(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046557
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ウェザーストリップ
(51)【国際特許分類】
B60J 10/84 20160101AFI20240327BHJP
B60J 10/246 20160101ALI20240327BHJP
【FI】
B60J10/84
B60J10/246
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152004
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000219705
【氏名又は名称】東海興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】千羽 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】近藤 有紀
【テーマコード(参考)】
3D201
【Fターム(参考)】
3D201AA06
3D201AA23
3D201BA01
3D201CA03
3D201DA09
3D201DA10
3D201DA27
3D201EA03A
3D201EA12
3D201FA05
(57)【要約】
【課題】ウェザーストリップを形成する材料の種類を増やすことなく、車内に侵入する音を低減すると共に、ドア等の閉じ性悪化を防ぐ。
【解決手段】ウェザーストリップ17は、ドア18の閉鎖時にドア18に当接して圧縮変形可能な中空シール部22と、この中空シール部22を車体11の開口部14の周縁に取り付けるための取付部21とを有する。中空シール部22は、取付部21とは反対側に位置する頭部側壁部31と、頭部側壁部31の両側に隣接して中空シール部22の他の部分よりも屈曲しやすく形成された屈曲部32とを有する。中空シール部22内には、頭部側壁部31の内壁面から突出する突出部33が中空シール部22と同じ材料で形成され、突出部33は、ドア18の閉鎖時に中空シール部22が圧縮変形された状態になったときに突出部33の先端が中空シール部22の内壁面に当接しないように形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の開口部の周縁と前記開口部を開閉する開閉部材との間を前記開閉部材の閉鎖時にシールする長尺なウェザーストリップにおいて、
前記ウェザーストリップは、前記車体の開口部の周縁と前記開閉部材とのいずれか一方の取付箇所に取り付けられ、前記開閉部材の閉鎖時に前記車体の開口部の周縁と前記開閉部材とのいずれか他方に当接して圧縮変形可能な中空シール部と、前記中空シール部を前記取付箇所に取り付けるための取付部とを有し、
前記中空シール部は、前記取付部とは反対側に位置する頭部側壁部と、前記頭部側壁部の両側に隣接して前記開閉部材の閉鎖時に屈曲するように形成された屈曲部とを有し、
前記中空シール部内には、前記頭部側壁部の内壁面から突出する突出部が前記中空シール部と同じ材料で形成され、
前記突出部は、前記開閉部材の閉鎖時に前記中空シール部が圧縮変形された状態になったときに前記突出部の先端が前記中空シール部の内壁面に当接しないように形成されていることを特徴とするウェザーストリップ。
【請求項2】
前記突出部は、前記中空シール部内に延びるリップ形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウェザーストリップ。
【請求項3】
前記突出部は、前記頭部側壁部の内壁面の複数箇所に所定間隔をあけて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウェザーストリップ。
【請求項4】
前記突出部は、前記中空シール部の内壁面のうち、前記頭部側壁部の内壁面とそれ以外の部分の内壁面の両方に形成され、前記開閉部材の閉鎖時に前記中空シール部が圧縮変形された状態になったときに前記突出部同士が当接しないように形成されていることを特徴とする請求項3に記載のウェザーストリップ。
【請求項5】
前記屈曲部は、前記中空シール部の他の部分よりも薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウェザーストリップ。
【請求項6】
前記ウェザーストリップは、前記車体の開口部の周縁に取り付けられるドアオープニングであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウェザーストリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の開口部の周縁と前記開口部を開閉するドア等の開閉部材との間を前記開閉部材の閉鎖時にシールする長尺なウェザーストリップに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウェザーストリップは、車体の開口部の周縁とドア等の開閉部材とのいずれか一方の取付箇所に取り付けられ、前記開閉部材の閉鎖時に前記車体の開口部の周縁と前記開閉部材とのいずれか他方に当接して圧縮変形可能な中空シール部を有する構成となっている。