(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046552
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】アクティブマトリクス基板、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240327BHJP
G09F 9/35 20060101ALI20240327BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240327BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/35
H10K59/131
G09F9/00 348
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151995
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】堀内 智
(72)【発明者】
【氏名】杉坂 茜
(72)【発明者】
【氏名】川守田 聖矢
(72)【発明者】
【氏名】松原 慎治
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107CC45
3K107DD38
3K107DD39
3K107EE03
3K107FF15
3K107HH05
5C094AA02
5C094BA03
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094DB04
5C094EA03
5G435AA01
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE41
(57)【要約】
【課題】表示の品質を向上させるとともに、基板上に配置される端子の数を削減することが可能なアクティブマトリクス基板及び表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置100は、ゲート駆動回路31及び32と、ゲート駆動回路31に接続された信号線51と、ゲート駆動回路32に接続された信号線52と、ゲート端子41a及び41bと、検査端子42a及び42bと、接続線53とを備える。接続線53は、信号線51と信号線52とを接続する。検査端子42aは信号線51に配置されている。検査端子42bは信号線52に配置されている。検査端子42a及び42bは、検査時に検査用信号が入力される端子である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の画素領域に形成された複数の薄膜トランジスタと、
前記複数の薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数のゲート線を含むゲート線群と、
前記ゲート線群に第1の方向からゲート信号を供給する第1ゲート駆動回路と、
前記ゲート線群に前記第1の方向とは逆の第2の方向からゲート信号を供給する第2ゲート駆動回路と、
前記第1ゲート駆動回路に接続された第1制御信号線と、
前記第2ゲート駆動回路に接続された第2制御信号線と、
前記第1制御信号線に接続された第1ゲート端子であって、前記第1制御信号線に制御信号を供給する第1ゲート端子と、
前記第2制御信号線に接続された第2ゲート端子であって、前記第2制御信号線に制御信号を供給する第2ゲート端子と、
前記第1制御信号線と前記第2制御信号線とを接続する第1接続線と、
前記第1制御信号線と前記第2制御信号線と前記第1接続線とのいずれかに配置された第1入力端子と、を備える、アクティブマトリクス基板。
【請求項2】
前記第1接続線は、前記第1ゲート駆動回路及び前記第2ゲート駆動回路に対して前記第1の方向に直交する第3の方向の領域内に配置されており、
前記第1入力端子は、前記第1ゲート駆動回路及び前記第2ゲート駆動回路に対して前記第3の方向とは逆の第4の方向の領域内に配置されている、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項3】
前記第1ゲート駆動回路に接続された第3制御信号線と、
前記第2ゲート駆動回路に接続された第4制御信号線と、
前記第3制御信号線に接続された第3ゲート端子であって、前記第3制御信号線に制御信号を供給する第3ゲート端子と、
前記第4制御信号線に接続された第4ゲート端子であって、前記第4制御信号線に制御信号を供給する第4ゲート端子と、
前記第3制御信号線と前記第4制御信号線とを接続する第2接続線と、
前記第4制御信号線に配置された第2入力端子と、をさらに備え、
前記第1入力端子は、前記第1制御信号線に配置されており、
前記第2入力端子は、前記第4制御信号線に配置されており、前記第1入力端子から見て前記第2の方向の領域内であって、前記第1ゲート駆動回路よりも前記第2ゲート駆動回路に近い領域内に配置されている、請求項2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項4】
複数の第1制御信号線を含む第1制御信号線群をさらに備えるか、又は、前記第1制御信号線は一つ設けられており、
複数の第2制御信号線を含む第2制御信号線群をさらに備えるか、又は、前記第2制御信号線は一つ設けられており、
複数の第3制御信号線を含む第3制御信号線群をさらに備えるか、又は、前記第3制御信号線は一つ設けられており、
複数の第4制御信号線を含む第4制御信号線群をさらに備えるか、又は、前記第4制御信号線は一つ設けられており、
複数の第1入力端子を含む第1入力端子群をさらに備えるか、又は、前記第1入力端子は一つ設けられており、
複数の第2入力端子を含む第2入力端子群をさらに備えるか、又は、前記第2入力端子は一つ設けられており、
複数の第1接続線を含む第1接続線群をさらに備えるか、又は、前記第1接続線は一つ設けられており、
複数の第2接続線を含む第2接続線群をさらに備えるか、又は、前記第2接続線は一つ設けられており、
前記第1入力端子の数は、第1制御信号線の数と第2制御信号線の数との合計より少なく、
前記第2入力端子の数は、第3制御信号線の数と第4制御信号線の数との合計より少ない、請求項3に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項5】
前記第1ゲート駆動回路に接続された第3制御信号線と、
前記第2ゲート駆動回路に接続された第4制御信号線と、
前記第3制御信号線に接続された第3ゲート端子であって、前記第3制御信号線に制御信号を供給する第3ゲート端子と、
前記第4制御信号線に接続された第4ゲート端子であって、前記第4制御信号線に制御信号を供給する第4ゲート端子と、
前記第3制御信号線と前記第4制御信号線とを接続する第2接続線と、
前記第4制御信号線に配置された第2入力端子と、をさらに備え、
前記第2接続線は、前記第1接続線が形成された層と異なる層に形成されている、請求項2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項6】
前記第1入力端子は、検査信号を入力可能な検査端子である、請求項1~5のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項7】
前記第1入力端子の面積は、前記第1ゲート端子の面積の2倍以上であるか、又は前記第2ゲート端子の面積の2倍以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項8】
前記複数のゲート線のうちの1つのゲート線に対して、前記第1ゲート駆動回路及び前記第2ゲート駆動回路の両方からゲート信号が供給される、請求項1~5のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項9】
前記複数のゲート線は、第1のゲート線と第2のゲート線とを含み、
前記第1のゲート線は、前記第1ゲート駆動回路からゲート信号が供給され、
前記第2のゲート線は、前記第2ゲート駆動回路からゲート信号が供給され、
前記第1のゲート線と前記第2のゲート線とは、前記第1の方向に直交する第3の方向に交互に並んでいる、請求項1~5のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項10】
前記第1ゲート駆動回路に接続された第1クロック信号線と、
前記第1クロック信号線に接続された第1クロック端子であって、前記第1クロック信号線にクロック信号を供給する第1クロック端子と、
前記第1クロック信号線に接続された第3接続線と、
前記第3接続線と接続された第1クロック入力端子と、をさらに備え、
前記第3接続線は、前記画素領域から見て、前記第2の方向の領域と、前記第1の方向に直交する第3の方向の領域とに少なくとも一部が配置されており、
前記第1クロック入力端子は、前記第2ゲート駆動回路に対して前記第3の方向とは逆の第4の方向の領域であって、前記第1ゲート駆動回路よりも前記第2ゲート駆動回路に近い領域内に配置されており、
前記第1クロック信号線は、前記第2ゲート駆動回路には接続されていない、請求項1~5のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項11】
前記第1ゲート駆動回路に接続された第1クロック信号線と、
前記第2ゲート駆動回路に接続された第2クロック信号線と、
前記第1クロック信号線に接続された第1クロック端子であって、前記第1クロック信号線にクロック信号を供給する第1クロック端子と、
前記第2クロック信号線に接続された第2クロック端子であって、前記第2クロック信号線にクロック信号を供給する第2クロック端子と、
前記第1クロック信号線に接続された第1クロック入力端子と、
前記第2クロック信号線に接続された第2クロック入力端子と、をさらに備え、
前記第1入力端子は、前記第1クロック信号線とは異なる前記第1制御信号線と前記第2クロック信号線とは異なる第2制御信号線とのいずれかに配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項12】
前記第1クロック入力端子は、前記第2クロック入力端子から見て前記第1の方向の領域内であって、前記第2ゲート駆動回路よりも前記第1ゲート駆動回路に近い領域内に配置されており、
前記第2クロック入力端子は、前記第1クロック入力端子から見て前記第2の方向の領域内であって、前記第1ゲート駆動回路よりも前記第2ゲート駆動回路に近い領域内に配置されている、請求項11に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項13】
前記第1クロック端子に供給される前記クロック信号と、前記第2クロック端子に供給される前記クロック信号と、は同一の信号である、請求項12に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項14】
前記第1制御信号線は、第1定電圧線を含み、
前記第2制御信号線は、第2定電圧線を含み、
