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特開2024-46578複数個のステータモジュールを有するモータ及びその駆動方法
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  • 特開-複数個のステータモジュールを有するモータ及びその駆動方法 図1
  • 特開-複数個のステータモジュールを有するモータ及びその駆動方法 図2
  • 特開-複数個のステータモジュールを有するモータ及びその駆動方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046578
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】複数個のステータモジュールを有するモータ及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 25/02 20160101AFI20240327BHJP
   H02P 25/16 20060101ALI20240327BHJP
   H02K 16/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H02P25/02
H02P25/16
H02K16/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026740
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】111135942
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】597149629
【氏名又は名称】建準電機工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunonwealth Electric Machine Industry Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100221752
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 雅与
(72)【発明者】
【氏名】簡 ▲ウェイ▼謙
(72)【発明者】
【氏名】洪 慶昇
【テーマコード(参考)】
5H505
【Fターム(参考)】
5H505BB06
5H505DD03
5H505FF01
5H505HB05
5H505LL41
5H505MM12
5H505PP02
(57)【要約】
【課題】従来のモータの感知ユニットが故障して起動できない問題点を解決する、複数個のステータモジュールを有するモータ及びその駆動方法を提供する。
【解決手段】複数個のステータモジュール、制御ユニットとロータを含み、それぞれのステータモジュールはそれぞれ駆動回路を有し、それぞれの駆動回路はそれぞれのステータモジュールの複数個のコイルに電気的に接続し、制御ユニットは複数個の駆動回路それぞれにカップリング接続し、制御ユニットはステータモジュールの内の一個を起動ユニットと指定し、その他のそれぞれのステータモジュールを移行ユニットと指定し、ロータは少なくとも一個の磁気ユニットを有し、少なくとも一個の磁気ユニットは複数個のステータモジュールの複数個のコイルに対応し、起動ユニットによってロータが回転を開始するように駆動し、そして複数個の移行ユニットは起動ユニットの位相変化に基づいてロータを駆動する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のステータモジュール、制御ユニットとロータを含み、
複数個のステータモジュールは着脱自在にモータステータとして組み立てられ、各ステータモジュールはそれぞれ駆動回路を有し、それぞれの駆動回路はそれぞれのステータモジュールの複数個のコイルに電気的に接続し、
制御ユニットは複数個の駆動回路それぞれにカップリング接続し、制御ユニットはステータモジュールの内の一個を起動ユニットに指定し、その他のそれぞれのステータモジュールを移行ユニットに指定し、
ロータは少なくとも一個の磁気ユニットを有し、少なくとも一個の磁気ユニットは複数個のステータモジュールの複数個のコイルに対応し、起動ユニットによってロータが回転を開始するように駆動し、そして複数個の移行ユニットは起動ユニットの位相変化に基づいてロータを駆動することを特徴とする複数個のステータモジュールを有するモータ。
【請求項2】
制御ユニットは駆動回路を通じて起動ユニットの起電力信号を受け取ることを特徴とする請求項1に記載の複数個のステータモジュールを有するモータ。
【請求項3】
さらに、制御ユニットにカップリング接続される感知モジュールを含み、感知モジュールはロータの移動によって生じる磁場変化を感知することを特徴とする請求項1に記載の複数個のステータモジュールを有するモータ。
【請求項4】
感知モジュールは複数個の感知ユニットを有し、複数個の感知ユニットはステータモジュールの内の一個に位置し、それぞれの感知ユニットはホールセンサであることを特徴とする請求項3に記載の複数個のステータモジュールを有するモータ。
