(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046394
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】車椅子固定装置
(51)【国際特許分類】
A61G 3/08 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
A61G3/08
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151761
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 茂
(72)【発明者】
【氏名】福田 智大
(72)【発明者】
【氏名】玉置 晃啓
(72)【発明者】
【氏名】田原 貴行
(57)【要約】
【課題】車椅子ユーザーが単独で使用できる車椅子固定装置を得る。
【解決手段】車椅子ユーザーの操作で駆動する駆動源16からの駆動力により一方向及びその一方向とは逆方向の他方向へスライドするスライダー30を有するベース部材22と、スライダー30に取り付けられ、平面視でスライド方向と直交する方向に延在する駆動シャフト34と、ベース部材22の両側に上下方向に回動可能に一対で設けられるとともに、駆動シャフト34の両端部がそれぞれ挿入されるカム孔部40Aを有し、駆動シャフト34の一方向への移動により上方側から下方側へ回動して車椅子に設けられた固定バー50を押さえ込み、駆動シャフト34の他方向への移動により下方側から上方側へ回動して固定バー50に対する押さえ込みを解除するロックアーム40と、を備えた車椅子固定装置20とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子ユーザーの操作で駆動する駆動源からの駆動力により一方向及び該一方向とは逆方向の他方向へスライドするスライダーを有するベース部材と、
前記スライダーに取り付けられ、平面視でスライド方向と直交する方向に延在する駆動シャフトと、
前記ベース部材の両側に上下方向に回動可能に一対で設けられるとともに、前記駆動シャフトの両端部がそれぞれ挿入されるカム孔部を有し、前記駆動シャフトの前記一方向への移動により上方側から下方側へ回動して車椅子に設けられた固定バーを押さえ込み、前記駆動シャフトの前記他方向への移動により下方側から上方側へ回動して前記固定バーに対する押さえ込みを解除するロックアームと、
を備えた車椅子固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動的に車椅子を拘束できる車椅子固定装置は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような車椅子固定装置は、装置自体の機構が複雑であり、車椅子ユーザーが単独で使用することができない。つまり、上記のような車椅子固定装置では、その装置を操作するための操作者として、介助者等が必要になる。
【0005】
そこで、本発明は、車椅子ユーザーが単独で使用できる車椅子固定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の車椅子固定装置は、車椅子ユーザーの操作で駆動する駆動源からの駆動力により一方向及び該一方向とは逆方向の他方向へスライドするスライダーを有するベース部材と、前記スライダーに取り付けられ、平面視でスライド方向と直交する方向に延在する駆動シャフトと、前記ベース部材の両側に上下方向に回動可能に一対で設けられるとともに、前記駆動シャフトの両端部がそれぞれ挿入されるカム孔部を有し、前記駆動シャフトの前記一方向への移動により上方側から下方側へ回動して車椅子に設けられた固定バーを押さえ込み、前記駆動シャフトの前記他方向への移動により下方側から上方側へ回動して前記固定バーに対する押さえ込みを解除するロックアームと、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、車椅子ユーザーの操作で駆動する駆動源からの駆動力により一方向へスライダーがスライドすることで駆動シャフトが一方向へ移動し、ロックアームが上方側から下方側へ回動して車椅子に設けられた固定バーを押さえ込む。そして、車椅子ユーザーの操作で駆動する駆動源からの駆動力により他方向へスライダーがスライドすることで駆動シャフトが他方向へ移動し、ロックアームが下方側から上方側へ回動して車椅子に設けられた固定バーに対する押さえ込みを解除する。つまり、車椅子ユーザーは、駆動源を駆動させる操作をするだけでよく、単独で車椅子固定装置を使用可能となる。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、車椅子固定装置を車椅子ユーザーが単独で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る車椅子固定装置をフロアから離して示す概略斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る車椅子固定装置の構成を示す概略分解斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る車椅子固定装置の使用状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、
