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特開2024-46485車両データ取得システム、及び運行管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046485
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】車両データ取得システム、及び運行管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/13 20060101AFI20240327BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240327BHJP
   B60N 5/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G08G1/13
G08G1/00 D
B60N5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151909
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100124936
【弁理士】
【氏名又は名称】秦 恵子
(72)【発明者】
【氏名】丸山 健二郎
(72)【発明者】
【氏名】池上 智紀
【テーマコード(参考)】
3B088
5H181
【Fターム(参考)】
3B088QA03
3B088QA05
5H181AA01
5H181AA06
5H181BB04
5H181BB15
5H181CC04
5H181CC23
5H181FF05
5H181MC03
5H181MC12
5H181MC19
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】車両データを適切なタイミングで取得可能な車両データ取得システムを提供すること。
【解決手段】本開示の一態様にかかる車両データ取得システム1は、着座センサ11と、加速度センサ12と、車両位置センサ13と、車内画像取得センサ14と、乗客人数判定部22と、車両状態判定部23と、車内状態判定部24と、データ変化検知部25と、タイミング調整部21と、を備える。データ変化検知部25が乗客の人数に関するデータ、車両の運行状態に関するデータ、及び車両内の状態に関するデータのうちのいずれか一つのデータが変化したことを検知した場合、タイミング調整部21は、変化を検知したデータ以外のデータに対応するセンサから情報を取得するように調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の座席に設置され、乗客の着座の有無を検知する着座センサと、
前記車両の加速度を検知する加速度センサと、
前記車両の位置を検知する車両位置センサと、
前記車両内の画像を取得する車内画像取得センサと、
前記着座センサから取得した着座情報を用いて、前記車両の座席に着座している乗客の人数を判定し、当該乗客の人数に関するデータを出力する乗客人数判定部と、
前記加速度センサおよび前記車両位置センサの少なくとも一方から取得した車両情報を用いて前記車両の運行状態を判定し、当該車両の運行状態に関するデータを出力する車両状態判定部と、
前記車内画像取得センサで取得した画像情報を用いて前記車両内の状態を判定し、当該車両内の状態に関するデータを出力する車内状態判定部と、
前記乗客人数判定部から出力された前記乗客の人数に関するデータ、前記車両状態判定部から出力された前記車両の運行状態に関するデータ、及び前記車内状態判定部から出力された前記車両内の状態に関するデータのうちの少なくとも一つのデータの変化を検知するデータ変化検知部と、
前記乗客人数判定部が前記着座センサから前記着座情報を取得するタイミング、前記車両状態判定部が前記加速度センサおよび前記車両位置センサの少なくとも一方から前記車両情報を取得するタイミング、及び前記車内状態判定部が前記車内画像取得センサから前記画像情報を取得するタイミングの少なくとも一つを調整するタイミング調整部と、を備え、
前記データ変化検知部が前記乗客の人数に関するデータ、前記車両の運行状態に関するデータ、及び前記車両内の状態に関するデータのうちのいずれか一つのデータが変化したことを検知した場合、前記タイミング調整部は、前記変化を検知したデータ以外のデータに対応するセンサから情報を取得するように調整する、
車両データ取得システム。
【請求項2】
前記データ変化検知部が前記車両の運行状態に関するデータが変化したことを検知した場合、前記タイミング調整部は、前記乗客人数判定部が前記着座センサから前記着座情報を取得し、かつ前記車内状態判定部が前記車内画像取得センサから前記画像情報を取得するように調整する、請求項1に記載の車両データ取得システム。
