(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046391
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240327BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20240327BHJP
【FI】
G06F3/041 520
G06F3/041 580
G06F3/0488
G06F3/041 650
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151754
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆義
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA15
5E555AA58
5E555BA05
5E555BB05
5E555BC15
5E555CA13
5E555CB12
5E555CB23
5E555CB56
5E555CB58
5E555CB76
5E555CC05
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA09
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】静電容量式の操作パネルのキャリブレーションが必要なタイミングでキャリブレーションを実行可能な情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】タッチパネルの物体検知を開始し(100)、検知領域内に手指があり(102)、予め定めた一定時間ホールドする決定操作が無い場合に(108)、タッチパネル20の検知位置が不安定であると判断し、キャリブレーションを実行する(110)。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
静電容量式の操作パネルを操作した操作位置を検知し、
前記操作位置を検知した検知位置と、実際の前記操作位置とのずれが発生していることを表す予め定めた条件を満たした場合に、前記操作パネルのキャリブレーションを実行する情報処理装置。
【請求項2】
前記条件を満たした場合は、前記操作パネルの予め定めた検知領域内に対象物があり、かつ予め定めた時間以内に予め定めた決定操作が無い場合である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記条件を満たした場合は、アイコンの重心位置に対し、利用者の予め定めた決定操作時の座標が、特定方向に予め定めた距離以上離れていることを予め定めた回数以上連続で検知した場合である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記予め定めた回数以上連続で検知した場合は、複数の利用者の操作において検知した場合である請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記条件を満たした場合は、予め定めた非操作領域を予め定めた時間以上操作していることを検知した場合である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記条件を満たした場合は、前記操作パネルの枠から予め定めた距離の領域を予め定めた時間以上操作していることを検知した場合である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記条件を満たした直後、前記条件を満たしてから予め定めた時間経過後、又は、前記条件を満たした後に対象物が検知領域外に出たことを検知した場合に、キャリブレーションを実行する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記条件を満たした後に前記対象物が検知領域外に出たことを検知した場合に、キャリブレーションを実行する場合、前記条件を満たした際に前記対象物を離すように促す画面を表示する請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
静電容量式の操作パネルを操作した操作位置を検知し、
前記操作位置を検知した検知位置と、実際の前記操作位置とのずれが発生していることを表す予め定めた条件を満たした場合に、前記操作パネルのキャリブレーションを実行する処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タッチパネルに対して所定の距離よりも近くに物体が存在することを検知する人体センサと、タッチパネルのキャリブレーションを実行することによって無接触データを生成し、補正用データ記憶部に無接触データを補正用データとして書き込むキャリブレーション実行部と、を備えた画像形成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静電容量式の操作パネルでは、近傍に配置された物により磁場が変化する。また、経年変化により操作パネルの特性が変化することもある。これらの変化により、ユーザが操作パネルを操作した実際の操作位置と、操作パネルが操作位置を検知した検知位置とにずれが発生することがあり、定期的にキャリブレーションを実行する必要がある。しかしながら、従来技術のように、近傍に手指などの物体が無い、あるいは無い可能性が高い時にキャリブレーションを実行すると、本来キャリブレーションが不要な場合に、キャリブレーションを実行する可能性がある。また、キャリブレーションの実行中は操作位置を検知できないため、キャリブレーション回数が増える程、操作位置を検知できない時間が多くなってしまう。
