(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046447
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240327BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20240327BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240327BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240327BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240327BHJP
H10B 43/40 20230101ALI20240327BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20240327BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240327BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11575
H01L29/78 371
H01L27/088 E
H01L27/06 102A
H01L27/04 C
H01L27/11573
H01L27/00 301B
H01L27/00 301C
H01L21/88 S
H01L21/90 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151846
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤瀬 晋也
【テーマコード(参考)】
5F033
5F038
5F048
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH04
5F033HH28
5F033KK08
5F033KK11
5F033MM30
5F033QQ38
5F033VV07
5F033VV10
5F033VV16
5F038AC05
5F038AC07
5F038AC15
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5F038CD14
5F038CD18
5F038DF05
5F038EZ01
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5F038EZ15
5F038EZ20
5F048AA01
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5F048AC01
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5F048BD07
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5F048BF15
5F048BF16
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5F048CB04
5F048DA24
5F083EP22
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5F083JA35
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5F083KA01
5F083KA05
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5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083MA20
5F083ZA28
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BH21
(57)【要約】
【課題】使用されていない導電層を有効に活用することができる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】本実施形態の半導体記憶装置は、複数の導電層および複数の絶縁層と、第1コンタクトプラグと、第2コンタクトプラグと、を有する。複数の導電層および複数の絶縁層は、第1方向に交互に積層される。第1コンタクトプラグは、複数の導電層に含まれる第1導電層に接し、第1方向に延びる。第2コンタクトプラグは、複数の導電層のうちの第1導電層の直上の導電層である第2導電層に対して接し、第1導電層を貫通して第1方向に延びる。第2コンタクトプラグは、第2導電体層と、第2導電体層と第1導電層との間に設けられ、第2導電体層と第1導電層とを絶縁する絶縁層とを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向(Z方向)に交互に積層された複数の導電層および複数の絶縁層と、
