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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046530
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】布団乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/00 20200101AFI20240327BHJP
【FI】
D06F58/00 E
D06F58/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151967
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】597060106
【氏名又は名称】東亜電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】若林 拓巳
(72)【発明者】
【氏名】友田 慶介
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 哲寿
(72)【発明者】
【氏名】福原賢二
(72)【発明者】
【氏名】和賀 宏
【テーマコード(参考)】
3B168
【Fターム(参考)】
3B168AA24
3B168AD02
3B168AE02
3B168BA45
3B168BA55
3B168BA86
3B168JM02
3B168JM03
(57)【要約】
【課題】温風の広がりを図れ、乾燥性能、温め性能が高い布団乾燥機を提供する。
【解決手段】本発明の布団乾燥機Fは、温風を供給して布団8、9の乾燥または温めを行う乾燥ユニット1と、加熱部と送風部を有し、乾燥ユニット1に温風を供給する本体部21と、本体部21からの温風を乾燥ユニット1に供給するホース12とを備え、乾燥ユニット1は、温風を供給する箇所2o、3oが下向きの傾斜2k、3kを有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風を供給して布団の乾燥または温めを行う乾燥ユニットと、
加熱部と送風部を有し、前記乾燥ユニットに温風を供給する本体部と、
前記本体部からの温風を前記乾燥ユニットに供給するホースとを備え、
前記乾燥ユニットは、
温風を供給する箇所が下向きの傾斜を有している
ことを特徴とする布団乾燥機。
【請求項2】
請求項1に記載の布団乾燥機において、
前記乾燥ユニットは、
温風の吐出し口を有する第1の脚状部と、温風の吐出し口を有する第2の脚状部とをもつ二股形状を有し、
前記第1の脚状部と前記第2の脚状部とは、それぞれ角度が可変である
ことを特徴とする布団乾燥機。
【請求項3】
請求項1に記載の布団乾燥機において、
前記乾燥ユニットは、
温風の吐出し口を有する第1の脚状部と、温風の吐出し口を有する第2の脚状部とをもつ二股形状を有し、
前記第1の脚状部と前記第2の脚状部の根本側かつ外側部の各温風吐出し口は、指が入らない大きさのスリット形状である
ことを特徴とする布団乾燥機。
【請求項4】
請求項1に記載の布団乾燥機において、
前記乾燥ユニットは、
温風の吐出し口を有する第1の脚状部と、温風の吐出し口を有する第2の脚状部とをもつ二股形状を有し、
前記第1の脚状部と前記第2の脚状部とは、それぞれ分割されるケースを有している
ことを特徴とする布団乾燥機。
【請求項5】
請求項1に記載の布団乾燥機において、
前記乾燥ユニットは、
温風の吐出し口を有する第1の脚状部と、温風の吐出し口を有する第2の脚状部とをもつ二股形状を有し、
前記第1の脚状部と前記第2の脚状部とにおいて、
根本側かつ外側部の温風吐出し口は、先端側かつ外側部の温風吐出し口より、開口面積が小さい
ことを特徴とする布団乾燥機。
【請求項6】
温風を供給して布団の乾燥または温めを行う乾燥ユニットと、
加熱部と送風部を有し、前記乾燥ユニットに温風を供給する本体部と、
前記本体部からの温風を前記乾燥ユニットに供給するホースとを備え、
前記乾燥ユニットは、
温風の吐出し口を有する第1の脚状部と、温風の吐出し口を有する第2の脚状部とをもつ二股形状を有し、
前記第1の脚状部と前記第2の脚状部とは、それぞれ角度が可変である
ことを特徴とする布団乾燥機。
【請求項7】
