(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046370
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240327BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 642A
H01L21/304 643A
H01L21/304 648A
H01L21/304 651B
H01L21/304 651Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151709
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】光吉 一郎
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
5F131AA12
5F131AA32
5F131AA33
5F131AA34
5F131BA37
5F131BB02
5F131BB03
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5F157BB45
5F157CB14
5F157CB27
5F157DA21
5F157DC01
(57)【要約】
【課題】2個の鉛直保持部による基板の保持を良好に解除できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置の姿勢変換部63において、第1鉛直保持部71は、第1回転部材83と、第1回転部材83から突出するように設けられた第1保持部本体84とを備える。第2鉛直保持部72は、第2回転部材85と、第2回転部材85から突出するように設けられた第2保持部本体86とを備える。回転駆動部は、2個の保持部本体84,86を2個の回転部材83,85の周りにそれぞれ回転させることで、2個の鉛直保持部71,72を保持状態または解除状態にする。回転駆動部は、支持台回転部によって基板Wが水平姿勢に姿勢変換された場合に、2個の鉛直保持部を前記解除状態にすることで、2個の保持部本体84,86を基板Wから離す。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理と、基板を1枚ずつ処理する枚葉処理とを連続して行う基板処理装置であって、
複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理槽と、
前記バッチ処理槽に対して鉛直姿勢の前記複数枚の基板を一括して搬送するバッチ基板搬送機構と、
基板を1枚ずつ処理する枚葉処理チャンバと、
前記枚葉処理チャンバに対して水平姿勢の基板を1枚ずつ搬送する水平基板搬送機構と、
バッチ処理された前記複数枚の基板を垂直姿勢から水平姿勢に変換する姿勢変換機構と、を備え、
前記姿勢変換機構は、
所定間隔で配置された鉛直姿勢の前記複数枚の基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部から前記複数枚の基板を受け取り、受け取った前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する姿勢変換部と、を備え、
前記姿勢変換部は、
前記複数枚の基板を収容する2個の水平保持部であって、前記複数枚の基板が水平姿勢である場合に、前記複数枚の基板を載置させる前記2個の水平保持部と、
前記複数枚の基板が鉛直姿勢である場合に、前記2個の水平保持部で収容された前記複数枚の基板を鉛直姿勢で保持する2個の鉛直保持部と、
前記2個の水平保持部および前記2個の鉛直保持部を支持する支持台と、
前記支持台を水平軸周りに回転させる支持台回転部と、
前記2個の鉛直保持部が前記複数枚の基板を保持できる保持状態と、前記保持状態が解除された解除状態との間で前記2個の鉛直保持部の状態を変更する状態変更部と、を備え、
前記2個の鉛直保持部のうちの第1鉛直保持部は、
前記支持台の支持面に対して直角に延びる第1回転部材と、
前記第1回転部材が延びる方向と直交する方向に前記第1回転部材から突出するように設けられた第1保持部本体と、を備え、
前記2個の鉛直保持部のうちの第2鉛直保持部は、
前記支持台の前記支持面に対して直角に延びる第2回転部材と、
前記第2回転部材が延びる方向と直交する方向に前記第2回転部材から突出するように設けられた第2保持部本体と、を備え、
前記第1保持部本体および前記第2保持部本体は各々、前記複数枚の基板が整列する方向に沿って設けられた複数個の保持溝を備え、
前記状態変更部は、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体を前記第1回転部材および前記第2回転部材の周りにそれぞれ回転させることで、前記2個の鉛直保持部を前記保持状態または前記解除状態にし、
前記状態変更部は、前記複数枚の基板を保持する場合に、前記2個の鉛直保持部を前記保持状態にすることで、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体で複数枚の基板を挟み、
前記状態変更部は、前記支持台回転部によって前記2個の鉛直保持部で保持された前記複数枚の基板が鉛直姿勢から水平姿勢に変換された場合に、前記2個の鉛直保持部を前記解除状態にすることで、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体を前記複数枚の基板から離すことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記第1回転部材および前記第2回転部材は、各基板の直径よりも小さい幅で配置されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記基板保持部を鉛直軸周りに回転させる横回転部を更に備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記第1保持部本体および前記第2保持部本体は各々、前記複数枚の基板が整列する方向に沿って設けられた、1枚の基板を各々通過させるための複数個の通過溝を更に備え、
前記複数個の保持溝および前記複数個の通過溝は、前記複数枚の基板のうちの1枚置きに整列された第1の分割基板群を前記複数個の保持溝で保持するために1個ずつ交互に配置され、
前記姿勢変換部は、前記基板保持部から前記複数枚の基板のうちの前記第1の分割基板群を受け取ると共に、受け取った前記第1の分割基板群を鉛直姿勢から水平姿勢に変換することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記基板保持部と前記2個の鉛直保持部とを相対的に水平移動させる相対移動部と、
前記基板保持部と前記2個の鉛直保持部とを相対的に鉛直方向に昇降させる相対昇降部と、を更に備え、
前記姿勢変換部が前記基板保持部から前記複数枚の基板を受け取るとき、前記相対移動部および前記相対昇降部は、前記基板保持部の下方に前記2個の鉛直保持部を配置させた状態である受け取り前状態にし、
前記相対昇降部は、前記受け取り前状態から、前記基板保持部の上方に前記2個の鉛直保持部を配置させた状態である受け取り後状態にすることで、前記基板保持部で保持された鉛直姿勢の前記複数枚の基板を前記2個の鉛直保持部で受け取り、
前記支持台回転部は、前記支持台を前記水平軸周りに回転させることで、前記2個の鉛直保持部で保持された前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換することを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記基板保持部で保持された前記複数枚の基板を液体に浸漬させるために、前記液体を貯留する待機槽を更に備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記複数個の保持溝は各々、奥に向かうほど基板の厚み方向の幅が狭くなるようにV状で形成されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記状態変更部は、前記2個の鉛直保持部を前記解除状態にするために、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体で前記複数枚の基板を挟んだ状態から前記2個の水平保持部から離れる方向に前記第1保持部本体および前記第2保持部本体を前記第1回転部材および前記第2回転部材の周りにそれぞれ回転させることを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。基板は、例えば、半導体基板、FPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが挙げられる。FPDは、例えば、液晶表示装置、有機EL(electroluminescence)表示装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理装置として、複数枚の基板を一括して処理するバッチ式処理モジュール(バッチ処理部)と、バッチ式処理モジュールで処理された基板を一枚ずつ処理する枚葉式処理モジュール(枚葉処理部)と、基板の姿勢を変換する回転機構とを備えたハイブリッド式の基板処理装置がある(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献3には、
図18(a)に示すような姿勢変更機構201が開示されている。姿勢変更機構201は、1対の水平支持部材203、1対の垂直支持部材205、円柱状の端部当接部207、取付ブロック209および回転部211を備える。1対の水平支持部材203、1対の垂直支持部材205、円柱状の端部当接部207は、取付ブロック209に立設される。取付ブロック209は、回転部211によって、水平軸AX12周りに回転される。
