。パルス間隔は、例えば、略80msである。「略」は、基準となる値と同一又はその値と実質的に同一とみなせる所定範囲内とするとよい。制御部11は、例えば、レーザー方式に対応するレーザー光が受信されたと判定した場合には、記憶部25に記憶されたレーザー方式に対応する速度測定装置の模式図又は写真、「速度取締地点に接近しています。」というメッセージを表示部13に表示させるとよい。この表示に代えて、又は加えて、制御部11は、記憶部25に記憶された音声データを読み出して「レーザー光を受信しました。スピード注意」という音声メッセージを、音声出力部14から出力するとよい。
【0107】
<2-2.レーダー警報機能>
制御部11は、レーダー警報機能を有する。具体的には、制御部11は、レーダー受信部15によって速度測定装置からのレーダー波を受信したと判定した場合に、警報を発する警報制御を行う。制御部11は、例えば、速度測定用のレーダー波が受信されたと判定した場合には、記憶部25に記憶されたレーダー方式に対応する速度測定装置の模式図又は写真、「速度取締地点に接近しています。」というメッセージを表示部13に表示させるとよい。この表示に代えて、又は加えて、制御部11は、記憶部25に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声メッセージを、音声出力部14から出力するとよい。
【0108】
<2-3.無線警報機能>
制御部11は、無線警報機能を有する。具体的には、制御部11は、無線受信部16によって所定の周波数の無線信号を受信したと判定した場合に、警報を発する警報制御を行う。制御部11は、上述した各種無線信号に対応する周波数をスキャンする。制御部11は、スキャンした周波数で、無線信号を受信したと判定した場合には、記憶部25に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図又は写真、「速度取締に接近しています。」というメッセージを表示部13に表示させるとよい。この表示に代えて、又は加えて、制御部11は、記憶部25に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、音声出力部14からその無線の種別を示す音声を出力する。制御部11は、例えば、取締無線を受信した場合には、「取締無線です。スピード注意」のような音声メッセージを出力する。
【0109】
制御部11は、位置警報機能(一般的には、GPS警報と呼ばれる。)を有する。具体的には、制御部11は、記憶部25に記憶された目標物の位置情報と、位置情報取得部17が取得した位置情報とに基づいて、警報を発する警報制御を行う。制御部11は、例えば、目標物の位置情報と電子機器10の位置情報との距離を算出し、算出した距離が所定の接近距離になった場合に、警報制御を行う。制御部11は、例えば、高速道路の走行中は、目標物まで2kmに接近した場合に警報制御を行い、そのほか、目標物まで1km、500m、直前、通過と判定した場合に、警報制御を行う。制御部11は、例えば、トンネル内の速度取締地点については、高速道路の走行中は目標物まで2kmに接近した場合に警報制御を行い、そのほか、目標物まで1km、500mと判定した場合に警報制御を行う。制御部11は、表示部13に警報画面を表示し、音声出力部14から効果音、BGM、音声メッセージ等の音声を出力する。
【0110】
位置警報機能で警報制御の対象とする目標物としては、速度取締地点のほか、例えば、ネズミ捕りエリア、移動オービスエリア、追尾式取締りエリア、一時停止取締エリア、交差点取締エリア、その他取締エリア、シートベルト検問エリア、飲酒検問エリア、携帯電話検問エリア、その他検問エリア、交差点監視ポイント、信号無視抑制システム、高速道交通警察隊、Nシステム、交通監視システム、警察署、事故多発エリア、サービスエリア、パーキングエリア、ハイウェイオアシス、高速道長/連続トンネル、ハイウェイラジオ受信エリア、道の駅、ビューポイントパーキング、駐車場、公衆トイレ等がある。
【0111】
なお、制御部11は、上述した複数の報知機能のうち、ユーザにより設定された報知機能のみを動作させてもよい。また、複数の報知機能のそれぞれに又は報知の対象物となる目標物のそれぞれに、電子機器10の設計段階又はユーザの設定により、優先度が設定されていてもよい。この場合、制御部11は、優先度の高い報知を優先的に発するようにし、例えば、優先度が低い報知よりも優先度が高い報知を目立たせたり、優先度が低い報知と優先度が高い報知とが競合した場合は、優先度が高い報知のみを行ったりしてもよい。
【0112】
なお、電子機器10は、取締波を受信する機能と、取締波を受信したことに応じて報知する報知機能とを有する電子機器であるが、これらの機能を互いに別の電子機器に搭載してもよい。この態様の一例である
図6(A)に示す構成では、第1の電子機器103は、取締波を受信する機能と、その受信結果に応じた信号を外部に出力する機能と、を有する。第1の電子機器103は、アンテナ部とも呼ばれる。第2の電子機器101Aは、第1の電子機器103から出力された信号を取得し、この信号に基づいて、第1の電子機器103で取締波が受信されたことに応じて報知する報知機能を有する。第1の電子機器103と第2の電子機器101Aとは、例えば有線の通信路(例えば、
図6(A)に示すケーブル104)により接続されるが、無線の通信路により接続されてもよい。報知は、例えば、表示、音、及び光の少なくともいずれかによる報知を含まなくてもよい。この態様の一例である
図6(B)に示す構成では、電子機器101Bは、表示部を有しない。電子機器101Bは、正面側に設けられた放音孔105から音声を出力したり、発光部106を発光させたりして、報知を行う。また、電子機器は、ダッシュボード上とは異なる設置位置として、例えば車両のフロントガラス(例えば、フロントガラスにおける上端付近)、又は車両のルームミラーや車室内の天井等を設置位置とする電子機器としてもよい。この態様の一例である