請求項2または請求項6に記載の布団乾燥機において、
温風の吐出し口を有する第1の脚状部と、温風の吐出し口を有する第2の脚状部とをもつ二股形状を有し、
前記第1の脚状部と前記第2の脚状部とは、水平方向に角度可変である
ことを特徴とする布団乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布団乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
布団乾燥機の技術として、下記の特許文献1、2がある。
特許文献1には、図7に示すように、被乾燥物の布団を持ち上げて、加熱された空気の到達空間を拡張する部材である可動ユニットを備えた乾燥装置が記載されている。
【0003】
図5(a)、(b)に示すように、通常使用時は可動ユニット(152)がノズルユニット(151)に沿っている。その後、可動ユニット(152)をノズルユニット(151)から離れる方向に回動し、可動ユニット(152)が被乾燥物(801)に直接接触することで、被乾燥物(801)を持ち上げることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、下記の記載がある。
図9に示すように、敷布団(90)と掛布団(92)との間で、筒状柄部(40)や支持機構(33)(図25)でカバー部(50)を支え、カバー部(50)の周囲の位置に十分な広さを有する空間(S)を形成することができる。この状態で、仕切壁(83,84)間の流路を通してこの空間(S)に向けて温風が吹き出される。そのため、温風は敷布団(90)および掛布団(92)の隅々にまで行き渡ることができ、結果として、従来に比して短時間で十分な乾燥効果を得ることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-096988号公報(図7図5(a)、(b)等)
【特許文献2】WO18/189930号公報(図9図25、段落0060、0105等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1では、布団(92)の重さで可動ユニット(152)が閉じてしまう可能性がある。それによる温風の広がりが悪化する懸念がある。
【0007】
特許文献2では、筒状柄部(40)(図9)や支持機構(33)(図25)でカバー部(50)でを支える構造の場合、掛布団(92)の重さでカバー部(50)がユーザが望まない体勢となってしまい、温風の広がりが悪化するおそれがある。
【0008】
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、温風の広がりを図れ、乾燥性能、温め性能が高い布団乾燥機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の布団乾燥機は、温風を供給して布団の乾燥または温めを行う乾燥ユニットと、加熱部と送風部を有し、前記乾燥ユニットに温風を供給する本体部と、前記本体部からの温風を前記乾燥ユニットに供給するホースとを備え、前記乾燥ユニットは、温風を供給する箇所が下向きの傾斜を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、温風の広がりを図れ、乾燥性能、温め性能が高い布団乾燥機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係わる布団乾燥機の使用状態の斜視図。
図2A】布団乾燥機の収納状態の斜視図。
図2B】布団乾燥機の未使用状態の斜視図。
図3】布団乾燥機の乾燥ユニットの斜視図。
図4図3のI方向矢視図。
図5図3のII方向矢視図。
図6A】布団乾燥機の乾燥ユニットを上方から見た上面図。
図6B】布団乾燥機の乾燥ユニットを下方から見た下面図。
図7】一方の脚部と他方の脚部とをそれぞれθ=-3°とした上面図。
図8A】布団乾燥機を敷布団に使用している状態の斜視図。
図8B図8AのVI矢視拡大図。
図9A】一方の脚部と他方の脚部とをそれぞれθ=7°とした上面図。
図9B】一方の脚部と他方の脚部とをそれぞれθ=30°とした上面図。
図10A】脚部の根元側脚部の下面図。
図10B図10AのV部拡大図。
図11A】乾燥ユニットから一方の脚部を外した状態の根元部と根元部に取り付けられた他方の脚部を上方から見た斜視図。
