(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046555
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】建設機械システム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/033 20060101AFI20240327BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20240327BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
B60R16/033 B
E02F9/20 N
H02J7/00 302A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152002
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 美希
(72)【発明者】
【氏名】京増 司
【テーマコード(参考)】
2D003
5G503
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003BA04
2D003CA02
2D003DA04
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】バッテリ遮断時にコントローラのデータ読み書き作業を容易に可能とする建設機械システムを提供すること。
【解決手段】バッテリ10及び外部電源21が接続可能で、コントローラ40の電力供給源をバッテリ10及び外部電源21のいずれか一方に切り替え可能な保護機構30を備え、保護機構30は、携帯端末20及び外部電源21が接続され、バッテリ遮断装置50によってバッテリ10とコントローラ40が遮断された場合に、コントローラ40の電源供給源を外部電源21に切り替え、コントローラ40と携帯端末21とを通信可能に接続する。
【選択図】
図2D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ラインを介して携帯端末と接続可能なコントローラと、
電力ラインを介して前記コントローラに電力を供給可能なバッテリと、
前記バッテリと前記コントローラとの接続と遮断を切り替えるバッテリ遮断装置とを備えた建設機械システムにおいて、
前記バッテリ及び外部電源が接続可能で、前記コントローラの電力供給源を前記バッテリ及び前記外部電源のいずれか一方に切り替え可能な保護機構を備え、
前記保護機構は、前記携帯端末及び前記外部電源が接続され、前記バッテリ遮断装置によって前記バッテリと前記コントローラが遮断された場合に、前記コントローラの電源供給源を前記外部電源に切り替え、前記コントローラと前記携帯端末とを通信可能に接続することを特徴とする建設機械システム。
【請求項2】
請求項1の建設機械システムにおいて、
前記保護機構は、前記携帯端末が接続され、前記バッテリ遮断装置によって前記バッテリと前記コントローラが接続された場合に、前記コントローラの電力供給源を外部からの入力に応じて前記バッテリと前記外部電源のいずれか一方に切り替え、前記コントローラと前記携帯端末を通信可能に接続することを特徴とする建設機械システム。
【請求項3】
請求項1の建設機械システムにおいて、
前記保護機構は、前記コントローラの電力供給源が前記バッテリ及び前記外部電源のいずれか一方の場合、前記コントローラの電力供給源からの電力を、前記コントローラ内のプロセッサに供給し、前記コントローラ内の周辺機器には供給しないことを特徴とする建設機械システム。
【請求項4】
請求項1の建設機械システムにおいて、
前記保護機構が、前記コントローラの電力供給源の切り替えと、前記コントローラと前記携帯端末とを接続する前記通信ラインのON/OFF切り替えとを行うことを特徴とする建設機械システム。
【請求項5】
請求項1の建設機械システムにおいて、
前記保護機構が、前記コントローラの電力供給源の切り替えと、前記コントローラにおける電力供給先の切り替えと、前記コントローラと前記携帯端末とを接続する前記通信ラインのON/OFF切り替えとを行うことを特徴とする建設機械システム。
【請求項6】
請求項1の建設機械システムにおいて、
前記保護機構が、前記コントローラの電力供給源の切り替えと、前記コントローラと前記携帯端末とを接続する前記通信ラインのON/OFF切り替えと、前記コントローラの起動モードの切り替えとを行い、前記起動モードの切り替え後の起動モードを示す信号を前記コントローラに出力し、
前記コントローラが、前記信号に応じて前記コントローラにおける電力供給先の切り替えを行うことを特徴とする建設機械システム。
【請求項7】
請求項1の建設機械システムにおいて、
前記外部電源は、前記携帯端末に内蔵されたバッテリであることを特徴とする建設機械システム。
【請求項8】
請求項1の建設機械システムにおいて、
前記外部電源は、モバイルバッテリであることを特徴とする建設機械システム。
【請求項9】
請求項1の建設機械システムにおいて、
前記携帯端末と前記保護機構との間の通信及び電力供給の少なくとも一方が無線で行われていることを特徴とする建設機械システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧ショベルやホイールローダなどの建設機械システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械には、各種電装機器とバッテリとの接続(例えばバッテリのマイナス側回路との接続)を容易に遮断できるバッテリ遮断装置と、故障発生時のアラームメール配信や、所定期間の車体稼働データを送信するための通信端末とが搭載されることがある。バッテリ遮断装置によって通信端末を含む全電装機器とバッテリとの接続を遮断する構成を採用した場合、バッテリ遮断により通信端末への電源供給が停止され、通信端末によるサービスが停止してしまう。
【0003】
特許文献1の建設機械のバッテリ遮断装置では、バッテリ遮断装置に二系統のスイッチを設け、そのスイッチの組み合わせにより接続された電装機器すべてに電力供給がされる状態と、通信端末のみ電力供給がされる状態と、接続された電装機器すべてに電力供給がされない状態の切替を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
建設機械はメンテナンス作業時や開発デバッグ作業時に、作業員が車載ネットワークに携帯端末等を接続し、車体に搭載されたコントローラのデータの読み書き作業を当該携帯端末等を利用して行うことがある。この作業を行う場合、バッテリからコントローラへの電源供給を開始し、その後にコントローラを起動する操作が必要である。バッテリ遮断装置によりバッテリと運転席内のコントローラとの接続が遮断されている場合には、まず、例えば車体後方のメンテナンスハッチ内にあるバッテリ遮断装置を操作してバッテリとコントローラを接続する必要があり、次に、コントローラの起動作業や携帯端末へのデータ読み書き作業を運転室内で行う必要がある。
【0006】
ところで、特許文献1のバッテリ遮断装置による遮断状態には、電装機器すべてに電力が供給されない状態と、通信端末のみに電力が供給される状態の2つがあるが、いずれの場合にもコントローラとバッテリの接続は遮断されている。そのため、バッテリ遮断時にコントローラのデータ読み書き作業を開始するためには従来通りのバッテリ遮断装置の操作が必要になる。つまり、データの読み書き作業するためだけに、車両外部からバッテリ遮断装置を操作してバッテリとコントローラを接続し、コントローラの起動作業を運転室内で行う必要があるため、データの読み書き作業の開始に手間を要する。