【0004】
1対の垂直支持部材205は、矢印AR10の方向に移動可能であり、端部当接部207は、矢印AR11の方向に移動可能である。鉛直姿勢の基板Wが水平姿勢に変換された後、端部当接部207は、点線の位置から実線の基板Wの端部の位置に移動される。その後、1対の垂直支持部材205は、実線の位置から破線の位置に移動される。これにより、
図18(b)に示すように、端部当接部207を基板Wに当接させながら、1対の垂直保持部205を移動させて、1対の垂直支持部材20による基板Wの挟持を解除している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2016-502275号公報
【特許文献2】特開2021-064652号公報
【特許文献3】特開2018-056341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような構成を備えた基板処理装置において、1対(2個)の垂直支持部材(鉛直保持部)205による基板Wの保持を、端部当接部207を用いずに解除したい場合がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、2個の鉛直保持部による基板の保持を良好に解除できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る基板処理装置は、複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理と、基板を1枚ずつ処理する枚葉処理とを連続して行う基板処理装置であって、複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理槽と、前記バッチ処理槽に対して鉛直姿勢の前記複数枚の基板を一括して搬送するバッチ基板搬送機構と、基板を1枚ずつ処理する枚葉処理チャンバと、前記枚葉処理チャンバに対して水平姿勢の基板を1枚ずつ搬送する水平基板搬送機構と、バッチ処理された前記複数枚の基板を垂直姿勢から水平姿勢に変換する姿勢変換機構と、を備え、前記姿勢変換機構は、所定間隔で配置された鉛直姿勢の前記複数枚の基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部から前記複数枚の基板を受け取り、受け取った前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する姿勢変換部と、を備え、前記姿勢変換部は、前記複数枚の基板を収容する2個の水平保持部であって、前記複数枚の基板が水平姿勢である場合に、前記複数枚の基板を載置させる前記2個の水平保持部と、前記複数枚の基板が鉛直姿勢である場合に、前記2個の水平保持部で収容された前記複数枚の基板を鉛直姿勢で保持する2個の鉛直保持部と、前記2個の水平保持部および前記2個の鉛直保持部を支持する支持台と、前記支持台を水平軸周りに回転させる支持台回転部と、前記2個の鉛直保持部が前記複数枚の基板を保持できる保持状態と、前記保持状態が解除された解除状態との間で前記2個の鉛直保持部の状態を変更する状態変更部と、を備え、前記2個の鉛直保持部のうちの第1鉛直保持部は、前記支持台の支持面に対して直角に延びる第1回転部材と、前記第1回転部材が延びる方向と直交する方向に前記第1回転部材から突出するように設けられた第1保持部本体と、を備え、前記2個の鉛直保持部のうちの第2鉛直保持部は、前記支持台の前記支持面に対して直角に延びる第2回転部材と、前記第2回転部材が延びる方向と直交する方向に前記第2回転部材から突出するように設けられた第2保持部本体と、を備え、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体は各々、前記複数枚の基板が整列する方向に沿って設けられた複数個の保持溝を備え、前記状態変更部は、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体を前記第1回転部材および前記第2回転部材の周りにそれぞれ回転させることで、前記2個の鉛直保持部を前記保持状態または前記解除状態にし、前記状態変更部は、前記複数枚の基板を保持する場合に、前記2個の鉛直保持部を前記保持状態にすることで、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体で複数枚の基板を挟み、前記状態変更部は、前記支持台回転部によって前記2個の鉛直保持部で保持された前記複数枚の基板が鉛直姿勢から水平姿勢に変換された場合に、前記2個の鉛直保持部を前記解除状態にすることで、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体を前記複数枚の基板から離すことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る基板処理装置によれば、状態変更部は、支持台回転部によって2個の鉛直保持部で保持された複数枚の基板が鉛直姿勢から水平姿勢に変換された場合に、2個の鉛直保持部を解除状態にすることで、第1保持部本体および第2保持部本体を複数枚の基板から離している。ここで、2個の保持部本体を回転させることにより解除状態にしているので、解除時に基板に作用する力(基板の位置ズレを引き起こす原因になる)が2個の保持部本体で相殺される。そのため、基板の位置ズレが発生しにくい。したがって、2個の鉛直保持部による基板の保持を良好に解除できる。
【0010】
また、2個の鉛直保持部を保持状態および解除状態の一方にするために、第1保持部本体および第2保持部本体が各々回転される。そのため、支持台、すなわち、姿勢変換部をコンパクトに構成することができる。
【0011】
また、上述の基板処理装置において、前記第1回転部材および前記第2回転部材は、各基板の直径よりも小さい幅で配置されることが好ましい。解除状態にするために、複数個の保持溝を各々有する2個の保持部本体が回転された際に基板が位置ズレしても、第1回転部材および第2回転部材がストッパーとなる。そのため、基板の位置ズレを更に防止できる。
【0012】
また、上述の基板処理装置において、前記基板保持部を鉛直軸周りに回転させる横回転部を更に備えていることが好ましい。基板の表裏の向きを任意に変えることができる。
【0013】
また、上述の基板処理装置において、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体は各々、前記複数枚の基板が整列する方向に沿って設けられた、1枚の基板を各々通過させるための複数個の通過溝を更に備え、前記複数個の保持溝および前記複数個の通過溝は、前記複数枚の基板のうちの1枚置きに整列された第1の分割基板群を前記複数個の保持溝で保持するために1個ずつ交互に配置され、前記姿勢変換部は、前記基板保持部から前記複数枚の基板のうちの前記第1の分割基板群を受け取ると共に、受け取った前記第1の分割基板群を鉛直姿勢から水平姿勢に変換することが好ましい。
【0014】
2個の鉛直保持部は、複数枚の基板のうちの1枚置きに整列された第1の分割基板群を保持するので、隣接する2枚の基板の間隔を広げることができる。そのため、水平基板搬送機構が姿勢変換部から基板を容易に取り出すことができる。
【0015】
また、上述の基板処理装置において、前記基板保持部と前記2個の鉛直保持部とを相対的に水平移動させる相対移動部と、前記基板保持部と前記2個の鉛直保持部とを相対的に鉛直方向に昇降させる相対昇降部と、を更に備え、前記姿勢変換部が前記基板保持部から前記複数枚の基板を受け取るとき、前記相対移動部および前記相対昇降部は、前記基板保持部の下方に前記2個の鉛直保持部を配置させた状態である受け取り前状態にし、前記相対昇降部は、前記受け取り前状態から、前記基板保持部の上方に前記2個の鉛直保持部を配置させた状態である受け取り後状態にすることで、前記基板保持部で保持された鉛直姿勢の前記複数枚の基板を前記2個の鉛直保持部で受け取り、前記支持台回転部は、前記支持台を前記水平軸周りに回転させることで、前記2個の鉛直保持部で保持された前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換することが好ましい。
【0016】
基板保持部と2個の鉛直保持部とを相対的に水平移動させ、また昇降させることで、姿勢変換部は、基板保持部から複数枚の基板を受けることができる。
【0017】
また、上述の基板処理装置において、前記基板保持部で保持された前記複数枚の基板を液体に浸漬させるために、前記液体を貯留する待機槽を更に備えることが好ましい。基板が乾燥すると、基板のパターン倒れが発生する。しかし、本発明により、基板保持部で保持された基板の乾燥を防止できる。
【0018】
また、上述の基板処理装置において、前記複数個の保持溝は各々、奥に向かうほど基板の厚み方向の幅が狭くなるようにV状で形成されていることが好ましい。これにより、複数個の保持溝で複数枚の基板を鉛直姿勢で保持することができる。また、基板を水平姿勢に変換した後に、2個の鉛直保持部が基板を保持した状態であるとする。この場合、基板が拘束されているので、基板を持ち上げて搬送しようとすると、基板に負荷を与えてしまう。しかし、本発明によれば、2個の鉛直保持部を解除状態にすることで、第1保持部本体および第2保持部本体を複数枚の基板から離している。そのため、基板に負荷を与えることを防止することができる。
【0019】
また、上述の基板処理装置において、前記状態変更部は、前記2個の鉛直保持部を前記解除状態にするために、前記第1保持部本体および前記第2保持部本体で前記複数枚の基板を挟んだ状態から前記2個の水平保持部から離れる方向に前記第1保持部本体および前記第2保持部本体を前記第1回転部材および前記第2回転部材の周りにそれぞれ回転させることが好ましい。これにより、2個の回転部材によって基板の位置ズレを防止しながら、2個の保持部本体を複数枚の基板から離すことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る基板処理装置によれば、2個の鉛直保持部による基板の保持を良好に解除できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【