前記複数の導電層に含まれる第1導電層に接し、前記第1方向に延びる第1コンタクトプラグと、
前記複数の導電層のうちの前記第1導電層の直上の導電層である第2導電層に対して接し、前記第1導電層を貫通して前記第1方向に延びる第2コンタクトプラグと、
を有し、
前記第2コンタクトプラグは、第2導電体層と、前記第2導電体層と前記第1導電層との間に設けられ、前記第2導電体層と前記第1導電層とを絶縁する絶縁層とを含む半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1コンタクトプラグは、第1導電体層と、前記第1導電体層の外側に配置された絶縁層とにより形成される請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1導電層と前記第2導電層は、容量素子として機能する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記複数の導電層に対して階段状に接するように形成された複数の第3コンタクトプラグを有する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1コンタクトプラグ、前記第2コンタクトプラグ及び前記複数の第3コンタクトプラグの高さは同じである請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
少なくとも1つ以上のプレーンを有し、
前記第1コンタクトプラグは、前記プレーンを電気的に分離する絶縁層の外側に形成された前記第1導電層に接し、
前記第2コンタクトプラグは、前記プレーンを電気的に分離する絶縁層の外側に形成された前記第2導電層に接する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1コンタクトプラグ及び前記第2コンタクトプラグは、前記プレーンを電気的に分離する絶縁層の外側と前記半導体記憶装置の外周との間に形成される請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記プレーンを電気的に分離する絶縁層は、第2方向(X方向)に延伸する第1絶縁層と、前記第2方向に直交する第3方向(Y方向)に延伸する第2絶縁層と、を有し、
前記第2絶縁層の端部から前記第2方向に延伸する複数の第3絶縁層を更に有し、
前記第1コンタクトプラグ及び前記第2コンタクトプラグは、前記第2絶縁層と前記半導体記憶装置の外周と複数の第3絶縁層とに囲まれた複数の領域にそれぞれ形成される請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1コンタクトプラグ及び前記第2コンタクトプラグは、前記半導体記憶装置が前記プレーンを2つ以上有する際に、前記2つ以上のプレーン間のいずれか1つの領域に形成される請求項6に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の一種として、3次元のフラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、使用されていない導電層を有効に活用することができる半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の半導体記憶装置は、複数の導電層および複数の絶縁層と、第1コンタクトプラグと、第2コンタクトプラグと、を有する。複数の導電層および複数の絶縁層は、第1方向に交互に積層される。第1コンタクトプラグは、複数の導電層に含まれる第1導電層に接し、第1方向に延びる。第2コンタクトプラグは、複数の導電層のうちの第1導電層の直上の導電層である第2導電層に対して接し、第1導電層を貫通して第1方向に延びる。第2コンタクトプラグは、第2導電体層と、第2導電体層と第1導電層との間に設けられ、第2導電体層と第1導電層とを絶縁する絶縁層とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態の半導体記憶装置の構造を示す断面図である。
【
図1A】一実施形態の半導体記憶装置の構造の他の例を示す断面図である。
【
図1B】コンタクトプラグCCと導電層WL'の接続関係を示す図である。
【
図2】本実施形態のアレイチップの一例を平面図である。