図6(C)に示す構成では、電子機器101Bが、固定部102に代えて、取付部材107を用いてフロントガラスに固定される。取付部材107は、例えば金属製の板状部材を用いて形成されている。また、電子機器は、複数の設置位置の候補の中からユーザが選択したいずれかの設置位置に固定できるように構成されていてもよい。
【0113】
なお、以上の説明から分かるように、受光部12、及びレーダー受信部15は、それぞれが速度測定装置からの電磁波を受信する受信部の一例である。制御部11は、そのような受信部による受信に応じた報知(例えば、警報)等の制御を行う。
【0114】
[3.電子機器10の報知機能・その2]
本実施形態の電子機器10の報知機能として、上述した報知機能に代えて又は加えて、以下の報知機能のうちの少なくとも1つを有するとよい。なお、[3.電子機器10の報知機能・その2]による報知は、以下では、表示部13への表示、音声出力部14による音声の出力又はこれらの組み合わせとする場合を説明するが、これ以外の方法としてもよい。例えば、発光部24の所定の発光、及びその他の人間が知覚可能な方法のいずれかを用いて行われてもよい。また、表示内容や音声内容は例示である。
【0115】
<3-1.レーザー警報機能の第1報知機能>
制御部11は、ユーザへの報知として、車両40の減速を促す第1報知を行うとよい。このようにすると、ユーザは、速度測定装置30から発せられたレーザー光が受光部12により受信されたときの報知として、車両40の減速を促す報知を認識することできる。ユーザは、この報知を、車両40を減速させる運転をする動機づけとすることができる。
【0116】
速度測定装置は、本体部(言い換えると、速度測定装置自体)から所定距離の範囲内を、車両の速度を測定する測定エリア(計測エリアといってもよい。)とするものがある。そして、速度測定装置は、この測定エリア内のうち、本体部から第1距離である第1地点と、第2距離である第2地点との速度差が所定の速度差を超えた場合には、車両を撮像しないが、所定の速度差以下である場合には、撮像する。言い換えると、速度測定装置は、測定エリア内のうち、第1地点と第2地点とにおいて所定値を超える加速度がある場合には、撮像しないが、所定値以下の加速度である場合は撮像する。所定値を超える加速度としては、所定値を超える加速又は減速(つまり、加減速)があるという意味で、加速度の絶対値が所定値を超えていることをいうものとするとよい。ただし、両者のうちの一方、特に所定値を超える減速(つまり、負の加速度)がある場合としてもよい。測定エリアを特定する所定距離の範囲としては、例えば、速度測定装置から20mから70mの範囲とするとよい。第1距離としては、例えば、25mとするとよい。第2距離としては30mとするとよい。所定の速度差としては、例えば、1.5%とするとよく、所定値を超える加速度としては、例えば、1.5%を超える加速度とするとよい。
【0117】
第1報知として、車両40の減速を促す報知をするようにしている理由は、このような性質の速度測定装置がある、という発明者の知見にも基づいている。また、車両の減速を促す報知を認識したユーザが、車両を減速させる運転をするようになることで、ユーザの安全運転にも資することができる。
【0118】
第1報知の減速を促す報知としては、従来とは異なる特別な報知とすると、特によい。特別な報知としては、車両が速度測定装置と所定の接近関係を有する場合の報知の一つであるが、他の場合に行われえる報知とは異なる特別な報知とするとよい。本実施形態では、特別な報知としては、[2.電子機器10の報知機能・その1]の<2-1.レーザー警報機能>の項で説明した報知とは異なる内容の報知とするとよい。
【0119】
図7は、第1報知が行われたときの報知画面の一例を示す図である。
図7に示す報知画面は、地
図M上にウィンドウW1を重ねて配置した画面である。地
図Mは、記憶部25に記憶された地図データと、位置情報取得部17が取得した位置情報とに基づいて表示される。地
図M上には、車両40の位置(自車位置)を示すアイコンIが配置されている。自車位置は、位置情報取得部17が取得した位置情報に基づいて特定される。なお、本実施形態のアイコンは、文字、記号、図形、その他のオブジェクトに代えられてもよい。
【0120】
ウィンドウW1には、「減速を続けてください。」という、ユーザに車両40の減速を促す旨の報知を行うメッセージが表示されている。制御部11は、この表示に代えて、又は加えて「減速を続けてください。」という音声を、音声出力部14から出力してもよい。このようにすると、ユーザは、速度測定装置30に接近して車両40が撮像される可能性を認識することができる。ユーザは、報知により車両を減速する運転をする動機づけとすることができる。ユーザがその報知に従った減速運転をすることで、速度測定装置30により車両40が撮像されにくくすることができる。例えば、ユーザは、第1地点と第2地点とで撮像条件を満たさないような速度差、又は加速度が出るように車両40の運転に配慮するとよい。
【0121】
<3-2.レーザー警報機能の第1報知の実行条件1>
制御部11は、受光部12が受光したレーザー光の強度が向上している場合に、ユーザに減速を促す第1報知を行うようにするとよい。このようにすると、ユーザは、車両40が速度測定装置30に接近してレーザー光の強度が向上している場合に、車両40の減速を促す報知を認識することできる。例えば、ユーザは速度測定装置30により車両40が撮像される可能性を抑えながら、ユーザの安全運転にも資することができる。
【0122】
制御部11は、例えば、受光部12が出力された信号(受光信号ともいう)に基づいて、レーザー光の強度を特定するとよい。制御部11は、例えば、所定の時間間隔で受光部12からの信号を取得して、レーザー光の強度を逐次特定するとよい。レーザー光の強度が向上している場合としては、例えば、第1の強度でレーザー光を受信している状態から、第1の強度よりも高い第2の強度でレーザー光を受信している状態に変化した場合をいうとよい。これに代えて又は加えて、レーザー光の強度が向上している場合としては、レーザー光を受信していない状態から、レーザー光を受信している状態に変化した場合をいってもよい。制御部11は、例えば、特定したレーザー光の強度が向上している期間中の一部又は全部において第1報知を行うとよい。