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、バッテリ遮断時にコントローラのデータ読み書き作業を容易に可能とする建設機械システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、通信ラインを介して携帯端末と接続可能なコントローラと、電力ラインを介して前記コントローラに電力を供給可能なバッテリと、前記バッテリと前記コントローラとの接続と遮断を切り替えるバッテリ遮断装置とを備えた建設機械システムにおいて、前記バッテリ及び外部電源が接続可能で、前記コントローラの電力供給源を前記バッテリ及び前記外部電源のいずれか一方に切り替え可能な保護機構を備え、前記保護機構は、前記携帯端末及び前記外部電源が接続され、前記バッテリ遮断装置によって前記バッテリと前記コントローラが遮断された場合に、前記コントローラの電源供給源を前記外部電源に切り替え、前記コントローラと前記携帯端末とを通信可能に接続するものとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バッテリ遮断時にもコントローラのデータ読み書き作業を容易に行うことができるので、データ読み書き作業の効率を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2A】第1実施形態に係る建設機械システムの構成図。
【
図2B】第1実施形態に係るコントローラ40の概略構成図。
【
図2C】第1実施形態に係る保護機構30の構成を示したブロック図。
【
図2D】第1実施形態に係る保護機構30における電源切り替え機構33によって実行される処理のフローチャート。
【
図2E】第1実施形態に係るデータ交換作業終了時に電源切り替え機構33によって実行される処理のフローチャート。
【
図3A】第2実施形態に係る建設機械システムの構成図。
【
図3B】第2実施形態に係るコントローラ40の概略構成図。
【
図3C】第2実施形態に係る保護機構30の構成を示したブロック図。
【
図3D】第2実施形態に係る保護機構30における電源切り替え機構33によって実行される処理のフローチャート。
【
図3E】携帯端末20に表示される画面の一例を示す図。
【
図3F】第2実施形態に係るデータ交換作業終了時に電源切り替え機構33によって実行される処理のフローチャート。
【
図4A】第3実施形態に係る建設機械システムの構成図。
【
図4B】第3実施形態に係るコントローラ40の概略構成図。
【
図4C】第3実施形態に係る保護機構30の構成を示したブロック図。
【
図4D】第3実施形態に係る保護機構30における電源切り替え機構33によって実行される処理のフローチャート。
【
図4E】第3実施形態に係るデータ交換作業終了時に電源切り替え機構33によって実行される処理のフローチャート。
【
図5A】第4実施形態に係る建設機械システムの構成図。
【
図5B】第4実施形態に係る保護機構30の構成を示したブロック図。
【
図6A】第5実施形態に係る建設機械システムの構成図。
【
図6B】第5実施形態に係る保護機構30の構成を示したブロック図。
【
図6C】第5実施形態に係る保護機構30における電源切り替え機構33によって実行される処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として油圧ショベルを例に挙げ、図面に従って詳細に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
[
図1の説明]
図1に示す油圧ショベルを代表とする建設機械1は、建設機械製造業者(建設機械メーカ)の工場から出荷され、土木作業、解体作業、竣工作業などの作業現場で稼働される。
図1の油圧ショベルは、下部走行体4と、下部走行体4の上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体3と、上部旋回体3の前側に俯抑動可能に取り付けられた多関節型の作業装置5と、作業装置5の先に取り付けられたアタッチメント(
図1の例ではバケット)2とを備えている。なお、下部走行体4としてクローラ式を例示したが、ホイール式でもよい。
【0013】
[
図2Aの説明]
図2Aは第1実施形態に係る建設機械システムの構成図である。本実施形態では携帯端末20が電力供給と通信両方の機能を備える例について説明する。図中の接続線のうち、実線は電力供給が可能な電力線(電力ライン)、点線はデータ通信が可能な通信線(通信ライン)、二点鎖線は電力供給とデータ通信の双方が可能な電力通信線(電力通信ライン)を示す。
【0014】
この図に示すシステムは、バッテリ10と、バッテリ遮断装置50と、コントローラ40と、保護機構30とを備え、これらは建設機械1に搭載されている。携帯端末20は例えばPCやサービスツールなど持ち運びが可能で、有線にて電子機器(例えばコントローラ40)とデータ通信が可能なツールである。また本実施形態の携帯端末20は、外部(携帯端末20を除く機器)に電力供給が可能な電源(外部電源)としてバッテリ(端末側バッテリ21)を内蔵している。
【0015】
バッテリ10は、コントローラ40を含む建設機械1に搭載された各種電装機器に電力を供給するためのものであり、バッテリ10のプラス端子10aはコントローラ40と電力ライン140で接続されている。バッテリ10のマイナス端子10bはバッテリ遮断装置50を介してグランドに接続されている。
【0016】
[
図2Bの説明]
図2Bはコントローラ40の概略構成図である。コントローラ40は例えばECU(Electronic Control Unit)と呼ばれる電子制御装置であり、マイクロコンピュータ等により構成され、
図2Bに示すように、CPU42(中央処理演算部)等のプロセッサと、メモリ等の記憶装置(図示せず)と、通信インターフェース(I/F)44とを備えている。コントローラ40は建設機械1の各種制御に利用されている。
図2Aでは2台のコントローラ40が示されているが、コントローラ40の台数には特に限定は無い。コントローラ40は、電力ライン120を介してバッテリ10や端末側バッテリ21等からCPU42が電力供給を受けた状態であれば、通信ライン110等を介して通信インターフェース(I/F)44と接続される携帯端末20とデータ交換することができる(つまり双方向通信可能になる)。
【0017】
図2Aに戻り、バッテリ遮断装置50は、バッテリ10のマイナス端子10bとグランドとの接続と遮断を切り替え可能な装置である。以下において、バッテリ遮断装置遮断時というのはバッテリ10のマイナス端子10bがグランドと遮断された状態(接続されていない状態)を表すものとし、バッテリ遮断装置非作動時というのはバッテリ10のマイナス端子10bがグランドと接続された状態を表すものとする。バッテリ遮断装置遮断時にはバッテリ10とコントローラ40との電力ラインによる接続が遮断され、バッテリ遮断装置非作動時にはバッテリ10とコントローラ40とが電力ラインによって接続される。すなわち、バッテリ遮断装置50は電力ラインを介したバッテリ10とコントローラ40との遮断と接続を切り替える機能も備えている。
【0018】
保護機構30は、所定の条件に応じて、コントローラ40の電力供給源をバッテリ10と端末側バッテリ(外部電源)21のいずれかに切り替えることと、コントローラ40と携帯端末20との通信接続のON/OFFを切り替えることを行う装置である。ただし、電力供給源の切り替えと通信接続の切り替えの条件は異ならせても良い。
【0019】
保護機構30には、電力ライン140から分岐されバッテリ10に接続される電力ライン(バッテリモニタラインと称する)140aと、携帯端末20の電力通信ライン150とが接続可能である。携帯端末20と保護機構30間は一本で電力供給とデータ通信が可能な電力通信ライン(携帯端末接続ライン)150で接続されている。電力通信ライン150は携帯端末20の端末側バッテリ(外部電源)21に接続されており、電力通信ライン150を介した端末側バッテリ21からの電力供給が可能である。また、電力通信ライン150は携帯端末20内の通信インターフェース(図示せず)に接続されており、電力通信ライン150を介した携帯端末20とのデータ通信が可能である。
【0020】