図11B図11AのVI部拡大図。
図12】乾燥ユニットにホースを接続する状態の斜視図。
図13】一方の脚部と他方の脚部とが収縮した状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1に、実施形態に係わる布団乾燥機Fの使用状態の斜視図を示す。図1は、ベッドの上の布団8,9の乾燥を行う状態の図である。
実施形態に係わる布団乾燥機Fは、布団8,9の乾燥や温めに用いられる。
【0014】
図2Aに、布団乾燥機Fの収納状態の斜視図を示す。
実施形態の布団乾燥機Fは、布団8,9などの乾燥に使用する箱形状の乾燥ユニット1を、乾燥機本体21内に容易に収納ができる構成である。
【0015】
図2Bに、布団乾燥機Fの未使用状態の斜視図を示す。
図2Bに示すように、布団乾燥機Fは未使用時に、保管性がよく持ち運びがし易い構成である。
【0016】
図1に示す乾燥機本体21は、布団乾燥機Fの使用中、容易に転倒することがないように安定性が得られる略キューブ型(六面体、直方体)の形状を有している。そのため、乾燥機本体21は、横置き縦置きの使用が可能である。
【0017】
図2Aに示すように、布団乾燥機Fの未使用時には、乾燥機本体21の内部にホース12と乾燥ユニット1とを収容する。そして、乾燥機本体21を縦置きや横置き状態にしてしまうことができる。
乾燥機本体21は、送風を発生させるファン(送風部、図示せず)と、ファンを駆動するモータ(送風部、図示せず)と、ファンからの送風を温風とするヒータ(加熱部、図示せず)とを有している。そして、乾燥機本体21は、ファン、モータ、ヒータを制御する制御部を有している。
【0018】
制御部は、制御プログラムが実行されるマイクロコンピュータと、モータ駆動制御回路、ヒータ制御回路、センサ回路等の周辺回路を有している。
乾燥ユニット1は、上述の乾燥機本体21内に収納されるので、乾燥機本体21内の部品と干渉することがないように例えば二股形状(図1参照)を有している。
【0019】
図1に示すように、布団乾燥機Fでベッド上の布団(8、9)を乾燥する場合、乾燥機本体21を縦置きにして、乾燥機本体21(図2A参照)の下側の角部から延出される電源コードCのプラグcpを電源コンセント(図示せず)に差し込む。そして、操作部21sの操作スイッチ21bを押下することで所望の乾燥運転モードが開始され、乾燥ユニット1の温風吹出し口(2o、2a1、2a2、2b1~2b4、3o、3a1、3a2、3b1~3b4)(図3図4参照)から温風Oが吹き出される。
【0020】
<乾燥機本体21の外装>
図2Aに示す乾燥機本体21の手前上部には、操作部21sが配置されている。操作部21sは表示装置21hと複数の操作スイッチ21b(21b1、21b2、……)とを有している。
乾燥機本体21の操作部21s後方には、乾燥機本体21を持ち運びする際に把持されるハンドル24と、乾燥機本体21の内部を開閉する開閉蓋25(図2B参照)とが備わっている。
【0021】
乾燥機本体21の後面側には、室内の空気を吸い込む吸込み口(図示せず)が設けられている。吸込み口の手前には、室内の空気中に含まれる粉塵などを取り除くフィルタカバー(図示せず)が設けられている。
【0022】
<乾燥ユニット1>
図3に、布団乾燥機Fの乾燥ユニット1の斜視図を示す。
図4に、図3のI方向矢視図を示す。
【0023】
図5に、図3のII方向矢視図を示す。
乾燥ユニット1は、一方側の二股形状の中央に通気スペース3Pが形成されている。図1に示すように、乾燥ユニット1の他方端部は、ホース12が連結される箱形の筺体形状とされている。
乾燥ユニット1は、平面視で、二股形状をもつ扁平な箱形状(筐体形状)に、合成樹脂や樹脂を含浸した布状繊維等で構成されている。
【0024】
乾燥ユニット1は、一方の脚部2と他方の脚部3と根元部4とを備えている。図3図5に示すように、乾燥ユニット1の根元部4と、一方の脚部2と他方の脚部3の一部は、上ケース(4C1、2C1、3C1)と下ケース(4C2、2C2、3C2)とがボルト等で結合して形成されている(詳細は後記)。上ケース(4C1、2C1、3C1)と下ケース(4C2、2C2、3C2)とがボルト等で結合して形成されることで、組み立て、分解が容易である。
例えば、根元部4は、上ケース4C1と下ケース4C2とがボルト等で結合して形成されている。
【0025】