【0123】
受光部12が受光したレーザー光の強度が向上している場合としては、車両40が速度測定装置30と所定の接近関係を有する場合のうち、特に、車両40が速度測定装置30に接近して、レーザー光の強度が向上している場合をいうとよい。典型的には、車両40が速度測定装置30よりも手前側を走行している場合において、車両40が速度測定装置30に接近し、車両40と速度測定装置30との距離が小さくなるほど、受光部12で受光されるレーザーの強度は向上する。反対に、車両40が速度測定装置30の位置を通過した場合は、車両40が速度測定装置30から離れるほどレーザー光の強度が小さくなるか、あるいは速度測定装置30の測定エリアから離脱すると、この速度測定装置30からのレーザー光を受光しなくなる。制御部11は、例えば、特定したレーザー光の強度が上がっている期間において第1報知を行い、その期間を過ぎると第1報知を停止させてもよい。
【0124】
<3-3.レーザー警報機能の第1報知の実行条件2>
制御部11は、レーザー光の強度が向上しているときの車両40の加速度が所定値以下である場合に、ユーザに減速を促す第1報知を行うようにするよい。このようにすると、ユーザは、レーザー光が受光されているときの車両40の加速度が所定値以下である場合に、車両40の減速を促す報知を認識することできる。例えば、ユーザは、この報知があった場合には、このままの運転を続けると速度測定装置30により撮像される可能性が高いことを認識し、より車両40の速度に配慮した運転をする動機づけとすることができる。所定値としては、速度測定装置30が撮像する加速度に関する条件に基づいて決められるとよく、例えば1.5%の加速度とするとよい。あるいは、この所定値としては、この速度差よりも小さな加速度としてもよい。
【0125】
なお、制御部11は、位置情報取得部17のGNSSセンサや、センサ部20の加速度センサに基づいて、車両40の加速度を判断してもよい。制御部11は、端子部23から取得した車両情報に基づいて、車両40の加速度を判断してもよい。
【0126】
<3-4.レーザー警報機能の第1報知の実行条件3>
制御部11は、レーザー光の強度が向上しているときの車両40の速度差が所定値以下である場合に、ユーザに減速を促す第1報知を行うようにするとよい。このようにすると、ユーザは、レーザー光が受信されているときの車両40の速度差が所定値以下である場合に、車両40の減速を促す報知を認識することできる。例えば、ユーザは、この報知があった場合には、このままの運転を続けると速度測定装置30により撮像される可能性が高いことを認識し、より車両40の速度に配慮した運転をする動機づけとすることができる。所定値としては、速度測定装置30が撮像する速度差に関する条件に基づいて決められるとよく、例えば1.5%の速度差とするとよい。あるいは、この所定値としては、この速度差よりも小さな加速度としてもよい。なお、制御部11は、ある地点と、その地点から所定の距離又は所定の時間だけ走行した地点との速度をそれぞれ求めて、速度差を算出するとよい。
【0127】
なお、制御部11は、位置情報取得部17のGNSSセンサや、センサ部20の速度センサに基づいて、車両40の加速度を判断してもよい。制御部11は、端子部23から取得した車両情報に基づいて、車両40の速度を判断してもよい。
【0128】
<3-5.加速度計表示機能>
制御部11は、ユーザに減速を促す第1報知を行うときに、車両40の加速度を示す加速度計を表示する制御を行うとよい。このようにすると、ユーザは、減速を促す旨の報知があったときに、加速度計に表示された車両の加速度を見て、車両を減速させる運転をすることができる。例えば、ユーザは、加速度計を参考にして、速度測定装置30によって車両40が撮像されにくくなるように減速した運転をすることができる。
【0129】
加速度計としては、車両40の現在の加速度を表示する加速度計とするとよい。加速度計としては、車両の過去の加速度、例えば加速度の履歴を表示する加速度計としてもよい。加速度計としては、例えば、車両40の加速度の大きさに応じて、表示する線の傾きを変えて表示するものとするとよい。
【0130】
図8は、このような加速度計の一例を示す図である。
図8に示すように、制御部11は、横軸を時間軸とし、縦軸を速度としたグラフを表示し、このグラフに重ねて、車両40の現在の加速度を表示した加速度計60を表示する制御を行う。加速度計60において、車両40の速度を示す速度グラフ61は、棒グラフ(バー)を用いて表示される。速度グラフ61は、現時点から過去に所定期間遡った時点までの速度の履歴を示すグラフである。制御部11は、車両40の加速度を示す加速度グラフ62を、速度グラフ61に重ねて表示させる。加速度グラフ62は、加速度の正・負、及び加速度の大きさ(絶対値)を、直線の傾きによって表示するグラフである。制御部11は、例えば、求めた最新の加速度に応じた傾きとした直線グラフを、加速度グラフ62として表示する。加速度グラフ62は、速度グラフ61の右端(つまり、最新の速度)の点に接するようにするとよい。このようにすると、ユーザは、例えば、加速度グラフ62が水平なら現在の加速度はゼロ、右上がりなら現在は加速中、右下がりなら現在は減速中と把握でき、さらに、加速度グラフ62の角度が急であるほど加速度が大きいことを、視覚的に把握することができる。制御部11は、測定した加速度の数値を、加速度計60に表示してもよい。例えば、制御部11は、加速度グラフ62に関連付けて加速度の数値を表示するとよく、例えば、加速度グラフ62の右側先端位置に表示するとよい。
【0131】
制御部11は、さらに、加速と減速、又は所定の加速度範囲内であるか否かで、加速度グラフ62の表示態様を変化させてもよい。加速度グラフ62の表示態様としては、例えば、直線の色、太さ、線の種類のうちの少なくとも1つ以上とするとよい。特に、制御部11は、車両40の加速度が所定値を超えるか否かによって、加速度グラフ62の表示態様を異ならせるとよい。このようにすると、ユーザにとっては、速度測定装置30で撮像される可能性がどうであるかを視覚的に認識しやすくなる。
【0132】