【請求項5】
複数個のステータモジュールを有するモータに応用される駆動方法であって、下記のステップを含み、
制御ユニットは一個のステータモジュールを起動ユニットに指定し、その他の複数個のステータモジュールを移行ユニットに指定し、
制御ユニットは起動ユニットが正常に作動するか否かを判断し、仮に起動ユニットは正常に作動できないと判断する場合、制御ユニットは移行ユニットの内の一個を新たな起動ユニットに指定し、さらに判断を改めて行い、
仮に起動ユニットが正常に作動できると判断する場合、制御ユニットは起動ユニットの位相変化を切り換えることにより、一個のロータは起動ユニットに対して回転し、そしてその他の複数個の移行ユニットは起動ユニットの位相変化に基づいて作動することにより、ロータはそれぞれ複数個のステータモジュールとの間に同期トルクを生じさせることを特徴とする駆動方法。
【請求項6】
起動ユニットは正常に動作できない時、制御ユニットは移行ユニットの内の一個を新たな起動ユニットにランダムに指定することを特徴とする請求項5に記載の駆動方法。
【請求項7】
起動ユニットは正常に動作できない時、制御ユニットは所定の順序に基づいて移行ユニットの内の一個を新たな起動ユニットに指定することを特徴とする請求項5に記載の駆動方法。
【請求項8】
制御ユニットは起動ユニットの起電力信号に基づき、起動ユニットは正常に作動できるか否かを判断し、さらにロータの回転位置を知り得ることを特徴とする請求項5に記載の駆動方法。
【請求項9】
制御ユニットは感知モジュールを通じてロータの位置変化を感知することを特徴とする請求項5に記載の駆動方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動メカニズムに関するもので、特に複数個のステータを同期に起動させることができ、かつ、感知ユニットまたはいずれかのステータが故障した場合でも依然として作動できる複数個のステータモジュールを有するモータ、及びその駆動方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のモータは、ステータ、ロータと駆動回路を有し、ステータには異なる位相のコイルが巻線され、駆動回路は位相変化に基づいて順番に電流を位相の異なるコイルに導入することにより、ロータを回転駆動させるものである。また、従来のモータは、ロータの回転により生じる磁場の変化を感知モジュールを通じて感知することにより、ロータの回転位置と回転速度を判断し、さらに位相の情報として転換し、駆動回路に提供することで位相の切り換えを行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾第I675544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、感知モジュールに故障が生じて正確な感知データを提供できない場合、またはステータのいずれかのコイルが断線して電流を流せない場合、ステータはロータに対して安定したトルクを提供することができないため、モータの回転効率が低下し、かつ不安定になり、さらにはモータが停止してしまう。このため、従来のモータを使用している車両や設備では、このように突然に動力を失うことにより、交通事故の発生や設備損壊のおそれがあるという問題点があった。
【0005】
これらの問題を解決すべく、従来のモータのさらなる改善が求められている。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第一の目的は、感知モジュールまたはいずれかのステータモジュールに故障が生じた場合であっても動作を維持することができる、複数個のステータモジュールを有するモータを提供することにある。
【0007】
本発明の第二の目的は、同じ位相に基づいて安定して回転することができる、複数個のステータモジュールを有するモータを提供することにある。
【0008】
本発明の第三の目的は、モータの感知ユニットまたはいずれかのステータが故障した場合でも、依然としてモータを駆動することができるモータの駆動方法を提供することにある。
【0009】
本発明の第四の目的は、モータの作業効率を高めることができるモータの駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の明細書全文にわたって記載される部品と部材について「一つ」または「一個」の助数詞を用いるのは、ただ便利上、用いるだけのものであり、そして本発明の範囲における通常の意義を提供するものであって、本発明においては一個または少なくとも一個を含むものであると読み取るべきである。また、線分の概念についても、明らかにその他の意味を表すものは除き、複数の情況を含むものである。
【0011】
本発明の全文において、「カップリング(Coupling)接続」は、二つの物件の間でエネルギーが伝送できる状態を指すものである。例えば、金属線を通じて電気的に接続された二つの回路は電流の信号を伝送することができ、または、光ファイバーで接続して光情報等を伝送できることは、本発明に属する技術分野でにおける通常の知識を有する者には理解できるものである。
【0012】