【請求項3】
前記データ変化検知部が前記車両の運行状態に関するデータが通常状態から急加速状態、急減速状態、又は急カーブ状態に変化したことを検知した場合、前記タイミング調整部は、前記乗客人数判定部が前記着座センサから前記着座情報を取得し、かつ前記車内状態判定部が前記車内画像取得センサから前記画像情報を取得するように調整する、請求項2に記載の車両データ取得システム。
【請求項4】
前記データ変化検知部が前記乗客の人数に関するデータが変化したことを検知した場合、前記タイミング調整部は、前記車両状態判定部が前記加速度センサおよび前記車両位置センサの少なくとも一方から車両情報を取得し、かつ前記車内状態判定部が前記車内画像取得センサから前記画像情報を取得するように調整する、請求項1に記載の車両データ取得システム。
【請求項5】
前記データ変化検知部が前記乗客人数判定部において判定された前記車両の座席に着座している乗客の人数が減少したことを検知した場合、前記タイミング調整部は、前記車両状態判定部が前記加速度センサおよび前記車両位置センサの少なくとも一方から車両情報を取得し、かつ前記車内状態判定部が前記車内画像取得センサから前記画像情報を取得するように調整する、請求項4に記載の車両データ取得システム。
【請求項6】
前記データ変化検知部が前記車両内の状態に関するデータが変化したことを検知した場合、前記タイミング調整部は、前記乗客人数判定部が前記着座センサから前記着座情報を取得し、かつ前記車両状態判定部が前記加速度センサおよび前記車両位置センサの少なくとも一方から車両情報を取得するように調整する、請求項1に記載の車両データ取得システム。
【請求項7】
前記車内状態判定部において前記乗客が転倒したと判定された場合、前記データ変化検知部は前記車両内の状態に関するデータが変化したことを検知し、前記タイミング調整部は、前記乗客人数判定部が前記着座センサから前記着座情報を取得し、かつ前記車両状態判定部が前記加速度センサおよび前記車両位置センサの少なくとも一方から車両情報を取得するように調整する、請求項6に記載の車両データ取得システム。
【請求項8】
前記乗客人数判定部が前記着座センサから前記着座情報を取得するタイミング、前記車両状態判定部が前記加速度センサおよび前記車両位置センサの少なくとも一方から前記車両情報を取得するタイミング、及び前記車内状態判定部が前記車内画像取得センサから前記画像情報を取得するタイミングが互いにずれている、請求項1に記載の車両データ取得システム。
【請求項9】
前記乗客人数判定部から出力された前記乗客の人数に関するデータ、前記車両状態判定部から出力された前記車両の運行状態に関するデータ、及び前記車内状態判定部から出力された前記車両内の状態に関するデータを統合するデータ統合部と、
前記データ統合部で統合されたデータを無線送信する送信部と、を更に備える、
請求項1に記載の車両データ取得システム。
【請求項10】
請求項9に記載の車両データ取得システムと、
前記送信部から送信されたデータを受信する受信部と、当該受信部で受信したデータを解析する解析部と、を備える遠隔管理部と、を備える、運行管理システム。
【請求項11】
前記解析部は、前記車両の座席に着座している乗客の人数に関するデータ、前記車両の運行状態に関するデータ、前記車両内の状態に関するデータのうちの少なくとも一つを用いて車両の状態を解析する、請求項10に記載の運行管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両データ取得システム、及び運行管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バスや鉄道などの交通機関において、安全運行等のために車両内の乗客をモニタリングしたり、車両に乗車している乗客の人数を正確にカウントしたりすることが重要となってきている。特許文献1には、監視領域内の混雑状況に応じて、少ないカメラ台数で効率よく監視を行うことができる監視システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-69022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、近年、バスや鉄道などの交通機関において、当該交通機関に乗車している乗客の人数や車両の運行状態に関する情報等(車両データ)を適切に取得することが重要となってきている。特に、自動運転システムを導入した交通機関では、このような車両データを正確に取得する必要がある。
【0005】
乗客の人数や車両の運行状態に関する情報等(車両データ)は複数のセンサを車両に設けることで取得することができる。しかしながら、複数のセンサを用いて車両データを取得する場合、各々のセンサが情報を取得するタイミングが各々異なるため、車両データを適切なタイミングで取得できないという問題がある。例えば、特定のセンサで取得したデータが変化した際に、他のセンサのデータも取得したい場合がある。しかしながら、特定のセンサがデータを取得するタイミングと他のセンサがデータを取得するタイミングとがずれている場合、これらのデータを適切なタイミングで取得できないという問題がある。
