(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046524
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】関連図作成支援システム、支援方法、及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240327BHJP
G06Q 50/22 20240101ALI20240327BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20240327BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
G06Q50/22
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151960
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
(71)【出願人】
【識別番号】513099603
【氏名又は名称】兵庫県公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムソン 彰子
(72)【発明者】
【氏名】笹嶋 宗彦
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】看護における関連図の作成を支援するシステムにおいて、指導者による指導も好適に支援される関連図作成支援システムが望まれる。
【解決手段】関連図作成支援システム100は、看護における関連図の作成を支援するシステムであって、第1の関連図をメモリから読み出し、第1の関連図の中から基準を満たす部分範囲を決定し、部分範囲を表示装置に表示させる、よう構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
看護における関連図の作成を支援するシステムであって、
第1の関連図をメモリから読み出し、
前記第1の関連図の中から基準を満たす部分範囲を決定し、
前記部分範囲を表示装置に表示させる、よう構成されている
関連図作成支援システム。
【請求項2】
さらに、前記メモリから読み出した前記第1の関連図を前記表示装置に表示させるよう構成されており、
前記部分範囲を表示させることは、
前記部分範囲を選択可能に、前記第1の関連図とともに、前記第1の関連図よりも小さい第1のサイズで前記表示装置に表示させ、
選択された前記部分範囲を、前記第1のサイズより大きい第2のサイズで前記表示装置に表示させる、ことを含む
請求項1に記載の関連図作成支援システム。
【請求項3】
前記基準は、予め登録された第2の関連図との相関度を含み、
前記部分範囲を決定することは、前記相関度が予め規定された度合より高い領域を抽出することを含む
請求項1に記載の関連図作成支援システム。
【請求項4】
前記相関度は、前記第1の関連図から抽出されるテキストについて、前記第2の関連図に含まれるテキストのうちの特定のテキストに対する相関度を含む
請求項3に記載の関連図作成支援システム。
【請求項5】
前記相関度は、前記第1の関連図から抽出される図形について、前記第2の関連図に含まれる図形のうちの特定の図形に対する相関度を含む
請求項3に記載の関連図作成支援システム。
【請求項6】
前記基準は、予め登録されたキーワードとの相関度を含み、
前記部分範囲を決定することは、前記相関度が予め規定された度合より高い領域を抽出することを含む
請求項1に記載の関連図作成支援システム。
【請求項7】
前記第1の関連図について、要素ごとの当該要素の入力操作者を識別し得る情報であるログを記憶し、
前記部分範囲を表示させることは、前記部分範囲中の要素を前記入力操作者ごとに異なる表示態様で表示させることを含む
請求項1に記載の関連図作成支援システム。
【請求項8】
コンピュータを用いて看護における関連図の作成を支援する方法であって、
第1の関連図をメモリから読み出し、
前記第1の関連図の中から基準を満たす部分範囲を決定し、
前記部分範囲を表示装置に表示させる、ことを備えた
支援方法。
【請求項9】
コンピュータに看護における関連図の作成を支援する処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記処理は、
第1の関連図をメモリから読み出し、
前記第1の関連図の中から基準を満たす部分範囲を決定し、
前記部分範囲を表示装置に表示させる、ことを含む
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、関連図作成支援システム、支援方法、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療教育を支援するシステムとして、例えば、特開2008-275871号公報(以下、特許文献1)は、サーバコンピュータと、医学教育用の複数のクライアントコンピュータがネットワークを介して接続されており、サーバコンピュータは、クライアントコンピュータに、設定された課題症例の所見プロファイルを提供するとともに、データベースシステムから取得した臨床検査項目リストを提示し、受講者は、クライアントコンピュータを通して課題症例についての病態、根拠、問題点などを検討し、サーバコンピュータとやりとりを行いながら、課題症例に対するトレーニングを行う医学教育支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
看護教育には、患者から得た情報や看護に必要な情報を、それらの関連を表す関連図の作成を指導することが含まれる。関連図の作成の指導には、看護学生が作成した関連図と、例えば指導者が作成した関連図などの基準となるものとを指導者が目視で比較する必要がある。目視で比較する際には、看護学生が作成した関連図から、基準となるものに対応した、指導すべき領域である領域を目視で特定するため、その作業に時間がかかったり難しかったりする。そのため、特許文献1に開示されているような従来の医学教育支援システムでは、適切な関連図の作成の指導の達成が難しい。
【0005】
そのため、関連図の作成を支援するシステムにおいて、指導者による適切な関連図の作成の指導が支援される関連図作成支援システム、支援方法、及び、コンピュータプログラムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)ある実施の形態に従うと、関連図作成支援システムは、看護における関連図の作成を支援するシステムであって、第1の関連図をメモリから読み出し、第1の関連図の中から基準を満たす部分範囲を決定し、部分範囲を表示装置に表示させる、よう構成されている。
【0007】
(2)(1)に記載の関連図作成支援システムであって、好ましくは、関連図作成支援システムは、さらに、メモリから読み出した第1の関連図を表示装置に表示させるよう構成されており、部分範囲を表示させることは、部分範囲を選択可能に、第1の関連図とともに、第1の関連図よりも小さい第1のサイズで表示装置に表示させ、選択された部分範囲を、第1のサイズより大きい第2のサイズで前記表示装置に表示させる、ことを含む。
