(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046478
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240327BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H04N1/00 002C
B41J29/38 204
B41J29/38 301
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151899
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 健人
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HK10
2C061HK19
2C061HK23
2C061HN15
2C061HV01
2C061HV14
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC56
5C062AD05
(57)【要約】
【課題】画像形成装置における機能の更新が停止された場合であっても画像形成装置における更新後の機能を利用可能にできる。
【解決手段】情報処理装置は、画像形成装置に設定されている設定情報と、画像形成装置の処理を模擬可能な仮想の画像形成装置を示すオブジェクトの設定情報とを同期する制御を行い(122)、画像形成装置における機能の更新が停止された場合におけるオブジェクトに設定されている設定情報と、機能の更新が実行された他の画像形成装置における機能に関連する機能関連情報と、を取得し(120)、取得されたオブジェクトの設定情報と機能関連情報とに基づいて、機能が更新された画像形成装置における更新後の機能に関する情報となるように、機能の更新が停止された画像形成装置に対して機能の更新が実行された場合の更新後の機能に関する機能更新情報を導出する制御を行う(126)。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
処理を実行する機能を更新可能に有する画像形成装置に設定されている設定情報と、前記画像形成装置における前記処理を模擬可能な仮想の画像形成装置を示すオブジェクトに設定されている設定情報とを同期する制御を行い、
前記画像形成装置における前記機能の更新が停止された場合における前記オブジェクトに設定されている設定情報と、前記機能の更新が実行された他の画像形成装置における機能に関連する機能関連情報と、を取得し、
取得された前記オブジェクトの設定情報と前記機能関連情報とに基づいて、前記機能が更新された画像形成装置における更新後の機能に関する情報となるように、前記機能の更新が停止された画像形成装置に対して前記機能の更新が実行された場合における更新後の機能に関する機能更新情報を導出する制御を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記画像形成装置における設定情報は、前記画像形成装置の消耗品の使用状況を示す使用状況情報を含み、
前記プロセッサは、
取得された前記使用状況情報を含む設定情報を用いて、前記画像形成装置における前記機能更新情報として、画像形成装置の消耗品の障害に関連する障害関連情報を導出する制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記使用状況情報は、前記消耗品の使用回数、及び使用時間を含み、
前記プロセッサは、
前記消耗品の前記使用回数、及び前記使用時間を用いて、前記消耗品の寿命を前記障害関連情報として導出する制御を行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記使用状況情報は、前記消耗品の使用回数、及び使用時間を含み、
前記プロセッサは、
前記消耗品の使用回数、及び前記使用時間を用いて、前記消耗品の故障を示す情報を前記障害関連情報として導出する制御を行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像形成装置における設定情報は、前記画像形成装置における前記機能の更新が停止される以前に前記障害関連情報を導出する際に用いた前記画像形成装置における固有情報であって、前記画像形成装置における前記機能の更新が停止された際に障害関連情報を導出する場合に用いない前記固有情報を含み、
前記プロセッサは、
取得された前記固有情報を含む設定情報を用いて、前記画像形成装置における前記機能更新情報として、画像形成装置の消耗品の障害に関連する障害関連情報を導出する制御を行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記オブジェクトの設定情報と前記機能関連情報とにより定まる評価値が、予め定めた条件に適合するか不適合かを示す情報を、前記機能更新情報として導出する制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記条件は、前記評価値を判定する閾値が予め定められており、
前記プロセッサは、
複数の異なる画像形成装置について、前記オブジェクトの設定情報、前記機能関連情報、及び前記機能更新情報を対応付けて記憶する制御を行い、
記憶された前記オブジェクトの設定情報、前記機能関連情報、及び前記機能更新情報を用いて導出される前記評価値を判定する値で、前記閾値を更新する制御を行う
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像形成装置における設定情報は、前記画像形成装置の消耗品の使用状況を示す使用状況情報を含む
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理プログラムであって、
プロセッサに、
予め定めた処理を実行する機能を有する画像形成装置に設定されている設定情報と、前記画像形成装置における前記処理を模擬可能な仮想の画像形成装置を示すオブジェクトに設定されている設定情報とを同期する制御を行い、
前記画像形成装置における前記機能の更新が停止された場合における前記オブジェクトに設定されている設定情報と、前記機能の更新が実行された他の画像形成装置における機能に関連する機能関連情報と、を取得し、
取得された前記オブジェクトの設定情報と前記機能関連情報とに基づいて、前記機能が更新された画像形成装置における更新後の機能に関する情報となるように、前記機能の更新が停止された画像形成装置に対して前記機能の更新が実行された場合における更新後の機能に関する機能更新情報を導出する制御を行う
ことを処理させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、画像を形成するとともに外部装置との間で情報を授受する画像形成装置の保守計画を作成する保守計画システムを開示している。この保守計画システムは、前記画像形成装置の使用実績情報と、消耗品の使用実績情報とを取得する使用実績取得部と、前記消耗品の使用実績情報の履歴に基づいて当該消耗品の故障確率分布を推定する故障確率分布推定部と、前記画像形成装置の使用実績情報の履歴に基づいて一日当りのカウンタ値であるカウンタ進度を取得するカウンタ進度取得部と、前記消耗品毎の故障確率分布と前記カウンタ進度とに基づいて次回交換時期と交換する消耗品を提示する保守計画部とを備え、前記画像形成装置の使用実績情報は、画像形成回数に対応したカウンタ値及び該カウンタ値の取得日付を含み、前記消耗品の使用実績情報は、該消耗品の交換時における前記カウンタ値及び該消耗品の交換理由がライフ到達によるか否かを示すライフ情報を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置は、自機で処理可能な機能を更新することが可能である。ところが、機能の更新が停止された画像形成装置と、機能が更新された画像形成装置との各々で処理可能な機能は相違する。機能の更新が停止された画像形成装置では、機能が更新された画像形成装置における更新後の機能を利用できない場合がある。よって、機能の更新が停止された場合、画像形成装置の利用を阻害する状況に陥る場合がある。
【0005】
本開示は、画像形成装置における機能の更新が停止された場合であっても画像形成装置における更新後の機能を利用可能にできる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め定めた処理を実行する機能を有する画像形成装置に設定されている設定情報と、前記画像形成装置における前記処理を模擬可能な仮想の画像形成装置を示すオブジェクトに設定されている設定情報とを同期する制御を行い、