【
図3】
図2の一部の部分A1を拡大して示した説明図である。
【
図4】
図3の一部の部分A2を拡大して示した説明図である。
【
図4A】メモリピラーMPのZ方向に垂直な平面での断面図である。
【
図6A】本実施形態のコンタクトプラグCCの製造工程の一例を示す断面図である。
【
図6B】本実施形態のコンタクトプラグCCの製造工程の一例を示す断面図である。
【
図6C】本実施形態のコンタクトプラグCCの製造工程の一例を示す断面図である。
【
図6D】本実施形態のコンタクトプラグCCの製造工程の一例を示す断面図である。
【
図6E】本実施形態のコンタクトプラグCCの製造工程の一例を示す断面図である。
【
図6F】本実施形態のコンタクトプラグCCの製造工程の一例を示す断面図である。
【
図7】変形例1に係るプレーンPB3の端部を拡大した拡大図である。
【
図8】
図7の一部の部分A3の積層構造の一例を示す斜視図である。
【
図9】変形例2に係るアレイチップの一例を平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0008】
図1は、一実施形態の半導体記憶装置の構造を示す断面図である。
図1の半導体記憶装置は、アレイチップ1と回路チップ2が貼り合わされた3次元メモリである。より具体的には、例えば、半導体記憶装置は、3次元フラッシュメモリである。なお、アレイチップ1は、1つの積層体へのメモリホール加工を1回で行う構造であるが、それに限られない。例えば、メモリホール加工を上下2つの積層体毎に分けて行う構造、従って、例えば、上下のメモリホールを接続する接続部を有する構造、あるいは、メモリホール加工を上中下の3つの積層体毎に分けて行う構造などであってもよい。
【0009】
アレイチップ1は、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイ11と、メモリセルアレイ11上の絶縁膜12と、メモリセルアレイ11下の層間絶縁膜13とを備える。絶縁膜12は例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜である。層間絶縁膜13は例えば、シリコン酸化膜、またはシリコン酸化膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0010】
回路チップ2は、アレイチップ1下に設けられる。符号Sは、アレイチップ1と回路チップ2との貼合面を示す。回路チップ2は、層間絶縁膜14と、層間絶縁膜14下の基板15とを備える。層間絶縁膜14は例えば、シリコン酸化膜、またはシリコン酸化膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。基板15は例えば、シリコン基板などの半導体基板である。
【0011】
図1は、基板15の表面に平行で互いに垂直なX方向およびY方向と、基板15の表面に垂直なZ方向とを示す。本明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していても一致していなくてもよい。
【0012】
アレイチップ1は、
図1に示すように、メモリセルアレイ11内の複数の電極層として、複数のワード線WLと、ソース線SLとを備える。複数のワード線WLは、層間絶縁膜を介してZ方向に積層される。メモリセルアレイ11は、階段構造部21を含み、階段構造部21において、各ワード線WLは、コンタクトプラグCCaを介してワード配線層23と電気的に接続される。セル領域で複数のワード線WLを貫通する各メモリピラーMPは、ビアプラグ24を介してビット線BLと電気的に接続され、かつソース線SLと電気的に接続される。ソース線SLは、これらのワード線WLの上方に設けられる。ソース線SLは、その上面側で後述するソース配線層46と電気的に接続される。ソース線SLは、半導体層である第1層SL1と、金属層である第2層SL2とを含む。第2層SL2は、第1層SL1上に設けられ、ソース線SLの電気抵抗低減のために設けられる。第1層SL1は例えば、n+型ポリシリコン層である。第2層SL2は例えば、タングステンシリサイドなどである。
【0013】
この実施形態では、ワード線WLと同層にワード線WLと同じ材料で構成される導電層WL'が形成される。複数の導電層WL'が、層間絶縁膜を介してZ方向に積層される。複数の導電層WL'は、メモリセルアレイ11の外側に設けられる。
【0014】
各導電層WL'は、絶縁層STにより各ワード線WLと電気的に分離される。絶縁層STの外側には、複数のコンタクトプラグCCが形成され、それぞれ異なる導電層WL'と電気的に接続される。各導電層WL'は、コンタクトプラグCCを介して配線層25と電気的に接続される。配線層25は、ワード配線層23と同じ高さの層であっても良い。
