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  • 特開-ベルト後端部補強方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046566
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ベルト後端部補強方法
(51)【国際特許分類】
   A44B 11/12 20060101AFI20240327BHJP
   A41F 9/00 20060101ALI20240327BHJP
   A44B 11/20 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A44B11/12
A41F9/00 C
A41F9/00 Z
A44B11/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022164333
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】506149254
【氏名又は名称】大瀧 國雄
(71)【出願人】
【識別番号】597142882
【氏名又は名称】阿▲蘓▼ 武
(72)【発明者】
【氏名】大瀧 國雄
(72)【発明者】
【氏名】阿▲蘓▼ 武
【テーマコード(参考)】
3B090
【Fターム(参考)】
3B090AA01
3B090AC05
3B090AC06
3B090AC08
3B090AC09
(57)【要約】
【課題】衣服用等の、バックルとベルトの着脱工程において、バックル固定刃によってベルト後端部のベルト損傷を防止する補強具を提供する。
【解決手段】 衣服等のベルトで、バックルとベルト本体と着脱自在の衣服用のベルトであって。バックルと連結するベルト後端部はバックルベルト挿入部に差し込まれ、爪部材の固定刃で破損を防止するためにベルト後端部を補強具と接着材で固着して被い、バックルに連結し、固定爪の刺し込みによって爪部材先端が補強具上面を貫通し、ベルト生地まで到達し、補強具の該打ち込み孔により発生したバリと接着材による効用でベルト後端部の破損を防止することを特徴とするベルト後端部補強方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服等のベルトで、バックルとベルト本体と着脱自在の衣服用のベルトであって。
バックルと連結するベルト後端部はバックルベルト挿入部に差し込まれ、
爪部材の固定刃で破損を防止するために前記ベルト後端部を補強具で被い、前記固定爪の刺し込みによって前記爪部材先端が前記補強具上面を貫通し、ベルト生地まで到達し、
前期補強具に形成した打ち込み孔により発生したバリと接着材による効果で前記ベルト後端部が、バックル外側に引く力を阻止することを特徴とするベルト後端部補強方法。
【請求項2】
ベルト先端部裏側に係止用凹凸部を有したベルトの自在バックルとの着脱自在の方法であって、
前期ベルト後端部に形成された補強具(4a)後部部分を反り返し可能に形成し、補強具反り部(19)とし、
ベルト把持部(16)に挿入された前期補強具(4a)は、バックル(1a)に形成されたベルト端部止め位置(14)に到達して、補強具反り部(19)が補強具反り把持部(20)の保持によってバックル(1a)内ベルト2を外側に引く力を阻止することを特徴とする請求項1記載のベルト後端部補強方法。
【請求項3】
請求項2の前期補強具(4a)は、バックル固定爪(11)を開放しても補強具反り部(19)が補強具反り把持部(20)に刺し込まれ保持されることによりベルト2をバックル(1a)後方に引き戻し外すことができないことで、ベルト抜きスロープ(13)を形成し、
ベルト2をベルト抜きスロープ(13)を経て、バックル(1a)よりベルト本体(2)を抜き出す方法によりベルト(2)交換をすることを特徴とする請求項1、請求項2記載のベルト後端部補強方法。
【請求項4】