図9は、加速度計の別の例を示す図である。加速度計65は、アナログ針式の加速度メータによって表現される。加速度計65は丸型のメータで、円形領域内に、現在の加速度を指し示す加速度針66が表示されている。加速度針66は、加速度がゼロである場合は垂直方向、より具体的には、12時の位置を指す。加速度針66は、加速中は時計回り(右方向)に振れ、その振れ幅が大きいほど、正の加速度が大きい、つまり急加速していることを意味する。反対に、加速度針66は、減速中は反時計回り(左方向)に振れ、その振れ幅が大きいほど負の加速度が大きい、つまり急減速していることを意味する。
【0133】
加速度計65の円形領域内は、第1領域67Aと、第2領域67Bと、第3領域67Cとに分けられている。第1領域67Aは、負の加速度が所定値であること、つまり急減速であることを示す領域である。第1領域67Aは、本実施形態では、急減速により速度測定装置30の撮像条件から外れることを示す領域である。第2領域67Bは、加速度がゼロを中心とした正側・負側の両方の所定範囲の値であることを示す領域で、つまり、急減速でも急加速でもないことを示す領域である。第2領域67Bは、本実施形態では、速度測定装置30の撮像条件内であることを示す領域である。第3領域67Cは、正の加速度が所定値であること、つまり急加速であることを示す領域である。第3領域67Cは、本実施形態では、急加速により速度測定装置30の撮像条件から外れることを示す領域である。
【0134】
第1領域67Aと第2領域67B、及び第2領域67Bと第3領域67Cとは互いに表示態様が異なっていると、ユーザにとっては、車両40の現在の加速度が速度測定装置30で撮像される可能性があるものであるかを認識しやすくなる。表示態様としては、例えば、各領域(背景)の色や模様の少なくとも1つ以上とするとよい。これに代えて、又は加えて、制御部11は、加速度が所定値を超えるか否か、つまり加速度針66が第1領域67A、及び第3領域67Cのどちらか一方にあるか、又は第2領域67Bにあるかで、加速度針66の表示態様を変化させてもよい。このようにすると、ユーザが速度測定装置30で撮像される可能性がどうであるかを視覚的に認識しやすくすることができる。
【0135】
制御部11は、
図10(A)に示すように、
図7で説明した報知画面に加速度計60を重ねて表示させてもよい。又は、制御部11は、
図10(B)に示すように、
図7で説明した報知画面に、加速度計65を重ねて表示させてもよい。制御部11は、加速度計60、65については常に地
図Mに重ねて表示させ、ウィンドウW1については報知時に表示させるようにすると、ユーザは、加速度に常に配慮しながら運転をすることができる。制御部11は、第1報知を開始するときに、ウィンドウW1の表示と、加速度計60、65の表示とを開始させてもよい。このようにすると、報知時の加速度に対するユーザの注意を惹きやすく、ユーザがより加速度に配慮した運転をすることが期待できる。
【0136】
また、制御部11は、加速度計60、65を表示する場合において、加速度の大きさに応じた音程の音を出力する制御を行うとよい。音の種類は特に問わないが、例えば、メロディ、アラーム音等とするとよい。制御部11は、例えば、加速度計60を表示する場合に、加速度の状態に基づく線の加速度がゼロの位置からの傾きの大きさに応じた音程の音を出力するとよい。あるいは、制御部11は、例えば、加速度計65を表示する場合に、加速度針66の指す位置に応じた音程の音を出力するとよい。このようにすると、ユーザは、その音の音程から現在の加速度を直感的に認識しやすくなる。この場合において、制御部11は、例えば、加速度が正の方向に大きいほど高い音程の音を出力し、加速度が負の方向に大きいほど低い音程の音を出力するとよい。ユーザにとって音の音程から加速度を想起しやすくなるからである。さらに、制御部11は、加速度の大きさが急加速又は急減速に相当する大きさである場合に報知を行ってもよい。
【0137】
<3-6.レーザー警報機能の第2報知機能>
(3-6-1)動作例1
制御部11は、車両40の加速度が変化していない場合に、車両40の加速度の変化を促す第2報知を行うとよい。このようにすると、ユーザは、車両40の加速度が変化していない場合に、第2報知を車両40の加速度の変化を生じさせる運転をする動機づけとすることができる。第2報知としては、第1報知と同じく減速を促す報知としてもよいが、加速度の変化を促す別の報知とするとよい。このような報知としては、例えばよりレベルを上げた報知とするとよい。
【0138】
(3-6-2)動作例2
制御部11は、車両40の速度が制限速度を超過(つまり、オーバー)しているか又は超過している可能性があり、かつ車両40の加速度が変化していない場合に、車両40の加速度の変化を促す第2報知を行うようにしてもよい。このようにすると、ユーザは、車両40の速度が制限速度を超過しているか又は超過している可能性があり、かつ車両40の加速度が変化していない場合に、第2報知を車両40の加速度の変化を生じさせる運転をする動機づけとすることができる。第2報知としては、第1報知と同じく減速を促す報知としてもよいが、加速度の変化を促す別の報知とするとよい。この報知としては、車両40の速度が制限速度を超過しているか又は超過している可能性がある分、よりレベルを上げた警報としてもよい。
【0139】
制御部11は、車両40の速度が制限速度を超過しているかどうかを判定する場合、例えば、走行中の路線の制限速度の情報を記憶部25から取得し、現在の速度と比較することで判定してもよい。制御部11は、車両40の速度が制限速度を超過している可能性があるかどうかを判定する場合、例えば、車両40の速度が所定速度以上であるときにはその可能性があると判定してもよい。例えば、制御部11は、一般道を走行中の場合に、一般道の一般的な制限速度を超過しているときには、制限速度を超過している可能性があると判定するとよい。
【0140】
なお、第2報知は、例えば、
図7で説明した報知画面と同じレイアウトの画面の表示により行われるとよく、例えばウィンドウW1内のメッセージが第2報知に応じたメッセージになっているとよい。車両40の加速度が変化していないこととしては、車両40の加速度がゼロである場合のほか、ゼロに近い値である場合のように、車両40の加速度が実質的に変化していないとみなせる場合を含むようにすると特に良い。