前記第1ゲート端子は、前記第1定電圧線に接続された第1定電圧端子であって、前記第1定電圧線に一定の電圧値を有する電圧を供給する第1定電圧端子を含み、
前記第2ゲート端子は、前記第2定電圧線に接続された第2定電圧端子であって、前記第2定電圧線に一定の電圧値を有する電圧を供給する第2定電圧端子を含み、
前記第1入力端子は、前記第1定電圧線又は前記第2定電圧線のいずれか一方に配置されている、請求項11に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項15】
前記第1制御信号線は、第1ゲートスタートパルス信号線を含み、
前記第2制御信号線は、第2ゲートスタートパルス信号線を含み、
前記第1ゲート端子は、前記第1ゲートスタートパルス信号線に接続された第1ゲートスタートパルス端子であって、前記第1ゲートスタートパルス信号線にゲートスタートパルス信号を供給する第1ゲートスタートパルス端子を含み、
前記第2ゲート端子は、前記第2ゲートスタートパルス信号線に接続された第2ゲートスタートパルス端子であって、前記第2ゲートスタートパルス信号線にゲートスタートパルス信号を供給する第2ゲートスタートパルス端子を含み、
前記第1入力端子は、前記第1ゲートスタートパルス信号線又は前記第2ゲートスタートパルス信号線のいずれか一方に配置されている、請求項11に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項16】
前記第1制御信号線は、第1クリア信号線を含み、
前記第2制御信号線は、第2クリア信号線を含み、
前記第1ゲート端子は、前記第1クリア信号線に接続された第1クリア端子であって、前記第1クリア信号線にクリア信号を供給する第1クリア端子を含み、
前記第2ゲート端子は、前記第2クリア信号線に接続された第2クリア端子であって、前記第2クリア信号線にクリア信号を供給する第2クリア端子を含み、
前記第1入力端子は、前記第1クリア信号線又は前記第2クリア信号線のいずれか一方に配置されている、請求項11に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項17】
前記第1ゲート端子及び前記第2ゲート端子は、集積回路が実装可能に構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項18】
基板と、
前記基板の画素領域に形成された複数の薄膜トランジスタと、
前記複数の薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数のゲート線を含むゲート線群と、
前記ゲート線群に第1の方向からゲート信号を供給する第1ゲート駆動回路と、
前記ゲート線群に前記第1の方向とは逆の第2の方向からゲート信号を供給する第2ゲート駆動回路と、
前記第1ゲート駆動回路に接続された第1制御信号線と、
前記第2ゲート駆動回路に接続された第2制御信号線と、
前記第1制御信号線に接続された第1ゲート端子であって、前記第1制御信号線に制御信号を供給する第1ゲート端子と、
前記第2制御信号線に接続された第2ゲート端子であって、前記第2制御信号線に制御信号を供給する第2ゲート端子と、
前記第1制御信号線と前記第2制御信号線とを接続する第1接続線と、
前記第1制御信号線と前記第2制御信号線と前記第1接続線とのいずれかに配置された第1入力端子と、
前記基板に対向して配置される対向基板と、を備える、表示装置。
【請求項19】
前記第1入力端子は、前記基板の前記対向基板とは対向しない領域に配置されている、請求項18に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクティブマトリクス基板、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクティブマトリクス基板を備えた表示装置が知られている。このような表示装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の表示装置は、基板上に配置された2つのゲートドライバと、制御回路とを備える。基板には、2つのゲートドライバのうちの一方に近い位置にゲート端子が配置されている。制御回路は、ゲート端子を介して、2つのゲートドライバのうちの一方に制御信号を供給する。また、制御信号は、一方のゲートドライバから他方のゲートドライバに引き回された配線を経由し、他方のゲートドライバに到達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の表示装置では、制御信号が、一方のゲートドライバから他方のゲートドライバに引き回された配線を経由する際に、当該制御信号が薄膜トランジスタのオン電位に到達する時点が、本来のタイミングよりも遅れる(波形が鈍る)。このため、適切なタイミングで薄膜トランジスタが動作せずに、画素による表示の品質が低下する。
【0006】
そこで、表示の品質を向上させるために、アクティブマトリクス基板に、2つのゲート端子と、当該2つのゲート端子と2つのゲートドライバとをそれぞれ接続する2つの信号線とを設けることが考えられる。そして、2つのゲート端子の各々から、2つのゲートドライバに制御信号を供給することが考えられる。しかしながら、このアクティブマトリクス基板では、上記特許文献1に比べてゲート端子の数が2倍になる。また、アクティブマトリクス基板には、ゲート端子とは別個に、アクティブマトリクス基板又は表示装置の検査等を行うために用いられる入力端子が設けられる。入力端子は、ゲート端子と同数設けられるため、このアクティブマトリクス基板では、入力端子の数が、上記特許文献1の入力端子の数の2倍になる。ゲート端子及び入力端子の数が増大することによって、基板の額縁領域の寸法が大きくなってしまう。また、仮に入力端子を設けずに、ゲート端子を入力端子(例えば、検査端子)として利用する場合、対象となるゲート端子に検査用電極を適切に接触させるために、大きな面積が必要になる。さらに、検査用電極によってゲート端子が損傷する懸念もある。
【0007】
そこで、本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、表示の品質を向上させるとともに、基板上に配置される端子の数を削減することが可能なアクティブマトリクス基板及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の第1の態様に係るアクティブマトリクス基板は、基板と、前記基板の画素領域に形成された複数の薄膜トランジスタと、前記複数の薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数のゲート線を含むゲート線群と、前記ゲート線群に第1の方向からゲート信号を供給する第1ゲート駆動回路と、前記ゲート線群に前記第1の方向とは逆の第2の方向からゲート信号を供給する第2ゲート駆動回路と、前記第1ゲート駆動回路に接続された第1制御信号線と、前記第2ゲート駆動回路に接続された第2制御信号線と、前記第1制御信号線に接続された第1ゲート端子であって、前記第1制御信号線に制御信号を供給する第1ゲート端子と、前記第2制御信号線に接続された第2ゲート端子であって、前記第2制御信号線に制御信号を供給する第2ゲート端子と、前記第1制御信号線と前記第2制御信号線とを接続する第1接続線と、前記第1制御信号線と前記第2制御信号線と前記第1接続線とのいずれかに配置された第1入力端子と、を備える。
【0009】
本開示の第2の態様に係る表示装置は、基板と、前記基板の画素領域に形成された複数の薄膜トランジスタと、前記複数の薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数のゲート線を含むゲート線群と、前記ゲート線群に第1の方向からゲート信号を供給する第1ゲート駆動回路と、前記ゲート線群に前記第1の方向とは逆の第2の方向からゲート信号を供給する第2ゲート駆動回路と、前記第1ゲート駆動回路に接続された第1制御信号線と、前記第2ゲート駆動回路に接続された第2制御信号線と、前記第1制御信号線に接続された第1ゲート端子であって、前記第1制御信号線に制御信号を供給する第1ゲート端子と、前記第2制御信号線に接続された第2ゲート端子であって、前記第2制御信号線に制御信号を供給する第2ゲート端子と、前記第1制御信号線と前記第2制御信号線とを接続する第1接続線と、前記第1制御信号線と前記第2制御信号線と前記第1接続線とのいずれかに配置された第1入力端子と、前記基板に対向して配置される対向基板と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成では、第1ゲート駆動回路には第1ゲート端子からの制御信号が供給され、第2ゲート駆動回路には第2ゲート端子からの制御信号が供給される。これにより、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路の一方から他方に亘って形成された配線を、制御信号が経由する場合と異なり、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路の各々に供給される制御信号の波形の鈍りが生じにくい。この結果、適切なタイミングで薄膜トランジスタを動作させることができるので、表示の品質を向上させることができる。そして、第1制御信号線と第2制御信号線と第1接続線とのいずれかに第1入力端子を配置したことにより、第1入力端子から入力された信号は、第1ゲート駆動回路および第2ゲート駆動回路の両方に供給される。これにより、第1接続線を有しない構成において、第1制御信号線と第2制御信号線のそれぞれに第1入力端子を設ける場合と比較して、端子の数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】
図1Aは、第1実施形態に係る表示装置100の構成を示す平面模式図である。
【
図1B】
図1Bは、突き出し部1aaの配置位置を示す平面模式図である。
【
図2】
図2は、表示パネル1の模式的な断面図である。
【
図3】
図3は、画素20の構成を模式的に示した図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態によるアクティブマトリクス基板1aの構成の一部を模式的に示した図である。
【
図5】
図5は、ゲート駆動回路31及び32の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、単位回路30の構成を示す回路図である。
【
図7】
