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特開2024-46572真菌反応体を備えた生分解性使い捨ておむつ
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  • 特開-真菌反応体を備えた生分解性使い捨ておむつ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046572
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】真菌反応体を備えた生分解性使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20240327BHJP
   A61L 15/36 20060101ALI20240327BHJP
   A61L 15/38 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A61F13/15 120
A61L15/36 200
A61L15/38 200
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022201980
(22)【出願日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】17/950,722
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522492451
【氏名又は名称】ヒロ テクノロジーズ インク
【氏名又は名称原語表記】Hiro Technologies,Inc.
【住所又は居所原語表記】5275 McCormick Mountain Drive, Austin, Texas 78734 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】ミキ アグラワル
(72)【発明者】
【氏名】テロ イソカウッピィリア
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA20
3B200BA17
3B200BB03
3B200BB21
3B200BB30
3B200DA27
3B200DB20
3B200DC02
3B200DD02
3B200DE05
3B200DE11
3B200DF20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】環境に優しく効率的な使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】生分解性使い捨ておむつ101が、柔らかい不織布を含んだ内層であって、着用者の皮膚に当接し、排泄物流体の通過を可能にするための内層と、上記排泄物流体を吸収し保持するための高吸収性ポリマーを含んだ中間層と、液体不透過性膜を含んだ外層であって、排泄物流体の通過を制限するための外層と、増殖のために排泄物を使用するように、かつ処分環境で上記生分解性使い捨ておむつを分解するように構成された、菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含む物質を含んだ脆性カプセル210、ディスペンサまたはパケット220と、を備え、上記脆性カプセル、ディスペンサまたはパケットはさらに、上記物質を上記おむつに処分時に付着させることを可能にするためのものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性使い捨ておむつであって、
柔らかい不織布を含んだ内層であって、着用者の皮膚に当接し、排泄物流体の通過を可能にするように構成された内層と、
前記内層を通過した前記排泄物流体を吸収し保持するための高吸収性ポリマーを含んだ中間層と、
液体不透過性膜を含んだ外層であって、排泄物流体の通過を制限するように構成された外層と、
前記おむつに結合された脆性カプセルであって、増殖のために排泄物を使用するように、かつ処分環境で前記生分解性使い捨ておむつを分解するように構成された、菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含む物質を含んだ脆性カプセルと、を備え、
前記脆性カプセルがさらに、前記物質を前記おむつに処分時に付着させることを可能にするために、手の力で壊れるように構成される、生分解性使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記物質が複数の菌糸体ビーズを含む、請求項1に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記物質が、菌糸体が付着した布を含む、請求項1に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記物質が粉末状の菌糸体を含む、請求項1に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記脆性カプセルが、接着剤を介して前記おむつに結合される、請求項1に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記脆性カプセルが、プラスチック・スナップ・ループを介して前記おむつに結合される、請求項1に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項7】