なお、保護機構30は、建設機械1(車体側)に搭載されている必要はなく、携帯端末20側に搭載されていてもよいし、携帯端末20及び建設機械1の双方から独立した装置であっても良い。。
【0021】
また、保護機構30は、コントローラ40と接続されコントローラ40に対し電力を出力可能な電力ライン160を有する。電力ライン160は、電力ライン140aとの分岐点の下流側で電力ライン140に接続し、当該接続点の下流側で電力ライン120と接続している。電力ライン120は、各コントローラ40内のCPU42(
図2B参照)に電力を供給するためのラインであり、電力ライン160と各CPU42とを並列接続している。また、電流の逆流を防止するために、電力ライン140と電力ライン160のそれぞれにはダイオード90a,90bが搭載されている。コントローラ40が複数の場合、電力ライン102による保護機構30と複数のコントローラ40の接続は
図2Aのように並列に接続することが好ましい。コントローラ40の振る舞い(すなわちコントローラ40によって実行される処理)については後述の
図2Bにて説明する。各コントローラ40間は通信ライン110で接続されており、保護機構30も通信ライン110に接続されている。これによりコントローラ40は保護機構30に対し、通信ライン110を使って状態を通知することができる。
【0022】
[
図2Cの説明]
図2Cは保護機構30の構成を示したブロック図である。保護機構30はバッテリ電源診断部31と、外部電源・通信入力部32と、電源切り替え機構33とを備えている。
【0023】
バッテリ電源診断部31には、電力ライン140から分岐したバッテリモニタライン140aが接続口(図示せず)を介して接続されている。バッテリ電源診断部31は、バッテリモニタライン140aから供給される電力に基づいて、バッテリ10から保護機構30に電源供給がされているか否かを診断(判定)し、その診断結果を電源切り替え機構33に通知する。当該診断により、バッテリ遮断装置50によってバッテリ10との接続が遮断されているか否かや、バッテリ10からコントローラ40に電力供給がされているか否かも判断できる。
【0024】
外部電源・通信入力部32には、携帯端末20に接続される電力通信ライン150が接続口(図示せず)を介して接続されている。外部電源・通信入力部32の内部で電力通信ライン150は、電力ライン150aと通信ライン150bに分離され、電力ライン150aと通信ライン150bはそれぞれ電源切り替え機構33に接続されている。
【0025】
電源切り替え機構33は、保護機構30に接続されている電源(バッテリ10と外部電源21)の切り替えを判断する電源切り替え判断部34と、保護機構30内における電源ライン(電力ライン)と通信ラインのそれぞれの接続と遮断を切り替える電源ライン・通信切り替え部35とを備えている。また電源切り替え機構33には、電力ライン160と通信ライン110が接続されており、これら2つのライン160,110の他端はコントローラ40とそれぞれ繋がっている。電力ライン160には端末側バッテリ(外部電源)21から電力が供給される場合があり、通信ライン110にはコントローラ40と携帯端末20との間でやりとりされるデータが流れる場合がある。
【0026】
[
図2Dの説明]
保護機構30における電源切り替え機構33によって実行される処理について
図2Dのフローチャートを用いて説明する。
図2Dのフローチャートでは、携帯端末20と保護機構30との接続から、携帯端末20とコントローラ40とのデータ交換作業開始時までの流れを説明する。データ交換はコントローラ40内のメモリに保存されたデータの読み出し、またはメモリに対してのデータの書き込みを意味し、携帯端末20とコントローラ40間で行われる。
【0027】
保護機構30が車体側に搭載されている場合には、携帯端末20を電力通信ライン(携帯端末接続ライン)150を介して保護機構30に接続する。なお、保護機構30が携帯端末20側に搭載されている場合には、バッテリモニタライン140aと電力ライン160、通信ライン110を車体側と接続すれば良い。そして保護機構30が携帯端末20及び車体の双方から独立している場合には、さらに携帯端末20と保護機構30を電力通信ライン150で接続すれば良い。なお、これらは他の実施形態でも同様である。
【0028】
電源切り替え判断部34が、電力ライン150aを介して入力される電力に基づいて、携帯端末20の接続及び起動を検出すると、
図2Dのフローチャートが開始され、S1が実行される。S1では電源切り替え判断部34がバッテリ電源診断部31から入力される診断結果に基づいてバッテリ10からコントローラ40に対して電力が供給されているか否かを判定する。例えば、バッテリ遮断装置50非作動時(例えば、電力ライン150aから電力の入力があると判断された場合)かつバッテリ10がコントローラ40を起動するのに十分な電力を有する場合(例えば、電力ライン150aからの電力が所定値を超える場合)には、バッテリ電源診断部31は「正常」という診断結果を出力し、電源切り替え判断部34によるS1の判定はバッテリ10からコントローラ40に電力供給がなされていることを示す「Yes」となる。一方、バッテリ遮断装置50が遮断されている場合(例えば、電力ライン150aから電力の入力が無いと判断された場合)、またはバッテリ10の電力がコントローラ40を起動するには不十分である場合(例えば、電力ライン150aからの電力が所定値以下の場合)には、S1の判定はバッテリ10からコントローラ40に電力供給がなされていないことを示す「No」となる。
【0029】
S1で「Yes」と判定された場合はS4Aへと進む。S1で「No」と判定された場合はS2へと進む。
【0030】
S2では電源切り替え判断部34は電力ライン150aからの電力に基づいて外部電源21の電力を測定する。測定完了後はS3へと進む。S3では電源切り替え判断部34はS2の測定結果に基づき、外部電源21がコントローラ40を起動するのに十分な電力を有するかを判定する。外部電源21がコントローラ40を起動するのに十分な電力を有する場合(例えば、電力ライン150aからの電力が所定値を超える場合)には、S3の判定は「Yes」となり、S4Bに進む。一方、外部電源21の電力がコントローラ40を起動するのに不十分である場合(例えば、電力ライン150aからの電力が所定値以下の場合)には、S3の判定は「No」となり、S5に進む。
【0031】
S4Bでは、電源ライン・通信切り替え部35は、電力ライン150aと電力ライン160とを接続することで外部電源21からコントローラ40に電力供給可能な状態にし、通信ライン150bと通信ライン110とを接続することでコントローラ40と携帯端末20とが通信可能な状態に切り替える。なお、
図2Dのフロー開始時には、電力ライン150aと電力ライン160とは接続されておらず、さらに、通信ライン150bと通信ライン110とは接続されていない。
【0032】
S4Aでは、電源ライン・通信切り替え部35は、電力ライン150aと電力ライン160とは非接続のままとするが、通信ライン150bと通信ライン110とは接続し、携帯端末20とコントローラ40とが通信可能な状態にする。なお、このとき、コントローラ40の電源供給源はバッテリ10となる。
【0033】
このように本実施形態の電源ライン・通信切り替え部35は、外部電源21またはバッテリ10からコントローラ40への電源供給開始と、携帯端末20とコントローラ40との通信の可否の切り替えを実施する。
【0034】
S4A,S4Bの実行後、コントローラ40は起動している状態にあり(コントローラ40の起動を電源切り替え判断部34によって検出しても良い)、S6が実行される。S6では、電源切り替え判断部34が携帯端末20に対しコントローラ(ECU)40が起動したことを知らせる画面(ECU起動通知)を表示するための指令を送信する。携帯端末20の当該画面でコントローラ40の起動を確認した後、作業員はコントローラ40と携帯端末20とのデータ交換作業を開始することができる。
【0035】
