(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046417
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/174 20170101AFI20240327BHJP
【FI】
G06T7/174
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151795
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大川 和宏
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096BA07
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA69
5L096GA51
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体に、印刷要求に係る印刷画像データを印刷し、印刷された加工媒体を読み取って得られた読取画像データと、印刷画像データとを比較するにあたり、与えられた事前加工位置の位置を示すデータに依ることなく事前加工領域を特定可能とする。
【解決手段】事前加工領域特定部40は、印刷前読取画像データNSIにおける事前加工像を含む座標領域を事前加工領域PAとして特定する。判定条件設定部42は、事前加工領域PAにおける判定条件を非加工領域の判定条件に比して、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異があると判定され難くなるように設定する。比較処理部44は、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの比較結果が設定された判定条件を満たす場合に、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異があると判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体であって、印刷要求に応じた印刷画像データが印刷されていない加工媒体を読み取って得られた印刷前読取画像データにおける、前記画像又は前記模様に対応する像を含む座標領域を事前加工領域として特定し、
前記印刷画像データが印刷された前記加工媒体を読み取って得られた印刷後読取画像データと、前記印刷画像データとを比較し、比較結果が判定条件を満たす場合に、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定し、
前記事前加工領域における前記判定条件を、前記事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記事前加工領域を除外して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間の差異を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
特定された前記事前加工領域を表す情報をメモリに記憶させ、
ユーザから指定された前記事前加工領域における前記判定条件を、当該事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記加工媒体の種類を識別する媒体識別子と、当該加工媒体の種類に関する前記事前加工領域を表す情報とを関連付けてメモリに記憶させ、
ユーザから指定された前記加工媒体の種類に対応する前記事前加工領域における前記判定条件を、当該事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
同種類の複数の前記加工媒体に対応する複数の前記印刷前読取画像データそれぞれに対して、前記画像又は前記模様に対応する像を含む座標領域を仮事前加工領域として特定し、
複数の前記印刷前読取画像データにおいて特定された複数の前記仮事前加工領域に基づいて、前記事前加工領域を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
特定された複数の前記仮事前加工領域にいずれも含まれる座標領域を前記事前加工領域として特定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
複数の前記印刷前読取画像データに対する複数回の前記仮事前加工領域の特定において、所定回数以上、前記仮事前加工領域に含まれた座標領域を前記事前加工領域として特定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体であって、印刷要求に応じた印刷画像データが印刷されていない加工媒体を読み取って得られた印刷前読取画像データにおける、前記画像又は前記模様に対応する像を含む座標領域を事前加工領域として特定させ、
前記印刷画像データが印刷された前記加工媒体を読み取って得られた印刷後読取画像データと、前記印刷画像データとを比較し、比較結果が判定条件を満たす場合に、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定させ、
