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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046587
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】オークションシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20240327BHJP
【FI】
G06Q30/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072117
(22)【出願日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2022151683
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522376003
【氏名又は名称】株式会社インターファーム
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】嘉数 雄一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB73
(57)【要約】      (修正有)
【課題】入札時に低い金額しか入札されないような買いたたきを防止でき、金額交渉が不調に終わった場合に機会を増やすために追加の入札を受付けるオークションシステム、その動作方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、少なくとも売手の売却希望額を含む売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けてオークションの出品を受け付け、少なくとも買手の買取希望額を含む買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品に対する入札を受け付け、入札受付中止後に売手がその入札の承認拒否した場合に金額交渉をさせる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
売手の識別情報である売手識別情報を保持する売手識別情報保持部(A)と、
売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する売却希望対象識別情報保持部(B)と、
売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる売却希望対象評価用情報入力部(C)と、
入力された売却希望対象評価用情報を保持する売却希望対象評価用情報保持部(D1)と、
保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる売却希望対象評価用情報閲覧部(D2)と、
少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる売手希望情報入力部(E)と、
入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける出品受付部(F)と、
買手の識別情報である買手識別情報を保持する買手識別情報保持部(G)と、
買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する買取希望対象識別情報保持部(H)と、
少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる買手希望情報入力部(J)と、
入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける入札受付部(K)と、
オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する入札受付可能期限取得部(L)と、
入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する入札受付中止部(M)と、
売手に入札状況を閲覧させる入札状況閲覧部(N)と、
入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける承認可否受付部(O)と、
承認可否受付部(O)にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付けるための金額交渉受付部(P)と、
を有するオークションシステム。
【請求項2】
金額交渉が不調に終わった場合に追加の入札を受け付ける追加入札受付部(Q)をさらに有する請求項1に記載のオークションシステム。
【請求項3】
落札があった場合にそのオークションの事後処理を記録する事後処理記録部(R)をさらに有する請求項1又は請求項2に記載のオークションシステム。
【請求項4】
落札があった場合に買手と売手間での売買契約を締結するための契約部(S)をさらに有する請求項1又は請求項2に記載のオークションシステム。
【請求項5】
売手の識別情報である売手識別情報を保持する売手識別情報保持ステップ(a)と、
売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する売却希望対象識別情報保持ステップ(b)と、
売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)と、
入力された売却希望対象評価用情報を保持する売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)と、
保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)と、
少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる売手希望情報入力ステップ(e)と、
入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける出品受付ステップ(f)と、
買手の識別情報である買手識別情報を保持する買手識別情報保持ステップ(g)と、
買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する買取希望対象識別情報保持ステップ(h)と、
少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる買手希望情報入力ステップ(j)と、
入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける入札受付ステップ(k)と、
オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する入札受付可能期限取得ステップ(l)と、
入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する入札受付中止ステップ(m)と、
売手に入札状況を閲覧させる入札状況閲覧ステップ(n)と、
入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける承認可否受付ステップ(o)と、
承認可否受付ステップ(o)にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付けるための金額交渉受付ステップ(p)と、
を有する計算機であるオークションシステムの動作方法。
【請求項6】
金額交渉が不調に終わった場合に追加の入札を受け付ける追加入札受付ステップ(q)をさらに有する請求項5に有する計算機であるオークションシステムの動作方法。
【請求項7】
落札があった場合にそのオークションの事後処理を記録する事後処理記録ステップ(r)をさらに有する請求項5又は請求項6に有する計算機であるオークションシステムの動作方法。
【請求項8】
落札があった場合に買手と売手間での売買契約を締結するための契約ステップ(s)をさらに有する請求項5又は請求項6に有する計算機であるオークションシステムの動作方法。
【請求項9】
売手の識別情報である売手識別情報を保持する売手識別情報保持ステップ(a)と、
売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する売却希望対象識別情報保持ステップ(b)と、
売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)と、
入力された売却希望対象評価用情報を保持する売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)と、
保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)と、
少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる売手希望情報入力ステップ(e)と、
入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける出品受付ステップ(f)と、
買手の識別情報である買手識別情報を保持する買手識別情報保持ステップ(g)と、
買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する買取希望対象識別情報保持ステップ(h)と、
少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる買手希望情報入力ステップ(j)と、
入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける入札受付ステップ(k)と、
オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する入札受付可能期限取得ステップ(l)と、
入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する入札受付中止ステップ(m)と、
売手に入札状況を閲覧させる入札状況閲覧ステップ(n)と、
入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける承認可否受付ステップ(o)と、
承認可否受付ステップ(o)にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付けるための金額交渉受付ステップ(p)と、
を計算機であるオークションシステムに動作させるためのプログラム。
【請求項10】
金額交渉が不調に終わった場合に追加の入札を受け付ける追加入札受付ステップ(q)をさらに有する請求項9に有する計算機であるオークションシステムに動作させるためのプログラム。
【請求項11】
落札があった場合にそのオークションの事後処理を記録する事後処理記録ステップ(r)をさらに有する請求項9又は請求項10に有する計算機であるオークションシステムに動作させるためのプログラム。
【請求項12】
落札があった場合に買手と売手間での売買契約を締結するための契約ステップ(s)をさらに有する請求項9又は請求項10に有する計算機であるオークションシステムに動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配便や郵便を利用して配送することができない商品をオークション等で売却しようとする売手が少なくとも売却希望額を含む売手希望情報を入力し、商品を買取希望する買手が少なくとも買取希望額を含む買手希望情報を入力して商品の取引を行い、売手が入札(売却希望額を満たした入札を含む)を承認拒否して取引不成立となった場合には金額交渉し、それでも成立しなければ再入札を行うオークションシステムに関する。また、計算機であるシステムの動作方法、及び計算機であるシステムに動作させるためのプログラム、または前記プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般大衆が自身にとって不要になったものを手軽にオークションにかけられる場をインターネット上にいくつもの企業が提供している。基本的には、売手が設定した最低価格で入札が開始され、その時までの入札最高値が公開されつつ、設定された入札期間終了時点での最高値で入札した者が落札の権利を得るというオークションが一般的である。そのため入札された最高値が売手にとっての本来の希望価格に達しない場合もありうる。オークションに出される物品は日用品や家電製品、部品や消耗品以外にも車やバイクなどの物品や不動産や、特許などの知的財産権など無形のものなど様々なものが対象となる。