生分解性使い捨ておむつであって、
柔らかい不織布を含んだ内層であって、着用者の皮膚に当接し、排泄物流体の通過を可能にするように構成された内層と、
前記内層を通過した前記排泄物流体を吸収し保持するための高吸収性ポリマーを含んだ中間層と、
液体不透過性膜を含んだ外層であって、排泄物流体の通過を制限するように構成された外層と、
増殖のために排泄物を使用するように、かつ処分環境で前記生分解性使い捨ておむつを分解するように構成された、菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含む物質を含んだディスペンサと、を備え、
前記ディスペンサがさらに、前記物質を前記おむつに処分時に付着させることを可能にするために、開封され操作されるように構成される、生分解性使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記物質が複数の菌糸体ビーズを含む、請求項7に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項9】
前記物質が、菌糸体が付着した布を含む、請求項7に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項10】
前記物質が粉末状の菌糸体を含む、請求項7に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項11】
前記ディスペンサが、上面に孔が開いた使い捨て容器である、請求項7に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項12】
生分解性使い捨ておむつであって、
柔らかい不織布を含んだ内層であって、着用者の皮膚に当接し、排泄物流体の通過を可能にするように構成された内層と、
前記内層を通過した前記排泄物流体を吸収し保持するための高吸収性ポリマーを含んだ中間層と、
液体不透過性膜を含んだ外層であって、排泄物流体の通過を制限するように構成された外層と、
増殖のために排泄物を使用するように、かつ処分環境で前記生分解性使い捨ておむつを分解するように構成された、菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含む物質を含んだパケットと、を備え、
前記パケットがさらに、前記物質を前記おむつに処分時に付着させることを可能にするために、開封され操作されるように構成される、生分解性使い捨ておむつ。
【請求項13】
前記物質が複数の菌糸体ビーズを含む、請求項12に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項14】
前記物質が、菌糸体が付着した布を含む、請求項12に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項15】
前記物質が粉末状の菌糸体を含む、請求項12に記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項16】
前記パケットが、手の力で裂かれて開封されるように構成された使い捨ての紙の包みである、請求項12記載の生分解性使い捨ておむつ。
【請求項17】
菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含む物質であって、増殖のために排泄物を使用するように、かつ処分環境で生分解性使い捨ておむつを分解するように構成され、前記おむつ上に処分時に付着するように構成された物質。
【請求項18】
前記物質が複数の菌糸体ビーズを含む、請求項17に記載の物質。
【請求項19】
前記物質が、菌糸体が付着した布を含む、請求項18に記載の物質。
【請求項20】
前記物質が粉末状の菌糸体を含む、請求項19に記載の物質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここで開示する発明は、広義には流体吸収性を有する物品の分野に関し、より具体的にはおむつおよびその他の個人排泄物処理用品の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつとは、排泄物を吸収または閉じ込めて、外側の衣服や外部環境の汚れを防ぐことにより、着用者がトイレを使用せずに排尿、排便できるようにする下着の一種である。おむつは、濡れたり汚れたりしたら交換する必要がある。ほとんどのおむつは、1回の使用で廃棄できる処分可能な合成素材でできている。
【0003】
使い捨ておむつの普及により、毎年大量の乳幼児用使い捨ておむつが廃棄されており、その処分が問題となっている。市販の使い捨ておむつのほとんどは、ポリプロピレンとポリエチレンをベースにしたプラスチックで主に構成されている。こうしたプラスチックは、生分解に対して耐性を有することから環境中では分解されない。平均的な使い捨ておむつは分解に何百年もかかることがあり、石油、プラスチック、香料、木材パルプ、ダイオキシンを含んでいる。典型的な使い捨ておむつは、例えば木材パルプ繊維など、かなりの数の生分解性材料で構成されてはいるが、使い捨ておむつにおける非生分解性材料の量は減らす必要がある。また、埋め立て地での使い捨ておむつの分解時間を早める必要もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって上述の従来技術の問題を克服する必要があり、特に、より効果的で環境に優しく効率的な使い捨ておむつが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで特許請求する主題は、生分解性使い捨ておむつを提供することによって従来技術を改善する。「発明の概要」は、ここで開示する概念の抜粋を簡単に紹介するために提供される。この概念については、提供された図面を含む以下の「発明を実施するための形態」で詳細に説明する。「発明の概要」は、特許請求する主題の主要または基本的な特徴を特定するためのものではない。「発明の概要」はまた、特許請求する主題の範囲の限定に使用されることを意図したものでもない。
