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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004658
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス、及び、プロテクタ
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20240110BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240110BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240110BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H02G3/04 087
B60R16/02 623T
H01R13/52 B
H01B7/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104377
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596002767
【氏名又は名称】トヨタ自動車九州株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 光利
(72)【発明者】
【氏名】豊田 竜平
(72)【発明者】
【氏名】藤森 隆好
(72)【発明者】
【氏名】中地 祐介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏幸
【テーマコード(参考)】
5E087
5G309
5G357
【Fターム(参考)】
5E087FF12
5E087LL02
5E087LL17
5E087MM08
5E087RR12
5G309AA11
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
5G357DD10
5G357DE03
5G357DE08
(57)【要約】
【課題】作業性を向上することができるワイヤハーネス、及び、プロテクタを提供することを目的とする。
【解決手段】ワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材Wと、内部に配索材Wが挿通される外装材(例えば、コルゲートチューブC)と、配索材Wに外装されるプロテクタ1とを備え、プロテクタ1は、壁部により形成された収納空間部10Sに配索材Wが挿通される本体部10と、当該収納空間部10S内に形成され、コルゲートチューブCが収納空間部10Sに挿入された状態で、当該コルゲートチューブCの挿入端部よりも外側に位置する段差部100と、当該段差部100に設けられ、コルゲートチューブCの挿入方向Xに対して傾斜する傾斜部分200とを有することを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する配索材と、
内部に前記配索材が挿通される外装材と、
前記配索材に外装されるプロテクタとを備え、
前記プロテクタは、
壁部により形成された収納空間部に前記配索材が挿通される本体部と、
当該収納空間部内に形成され、前記外装材が前記収納空間部に挿入された状態で、当該外装材の挿入端部よりも外側に位置する段差部と、
当該段差部に設けられ、前記外装材の挿入方向に対して傾斜する傾斜部分とを有することを特徴とする、
ワイヤハーネス。
【請求項2】
前記傾斜部分は、前記挿入方向に沿って形成される複数のリブを含んで構成され、
前記複数のリブは、前記挿入方向と交差する方向に沿って間隔を空けて配置され、当該間隔は、前記外装材の外径よりも小さい、
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記配索材の端部に設けられ、前記本体部に組み付けられるコネクタと、
前記コネクタに装着され、前記外装材の端部を保持可能なコネクタカバーとを備える、
請求項1または2に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
壁部により形成された収納空間部に導電性を有する配索材が挿通される本体部と、
当該収納空間部内に形成され、内部に前記配索材が挿通される外装材が前記収納空間部に挿入された状態で、当該外装材の挿入端部よりも外側に位置する段差部と、