【0015】
回路チップ2は、複数のトランジスタ31を備える。各トランジスタ31は、基板15上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極32と、基板15内に設けられた不図示のソース拡散層およびドレイン拡散層とを備える。また、回路チップ2は、これらのトランジスタ31のソース拡散層またはドレイン拡散層上に設けられた複数のコンタクトプラグ33と、これらのコンタクトプラグ33上に設けられ、複数の配線を含む配線層34と、配線層34上に設けられ、各々が複数の配線を含む複数の配線層35とを備える。
【0016】
回路チップ2はさらに、配線層35上に設けられた複数のビアプラグ36と、これらのビアプラグ36上に設けられた複数の金属パッド37とを備える。金属パッド37は例えば、銅(Cu)層またはアルミニウム(Al)層である。本実施形態の回路チップ2は、アレイチップ1の動作を制御する制御回路(論理回路)として機能する。この制御回路は、トランジスタ31などにより構成されており、金属パッド37に電気的に接続される。この制御回路は例えば、メモリセルアレイ11の周辺回路を含んでいる。
【0017】
アレイチップ1は、金属パッド37上に設けられた複数の金属パッド41と、金属パッド41上に設けられた複数のビアプラグ42と、これらのビアプラグ42上に設けられ、各々が複数の配線を含む複数の配線層43とを備える。金属パッド41は例えば、銅層またはアルミニウム層である。また、アレイチップ1は、配線層43上に設けられた複数のビアプラグ44を備え、これらのビアプラグ44は、複数のビアプラグ44aと、複数のビアプラグ44bとを含んでいる。これらのビアプラグ44は、メモリセルアレイ11の外部にてメモリセルアレイ11の側方に設けられる。
【0018】
アレイチップ1はさらに、金属パッド45と、ソース配線層46と、パッシベーション膜47とを備える。
【0019】
金属パッド45は、ビアプラグ44aおよび絶縁膜12上に設けられており、ビアプラグ44aと接することでビアプラグ44aに電気的に接続される。本実施形態の金属パッド45は、半導体記憶装置の外部接続パッド(ボンディングパッド)として機能する。
【0020】
ソース配線層46は、ビアプラグ44b、メモリセルアレイ11、および絶縁膜12上に設けられており、ビアプラグ44bと接することでビアプラグ44bに電気的に接続される。ソース配線層46は、メモリセルアレイ11上に絶縁膜12を介して設けられた第1部分R1と、絶縁膜12内にてメモリセルアレイ11上に設けられた第2部分R2とを含んでいる。その結果、ソース配線層46は、ソース線SLに接するようにソース線SL上に設けられており、ソース線SLに電気的に接続される。
【0021】
本実施形態の金属パッド45とソース配線層46は、1つの同一の配線層内に設けられており、バリアメタル層45a、46aと、バリアメタル層45a、46a上の配線材層45b、46bとをそれぞれ含んでいる。バリアメタル層45a、46aは例えば、チタン窒化膜などの金属層である。配線材層45b、46bは例えば、アルミニウム層などの金属層である。
【0022】
本実施形態の金属パッド45とソース配線層46はそれぞれ、絶縁膜12を貫通するように設けられたビアプラグ44a、44b上に設けられる。よって、ビアプラグ44aの上端やビアプラグ44bの上端は、ソース線SLの上面よりも高い位置に設けられる。同様に、金属パッド45の下面や、ソース配線層46の第1部分R1の下面は、ソース線SLの上面よりも高い位置に設けられる。一方、ソース配線層46の第2部分R2の下面は、ソース線SLの上面に接する。具体的には、ソース配線層46のバリアメタル層46aが、ソース線SLの第2層SL2に接する。
【0023】
パッシベーション膜47は、金属パッド45、ソース配線層46、および絶縁膜12上に設けられる。パッシベーション膜47は例えば、シリコン酸化膜などの絶縁膜であり、金属パッド45の上面を露出させる開口部Pを有する。金属パッド45は、この開口部Pを介してボンディングワイヤ、はんだボール、金属バンプなどにより実装基板や他の装置に接続可能である。
【0024】
図1に示すように、メモリセルアレイ11は、メモリセルアレイ11の下の金属パッド41、37などを介して回路チップ2と電気的に接続されており、例えば、論理回路を構成するトランジスタ31などと電気的に接続される。これは、金属パッド45やソース配線層46についても同様である。金属パッド45は、ビアプラグ44aやその下の金属パッド41、37などを介して回路チップ2と電気的に接続されており、ソース配線層46は、ビアプラグ44bやその下の金属パッド41、37などを介して回路チップ2と電気的に接続される。本実施形態では、