【0141】
<3-7.レーザー警報機能の第3報知機能>
制御部11は、速度測定装置30の位置を通過したと判定した場合に、速度超過だった可能性を示す報知を行うとともに、車両40の減速中に通過したか否かの情報を報知する第3報知を行うようにするとよい。このようにすると、ユーザは、速度測定装置30の位置を通過した場合に、速度超過だった可能性と、車両の減速中に通過したか否かの情報とを把握することができる。例えば、ユーザは、速度測定装置30の位置を通過した後で、この速度測定装置30によって車両が撮像される可能性について把握することができる。第3報知は、例えば、
図7で説明した報知画面と同じレイアウトの画面の表示により行われるとよく、例えばウィンドウW1内のメッセージが第3報知に応じたメッセージになっているとよい。
【0142】
第3報知として、速度超過だった可能性を示す報知については、例えば、「速度超過していました。」、「速度超過していた可能性があります。」、「速度超過なく通過しました。」等の表示、音声又はこれらの組み合わせのメッセージとするとよい。減速中に通過したか否かの情報については、「減速して通過しました。」「十分な減速なく通過しました。」「加速して通過しました」等の表示、音声又はこれらの組み合わせのメッセージとするとよい。このようにすると、ユーザは、速度測定装置30の位置を通過したと判定した場合に、速度超過だった可能性と、車両の減速中に通過したか否かを把握することができるので、速度測定装置30によって車両が撮像された可能性について把握することができる。
【0143】
車両40が速度測定装置30から離れるほどレーザー光の強度が小さくなるか、あるいは速度測定装置30の測定エリアから離脱すると、この速度測定装置30からのレーザー光を受光しなくなる。制御部11は、レーザー光の受光状態に基づいて、速度測定装置30の位置を通過したと判定したかどうかを判定するとよい。あるいは、制御部11は、記憶部25に記憶された速度測定装置の位置情報がある場合は、その位置情報に基づいて判定してもよい。速度超過だった可能性については、<3-6.レーザー警報機能の第2報知機能>の「(3-6-2)動作例2」で説明した方法で判定するとよい。減速していたかどうかについては、制御部11は、車両40の加速度が負の加速度で所定値より大きい加速度であったかどうかに基づいて判定するとよい。
【0144】
<3-8.レーザー警報機能の第4報知機能>
制御部11は、受光部12によりレーザー光を受信しなくなった時点と、レーザー光を受光していたときの車両40の速度の履歴とに基づいて、速度測定装置30により車両400の速度が測定される地点(「測定エリア」のことをいってもよい。)における走行速度の情報を報知する第4報知を行うとよい。このようにすると、ユーザは、速度測定装置30により車両40の速度が測定される地点における走行速度の情報を把握することができる。例えば、ユーザは、速度測定装置30の位置を通過した後で、この速度測定装置30によって車両40が撮像された可能性について把握することができる。第4報知は、例えば、
図7で説明した報知画面と同じレイアウトの画面の表示により行われるとよく、例えばウィンドウW1内のメッセージが第4報知に応じたメッセージになっているとよい。
【0145】
受光部12によりレーザー光を受信しなくなった時点としては、受光部12でレーザー光を受光していた状態から受光しなくなった時点をいうとよく、車両40が速度測定装置30の測定エリアを通過した時点と換言されてもよい。制御部11は、レーザー光を受光していたときの車両40の速度の履歴については、例えば
図8で説明した速度グラフと同様の方法で表示してもよいし、その他の方法で表示してもよい。速度の履歴の報知については、レーザー光を受光していたときの車両40の速度のうちの代表的な速度を報知してもよく、例えば最高速度を報知してもよい。報知については、表示、音声又はこれらの組み合わせとするとよい。
【0146】
<3-9.レーザー警報機能の第5報知機能>
制御部11は、受光部12によりレーザー光を受信しなくなった時点と、レーザー光を受光していたときの車両40の速度の履歴とに基づいて、速度測定装置30により車両40の速度が測定されるエリア内での車両40の加減速の情報を報知する第5報知を行うとよい。このようにすると、ユーザは、速度測定装置30により車両の速度が測定されるエリア内での車両40の加減速の情報を把握でき、速度測定装置30によって車両が撮像される可能性について把握することができる。制御部11は、速度の時間的な変化に基づいて加速度を算出し、測定エリア内での加減速の情報を報知するとよい。加減速の情報については、制御部11は、加減速の時間的な変化を報知してもよいし、撮像条件を満たすような加減速があったかどうかを報知してもよい。第5報知は、例えば、
図7で説明した報知画面と同じレイアウトの画面の表示により行われるとよく、例えばウィンドウW1内のメッセージが第5報知に応じたメッセージになっているとよい。
【0147】
[4.併走車両の状況に応じた処理機能]
制御部11は、速度測定装置30よりも手前の位置における併走車両の状況に応じた処理を行うとよい。このようにすると、速度測定装置30よりも手前の位置において、併走車両の状況に応じた処理を行うことができる。例えば速度測定装置には、併走車両が車両の所定距離に接近している場合(例えば、併走車両が違反車両の1m以内に接近しているとき)には撮像しないものがある。このような場合には、その速度測定装置によって車両が測定される可能性に応じた処理を行うことができる。速度測定装置30よりも手前の位置として、受光部12が速度測定装置30からのレーザー光を受信している位置とすると、速度測定装置30と所定の接近関係を有する場合に、併走車両の状況に応じた処理を行うことができる。
【0148】
本実施形態では、車両40にカメラ70(