図7は、ゲート駆動回路31に供給される制御信号と出力されるゲート信号との関係を説明するためのタイミング図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態の変形例によるアクティブマトリクス基板201aの構成を示す模式図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態によるアクティブマトリクス基板301aの構成を示す模式図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態の第1変形例によるアクティブマトリクス基板301bの構成を示す模式図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の第1変形例によるアクティブマトリクス基板301bの検査時に供給される検査用の信号の例を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態の第2変形例によるアクティブマトリクス基板401aの構成を示す模式図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態によるアクティブマトリクス基板501aの構成を示す模式図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態によるインターレース駆動を説明するための模式図である。
【
図15】
図15は、第4実施形態によるアクティブマトリクス基板601aの構成を示す模式図である。
【
図16】
図16は、第4実施形態によるゲート駆動回路632の構成を説明するための模式図である。
【
図17】
図17は、第4実施形態の変形例によるアクティブマトリクス基板701aの構成を示す模式図である。
【
図18】
図18は、第5実施形態によるアクティブマトリクス基板801aの構成を示す模式図である。
【
図19】
図19は、第5実施形態によるアクティブマトリクス基板801aの接続線853a及び853bが配置された部分の断面図である。
【
図20】
図20は、第6実施形態によるアクティブマトリクス基板901aの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0013】
[第1実施形態]
(表示装置の全体構成)
第1実施形態による表示装置100の構成について説明する。
図1Aは、第1実施形態に係る表示装置100の構成を示す平面模式図である。
図1Bは、突き出し部1aaの配置位置を示す平面模式図である。
図2は、表示パネル1の模式的な断面図である。
【0014】
図1Aに示すように、表示装置100は、表示パネル1と、フレキシブルプリント基板2(以下、「FPC2」という)と、プリント配線基板2a(以下、「PWB2a」という)とを備える。
図2に示すように、表示パネル1は、アクティブマトリクス基板1aと、アクティブマトリクス基板1aに対向して配置された対向基板1bと、アクティブマトリクス基板1aと対向基板1bとの間に配置された液晶層1cとを備える。液晶層1cは、アクティブマトリクス基板1aと対向基板1bとの間に介在するシール部1dによって取り囲まれて封止されている。また、対向基板1bは、少なくとも後述する画素領域R1と対向しており、アクティブマトリクス基板1aは、
図1B及び
図2に示すように、対向基板1bに対して後述するY2方向に沿って側方に突き出す突き出し部1aaを有する。PWB2aは、突き出し部1aaに実装される。
【0015】
図1Aに示すように、PWB2a上には、制御回路素子2bが実装されている。制御回路素子2bは、例えば、集積回路を含む。そして、制御回路素子2bは、FPC2を介して、アクティブマトリクス基板1aに制御信号を送信する。FPC2は、PWB2aの制御回路素子2bと、複数のゲート端子41a及び41b、及び複数のソース端子12aとを電気的に接続する。
【0016】
(アクティブマトリクス基板1aの構成)
図1Aに示すように、アクティブマトリクス基板1aには、ゲート駆動回路31及び32と、複数のゲート端子41a及び41bと、複数のソース端子12aと、複数の検査端子42a及び42bとが設けられている。また、アクティブマトリクス基板1aには、複数のゲート線11と、複数のソース線12と、複数の信号線51と、複数の信号線52と、複数の接続線53とが設けられている。
【0017】
説明の便宜上、
図1A中での方向を示すために、X軸、Y軸及びZ軸を規定する。
図1Aに示すX軸は、
図1Aの紙面において水平な軸である。
図1Aの紙面でX軸に沿って左から右への向きをX1方向、右から左への向きをX2方向とする。以下の説明では、X軸に沿う方向であって左右の向きを問わない方向を、「X方向」と称することがある。同様に、
図1Aの紙面でY軸に沿って下から上への向きをY1方向、上から下への向きをY2方向とする。Y軸に沿う方向であって上下の向きを問わない方向を、「Y方向」と称することがある。
図1Aに示すZ軸は、X軸と直交し、かつ、Y軸と直交する軸である。
図1Aの紙面でZ軸に沿って奥から手前への向きをZ1方向、手前から奥への向きをZ2方向とする。
図1B以降においても同様である。
【0018】
図1Aに示すように、複数のゲート線11は、ゲート駆動回路31とゲート駆動回路32との間において、X方向に延びている。また、複数のゲート線11は、ゲート駆動回路31及びゲート駆動回路32の両方に接続されている。ゲート駆動回路31は、複数のゲート線11のX2方向側に配置されている。ゲート駆動回路32は、複数のゲート線11のX1方向側に配置されている。ここで、ゲート駆動回路が1つのみ配置され、ゲート線の一方のみからゲート信号が供給される場合には、ゲート線の他方部分において、ゲート信号の波形が鈍る場合がある。特に、表示パネル1が大型化した場合に波形が鈍りやすくなる。これに対して、第1実施形態では、ゲート駆動回路31は、X2方向から複数のゲート線11にゲート信号Goutを供給する。また、ゲート駆動回路32は、X1方向から複数のゲート線11にゲート信号Goutを供給する。これにより、1つのゲート駆動回路のみからゲート信号が供給される場合に比べて、ゲート信号Goutが鈍るのが防止され、表示の品質を向上させることができる。複数のソース線12は、複数のソース端子12aからY1方向に延びている。そして、複数のゲート線11と複数のソース線12とは、交差している。複数のゲート線11と複数のソース線12とにより区画された領域に、画素20が形成されている。本開示では、画素20が形成された領域を、画素領域R1と呼ぶ。なお、本実施形態では、平面視で画素領域R1を矩形状に図示しているが、例えば、画素領域R1を円形状に形成してもよいし、矩形以外の多角形に形成してもよい。また、表示パネル1上において、画素領域R1以外の領域を額縁領域R2と呼ぶ。額縁領域R2は、突き出し部1aaを含む。
【0019】
図3は、画素20の構成を模式的に示した図である。画素20には、薄膜トランジスタ13と、画素電極14とが形成されている。薄膜トランジスタ13は、ゲート電極13aと、ソース電極13bと、ドレイン電極13cとを含む。ゲート電極13aは、ゲート線11に接続されている。ソース電極13bは、ソース線12に接続されている。ドレイン電極13cは、画素電極14に接続されている。また、薄膜トランジスタ13には、ソース電極13bとドレイン電極13cとに接続された半導体層(図示せず)が形成されている。そして、ゲート線11からゲート電極13aに供給されるゲート信号Goutがオン電位になった際に、ソース線12からソース電極13bに供給されるソース信号が画素電極14に書き込まれる。これにより、画素電極14と図示しない対向電極との間で電界が生じて、アクティブマトリクス基板1aと対向基板1bとの間に封入された液晶層1cが駆動され、表示パネル1上に画像が表示される。
【0020】
図1Aに示すように、ゲート駆動回路31は、額縁領域R2のうちの、画素領域R1から見てX2方向の領域内に配置されている。また、ゲート駆動回路32は、額縁領域R2のうちの、画素領域R1から見てX1方向の領域内に配置されている。ゲート駆動回路31及び32は、対向基板1bと対向して配置されている。
【0021】
図1Aに示すように、複数のゲート端子41aは、それぞれ、複数の信号線51に接続されている。また、ゲート端子41aの数は、信号線51の本数と同数である。また、複数のゲート端子41aは、突き出し部1aaのうちの、画素領域R1から見てY2方向の領域内に配置されている。複数のゲート端子41bは、それぞれ、複数の信号線52に接続されている。また、ゲート端子41bの数は、信号線52の本数と同数である。また、複数のゲート端子41bは、突き出し部1aaのうちの、画素領域R1から見てY2方向領域内に配置されている。また、複数のゲート端子41bは、複数のゲート端子41aから見てX1方向の領域内に配置されている。
【0022】
また、複数のソース端子12aは、それぞれ、複数のソース線12に接続されている。ソース端子12aの数は、ソース線12の数と同数である。また、複数のソース端子12aは、突き出し部1aaのうちの、画素領域R1から見てY2方向の領域内に配置されている。また、複数のソース端子12aは、X方向において、複数のゲート端子41aと複数のゲート端子41bとの間に配置されている。そして、複数のソース端子12aは、制御回路素子2bから供給されたソース信号を、ソース線12を介して薄膜トランジスタ13に供給する。なお、
図1Aには記載しないが、複数のソース端子12aと、制御回路素子2bとの間に、制御回路素子2bからの信号に基づいてソース信号を生成するソース駆動回路が設けられてもよい。
【0023】
また、複数の検査端子42aは、突き出し部1aaのゲート駆動回路31から見てY2方向の領域内に配置されている。例えば、複数の検査端子42aは、それぞれ、複数の信号線51上に配置されている。複数の検査端子42bは、突き出し部1aaのゲート駆動回路32から見てY2方向の領域内に配置されている。これにより、複数の検査端子42a及び42bは、X方向に分散して配置されている(互いに間隔を隔てて配置されている)。例えば、複数の検査端子42bは、それぞれ、複数の信号線52上に配置されている。
【0024】
そして、複数の検査端子42a及び42bには、アクティブマトリクス基板1aの検査時に、図示しない検査用電極が接触する。検査時には、複数の検査端子42a及び42bの各々に、検査用電極から検査用の信号が供給される。検査用の信号は、例えば、ゲート端子41aに供給される制御信号と同一の信号か、又は、一定の電圧である。なお、対象となる検査端子に検査用電極を適切に接触させ、検査用電極によって検査端子周辺の配線等を損傷しないようにするために、検査端子42a及び42bの面積は、ゲート端子41a及び41bよりも大きな面積であることが好ましい。検査端子42aの面積は、例えば、ゲート端子41aの面積の2倍以上である。より詳細には、検査端子42aの面積は、例えば、ゲート端子41aの面積の2.5倍以上で80倍以下の大きさである。ここで、検査端子42aの面積とは、Z軸方向から見て、検査端子42aに検査用電極が接触して検査信号が入力可能な領域の面積のことである。
【0025】