前記事前加工領域における前記判定条件を、前記事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定させる、
ことを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体に、印刷要求に係る印刷画像データを印刷し、印刷済みの加工媒体を読み取って得られた読取画像データと、印刷画像データとを比較することで、印刷済みの加工媒体を検査することが行われている。ここで、印刷画像データは、加工媒体に予め施された画像や模様を含んでいないため、読取画像データと印刷画像データを単純に比較したのでは、適切な検査を行うことができない。したがって、従来、読取画像データと印刷画像データとの比較によって適切な検査ができるように工夫がされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、予め画像が印刷されたプレプリント紙に印刷要求に係る印刷画像データを印刷し、印刷済みの印刷原稿を読み取って得られた画像データと印刷画像データとを照合する検査システムであって、印刷画像データに基づいて、検査対象となるイネーブル領域を設定し、イネーブル領域に含まれるイメージ(つまり印刷したイメージのみ)を抽出して照合を行う検査システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、プレプリント画像が印刷されたプレプリント紙の種類を示すコード画像を印刷要求に係る印刷画像データに付与しておき、当該コード画像に基づいてマスク画像を求め、マスク画像に基づいてプレプリント画像をマスクした上で、出力画像(印刷画像データをプレプリント紙に印刷した媒体を読み取って得られた画像)と印刷画像データとを比較する印刷検査装置が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、事前画像データが印刷された印刷媒体(プレプリント紙)上に基準画像データが印刷された印刷物を読み取って検査画像データを取得し、事前画像データから検査画像データを減算することでプレプリント紙の異常を判定するとともに、検査画像データから事前画像データを減算して第二の差分画像を得て、基準画像データから第二の差分画像を減算することで印刷物の検査を行う印刷物検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-310567号公報
【特許文献2】特開2005-212162号公報
【特許文献3】特開2005-041122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体に、印刷要求に係る印刷画像データを印刷し、印刷された加工媒体を読み取って得られた読取画像データと、印刷画像データとを比較するにあたり、印刷画像データに含まれる像(文字や画像など)の周囲のみを検査対象領域として設定することが考えられる。しかしながら、この場合、印刷画像データに含まれる像の周囲以外の部分の検査ができなくなってしまう。例えば、印刷画像データに含まれる像の周囲以外の部分に付いた汚れなどを検出することができない。
【0008】
したがって、加工媒体に予め印刷された画像の位置、あるいは、加工媒体に予め施された模様の位置(以下、これらをまとめて「事前加工領域」と呼ぶ)を特定した上で、特定した事前加工領域を考慮して、読取画像データと印刷画像データを比較するのが望ましい。
【0009】
ここで、読取画像データと印刷画像データとを比較する装置に対して、事前加工領域を示すデータを当該装置に与えることが考えられる。しかしながら、事前加工領域を示すデータを当該装置に与える場合、手間が掛かるなどの問題が生じ得る。
【0010】
例えば、印刷画像データに事前加工領域の位置を示すデータを付与しておく方法が考えられる。しかしながら、この方法では、印刷画像データを加工する必要があり、その手間が掛かってしまう。また、例えば、加工媒体を作成すべく事前印刷(プレプリント)を行った時の事前印刷画像データなどを、事前加工領域の位置を示すデータとして、検査装置に与える方法も考えられる。しかしながら、検査装置がそのようなデータを取得できない場合もあり得る。また、事前加工領域を、逐一ユーザが指定する方法も考えられるが、この方法でも、ユーザの手間が掛かるという問題が生じ得る。
【0011】
本発明の目的は、予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体に、印刷要求に係る印刷画像データを印刷し、印刷された加工媒体を読み取って得られた読取画像データと、印刷画像データとを比較するにあたり、与えられた事前加工位置の位置を示すデータに依ることなく事前加工領域を特定可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体であって、印刷要求に応じた印刷画像データが印刷されていない加工媒体を読み取って得られた印刷前読取画像データにおける、前記画像又は前記模様に対応する像を含む座標領域を事前加工領域として特定し、前記印刷画像データが印刷された前記加工媒体を読み取って得られた印刷後読取画像データと、前記印刷画像データとを比較し、比較結果が判定条件を満たす場合に、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定し、前記事前加工領域における前記判定条件を、前記事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定する、ことを特徴とする画像処理装置である。