また、一方の脚部2の先端は下向きの傾斜形状2kを有している。
同様に、他方の脚部3の先端は下向きの傾斜形状3kを有している。
下向きの傾斜2k、3kは、それぞれ掛布団8を支持して敷布団9と掛布団8との間に温風が広がる空間Pを形成する。
一方の脚部2は、根元側脚部2aと先端側脚部2bとを有している。根元側脚部2aは、上ケース2C1と下ケース2C2とがボルト等で結合して形成されている。
他方の脚部3は、根元側脚部3aと先端側脚部3bとを有している。根元側脚部3aは、上ケース3C1と下ケース3C2とがボルト等で結合して形成されている。
【0026】
一方の脚部2と他方の脚部3とは、それぞれ、利用者の操作によって、図3の矢印α11に示すように、スライドして伸び縮みする構成である。
脚部2、3とは伸縮するために下記の構成を有している。
図3に示すように、一方の脚部2の先端側脚部2bには、断面凹形状で長手方向に延びる案内部のレール2brが、上面側と下面側に一対形成されている。
そして、脚部2の根元側脚部2aの内面側には、先端側脚部2bのレール2brに嵌合してスライド(摺動)する円柱凸状の被案内部2ahが、上面側と下面側に一対形成されている。
【0027】
同様に、他方の脚部3の先端側脚部3bには、断面凹形状で先端側脚部3bの長手方向に延びる案内部のレール3brが、上面側と下面側に一対形成されている。
そして、脚部3の根元側脚部3aの内面側には、先端側脚部3bのレール3brに嵌合してスライド(摺動)する円柱凸状の被案内部3arが、上面側と下面側に一対形成されている。
この構成により、一方の脚部2は、根元側脚部2aの円柱状の被案内部2ahが、先端側脚部2bの凹状のレール2br内をスライドするストローク長、伸縮することができる。
同様に、他方の脚部3は、根元側脚部3aの円柱状の被案内部3arが、先端側脚部3bの凹状のレール3br内をスライドするストローク長、伸縮することができる。
【0028】
上述の構成により、一方の脚部2と他方の脚部3とは垂れ下がることなく、スムーズな伸縮動作(図3の矢印α11)を行うことができる。
乾燥ユニット1の根元部4における脚部2、3の反対側の中央部分には、開口4a(図2A参照)が設けられている。根元部4の開口4aには、布団乾燥機Fの使用時、ホース12の一方端側に設けられるホース接続部口12a(図2A図12参照)が取り付けられる。
【0029】
ホース接続部口12aは、ホース12からの空気流を乾燥ユニット1に供給する際の継ぎ手である。ホース接続部口12aは、ホース12の円形の開口を乾燥ユニット1の矩形状の開口4aに連結する接続アタッチメントの役割を担っている。ホース接続部口12aは、例えば合成樹脂で成形されている。
図6Aに、布団乾燥機Fの乾燥ユニット1を上方から見た上面図を示す。
図6Bに、布団乾燥機Fの乾燥ユニット1を下方から見た下面図を示す。
【0030】
一方の脚部2と他方の脚部3とは根元部4を中心に水平方向に可動する(図6A図6Bの矢印β1)ように構成されている。
図6Aに示すように、一方の脚部2と他方の脚部3とは、それぞれ上面視での根元部4の中心線O-Oに対して、水平方向に角度θ動く構成である。θは、-5°~35°の範囲である。一方の脚部2と他方の脚部3とが、θ=-5°~35°の範囲で設定できることで、大きな布団から小さな布団の大きさに応じて最適な状態で布団の乾燥、温めが行える。
【0031】
θ=0°とは、一方の脚部2と他方の脚部3とを傾きなく真っ直ぐの姿勢の位置、つまり、θ=0°とは、一方の脚部2と他方の脚部3とが、乾燥ユニット1の中心線O-Oに平行な場合である。
一方の脚部2と他方の脚部3とは、水平方向に角度θ可変するので、布団(8、9)の鉛直方向の重量に影響されない。
【0032】
<一方の脚部2と他方の脚部3とのθ可変での使用>
実施形態の乾燥ユニット1は、θ=-3°、7°、30°の3段階に設定できる構成としている。
図7に、一方の脚部2と他方の脚部3とをそれぞれθ=-3°とした上面図を示す。
一方の脚部2と他方の脚部3とをそれぞれθ=-3°とすると、敷布団9を掴んで乾燥や温めができ、敷布団9に好適である。
【0033】
図8Aに、布団乾燥機Fを敷布団9に使用している状態の斜視図を示す。
図8Bに、図8AのVI矢視拡大図を示す。