本発明の複数個のステータモジュールを有するモータは、複数個のステータモジュール、制御ユニットとロータを含み、複数個のステータモジュールは着脱自在にモータステータとして組み立てられ、各ステータモジュールはそれぞれ駆動回路を有し、それぞれの駆動回路はそれぞれのステータモジュールの複数個のコイルに電気的に接続し、制御ユニットは複数個の駆動回路それぞれにカップリング接続し、制御ユニットはステータモジュールの内の一個を起動ユニットに指定し、その他のそれぞれのステータモジュールを移行ユニットに指定し、ロータは少なくとも一個の磁気ユニットを有し、少なくとも一個の磁気ユニットは複数個のステータモジュールの複数個のコイルに対応し、起動ユニットによってロータが回転を開始するように駆動し、そして複数個の移行ユニットは起動ユニットの位相変化に基づいてロータを駆動する。
【0013】
本発明のモータの駆動方法は、複数個のステータモジュールを有するモータに応用されるもので、下記のステップを含み、制御ユニットは一個のステータモジュールを起動ユニットに指定し、その他の複数個のステータモジュールを移行ユニットに指定し、制御ユニットは起動ユニットが正常に作動するか否かを判断し、仮に起動ユニットは正常に作動できないと判断する場合、制御ユニットは移行ユニットの内の一個を新たな起動ユニットに指定し、さらに判断を改めて行い、仮に起動ユニットが正常に作動できると判断する場合、制御ユニットは起動ユニットの位相変化を切り換えることにより、一個のロータは起動ユニットに対して回転し、そしてその他の複数個の移行ユニットは起動ユニットの位相変化に基づいて作動することにより、ロータはそれぞれ複数個のステータモジュールとの間に同期トルクを生じさせる。
【0014】
これにより、本発明の複数個のステータモジュールを有するモータ及びその駆動方法は、ステータモジュールの内の一個を起動ユニットに指定することにより、感知ユニットを使用しない場合または感知ユニットが故障した場合でも、起動ユニットによって全てのステータモジュールに同期トルクが生じるのを導引することができるため、モータのロータが起動して安定した回転速度を維持することができ、さらにモータの感知ユニットまたはいずれかのステータが故障した場合でも、依然として駆動されて作動することができるため、モータの作業効率や使用の安全性を高め、そしてモータの構造を簡単化にすることができる。
【0015】
また、制御ユニットは駆動回路を通じて起動ユニットの起電力信号を受け取ることで、制御ユニットは起電力信号に基づいてロータの回転位置と回転速度を判断することができるため、ホールセンサを使用することなく、モータの構造とその駆動方式を簡略化にすることができる。
【0016】
また、さらに、制御ユニットにカップリング接続される感知モジュールを含み、感知モジュールはロータの移動によって生じる磁場変化を感知する。これにより、制御ユニットは感知モジュールを通じてロータの回転位置と回転速度を判断することができ、さらにステータモジュールの位相の切り換えの制御に用いることができるため、モータを回転駆動させるとともに、回転速度を安定化させることができる。
【0017】
また、感知モジュールは複数個の感知ユニットを有し、複数個の感知ユニットはステータモジュールの内の一個に位置し、それぞれの感知ユニットはホールセンサである。このように、感知ユニットは磁場変化を通じてロータの磁気ユニットの位置を感知することができるため、コイルの電流に干渉することなく、感知の転換効率を高めることができる。
【0018】
また、起動ユニットが正常に動作できない時、制御ユニットは移行ユニットの内の一個を新たな起動ユニットにランダムに指定する。このように、制御ユニットは代わりとなるステータモジュールを迅速に決定することができるため、制御の過程を簡略化にするとともに、モータを迅速に駆動させることができる。
【0019】
また、起動ユニットが正常に動作できないとき、制御ユニットは所定の順序に基づいて移行ユニットの内の一個を新たな起動ユニットに指定する。このように、所定の順序に従って故障したステータモジュールを標記することができるため、故障したステータモジュールを簡単にメンテナンスすることができる。
【0020】
また、制御ユニットは起動ユニットの起電力信号に基づき、起動ユニットが正常に作動できるか否かを判断し、さらにロータの回転位置を知り得る。このように、起動ユニットのコイルは磁気誘導を受けて起電力が生じたか否かを感知することにより、起動ユニットが故障したか否かを判断することができるため、起動ユニットを選択してモータが安定して動作するのを導引することができる。
【0021】
また、制御ユニットは感知モジュールを通じてロータの位置変化を感知する。このように、感知モジュールを通じてロータの回転位置と回転速度を判断することができ、さらにステータモジュールの位相の切り換えの制御に用いることができるため、モータを回転駆動させるとともに、回転速度を安定化にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例のモータの組み立てられた状態を示す模式図である。
図2】本発明の実施例のモータの制御メカニズムの模式図である。