【0005】
そこで、本開示は、静電容量式の操作パネルのキャリブレーションが必要なタイミングでキャリブレーションを実行可能な情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、静電容量式の操作パネルを操作した操作位置を検知し、前記操作位置を検知した検知位置と、実際の前記操作位置とのずれが発生していることを表す予め定めた条件を満たした場合に、前記操作パネルのキャリブレーションを実行する。
【0007】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記条件を満たした場合は、前記操作パネルの予め定めた検知領域内に対象物があり、かつ予め定めた時間以内に予め定めた決定操作が無い場合である。
【0008】
第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記条件を満たした場合は、アイコンの重心位置に対し、利用者の予め定めた決定操作時の座標が、特定方向に予め定めた距離以上離れていることを予め定めた回数以上連続で検知した場合である。
【0009】
第4態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記予め定めた回数以上連続で検知した場合は、複数の利用者の操作において検知した場合である。
【0010】
第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記条件を満たした場合は、予め定めた非操作領域を予め定めた時間以上操作していることを検知した場合である。
【0011】
第6態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記条件を満たした場合は、前記操作パネルの枠から予め定めた距離の領域を予め定めた時間以上操作していることを検知した場合である。
【0012】
第7態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記条件を満たした直後、前記条件を満たしてから予め定めた時間経過後、又は、前記条件を満たした後に対象物が検知領域外に出たことを検知した場合に、キャリブレーションを実行する。
【0013】
第8態様に係る情報処理装置は、第7態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記条件を満たした後に前記対象物が検知領域外に出たことを検知した場合に、キャリブレーションを実行する場合、前記条件を満たした際に前記対象物を離すように促す画面を表示する。
【0014】
第9態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、静電容量式の操作パネルを操作した操作位置を検知し、前記操作位置を検知した検知位置と、実際の前記操作位置とのずれが発生していることを表す予め定めた条件を満たした場合に、前記操作パネルのキャリブレーションを実行する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
第1態様によれば、静電容量式の操作パネルのキャリブレーションが必要なタイミングでキャリブレーションを実行可能な情報処理装置を提供できる。
【0016】
第2態様によれば、タッチパネルの検知位置が不安定である場合にキャリブレーションを実行できる。
【0017】
第3態様によれば、操作位置と検知位置とにずれが発生している場合にキャリブレーションを実行できる。
【0018】
第4態様によれば、一人の利用者で検知する場合に比べて、操作位置と検知位置とにずれが発生している場合を正確に判断できる。
【0019】
第5態様によれば、操作位置と検知位置とにずれが発生している場合にキャリブレーションを実行できる。
【0020】
第6態様によれば、検知位置が検知領域の端の方になってしまう場合にキャリブレーションを実行できる。
【0021】
第7態様によれば、静電容量式の操作パネルのキャリブレーションが必要なタイミングでキャリブレーションを実行できる。
【0022】
第8態様によれば、対象物が検知領域外に出てからキャリブレーションを実行することが可能となる。
【0023】
第9態様によれば、静電容量式の操作パネルのキャリブレーションが必要なタイミングでキャリブレーションを実行可能な情報処理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示す図である。