当該段差部に設けられ、前記外装材の挿入方向に対して傾斜する傾斜部分とを有することを特徴とする、
プロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス、及び、プロテクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、導電性を有する配索材が挿通されるベース部材と、当該ベース部材に組み付けられる蓋とを含んで構成されるワイヤハーネス用プロテクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-197659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載のプロテクタは、ベース部材に配索材を挿通させた後に、当該ベース部材に蓋を組み付けるものであるが、仕様によっては、蓋を組み付けた後に、外装材(例えば、コルゲートチューブ)の端部を挿入させることで、ベース部材に挿通された配索材に外装材を取り付ける場合がある。このような場合に、プロテクタは、例えば、プロテクタの内部に段差が形成されている場合であっても、作業性よく外装材を取り付けることができることが望まれている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、作業性を向上することができるワイヤハーネス、及び、プロテクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、導電性を有する配索材と、内部に前記配索材が挿通される外装材と、前記配索材に外装されるプロテクタとを備え、前記プロテクタは、壁部により形成された収納空間部に前記配索材が挿通される本体部と、当該収納空間部内に形成され、前記外装材が前記収納空間部に挿入された状態で、当該外装材の挿入端部よりも外側に位置する段差部と、当該段差部に設けられ、前記外装材の挿入方向に対して傾斜する傾斜部分とを有することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るプロテクタは、壁部により形成された収納空間部に導電性を有する配索材が挿通される本体部と、当該収納空間部内に形成され、内部に前記配索材が挿通される外装材が前記収納空間部に挿入された状態で、当該外装材の挿入端部よりも外側に位置する段差部と、当該段差部に設けられ、前記外装材の挿入方向に対して傾斜する傾斜部分とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るワイヤハーネス、及び、プロテクタは、作業性を向上することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るプロテクタが適用されるワイヤハーネスの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るプロテクタが適用されるワイヤハーネスの概略構成を表す分解斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るプロテクタの上面図である。
図4図4は、実施形態に係るプロテクタの挿入方向に沿った断面図である。
図5図5は、実施形態に係るプロテクタの組み付け時の動作について説明する断面図である。
図6図6は、実施形態に係るプロテクタの組み付け時の動作について説明する断面図である。
図7図7は、実施形態に係るプロテクタの組み付け時の動作について説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
図1図2に示すワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の配索材Wを各装置に接続するようにしたものである。
【0012】
ワイヤハーネスWHは、図2に示すように、導電性を有する配索材Wと、内部に配索材Wが挿通される外装材としてのコルゲートチューブCと、配索材Wの端部に設けられるコネクタNと、コネクタNに装着されるコネクタカバーNAと、プロテクタ1とを備える。なお、ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、固定具等を含んで構成されてもよい。
【0013】
配索材Wは、例えば、導電性を有する複数の金属素線を束ねた芯線を、絶縁被覆部によって被覆した絶縁電線である。なお、配索材Wは、複数の絶縁電線を束ねたものであってもよい。また、配索材Wは、導電性を有する金属棒を絶縁被覆部によって被覆した絶縁金属棒であってもよい。