図4は、第1実施形態によるアクティブマトリクス基板1aの構成の一部を模式的に示した図である。複数のゲート端子41a及び複数のゲート端子41bには、制御回路素子2bから制御信号が供給される。制御信号には、例えば、ゲートスタートパルス信号(以下、「GSP信号」という)、4つのクロック信号(以下、「CK1信号」、「CK2信号」、「CK3信号」、及び「CK4信号」)、クリア信号(以下、「CLR信号」)、第1の定電圧信号(以下、「VDD信号」)、及び第2の定電圧信号(以下、「VSS信号」)が含まれる。なお、制御信号は、上記の例に限られず、クロック信号の数は、例えば、2~16のいずれかの数であってもよい。また、GSP信号及びCLR信号は、複数設けられてもよい。また、VDD信号が制御信号に含まれていなくてもよい。また、上記した例以外の波形を有する信号が、制御信号に含まれていてもよい。
【0026】
第1実施形態では、複数のゲート端子41aは、GSP信号が供給されるゲート端子41aと、CK1信号が供給されるゲート端子41aと、CK2信号が供給されるゲート端子41aと、CK3信号が供給されるゲート端子41aと、CK4信号が供給されるゲート端子41aと、CLR信号が供給されるゲート端子41aと、VDD信号が供給されるゲート端子41aと、VSS信号が供給されるゲート端子41aとを含む。また、複数のゲート端子41bは、GSP信号が供給されるゲート端子41bと、CK1信号が供給されるゲート端子41bと、CK2信号が供給されるゲート端子41bと、CK3信号が供給されるゲート端子41bと、CK4信号が供給されるゲート端子41bと、CLR信号が供給されるゲート端子41bと、VDD信号が供給されるゲート端子41bと、VSS信号が供給されるゲート端子41bとを含む。
【0027】
この構成によれば、ゲート駆動回路31にはゲート端子41aからの制御信号が供給され、ゲート駆動回路32にはゲート端子41bからの制御信号が供給される。これにより、ゲート駆動回路31及び32の一方から他方に亘って形成された配線を、制御信号が経由する場合と異なり、ゲート駆動回路31及び32の各々に供給される制御信号の波形に鈍りが生じにくい。この結果、適切なタイミングで薄膜トランジスタ13を動作させることができるので、表示の品質を向上させることができる。
【0028】
ここで、検査端子42aの数は、ゲート端子41aの数よりも少ない。第1実施形態では、検査端子42aの数は、ゲート端子41aの数の半数である。また、検査端子42bの数は、ゲート端子41bの数よりも少ない。第1実施形態では、検査端子42bの数は、ゲート端子41bの数の半数である。例えば、複数の検査端子42aは、VDD信号を伝達する信号線51に配置された検査端子42aと、CLR信号を伝達する信号線51に配置された検査端子42aと、CK2信号を伝達する信号線51に配置された検査端子42aと、CK4信号を伝達する信号線51に配置された検査端子42aとを含む。より詳細には、例えば、VDD信号を伝達する信号線51に配置された検査端子42aは、突き出し部1aaのうちの、VDD信号が供給されるゲート端子41aとゲート駆動回路31との間の領域において、VDD信号を伝達する信号線51と電気的に接続、もしくは、VDD信号を伝達する信号線51と一体的に形成されている。複数の検査端子42aは、VSS信号を伝達する信号線51、GSP信号を伝達する信号線51、CK1信号を伝達する信号線51、及びCK3信号を伝達する信号線51とは配置されていない。また、複数の検査端子42bは、VSS信号を伝達する信号線52に配置された検査端子42bと、GSP信号を伝達する信号線52に配置された検査端子42bと、CK1信号を伝達する信号線52に配置された検査端子42bと、CK3信号を伝達する信号線52に配置された検査端子42bとを含む。より詳細には、例えば、VSS信号を伝達する信号線52に配置された検査端子42bは、突き出し部1aaのうちの、VSS信号が供給されるゲート端子41bとゲート駆動回路32との間の領域において、VSS信号を伝達する信号線52と電気的に接続、もしくは、VSS信号を伝達する信号線51と一体的に形成されている。複数の検査端子42bは、VDD信号を伝達する信号線52、CLR信号を伝達する信号線52、CK2信号を伝達する信号線52、及びCK4信号を伝達する信号線52には配置されていない。
【0029】
また、
図4に示すように、第1実施形態では、検査端子42aにX1方向に隣接する信号線51及びX2方向に隣接する信号線51には、検査端子42aが配置されていない。また、検査端子42bにX1方向に隣接する信号線52及びX2方向に隣接する信号線52には、検査端子42bが配置されていない。検査端子42a又は42bから入力された検査信号は、ゲート駆動回路31及び32の両方に供給される。これにより、第1実施形態では、接続線を有しない構成において、第1のゲート駆動回路に接続される信号線と第2のゲート駆動回路に接続される信号線のそれぞれに検査端子を設ける場合と比較して、検査端子の数を少なくすることができる。また、検査端子42a及び42bは、検査時にのみ使用されるものであり、製品(表示装置100)として完成され、出荷された後において、ユーザが表示を視認する際には、検査端子42a及び42bは使用されないので、表示品質に影響を与えない。
【0030】
図4に示すように、複数の接続線53は、額縁領域R2のうちの、画素領域R1から見てY1方向の領域内に配置されている。これにより、複数の接続線53と複数の検査端子42a及び42bとを額縁領域R2内に分散して配置することができる。また、複数の接続線53は、ゲート駆動回路31及び32からY1方向に一部が延びるように配置されている、また、複数の接続線53は、X方向に延びる部分を有する。そして、複数の接続線53は、複数の信号線51と複数の信号線52とを接続している。例えば、複数の接続線53は、GSP信号が供給される信号線51とGSP信号が供給される信号線52とを接続する接続線53と、VSS信号が供給される信号線51とVSS信号が供給される信号線52とを接続する接続線53と、VDD信号が供給される信号線51とVDD信号が供給される信号線52とを接続する接続線53と、CLR信号が供給される信号線51とCLR信号が供給される信号線52とを接続する接続線53と、CK1信号が供給される信号線51とCK1信号が供給される信号線52とを接続する接続線53と、CK2信号が供給される信号線51とCK2信号が供給される信号線52とを接続する接続線53と、CK3信号が供給される信号線51とCK3信号が供給される信号線52とを接続する接続線53と、CK4信号が供給される信号線51とCK4信号が供給される信号線52とを接続する接続線53とを含む。
【0031】
複数の接続線53は、表示パネル1またはアクティブマトリクス基板1aの検査の際に検査端子42aに供給された検査用の信号を、信号線52に伝達する。また、複数の接続線53は、表示パネル1またはアクティブマトリクス基板1aの検査の際に検査端子42bに供給された検査用の信号を、信号線51に伝達する。検査端子42a及び42bを用いることにより、全ての信号線51及び52の検査と、当該信号線51及び52に接続されたゲート駆動回路31及び32の検査とを行うことが可能になる。
【0032】
図5は、ゲート駆動回路31及び32の構成を示す図である。
図5に示すように、ゲート駆動回路31には、複数の単位回路30が設けられている。例えば、ゲート駆動回路31には、ゲート線11の本数と同数の単位回路30が設けられている。例えば、1200個の単位回路30がゲート駆動回路31に設けられている。以下の説明において、1200個の単位回路30を区別するために、第1の単位回路30~第1200の単位回路30と呼ぶ。なお、
図5では、一例として、1200個の単位回路30がゲート駆動回路31に設けられる例を示しているが、単位回路30の数は、ゲート線11の本数に応じて、1200未満の数でもよいし、1201以上の数でもよい。なお、ゲート駆動回路32は、ゲート駆動回路31と同一の構成であるため、説明を省略する。
【0033】
図6は、単位回路30の構成を示す回路図である。
図6において、第3~第1198の単位回路30を第nの単位回路30として表記する。第1の単位回路30は、ゲート信号Gout(1)を出力する。第2の単位回路30は、ゲート信号Gout(2)を出力する。第nの単位回路30は、ゲート信号Gout(n)を出力する。第1199の単位回路30は、ゲート信号Gout(1199)を出力する。第1200の単位回路30は、ゲート信号Gout(1200)を出力する。
図6に示すように、単位回路30は、トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6、及びT7と、コンデンサC1とを含む。これらのトランジスタやコンデンサは、アクティブマトリクス基板1aに備わる各膜(例えば薄膜トランジスタ13と同じ膜)を用いてモノリシックに設けられている。
【0034】
トランジスタT1のゲートには、第1の単位回路30及び第2の単位回路30の場合、GSP信号が供給される。また、トランジスタT1のゲートには、第nの単位回路30の場合、ゲート信号Gout(n-2)が供給される。トランジスタT1のソースには、VDD信号が供給される。トランジスタT1のドレインは、トランジスタT2のソース、トランジスタT6のソース、及びトランジスタT3のゲート、及びコンデンサC1に接続されている。
【0035】
トランジスタT2のゲートには、第1199の単位回路30及び第1200の単位回路30の場合、CLR信号が供給される。また、トランジスタT2のゲートには、第nの単位回路30の場合、ゲート信号Gout(n+2)が供給される。トランジスタT2のドレインには、VSS信号が供給される。
【0036】
トランジスタT3のソースには、CK1信号~CK4信号のいずれか(
図5参照)が供給される。トランジスタT3のドレインは、コンデンサC1、トランジスタT7のソース、及びゲート線11に接続されている。
【0037】
トランジスタT4のゲート及びソースには、VDD信号が供給される。トランジスタT4のドレインは、トランジスタT5のソース、トランジスタT6のゲート、及びトランジスタT7のゲートが接続されている。
【0038】
トランジスタT5のドレイン、トランジスタT6のドレイン、及び、トランジスタT7のドレインには、VSS信号が供給される。
【0039】
図7は、ゲート駆動回路31に供給される制御信号と出力されるゲート信号との関係を説明するためのタイミング図である。
図7に示すように、GSP信号の電圧のレベルがHighの状態になった後、CK1信号~CK4信号が、この順に繰り返してレベルがHighとなる。その後、CLR信号のレベルがHighとなる。VDD信号は、常時、レベルがHighであり、VSS信号は、常時、レベルがLowである。これにより、ゲート信号Gout(1)~Gout(1200)がゲート駆動回路31からゲート線11に順次出力される。
図7のCK1信号~CK4信号の波形内に記載の「1」~「1200」は、ゲート信号Gout(1)~Gout(1200)が出力されているタイミングを意味するものとして図示している。
【0040】
(第1実施形態の変形例)
次に、
図8を参照して、第1実施形態の変形例によるアクティブマトリクス基板201aの構成について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、第1実施形態の変形例によるアクティブマトリクス基板201aの構成を示す模式図である。