ベルト後端部を覆う補強具は金属板によって側面視逆コの字に形成され、厚さと幅は双方ベルトと同等とし、上面と下面を形成して逆コの字先端から後方に既定の延長を持ち前期上面、下面に打ち込み孔を少なくとも2以上を設け、前期打ち込み孔裏側に発生したバリがベルト生地に摩擦を与えると共に接着材の効用により固着することを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のベルト後端補強方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衣服用ベルトであって、ベルトバックルとベルトが連結する場合において、連結部のベルト損傷を防止するベルト補強に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、バックルにはベルト孔に掛け止めピンを差し込み、ベルトを固定するピンバックルと、自在調整ベルトバックル、あるいはラチエットバックル等の名称で、体型に応じてベルト長の変更可能なベルトでズボン等衣服を保持するものが一般的である。当該バックルと連結するベルト後端部固定部材の多くは爪部材の係止によりベルトをバックルに略固定する方式がとられている。以下、本発明は、ピンを有する物をピンバックル、ベルト先端部に凸凹を形成したベルトを自在ベルトと称する。
【0003】
又、市販の衣服用ベルトも様々なバックルが用意されている。市販時からベルトとバックルが固着されるものと、ベルトとバックルの連結は着脱自在であり、体系に応じてベルトの長短を自由に調節できるものである。その連結は従来の技術同様にベルト生地に爪部の押し圧、爪の差し込みにより固定されているのが一般的である。
【0004】
特開2022-120764には、バックルとベルト部が分離した状態からベルトに形成した連結金具と金具本体に固着したベルトがバックルに連結する様態が示されているが、ベルト連結金具と金具本体との連結が爪部材で支持されているので前記載と同様に長期的使用時にベルト部が破損して金具本体と分離する問題が発生する。
又、実用新案登録3224930には、自在ベルトの固定方法が詳細に記載されているがベルト後端部の略固着は図面上で爪板12からなる爪12aにて略固定されている。が、バックルとベルト後端部の固着方法は詳細な記載は見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-120764
【特許文献2】実用新案登録第3224930
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
つまり、バックルと連結するベルト後端部は爪部材により押し圧、あるいは爪部材の刺仕込みによって連結される。この場合ベルト端部は長期間の使用、又は人体腹部の内圧による破損が多々見られる問題がある。特に出願人は高所作業時においてのズボンベルト破損は危険であり大きな問題となる。さらに破損した該ベルト後端部をバックルに連結する際、ベルトを鋭利な刃物で切り口を正確に切断しないと連結が非常に厄介なこととなる問題がある。従来技術を検証してもバックルとベルト連結端部の補強方法等の記載が見つけられないのが現状である。本発明は、具体的には分離されているバックルとベルトが着脱自在に連結するベルト後端部部分の補強具を提供するものである。
【課題を解決する手段】
【0007】
▲1▼ピンバックルと連結するベルト後端部はピンバックルベルト挿入部に差し込まれ、爪部材の係止によって固着される。爪部材の固定刃で破損を防止するために該ベルト後端部を補強具と接着材で被い、爪部材の押し圧、又は固定爪の刺し込みによって補強具上面を貫通し、ベルト生地まで到達し、さらに補強具の形成した打ち込み孔により発生したバリと接着材による密着効果でベルト後端部が強固となることでバックル内でベルトを外側に引く力を抑止することを特徴とするベルト後端部補強方法。
▲2▼ベルト先端部裏側に係止用凹凸部を有したベルトの自在バックルは、該ベルト後端部に形成された▲1▼記載の補強具の幅を広げ、補強具後部部分を反り返るよう形成し、バックルベルト把持部に挿入された補強具後部部分は、バックルに形成されたベルト補強具把持部に到達して、さらに固定爪の補強具上面貫通によって略固定することを特徴とする▲1▼記載のベルト後端部補強方法。
▲3▼▲2▼の記載ベルト補強具は、バックル固定爪部材を開放しても補強具後部分のベルト補強具把持部により該ベルトをバックル後方に引き戻し、外すことができないことで、バックル内ベルトベルト後端部止め位置をスロープ形成し、該ベルトを該形成したスロープを経て、ベルト本体を抜き出す方法をとることでベルト交換をすることを特徴とする▲1▼、▲2▼記載のベルト後端部補強方法。
▲4▼ベルト後端を覆う補強具は金属板によって側面視コの字に形成され、厚さと幅は双方ベルトと同等とし、上面と下面を形成してコの字先端から後方に既定の延長を持ち該双方面に打ち込み孔を多数設け、打ち込み孔裏側に発生したバリがベルト生地に摩擦を与えると共に接着材の使用により固着することを特徴とする▲1▼乃至▲3▼記載のベルト後端部補強方法。
【発明の効果】
【0008】