【0014】
コルゲートチューブCは、内部に挿通された配索材Wを保護するものである。コルゲートチューブCは、絶縁性を有する樹脂材料等によって、可撓性を有する筒状に形成される。また、コルゲートチューブCは、外表面に周方向に沿って円環状の凹凸部が形成され、当該凹凸部が延在方向(後述の挿入方向X)に沿って複数設けられた蛇腹形状をなしている(図2等を参照)。なお、コルゲートチューブCは、延在方向に沿って、内部に配索材Wを挿通させるためのスリットが形成されていてもよい。また、本実施形態では、外装材の例としてコルゲートチューブCを説明するが、外装材の種類は特に限定されない。
【0015】
コネクタNは、相手コネクタMに接続されることで、相手コネクタMとの間を電気的に接続することができるものである。コネクタNは、配索材Wの端部に設けられた端子を保持すると共に、相手コネクタMと嵌合することで、端子を介して当該配索材Wと相手コネクタMとを電気的に接続することができる。
【0016】
コネクタカバーNAは、コネクタNに装着された状態で、当該コネクタNから延びるコルゲートチューブCの端部と、コルゲートチューブCの内部に挿通された配索材Wとを収容し、保持するものである。また、コネクタカバーNAは、一方の端部がコネクタNに装着され、他方の端部にコルゲートチューブCが組み付けられることで、配索材Wの防水性を高めることができるものでもある。コネクタカバーNAは、絶縁性を有する樹脂材料等によって形成され、コネクタNに装着される際にコルゲートチューブCの凹凸部と噛み合う噛合部(図示省略)を有している。
【0017】
そして、プロテクタ1は、上記のようなコネクタNが組み付けられることで、コネクタNの基端部、コネクタNに装着されるコネクタカバーNA、及び、コルゲートチューブCを保持すると共に、コルゲートチューブCの内部に挿通された配索材Wを収納して保護するものである。プロテクタ1は、車両に固定されることで、配索材Wの配索経路を規制する部材として使用される。
【0018】
プロテクタ1は、絶縁性を有する樹脂材料等によって形成され、壁部(後述するベース部材20を形成する壁部20K、及び、カバー部材30を形成する壁部30K)により形成された収納空間部10Sに配索材Wが挿通される本体部10を備える。また、プロテクタ1は、収納空間部10S内に形成され、コルゲートチューブCが収納空間部10Sに挿入された状態で、当該コルゲートチューブCがまたがって配置される段差部100を含んで構成される。そして、本実施形態のプロテクタ1は、収納空間部10S内にコルゲートチューブCの端部をスムーズに挿入するための構造として、段差部100に傾斜部分200を設けたことで、作業性を向上することができる構成を実現したものである。以下、図1図7を参照してプロテクタ1の各構成について詳細に説明する。
【0019】
なお、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「挿入方向X」といい、第2方向を「幅方向Y」といい、第3方向を「高さ方向Z」という。挿入方向Xと幅方向Yと高さ方向Zとは、相互に直交する。挿入方向Xは、典型的には、プロテクタ1に対する配索材Wの配索方向、プロテクタ1に対するコルゲートチューブCの挿入方向、プロテクタ1の延在方向(長さ方向ともいう)、プロテクタ1の段差部100に設けられる傾斜部分200の延在方向等に相当する。また、幅方向Yは、典型的には、プロテクタ1の段差部100に設けられる傾斜部分200の幅方向等に相当する。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、プロテクタ1の各部が組み付けられた状態での方向として説明する。
【0020】
本体部10は、図1図2に示すように、配索材Wが挿通されるベース部材20と、ベース部材20に組み付けられ、当該ベース部材20に形成された高さ方向Zの開口を閉鎖するカバー部材30とを備えている。
【0021】
また、ベース部材20にカバー部材30が組み付けられることで、全体として挿入方向Xの両端部が開口した筒状に形成され、挿入方向Xの一方側に位置する挿通孔11と、他方側に位置する挿通孔12を有している。
【0022】
本実施形態の本体部10は、ベース部材20の内部に配索材Wが挿通された状態でカバー部材30が組み付けられる。また、本体部10は、配索材Wに取り付けられたコルゲートチューブCが挿通孔11側から挿入され、続いて、コネクタカバーNA、コネクタNが挿通孔11側から挿入されることで、その内部(後述する収納空間部10S)に各部を収容することができる。また、本体部10は、係止機構40を介してコネクタNの端部を係止することで、本体部10に対するコネクタNの位置を固定し、収納空間部10Sに各部を収容している状態を維持することができる。