【0008】
(3)(1)又は(2)に記載の関連図作成支援システムであって、好ましくは、基準は、予め登録された第2の関連図との相関度を含み、部分範囲を決定することは、相関度が予め規定された度合より高い領域を抽出することを含む。
【0009】
(4)(3)に記載の関連図作成支援システムであって、好ましくは、相関度は、第1の関連図から抽出されるテキストについて、第2の関連図に含まれるテキストのうちの特定のテキストに対する相関度を含む。
【0010】
(5)(3)又は(4)に記載の関連図作成支援システムであって、好ましくは、相関度は、第1の関連図から抽出される図形について、第2の関連図に含まれる図形のうちの特定の図形に対する相関度を含む。
【0011】
(6)(1)~(5)のいずれか1つに記載の関連図作成支援システムであって、好ましくは、基準は、予め登録されたキーワードとの相関度を含み、部分範囲を決定することは、相関度が予め規定された度合より高い領域を抽出することを含む。
【0012】
(7)(1)~(6)のいずれか1つに記載の関連図作成支援システムであって、好ましくは、第1の関連図について、要素ごとの当該要素の入力操作者を識別し得る情報であるログを記憶し、部分範囲を表示させることは、部分範囲中の要素を入力操作者ごとに異なる表示態様で表示させることを含む。
【0013】
(8)ある実施の形態に従うと、関連図作成支援方法は、コンピュータを用いて看護における関連図の作成を支援する方法であって、第1の関連図をメモリから読み出し、第1の関連図の中から基準を満たす部分範囲を決定し、部分範囲を表示装置に表示させる、ことを備える。
【0014】
(9)ある実施の形態に従うと、コンピュータプログラムは、コンピュータに看護における関連図の作成を支援する処理を実行させるコンピュータプログラムであって、処理は、第1の関連図をメモリから読み出し、第1の関連図の中から基準を満たす部分範囲を決定し、部分範囲を表示装置に表示させる、ことを含む。
【0015】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【発明の効果】
【0016】
関連図の作成を支援するシステムにおいて、指導者による適切な関連図の作成の指導が支援される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る関連図作成支援システム(以下、システム)の構成の一例を表した概略図である。
【
図2】
図2は、システムに含まれる演算装置の概略構成図である。
【
図3】
図3は、システムでの関連図の作成を支援する方法であって、生徒による関連図の作成を支援する方法の一例を表した図である。
【
図4】
図4は、システムでの関連図の作成を支援する方法であって、関連図の指導を支援する方法の一例を表した図である。
【
図5】
図5は、関連図の作成操作を行うための画面の一例を表した図である。
【
図7】
図7は、ガイド表示の一例を表した図である。
【
図8】
図8は、ガイド表示の一例を表した図である。
【
図9】
図9は、部分範囲の表示の一例を表した図である。
【
図10】
図10は、関連図の表示処理の一例を表したフローチャートである。
【
図12】
図12は、部分範囲を決定する処理の一例を表したフローチャートである。
【
図14】
図14は、部分範囲の決定方法の一例を説明するための図である。
【
図15】
図15は、部分範囲の決定方法の他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施の形態に係る関連図作成支援システム(以下、システム)100の構成の一例を表した概略図である。本システム100は、看護師、又は、看護学生(以下、生徒と称する)による看護における関連図の作成を支援する。生徒による関連図の作成を支援することは、生徒による看護における関連図の作成の支援と、指導者による指導の支援と、を含む。看護における関連図は、患者の看護に関する情報の関連性を表した図を指す。
【0019】
システム100は、サーバなどの演算装置1と、インターネットなどの通信網9を介して演算装置1と通信可能な端末装置3,5と、を含む。端末装置3,5は、一般的なパーソナルコンピュータや、タブレット端末や、スマートフォンなどであってよい。端末装置3は、生徒が関連図作成のために用いる端末装置である。端末装置5は、指導者が関連図作成の指導を行うために用いる端末装置である。以降、これらを区別するために生徒端末3、指導者端末5と称する。
【0020】
図1の例では、システム100は、複数の生徒6A,6B,6Cそれぞれが用いる複数の生徒端末3と、指導者7が用いる指導者端末5を含み、それらが通信網9を介して演算装置1と通信可能に接続されている。複数の生徒6A,6B,6Cを代表させて生徒6とも称する。
【0021】
生徒端末3は、少なくとも入力部34とディスプレイ35とを含む。入力部34は、生徒6によるユーザ操作を受け付けて操作信号を図示しないプロセッサに入力する。プロセッサは、操作信号に従う処理を実行する。ディスプレイ35は、図示しないプロセッサの制御に従って画面表示を行う。操作信号に従う処理は、例えば、通信網9を介して演算装置1にデータを送信する処理や、演算装置1からデータを受信してディスプレイ35に表示する処理などを含む。
【0022】
指導者端末5は、少なくとも入力部54とディスプレイ55とを含む。入力部54は、指導者7によるユーザ操作を受け付けて操作信号を図示しないプロセッサに入力する。プロセッサは、操作信号に従う処理を実行する。ディスプレイ55は、図示しないプロセッサの制御に従って画面表示を行う。操作信号に従う処理は、例えば、通信網9を介して演算装置1にデータを送信する処理や、演算装置1からデータを受信してディスプレイ55に表示する処理などを含む。
【0023】
看護指導の現場では、複数の生徒が1つのグループを構成してグループで1つの関連図を作成し、その関連図を基に指導者がグループを指導することが行われる場合がある。以下の説明では、一例として、生徒6A,6B,6Cが1つのグループを構成し、それぞれが生徒端末3を用いて1つの関連図を作成し、指導者7が指導者端末5を用いて関連図の指導を行うものとする。
【0024】
この場合、演算装置1には、生徒6A,6B,6Cそれぞれが用いる生徒端末3が同一のグループを構成する端末装置であることが予め登録されている。これにより、演算装置1では、生徒6A,6B,6Cそれぞれが用いる生徒端末3それぞれから受け付けたデータを用いて、1つの関連図の作成の支援を行うことができる。
【0025】
図2は、演算装置1の概略構成図である。演算装置1は、プロセッサ11とメモリ12とを有するコンピュータで構成されている。演算装置1は、複数のコンピュータが協働して実現されるものであってもよい。
【0026】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。メモリ12は、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含む。または、メモリ12は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。さらに、メモリ12は、演算装置1の他の装置に少なくとも一部が備えられ、プロセッサ11によってアクセス可能であってもよい。