図1の断面でメモリセルアレイ11がトランジスタ31と電気的に接続される。
図1と別の断面で、金属パッド45が他のトランジスタ31と電気的に接続され、ソース配線層46が、さらに他のトランジスタ31と電気的に接続される。
【0025】
図1Aは、一実施形態の半導体記憶装置の構造の他の例を示す断面図である。なお、
図1Aにおいて、
図1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0026】
図1Aに示すアレイチップ1Aでは、メモリセルアレイ11に階段構造部は設けられず、メモリセルアレイ11の中央部に、複数のコンタクトプラグCCaが形成される。この実施形態では、コンタクトプラグCCaは、コンタクトプラグCCとともに一括して形成することができ、このように形成されたコンタクトプラグCCaおよびコンタクトプラグCCの高さ、具体的には、-Z方向の下端の高さは同じである。
【0027】
なお、コンタクトプラグCCaは、メモリセルアレイ11の中央部に形成されているが、メモリセルアレイ11の端部に形成されてもよい。
【0028】
図1Bは、コンタクトプラグCCと導電層WL'の接続関係を示す図である。
【0029】
図1Bに示すように、コンタクトプラグCC-1、CC-2、・・・、CC-nは、それぞれ、導電層WL1'、WL2'、WL3'、・・・、WLn'に電気的に接続される。コンタクトプラグCC-1、CC-2、・・・、CC-nのそれぞれを区別する必要がない場合は、以下、適宜、コンタクトプラグCCと称する。各コンタクトプラグCCでは、中心に導電体層106が形成され、導電体層106の外側に絶縁層103が形成される。絶縁層103は、貫通した導電層WL'と導電体層106との間を電気的に絶縁し、絶縁破壊を防ぐ程度に厚く設けられる。
【0030】
このような構成により、導電層WL1'及びWL2'間、導電層WL2及びWL3間、・・・、導電層WLn-1及びWLn間に、それぞれ、層間容量C1、C2、・・・、Cn-1が形成される。層間容量C1、C2、・・・、Cn-1のそれぞれを区別する必要がないときは、以下、適宜、層間容量Cと称する。
【0031】
層間容量Cを並列に接続すれば、より大きな容量の容量素子を形成することができる。例えば、nが偶数であれば、コンタクトプラグCC-1、CC-3、・・・CC-(n-1)同士を配線で電気的に接続し、コンタクトプラグCC-2、CC-4、・・・CC-n同士を配線で電気的に接続すると、コンタクトプラグCC-1と、コンタクトプラグCC-2の間には、層間容量C1+C2+・・・+Cn-1の容量素子を形成することができる。
【0032】
次に、本実施形態のコンタクトプラグCCの構成について、
図2から
図5を用いて説明する。
【0033】
図2は、本実施形態のアレイチップの一例を平面図である。
図3は、
図2の一部の部分A1を拡大して示した説明図である。
図4は、
図3の一部の部分A2を拡大して示した説明図である。
図5は、
図4のIV-IV線に沿った断面図である。
【0034】
アレイチップ1は、複数のプレーンPB0、PB1、PB2及びPB3を有する。なお、以下の説明において、複数のプレーンPB0~PB3を区別する必要がない場合には単にプレーンPBという。また、
図2ではプレーンPBのプレーン数が4の例を示しているが、アレイチップ1が備えるプレーンの数は、2、8、16等であってもよい。
【0035】
各プレーンPBは、セル領域CAを備える。セル領域CAの外周には、X方向に延伸する2つの絶縁層ST1と、Y方向に延伸する2つの絶縁層ST2とが形成される。絶縁層ST1及びST2は、Z方向に複数のワード線WLを貫通するように形成される。これにより、各プレーンPBは、絶縁層ST1及びST2によって電気的に分離される。絶縁層ST1及びST2は、それぞれ第1絶縁層及び第2絶縁層の一例である。
【0036】
さらに、
図3に示すように、プレーンPBのセル領域CAは、複数のブロックBLK1、BLK2、・・・、を備える。複数のブロックBLK1、BLK2、・・・、を区別する必要がない場合には単にブロックBLKという。各ブロックBLKは、Z方向に複数のワード線WLを貫通するように形成され、X方向に延伸する複数の絶縁層ST3によって電気的に分離される。
【0037】
セル領域CAのうち絶縁層ST1及びST2に隣接する領域は、メモリセルトランジスタMTが形成されないダミー領域となる。そのため、ブロックBLK1は、全体にダミー領域DM1が形成されるダミーブロックとなる。
【0038】