【0006】
上記課題に鑑み本開示の目的は、車両データを適切なタイミングで取得可能な車両データ取得システム、及び運行管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様にかかる車両データ取得システムは、車両の座席に設置され、乗客の着座の有無を検知する着座センサと、前記車両の加速度を検知する加速度センサと、前記車両の位置を検知する車両位置センサと、前記車両内の画像を取得する車内画像取得センサと、前記着座センサから取得した着座情報を用いて、前記車両の座席に着座している乗客の人数を判定し、当該乗客の人数に関するデータを出力する乗客人数判定部と、前記加速度センサおよび前記車両位置センサの少なくとも一方から取得した車両情報を用いて前記車両の運行状態を判定し、当該車両の運行状態に関するデータを出力する車両状態判定部と、前記車内画像取得センサで取得した画像情報を用いて前記車両内の状態を判定し、当該車両内の状態に関するデータを出力する車内状態判定部と、前記乗客人数判定部から出力された前記乗客の人数に関するデータ、前記車両状態判定部から出力された前記車両の運行状態に関するデータ、及び前記車内状態判定部から出力された前記車両内の状態に関するデータのうちの少なくとも一つのデータの変化を検知するデータ変化検知部と、前記乗客人数判定部が前記着座センサから前記着座情報を取得するタイミング、前記車両状態判定部が前記加速度センサおよび前記車両位置センサの少なくとも一方から前記車両情報を取得するタイミング、及び前記車内状態判定部が前記車内画像取得センサから前記画像情報を取得するタイミングの少なくとも一つを調整するタイミング調整部と、を備える。前記データ変化検知部が前記乗客の人数に関するデータ、前記車両の運行状態に関するデータ、及び前記車両内の状態に関するデータのうちのいずれか一つのデータが変化したことを検知した場合、前記タイミング調整部は、前記変化を検知したデータ以外のデータに対応するセンサから情報を取得するように調整する。
【0008】
本開示の一態様にかかる運行管理システムは、上述の車両データ取得システムと、遠隔管理部と、を備える。遠隔管理部は、前記送信部から送信されたデータを受信する受信部と、当該受信部で受信したデータを解析する解析部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、車両データを適切なタイミングで取得可能な車両データ取得システム、及び運行管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかる車両データ取得システムを説明するためのブロック図である。
図2】実施の形態にかかる車両データ取得システムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図3】実施の形態にかかる車両データ取得システムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図4】実施の形態にかかる運行管理システムを説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態にかかる車両データ取得システムを説明するためのブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる車両データ取得システム1は、着座センサ11、加速度センサ12、車両位置センサ13、車内画像取得センサ14、タイミング調整部21、乗客人数判定部22、車両状態判定部23、車内状態判定部24、及びデータ変化検知部25を備える。本実施の形態にかかる車両データ取得システム1は更に、データ統合部26と送信部27とを備える。本実施の形態にかかる車両データ取得システム1は、例えば、バス、鉄道などの交通機関である車両に設置して、車両のデータを取得するシステムである。
【0012】
着座センサ11は、車両の座席に設置され、乗客の着座の有無を検知する。着座センサ11は、例えば静電容量センサを用いて構成することができる。また、着座センサ11は、メンブレンスイッチなどのスイッチ素子を用いて構成してもよい。例えば、スイッチ素子は、乗客が着座した際に導通状態となり、乗客が起立した際に非導通状態となるスイッチ素子である。着座センサ11で検知された着座情報は、タイミング調整部21を介して乗客人数判定部22に供給される。
【0013】