【
図2】タッチパネルの検知領域の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る情報処理装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態に係る情報処理装置で行われる処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【
図6】アイコンの重心位置の算出例を説明するための図である。
【
図7】第2実施形態に係る情報処理装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】アイコンとアイコン以外の非操作領域を含む操作画面の一例を示す図である。
【
図9】第3実施形態に係る情報処理装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】タッチパネルの枠から一定距離の領域の一例を示す図である。
【
図11】第4実施形態に係る情報処理装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示す図である。
【0026】
本実施形態に係る情報処理装置10は、
図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)12、ROM(Read Only Memory)14、RAM(Random Access Memory)16、メモリ18、操作パネルの一例としてのタッチパネル20、及び表示部22を備えている。
【0027】
CPU12は、装置の全体の動作を司る。ROM14は、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM16は、CPU12による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。メモリ18は、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。メモリ18は、一例としてフラッシュメモリが適用される。
【0028】
タッチパネル20は、各種の情報を入力するために用いられる。本実施形態では、タッチパネル20として静電容量式のものが適用され、接触操作と、非接触操作とが可能とされている。また、本実施形態では、タッチパネル20は、非接触モードの場合に非接触操作を受け付け、通常モードの場合に接触操作を受け付ける。なお、以下では、タッチパネル34の操作を指で行うものとして説明するが、指以外のペン等の対象物で操作を行う形態としてもよい。
【0029】
表示部22は、各種の情報を表示するために用いられ、一例として液晶パネルが適用される。
【0030】
以上の各部はシステムバスにより電気的に相互に接続されている。なお、本実施形態では、メモリ18としてフラッシュメモリを記憶部として適用しているが、これに限らず、HDD(hard disk drive)等の他の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0031】
情報処理装置10は、一例として、複数の機能を有する画像形成装置に設けられ、画像形成装置を操作する。画像形成装置の複数の機能としては、例えば、各種データを受信し、受信したデータに基づく画像形成処理を行う画像形成機能、原稿を読み取って原稿を表す画像情報を得る読取機能、原稿に記録された画像を用紙に複写する複写機能、図示しない電話回線を介して各種データの送受信を行うファクシミリ機能、読取機能等によって読み取った画像情報等の文書情報を転送する転送機能、読み取った画像情報等の文書情報を蓄積する蓄積機能等が挙げられる。なお、情報処理装置10は、画像処理装置等の他の装置に設けてもよい。
【0032】
ところで、本実施形態に係る情報処理装置10では、タッチパネル20が非接触操作が可とされているが、非接触操作が可能な静電容量式のタッチパネル20では、近傍に物が配置されると、タッチパネル20の近傍の磁場が変化する。また、経年変化によりタッチパネル20の特性が変化することもある。そして、これらの変化により、利用者がタッチパネル20を操作した位置である操作位置と、タッチパネル20が操作位置として検知した検知位置にズレが発生することがあり、定期的にキャリブレーションを実行する必要が有る。キャリブレーション機能は、非接触パネルの周りの磁場に応じて、検知位置を調整する機能であり、1秒以内で実行完了する。しかしながら、キャリブレーションの実行中は、ユーザの操作位置を検知できなくなるため、頻繁にキャリブレーションを実行すると、ユーザの操作性が悪くなる。
【0033】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置10では、タッチパネル20の操作位置を検知した検知位置と、実際の操作位置とのずれが発生していることを表す予め定めた条件を満たした場合に、タッチパネル20のキャリブレーションを実行するようになっている。なお、タッチパネル20のキャリブレーションは、例えば、物体を検知していない状態で、タッチパネル20の全体で均一な検出値となるように補正値を算出する処理を行う。