【0041】
第1実施形態では、
図4に示すように、検査端子42aが信号線51に接続され、検査端子42bが信号線52に接続される例を示したが、第1実施形態の変形例によるアクティブマトリクス基板201aでは、
図8に示すように、全ての検査端子242aが、信号線51に接続されており、信号線52には接続されていない。そして、検査時には、検査端子242aから入力された検査信号は、ゲート駆動回路31及び32の両方に供給される。これにより、第1実施形態の変形例においても、接続線を有しない構成において、第1のゲート駆動回路に接続される信号線と第2のゲート駆動回路に接続される信号線のそれぞれに検査端子を設ける場合と比較して、検査端子の数を少なくすることができる。また、検査端子242aは、検査時にのみ使用されるものであり、アクティブマトリクス基板201aが製品として完成され、出荷された後において、ユーザが表示を視認する際には、検査端子242aは使用されないので、表示品質に影響を与えない。
【0042】
[第2実施形態]
次に、
図9を参照して、第2実施形態によるアクティブマトリクス基板301aの構成について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、第2実施形態によるアクティブマトリクス基板301aの構成を示す模式図である。
【0043】
図9に示すように、第2実施形態によるアクティブマトリクス基板301aは、複数の検査端子342a及び342bと、複数のクロック検査端子343a及び343bと、複数の信号線351a及び352aと、複数のクロック信号線351b及び352bと、接続線353とを含む。
【0044】
複数のクロック信号線351bは、CK1信号~CK4信号のいずれかを供給するゲート端子41aに接続されている。複数のクロック信号線352bは、CK1信号~CK4信号のいずれかを供給するゲート端子41bに接続されている。複数のクロック検査端子343aは、それぞれ、複数のクロック信号線351bに接続されている。複数のクロック検査端子343bは、それぞれ、複数のクロック信号線352bに接続されている。すなわち、第2実施形態では、クロック検査端子343aとクロック検査端子343bとの合計数は、クロック信号線351bとクロック信号線352bとの合計の本数と同数である。また、第2実施形態では、クロック信号線351bとクロック信号線352bは、接続されていない。
【0045】
また、複数の検査端子342aは、VDD信号が供給される信号線351aに配置された検査端子342aと、CLR信号が供給される信号線351aに配置された検査端子342aと、を含む。また、複数の検査端子342aは、VSS信号が供給される信号線351a及びGSP信号が供給される信号線351aには配置されていない。複数の検査端子342bは、VSS信号が供給される信号線352aに接続された検査端子342bと、GSP信号が供給される信号線352aに接続された検査端子342bと、を含む。また、複数の検査端子342bは、VDD信号が供給される信号線352a及びCLR信号が供給される信号線352aには配置されていない。
【0046】
接続線353は、信号線351aと、信号線351aと同一の制御信号が供給される信号線352aとを接続する。その他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0047】
上記の構成によれば、検査時に、ゲート駆動回路31にCK1信号~CK4信号を供給することが可能なクロック検査端子343aと、ゲート駆動回路32にCK1信号~CK4信号を供給することが可能なクロック検査端子343bとが、アクティブマトリクス基板301aに設けられる。これにより、接続線を有しない構成において、第1のゲート駆動回路に接続される信号線と第2のゲート駆動回路に接続される信号線のそれぞれに検査端子を設ける場合と比較して、検査時において、CK1信号~CK4信号の波形が鈍るのを防止することができるので、誤った検査結果が得られるのを防止することができる。なお、その他の効果は、第1実施形態の効果と同様である。
【0048】
(第2実施形態の第1変形例)
次に、
図10及び
図11を参照して、第2実施形態の第1変形例によるアクティブマトリクス基板301bの構成について説明する。なお、上記第2実施形態と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、第2実施形態の第1変形例によるアクティブマトリクス基板301bの構成を示す模式図である。
図11は、第2実施形態の第1変形例による表示パネル1またはアクティブマトリクス基板301bの検査時に供給される検査用の信号の例を説明するための図である。
【0049】
図10に示すように、アクティブマトリクス基板301bは、
図9に示すアクティブマトリクス基板301aと異なり、ゲート駆動回路31にVDD信号を供給する信号線351aaに第1VDD検査端子342aaが配置されており、ゲート駆動回路32にVDD信号を供給する信号線352aaに第2VDD検査端子342baが配置されている。また、信号線351aaと信号線352aaとは接続されていない。
【0050】
ここで、2つのゲート駆動回路のうちの一方が不良で他方が良品である場合でも、2つのゲート駆動回路との両方を駆動させながら検査を行った場合、2つのゲート駆動回路が誤って良品であると判定される場合がある。そこで、第2実施形態の第1変形例では、
図11に示すように、ゲート駆動回路31及び32のうちの一方を駆動させて検査した後に、他方を駆動させて検査を行う。複数のクロック検査端子343aのうち、ゲート端子41aからCK1信号が供給されるクロック検査端子343aを第1CK1検査端子と呼び、ゲート端子41aからCK2信号が供給されるクロック検査端子343aを第1CK2検査端子と呼び、ゲート端子41aからCK3信号が供給されるクロック検査端子343aを第1CK3検査端子と呼び、ゲート端子41aからCK4信号が供給されるクロック検査端子343aを第1CK4検査端子と呼ぶ。また、複数のクロック検査端子343bのうち、ゲート端子41bからCK1信号が供給されるクロック検査端子343bを第2CK1検査端子と呼び、ゲート端子41bからCK2信号が供給されるクロック検査端子343bを第2CK2検査端子と呼び、ゲート端子41bからCK3信号が供給されるクロック検査端子343bを第2CK3検査端子と呼び、ゲート端子41bからCK4信号が供給されるクロック検査端子343bを第2CK4検査端子と呼ぶ。
【0051】
また、検査端子342aのうち、ゲート端子41aからCLR信号が供給される検査端子342aをCLR検査端子と呼ぶ。また、検査端子342bのうち、ゲート端子41bからGSP信号が供給される検査端子342bをGSP検査端子と呼び、ゲート端子41bからVSS信号が供給される検査端子342bをVSS検査端子と呼ぶ。
【0052】
図11では、ゲート駆動回路31及び32のうちの検査対象となるゲート駆動回路31を駆動させ、検査対象でないゲート駆動回路32をフローティングの状態(駆動させない状態)にする場合の検査端子と信号波形との対応例を示している。
図11の例の場合、GSP検査端子には、GSP信号が供給される。CLR検査端子には、CLR信号が供給される。VSS検査端子には、VSS信号が供給される。第1CK1検査端子には、CK1信号が供給される。第1CK2検査端子には、CK2信号が供給される。第1CK3検査端子には、CK3信号が供給される。第1CK4検査端子には、CK4信号が供給される。第2CK1検査端子~第2CK4検査端子には、VSS信号が供給される。この状態で、ゲート駆動回路31により適切に薄膜トランジスタ13が駆動されるか否かが検査される。この後、第2CK1検査端子には、CK1信号が供給される。第2CK2検査端子には、CK2信号が供給される。第2CK3検査端子には、CK3信号が供給される。第2CK4検査端子には、CK4信号が供給される。第1CK1検査端子~第1CK4検査端子には、VSS信号が供給される。この状態で、ゲート駆動回路32により適切に薄膜トランジスタ13が駆動されるか否かが検査される。この検査方法によれば、ゲート駆動回路31とゲート駆動回路32とを、別々に検査して検査結果を得ることができるので、ゲート駆動回路31及び32を同時に検査する場合に比べて、誤った検査結果が得られるのを防止することができる。また、ゲート駆動回路31に検査用の信号を供給する第1CK1検査端子~第1CK4検査端子と、ゲート駆動回路32に検査用の信号を供給する第2CK1検査端子~第2CK4検査端子とがアクティブマトリクス基板301bに設けられる。これにより、第2CK1検査端子~第2CK4検査端子を設けずに、第1CK1検査端子~第1CK4検査端子から接続線を経由してゲート駆動回路32に検査用の信号を供給する場合と異なり、検査用の信号の波形が鈍るのを防止することができる。これによっても、誤った検査結果が得られるのを防止することができる。そして、GSP検査端子、CLR検査端子、及びVSS検査端子は、信号線351aと信号線352aとの両方には配置されないので、両方に配置される場合に比べて、検査端子の数を少なくすることができる。
【0053】
(第2実施形態の第2変形例)
次に、
図12を参照して、第2実施形態の第2変形例によるアクティブマトリクス基板401aの構成について説明する。なお、上記第1又は第2実施形態と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図12は、第2実施形態の第2変形例によるアクティブマトリクス基板401aの構成を示す模式図である。
【0054】
図12に示すように、第2実施形態の第2変形例によるアクティブマトリクス基板401aは、第2実施形態によるアクティブマトリクス基板201aの複数のクロック信号線351bと、複数のクロック信号線352bとを接続する複数の接続線453が設けられている。複数の接続線453が設けられているものの、この例によっても、ゲート駆動回路31に検査用の信号を供給する第1CK1検査端子~第1CK4検査端子と、ゲート駆動回路32に検査用の信号を供給する第2CK1検査端子~第2CK4検査端子とがアクティブマトリクス基板401aに設けられるので、検査用の信号の波形が鈍るのを防止することができる。これにより、誤った検査結果が得られるのを防止することができる。また、GSP検査端子、CLR検査端子、及びVSS検査端子は、信号線351aと信号線352aとの両方には配置されないので、両方に配置される場合に比べて、検査端子の数を少なくすることができる。
【0055】
[第3実施形態]
次に、
図13及び
図14を参照して、第3実施形態によるアクティブマトリクス基板501aの構成について説明する。なお、上記第1又は第2実施形態と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図13は、第3実施形態によるアクティブマトリクス基板501aの構成を示す模式図である。