【0027】
メモリ12は、プロセッサ11で実行されるコンピュータプログラム(以下、プログラム)121,122を記憶している。プログラム121,122は、プロセッサ11での処理のためのプログラムコードを有する。第1プログラム121は、プロセッサ11に、関連図の作成を支援するための処理を実行させる。第2プログラム122は、プロセッサ11に、関連図に基づく指導を支援するための処理を実行させる。
【0028】
プログラム121,122は一連のプログラムであってもよいし、それぞれ、複数のモジュールの組み合わせからなるものであってもよい。以降の説明では、演算装置1での処理は、コンピュータプログラム121,122によって実現されるものとしているが、回路素子その他のハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0029】
プログラム121,122は、コンピュータ読取り可能である非一時的な記録媒体に記録されたプログラム製品として提供されてもよい。プログラム121,122は、ネットワークを介したダウンロードによって提供されてもよい。又は、プログラム121,122は、アプリケーションプログラムとして提供されてもよいし、その一部または全部が、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)に含まれていてもよい。
【0030】
メモリ12は、関連図情報記憶部123を有する。関連図情報は、プロセッサ11によって生成された関連図に関する情報であって、生成した関連図のデータ、及び、ログを含む。関連図のデータは、関連図を構成する1以上の種類の要素と要素間の関係とを識別する情報を有する。ログは、要素ごとの当該要素の入力操作を行った生徒6を識別し得る情報である。
【0031】
好ましくは、関連図情報は、グループ情報を含む。グループ情報は、関連図の作成のための操作を行う1以上の生徒6を識別し得る情報である。生徒6を識別し得る情報は、一例として、各生徒6に予め割り当てられたID(identification)である。好ましくは、グループ情報は、IDと生徒6が用いる生徒端末3との対応関係を含む。
【0032】
好ましくは、メモリ12は、ガイド情報記憶部124を有する。ガイド情報は、後述するガイド表示に用いる情報である。
【0033】
演算装置1は、通信部13を有する。通信部13は、通信網9を介して他の装置と通信可能である。これにより、演算装置1は、通信網9を介して生徒端末3や指導者端末5と通信可能である。
【0034】
プロセッサ11は、第1プログラム121をメモリ12から読み出し、第1プログラム121に従って関連図生成処理111を実行する。関連図生成処理111は、生徒端末3から入力されたデータに基づいて関連図の作成を行うことを含む。
【0035】
関連図の作成を行うことは、一例として、要素を作成することを含む。要素を作成することは、一例として、予め記憶している複数の要素の種類の中から指定された種類を決定することを含む。また、要素を作成することは、要素に入力するテキストを決定することを含む。
【0036】
関連図の作成を行うことは、一例として、他の要素との関連を設定することを含む。他の要素との関連を設定することは、一例として、当該要素の位置を決定すること、当該要素に関連を有する要素を決定すること、を含む。
【0037】
プロセッサ11は、要素を作成するたびに関連図のデータとして関連図情報記憶部123に記憶させる。これにより、プロセッサ11が要素を作成するたびに、関連図のデータが更新される。
【0038】
関連図生成処理111は、ログ生成処理112を含む。プロセッサ11は、要素を作成するたびに、その要素のログを生成し、関連図情報記憶部123に関連図情報として記憶させる。これにより、プロセッサ11が要素を作成するたびに、その関連図のログが更新される。
【0039】
好ましくは、関連図生成処理111は、ガイド表示処理113を含む。ガイド表示処理113は、関連図の作成のための操作を行っている生徒端末3のディスプレイ35に表示させた関連図に、ガイドを重ねて表示させるための処理を含む。ガイド表示処理113は、一例として、生徒端末3からのデータに基づいて表示するガイドを決定することを含む。また、ガイド表示処理113は、一例として、ガイドを表示させるためのデータを生徒端末3に送信することを含む。
【0040】
プロセッサ11は、第1プログラム121をメモリ12から読み出し、第1プログラム121に従って第1出力処理115を実行する。第1出力処理115は、メモリ12に記憶された関連図のデータを、1以上の生徒6の生徒端末3に送信することを含む。第1出力処理115は、一例として、関連図生成処理111によって関連図が作成され、関連図のデータがメモリ12に書き込まれるたびに実行されてもよい。これにより、生徒端末3では、生徒6からの操作に従って生成される関連図がリアルタイムで表示されるようになる。
【0041】
好ましくは、第1出力処理115においてプロセッサ11は、グループ情報を参照して、関連図を作成するグループとして登録された複数の生徒6それぞれに対応付けられた生徒端末3を識別し、それら生徒端末3に関連図のデータを送信する。これにより、生徒端末3では、同一のグループに属する他の生徒6からの操作に従って生成される関連図もリアルタイムで表示されるようになる。
【0042】
プロセッサ11は、第2プログラム122をメモリ12から読み出し、第2プログラム122に従って部分範囲決定処理114を実行する。部分範囲決定処理114は、部分範囲を決定する対象の関連図(第1の関連図)について、第1の関連図の中から部分範囲を決定することを含む。
【0043】
部分範囲は、第1の関連図のうちの、基準を満たす複数のノードと、それらのノードをつなぐリンクと、を含む範囲を指す。ノードとリンクとについては後述する。基準は、一例として、予め登録された他の関連図(第2の関連図)との相関度であってよい。この場合、部分範囲決定処理114においてプロセッサ11は、第1の関連図のうちの第2の関連図との相関度が予め規定された度合より高い領域を部分領域として抽出する。なお、他の例として、基準を満たす範囲は、第1の関連図のうちの第2の関連図との相関度が予め規定された度合より低い領域であってもよい。
【0044】
プロセッサ11は、第2プログラム122をメモリ12から読み出し、第2プログラム122に従って第2出力処理116を実行する。第2出力処理116は、部分範囲決定処理114によって決定された部分範囲を表示させるためのデータを、当該関連図の指導を行う指導者7の指導者端末5に送信することを含む。指導者端末5は、一例として、部分領域の表示の指示を受け付けた指導者端末5であってよい。
【0045】
図3~
図9を用いて、システム100での関連図の作成を支援する方法について具体例を挙げて説明する。
図3は、システム100での関連図の作成を支援する方法であって、生徒6による関連図の作成を支援する方法の一例を表した図である。
図4は、システム100での関連図の作成を支援する方法であって、関連図の指導を支援する方法の一例を表した図である。