【0023】
なお、収納空間部10Sは、ベース部材20を形成する壁部20Kと、ベース部材20に組み付けられるカバー部材30に形成され、ベース部材20の高さ方向Zの開口を覆う壁部30Kとによって囲われる空間部である(図2図5を参照)。
【0024】
また、係止機構40は、ベース部材20を形成する壁部(後述する側壁部21)に設けられる係止孔41と、図2等に示すコネクタNに、係止孔41に対応するように設けられる被係止片42とを含んで構成される。本体部10は、ベース部材20の係止孔41が、コネクタNの被係止片42に形成された突起部を係止することで、係止機構40を介してコネクタNを係止することができる(図4を参照)。
【0025】
続いて、ベース部材20、カバー部材30の構成について詳細に説明する。
【0026】
ベース部材20は、図3図4に示すように、壁部20Kによって構成され、当該壁部20Kとして、側壁部21、22と、底部23とを含んで構成される。ベース部材20は、側壁部21、22と、底部23とが一体となって、高さ方向Zに沿った断面形状がコの字型に形成される。
【0027】
側壁部21、22は、共に幅方向Yが板厚方向となる板状に形成され、幅方向Yに沿って間隔をあけて対向して位置する。側壁部21、22は、それぞれが凹状部位、凸状部位、湾曲部位、又は、屈曲部位等を含む様々な形状をなしている。
【0028】
また、底部23は、全体として板状に形成され、幅方向Yに対して側壁部21、22の間に位置し、幅方向Yの両端部がそれぞれ各側壁部21、22と接続される。さらに言えば、底部23は、幅方向Yの一方の端部から側壁部21が高さ方向Zに沿って立設され、幅方向Yの他方の端部から側壁部22が高さ方向Zに沿って側壁部21と同じ側に立設される。また、底部23は、挿入方向Xに沿って側壁部21、22の一方の端部から他方の端部まで延在する。
【0029】
また、底部23は、図4に示すように、高さ方向Zに対して階段状に形成されている。より詳しく言えば、底部23は、挿通孔11側に位置する底部23aと、挿通孔12側に位置し、底部23aに対して高さ方向Zにおいて上側に段差をつけて位置する底部23bと、底部23aと底部23bとの間に位置する段差部100とを含んで構成される。この段差部100については、後で詳細に説明するが、コルゲートチューブCが挿通孔11側から挿入方向Xに沿って挿入されると、段差部100に設けられている傾斜部分200にコルゲートチューブCの端部が当接する。
【0030】
一方で、カバー部材30は、壁部30Kによって構成される。カバー部材30は、ベース部材20の高さ方向Zの開口を閉塞可能な大きさに形成され、当該開口を閉塞させた状態(図1等を参照)で、高さ方向Zが板厚方向となる板状に形成される。このとき、カバー部材30は、ベース部材20の各側壁部21、22に対して係止機構50を介して係止されることによって、ベース部材20の高さ方向Zの開口を閉塞させる閉塞位置で保持され、高さ方向Zに沿って底部23とは反対側に間隔をあけて位置する。
【0031】
なお、係止機構50は、ベース部材20の各側壁部21、22に設けられる複数の係止片51と、各係止片51に対応するようにカバー部材30に設けられる被係止片52とを含んで構成される(図1図2等を参照)。ベース部材20は、各係止片51に形成された突起部が、カバー部材30の被係止片52に形成された孔部を係止することで、係止機構50を介してカバー部材30を係止することができる。
【0032】
次に、段差部100が設けられているベース部材20の底部23の構成について、より具体的に説明する。
【0033】
底部23aは、高さ方向Zが板厚方向となる板状に形成され、挿通孔11側から挿入されたコルゲートチューブCの先端部(コネクタNに接続され、コネクタカバーNAに収容されている端部)、コネクタカバーNA、及び、コネクタNが位置する部分である。
【0034】
底部23bは、高さ方向Zが板厚方向となる板状に形成され、挿通孔11側から挿入されたコルゲートチューブCの基端部(挿入端部ともいう)が位置する部分である。
【0035】
段差部100は、挿入方向Xが板厚方向となる板状に形成され、挿通孔11側から挿入されたコルゲートチューブCの中間部が位置する部分である。
【0036】