ベルト後端部に係る補強具の効果により、ベルト後端部が破損することなく長期間使用可能となる。又、ベルト長短加工時に補強具は薄い金属板により形成されるので手力によって加工が容易でさらに安価であるために体系に合わせたベルトの長短を定める際には金属部部分を切断し、新たに金属板を、補強具を交換してバックルと再び連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態のピンバックルによる構成図である。
図2】本発明の第2実施形態の自在バックルによる構成図である。
図3】補強具とバックル後部の固定刃等による連結部の断面図である。
図4】試作段階の自在バックル後部に掛る加工模式図である。
図5】自在バックルから補強具を形成したベルトを抜き出す方法の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明をする。
【0011】
(第一実施形態)
ベルトバックルは、従来から通称ピンバックルと、ピン孔を有するベルトが一体化した一本のベルトとして市販されている。しかしながら、衣服用であるならば人夫々の体型に合わせてベルト長さ調整が難しく、ピンバックルの破損、又ピン孔の破損等の問題があり、現在は、バックルとベルトが分離し、着脱自在可能な衣服用ベルトが主流となっている。
【0012】
図1は、ピンバックル1と分離した、ベルト補強具4とベルト本体2を拡大して示した図である。ピンバックル1は、帯状体5と帯状係止具6を固着して止具6の端に小角度回動自在の爪部材7を構成し、ベルト2を把持する固定爪9を形成してベルト2と着脱自在とする構成となる。
【0013】
この時、通常ベルト本体2はベルト生地を爪部材7に形成された固定爪9がベルト生地のみに刺し込把持され、使用頻度が高まるにつれベルト後端部13の破損が進むことは自明であり、常にベルト生地の切断、長さ調整等の装着行動が付きまとうことになる。
【0014】
ここで図1に示したピンバックル1の連結は、ベルト本体2のベルト後端部13を覆う形で打ち込み孔12を持つ断面逆コの字形状による補強具4を接着材と共にベルト後端部13表面、端部、裏面を覆う形で同時に固着形成する。補強具4を形成したベルト後端部は爪部材7の下方から挿入され、回動された固定爪9は補強具4上面を貫通してベルト生地まで到達してピンバックル1はベルト2を保持することとなる。
【0015】
補強具4の素材は、0,1mm内外のステンレス鋼板で形成される。固定爪9はベルト後端部13に係るとき垂直にベルト2に刺し込まれる場合は問題がないが、固定爪9の先端がベルト生地内で円を描きながら刃先がベルト生地を切るように回動されるため該生地は弾力のある物でなければならない。したがって補強具を形成する素材は固定爪9の回動時に切れる事無く弾力があって回動終点と同時に押し圧され固定刃刺し込まれる素材が必要となる。出願人の試験段階でも固定刃9によって鋼板が切れる事無く刺し込まれる素材はステンレス鋼板が最適であると判断した。
【0016】
補強具4上面4b、下面4cに形成する打ち込み孔12によるバリ12bは、接着剤と連携してベルト2に密着効果を生ずるもので、一般的に孔を形成するのはドリルビット等の穿孔した孔の周囲はきれいに仕上がる。しかしながら本発明の高打ち込み孔12は穴の面積分版の反対側にバリ12bが発生する。補強具4の打ち込み孔12はすべてバリ12bを有する孔12となり、又当該孔12の開口部は円以外の別形であってもなんら差支えない。
【0017】
打ち込み孔12は補強具4に垂直に打ち込むのではなくベルト2が引かれる反対側に角度をもって打ちこまれる方がバリ12bも角度を持つことで密着度が強くなりベルト後端部13の強度が高まる。ベルト後端部13に接着剤を塗り、覆うように補強具4を差し込むとバリ12bと接着材とが相俟って固着し、さらにバリ12bがベルト本体2に刺し込まれ摩擦力が大きくなりピンバックル1との連結力が高まり、よって補強具4によりベルト後端部の補強が完成する。
【0018】
又、当初から打ち込み孔12のうち、回動部材7に形成された固定刃爪9の数だけ補強具4の上面4b、下面4cに規定した孔12を形成して置くのも良い。ピンバックル1に補強具4を有したベルト後端部13に刺し込まれる時に回動部材7と固定爪9の稼働力が軽減する。
【0019】
(第2実施形態)
又バックルにはベルト先端部に係止の孔を有するピンバックルとベルト先端部裏面に凸凹を有した環状となるベルトを保持する自在バックル等が公知となっている。
図2は、自在バックル1aの概略図であって、主としてベルト後端部13を保持する可動部の部分図である。
【0020】