図5は、関連図の作成操作を行うための画面の一例を表した図である。
図6は、ログの概略図である。
図7及び
図8は、ガイド表示の一例を表した図である。
図9は、部分範囲の表示の一例を表した図である。
【0046】
生徒6が関連図を作成する際、生徒端末3に対して、生徒6による関連図の作成を指示するユーザ操作が行われる(ステップS1)。このとき、生徒端末3のディスプレイ35には、
図5のような関連図作成の画面201が表示されている。
【0047】
画面201は、要素の種類の選択肢21を含む。関連図の要素の種類は、ノードを含む。ノードは、一例として、病態や症状や観察によって得られた、実在する状態を示すノードと、病名や診断名を示すノードと、を含む。関連図の要素の種類は、関連線(リンク)を含む。関連線は、実在する関連を示す関連線と、潜在する関連を示す関連線と、有効な治療を示す関連線と、を含む。選択肢21は、一例として、実在する状態を示すノードの選択肢21A、病名や診断名を示すノードの選択肢21B、実在する関連を示す関連線の選択肢21C、潜在する関連を示す関連線の選択肢21D、及び、有効な治療を示す関連線の選択肢21Eを含む。
【0048】
図5の画面201は、複数の要素を有し、新たに要素の追加、又は、削除や変更が可能な作成途中の関連図を表した画面である。具体的に、画面201に示されている関連図の例は、実在する状態を示すノード22A,22B,22C,22D、病名や診断名を示すノード23A,23B、実在する関連を示す関連線24A,24B、潜在する関連を示す関連線25A,25B、及び、有効な治療を示す関連線26を含む。
【0049】
ノード22Aはテキスト「40代男性 腸管ベーチェットの疑い」を有し、ノード22Bはテキスト「1年前から間欠的な腹部膨満感、下痢、腹痛」を有し、ノード22Cは、テキスト「注腸:回盲部:潰瘍性病変 CT(腹部):病変周囲:腸瘍形成 CF::回盲末瘍:広い潰瘍」を有し、ノード22Dはテキスト「ペンタサ内服」を有し、ノード23Aはテキスト「潰瘍性大腸炎疑い」を有し、ノード23Bはテキスト「腸管ベーチェット疑い」を有している。ノード22Aとノード22Bとは関連線24Aで接続され、ノード22Bとノード22Cとは関連線24Bで接続され、ノード22Cとノード23Aとは関連線25Aで接続され、ノード22Cとノード23Bとは関連線25Bで接続され、ノード22Dとノード23Aとは関連線26で接続されされている。
【0050】
生徒端末3では、一例として、選択肢21の選択と、選択された要素を配置する位置の指定と、を受け付ける。要素がノードの場合、さらに、テキストの入力を受け付ける。要素が関連線の場合、要素を配置する位置の指定として、関連線の始点及び終点とするノードの指定を受け付ける。
【0051】
生徒端末3は、受け付けたユーザによる入力操作に基づいて、操作信号を示すデータD1を演算装置1に送信する(ステップS2)。ステップS2で送信される操作信号には、生徒端末3の識別情報が関連付けられている。これにより、演算装置1のプロセッサ11は、どの生徒端末3からの操作信号であるか、つまり、どの生徒6からのユーザ操作であるか、を判別することができる。
【0052】
演算装置1のプロセッサ11は関連図生成処理111を実行して、データD1に基づいて関連図を生成する。関連図生成処理111での処理は、関連図の要素を作成し(ステップS3)、ログを作成すること(ステップS4)を含む。関連図生成処理111での処理は、さらに、関連図を作成することを含んでもよい(ステップS5)。作成されたデータは、メモリ12に記憶される(ステップS5)。
【0053】
メモリ12には、一例として、
図6のログデータ400が記憶される。ログデータ400は関連図ごとに作成され、メモリ12に記憶される。ログデータ400は、
図5の関連図に対応したログデータである。演算装置1のプロセッサ11は、ユーザによる入力操作を受け付けるたびにログL1~L12を作成し、ログデータ400に加える。これにより、ログデータ400は、入力操作ごとのログL1~L12を有する。
【0054】
ログは、要素ごとの、当該要素の入力操作を行った生徒6を識別し得る情報を有する。一例として、ログL1~L12は、それぞれ、日時を示す情報41、入力操作を行ったユーザを示す情報42、入力操作の種別を示す情報43、ノードを識別する情報44、ノードの種類を示す情報45、ノードを配置する位置として座標を示す情報46、ノードに含まれるテキストを示す情報47、関連線の始点とするノードを識別する情報48、関連線の終点とするノードを識別する情報49、及び、関連線の種類を示す情報40を含む。
【0055】
具体的には、ログL1は、日時T1にユーザAによる関連図を新規に作成するユーザ操作を示すログである。ログL2は、日時T2にユーザBによるノードを追加するユーザ操作によって作成された、ID14のノードを示すログである。ログL2では、ID14のノードが実在する状態を示すノードであって、座標(200,10)で示される位置に配置され、テキスト「40代男性 腸管ベーチェットの疑い」を有することが示されている。ID14のノードは、
図5のノード22Aを示している。
【0056】
ログL3は、日時T3にユーザAによるノードを追加する入力操作によって作成された、ID15のノードを示すログである。ログL3では、ID15のノードが実在する状態を示すノードであって、座標(200,80)で示される位置に配置され、テキスト「1年前から間欠的な腹部膨満感、下痢、腹痛」を有することが示されている。ID15のノードは、
図5のノード22Bを示している。ログL4は、日時T4にユーザBによる関連線を追加する入力操作によって作成された関連線を示すログである。ログL4では、関連線が、ID14のノードを始点、ID15のノードを終点とした、実在する関連を示す関連線であることが示されている。ログL4で示される関連線は、
図5の関連線24Aを示している。
【0057】
ログL5は、日時T5にユーザAによるノードを追加する入力操作によって作成された、ID16のノードを示すログである。ログL5では、ID16のノードが実在する状態を示すノードであって、座標(200,150)で示される位置に配置され、テキスト「注腸:回盲部:潰瘍性病変 CT(腹部):病変周囲:腸瘍形成 CF::回盲末瘍:広い潰瘍」を有することが示されている。ID16のノードは、
図5のノード22Cを示している。ログL6は、日時T6にユーザCによる関連線を追加する入力操作によって作成された関連線を示すログである。ログL6では、関連線が、ID15のノードを始点、ID16のノードを終点とした、実在する関連を示す関連線であることが示されている。ログL6で示される関連線は、
図5の関連線24Bを示している。
【0058】
ログL7は、日時T7にユーザBによるノードを追加する入力操作によって作成された、ID17のノードを示すログである。ログL7では、ID17のノード病名や診断名を示すノードであって、座標(150,220)で示される位置に配置され、テキスト「潰瘍性大腸炎疑い」を有することが示されている。ID17のノードは、
