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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046569
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】動物用ハーネス
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
A01K13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181667
(22)【出願日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0120212
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月15日からクラウドファンディングサイトにて掲載(掲載アドレスは発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書に掲載)
(71)【出願人】
【識別番号】522444863
【氏名又は名称】チャン,ヘ イン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ヘ イン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】着用の際に動物の身体にかかる衝撃や荷重を分散し、着心地に優れた動物用ハーネスを提供する。
【解決手段】動物の胸部または胸部及び腹部の一部を包むための胸板を含む動物用ハーネスであって、前記胸板は相対的に幅が大きく形成された前方及び後方領域及び前方領域から後方領域まで細長く延びるように形成された中間領域を含む本体部と、本体部に結合し締結のための第1締結部材を一端に備えた複数のバンドとを含み、動物の身体に接する胸板の内側面には立体パターンが左右対称に形成され、前記立体パターンは、高密度スポンジを領域別に異なる厚さを有するように成形することによって形成され、前記前方領域には第1クッション部が形成され、前記中間領域には本体部の中心軸を中心に両側に左右対称に第2クッション部が形成され、前記後方領域には本体部の中心軸を中心に両側に左右対称に一対の第3クッション部が形成されることを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の胸部または胸部及び腹部の一部を包むための胸板を含む動物用ハーネスであって、
前記胸板は、
相対的に幅が大きく形成された前方及び後方領域及び前方領域から後方領域まで細長く延びるように形成された中間領域を含む本体部と、
前記本体部に結合し、動物のハーネス着用の際、締結のための第1締結部材を一端に備えた複数のバンドとを含み、
前記胸板の着用の際、動物の身体に接する胸板の内側面には立体パターンが左右対称に形成されていることを特徴とする、動物用ハーネス。
【請求項2】
前記立体パターンは、高密度スポンジを領域別に異なる厚さを有するように成形することによって形成され、
前記前方領域には第1クッション部が形成され、
前記中間領域には本体部の中心軸を中心に両側に左右対称に第2クッション部が形成され、
前記後方領域には本体部の中心軸を中心に両側に左右対称に一対の第3クッション部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の動物用ハーネス。
【請求項3】
前記胸板の内側面には複数のクッション部が立体パターンに形成されることで、胸板の他の領域より大きい厚さを有し、
ハーネス着用の際、複数のクッション部の間の薄い領域が屈曲することで、胸板が立体的に動物の体形に合うように密着することができ、
前記前方領域に配置された第1クッション部は、ハーネス着用の際、動物の胸先部に接することを特徴とする、請求項1に記載の動物用ハーネス。
【請求項4】
前記第1クッション部の後方中央には段差部が凹設され、
前記段差部から本体部の中心軸に沿って後方に長く延びる中心軸部が形成され、一対以上の第2クッション部は段差部から前記中心軸部を間に挟んで左右対称に配置され、
前記本体部の前方領域の両側に左右対称に一対の前方羽部が形成され、
前記本体部の後方領域の両側に左右対称に一対の後方羽部が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の動物用ハーネス。
【請求項5】
前記胸板は、同じ外縁輪郭を有する複数層の織物が上下に結合して構成され、
前記複数層の織物のうち中間層に位置する本体カバーの底面には、胸板の中心軸に沿って前方から後方に長く延びる帯状の支持部が結合し、
前記支持部の前方部及び後方部にそれぞれバンドが結合し、
バンドと支持部との間にはそれぞれ弾性部材が介在され、前記バンドは弾性部材を介して支持部と連結され、
前記弾性部材は支持部の左右に両端が突出するように左右に長く配置されて前記支持部に結合し、
前記バンドは、弾性部材の突出した両端部の一面に接してそれぞれ二重折畳部が左右対称に形成され、前記二重折畳部の一部の折畳層が前記弾性部材の一面に結合することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の動物用ハーネス。
【請求項6】