布団乾燥機Fで敷布団9を乾燥させる場合には、一方の脚部3と他方の脚部4とで敷布団9を挟み込み、θ=-3°に設定する。そして、敷布団9を挟み込んだ敷布団9の上に、掛布団8を被せる。これにより、敷布団9を、θ=-3°に設定した一方の脚部3と他方の脚部4とで押し込み密着させて、乾燥させることができる。θ=-3°で敷布団9を脚部3と脚部4とで挟み込むため、乾燥効果が大きい。
【0034】
加えて、乾燥ユニット1から吐出す温風Oにより、床面Yの湿気をとれる。
図9Aに、一方の脚部2と他方の脚部3とをそれぞれθ=7°とした上面図を示す。
一方の脚部2と他方の脚部3とをそれぞれθ=7°とすると、一方の脚部2と他方の脚部3との開度が狭く狭い領域の乾燥や温めに好適である。例えば、シングル布団、キッズ・ベビー布団の乾燥、温めに好適である。
【0035】
図9Bに、一方の脚部2と他方の脚部3とをそれぞれθ=30°とした上面図を示す。
一方の脚部2と他方の脚部3とをそれぞれθ=30°とすると、一方の脚部2と他方の脚部3との開度が広く広い領域の乾燥や温めに好適である。例えば、ダブル布団、セミダブル布団の乾燥、温めに好適である。
従来、ダブル布団、セミダブル布団、シングル布団の乾燥が、約20分かかっていたのが、実施形態の布団乾燥機Fでは、θ=30°で、約8分に短縮できた。すなわち、布団乾燥機Fは、15分の乾燥時間の短縮効果が確認された。
【0036】
<乾燥ユニット1の温風吹出し口>
前記したように、乾燥ユニット1は、通気スペース3Pの両脇に細長い箱形状の長手方向に延びる一対の脚部2、3が形成されている。
図3に示すように、乾燥ユニット1は、一方側に細長い形状をもつ一対の脚部2、3が形成されることで、その中央部付近に、布団(8、9)に対して温風Oが吹き出すための空間である温風吹き出しスペース3Pが形成される。そのため、乾燥ユニット1の中央部付近の布団(8、9)に大きな風量の温風O(図5参照)を当てることができ、布団(8、9)の乾燥、温めを促進できる。
【0037】
乾燥ユニット1から温風Oを吹き出す温風吹出し口は以下のように形成されている。
乾燥ユニット1の一対の脚部2、3の前端面には、前部温風吹出し口2o、3o(図6B参照)が形成されている。前部温風吹出し口2o、3oは、それぞれ傾斜形状2k、3kで輪郭が形成されている。換言すれば、前部温風吹出し口2o、3oは、乾燥ユニット1が置かれる載置面S(図3参照)に沿った方向に下向きの傾斜形状2k、3kをもつ矩形状の孔に形成されている。
【0038】
前部温風吹出し口2o、3oが左右方向(載置面Sに沿った方向)に、下向きの傾斜をもつ矩形状の孔に形成されることによって、温風Oを、布団(8、9)が延在する左右方向に前部温風吹出し口2o、3oから広げて吹き出すことができる。前部温風吹出し口2o、3oの各傾斜形状2k、3kにより、布団(8、9)内に空間を広げて温風Oを供給することができる。また、傾斜形状2k、3kにより、掛布団8と敷布団9との間に空間が作られ敷布団9および掛布団8を温め易い。そのため、前部温風吹出し口2o、3oの左右方向の布団(8、9)の乾燥を促進できる。
【0039】
図5に示す乾燥ユニット1の一対の脚部2、3の間の通気スペース3Pを形成する中央凹部縁の根元部4に左右に長い凹部温風吹出し口4bが形成されている。凹部温風吹出し口4bが左右に長い孔であることで、乾燥ユニット1の中央部に形成される通気スペース3Pに左右方向に広げて温風Oを吹き出すことができる。凹部温風吹出し口4bは、スリット4b1と開口4b2とで形成されている。
【0040】
通気スペース3P側に位置する先端側脚部2bには、それぞれ上面に一部開口した上内先吹出し口2b1と、下面に一部開口した下内先吹出し口2b2が水平方向に長い形状に形成されている。上先吹出し口2b1と下先吹出し口2b2は、それぞれ鉛直方向のスリット2b11、2b21の形状に形成されている。上先吹出し口2b1と下内先吹出し口2b2とが、上下に分離されて形成されることで、先端側脚部2bの強度を確保することができる。
【0041】
同様に、通気スペース3P側に位置する先端側脚部3bには、それぞれ上面に一部開口した上内先吹出し口3b1と、下面に一部開口した下内先吹出し口3b2とが、水平方向に長い形状に形成されている。上内先吹出し口3b1と下内先吹出し口3b2は、それぞれ鉛直方向のスリット3b11、3b21の形状に形成されている。上内先吹出し口3b1と下内先吹出し口3b2とが、上下に分離されて形成されることで、先端側脚部3bの強度を確保することができる。