図5のノード23Aを示している。ログL8は、日時T8にユーザBによるノードを追加する入力操作によって作成された、ID18のノードを示すログである。ログL8では、ID18のノード病名や診断名を示すノードであって、座標(400,220)で示される位置に配置され、テキスト「腸管ベーチェット疑い」を有することが示されている。ID18のノードは、
図5のノード23Bを示している。
【0059】
ログL9は、日時T9にユーザAによる関連線を追加する入力操作によって作成された関連線を示すログである。ログL9では、関連線が、ID16のノードを始点、ID17のノードを終点とした、潜在する関連を示す関連線であることが示されている。ログL8で示される関連線は、
図5の関連線25Aを示している。ログL10は、日時T10にユーザAによる関連線を追加する入力操作によって作成された関連線を示すログである。ログL10では、関連線が、ID16のノードを始点、ID18のノードを終点とした、潜在する関連を示す関連線であることが示されている。ログL10で示される関連線は、
図5の関連線25Bを示している。
【0060】
ログL11は、日時T11にユーザAによるノードを追加する入力操作によって作成された、ID19のノードを示すログである。ログL11では、ID19のノードが病名や診断名を示すノードであって、座標(25,220)で示される位置に配置され、テキスト「ペンタサ内服」を有することが示されている。ID19のノードは、
図5のノード22Dを示している。ログL12は、日時T12にユーザCによる関連線を追加する入力操作によって作成された関連線を示すログである。ログL12では、関連線が、ID19のノードを始点、ID17のノードを終点とした、有効な治療を示す関連線であることが示されている。ログL12で示される関連線は、
図5の関連線26を示している。
【0061】
作成された関連図(第1の関連図)を示すデータAC1は、演算装置1から生徒端末3に送信される(ステップS6)。関連図を示すデータAC1は、関連図を表した画像データであってもよいし、ログデータ400のような、入力操作を行ったユーザを識別する情報とともに要素ごとの種類及び配置を示したデータであってもよい。生徒端末3は、関連図をディスプレイ35に表示させる(ステップS7)。これにより、生徒6は、ステップS1での生徒端末3に対するユーザ操作によって作成された関連図をディスプレイ35で見ることができる。
【0062】
好ましくは、ステップS6で、関連図を示すデータAC1とともに、又は、関連図を示すデータAC1として、ログデータ400のような、入力操作を行ったユーザを識別する情報とともに要素ごとの種類及び配置を示したデータを送信してもよい。この場合、好ましくは、生徒端末3では、
図5に表されたように、要素ごとに、入力操作を行ったユーザに応じた表示態様で表示させてもよい。
図5の例では、ノード22A,22C,22Dと、ノード22B,23Aと、ノード23Bとがそれぞれ異なるハッチングで表されており、それぞれ、異なるユーザA,B,Cの入力操作によって作成された要素であることが示されている。これにより、生徒6は誰が入力操作を行った要素であるかを一目で把握することができる。
【0063】
好ましくは、ステップS6で演算装置1のプロセッサ11は、グループ情報を参照して、データD1を受信した生徒端末3と同一のグループとして登録されている他の生徒端末3に対してデータAC1を送信する。これにより、同一のグループとして登録された複数の生徒6それぞれの生徒端末3に関連図が表示されるようになる。その結果、同一のグループを構成する複数の生徒6のうち、いずれかの生徒6が操作を行うことで作成された関連図を、複数の生徒6それぞれが生徒端末3で見ることができる。これにより、グループで同一の関連図を作成することが支援される。例えば、複数の生徒6がそれぞれ遠隔地にあっても、このシステム100を用いることでリアルタイムに同一の関連図を作成することが可能になる。
【0064】
演算装置1のプロセッサ11は、ステップS3~S5を、ステップS1の入力操作を受け付けるたびに繰り返す。その結果、複数の生徒6のいずれかの入力操作のたびに、入力操作によって指定された要素が作成され、関連図が更新されるようになる。具体的には、ログデータ400のログが、入力操作のたびに追加される。これにより、例えば、複数の生徒6がそれぞれ遠隔地にあっても、このシステム100を用いることであたかも話し合いながら作成を行っているように、関連図の作成が支援される。
【0065】
好ましくは、同一グループに含まれる複数の生徒が同時に関連図を作成する場合、演算装置1のプロセッサ11では、ある学生が関連図の作成(編集)をしているときには、他の学生又はその他ユーザによる関連図の作成(編集)が禁止される排他制御が行われる。排他制御によって、複数人が同時に関連図を作成しても、データのコンフリクトを防止できる。
【0066】
図10は、ステップS7での関連図の表示処理の一例を表したフローチャートである。
図10のフローチャートは、ステップS6で演算装置1から送信されたデータAC1を受信した生徒端末3によって実行される。一例として、データAC1は、ログデータ400(
図6)であるものとする。
【0067】
生徒端末3の図示しないプロセッサは、受信したログデータ400のうち、表示していない要素に対応したログがある場合(ステップS101でYES)、以降の処理を行う。すなわち、プロセッサは、ログデータ400から表示対象の要素に対応したログを読み出す(ステップS103)。
【0068】
プロセッサは、読み出したログから、要素の種類を識別する(ステップS105)。要素がノードである場合に、プロセッサは、ノードの種類が実在する状態を示すノードであるのか病名や診断名を示すノードであるのかを識別する。要素が関連線である場合、プロセッサは、関連線の種類が実在する関連を示す関連線であるのか潜在する関連を示す関連線であるのかを識別する。
【0069】
生徒端末3は、要素の種類ごとの表示態様を予め記憶している。要素の種類ごとの表示態様は演算装置1から送信されてきてもよい。プロセッサは、ステップS105で識別した要素の種類に対応した表示態様を決定する(ステップS107)。
【0070】
プロセッサは、読み出したログから、要素を入力する入力操作を行った生徒を識別する(ステップS109)。ログデータ400では、ユーザがA~Cのいずれであるかを識別する。
【0071】
生徒端末3は、生徒ごとの表示態様を予め記憶している。生徒ごとの表示態様は演算装置1から送信されてきてもよい。プロセッサは、ステップS109で識別した生徒に対応した表示態様を決定する(ステップS111)。
【0072】
ステップS107,S111の表示態様を決定すると、プロセッサは、対象の要素を決定した表示態様で表示させる表示データを生成する(ステップS113)。プロセッサは、一連の処理を、受信したログデータ400に表示していない要素に対応したログがなくなるまで繰り返す(ステップS101でNO)。これにより、受信したログデータ400に基づいて
図5のように、要素ごとに、入力操作を行ったユーザに応じた表示態様で表示されるようになる。
【0073】