動物の後首の後方の背中部位に着用されるためのものであって、前記第1締結部材に対応する第2締結部材を備える背板をさらに含み、
前記胸板と背板とは第1及び第2締結部材によって互いに結合及び解除することができ、
前記背板の上面には取っ手が結合し、
前記取っ手は前方から後方に延びる長い帯状を有し、前端及び後端が前記背板の上面に付着されることで、左右側で握られることができることを特徴とする、請求項1に記載の動物用ハーネス。
【請求項7】
動物用ハーネスであって、
動物の胸を包む胸板と、
取っ手が結合した背板と、を含み、
前記胸板と背板とはバンド及び締結部材によって互いに結合及び解除することができ、
前記胸板の着用の際、動物の胸部に密着する胸板の内側面には立体パターンが形成され、
前記立体パターンは左右対称に形成され、他の領域より厚い複数のクッション部が左右対称に形成されることを特徴とする、動物用ハーネス。
【請求項8】
ハーネス着用の際、動物の身体に接するように胸板の内側面に配置されるための動物用ハーネスの胸板用立体パターン部であって、
立体パターンが左右対称に形成されるように、高密度スポンジを領域別に異なる厚さを有するように圧縮成形することによって形成され、
相対的に幅が大きく形成された前方及び後方領域及び前方領域から後方領域まで細長く延びるように形成された中間領域を含む本体部と、前記本体部の前方両側に左右対称に形成された2個の前方羽部と、前記本体部の後方両側に左右対称に形成された2個の前方羽部と、を含むことを特徴とする、動物用ハーネスの胸板用立体パターン部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動物用ハーネスに関するものであり、より詳しくは便宜性及び安全性が向上した伴侶動物用ハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
伴侶動物用品のうち、首輪代用として、伴侶動物の胸先部(前胸)と腹部の一部及び背中を包むとともに引導用綱に連結することで、散歩に出掛けることができるようにしたハーネス(harness)が多様な形態に開発されている。ハーネスは、主に織物、合成纎維などから製作されて動物の肩及び胸を包むことで、上半身全体に力を分散させて衝撃を減らすことができるので、広く使われている。
【0003】
しかし、従来の動物用ハーネスは犬を含めた動物の解剖学的身体構造を考慮しなかった単純な形態を有し、散歩の際にハーネスを着用した場合にも、力が強い動物が引導用綱を引きながら飛び出す都度胸部に衝撃がかかるが、実質的に衝撃を適切に分散することができない限界があった。
【0004】
また、犬や猫などの動物を自動車に乗らせて移動する場合が頻繁になるに伴い、急停車、急加速などの状況で動物のみならずヒトの安全も問題になることがある。動物用カーシート製品が市中に販売されているが、大部分がクッションまたは網からなったケージ型のものであり、微小な衝撃に対応することができる程度に過ぎない。既存の動物用カーシートは、車両の転覆や衝突のような強い衝撃を受けた場合、人体用シートベルトのように衝撃を吸収しながら安全に身体を固定する機能を備えなくて安全性が低い。
【0005】
さらに、中型犬や大型犬のための従来のカーシートの場合、車両に一緒に乗るとき、それに相応しいサイズのカーシートを求めにくい。従来のクッションまたは網ケージ型のカーシートは内部に動物を着座させなければならないが、大型犬に合うサイズのカーシートはそのサイズがあまりにも大きくて車両の後側座席に装着しにくい問題があった。
【0006】
したがって、中型犬以上の大型犬を含めた伴侶動物の車両搭乗の際、簡便でありながらも安全性を保障することができる製品が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第2395761B号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記問題点を解決するために、着用の際に動物の身体にかかる衝撃や荷重を分散し、着心地に優れた動物用ハーネスを提供しようとする。
【0009】
本発明の他の目的は、車両用シートベルトとの締結が容易であり、着用した伴侶動物の安全性を確保することができるハーネスを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の一実施例によれば、動物の胸部または胸部及び腹部の一部を包むための胸板を含む動物用ハーネスが提供される。前記胸板は、相対的に幅が大きく形成された前方及び後方領域及び前方領域から後方領域まで細長く延びるように形成された中間領域を含む本体部と、前記本体部に結合し、動物のハーネス着用の際に締結するための第1締結部材を一端に備えた複数のバンドとを含む。
【0011】
前記胸板の着用の際、動物の身体に接する胸板の内側面には立体パターンが左右対称に形成される。
【0012】
前記前方及び後方領域は幅が相対的に大きく、前方領域と後方領域との間の中間領域はくびれるように幅が小さく、胸板は、前記本体部に結合し、動物のハーネス着用の際に締結するための締結部材を一端に備えた複数のバンドを含む。
【0013】
前記立体パターンは、高密度スポンジを領域別に異なる厚さを有するように成形することによって形成され、前記前方領域には第1クッション部が形成され、前記中間領域には本体部の中心軸を中心に両側に左右対称に第2クッション部が形成され、前記後方領域には本体部の中心軸を中心に両側に左右対称に一対の第3クッション部が形成される。第1クッション部の後方中央には凹んでいる段差部が形成される。