また、ブロックBLK2は、絶縁層ST2に隣接する領域がダミー領域DM2となる。そして、ブロックBLK2は、ダミー領域DM2の内側にメモリセルトランジスタMTが形成されるメモリセルアレイ領域MAを有する。
【0039】
絶縁層ST1及びST2の外側とアレイチップ1の外周との間の領域OAには、後述リプレースによってワード線WLと同層にワード線WLと同じ材料で構成される導電層WL'が形成されるが、この領域OAに形成された導電層WL'はワード線WLとしては使用されない。この導電層WL'が形成される領域OAに、複数のコンタクトプラグCC1及びCC2を形成する。コンタクトプラグCC1及びCC2は、それぞれ第1コンタクトプラグ及び第2コンタクトプラグの一例である。なお、以下の説明において、複数のコンタクトプラグCC1及びCC2を区別する必要がない場合には単にコンタクトプラグCCという。
【0040】
複数のコンタクトプラグCCは、絶縁層ST1及びST2の外側の領域OAにおいて、Z方向に複数のワード線WLを貫通するように形成され、それぞれが異なるワード線WLに接続される。各コンタクトプラグCCは、中心に導電体層106が形成され、導電体層106の外側に絶縁層103が形成される。絶縁層103は、貫通した導電層WL'と電気的に絶縁し、絶縁破壊を防ぐ程度に厚く設けられる。
【0041】
図4に示すように、ダミー領域DM1及びDM2には、Z方向に延伸する複数の支持ピラーHRが形成される。各支持ピラーHRは、Z方向に複数のワード線WLを貫通するように形成される。支持ピラーHRは、アレイチップ1を製造する際に、後述するリプレース時に複数の絶縁層101(
図6A参照)を補強する目的で設けられる。支持ピラーHRは、例えば酸化シリコンによって構成される。
【0042】
メモリセルアレイ領域MAには、Z方向に延伸する複数のメモリピラーMPが形成される。各メモリピラーMPは、Z方向に複数のワード線WLを貫通するように形成される。
【0043】
図4Aは、メモリピラーMPのZ方向に垂直な平面での断面図である。
【0044】
図4Aに示すように、メモリピラーMPは、例えば、中心側にピラー状の半導体層(半導体ピラー)51と、半導体層51の外側に形成されるトンネル絶縁膜52と、トンネル絶縁膜52の外側に形成される電荷蓄積膜53と、電荷蓄積膜53の外側に形成されるブロック絶縁膜54とを含む。例えば、メモリピラーMPと複数のワード線WLのそれぞれとが交差する部分は、メモリセルトランジスタ(メモリセル)MTとして機能する。
【0045】
これらの複数のワード線WLのビット線BL側とソース線側とには、それぞれ、不図示の選択ゲートSGDが設けられ、メモリピラーMPとそれらの選択ゲートSGDとの交点には、選択トランジスタが形成される。
【0046】
Y方向に隣接する絶縁層ST3の間には、複数の絶縁層SHEが形成される。絶縁層SHEは、X方向およびZ方向に延び、選択ゲート線SGDをY方向に分離する。
【0047】
絶縁層ST1及びST2の外側の例えば数μmはリプレースされる領域となっており、金属の導電層WL'が存在する。この金属は、例えば、タングステンやモリブデンである。また、この導電層WL'には、例えば、チタンや窒化チタンといったバリアメタルを設ける場合には、それらが含まれる。本実施形態では、絶縁層ST1及びST2の外側の導電層WL'が存在する領域に複数のコンタクトプラグCCを形成して層間容量を形成する。
【0048】
絶縁層ST1及びST2の外側の領域OAには、Z方向に延伸する複数の支持ピラーHRが形成される。複数の支持ピラーHRが形成された後、絶縁層ST1及びST2の外側の領域OAにコンタクトプラグCCが形成される。なお、本実施形態とは異なるが、支持ピラーHRより先にコンタクトプラグCCを形成しても良い。
【0049】
図5に示すように、コンタクトプラグCC1の導電体層106は、導電層WL1'上に接して設けられる。また、コンタクトプラグCC2の導電体層106は、導電層WL1'をZ方向に貫通し、導電層WL2'に接して設けられる。
【0050】
コンタクトプラグCC1及びCC2の導電体層106の外側には絶縁層106が形成される。このため、設けられた導電層WL'以外の導電層WL'には電気的に接続されない。導電層WL1'とWL2'との間の層間容量Cは、コンタクトプラグCC1とコンタクトプラグCC2とを両端の端子として利用することで、容量素子として機能させることができる。
【0051】
次に、本実施形態におけるコンタクトプラグCCの製造方法の一例について説明する。
図6Aから
図6Fは、本実施形態のコンタクトプラグCCの製造工程の一例を示す断面図である。
【0052】