図14は、第3実施形態によるインターレース駆動を説明するための模式図である。
【0056】
図13に示すように、第3実施形態によるアクティブマトリクス基板501aは、ゲート駆動回路531及び532を含む。
図14に示すように、ゲート駆動回路531がゲート信号を供給するゲート線511aと、ゲート駆動回路532がゲート信号を供給するゲート線511bとは異なる。また、ゲート線511aとゲート線511bとは、ゲート線511aが延びる方向に直交する方向に、交互に配置されている。すなわち、上記第1実施形態では、1つのゲート線11に対してゲート駆動回路31及び32により両側からゲート信号Goutが供給される例を示したが、第3実施形態によるアクティブマトリクス基板501aでは、1つのゲート線に対して片側のゲート駆動回路からゲート信号Goutが供給されるインターレース駆動が行われるように構成されている。
【0057】
インターレース駆動の場合、ゲート駆動回路531に供給されるCLR信号は、ゲート駆動回路532に供給されるCLR信号と別個の信号(タイミングが異なる信号)となる。また、ゲート駆動回路532に供給されるGSP信号は、ゲート駆動回路532に供給されるGSP信号と別個の信号(タイミングが異なる信号)となる。ここで、ゲート駆動回路531に供給されるCLR信号を、CLR1信号とする。ゲート駆動回路532に供給されるCLR信号を、CLR2信号とする。また、ゲート駆動回路531に供給されるGSP信号を、GSP1信号とする。ゲート駆動回路532に供給されるGSP信号を、GSP2信号とする。アクティブマトリクス基板501aは、CLR1信号をゲート駆動回路531に伝達する信号線551aと、GSP1信号をゲート駆動回路531に伝達する信号線551aと、CLR2信号をゲート駆動回路532に伝達する信号線551bと、GSP2信号をゲート駆動回路531に伝達する信号線551bと、を含む。また、アクティブマトリクス基板501aは、GSP1信号をゲート駆動回路531に伝達する信号線551aに配置された検査端子544aと、CLR1信号をゲート駆動回路531に伝達する信号線551aに配置された検査端子545aとを含む。また、アクティブマトリクス基板501aは、GSP2信号をゲート駆動回路532に伝達する信号線551bに配置された検査端子544bと、CLR2信号をゲート駆動回路532に伝達する信号線551bに配置された検査端子545bとを含む。この構成によれば、インターレース駆動を行うアクティブマトリクス基板501aにおいても検査を可能にすることができる。そして、VDD信号が供給される検査端子342a、及びVSS信号が供給される検査端子342bは、ゲート駆動回路531に接続された信号線及びゲート駆動回路532に接続された信号線のうちの一方のみに配置されるので、両方に配置される場合に比べて、検査端子の数を少なくすることができる。その他の構成及び効果は、第1実施形態又は第2実施形態と同様である。
【0058】
[第4実施形態]
次に、
図15及び
図16を参照して、第4実施形態によるアクティブマトリクス基板601aの構成について説明する。なお、上記第1~第3実施形態のいずれかと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図15は、第4実施形態によるアクティブマトリクス基板601aの構成を示す模式図である。
図16は、第4実施形態によるゲート駆動回路632の構成を説明するための模式図である。
【0059】
図15に示すように、第4実施形態によるアクティブマトリクス基板601aは、ゲート駆動回路632を含む。
図16に示すように、ゲート駆動回路632には、ゲート線11に接続され、ゲート線11の電位をVSS信号と同電位にするリセット処理を行うためのトランジスタ632aが設けられている。より詳細には、トランジスタ632aのソースにはVSS信号が供給される。トランジスタ632aのドレインにはゲート線11が接続され、トランジスタ632aのゲートには、トランジスタ632aのドレインに接続されたゲート線11の2本下に位置するゲート線11が接続される。トランジスタ632aの配置により、ゲート線11がHigh電位からLow電位への遷移時間を短くすることができる。また、ゲート駆動回路632には、VSS信号以外の制御信号は供給されない。
【0060】
図15に示すように、画素領域R1から見て、X1方向の領域に検査端子642bが配置されている。アクティブマトリクス基板601aには、ゲート駆動回路631にVSS信号を伝達する信号線51、GSP信号を伝達する信号線51、CK1信号を伝達する信号線51、及びCK3信号を伝達する信号線51と、複数の検査端子642bとを接続する接続線653が設けられている。複数の接続線653は、画素領域R1から見て、Y1方向の領域内に少なくとも一部が配置されており、画素領域R1から見て、X1方向の領域を経由して検査端子642bと接続されている。これにより、アクティブマトリクス基板601aにおいて、検査端子42aと642bと分散して配置することができるので、ゲート駆動回路631の近傍に検査端子が密集するのを防止することができる。その他の構成及び効果は、第1実施形態と同様である。
【0061】
(第4実施形態の変形例)
次に、
図17を参照して、第4実施形態の変形例によるアクティブマトリクス基板701aの構成について説明する。なお、上記第1~第4実施形態のいずれかと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図17は、第4実施形態の変形例によるアクティブマトリクス基板701aの構成を示す模式図である。
図17に示すように、アクティブマトリクス基板701aでは、全ての検査端子742aが画素領域R1から見て、X2方向の領域に配置されている。また、ゲート駆動回路632に接続されVSS信号を供給する信号線には検査端子が配置されないで、ゲート駆動回路31に接続されVSS信号を供給する信号線に検査端子が配置される。より詳細には、ゲート駆動回路632にVSS信号を供給するVSS検査端子は、画素領域R1から見て、X2方向の領域であって、ゲート駆動回路632よりもゲート駆動回路631に近い領域内に配置され、画素領域R1から見て、X1方向の領域であって、ゲート駆動回路631よりもゲート駆動回路632に近い領域内に配置されない。これにより、VSS信号を供給する信号線に配置された検査端子の数を削減することができる。
【0062】
[第5実施形態]
次に、
図18及び
図19を参照して、第5実施形態によるアクティブマトリクス基板801aの構成について説明する。なお、上記第1~第4実施形態のいずれかと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図18は、第5実施形態によるアクティブマトリクス基板801aの構成を示す模式図である。
図19は、第5実施形態によるアクティブマトリクス基板801aの接続線853a及び853bが配置された部分の断面図である。
【0063】
図18に示すように、第5実施形態によるアクティブマトリクス基板801aは、接続線853a及び853bを含む。接続線853aと接続線853bとは、平面視で隣接して配置されている。例えば、接続線853aと接続線853bとは、額縁領域R2のうちの、画素領域R1から見てY1方向の領域内において、Y2方向に交互に配置されている。
図19に示すように、接続線853aが形成された層は、接続線853bが形成された層と異なる層である。例えば、基板801b上に接続線853bが形成され、接続線853bを覆うように絶縁膜854が形成されている。そして、絶縁膜854上に接続線853aが形成され、接続線853aを覆うように絶縁膜855が形成されている。例えば、接続線853aが形成された層は、ソース線12が形成された層と同一の層である。接続線853bが形成された層は、ゲート線11が形成された層と同一の層である。これにより、平面視で接続線853aが、接続線853bに重なって配置された場合でも、接続線853aと接続線853bとが電気的に接続されない。第5実施形態によるアクティブマトリクス基板801aによれば、額縁領域R2を小型化することができる。
【0064】
[第6実施形態]
次に、
図20を参照して、第6実施形態によるアクティブマトリクス基板901aの構成について説明する。なお、上記第1~第5実施形態のいずれかと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図20は、第6実施形態によるアクティブマトリクス基板901aの構成を示す模式図である。
【0065】
図20に示すように、第6実施形態によるアクティブマトリクス基板901aは、ゲート端子941a及び941bと、ソース端子912aとを含む。ゲート端子941a及び941bと、ソース端子912aとは、制御回路素子902が実装可能に構成されている。例えば、制御回路素子902の複数の端子の間隔(ピッチ)に、ゲート端子941a及び941b、及びソース端子912aの間隔(ピッチ)が一致するように、ゲート端子941a及び941bと、ソース端子912aとが構成されている。すなわち、ゲート端子941a及び941bと、ソース端子912aとは、COG(chip on glass)技術に対応した構造を有する。この例によれば、COG(chip on glass)技術に対応したアクティブマトリクス基板901aを提供することができる。
【0066】
[変形等]
以上、上述した実施形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。よって、本開示は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0067】
(1)上記第1~第6実施形態では、検査端子を信号線上に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、検査端子を信号線ではなく、接続線上に配置してもよい。この場合、対向基板を、接続線上に配置された検査端子とは対向しないように配置してもよい。
【0068】
(2)上記第1~第6実施形態では、接続線を、画素領域から見てY1方向の領域内に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、接続線を、画素領域から見てY2方向の領域内に配置してもよい。この場合、接続線と、接続線と交差する他の配線との交差部での容量が大きくならないように、接続線と他の配線との間に複数の絶縁膜が介在してもよい。また、複数の絶縁膜に、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機絶縁膜よりも誘電率が低い有機絶縁膜が含まれていてもよい。
【0069】
(3)上記第1~第6実施形態では、検査端子を、画素領域から見てY2方向の領域内に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、検査端子を、画素領域から見てY1方向の領域内に配置してもよい。この場合、対向基板を、検査端子とは対向しないように配置してもよい。