【0014】
互いに離隔して配置された前記第1クッション部、第2クッション部及び第3クッション部は本体部の他の領域より大きい厚さを有し、ハーネス着用の際、第1~第3クッション部の間の領域が屈曲することで、胸板が立体的に動物の体形に合うように密着することができ、前記第1クッション部は、ハーネス着用の際、動物の胸先部に接する。
【0015】
前記本体部は中心軸を中心に左右対称に長く形成され、前記第1クッション部の後方中央には段差部が凹設される。前記段差部から中心軸に沿って後方に長く延びる中心軸部が形成され、一対以上の第2クッション部は段差部から前記中心軸部を間に挟んで左右対称に配置される。
【0016】
前記本体部の前方領域の両側から左右対称に一対の前方羽部が延設され、前記本体部の後方領域の両側に左右対称に一対の前方羽部が形成される。前記前方及び後方羽部には羽クッション部がそれぞれ前記第1及び第3クッション部から離隔して形成され、その厚さは第1~第3クッション部より小さいが胸板の他の領域よりは大きい。
【0017】
前記胸板は、支持のための本体カバーと、前記本体カバー上に結合する立体パターン部とを含み、前記立体パターンが形成される立体パターン部は、高密度スポンジを領域別に異なる厚さを有するように圧縮成形することによって形成される。
【0018】
立体パターン部の前方領域には第1クッション部が形成され、中間領域には中心軸を中心に両側に左右対称に一対以上の第2クッション部が形成され、後方領域には本体部の中心軸を中心に両側に左右対称に一対の第3クッション部が形成される。
【0019】
前記第1~第3クッション部は立体パターン部うち最大の厚さを有することが好ましい。
【0020】
前記胸板は同じ外縁輪郭を有する複数層の織物が上下に結合することによって構成され、前記複数層の織物のうち中間層に位置する本体カバーの底面には、胸板の中心軸に沿って前方から後方に長く延びる帯状の支持部が結合する。
【0021】
前記支持部の前方部及び後方部にそれぞれバンドが結合し、バンドと支持部との間にはそれぞれ弾性部材が介在され、前記バンドは弾性部材を介して支持部と連結される。
【0022】
前記弾性部材は支持部の左右側から両端が突出するように左右に長く配置されて前記支持部に結合する。前記バンドは、弾性部材の突出した両端部の一面に接してそれぞれ二重折畳部が左右対称に形成され、前記二重折畳部の一部折畳層が前記弾性部材の一面に結合する。
【0023】
動物の後首の後方の背中部位に着用されるためのものであって、前記第1締結部材に対応する第2締結部材を備える背板をさらに含み、前記胸板と背板とは第1及び第2締結部材によって互いに結合及び解除することができる。
【0024】
前記背板の上面には取っ手が結合し、前記取っ手は前方から後方に長く延びた帯状を有し、前端及び後端が前記背板の上面に付着することで左右側で握られることができる。前記取っ手は、上下両面にノンスリップコーティングがパターン状に形成される。
【0025】
本発明の他の側面によれば、動物用ハーネスは、動物の胸を包む胸板と、取っ手が結合した背板とを含む。前記胸板と背板とはバンド及び締結部材によって互いに結合及び解除することができ、前記胸板の着用の際、動物の胸部に密着する胸板の内側面には立体パターンが形成される。
【0026】
前記立体パターンは左右対称に形成され、胸板の前方領域の中央の第1クッション部、後方領域の第3クッション部、及び第1クッション部と第2クッション部との間に左右対称に形成される第3クッション部を含むことが好ましい。
【0027】
本発明のさらに他の側面によれば、ハーネス着用の際、動物の身体に接するように胸板の内側面に配置されるための動物用ハーネスの胸板用立体パターン部が提供される。
【0028】
立体パターン部は立体パターンが左右対称に形成されるように高密度スポンジを領域別に異なる厚さを有するように圧縮成形することによって形成され、相対的に幅が大きく形成された前方及び後方領域及び前方領域から後方領域まで細長く延びるように形成された中間領域を含む本体部と、前記本体部の前方両側に左右対称に形成された2個の前方羽部と、前記本体部の後方両側に左右対称に形成された2個の前方羽部とを含む。
【0029】
立体パターン部の一面には複数のクッション部が前記本体部の中心軸を中心に左右対称に形成される。複数のクッション部は互いに離隔して配置され、着用の際、複数のクッション部の間の領域が屈曲することで、胸板が立体的に動物の体形に合うように密着することができ、前記複数のクッション部はクッション部の周辺部より大きい厚さを有する。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一側面によれば、ハーネス着用の際、伴侶動物にかかる衝撃や荷重がハーネスに均一に分散されて最小化する。
【0031】
本発明の他の側面によれば、車両内のヒト及び伴侶動物の安全性を確保することができる動物用ハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施例による動物用ハーネスを伴侶犬が着用した使用状態を示す図であり、図1(a)は動物用ハーネスを着用した伴侶犬の側面写真であり、図1(b)は動物用ハーネスを着用した伴侶犬を後方上側から撮影した写真である。