請求項2に係る発明は、前記プロセッサは、前記事前加工領域を除外して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間の差異を判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に係る発明は、前記プロセッサは、特定された前記事前加工領域を表す情報をメモリに記憶させ、ユーザから指定された前記事前加工領域における前記判定条件を、当該事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
請求項4に係る発明は、前記プロセッサは、前記加工媒体の種類を識別する媒体識別子と、当該加工媒体の種類に関する前記事前加工領域を表す情報とを関連付けてメモリに記憶させ、ユーザから指定された前記加工媒体の種類に対応する前記事前加工領域における前記判定条件を、当該事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定する、ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置である。
請求項5に係る発明は、前記プロセッサは、同種類の複数の前記加工媒体に対応する複数の前記印刷前読取画像データそれぞれに対して、前記画像又は前記模様に対応する像を含む座標領域を仮事前加工領域として特定し、複数の前記印刷前読取画像データにおいて特定された複数の前記仮事前加工領域に基づいて、前記事前加工領域を特定する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項6に係る発明は、前記プロセッサは、特定された複数の前記仮事前加工領域にいずれも含まれる座標領域を前記事前加工領域として特定する、ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置である。
請求項7に係る発明は、前記プロセッサは、複数の前記印刷前読取画像データに対する複数回の前記仮事前加工領域の特定において、所定回数以上、前記仮事前加工領域に含まれた座標領域を前記事前加工領域として特定する、ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置である。
請求項8に係る発明は、コンピュータに、予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体であって、印刷要求に応じた印刷画像データが印刷されていない加工媒体を読み取って得られた印刷前読取画像データにおける、前記画像又は前記模様に対応する像を含む座標領域を事前加工領域として特定させ、前記印刷画像データが印刷された前記加工媒体を読み取って得られた印刷後読取画像データと、前記印刷画像データとを比較し、比較結果が判定条件を満たす場合に、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定させ、前記事前加工領域における前記判定条件を、前記事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定させる、ことを特徴とする画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1又は8に係る発明によれば、予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体に、印刷要求に係る印刷画像データを印刷し、印刷された加工媒体を読み取って得られた読取画像データと、印刷画像データとを比較するにあたり、与えられた事前加工位置の位置を示すデータに依ることなく事前加工領域を特定することができる。
請求項2に係る発明によれば、印刷後読取画像データと印刷画像データとの事前加工領域における差分を全く考慮せずに、印刷後読取画像データと印刷画像データとの間の差異を判定することができる。
請求項3に係る発明によれば、ユーザは、過去に特定された事前加工領域を再利用することができる。
請求項4に係る発明によれば、ユーザは、加工媒体の種類を選択することで、適切な事前加工領域を再利用することができる。
請求項5によれば、印刷画像データが印刷されていない加工媒体の不具合、又は、印刷前読取画像データにおける、加工媒体に予め印刷された画像又は予め設けられた模様に対応する像の位置のずれを考慮して事前加工領域を設定することができる。
請求項6によれば、印刷画像データが印刷されていない加工媒体に不具合があった場合に、事前加工領域が不適切な領域に設定されてしまうことを抑制することができる。