【0034】
キャリブレーションの実行タイミングとしては、予め定めた条件が成立した直後でもよいし、予め定めた条件が成立してから予め定めた一定時間経過後でもよいし、予め定めた条件が成立後に、指が検知領域外に出た場合でもよい。
【0035】
(第1実施形態)
本実施形態では、予め定めた条件として、タッチパネル20の検知領域内に対象物の一例としての指があり、予め定めた一定時間以内に決定操作が無い場合に、キャリブレーションを実行する。
【0036】
静電容量式のタッチパネル20は、
図2に示すように、手指を検知可能な検知領域24がある。検知領域24内に手指があり、予め定めた一定時間ホールドする決定操作が無い場合に、タッチパネル20の検知位置が不安定(例えば、検知座標が震えるなど)であると判断し、キャリブレーションを実行する。なお、
図2では、検知領域24を半円球状としているが、検知領域は半円球状に限定されるものではない。また、ホールドとは、
図3に示すように、手指を一定領域に予め定めた一定時間留める操作のことをいう。
【0037】
続いて、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる具体的な処理について説明する。
図4は、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図4の処理は、例えば、電源がオンされた場合に開始し、電源がオフされた場合に終了する。また、
図4の処理は、タッチパネル20が非接触モードの場合の処理として説明する。また、
図4の処理は、予め定めた条件が成立直後にキャリブレーションを実行する例を示す。
【0038】
ステップ100では、CPU12が、タッチパネル20の物体検知を開始してステップ102へ移行する。すなわち、タッチパネル20上の指の検知を開始する。
【0039】
ステップ102では、CPU12が、検知領域24内に物体を検知したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ104へ移行する。
【0040】
ステップ104では、CPU12が、決定操作待ちタイマを開始してステップ106へ移行する。決定操作待ちタイマは、ホールド操作を検知するまでの時間を計測するためのタイマである。
【0041】
ステップ106では、CPU12が、決定操作を検知したか否かを判定する。該判定は、ホールド操作を検知したか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ108へ移行し、肯定された場合には後述するステップ112へ移行する。
【0042】
ステップ108では、CPU12が、決定操作待ちタイマが予め定めた一定時間以上経過したか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ110へ移行し、否定された場合にはステップ114へ移行する。
【0043】
ステップ110では、CPU12が、タッチパネル20のキャリブレーションを実行してステップ112へ移行する。
【0044】
ステップ112では、CPU12が、決定操作待ちタイマをクリアしてステップ104に戻って上述の処理を繰り返す。
【0045】
一方、ステップ114では、CPU12が、検知領域24内に物体があるか否かを判定する。物体がある場合には判定が肯定されてステップ106に戻って上述の処理を繰り返し、物体がない場合には判定が否定されてステップ116へ移行する。
【0046】
ステップ116では、CPU12が、決定操作待ちタイマをクリアしてステップ102に戻って上述の処理を繰り返す。
【0047】
このように処理を行うことにより、タッチパネル20の検知領域内に指があり、予め定めた一定時間以内に決定操作が無い場合に、キャリブレーションが実行されるので、タッチパネル20の検知位置が安定する。
【0048】
上記の
図4の処理では、キャリブレーションのタイミングとして、予め定めた条件が成立直後にキャリブレーションを実行する例を説明したが、予め定めた条件が成立してから予め定めた一定時間経過後にキャリブレーションを実行する場合には、ステップ110へ移行する前に、一定時間待機する処理を追加すればよい。
【0049】
また、キャリブレーションのタイミングとして、予め定めた条件が成立後に、指が検知領域24外に出た場合にキャリブレーションを実行する場合には、
図5の処理を行う。
図5は、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる処理の流れの他の例を示すフローチャートである。なお、
図5の処理は、例えば、電源がオンされた場合に開始し、電源がオフされた場合に終了する。また、
図5の処理は、タッチパネル20が非接触モードの場合の処理として説明する。また、
図5の処理は、予め定めた条件が成立してから予め定めた一定時間経過後にキャリブレーションを実行する例を示す。また、
図4の処理と同一処理については同一符号を付して説明する。
【0050】