図1、
図3において適宜示す矢印UPを車両上方向、矢印FRを車両前方向、矢印RHを車両右方向とする。したがって、以下の説明で、特記することなく上下、前後、左右の方向を記載した場合は、車両における上下、前後、左右を示すものとする。また、車両に乗車した際の車椅子の向きは、車両の進行方向であるが、この向きに限定されるものではない。
【0011】
図1に示されるように、本実施形態に係る車椅子固定装置20は、例えば公共交通機関であるバス等の車両10におけるフロア12の下方側に配置されている。このフロア12における車椅子専用スペースには、後述する左右一対のロックアーム40の先端部40F側が突出する、前後方向に長いスリット部14が左右一対で形成されている。
【0012】
なお、
図3に示されるように、フロア12から突出している左右一対のロックアーム40の先端部40Fが押さえ込んでロックする車椅子(図示省略)の固定バー50は、例えば直径12mmの円柱状とされており、車椅子の前輪と後輪との中間付近における高さ50mmの部位に、車椅子の幅方向を軸方向として架設されている。
【0013】
図2に示されるように、車椅子固定装置20は、車椅子ユーザー(図示省略)が、車両10に設けられている操作スイッチ(図示省略)を操作することで駆動する駆動源としての電動モータ16を備えている。電動モータ16は、車両10に搭載されているバッテリ(図示省略)から供給される電力で駆動するように構成されている。
【0014】
そして、この車椅子固定装置20は、電動モータ16の駆動力により、後述する伝達ギア17、駆動ギア18、駆動ロッド28を介して前方向(一方向)及びその前方向(一方向)とは逆方向である後方向(他方向)へスライドするスライダー30を有するベース部材22を備えている。
【0015】
具体的に説明すると、このベース部材22は、前後方向から見た正面視で略「U」字状に形成されており、その左右両側部24は、上方側へ向かって屈曲されて起立している。なお、ベース部材22の中央部26は、略矩形状に盛り上がっているが、その高さは、側部24よりも低い。そして、ベース部材22の中央部26には、スライダー30が前後方向へスライド可能に設けられている。
【0016】
すなわち、ベース部材22の中央部26には、前後方向に延在する長孔部26Aが形成されており、スライダー30は、その長孔部26Aに沿って往復移動(スライド)可能に構成されている。そして、スライダー30の後端部30Fには、後述する駆動ロッド28の前端部28B(他端部)が回動可能に取り付けられている。
【0017】
ベース部材22の中央部26における後端部26Fには、上下方向を軸方向とする駆動ギア18が回動可能に設けられている。この駆動ギア18は、電動モータ16の伝達ギア17と噛み合っており、電動モータ16の回転駆動力によって正逆両方向へ回転するようになっている。
【0018】
そして、駆動ギア18の上面には、駆動ロッド28の後端部28A(一端部)が回動可能に取り付けられており、駆動ロッド28の前端部28Bがスライダー30の後端部30Fに回動可能に取り付けられている。したがって、電動モータ16の回転駆動力により伝達ギア17を介して駆動ギア18が正逆両方向に回動すると、駆動ロッド28を介してスライダー30が前後方向に移動する構成になっている。
【0019】
また、このスライダー30には、平面視でスライド方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)に延在する円柱状の駆動シャフト34の中央部側が取り付けられている。すなわち、スライダー30の左右両側部32は、上方側へ向かって屈曲されて起立しており、その前後方向中央部には円弧状の切欠部32Aが形成されている。駆動シャフト34は、その切欠部32A内に挿入されて接合固定されている。
【0020】
また、ベース部材22の左右両側部24には、前後方向に延在する長孔部24Aが形成されており、駆動シャフト34の両端部34Aは、それぞれ長孔部24Aに挿通されている。また、ベース部材22の左右両側部24の外側には、平板状のロックアーム40が重ねられて設けられており、その左右一対のロックアーム40は、それぞれ側部24に上下方向に回動可能に支持されている。
【0021】