図3】(a)~(f)は、移載ブロックの第1姿勢変換機構(姿勢変更部とプッシャ機構)を説明するための側面図である。
【
図4】(a)は、第2姿勢変換機構を示す平面図であり、(b)は、矢印の方向で見たときの第2姿勢変換機構を示す背面図である。
【
図7】基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】第2姿勢変換機構の前半の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】第2姿勢変換機構の後半の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図10】(a)~(d)は、第2姿勢変換機構の動作を説明するための図である。
【
図11】(a)~(d)は、第2姿勢変換機構の動作を説明するための図である。
【
図12】(a)~(d)は、第2姿勢変換機構の動作を説明するための図である。
【
図13】(a)~(d)は、第2姿勢変換機構の動作を説明するための図である。
【
図14】(a)は、実施例2に係る第2姿勢変換機構のプッシャ機構を示す縦断面図であり、(b)は、実施例2に係る第2姿勢変換機構の姿勢変換部を示す側面図である。
【
図15】(a)、(b)は、変形例に係る第2姿勢変換機構を説明するための図である。
【
図16】(a)、(b)は、変形例に係る第2姿勢変換機構を説明するための図である。
【
図17】(a)、(b)は、変形例に係る第2姿勢変換機構を説明するための図である。
【
図18】(a)は、従来の姿勢変更機構を示す平面図であり、(b)は、従来の姿勢変更機構の動作を説明するための側面図である。
【実施例0022】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る基板処理装置1の概略構成を示す平面図である。
図2は、基板ハンドリング機構HTRを示す側面図である。
【0023】
<1.全体構成>
図1を参照する。基板処理装置1は、ストッカーブロック3、移載ブロック5および処理ブロック7を備える。ストッカーブロック3、移載ブロック5および処理ブロック7は、この順番で水平方向に1列に配置される。
【0024】
基板処理装置1は、基板Wに対して、例えば、薬液処理、洗浄処理、乾燥処理などを行う。基板処理装置1は、基板Wに対して、バッチ処理と枚葉処理とを連続して行う。すなわち、基板処理装置1は、バッチ処理を行った後に、基板Wに対して枚葉処理を行う。バッチ処理は、複数枚の基板Wを一括して処理する処理方式である。枚葉処理は、基板Wを一枚ずつ処理する処理方式である。
【0025】
本明細書では、便宜上、ストッカーブロック3、移載ブロック5および処理ブロック7が並ぶ方向を、「前後方向X」と呼ぶ。前後方向Xは水平である。前後方向Xのうち、移載ブロック5からストッカーブロック3に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前後方向Xと直交する水平方向を「幅方向Y」と呼ぶ。幅方向Yの一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方と反対の方向を「左方」と呼ぶ。水平方向に対して垂直な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ。例えば
図1では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0026】
<2.ストッカーブロック>
ストッカーブロック3は、少なくとも1つのキャリアCを収容するものである。ストッカーブロック3には、1又は2以上(例えば2つ)のロードポート9が設けられる。ストッカーブロック3は、キャリア搬送機構(ロボット)11と棚13を備える。
【0027】
キャリア搬送機構11は、ロードポート9と棚13との間でキャリアCを搬送する。キャリア搬送機構11は、キャリアCの上面の突起部を把持する把持部、あるいは、キャリアCの底面に接触しつつキャリアCを支持するハンドを備える。棚13は、基板Wを取り出し・収納するための棚13Aと、保管用の棚13Bとに分類される。
【0028】
棚13Aは、移載ブロック5に隣接して配置される。棚13Aは、キャリアCの蓋部を着脱する機構が設けられていてもよい。棚13Aは、少なくとも1つ設けられる。棚13Aは、キャリアCが載置される。キャリアCは、複数枚(例えば25枚)の基板Wを水平姿勢で所定間隔(例えば10mm間隔)を空けて鉛直方向Zに収納する。なお、基板Wは、基板Wの厚み方向に整列される。キャリアCとして、例えば、FOUP(Front Opening Unify Pod)が用いられる。FOUPは、密閉型容器である。キャリアCは、開放型容器でもよく、種類を問わない。
【0029】
<3.移載ブロック>
移載ブロック5は、ストッカーブロック3の後方Xに隣接して配置される。移載ブロック5は、基板ハンドリング機構(ロボット)HTRと第1姿勢変換機構15を備える。
【0030】
基板ハンドリング機構HTRは、移載ブロック5内の右方Y側に設けられる。基板ハンドリング機構HTRは、棚13Aに載置されたキャリアC、第1姿勢変換機構15およびバッファ部33(後述する)の間で水平姿勢の複数枚(例えば25枚)の基板Wを一括して搬送できる。
【0031】
図2を参照する。基板ハンドリング機構HTRは、複数個(例えば25個)のハンド17を備える。
図2において、図示の便宜上、基板ハンドリング機構HTRは、3個のハンド17を備えるものとする。各ハンド17は、1枚の基板Wを保持する。
【0032】
また、基板ハンドリング機構HTRは、ハンド支持部19、進退部20および昇降回転部21を備える。ハンド支持部19は、複数個のハンド17を支持する。これにより、複数個のハンド17は、一体的に移動する。進退部20は、ハンド支持部19を介して、複数個のハンド17を前進および後退させる。昇降回転部21は、鉛直軸AX1周りに進退部20を回転させることで、鉛直軸AX1周りに複数個のハンド17等を回転させる。また、昇降回転部21は、進退部20を昇降させることで、複数個のハンド17等を昇降させる。昇降回転部21は、床面に固定されている。すなわち、昇降回転部21は、水平方向に移動しない。なお、進退部20および昇降回転部21は各々、電動モータを備える。なお、基板ハンドリング機構HTRは、ハンド17およびハンド支持部19とは別に、1枚の基板Wを搬送するためのハンド(図示しない)を備えてもよい。
【0033】
図1を参照する。第1姿勢変換機構15は、キャリアCから取り出された複数枚の基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。第1姿勢変換機構15は、姿勢変換部23とプッシャ機構25を備える。
図1において、基板ハンドリング機構HTR、姿勢変換部23およびプッシャ機構25は、この順番で左方Yに配置される。
図3(a)~
図3(f)は、移載ブロック5の第1姿勢変換機構15(姿勢変換部23とプッシャ機構25)を説明するための側面図である。
【0034】
図1、
図3(a)に示すように、姿勢変換部23は、支持台23A、1対の水平保持部23B、1対の鉛直保持部23C、および回転駆動部23Dを備える。1対の水平保持部23Bおよび1対の鉛直保持部23Cは、支持台23Aに設けられる。水平保持部23Bおよび鉛直保持部23Cは、基板ハンドリング機構HTRよって搬送された複数枚の基板Wを受け取る。基板Wが水平姿勢であるとき、1対の水平保持部23Bは、各基板Wの下面に接触しつつ、基板Wを下方から支持する。また、基板Wが鉛直姿勢であるとき、1対の鉛直保持部23Cは、基板Wを保持する。
【0035】
回転駆動部23Dは、水平軸AX2周りに支持台23Aを回転可能に支持する。また、回転駆動部23Dは、水平軸AX2周りに支持台23Aを回転させることで、保持部23B,23Cに保持された複数枚の基板Wの姿勢を水平から鉛直に変換する。
【0036】
図1、
図3(f)に示すように、プッシャ機構25は、プッシャ25A、昇降回転部25B、水平移動部25Cおよびレール25Dを備える。プッシャ25Aは、鉛直姿勢の複数枚(例えば50枚)の基板Wの各々の下部を支持する。なお、
図3(a)~
図3(f)において、図示の便宜上、プッシャ25Aは、6枚の基板Wを支持できるように構成される。
【0037】
昇降回転部25Bは、プッシャ25Aの下面に連結される。昇降回転部25Bは、伸縮することでプッシャ25Aを上下方向に昇降させる。また、昇降回転部25Bは、鉛直軸AX3周りにプッシャ25Aを回転させる。水平移動部25Cは、昇降回転部25Bを支持する。水平移動部25Cは、プッシャ25Aおよび昇降回転部25Bをレール25Dに沿って水平移動させる。レール25Dは、幅方向Yに延びるように形成される。なお、回転駆動部23D、昇降回転部25Bおよび水平移動部25Cは各々、電動モータを備える。
【0038】
ここで、第1姿勢変換機構15の動作を説明する。処理ブロック7の後述するバッチ処理槽BT1~BT6は、2個分のキャリアCの例えば50枚の基板Wを一括して処理する。第1姿勢変換機構15は、50枚の基板Wを25枚ずつ姿勢変換する。また、第1姿勢変換機構15は、複数枚の基板Wをフェース・ツー・フェース(Face to Face)方式で所定の間隔(ハーフピッチ)で並べる。ハーフピッチは、例えば5mm間隔である。プッシャ機構25は、この50枚の基板Wを搬送機構WTRに搬送する。
【0039】