ステップ100では、CPU12が、タッチパネル20の物体検知を開始してステップ102へ移行する。すなわち、タッチパネル20上の指の検知を開始する。
【0051】
ステップ102では、CPU12が、検知領域24内に物体を検知したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ104へ移行する。
【0052】
ステップ104では、CPU12が、決定操作待ちタイマを開始してステップ106へ移行する。決定操作待ちタイマは、ホールド操作を検知するまでの時間を計測するためのタイマである。
【0053】
ステップ106では、CPU12が、決定操作を検知したか否かを判定する。該判定は、ホールド操作を検知したか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ108へ移行し、肯定された場合には後述するステップ112へ移行する。
【0054】
ステップ108では、CPU12が、決定操作待ちタイマが予め定めた一定時間以上経過したか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ109Aへ移行し、否定された場合にはステップ114へ移行する。
【0055】
ステップ109Aでは、CPU12が、指を離すように促す画面を表示部22に表示してステップ109Bへ移行する。
【0056】
ステップ109Bでは、CPU12が、物体が検知領域24外に出たことを検知したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ110へ移行する。
【0057】
ステップ110では、CPU12が、タッチパネル20のキャリブレーションを実行してステップ111へ移行する。
【0058】
ステップ111では、CPU12が、指を離すように促す画面表示を終了してステップ112へ移行する。なお、ステップ109A及びステップ111は省略して、物体が検知領域24外に出たことを検知した場合にキャリブレーションを実行してもよい。
【0059】
ステップ112では、CPU12が、決定操作待ちタイマをクリアしてステップ104に戻って上述の処理を繰り返す。
【0060】
一方、ステップ114では、CPU12が、検知領域24内に物体があるか否かを判定する。物体がある場合には判定が肯定されてステップ106に戻って上述の処理を繰り返し、物体がない場合には判定が否定されてステップ116へ移行する。
【0061】
ステップ116では、CPU12が、決定操作待ちタイマをクリアしてステップ102に戻って上述の処理を繰り返す。
【0062】
このように処理を行うことにより、タッチパネル20の検知領域内に指があり、予め定めた一定時間以内に決定操作が無いことが検知された後に、指が検知領域24外に出た場合にキャリブレーションが実行されるので、タッチパネル20の検知位置が安定する。
【0063】
(第2実施形態)
本実施形態では、予め定めた条件として、アイコンの重心位置に対し、利用者の決定操作時の座標が、上下左右の何れかの特定方向に予め定めた一定距離以上離れていることを連続で検知した場合に、キャリブレーションを実行する。
【0064】
具体的には、表示部22に表示されたアイコンの重心位置を算出する。
図6の例では、「カラーモード」を選択するアイコンの対角の座標を(x1,y1)、(x2,y2)とした場合、当該アイコンの重心位置(Xg,Yg)を算出する。この場合Xg=(x1+x2)/2、Yg=(y1+y2)/2)となる。
図6は、アイコンの重心位置の算出例を説明するための図である。
【0065】
そして、算出したアイコンの重心位置(Xg,Yg)に対して、利用者の決定操作時の座標が、上下左右の何れかの特定方向に予め定めた一定距離以上離れていることを連続で検知した場合に、タッチパネル20の操作位置と検知位置がずれていると判断し、キャリブレーションを実行する。なお、上下方向は
図6の上下方向となるy軸方向に対応し、左右方向は
図6の左右方向となるx軸方向に対応する。
【0066】
なお、一人の利用者ではなく、複数の利用者の操作において、特定方向に一定距離以上離れていることを予め定めた回数連続で検知した場合に、タッチパネル20の操作位置と検知位置がずれていると判断するようにしてもよい。例えば、ずれていると検知した予め定めた回数として3回連続で検知した場合、3回の利用者が1人の利用者である場合は予め定めた条件を満たさず、3回の利用者が複数の利用者を含む場合に予め定めた条件を満たすようにしてもよい。或いは、3回の利用者がそれぞれ異なる利用者である場合に予め定めた条件を満たすようにしてもよい。
【0067】
また、特定方向としては、上下左右の何れかに限定さあれるのではなく、上下左右以外の他の方向を含むようにしてもよい。
【0068】
続いて、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる具体的な処理について説明する。以下では、特定の方向として左方向にずれていると判断した場合にキャリブレーションを行う例を一例として説明する。右方向及び上下方向のずれについても同様の処理が行われるため、右方向及び上下方向にずれていると判断した場合の処理については説明を省略する。