図2】本発明の一実施例による動物用ハーネスを伴侶犬模型に着用した使用状態を示す写真である。
図3】バックルが締結されて背板と胸板とが結合した状態のハーネスの背板取っ手をヒトが握っている状態を示す写真である。
図4】本発明の一実施例による胸板の着用の際、動物の胸部に密着する内側面を示す斜視図である。
図5】本発明の胸板の着用の際、動物の胸部に密着する内側面の実施例を示す平面図である。
図6図5のV-V線についての断面図である。
図7】本発明の一実施例による胸板の外側面を示す図である。
図8】本発明の一実施例による胸板の内部を示す図である。
図9図8のIV-IV線についての部分断面図である。
図10】本発明の一実施例による背板の外側面を示す写真である。
図11】本発明の一実施例による背板の側面図を示す図である。
図12】本発明の一実施例によるハーネスを着用した伴侶犬が車両に乗った状態でシートベルトをハーネスの背板取っ手を通して結合した状態を示す写真である。
図13】本発明の一実施例によるハーネスを着用した伴侶犬が車両に乗った状態でシートベルトをハーネスの背板取っ手を通して結合した状態で取っ手及びシートベルトを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書で使用する(言及する)用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。本明細書で、単数型は、文句で特に言及しない限り、複数型も含み、「含む(または、備える)」と言及した構成要素及び動作は一つ以上の他の構成要素及び動作の存在または追加を排除しない。
【0034】
他の定義がなければ、本明細書で使うすべての用語(技術用語及び科学用語を含み)は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解可能な意味として使うことができるであろう。
【0035】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
【0036】
図1は本発明の一実施例による動物用ハーネスを伴侶犬が着用した使用状態を示す図であり、図1(a)はハーネスを着用した伴侶犬の側面写真であり、図1(b)はハーネスを着用した伴侶犬を後方上部から撮影した写真である。図2は伴侶犬模型に本発明の一実施例による動物用ハーネスを着用した使用状態を示す写真である。
【0037】
図1図3を参照すると、本発明の一実施例によるハーネスは、動物の胸先を包む胸板200と、前記胸板と結合及び解除可能な背板100とを含む。胸板200は端部に第1締結部材220をそれぞれ備えた4個のバンド221を含み、背板100は、前記第1締結部材に対応する4個の第2締結部材120を含む。第1及び第2締結部材は互いに結合及び解除可能である。伴侶犬の胸先部及び腹部の一部を胸板で包み、背板を後首から背中側に配置した状態で、一つ以上の第1締結部材を第2締結部材と締結することで、ハーネスを動物に着用する。
【0038】
図3図5に示すように、本発明の胸板200には2個の前方バンド221-1が前方両側にそれぞれ対称状に配置され、2個の後方バンド221-2が後方両側にそれぞれ対称状に配置される。前記前方バンド及び後方バンドの一端はそれぞれ胸板本体または羽部に結合し、他端には凸端ジョイント220が結合する。総4個の凸端ジョイント220はそれぞれ背板の対応位置に備えられた凹端ジョイント120と結合するか解除されることができる。本発明の実施例によれば、胸板と背板とはバックル結合によって着脱可能に結合するが、これに限定されず、ベルクロ(登録商標)テープ、ボタンなどの解除可能な他の締結手段を介して結合することができる。
【0039】
以下、図4図6に基づいて本発明の実施例による胸板の構造を詳細に説明する。図4は本発明の一実施例による胸板の着用の際、動物の胸先部または胸先部から腹部の一部まで(以下、胸部という)密着する内側面を示す斜視図である。図5は本発明の胸板の着用の際、動物の胸部に密着する内側面の実施例を示す平面図である。
【0040】
図5を参照すると、胸板200は、前後方に長く形成された本体部201と、本体部201の前方の左右両側に形成された2個の前方羽部202と、本体部の後方の左右両側に形成された2個の後方羽部203と、4個の羽部の外側端部にそれぞれ延設されるバンド221と、各バンドに結合した第1締結部材(凸端ジョイント)220とを含む。前記前後方羽部202、203にはそれぞれバンド及び凸端ジョイント220が延設される。
【0041】
ハーネス着用の際、本体部201は動物の胸部に密着し、前方羽部202は動物の前肢の前方から上方に背板に向かって伸びている。ハーネス着用の際、左右両側の前方羽部202と後方羽部203との間にそれぞれ左右側の前肢が位置する。すなわち、前方羽部202は前肢の前方から背中に向かって延びるように配置され、後方羽部203は前肢の後方から背中に向かって延設される。
【0042】
前記本体部201は、相対的に幅が大きく形成された前方及び後方領域と前方領域から後方領域まで細長く延びるように形成された中間領域とを含む。2個の前方羽部202は前記前方領域の左右両側に対称状に形成され、本体部の後方領域の左右両側に2個の後方羽部203が形成される。
【0043】