【0003】
特許文献1には、出品者の買取希望価格と落札者の落札価格に差額がある場合(特許文献1には明記されていないが落札価格<買取希望価格と解釈される)に、競売商品の落札価格をインターネット経由で出品者へ送信し、出品者に落札価格承認、交渉開始、交渉終了を選択する。出品者が交渉開始を選択した場合、出品者は第一買取希望価格を入力し、第一買取希望価格を受信した落札者が第一買取希望価格を承認するか、落札断念するか、出品者との価格交渉を開始するか(落札者側からの希望価格である第一交渉価格を入力)を入力する。このような交渉を出品者と落札者間で3回時間制限付きで行うことが記載されている。
【0004】
特許文献2発明では、入札時間終了時に最高入札価格があらかじめ定めておいた入札希望価格よりも低い、または最高入札価格と次の順位の入札価格との価格差があらかじめ定めておいた価格差よりも小さい場合に、前記入札時間を延長し、最高入札価格提示者と次の順位の入札価格提示者のみが入札に参加できるようにする再入札ステップを含む競売方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-219950号
【0006】
【特許文献2】特表2005-516287
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1発明では、出品者の買取希望価格と落札者の落札価格に差額がある場合(特許文献1には明記されていないが落札価格<買取希望価格と解釈される)に、出品者が落札価格を承諾しない場合には落札者との間で金額交渉が行われるが、交渉がまとまらない場合には交渉終了となる。出品者が再度オークションにかけたい場合については開示されていない。
【0008】
特許文献2発明では、入札期間が上記2条件の場合にのみ自動延長され、交渉に入ることはできない。また再入札も対象者が限定されるため、1回目の入札に応じた入札者が金額を変えて再入札したり、1回目に入札しなかった者が再入札に応じたりするということはできない。
【0009】
そこで本発明では、少なくとも売手の売却希望額を含む売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けてオークションの出品を受け付け、少なくとも買手の買取希望額を含む買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品に対する入札を受け付け、入札受付中止後に売手がその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認拒否した場合に金額交渉をさせるオークションシステムを提供する。さらには金額交渉が不調に終わった場合に追加の入札を受付けるオークションシステムを提供する。このようなオークションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような課題を解決するために、本願では第一の発明として、
売手の識別情報である売手識別情報を保持する売手識別情報保持部(A)と、
売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する売却希望対象識別情報保持部(B)と、
売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる売却希望対象評価用情報入力部(C)と、
入力された売却希望対象評価用情報を保持する売却希望対象評価用情報保持部(D1)と、
保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる売却希望対象評価用情報閲覧部(D2)と、
少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる売手希望情報入力部(E)と、
入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける出品受付部(F)と、
買手の識別情報である買手識別情報を保持する買手識別情報保持部(G)と、
買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する買取希望対象識別情報保持部(H)と、
少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる買手希望情報入力部(J)と、
入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける入札受付部(K)と、
オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する入札受付可能期限取得部(L)と、
入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する入札受付中止部(M)と、
売手に入札状況を閲覧させる入札状況閲覧部(N)と、
入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける承認可否受付部(O)と、
承認可否受付部(O)にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付けるための金額交渉受付部(P)と、
を有するオークションシステムを提供する。
【0011】
第二の発明として、第一の発明を基礎として、
金額交渉が不調に終わった場合に追加の入札を受け付ける追加入札受付部(Q)をさらに有するオークションシステムを提供する。
【0012】
第三の発明として、第一または第二の発明のいずれか一を基礎として、
落札があった場合にそのオークションの事後処理を記録する事後処理記録部(R)をさらに有するオークションシステムを提供する。
【0013】
第四の発明として、第一から第三の発明のいずれか一を基礎として、
落札があった場合に買手と売手間での売買契約を締結するための契約部(S)をさらに有する記載のオークションシステムを提供する。
【0014】
さらに、第一から第四の発明のオークションシステムに対応した計算機であるオークションシステムの動作方法を提供する。
【0015】
さらに、第一から第四の発明のオークションシステムに対応した、計算機であるオークションシステムに動作させるためのプログラムも提供する。
またそれぞれのプログラムは記録媒体に記録されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
主に以上のような構成をとる本発明によって、少なくとも売手の売却希望額を含む売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けてオークションの出品を受け付け、少なくとも買手の買取希望額を含む買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品に対する入札を受け付け、入札受付中止後に売手がその入札の承認拒否した場合に金額交渉をさせるオークションシステムを提供することができる。金額交渉の機会を設けることにより、入札時に低い金額しか入札されないような買いたたきを防止できる。さらには金額交渉が不調に終わった場合に機会を増やすために追加の入札を受付けるオークションシステムを提供することができる。また、落札があった場合に、事後処理を記録したり、売手と買手間の売買契約を締結させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1にかかる発明の機能ブロック図
図2】実施形態1にかかる発明の動作フローチャート図
図3】実施形態1にかかる発明のハードウェア図
図4】実施形態2にかかる発明の機能ブロック図
図5】実施形態2にかかる発明の動作フローチャート図
図6】実施形態2にかかる発明のハードウェア図
図7】実施形態3にかかる発明の機能ブロック図
図8】実施形態3にかかる発明の動作フローチャート図
図9】実施形態3にかかる発明のハードウェア図
図10】実施形態4にかかる発明の機能ブロック図
図11】実施形態4にかかる発明の動作フローチャート図
図12】実施形態4にかかる発明のハードウェア図
図13】本発明の全体構成例の概略図
図14】本発明のシステムの計算機のハードウェア構成例
図15】本発明のオークションシステムの使用画面例1
図16】本発明のオークションシステムの使用画面例(売手)1: 新規会員登録
図17】本発明のオークションシステムの使用画面例(売手)2:商品情報入力1
図18】本発明のオークションシステムの使用画面例(売手)3:商品情報入力1
図19】本発明のオークションシステムの使用画面例(買手)1:商品検索画面
図20】本発明のオークションシステムの使用画面例(買手)2:商品情報表示
図21】本発明のオークションシステムの使用画面例(買手)3:購入条件入力
図22】本発明のオークションシステムの使用画面例(売手)4:入札状況閲覧
【発明を実施するための形態】
【0018】
<全実施形態の説明の前提>
<本発明を構成し得るハードウェアについて>
【0019】
本件発明は,原則的に電子計算機を利用する発明であるが,少なくとも一部はソフトウェアによって実現され,ハードウェアによっても実現され,ソフトウェアとハードウェアの協働によっても実現される。この場合に、ソフトウェアはハードウェア資源を利用して各種演算を行い求められるデータや情報を通じて諸機能を実現する。ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア資源を用いて具体的に実現されていると言える。
【0020】
本件発明の各構成要件の全部又は一部を実現するハードウェアでは,計算機の基本的構成であるCPU,メモリ,バス,入出力装置,各種周辺機器,ユーザーインターフェイスなどによって構成される。各種周辺機器には,記憶装置,インターネット等インターフェイス,インターネット等機器,LAN機器、Wifi機器(登録商標)、ディスプレイ,HDMI(登録商標)インターフェイス、キーボード,マウス,スピーカ,マイク、カメラ,ビデオ,テレビ,CD装置,DVD装置,ブルーレイ装置,USBメモリ,USBメモリインターフェイス,着脱可能タイプのハードディスク,一般的なハードディスク,プロジェクタ装置,SSD,電話,ファックス,コピー機,印刷装置,ムービー編集装置,各種センサ装置などが含まれうる。
【0021】
また,本システムは,必ずしも一つの筐体によって構成されている必要はなく,複数の筐体を通信で結合して構成されるものであってもよい。また,通信は,LANであってもWAN、Wifi(登録商標),ブルートゥース(登録商標),赤外線通信,超音波通信であってもよく,さらに,一部が国境を跨いで設置されていてもよい。金融機関、販売者ごとに計算機システムを有し、顧客ごとにPCやスマートフォン、タブレットなどのシステムを有する構成が最も多い構成例となると考えられる。
【0022】
<全実施形態における本願発明の自然法則の利用性の充足>
【0023】
本発明は,計算機とソフトウェアとの協働で機能するものである。オークションによる商品取引において、売手が売手識別情報の登録、売却希望対象の価格に影響する情報の登録、売却希望条件情報の登録をおこない、買手が買手識別情報の登録、購入希望条件情報の登録を行い、オークションシステムを運営する業者が売手と買手間の仲介を行う。このような処理は少なくとも売手、買手、オークションシステムの管理運営者においては計算機であるシステム上で処理され、売手と買手は自身のスマートフォンやPC等を使用して電子データとして売却希望対象情報の登録や、購入希望条件情報の登録を行い、成約の通知を受けることができる。このような処理を行うものであり、ICTならではの処理が含まれているのでいわゆるビジネスモデル特許として成立するものである。また,売手識別情報、売却希望対象識別情報、売却希望対象評価用情報、売手希望情報、買手識別情報、買手希望情報などが各部で保持されたり,処理されたりしており,この観点からも本願発明は計算機などのリソースを請求項や明細書に記載された事項と,それらの事項に関係する技術常識に基づいて判断すれば,本願発明は自然法則を利用したものであることとなる。
【0024】
<特許法で求められる自然法則の利用の意義についての出願人の理解>
【0025】