そして、本実施形態の当該段差部100には、図3図4に示すように、コルゲートチューブCの挿入方向Xに対して傾斜する傾斜部分200が設けられている。
【0037】
傾斜部分200は、挿通孔11側に位置する底部23aから、挿通孔12側に位置する底部23bに向かうほど、高さ方向Zの高さが徐々に高くなり、底部23aからの突出量が徐々に大きくなるように形成されている。
【0038】
また、傾斜部分200は、挿入方向Xに沿って形成される複数のリブ210を含んで構成され、各リブ210は、挿入方向Xと交差する幅方向Yに沿って間隔を空けて配置されている(図3を参照)。
【0039】
そのため、本実施形態のリブ210は、幅方向Yが板厚方向となる板状に形成され、幅方向Yから視た形状が略三角形形状に形成される(図4を参照)。
【0040】
このとき、傾斜部分200は、コルゲートチューブCが挿通孔11側からプロテクタ1の内部に挿入される際に、コルゲートチューブCの基端部がリブ210の斜辺に当接することで、当該端部を挿通孔11側から挿通孔12側へ誘導することができる。そのため、傾斜部分200は、底部23a側から、当該底部23a側より上側に位置する底部23b側に向かって、コルゲートチューブCの端部を押し上げることができる。
【0041】
なお、リブ210の間隔y1は、一定であり、コルゲートチューブCの外径よりも小さくなるように設定されている。そのため、傾斜部分200は、コルゲートチューブCの基端部が隣り合って位置する2つのリブ210の斜辺にそれぞれ当接することで、当該端部を挿通孔11側から挿通孔12側へ誘導し、底部23a側から底部23b側に向かって押し上げることができる。
【0042】
次に、図5図7を参照してプロテクタ1の組み付け時の動作について説明する。
【0043】
まず、作業者は、配索材Wをベース部材20に組み付ける。そして、作業者は、ベース部材20の内部に配索材Wを挿通させた状態で、当該ベース部材20にカバー部材30を組み付けることで本体部10を得る。
【0044】
そして、作業者は、配索材Wの端部に取り付けられたコルゲートチューブCを本体部10の挿通孔11側から挿入する。このとき、コルゲートチューブCの基端部は、挿入方向Xに沿って挿入されることで、図5に示すように、挿入方向Xに対して交差する方向(高さ方向Z)に沿って形成されている段差部100に向かって挿入され、段差部100に設けられる傾斜部分200の端部(挿通孔11側の端部)に当接する。そして、図6に示すように、コルゲートチューブCの基端部は、さらに押し込まれることで、傾斜部分200を構成するリブ210の斜辺に当接し、挿通孔11側から挿通孔12側へ誘導されることで、底部23a側から底部23b側に向かって押し上げられる。そのため、コルゲートチューブCは、傾斜部分200を介して本体部10の収納空間部10S内をスムーズに移動することができる。
【0045】
また、傾斜部分200を構成するリブ210の間隔y1は、コルゲートチューブCの外径よりも小さくなるように設定されている。そのため、コルゲートチューブCの基端部は、隣り合って位置する2つのリブ210に当接している状態で、底部23a側から底部23b側へ押し上げられ、2つのリブ210の間に嵌まることなく、傾斜部分200の斜辺上を移動する。したがって、コルゲートチューブCは、隣り合って位置する2つのリブ210を介して本体部10の収納空間部10S内をスムーズに移動することができる。
【0046】
そして、作業者は、コルゲートチューブCの先端部側に組み付けられたコネクタカバーNA、及び、コネクタNを本体部10の挿通孔11側から挿入する。このとき、コネクタカバーNA、及び、コネクタNは、挿入方向Xに沿って挿入される。そして、コネクタNは、本体部10に組み付けられる際に、高さ方向Zに沿って形成されている段差部100の外面を利用して本体部10に対する位置が確認されることで、本体部10との嵌合状態が確認される。そして、コネクタNが本体部10に適正に組み付けられると、コネクタカバーNA、及び、コネクタNの基端部は、本体部10の収納空間部10S内に収容される。そのため、図7に示すように、コルゲートチューブCの基端部(挿入端部)は、収納空間部10S内の底部23bに配置され、コルゲートチューブCの先端部、コネクタカバーNA、及び、コネクタNの基端部は、収納空間部10S内の底部23aに配置されることで、底部23bと底部23aとの間に位置する段差部100にコルゲートチューブCがまたがって配置される。したがって、収納空間部10S内の段差部100は、コルゲートチューブCが収納空間部10Sに挿入された状態で、コルゲートチューブCの基端部よりも外側(挿通孔11側)に位置する。