なお、第1のキャリアC内の25枚の基板Wは、第1基板群の基板W1として説明される。第2のキャリアCの25枚の基板Wは、第2基板群の基板W2として説明される。また、
図3(a)~
図3(f)において、図示の都合上、第1基板群の基板W1の枚数が3枚であり、かつ第2基板群の基板W2が3枚であるとして説明する。また、基板W1と基板W2を特に区別しない場合、基板W1およびW2は「基板W」と記載される。
【0040】
図3(a)を参照する。姿勢変換部23は、基板ハンドリング機構HTRにより搬送された第1基板群の25枚の基板W1を保持部23B,23Cで受け取る。この際、25枚の基板W1は、水平姿勢であり、デバイス面は上向きである。25枚の基板W1は、所定の間隔(フルピッチ)で配置される。フルピッチは、例えば10mm間隔である。フルピッチは、ノーマルピッチとも呼ばれる。
【0041】
なお、ハーフピッチは、フルピッチの半分の間隔である。また、基板W(W1,W2)のデバイス面とは、電子回路が形成される面であり、「表面」と呼ばれる。また、基板Wの裏面とは、電子回路が形成されない面をいう。デバイス面の反対側の面が裏面である。
【0042】
図3(b)を参照する。姿勢変換部23は、保持部23B,23Cを水平軸AX2周りに90度(degree)回転させて、25枚の基板W1の姿勢を水平から鉛直に変換する。
図3(c)を参照する。プッシャ機構25は、姿勢変換部23の保持部23B,23Cよりも高い位置にプッシャ25Aを上昇させる。これにより、プッシャ25Aは、保持部23B,23Cから25枚の基板Wを受け取る。プッシャ25Aに保持された25枚の基板W1は、左方Yを向く。なお、
図3(a)~
図3(f)中、基板Wに付された矢印AR1は、基板Wのデバイス面の向きを示す。
【0043】
図3(d)を参照する。プッシャ機構25は、鉛直軸AX3周りに鉛直姿勢の25枚の基板Wを180度回転させる。これにより、25枚の基板W1は、反転されて右方Yを向く。更に、反転された25枚の基板W1は、回転前の位置から左方Yにハーフピッチ分(例えば5mm)移動する。また、姿勢変換部23の保持部23B,23Cを水平軸AX2周りに-90度回転させて、次の基板W2を受け取ることができる状態にする。その後、姿勢変換部23は、基板ハンドリング機構HTRにより搬送された第2基板群の25枚の基板W2を保持部23B,23Cで受け取る。この際、25枚の基板W2は、水平姿勢であり、デバイス面は上向きである。なお、姿勢変換部23とプッシャ機構25は互いに干渉しないように動作される。
【0044】
図3(e)を参照する。プッシャ機構25は、第1基板群の25枚の基板W1を保持するプッシャ25Aを退避位置に下降させる。その後、姿勢変換部23は、25枚の基板W2の姿勢を水平から鉛直に変換する。姿勢変換後の25枚の基板W2は、左方Yを向く。
図3(f)を参照する。その後、プッシャ機構25は、第2基板群の25枚の基板W2を保持するプッシャ25Aを上昇させる。これにより、プッシャ機構25は、姿勢変換部23から25枚の基板W2を更に受け取る。
【0045】
これにより、プッシャ25Aは、第1基板群および第2基板群の50枚の基板W(W1,W2)を保持する。50枚の基板Wは、25枚の基板W1と25枚の基板W2とが1枚ずつ交互に配置される。50枚の基板Wは、ハーフピッチ(例えば5mm間隔)で配置される。更に、25枚の基板W1は、25枚の基板W2と逆方向を向いている。そのため、50枚の基板Wは、フェース・ツー・フェース方式で配置される。すなわち、隣接する2枚の基板W1,W2は、2つのデバイス面(または2つの裏面)が向き合っている。
【0046】
その後、プッシャ機構25は、50枚の基板Wを保持するプッシャ25Aを搬送機構WTRの1対のチャック49,50の下方の基板受け渡し位置PPにレール25Dに沿って移動させる。
【0047】
<4.処理ブロック7>
処理ブロック7は、移載ブロック5に隣接する。処理ブロック7は、バッチ処理領域R1、枚葉基板搬送領域R2、枚葉処理領域R3、およびバッチ基板搬送領域R4を備える。基板処理装置1は、電装領域R5を備える。
【0048】
<4-1.バッチ処理領域R1>
バッチ処理領域R1は、移載ブロック5、枚葉基板搬送領域R2およびバッチ基板搬送領域R4に隣接する。また、バッチ処理領域R1は、枚葉基板搬送領域R2とバッチ基板搬送領域R4との間に配置される。バッチ処理領域R1の一端側は、移載ブロック5に隣接し、バッチ処理領域R1の他端側は、移載ブロック5から離れる方向、すなわち後方Xに延びる。
【0049】
バッチ処理領域R1には、例えば6個のバッチ処理槽BT1~BT6、および第2姿勢変換機構31が設けられる。6個のバッチ処理槽BT1~BT6は、バッチ処理領域R1が延びる前後方向Xに一列で並ぶ。また、第2姿勢変換機構31は、6個のバッチ処理槽BT1~BT6を介在して、移載ブロック5の第1姿勢変換機構15の反対側に配置される。すなわち、6個のバッチ処理槽BT1~BT6は、2つの姿勢変換機構15,31の間に配置される。また、第2姿勢変換機構31は、6個のバッチ処理槽BT1~BT6の列の延長線上に配置される。なお、バッチ処理槽の個数は、6個に限定されず、複数であればよい。
【0050】
6個のバッチ処理槽BT1~BT6は各々、鉛直姿勢の複数枚の基板Wを一括して浸漬処理する。例えば、6個のバッチ処理槽BT1~BT6は、4つの薬液処理槽BT1~BT4と、2つの水洗処理槽BT5,BT6とで構成される。具体的には、2個の薬液処理槽BT1,BT2と水洗処理槽BT5を1組とする。そして、2個の薬液処理槽BT3,BT4と水洗処理槽BT6を他の1組とする。
【0051】
4つの薬液処理槽BT1~BT4は各々、薬液によるエッチング処理を行う。薬液として、例えば燐酸が用いられる。薬液処理槽BT1は、図示しない薬液噴出管から供給された薬液を貯留する。薬液噴出管は、薬液処理槽BT1の内壁に設けられる。3つの薬液処理槽BT2~BT4は各々、薬液処理槽BT1と同様に構成される。
【0052】
2つの水洗処理槽BT5,BT6は各々、複数枚の基板Wに付着している薬液を純水で洗い流す純水洗浄処理を行う。純水として、例えば脱イオン水(DIW:Deionized Water)が用いられる。2つの水洗処理槽BT5,BT6は各々、図示しない洗浄液噴出管から供給された純水を貯留する。洗浄液噴出管は、各水洗処理槽BT5,BT6の内壁に設けられる。
【0053】
6個のバッチ処理槽BT1~BT6には、6個のリフタLF1~LF6がそれぞれ設けられる。例えば、リフタLF1は、所定間隔(ハーフピッチ)で配置された鉛直姿勢の複数枚の基板Wを保持する。また、リフタLF1は、バッチ処理槽(薬液処理槽)BT1の内部の処理位置と、バッチ処理槽BT1の上方の受け渡し位置との間で、複数枚の基板Wを昇降させる。他の5個のリフタLF2~LF6は、リフタLF1と同様に構成される。
【0054】
第2姿勢変換機構31は、バッチ処理された鉛直姿勢の複数枚の基板Wの全部または一部を一括して水平姿勢にする。第2姿勢変換機構31の詳細は後述する。なお、第2姿勢変換機構31は、本発明の姿勢変換機構に相当する。
【0055】
<4-2.枚葉基板搬送領域R2>
【0056】
枚葉基板搬送領域R2は、移載ブロック5、バッチ処理領域R1、枚葉処理領域R3、および電装領域R5に隣接する。また、枚葉基板搬送領域R2は、バッチ処理領域R1と枚葉処理領域R3との間に介在する。枚葉基板搬送領域R2の一端側は、移載ブロック5に隣接する。また、枚葉基板搬送領域R2の他端側は、移載ブロック5から離れる方向、すなわち後方Xに延びる。
【0057】
枚葉基板搬送領域R2には、センターロボットCRおよびバッファ部33が設けられる。センターロボットCRは、第2姿勢変換機構31と、後述する枚葉処理チャンバSW1~SW4と、バッファ部33との間で基板を搬送する。例えば、センターロボットCRは、各枚葉処理チャンバSW1~SW4に対して水平姿勢の基板Wを1枚ずつ搬送する。
【0058】
センターロボットCRは、2個のハンド35、進退部37、昇降回転部39、および水平移動部41(ガイドレール含む)を備える。2個のハンド35は各々、水平姿勢の1枚の基板Wを保持する。
【0059】
進退部37は、ハンド35を移動可能に支持すると共に、ハンド35を個々に進退させる。昇降回転部39は、ハンド35および進退部37を鉛直軸AX9周りに回転させる。また、昇降回転部39は、ハンド35および進退部37を昇降させる。ガイドレールは、枚葉基板搬送領域R2が延びる方向に沿って設けられると共に、枚葉基板搬送領域R2の床面に設けられる。水平移動部41は、ガイドレールに沿って前後方向Xにハンド35および進退部37等を移動させる。なお、進退部37、昇降回転部39および水平移動部41は各々、電動モータを備える。
【0060】
例えば、進退部37は、2個のハンド35を前進させて第2姿勢変換機構31から2枚の基板Wを取り出す。その後、進退部37は、1枚の基板Wを保持する1個のハンド35を前進させて1つの枚葉処理チャンバに1枚の基板Wを搬送してもよい。なお、センターロボットCRは、1個または3個以上のハンド35を備えてもよい。3個以上のハンド35を備える場合、センターロボットCRは、3個以上のハンド35を個々に進退させる。
【0061】
バッファ部33は、複数個の載置棚を備えている。複数個の載置棚は各々、水平姿勢である。複数個の載置棚は各々、1枚の基板Wを載置することができる。バッファ部33は、複数枚の基板Wを水平姿勢で所定間隔(フルピッチ)を空けて鉛直方向Zに載置する。すなわち、複数個の載置棚は、所定間隔(フルピッチ)でかつ鉛直方向Zに配置される。バッファ部33は、基板ハンドリング機構HTRが搬送可能な25枚の基板Wが少なくとも載置できるように構成される。バッファ部33は、例えば50枚の基板Wを載置できるように構成される。
【0062】
なお、