請求項7によれば、印刷前読取画像データにおける、加工媒体に予め印刷された画像又は予め設けられた模様に対応する像の位置のずれを考慮して事前加工領域を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係る検査システムの構成概略図である。
【
図6】事前加工領域特定部の処理内容を示す概念図である。
【
図7】複数の仮事前加工領域に基づいて特定された事前加工領域を示す第1の図である。
【
図8】複数の仮事前加工領域に基づいて特定された事前加工領域を示す第2の図である。
【
図10】本実施形態に係る検査装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本実施形態に係る検査システム10の構成概略図である。検査システム10は、コントローラ12、複合機14、及び、画像処理装置としての検査装置16を含んで構成される。コントローラ12、複合機14、及び検査装置16は、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの通信回線18を介して互いに通信可能に接続されている。
【0016】
検査システム10は、印刷要求としての印刷ジョブに係る印刷画像データを、紙などの印刷媒体に印刷し、印刷画像データが印刷された印刷媒体を光学的に読み取って読取画像データを得て、印刷画像データと読取画像データとを比較して、印刷画像データと読取画像データとの間における差異を検出するシステムである。これにより、印刷画像データを印刷した印刷媒体の不良の検出などを行う。特に、詳しくは後述するが、本実施形態では、印刷画像データは、予め画像が印刷された又は模様が施された印刷媒体(これを本明細書では「加工媒体」と呼ぶ)に印刷される。
【0017】
コントローラ12は、例えばコンピュータから構成される。コントローラ12は、通信回線18を介して複合機14及び検査装置16と通信するための通信インターフェース、ディスプレイ、ユーザが指示を入力するための入力インターフェース、データを記憶するためのメモリ、及び、各処理を実行するプロセッサなどを含んで構成される。
【0018】
コントローラ12は、複合機14に印刷処理を実行させるための印刷ジョブを、ユーザが使用するユーザ端末(不図示)から受信する。コントローラ12は、印刷ジョブに基づいてラスタライズ処理を実行し、当該印刷ジョブで印刷が指示されている印刷画像データのデータ形式を、複合機14が認識可能なラスタ形式(例えばビットマップ形式)に変換する。コントローラ12は、ラスタ形式の印刷画像データを複合機14及び検査装置16に送信する。
【0019】
複合機14は、通信回線18を介してコントローラ12及び検査装置16と通信するための通信インターフェース、プリント装置、及び、スキャン装置などから構成される。プリント装置は、帯電ローラ、感光体ドラム、転写ローラ、定着ローラ、加圧ローラ、トナー、及び、印刷媒体を搬送するための媒体搬送機構などから構成される。スキャン装置は、光源及び画像センサなどから構成される。
【0020】
複合機14は、印刷ジョブに係る印刷画像データを印刷媒体(特に本実施形態では加工媒体)に印刷するプリント処理、印刷画像データが印刷された加工媒体を光学的に読み取って読取画像データを生成するスキャン処理などを実行する。
【0021】
複合機14は、コントローラ12から受信した印刷画像データを加工媒体に印刷し、印刷画像データが印刷された加工媒体をスキャナ装置で光学的に読み取って、当該加工媒体が表わされた読取画像データを取得する。複合機14は、読取画像データを検査装置16に送信する。
【0022】
特に、本実施形態では、複合機14は、印刷ジョブに応じた印刷画像データが印刷されていない加工媒体を読み取って得られた読取画像データ、及び、印刷ジョブに応じた印刷画像データが印刷された加工媒体を読み取って得られた読取画像データを取得して検査装置16に送信する。本明細書では、印刷画像データが印刷されていない加工媒体を読み取って得られた読取画像データを印刷前読取画像データと呼び、印刷画像データが印刷された加工媒体を読み取って得られた読取画像データを印刷後読取画像データと呼ぶ。また、印刷前読取画像データと印刷後読取画像データを区別しない場合は、これらを包括して単に読取画像データと呼ぶ。
【0023】
例えば、複合機14は、コントローラ12から印刷画像データと共に印刷命令を受信した場合、まず、印刷画像データを印刷せずに加工媒体を搬送して、スキャン装置に読み取らせる。これにより印刷前読取画像データが取得される。複合機14は、同種類の複数の加工媒体を搬送してスキャン装置に読み取らせることで、同種類の複数の加工媒体に対応する複数の印刷前読取画像データを取得するようにしてもよい。その後、複合機14は、印刷画像データを印刷した加工媒体を搬送して、スキャン装置に読み取らせる。これにより印刷後読取画像データが取得される。このような処理を行うことで、複合機14は、印刷前読取画像データと印刷後読取画像データとを連続して取得することができる。なお、印刷前読取画像データ及び印刷後読取画像データの取得方法はこれには限られない。
【0024】
図2は、検査装置16の構成概略図である。検査装置16は、例えばサーバコンピュータから構成されるが、以下に説明する機能を発揮可能な限りにおいてどのような装置であってもよい。