この種のウェザーストリップでは、特許文献1(特開2010-58637号公報)に記載されているように、遮音性を向上させるために、中空シール部内に別材料で形成された中空状の筒壁部を設け、この筒壁部の内周面に複数の波形状の凹凸部を形成したものが知られている。更に、この特許文献1のウェザーストリップでは、筒壁部を中空シール部の成形材料の比重よりも低い比重のスポンジ材料で形成することで、ドア閉鎖時に中空シール部の圧縮荷重が大きくならないようにしてドア閉じ性を悪化させないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ウェザーストリップはポリマー材料の押出成形により形成されるが、上記特許文献1の構成では、中空シール部とその内側の筒壁部とを別々の材料で形成するようになっているため、ウェザーストリップを押出成形する際に使用する押出成形装置を増やす必要があり、成形設備が複雑になり、生産コストが高くなるという欠点があった。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ウェザーストリップを成形する材料の種類を増やすことなく、車内に侵入する音を低減すると共に、開閉部材の閉鎖時の中空シール部の圧縮荷重増大を防いで開閉部材の閉じ性悪化を防ぐことができるウェザーストリップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車体の開口部の周縁と前記開口部を開閉する開閉部材との間を前記開閉部材の閉鎖時にシールする長尺なウェザーストリップにおいて、前記ウェザーストリップは、前記車体の開口部の周縁と前記開閉部材とのいずれか一方の取付箇所に取り付けられ、前記開閉部材の閉鎖時に前記車体の開口部の周縁と前記開閉部材とのいずれか他方に当接して圧縮変形可能な中空シール部と、前記中空シール部を前記取付箇所に取り付けるための取付部とを有し、前記中空シール部は、前記取付部とは反対側に位置する頭部側壁部と、前記頭部側壁部の両側に隣接して前記開閉部材の閉鎖時に屈曲するように形成された屈曲部とを有し、前記中空シール部内には、前記頭部側壁部の内壁面から突出する突出部が前記中空シール部と同じ材料で形成され、前記突出部は、前記開閉部材の閉鎖時に前記中空シール部が圧縮変形された状態になったときに前記突出部の先端が前記中空シール部の内壁面に当接しないように形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
この構成では、中空シール部内に別材料で形成された中空状の筒壁部が配置されておらず、中空シール部の屈曲部から突出部が突出していないため、開閉部材の閉鎖時の中空シール部の圧縮荷重増大を防いで開閉部材の閉じ性悪化を防止することができる。しかも、中空シール部内には、頭部側壁部の内壁面から突出する突出部が中空シール部と同じ材料で形成されているため、ウェザーストリップを成形する材料の種類を増やさずに済み、ウェザーストリップを押出成形する際に使用する押出成形装置を増やさずに済んで、生産コストを低く抑えることができる。
【0008】
更に、突出部は、中空シール部の頭部側壁部から中空シール部内に侵入した音が当たりやすいように、頭部側壁部の内壁面から突出している。このため、開閉部材の閉鎖時に中空シール部内に侵入した音が中空シール部内の突出部に当たることで、中空シール部内に侵入した音のエネルギーが減衰されて車内に侵入する音を低減することができる。しかも、中空シール部内の突出部は、開閉部材の閉鎖時に中空シール部が圧縮変形された状態になったときに突出部の先端が中空シール部の内壁面に当接しないように形成されているため、中空シール部内の空間が突出部で塞がれることがなく、中空シール部内に侵入した音が突出部で塞がれた狭い空間で反射・共鳴して音が増幅されてしまうことを防止できる。
【0009】
更に、請求項2のように、突出部は、中空シール部内に延びるリップ形状に形成すると良い。突出部をリップ形状とすることで、中空シール部内に侵入した音が突出部に当たりやすくなり、音を低減する効果を高めることができる。
【0010】
また、請求項3のように、突出部は、頭部側壁部の内壁面の複数箇所に所定間隔をあけて形成しても良い。このようにすれば、中空シール部内に侵入した音が突出部に当たる確率を高めて音を低減する効果を高めることができる。
【0011】
この場合、請求項4のように、突出部は、中空シール部の内壁面のうち、頭部側壁部の内壁面とそれ以外の部分の内壁面の両方に形成され、開閉部材の閉鎖時に前記中空シール部が圧縮変形された状態になったときに前記突出部同士が当接しないように形成された構成としても良い。このようにすれば、中空シール部の頭部側壁部の内壁面とその反対側の内壁面の両方に形成された複数の突出部によって、中空シール部内に侵入した音のエネルギーが効率良く減衰されて音を低減する効果を高めることができる。
【0012】
また、請求項5のように、屈曲部は、中空シール部の他の部分よりも薄肉に形成すれば良い。このようにすれば、他の部分よりも屈曲しやすい中空シール部の屈曲部を容易に形成することができる。
【0013】
本発明のウェザーストリップは、請求項6のように、車体の開口部の周縁に取り付けられるドアオープニングに適用すると良い。ドアオープニングに用いるウェザーストリップは、中空シール部内の空間が大きく、突出部を形成しやすいためである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は本発明の実施例1のウェザーストリップが取り付けられた自動車の概略構成を示す側面図である。