図1に示すように、バッファ部33は、詳しくは、移載ブロック5と枚葉基板搬送領域R2とにまたがって配置されている。すなわち、バッファ部33は、移載ブロック5と枚葉基板搬送領域R2との境界に設けられている。また、バッファ部33は、移載ブロック5または枚葉基板搬送領域R2だけに設けられてもよい。そのため、バッファ部33は、移載ブロック5と枚葉基板搬送領域R2との境界、移載ブロック5、および枚葉基板搬送領域R2のいずれかに固定して設けられていればよい。
【0063】
<4-3.枚葉処理領域R3>
枚葉処理領域R3は、枚葉基板搬送領域R2および電装領域R5に隣接する。枚葉処理領域R3の一端側は、電装領域R5を介して、移載ブロック5に近い位置にある。電装領域R5には、基板処理装置1に必要な電気回路および後述する制御部59が設けられる。また、枚葉処理領域R3の他端側は、移載ブロック5から離れる方向、すなわち後方Xに延びる。また、枚葉処理領域R3は、バッチ処理領域R1および枚葉基板搬送領域R2に沿って設けられる。
【0064】
枚葉処理領域R3には、複数個(例えば4個)の枚葉処理チャンバSW1~SW4が設けられる。4個の枚葉処理チャンバSW1~SW4は、枚葉処理領域R3が延びる前後方向Xに並ぶ。各枚葉処理チャンバSW1~SW4は、基板Wを1枚ずつ処理する。第4枚葉処理チャンバSW4、第3枚葉処理チャンバSW3、第2枚葉処理チャンバSW2および第1枚葉処理チャンバSW1は、この順番で移載ブロック5側から配置される。枚葉処理チャンバSW1~SW4は、複数段で構成されていてもよい。例えば、12個の枚葉処理チャンバが前後方向X(水平方向)に4個でかつ鉛直方向Zに3個で配置されていてもよい。
【0065】
例えば、枚葉処理チャンバSW1,SW2は各々、回転処理部45とノズル47とを備える。回転処理部45は、1枚の基板Wを水平姿勢で保持するスピンチャックと、その基板Wの中心を通過する鉛直軸周りにスピンチャックを回転させる電動モータとを備える。スピンチャックは、真空吸着により基板Wの下面を保持するものであってもよい。また、スピンチャックは、基板Wの外縁をつかむ3本以上のチャックピンを備えてもよい。
【0066】
ノズル47は、回転処理部45で保持された基板Wに処理液を供給する。ノズル47は、回転処理部45から離れた待機位置と、回転処理部45の上方の供給位置とにわたって移動される。処理液として、例えば、純水(DIW)およびIPA(イソプロピルアルコール)が用いられる。枚葉処理チャンバSW1,SW2は各々、例えば、基板Wに対して純水で洗浄処理を行った後、IPAで予備的な乾燥処理を行ってもよいし、基板Wの上面にIPAの液膜を形成してもよい。
【0067】
枚葉処理チャンバSW3,SW4は各々、例えば、超臨界流体による乾燥処理を行う。流体として、例えば二酸化炭素が用いられる。枚葉処理チャンバSW3,SW4は各々、チャンバ本体(容器)48、支持トレイ、および蓋部を備える。チャンバ本体48は、内部に設けられた処理空間と、この処理空間に基板Wを入れるための開口と、供給口と、排気口とを備える。基板Wは、支持トレイに支持されつつ処理空間に収容される。蓋部はチャンバ本体48の開口を塞ぐ。例えば、枚葉処理チャンバSW3,SW4は各々、流体を超臨界状態にして、供給口からチャンバ本体48内の処理空間に超臨界流体を供給する。この際、チャンバ本体48内の処理空間は、排気口から排気される。処理空間に供給された超臨界流体により、基板Wに対する乾燥処理が行われる。
【0068】
超臨界状態は、流体に固有の臨界温度と臨界圧力にすることで得られる。具体的には、流体が二酸化炭素の場合、臨界温度が31℃であり、臨界圧力が7.38MPaである。超臨界状態では、流体の表面張力がほぼゼロになる。そのため、基板Wのパターンに気液界面の影響が生じない。したがって、基板Wにおけるパターン倒れが生じにくい。
【0069】
<4-4.バッチ基板搬送領域R4>
バッチ基板搬送領域R4は、移載ブロック5およびバッチ処理領域R1に隣接する。バッチ基板搬送領域R4は、バッチ処理領域R1に沿って設けられる。バッチ基板搬送領域R4は、前後方向Xに延びる。4つの領域R1,R2,R3,R4は、互いに平行に延びるように設けられる。
【0070】
バッチ基板搬送領域R4は、搬送機構(ロボット)WTRを有する。すなわち、バッチ基板搬送領域R4には、搬送機構WTRが設けられる。搬送機構WTRは、移載ブロック5内に定められた基板受け渡し位置PPと、例えば6個のバッチ処理槽BT1~BT6の各々と、第2姿勢変換機構31との間で複数(例えば50枚)の基板Wを一括して搬送する。
【0071】
搬送機構WTRは、1対のチャック49,50、およびガイドレール53を備える。チャック49,50は各々、例えば、50枚の基板Wを保持するために50個の保持溝を備える。2つのチャック49,50は各々、平面視で、幅方向Y(
図1)に平行に延びる。搬送機構WTRは、2つのチャック49,50を開いたり閉じたりする。搬送機構WTRは、1対のチャック49,50をガイドレール53に沿って移動させる。搬送機構WTRは、電動モータで駆動される。
【0072】
<5.制御部>
基板処理装置1は、制御部59と記憶部(図示しない)を備えている。制御部59は、基板処理装置1の各構成を制御する。制御部59は、例えば中央演算処理装置(CPU)などの1つ以上のプロセッサを備える。記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、およびハードディスクの少なくとも1つを備えている。記憶部は、基板処理装置1の各構成を制御するために必要なコンピュータプログラムを記憶する。
【0073】
<6.第2姿勢変換機構>
図4(a)は、第2姿勢変換機構31を示す平面図である。
図4(b)は、矢印AR2から見た第2姿勢変換機構31を示す背面図である。
図5は、姿勢変換部63を示す背面図である。
図6は、姿勢変換部63を示す平面図である。
【0074】
第2姿勢変換機構31は、基板待機領域R31と姿勢変換実行領域R32を備える。基板待機領域R31と姿勢変換実行領域R32は、バッチ処理領域R1または6個のバッチ処理槽BT1~BT6が延びる前後方向Xと直交する幅方向Yに沿って配置される。
【0075】
第2姿勢変換機構31は、プッシャ機構61と姿勢変換部63とを備える。基板待機領域R31には、プッシャ機構61が設けられる。これに対して、姿勢変換実行領域R32には、姿勢変換部63が設けられる。次に、プッシャ機構61および姿勢変換部63の詳細について説明する。
【0076】
<6-1.プッシャ機構>
プッシャ機構61は、搬送機構WTRにより搬送された複数枚(例えば50枚)の基板Wを鉛直姿勢で保持する。プッシャ機構61は、プッシャ65と、プッシャ65を昇降させ、また、プッシャ65を鉛直軸AX4周りに回転させる昇降回転部67とを備える。これにより、基板Wの表裏の向きを任意に変えることができる。
【0077】
プッシャ65は、所定間隔(例えばハーフピッチ)で配置された例えば50枚の基板Wを下から保持する。プッシャ65は、基板Wの枚数と同数(50個)の保持溝を備える。プッシャ65の各保持溝は、奥に向かうほど基板Wの厚み方向の幅が狭くなるようにV状で形成されている。昇降回転部67は、例えば電動モータまたはエアシリンダを備える。
【0078】
なお、プッシャ機構61(プッシャ65)と6個のバッチ処理槽BT1~BT6は、搬送機構WTRが50枚の基板Wを直線状に搬送できるように、前後方向Xに直線状に配置される。なお、プッシャ65は、本発明の基板保持部に相当する。昇降回転部67は、本発明の横回転部および相対昇降部に相当する。
【0079】
<6-2.姿勢変換部>
姿勢変換部63は、プッシャ65から複数枚の基板Wを受け取り、複数枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。または、姿勢変換部63は、プッシャ65から複数枚のうちの第1基板群(2枚以上の基板W1)および第2基板群(2枚以上の基板W2)の一方を受け取り、受け取った第1基板群または第2基板群を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。
【0080】
姿勢変換部63は、2個の水平保持部69,70、2個の鉛直保持部71,72、支持台74、支持台回転部76および回転駆動部78を備える。支持台74は、2個の水平保持部69,70および2個の鉛直保持部71,72を支持する。支持台回転部76は、支持台74を水平軸AX5周りに回転させる。支持台回転部76は、例えば電動モータを備える。
【0081】
2個の水平保持部69,70は各々、支持台74の支持面74Aに対して直角に延びる。2個の水平保持部69,70は、複数枚(例えば25枚)の基板Wを収容する。具体的には、2個の水平保持部69,70は、各基板Wの半径方向に対向する2個の側部を収容する。2個の水平保持部69,70は、
図6の枠内に示すように、複数枚の基板Wが水平姿勢である場合に、複数枚の基板Wを載置させる。
【0082】
図5、
図6に示すように、2個の水平保持部69,70は、所定間隔(例えばフルピッチ)で配置された複数対(例えば25対)の水平置きガイド79,80を備える。第1水平保持部69は、複数個(例えば25個)水平置きガイド79を備える。複数個の水平置きガイド79は、複数枚の基板Wが整列する厚み方向に沿って配置される。第2水平保持部70は、複数個の水平置きガイド80を備える。複数個の水平置きガイド80は、複数枚の基板Wが整列する厚み方向に沿って配置される。例えば、2個の水平保持部69,70がハーフピッチで配置された鉛直姿勢の50枚の基板Wを収容する場合、隣接する2対の水平置きガイド79,80は、2枚の基板W1,W2を収容できるように構成される。
【0083】
図5に示すように、2個の鉛直保持部71,72は、複数枚(例えば50枚)の基板Wが鉛直姿勢である場合に、2個の水平保持部69,70で収容された複数枚(例えば25枚)の基板Wを鉛直姿勢で保持する。また、2個の鉛直保持部71,72は、基板Wが鉛直姿勢である場合、2個の水平保持部69,70の下方に設けられる。また、