【0025】
通信インターフェース30は、例えばネットワークアダプタなどを含んで構成される。通信インターフェース30は、通信回線18を介してコントローラ12及び複合機14と通信する機能を発揮する。通信インターフェース30は、コントローラ12から印刷画像データを受信し、複合機14から読取画像データを受信する。
【0026】
入力インターフェース32は、例えばマウス、キーボード、あるいはタッチパネルなどから構成される。入力インターフェース32は、ユーザが種々の命令を検査装置16に入力するために用いられる。
【0027】
ディスプレイ34は、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)などから構成されるものである。ディスプレイ34には、後述のプロセッサ38により種々の画面が表示される。
【0028】
メモリ36は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。メモリ36は、後述のプロセッサ38とは別に設けられてもよいし、少なくとも一部がプロセッサ38の内部に設けられていてもよい。メモリ36には、検査装置16の各部を動作させるための画像処理プログラムが記憶される。なお、画像処理プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体に格納することもできる。検査装置16は、そのような記憶媒体から画像処理プログラムを読み取って実行することができる。
【0029】
プロセッサ38は、広義的な処理装置を指し、汎用的な処理装置(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ38としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。
【0030】
図1に示す通り、プロセッサ38は、メモリ36に記憶された画像処理プログラムにより、事前加工領域特定部40、判定条件設定部42、比較処理部44、及び、通知処理部46としての機能を発揮する。上述のように、本実施形態では、複合機14は、加工媒体に対して印刷画像データを印刷する。
図3には加工媒体Mの一例が示されており、
図4には印刷画像データPIの一例が示されており、
図5には、印刷後読取画像データPSIの一例が示されている。印刷画像データPIには、加工媒体Mに予め印刷された画像又は予め施された模様が含まれていないため、単純に、印刷画像データPIと印刷後読取画像データPSIとを比較したのでは、適切な検査を行うことができない。そこで、本実施形態では、プロセッサ38が有する上記各機能によって、印刷画像データPIと印刷後読取画像データPSIとの比較による適切な検査を実現する。
【0031】
事前加工領域特定部40は、複合機14から受信した印刷前読取画像データにおける、加工媒体Mに予め印刷された画像に対応する像、又は、加工媒体Mに予め施された模様に対応する像(本明細書では、これらを「事前加工像」と呼ぶ)を含む座標領域を事前加工領域として特定する。
【0032】
図6は、事前加工領域特定部40の処理内容を示す概念図である。本実施形態では、事前加工領域特定部40は、像を何も含まない白紙画像データWIと、印刷前読取画像データNSIとを比較して、差異があると判定された画素を含む座標領域を事前加工領域PAとして特定する。言うまでもなく、差異があると判定された画素群は、事前加工像に対応する画素群である。なお、白紙画像データWIは、予めメモリ36に記憶されていてよい。
【0033】
具体的には、事前加工領域特定部40は、白紙画像データWIと印刷前読取画像データNSIとの間で、対応する画素毎に画素値(例えばRGB値)を比較する。事前加工領域特定部40は、当該比較により、画素値の差分が、予め定められた閾値未満である場合は当該画素に差分がないと判定し、画素値の差分が所定の閾値以上である場合は当該画素に差異があると判定する。なお、当該閾値は、検査装置16の管理者などによって適宜決定されてよい。
【0034】
事前加工領域特定部40は、差異があると判定された画素群の外接矩形を事前加工領域PAとすることができる。また、複合機14のスキャン処理時に生じ得る印刷前読取画像データNSIにおける事前加工像の位置のずれを考慮して、事前加工領域特定部40は、差異があると判定された画素群の外接矩形を縦横に数画素拡張した矩形領域を事前加工領域PAとするようにしてもよい。
【0035】
また、複合機14が同種類の複数の加工媒体Mについての複数の印刷前読取画像データNSIを取得した場合は、事前加工領域特定部40は、同種類の複数の加工媒体Mに対応する複数の印刷前読取画像データNSIそれぞれに対して、事前加工像を含む座標領域を仮事前加工領域として特定し、複数の印刷前読取画像データNSIにおいて特定された複数の仮事前加工領域に基づいて、事前加工領域PAを特定するようにしてもよい。
【0036】
図7は、複数の仮事前加工領域PPAに基づいて特定された事前加工領域PAを示す第1の図である。
図7(及び後述の