前記画像形成装置における前記機能の更新が停止された場合における前記オブジェクトに設定されている設定情報と、前記機能の更新が実行された他の画像形成装置における機能に関連する機能関連情報と、を取得し、
取得された前記オブジェクトの設定情報と前記機能関連情報とに基づいて、前記機能が更新された画像形成装置における更新後の機能に関する情報となるように、前記機能の更新が停止された画像形成装置に対して前記機能の更新が実行された場合における更新後の機能に関する機能更新情報を導出する制御を行う
情報処理装置である。
【0007】
第2態様は、第1態様に係る情報処理装置において、
前記画像形成装置における設定情報は、前記画像形成装置の消耗品の使用状況を示す使用状況情報を含み、
前記プロセッサは、
取得された前記使用状況情報を含む設定情報を用いて、前記画像形成装置における前記機能更新情報として、画像形成装置の消耗品の障害に関連する障害関連情報を導出する制御を行う。
【0008】
第3態様は、第2態様に係る情報処理装置において、
前記使用状況情報は、前記消耗品の使用回数、及び使用時間を含み、
前記プロセッサは、
前記消耗品の前記使用回数、及び前記使用時間を用いて、前記消耗品の寿命を前記障害関連情報として導出する制御を行う。
【0009】
第4態様は、第2態様に係る情報処理装置において、
前記使用状況情報は、前記消耗品の使用回数、及び使用時間を含み、
前記プロセッサは、
前記消耗品の使用回数、及び前記使用時間を用いて、前記消耗品の故障を示す情報を前記障害関連情報として導出する制御を行う。
【0010】
第5態様は、第2態様に係る情報処理装置において、
前記画像形成装置における設定情報は、前記画像形成装置における前記機能の更新が停止される以前に前記障害関連情報を導出する際に用いた前記画像形成装置における固有情報であって、前記画像形成装置における前記機能の更新が停止された際に障害関連情報を導出する場合に用いない前記固有情報を含み、
前記プロセッサは、
取得された前記固有情報を含む設定情報を用いて、前記画像形成装置における前記機能更新情報として、画像形成装置の消耗品の障害に関連する障害関連情報を導出する制御を行う。
【0011】
第6態様は、第1態様に係る情報処理装置において、
前記プロセッサは、
前記オブジェクトの設定情報と前記機能関連情報とにより定まる評価値が、予め定めた条件に適合するか不適合かを示す情報を、前記機能更新情報として導出する制御を行う。
【0012】
第7態様は、第6態様に係る情報処理装置において、
前記条件は、前記評価値を判定する閾値が予め定められており、
前記プロセッサは、
複数の異なる画像形成装置について、前記オブジェクトの設定情報、前記機能関連情報、及び前記機能更新情報を対応付けて記憶する制御を行い、
記憶された前記オブジェクトの設定情報、前記機能関連情報、及び前記機能更新情報を用いて導出される前記評価値を判定する値で、前記閾値を更新する制御を行う。
【0013】
第8態様は、第6態様に係る情報処理装置において、
前記画像形成装置における設定情報は、前記画像形成装置の消耗品の使用状況を示す使用状況情報を含む。
【0014】
第9態様は、
情報処理プログラムであって、
プロセッサに、
予め定めた処理を実行する機能を有する画像形成装置に設定されている設定情報と、前記画像形成装置における前記処理を模擬可能な仮想の画像形成装置を示すオブジェクトに設定されている設定情報とを同期する制御を行い、
前記画像形成装置における前記機能の更新が停止された場合における前記オブジェクトに設定されている設定情報と、前記機能の更新が実行された他の画像形成装置における機能に関連する機能関連情報と、を取得し、
取得された前記オブジェクトの設定情報と前記機能関連情報とに基づいて、前記機能が更新された画像形成装置における更新後の機能に関する情報となるように、前記機能の更新が停止された画像形成装置に対して前記機能の更新が実行された場合における更新後の機能に関する機能更新情報を導出する制御を行う
ことを処理させる、情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
第1態様及び第9態様によれば、画像形成装置における機能の更新が停止された場合であっても画像形成装置における更新後の機能を利用可能にできる、という効果を有する。
第2態様によれば、消耗品に関する情報を考慮しない場合と比べて、画像形成装置における機能の更新が停止されるような消耗品の障害に関する情報の導出できる、という効果を有する。
第3態様によれば、消耗品の寿命を考慮せずに画像形成装置を使用する場合と比べて、ユーザが消耗品の寿命を確認できる、という効果を有する。
第4態様によれば、消耗品の故障を考慮せずに画像形成装置を使用する場合と比べて、ユーザが消耗品の故障を確認できる、という効果を有する。
第5態様によれば、画像形成装置における機能の更新が停止された際の情報のみを用いる場合と比べて、画像形成装置における機能の更新が停止された場合に利用困難な情報による障害関連情報を導出できる、という効果を有する。
第6態様によれば、予測条件を用いない場合と比べて、高精度に機能更新情報を導出できる、という効果を有する。
第7態様によれば、評価値を判定する値を更新しない場合と比べて、高精度に機能更新情報を導出できる、という効果を有する。
第8態様によれば、消耗品に関する情報を考慮しない場合と比べて、画像形成装置における機能の更新が停止されるような消耗品の障害に関する情報を導出できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置の電気的な概略構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る画像形成装置の電気的な概略構成の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る仮想的な画像形成装置の電気的な概略構成の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係るサーバの電気的な概略構成の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係るサーバの機能的な構成の一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る機能の更新が停止された画像形成装置における情報の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る情報処理装置で取得する情報の一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係るサーバプログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0018】
図1は、本開示の技術を実施するための実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【0019】
図1に示す情報処理システムは、情報処理装置1、画像形成装置2、画像形成装置2A、クラウドネットワーク3、サーバ4、及び端末装置5を含む。情報処理装置1、サーバ4、及び端末装置5には、一例として、サーバコンピュータや、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0020】
情報処理装置1は、ネットワークNを介して、画像形成装置2、画像形成装置2A、及びクラウドネットワーク3と接続可能に構成されている。情報処理装置1は、ネットワークNを介して、図示しない端末装置と接続可能とされる。ネットワークNの一例には、インターネット、電話回線網等の公共の通信回線、LAN(Local Area Network)、及びWAN(Wide Area Network)等のネットワークが適用される。また、ネットワークNは、有線及び無線の通信回線の少なくとも一方のネットワークを適用可能である。なお、情報処理装置1は、詳細を後述する仮想的な画像形成装置2Aと同様に、クラウドネットワーク3上に形成してもよい。
【0021】
本実施形態では、情報処理装置1は、画像形成装置2における機能の更新の有無に拘らず計画的に保守するために、例えば、仮想的な画像形成装置2Aから得られる画像形成装置2に設定される設定情報25Eを解析して部品の故障及び消耗品寿命等の情報を予測する。この予測を行う際に、情報処理装置1は、サーバ4からも情報を収集する(詳細は後述)。