図6に示すように、2個の鉛直保持部71,72は、基板Wが水平姿勢である場合、2個の水平保持部69,70よりもプッシャ65側に設けられる(後述する
図11(c)を参照)。
【0084】
なお、2個の鉛直保持部71,72が保持する複数枚の基板Wが鉛直姿勢である場合に、2個の水平保持部69,70は、複数枚の基板Wを挟みつつ、前後方向Xに沿って配置される。同様に、基板Wが鉛直姿勢である場合に、2個の鉛直保持部71,72は、複数枚の基板Wを挟みつつ、前後方向Xに沿って配置される。
【0085】
第1鉛直保持部71は、第1回転部材83と第1保持部本体84を備える。第1回転部材83は、支持台74の支持面74Aに対して直角に延びる。第1保持部本体84は、第1回転部材83が延びる方向と直交する方向(半径方向)に第1回転部材83から突出するように設けられる。同様に、第2鉛直保持部72は、第2回転部材85と第2保持部本体86を備える。第2回転部材85は、支持台74の支持面74Aに対して直角に延びる。第2保持部本体86は、第2回転部材85が延びる方向と直交する方向(半径方向)に第2回転部材85から突出するように設けられる。
【0086】
また、2個の鉛直保持部71,72は、複数対(25対)の保持溝89,90と複数対(25対)の通過溝91,92を備える。複数対の保持溝89,90と複数対の通過溝91,92は、1対ごとに交互に配置される。複数対の保持溝89,90は各々、1枚の基板を保持する。保持溝89,90は各々、奥に向かうほど基板の厚み方向の幅が狭くなるようにV状で形成されている。これにより、複数個の保持溝89,90で複数枚の基板Wを鉛直姿勢で保持することができる。複数対の通過溝91,92は各々、1枚の基板を保持せずに、1枚の基板Wを通過させる。
【0087】
第1保持部本体84は、複数枚の基板Wが整列する方向に沿って設けられた複数個の保持溝89と複数個の通過溝91を有する。複数個の保持溝89と複数個の通過溝91は、1個ずつ交互に設けられる。これは、プッシャ65で保持された例えば50枚の基板Wのうちの1枚置きに整列された第1基板群(25枚の基板W1)または第2基板群(25枚の基板W2)を25個の保持溝89(25対の保持溝89,90)で保持するためである。また、第2保持部本体86は、複数枚の基板Wが整列する方向に沿って設けられた複数個の保持溝90と複数個の通過溝92を有する。複数個の保持溝90と複数個の通過溝92は、1個ずつ交互に設けられる。
【0088】
2個の保持部本体84,86は、各基板Wの直径よりも小さい幅WDで配置される。そのため、各基板Wは、2個の保持部本体84,86の間を通過することができない。第1回転部材83は、中心軸AX7周りに回転可能である。同様に、第2回転部材85は、中心軸AX8周りに回転可能である。2本の中心軸AX7,AX8は各々、支持台74の支持面74Aに対して直角に延び、かつ、複数枚の基板Wの整列方向に沿って延びる。
【0089】
回転駆動部78は、第1回転部材83と第1保持部本体84を一体的に中心軸AX7周り回転させる。これと同時に、回転駆動部78は、第2回転部材85と第2保持部本体86を一体的に中心軸AX8周り回転させる。回転駆動部78は、電動モータを備える。なお、回転駆動部78は、本発明の状態変更部に相当する。
【0090】
そのため、回転駆動部78は、2個の保持部本体84,86を2個の回転部材83,85(中心軸AX7,AX8)の周りにそれぞれ回転させることで、2個の鉛直保持部71,72を保持状態または解除状態にする。すなわち、回転駆動部78は、保持状態と解除状態との間で2個の鉛直保持部71,72の状態を変化させる。
【0091】
保持状態は、2個の鉛直保持部71,72が複数枚の基板Wを保持できる状態である。保持状態の場合、2個の鉛直保持部71,72は、2個の保持部本体84,86で複数枚の基板Wを挟み込んで、複数対の保持溝89,90で複数枚の基板Wを保持する。解除状態は、保持状態が解除された状態である。解除状態の場合、2個の保持部本体84,86を複数枚の基板Wから離すことで、複数対の保持溝89,90で複数枚の基板Wを保持しないようにする。
【0092】
図6において、解除状態の場合、実線で示される2個の保持部本体84,86は、2個の回転部材83,85の左方Yに位置する。例えば、第1保持部本体84は、第1回転部材83を介して第1水平保持部69の反対側に位置する。これらの状態から、回転駆動部78は、第1保持部本体84を右回り(時計回り)に回転し、また、第2保持部本体86を左回り(反時計回り)に回転する。この際、2個の保持部本体84,86は、2個の回転部材83,85の間を通過する。そして、2個の保持部本体84,86は、破線で示される位置に移動されることで、保持状態となる。
【0093】
また、
図6において、保持状態から解除状態に移行する場合、回転駆動部78は、破線で示される第1保持部本体84を左回りに回転し、破線で示される第2保持部本体86を右回りに回転する。この際、2個の保持部本体84,86は、2個の回転部材83,85の間を通過する。すなわち、回転駆動部78は、2個の鉛直保持部71,72を解除状態にするために、2個の保持部本体84,86で複数枚の基板Wを挟んだ状態から2個の水平保持部69,70から離れる方向に2個の保持部本体84,86を2個の回転部材83,85(中心軸AX7,AX8)の周りにそれぞれ回転させる。これにより、2個の回転部材83,85で各基板Wの位置ズレを防止しながら、保持状態から解除状態に移行できる。
【0094】
また、
図4に示すように、第2姿勢変換機構31は、水平移動部95を備える。水平移動部95は、2個の水平保持部69,70、2個の鉛直保持部71,72、支持台74、支持台回転部76および回転駆動部78を幅方向Yに直線移動させる。水平移動部95は、電動モータを備える。なお、水平移動部95は、支持台74等を幅方向Yだけでなく前後方向Xにも移動させてもよい。水平移動部95は、本発明の相対移動部に相当する。
【0095】
<6.動作説明>
次に、
図7~
図9のフローチャートを参照しつつ、基板処理装置1の動作について説明する。
図1を参照する。図示しない外部搬送ロボットは、2個のキャリアCをロードポート9に順番に搬送する。
【0096】
〔ステップS01〕キャリアからの基板搬送
ストッカーブロック3のキャリア搬送機構11は、ロードポート9から棚13Aに第1のキャリアCを搬送する。移載ブロック5の基板ハンドリング機構HTRは、棚13Aに載置された第1のキャリアCから水平姿勢の25枚の基板W1を取り出して、姿勢変換部23に搬送する。その後、キャリア搬送機構11は、空の第1のキャリアCを棚13Bに搬送する。その後、キャリア搬送機構11は、ロードポート9から棚13Aに第2のキャリアCを搬送する。基板ハンドリング機構HTRは、棚13Aに載置された第2のキャリアCから水平姿勢の25枚の基板W2を取り出して、姿勢変換部23に搬送する。
【0097】
〔ステップS02〕鉛直姿勢への姿勢変換
姿勢変換部23には、2個のキャリアCの50枚の基板W(W1,W2)が搬送される。姿勢変換部23とプッシャ機構25は、
図3(a)~
図3(f)に示すように、50枚の基板Wをフェース・ツー・フェース方式でかつハーフピッチ(5mm)に整列させると共に、50枚の基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。プッシャ機構25は、移載ブロック5内に定められた基板受け渡し位置PPに鉛直姿勢の50枚の基板Wを搬送する。
【0098】
〔ステップS03〕薬液処理(バッチ処理)
搬送機構WTRは、基板受け渡し位置PPでプッシャ機構25から鉛直姿勢の50枚の基板Wを受け取り、4つの薬液処理槽BT1~BT4の4つのリフタLF1~LF4のいずれかに50枚の基板Wを搬送する。
【0099】
例えば、搬送機構WTRは、薬液処理槽BT1のリフタLF1に50枚の基板Wを搬送する。リフタLF1は、薬液処理槽BT1の上方の位置で50枚の基板Wを受け取る。リフタLF1は、薬液処理槽BT1内の処理液としての燐酸に50枚の基板Wを浸漬させる。これにより、エッチング処理が50枚の基板Wに対して行われる。エッチング処理の後、リフタLF1は、50枚の基板Wを薬液処理槽BT1の燐酸から引き上げる。なお、50枚の基板Wが他の薬液処理槽BT2~BT4のリフタLF2~LF4の各々に搬送された場合も薬液処理槽BT1と同様の処理が行われる。
【0100】
〔ステップS04〕純水洗浄処理(バッチ処理)
搬送機構WTRは、例えばリフタLF1(またはリフタLF2)から鉛直姿勢の50枚の基板Wを受け取り、水洗処理槽BT5のリフタLF5に50枚の基板Wを搬送する。リフタLF5は、水洗処理槽BT5の上方の位置で50枚の基板Wを受け取る。リフタLF5は、水洗処理槽BT5内の純水に50枚の基板Wを浸漬させる。これにより、50枚の基板Wは洗浄処理が行われる。
【0101】
なお、搬送機構WTRがリフタLF3,LF4の一方から鉛直姿勢の50枚の基板Wを受け取る場合、搬送機構WTRは、水洗処理槽BT6のリフタLF6に50枚の基板Wを搬送する。リフタLF6は、水洗処理槽BT6内の純水に50枚の基板Wを浸漬させる。
【0102】
本実施例では、第2姿勢変換機構31は、6個のバッチ処理槽BT1~BT6を介在して移載ブロック5の反対側に設けられている。搬送機構WTRは、移載ブロック5に近い側の例えばバッチ処理槽BT1(BT3)から移載ブロック5から遠い側のバッチ処理槽BT5(BT6)を経て第2姿勢変換機構31に50枚の基板Wを一括して搬送する。
【0103】
〔ステップS05〕水平姿勢への姿勢変換
第2姿勢変換機構31は、洗浄処理が行われた基板Wの姿勢を鉛直から水平に一括して変換する。ここで、次のような問題がある。すなわち、ハーフピッチ(5mm間隔)で配置された50枚の基板Wの姿勢を一括して変換すると、センターロボットCRの1つのハンド35が50枚の基板Wのうちの隣接する2枚の基板Wの隙間に良好に侵入できない場合がある。