図3】本発明の実施例の駆動方法のフロー図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の上記及び他の目的、特徴と利点をさらに明らかとし、且つ分かり易くするべく、下記のとおり本発明の実施例について、図面を参照して詳しく説明する。なお、異なる図面において同じ符号を付したものは同じものとみなし、その説明を省く。
【0024】
図1、2は本発明の複数個のステータモジュールを有するモータの実施例であり、モータは複数個のステータモジュール1、制御ユニット2とロータ3を含む。制御ユニット2はそれぞれ複数個のステータモジュール1にカップリング接続し、複数個のステータモジュール1は組み立てられてロータ3の外周縁を取り囲み、このようにインナーロータ型モータを形成することができる。また、ロータ3が複数個のステータモジュール1を取り囲んでアウターロータ型モータを形成することもでき、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
それぞれのステータモジュール1は駆動回路11及び複数個のコイル12を含む。駆動回路11は複数個のコイル12に電気的に接続し、そしてそれぞれの駆動回路11により異なる位相の複数個のコイル12が通電するのを順番に切り換えることができる。本実施例においては六個のステータモジュール1を有し、そして着脱自在に一個の三相モータステータとして組み立てることができる。また、それぞれのステータモジュール1は、それぞれ三個の位相に分けられた六個のコイル12を有し、六個のコイル12はそれぞれ等間隔で配列する六個の磁極ポストに巻線されることにより、同じ位相の二個のコイル12の間に二個の磁極ポストを隔てる。
【0026】
制御ユニット2はそれぞれ複数個の駆動回路11にカップリング接続し、制御ユニット2がステータモジュール1の内の一個を起動ユニット1aに指定し、さらに他のステータモジュール1をそれぞれ移行ユニット1bに指定する。制御ユニット2はモータの動作状況に基づいて、起動ユニット1aの駆動回路11が位相の切り換えを行い、さらに他の複数個の移行ユニット1bが起動ユニット1aの位相変化に基づいて作動するように制御することができる。また、元の起動ユニット1aに故障が生じた時、制御ユニット2は故障した起動ユニット1aを停止させ、さらに移行ユニット1bの内の一個を新たな起動ユニット1aに指定することができる。制御ユニット2は駆動回路11の内の一個に位置することができ、または、制御ユニット2は一個の独立した回路板に設置することもでき、回路板はモータステータに結合し、またはモータの外部に設置することができ、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
ロータ3は少なくとも一個の磁気ユニット31を有し、少なくとも一個の磁気ユニット31に複数個の磁極を形成することができ、複数個の磁極と複数個のステータモジュール1の複数個のコイル12は相対して一個のエアギャップを隔てるように形成され、複数個の磁極はN、S極が交互にそれぞれのステータモジュール1を向くように形成される。それぞれのステータモジュール1の複数個のコイル12は、規律的かつ一致した位相変化で通電されることで、ロータ3は安定した電磁力の駆動を受けて回転することができる。
【0028】
また、制御ユニット2は起動ユニット1aの駆動回路11を通じて一個の起電力信号を受け取ることができる。起電力信号は起動ユニット1aのコイル12が磁場の影響を受けることによって生じた誘導起電力の変化であり、制御ユニット2は起電力信号に基づいてロータ3の回転位置と回転速度を判断することができ、さらに起動ユニット1aの位相の切り換えの制御に用いることができる。
【0029】
他に、図1に示されるように、本発明の複数個のステータモジュールを有するモータはさらに感知モジュール4を有することができ、感知モジュール4は制御ユニット2にカップリング接続し、感知モジュール4は複数個の感知ユニット41を有することができる。それぞれの感知ユニット41はホールセンサ(Hall Sensor)であっても良い。、複数個の感知ユニット41はステータモジュール1の内の一個に位置することができる。ロータ3がステータモジュール1及び複数個の感知ユニット41に対して回転する時、感知モジュール4は少なくとも一個の磁気ユニット31のN、S磁極が順番に通過して生じた磁場変化を感知することができるため、制御ユニット2は感知モジュール4を通じてロータ3の回転位置と回転速度を判断することができ、さらに起動ユニット1aの位相の切り換えの制御に用いることができる。
【0030】
図3は本発明の複数個のステータモジュールを有するモータの駆動方法の実施例であり、下記のステップを含む。制御ユニット2は複数個のステータモジュール1から一個のステータモジュール1を選択して起動ユニット1aに指定し、その他の複数個のステータモジュール1は制御ユニット2によって移行ユニット1bに指定される。モータを起動する前、またはモータの動作過程において、制御ユニット2は起動ユニットが正常に作動できるか否かを判断し、仮に起動ユニット1aが正常に作動できないと判断する場合、制御ユニット2は故障した起動ユニット1aを停止させ、そして新たに移行ユニット1bの内の一個を新たな起動ユニット1aに指定することができる。制御ユニット2は、選択される起動ユニット1aが正常に作動するまで、選択される起動ユニット1aが正常か否かを繰り返し判断し、これによって制御ユニット2は起動ユニット1aの位相変化の切り換えを開始することにより、ロータ3は起動ユニット1a対して回転し、そしてその他の複数個の移行ユニット1bは起動ユニット1aの位相変化に基づいて作動することにより、ロータ3はそれぞれ複数個のステータモジュール1との間に同期トルクを生じさせる。