【0070】
(4)上記第1~第6実施形態の検査端子を、PSA(Polymer Sustained Alignment)技術を利用した表示パネルの製造に利用することも可能である。PSA技術とは、電圧無印加時において液晶層に含まれる液晶分子にプレチルトを与える配向維持層を形成するものである。配向維持層は、液晶層に予め混合しておいた光重合性モノマーを、液晶層に電圧を印加した状態で光重合することで形成される。配向維持層により電圧無印加時の液晶分子は基板面の法線方向から例えば2~3°傾斜したプレチルト角と配向方位とに維持される。液晶層に電圧を印加して光重合させる際に、全てのゲート線にオン電位を供給する場合があるが、このときに、検査端子から信号を入力してゲート駆動回路を動作させてもよい。なお、PSA技術を利用した表示パネルの場合、液晶層には誘電率異方性が負の液晶が用いられ、対向電極は対向基板に形成される。
【0071】
(5)表示パネルは、IPSモードやFFSモードであってもよい。これらの場合、液晶層には誘電率異方性が正または負の液晶が用いられ、対向電極はアクティブマトリクス基板に形成される。
【0072】
(6)表示パネルは、平面形状は、縦長の長方形、正方形、円形、半円形、長円形、楕円形、台形などであってもよい。また、画素領域からみてY2方向の領域が狭い形状(例えば矩形状の外形に対して、角部が丸くカットされた形状)であってもよい。
【0073】
(7)表示パネルは、透過型以外にも反射型や半透過型であってもよい。
【0074】
(8)表示パネルは、液晶層を含む液晶表示パネル以外の種類の表示パネルであってもよい。例えば、有機EL(Electro Luminescence)表示パネルやEPD(マイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイパネル)であってもよい。
【0075】
上述したアクティブマトリクス基板、及び表示装置は、以下のように説明することができる。
【0076】
第1の構成に係るアクティブマトリクス基板は、基板と、基板の画素領域に形成された複数の薄膜トランジスタと、複数の薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数のゲート線を含むゲート線群と、ゲート線群に第1の方向からゲート信号を供給する第1ゲート駆動回路と、ゲート線群に第1の方向とは逆の第2の方向からゲート信号を供給する第2ゲート駆動回路と、第1ゲート駆動回路に接続された第1制御信号線と、第2ゲート駆動回路に接続された第2制御信号線と、第1制御信号線に接続された第1ゲート端子であって、第1制御信号線に制御信号を供給する第1ゲート端子と、第2制御信号線に接続された第2ゲート端子であって、第2制御信号線に制御信号を供給する第2ゲート端子と、第1制御信号線と第2制御信号線とを接続する第1接続線と、第1制御信号線と第2制御信号線と第1接続線とのいずれかに配置された第1入力端子と、を備える(第1の構成)。
【0077】
上記第1の構成によれば、第1ゲート駆動回路には第1ゲート端子からの制御信号が供給され、第2ゲート駆動回路には第2ゲート端子からの制御信号が供給される。これにより、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路の一方から他方に亘って形成された配線を、制御信号が経由する場合と異なり、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路の各々に供給される制御信号の波形の鈍りが生じにくい。この結果、適切なタイミングで薄膜トランジスタを動作させることができるので、表示の品質を向上させることができる。そして、第1制御信号線と第2制御信号線と第1接続線とのいずれかに第1入力端子を配置したことにより、第1入力端子から入力された信号は、第1ゲート駆動回路および第2ゲート駆動回路の両方に供給される。これにより、第1接続線を有しない構成において、第1制御信号線と第2制御信号線のそれぞれに第1入力端子を設ける場合と比較して、端子の数を少なくすることができる。
【0078】
第1の構成において、第1接続線は、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路に対して第1の方向に直交する第3の方向の領域内に配置されてもよい。また、第1入力端子は、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路に対して第3の方向とは逆の第4の方向の領域内に配置されてもよい(第2の構成)。
【0079】
上記第2の構成によれば、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路に対して第3の方向と第4の方向とに、第1接続線と第1入力端子とを分散して配置することができる。
【0080】
第2の構成において、アクティブマトリクス基板は、第1ゲート駆動回路に接続された第3制御信号線と、第2ゲート駆動回路に接続された第4制御信号線と、第3制御信号線に接続された第3ゲート端子であって、第3制御信号線に制御信号を供給する第3ゲート端子と、第4制御信号線に接続された第4ゲート端子であって、第4制御信号線に制御信号を供給する第4ゲート端子と、第3制御信号線と第4制御信号線とを接続する第2接続線と、第4制御信号線に配置された第2入力端子と、をさらに備えてもよい。第1入力端子は、第1制御信号線に配置されてもよい。第2入力端子は、第4制御信号線に配置されており、第1入力端子から見て第2の方向の領域内であって、第1ゲート駆動回路よりも第2ゲート駆動回路に近い領域内に配置されてもよい(第3の構成)。
【0081】
上記第3の構成によれば、複数の入力端子(第1入力端子と第2入力端子と)を設ける場合でも、複数の入力端子を、ゲート線が延びる方向(第1の方向又は第2の方向)に分散して配置することができる。
【0082】
第3の構成において、アクティブマトリクス基板は、複数の第1制御信号線を含む第1制御信号線群をさらに備えるか、又は、第1制御信号線は一つ設けられてもよい。アクティブマトリクス基板は、複数の第2制御信号線を含む第2制御信号線群をさらに備えるか、又は、第2制御信号線は一つ設けられてもよい。アクティブマトリクス基板は、複数の第3制御信号線を含む第3制御信号線群をさらに備えるか、又は、第3制御信号線は一つ設けられてもよい。アクティブマトリクス基板は、複数の第4制御信号線を含む第4制御信号線群をさらに備えるか、又は、第4制御信号線は一つ設けられてもよい。アクティブマトリクス基板は、複数の第1入力端子を含む第1入力端子群をさらに備えるか、又は、第1入力端子は一つ設けられてもよい。アクティブマトリクス基板は、複数の第2入力端子を含む第2入力端子群をさらに備えるか、又は、第2入力端子は一つ設けられてもよい。アクティブマトリクス基板は、複数の第1接続線を含む第1接続線群をさらに備えるか、又は、第1接続線は一つ設けられてもよい。アクティブマトリクス基板は、複数の第2接続線を含む第2接続線群をさらに備えるか、又は、第2接続線は一つ設けられてもよい。第1入力端子の数は、第1制御信号線の数と第2制御信号線の数との合計より少なく、第2入力端子の数は、第3制御信号線の数と第4制御信号線の数との合計より少なくてもよい(第4の構成)。
【0083】
上記第4の構成によれば、第1入力端子の数、及び第2入力端子の数を少なくすることができる。
【0084】
第2~第4の構成のいずれか1つにおいて、アクティブマトリクス基板は、第1ゲート駆動回路に接続された第3制御信号線と、第2ゲート駆動回路に接続された第4制御信号線と、第3制御信号線に接続された第3ゲート端子であって、第3制御信号線に制御信号を供給する第3ゲート端子と、第4制御信号線に接続された第4ゲート端子であって、第4制御信号線に制御信号を供給する第4ゲート端子と、第3制御信号線と第4制御信号線とを接続する第2接続線と、第4制御信号線に配置された第2入力端子と、をさらに備えてもよい。第2接続線は、第1接続線が形成された層と異なる層に形成されてもよい(第5の構成)。
【0085】
上記第5の構成によれば、第2接続線と第1接続線とを平面視で重なるように配置することができるので、第2接続線と第1接続線とが配置される領域(例えば、額縁領域)の幅を小さくすることができる。
【0086】
第1~第5の構成のいずれか1つにおいて、第1入力端子は、検査信号を入力可能な検査端子であってもよい(第6の構成)。
【0087】
上記第6の構成によれば、検査端子は、検査時にのみ使用されるものであり、製品として完成され、出荷された後において、ユーザが表示を視認する際には、当該検査端子は使用されないので、表示品質に影響を与えない。
【0088】
第1~第6の構成のいずれか1つにおいて、第1入力端子の面積は、第1ゲート端子の面積の2倍以上であるか、又は第2ゲート端子の面積の2倍以上であってもよい(第7の構成)。
【0089】
上記第7の構成によれば、第1入力端子に外部から電極や端子等を接触させる場合に、面積が大きいことにより、容易に接触させることができる。
【0090】
第1~第7の構成のいずれか1つにおいて、複数のゲート線のうちの1つのゲート線に対して、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路の両方からゲート信号が供給されてもよい(第8の構成)。
【0091】
上記第8の構成によれば、アクティブマトリクス基板が大型化させた場合でも、ゲート信号が鈍るのを防止することができるので、大型の表示装置において、表示品質を向上させることができる。
【0092】
第1~第7の構成のいずれか1つにおいて、複数のゲート線は、第1のゲート線と第2のゲート線とを含んでもよい。第1のゲート線は、第1ゲート駆動回路からゲート信号が供給されてもよい。第2のゲート線は、第2ゲート駆動回路からゲート信号が供給されてもよい。第1のゲート線と第2のゲート線とは、第1の方向に直交する第3の方向に交互に並んでいてもよい(第9の構成)。
【0093】
上記第9の構成によれば、インターレース駆動を行うアクティブマトリクス基板においても、表示品質を向上させながら、端子の数を削減することができる。
【0094】
第1~第9の構成のいずれか1つにおいて、アクティブマトリクス基板は、第1ゲート駆動回路に接続された第1クロック信号線と、第1クロック信号線に接続された第1クロック端子であって、第1クロック信号線にクロック信号を供給する第1クロック端子と、第1クロック信号線に接続された第3接続線と、第3接続線と接続された第1クロック入力端子と、をさらに備えてもよい。第3接続線は、画素領域から見て、第2の方向の領域と、第1の方向に直交する第3の方向の領域とに少なくとも一部が配置されていてもよい。第1クロック入力端子は、第2ゲート駆動回路に対して第3の方向とは逆の第4の方向の領域であって、第1ゲート駆動回路よりも第2ゲート駆動回路に近い領域内に配置されてもよい。第1クロック信号線は、第2ゲート駆動回路には接続されていなくてもよい(第10の構成)