以下、導電層WL'(ワード線WL)の形成方法として、導電層WL'(ワード線WL)に相当する構造を犠牲層で形成した後、犠牲層を除去して導電材料に置き換える方法(以下、「リプレース」と表記する)を用いた場合について説明する。
【0053】
まず、半導体基板100上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)等により、絶縁層101と、ワード線WL'(ワード線WL)となる導電層に対応する犠牲層102とを交互に積層する。犠牲層102には、絶縁層101に対応するウェットエッチングとの選択比が高い材料が用いられる。例えば、絶縁層101がシリコン酸化膜で形成される場合、犠牲層102にはシリコン窒化膜が用いられる。
【0054】
次に、コンタクトプラグCCを形成する。具体的には、まず、最上層の絶縁層101の上面にハードマスクを形成し、コンタクトプラグCCの形成領域のハードマスクを除去する。すなわち、コンタクトプラグCCの形成領域のみ絶縁層101が露出するように、ハードマスクをパターニングする。次に、異方性エッチングを用いて、絶縁層101と犠牲層102と絶縁層とを貫通し、深孔(ホール)を形成する。このとき、ハードマスクの形成を変更しながら異方性エッチングを用いることで深さの異なる複数のホールを形成することにより、
図6Aに示す構造が形成される。
【0055】
続いて、CVDなどにより、ホールに二酸化シリコン等の絶縁層103を形成することにより、
図6Bに示す構造が形成される。
【0056】
続いて、CVDなどにより、ホールにアモルファスシリコン等の半導体層104を埋め込む。そして、エッチバック(ハードマスクを用いず、上面に露出している部分を、異方性エッチングにより全面エッチングすること)を行い、絶縁層103の上面の半導体層104を除去することにより、
図6Cに示す構造が形成される。
【0057】
続いて、リプレースを行う。具体的には、異方性エッチングにより、底面が半導体基板100に達するスリットSLを所定の場所に加工する。次に、ウェットエッチングにより、スリットSLから犠牲層102を除去し、空隙を形成する。空隙に導電体膜(例えば、タングステン)を埋め込んだ後、スリットSL内及び最上層の絶縁層101上に形成された導電体膜を除去し、導電層105を形成する。そして、スリットSLに絶縁層を埋め込む。これにより、リプレースが完了し、導電層WL'(ワード線WL)となる導電層105の形成が完了し、
図6Dに示す構造が形成される。
【0058】
続いて、異方性エッチングなどを用いて、最上層の絶縁層103及び絶縁層101と、ホール底面の絶縁層103及び絶縁層101とを除去し、ホールの底面において導電層105及び基板100を露出させることにより、
図6Eに示す構造が形成される。
【0059】
続いて、CVDなどにより、露出させたホールに例えばタングステン等の導電体層106を埋め込む。最後に、最上層の絶縁層101上に形成された導電体層106をCMP(Chemical Mechanical Polishing)により除去し、コンタクトプラグCCを形成する。以上の手順を実行することにより、
図6Fに示す構造が形成される。
【0060】
なお、本実施形態では、積層体を構成する導電層WL'全てにコンタクトプラグCCを形成したが、これに限らず、例えば、積層体を構成する導電層WL'のうちの一部のみにコンタクトプラグCCを形成するようにしても良い。
【0061】
本実施形態(階段構造部を設けない実施形態)におけるコンタクトプラグCCaの形成方法は、ワード線WLの代わりに、導電層WL'にコンタクトプラグを形成すること以外は、上述したコンタクトプラグCCの形成方法と同じである。このため、コンタクトプラグCCaの形成方法の説明は省略する。
【0062】
以上のように、アレイチップ1は、プレーンPBの外側(絶縁層ST1及びST2の外側)の導電層WL'が形成される領域に複数のコンタクトプラグCCを形成する。プレーンPBの外側に形成される導電層WL'は、特に利用されていない。
【0063】
本実施形態のアレイチップ1は、上記のようにプレーンPBの外側の導電層WL'が形成される領域に複数のコンタクトプラグCCを端子として形成することで、導電層WL'間の層間容量Cを容量素子として利用することができる。
【0064】
特に、本実施形態のコンタクトプラグCCは、貫通した導電層WL'と電気的に絶縁し、絶縁破壊を防ぐ程度に厚く設けられる。このような構造により、コンタクトプラグCCは、貫通した導電層WL'に電気的に接続されることがなく、導電層WL'間の層間容量Cを適切に利用することができる。
【0065】
以上により、本実施形態のアレイチップ1は、プレーンの外側の使用されていない導電層が形成される領域を有効に活用することができる。