特許法で求められる自然法則の利用とは,法目的に基づいて,発明が産業上利用性を有し,産業の発達に寄与するものでなければならないとの観点から,産業上有用に利用することができる発明であることを担保するために求められるものである。つまり,産業上有用であること,すなわち出願に際して宣言した発明の効果がその発明の実施によってある一定の確実性の下再現できることを求めるものである。この観点から自然法則利用性とは,発明の効果を発揮するための発明の構成である発明特定事項(発明構成要件)のそれぞれが発揮する機能が自然法則を利用して発揮されるものであればよい,と解釈される。さらに言えば,発明の効果とはその発明を利用する利用者に所定の有用性を提供できる可能性があればよいのであって,その有用性を利用者がどのように感じたり,考えたりするかという観点で見るべきではない。したがって,物品の売却を希望する売手や物品を購入したい買手やオークションを運営する管理運営者が本オークションシステムによって得る効果が心理的な効果(安心できる等)であったとしても,その効果自体は求められる自然法則の利用性の有無を判断するための対象外の事象である。
【0026】
<システム全体構成>
図13に本発明のオークションシステム(以下、本システムと表記する場合がある)の全体構成概略を示す。インターネット(1321)を介して、本オークションシステムの管理運営者が管理するサーバ上のオークションシステム(1300)、買手である買取業者AのPC(1324)、買手である買取業者BのPC(1325)、売手Aのスマートフォン(1326)、売手BのPC(1327)、金融機関Aのサーバ(1322)、金融機関Bのサーバ(1323)が有線または無線で接続されている。売手Aはスマートフォン(1326)から、売手Bはスマートフォン(1327)から売却希望対象の情報と自身の情報を、インターネット(1321)回線を経由してオークションシステムの管理運営者の利用するサーバ上のオークションシステム(1300)に登録する。管理運営者は登録された売手と売却希望対象の情報に不備がないか確認し、問題がなければ買手となりうる買取業者へ売却希望対象の情報を公開し入札を募る。本オークションシステム上に新規売却希望対象が登録された旨を、本オークションシステムにアクセスした際にトップページで新着情報として表示したり、買手として登録した買取業者Aや買取業者Bへ新規売却希望対象の情報が登録された旨を閲覧可能な場所の情報と共にメールやプッシュ通知などで連絡したりするなどの方法で周知する。買取業者A、Bは各々のPC(1324)(1325)を利用して、売却希望対象の情報を閲覧し、本オークションシステムへ買手希望情報を入力する(入札)。サーバ上の本オークションシステム(1300)は、売手希望情報と入札された買手希望情報をマッチングさせ、結果を売手へ通知する。売手が結果を承諾すれば成約となり買手に通知され、売手と買手が連絡を取り合い、合意に至れば成約とし、物品と代金が交換される。代金に関しては買取業者または売手が口座を持つ金融機関を使用して行われる。本オークションシステムの管理運営者が、代金の支払代行を行ってもよい。金融機関に電子マネーの運営会社を含むことができる。
【0027】
図13では売手A、売手Bがスマートフォン、買取業者A、買取業者BがノートPC、管理運営者、銀行A、銀行Bがサーバを使用しているが、この態様に限定するものではない。売手がタブレットや、ノートPCまたはデスクトップPCで接続してもよいし、買取業者Aがスマートフォン、タブレットやクラウドサーバなどを使用してもよい。管理運営者についてもサーバに限定せず、PCや大型コンピュータ、クラウドサーバなどでもよい。後記する実施例では売手として個人がバイクを売却希望し、買手としてバイク中古買取業者を想定した構成として示しているが、本システムでバイク以外をオークションとして扱ってもよい。他の商品であれば、中古自動車業者、古書店、など、商品ごとに業者の種別が異なる構成となる。図13では売手2名、買取業者2名が本システムに接続された構成として示されているが、売手買手共に2名に限定しない。また買手は買取業者に限定せず、個人が買手として入札する構成でもよい。
【0028】
<ハードウェア構成>
【0029】
図14は本発明のシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態におけるオークションシステムのハードウェア構成を,PCに準じた構成例として図14を用いて説明する。なお、本システムにサーバ装置を用いる場合には、サーバ装置もPCに準じた構成としてもよく、以降のハードウェア構成の説明と同様であるため、説明を省略する。
【0030】
この図にあるように、計算機は、マザーボード上に構成されるチップセット、CPU、不揮発性メモリ、メインメモリ、各種バス、BIOS(またはUEFI)、USBやLANなどの各種周辺機器や通信回線接続用インターフェイス、リアルタイムクロック等や、グラフィックカードなどの拡張カードからなる。これらはオペレーティングシステムやデバイスドライバ(USBなどの各種インターフェイス、カメラ、マイク、スピーカ又はヘッドホン、ディスプレイなどの各種機器組込み用)、各種プログラムなどと協働して動作する。USB端子(またはPS/2ポート)経由で接続されるキーボードやマウスなどの入力信号も用いて、本発明を構成する各種プログラムや各種データはこれらのハードウェア資源を効率的に利用して各種の処理を実行するように構成されている。計算機はLAN端子などを通じてインターネット回線へ接続される。インターネット回線への接続にWiFi(登録商標)を使用して接続したり、携帯電話回線網を介して接続したりしてもよい。
【0031】
以下ハードウェアとしてコンピュータを構成する主な部品について、例として説明する。なおこれらの例に本発明は限定されない。
≪チップセット≫
【0032】
「チップセット」は、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、マザーボードに搭載された不揮発性メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。古くは、CPUと接続しメインメモリやグラフィックス処理用のチップ(GPU)を搭載したグラフィックスカードとの間のように高速性を求められる処理を行うノースブリッジと、ノースブリッジと接続し比較的低速なインターフェイスとの間の処理をするサウスブリッジの2チップ構成であった。近年は、CPUにノースブリッジ機能が統合され、以前のサウスブリッジのみとなったが、引き続きチップセットとも呼ばれる。本明細書ではCPUにノースブリッジの機能が内蔵されたサウスブリッジのみの1チップ構成で説明する。なお前記のようにノースブリッジとサウスブリッジの2チップ構成の場合でも、サウスブリッジの機能をもCPUに統合したチップセットなしの場合でも、本発明の効果は変わらない。
【0033】
(サウスブリッジ)
チップセットが1構成チップ時のサウスブリッジは、PCI Expressインターフェイス(スロット)、SATA(Serial ATA)またはeSATAインターフェイス、USBインターフェイス、LAN(Ethernet)インターフェイス、リアルタイムクロックなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。1チップ構成時のチップセットは、ディスプレイや、USB/LAN端子などの外部接続や、HDDやSSDとの接続用のSATAなどや、PCI Expressなどのインターフェイスを制御する処理を行うチップであり、CPUとはポイント・ツー・ポイントのハードウェアインターフェイス(例えばDMI:Direct Media Interface)で接続される。チップによっては、不揮発性メモリ(HDDなど)のRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks:複数のHDDなどをひとつのドライブのように認識・表示させる技術)をサポートする。
また近年使われることが少なくなった、高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、RS-232Cなどのシリアルポート、プリンタ向けのIEEE1284などのパラレルポート、ISAバスなどをサポートする場合には、サウスブリッジにLow Pin Countバスで接続するスーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIが使われる。
【0034】
≪バス≫
バスにはパラレルバスとシリアルバスとがある。パラレルバスは、ビット数分の信号線を用意して、クロックに同期させて伝送する。クロック信号の専用線をデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。シリアルバスは、1ビットずつデータを転送する。
マザーボード上の周辺機器や各種制御部と、CPU(MPU)と、を繋ぐためにバスが用いられる。CPU内部でCPUコアとキャッシュメモリなどを接続する内部バスに対し、CPUとCPU外のメモリ等を接続するためのバスは外部バスと呼ばれる。CPUに内蔵されたメモリコントローラとメインメモリとの間をつなぐ外部バスは、例えばDDR4-SDRAM(Double-Data-Rate4 Synchronous Dynamic Random Access Memory)を使用するDDR4規格対応の場合は64bit幅のパラレルバスである。DDR4規格の一例としてDDR4-3200メモリ規格対応であれば、メモリ最大動作周波数3200MHz×バス幅64(bit)÷8(bit→Byte変換)=25.6(GB/s)の帯域幅となる。CPUとサウスブリッジ間の接続には上記のようにDMI(Direct Media Interface)などのポイント・ツー・ポイント接続が使われる。
PCI ExpressやSATA等の外部接続用の拡張バスはチップセットによって連結される。パラレルバスとしては、GPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。
シリアルバスは、1ビットずつデータを転送する。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI Expressでは、ポイント・ツー・ポイント配線とシリアル転送方式を採用している。USBや、SATAもデータ転送はシリアルである。
【0035】
≪CPU≫
【0036】
CPUはメインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリ(1次、2次、3次)や、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、メモリコントローラ、タイマー、サウスブリッジとの接続バスとのインターフェイスなどが含まれる。CPUにグラフィック機能(GPU)を統合している場合は、グラフィックスインターフェイスやCPUコアと接続する内部バスなども含まれる。GPUを内蔵したCPUで外付けグラフィックスボードを使用する場合は、CPUに内蔵されたグラフィックインターフェイス(PCI Expressなど)に接続される。
なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。実施形態での説明は2コアタイプのものであるが、これに限定されない。またCPUチップを複数備える構成であってもよい。CPU内にプログラムを内蔵することもできる。
【0037】
≪不揮発性メモリ≫
【0038】
(HDD)
【0039】
ハードディスクドライブの基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。外部インターフェイスは、SATA(過去ではATA)やSAS(Serial Attached SCSI、過去ではSCSI)などを採用することができる。HDDのインターフェイスは大きくは前記のATA系とSCSI系に二分される。ATA系は物理的に接続された相手に一方的にデータを送る方式であり、マザーボード上のBIOS(またはUEFI)に依存するために、CPUの処理時間を常に要求する。SCSI系は接続された相手の状態を確認しながら正確にデータを送る方式であり、HDD内に制御用システムを備えるため、CPUの負荷を抑えられる。ATA系は廉価で大容量であるが、SCSI系はサーバ向けのシステムから発展し、高速性や拡張性の高さで優れ、SCSIコマンドをマルチスレッドで処理できるため、高負荷環境下でも高い信頼度をもつ。