一方、S3にて「No」と判定された場合、即ち外部電源21の電力がコントローラ40を起動するのに不十分である場合は、S5において電源切り替え判断部34が携帯端末20に対し、外部電源21の電力が不十分であること(つまり、コントローラ40とのデータ通信が不可能であること)を知らせる画面を表示するための指令を送信する。
【0036】
[
図2Eの説明]
次にデータ交換作業終了時に電源切り替え機構33によって実行される処理を
図2Eのフローチャートを用いて説明する。電源切り替え機構33は、コントローラ40と携帯端末20とのデータ交換作業が完了した際に出力されるデータ交換作業終了通知を携帯端末20から受信するとS7を実行する。
【0037】
データ交換作業中のコントローラ40の電源としてバッテリ10が使用されていた場合(つまり、
図2DのS1にて「Yes」と判定された場合)、電源ライン・通信切り替え部35はS7で通信ライン150bと通信ライン110との接続を切断し、携帯端末20とコントローラ40とが通信不可能な状態にする。
【0038】
一方、データ交換作業中のコントローラ40の電源として外部電源21が使用されていた場合(つまり、
図2DのS3にて「Yes」と判定された場合)、電源ライン・通信切り替え部35はS7で電力ライン150aと電力ライン160との接続を切断して外部電源21からのコントローラ40に対する電力供給を停止する。さらに電源ライン・通信切り替え部35は通信ライン150bと通信ライン110との接続を切断し、携帯端末20がコントローラ40と通信不可能な状態にする。
【0039】
S7終了後にS8が実行される。S8では電源切り替え判断部34が携帯端末20を保護機構30から取り外し可能であることを知らせる画面を表示するための指令を携帯端末20に対して送信する。当該画面を携帯端末20で確認した後、作業員は携帯端末20を保護機構30から取り外すことができる。
【0040】
[効果]
上記で説明したように、本実施形態では、通信ライン150,110を介して携帯端末20と接続可能なコントローラ40と、電力ライン140,160を介してコントローラ40に電力を供給可能なバッテリ10と、バッテリ10とコントローラ40との接続と遮断を切り替えるバッテリ遮断装置50とを備えた建設機械システムにおいて、バッテリ10及び外部電源21が接続可能で、コントローラ40の電力供給源をバッテリ10及び外部電源21のいずれか一方に切り替え可能な保護機構30を備え、保護機構30は、携帯端末20及び外部電源21が接続され、バッテリ遮断装置50によってバッテリ10とコントローラ40が遮断された場合に、コントローラ40の電源供給源を外部電源21に切り替え、コントローラ40と携帯端末21とを通信可能に接続することとした。
【0041】
このようにシステムを構成すると、バッテリ遮断装置50の遮断時であっても、保護機構30が、外部電源21からコントローラ40に電力を供給し、さらに、コントローラ40と携帯端末20とを通信可能に接続するので、作業員はバッテリ遮断装置50を操作することなく携帯端末20を使ってコントローラ40とデータ交換作業を行うことができる。また、バッテリ遮断装置50の非作動時においても、バッテリ10の電力を使用してデータ交換作業を行うことができる。つまりバッテリ遮断装置50の作動状況にかかわらず作業員は携帯端末20を使ってコントローラ40とデータ交換を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、バッテリ遮断時にもコントローラ40のデータ読み書き作業を容易に行うことができるので、データ読み書き作業の効率を大幅に向上できる。さらに本実施形態によれば、データ読み書き作業時のコントローラ40の電力供給源は外部電源21になるので、仮にバッテリ10が切れていたり充電が充分でない場合でもバッテリ10を交換したり充電したりすることなくデータ読み書き作業が行える。
【0042】
(第2実施形態)
第2実施形態では保護機構30からCPU用電力ライン120と周辺機器用電力ライン130を用いてコントローラ40に対し電源供給を行う例を示す。基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点を中心に説明する。
【0043】
[
図3Aの説明]
図3Aは第2実施形態に係る建設機械システムの構成図である。
【0044】
保護機構30は建設機械1に搭載されており、保護機構30にはバッテリ10と携帯端末20が接続されている。バッテリ10のプラス端子10aは保護機構30と一本の電力ライン140で接続されている。携帯端末20と保護機構30間は、電力供給とデータ通信が可能な電力・通信ライン(携帯端末接続ライン)150で接続されている。
【0045】
保護機構30は各コントローラ40と2系統の電力ライン120,130で接続されている。コントローラ40が
図3Aのように複数の場合、保護機構30と各コントローラ40は
図3Aのようにバッテリ10に対し並列に接続される。コントローラ40の振る舞いについては後述の
図3Bにて説明する。各コントローラ40間は通信ライン110で接続されており、保護機構30も通信ライン110に接続されている。
【0046】
バッテリ10のマイナス端子10bはバッテリ遮断装置50と接続されており、バッテリ遮断装置50はバッテリ10のマイナス端子10bをグランドと接続または遮断する。バッテリ遮断装置遮断時というのはバッテリ10のマイナス端子10bがグランドと接続されていない状態を表す。バッテリ遮断装置非作動時というのはバッテリ10のマイナス端子10bがグランドに接続されている状態を表す。
【0047】
[
図3Bの説明]
図3Bは本実施形態に係るコントローラ40のブロック図である。本実施形態のコントローラ40には保護機構30より延びる2系統の電力ライン120,130が接続されている。それぞれ、CPU42の起動に必要な電力供給を行うCPU用電力ライン120と、周辺機器43の作動に必要な電力供給を行う周辺機器用電力ライン130である。周辺機器43としては例えばアクチュエータやセンサー、モニターなどがある。通信I/F44は他のコントローラや携帯端末20と通信を行うためのインターフェースであり、通信ライン110と接続されている。モード検出部41は、2つの電力ライン120,130の中途に接続されており、各電力ライン120,130の電力に基づいて後述されるコントローラ40の起動モードを検出している。
【0048】
コントローラ40は2つの起動モードを持つ。1つめは通常起動モードである。通常起動モードでは、バッテリ10から電力ライン140を介して、CPU用電力ライン120と周辺機器用電力ライン130とに電力供給がされている状態であり、コントローラ起動操作(キー操作など)が入力されるとコントローラ40が起動し、コントローラ40がもつすべての機能が作動可能な状態となる。ただし、CPU用電力ライン120と周辺機器用電力ライン130に電力供給がされている状態でも、コントローラ起動操作が入力されなければコントローラ40は起動しない。モード検出部41は、2つの電力ライン120,130の双方に電力供給がされていると検出した場合には、コントローラ40の起動モードは通常起動モードであると検出する。
【0049】
2つめは省電力モードである。省電力モードでは、2つの電力ライン120,130のうちCPU用電力ライン120のみに電力供給がされている状態であり、この状態ではコントローラ40はコントローラ起動操作無しで起動される。省電力モードの電力供給源は、バッテリ10と外部電源21のいずれかである。省電力モードはCPU42のみに電力が供給された状態での起動のため、使用できる機能が限られる。使用できる機能はCPU42によるメモリのデータ読み出しやメモリへのデータ書き込みである。つまり携帯端末20によるデータ読み書き作業に伴う動作のみが可能である。モード検出部41は、CPU用電力ライン120に電力供給がされており、周辺機器用電力ライン130に電力供給がされていないと検出した場合には、コントローラ40の起動モードは省電力モードであると検出する。
【0050】