【0066】
(変形例1)
次に、変形例1について説明する。
図7は、変形例1に係るプレーンPB3の端部を拡大した拡大図である。
図8は、
図7の一部の部分A3の積層構造の一例を示す斜視図である。なお、
図7において、
図3と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
図7に示すように、プレーンPB3の端部は、絶縁層ST2からX方向に延伸する複数の絶縁層ST4を有する。複数の絶縁層ST4は、絶縁層ST2からX方向にアレイチップ1の外周まで形成される。複数の絶縁層ST4は、それぞれZ方向に複数の導電層WL'を貫通するように形成される。絶縁層ST4は、第3絶縁層の一例である。
【0068】
絶縁層ST2、ST4及びアレイチップ1の外周に囲まれた各領域OAa及びOAbには、それぞれ、例えば4つのコンタクトプラグCC1、CC2、CC3及びCC4が形成される。
【0069】
図8に示すように、領域OAaにおいて、コンタクトプラグCC1は、導電層WL1'上に接して設けられる。コンタクトプラグCC2は、導電層WL1'、導電層WL2'、および導電層WL3'を貫通し、導電層WL4'に上に接して設けられる。コンタクトプラグCC3は、導電層WL1'および導電層WL2'を貫通し、導電層WL3'に接して設けられる。コンタクトプラグCC4は、導電層WL1'を貫通し、導電層WL2'に接して設けられる。
【0070】
このような構成により、導電層WL1'とWL2'との間の層間容量C1を有する容量素子がコンタクトプラグCC1とコンタクトプラグCC4との間に設けられる。導電層WL2'とWL3'との間の層間容量C2を有する容量素子がコンタクトプラグCC3とコンタクトプラグCC4との間に設けられる。導電層WL3'とWL4'との間の層間容量C3を有する容量素子がコンタクトプラグCC2とコンタクトプラグCC3との間に設けられる。
【0071】
そして、領域OAbにおいて、4つのコンタクトプラグCCと導電層WL1'~WL4'との接続を
図8に示す接続と同じ構成にする。このように、複数の絶縁層ST4を追加し、各領域OAa及びOAbに形成されるコンタクトプラグの個数を同じにし、さらに、導電層同士の接続も同じ構成とすることにより、各領域OAa及びOAbにおいて、層間容量C1~C3を揃えることができる。
【0072】
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。
図9は、変形例2に係るアレイチップの一例を平面図である。
上述した実施形態では、絶縁層ST1及びST2の外側とアレイチップ1の外周との間の領域OAに複数のコンタクトプラグCCが形成される。
【0073】
これに対し、変形例2では、各プレーンPB間の領域にコンタクトプラグCCを形成する。具体的には、プレーンPB0とPB1との間の領域OA1、プレーンPB1とPB2との間の領域OA2、及び、プレーンPB2とPB3との間の領域OA3の少なくとも1つの領域に複数のコンタクトプラグCCを形成する。そして、コンタクトプラグCCを形成した導電層WL'同士の間の層間容量Cを用いた容量素子を構成する。
【0074】
各プレーンPB間の領域では、導電層WL'の形状保証がされないため、これらの導電層WL'同士の間の層間容量Cを用いた容量素子は、容量保証の必要がない電源安定用の容量素子として用いることが望ましい。電源安定用の容量素子とは、例えば、電圧Vddなどの電源線とグランドGNDとの間に設けられる容量素子のことである。
【0075】
電源安定用の容量素子は、一般的に回路チップ2のMOSトランジスタを形成する領域に設けられる。電源安定用の容量素子は、この領域で、素子の形成されるアクティブ領域とアクティブ領域の上方に薄い絶縁膜を介して設けられたゲートとの間の容量を用いた容量素子として構成される。これらの容量素子を各プレーンPB間に形成される容量素子に置き換えることで、回路チップ2の回路面積を削減することが可能となり、製造コストを低下させることができる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、一例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1…アレイチップ、2…回路チップ、11…メモリセルアレイ、12…絶縁膜、13…層間絶縁膜、15、100…基板、101…絶縁層、102…犠牲層、103…絶縁層、104…半導体層、105…導電層、106…絶縁層、PB0~PB3…プレーン、CC,CCa…コンタクトプラグ、ST1~ST4…絶縁層、BLK1,BLK2…ブロック、MP…メモリピラー、HR…支持ピラー、SHE…絶縁層。