【0069】
図7は、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図7の処理は、例えば、電源がオンされた場合に開始し、電源がオフされた場合に終了する。また、
図7の処理は、タッチパネル20が非接触モードの場合の処理として説明する。また、
図7の処理は、予め定めた条件が成立直後にキャリブレーションを実行する例を示す。
【0070】
ステップ200では、CPU12が、表示部22に表示する各アイコンの重心位置(Xg,Yg)を算出してステップ202へ移行する。
【0071】
ステップ202では、CPU12が、タッチパネル20の物体検知を開始してステップ204へ移行する。すなわち、タッチパネル20上の指の検知を開始する。
【0072】
ステップ204では、CPU12が、決定操作を検知したか否かを判定する。該判定は、ホールド操作を検知したか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ206へ移行する。
【0073】
ステップ206では、CPU12が、決定操作時の座標(x、y)をメモリ18等に保存してステップ208へ移行する。
【0074】
ステップ208では、CPU12が、Xg-xがX軸のずれ許容距離より大きいか否かを判定する。該判定は、左側へのずれが一定距離以上離れているか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ210へ移行し、否定された場合にはステップ216へ移行する。
【0075】
ステップ210では、CPU12が、左側ずれ検知のカウンタを1増加してステップ212へ移行する。
【0076】
ステップ212では、CPU12が、カウンタ値が予め定めた閾値以上であるか否かを判定する。該判定は、例えば、閾値として3回を適用し、3回連続してずれ許容値を超えたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ214へ移行し、否定された場合にはステップ204に戻って上述の処理を繰り返す。
【0077】
ステップ214では、CPU12が、タッチパネル20のキャリブレーションを実行してステップ216へ移行する。
【0078】
ステップ216では、CPU12が、左側ずれ検知のカウンタをクリアしてステップ204に戻って上述の処理を繰り返す。
【0079】
このように処理を行うことにより、アイコンの重心位置に対し、利用者の決定操作時の座標が、特定方向に予め定めた一定距離以上離れていることを連続で検知した場合に、キャリブレーションが実行されるので、操作位置と検知位置が抑制される。
【0080】
なお、
図7では、予め定めた条件が成立直後にキャリブレーションを実行する例を示したが、キャリブレーションのタイミングは、第1実施形態と同様に、予め定めた条件が成立してから予め定めた一定時間経過後でもよいし、予め定めた条件が成立後に、指が検知領域24外に出た場合でもよい。
【0081】
(第3実施形態)
本実施形態では、予め定めた条件として、非操作領域を予め定めた一定時間操作している場合に、キャリブレーションを実行する。
【0082】
具体的には、
図8に示すような操作画面を表示し、アイコン26以外の斜線部の非操作領域28を予め定めた一定時間操作していることを検知した場合に、タッチパネルの操作位置と検知位置がずれていると判断し、キャリブレーションを実行する。
図8の操作画面では、3つの四角はアイコン26を示し、アイコン26以外の領域の斜線部は非操作領域28を示す。
【0083】
続いて、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる具体的な処理について説明する。
図9は、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図9の処理は、例えば、電源がオンされた場合に開始し、電源がオフされた場合に終了する。また、
図9の処理は、タッチパネル20が非接触モードの場合の処理として説明する。また、
図9の処理は、予め定めた条件が成立直後にキャリブレーションを実行する例を示す。また、
図4の処理と同一処理については同一符号を付して説明する。
【0084】
ステップ100では、CPU12が、タッチパネル20の物体検知を開始してステップ102Aへ移行する。すなわち、タッチパネル20上の指の検知を開始する。
【0085】
ステップ102Aでは、CPU12が、非操作領域28内に物体を検知したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ104Aへ移行する。
【0086】
ステップ104Aでは、CPU12が、非操作領域タイマを開始してステップ108Aへ移行する。非操作領域タイマは、非操作領域を操作している時間を計測するためのタイマである。
【0087】
ステップ108Aでは、CPU12が、非操作領域タイマが予め定めた一定時間以上経過したか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ110へ移行し、否定された場合にはステップ114Aへ移行する。