コントローラ40は保護機構30に対し、通信ライン110を使って状態を通知することができる。
【0051】
[
図3Cの説明]
図3Cは本実施形態に係る保護機構30の構成を示したブロック図である。本実施形態の保護機構30は、第1実施形態のものと異なり、バッテリ電源入力部31aを備えている。
【0052】
バッテリ電源入力部31aには、バッテリ10に接続される電力ライン140が接続口(図示せず)を介して接続されている。バッテリ電源入力部31aは外部電源21からの電力の回り込みを防ぐための保護回路を有することが好ましい。電力ライン140は、バッテリ電源入力部31aを通ってさらに電源切り替え機構33に接続されている。
【0053】
外部電源・通信入力部32は、バッテリ電源入力部31aと同様に保護回路を有することが好ましい。
【0054】
電源切り替え機構33には、CPU用電力ライン120と、周辺機器用電力ライン130と、通信ライン110とが接続されており、これら3つのライン120,130,110で各コントローラ40と繋がっている。
【0055】
[
図3Dの説明]
保護機構30における電源切り替え機構33によって実行される処理について
図3Dのフローチャートを用いて説明する。
図3Dのフローチャートでは、携帯端末20と保護機構30との接続から、携帯端末20とコントローラ40とのデータ交換作業開始時までの流れを説明する。
【0056】
携帯端末20が保護機構30と接続されていない状態(通常時)では、バッテリ10側からコントローラ40に対し電力供給がされるように、電源ライン・通信切り替え部35が電力ライン140と2つの電力ライン120,130とを接続している。これによりCPU用電力ライン120と周辺機器用電力ライン130の2系統から電力が出力されている。つまりバッテリ遮断装置50との振る舞いと合わせると、通常時かつバッテリ遮断装置50非作動時は、バッテリ10からの電力がコントローラ40内のCPU42と周辺機器43に供給される。一方、通常時かつバッテリ遮断装置50遮断時は、バッテリ10からの電力がコントローラ40に供給されない。また通常時は通信ライン150bとコントローラ40へと繋がる通信ライン110とは接続されていない。電源切り替え判断部34が、電力ライン150aを介して入力される電力に基づいて、携帯端末20の接続及び起動を検出すると、
図3Dのフローチャートが開始され、S10が実行される。S10では電源切り替え判断部34が電力ライン140から入力される電力に基づいてバッテリ10からコントローラ40に対して電力が供給されているか否かを判定する。例えば、バッテリ遮断装置50非作動時かつバッテリ10がコントローラ40を起動するのに十分な電力を有する状態(例えば、電力ライン140からの電力が所定値を超える場合)には、S10の判定はバッテリ10からコントローラ40に電力供給がされていることを示す「Yes」となる。一方、バッテリ遮断装置50が遮断されている場合(例えば、電力ライン140からの電力の入力が無いと判断された場合)、またはバッテリ10の電力がコントローラ40を起動するには不十分である場合(例えば、電力ライン140からの電力が所定値以下の場合)には、S10の判定はバッテリ10からコントローラ40に電力供給がなされていないことを示す「No」となる。
【0057】
S10で「Yes」と判定された場合はS11へと進む。S10で「No」と判定された場合はS13へと進む。
【0058】
S11では携帯端末20の画面上にコントローラ40の電力供給源として、バッテリ10を使用するか、外部電源21を使用するかを選択する画面を表示させる指令を電源切り替え判断部34から携帯端末20に向けて送信する。当該指令に基づいて携帯端末20に表示される画面の例を
図3Eに表す。電力供給源の選択は、携帯端末20を用いて作業員が外部から入力することにより行う。携帯端末20の画面上で作業員に選択された結果は携帯端末20から携帯端末接続ライン150を通じて保護機構30に送信され、電源切り替え判断部34が受信する。保護機構30内の電源切り替え判断部34がS11の選択結果を受信したらS12へと進む。
【0059】
S12では電源切り替え判断部34がS11での選択結果に基づいて、コントローラ40の電力供給源としてバッテリ10を使用するか否かを判定する。携帯端末20の画面(
図3Eの画面)における「はい」、即ちバッテリ10を使用する選択結果を受信した場合には、S12の判定は「Yes」となり、S15Aへと進む。携帯端末20の画面における「いいえ」、即ち外部電源21を使用する選択結果を受信した場合には、S12の判定は「No」となり、S13へと進む。
【0060】
S10で「No」と判定された場合、またはS12で「No」と判定された場合には、S13へ進む。S13では、電源切り替え判断部34は、電力ライン150aの電力に基づいて外部電源21の電力を測定する。測定完了後はS14へと進む。
【0061】
S14では電源切り替え判断部34はS13の測定結果に基づき、外部電源21がコントローラ40を起動するのに十分な電力を有するかを判定する。外部電源21がコントローラ40を起動するのに十分な電力を有する場合(例えば、電力ライン150aからの電力が所定値を超える場合)には、S14の判定は「Yes」となり、S15Bに進む。一方、外部電源21の電力がコントローラ40を起動するのに不十分である場合(例えば、電力ライン150aからの電力が所定値以下の場合)には、S14の判定は「No」となり、S17に進む。
【0062】
外部電源が電源となるS15Bでは、電源ライン・通信切り替え部35は、電力ライン140と2つの電力ライン120,130との接続を切断し、電力ライン150aとCPU用電力ライン120とを接続することで外部電源21からコントローラ40のCPU42のみに電力供給可能な状態にし、通信ライン150bと通信ライン110とを接続することでコントローラ40と携帯端末20とが通信可能な状態に切り替える。つまり、コントローラ40の起動モードが外部電源21を電源とする省電力モードに変更され、コントローラ40が起動する。なお、
図3Dのフロー開始時には、電力ライン140と2つの電力ライン120,130とが接続されており、バッテリ10からCPU42と周辺機器43の双方に電力が供給可能な状態になっている。つまり、コントローラ40の起動モードは通常起動モードに設定されている。そして、電力ライン150aと電力ライン120,130とは接続されておらず、さらに、通信ライン150bと通信ライン110とは接続されていない。
【0063】
S15Aでは、電源ライン・通信切り替え部35は、電力ライン140と2つの電力ライン120,130とが接続されている状態から、電力ライン140とCPU用電力ライン120とを接続する状態に切り替え、バッテリ10からコントローラ40のCPU42のみに電力供給可能な状態にし、通信ライン150bと通信ライン110とを接続することでコントローラ40と携帯端末20とが通信可能な状態に切り替える。つまり、コントローラ40の起動モードがバッテリ10を電源とする省電力モードに変更され、コントローラ40が起動する。
【0064】
このように電源ライン・通信切り替え部35は、コントローラ40(CPU42)の電源供給源(バッテリ10と外部電源21)の切り替えと、電力供給先(CPU42と周辺機器43)の切り替えと、携帯端末20とコントローラ40の通信の切り替えを実施する。
【0065】
S15A,S15Bの実行後、コントローラ40は起動している状態にあり(コントローラ40の起動を電源切り替え判断部34によって検出しても良い)S16が実行される。S16では、電源切り替え判断部34が携帯端末20に対しコントローラ(ECU)40が起動したことを知らせる画面(ECU起動通知)を表示するための指令を送信する。携帯端末20の当該画面でコントローラ40の起動を確認した後、作業員はコントローラ40と携帯端末20とのデータ交換作業を開始することができる。
【0066】