図8)において、一点鎖線で示された3つの領域が3つの仮事前加工領域PPAを表し、実線で示された領域が事前加工領域PAを示す。例えば、
図7に示すように、事前加工領域特定部40は、同種類の複数の加工媒体Mに対応する複数の印刷前読取画像データNSIそれぞれに対して特定された複数の仮事前加工領域PPAにいずれも含まれる座標領域を事前加工領域PAとして特定してもよい。これにより、加工媒体の1つに不具合がある場合、例えば、加工媒体に汚れが付いていた場合などに、事前加工像を含まない領域に事前加工領域PAが設定されてしまうことを抑制することができる。
【0037】
図8は、複数の仮事前加工領域PPAに基づいて特定された事前加工領域PAを示す第2の図である。例えば、
図8に示すように、事前加工領域特定部40は、同種類の複数の加工媒体Mに対応する複数の印刷前読取画像データNSIに対する複数回の仮事前加工領域PPAの特定において、所定回数以上、仮事前加工領域PPAに含まれた座標領域を事前加工領域PAとして特定してもよい。
図8の例は、所定回数が1回に設定された例であり、この場合、複数の仮事前加工領域PPAのいずれかに含まれる座標領域が事前加工領域PAとして特定される。当該所定回数は、1回でなくてもよく、検査装置16の管理者などによって予め設定される。これにより、複合機14のスキャン処理時に生じ得る印刷前読取画像データNSIにおける事前加工像の位置のずれを考慮して、事前加工領域PAが設定することができる。
【0038】
事前加工領域特定部40は、上述のように特定した事前加工領域PAを表す情報をメモリ36に記憶させておくとよい。これにより、ユーザは、過去に特定された事前加工領域PAを再利用して、印刷画像データと印刷後読取画像データとの間における差異を検出する検査(詳細後述)を行うことができる。
【0039】
さらに好適には、事前加工領域特定部40は、加工媒体Mに対して、当該加工媒体Mの種類を識別する媒体識別子を付与し、加工媒体Mの媒体識別子と、当該加工媒体Mの種類に関する事前加工領域PAを表す情報とを関連付けてメモリ36に記憶させておくとよい。これにより、ユーザは、加工媒体Mの種類を選択することで、今から検査を行う加工媒体Mについて適切な事前加工領域PAを再利用することができるようになる。
【0040】
判定条件設定部42は、印刷後読取画像データPSI(
図5参照)と印刷画像データPI(
図4参照)とを後述の比較処理部44が比較する場合における、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異があると判定するための判定条件を設定する。例えば、比較処理部44が、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で、対応する画素毎に画素値を比較し、画素値の差分が閾値未満である場合は当該画素に差分がないと判定する場合、判定条件設定部42は、当該閾値を設定する。
【0041】
特に、判定条件設定部42は、事前加工領域特定部40が特定した事前加工領域PAにおける判定条件を、事前加工領域PA以外の領域(本明細書では「非加工領域」と記載する)の判定条件に比して、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異があると判定され難くなるように設定する。
【0042】
例えば、比較処理部44が、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で、対応する画素毎に画素値を比較し、画素値の差分が閾値未満である場合は当該画素に差分がないと判定する場合、判定条件設定部42は、事前加工領域PAについての当該閾値を、非加工領域についての閾値よりも大きい値に設定する。判定条件設定部42は、事前加工領域PAを比較処理部44における比較処理の対象から除外するように設定(例えば事前加工領域PAの閾値を無限大に設定するなど)してもよい。
【0043】
ユーザがメモリ36に記憶されている事前加工領域PAを指定した場合、判定条件設定部42は、ユーザにより指定された事前加工領域PAにおける判定条件を、非加工領域の判定条件に比して、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異があると判定され難くなるように設定する。
【0044】
また、加工媒体Mの媒体識別子と、当該加工媒体Mの種類に関する事前加工領域PAを表す情報とが関連付けられてメモリ36に記憶されている場合であって、ユーザが加工媒体Mの種類を指定した場合、判定条件設定部42は、ユーザから指定された加工媒体Mの種類に対応する事前加工領域PAを特定し、特定した事前加工領域PAにおける前記判定条件を、非加工領域の前記判定条件に比して、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異があると判定され難くなるように設定する。
【0045】
図9は、比較処理部44の処理内容を示す概念図である。比較処理部44は、印刷後読取画像データPSIと、印刷画像データPIとを比較し、比較結果が判定条件設定部42が設定した判定条件を満たす場合に、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異があると判定する。換言すれば、比較処理部44は、比較結果が判定条件設定部42が設定した判定条件を満たさない場合に、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異がないと判定する。