【
図2】
図2はフロントドア開口部の周縁に取り付けられたウェザーストリップのフロントドア開放時の状態を
図1のA-A線に沿って示す断面図である。
【
図3】
図3はフロントドア開口部の周縁に取り付けられたウェザーストリップのフロントドア閉鎖時の状態を
図1のA-A線に沿って示す断面図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例4を示すフロントドアに取り付けられたウェザーストリップの断面図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例5を示すバックドア開口部の周縁に取り付けられたウェザーストリップの断面図である。
【
図8】
図8は実施例1~3と比較例の音を低減する効果の評価試験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態をドアオープニングに適用して具体化した幾つかの実施例を説明する。
【実施例0016】
図1乃至
図3を用いて本発明の実施例1を説明する。
図1に示すように、自動車の車体11は、ルーフパネル12やサイドパネル13等の複数のパネルを繋ぎ合わせて構成されている。この車体11のフロントドア開口部14とリアドア開口部15の周縁に沿って設けられたフランジ16(
図2及び
図3参照)には、弾性を有するポリマー材料の押出成形により長尺状に形成されたウェザーストリップ17(ドアオープニング)が取り付けられている。フロント側のウェザーストリップ17は、フロントドア開口部14の周縁と当該フロントドア開口部14を開閉するフロントドア18(開閉部材)との間をフロントドア18の閉鎖時にシールする。リア側のウェザーストリップ17は、リアドア開口部15の周縁と当該リアドア開口部15を開閉するリアドア19(開閉部材)との間をリアドア19の閉鎖時にシールする。
【0017】
次に、
図2及び
図3を用いてウェザーストリップ17の構成を説明する。
本実施例1のウェザーストリップ17は、例えばエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)で形成されているが、これに限定されず、弾性を有するポリマー材料であれば良く、熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エストラマーを含む)でも良い。また、ウェザーストリップ17を軽量化するために、エチレン・プロピレン・ジエンゴム等のポリマー材料に発泡剤やマイクロカプセルを混合しても良い。発泡剤としては、例えばOBSH等の化学発泡剤を用いても良い。
【0018】
ウェザーストリップ17は、フロントドア開口部14(リアドア開口部15)の周縁に沿って設けられたフランジ16に取り付けられた横断面U字形状の取付部21と、この取付部21の車外側に一体的に形成された筒状の中空シール部22とを有する。取付部21と中空シール部22は、押出成形によりウェザーストリップ17の長手方向に沿って延びる。
【0019】
取付部21は、車外側側壁部23と車内側側壁部24と両側壁部23,24をつなぐ頂壁部25とが一体的に形成され、車外側側壁部23の外側面に中空シール部22が一体的に形成されている。取付部21には、金属板又は樹脂板等で形成された横断面略U字形状の芯材26が複合押出成形により両側壁部23,24に跨がって埋設されている。
【0020】
車外側側壁部23の内側面には、車内側側壁部24に向けて突出する複数の凸部27が所定間隔で一体的に形成され、車内側側壁部24の内側面には、車外側側壁部23に向けて斜め下側に突出する保持リップ28が一体的に形成されている。ウェザーストリップ17の取付作業時には、取付部20の両側壁部23,24間の隙間をフロントドア開口部14(リアドア開口部15)の周縁のフランジ16に挿入することで、保持リップ28がフランジ16に当接して弾性変形し、その保持リップ28の弾性反発力でフランジ16が保持リップ28と車外側側壁部23の複数の凸部27との間に挟み込まれて、ウェザーストリップ17がフランジ16に取り付けられた状態となる。
【0021】
取付部21の頂壁部25には、車内側に向けて突出する装飾リップ29が一体的に形成され、この装飾リップ29によって取付部21と車内側の内装材30との間の隙間を覆い隠すようになっている。
【0022】
図3に示すように、中空シール部22は、フロントドア18(リアドア19)の閉鎖時にフロントドア18(リアドア19)の周縁に当接して圧縮変形されることで、フロントドア18(リアドア19)の周縁とフロントドア開口部14(リアドア開口部15)の周縁との間をシールするようになっている。
【0023】
中空シール部22は、取付部21とは反対側に位置する頭部側壁部31と、この頭部側壁部31の両側に隣接して中空シール部22の他の部分よりも屈曲しやすく形成された屈曲部32とを有する。この屈曲部32は、中空シール部22の他の部分よりも薄肉に形成することで中空シール部22の他の部分よりも屈曲しやすく形成されている。これにより、中空シール部22の屈曲しやすい屈曲部32と他の部分を押出成形により容易に形成することができる。