一方、S14にて「No」と判定された場合、即ち外部電源21の電力がコントローラ40を起動するのに不十分である場合は、S17において電源切り替え判断部34が携帯端末20に対し、外部電源21の電力が不十分であること(つまり、コントローラ40とのデータ通信が不可能であること)を知らせる画面を表示するための指令を送信する。
【0067】
[
図3Fの説明]
次にデータ交換作業終了時に電源切り替え機構33によって実行される処理を
図3Fのフローチャートを用いて説明する。電源切り替え機構33は、コントローラ40と携帯端末20とのデータ交換作業が完了した際に出力されるデータ交換作業終了通知を携帯端末20から受信するとS18を実行する。
【0068】
データ交換作業中のコントローラ40の電源としてバッテリ10が使用されていた場合(つまり、
図3DのS12にて「Yes」と判定された場合)、電源ライン・通信切り替え部35はS18で電力ライン140と周辺機器用電力ライン130とを接続して周辺機器43への電力の出力を開始する。さらに通信ライン150bと通信ライン110との接続を切断し、携帯端末20とコントローラ40とが通信不可能な状態にする。
【0069】
一方、データ交換作業中のコントローラ40の電源として外部電源21が使用されていた場合(つまり、
図3DのS14にて「Yes」と判定された場合)、電源ライン・通信切り替え部35はS18で電力ライン150aと電力ライン120との接続を切断しつつ、電力ライン140と電力ライン120,130との接続を復旧してコントローラ40の電源供給源を外部電源21からバッテリ10に切り替える。さらに通信ライン150bと通信ライン110との接続を切断し、携帯端末20とコントローラ40とが通信不可能な状態にする。
【0070】
S18終了後にS19が実行される。S19では電源切り替え判断部34が携帯端末20を保護機構30から取り外し可能であることを知らせる画面を表示するための指令を携帯端末20に対して送信する。当該画面を携帯端末20で確認した後、作業員は携帯端末20を保護機構30から取り外すことができる。
【0071】
[効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
また、本実施形態の保護機構30は、携帯端末20が接続され、バッテリ遮断装置50によってバッテリ10とコントローラ40が接続された場合(バッテリ遮断装置非作動時)に、コントローラ40の電力供給源を外部からの入力に応じてバッテリ10と外部電源21のいずれか一方に切り替え、コントローラ40と携帯端末20を通信可能に接続する。つまり、バッテリ遮断装置非作動時においても、コントローラ40の電源をバッテリ10の電力を使用するか外部電源21の電力を使用するか選択することができ、さらに、データ読み書き作業時にはコントローラ40を省電力モードで起動することが可能なため、バッテリ10の消費を抑えることができる。
【0073】
また、本実施形態では、保護機構30が、コントローラ40の電力供給源がバッテリ10及び外部電源21のいずれか一方の場合、コントローラ40の電力供給源からの電力を、コントローラ40内のプロセッサ(CPU)42に供給し、コントローラ40内の周辺機器43には供給しないようにすることで、コントローラ40が起動操作無しで起動するように構成した。このように構成すると、プロセッサ42に電力を供給した際にコントローラ40が起動するので、コントローラの起動操作を別途実施する必要がなくなり作業効率が向上する。
【0074】
また、本実施形態の保護機構30は、コントローラ40の電力供給源の切り替え(バッテリ10と外部電源21の切り替え)と、コントローラ40における電力供給先の切り替え(CPU42と周辺機器43の切り替え)と、コントローラ40と携帯端末20とを接続する通信ライン150bと通信ライン110との接続/切断(ON/OFF)の切り替えを行っている点も特徴である。
【0075】
(第3実施形態)
第2実施形態では保護機構30からCPU用電力ライン120と周辺機器用電力ライン130の2本の電力ラインを用いて各コントローラ40に対し電源供給を行う例を示した。本実施形態は、保護機構30から各コントローラ40に対して1本の電力ライン170を介して電源供給を行い、信号ライン180にて起動モードをコントローラ40に対し指示をする特徴を持つ。基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、以下では相違点を中心に説明する。
【0076】
[
図4Aの説明]
図4Aは第3実施形態に係る建設機械システムの構成図である。保護機構30と各コントローラ40間が、電力ライン170と信号ライン180と通信ライン110とで接続されている。その他の構成は第2実施形態で説明した
図3Aと同様である。
【0077】
[
図4Bの説明]
図4Bは本実施形態に係るコントローラ40のブロック図である。起動モード検出部45には電力ライン170と信号ライン180が接続されている。電力ライン170からは、バッテリ10と外部電源21のいずれかからコントローラ40に対して電力が供給される。また、起動モード検出部45は、信号ライン180を通じて保護機構30からコントローラ40の起動モードを通知する信号を受信する。その他の構成は第2実施形態で説明した
図3Bと同様である。
【0078】
第2実施形態と同様に,本実施形態のコントローラ40の起動モードには通常起動モードと省電力モードの2つがある。本実施形態の起動モードの切り替えは、保護機構30における電源ライン・通信切り替え部35が行い、電源ライン・通信切り替え部35は現在設定されているモードを示す信号を信号ライン180を介して各コントローラ40内の起動モード検出部45に出力する。当該出力を受けた起動モード検出部45は、通常起動モードの場合にはCPU42と周辺機器43の双方に電源からの電力を供給し、省電力モードの場合にはCPU42のみに電源からの電力を供給する。各起動モードにおいて、電力ライン170を電力ライン140と電力ライン150aのどちらに接続するか、通信ライン150bを通信ライン110といつ接続するのか、を含めその他の点については、第2実施形態と同じである。
【0079】
具体的には、まず通常起動モードでは、バッテリ10から電力ライン170を介してCPU42と周辺機器43に対して電力供給が行われている状態であり、コントローラ起動操作(キー操作など)が入力されるとコントローラ40が起動し、コントローラ40がもつすべての機能可能な状態となる。ただし、電力ライン170を介して電力供給がされている状態でも、コントローラ起動操作が入力されなければコントローラ40は起動しない。保護機構30(電源ライン・通信切り替え部35)は、通常起動モードの場合、電力ライン140と電力ライン170とを接続し、電力ライン150aと電力ライン170とを非接続にし、コントローラ40の起動モードが通常起動モードであることを示すデータを信号ライン180を介してコントローラ40(起動モード検出部45)に送信する。当該データを受信した起動モード検出部45は、電力ライン170を介して供給される電力をCPU42と周辺機器43の双方に供給する。
【0080】
次に省電力モードでは、バッテリ10と外部電源21のいずれかから電力ライン170を通じてコントローラ40に対し電源供給がされている状態、かつ、信号ライン180から入力されるコントローラ40の起動モードを示すデータが「省電力モード」である状態の場合に、起動モード検出部45は電力ライン170を介して供給される電力をCPU42のみに対して供給し、周辺機器43への供給を中断する。この場合のコントローラ40は起動操作無しで起動される。ただし、信号ライン180から入力されるデータが「通常起動モード」を示すものに変化した場合には、コントローラ40はシャットダウンされる。
【0081】
[
図4Cの説明]
図4Cは保護機構30の構成を示したブロック図である。電源切り替え機構33には電力ライン170と信号ライン180と通信ライン110が接続されており、これら3つのラインでコントローラ40と繋がっている。信号ライン180には、コントローラ40の起動モードが「通常起動モード」と「省電力モード」のいずれであるかを示すデータが流れ、現在設定されているコントローラ40の起動モードをコントローラ40(起動モード検出部45)に向けて通知できる。