【0042】
このように、通気スペース3P側に位置する先端側脚部2b、3bに上内先吹出し口2b1、3b1と下内先吹出し口2b2、3b2とが形成されることで、通気スペース3Pに温風Oを広く供給できる。
【0043】
図4に示すように、乾燥ユニット1の先端側脚部2bの外側部には、一対の上面に一部開口した側部上温風吹出し口2b3と、下面に一部開口した側部下温風吹出し口2b4がそれぞれ長手方向(載置面Sに沿った方向)に長い形状をもって形成されている。
側部上温温風吹出し口2b3は、鉛直方向のスリット2b31の形状に形成されている。側部下温風吹出し口2b4は、鉛直方向のスリット2b41の形状に形成されている。
【0044】
図3に示すように、乾燥ユニット1の先端側脚部3bの外側部には、一対の上面に一部開口した側部上温風吹出し口3b3と、下面に一部開口した側部下温風吹出し口3b4とがそれぞれ長手方向(載置面Sに沿った方向)に長い形状をもって形成されている。
側部上温温風吹出し口3b3は、鉛直方向のスリット2b31の形状に形成されている。側部下温風吹出し口2b4は、鉛直方向のスリット2b41の形状に形成されている。
【0045】
図4に示すように、 乾燥ユニット1の根元側脚部2aの外側部には、一対の側部上温風吹出し口2a1と、側部下温風吹出し口2a2がそれぞれ長手方向(載置面Sに沿った方向)に長い形状をもって形成されている。
側部上温温風吹出し口2a1は、鉛直方向のスリット2a11の形状に形成されている。側部下温風吹出し口2a2は、鉛直方向のスリット2a21の形状に形成されている。つまり、根元側脚部2aの外側部の一対の側部上温風吹出し口2a1と、側部下温風吹出し口2a2とは、利用者の手指が入らないように、鉛直方向のスリット2a11、2a21の形状に形成されている。そのため、利用者の手指が、根元側脚部2aのスリット2a11状の側部上温風吹出し口2a1と、スリット2a21状の側部下温風吹出し口2a2とに誤って入ることが抑制される。例えば、スリット2a11、2a21の各幅は5mm以下とされている。
【0046】
ここで、根元側の側部上温風吹出し口2a1と側部下温風吹出し口2a2とは、根元側から温風Oが吐出され過ぎないように、先端側の側部上温風吹出し口2b3と側部下温風吹出し口2b4の面積より、小さく形成されている。
【0047】
図3に示すように、 乾燥ユニット1の根元側脚部3aの外側部には、一対の側部上温風吹出し口3a1と、側部下温風吹出し口3a2がそれぞれ長手方向(載置面Sに沿った方向)に長い形状をもって形成されている。
側部上温風吹出し口3a1は、鉛直方向のスリット3a11の形状に形成されている。側部下温風吹出し口3a2は、鉛直方向のスリット3a21の形状に形成されている。つまり、根元側脚部3aの外側部の一対の側部上温風吹出し口3a1と、側部下温風吹出し口3a2とは、利用者の手指が入らないように、鉛直方向のスリット3a11、3a21の形状に形成されている。そのため、利用者の手指が、根元側脚部3aのスリット3a11状の側部上温風吹出し口3a1と、スリット3a21状の側部下温風吹出し口3a2とに誤って入ることが抑制される。例えば、スリット3a11、3a21の各幅は5mm以下とされている。
【0048】
ここで、根元側の側部上温風吹出し口3a1と側部下温風吹出し口3a2とは、根元側から温風Oが吐出され過ぎないように、先端側の側部上温風吹出し口3b3と側部下温風吹出し口3b4の面積より、小さく形成されている。
【0049】
<脚部2、3の-3°、7°、30°の設定構造>
根元部4に対する一方の脚部2と、他方の脚部3のそれぞれの-3°、7°、30°の姿勢の可変構造は、同様な構造であるから、脚部2と根元部4の構造について説明し、脚部3と根元部4の構造についての説明は省略する。
【0050】
図3に示すように、脚部2の根元側脚部2aは、上ケース2C1と下ケース2C2とをボルト等で結合して形成されている。
図10Aに、脚部2の根元側脚部2aの下面図を示す。
図10Bに、図10AのV部拡大図を示す。
【0051】
根元側脚部2aの上ケース2C1には、第1段付きボス6と第2段付きボス7とが下方に突出して形成されている。第1段付きボス6の中央には、ボルト挿通孔6aが貫通されている。第2段付きボス7の中央には、ボルト挿通孔7aが貫通されている。