加速度センサ12は、車両の加速度を検知する。車両の加速度を検知することで、車両の状態、例えば停止、急発進、急停止、急カーブ等を検知することができる。加速度センサ12で検知された加速度情報(車両情報)は、タイミング調整部21を介して車両状態判定部23に供給される。
【0014】
車両位置センサ13は、車両の位置を検知する。車両位置センサ13は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて構成できる。車両位置センサ13で検知された車両位置情報(車両情報)は、タイミング調整部21を介して車両状態判定部23に供給される。
【0015】
車内画像取得センサ14は、車両内の画像を取得する。車内画像取得センサ14は、車両に乗車している乗客を検知可能なカメラであってもよい。車内画像取得センサ14として複数台のカメラを用いてもよい。また、車内画像取得センサ14として、LiDAR(Light Detection and Ranging)などの3Dセンサやサーモグラフィなどを用いてもよい。車内画像取得センサ14で検知された画像情報は、タイミング調整部21を介して車内状態判定部24に供給される。
【0016】
タイミング調整部21は、乗客人数判定部22が着座センサ11から着座情報を取得するタイミング、車両状態判定部23が加速度センサ12および車両位置センサ13の少なくとも一方から車両情報(加速度情報、車両位置情報)を取得するタイミング、及び車内状態判定部24が車内画像取得センサ14から画像情報を取得するタイミングの少なくとも一つを調整する。
【0017】
乗客人数判定部22は、着座センサ11から取得した着座情報を用いて、車両の座席に着座している乗客の人数を判定し、当該乗客の人数に関するデータをデータ変化検知部25に出力する。例えば、着座センサ11は、車両の全ての座席に設置されており、着座センサ11で着座の有無を検知することで、車両の座席に着座している乗客の人数を取得できる。
【0018】
車両状態判定部23は、加速度センサ12および車両位置センサ13の少なくとも一方から取得した車両情報を用いて車両の運行状態を判定し、当該車両の運行状態に関するデータをデータ変化検知部25に出力する。ここで車両の運行状態とは、車両の走行状態であり、例えば、通常状態、急加速状態、急減速状態、急カーブ状態等である。
【0019】
例えば、加速度センサ12から取得した加速度情報(車両情報)の値が大きい場合、車両状態判定部23は、車両が急加速状態、急減速状態、急カーブ状態であると判定できる。また、車両位置センサ13から取得した車両位置情報(車両情報)が示す車両の位置が、急カーブの直前である場合、車両状態判定部23は、車両が急カーブを曲がろうとしていると判定できる。
【0020】
車内状態判定部24は、車内画像取得センサ14で取得した画像情報を用いて車両内の状態を判定し、当該車両内の状態に関するデータをデータ変化検知部25に出力する。ここで車両内の状態とは、車両に乗車している乗客の状態である。例えば、車内状態判定部24は、立っている乗客が転倒した場合、乗客が転倒したと判定する。例えば、車内状態判定部24は、立っている乗客が大きく揺れている場合、乗客が揺れていると判定する。また、車内状態判定部24は、立っている乗客が所定の人数よりも多い場合、車両内が混雑していると判定する。
【0021】
データ変化検知部25は、乗客人数判定部22から出力された乗客の人数に関するデータ、車両状態判定部23から出力された車両の運行状態に関するデータ、及び車内状態判定部24から出力された車両内の状態に関するデータのうちの少なくとも一つのデータの変化を検知する。
【0022】
また、データ変化検知部25は、乗客の人数に関するデータ、車両の運行状態に関するデータ、及び車両内の状態に関するデータのうちのいずれか一つのデータが変化したことを検知した場合、タイミング調整部21にトリガー信号を出力する。タイミング調整部21は、データ変化検知部25からトリガー信号が供給された場合、データ変化検知部25で変化を検知したデータ以外のデータに対応するセンサから情報を取得するように調整する。
【0023】
例えば、データ変化検知部25が乗客の人数に関するデータ(着座センサ11の着座情報)が変化したことを検知した場合、タイミング調整部21は、車両状態判定部23が加速度センサ12および車両位置センサ13の少なくとも一方から情報を取得するように、また、車内状態判定部24が車内画像取得センサ14から情報を取得するように調整する。
【0024】
一例を挙げると、データ変化検知部25が乗客人数判定部22において判定された車両の座席に着座している乗客の人数が減少したことを検知した場合、タイミング調整部21は、車両状態判定部23が加速度センサ12および車両位置センサ13の少なくとも一方から車両情報を取得し、かつ車内状態判定部24が車内画像取得センサ14から画像情報を取得するように調整する。
【0025】