【0088】
ステップ110では、CPU12が、タッチパネル20のキャリブレーションを実行してステップ112へ移行する。
【0089】
ステップ112では、CPU12が、決定操作待ちタイマをクリアしてステップ104Aに戻って上述の処理を繰り返す。
【0090】
一方、ステップ114Aでは、CPU12が、非操作領域28内に物体があるか否かを判定する。物体がある場合には判定が肯定されてステップ108Aに戻って上述の処理を繰り返し、物体がない場合には判定が否定されてステップ116Aへ移行する。
【0091】
ステップ116Aでは、CPU12が、非操作領域タイマをクリアしてステップ102Aに戻って上述の処理を繰り返す。
【0092】
このように処理を行うことにより、非操作領域を予め定めた一定時間操作している場合に、キャリブレーションが実行されるので、操作位置と検知位置が抑制される。
【0093】
なお、
図9では、予め定めた条件が成立直後にキャリブレーションを実行する例を示したが、キャリブレーションのタイミングは、第1実施形態と同様に、予め定めた条件が成立してから予め定めた一定時間経過後でもよいし、予め定めた条件が成立後に、指が検知領域24外に出た場合でもよい。
【0094】
(第4実施形態)
非接触のタッチパネル20の場合、操作中に画面の端の方に座標が張り付いてしまうことがある。
【0095】
そこで、本実施形態では、予め定めた条件として、タッチパネル20の枠から予め定めた一定距離の領域を予め定めた一定時間以上操作している場合に、キャリブレーションを実行する。
【0096】
具体的には、
図10に示すような操作画面を表示し、タッチパネル20の枠30から一定距離の領域である斜線部を一定時間操作していることを検知した場合に、タッチパネル20の操作位置と検知位置がずれていると判断し、キャリブレーションを実行する。
図10の操作画面では、斜線部はタッチパネル20の枠から一定距離の領域を示す。
【0097】
続いて、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる具体的な処理について説明する。
図11は、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図11の処理は、例えば、電源がオンされた場合に開始し、電源がオフされた場合に終了する。また、
図11の処理は、タッチパネル20が非接触モードの場合の処理として説明する。また、
図11の処理は、予め定めた条件が成立直後にキャリブレーションを実行する例を示す。また、
図4の処理と同一処理については同一符号を付して説明する。
【0098】
ステップ100では、CPU12が、タッチパネル20の物体検知を開始してステップ102Bへ移行する。すなわち、タッチパネル20上の指の検知を開始する。
【0099】
ステップ102Bでは、CPU12が、タッチパネル20の枠30から予め定めた一定距離の領域に物体を検知したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ104Bへ移行する。
【0100】
ステップ104Bでは、CPU12が、領域タイマを開始してステップ108Bへ移行する。領域タイマは、タッチパネル20の枠30から一定距離の領域を操作している時間を計測するためのタイマである。
【0101】
ステップ108Bでは、CPU12が、領域タイマが予め定めた一定時間以上経過したか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ110へ移行し、否定された場合にはステップ114Bへ移行する。
【0102】
ステップ110では、CPU12が、タッチパネル20のキャリブレーションを実行してステップ112へ移行する。
【0103】
ステップ112では、CPU12が、決定操作待ちタイマをクリアしてステップ104Bに戻って上述の処理を繰り返す。
【0104】
一方、ステップ114Bでは、CPU12が、タッチパネル20の枠30から一定距離の領域内に物体があるか否かを判定する。物体がある場合には判定が肯定されてステップ108Bに戻って上述の処理を繰り返し、物体がない場合には判定が否定されてステップ116Bへ移行する。
【0105】
ステップ116Bでは、CPU12が、領域タイマをクリアしてステップ102Bに戻って上述の処理を繰り返す。
【0106】
このように処理を行うことにより、タッチパネル20の枠から予め定めた一定距離の領域を予め定めた一定時間以上操作している場合に、キャリブレーションが実行されるので、操作位置と検知位置が抑制される。
【0107】
なお、
図11では、予め定めた条件が成立直後にキャリブレーションを実行する例を示したが、キャリブレーションのタイミングは、第1実施形態と同様に、予め定めた条件が成立してから予め定めた一定時間経過後でもよいし、予め定めた条件が成立後に、指が検知領域24外に出た場合でもよい。
【0108】
また、上記の実施形態では、接触操作と非接触操作が可能な操作パネルを適用した例を説明したが、これに限るものではなく、非接触操作が可能な操作パネルであればよい。例えば、非接触操作のみが可能な操作パネルを適用してもよい。