HDDは容量単価に優れるが、上記のように可動部を含むためアクセスに時間を要することや機械的故障の懸念があることから、高い信頼性を要求されるサーバ装置向けなどでRAIDを使い、複数台のHDDに同時に分散して読み書きしたり、複数のHDDに同じファイルを書き込んだりといった構成をとることができる。
【0040】
(フラッシュメモリ)
現在、NAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリの2種が一般に使われている。読み出し書き出し速度は一長一短あるが、NAND型の方が高集積化には有利であり、データストレージ用途に使われる。ハードディスクドライブと比較し、可動部がないため小型で、稼動時の振動や音が発生しない。但し容量単価はハードディスクドライブを置き換えるようなところまで下がってはいない。ハードディスクドライブよりも高価だが、装置が小型化でき、衝撃などにも強くなるという利点がある。スマートフォンや携帯情報端末では、搭載されるデータストレージ目的の記憶容量は通常64GB~256GB程度であるため、小型軽量化目的もあってフラッシュメモリが使われる。PCなどではOSやアプリケーションソフトを記憶するアクセス頻度の高いドライブにはフラッシュメモリからなるソリッドステートドライブ(SSD)が使用されるようになりつつある。
【0041】
≪メインメモリ≫
【0042】
CPUが直接アクセスしてメインメモリ上の各種プログラムを実行する。メインメモリは揮発性のメモリでDRAMが用いられる。メインメモリ上のプログラムはプログラムの起動命令を受けて不揮発性メモリからメインメモリ上に展開される。その後もプログラム内で各種実行命令や、実行手順に従ってCPUがプログラムを実行する。
【0043】
≪オペレーティングシステム(OS)≫
【0044】
オペレーティングシステムは計算機上の資源をアプリケーションに利用させるための管理をしたり、各種デバイスドライバを管理したり、ハードウェアである計算機自身を管理するために用いられる。小型の計算機ではオペレーティングシステムとしてファームウェアを用いることもある。
【0045】
≪UEFI≫
【0046】
以前使用されていたBIOSを発展させた後継として同様の役割をするUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)が近年使われている。UEFIもBIOSと同様フラッシュROMに格納された状態でマザーボード上に搭載される。UEFIを収めたフラッシュROMチップは、計算機のハードウェアを立ち上げてオペレーティングシステムを稼働させるための手順をCPUに実行させるもので、最も典型的には計算機の起動命令を受けるとCPUが最初に読取りに行くハードウェアである。ここには、ディスク(不揮発性メモリ)に格納されているオペレーティングシステムのアドレスが記載されており、CPUに展開されたUEFIによってオペレーティングシステムが順次メインメモリに展開されて稼働状態となる。なお、UEFIは、バスに接続されている各種デバイスの有無をチェックするチェック機能をも有している。チェックの結果はメインメモリ上に保存され、適宜オペレーティングシステムによって利用可能な状態となる。なお、外部装置などをチェックするようにUEFIを構成してもよい。
【0047】
図に示すように、本発明は基本的に汎用計算機プログラム、各種デバイスで構成することが可能である。計算機の動作は基本的に不揮発性メモリに記録されているプログラムをメインメモリにロードして、メインメモリとCPUと各種デバイスとで処理を実行していく形態をとる。デバイスとの通信はバス線と繋がったインターフェイスを介して行われる。インターフェイスには、ディスプレイインターフェイス、USB、LAN端子、PCI Expressインターフェイス、通信バッファ等が考えられる。
【0048】
本オークションシステムは、大型コンピュータやサーバ等を用いることが多いと考えられるが、売却希望対象を出品する売手又は買手は前記図13のようにPCに限らずスマートフォン、タブレットを用いる場合もありうる。スマートフォン、タブレットの場合でも基本的なハードウェア構成はPCと類似するが、CPUにチップセットやインターフェイス機能や、グラフィックチップ、メモリなどを取り込みSoC(System on a Chip)と呼ばれる一つの集積回路素子を使用し、部品点数削減と省電力化を図っている場合が多い。又スマートフォンやタブレットではキーボードは専用のキーボードではなく、通常タッチ機能を備えたディスプレイ上に表示されるソフトウェアキーボードから入力する。印刷はWifi(登録商標)や赤外線通知を介してプリンタと接続して行うことができる。
【0049】
本明細書において本発明の実施の形態の説明では、ハードウェアの構成は売手/買手側共にPCを用いる構成を例として図示例と共に説明する。どちらかまたは両方がスマートフォンなど他の計算機システムを使用しても本発明の効果は変わらない。
【0050】
以下に記載するオークションシステムを構成する各機能ブロックは、いずれもハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアのいずれによっても実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶媒体とそれらの媒体の読取ドライブなど)、情報入力に利用される操作ボタン等の入力デバイス、マウス、タッチパネル、専らタッチパネルをタッチする目的で利用する電子ペン、ジョイスティック又はジョイスティック類似のポインタ位置入力装置、プリンタ、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェイス、GPS受信インターフェイス、GPS用演算装置、ジャイロセンサ、加速度センサ、回転検知センサ、これらセンサの信号の処理装置、カメラ、画像ファイル処理回路、スピーカ、マイク、音声ファイル処理回路、通信用インターフェイス、バーコードリーダ、電子カードリーダー、POS端末、顔認証装置、暗号化装置、指紋認証装置、掌紋認証装置、網膜認証装置などの生体認証装置、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。特にスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ、データセンターのサーバ装置、有線・無線ネットワーク及びインターフェイスなどを利用する。
【0051】
メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェイスなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、二以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0052】
また、本発明は、その一部をソフトウェアとして構成することも可能である。さらに、そのようなソフトウェアが記録された記憶媒体も当然に本発明の技術的な範囲に含まれる(本実施形態に限らず、本明細書の全体を通じて同様である。)。
【0053】
<本願発明において使う用語について>
【0054】
「識別情報」とは、何らかを識別するために用いられる記号、文字、符号などである。ただし、識別情報そのものが識別される情報そのものである場合があってもよい。例えば、例えば、文字列記録Aを識別する情報である識別情報が、文字列記録A自身である場合があってよい。従って売手識別情報は単なる記号、文字、符号である場合とその記号、文字、符号などで識別される売手の氏名や屋号や企業名や住所又は連絡先やメールアドレスなどである場合が同時に成立してもよい。ただし個人情報保護の観点から言えば、公開される可能性がある識別情報に氏名等の個人情報を含めることは好ましくない。
【0055】
「関連付け」とは、二以上の情報が直接的に関連付けられている場合の他、二以上の情報が他の一以上の情報を介して間接的に関連付けられている場合も含む意味で本願明細書においては用いられる。間接的な関連付けは、必ずしも一の装置(筐体が一の筐体である装置)内での関連付けに限定されず、複数の装置にわたって関連付けられている場合も含まれる。
【0056】
「基づいて」とは、対象そのものに拠る場合と、対象に何らかの処理をした後のものに拠る場合の両方を含む。例えば、「Aという情報に基づくB」とは、「A」そのものに拠る「B」の場合と、「A」に所定の比率(例1.1倍)を乗じるなどの処理を行った後の情報による「B」の場合をも含む。
【0057】
以下の実施形態の説明では、売手として個人が、売却希望対象としてバイクを本オークションシステムに出品し、バイクの中古買取業者が応札する場合を例に説明するが、本発明のオークションシステムはバイクには限定されない。乗用車、商用車、フォークリフトやショベルカーなどのなどの車両や、住宅(一戸建てやマンションなど)などの不動産や、書籍類や、食器や、家電、オーディオ機器、模型やフィギュアなどの趣味に関する品、NFTアートや楽曲データなど無形物に対しても適用できる。また本明細書中の説明では第一価格オークション(入札額中最高額を入札した入札者が自身の入札額で落札する)方式で説明するが、第二価格オークション(入札額中最高額を入札した入札者が2位入札額で落札する)であっても同様の効果が得られる。
【0058】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0059】
<実施形態1 概要>主に請求項1:基本
実施形態1のオークションシステムは、売手希望情報を入力させ、買手希望情報を入力させて出品に対する入札を受付け、入札受付中止後に売手がその入札の承認拒否した場合に金額交渉をさせるように構成される。
【0060】
<実施形態1 基本的構成>
図1は、本実施形態のオークションシステムの機能ブロックを示す図である。同図に示すように、実施形態1のオークションシステム(0100)は、売手識別情報保持部(A)(0101)と、売却希望対象識別情報保持部(B)(0102)と、売却希望対象評価用情報入力部(C)(0103)と、売却希望対象評価用情報保持部(D1)(0104)と、売却希望対象評価用情報閲覧部(D2)(0119)と、売手希望情報入力部(E)(0105)と、出品受付部(F)(0106)と、買手識別情報保持部(G)(0107)、買取希望対象識別情報保持部(H)(0108)、買手希望情報入力部(J)(0109)、入札受付部(K)(0110)と、入札受付可能期限取得部(L)(0111)と、入札受付中止部(M)(0112)と、入札状況閲覧部(N)(0113)と、承認可否受付部(O)(0114)と、金額交渉受付部(P)(0115)と、からなる。
【0061】
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。
【0062】
以下、実施形態1の構成の説明中において、適宜図15から図22を用い、本オークションシステムを利用して、オートバイを個人が売却希望し、中古バイク買取業者が応札する場合について、スマートフォンのアプリ画面例に沿って説明する(ウエブブラウザ経由で本システムを利用する態様でもよい)。なお、本オークションシステムで取り扱う商品はオートバイ(バイク)に限定されず、他の商品でもよい。他の商品でも本発明の効果を同様に得ることができる。他の商品の場合は、以下の説明中において売却希望対象評価用情報の商品に合わせた項目に代えて入力することで対応できる。
【0063】
<実施形態1 構成の説明>
<実施形態1 売手識別情報保持部(A)(0101)>
「売手識別情報保持部(A)」(0101)は、売手の識別情報である売手識別情報を保持するように構成されている。
【0064】
「売手識別情報」は、顧客の氏名であってもよいし、本発明のシステムを使用するにあたって一義的に識別するために発行される会員IDのような文字列や、電話番号やメールドレスであってもよい。売手識別情報は、その売手識別情報で識別される顧客の属性情報と関連付けられていてもよい。売手の属性情報とは、売却希望時の売手の年齢、職業、住所、利用金融機関情報、以前に本システムでの売却実績があればその当時の買手からの評価格付などであるが、これらの情報は経時的に変化するものもあるので、時系列的に定期的に更新し、履歴として蓄積されていることが好ましい。なお、利用金融機関情報は、買手が購入の対価の支払いをする際の手段、特に振込先の銀行口座や、その他の送金手段について保持されていることが好ましい。その他の送金手段としては、クレジットカード番号や、SNS、電子マネー等の送金手段を利用する際の識別情報などである。また、売手本人や家族などが、このオークションシステムを利用して物品を売却又は他の商品を購入した場合には、その情報を関連付けられるように構成することが好ましい。