【0006】
簡単に述べると、一実施形態によれば、生分解性使い捨ておむつが、柔らかい不織布を含んだ内層であって、着用者の皮膚に当接し、排泄物流体の通過を可能にするように構成された内層と、上記内層を通過した上記排泄物流体を吸収し保持するための高吸収性ポリマーを含んだ中間層と、液体不透過性膜を含んだ外層であって、排泄物流体の通過を制限するように構成された外層と、増殖のために排泄物を使用するように、かつ処分環境で上記生分解性使い捨ておむつを分解するように構成された、菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含む物質を含んだ脆性カプセル、ディスペンサまたはパケットと、を備え、上記脆性カプセル、ディスペンサまたはパケットがさらに、上記物質を上記おむつに処分時に付着させることを可能にするように構成される。別の実施形態では、菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含む物質が、増殖のために排泄物を使用するように、かつ処分環境で生分解性使い捨ておむつを分解するように構成され、上記物質は、上記おむつ上に処分時に付着するように構成される。
【0007】
ここで開示する実施形態の追加の態様については、以下の説明で部分的に概要を説明する、あるいは以下の説明から部分的に明らかとなる、あるいはここで開示する実施形態を実施することによって理解されよう。ここで開示する実施形態のこれらに態様は、添付の特許請求の範囲に特に記載されている要素およびそれらの組み合わせによって得られる。前述の全般的な説明と以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、ここで開示し請求する実施形態を限定するものではないことを理解されたい。
【0008】
添付の図は本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。これらの図は、特許請求する主題の実施形態を示しており、以下の説明とともに、ここで開示する実施形態の原理を説明する。本明細書に示す実施形態は例示である。ただし、特許請求する主題は、図に示した通りの構成および手段に限定されないことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態による、真菌反応体を備えた生分解性使い捨ておむつの部分分解斜視図である。
図2】一実施形態による、閉じた配置の、真菌反応体を備えた生分解性使い捨ておむつの斜視図である。
図3】一実施形態による、開いた配置の、ディスペンサ付きの真菌反応体を備えた生分解性使い捨ておむつの斜視図である。
図4】一実施形態による、使用時の開いた配置の、ディスペンサ付きの真菌反応体を備えた生分解性使い捨ておむつの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。これらの図面および以下の説明では、同じまたは類似の要素を表すのに、可能な限り同じ参照番号を使用する。いくつか実施形態がここに記載され得るが、それらの修正形態、適応形態、および他の実装形態が可能である。例えば、図面に示された要素に対して置換、追加、または変更を行うことができ、本明細書に記載の方法に対しては、段階を置換、並べ替え、またはその開示の方法に追加することによって変更を行うことができる。したがって、以下の詳細な説明は、特許請求する主題を限定するものではない。その代わり、特許請求する主題の正確な範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0011】
特許請求する主題は、従来通り排泄物を吸収または閉じ込めて外側の衣服や外部環境の汚れを防止するという役目を果たしながら、生分解性が向上した改良型の生分解性使い捨ておむつを提供することにより、従来技術を改善する。本出願人が特許請求する実施形態はさらに、インスタントおむつの生分解性を速めるだけでなく、埋め立て地またはゴミ捨て場においてそのおむつの近傍にある他のプラスチックゴミの生分解性も高めるシステムを実装することにより、使い捨ておむつの従来技術の問題に対処する。倫理的な観点からは、特許請求する各実施形態は、排泄物の分解を速めて環境の助けとなる環境に優しい特徴を提供する。実用的な観点からは、特許請求する各実施形態は、埋め立て地およびゴミ捨て場の排泄物の量を減らし、温室効果ガスの量を減らす。
【0012】
次に、特許請求する主題を、図面を参照して説明する。図1は、一実施形態による、真菌反応体を備えた生分解性使い捨ておむつである生分解性使い捨ておむつ101の部分分解斜視図である。生分解性使い捨ておむつ101は、内層102または上部シートを含む。この内層102は乳児の皮膚に隣接して位置し、排泄物流体と接触する最初の層として機能する。内層102は、子供の皮膚を刺激したり傷つけたりしない柔らかい不織布で構成され得る。内層102は、尿や糞便液などの排泄物流体と、糞便などの固形物が次の層すなわち中間層へと通過することを可能にする。