好ましくは、演算装置1のプロセッサ11は、ステップS2でユーザ操作を示す操作信号を受け付けるとガイド表示処理113を実行し、関連図の作成のためのガイドを作成し(ステップS8)、ガイド用のデータGを生徒端末3に送信してもよい(ステップS9)。生徒端末3は、データGに基づいてディスプレイ35にガイドを表示する(ステップS10)。
【0074】
図11は、ガイド情報記憶部124に記憶されているガイド情報の一例を表した図である。ここでのガイド情報は、特定のキーワードについて表示する情報を階層的に規定する情報である。ガイド情報記憶部124は、1以上のキーワードについて、それぞれのガイド情報80A,80B,80C…を記憶している。
【0075】
図11の例では、ガイド情報80Aは、テキスト「ロキソニン」であるキーワード81と、キーワードに対応した1以上の第1次項目82と、各第1次項目82に対応した1以上の第2次項目83と、各第2次項目83に対応した第3次項目84と、を含む。第1次項目82は、4つの項目「内服管理」「使用状況」「効果評価」及び「副作用」を含む。
【0076】
項目「内服管理」の第2次項目83は、2項目「自己管理」「看護師管理」を含む。各項目「自己管理」「看護師管理」の判断結果84は、いずれも「適正判断」である。項目「使用状況」の第2次項目83は、3項目「頻度」「1回量」「内服時間」を含む。項目「頻度」の第3次項目84は「適正判断」である。他の項目「1回量」「内服時間」についても、それぞれ、第3次項目84が規定されている。項目「効果評価」の第2次項目83は、2項目「有」「無」を含む。各項目「有」「無」の第3次項目84は、それぞれ、「適正判断」「代替案の検討」である。項目「副作用」の第2次項目83は、2項目「胃部不快」「常用性」を含む。各項目「胃部不快」「常用性」の第3次項目84は、それぞれ、「医薬の処方依頼」「代替案の検討」である。
【0077】
図7の画面202は関連図の一例であって、テキスト「鎮痛剤 ロキソニン1錠 臨時処方」を有するノード61を含む関連図の一部が示されている。プロセッサ11は、生徒端末3からノード61を選択するユーザ操作を受け付けると、ノード61に含まれているテキスト「ロキソニン」に対応付けられた第1次項目82である4つの項目「内服管理」「使用状況」「効果評価」及び「副作用」を、テキスト「ロキソニン」についてのガイド情報80Aから読み出して、ノード61の近傍に第1次項目82の選択肢62を表示させる。ユーザ操作は、一例として、ポインタを位置P1としてノード61を選択状態とする操作であってよい。選択肢62は、この例では、「内服管理」を示す選択肢62A、「使用状況」を示す選択肢62B、「効果評価」を示す選択肢62C、及び「副作用」を示す選択肢62Dを含む。
【0078】
選択肢62は、
図7のようにポップアップ表示であってもよい。他の例として、プルダウン方式の表示であってもよい。以降の選択肢の表示でも同様である。
【0079】
プロセッサ11は、画面202において生徒端末3からポインタを位置P2として選択肢62Aを選択するユーザ操作を受け付けると、項目「内服管理」に対応付けられた第2次項目83である2項目「自己管理」「看護師管理」をガイド情報80Aから読み出して、選択肢62Aの近傍に選択肢63を表示させる。選択肢63は、この例では、「自己管理」を示す選択肢63A、及び「看護師管理」を示す選択肢63Bを含む。プロセッサ11は、画面202のA部分に示されたように、生徒端末3からポインタを位置P3として選択肢63Aを選択するユーザ操作を受け付けると、項目「自己管理」に対応付けられた第3次項目84である項目「適正判断」をガイド情報80Aから読み出し、ガイド「適正判断」を示すガイド64Aを選択肢63Aの近傍に表示させる。この場合、プロセッサ11は、ノード61を始点とした関連線の終点位置に配置される、テキスト「内服管理 自己管理」を有するノード65を生成し表示させた画面203を表示させる。
【0080】
または、プロセッサ11は、画面202のB部分に示されたように、生徒端末3からポインタを位置P4として選択肢63Bを選択するユーザ操作を受け付けると、項目「看護師管理」に対応付けられた第3次項目84である項目「適正判断」をガイド情報80Aから読み出し、ガイド「適正判断」を示すガイド64Bを選択肢63Bの近傍に表示させる。この場合、プロセッサ11は、ノード61を始点とした関連線の終点位置に配置される、テキスト「内服管理 看護師管理」を有するノード66を生成し表示させた画面204を表示させる。
【0081】
プロセッサ11は、
図8の画面205において生徒端末3からポインタを位置P5として選択肢62Bを選択するユーザ操作を受け付けると、項目「使用状況」に対応付けられた第2次項目83である3項目「頻度」「1回量」「内服時間」をガイド情報80Aから読み出して、選択肢62Bの近傍に選択肢67を表示させる。選択肢67は、この例では、「頻度」を示す選択肢67A、「1回量」を示す選択肢67B、及び「内服時間」を示す選択肢67Cを含む。プロセッサ11は、画面205において選択肢67Aを選択するユーザ操作を受け付けると、項目「頻度」に対応付けられた第3次項目84である項目「適正判断」をガイド情報80Aから読み出し、ガイド「適正判断」を示すガイド64Cを選択肢67Aの近傍に表示させる。
【0082】
プロセッサ11は、
図8の画面206において生徒端末3からポインタを位置P6として選択肢62Cを選択するユーザ操作を受け付けると、項目「効果評価」に対応付けられた第2次項目83である2項目「有」「無」をガイド情報80Aから読み出して、選択肢62Cの近傍に選択肢68を表示させる。選択肢68は、この例では、「有」を示す選択肢68A、及び、「無」を示す選択肢68Bを含む。プロセッサ11は、画面206において選択肢68Aを選択するユーザ操作を受け付けると、「有」に対応付けられた第3次項目84である項目「適正判断」をガイド情報80Aから読み出し、ガイド「適正判断」を示すガイド64Dを選択肢68Aの近傍に表示させ、選択肢68Bを選択するユーザ操作を受け付けると、項目「無」に対応付けられた第3次項目84である項目「代替案の検討」をガイド情報80Aから読み出し、ガイド「代替案の検討」を示すガイド64Eを選択肢68Aの近傍に表示させる。
【0083】
プロセッサ11は、
図8の画面207において生徒端末3からポインタを位置P7として選択肢62Dを選択するユーザ操作を受け付けると、項目「副作用」に対応付けられた第2次項目83である2項目「胃部不快」「常用性」をガイド情報80Aから読み出して、選択肢62Dの近傍に選択肢69を表示させる。選択肢69は、この例では、「胃部不快」を示す選択肢69A、及び、「常用性」を示す選択肢69Bを含む。プロセッサ11は、画面207において選択肢69Aを選択するユーザ操作を受け付けると、項目「胃部不快」に対応付けられた第3次項目84である項目「医薬の処方依頼」をガイド情報80Aから読み出し、ガイド「医薬の処方依頼」を示すガイド64Fを選択肢69Aの近傍に表示させる。選択肢69Bを選択するユーザ操作を受け付けると、プロセッサ11は、項目「常用性」に対応付けられた第3次項目84である項目「代替案の検討」をガイド情報80Aから読み出し、ガイド「代替案の検討」を示すガイド64Gを選択肢69Aの近傍に表示させる。
【0084】