図1参照)が配置されているものとする。カメラ70は、例えばドライブレコーダとするとよいが、車両40に併走する車両を撮像可能な位置、及び撮像方向で配置される他のカメラとしてもよい。車両40に併走する車両を撮像可能な位置として、車両40の前方としてもよいが、左右何れか又は両方に偏った位置に配置されてんもよい。カメラ70の撮像方向は斜め前方を含む前方範囲としてもよいが、左右何れか又は両方の側方を撮像する範囲としてもよい。さらに、制御部11は、併走車両の存在をカメラ70の撮像した画像を認識する画像認識により検知してもよい。画像認識の方法は特に問わないが、例えば、ディープラーニング技術により生成された学習済みモデルが用いられる方法とするとよい、。学習済みモデルとしては、例えば、深層ニューラルネットワーク(以下、DNN(Deep Neural Network)と呼ぶ)があるが、CNN(Convolutional Neural Network)やその他の学習モデルであってもよい。なお、併走車両の検知の方法については、赤外線レーザー光を用いたセンサやその他のセンサ類、装置を用いる方法が採用されてもよい。
【0149】
<4-1.併走車両の状況に応じた報知処理>
併走車両の状況に応じた処理は、ユーザへ報知する処理とするとよい。このようにすると、ユーザは、車両40に対する併走車両の状況に応じた報知を認識し、この報知に応じた運転をすることができる。報知としては、速度測定装置30によって車両40が測定される可能性に応じた内容をユーザに報知するものとするとよい。制御部11は、速度測定装置30の手前の位置で併走車両の存在、言い換えると、車両40と併走車両との重なり度合いをカメラ70の画像認識で検知して、併走車両の状況を報知するとよい。制御部11は、例えば、例えば
図11(A)に示す報知画面を表示して、地
図Mに重ねて表示したウィンドウW2に「オービス測定ポイントで、併走車両がありました。」というメッセージを表示するとよい。制御部11は、または、音声又は表示と音声の組み合わせにより出力とするとよい。
【0150】
制御部11は、速度測定装置30の手前の位置で併走車両の存在、言い換えると、車両40と併走車両との重なり度合いをカメラ70の画像認識で検知して、他の車両との併走を促す旨の報知を行ってもよい。このようにすると、ユーザは、他の車両との併走を促す旨の報知を認識し、他の車両と併走する運転をする動機づけとすることができる。重なり度合いは、車両の進行方向に直交する方向において、車両40と併走車両とがその程度の大きさの部分が重なっているかを示す指標であり、例えば車両40の前後方向の長さに対して何パーセントの部分が重なっているかを示すとよい。上述のとおり、併走車両が車両40の所定距離に接近している場合に撮像しない速度測定装置がある場合には、その速度測定装置によって車両を撮像されにくくすることができる。そこで、制御部11は、例えば
図11(B)に示す報知画面を表示して、地
図Mに重ねて表示したウィンドウW3に「隣接車線の車と重なる位置となるようにしてください。」というメッセージを表示するとよい。制御部11は、または、音声又は表示と音声の組み合わせにより出力とするとよい。ユーザは、このメッセージを認識して、他の車両と併走するような運転をするとよい。
【0151】
<4-2.併走車両の状況に応じた記録処理>
併走車両の状況に応じた処理は、制御部11がカメラ70で撮像した画像を取得し、取得した画像を記憶媒体50に記録する処理とするとよい。このようにすると、ユーザは、車両40に対する併走車両の状況に応じて記録されたカメラ70で撮像した画像を、後で確認することができる。例えば、速度測定装置30よりも手前の位置として、受光部12が速度測定装置30からのレーザー光を受信している位置とすると、ユーザは、速度測定装置30と所定の接近関係を有するときの併走車両の状況を、カメラ70で撮像した画像を用いて確認することができる。制御部11は、例えば、併走車両との重なりを検知した時点から所定時間経過後までの画像を記録してもよい。所定時間はあらかじめ決められてもよいが、測定エリアを通過する時点までとしてもよい。また、制御部11は、カメラ70の画像をRAMに蓄えておき、併走車両との重なりを検知した時点よりも前の所定時間長の期間を含む画像を記録してもよい。
【0152】
[5.データ記録機能]
制御部11は、レーザー光の受光に応じた報知が行われているときのデータを記憶媒体50に記録するデータ記録機能を有するとよい。特に、本実施形態では、受光部12が受ける太陽光の影響を考慮して、以下で説明するような処理が行われるようにしている。より具体的には、受光部12が受ける太陽光の影響としては、太陽が低い位置にあると受光部12の受光信号が飽和してしまうという課題にかんがみて、以下のような処理としている。
【0153】
<5-1.車両40の進行方位の記録>
制御部11は、受光部12のレーザー光の受光に応じた報知が行われているときに、車両40の進行方位を、記憶媒体50に記録するとよい。制御部11は、例えば、
図12に示すように、時刻と関連付けて、車両40の進行方位を記録するとよい。時刻は、本実施形態では、絶対時刻(24時間表記)としているが、記録開始時点からの相対時刻であってもよい。また、制御部11は、本実施形態では1秒ごとに車両40の進行方位を記録しているが、これ以外に時間間隔としてもよい。車両40の進行方位としては、例えば、東西南北という4種類の方位で記録されてもよいが、北東、南東、北北東といったより詳細な方位で記録されると尚良い。制御部11は、進行方位については、例えばセンサ部20の地磁気センサを用いて特定してもよいし、車両情報に基づいて特定してもよい。
【0154】
このようにすると、太陽が低い位置にあると受光信号が飽和してしまうことがあるが、ユーザは、その影響を把握するのに参考となる車両の進行方位の情報を、後で確認することができる。進行方向の記録は、時刻とともに記録するものであると特によい。太陽の位置は、おおむね、午前であれば東の方向、正午頃であれば南の方向、午後であれば西の方向に位置する。また、受光部12が受光可能な方向は、概ね車両40の進行方向に一致している。そのため、車両40の進行方向を記録することは、受光部12が受光可能な方向と実質的に同じである。そして、車両40の進行方向が記録された時刻を参照すれば、どの程度受光部12が太陽の影響を受けたかを把握できる。制御部11は、さらに、太陽の実際の影響を把握するために現在位置や、気象、その他の影響を把握するための情報を記録するとよい。