図6の断面図によれば、胸板200は、ハーネス着用の際、伴侶動物の胸先(または胸部及び腹部の一部)と対面して接する内側面から外側面に向かって複数のレイヤーから構成される。胸板200は、前記内側面から外側面に向かって、立体パターン部250、250a、250b、本体カバー211、及び外部カバー217が順に配置されて結合する。
【0044】
立体パターン部250、250a、250b及び本体カバー211は同じ外縁輪郭を有する織物が縫製によって上下に結合し、立体パターン部250、250a、250b及び本体カバー211の全体輪郭は胸板の輪郭と同一である。すなわち、立体パターン部及び本体カバーは上述した本体部及び前後方羽部を同様に含み、胸板は、同じ外縁を有する立体パターン部と本体カバールとを重ね、縫製などの方式で上下に結合することで形成される。
【0045】
立体パターン部250、250a、250b及び本体カバー211の外縁は縁部280によって包まれて縫製される。縁部280は所定の幅を有する織物であり、本体カバーと同じ織物からなることができる。本体カバーは、胸板の形態を維持しながら支持するように、形態変形が大きくなく強度が高い織物からなり、例えばポリナイロン素材からなることができる。本体カバーの一面は立体パターン部と対面し、縁部または縁部の一部でのみ立体パターン部と結合して立体パターン部を形態変形可能に支持する。本体カバーの他面はバンドと直間接的に結合するものであり、強度が高い単層の織物からなることができるが、同一形状の2層の織物が縫製によって結合したものであってもよい。
【0046】
本体カバー211と外部カバー217との間にはバンド221及び支持部212が特定の位置に結合する。バンド及び支持部の構造については後述する。
【0047】
立体パターン部は、上下2層の弾性カバー250a、250bとその間に配置された高密度スポンジ層250とを押圧成形することによって製造される。2層の弾性カバー250a、250bは高弾性の織物、例えば4方向ストレッチ性のポリウレタン織物、好ましくはライクラ(商品名)からなることができる。高密度スポンジ層250は領域別に異なる厚さを有することができる。
【0048】
立体パターン部250は前述した胸板の一面を形成するものであり、胸板の輪郭を形成する。立体パターン部250は、前後方に長く形成され、前後方部の間の中間領域の幅が小さい本体部240と、前記本体部140の前方の左右両側に形成された2個の前方羽クッション部241と、本体部の後方の左右両側に形成された2個の後方羽クッション部242とを含む。
【0049】
本体部240の前方中央領域には第1クッション部251が形成され、後方領域には、本体部の中心軸を中心に両側に左右対称状に形成される一対の第3クッション部253が形成される。前方中央領域と後方領域とを連結する中間領域には、本体部の中心軸を中心に両側に左右対称に形成される一対以上の第2クッション部252が形成される。本体部の中心軸は、立体パターン部250及び胸板200の左右対称の中心となる軸であり、前後方に長く形成された仮想の軸である。
【0050】
前記第1クッション部251、第2クッション部252及び第3クッション部253の厚さ(H1)は本体部240の他の領域より大きく形成される。
【0051】
前記第1クッション部251の後方中央には逆U字形段差部251-1が凹設される。段差部251-1は第1クッション部251より小さい厚さを有する。前記段差部251-1は、図5のように、2段に形成されることもできる。
【0052】
一方、図4のように、前記段差部から中心軸に沿って中心軸部244が長く形成される。前記中心軸部244を間に挟んで左右対称に第2クッション部252が形成される。図4、及び図5によれば、第2クッション部252は中心軸部244を間に挟んで左右対称に2対がそれぞれ突出する。第2クッション部252は中心軸に沿って四角形をなすように長く形成され、前方面及び後方面は外側に斜めに形成されることができる。代案として、2対の第2クッション部ではなく、1対または3対の第2クッション部252が形成されることもできる。
【0053】
本体部の後方領域は中心軸部244の一部を含み、後方に行くほど幅が増加する。本体部の後方領域には一対の第3クッション部253が前記中心軸部244の左右に形成される。一対の第3クッション部253は中心軸部244の両側に配置され、中心軸と対面する面は後方に長く延びながら弧状を成す。後方中央部243は前方の中心軸部244の延長線上に位置するが、その幅が中心軸部より相対的に大きい。ハーネス着用の際、胸板の前記後方中央部243が動物の胸骨の底部領域と接触し、第3クッション部253は胸骨と接する。第3クッション部は後方領域の形態に対応するように形成される。
【0054】
一対の第3クッション部253は中心軸部244を間に挟んで左右対称に離隔して形成され、それぞれの第3クッション部は前方から長く延び、後方に行くほど次第に幅が増加する。中心軸と対面する一対の第3クッション部の面は前方から中心軸部に沿って同じ間隔で互いに離隔して延び、後方は後方中央部243を間に挟んで外側に延びる。一方、中心軸ではなく外側と対面する一対の第3クッション部の面は弧形に外部に延びる。
【0055】
一方、本体部240は、第1~第3クッション部251、252、253の外周に所定の領域が形成される。この外周縁領域の厚さ(H2)は第1~第3クッション部251、252、253より小さく形成される。
【0056】
本体部の中心軸部244は第1クッション部の後方に中心軸に沿って長く形成され、その厚さ(H6)は厚さ(H2)と同じかそれより小さくてもよい。