【0104】
また、フェース・ツー・フェース方式で基板Wが整列される場合、水平姿勢に変換された基板Wは、デバイス面が上向きの基板Wもあれば、デバイス面が下向きの基板Wもある。例えば、センターロボットCRのハンド35が基板Wのデバイス面と接触することは好ましくない。また、デバイス面の向きが異なる基板Wが各枚葉処理チャンバSW1~SW4に搬送されるのは、好ましくない。
【0105】
そこで、本実施例では、隣接する2枚の基板Wの間隔を広げると共に、50枚の基板Wのデバイス面の向きを互いに一致させている。また、50枚の基板Wを第1基板群と第2基板群に分離させている。
図8、
図9のフローチャート、
図10(a)~
図13(d)を参照しながら、具体的に説明する。
【0106】
〔ステップS11〕プッシャ機構への基板の搬送
搬送機構WTRは、リフタLF5,LF6の一方から第2姿勢変換機構31のプッシャ機構61に50枚の基板Wを搬送する(
図1参照)。プッシャ機構61のプッシャ65は、ハーフピッチでかつ、フェース・ツー・フェース方式で配置された鉛直姿勢の50枚の基板Wを保持する。また、50枚の基板Wは、幅方向Yに沿って整列する。
【0107】
なお、姿勢変換部63は、搬送機構WTRと干渉しないように、姿勢変換実行領域R32で待機する。また、プッシャ機構61に基板Wを搬送した後、搬送機構WTRは、プッシャ機構61の上方から移動する。
【0108】
〔ステップS12〕基板(W1)を受け取るための準備
図10(a)、
図10(b)を参照する。姿勢変換部63は、基板Wを受け取るための準備を行う。具体的には、支持台回転部76は、鉛直姿勢の基板Wを保持するために、2個の水平保持部69,70および2個の鉛直保持部71,72が左方Y(プッシャ機構61側)に延びるように、支持台74等を水平軸AX5周りでかつ左方Yに90度回転する。また、回転駆動部78は、2個の保持部本体84,86を2個の回転部材83,85(中心軸AX7,AX8)の周りにそれぞれ回転させることで、2個の鉛直保持部71,72を保持状態にする。
【0109】
また、プッシャ機構61の昇降回転部67は、鉛直姿勢の50枚の基板Wを保持するプッシャ65を鉛直軸AX4周りに回転させる。これにより、
図10(a)に示すように、第1基板群の基板W1のデバイス面を左方Y(支持台74の反対側)に向ける。そのため、25枚の基板W1を水平姿勢に変換したときに、デバイス面を上向きにすることができる。なお、本ステップS12の動作を次のステップS13で行ってもよい。
【0110】
〔ステップS13〕受け取り前の動作
姿勢変換部63がプッシャ65から25枚の基板W1(第1基板群)を受け取るとき、水平移動部95および昇降回転部67は、プッシャ65の下方に2個の鉛直保持部71,72を配置させた状態である受け取り前状態にする。
【0111】
具体的に説明する。
図10(c)、
図10(d)を参照する。プッシャ機構61の昇降回転部67は、鉛直姿勢の50枚の基板Wを支持するプッシャ65を2個の鉛直保持部71,72および2個の水平保持部69,70よりも高い上位置に移動させる。その後、水平移動部95は、姿勢変換実行領域R32から基板待機領域R31に2個の鉛直保持部71,72等を移動させながら、2個の鉛直保持部71,72および2個の水平保持部69,70をプッシャ65の下方に移動させる。これにより、プッシャ65と2個の鉛直保持部71,72は、受け取り前状態になる。
【0112】
〔ステップS14〕受け取り動作
図11(a)、
図11(b)を参照する。その後、昇降回転部67は、プッシャ65を待機位置に下降させる。プッシャ65が2個の鉛直保持部71,72を通過する際に、50枚の基板Wは、2個の水平保持部69,70に収容されながら、2個の鉛直保持部71,72の25対の保持溝89,90と25対の通過溝91,92にそれぞれ収容される。そして、2個の鉛直保持部71,72は、プッシャ65から50枚の基板Wのうちの第1基板群(25枚の基板W1)を25対の保持溝89,90で受け取る。これに対し、25対の通過溝91,92で収容された第2基板群(25枚の基板W2)は、プッシャ65に残される。
【0113】
なお、1枚置きに抜き取った25枚の基板W1は、フルピッチで整列される。また、プッシャ65に残された25枚の基板W2もまた、フルピッチで配置される。プッシャ65に残された25枚の基板W2は、待機状態になる。なお、第1基板群は、本発明の第1の分割基板群に相当する。また、第2基板群は、第2の分割基板群と呼ばれる。
【0114】
〔ステップS15〕水平姿勢への基板(W1)の姿勢変換
図11(c)、
図11(d)を参照する。その後、水平移動部95は、基板待機領域R31から姿勢変換実行領域R32の所定位置に2個の鉛直保持部71,72等を移動させる。その後、支持台回転部76は、支持台74等を水平軸AX5周りでかつ右方Yに90度回転させる。これにより、2個の鉛直保持部71,72で保持された第1基板群(25枚の基板W1)を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。
【0115】
〔ステップS16〕保持状態から解除状態への移行
その後、回転駆動部78は、2個の保持部本体84,86を2個の回転部材83,85(中心軸AX7,AX8)の周りにそれぞれ回転させることで、2個の鉛直保持部71,72を保持状態から解除状態にする。これにより、2個の保持部本体84,86は第1基板群から離される。また、第1基板群は、2個の鉛直保持部71,72の25対の保持溝89,90から取り出される(
図6参照)。
【0116】
25対の保持溝89,90は各々、V状で形成される。そのため、例えば、水平姿勢の1枚の基板Wが1対の水平置きガイド79,80に載置されると共に、1対の保持溝89,90で保持される場合があるとする。水平姿勢の1枚の基板Wは、V状の1対の保持溝89,90により、上下方向が拘束される。そのため、センターロボットCRがその基板Wを持ち上げたときに、基板Wに負荷が加わってしまう。そこで、1対の保持溝89,90の拘束を解放することで、センターロボットCRは水平姿勢の基板Wを良好に搬送することができる。
【0117】
〔ステップS17〕センターロボットによる基板(W1)の搬送
その後、センターロボットCRは、2個の水平保持部69,70の25対の水平置きガイ79,80にそれぞれ載置された25枚の基板W1(第1基板群)を枚葉処理チャンバSW1,SW2のいずれかに1枚ずつ搬送する。また、センターロボットCRは、各対の水平置きガイド79,80に載置された1枚の基板W1を持ち上げながら、その基板W1を搬送する。
【0118】
次に、ステップS18~S23について説明を行う。ステップS12~S17と重複する部分は簡単に説明する。
【0119】
〔ステップS18〕基板(W2)を受け取るための準備
図12(a)、
図12(b)を参照する。姿勢変換部63は、第2基板群の25枚の基板W2を受け取るための準備を行う。具体的には、支持台回転部76は、2個の鉛直保持部71,72等が左方Y(プッシャ機構61)に延びるように、支持台74等を水平軸AX5周りでかつ左方Yに90度回転する。また、回転駆動部78は、2個の保持部本体84,86を2個の回転部材83,85(中心軸AX7,AX8)の周りにそれぞれ回転させることで、2個の鉛直保持部71,72を保持状態にする。
【0120】
また、プッシャ機構61の昇降回転部67は、鉛直姿勢の25枚の基板W2(第2基板群)を保持するプッシャ65を鉛直軸AX4周りに180度回転させる。これにより、25枚の基板W2を水平姿勢に変換したときに、デバイス面を上向きにすることができる。また、180度の回転により、25対の保持溝89,90で第1基板群を保持した幅方向Yの位置で、25枚の基板W2を保持できる。
【0121】
〔ステップS19〕受け取り前の動作
図12(c)、
図12(d)を参照する。昇降回転部67は、鉛直姿勢の25枚の基板W2を支持するプッシャ65を2個の鉛直保持部71,72および2個の水平保持部69,70よりも高い上位置に移動させる。その後、水平移動部95は、2個の鉛直保持部71,72等をプッシャ65の下方に移動させる。これにより、プッシャ65と2個の鉛直保持部71,72は、受け取り前状態になる。
【0122】
〔ステップS20〕受け取り動作
図13(a)、
図13(b)を参照する。その後、昇降回転部67は、プッシャ65を待機位置に下降させる。プッシャ65が2個の鉛直保持部71,72を通過する際に、25枚の基板W2は、2個の水平保持部69,70に収容されながら、25対の保持溝89,90にそれぞれ収容される。そして、2個の鉛直保持部71,72は、プッシャ65から第2基板群(25枚の基板W2)を25対の保持溝89,90で受け取る。
【0123】
〔ステップS21〕水平姿勢への基板(W2)の姿勢変換
図13(c)、
図13(d)を参照する。その後、水平移動部95は、基板待機領域R31から姿勢変換実行領域R32の所定位置に2個の鉛直保持部71,72等を移動させる。その後、支持台回転部76は、支持台74等を水平軸AX5周りでかつ右方Yに90度回転させる。これにより、2個の鉛直保持部71,72で保持された第2基板群(25枚の基板W2)を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。
【0124】
〔ステップS22〕保持状態から解除状態への移行
その後、回転駆動部78は、2個の保持部本体84,86を2個の回転部材83,85(中心軸AX7,AX8)の周りにそれぞれ回転させることで、2個の鉛直保持部71,72を保持状態から解除状態にする。これにより、2個の保持部本体84,86は第2基板群から離される。また、第2基板群は、2個の鉛直保持部71,72の25対の保持溝89,90から取り出される。