【0065】
本オークションシステムに売手が自身の情報を登録する際の例を以下説明する。スマートフォンなどで動作するアプリを例として説明するが、ブラウザで閲覧するウエブ形式でもよい。図15は、本オークションシステムアプリのトップページの例である。上部にアプリ名として「オークションシステム」が表示され、中央部に「売りたい」、「買いたい」、「マイページ」、「新規会員登録」の4つのボタンが表示されている。最下部は、本オークションシステムに会員登録すると、会員名(個人であれば個人名、法人であれば法人名)と会員番号が表示される。図15では会員登録前のために表示されていない。「売りたい」「買いたい」の画面に移動するには会員登録する必要がある。「マイページ」は会員登録すると移動できるようになり、登録した会員情報の編集や、今まで売買した履歴の閲覧、自身に関連する他の登録会員の確認(自身の知人友人などや、過去に売却希望対象を購入してくれた他の会員など)を行える。本システムを最初に使うときには、「新規会員登録」ボタンを押下し会員登録を行う。
【0066】
図16は新規会員登録する際の画面例である。佐藤拓也氏が会員登録しようとしている。氏名の他、住所、連絡先(電話、メールなど)、自身が口座を持つ金融機関名(図16では銀行を例としているが他の金融機関や電子マネー等でもよい)を記載する。連絡先も固定電話、携帯電話1、携帯電話2、メールアドレス1、メールアドレス2、SNSアドレス等の種別をプルダウンメニュウから選択し、その脇にアドレスを入力するように構成してもよい。新規会員登録を終えると、会員番号(売手識別情報の一例)が発行される。図17の売却希望対象(図17の例ではバイク)に関する情報の入力画面の画面下端に佐藤氏の氏名と、会員番号としてS123456789が表示されている。なお新規会員登録は、売却希望会員と、買取希望会員に分けて違う会員登録画面へ進むように構成することもできる。買取希望会員は名前の入力が法人名(例えば、田中オートなど)だったり、金融機関が引き落とし先になっていたりといった細部が異なるように構成されると考えられる。売却希望会員と、買取希望会員とに分けることによって、本システムの利用権限を分けるように構成することもできる。売却希望会員と、買取希望会員を区別しない場合には、会員が入力した売却希望対象に関する権限については売却希望会員相当、自身が出品していない売却希望対象への入札に関する権限については買取希望会員相当に、システムが自動で権限を規定するように構成するとよい。
【0067】
<実施形態1 売却希望対象識別情報保持部(B)(0102)>
「売却希望対象識別情報保持部(B)」(0102)は、売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持するように構成されている。
【0068】
「売却希望対象識別情報」としては、本発明のシステムを利用する順番に発行する番号でもよいし、他と重複しないランダム生成した文字列でもよいし、バイクのナンバープレート番号や、売却希望対象の型名や、売却希望対象に一義的に付けられた製造番号などでもよい。売却希望対象を本システム上で一義的に区別できる識別情報であればよい。また、売却希望対象識別情報は、その売却希望対象識別情報で識別される対象の属性情報やスペック情報などと関連付けられるように構成されていてもよい。前記属性情報やスペックは、本システムが利用可能なスペックデータベースを設けて、売却希望対象に関する型名や製造番号などの入力に応じて自動的に関連付けられリンク等が生成されて買手が閲覧できるように構成することができる。
【0069】
例えば売却希望対象がバイクである場合(バイクには限定されない)には、メーカーのカタログ上のスペックに関する情報や、製造以来の点検または修理に関する情報や、初期部品から交換した高性能部品(例:点火プラグ、マフラー、ライト、警笛、ブレーキ、タイヤ、サスペンション)などに関する情報などである。またこれらの情報にはそれぞれの耐久性に関する情報や、保守管理に関する情報が関連付けられているとなおよい。
【0070】
さらに、同型のバイクが市販されている場合には、その同型のバイクを識別する商品識別情報と関連付けられていてもよい。これらは経時的にその種の商品がどのように劣化したり、補修の必要性があるかなどの予測情報を得たりするために利用できるからである。なお、これらの情報にはそれぞれに費やした費用に関する情報や修理業者や作業者を識別する情報が関連付けられていてもよい。また保守や修理、点検などが行われた場合には、その主体と、結果とをその時期と関連付けて保持するように構成することが望ましい。これらの情報は売却希望対象属性情報として売却希望対象属性情報保持部に保持されるように構成することができる。ハードウェア的には売却希望対象属性情報保持プログラムを利用して本願明細書に記載のコンピュータを利用して保持する処理をするように構成することが出来る。または、同型のバイク(バイクには限定されない)の本オークションシステムでの落札価格を取得し、商品識別情報と関連付けて保持するように構成することにより、後記する実施形態において、売却希望対象を登録する際に目安価格を提供することができる。
【0071】
売却希望対象識別情報は、売却を希望する商品である売却希望対象がかけられるオークション自体を識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。複数の売却希望対象が一つのオークションにかけられる場合は、オークション識別情報と売却希望対象識別情報は1対1対応とはならない。しかし、1つの商品のみ出品されるオークションであればオークション識別情報と売却希望対象識別情報は同様の意義を持つため、売却希望対象識別情報は、オークション識別情報であってもよい。
【0072】
<実施形態1 売却希望対象評価用情報入力部(C)(0103)>
「売却希望対象評価用情報入力部(C)」(0103)は、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させるように構成されている。
【0073】
売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報であって、売手が入力する情報の例としては、次のような情報である。バイクであればメーカーや、製品の名称、型名、色、年式、走行距離、車検等定期検査が義務付けられている商品の場合は次の検査までの残り期間または有効期限、車検有効期限が過ぎている場合は切れている旨の記載、保証期間の残期間などであるが、そのほかに次のような情報を含むように構成できる。法規制の順守状況(排出ガス規制の順守、道路運送法に定める保安基準の順守など)、車両の保守や修理や点検の履歴や、事故の履歴など売却希望対象の属性情報に含まれる情報が含まれてもよい。商品価値を損ねるような情報の例としては、商品の汚れや破損、傷、色変化(脱色や黄ばみ、濃色化など。脱色が部分的に起こった色斑も含む)、縮み、膨潤、表面のべたつき、ひび割れや風化、ガラスや透明樹脂など透明部分の曇り、使用期間、製造年月日、保管環境(バイクであれば露天駐車、海岸沿いの住居に駐輪など)、使用状態(バイクであれば走行距離)、付属品や包装の欠品などである。逆に商品価値を高めるような情報の例としては、未使用や未開封の商品、使用期間が短い、使用状態(バイクであれば走行距離が短い)、限定品、シリアル番号入り、有名人のサイン入り、保管環境が良い(シャッター付きのガレージ保管など)、保証期間内、チューンナップにより上級部品に換装済み、追加オプションなどの情報である。なお、自動車や二輪車の車検のように定期検査が強制的に行われるような商品の場合には、その定期検査で得られたデータも入力したり、自動的に入力されたりするように構成することができる。データとは、例えば排気ガス中に含まれる窒素酸化物濃度や、EV、PEV、PHEVなどの場合にはバッテリーの消耗を示す情報などである。またドローンなどの場合には回転翼を駆動する複数のモータの性能のばらつきなども情報として含まれていてもよい。
【0074】
売却希望対象評価用情報は後記する売却希望対象評価用情報閲覧部(D2)にて、本システムを利用する者が閲覧できる。閲覧時に売却希望対象自体に関する情報だけではなく、売却しようとする売手に関する情報(特に信用度に関する情報)も閲覧できるように構成することができる。売手の信用度に関する情報とは、連絡先や決済手段(銀行口座やクレジットカードや電子マネーなどの数や種別)や、売手に対する口コミや評価、売手が本システムを利用した出品歴などである。クレジットカード申し込み時に審査を行うカード会社名義のクレジットカードを持っているようであれば、相応の信用度を有すると考えられる。ただし落札者でもない買手に、連絡先や決済手段を広く公開することは不正利用や迷惑行為が行われる可能性があり適当ではない。そのため売手の信用度に関する情報である売手信用情報は売却希望対象評価用情報に含めるが、すべては開示しない。例えば、口コミや評判などの情報のみを閲覧可能とするように構成する。その他の連絡先や決済手段は本システムの管理運営者(及び入力した売手本人)のみ閲覧可能とするように構成する。情報に応じて閲覧権限を設定し制限することが好ましい。本システムによりオークションを主催する者と、本システムの管理運営者は同一として、本明細書では説明を記載するが別々であってもよい。
【0075】
口コミや評価は、買手、特に落札して売却希望対象を売手から購入し引き取った買手が、入札時に閲覧した売却希望対象評価用情報を評価した評価情報が口コミや評価を形成する。落札した買手が、売却希望対象評価用情報の正確性、範囲や量などについて自由記載や、レベル(優良、良、可、やや不良、不良)や、5点満点の点数付けなどによって評価する。この評価は、売手が本システムを利用して次に何か出品する際に買手が閲覧できる。オークションへの出品に対する売手への信用度を示す情報である売手信用情報を売手識別情報と関連付けて保持する売手信用情報保持部を有し、さらに売却希望対象評価用情報閲覧部(D2)売手信用情報情報の一部(例:口コミ評価)を売却希望対象評価用情報に含めて閲覧させるように構成することで達成できる。
【0076】
買手による売手の評価は、該当する売手が次回出品する際の買手候補が閲覧し、該売手が入力した売却希望対象評価用情報がどのくらい信用できそうか判断する際に寄与する。しかし買手が万一悪意をもって売手の評価を低く誤った内容で記載入力した場合、売手自身の責にない不当に低い評価となり、売手が次回出品する場合に買手候補に信用されず、入札が低調に終わる可能性がある。売手の不当評価は、売手が本システムの利用を忌避することにつながりかねないため防止する必要がある。そのため買手が入力した売手の評価は、本システムの管理運営者(オークションの主催者でもよい)が確認し、不当な評価であれば編集(追加、修正、削除)するように構成する。買手が入力した評価は入力した買手自身と、本システムの管理運営者だけに編集権限を付与するように構成する。
【0077】
入札の承認後の事後処理の部分における買手の対応を、売手が評価するように構成してもよい。評価した結果は買手識別情報と関連付けて買手評価情報保持部に保持するように構成する。売手が入札の承認可否を問われた際に、承認可否を問われた入札を行った買手の買手識別情報に関連付けられた評価結果を売手が閲覧して、買手の対応の良し悪しを把握し、承認可否を判断する際に参考とすることができる。
【0078】
売手と買手の取引についての評価を、本システムの管理運営者が行ってもよい。「取引」には売却希望対象評価用情報の評価(精度、量、範囲)、金額交渉や商品引き渡しやその調整や代金支払いなどの事後処理が含まれる。取引に関してのチェックリストをあらかじめ用意し、項目ごとの点数付けを本システムが自動で行うように構成してもよい。取引に対しての評価は売手と買手双方に対し行われ、管理運営者だけが閲覧できるように構成してもよいし、公開されてもよい。
【0079】
また売手の属性情報も売却希望対象評価用情報に一部含まれてもよい。売手の属性情報の例としては、売却希望時の売手の年齢、職業、住所、利用金融機関情報、以前に本システムでの売却実績があればその当時の買手からの評価格付などである。
【0080】
新規会員登録の説明例に挙げた佐藤拓哉氏がバイクを売却しようとする場合を例として、図17,18を用いて、売却希望対象評価用情報について以下説明する。
【0081】