【0013】
次に、生分解性使い捨ておむつ101は中間層104を含む。中間層104は、内層102を通過した排泄物液を吸収し保持するための高吸収性ポリマーを含む。中間層104は、上記流体を吸収し保持する吸収性コア103を含み得る。吸収性コア103は、木材パルプ繊維またはトウモロコシ/小麦ベースの材料から作られた、綿毛状物で構成され得る。吸収性コア103はまた、上記綿毛状物が上記流体を分散させる働きをするようにその綿毛状物全体に分布する高吸収性ポリマー結晶を含み得る。高吸収性ポリマー結晶(スラッシュパウダとも呼ばれる)とは、それ自体の質量に対して非常に大量の液体を吸収、保持できる吸水性ポリマーである。高吸収性ポリマー結晶は上記流体を吸収し、それを着用者または乳児から離れたコアに固定するためのものである。中間層104はさらに、層103と層106との間に位置する1つまたは複数の通気性フィルム105、107を含み得る。
【0014】
生分解性使い捨ておむつ101はさらに、不透水膜および防水性の外層106を含む。外層106は固体、液体、または気体を通過させない。外層106は、石油ベースのプラスチックまたはプラスチック加工された材料で構成され得る。あるいは、外層106は、植物ベースのプラスチック(バイオプラスチックなど)で構成され得る。外層106はまた、おむつの漏れを防止するための流体バリアとして機能するフィルムバリアを含み得る。
【0015】
生分解性使い捨ておむつ101はさらに、おむつを着用者の脚の周りにぴったりとフィットさせるための弾性要素111と、おむつを所定の位置に固定するために必要な固定具112とを含み得る。上記弾性要素は、通常、ポリウレタン、ポリエステル発泡体の弾性体、または合成ゴムもしくはエラスチン(ポリエーテル-ポリ尿素共重合体)の弾性体である。エラスチン弾性体は柔らかく、非常に効率的であり得る。この弾性体は、ちぎれるまでに元の長さの400%も伸びることができる。上記弾性体は、着用者の太ももとヒップによりよくフィットするように、おむつのレッグカフ領域と、ウエストの近傍にも使用され得る。上記弾性体はまた、おむつの固定区画に弾性をもたらすために、おむつのサイドパネルのところと、固定テープ領域の近傍にも使用され得る。おむつに使用される固定具テープは、面ファスナタイプの固定具であっても、粘着テープタイプの固定具であってもよい。面ファスナタイプタイプの固定具は優れた機械的グリップ力をもたらし、それによって強力に閉じ合わせることが可能になる。粘着テープタイプの固定具は、通常、粘着性のあるポリプロピレンの側面テープでできており、この側面テープはポリプロピレンの正面テープに閉じ合わせられる。生分解性使い捨ておむつはさらに、おむつの層の1つに埋め込まれた真菌反応体を含み得る。
【0016】
図2は、一実施形態による、閉じた配置の、真菌反応体100を備えた生分解性使い捨ておむつの斜視図である。図2は、カプセル210がおむつ101のヒップ領域に取り付けられ得ることを示している。このおむつ101は、使用者に着用された場合と同様に閉じられている。カプセル210は、小売り吊り下げタグにしばしば使用されるように、接着剤またはプラスチック・スナップ・ループを使用しておむつに取り付けられ得る。カプセル210は脆く、手の力で容易に壊れるように構成され得る。カプセル210は、その中に材料または物質202を含み得る。物質202は、増殖のために排泄物を使用するように、かつ埋め立て地またはゴミ捨て場などの処分環境で生分解性使い捨ておむつを分解するように構成される。尚、このおむつは完全に生分解性であり得る。つまり、おむつの100%、おむつ全体、またはおむつのあらゆる面およびあらゆる要素が生分解性である。材料または物質202は、菌糸体、真菌の胞子および/または酵素を含み得る。菌糸体は、枝分かれした糸状の菌糸の塊で構成された、真菌または真菌に類似した細菌のコロニーの栄養部である。この菌糸体を通して、真菌はその環境から栄養素を吸収する。胞子は、しばしば長期間にわたる、好ましくない条件下での分散および生き残りに適合し得る有性または無性生殖の単一体である。胞子は真菌のライフサイクルの一部である。典型的な単一の真菌胞子は、有性生殖できない単核菌糸体に発生する。適合性を有する2つの単核菌糸体が結合し二核菌糸体を形成すると、その菌糸体はキノコなどの子実体を形成し得る。菌糸体は、微小で、小さすぎて見ることができないコロニーを形成することもあれば、増殖して大きなサイズになることもある。酵素は、化学反応を加速する生物学的触媒、別名生体触媒として機能するタンパク質である。
【0017】
菌糸体および/または真菌胞子は、おむつ内の排泄物(糞便および/または尿など)を増殖の燃料として利用するように構成され、次いで上記菌糸体および/または真菌胞子は、おむつが埋め立て地またはゴミ捨て場にあるときにおむつを分解するように構成される。上記菌糸体および/または真菌胞子はさらに、埋め立て地またはゴミ捨て場でおむつの周囲またはおむつの近傍にあるプラスチックおよびその他の材料を分解するように構成される。酵素もまた、おむつが埋め立て地またはゴミ捨て場にあるときにおむつを分解するように、ならびに埋め立て地またはゴミ捨て場でおむつの周囲またはおむつの近傍にあるプラスチックおよびその他の材料を分解するように構成される。
【0018】
菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含み得る材料または物質202は、ビーズの形、あるいは上記材料または物質を付着させた布の形(封入されたペレットの形)、あるいは粉末の形をとり得る。この粉末は支持体に付着させられる場合も、付着させられない場合もある。一実施形態では、材料または物質202はおむつ100に埋め込まれる。
【0019】
図2はまた、カプセル210が、その中から材料または物質202を落とせるように、容易に壊され得ることを示している。おむつ100は、以下の方法で使用されるように構成される。つまり、おむつ101が汚れた後で処分される前に、カプセル210が壊され、材料または物質202が、おむつ内の排泄物または流体と反応し得るようにおむつの内部に付着される。その後、おむつは処分され得る。
【0020】
図2はまた、パケット220がおむつ101に結合され得る、またはその他の方法で関連付けられ得ることを示している。パケット220は、小売り吊り下げタグにしばしば使用されるように、接着剤またはプラスチック・スナップ・ループを使用しておむつに取り付けられ得る。パケット220は、手の力で容易に裂かれるように構成され得る。パケット220は、その中に材料または物質202を含み得る。
【0021】
図2は、パケット220が、その中から材料または物質202を落とせるように、容易に裂かれ得ることを示している。おむつ100は、以下の方法で使用されるように構成される。つまり、おむつ101が汚れた後で処分される前に、パケット220が壊され、材料または物質202が、おむつ内の排泄物または流体と反応し得るようにおむつの内部に付着される。その後、おむつは処分され得る。
【0022】
図3は、一実施形態による、開いた配置の、ディスペンサ302付きの真菌反応体100を備えた生分解性使い捨ておむつの斜視図である。図3はまた、ディスペンサ302がおむつ101に結合され得ること、またはその他の方法で関連付けられ得ることを示している。このおむつ101は、おむつの使用後と同様に開かれている。ディスペンサ302は、小売り吊り下げタグにしばしば使用されるように、接着剤またはプラスチック・スナップ・ループを使用しておむつに取り付けられ得る。ディスペンサ302は、容器308と、上面304と、この上面に複数の孔306を備え得る。容器308は、その中に材料または物質202を含み得る。
【0023】
図4は、一実施形態による、使用時の開いた配置の、ディスペンサ302付きの生分解性使い捨ておむつ100の斜視図である。図4は、ディスペンサ302が、その中から材料または物質202を落とせるように、おむつ101上で振られる、または動かされ得ることを示している。任意選択で、上記ディスペンサは打撃で作動し得る。その際ディスペンサのボタンがクリックされ、ペレットが放出される。おむつ100は、以下の方法で使用されるように構成される。つまり、おむつ101が汚れる前または汚れた後で処分される前に、ディスペンサ302がおむつの上で振られ、材料または物質202が、おむつ内の排泄物または体液と反応し得るようにおむつの内部に付着される。その後、おむつは処分され得る。
【0024】
さらに、菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含む物質が開示される。上記物質は、増殖のために排泄物を使用するように、かつ処分環境で生分解性使い捨ておむつを分解するように構成され、上記おむつ上に処分時に付着するように構成される。上記物質は、特に、複数の菌糸体ビーズ、菌糸体が付着した布、または粉末状の菌糸体を含み得る。
【0025】
特許請求する実施形態のうちの特定の実施形態をここに開示したが、それらの特定の実施形態に対して、特許請求する実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなしに変更を加えることができることを当業者なら理解するであろう。したがって、特許請求する実施形態の範囲を、上記特定の実施形態に限定すべきではない。さらに、特許請求する実施形態の範囲に含まれるそのような応用形態、修正形態、および実施形態は全て、添付の特許請求の範囲に包含されるよう意図されている。
【0026】
上記では、本明細書の実施形態について、例えばその実施形態によるデバイスおよび装置の図を参照して説明している。説明は特定の実施形態について行なっているが、他の実施形態が存在してもよい。特許請求する主題を、構造的特徴に特有の言葉を用いて説明しているが、この主題の定義は添付の特許請求の範囲によってなされ、上記の特定の特徴または動作に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴および動作は、添付の特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示している。
【符号の説明】
【0027】
100 真菌反応体、生分解性使い捨ておむつ
101 生分解性使い捨ておむつ
102 内層
103 吸収性コア
104 中間層
105 通気性フィルム
106 外層
107 通気性フィルム
111 弾性要素
112 固定具
202 菌糸体、真菌胞子および/または酵素を含み得る材料または物質
210 カプセル
220 パケット
302 ディスペンサ
304 ディスペンサの上面
306 上面の孔
308 ディスペンサの容器

図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】