【0125】
〔ステップS23〕センターロボットによる基板(W2)の搬送
その後、センターロボットCRは、25対の水平置きガイド79,80にそれぞれ載置された25枚の基板W2(第2基板群)を枚葉処理チャンバSW1,SW2のいずれかに1枚ずつ搬送する。
【0126】
〔ステップS06〕第1の枚葉式処理
図7のフローチャートの説明に戻る。例えば、センターロボットCRは、姿勢変換部63から第1枚葉処理チャンバSW1に基板W(W1,W2)を搬送する。第1枚葉処理チャンバSW1は、例えば、回転処理部45によりデバイス面が上向きの基板Wを回転させつつ、ノズル47からデバイス面に純水を供給する。その後、第1枚葉処理チャンバSW1は、基板Wのデバイス面(上面)に対してノズル47からIPAを供給して、基板Wの純水をIPAで置換する。
【0127】
〔ステップS07〕第2の枚葉式処理(乾燥処理)
その後、センターロボットCRは、第1枚葉処理チャンバSW1(SW2)からIPAで濡れている基板Wを取り出し、枚葉処理チャンバSW3,SW4のいずれか1つにその基板Wを搬送する。枚葉処理チャンバSW3,SW4は各々、超臨界状態の二酸化炭素(超臨界流体)により、基板Wに対して乾燥処理を行う。超臨界流体を用いた乾燥処理により、基板Wのデバイス面のパターン倒壊が抑制される。
【0128】
〔ステップS08〕バッファ部からキャリアへの基板搬送
センターロボットCRは、枚葉処理チャンバSW3,SW4のいずれか1つからバッファ部33の載置棚のいずれか1つに乾燥処理後の基板Wを搬送する。バッファ部33に1ロット分(25枚)の基板W1が搬送されると、基板ハンドリング機構HTRは、バッファ部33から棚13Aに載置された空の第1のキャリアC内に、25枚の基板W1を一括搬送する。その後、ストッカーブロック3内のキャリア搬送機構11は、第1のキャリアCをロードポート9に搬送する。
【0129】
また、バッファ部33に1ロット分の基板W2が載置されると、基板ハンドリング機構HTRは、バッファ部33から棚13Aに載置された空の第2のキャリアC内に、25枚の基板W2を一括搬送する。その後、ストッカーブロック3内のキャリア搬送機構11は、第2のキャリアCをロードポート9に搬送する。図示しない外部搬送ロボットは、2個のキャリアCを順番に次の目的地に搬送する。
【0130】
本実施例によれば、回転駆動部78は、支持台回転部76によって2個の鉛直保持部71,72で保持された複数枚の基板Wが鉛直姿勢から水平姿勢に変換された場合に、2個の鉛直保持部71,72を解除状態にすることで、第1保持部本体84および第2保持部本体86を複数枚の基板Wから離している。ここで、2個の保持部本体84,86を回転させることにより解除状態にしているので、解除時に基板Wに作用する力(基板Wの位置ズレを引き起こす原因になる)が2個の保持部本体84,86で相殺される。例えば、
図6の矢印AR5,AR6に示すように、左右方向(前後方向X)の作用する力が相殺される。そのため、基板Wの位置ズレが発生しにくい。したがって、2個の鉛直保持部71,72による基板Wの保持を良好に解除できる。
【0131】
また、2個の鉛直保持部71,72を保持状態および解除状態の一方にするために、2個の保持部本体84,86が各々回転される。そのため、支持台74、すなわち、姿勢変換部63をコンパクトに構成することができる。
【0132】
また、第1回転部材83および第2回転部材85は、各基板Wの直径よりも小さい幅WDで配置される。解除状態にするために、複数個の保持溝89,90を各々有する2個の保持部本体84,86が回転された際に基板Wが位置ズレしても、第1回転部材83および第2回転部材85がストッパーとなる。そのため、基板Wの位置ズレを更に防止できる。
【0133】
また、2個の保持部本体84,86は各々、複数枚の基板Wが整列する方向に沿って設けられ、1枚の基板Wを各々通過させるための複数個の通過溝91,92を更に備える。保持溝89,90および通過溝91,92は、複数枚の基板Wのうちの1枚置きに整列された第1基板群(基板W1)を保持溝89,90で保持するために1個ずつ交互に配置され、姿勢変換部63は、プッシャ65から複数枚の基板Wのうちの第1基板群(基板W)を受け取ると共に、受け取った第1基板群を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。
【0134】
2個の鉛直保持部71,72は、複数枚の基板Wのうちの1枚置きに整列された第1基板群(基板W1)を保持するので、隣接する2枚の基板Wの間隔を広げることができる。そのため、センターロボットCRが姿勢変換部63から基板Wを容易に取り出すことができる。
【0135】
また、プッシャ機構61は、姿勢変換部63の2個の鉛直保持部71,72等に対してプッシャ65を鉛直方向Zに昇降させる昇降回転部67を備える。姿勢変換部63は、プッシャ65に対して2個の鉛直保持部71,72等を水平移動させる水平移動部95を備える。姿勢変換部63がプッシャ65から複数枚の基板Wを受け取るとき、昇降回転部67および水平移動部95は、プッシャ65の下方に2個の鉛直保持部71,72を配置させた状態である受け取り前状態にする。昇降回転部67は、受け取り前状態から、プッシャ65の上方に2個の鉛直保持部71,72を配置させた状態である受け取り後状態にすることで、プッシャ65で保持された鉛直姿勢の複数枚の基板Wを2個の鉛直保持部71,72で受け取る。支持台回転部76は、支持台74を水平軸AX5周りに回転させることで、2個の鉛直保持部71,72で保持された複数枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。
【0136】
プッシャ65と2個の鉛直保持部71,72とを相対的に水平移動させ、また昇降させることで、姿勢変換部63は、プッシャ65から複数枚の基板Wを受けることができる。
【0137】
複数個の保持溝89,90は各々、奥に向かうほど基板Wの厚み方向の幅が狭くなるようにV状で形成されている。これにより、複数個の保持溝89,90で複数枚の基板Wを鉛直姿勢で保持することができる。また、基板Wを水平姿勢に変換した後に、2個の鉛直保持部71,72が基板Wを保持した状態であるとする。この場合、基板Wが拘束されているので、基板Wを持ち上げて搬送しようとすると、基板Wに負荷を与えてしまう。しかし、本実施例によれば、2個の鉛直保持部71,72を解除状態にすることで、2個の保持部本体84,86を複数枚の基板Wから離している。そのため、基板Wに負荷を与えることを防止することができる。
【0138】
また、回転駆動部78は、2個の鉛直保持部71,72を解除状態にするために、2個の保持部本体84,86で複数枚の基板Wを挟んだ状態から2個の水平保持部69,70から離れる方向に2個の保持部本体84,86を2個の回転部材83,85の周りにそれぞれ回転させる。これにより、2個の回転部材83,85によって基板Wの位置ズレを防止しながら、2個の保持部本体84,86を複数枚の基板Wから離すことができる。
例えば、支持台回転部76は、鉛直保持部71,72で保持された基板Wの姿勢を鉛直姿勢および斜め姿勢の一方にする。この状態において、ノズル112は、鉛直保持部71,72で保持された基板Wに対して、シャワー状またはミスト状の純水を供給する。なお、斜め姿勢は、基板のデバイス面が上向きになる姿勢である。
例えば、センターロボットCRが基板Wの搬送を中断したときに、姿勢変換部63で保持された基板Wの乾燥を防止することができる。また、供給時に、基板Wの姿勢が水平姿勢であると、シャワー状またはミスト状の純水がデバイス面の全面に届きにくい。しかし、基板Wの姿勢が鉛直姿勢および、デバイス面が上向きの斜め姿勢の一方にされることで、シャワー状またはミスト状の純水がデバイス面の全面に届きやすくなる。
枚葉処理チャンバSW3,SW4による乾燥処理の前に、基板Wが乾燥すると、基板Wのパターン倒れが発生する。しかし、本実施例によれば、プッシャ65で保持された基板Wの乾燥を防止できる。また、姿勢変換部63の2個の鉛直保持部71,72で保持された基板Wの乾燥を防止できる。
(1)上述した各実施例では、昇降回転部67は、鉛直姿勢の25枚の基板W2を支持するプッシャ65を2個の鉛直保持部71,72等よりも高い上位置に移動させ、その後、水平移動部95は、2個の鉛直保持部71,72等をプッシャ65の下方に移動させていた。この点、プッシャ65と2個の鉛直保持部71,72等は、相対的に水平移動されてもよい。また、プッシャ65と2個の鉛直保持部71,72等は、相対的に鉛直方向Zに昇降されてもよい。
また、プッシャ機構61は、水平移動部117と昇降回転部67とを備えると共に、姿勢変換部63は、水平移動部95と昇降部115とを備えてもよい。なお、昇降部115および水平移動部117は各々、電動モータを備える。水平移動部117は、本発明の相対移動部に相当する。昇降部115は、本発明の相対昇降部に相当する。
(2)上述した各実施例および各変形例では、枚葉処理チャンバSW3,SW4は、超臨界流体を用いて基板Wの乾燥処理を行った。この点、枚葉処理チャンバSW3,SW4は各々、枚葉処理チャンバSW1,SW2の各々と同様に、回転処理部45とノズル47とを備えてもよい。この場合、枚葉処理チャンバSW1~SW4は各々、例えば、純水およびIPAをこの順番で基板Wに供給した後、基板Wの乾燥処理(スピン乾燥)を行う。
(4)上述した各実施例では、第1姿勢変換機構15は、基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に変換していた。この点、第1姿勢変換機構15は、第2姿勢変換機構31と同様の構成を有していてもよい。
(5)上述した各実施例では、2個の回転部材83,85は、各基板Wの直径よりも小さい幅WDで配置された。この点、必要により、2個の回転部材83,85は、各基板Wの直径よりも大きい幅WDで配置されてもよい。