すなわち、ベース部材22の左右両側部24における前端上部24Bに、左右一対のロックアーム40の前端上部40Bがそれぞれ回動可能に設けられており、各ロックアーム40は、その前端上部40Bを回動支点(左右方向を回動軸方向)として上下方向に回動可能になっている。そして、各ロックアーム40の回動支点とは反対側となる先端部40Fにおける下部側には、車椅子の固定バー50が挿入される略円弧状の切欠部40Cが形成されている。
【0022】
また、各ロックアーム40には、前後方向を長手方向とする所定のカム形状とされたカム孔部40Aが形成されており、駆動シャフト34の両端部34Aが、それぞれカム孔部40Aに挿通されている。つまり、ベース部材22の両側部24における長孔部24Aと各ロックアーム40のカム孔部40Aとは互いに連通しており、駆動シャフト34の両端部34Aは、互いに連通された長孔部24A及びカム孔部40Aに挿通されている。
【0023】
また、ベース部材22の中央部26と両側部24との間の凹部25には、各ロックアーム40の先端部40F側を常時上方側へ持ち上げるための左右一対の持上ブラケット42が設けられている。各持上ブラケット42は、各ロックアーム40の先端部40F側を最上位置に保持する本体部44と、ベース部材22の側部24に固定される固定部46と、本体部44の先端部44F側と固定部46の先端部46Fとの間に架設されたコイルバネ48と、を有している。
【0024】
本体部44の前端部44Bは、ベース部材22の側部24における前端下部24C及び固定部46の前端部46Bに対して回動可能に設けられている。そして、固定部46の前端部46Bは、その先端部46F側を最上位置に位置させる角度で、ベース部材22の側部24における前端下部24Cに固定されている。
【0025】
また、本体部44の先端部44Fには、正面視で略「U」字状となる係止部45が一体に形成されており、その係止部45内にロックアーム40の先端部40F側が挿入されるようになっている。つまり、各ロックアーム40は、係止部45により下方側から支持されて最上位置まで持ち上げられるようになっている。そして、各ロックアーム40は、各コイルバネ48の付勢力に抗して下方位置へ回動可能になっている。
【0026】
具体的に説明すると、スライダー30が後方側へ移動して駆動シャフト34が後方側へ移動すると、各カム孔部40Aのカム形状により、各ロックアーム40の先端部40F側がコイルバネ48の付勢力に抗して上方側から下方側へ回動するようになっている。これにより、車椅子に設けられた固定バー50の軸方向略中央部分に各ロックアーム40の切欠部40Cが嵌められるとともに、その固定バー50が各ロックアーム40によって押さえ込まれ、車椅子が動かないようにロックされる構成になっている。
【0027】
そして、スライダー30が前方側へ移動して駆動シャフト34が前方側へ移動すると、各カム孔部40Aのカム形状により、各ロックアーム40の先端部40F側がコイルバネ48の付勢力(復元力)によって下方側から上方側へ回動するようになっている。これにより、車椅子に設けられた固定バー50に対する各ロックアーム40による押さえ込みが解除されるとともに、各ロックアーム40の切欠部40Cが固定バー50から外れ、車椅子が動けるようにアンロックされる構成になっている。
【0028】
また、各ロックアーム40の前端部には、前方側へ突出する突起部41が一体に形成されている。各突起部41は、各ロックアーム40の回動に伴って、リミットスイッチ36の隙間に対して出入可能に構成されており、リミットスイッチ36により、各ロックアーム40の回動角度が検知される構成になっている。
【0029】
すなわち、例えば各ロックアーム40の先端部40F側が最上位置にあるときには、リミットスイッチ36の隙間に突起部41が非挿入とされ、各ロックアーム40の先端部40F側が下方側へ回動して、車椅子に設けられている固定バー50をロックしたときには、リミットスイッチ36の隙間に挿入される構成とされている。これにより、車椅子に設けられている固定バー50が確実にロックされているか否かが検知されるようになっている。
【0030】
なお、各ロックアーム40の先端部40F側をリミットスイッチ38によって検知するようにしてもよい。すなわち、各ロックアーム40の先端部40F側の下がり具合をリミットスイッチ38で検知し、車椅子に設けられている固定バー50が確実にロックされているか否かを検知するようにしてもよい。
【0031】
いずれにしても、その検知結果から、各ロックアーム40によるロックが不完全であると判断されたら、車両10に設けられた表示装置(図示省略)に表示したり、アラームを吹鳴したりするように構成されることが望ましい。これにより、車椅子ユーザーが車椅子のロックが不完全であることを認識でき、各ロックアーム40によるロック動作のやり直しができる。
【0032】
以上のような構成とされた本実施形態に係る車椅子固定装置20において、次にその作用について説明する。
【0033】