【0095】
上記第10の構成によれば、第1クロック信号線が接続されていない第2ゲート駆動回路に近い領域に、第1クロック入力端子が配置されるので、第1クロック端子と第1クロック入力端子とを、第1の方向と第2の方向とに分散して配置することができる。
【0096】
第1~第10の構成のいずれか1つにおいて、アクティブマトリクス基板は、第1ゲート駆動回路に接続された第1クロック信号線と、第2ゲート駆動回路に接続された第2クロック信号線と、第1クロック信号線に接続された第1クロック端子であって、第1クロック信号線にクロック信号を供給する第1クロック端子と、第2クロック信号線に接続された第2クロック端子であって、第2クロック信号線にクロック信号を供給する第2クロック端子と、第1クロック信号線に接続された第1クロック入力端子と、第2クロック信号線に接続された第2クロック入力端子と、をさらに備えてもよい。第1入力端子は、第1クロック信号線とは異なる第1制御信号線と第2クロック信号線とは異なる第2制御信号線とのいずれかに配置されてもよい(第11の構成)。
【0097】
ここで、検査時にクロック信号が供給される入力端子と、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路のうちの検査対象の駆動回路とが遠くに離れて配置されている場合、クロック信号の波形が鈍ってしまい、ゲート駆動回路が所望の動作を行わずに、誤った検査結果が得られる場合がある。これに対して、上記第11の構成によれば、検査時に、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路の各々にクロック信号を供給することが可能な第1クロック入力端子と第2クロック入力端子とが、アクティブマトリクス基板に設けられる。これにより、検査時において、クロック信号の波形が鈍るのを防止することができるので、誤った検査結果が得られるのを防止することができる。そして、第1入力端子が、第1クロック信号線とは異なる第1制御信号線と第2クロック信号線とは異なる第2制御信号線とのいずれかに接続されるので、入力端子の数の増大を抑制することができる。
【0098】
第11の構成において、第1クロック入力端子は、第2クロック入力端子から見て第1の方向の領域内であって、第2ゲート駆動回路よりも第1ゲート駆動回路に近い領域内に配置されていてもよい。第2クロック入力端子は、第1クロック入力端子から見て第2の方向の領域内であって、第1ゲート駆動回路よりも第2ゲート駆動回路に近い領域内に配置されてもよい(第12の構成)。また、第12の構成において、第1クロック端子に供給されるクロック信号と、第2クロック端子に供給されるクロック信号と、は同一の信号であってもよい(第13の構成)。
【0099】
上記第12及び第13の構成によれば、第1の方向の領域と第2の方向の領域とに、第1クロック入力端子と第2クロック入力端子とを分散して配置することができる。
【0100】
第11の構成において、第1制御信号線は、第1定電圧線を含んでもよい。第2制御信号線は、第2定電圧線を含んでもよい。第1ゲート端子は、第1定電圧線に接続された第1定電圧端子であって、第1定電圧線に一定の電圧値を有する電圧を供給する第1定電圧端子を含んでもよい。第2ゲート端子は、第2定電圧線に接続された第2定電圧端子であって、第2定電圧線に一定の電圧値を有する電圧を供給する第2定電圧端子を含んでもよい。第1入力端子は、第1定電圧線又は第2定電圧線のいずれか一方に配置されてもよい(第14の構成)。
【0101】
ここで、第1定電圧線及び第2定電圧線には、一定の電圧値を有する電圧が供給される。したがって、画面全体が走査期間中に繰り返し供給されるクロック信号と異なり、第1定電圧線及び第2定電圧線上を伝達する電圧の波形は、信号の伝達経路が長くなってもほとんど変動しない。このため、第1定電圧線又は第2定電圧線のいずれか一方のみに第1入力端子を設けて、第1ゲート駆動回路及び第2ゲート駆動回路の両方を駆動させて検査を行う場合でも、第1入力端子から第1ゲート駆動回路に入力される信号と第1入力端子から第2ゲート駆動回路に入力される信号との波形に差がほとんど生じない。この場合、検査への影響は小さい。そこで、上記第14の構成によれば、第1入力端子を第1定電圧線又は第2定電圧線のいずれか一方に配置するので、検査への影響を防止しながら、検査するための端子を削減することができる。また、第1ゲート駆動回路と第2ゲート駆動回路との一方が不良で他方が良品である場合でも、第1ゲート駆動回路と第2ゲート駆動回路との両方を駆動させながら検査を行った場合、第1ゲート駆動回路と第2ゲート駆動回路とが誤って良品であると判定される場合がある。そこで、第1ゲート駆動回路と第2ゲート駆動回路とのうちの一方を駆動させて検査した後に、他方を駆動させて検査することが考えられる。ここで、第1ゲート駆動回路と第2ゲート駆動回路とのいずれが駆動されている期間においても、第1定電圧線及び第2定電圧線では、一定の電圧値を有する電圧が印加されるので、波形は変動しない。そこで、上記第12の構成によれば、第1入力端子を検査端子として用いる場合でも、誤った検査結果が得られるのを防止しながら、端子を削減することができる。
【0102】
第11の構成において、第1制御信号線は、第1ゲートスタートパルス信号線を含んでもよい。第2制御信号線は、第2ゲートスタートパルス信号線を含んでもよい。第1ゲート端子は、第1ゲートスタートパルス信号線に接続された第1ゲートスタートパルス端子であって、第1ゲートスタートパルス信号線にゲートスタートパルス信号を供給する第1ゲートスタートパルス端子を含んでもよい。第2ゲート端子は、第2ゲートスタートパルス信号線に接続された第2ゲートスタートパルス端子であって、第2ゲートスタートパルス信号線にゲートスタートパルス信号を供給する第2ゲートスタートパルス端子を含んでもよい。第1入力端子は、第1ゲートスタートパルス信号線又は第2ゲートスタートパルス信号線のいずれか一方に配置されてもよい(第15の構成)。
【0103】
ここで、第1制御信号線は、第1ゲート駆動回路に設けられた複数の単位回路のうち、画面全体が走査される周期の最初の出力、または最初の数個の出力に対応する単位回路に接続されている。また、第2制御信号線は、第2ゲート駆動回路に設けられた複数の単位回路のうち、画面全体が走査される周期の最初の出力、または最初の数個の出力に対応する単位回路に接続されている。第1ゲートスタートパルス信号線及び第2ゲートスタートパルス信号線には、画面全体が走査される周期の最初のみにゲートスタートパルス信号が供給される。したがって、画面全体が走査期間中に繰り返し供給されるクロック信号に比べて、ゲートスタートパルス信号の波形の鈍りによる検査への影響は小さい。そこで、上記第15の構成によれば、第1入力端子を検査端子として用いる場合に、検査への影響を防止しながら、検査するための端子を削減することができる。
【0104】
第11の構成において、第1制御信号線は、第1クリア信号線を含んでもよい。第2制御信号線は、第2クリア信号線を含んでもよい。第1ゲート端子は、第1クリア信号線に接続された第1クリア端子であって、第1クリア信号線にクリア信号を供給する第1クリア端子を含んでもよい。第2ゲート端子は、第2クリア信号線に接続された第2クリア端子であって、第2クリア信号線にクリア信号を供給する第2クリア端子を含んでもよい。第1入力端子は、第1クリア信号線又は第2クリア信号線のいずれか一方に配置されてもよい(第16の構成)。
【0105】
ここで、第1制御信号線は、第1ゲート駆動回路に設けられた複数の単位回路のうち、画面全体が走査される周期の最後の出力、または最後の数個の出力に対応する単位回路に接続されている。また、第2制御信号線は、第2ゲート駆動回路に設けられた複数の単位回路のうち、画面全体が走査される周期の最後の出力、または最後の数個の出力に対応する単位回路に接続されている。第1クリア信号線及び第2クリア信号線には、画面全体が走査される周期の最後のみにクリア信号が供給される。したがって、画面全体が走査期間中に繰り返し供給されるクロック信号に比べて、クリア信号の波形の鈍りによる検査への影響は小さい。そこで、上記第16の構成によれば、第1入力端子を検査端子として用いる場合に、検査への影響を防止しながら、検査するための端子を削減することができる。
【0106】
第1~第16の構成のいずれか1つにおいて、第1ゲート端子及び第2ゲート端子は、集積回路が実装可能に構成されてもよい(第17の構成)。
【0107】
上記第17の構成によれば、第1ゲート端子及び第2ゲート端子に直接集積回路を実装することができる。
【0108】
第18の構成に係る表示装置は、基板と、基板の画素領域に形成された複数の薄膜トランジスタと、複数の薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数のゲート線を含むゲート線群と、ゲート線群に第1の方向からゲート信号を供給する第1ゲート駆動回路と、ゲート線群に第1の方向とは逆の第2の方向からゲート信号を供給する第2ゲート駆動回路と、第1ゲート駆動回路に接続された第1制御信号線と、第2ゲート駆動回路に接続された第2制御信号線と、第1制御信号線に接続された第1ゲート端子であって、第1制御信号線に制御信号を供給する第1ゲート端子と、第2制御信号線に接続された第2ゲート端子であって、第2制御信号線に制御信号を供給する第2ゲート端子と、第1制御信号線と第2制御信号線とを接続する第1接続線と、第1制御信号線と第2制御信号線と第1接続線とのいずれかに配置された第1入力端子と、基板に対向して配置される対向基板と、を備える(第18の構成)。
【0109】
上記第18の構成によれば、表示の品質を向上させるとともに、基板上に配置される端子の数を削減することが可能な表示装置を提供することができる。
【0110】
第18の構成において、第1入力端子は、基板の対向基板とは対向しない領域に配置されてもよい(第19の構成)。
【0111】
上記19の構成によれば、第1入力端子に信号を入力する際に、電極等を第1入力端子に接触させることができる。
【符号の説明】
【0112】
1a,201a,301a,301b,401a,501a,601a,701a,801a,901a…アクティブマトリクス基板、1b…対向基板、11,511a,511b…ゲート線、13…薄膜トランジスタ、20…画素、31,32,531,532,631,632…ゲート駆動回路、41a,41b,941a…ゲート端子、42a,42b,242a,342a,342b,544a,544b,545a,545b,642b,642b,742a…検査端子、51,52,351a,351aa,352a,352aa,551a,551b…信号線、53,353,453,653,853a,853b…接続線、100…表示装置、342aa…第1VDD検査端子、342ba…第2VDD検査端子、343a,343b…クロック検査端子、351b,352b…クロック信号線、902…制御回路素子、R1…画素領域、R2…額縁領域