【0031】
制御ユニット2は元の起動ユニット1aが正常に作動できないと判断する場合、制御ユニット2はその他の複数個のステータモジュール1(元の複数個の移行ユニット1b)の中から、ランダムな方式でその内の一個を選択して新たな起動ユニット1aに指定することができる。また、制御ユニット2は複数個のステータモジュール1の配列順序を予め決めることができ、初期の段階において制御ユニット2は第一順位に指定されるステータモジュール1を選択して起動ユニット1aに指定し、駆動の過程において仮に第一順位のステータモジュール1が故障すると、制御ユニット2は順序に従って第二順位のステータモジュール1を次の起動ユニット1aとして選択し、これに従って順次に行うことができる。また、複数個のステータモジュール1の配列方式として、逆時計回りまたは時計回りによる直接配列であっても良く、或いは間接配列であっても良く、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
制御ユニット2が起動ユニット1aの位相変化を切り換える時、制御ユニット2はさらに感知モジュール4を通じてロータ3の回転位置と回転速度を感知することができ、制御ユニット2はロータ3の位置変化に基づいて起動ユニット1aの位相を調整し、さらにその他の複数個の移行ユニット1bが起動ユニット1aの位相変化に従うように制御することができ、これにより、ロータ3が受けたトルクを安定化させてモータの回転効率を高めることができる。
【0033】
以上により、本発明の複数個のステータモジュールを有するモータ及びその駆動方法によれば、ステータモジュールの内の一個を起動ユニットに指定することにより、感知ユニットを使用しない場合または感知ユニットが故障する場合でも、起動ユニットによって全てのステータモジュールに同期トルクが生じるのを導引することができるため、モータのロータが起動して安定した回転速度を維持することができ、さらにモータの感知ユニットまたはいずれかのステータが故障した場合でも、依然として駆動されて作動することができるため、モータの作業効率を増やし、モータの使用の安全性を高め、そしてモータの構造を簡略化にすることができる。
【0034】
本発明は、すでに上述した好ましい実施例に限定されるものではなく、この技術を熟知した者が本発明の精神と範囲を逸脱しない限り、上述した実施例に対応して各種の変更や修正を行っても依然として本発明によって保護される技術範疇に属するものであるため、本発明の保護範囲は当然として添付の特許の請求範囲に記載される意義と均等な範囲内における変更を含むべきものである。
【符号の説明】
【0035】
1 ステータモジュール
1a 起動ユニット
1b 移行ユニット
11 駆動回路
12 コイル
2 制御ユニット
3 ロータ
31 磁気ユニット
4 感知モジュール
41 感知ユニット
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のステータモジュールを有するモータに応用される駆動方法であって、下記のステップを含み、
制御ユニットは一個のステータモジュールを起動ユニットに指定し、ステータモジュールの駆動回路は複数個のコイルに電気的に接続し、それぞれの駆動回路により異なる位相の複数個のコイルが通電するのを順番に切り換え、
制御ユニットは起動ユニットの駆動回路を通じて一個の起電力信号を受け取り、起電力信号は起動ユニットのコイルが磁場の影響を受けることによって生じた誘導起電力の変化であり、
制御ユニットは起動ユニットの起電力信号に基づき、起動ユニットは正常に作動できるか否かを判断し、さらにロータの回転位置を知り得、
制御ユニットはその他の複数個のステータモジュールを移行ユニットに指定し、さらに他の複数個の移行ユニットが起動ユニットの位相変化に基づいて作動するように制御し、
制御ユニットは仮に起動ユニットは正常に作動できないと判断する場合、制御ユニットは移行ユニットの内の一個を新たな起動ユニットに指定し、さらに判断を改めて行い、
仮に起動ユニットが正常に作動できると判断する場合、制御ユニットは起動ユニットの位相変化を切り換えることにより、ロータは起動ユニットに対して回転することにより、ロータはそれぞれ複数個のステータモジュールとの間に同期トルクを生じさせることを特徴とする駆動方法。
【請求項2】
起動ユニットは正常に動作できない時、制御ユニットは移行ユニットの内の一個を新たな起動ユニットにランダムに指定することを特徴とする請求項に記載の駆動方法。
【請求項3】
起動ユニットは正常に動作できない時、制御ユニットは所定の順序に基づいて移行ユニットの内の一個を新たな起動ユニットに指定することを特徴とする請求項に記載の駆動方法。
【請求項4】
制御ユニットは感知モジュールを通じてロータの位置変化を感知することを特徴とする請求項に記載の駆動方法。