【0022】
画像形成装置2は、実環境に設置されている装置であって、コピー機能、プリント機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、OCR(Optical character recognition;光学文字認識)機能等の複数の機能の中からいずれか複数の機能を有する複合機である。例えば、画像形成装置2は、PC等の図示しない端末装置からプリントジョブを受信すると、プリントジョブに基づいたプリント処理を実行する。また、例えば、画像形成装置2は、文書をスキャンし、スキャンしたデータを図示しない端末装置等に送信する機能を有する。
【0023】
クラウドネットワーク3は、少なくとも画像形成装置2と同期して、画像形成装置2の設定を保存している仮想的な画像形成装置2Aが存在するクラウド上のネットワークである。仮想的な画像形成装置2Aは、画像形成装置2と同期して画像形成装置2の設定を保存している。このように、実環境に設置されている画像形成装置2と、クラウドネットワーク3に存在する仮想的な画像形成装置2Aとは1対1に対応している。
【0024】
仮想的な画像形成装置2Aは、実空間上に実機の画像形成装置として存在しているのではなく、画像形成装置2の設定を保存し、当該設定によって画像形成装置2と同等の処理を模擬して実行可能な仮想の画像形成装置として機能する情報体であるオブジェクトとして存在している。オブジェクトは、設定による画像形成装置2で動作する各種処理を実行する機能を含む。従って、オブジェクトを用いて、画像形成装置2で実行される処理を再現したり、画像形成装置2の動作を検証することが可能となる。なお、画像形成装置2の機能は更新可能である。
【0025】
仮想的な画像形成装置2Aは、少なくとも一部が仮想化されたデバイスとして機能するオブジェクトである。仮想的な画像形成装置2Aは、クラウドネットワーク3に構築可能である。例えば、仮想的な画像形成装置2Aは、サーバ等に構築可能である。よって、仮想的な画像形成装置2Aは、クラウド・コンピューティングの技術を用いてネットワークN上に構築され、画像形成装置2と同様の仮想的なハードウェア資源と等価に利用することが可能である。
【0026】
上記仮想的な画像形成装置2Aは、画像形成装置2として機能するオブジェクトに限定されない。例えば、仮想的な画像形成装置2Aを、画像形成装置2の設定のみを保存するオブジェクトとして形成してもよい。
【0027】
サーバ4は、1又は複数の画像形成装置の機能を管理する管理装置として作動するサーバコンピュータである。サーバ4は、情報処理装置1で予測された情報に応じて、画像形成装置2に対する計画的な保守作業を支援する。サーバ4は、画像形成装置2が具備するハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方について、少なくとも一部の削除、更新及び追加等の処理を示す情報を管理することで、画像形成装置2の機能を管理する。本実施形態では、サーバ4で管理する画像形成装置2の機能の一例として、画像形成装置2の保守に関する管理機能を適用する場合を説明する。なお、本開示では、画像形成装置2の保守に関する管理機能に限定されるものではなく、画像形成装置2の機能を管理すればよいことは勿論である。
【0028】
端末装置5は、指示を受け付けて保守に関する処理を実行したり、サーバ4等の外部装置に指示情報を送信することで、外部装置に対して指示を要請する端末である。保守に関する処理の一例には、指示を受けた消耗品の交換に関する訪問計画の立案、及び指示を受けた消耗品の発送の処理が挙げられる。なお、端末装置5は、上述したように汎用的なコンピュータ装置が適用可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0029】
ところで、画像形成装置2では、当該画像形成装置2における機能の向上、または機能を維持するため、画像形成装置2に対する保守が行われる。当該保守は、画像形成装置2の機能の更新の一例であり、ハードウェア資源およびソフトウェア資源の少なくとも一方について、少なくとも一部の部品の部品除去(又は部品取り外し)、部品交換、現状の部品から最新の部品への部品更新、及び新規の部品追加を行う処理を含む。例えば、部品交換及び部品更新では、ハードウェア資源については、部品を構成する機器の新規部品への置換及び修理を含み、ソフトウェア資源については、ソフトウェアのバージョンアップを含む。部品追加では、ハードウェア資源については、新規部品の追加及び新規部品の追加に伴う関連部品の交換及び除去を含み、ソフトウェア資源については、新規機能を示すプログラムの追加及びプログラムの追加による既存モジュールの更新を含む。なお、保守は、ハードウェア資源またはソフトウェア資源に対して単独で行われることがあり、さらにハードウェア資源とソフトウェア資源との両方に対して行われることもある。
【0030】
ところが、画像形成装置2に対する保守は、画像形成装置に対して個別に行われるため、保守が行われていない画像形成装置が存在する場合がある。本実施形態では、保守が行われていない画像形成装置を、機能の更新が停止された画像形成装置という。例えば、機能の更新が停止された画像形成装置とは、ハードウェア資源およびソフトウェア資源の少なくとも一方について、最新の画像形成装置に比べて、少なくとも一部の部品の部品削除、部品交換、部品更新、及び部品追加が行われていない画像形成装置である。換言すれば、保守の有無により、機能が更新された最新の状態の画像形成装置と、機能の更新が停止された古い画像形成装置とが存在することになる。例えば、サーバ4で保守を管理する保守期限が予め設定されている場合、保守期限内では、最新の状態として画像形成装置が維持されるが、保守期限を経過すると機能の更新が停止されて古い状態の画像形成装置となる。
【0031】
そこで、本実施形態では、機能の更新が停止された画像形成装置における更新後の機能に関する情報を導出する。これにより、機能の更新が停止された画像形成装置、すなわち、保守が行われていない又は停止された画像形成装置における故障及び画像形成装置の寿命等の情報を予測することが可能となる。
【0032】
具体的には、情報処理装置1は、予め定めた処理を実行する機能を有する画像形成装置に設定されている設定情報と、画像形成装置における処理を模擬可能な仮想の画像形成装置を示すオブジェクトに設定されている設定情報とを同期する制御を行う。また、情報処理装置1は、画像形成装置における機能の更新が停止された場合に、オブジェクトに設定されている設定情報と、画像形成装置において機能が更新された場合における画像形成装置の機能に関連する機能関連情報と、を取得する。そして、情報処理装置1は、オブジェクトの設定情報と機能関連情報とに基づいて、機能が更新された画像形成装置における更新後の機能に関する情報となるように、機能の更新が停止された画像形成装置における更新後の機能に関する機能更新情報を導出する制御を行う。
【0033】
設定情報は、画像形成装置2に設定される画像形成処理に関係する情報であり、画像形成装置2で実行される機能で適用される設定データ、及び画像形成装置2で実行可能な機能の種類等の装備に関する情報を示す機能データを含む。設定データ及び機能データを含む設定情報を用いることで、画像形成装置2と等価な装置を再現することが可能である。
機能関連情報は、機能が更新された画像形成装置2の機能に関連する情報である。すなわち、機能関連情報は、機能が更新された画像形成装置において得られる情報であって、機能の更新が停止された画像形成装置では得ることが困難な情報である。換言すれば、画像形成装置2の機能が更新された場合にのみ得られる情報である。
機能更新情報は、機能の更新が停止された画像形成装置に対して機能の更新が実行された場合における更新後の機能に関する情報である。当該機能更新情報は、機能の更新が停止された画像形成装置において更新後の機能に関する情報となるように、機能の更新が停止された画像形成装置の設定情報と機能が更新された画像形成装置(他の画像形成装置)に関する機能関連情報とから導出される。すなわち、機能更新情報は、機能の更新が停止された画像形成装置2では導出することが困難な情報であって、機能の更新が停止された画像形成装置2に対して機能の更新後に得られることが予測される情報である。
【0034】
上記設定情報は、画像形成装置の消耗品の使用状況を示す使用状況情報を含むことが可能である。情報処理装置1は、使用状況情報を含む設定情報を用いて、画像形成装置2における機能更新情報として、画像形成装置の消耗品の障害に関連する障害関連情報を導出する制御を行うことが可能である。