車椅子ユーザーが車両10に乗車した際には、その車椅子の固定バー50を車椅子固定装置20の左右一対のロックアーム40に対応した位置まで移動させる。なお、このとき、車椅子ユーザーは、操作スイッチを操作し、電動モータ16を駆動させる。すなわち、駆動ロッド28を介してスライダー30を後方側へスライドさせ、駆動シャフト34を後方側へ移動させる。
【0034】
これにより、各ロックアーム40の先端部40Fがコイルバネ48の付勢力に抗して上方側から下方側へ向かって回動し、フロア12内に没入するため、車椅子ユーザーは、車椅子ステップ(図示省略)が各ロックアーム40の先端部40Fに引っ掛かることなく、車椅子を前進させることができる。
【0035】
その後、フロア12における車椅子専用スペースの適切な位置で車椅子を停止させたら、車椅子ユーザーは、操作スイッチを操作し、電動モータ16を逆方向に駆動させる。すると、伝達ギア17を介して駆動ギア18が逆方向に回転し、駆動ロッド28を介してスライダー30が前方側へスライドする。つまり、駆動シャフト34が前方側へ移動する。これにより、各ロックアーム40の先端部40Fがコイルバネ48の付勢力(復元力)によって下方側から上方側へ向かって回動し、フロア12から突出する。
【0036】
各ロックアーム40の先端部40Fをフロア12から突出させたら、車椅子ユーザーは、車椅子を僅かに前進させ、操作スイッチを操作し、電動モータ16を駆動させる。すると、伝達ギア17を介して駆動ギア18が回転し、駆動ロッド28を介してスライダー30が後方側へスライドする。つまり、駆動シャフト34が後方側へ移動する。
【0037】
これにより、各ロックアーム40の先端部40Fがコイルバネ48の付勢力に抗して上方側から下方側へ向かって回動し、各切欠部40Cが固定バー50の軸方向略中央部分に嵌められるとともに、その固定バー50を各ロックアーム40が上方側から押さえ込む。すなわち、車椅子が動かないようにロックされる。
【0038】
なお、各ロックアーム40は、その切欠部40Cが固定バー50の軸方向略中央部に嵌まってロックするため、平面視で、車椅子が、その幅方向に対して多少(例えば6度程度)傾いていても、各ロックアーム40による押圧力で正規位置まで引きずり込んで確実にロックすることができる。したがって、車椅子ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0039】
一方、車椅子ユーザーが車両10から降車する際には、その車椅子ユーザーが操作スイッチを操作し、電動モータ16を逆方向に駆動させる。すると、伝達ギア17を介して駆動ギア18が逆方向に回転し、駆動ロッド28を介してスライダー30が前方側へスライドする。つまり、駆動シャフト34が前方側へ移動する。
【0040】
これにより、各ロックアーム40の先端部40Fがコイルバネ48の付勢力(復元力)によって下方側から上方側へ向かって回動し、固定バー50に対する押さえ込みが解除されるとともに、各切欠部40Cが固定バー50から外れる。すなわち、車椅子が動けるようにアンロックされる。
【0041】
車椅子のロックが解除されたら、車椅子ユーザーは、車椅子を後進させる。なお、このとき、各ロックアーム40の先端部40Fがフロア12から突出しているが、車椅子は、車椅子ステップによって各ロックアーム40の先端部40Fをフロア12内へ押し込みつつ後進することができる。つまり、車椅子ユーザーは、車椅子ステップが各ロックアーム40に引っ掛かることなく、車両10から降車することができる。
【0042】
このように、車椅子ユーザーは、電動モータ16を駆動させるための操作スイッチを操作するだけでよく、単独で車椅子固定装置20を使用することができる。つまり、車椅子ユーザーは、車両10への乗車及び車両10からの降車において、単独で車椅子に対するロック及びアンロックができるため、介助者無しで外出することができる。
【0043】
また、この車椅子固定装置20は、不使用時には、操作スイッチを操作することにより、各ロックアーム40の先端部40Fをフロア12内に没入させておくことができるため(フロア12をフラットな状態にすることができるため)、各ロックアーム40が邪魔になることがなく、商品性を向上させることができる。また、この車椅子固定装置20は、機構が簡素化されているため、小型であり、かつ安価で製造することができる。
【0044】
以上、本実施形態に係る車椅子固定装置20について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る車椅子固定装置20は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、車椅子ユーザーが車両10に乗車する際、車椅子ステップが各ロックアーム40の先端部40Fに引っ掛からないようになっているのであれば、各ロックアーム40の先端部40Fは、予めフロア12から突出されていてもよい。また、車椅子ユーザーが所有するスマホなどの操作で電動モータ16が駆動するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