【0082】
その他の構成は、第2実施形態で説明した
図3Cと同じ構成である。
【0083】
[
図4Dの説明]
保護機構30における電源切り替え機構33によって実行される処理について
図4Dを用いて説明する。
【0084】
基本的な処理は第2実施形態で説明したと
図3Dと同様だが、まず、
図3DのS15Aに対応する
図4DのS26Aにおいて処理が異なる。
【0085】
S12にて「Yes」と判定された場合、即ちバッテリ10を電源として使用することが選択された場合、S26Aで電源ライン・通信切り替え部35がコントローラ40の起動モードを通常起動モードから省電力モードに切り替え、信号ライン180を介して「省電力モード」が選択されていることを示す信号(選択モード信号)をコントローラ40の起動モード検出部45に出力する。このとき、電源ライン・通信切り替え部35は、電力ライン140と電力ライン170を接続した状態で保持し、通信ライン150bと通信ライン110とを接続することでコントローラ40と携帯端末20とが通信可能な状態に切り替える。選択モード信号を受信した起動モード検出部45は、電力ライン170の電力をCPU42のみに供給し、周辺機器43への供給を中断する。これによりコントローラ40が起動し、携帯端末20と通信可能な状態になる。
【0086】
次に第2実施形態の
図3DのS15Bに対応する
図4DのS26Bにおいて処理が異なる。
【0087】
S14にて「Yes」と判定された場合、即ち外部電源21を電源として使用しかつ外部電源21がコントローラ40を起動するのに十分な電力を有する状態である場合には、S26Bで電源ライン・通信切り替え部35は、電力ライン140と電力ライン170との接続を切断し、電力ライン150aと電力ライン170とを接続することで電源供給源をバッテリ10から外部電源21に切り替えるとともに、通信ライン150bと通信ライン110とを接続することでコントローラ40と携帯端末20とが通信可能な状態に切り替える。さらに、電源ライン・通信切り替え部35は、コントローラ40の起動モードを通常起動モードから省電力モードに切り替え、信号ライン180を介して「省電力モード」が選択されていることを示す信号(選択モード信号)をコントローラ40の起動モード検出部45に出力する。選択モード信号を受信した起動モード検出部45は、電力ライン170の電力をCPU42のみに供給し、周辺機器43への供給を中断する。これによりコントローラ40が起動し、携帯端末20と通信可能な状態になる
つまり、本実施形態の電源ライン・通信切り替え部35は、電源供給源(バッテリ10と外部電源21)の切り替えと、信号ライン180を介して出力される選択モード信号の切り替えと、携帯端末20とコントローラ40の通信可否の切り替えを実施する。
【0088】
[
図4Eの説明]
次にデータ交換作業終了時に電源切り替え機構33によって実行される処理を
図4Eのフローチャートを用いて説明する。電源切り替え機構33は、コントローラ40と携帯端末20とのデータ交換作業が完了した際に出力されるデータ交換作業終了通知を携帯端末20から受信するとS30を実行する。
【0089】
データ交換作業中のコントローラ40の電源としてバッテリ10が使用されていた場合(つまり、
図4DのS12にて「Yes」と判定された場合)、S30において電源ライン・通信切り替え部35は起動モードを省電力モードから通常起動モードに切り替え、信号ライン180を介して切り替え後の選択モード信号をコントローラ40に出力する。また、電源ライン・通信切り替え部35はバッテリ10から周辺機器43への電力供給を再開する。さらに通信ライン150bと通信ライン110との接続を切断し、携帯端末20とコントローラ40とが通信不可能な状態にする。
【0090】
一方、データ交換作業中のコントローラ40の電源として外部電源21が使用されていた場合(つまり、
図4DのS14にて「Yes」と判定された場合)、S30において電源ライン・通信切り替え部35は、電力ライン150aと電力ライン170との接続を切断しつつ、電力ライン140と電力ライン170との接続を復旧してコントローラ40の電源供給源を外部電源21からバッテリ10に切り替える。また、電源ライン・通信切り替え部35は起動モードを省電力モードから通常起動モードに切り替え、信号ライン180を介して切り替え後の選択モード信号をコントローラ40に出力する。さらに通信ライン150bと通信ライン110との接続を切断し、携帯端末20とコントローラ40とが通信不可能な状態にする。
【0091】
S30終了後にS31が実行される。S31では電源切り替え判断部34が携帯端末20を保護機構30から取り外し可能であることを知らせる画面を表示するための指令を携帯端末20に対して送信する。当該画面を携帯端末20で確認した後、作業員は携帯端末20を保護機構30から取り外すことができる。
【0092】
[効果]
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、保護機構30が、コントローラ40の電力供給源の切り替えと、コントローラ40と携帯端末20とを接続する2つの通信ライン150b,110の接続/遮断(ON/OFF)の切り替えと、コントローラ40の起動モードの切り替え(通常起動モードか省電力モードか)とを行い、当該起動モードの切り替え後の起動モードを示す信号(選択モード信号)をコントローラ40に出力し、コントローラ40(起動モード検出部41)が当該信号(選択モード信号)に応じてコントローラ40における電力供給先の切り替え(CPU42のみか、CPU42と周辺機器43の双方か)を行っている。このように構成すると、保護機構30とコントローラ40間の電力ラインを1つ(具体的には電力ライン170)にすることができる。
【0093】
(第4実施形態)
第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態では、携帯端末20が、外部電源21を内蔵しており、電力供給と通信両方の機能を実施する例を示した。第4実施形態は、外部電源21は携帯端末20から独立した装置(例えば、モバイルバッテリ)であり、携帯端末20は通信ライン150bを介してコントローラ40との通信だけを行う点に特徴を持つ。その他の基本的な構成については第1実施形態、第2実施形態、または第3実施形態と同様であるため、ここでは相違点を中心に説明する。
【0094】
[
図5Aの説明]
図5Aは第4実施形態に係る建設機械システムの構成図である。携帯端末20は通信ライン150bで保護機構30に接続されており、通信のみを行う。外部電源21は電力ライン150aで保護機構30に接続されている。外部電源21としては、例えば持ち運び可能なモバイルバッテリが利用可能である。なお、その他の点は、第2実施形態の
図3Aのシステムと同じなので説明は省略する。なお、ここでは第2実施形態をベースに説明するが、第1,第3実施形態をベースにしても問題無い。
【0095】
[
図5Bの説明]
図5Bは本実施形態に係る保護機構30の構成を示したブロック図である。第2実施形態の保護機構30との違いは、外部電源・通信入力部32に対して外部電源21に接続された電力ライン150aが接続されている点と、同様に携帯端末20に接続された通信ライン150bが接続されている点にある。
【0096】
その他の構成は第2実施形態で説明した
図3Cと同様であり、保護機構30及びコントローラ40によって実行される処理(振る舞い)も第2実施形態と同様となる。もしくは第1実施形態で説明した
図2Cと同様でもよく、その場合の処理も第1実施形態と同様となる。もしくは第3実施形態で説明した
図4Cと同様でもよく、その場合の処理も第3実施形態と同様となる。
【0097】
[効果]