使用状況情報は、消耗品の使用状況を示す情報であり、障害関連情報は、消耗品の故障、及び寿命等を示す消耗品の障害に関連する情報である。
【0035】
また、上記設定情報は、画像形成装置2における機能の更新が停止される以前に障害関連情報を導出する際に用いた画像形成装置2における固有情報を含むことが可能である。固有情報は、画像形成装置2における機能の更新が停止された際に障害関連情報を導出する場合に用いることが停止される情報である。情報処理装置1は、固有情報を含む設定情報を用いて、画像形成装置2における機能更新情報として、画像形成装置の消耗品の障害に関連する障害関連情報を導出することが可能である。
【0036】
次に、
図2を参照して、情報処理装置1の構成の一例を説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の電気的な概略構成の一例を示す図である。情報処理装置1は、例えば、サーバコンピュータや、PC等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0037】
具体的には、
図2に示すように、情報処理装置1は、コンピュータ本体11を備えている。コンピュータ本体11は、CPU(Central Processing Unit)12、RAM(Random Access Memory)13、ROM(Read-Only memory)14、記憶部15、及び入出力ポート(I/O)16を備える。CPU12、RAM13、ROM14、記憶部15、及びI/O16はバスBusを介して互いに接続されている。
【0038】
また、I/O16には、外部装置との通信を可能とする通信部17、ユーザによる操作入力を可能とする操作入力部18、及び画像の表示を可能とする表示部19を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O16を介して、CPU12と相互に通信可能とされる。
【0039】
コンピュータ本体11は、情報処理装置1の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、情報処理装置1の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。コンピュータ本体11の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。コンピュータ本体11の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0040】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置が用いられる。記憶部15には、情報処理装置1を本開示の情報処理装置として機能させるための情報処理プログラム15Pが記憶される。CPU12は、情報処理プログラム15Pを記憶部15から読み出してRAM13に展開して処理を実行する。これにより、情報処理プログラム15Pを実行した情報処理装置1は、本開示の情報処理装置として動作する。なお、情報処理装置1の具体的な処理については、後述する。
【0041】
情報処理プログラム15Pは、ROM14に記憶されていてもよい。また、情報処理プログラム15Pは、例えば、情報処理装置1に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム15Pは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークNを介して配布されたプログラム情報を、情報処理装置1に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0042】
記憶部15には、情報処理装置1で使用可能な各種情報を含むデータベース15Dも記憶される。データベース15Dを記憶する情報は、記憶部15に予め記憶されることに限定されない。例えば、図示しない外部装置に記憶しておき、図示しない外部装置から通信回線を介して取得してもよい。
【0043】
データベース15Dには、画像形成装置の障害に関する解析を行う解析アルゴリズムの一例として、機能更新情報を導出することで、画像形成装置の障害を予測する予測プログラム15Sが記憶される。情報処理装置1のCPU12が、予測プログラム15Sを読み出してRAM13等のメモリに展開し、処理を実行することにより、情報処理装置1は、例えば、保守期限を経過して機能の更新が停止された画像形成装置2の障害を予測することが可能となる。
【0044】
また、データベース15Dには、画像形成装置2の障害を予測するために用いる予測関連データ15Xも記憶される。
【0045】
通信部17は、ネットワークNに接続され、情報処理装置1と外部装置との間で通信が可能に構成される。本実施形態では、通信が可能な外部装置として、サーバ4及び仮想的な画像形成装置2Aを適用する。
【0046】
操作入力部18には、例えば、キーボードやマウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。
【0047】
表示部19には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部19は、操作入力部18の機能を有するタッチパネルを適用してもよい。操作入力部18及び表示部19は、情報処理装置1のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部19は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0048】
次に、
図3を参照して、画像形成装置2の構成の一例を説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置2の電気的な概略構成の一例を示す図である。
【0049】
画像形成装置2は、コンピュータ本体21を備えている。コンピュータ本体21は、CPU22、RAM23、ROM24、記憶部25、及びI/O26を備える。CPU22、RAM23、ROM24、記憶部25、及びI/O26はバスBusを介して互いに接続されている。
【0050】
I/O26には、外部装置との通信を可能とする通信部27、ユーザによる操作入力を可能とする操作入力部28、及び画像の表示を可能とする表示部29を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O26を介して、CPU22と相互に通信可能とされる。
【0051】
また、I/O26には、画像形成に関し、上述したコピー機能等の各種機能を物理的に実行する処理部20が接続される。処理部20は、実際の画像形成処理を実行する。
【0052】
記憶部25には、画像形成装置2を機能させるための画像形成プログラム25Pが記憶される。CPU22は、画像形成プログラム25Pを記憶部25から読み出してRAM23に展開して画像形成処理を実行する。これにより、画像形成プログラム25Pを実行した画像形成装置2は、画像形成に関する各種の処理を実行可能となる。
【0053】
記憶部25には、画像形成装置2で使用可能な各種情報を含むデータベース25Dも記憶される。データベース25Dには、画像形成装置2で画像形成処理に関係する設定情報25Eも記憶される。設定情報25Eは、設定データ25F及び機能データ25Gを含む。設定データ25Fは、画像形成装置2で実行される機能で適用される設定値を示す。機能データ25Gは、画像形成装置2で実行可能な機能の種類等の装備に関する設定値を示す。設定データ25Fを他の画像形成装置に反映させることで、画像形成装置2の設定データ25Fに該当する機能を、他の画像形成装置で模擬可能となる。また、機能データ25Gによる構成を他の画像形成装置に反映させることで、画像形成装置2に装備された機能データ25Gによる機能を模擬可能となる。
【0054】
なお、設定情報25Eは、設定データ25F及び機能データ25Gを区別することなく、1つのデータとして用いることも可能である。例えば、特定機能の有無を示す機能データ25Gを、設定データ25Fに含め、設定情報25Eとして用いることも可能である。画像形成装置2では、CPU22が設定情報25Eを用いて画像形成プログラム25Pを実行することで、処理部20において画像形成処理が実行される。
【0055】