プロセッサ11は、これら画面205,206,207において、表示された選択肢を指定するユーザ操作を受け付けると、対応したテキストを有するノードをノード61に続けて表示させる。
図7、
図8に表されたようなガイドが生成され、表示されることによって、生徒6は、関連図の作成に当たってガイドを見て、関連図の作成のための操作を行うことができる(ステップS11)。
【0085】
演算装置1のプロセッサ11は、ステップS9でデータGを送信した後に生徒端末3からデータD1を受信してもよい(ステップS12)。この場合、演算装置1は、ステップS12で受信したデータD1を用いてステップS3~S5を行う。
【0086】
図3に示された方法によって、生徒6による関連図の作成が好適に支援される。すなわち、本システム100を用いることで、関連図の作成が容易になる。また、複数の生徒6からなるグループで1つの関連図を作成する際に、生徒6が遠隔であってもあたかも一堂に会して作成しているように、リアルタイムでそれぞれの生徒6の入力操作に応じた要素が生成され、関連図が作成されていく。その際、本システムでは、要素ごとの入力操作を行った生徒6を識別し得る情報を含むログが生成されるため、後述の、指導者7による指導などで好適に用いることができる。
【0087】
図3に示された方法によって作成が支援され、生徒6によって作成された関連図のデータは、メモリ12の関連図情報記憶部123に記憶されている。指導者7は、関連図情報記憶部123に記憶されているデータに表される関連図の指導を行う。その際、指導者端末5は、指導者7による指導のためのユーザ操作を受け付ける(ステップS21)、操作信号を示すデータが指導者端末5から演算装置1に送信される(ステップS22)。
【0088】
ステップS21のユーザ操作は、一例として、指導対象とする第1の関連図を指定する操作、基準とする第2の関連図を入力する操作、などを含む。この場合、ステップS22では、第1の関連図を指定した信号や、第2の関連図を示すデータAC2が演算装置1に送信される。これにより、演算装置1のプロセッサ11は、処理対象とする第1の関連図を判別することができるとともに、部分範囲決定処理114で用いる基準を得ることができる。
【0089】
演算装置1のプロセッサ11は指定された第1の関連図のデータAC11をメモリ12から読み出し(ステップS23)、指導者端末5に送信する(ステップS24)。指導者端末5は、ディスプレイ53に第1の関連図を表示する(ステップS25)。
【0090】
ステップS23でプロセッサ11は、第1の関連図のデータAC11として第1の関連図のログデータも併せて読み出し、ステップS24で指導者端末5に送信する。これにより、指導者端末5は、
図10と同様の表示処理を行うことによって、ディスプレイ53に、
図5に表されたように、要素ごとに、入力操作を行ったユーザごとに異なる表示態様で表示させることができる。これにより、指導者7はどの生徒6が入力操作を行った要素であるかを一目で把握することができる。
【0091】
演算装置1のプロセッサ11は部分範囲決定処理114を実行し、第1の関連図の中から部分範囲を決定する(ステップS26)。プロセッサ11は、部分範囲を示すデータD2を指導者端末5に送信する(ステップS27)。指導者端末5は、ディスプレイ53に部分範囲を表示する(ステップS28)。プロセッサ11は、部分範囲の表示においても、要素ごとに、入力操作を行ったユーザごとに異なる表示態様で表示させる。これにより、指導者7は、部分範囲においても、どの生徒6が入力操作を行った要素であるかを一目で把握することができる。
【0092】
図12は、ステップS26での部分範囲を決定する処理の一例を表したフローチャートである。ステップS26でプロセッサ11は、一例として、第2の関連図に含まれるテキストを基準とし、基準とするテキストのうちの少なくとも1つを有するノードを含む複数のノードと、それらのノードをつなぐ関連線(リンク)と、を含む範囲を部分範囲と決定する。
図13は、第2の関連図の一例を表した図である。
図14は、部分範囲の決定方法の一例を説明するための図であって、
図5の関連図作成の画面201によって作成された第1の関連
図211から、
図13の第2の関連図を用いて部分範囲の決定を具体的に説明するための図である。
【0093】
すなわち、プロセッサ11は、第2の関連図の各ノードの有するテキストの中から基準とするテキスト(基準テキスト)を抽出する(ステップS201)。ここでは、第2の関連図に含まれるすべてのノードそれぞれの有するテキストを基準テキストとして抽出してもよい。他の例として、第2の関連図に含まれるすべてのノードそれぞれの有するテキストのうち、予め記憶しているテキストを基準テキストとして抽出してもよい。また、他の例として、第2の関連図に含まれるすべてのノードそれぞれの有するテキストのうち、指導者端末5から指定されたテキストを基準テキストとして抽出してもよい。
【0094】
図13の第2の関連
図300は、ノード301,303,305,307,309,312,314,316,318と、関連線302,304,306,308,311,313,315,317を有する。一例として、プロセッサ11は、ステップS201で、ノード301,303,305,307,309,312,314,316,318それぞれに含まれるテキストのうち、テキスト「40代男性 腸管ベーチェットの疑い」を第1の基準テキスト91、テキスト「潰瘍性大腸炎疑い」を第2の基準テキスト92、テキスト「腸管ベーチェット疑い」を第3の基準テキスト93、及び、テキスト「AAA疑い」を第4の基準テキスト94として抽出する。
【0095】
プロセッサ11は、関連図情報記憶部123から読み出した第1の関連図についてのタグデータを解析し、第1の関連図の有する各ノードに含まれるすべてのテキストの中から、ステップS201で抽出した基準テキストを有するノードを抽出する(ステップS203)。
図14の例では、第1の関連
図211のタグデータ400(
図6)より、第1の基準テキスト91を有するノード22A、第2の基準テキスト92を有するノード23A、及び、第3の基準テキスト93を有するノード23Bが抽出される。
【0096】
プロセッサ11は、ステップS203で抽出されたノードを含む複数のノードと、それらのノードをつなぐ関連線(リンク)と、を含む範囲を部分範囲と決定する(ステップS205)。一例として、ステップS205では、抽出されたノードのうち、ノードIDの一番若いものからノードIDの一番古いものまでの間のノードと関連線とを含む範囲を部分範囲と決定する。このとき、部分範囲として決定される範囲には、基準テキストを含まないノードや、基準テキストを含まないノードを始点や終点とする関連線が含まれてもよい。
【0097】
図14の例では、
図6のタグデータ400より、ノード22A,23A,23BそれぞれのノードIDは14,17,18であるので、ノードIDが最も若いノード22Aから、ノードIDの一番古いノード22Aまでの間のノードと関連線とを含む範囲Hが部分範囲と決定される。
【0098】