【0057】
一方、本体部240の前方の左右両側に形成された一対の前方羽クッション部241は本体部の左右両側に対称状に外側に延設される。それぞれの前方羽クッション部241は媒介部247を間に挟んで本体部240と連結され、媒介部の両側には溝部231が形成され、媒介部247は内側溝部を間に挟んで本体部と連結され、外側溝部を間に挟んで前方羽クッション部241と連結される。
【0058】
本体部240の後方の左右両側に形成された一対の後方羽クッション部242は本体部の左右両側に対称状に外側に延設される。それぞれの後方羽クッション部242は媒介部248を間に挟んで本体部240と連結され、媒介部の両側には溝部231が形成され、媒介部247は内側溝部231を間に挟んで本体部と連結され、外側溝部を間に挟んで後方羽クッション部242と連結される。
【0059】
本発明の一実施例によれば、前後方羽クッション部241、242、媒介部247、248、及び本体部240の厚さ(H2)は立体パターン部の底面を基準に10mmであり、第1~第3クッション部251、252、253の厚さ(H1)は18mmであり、段差部の厚さ(H3)は15mmであり、溝部231の厚さ(H4)は6mmであり、縁部の厚さ(H5)は2mmである。
【0060】
好ましくは、H1>H3>H2≧H6>H4>H5である。
【0061】
立体パターン部250は、図6に示すように、弾性織物からなる上下2層の弾性カバー250a、250bと、その間に配置された高密度スポンジ層250とを押圧成形することで製造される。第1~第3クッション部251、252、253を含むクッション部に3重の高密度スポンジを配置し、前後方羽クッション部241、242、媒介部247、248、及び本体部240には2重スポンジを配置するなど、各領域の厚さによって高密度スポンジの厚さを異にして押圧成形することで、前記のように立体パターンを形成することができる。
【0062】
このような構造の立体パターン部は、動物の身体の立体的形態に合うように立体的構造のハーネス胸板を提供することができるようにする。立体パターン部は部分的に突出した形状を有する平板状のものであり、弾性織物及び高密度スポンジから成形されることにより、立体化が容易である。立体パターン部は、完成されたハーネス着用の際、胸板が動物の身体に直接接する面に配置され、動物の胸部、肩部、腹部の一部、肋骨に対応するように立体的な形状に容易に変形する。すなわち、第1クッション部251は、ハーネス着用の際、前胸部に密着し、第2クッション部252は前肢の間に密着し、第3クッション部253は肋骨底部の両側面に密着する。
【0063】
第1~第3クッション部は、後述するハーネスの背板の取っ手または連結部290に締結されたリード綱を介してハーネスに力がかかったとき、大きな衝撃が動物の身体に適用される部位である。また、第2クッション部と第3クッション部との間の中心軸には小さな厚さの本体中心軸部244が配置され、この本体中心軸部244を中心に左右両側が上方に立体的に変形しやすい。よって、動物の身体によく密着し、他の部分より厚いながらも弾性吸収力を有するクッション部で衝撃を吸収するようにする。
【0064】
一方、第3クッション部は左右対称に後方及び外側に長く拡張する形状に形成され、着用の際、肋骨を保護するために、下部には、薄い空間が形成されるように、後方中央部243が形成されている。これにより、後方中央部243の厚さが相対的に小さいので、左右両側の第3クッション部が上方に折れるように立体化しやすいとともに肋骨の下部にかかる外部衝撃を第3クッション部が吸収することができる。また、後方中央部243は左右の第3クッション部より薄いので、着用の際、動物の肋骨底部の弱い部位に直接接しなくて衝撃を減らすことができる。
【0065】
ハーネスにかかる衝撃を吸収するとともに制御を容易にするというハーネスの本来の機能を最大化するためには、着用の際、ハーネスの胸板が動物の身体に密着しながらも衝撃をよく吸収しなければならない。本発明の実施例による立体パターン部はこれを可能にする構造を有する。ハーネス着用の際、第1~第3クッション部の間の領域が屈曲しているので、胸板が立体的に動物の体形に合うように密着することができる。すなわち、第1クッション部の後方中央の段差部251-1の厚さ(H3)はクッション部の厚さより小さく、中心軸部244を含めたクッション部以外の本体部の領域の厚さよりは大きい。このような前記胸板の立体パターン部の厚さ分布により、ハーネス着用の際、動物の胸部、両前肢の間、腹部の前部、及び両肋骨の屈曲している形態に合うように変形してよく密着する。また、立体パターン部は弾性織物及び高密度スポンジからなるので、このような変形がもっと容易である。
【0066】
一方、本体の縁部は、形態の維持のために、強度に優れた織物で包まれているが、その厚さは本体部及び羽部より小さい。したがって、ハーネス着用の際、縁部は動物の皮膚表面に接せず、動物の毛に接する。ハーネス着用の状態で、取っ手または胸板の底面(身体に密着しない面)の連結部290にリード綱を連結するかまたはシートベルト500を取っ手300を通して締結した状態で強い衝撃がかかることがあり得る。従来のハーネスの場合、胸板の縁部の厚さが本体の厚さと似ているので、リード綱を引くとかする場合、皮膚が縁部に擦りむける問題があったが、本発明の胸板は、前記構造により、胸板が一方向に引かれるかまたは衝撃がかかるときにも、クッション部に主に衝撃が集中し、縁部は皮膚に強くぶつからないので、皮膚が擦りむけるとかする問題がない。