また、画像形成装置2は、自機に設定される設定情報25Eを用いて計画的な保守を可能とする情報(例えば、設定情報25Eを解析して部品の故障及び消耗品寿命等の情報)を導出する導出プログラム25Sによる装置固有の解析アルゴリズムを有する。当該導出プログラム25Sによる装置固有の解析アルゴリズムは、例えば、サーバ4による保守管理の保守期限内では、最新の状態であるが、保守期限を経過するとサーバ4からの情報収集が困難になるため、機能の更新が停止されて古い状態となる。
【0056】
通信部27は、ネットワークNに接続されており、外部装置と通信が可能に構成される。操作入力部28は、画像形成装置2のユーザから各種の指示を受け付け、表示部29は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果、及び処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0057】
次に、
図4を参照して、画像形成装置2Aの構成の一例を説明する。
図4は、クラウドネットワークに存在する仮想的な画像形成装置2Aの電気的な概略構成の一例を示す図である。
【0058】
画像形成装置2Aは、画像形成装置2と同様に、コンピュータ本体210を備え、コンピュータ本体210は、CPU220、RAM230、ROM240、記憶部250、及びI/O260を備え、バスBusを介して互いに接続されている。I/O260には、通信部270、操作入力部280、及び表示部290が接続されている。
【0059】
記憶部250には、画像形成プログラム25Pと同様の画像形成プログラム250Pが記憶される。
【0060】
また、記憶部250には、画像形成装置2と同様に、データベース250Dが記憶される。データベース250Dには、設定データ250F及び機能データ250Gを含む設定情報250Eが記憶される。
【0061】
画像形成装置2Aは、クラウドネットワーク3に構築されているオブジェクトであるため、
図3に示す処理部20を装備していない。画像形成装置2Aは、処理部20に代えて、画像機能プログラム200Pを記憶部250に記憶している。画像機能プログラム200Pは、情報処理装置1またはサーバ4に予め記憶しておき、情報処理装置1から取得して記憶することが可能である。画像形成装置2Aでは、CPU220が設定情報250Eを用いて画像形成プログラム250Pを実行する際に、画像機能プログラム200Pを実行することで、処理部20を模擬して画像形成処理が可能となる。
【0062】
なお、仮想的な画像形成装置2Aは、画像形成装置2との同期によって、導出プログラム25Sと同様の導出プログラム250Sを有する。
【0063】
次に、
図5を参照して、サーバ4の構成の一例を説明する。
図5は、本実施形態に係るサーバ4の電気的な概略構成の一例を示す図である。サーバ4は、例えば、サーバコンピュータや、PC等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0064】
サーバ4は、上述したように画像形成装置2を管理することが可能であり、コンピュータ本体41を備えている。コンピュータ本体41は、CPU42、RAM43、ROM44、記憶部45、及びI/O46を備え、バスBusを介して互いに接続されている。I/O46には、通信部47、操作入力部48、及び表示部49が接続されている。
【0065】
記憶部251には、サーバプログラム45P、及びデータベース45Dが記憶される。データベース45Dには、最適化プログラム45S、及び機能関連データ45Xを含むデータが記憶される。
【0066】
サーバ4のCPU42は、サーバプログラム45Pを記憶部45から読み出してRAM43に展開してサーバ処理を実行する。サーバプログラム45Pを実行したサーバ4は、画像形成装置2に対する計画的な保守作業を支援する処理を実行可能となる。
【0067】
また、サーバ4のCPU42は、最適化プログラム45Sを記憶部45から読み出してRAM43に展開して最適化処理を実行する。最適化処理は、画像形成装置2に対する計画的な保守作業を支援する処理を実行する際に、消耗品の故障、及び寿命等を示す消耗品の障害に関連する情報(すなわち、障害関連情報)を導出する解析アルゴリズムを最適化する処理である。解析アルゴリズムの最適化では、消耗品の障害に関連する情報の一例として、消耗品の故障か否かを示す情報を用い、消耗品の故障か否かを判定する閾値を、1又は複数の画像形成装置の設定情報を用いて導出される値で更新する処理を含む。
【0068】
機能関連データ45Xは、機能関連情報の一例であり、画像形成装置2の機能が更新された場合の情報、すなわち、機能の更新が停止された画像形成装置2に対し、機能が更新された画像形成装置で利用可能な機能に関連する情報である。
【0069】
次に、
図6を参照して、情報処理装置1の機能的な構成について説明する。
図6は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能的な構成の一例を示す図である。
【0070】
情報処理装置1は、取得部120、同期部122、模擬部124、及び予測部126を含む。情報処理装置1のCPU12が情報処理プログラム15Pを実行することで、取得部120、同期部122、模擬部124、及び予測部126として機能する。
【0071】
取得部120は、機能の更新が停止された画像形成装置2の設定情報25Eと、機能の更新が実行された他の画像形成装置の機能に関連する情報(機能関連情報)とを取得する機能部である。具体的には、取得部120は、機能の更新が停止された画像形成装置2の設定情報25Eとして、画像形成装置2に同期された仮想的な画像形成装置2Aの設定情報250Eを取得する。また、取得部120は、サーバ4から、機能の更新が実行された他の画像形成装置の設定情報に含まれる、機能の更新が実行された画像形成装置で利用可能な情報(機能関連情報)を取得する。
【0072】
また、取得部120は、画像形成装置の障害に関する解析を行う解析アルゴリズムとして、機能更新情報を導出するための、画像形成装置の障害を予測する予測プログラム及びデータを取得して、データベース15Dに予測プログラム15S及び予測関連データ15Xに記憶可能とされる。
【0073】
同期部122は、仮想的な画像形成装置2Aを示すオブジェクトと画像形成装置2との設定情報を同期する制御を行う機能部である。すなわち、同期部122は、実際の画像形成装置2と仮想的な画像形成装置2Aとの間で設定情報25Eと250Eを同期する制御を行う。
【0074】
模擬部124は、仮想的な画像形成装置2Aを示すオブジェクトを用いて、画像形成装置で実行される処理を模擬する制御を行う機能部である。具体的には、模擬部124は、実際の画像形成装置2で実行される処理を、仮想的な画像形成装置2Aで模擬する制御を行うように、仮想的な画像形成装置2Aへ指示を行う。なお、本実施形態では画像形成装置で実行される処理を模擬する制御は必ずしも必要ではないため、模擬部124は省略することが可能である。
【0075】
予測部126は、機能の更新が停止された画像形成装置2における更新後の機能に関する機能更新情報を予測する機能部であり、例えば、保守期限を経過して機能の更新が停止された画像形成装置2の障害を予測する。具体的には、予測部126は、記憶されている予測プログラム15S及び予測関連データ15Xを用いて機能の更新が停止された画像形成装置2の障害を予測する。予測部126は、予測結果をサーバ4へ送信可能である。
【0076】
次に、
図7を参照して、サーバ4の機能的な構成について説明する。
図7は、本実施形態に係るサーバ4の機能的な構成の一例を示す図である。
【0077】
サーバ4は、取得部420、最適化部422、及び通知部424を含む。サーバ4は、サーバ4のCPU42がサーバプログラム45Pを実行することで、取得部420、最適化部422、及び通知部424として機能する。
【0078】
取得部420は、画像形成装置2の設定情報25Eを取得する制御を行う機能部である。具体的には、取得部420は、機能が更新された画像形成装置2の設定情報25Eのうちの少なくとも保守に関係する情報(使用状況情報を含む設定情報)を取得する。本実施形態では、取得部420(サーバ4)は、機能の更新が停止された画像形成装置2から、情報を取得することはできないものとする。
【0079】
また、詳細は後述するが、取得部420は、情報処理装置1から、保守に関する情報としての機能更新情報を取得することが可能である。
【0080】
最適化部422は、上述した解析アルゴリズム、すなわち、機能が更新された画像形成装置2における障害に関する解析を行う解析アルゴリズムを最適化する制御を行う機能部である。詳細は後述するが、最適化部422は、機能が更新された画像形成装置2のデータを用いて機能更新情報を導出する予測式の係数及び定数を導出する。