【0109】
また、上記の実施形態において、CPUをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0110】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0111】
また、上記の実施形態に係る情報処理装置10で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、情報処理装置10で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0112】
また、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0113】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(((1)))
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
静電容量式の操作パネルを操作した操作位置を検知し、
前記操作位置を検知した検知位置と、実際の前記操作位置とのずれが発生していることを表す予め定めた条件を満たした場合に、前記操作パネルのキャリブレーションを実行する情報処理装置。
【0114】
(((2)))
前記条件を満たした場合は、前記操作パネルの予め定めた検知領域内に対象物があり、かつ予め定めた時間以内に予め定めた決定操作が無い場合である(((1)))に記載の情報処理装置。
【0115】
(((3)))
前記条件を満たした場合は、アイコンの重心位置に対し、利用者の予め定めた決定操作時の座標が、特定方向に予め定めた距離以上離れていることを予め定めた回数以上連続で検知した場合である(((1)))に記載の情報処理装置。
【0116】
(((4)))
前記予め定めた回数以上連続で検知した場合は、複数の利用者の操作において検知した場合である(((3)))に記載の情報処理装置。
【0117】
(((5)))
前記条件を満たした場合は、予め定めた非操作領域を予め定めた時間以上操作していることを検知した場合である(((1)))に記載の情報処理装置。
【0118】
(((6)))
前記条件を満たした場合は、前記操作パネルの枠から予め定めた距離の領域を予め定めた時間以上操作していることを検知した場合である(((1)))に記載の情報処理装置。
【0119】
(((7)))
前記プロセッサは、前記条件を満たした直後、前記条件を満たしてから予め定めた時間経過後、又は、前記条件を満たした後に前記対象物が検知領域外に出たことを検知した場合に、キャリブレーションを実行する(((1)))~(((6)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0120】
(((8)))
前記プロセッサは、前記条件を満たした後に前記対象物が検知領域外に出たことを検知した場合に、キャリブレーションを実行する場合、前記条件を満たした際に前記対象物を離すように促す画面を表示する(((7)))に記載の情報処理装置。
【0121】
(((9)))
コンピュータに、
静電容量式の操作パネルを操作した操作位置を検知し、
前記操作位置を検知した検知位置と、実際の前記操作位置とのずれが発生していることを表す予め定めた条件を満たした場合に、前記操作パネルのキャリブレーションを実行する処理を実行させるための情報処理プログラム。
【0122】
(((1)))によれば、静電容量式の操作パネルのキャリブレーションが必要なタイミングでキャリブレーションを実行可能な情報処理装置を提供できる。
【0123】
(((2)))によれば、タッチパネルの検知位置が不安定である場合にキャリブレーションを実行できる。
【0124】
(((3)))によれば、操作位置と検知位置とにずれが発生している場合にキャリブレーションを実行できる。
【0125】
(((4)))によれば、一人の利用者で検知する場合に比べて、操作位置と検知位置とにずれが発生している場合を正確に判断できる。
【0126】
(((5)))によれば、操作位置と検知位置とにずれが発生している場合にキャリブレーションを実行できる。
【0127】
(((6)))によれば、検知位置が検知領域の端の方になってしまう場合にキャリブレーションを実行できる。
【0128】
(((7)))によれば、静電容量式の操作パネルのキャリブレーションが必要なタイミングでキャリブレーションを実行できる。
【0129】
(((8)))によれば、対象物が検知領域外に出てからキャリブレーションを実行することが可能となる。
【0130】
(((9)))によれば、静電容量式の操作パネルのキャリブレーションが必要なタイミングでキャリブレーションを実行可能な情報処理プログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0131】
10 情報処理装置
12 CPU
20 タッチパネル
22 表示部
24 検知領域
26 アイコン
28 非操作領域
30 枠