以上詳述した第4実施形態によれば、前述した第1-第3実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、携帯端末20に内蔵されたバッテリが外部電源として利用できない場合には、本実施形態のように携帯端末20と独立した外部電源21があれば携帯端末20のバッテリ残量の多少にかかわらずコントローラ40への読み書き作業が行える点が本実施形態のメリットとなる。
【0098】
(第5実施形態)
上記の各実施形態では携帯端末20を有線で保護機構30と接続し、電力供給と通信機能を発揮する例を示した。本実施形態では、携帯端末20と保護機構30との間の電力供給と通信を無線で行う点に特徴を持つ。以下で説明する本実施形態の基本構成は第2実施形態と同様であるため、相違点を中心に説明する。
【0099】
[
図6Aの説明]
図6Aは第5実施形態に係る建設機械システムの構成図である。携帯端末20は電力供給と通信両方の機能を備えている。携帯端末20には携帯端末側無線デバイス80が取り付けられており、携帯端末側無線デバイス80を利用して電力供給と通信を無線で行う。保護機構30には、携帯端末側無線デバイス80と対をなす保護機構側無線デバイス70が取り付けられており、このデバイス70によって携帯端末20との電力受給と通信を無線で行うことができる。
【0100】
なお、その他の構成は第2実施形態で説明した
図2Aと同様である。また、ここでは第2実施形態をベースに説明するが、第1,第3実施形態をベースにしても問題無い。
【0101】
[
図6Bの説明]
図6Bは本実施形態に係る保護機構30の構成を示したブロック図である。保護機構30は保護機構側無線デバイス70を備えている。保護機構側無線デバイス70は携帯端末20より、電力と通信データを無線で受信するための装置である。保護機構側無線デバイス70には電力ライン150aと通信ライン150bが接続されている。保護機構側無線デバイス70が受信した電力は、電力ライン150aを通じて電源切り替え機構33に供給される。保護機構側無線デバイス70が受信した通信データは、通信ライン150bを通じて電源切り替え機構33に送られる。また、電源切り替え機構33から通信ライン150bを通じて保護機構側無線デバイス70に送信された通信データは、無線で携帯端末側無線デバイス80に向けて送られる。
【0102】
その他の構成は第2実施形態で説明した
図2Cと同様であり、その場合に保護機構30で実行される処理(振る舞い)も第2実施形態と同様となる。なお、保護機構30の構成は、第3実施形態で説明した
図3Cと同様でもよく、その場合の処理も第3実施形態と同様となる。また、第4実施形態で説明した
図4Cと同様でもよく、その場合の処理も第4実施形態と同様となる。
【0103】
[
図6Cの説明]
保護機構30で実行される処理は、第2実施形態の
図2Dのフローチャートと基本的に同じであるが、携帯端末接続時の処理、すなわちフローチャート開始時の処理が異なる。
図6Cではその差分について説明する。
【0104】
まず、携帯端末20を保護機構30と無線接続するに際して、作業員は携帯端末20を無線給電・通信可能な状態にする。まず、S40では携帯端末20から携帯端末側無線デバイス80を介し、保護機構30の保護機構側無線デバイス70に向けて作業開始を告げるコマンド(作業開始コマンド)を送信する。作業開始コマンド送信後、S41が実施される。この時点では無線給電は行われていない。
【0105】
S41では保護機構側無線デバイス70(保護機構30)側から作業開始コマンドに対する応答があるか否かを確認する。これは例えば、作業開始コマンドの受信時に保護機構側無線デバイス70を介して保護機構30から送信される応答信号を携帯端末側無線デバイス80が受信したか否かで確認できる。
【0106】
S41にて「Yes」と判定された場合、即ち保護機構30から応答があった場合は、保護機構30にバッテリ10から電力供給が行われている状態であるとみなすことができる。その後S42に移行して携帯端末20から保護機構30に対し無線給電を開始し、
図3DのS11に移行し、以下は
図3Dの処理を実行する。
【0107】
一方、S41にて「No」と判定された場合、即ち保護機構30から応答がない場合は、バッテリ10から電力供給が行われていない状態であるとみなすことができる。その場合には、S43に移行しS42同様に無線給電を開始し、
図3のS13に移行し、以下は
図3Dの処理を実行する。
【0108】
なお、S42及びS43に続く処理は、ベースとした実施形態に応じて異ならせることができる。例えば、第1実施形態のハードウェア構成をベースにした場合には、S42の後は
図2DのS4Aを実行し、S43の後は
図2DのS2を実行すれば良い。また、第3実施形態をベースにした場合には、S42の後は
図4DのS11を実行し、S43の後は
図4DのS13を実行すれば良い。
【0109】
[効果]
以上詳述した第5実施形態によれば、前述した第1-第3実施形態と同様の効果を得ることができる。特に本実施形態によれば、携帯端末20と保護機構30を無線接続できるので、両者を接続する物理的なケーブルが不要になる点がメリットとなる。
【0110】
なお、本実施形態では、携帯端末20と保護機構30間の通信及び電力供給の双方を無線で行ったが、通信及び電力供給のいずれか一方を無線で行っても良い。
【0111】
[その他]
上記ではシステムに含まれる建設機械として油圧ショベルを例に挙げて説明したが、ホイールローダやダンプトラック等他の建設機械をシステムに含めても問題無い。
【0112】
なお、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば、本発明は、上記の各実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、ある実施の形態に係る構成の一部を、他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
【0113】
また、上記の保護機構30やコントローラ40に係る各構成や当該各構成の機能及び実行処理等は、それらの一部又は全部をハードウェア(例えば各機能を実行するロジックを集積回路で設計する等)で実現しても良い。また、上記の保護機構30やコントローラ40に係る構成は、演算処理装置(例えばCPU)によって読み出し・実行されることで保護機構30やコントローラ40の構成に係る各機能が実現されるプログラム(ソフトウェア)としてもよい。当該プログラムに係る情報は、例えば、半導体メモリ(フラッシュメモリ、SSD等)、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ等)及び記録媒体(磁気ディスク、光ディスク等)等に記憶することができる。
【0114】
また、上記の各実施の形態の説明では、制御線や情報線は、当該実施の形態の説明に必要であると解されるものを示したが、必ずしも製品に係る全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
【符号の説明】
【0115】
1…建設機械,2…アタッチメント(バケット),3…上部旋回体,4…下部走行体,5…作業装置,10…バッテリ,10a…プラス端子,10b…マイナス端子,20…携帯端末,21…端末側バッテリ(外部電源),30…保護機構,31…バッテリ電源診断部,31a…バッテリ電源入力部,32…外部電源・通信入力部,33…電源切り替え機構,34…電源切り替え判断部,35…電源ライン・通信切り替え部,40…コントローラ(ECU),41…起動モード検出部,42…プロセッサ(CPU),43…周辺機器,44…通信インターフェース(I/F),45…起動モード検出部,50…バッテリ遮断装置,70…保護機構側無線デバイス,80…携帯端末側無線デバイス,90a…ダイオード,90b…ダイオード,102…電力ライン,110…通信ライン,120…CPU用電力ライン,130…周辺機器用電力ライン,140…電力ライン,140a…電力ライン(バッテリモニタライン),150…電力通信ライン(携帯端末接続ライン),150a…電力ライン,150b…通信ライン,160…電力ライン,170…電力ライン,180…信号ライン