【0081】
通知部424は、外部装置へ情報を通知する制御を行う機能部である。外部装置には、情報処理装置1、画像形成装置2、画像形成装置2A、及び端末装置5が適用される。例えば、通知部424は、情報処理装置1へ上述した機能関連情報を通知することが可能である。また、通知部424は、端末装置5へ、保守に関する情報、例えば消耗品の配送などの情報を通知することが可能である。
【0082】
図8は、機能の更新が停止された画像形成装置2における設定情報としての機器情報、及び解析アルゴリズムにより画像形成装置2の障害に関する情報についての予測結果の一例を示す図である。
【0083】
機器情報は、使用状況情報の一例である。
図8に示す例では、機器情報として、(a)、(b-0)、及び(c)の3種類の項目ごとの情報が示されている。(a)項目には、消耗品の使用回数が示され、内容を示す情報値には、M回が示されている。(b-0)項目には、消耗品の故障閾値が示され、内容を示す情報値には、n回が示されている。(c)項目には、消耗品装着後の経過時間(使用時間)が示され、内容を示す情報値には、t秒が示されている。なお、(b-0)項目は、初期値である。当該初期値には、予め定められた閾値として画像形成装置2が一律に保持する値、または画像形成装置2の設置当初に設定される閾値が適用される。例えば、機能の更新が停止された場合に、(b-0)項目には、画像形成装置2が一律に保持する値が設定される。
【0084】
また、予測結果には、画像形成装置に適用可能な解析アルゴリズムと、当該解析アルゴリズムの解析結果が内容として示されている。
図8に示す例では、第1の解析アルゴリズムとして、予測式(a>=b)が示され、解析結果による内容として、Falseが示されている。予測式のaには(a)項目の情報値が代入され、bには(b-0)項目の情報値が代入されて、予測式に適合する場合は、True(真)となり、適合しない場合は、False(偽)となる。
図8に示す例の予測式は、画像形成装置2が一律に保持する式、または画像形成装置2の設置当初に予め定められた式である。
【0085】
図9は、情報処理装置1で取得される設定情報としての機器情報、及び解析アルゴリズムにより画像形成装置2の障害に関する情報についての予測結果の一例を示す図である。
【0086】
図9に示す例では、機器情報として、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、及び(f)の6種類の項目ごとの情報が示されている。(a)項目には、消耗品使用回数が示され、内容を示す情報値には、M回が示されている。(b)項目には、機能が更新された画像形成装置における消耗品の故障閾値が示され、内容を示す情報値には、N回が示されている。(c)項目には、消耗品装着後の経過時間が示され、内容を示す情報値には、Ta秒が示されている。当該Ta秒は、
図8に示すt秒である。(d)項目には、機能が更新された画像形成装置における経年劣化による消耗品の故障閾値が示され、内容を示す情報値には、Tb秒が示されている。(e)項目には、機能が更新された画像形成装置における消耗品の平均温度が示され、内容を示す情報値には、Qb度が示されている。(f)項目には、温度による消耗品の故障閾値が示され、内容を示す情報値には、Ta秒が示されている。
【0087】
上述した(a)項目、及び(c)項目は、画像形成装置2、すなわち画像形成装置2に同期した仮想的な画像形成装置2Aの設定情報から取得される。(b)項目、(d)項目、及び(f)項目は、サーバ4から取得される。(e)項目は、機能の更新が停止された画像形成装置2、すなわち画像形成装置2に同期した仮想的な画像形成装置2Aの設定情報から取得される。機能の更新が停止された画像形成装置2は、サーバ4との情報の授受が停止されているが、仮想的な画像形成装置2Aと設定情報が同期されているため、情報処理装置1で取得可能である。
【0088】
図9の機器情報のうち、(a)項目及び(c)項目は、使用状況情報の一例である。(b)項目、(d)項目、及び(f)項目は、機能関連情報の一例である。また、(e)項目は、固有情報の一例である。
【0089】
また、
図9の予測結果には、画像形成装置に適用可能な解析アルゴリズムと、当該解析アルゴリズムの解析結果が内容との4種類の対応関係が示されている。
図9に示す例では、第1の解析アルゴリズムに、
図8に示す例と同様の第1予測式(a>=b)が示され、解析結果による内容として、False(偽)が示されている。第2の解析アルゴリズムに、第2予測式((c/(60x60))>=d)が示され、解析結果による内容として、Falseが示されている。第3の解析アルゴリズムに、第3予測式(e>=f1 or e<=f2)が示され、解析結果による内容として、Falseが示されている。第4の解析アルゴリズムに、第4予測式(((a/b)+((c/(60x60))/d))>=K)が示され、解析結果による内容として、Falseが示されている。
【0090】
各予測式では、予測式に適合する場合は、True(真)となり、適合しない場合は、False(偽)となる。第1予測式のaには(a)項目の情報値が代入され、bには(b)項目の情報値が代入される。第2予測式のcには(c)項目の情報値が代入され、dには(d)項目の情報値が代入される。第3予測式のfには(f)項目の情報値が代入され、eには(e)項目の情報値が代入される。第3予測式では、サーバ4から取得した高温側の温度f1とf1より低いf2とが適用される。第4予測式のaには(a)項目の情報値が代入され、bには(b)項目の情報値が代入され、cには(c)項目の情報値が代入され、dには(d)項目の情報値が代入される。Kには、サーバ4から取得した情報値である定数が代入される。
【0091】
上記予測式は、予め定めた条件に適合するか不適合かを示す情報の一例であり、予測結果を示す情報は、仮想的な画像形成装置(オブジェクト)の設定情報と機能関連情報とにより定まる評価値の一例である。
【0092】
上述した構成を有する、情報処理装置1、及び仮想的な画像形成装置2Aを用いることで、機能の更新が停止された画像形成装置2であっても、恰も機能が更新されたように保守に関する情報等の更新後の機能に関する情報を導出することができる。
【0093】
次に、本実施形態に係る情報処理装置1の作用を説明する。本実施形態では、画像形成装置2において機能の更新が停止された場合を説明する。
【0094】
ここで、情報処理装置1で実行される処理に先立ちサーバ4で実行される処理を説明する。サーバ4では、画像形成装置2における機能の更新を管理する。本実施形態では、サーバ4が画像形成装置2の保守に関する管理を実行する場合を説明する。具体的には、サーバ4は、保守を管理する保守期限が予め設定されている画像形成装置に、保守期限内では、画像形成装置における機能が最新の状態に維持されるように、機能の更新に関する制御、すなわち、保守に関する解析アルゴリズムを更新する制御を行う。一方、保守期限を越えた画像形成装置は、機能の更新が停止されて古い状態の解析アルゴリズムにより保守を行う画像形成装置となる。
【0095】
図10は、サーバ4において実行されるサーバプログラム45Pによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。サーバプログラム45Pの処理では、最適化プログラム45Sが実行可能である。
【0096】
サーバ4では、サーバプログラム45Pの起動が指示されると、CPU42は、以下の各ステップを実行する。
【0097】
ステップS102では、保守期限内の画像形成装置2から画像形成装置2に関する情報を取得する。ここでは、上述した画像形成装置2の使用状況情報を含む設定情報が取得される。具体的には、(a)項目に示される消耗品使用回数、(c)項目に示される消耗品装着後の経過時間が、少なくとも取得される。また、(e)項目に示される画像形成装置における消耗品の平均温度も取得される。なお、ステップS102では、画像形成装置2と同期された仮想的な画像形成装置2Aの設定情報、及び情報処理装置1における機器情報(
図9)を取得することも可能である。
【0098】
ステップS104では、保守期限内の画像形成装置2に対して計画的な保守管理を可能とする解析アルゴリズムが最適化される。ここでは、サーバ4は、上述した4種類の解析アルゴリズム(
図9)の最適化が行われる。具体的には、複数の画像形成装置からの機器情報(設定情報)を用いて、上述した予測式において判定基準となる係数及び定数の最適化が行われる。当該最適化の処理は後述する。
【0099】
ステップS106では、画像形成装置における機能の更新に関する情報を、保守期限内の画像形成装置に送信し、処理を終了する。