【0067】
以下、図6図9に基づき、バンド221及び本体カバーの結合構造を詳細に説明する。
【0068】
図6によれば、立体パターン部250の下部には本体カバー211が結合し、本体カバーの下部に支持部212が結合し、その下部には外部カバー217が結合する。立体パターン部250、250a、250b、本体カバー211、及び外部カバー217の外縁は縁部280によって包まれて縫製される。縁部280は、それが包む構成要素を効果的に保護するために、本体カバーと同様に高強度の織物からなる。
【0069】
図7は本発明の一実施例による胸板の外側面を示す写真である。
【0070】
図7の本発明の一実施例による胸板の外側面は、ハーネス着用の際、動物の身体に接せずに外部に露出される面である。図7によれば、外部カバー217が本体カバー211の羽部の一部を開放した状態で部分的に覆う形態に結合する。
【0071】
図8図7の写真において胸板の外部カバー217を除去した状態の内部を示す平面図である。図8によれば、胸板の中心軸Aに沿って前方から後方に長い帯状の支持部212が本体カバー211の底面(外側面)に固定される。前後方の4バンド221は支持部212に固定され、支持部は立体パターン部の底部に結合した本体カバー211の底面に固定される。このような固定は中心軸に沿って左右両端の2列縫製によってなされることが好ましい。支持部212は、本体カバー211と同様な高強度の織物、例えばポリナイロンからなることができる。
【0072】
図9図8のIV-IV線についての部分断面図である。図9に基づいてバンド221と支持部212との結合構造を詳述する。図8及び図9に示すように、支持部212の前方部には前方バンド221が結合し、支持部212の後方部には後方バンド221が結合する。前述した2個の前方バンドは一体に形成されることができ、2個の後方バンドも一体に形成されることができる。
【0073】
図9によれば、支持部212の一面(図5及び図6を基準とする場合には上面、図9を基準とすると底面であり、以下では、便宜上底面という)に弾性部材213が縫製によって結合する。弾性部材213は、ゴムまたはシリコンなどの弾性及び復元力に優れた材料から構成される。前記弾性部材213は支持部の底面に左右対称に縫製(点線)によって結合し、両端部が支持部から突出する。
【0074】
弾性部材213の突出した両端部の底面には単一バンド221がそれぞれ二重に折り畳まれた二重折畳部222が左右対称に形成され、それぞれ別途の縫製214によって弾性部材の両端部に結合する。単一バンドは弾性部材の両端の外側から支持部212の中心軸に向かって一部が重なった後、底部で1次に折れて外側に延びた後、弾性部材の両端部の底部から内側に向かって2次に折れることで、二重折畳部222が弾性部材213の突出した両端部の底面に形成される。このように、両端部で2次に折れたバンドは中心軸に向かって延びて単一バンドを形成する。二重折畳部222はバンドの三重層を形成し、弾性部材に隣接した二重層の所定の部位で縫製214によって弾性部材213の底面に結合する。
【0075】
このような二重折畳部、弾性部材213、及び支持部212の結合構造によれば、外部衝撃による力Fがバンドにかかっても、弾性部材の弾性力によってこれを吸収する。すなわち、取っ手を介してかかる外部衝撃はバンド221を図8で外側に引く方式でかかる。所定値以下の力がかかる場合、バンド221と結合した弾性部材213が伸びて衝撃を吸収する。この際、弾性部材213が力Fの方向に伸びるのに伴い、二重折畳部222の縫製されていない2次折畳部222-1が広がる方式で、縫製214の破損なしに弾性部材とバンドとの結合が維持される。ここで、外部衝撃による力は弾性部材によって一部が吸収され、支持部212を介して本体カバー211及び立体パターン部に伝達される。また、外部衝撃が4個のバンドにそれぞれ不均一にかかっても、1次的には、弾性部材及び本体カバーに固定された支持部によって4方向(4個のバンド結合方向)に分散することで衝撃が減少する。2次的には、立体パターン部のクッション部によって吸収されることで、動物の身体にかかる衝撃が減少する。
【0076】
これは、特に車両のシートベルト500にハーネスが結合する場合、急停車や衝突などの事故状況で過度な衝撃がハーネスの背板の取っ手にかかり、バンドにその衝撃が伝達される状況で、ハーネスを着用した動物にかかる衝撃を吸収するとともに衝撃が均一に分配されるようにする。すなわち、衝撃が特定のバンドを介して胸板の中心軸に配置された支持部212を中心に前方及び後方の全体バンドに分散される。シートベルト結合の例として、図12及び図13はシートベルトをハーネスに装着した一実施例を示す。図12及び図13によれば、胸板200に締結された背板100の取っ手300を通してシートベルト500がハーネスに結合することができる。
【0077】
一方、外部から過度な力がバンドにかかって弾性部材が弾性限界を超えるかまたは二重折畳部の縫製214の結合力を超える場合には、二重折畳部と弾性部材との間の縫製214の結合が断絶される。この場合、バンドの二重折畳部が1字形に解けながらバンドの長さが少し増加する。この過程で衝撃を吸収するとともにバンドが一定の長さ以上に伸びないようにする。特に、車両のシートベルトにハーネスが結合する場合、急停車や衝突などの事故状況で、初期には弾性部材が衝撃を吸収し、力が縫製214の結合を切りながら消耗し、その後、二重折畳部が1字形に解けてバンドが所定の長さ以上に伸びないようにすることで、ハーネスを着用した動物の移動を限定して安全を図る。