【0024】
中空シール部22の頭部側壁部31の内壁面の複数箇所には、頭部側壁部31の内壁面から中空シール部22内に突出する複数のリップ形状の突出部33が所定間隔をあけて中空シール部22と同じ材料で一体的に形成されている。各突出部33は、フロントドア18(リアドア19)の閉鎖時に中空シール部22が圧縮変形された状態になったときに各突出部33の先端が中空シール部22の内壁面に当接しないように形成され、更に、各突出部33同士が当接しない位置に形成されている。各突出部33は、押出成形によりウェザーストリップ17の長手方向に沿って延びるリップ形状となっている。
【0025】
この場合、車外から中空シール部22内に侵入した音が各突出部33に当たりやすいようにするために、各突出部33の突出長さは、フロントドア18(リアドア19)の閉鎖時に中空シール部22が圧縮変形された状態になったときに各突出部33の先端が中空シール部22の内壁面に当接しない範囲内で例えば0.5mm以上に設定することが望ましい。各突出部33の突出長さが長いほうが中空シール部22内に侵入した音が各突出部33に当たりやすいためである。
【0026】
更に、中空シール部22の表面には、その表面の耐摩耗性を向上させるための被覆部34が形成されている。この被覆部34は、例えば比重1.2以上1.5以下のゴム材料で形成され、ウェザーストリップ17の成形時に共押出成形により形成されている。
【0027】
中空シール部22と突出部33は、例えば比重0.2以上1.0以下のゴム材料で形成され、取付部21、保持リップ28及び凸部27は、例えば比重0.6以上1.5以下のゴム材料で形成されている。
【0028】
以上説明した本実施例1のウェザーストリップ17では、中空シール部22内に別材料で形成された中空状の筒壁部が配置されておらず、中空シール部22の屈曲部32が他の部分よりも屈曲しやすく形成されているため、フロントドア18(リアドア19)の閉鎖時の中空シール部22の圧縮荷重増大を防いでフロントドア18(リアドア19)の閉じ性悪化を防止することができる。しかも、中空シール部22内には、その内壁面から突出する突出部33が中空シール部22と同じ材料で形成されているため、ウェザーストリップ17を成形する材料の種類を増やさずに済み、ウェザーストリップ17を押出成形する際に使用する押出成形装置を増やさずに済んで、生産コストを低減することができる。
【0029】
更に、突出部33は、中空シール部22の頭部側壁部31から中空シール部22内に侵入した音が当たりやすいように、頭部側壁部31の内壁面から突出している。このため、フロントドア18(リアドア19)の閉鎖時に中空シール部22内に侵入した音が中空シール部22内の突出部33に当たることで、中空シール部22内に侵入した音のエネルギーが減衰されて車内に侵入する音を低減することができる。しかも、中空シール部22内の突出部33は、フロントドア18(リアドア19)の閉鎖時に中空シール部22が圧縮変形された状態になったときに突出部33の先端が中空シール部22の内壁面に当接しないように形成されているため、中空シール部22内の空間が突出部33で塞がれることがなく、中空シール部22内に侵入した音が突出部33で塞がれた狭い空間で反射・共鳴して音が増幅されてしまうことを防止できる。
【0030】
更に、本実施例1では、突出部33が中空シール部22内に延びるリップ形状に形成されているため、中空シール部22内に侵入した音が突出部33に当たりやすくなり、音を低減する効果を高めることができる。しかも、中空シール部22の内壁面に複数の突出部33が所定間隔をあけて形成されているため、中空シール部22内に侵入した音が突出部33に当たる確率を高めて音を低減する効果を高めることができる。
【0031】
また、屈曲部32からは突出部33が突出していないため、屈曲部32が屈曲しにくくなることを防止できる。
前記実施例1では、中空シール部22内に突出する突出部33は、中空シール部22の頭部側壁部31の内壁面のみに形成されていたが、本実施例2では、中空シール部22の頭部側壁部31の内壁面とその反対側の内壁面(取付部21の車外側側壁部23の車外側の壁面)の両方にリップ形状の突出部33,33aが中空シール部22内に突出するように一体的に形成されている。各突出部33,33aは押出成形によりウェザーストリップ17の長手方向に沿って延びるリップ形状となっている。
尚、中空シール部22の内壁面のうちの屈曲部32から車外側側壁部23までの内壁面にも中空シール部22内に突出する突出部を形成しても良い。要するに、中空シール部22の内壁面のうちの頭部側壁部31以外の部分の内壁面にも中空シール部22内に突出する突出部を形成しても良い。
この場合、フロントドア18(リアドア19)の閉鎖時に中空シール部22が圧縮変形された状態になったときに各突出部33,33aの先端が中空シール部22の内壁面に当接せず且つ各突出部33,33a同士が当接しないように、各突出部33,33aの突出長さや形成位置が設定されている。
以上説明した本実施例2のウェザーストリップ17では、中空シール部22の頭部側壁部31の内壁面とその反対側の内壁面(取付部21の車外側側壁部23の車外側の壁面)の両方に形成された複数の突出部33,33aによって、中空シール部22内に侵入した音のエネルギーが効率良く減衰されて音を低減する効果を高めることができる。