【0046】
特に、事前加工領域PAを比較処理の対象から除外するように判定条件設定部42が設定している場合、比較処理部44は、事前加工領域PAを除外して、非加工領域についてのみ、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間の差異を判定する。
【0047】
これにより、本来、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間には、事前加工像の部分に差異があるところ、比較処理部44は、比較処理において、事前加工像を含む事前加工領域PAをあまり考慮しない(あるいは全く考慮しない)ため、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間の真の差異を好適に判定することが可能となる。
【0048】
通知処理部46は、比較処理部44の判定結果をユーザに通知する。例えば、通知処理部46は、判定結果をディスプレイ34又はユーザ端末のディスプレイなどに表示させる。
【0049】
事前加工領域特定部40及び判定条件設定部42における処理は、検査装置16が印刷前読取画像データNSIを受信した後、あるいは、ユーザが事前加工領域PAを指定した後、直ちに行われるとよい。また、比較処理部44及び通知処理部46における各処理は、印刷後読取画像データPSI及び印刷画像データPIを受信した後、直ちに行われるとよい。換言すれば、プロセッサ38による検査処理は、印刷ジョブの印刷処理とリアルタイムに実行されるとよい。これにより、ユーザは、検査処理により印刷後読取画像データPSIが不良であると判定された場合、直ちに、当該印刷画像データに関する印刷処理を再度実行することなどが可能となる。
【0050】
本実施形態に係る検査装置16の概要は以上の通りである。以下、
図10に示すフローチャートに従って、検査装置16の処理の流れを説明する。
【0051】
ステップS10において、プロセッサ38は、ユーザが、メモリ36に記憶されている事前加工領域PAを指定したか否かを判定する。ユーザが指定していない場合はステップS12に進み、ユーザが指定した場合は、ステップS12~S14の処理をバイパスしてステップS16に進む。
【0052】
ステップS12において、検査装置16は、複合機14から印刷前読取画像データNSI(
図6参照)を受信する。
【0053】
ステップS14において、事前加工領域特定部40は、白紙画像データWIと、ステップS12で取得した印刷前読取画像データNSIとを比較して、差異があると判定された画素を含む座標領域を事前加工領域PAとして特定する。
【0054】
ステップS16において、判定条件設定部42は、ステップS14で特定された、あるいは、ステップS10でユーザが指定した事前加工領域PAにおける判定条件を、非加工領域の判定条件に比して、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異があると判定され難くなるように設定する。
【0055】
ステップS18において、検査装置16は、複合機14から印刷後読取画像データPSI(
図5又は
図9参照)を受信する。
【0056】
ステップS20において、検査装置16は、コントローラ12から印刷画像データPI(
図4又は
図9参照)を受信する。
【0057】
ステップS22において、比較処理部44は、ステップS18で取得した印刷後読取画像データPSIと、ステップS20で取得した印刷画像データPIとを比較し、比較結果がステップS16で設定した判定条件を満たす場合に、印刷後読取画像データPSIと印刷画像データPIとの間で差異があると判定する。
【0058】
ステップS24において、通知処理部46は、ステップS22における比較処理部44による判定結果をユーザに通知する。
【0059】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0060】
例えば、本実施形態では、事前加工領域特定部40、判定条件設定部42、比較処理部44、及び、通知処理部46の各機能を検査装置16が有していたが、これらの機能は、コントローラ12あるいは複合機14が有していてもよい。
【0061】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体であって、印刷要求に応じた印刷画像データが印刷されていない加工媒体を読み取って得られた印刷前読取画像データにおける、前記画像又は前記模様に対応する像を含む座標領域を事前加工領域として特定し、
前記印刷画像データが印刷された前記加工媒体を読み取って得られた印刷後読取画像データと、前記印刷画像データとを比較し、比較結果が判定条件を満たす場合に、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定し、