【0078】
図8によれば、前方バンド及び後方バンドはそれぞれ弾性部材を介して二重折畳部を形成して支持部の前方部及び後方部に結合するが、前方バンドまたは後方バンドのうちの一つのみがこのような弾性部材を介して二重折畳部を形成して結合することもできる。
【0079】
以下、図10及び図11に基づいて本発明の一実施例によるハーネスの背板を詳細に説明する。
【0080】
背板100は動物の背中側に着用され、胸板200と着脱可能に結合され、前後方に長く形成される取っ手300を備える。背板100は略四角形の4角部が膨らむように突出した形態の少しの厚さを有する織物からなるプレートである。
【0081】
背板100は胸板の4個の第1締結部材にそれぞれ着脱可能に結合するための4個の第2締結部材(凹端ジョイント120)を前方及び後方にそれぞれ左右対称に備える。背板は動物の後首の後方の背中に着用された状態で、締結部材によって胸板に締結されるためのものであり、織物素材からなり、動物に接する底面から、エアメッシュ素材の第1レイヤー111、ポリナイロン(例えば、商品名:トイロン)のような高強度の織物からなる第2レイヤー112、支持部を形成する第3レイヤー113、及び背板カバーを含む第4レイヤー114を含み、第1~第3レイヤーは四角形の4角部が膨らむように突出した同じ形状の織物であり、高強度の縁布によって外縁が縫製されて一つに結合する。第4レイヤーは第1~第3レイヤーと同じ形状を有するが、4角部に切開部が形成され、第3レイヤーの4角の突出部に配置された第2締結部材120が露出されるように構成される。第2締結部材は第3レイヤーの4角に縫製または接着などの方式で固定的に結合する。
【0082】
背板の底面は第1レイヤーに相当し、エアメッシュ素材(多数の孔が穿孔された機能性の高弾力性織物であり、ポリエステルまたはナイロンのような合成纎維からなる)からなることで、弾性及び通気性に優れる。
【0083】
一方、背板の上面には縦方向に長く帯状の取っ手300が結合している。取っ手300は高強度の織物、例えばポリナイロンのような合成纎維からなるものが好ましいが、これに限定されず、皮または合成樹脂からなることもできる。取っ手300は前端部と後端部とが中間部より大きい幅を有する帯状を有し、前端及び後端はそれぞれ縫製によって背板の上面に固定されることで、取っ手を横方向に取っ手を握るかまたは取っ手の底面と背板の上面との間を通してシートベルトなどが通過することができる。縫製によって取っ手が背板に固定される前端及び後端が相対的に大きい幅を有するので、外部の衝撃の際にも取っ手がめったに分離されず、安定的に背板に維持される。
【0084】
取っ手の上面には夜光塗料がコーティングされることで、ハーネスの夜間視認性が向上する。取っ手の底面及び上面には、シリコンのような高摩擦力の素材でコーティングされたノンスリップ部301が形成される。ノンスリップ部301は規則的に配列された複数のシリコンコーティングスポットのアレイから構成されることが好ましいが、これに限定されない。ノンスリップ部は取っ手の上面のみならず底面にも形成されることで、ヒトが取っ手を握るとき、滑りを防止する。また、図12及び図13に示すように、車両のシートベルト500が取っ手300の内側を通過して締結される場合、シートベルト500は取っ手の底面のノンスリップ部によって滑りなしに安定的に取っ手と接するので、ハーネスを着用した動物が所定の自由度を有するとともに衝突などの状況に対処することができる。
【0085】
本発明の一実施例で、背板100は角部が膨らむように突出した四角形を有するが、これに限定されず、胸板の4個の第1締結部材と締結されるための第2締結部材を備えるとともに取っ手を有すれば十分であり、多様な設計変更が可能である。
【0086】
背板100は、前記第1締結部材220に対応する4個の第2締結部材120を含む。第1及び第2締結部材は結合及び解除が可能であり、伴侶犬の胸先部及び腹部の一部を胸板で包み、背板を後首から背中側に配置した状態で一つ以上の第1締結部材を第2締結部材と締結することによってハーネスを動物に着用させる。
【0087】
取っ手は前記第4レイヤー上には縦方向に前方から後方に長く配置され、前端部及び後端部の幅が中間部より大きく増加して前記第4レイヤーに縫製によって結合する。
【0088】
ハーネスを着用した動物をヒトが背板の取っ手を握って制御するか、または車両の搭乗の際にハーネスの背板と取っ手との間に挿入されたシートベルト500を締結固定した状態で外部の衝撃がかかると、衝撃はバンド221を介してかつ支持部212及び本体カバー211を介して立体パターン部に伝達され、最終的にはこれに接している動物の身体に伝達される。前述したように、立体パターン部は、大きな衝撃がかかると、脆弱な動物の身体部位に対応して密着したままで衝撃を吸収する。
【符号の説明】
【0089】
100 背板
200 胸板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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図13