【0100】
よって、保守期限内の画像形成装置は、上記最適化された解析アルゴリズム、すなわち、予測式によって、消耗品の故障及び寿命の予測が可能となる。一方、保守期限を越えた画像形成装置は、機能の更新が停止されるので、上記最適化された解析アルゴリズム(予測式)を利用することが停止され、機能の更新が行われるより以前の古い状態の予測式で消耗品の故障及び寿命が予測される。このため、保守期限を越えた画像形成装置は、保守期限内の画像形成装置に比べて、予測精度が低下する。
【0101】
そこで、本実施形態では、情報処理装置1において、機能の更新が停止された画像形成装置における更新後の機能に関する情報を導出する。
【0102】
図11は、本実施形態に係る情報処理装置1において実行される情報処理プログラム15Pによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0103】
まず、情報処理装置1で情報処理プログラム15Pの起動が指示されると、CPU12は、以下の各ステップを実行する。情報処理プログラム15Pは、定期的に実行の指示または画像形成装置2と同期された仮想的な画像形成装置2Aからの通知の取得により起動が指示されたとして起動される。本実施形態では、仮想的な画像形成装置2Aから、画像形成装置2における機能の更新が停止された場合、すなわち、画像形成装置2が保守期限を越えた際、または画像形成装置2が保守期限を越えて予め定めた時間を経過した際における通知の取得により起動が指示されたものとする。
【0104】
情報処理装置1のCPU12は、ステップS110で、機能の更新が停止された画像形成装置、ここでは、仮想的な画像形成装置2Aから設定情報を取得する。実際の画像形成装置2と、仮想的な画像形成装置2Aとは同期、すなわち、設定情報25Eと設定情報250Eとが同期されている。具体的には、設定情報250Eのうちの保守に関係する情報である(a)項目、及び(c)項目の情報と、(e)項目の情報とが取得される(
図9)。(e)項目の情報(固有情報)は、画像形成装置2が保守期限を越えた際にサーバで取得することが困難な情報である。
【0105】
次に、CPU12は、ステップS112で、機能関連情報である、機能が更新された画像形成装置で取得可能な情報を、サーバ4から取得する。具体的には、(b)項目、(d)項目、及び(f)項目の各々の情報が、サーバ4から取得される(
図9)。
【0106】
次のステップS114では、CPU12は、機能が更新された画像形成装置における更新後の機能に関する情報を導出するための予測式を取得する。具体的には、機能が更新された画像形成装置で利用可能な解析アルゴリズム、ここでは4種類の予測式が取得される(
図9)。
これにより、情報処理装置1では、機能の更新が停止された画像形成装置2の設定情報と、機能を更新した当該画像形成装置で取得可能な情報とが取得される。
【0107】
次に、CPU12は、ステップS116で、予測式を用いて、更新後の機能に関する機能更新情報を導出することで、更新後の機能を示す情報(保守に関する情報)を予測する。当該ステップS116では、予測式を用いて、機能の更新が停止された画像形成装置において、機能が更新された際の更新後の機能による装置状態が予測される。具体的には、ステップS110及びステップS112で取得した情報を、ステップS114で取得した予測式(ここでは4種類の予測式)に代入し、予測式により表される内容を予測結果とする。
【0108】
更新後の機能を示す情報(保守に関する情報)は、各予測式に適合するTrue(真)が、適合しないFalse(偽)かの情報値によって導出される。本実施形態では、上述した第1予測式から第4予測式の少なくとも1つに、機器情報(
図9)が適合するTrue(真)を示す場合に、消耗品に障害が生じる虞があると予測する。ここでの消耗品の障害とは、予め定めた期間に消耗品に故障が生じることを示す。また、他例には、予め定めた期間に消耗品が寿命に到達することを示す。
【0109】
第1予測式は、(a)消耗品の使用回数と、(b)平均使用回数による消耗品の故障閾値との相関関係を示し、情報値aが情報値b以上の場合に、予測式に適合することを示すTrue(真)となる。平均使用回数による消耗品の故障閾値は、消耗品または画像形成装置が故障するまでの消耗品の平均使用回数を適用することが可能である。
【0110】
第2予測式は、(c)消耗品装着後の経過時間(秒)と、(d)経年劣化による消耗品の故障閾値との相関関係を示し、情報値cの時間換算値((60x60)で除算した値)が情報値d以上の場合に、予測式に適合することを示すTrue(真)となる。(d)経年劣化による消耗品の故障閾値は、経年劣化により消耗品で故障が発生する時間が予め定められている。当該(d)の情報は、サーバ4から取得される。また、情報値cと情報値dとが同じ時間値(例えば秒)である場合は、時間換算値の演算は不要である。
【0111】
第3予測式は、(e)消耗品(ex.トナー)の平均温度と、(f)温度による消耗品の故障閾値との相関関係を示し、温度による消耗品の故障閾値には高温側の温度f1、及び低温側の温度f2が予め定められる。第3予測式では、消耗品の平均温度が高温側の温度f1以上の場合、または低温側の温度f2以下の場合に、予測式に適合することを示すTrue(真)となる。
【0112】
第4予測式は、(a)消耗品使用回数、(b)平均使用回数による消耗品の故障閾値、(c)消耗品装着後の経過時間(秒)、及び(d)経年劣化による消耗品の故障閾値の相関関係を示su.第4予測式では、当該相関関係が予め定められた定数K以上の場合に、予測式に適合することを示すTrue(真)となる。定数Kは、本開示の評価値を判定する値の一例である。
【0113】
本実施形態では、取得した情報が、第1予測式から第4予測式の少なくとも1つに適合する場合に障害が生じる虞があると予測する場合を説明するが、本開示はこれに限定されない。例えば、第1予測式から第4予測式の2つ以上の予測式の予測結果がTrue(真)となる場合に、障害が生じる虞があると予測してもよい。
【0114】
次のステップS118では、CPU12は、予測結果に基づく情報を送信する。ステップS118では、機能の更新が停止された画像形成装置2に対する予測結果への対応処理を示す情報である。当該対応処理を支援する情報である、予測結果に基づく情報は、例えば、保守に関する処理を指示する情報、及びサーバ4で予測式を最適化するための情報が適用される。保守に関する処理を指示する情報は、消耗品の保守を依頼する情報を含み、該当する消耗品の型番等の識別番号を付与して端末装置5に送信される。端末装置5は、情報処理装置1からの指示を受け付けて保守に関する処理を実行する。端末装置5では、上述したように、指示を受けた消耗品について、交換に関する訪問計画の立案、及び指示を受けた消耗品の発送の処理を実行することが可能となる。
【0115】
サーバ4で予測式を最適化するための情報は、上述した予測式で用いた情報、すなわち、情報処理装置1で取得した情報である(a)項目から(f)項目の情報が適用され、サーバ4に送信される。サーバ4は、情報処理装置1からの情報を受け付けて、上述したように予測式を最適化する。当該最適化によって、例えば、上述した定数Kが最適化される。
【0116】
すなわち、サーバ4は、最適化処理として、情報処理装置1から受信した予測結果と機器情報をもとに、解析ルゴリズムを最適化する。具体的には、保守期限内の画像形成装置に対して、第3予測式で、予め定めた期間に消耗品に故障が生じることを示すと予測された画像形成装置の総数に対する、当該予測された画像形成装置のうち実際に故障が生じた画像形成装置(または消耗品)の故障数の比率(以下、故障比率という)に基づいて、解析ルゴリズムを最適化する。この最適化では、サーバ4は、実際に故障が生じた画像形成装置(または消耗品)の故障数のフィードバックを情報として取得すればよい。より具体的には、故障比率が予め定めた比率(例えば、1/10)を超えて大きくなるに従って、定数Kが大きくなるように導出することで最適化する。一方、故障比率が予め定めた比率以下の場合は、小さくなるに従って、定数Kが小さくなるように導出することで最適化する。これにより、予測式は、実際に稼働中の画像形成装置の設定情報を用いて、最適化することが可能となる。
【0117】
なお、サーバ4は、複数の異なる画像形成装置について、オブジェクトの設定情報、機能関連情報、及び機能更新情報を対応付けて記憶する制御を行うことが可能である。また、サーバ4は、記憶されたオブジェクトの設定情報、機能関連情報、及び機能更新情報を用いて最適化処理によって導出される評価値を判定する値で、定数K等の閾値を更新する制御を行うことができる。