図17は、新規会員登録を終えた佐藤拓也氏が、オークションシステムアプリのトップページ(図15)にて「売りたい」ボタンを押下した場合に移動する先の画面表示例である。図17図18の2画面で売却対象の情報を入力する。図17は主に数字を含む文字情報を登録する画面である。会員登録を終えたため、画面最下段に佐藤氏の氏名と、会員番号が表示されている。一番上に売却希望対象の物品のジャンルをプルダウンメニュウから選択する。図17ではバイクが選択されている。記入欄の右脇に下向き三角が配置されている欄はプルダウンメニュウから選択記入する欄である。メーカー名、排気量、名称を順に記入(選択)していく。メーカーと排気量によって名称のプルダウンメニュウ内の候補名を自動で変更するように構成する。図17では川崎重工業のエストレヤ(登録商標)がプルダウンメニュウ選択され、種類についてはプルダウンメニュウ中になかったために下欄にFinal Editionと追記している。例えば本田技研工業のCB750など名称中に排気量を表す数字を含む物などもプルダウンメニュウから選択できる。図17に示したような品種名の欄に、プルダウンメニュウで品種名とグレードや派生品種名を組み合わせた名称を羅列するように構成してもよいし、プルダウンメニュウが長くなりすぎる場合には品種名のメニュウとグレードや派生品種名の選択プルダウンメニュウを分けて配置してもよい(図示せず)。予め主だったメーカーの排気量毎の製品の構成データベースを作成して保持しておくとプルダウンメニュウ選択式で入力できるために便利である。マイナー品種で選択肢に名称がない場合は、直接入力する。年式は新しい方が好まれるが、品質的には走行距離の方が影響大のため、年式は任意入力としている(入力必須としてもよい)。走行距離はプルダウンメニュウからの選択式としているが、後記するように総走行距離が表示されるメータ部の写真も登録するため、あまり細かい刻みとしなくともよい。このようなプルダウンメニュウで売却希望対象に関する情報を入力すると、買手が入札対象を選択しようと検索する時の検索キーとして絞り込み検索に使えるため便利である。
【0082】
図18は売却希望対象であるバイクの写真や、価値の評価に影響する情報や、売却希望金額を入力する画面の例である。図18では、バイクの左右前後とメータ部、自動車検査証(車体番号、所有者名がわかる書類)の6種の写真を撮影し登録する場合が示されている。例えば図18中の「写真撮影」表示下の「左」を押下すると、スマートフォンのカメラアプリが起動し写真撮影を行う。撮影された写真が表示され、良ければ「写真登録」ボタンを押下する。「前」から「後」まで撮影し写真登録を行い、次に「メータ」を撮影する。メータは総走行距離計の表示がわかるように撮影する。距離が表示されない場合は下の特記事項欄に記載する。「検査証」は自動車検査証または標識交付証明書を、車体番号および所有者名がわかるように撮影する。撮影し写真登録すると、図18の「写真撮影」表示下の「左」のように。四角内に登録した写真が縮小されて表示される。登録した写真を取り消して再度取り直したい場合は、写真を押下して選択し、「写真取消」ボタンを押下して、再撮影する。写真登録後、特記事項あれば、特記事項を入力する。図18の例では「タンク上部に軽微な傷あり」と記入されている。写真追加ボタンを押して、例えばタンクの傷部分の写真を追加登録することもできる。説明が必要な場合には、「コール」ボタンを押して、本オークションシステムの管理運営者のコールセンターの担当者へ電話し説明する。必要に応じスマートフォンに装備されたカメラでビデオ撮影しながら担当者に説明することもできる。
【0083】
入力された売却希望対象評価用情報を後記する売却希望対象評価用情報保持部(D1)に保持する前に、本発明のシステムが入力漏れや誤り(入力項目欄の誤りや誤字脱字、バイク型名と現品写真の不一致など)または撮影した写真が不鮮明だったり写すべきところが写っていなかったりなどの不備があるか、情報に不備がないか確認するように、入力売却希望対象評価用情報確認部を設けることが好ましい。上記アプリの例では、図18の情報登録画面下部の「登録」ボタンを売手である佐藤氏が押した後、入力売却希望対象評価用情報確認部が入力された売却希望対象評価用情報に不備がないか確認し、不備がなければ入力された情報を売却希望対象評価用情報保持部(D1)に保持する。不備を検出した場合には不備がある欄に印をつけたり文字の色を変えたりして入力者である佐藤氏に知らしめ、修正するように促すといったことを行う。不備のチェックは「登録」ボタンを押した後に一括で行う以外に、一つの欄に入力し、次の項目の欄の入力を始めようとしたときに、直前に入力した欄の不備の確認を行うように構成してもよい。都度の確認と、「登録」ボタンを押した後の一括確認の両方を行うように構成してもよい。
【0084】
<実施形態1 売却希望対象評価用情報保持部(D1)(0104)>
「売却希望対象評価用情報保持部(D1)」(0104)は、入力された売却希望対象評価用情報を保持するように構成されている。
【0085】
入力された売却希望対象評価用情報は、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けられているため、保持する際に売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて保持するように構成することもできる。なお、一の売却希望識別情報で識別される売却希望対象と、他の売却希望対象識別情報で識別される売却希望対象が実は同一の物であった、というケースも想定される。つまり、一旦売却希望対象が本システムを利用して売却された後に、その買手であった者が再び本システムを利用して買取った商品の売却を希望するような場合である。この場合には、蓄積されている過去の売却希望対象識別情報と関連付けられて保持されている売却希望対象評価用情報と、新たに売却が希望されている売却希望対象の売却希望対象評価用情報とを比較して両者に矛盾(例:走行距離が後者の方が小さい等)がないか判断する整合性判断部を設けることも考えられる。そして、整合性判断部での判断結果が後の売却希望対象に関する売却希望対象評価用情報が偽装をしている可能性があると認識されるような判断結果である場合には、その売却希望を却下するか、あるいは、売手に不利なオークションの処理をするようにオークション条件構成部にて構成することも考えられる。例えば、実際の売手の希望する売却希望条件を買手候補に対して相対的に低くなるようにマッチング処理をするようなことが考えられる。
【0086】
<実施形態1 売却希望対象評価用情報閲覧部(D2)(0119)>
「売却希望対象評価用情報閲覧部(D2)」(0119)は、保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させるように構成されている。
【0087】
売却希望対象評価用情報閲覧部(D2)は、売却希望対象評価用情報を、本システムの利用権限を持つ利用者または本システムの管理運営者が閲覧できるように構成される。売手識別情報、買手識別情報、または本システムの管理運営に当たる管理運営者を識別する情報である管理運営者識別情報と本システムの閲覧権限を含む利用権限の種別を関連付けてそれぞれの識別情報の保持部に保持するように構成するとよい。権限の種別は、売手と買手は、オークションへの出品や入札の受付に関連する情報の入力や自身の入力した情報の編集権限や権限を有する情報の閲覧まで、本システムの管理運営者はそれに加えて本システムに入力され保持される情報の編集権限も持つといった階層を持つように構成できる。売却希望対象評価用情報については、閲覧権限は売手と買手双方が持つが、編集権限は売手のみが基本的に有するように構成される。売却希望対象評価用情報に誤りがあったり、社会通念的に不適切な記載があったりといった異常な状態である場合には、管理運営者にも該当する情報に限って編集できるように編集権限を臨時に付与されるように構成することが好ましい。編集とは、追加、修正、削除を行うことをいう。
【0088】
売却希望対象評価用情報閲覧部(D2)は、後記する売手希望情報入力部(E)にて売手に入力させた売手希望情報を、売手希望情報に関連付けられた売却規模対象識別情報に関連付けられた売却希望対象評価用情報と関連付けて閲覧させるように構成することもできる。このような構成であれば、売却希望対象に対する売却希望対象評価用情報と、売手希望情報をともに、本システムの利用者が閲覧することができる。
【0089】
買手がこれから入札しようとする時に、売却希望対象評価用情報を閲覧することにより、該当する売却希望対象へ入札をするかを検討することができ、さらに入札金額をいくらにするかを検討することができる。売手希望情報が前記例のように売却希望対象評価用情報とともに閲覧できる場合には、売手は自身が出品しようとしている物品が売れそうか、売れそうな場合にはどのくらいの金額になりそうかの感触を得ることができる。
【0090】
<実施形態1 売手希望情報入力部(E)(0105)>
「売手希望情報入力部(E)」(0105)は、少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させるように構成されている。
【0091】
売手にとって、自身が愛用していた品に対し他者が高い評価(入札金額)をしてくれることは喜びであり、最終的には自己の収入となるために、他者からの評価(入札金額)は重要である。そのため、売手希望情報として少なくとも売却希望額を含めた情報を入力する。
【0092】
同一の売却希望対象についてその売手希望情報の売却希望額などが売却不調などを理由として値下げされた場合など、売却希望条件の経時変化がある場合には、その履歴を保持するように構成することが好ましい。この履歴に関しては売手が閲覧できるように構成することが出来るし、買手が閲覧することが出来るように構成することもできる。買手が閲覧できるようにするために売手の承認などを必要とするように構成することもできる。
【0093】
売却希望額の入力の一例を、図18を用いて説明する。図18の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす売却希望対象評価用情報と、売手希望情報を入力し、さらに売手である佐藤氏の希望金額を入力する。図17図18に示した例での売却希望対象評価用情報をすべて入力し終えていた場合には、オークションシステムが目安価格を提示するように構成することができる。図18の例では「目安」ボタンを押下することで、入力済みの売却希望対象識別情報と売却希望対象評価用情報を基にオークションシステムにて過去に同形式のバイクをオークションにかけた実績、売却希望対象評価用情報で示された状態と同様の状態でのオークション実績、またはインターネット上の中古バイク情報などを参考に、本オークションシステムの管理運営者の査定担当者または査定用AIにて見積もった目安金額を参考額として表示する。表示された目安金額を参考に売却希望金額を入力することができる。入力する金額は、目安金額と同額でもよいし、売手自身の判断で増減させた金額を入力することもできる。万一オークションで成約した金額でよいということであれば、希望金額を入力しなくともよい。
【0094】
売却希望額以外の売手希望情報としては、商品を買手または買手の意向により引き取る代行者によって引き取られる日程である引取日と、代金が支払われる日程である支払日などがある。引取日は、売手が商品を使用できる使用期限である一方で、引越しや長期出張などで不在となるために所定期日までに商品引取を実行させたいなどの理由の場合には、特に売手にとって重要な条件となる。また、売手が借金の返済や、商品やサービスの対価としての支払いの期日までに、所定の金額が必要な場合には、支払日がいつになるのかが重要な条件となる。
【0095】
売却希望金額以外の売手希望情報入力の例として、希望引取日と希望支払日に関し図17を用いて説明する。図17において、下の方に希望引取日と希望支払日の任意入力欄がある。登録時点前後1年以内の日付を想定しているため、年の入力が省略されている。年の入力欄を設けてもよい。希望引取日も希望支払日も、「いつ以降」から「いつ迄」を希望するのかを入力するように欄を設けているが、日程の片側だけ希望する場合は、片側を入力すればよいように構成できる。例えば図17の例で希望引取日として、5月19日までは使用したいので20日以降の引取はいつでもよい場合は5月20日以降の欄のみ入力する。6月1日に引越しで住居を引き払うために5月31日までのいつでもよい(すぐでもよい)ので引取に来てほしいという場合は、上段の「以降」の欄は記入せず、下段の「迄に」の欄に入力するなどである。またプルダウンメニュウではなく、希望引取日などの表示の下のカレンダー状のマークを押して、カレンダー上で希望日程を入力するように構成することもできる。どちらからも入力できるように併用することもできる。希望支払日の入力も上記希望引取日の入力例と同様である。希望日程を入力したら、画面下の「次へ」ボタンを押し、図18の画面へ移動する。