ピンバックル1においての記載に掛る補強具4は自在ベルト用バックル1aと同様に使用するが、補強具4の変化等を説明をする。
【0021】
ピンバックル1の補強具4ベルト後端部13を保持する方法として、前記載の帯状体5、帯状留め具6そして爪回動部材7に形成した固定爪9によって保持されている。一方自在バックル1aにおいては、ベルト把持部材16にベルト後端部挿入口15が形成され、該ベルト後端部に形成されたバックルベルト把持部16に挿入された補強具後部4aは、バックルに形成されたベルト後端部止め位置14に到達して、爪回動部材10に形成された固定爪11の補強具上面4b貫通によって略固定される。
【0022】
図2図3を参照し、補強具4変更等の説明を続ける。補強具4の上面4b、4cが拡大されて補強具反り部19を持つこととなる補強具4aは、ベルト後端部挿入口15に挿入されベルト後端部止め位置14に到達すると同時に挿入口15を通過し、補強具反り部19は反動によって補強具反り把持部20に把持される。ベルト後端部挿入口15はベルト2の断面と略同等で補強具4aが形成される分、厚くなり挿入部15を通過する際圧縮されながら挿入口15を通過すると元に戻る反動が起こる。したがってベルト補強具4aは、バックル爪回動部材10を開放後も補強具4aのベルト補強具反り部19と補強具反り部把持部20により保持され該ベルト2をバックル後方に引き戻し、外すことができない。
【0023】
特に自在バックル1aに構成される爪回動部材10はピンバックル固定爪9より幅が狭くベルト2を保持する面積が少ない。よってベルト2の破損が大きくなるゆえ新な補強具4aが必要となる。そして、自在バックル1aに保持されたベルト2を外すにはベルト後端部止め位置14よりスロープ形成したベルト抜きスロープ13を経てバックル上面(図2から見て)を、補強具4aを形成したまま該ベルト2が通過して、バックルよりベルト本体を抜き出す方法をとることでベルト交換をすることになる。
【0024】
ベルト2長さ等の体型による調整は、補強具4、又補強具4aは共にステンレス鋼板で形成されるため、さらに接着材で固着されている関係で補強具部分を切断交換することになるが、ステンレス鋼板の厚さは0,1mmと薄く、使用量も少ない、交換部品としては非常に廉価である。
【0025】
図4は、図3を参照しながら説明をする。試作時のバックル1aベルト後端部挿入口15の形成工程のである。長方形上の既存ベルト後端部挿入口15上方50と下方51の両内側を略45度に研磨し、又、挿入口15と同等の角パイプ52の先端部を略45度に研磨し楔形53を形成した後挿入口15に略45度に研磨した上下に同じく45度に研磨した角パイプの楔形53を挿入して溶着する。ここで楔形53の先端部は補強具反り把持部20として機能する。しかし、この工程はバックル製作工程において金型製作時に補強具反り把持部20を形成することができれば解決する課題である。
【0026】
図5は、自在バックル1aから補強具4aを形成したままベルト2を抜き出す方法の断面図である。[0022]段落記載を参照すれば補強具4aを形成したベルト2は引き戻すことができない。ベルト抜きスロープ13を経て図面上、上方へ抜き出すものである。
【0027】
(第3実施形態)
分離されているベルト2とバックル1、バックル1aの着脱自在に関して、補強具4、補強具4aによるベルト後端部補強方法を記載してきたが、本発明に関したベルト後端部補強方法の第3実施形態を説明する。
【0028】
図示はされてないが、ベルト本体2生地の製造に掛る行程において、実施例を上げれば、ベルト本体2の構成構造が表皮、中生地、裏生地とした3層で形成されている場合、前記載のステンレス鋼板をベルト本体2の幅と同等な幅を持ち、ベルト後端部13よりベルト本体2前部方向に既定の長さを持つ長方形状ステンレス鋼板をベルト本体2構造内、表皮と中生地の中間に当該ステンレス鋼板を形成して4層構造とすることで、爪回動部材7、10、の固定刃9,10の刺し込みによってベルト後端部13の保持力を増大することも可能となるものである。又、ベルト本体2の使用方法がリバーシブルの場合は5層となる場合も想定することができる。
【符号の説明】
【0029】
1、1a バックル
2 ベルト

4、4a 補強具
5 帯状体
6 帯状留め具
7、10 爪回動部材
9、11 固定刃
12 打ち込み孔
12a バリ
13 ベルト後端部
14 ベルト後端部止め位置
15 ベルト後端部挿入口
16 ベルト把持部材
17 ベルト環状通過部
19 補強具反り部
20 補強具そり把持部
50 ベルト挿入口上部
51 ベルト挿入口下部
52 角パイプ
53 角パイプ楔口
図1
図2
図3
図4
図5