【0155】
<5-2.受光部12の可視光の受光状態の記録>
制御部11は、受光部12のレーザー光の受光に応じた報知が行われているときに受光部12の可視光の受光状態を、記憶媒体50に記録するとよい。このようにすると、太陽が低い位置にあると受光信号が飽和してしまうことがあるが、ユーザは、その影響を把握するのに参考となる可視光の受光状態を、後で確認することができる。可視光の受光状態としては、可視光の受光の状態を示すものとするとよく、例えば、受光強度、受光量、エネルギー分布、受光の良否を示すものとするとよい。太陽光の影響を受けている場合、可視光の受光量が大きくなるからである。そして、可視光の受光状態が記録された時刻を参照すれば、どの程度受光部12が太陽の影響を受けたかを把握できる。可視光の波長域は、例えば400~700nmとするとよいが、これに限られない。制御部11は、例えば、
図13に示すように、時刻と関連付けて、可視光の受光状態を記録するとよい。時刻は、本実施形態では、絶対時刻(24時間表記)としているが、記録開始時点からの相対時刻であってもよい。また、制御部11は、本実施形態では1秒ごとに可視光の受光状態を記録しているが、これ以外に時間間隔としてもよい。可視光の受光状態としては、例えば、強・弱という2種類で記録されてもよいが、例えばレベル1、2、3、4、5という複数段階に区切ったレベルを用いて記録されてもよい。
【0156】
制御部11は、受光部12のレーザー光の受光に応じた報知が行われているときに受光部12の可視光の受光状態を記録するとともに、レーザー光の受光状態とともに記録するとよい。レーザー光の受光状態としては、レーザー光の受光の状態を示すものとするとよく、例えば、受光強度、受光量、エネルギー分布、受光の良否を示すものとするとよい。
可視光及びレーザー光の受光状態を参照すれば、レーザー光が受光されたときにどの程度受光部12が太陽光を含む可視光を受けたかを把握できる。レーザー光の波長は、例えば上述した905nmとするとよい。制御部11は、例えば、
図14に示すように、時刻と関連付けて、可視光の受光状態、及びレーザー光の受光状態を記録するとよい。時刻は、本実施形態では、絶対時刻(24時間表記)としているが、記録開始時点からの相対時刻であってもよい。また、制御部11は、本実施形態では1秒ごとに可視光の受光状態、及びレーザー光の受光状態を記録しているが、これ以外に時間間隔としてもよい。レーザー光の受光状態としては、例えば、強・弱という2種類で記録されてもよいが、例えばレベル1、2、3、4、5という複数段階に区切ったレベルを用いて記録されてもよい。また、可視光の受光状態はレベル1、2、3、4、5という複数段階に区切ったレベルを用いて記録され、レーザー光の受光状態は強・弱という2種類で記録されてもよく、互いの段階数は異なっていてもよい。なお、受光部12が、可視光及びレーザー光をともに受光する構成でもよいが、可視光を受光する受光部と、レーザー光を受光する受光部とが別個に設けられてもよい。
【0157】
<5-3.カメラの画像の記録>
制御部11は、<5-1.車両40の進行方位の記録>で説明したようにして車両40の進行方位を記録するとともに、カメラ70で撮像された画像(画像データ)を、記憶媒体50に記録するとよい。制御部11は、例えば、
図15(A)に示すように、カメラ70で撮像された画像と関連付けて、時刻及び車両40の進行方位を記録するとよい。あるいは、制御部11は、<5-2.受光部12の可視光の受光状態の記録>で説明したようにして受光状態を記録するとともに、カメラ70で撮像された画像(画像データ)を記録するとよい。制御部11は、例えば、
図16(A)に示すように、カメラ70で撮像された画像と関連付けて、時刻及び可視光の受光状態を記録するとよい。制御部11は、例えば、
図17(A)に示すように、カメラ70で撮像された画像と関連付けて、時刻、可視光の受光状態、及びレーザー光の受光状態を記録してもよい。このようにすると、カメラ70で撮像された画像から車両40の周辺の状況を把握することができ、受光部12が受けた太陽の影響をより詳細に把握することができる。
【0158】
特に、制御部11は、カメラ70用のビューアにより再生可能なデータ形式で、カメラ70で撮像された画像、及び車両40の進行方位や、可視光の受光状態、レーザー光の受光状態の記録を行うとよい。このようにすると、カメラ70で撮像された画像と、その画像が撮像されたときに受光部12の受光状態がどの程度太陽の影響を受けていたかどうかの参考となる情報とを確認できるデータ形式で、データの記録を行うことができる。カメラ70用のビューアは、ドライブレコーダ用のビューアとするとよい。ビューアは、カメラ70の画像を再生する機能を有するソフトウェアで、例えば、カメラ70で映像を再生するためのビューアでもよいし、パーソナル・コンピュータで再生するためのビューアでもよい。上述したビューアは、コンピュータに、後述する機能を実現させるためのプログラムの一例である。ビューアは、例えば、記憶媒体50に記憶されていてもよいし、カメラ70がデータを記録するのに使用する記憶媒体に記憶されてもよいし、サーバその他の装置によりネットワークを通じて提供されてもよい。
【0159】
制御部11は、カメラ70で撮像された画像、及び車両40の進行方位又は可視光の受光状態の記録は、同時刻における画像と可視光の受光状態とを再生可能にするデータ形式とすると特に良い。そして、このビューアは、画像に同期して、進行方位又は受光状態を再生(表示)する機能を有するとよく、言い換えると、同時刻に記録されたカメラ70の画像、進行方位又は受光状態を再生する機能を有するとよい。
【0160】
図15(B)は、カメラ70で撮像された画像、及び車両40の進行方位を再生する機能を有するビューアの画面の一例を示す図である。
図15(B)に示すビューアの画面は、
図15(A)に示す記録が行われた場合の時刻「12:05:00」における画像が表示されているときの状態を示す。