根元側脚部2aの下ケース2c2(図3参照)には、第1段付きボス6が嵌入される第1ボス(図示せず)が設けられている。第1ボスは、第1段付きボス6のボルト挿通孔6aを嵌入したボルトが螺着される雌ねじが螺刻されている。
【0052】
また、根元側脚部2aの下ケース2c2には、第2段付きボス7が嵌入される第2ボス(図示せず)が設けられている。第2ボスは、第2段付きボス7のボルト挿通孔7aを嵌入したボルトが螺着される雌ねじが螺刻されている
【0053】
図10Bに示すように、上ケース2c1の第2段付きボス7に隣接して、直線状の凸状のリブ10が、上ケース2c1の長手方向に沿って形成されている。
凸状のリブ10は、脚部2を-3°、7°、30°の各角度に設定するためのリブである。
【0054】
図11Aに、乾燥ユニット1から一方の脚部2を外した状態の根元部4と根元部4に取り付けられた他方の脚部3を上方から見た斜視図を示す。
図11Bに、図11AのVI部拡大図を示す。
根元部4の一方の脚部2が取り付けられる側には丸穴の第1孔4h1と扇形状の長孔の第2孔4h2とが形成されている。同様に、根元部4の他方の脚部3が取り付けられる側には丸穴の第1孔(図示せず)と扇形状の長孔の第2孔(図示せず)とが形成されている。
【0055】
根元部4の第2孔4h2の近くには、一方の脚部2の長手方向に延びる各直線状の第1溝4m1と第2溝4m2と第3溝4m3とが凹設されている。同様に、根元部4の第2孔(図示せず)の近くには、他方の脚部3の長手方向に延びる各直線状の第1溝と第2溝と第3溝とが凹設されている。
第1溝4m1は、根元側脚部2aの凸状のリブ10が嵌入されて、図7に示す一方の脚部2を-3°の位置に位置決めする溝である。
【0056】
第2溝4m2は、根元側脚部2aの凸状のリブ10が嵌入されて、図9Aに示す一方の脚部2を7°の位置に位置決めする溝である。
第3溝4m3は、根元側脚部2aの凸状のリブ10が嵌入されて、図9Bに示す一方の脚部2を30°の位置に位置決めする溝である。
【0057】
<脚部2、3の根元部4への組み立てと-3°、7°、30°の設定法>
上記構成により、根元部4の丸穴の第1孔4h1と扇形状の長孔の第2孔4h2と第1溝4m1とにそれぞれ、根元部4の上側から根元側脚部2aの上ケース2C1の第1段付きボス6と第2段付きボス7と凸状のリブ10とが嵌入し、根元部4の下側から根元側脚部2aの下ケース2C1の第1ボスと第2ボスを、それぞれ根元部4の第1孔4h1と第2孔4h2(図11B参照)とを貫通した第1段付きボス6と第2段付きボス7とに嵌入する。
【0058】
そして、ボルトを根元側脚部2aの上方から、根元側脚部2aの上ケース2c1のボルト挿通孔6aを挿入して下ケース2c1の第1ボスの雌ねじに螺着する。また、ボルトを根元側脚部2aの上方から、根元側脚部2aの上ケース2C1のボルト挿通孔7aを挿入して下ケース2C1の第2ボスの雌ねじに螺着する。これにより、図7に示すように、一方の脚部2を-3°の位置に設定できる。
こうして、一方の脚部2は、根元部4の丸穴の第1孔4h1に嵌入した第1段付きボス6廻りに回動する。
同様にして、他方の脚部2を、図7に示す-3°の位置に設定する。
【0059】
一方の脚部2を、図9Aに示す7°に設定する場合には、利用者は、根元部4と根元側脚部2aとを把持して、根元側脚部2aの凸状のリブ10(図10B参照)を、根元部4の第1溝4m1(図11B参照)から外して第2溝4m2に嵌入する。同様にして、利用者は、根元部4と他方の根元側脚部3aとを把持して、根元側脚部3aの凸状のリブを、根元部4の第1溝から外して第2溝に嵌入する。
これにより、図9Aに示すように、一方の脚部2と他方の脚部3とを、θ=7°の位置に設定できる。
【0060】
一方の脚部2を、図9Bに示す30°に設定する場合には、利用者は、根元部4と根元側脚部2aとを把持して、根元側脚部2aの凸状のリブ10(図10B参照)を、根元部4の第2溝4m2(図11B参照)から外して第3溝4m3に嵌入する。同様にして、利用者は、根元部4と他方の根元側脚部3aとを把持して、根元側脚部3aの凸状のリブを、根元部4の第2溝から外して第3溝に嵌入する。
これにより、図9Bに示すように、一方の脚部2と他方の脚部3とが、θ=30°の位置に設定できる。
この構成により、一方の脚部2と他方の脚部3とを、-3°、7°、30°に各設定する際に、クリック感を出すことができる。
【0061】