【0096】
売却希望対象評価用情報、売却希望条件を一通り入力し終わった後、前頁へ戻って何か修正したい場合には「戻る」ボタンを押下し、必要な処置を行う。売却希望対象の入力自体を中止したい場合は「取消」ボタンを押下する。入力が終わったら、下段の「登録」ボタンを押下する。「登録」ボタンが押下された際には、オークションシステムは入力された情報に不備がないか、不足がないかといった形式的なチェックを自動的に行い、問題なければ登録作業を完了させる。なお不備不足がある場合、エラーメッセージをポップアップウィンドウで表示し、修正を促すように構成するとよい。問題なかった場合も、登録完了した旨を表示したり、マイページ又はトップページへ移動したりするなど表示を変えると、無事に登録できた旨が売手に伝わって好ましい。
【0097】
<実施形態1 出品受付部(F)(0106)>
「出品受付部(F)」(0106)は、入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付けるように構成されている。
【0098】
オークションの出品受付時に、受け付けた売手希望情報を、売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて保持する売手希望情報保持部をさらに有するように構成するとよい。
【0099】
また、オークションの出品受付前に、売却希望対象識別情報によって識別される売却希望対象評価用情報に不備がないかを確認する入力売却希望対象評価用情報確認部を有するように構成することができる。前記の売却希望対象評価用情報入力部(C)での売却希望対象評価用情報入力時に、入力売却希望対象評価用情報確認部にて不備の有無を確認するように構成していた場合は、出品受付前の不備の有無の確認は省略してもよい。入力売却希望対象評価用情報確認部にて不備がないことを確認した結果を示す情報である確認結果情報をさらに売却希望対象識別情報に関連付けて保持するように構成するとよい。オークションへの出品受付時に、売却希望対象識別情報に関連付けられた確認結果情報を参照し、売却希望対象評価用情報に不備がないという確認結果の存在を条件とすることができる。
【0100】
<実施形態1 買手識別情報保持部(G)(0107)>
「買手識別情報保持部(G)」(0107)は、買手の識別情報である買手識別情報を保持するように構成されている。
【0101】
買手識別情報は、買手の氏名や法人(一般商店や個人事業主も含む)の場合は法人名であってもよいし、本発明のシステムを使用するにあたって一義的に識別するために発行される会員IDのような文字列や、電話番号やメールドレスであってもよい。買手識別情報は、その買手識別情報で識別される顧客の属性情報と関連付けられていてもよい。買手の属性情報とは、本オークションシステム利用時の買手の年齢、職業、住所、利用金融機関情報、買手が個人事業主や法人である場合は事業関連の情報(所在地、資本金、従業員数、事業内容、売上高、創業年など)、買手の本システムの利用履歴(売手としての場合を含んでよい)、過去に取引があった売手からの評価格付、などであるが、これらの情報は経時的に変化するものもあるので、時系列的に定期的に更新し、履歴として蓄積されていることが好ましい。買手自身が更新してもよいし、本システムの管理運営者が更新してもよいし(買手からの依頼を受けての更新、又は管理運営者が自主的に更新してもよい)、AIやプログラムを用い自動的にインターネット上の情報を収集して更新するように構成してもよい。また、買手本人や家族などが、このオークションシステムを利用して物品を売却又は他の商品を購入した場合には、その情報を関連付けられるように構成することが好ましい。なお、利用金融機関情報は、買手が購入の対価の支払いをする際の手段、特に振込先の銀行口座や、その他の送金手段について保持されていることが好ましい。その他の送金手段としては、電子マネーや、クレジットカード番号や、SNS等の送金手段を利用する際の識別情報などである。
【0102】
<実施形態1 買取希望対象識別情報保持部(H)(0108)>
「買取希望対象識別情報保持部(H)」(0108)は、買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持するように構成されている。
【0103】
買手がオークションに入札したいと希望する売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報と、買手を識別する買手識別情報を関連付けて事前に保持することで、オークション開催時に対象となる売却希望対象へ入札できる権限を有するように構成することができる。対象となる売却希望対象識別情報と関連付けられていない買手は、オークション開催時に入札できないように構成してもよい。なお、オークションの開催は予告されたタイミングで行われるようにすることもできる。そして開催されたら事前に登録して前記保持されている買手識別情報で識別される買手に対して開催通知がされるように構成してもよい。なお、買手が海外の買手も想定される場合には営業活動時間帯の関係から日本国内外の買手が平等になる様に時間をずらして開催し、オークションの入札タイミングも平等となる様に海外の時刻と日本国内の時刻をずらして入札するように構成してもよい。またはオークション開催時には誰でも入札することが可能で、入札した時点で、売却希望対象識別情報と入札した買手の買手識別情報を関連付けて保持するように構成してもよい。
【0104】
<実施形態1 買手希望情報入力部(J)(0109)>
「買手希望情報入力部(J)」(0109)は、少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させるように構成されている。
【0105】
買手にとって、出品された商品の購入のために支払う金額は、自らのキャッシュから支出するため、買取希望額は重要である。売手とは逆に、買手はなるべく安い買取希望額で落札できることが望ましい。しかし売手の売却希望額と乖離していたり、競合入札者より低い額だったりすると競り負けることもあって、買取希望額の決定は重要である。
【0106】
買取希望金額として買手が、入札額に当たる買取希望額と、該当売却希望対象に買取に当たり最高いくらまで出すつもりがあるかを示す最高入札可能額の2つの金額を入力するように構成することもできる。最高入札可能額は、後記するように入札可能期限到来後に売手が入札拒否し金額交渉が行われるとなった場合に、どこまで入札者である買手が入札額を増額できる余地があるかを示すものである。そのため本オークションシステム(または本システムの管理運営者)が承認を受けるために売手に提示される入札を選択する際(または後記する金額交渉相手の候補選択時)に、入札額以外に最高入札可能額をも考慮して決定するように構成することもできる。オークションが第二価格オークション方式の場合は、入札者が入力する買取希望額が入札額と最高入札可能額の両方の意味を兼ねさせることもできる。
【0107】
また、買手にとって買取希望額以外の条件としては例えば、商品の引取日程と代金の支払日程も重要である。商品はできるだけ早く入手し、現品を確認し、商品の所有や使用が目的ではないのであれば、なるべく早く現金化(電子マネーのように実体がないが現金の代用として使用できるものでもよい)すれば、利益を早く上げることができる。代金の支払日程をなるべく遅くすることも重要である。究極的には、商品を引取、第三者に売却した代金をもって売手に支払うことができれば、最初に売手に支払うための金額を手元に準備する必要がなくなる。代金支払いまでの期間が長ければ、その間に他の支払いに充てたり、他からの入金を待つことができたりするため、買手の資金の自由度を増すことができる。
【0108】
買手希望情報は、売却希望対象識別情報と関連付けて、買手に入力させるように構成することができる。入力された買手希望情報を買手識別情報と、売却希望対象識別情報とに関連付けて保持する買手希望情報保持部を有するように構成することもできる。買手が同時に複数の売却希望対象へ入札を行うべく、買手希望情報を複数入力するような場合には、夫々の買手希望情報を識別することができる。
【0109】
<実施形態1 入札受付部(K)(0110)>
「入札受付部(K)」(0110)は、入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付けるように構成されている。
【0110】
入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて取得することにより、入札を受付ける。前記したように、入力された買手希望情報を買手識別情報と、売却希望対象識別情報とに関連付けて保持する買手希望情報保持部を有するように構成することができる。
【0111】
図19から図21を用いて、買手が登録された物品に対し、買手希望情報を入力し入札する例を説明する。図19は、買取を希望する物品を検索しようとする画面例である。検索結果の一つであるバイクの情報が図20に表示され、図21では図20に表示されたバイクに対し、買手希望情報を入力し入札を行う画面の例を示す。なお、この例では買手が自身で物品を検索しているが、売手が売却希望対象、売却希望対象評価用情報を登録し、オークションシステムにおいて情報の形式的な不備不足がなく、また登録された情報の内容的な不備不足(売手とバイクの自動車検査証に表示された所有者名が異なる、入力された走行距離とメータ写真の表示が異なる、前後左右の写真では明らかに傷があるが特記事項入力がないなど)がないことを確認できた案件について、本発明のオークションシステムから買手候補の会員へメールやアプリのプッシュ通知などで案件情報を提示するように構成することもできる。その場合メールやプッシュ通知から、図20に示す売却希望対象評価用情報の表示画面例へ移動するように構成するとよい。
【0112】
図19を用い、買手が買取希望の物品を検索する場合を説明する。買手は画面下段に表示されている田中オートである。物品のジャンルとしてバイクである、川崎重工業のエストレヤ(登録商標)を探している。メーカーと排気量と名称を必須の条件としているが、すべて任意入力としてもよい。条件設定し終えたら、下部の「検索」ボタンを押下する。
【0113】
図20に、図19の検索条件で検索された結果の一つを表示している。上部にメーカー名、排気量、名称、年式、走行距離、希望引取日、希望支払日、特記事項、売手の希望条件である売却希望額に基づいた入札時の最低金額(売却希望額から所定割合減じた額、または所定額減じた額であってもよいし、売却希望額そのままでもよいし、売却金額より所定比率または所定額加算した額でもよい)が表示され、その下に写真のサムネイル画像が表示されている。所望の部分のサムネイル画像を押下すると別途全画面表示される(図示せず)。写真の左右辺中央などに「<」「>」を表示させ、写真を切り替えられるように構成してもよい。この物品に入札する場合は「入札」ボタンを押下し、条件入力画面(図21)へ移動する。図20の上側に表示されている「あと20時間25分30秒」というのは、入札の締め切り(入札受付可能期限)までの時間である。図20のバイクの例では、入札受付可能期限の20時間25分30秒後に、入札受付が中止(締切)され、入札された中で最も売手希望情報を合致する買手希望情報を入力した買手に落札される。または上位2者又は所定の数の候補者を落札者として、売手に紹介し、入札条件以外の詳細条件を詰めて最終落札者を売手に決めさせるように構成することもできる。または、一般的なオークションのように、入札開始後の締め切りまでの時間と、その時点までの入札額の最高値を表示するように構成してもよい。
【0114】