また、データ変化検知部25が車両の運行状態に関するデータ(加速度センサ12の加速度情報および車両位置センサ13の車両位置情報の少なくとも一方)が変化したことを検知した場合、タイミング調整部21は、乗客人数判定部22が着座センサ11から情報を取得するように、また、車内状態判定部24が車内画像取得センサ14から情報を取得するように調整する。
【0026】
一例を挙げると、データ変化検知部25が車両の運行状態に関するデータが通常状態から急加速状態、急減速状態、又は急カーブ状態に変化したことを検知した場合、タイミング調整部21は、乗客人数判定部22が着座センサ11から着座情報を取得し、かつ車内状態判定部24が車内画像取得センサ14から画像情報を取得するように調整する。
【0027】
また、データ変化検知部25が車両内の状態に関するデータ(車内画像取得センサ14の画像情報)が変化したことを検知した場合、タイミング調整部21は、タイミング調整部21は、乗客人数判定部22が着座センサ11から情報を取得するように、また、車両状態判定部23が加速度センサ12および車両位置センサ13の少なくとも一方から情報を取得するように調整する。
【0028】
一例を挙げると、車内状態判定部24において乗客が転倒したと判定された場合、データ変化検知部25は車両内の状態に関するデータが変化したことを検知する。この場合、タイミング調整部21は、乗客人数判定部22が着座センサ11から着座情報を取得し、かつ車両状態判定部23が加速度センサ12および車両位置センサ13の少なくとも一方から車両情報を取得するように調整する。
【0029】
データ統合部26は、乗客人数判定部22から出力された乗客の人数に関するデータ(乗客人数データ)、車両状態判定部23から出力された車両の運行状態に関するデータ(運行状態データ)、及び車内状態判定部24から出力された車両内の状態に関するデータ(車内状態データ)を、データ変化検知部25を介して入力し、これらのデータを統合する。
【0030】
送信部27は、データ統合部26で統合されたデータを無線送信する。例えば、送信部27は、車両を遠隔管理する遠隔管理部に統合されたデータを無線送信する。
【0031】
次に、データ統合部26が乗客の人数に関するデータ、車両の運行状態に関するデータ、及び車両内の状態に関するデータを統合する際の動作について、図2図3に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0032】
本実施の形態では、乗客人数判定部22が着座センサ11から着座情報を取得するタイミング、車両状態判定部23が加速度センサ12および車両位置センサ13の少なくとも一方から車両情報を取得するタイミング、及び車内状態判定部24が車内画像取得センサ14から画像情報を取得するタイミングが互いにずれている。
【0033】
このため、図2に示すように、乗客人数判定部22が乗客人数データを出力する周期P1、車両状態判定部23が運行状態データを出力する周期P2、及び車内状態判定部24が車内状態データを出力する周期P3はそれぞれ異なる。なお、本明細書では説明の都合上、車両状態判定部23が加速度センサ12および車両位置センサ13から車両情報を取得するタイミングは同じタイミングとしている。
【0034】
また、図2に示すタイミングチャートでは、例えば、タイミングt2からt3のタイミング(オンのタイミング)で、乗客人数判定部22は着座センサ11から着座情報を取得するとともに、当該着座センサ11から取得した着座情報を用いて、車両の座席に着座している乗客の人数を判定し、乗客人数データを出力するものとする。同様に、車両状態判定部23は、タイミングt1からt2のタイミング(オンのタイミング)で、加速度センサ12および車両位置センサ13の少なくとも一方から車両情報を取得するとともに、当該取得した車両情報を用いて車両の運行状態を判定し、運行状態データを出力するものとする。同様に、車内状態判定部24は、タイミングt1からt2のタイミング(オンのタイミング)で、車内画像取得センサ14から画像情報を取得し、当該取得した画像情報を用いて車両内の状態を判定し、車内状態データを出力するものとする。図3に示すタイミングチャートにおいても同様である。
【0035】
データ統合部26は、乗客人数判定部22から出力された乗客人数データ、車両状態判定部23から出力された運行状態データ、及び車内状態判定部24から出力された車内状態データを統合する。このとき、各々のデータが出力される周期P1、P2、P3はそれぞれ異なるため、データ統合部26がデータを統合するのに必要な時間にばらつきがある。例えば、タイミングt1~t3でデータ統合される場合、タイミングt13~t15でデータ統合される場合は、短い時間でデータが統合される。一方、タイミングt7~t10でデータ統合される場合、タイミングt19~t22でデータ統合される場合は、データ統合に要する時間が長くなる。