16 電動モータ(駆動源)
20 車椅子固定装置
22 ベース部材
30 スライダー
34 駆動シャフト
40 ロックアーム
40A カム孔部
50 固定バー
【手続補正書】
【提出日】2023-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る第1の態様の車椅子固定装置は、車椅子ユーザーの操作で駆動する駆動源からの駆動力により一方向及び該一方向とは逆方向の他方向へスライドするスライダーを有するベース部材と、前記スライダーに取り付けられ、平面視でスライド方向と直交する方向に延在する駆動シャフトと、前記ベース部材の両側に上下方向に回動可能に一対で設けられるとともに、前記駆動シャフトの両端部がそれぞれ挿入されるカム孔部を有し、前記駆動シャフトの前記一方向への移動により上方側から下方側へ回動して車椅子に設けられた固定バーを押さえ込み、前記駆動シャフトの前記他方向への移動により下方側から上方側へ回動して前記固定バーに対する押さえ込みを解除するロックアームと、を備えている。
また、本発明に係る第2の態様の車椅子固定装置は、第1の態様の車椅子固定装置であって、前記ロックアームは、前記固定バーに嵌められる切欠部を有している。
また、本発明に係る第3の態様の車椅子固定装置は、第1又は第2の態様の車椅子固定装置であって、車両におけるフロアの下方側に配置されるとともに、前記フロアに形成されたスリット部から前記ロックアームが出入可能に構成されている。
また、本発明に係る第4の態様の車椅子固定装置は、第1~第3の何れか1つの態様の車椅子固定装置であって、前記ロックアームの回動角度を検知するリミットスイッチが設けられている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
第1の態様の発明によれば、車椅子ユーザーの操作で駆動する駆動源からの駆動力により一方向へスライダーがスライドすることで駆動シャフトが一方向へ移動し、ロックアームが上方側から下方側へ回動して車椅子に設けられた固定バーを押さえ込む。そして、車椅子ユーザーの操作で駆動する駆動源からの駆動力により他方向へスライダーがスライドすることで駆動シャフトが他方向へ移動し、ロックアームが下方側から上方側へ回動して車椅子に設けられた固定バーに対する押さえ込みを解除する。つまり、車椅子ユーザーは、駆動源を駆動させる操作をするだけでよく、単独で車椅子固定装置を使用可能となる。
第2の態様の発明によれば、ロックアームが固定バーに嵌められる切欠部を有している。したがって、平面視で、車椅子が、その幅方向に対して多少傾いていても、ロックアームの切欠部が固定バーに嵌まることによる押圧力で正規位置まで引きずり込まれる。これにより、車椅子ユーザーの利便性が向上される。
第3の態様の発明によれば、車椅子固定装置が車両におけるフロアの下方側に配置され、そのフロアに形成されたスリット部からロックアームが出入可能に構成されている。したがって、車椅子ステップがロックアームに引っ掛かることがない。また、不使用時にフロアをフラットな状態にできるため、ロックアームが邪魔になることがなく、商品性が向上される。
第4の態様の発明によれば、ロックアームの回動角度を検知するリミットスイッチが設けられている。したがって、ロックアームによって固定バーが確実に押さえ込まれているか否かが検知可能となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子ユーザーの操作で駆動する駆動源からの駆動力により一方向及び該一方向とは逆方向の他方向へスライドするスライダーを有するベース部材と、
前記スライダーに取り付けられ、平面視でスライド方向と直交する方向に延在する駆動シャフトと、
前記ベース部材の両側に上下方向に回動可能に一対で設けられるとともに、前記駆動シャフトの両端部がそれぞれ挿入されるカム孔部を有し、前記駆動シャフトの前記一方向への移動により上方側から下方側へ回動して車椅子に設けられた固定バーを押さえ込み、前記駆動シャフトの前記他方向への移動により下方側から上方側へ回動して前記固定バーに対する押さえ込みを解除するロックアームと、
を備えた車椅子固定装置。
【請求項2】
前記ロックアームは、前記固定バーに嵌められる切欠部を有する請求項1に記載の車椅子固定装置。
【請求項3】
車両におけるフロアの下方側に配置されるとともに、前記フロアに形成されたスリット部から前記ロックアームが出入可能に構成されている請求項1又は請求項2に記載の車椅子固定装置。
【請求項4】
前記ロックアームの回動角度を検知するリミットスイッチが設けられている請求項3に記載の車椅子固定装置。