前記事前加工領域における前記判定条件を、前記事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
前記事前加工領域を除外して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間の差異を判定する、
ことを特徴とする(((1)))に記載の画像処理装置。
(((3)))
前記プロセッサは、
特定された前記事前加工領域を表す情報をメモリに記憶させ、
ユーザから指定された前記事前加工領域における前記判定条件を、当該事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定する、
ことを特徴とする(((1)))又は(((2)))に記載の画像処理装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記加工媒体の種類を識別する媒体識別子と、当該加工媒体の種類に関する前記事前加工領域を表す情報とを関連付けてメモリに記憶させ、
ユーザから指定された前記加工媒体の種類に対応する前記事前加工領域における前記判定条件を、当該事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定する、
ことを特徴とする(((3)))に記載の画像処理装置。
(((5)))
前記プロセッサは、
同種類の複数の前記加工媒体に対応する複数の前記印刷前読取画像データそれぞれに対して、前記画像又は前記模様に対応する像を含む座標領域を仮事前加工領域として特定し、
複数の前記印刷前読取画像データにおいて特定された複数の前記仮事前加工領域に基づいて、前記事前加工領域を特定する、
ことを特徴とする(((1)))に記載の画像処理装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
特定された複数の前記仮事前加工領域にいずれも含まれる座標領域を前記事前加工領域として特定する、
ことを特徴とする(((5)))に記載の画像処理装置。
(((7)))
前記プロセッサは、
複数の前記印刷前読取画像データに対する複数回の前記仮事前加工領域の特定において、所定回数以上、前記仮事前加工領域に含まれた座標領域を前記事前加工領域として特定する、
ことを特徴とする(((5)))に記載の画像処理装置。
(((8)))
コンピュータに、
予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体であって、印刷要求に応じた印刷画像データが印刷されていない加工媒体を読み取って得られた印刷前読取画像データにおける、前記画像又は前記模様に対応する像を含む座標領域を事前加工領域として特定させ、
前記印刷画像データが印刷された前記加工媒体を読み取って得られた印刷後読取画像データと、前記印刷画像データとを比較し、比較結果が判定条件を満たす場合に、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定させ、
前記事前加工領域における前記判定条件を、前記事前加工領域以外の領域の前記判定条件に比して、前記印刷後読取画像データと前記印刷画像データとの間で差異があると判定され難くなるように設定させる、
ことを特徴とする画像処理プログラム。
【0062】
(((1)))又は(((8)))に係る発明によれば、予め画像が印刷された又は模様が施された加工媒体に、印刷要求に係る印刷画像データを印刷し、印刷された加工媒体を読み取って得られた読取画像データと、印刷画像データとを比較するにあたり、与えられた事前加工位置の位置を示すデータに依ることなく事前加工領域を特定することができる。
(((2)))に係る発明によれば、印刷後読取画像データと印刷画像データとの事前加工領域における差分を全く考慮せずに、印刷後読取画像データと印刷画像データとの間の差異を判定することができる。
(((3)))に係る発明によれば、ユーザは、過去に特定された事前加工領域を再利用することができる。
(((4)))に係る発明によれば、ユーザは、加工媒体の種類を選択することで、適切な事前加工領域を再利用することができる。
(((5)))によれば、印刷画像データが印刷されていない加工媒体の不具合、又は、印刷前読取画像データにおける、加工媒体に予め印刷された画像又は予め設けられた模様に対応する像の位置のずれを考慮して事前加工領域を設定することができる。
(((6)))によれば、印刷画像データが印刷されていない加工媒体に不具合があった場合に、事前加工領域が不適切な領域に設定されてしまうことを抑制することができる。
(((7)))によれば、印刷前読取画像データにおける、加工媒体に予め印刷された画像又は予め設けられた模様に対応する像の位置のずれを考慮して事前加工領域を設定することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 検査システム、12 コントローラ、14 複合機、16 検査装置、18 通信回線、30 通信インターフェース、32 入力インターフェース、34 ディスプレイ、36 メモリ、38 プロセッサ、40 事前加工領域特定部、42 判定条件設定部、44 比較処理部、46 通知処理部。