【0036】
通常動作時は、このようにデータ統合部26がデータを統合するのに必要な時間にばらつきがある。通常動作時は、このようにデータの統合に必要な時間にばらつきがあっても問題ないが、例えば、特定のセンサで取得したデータが変化した際は、他のセンサのデータも迅速に取得したい場合がある。
【0037】
このため本実施の形態では、データ変化検知部25が、乗客の人数に関するデータ、車両の運行状態に関するデータ、及び車両内の状態に関するデータのうちのいずれか一つのデータが変化したことを検知した場合、タイミング調整部21は、データ変化検知部25で変化を検知したデータ以外のデータに対応するセンサから情報を取得するように調整している。
【0038】
具体的には、図3に示すように、データ変化検知部25がタイミングt4において運行状態データが変化したことを検知した場合、タイミング調整部21は、タイミングt5において乗客人数判定部22が着座センサ11から情報を取得するように、また、タイミングt5において車内状態判定部24が車内画像取得センサ14から情報を取得するように調整している。そしてデータ統合部26は、これらのデータを統合する。
【0039】
また、図3に示すように、データ変化検知部25がタイミングt11において乗客人数データが変化したことを検知した場合、タイミング調整部21は、タイミングt12において車両状態判定部23が加速度センサ12および車両位置センサ13の少なくとも一方から情報を取得するように、また、タイミングt12において車内状態判定部24が車内画像取得センサ14から情報を取得するように調整している。そしてデータ統合部26は、これらのデータを統合する。
【0040】
本実施の形態ではこのように、データ変化検知部25が、乗客の人数に関するデータ、車両の運行状態に関するデータ、及び車両内の状態に関するデータのうちのいずれか一つのデータが変化したことを検知した場合、タイミング調整部21は、データ変化検知部25で変化を検知したデータ以外のデータに対応するセンサから情報を取得するように調整している。したがって、特定のセンサで取得したデータが変化した際に、他のセンサのデータも迅速に取得でき、必要なデータを適切なタイミングで(短い時間で)統合できる。よって、車両データを適切なタイミングで取得可能な車両データ取得システムを提供できる。
【0041】
なお、図1に示した車両データ取得システム1は一例であり、本実施の形態では、ジャイロセンサや床センサなどの他のセンサを更に備えていてもよい。ジャイロセンサは、車両の向きを検知するセンサである。床センサは、車両の床に設置され、乗客の足(足裏)を検出するセンサである。床センサは、乗客の足(足裏)が床センサに接することで印加された圧力を検出することで、車両に乗車している乗客を検知する。例えば、床センサは、複数の検出セルがマトリックス状に配置されたフロアセンサ、感圧素子を用いた圧力センサ、静電容量を用いた圧力センサ等を用いて構成することができる。また、本実施の形態では、加速度センサ・ジャイロセンサ・磁界センサ・気圧センサ・温度センサなどを組み合わせた慣性計測ユニット、赤外センサ、近接センサなどを備えていてもよい。
【0042】
図4は、実施の形態にかかる運行管理システムを説明するためのブロック図である。図4に示すように、本実施の形態にかかる運行管理システム100は、各々の車両に搭載された車両データ取得システム1a~1cと、遠隔管理部30と、を備える。遠隔管理部30は、受信部31と解析部32とを備える。受信部31は、車両データ取得システム1a~1cの送信部から送信されたデータを受信する。解析部32は、受信部31で受信したデータを解析する。
【0043】
解析部32は、車両の座席に着座している乗客の人数に関するデータ、車両の運行状態に関するデータ、及び車両内の状態に関するデータのうちの少なくとも一つを用いて、車両の状態を解析する。例えば、解析部32は、乗客人数データを用いて、利用客数を集計してもよい。また、解析部32は、乗客人数データを用いて、走行中の離席者数を集計してもよい。また、解析部32は、車両運行状態データを用いて、揺れの多い道路や急カーブの位置等の情報を集計してもよい。
【0044】
本実施の形態では、図4に示すように、複数の車両データ取得システム1a~1cを1つの遠隔管理部30で管理してもよい。また、1つの車両データ取得システム1aを1つの遠隔管理部30で管理してもよい。
【0045】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
1 車両データ取得システム
11 着座センサ
12 加速度センサ
13 車両位置センサ
14 車内画像取得センサ
21 タイミング調整部
22 乗客人数判定部
23 車両状態判定部
24 車内状態判定部
25 データ変化検知部
26 データ統合部
27 送信部
図1
図2
図3
図4