これにより、演算装置1では、第1の関連図のうち、第2の関連図に含まれる特定のテキストを有する範囲が部分範囲として決定される。ステップS27で部分範囲を示すデータD2が指導者端末5に送信されることで、ステップS28で指導者端末5では、ディスプレイ53に部分範囲として表示される。そのため、指導者は、
図14の第1の関連
図211全体から、第2の関連
図300を用いて指導とする範囲を探すことなく、第2の関連
図300の有するテキストを含む範囲Hを知ることができる。
【0099】
好ましくは、ステップS28においてプロセッサ11は、
図9に示されるように、決定された部分範囲を第1の関連
図71とともに表示させる。より好ましくは、プロセッサ11は、決定された部分範囲の中から表示させる部分範囲を選択する選択肢72,73を、第1の関連
図71における位置に対応した位置に表示させる。選択肢72,73は、第1の関連図における位置に関わらない位置に表示されてもよい。
【0100】
好ましくは、プロセッサ11は、選択肢72,73を、第1の関連
図71よりも小さい第1のサイズで表示させる。これにより、第1の関連
図71に重ねて部分範囲が見やすくなるとともに、第1の関連図における部分範囲の位置を把握しやすくなる。
【0101】
この場合、プロセッサ11は、選択肢72,73のいずれかが選択されると、選択された部分範囲を、第1のサイズより大きい第2のサイズで、つまり、拡大して指導者端末5のディスプレイ55に表示させる。これにより、部分範囲が見やすくなる。
【0102】
この方法によって、生徒6によって作成された関連図の指導者7による指導も好適に支援される。すなわち、本システム100を用いることで、第1の関連図の中から注目すべき箇所が部分範囲として決定され、表示されるため、目視で探す場合と比較して格段に手間が削減され、また、精度も向上する。
【0103】
他の例として、第2の関連図から抽出された基準テキストに加えて、基準テキストを有するノードの配置を用いて部分範囲を決定してもよい。
図15は、部分範囲の決定方法の他の例を説明するための図であって、第1の関連
図212の概略図である。第1の関連
図212は、ノードA,B,Cと、ノードAを始点、ノードBを終点とする関連線aと、ノードBを始点、ノードCを終点とする関連線bと、ノードCを始点、ノードAを終点とする関連線cと、を含む。
【0104】
他の例として、プロセッサ11は上記ステップS201において、第2の関連図から、基準テキストとともに、その基準テキストを含むノードの配置を抽出する。ノードの配置は、例えば、ノードを繋ぐ関連線によって規定されてもよい。
【0105】
図15の例の場合、ノードAに含まれるテキスト、及び、ノードBに含まれるテキストとともに、ノードA,Bの配置として、ノードAを始点、ノードBを終点とする関連線aが抽出されると、第1の関連
図212からは、ノードA,B及び関連線aを含む範囲H1が部分範囲に決定される。
【0106】
このようにすることで、
図15の例の場合、ノードBからノードAへの関連線b、cを含む範囲H2は部分範囲とされず、範囲H1が部分範囲と決定される。そのため、ノードA,Bのみで部分範囲を決定する方法よりも高精度で部分範囲が得られる場合がある。
【0107】
本システム100では、要素ごとに入力操作を行った生徒6を識別する情報を含むログが生成されているため、指導者端末7では、部分範囲を要素ごとに入力操作を行った生徒に対応した表示態様とすることができる。そのため、指導者は、要素ごとにどの生徒6が入力操作を行ったかを識別することができる。言い換えると、1つの関連図を複数の生徒6が作成した場合の個々の生徒6の貢献度やスキルなどを、指導者7は容易に把握することができる。そのため、個々の生徒6の貢献度やスキルなどを踏まえて指導することができるようになる。
【0108】
なお、以上の説明では、システム100が通信網9を介して接続された演算装置1を有し、関連図の作成を支援する処理は演算装置1で行われるものとしているが、演算装置1は指導者端末5に含まれていてもよいし、一部の処理が指導者端末5や生徒端末3において行われてもよい。
【0109】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 :演算装置
3 :生徒端末
5 :指導者端末
6 :生徒
6A :生徒
6B :生徒
6C :生徒
7 :指導者
9 :通信網
11 :プロセッサ
12 :メモリ
13 :通信部
21 :選択肢
21A :選択肢
21B :選択肢
21C :選択肢
21D :選択肢
21E :選択肢
22A :ノード
22B :ノード
22C :ノード
22D :ノード
23A :ノード
23B :ノード
24A :関連線
24B :関連線
25A :関連線
25B :関連線
26 :関連線
34 :入力部
35 :ディスプレイ
40 :情報
41 :情報
42 :情報
43 :情報
44 :情報
45 :情報
46 :情報
47 :情報
48 :情報
49 :情報
53 :ディスプレイ
54 :入力部
55 :ディスプレイ
61 :ノード
62 :選択肢
62A :選択肢
62B :選択肢
62C :選択肢
62D :選択肢
63 :選択肢
63A :選択肢
63B :選択肢
64A :ガイド
64B :ガイド
64C :ガイド
64D :ガイド
64E :ガイド
64F :ガイド
64G :ガイド
65 :ノード
66 :ノード
67 :選択肢
67A :選択肢
67B :選択肢
67C :選択肢
68 :選択肢
68A :選択肢
68B :選択肢
69 :選択肢
69A :選択肢
69B :選択肢
71 :第1の関連図
72 :選択肢
73 :選択肢
80A :ガイド情報
80B :ガイド情報
80C :ガイド情報
81 :キーワード
82 :第1次項目
83 :第2次項目
84 :第3次項目
91 :第1の基準テキスト
92 :第2の基準テキスト
93 :第3の基準テキスト
94 :第4の基準テキスト
100 :システム
111 :関連図生成処理
112 :ログ生成処理
113 :ガイド表示処理
114 :部分範囲決定処理
115 :第1出力処理
116 :第2出力処理
121 :第1プログラム
122 :第2プログラム
123 :関連図情報記憶部
124 :ガイド情報記憶部
201 :画面
202 :画面
203 :画面
204 :画面
205 :画面
206 :画面
207 :画面
210 :画面
211 :第1の関連図
212 :第1の関連図
300 :第2の関連図
301 :ノード
302 :関連線
303 :ノード
304 :関連線
305 :ノード
306 :関連線
307 :ノード
308 :関連線
309 :ノード
311 :関連線
312 :ノード
313 :関連線
314 :ノード
315 :関連線
316 :ノード
317 :関連線
318 :ノード
400 :ログデータ
A :ノード
a :関連線
AC1 :データ
AC11 :データ
AC2 :データ
B :ノード
b :関連線
C :ノード
c :関連線
D1 :データ
D2 :データ
G :データ
H :範囲
H1 :範囲
H2 :範囲
L1 :ログ
L10 :ログ
L11 :ログ
L12 :ログ
L2 :ログ
L3 :ログ
L4 :ログ
L5 :ログ
L6 :ログ
L7 :ログ
L8 :ログ
L9 :ログ