図15(B)に示すビューアの画面には、カメラ70で撮像された画像IMG1とともに、車両の進行方位「南」と記された表示領域DTが表示されている。
【0161】
図16(B)は、カメラ70で撮像された画像、及び可視光の受光状態を再生する機能を有するビューアの画面の一例を示す図である。
図16(B)に示すビューアの画面は、
図16(A)に示す記録が行われた場合の時刻「12:05:00」における画像が表示されているときの状態を示す。
図16(B)に示すビューアの画面には、カメラ70で撮像された画像IMG2とともに、可視光の受光状態「レベル:強」と記された表示領域LT1が表示されている。
【0162】
図17(B)は、カメラ70で撮像された画像、可視光の受光状態、及びレーザー光の受光状態を再生する機能を有するビューアの画面の一例を示す図である。
図17(B)に示すビューアの画面は、
図17(A)に示す記録が行われた場合の時刻「12:05:00」における画像が表示されているときの状態を示す。
図17(B)に示すビューアの画面には、カメラ70で撮像された画像IMG3とともに、可視光の受光状態「レベル:強」と記された表示領域LT1、及びレーザー光の受光状態「レベル:強」と記された表示領域LT2が表示されている。
【0163】
[6.その他]
[3.電子機器10の報知機能・その2]~[5.データ記録機能]では、電磁波がレーザー光である場合を説明した。[3.電子機器10の報知機能・その2]、及び[4.併走車両の状況に応じた処理機能]については、電磁波をレーダー波とする構成としても実施することができる。この場合の構成、及び動作は、「受光部12」及び「レーザー光」を、「レーダー受信部15」及び「レーダー波」と読み替えることで説明することができる。また、適宜、電磁波を無線信号として実施することもできる。この場合の構成、及び動作は、「受光部12」及び「レーザー光」を、「無線受信部16」及び「無線信号」と読み替えてもよい。[5.データ記録機能]については、太陽の受光状態への影響を考慮したものであるが、電磁波をレーダー波、又は無線信号として、同様の処理が行われるようにすることを妨げるものではない。
【0164】
[7.変形例]
本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0165】
図18は、受光部12の電気的構成の他の例を示す図である。受光部12は、レンズ121、フィルタ122、受光素子123、アンプAMP1~AMPN(Nは自然数)、及び差動増幅器124を有する。レンズ121、フィルタ122、及び受光素子123の構成は、上述したとおりである。受光素子123のカソードは高電位側の電源ラインと接続され、受光素子123のアノードは抵抗Rの一端側と接続する。抵抗Rの他端側は接地されている。アンプAMP1の入力端は、受光素子123のアノードと抵抗Rの一端側とに共通に接続されている。アンプAMP1の後段には複数のアンプAMP2,・・・AMPNが直列に接続されている。Nの値は任意である。ただし、アンプAMP1~AMPNは、特定波長λ0を含む波長領域の信号を増幅するように設計されていることが望ましい。AMPNの出力端は、差動増幅器124の一方の入力端子(ここでは、正極側の入力端子)に接続され、この入力端子に信号SIGNが入力される。差動増幅器124の他方の入力端子(ここでは、負極側の入力端子)には閾値レベルThnが入力される。差動増幅器124は、信号SIGNと閾値レベルThnとの差分に応じた信号を出力するコンパレータとして機能する。差動増幅器124は、信号SIGNが閾値レベルThnを上回る場合は正の電位、信号SIGNが閾値レベルThn以下の場合は負の電位の信号を出力する。制御部11は、差動増幅器124からの出力、言い換えると、信号SIGNと閾値レベルThnとの差分に基づいて、速度測定用のレーザー光を受光したかどうかを判定する。この判定の方法は、すでに説明したとおりとするとよい。
【0166】
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0167】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0168】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品・画像等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【符号の説明】
【0169】
10 :電子機器
11 :制御部
12 :受光部
13 :表示部
14 :音声出力部
15 :レーダー受信部
16 :無線受信部
17 :位置情報取得部
18 :通信部
19 :入力部
20 :センサ部
21 :装着部
22 :電源制御部
23 :端子部
24 :発光部
25 :記憶部
30 :速度測定装置
31 :速度測定部
32 :撮像部
33 :ストロボ
40 :車両
41 :ダッシュボード
50 :記憶媒体
60 :加速度計
61 :速度グラフ
62 :加速度グラフ
65 :加速度計
66 :加速度針
67A :第1領域
67B :第2領域
67C :第3領域
70 :カメラ
100 :電子機器
101 :本体部
101A :第2の電子機器
101B :電子機器
102 :固定部
103 :第1の電子機器
104 :ケーブル
105 :放音孔
106 :発光部
107 :取付部材
111 :プロセッサ
112 :メモリ
113 :計時部
121 :レンズ
122 :フィルタ
123 :受光素子
124 :差動増幅器
125 :集積回路
126 :増幅回路
127 :エミッタフォロワ回路
128 :波形整形回路
129 :サーミスタ
191 :タッチセンサ
192 :マイクロホン
201 :照度センサ窓
221 :電源スイッチ
400 :車両
1011 :筐体
1012 :レンズホルダ
1013 :取付部
1021 :固定部材
1022 :台座部
1023 :ソケット部
1024 :ボールスタッド
1025 :装着部材
1261 :トランジスタ
1271 :トランジスタ