【0118】
以上説明したように、本実施形態によれば、実際の画像形成装置と同期されている仮想的な画像形成装置を用いる。また、実際の画像形成装置で機能の更新が停止された場合、仮想的な画像形成装置の設定情報と、機能が更新された画像形成装置の情報(機能関連情報)とを用いて、機能の更新が停止された画像形成装置における更新後の機能に関する情報(機能更新情報)を導出する。当該機能更新情報は、機能が更新された画像形成装置で利用可能な予測式を用いる。これにより、機能の更新が停止された画像形成装置、すなわち、保守が行われていない又は停止された画像形成装置における故障及び画像形成装置の寿命等の情報を予測することが可能となる。
【0119】
[その他の実施形態]
上述した実施形態では、情報処理装置1と、仮想的な画像形成装置2Aとを独立して構成した場合を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、情報処理装置1をクラウドネットワーク3内に形成し、当該仮想的な情報処理装置1と、仮想的な画像形成装置2Aとを、クラウドネットワーク3内に形成し、仮想的な情報処理装置1と仮想的な画像形成装置2Aとを一体に形成してもよい。この場合、仮想的な画像形成装置2Aを、上述した情報処理装置1として動作するように構成してもよく、情報処理装置1において仮想的な画像形成装置2Aが動作するようにしてもよい。
【0120】
また、上述した実施形態では、実際の画像形成装置2と、仮想的な画像形成装置2Aとを用いて機能の更新が停止された画像形成装置2に対する保守を行う場合を説明した。当該仮想的な画像形成装置2Aは、1つに限定されるものではなく、仮想的な画像形成装置2Aを複数の仮想的な画像形成装置に複製し、並列処理してもよい。これよって、y側をする処理の負荷を分散でき、画像形成装置2Aのみで検証する場合と比べて、予測に要する時間を短縮することが可能となる。
【0121】
以上、実施形態に係る情報処理装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
【0122】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0123】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【0125】
上記実施形態は、次の技術を含む。
【0126】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
処理を実行する機能を更新可能に有する画像形成装置に設定されている設定情報と、前記画像形成装置における前記処理を模擬可能な仮想の画像形成装置を示すオブジェクトに設定されている設定情報とを同期する制御を行い、
前記画像形成装置における前記機能の更新が停止された場合における前記オブジェクトに設定されている設定情報と、前記機能の更新が実行された他の画像形成装置における機能に関連する機能関連情報と、を取得し、
取得された前記オブジェクトの設定情報と前記機能関連情報とに基づいて、前記機能が更新された画像形成装置における更新後の機能に関する情報となるように、前記機能の更新が停止された画像形成装置に対して前記機能の更新が実行された場合における更新後の機能に関する機能更新情報を導出する制御を行う
情報処理装置。
【0127】
(((2)))
前記画像形成装置における設定情報は、前記画像形成装置の消耗品の使用状況を示す使用状況情報を含み、
前記プロセッサは、
取得された前記使用状況情報を含む設定情報を用いて、前記画像形成装置における前記機能更新情報として、画像形成装置の消耗品の障害に関連する障害関連情報を導出する制御を行う
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0128】
(((3)))
前記使用状況情報は、前記消耗品の使用回数、及び使用時間を含み、
前記プロセッサは、
前記消耗品の前記使用回数、及び前記使用時間を用いて、前記消耗品の寿命を前記障害関連情報として導出する制御を行う
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0129】
(((4)))
前記使用状況情報は、前記消耗品の使用回数、及び使用時間を含み、
前記プロセッサは、
前記消耗品の使用回数、及び前記使用時間を用いて、前記消耗品の故障を示す情報を前記障害関連情報として導出する制御を行う
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0130】
(((5)))
前記画像形成装置における設定情報は、前記画像形成装置における前記機能の更新が停止される以前に前記障害関連情報を導出する際に用いた前記画像形成装置における固有情報であって、前記画像形成装置における前記機能の更新が停止された際に障害関連情報を導出する場合に用いない前記固有情報を含み、
前記プロセッサは、
取得された前記固有情報を含む設定情報を用いて、前記画像形成装置における前記機能更新情報として、画像形成装置の消耗品の障害に関連する障害関連情報を導出する制御を行う
(((2)))から(((4)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0131】
(((6)))
前記プロセッサは、
前記オブジェクトの設定情報と前記機能関連情報とにより定まる評価値が、予め定めた条件に適合するか不適合かを示す情報を、前記機能更新情報として導出する制御を行う
(((1)))から(((5)))のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0132】
(((7)))
前記条件は、前記評価値を判定する閾値が予め定められており、
前記プロセッサは、
複数の異なる画像形成装置について、前記オブジェクトの設定情報、前記機能関連情報、及び前記機能更新情報を対応付けて記憶する制御を行い、
記憶された前記オブジェクトの設定情報、前記機能関連情報、及び前記機能更新情報を用いて導出される前記評価値を判定する値で、前記閾値を更新する制御を行う
(((6)))に記載の情報処理装置。
【0133】
(((8)))
前記画像形成装置における設定情報は、前記画像形成装置の消耗品の使用状況を示す使用状況情報を含む
(((6)))に記載の情報処理装置。
【0134】
(((1)))によれば、画像形成装置における機能の更新が停止された場合であっても画像形成装置における更新後の機能を利用可能にできる、という効果を有する。
(((2)))によれば、消耗品に関する情報を考慮しない場合と比べて、画像形成装置における機能の更新が停止されるような消耗品の障害に関する情報の導出できる、という効果を有する。
(((3)))によれば、消耗品の寿命を考慮せずに画像形成装置を使用する場合と比べて、ユーザが消耗品の寿命を確認できる、という効果を有する。
(((4)))によれば、消耗品の故障を考慮せずに画像形成装置を使用する場合と比べて、ユーザが消耗品の故障を確認できる、という効果を有する。
(((5)))によれば、画像形成装置における機能の更新が停止された際の情報のみを用いる場合と比べて、画像形成装置における機能の更新が停止された場合に利用困難な情報による障害関連情報を導出できる、という効果を有する。
(((6)))によれば、予測条件を用いない場合と比べて、高精度に機能更新情報を導出できる、という効果を有する。
(((7)))によれば、評価値を判定する値を更新しない場合と比べて、高精度に機能更新情報を導出できる、という効果を有する。
(((8)))によれば、消耗品に関する情報を考慮しない場合と比べて、画像形成装置における機能の更新が停止されるような消耗品の障害に関する情報を導出できる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0135】
1 情報処理装置
2、2A 画像形成装置
3 クラウドネットワーク
4 サーバ
5 端末装置
11 コンピュータ本体
12 CPU
13 RAM
14 ROM
15 記憶部
15D データベース
15P 情報処理プログラム
17 通信部
18 操作入力部
19 表示部
20 処理部
21 コンピュータ本体
25 記憶部
25D データベース
25E 設定情報
25F 設定データ
25G 機能データ
25P 画像形成プログラム
27 通信部
28 操作入力部
29 表示部
120 取得部
122 同期部
124 模擬部
126 予測部