<布団乾燥機Fの使用>
利用者が、布団乾燥機Fを使用する場合には、利用者は、図2Bに示す布団乾燥機Fの開閉蓋25を空けて図2Aの状態とする。そして、利用者は、図2Aに示す乾燥機本体21から乾燥ユニット1を取り出す。
【0062】
図12に、乾燥ユニット1にホース12を接続する状態の斜視図を示す。
利用者は、片手に乾燥ユニット1を持ち、片手にホース12が接続される一方端側のホース接続部口12aを持ち、乾燥ユニット1の矩形状の開口4aにホース接続部口12aを嵌合する。
これにより、乾燥ユニット1に、ホース12が接続される。
そして、図2Aに示すコードCの先端のプラグcpを、電源コンセントに接続する。ホース12の他方端は、乾燥機本体21に接続しているので、乾燥機本体21の操作部21s(図2A参照)を操作することで、図1に示すように、布団乾燥機Fを運転できる。
【0063】
<一方の脚部2と他方の脚部3との伸縮>
図13に、一方の脚部2と他方の脚部3とが収縮した状態の斜視図を示す。
利用者は、図13に示すように、一方の脚部2と他方の脚部3とが収縮した状態で、布団乾燥機Fを運転できる。
そして、一方の脚部2と他方の脚部3とを伸ばして使用する場合には、利用者は、根元部4を把持して、一方側の先端側脚部2bの把持部2bhを外側に引き出す。すると、一方側の根元側脚部2aの円柱状の被案内部2ah(図3参照)が、先端側脚部2bのレール2br(図3参照)をスライド(摺動)して、根元側脚部2aに対して先端側脚部2bを引き出せる。
【0064】
同様にして、利用者は、根元部4を把持して、他方側の先端側脚部3bの把持部3bhを外側に引き出す。すると、他方側の根元側脚部3aの円柱状の被案内部3ah(図3参照)が、先端側脚部3bのレール3br(図3参照)をスライド(摺動)して、根元側脚部3aに対して先端側脚部3bを引き出せる。
こうして、利用者は、図1に示すように、一方の脚部2と他方の脚部3とが伸長した状態で、布団乾燥機Fを運転できる。これにより、側方に位置する掛け布団8と敷き布団9とに、乾燥ユニット1からの温風Oを広げて吹き出すことができる。
【0065】
利用者が、一方の脚部2と他方の脚部3とが、伸長した状態(図3参照)と、収縮した状態(図13参照)との間で使用した場合には、一方側の先端側脚部2bの把持部2bhを把持して長さを調整すればよい。同じく、他方側の先端側脚部3bの把持部3bhを把持して長さを調整すればよい。
実施形態によれば、温風の広がりを実現でき、乾燥性能、温め性能が高い布団乾燥機Fを提供できる。
【0066】
<<その他の実施形態>>
1.本発明は、前記した実施形態、変形例の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 乾燥ユニット
2 脚部(第1の脚状部)
2a1 側部上温風吹出し口(第1の脚状部の温風の吐出し口、根本側かつ外側部の温風吐出し口)
2a2 側部下温風吹出し口(第1の脚状部の温風の吐出し口、根本側かつ外側部の温風吐出し口)
2b1 上内先吹出し口(第1の脚状部の温風の吐出し口)
2b2 下内先吹出し口(第1の脚状部の温風の吐出し口)
2b3 側部上温風吹出し口(第1の脚状部の温風の吐出し口、先端側かつ外側部の温風吐出し口)
2b4 側部下温風吹出し口(第1の脚状部の温風の吐出し口、先端側かつ外側部の温風吐出し口)
2C1 上ケース(分割されるケース)
2C2 下ケース(分割されるケース)
2k、3k 傾斜形状(下向きの傾斜)
2o、3o 前部温風吹出し口(下向きの傾斜)
3 脚部(第2の脚状部)
3a1 側部上温風吹出し口(第2の脚状部の温風の吐出し口、根本側かつ外側部の温風吐出し口)
3a2 側部下温風吹出し口(第2の脚状部の温風の吐出し口、根本側かつ外側部の温風吐出し口)
3b1 上内先吹出し口(第2の脚状部の温風の吐出し口)
3b2 下内先吹出し口(第2の脚状部の温風の吐出し口)
3b3 側部上温風吹出し口(第2の脚状部の温風の吐出し口、先端側かつ外側部の温風吐出し口)
3b4 側部下温風吹出し口(第2の脚状部の温風の吐出し口、先端側かつ外側部の温風吐出し口)
3C1 上ケース(分割されるケース)
3C2 下ケース(分割されるケース)
12 ホース
21 乾燥機本体(本体部)
F 布団乾燥機
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13