【0047】
以上で説明したワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材Wと、内部に配索材Wが挿通される外装材(例えば、コルゲートチューブC)と、配索材Wに外装されるプロテクタ1とを備え、プロテクタ1は、壁部20K、30Kにより形成された収納空間部10Sに配索材Wが挿通される本体部10と、当該収納空間部10S内に形成され、コルゲートチューブCが収納空間部10Sに挿入された状態で、当該コルゲートチューブCの挿入端部よりも外側に位置する段差部100と、当該段差部100に設けられ、コルゲートチューブCの挿入方向Xに対して傾斜する傾斜部分200とを有する。
【0048】
このような構成によれば、ワイヤハーネスWH、及び、プロテクタ1は、配索材Wの端部に取り付けられたコルゲートチューブCを本体部10の挿通孔11側から挿入することで、当該コルゲートチューブCを本体部10の収納空間部10S内に収容することができる。このとき、コルゲートチューブCの基端部は、挿入方向Xに沿って挿入されることで、挿入方向Xに対して交差する方向(高さ方向Z)に沿って形成される段差部100に向かって挿入され、段差部100に設けられる傾斜部分200の端部に当接する。そして、コルゲートチューブCの基端部は、傾斜部分200の斜辺に当接し、底部23a側から底部23b側へ押し上げられることで、本体部10の収納空間部10S内をスムーズに移動することができる。したがって、ワイヤハーネスWH、及び、プロテクタ1は、コルゲートチューブCの端部を本体部10にスムーズに挿入させることができ、作業性を向上することができる。
【0049】
さらに、以上で説明したワイヤハーネスWH、及び、プロテクタ1の傾斜部分200は、挿入方向Xに沿って形成される複数のリブ210を含んで構成され、複数のリブ210は、挿入方向Xと交差する方向(幅方向Y)に沿って間隔を空けて配置され、当該間隔y1は、コルゲートチューブCの外径よりも小さい。このような構成によれば、ワイヤハーネスWH、及び、プロテクタ1は、コルゲートチューブCが本体部10の挿通孔11側から挿入される際に、当該コルゲートチューブCの端部を隣り合って位置する2つのリブ210に端部に当接させることができる。このとき、コルゲートチューブCの端部は、2つのリブ210の傾斜部分200の斜辺にそれぞれ当接し、底部23a側から底部23b側へ押し上げられることで、本体部10の収納空間部10S内をスムーズに移動することができる。したがって、ワイヤハーネスWH、及び、プロテクタ1は、コルゲートチューブCの端部を本体部10にスムーズに挿入させることができ、作業性を向上することができる。
【0050】
さらに、以上で説明したワイヤハーネスWHは、配索材Wの端部に設けられ、本体部10に組み付けられるコネクタNと、コネクタNに装着され、コルゲートチューブCの端部を保持可能なコネクタカバーNAとを備える。このような構成によれば、コルゲートチューブCを本体部10の挿通孔11側から挿入する際に、コネクタNを本体部10に組み付けることで、配索材Wの端部を適正に本体部10の収納空間部10S内に収容することができる。
【0051】
なお、上述した本発明の実施形態に係るワイヤハーネスWH、及び、プロテクタ1は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0052】
例えば、傾斜部分は、本体部の底部に対して交差して延在する傾斜面によって構成されていてもよい。
【0053】
また、傾斜部分を構成するリブの間隔は、一定であってもよく、一定でなくてもよい。
【0054】
また、収納空間部内に形成される段差部の高さや、当該段差部に設けられる傾斜部分の傾斜角度は特に限定されない。
【0055】
また、ワイヤハーネスは、コネクタや、コネクタカバーを備えなくてもよい。
【0056】
本実施形態に係るワイヤハーネス、及び、プロテクタは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 プロテクタ
10 本体部
10S 収納空間部
20 ベース部材
21、22 側壁部
23 底部
30 カバー部材
100 段差部
200 傾斜部分
210 リブ
C コルゲートチューブ(外装材)
N コネクタ
NA コネクタカバー
W 配索材
WH ワイヤハーネス
X 挿入方向
Y 幅方向
Z 高さ方向
y1 リブの間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7