図21は、図20で表示されていた物品に対し買手希望情報を入力する画面例を示す。買手が希望金額を入力する。買手の希望金額は入力必須項目である。希望金額近傍にはオークションの最低金額が表示されている。最低金額は図21に示された物品のオークションの最低入札金額として65万円を示しており、65万円未満の金額では入札ができない又は入札しても考慮されない(最低金額は参考値として、65万円以下の入札が考慮されるように構成してもよい)。最低金額は図18において売手の佐藤氏が目安価格を表示させたのと同様に、保持されている売却希望対象識別情報と売却希望対象評価用情報を基にオークションシステムに保持されている過去の同型式のバイクのオークション実績やインターネット上での中古価格などを参考に本システムの管理運営者の査定担当者または査定AIなどが出した査定額に対し一定額または一定比率を減じた額を最低入札金額することができる。前記のように売手の希望金額そのものや、売手の希望金額から一定額か一定比率を減額した金額や、売却金額より所定比率または所定額加算した額を最低入札金額としても良い。
【0115】
上述した図17において売手の佐藤氏が希望引取日程と希望支払日を任意入力している。それに対し買手も図21の画面では任意入力となっているが、希望引取日と希望支払日を入力したほうが、他入札者と同額での入札となった場合に落札できる可能性が上がることが期待できる。入札された金額の最高額である入札最高額の入札者が2者いた場合に、日程入力していない入札者と、売手希望日程に近い(または同じ)日程を記入している入札者であれば後者の方が、最初の交渉相手に選ばれやすいと考えられる。日程入力はプルダウンメニュウ又はカレンダーを使用した入力を行う。なお買手希望情報入力画面において希望引取日と希望支払日には、初期値として売手希望情報として入力された日程が表示されていてもよい。売手側がどちらか一方または両方とも希望日程を入力しなかった場合は、買手希望を優先するまたは落札後に応相談とするように、出品と入札前に利用規約として売手、買手双方に周知させておくのがよい。買手が日程を入力しなかった場合には売手希望を優先するまたは落札後に売手と買手間で調整して決めるとするように、これも利用規約として出品と入札前に、利用規約として売手、買手双方に周知させておくのがよい。
【0116】
入札条件として金額以外に、引取日程や代金の支払日程やその他条件も指定した場合には、その他条件も含めてマッチングを行い、落札者を決めるように構成することもできる。条件ごとに順位付けを行い、1位から順に点数を与え、入札全条件での合計点数によって入札者の総合順位を決定し、1位の入札者を落札者と決めるように構成することができる。入札条件に重みづけをすることもできる、例えば、金額を最も優先するのであれば、金額について入札者に与えられる点数に1倍し、次の条件(例えば引取日程)については点数を0.9倍するといった重みづけである。
【0117】
本明細書の説明例では、入札受付可能期限内に入札を受付け、入札内容は前記期限内には売手を含め他者へ公開しない。前記期限が到来した時点で、後記する入札状況閲覧部(N)にて、入札内容を閲覧させるように構成してもよい。
【0118】
<実施形態1 入札受付可能期限取得部(L)(0111)>
「入札受付可能期限取得部(L)」(0111)は、オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得するように構成されている。
【0119】
「オークション出品時を基準として」とは、オークションの出品を出品受付部(F)にて受け付けた時を起点とした期間を示す期限である場合、オークションの出品を出品受付部(F)にて受け付けた後に所定期間経過後を起点とした期間を示す期限、またはオークションの出品を出品受付部(F)にて受け付けた後の最初の所定時刻を起点とした期間を示す期限である場合などが考えられる。一つ目の例である出品受付時を起点とする場合は、出品を受付けた時を起点としてオークションの入札が始まり、入札を入札受付可能期限まで受け付ける場合である。二つ目の例は出品受付後の例えば24時間後からオークションの入札受付を開始し、入札を入札受付可能期限まで受け付ける場合である。この例では出品があった旨とオークション開始時刻を、入札の候補者になりうる者へ広く告知しオークションに備えさせることができる。三つ目の例は、出品を受付後、最初の所定時刻(例えば朝9時や昼の12時など)になったときからオークションの入札受付を開始し、入札を入札受付可能期限まで受け付ける場合である。例えば本システムが出品を受付けたのが真夜中だった場合、出品受付時点(真夜中)をオークションの入札受付開始とすると、朝となるまでオークションの入札が低調となる懸念があるため、一般的に業務開始となる時刻をオークション開始時刻とする例である。逆に、一般消費者が買手となるような商品の場合、自宅にいることが多い夜21時などをオークションの入札開始時刻としてもよい。
【0120】
「入札受付可能期限」としては例えば1分から24時間などの期間を設定できる。売却希望対象のジャンルや、同種の商品の人気度合いやオークションの過去実績から、売却希望対象により入札受付可能期限を変えてもよいし、一律固定期限としてもよい。入札受付可能期限が短すぎると、オークション開始に気づかず入札の機会を逸する入札希望者が発生する可能性がある。逆に長すぎると、入札から結果が出るまでに時間がかかりすぎる。例えば前記期限が48時間の場合、その待ち時間(48時間)の間に期限が24時間のオークションであれば2回参加することができたことになる。入札受付可能期限は適宜設定できるが、図13に示すように入札者がインターネットなどを介して遠隔操作で入札するような場合には、24時間程度の期限が最も好ましい。
【0121】
<実施形態1 入札受付中止部(M)(0112)>
「入札受付中止部(M)」(0112)は、入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止するように構成されている。
【0122】
図13に示すように、インターネットを介して本システムと売手と買手が接続している場合、入札受付可能期限は本システム内のリアルタイムクロックまたはネットワークに接続された標準時計で管理され、前記期限が到来した時点をもって、本システムに対する買手からの新規入札受付を中止し、入札が入力途中であった場合は入力を中止させる。買手に対する商品の案内画面(例えば図20)において、「入札」ボタンがなくなって、代わりに「入札終了」や「入札締切」が表示され、その横の入札受付可能期限が0時間0分0秒と表示されるようにすると、入札受付中止した商品であると明確となり好ましい。入札受付中止した商品の案内画面は表示を中止したり、入札者に対してのみ表示したり、後記実施形態で説明する追加入札を行う可能性がある期間は表示したりすることができる。
【0123】
<実施形態1 入札状況閲覧部(N)(0113)>
「入札状況閲覧部(N)」(0113)は、売手に入札状況を閲覧させるように構成されている。
【0124】
本明細書中の実施形態の説明では、入札受付可能期限が到来するまで入札状況が開示されない入札方式にて説明しているため、図2等の処理の流れの説明では、入札受付可能期限が到来し入札受付が中止されてから、入札状況が閲覧できるように説明されているが、入札受付可能期限内であっても入札状況を閲覧させるように構成することもできる。オークションが競り方式である場合などが該当する。入札方式であっても、下記に記すような限定された情報であれば開示することもできる。
【0125】
オークションの形式に応じて、入札受付可能期限内の閲覧可能な入札状況と、前記期限到来後に閲覧可能な入札状況はそれぞれに項目を適宜設定しうるように構成することができる。また、入札状況の閲覧は売手だけではなく入札した買手にも閲覧可能なように構成してもよい。競り上がり方式では、入札受付可能期限内は随時入札された金額を閲覧し、すでに入札した買手や入札していなかった買手が閲覧時点の入札額を参考に新たに入札を行うことができる。
【0126】
例えばオークションが入札受付可能期限内は入札された入札金額が非開示となる入札方式で行われるのであれば、買手は前記期限内に一度のみ入札可能であるため、入札受付可能期限内に閲覧可能とする入札状況としては、入札受付可能な残り時間、入札者数が好ましい。他者への開示を禁じたうえで売手のみに閲覧させるのであれば、前記期限内の入札最高額を閲覧できるように構成してもよい。入札受付可能期限到来後は入札最高額を含む、入札者数、入札者名、入札最高額、入札金額の少なくとも一以上を閲覧させるように構成することができる。
【0127】
オークションが入札開始金額から入札を開始し、その時点での入札最高額よりも高い入札金額で買手が入札しあい、入札額(その時点の入札最高額と入札者)が随時公開される競り上がり方式で行われるのであれば、入札受付可能期限内に閲覧可能とする入札状況としては、閲覧時点での入札受付可能な残り時間、入札最高額とその入札者を入札受付可能期限内に閲覧可能に構成する。入札最高額だけではなく、閲覧時点までに入札された全入札額と入札者を閲覧可能としてもよい。その場合には、入札額が高い方が上位に来るように降順で表示するとよい。競り上がり方式では入札受付可能期限到来後に閲覧可能な入札状況としては、入札者数、入札者名、入札最高額、入札金額を閲覧させるように構成することができる。
【0128】
オークション形式の前記2例では、入札額が高い方がよい形式の例であったが、オランダ競売法のように最初に最高値を告知し、徐々に呼び値を下げていき、最初に買手がついた価格で売買が成立する方式では、入札受付可能期限内に閲覧させる入札状況は、入札受付可能な残り時間と、閲覧時点の呼び値を閲覧できるように構成する。前記期限到来後は、買手が付いた際の呼び値(落札額)と買手の情報を閲覧できるように構成する。
【0129】
入札状況として、ある特定の買手希望条件での順位を入札された値とともに閲覧させるように構成することもできる。例えば、入札金額(買取希望額)を高い順に並べて表示して閲覧させるように構成できる。入札金額と入札者を対応付けて表示しなくてもよい。業者にとって入札金額はできるだけ落札できた売手以外には開示したくない情報だからである。金額とは別に入札者の一覧を順不同、あいうえお順、入札順などによって表示してもよい。売手にとっては、どのような入札者が自身の出品した売却希望対象へ関心を示したかを知ることができる。また入札金額だけではなく、引取日や支払日といった日程条件を売手が売手希望情報として入力しており、買手が買手希望条件として入札していた場合、売手希望日に近い順などで閲覧させるように構成してもよい。
【0130】
「閲覧」は、出品者である売手にのみ許可したり、売手と入札者に許可したり、一般に閲覧を希望する者に公開したり(例:商品の案内に貼られた入札結果の画面へリンクでの誘導等)することもできる。閲覧の権限は、入札受付可能期限内と前記期限到来後で切り替えることもできる。または例えば、入札受付中止後24時間以内など、入札受付中止時点を起点とした所定期間のみ可能とすることもできる。閲覧権限は、売手識別情報と関連付けて売手識別情報保持部(A)に保持したり、買手識別情報と関連付けて買手識別情報保持部(G)に保持したりするように構成することもできる。
【0131】
図22に入札状況の閲覧の例を示す。図22でのアプリ画面では、バイクを登録してオークションに出品した佐藤拓哉氏が入札状況を閲覧している。画面下側に、本システムにログインした佐藤氏の氏名と会員番号が表示されている。画面の上側には「入札状況」という図22の画面の説明が表記され、その右側には入札受付可能期限が到来し入札受付が中止されたことを示す「入札締切」が表示されている。その下に、売却希望対象のジャンルである「バイク」と、売却希望対象識別番号である「K-S-1」が記載され、さらに下に入札状況が表示されている。入札者のうち図22の画面では、入札金額という入札条件における順位で1位から11位までの13社が順位づけられて表示されている。同じ金額で入札した入札者は同順位となっている。1画面に収まらない入札者がいた場合には複数画面にわたって表示するように構成できる。その場合は、画面下側右の何も表示されていないボタンを「進む」ボタンとして、画面切り替えにて閲覧させられるようにできる。順位と金額表示の下側には、入札した入札者名を列挙している。これは順位に対応させて記載してもよいし、あいうえお順や、入札順、ランダムなど適宜並び方を設定することができる。あえて順位に対応させない並び方とした方が、入札者間で入札金額が知られずに済ませることができる。入札者名は表示しなくともよい。また入札金額は、全開示ではなく、上位3社や上位5社などに絞って表示するように構成してもよい。
【0132】
少なくとも入札受付可能期限到来後に売手が入札状況を閲覧することによって、売手は自身の入力した売却希望額より高い金額が入札された入札状況であっても、まだ入札金額が上がる余地がありそうか検討することができる。特に競り上がり方式の場合、入札受付可能期限近くで入札最高額の更新が続いていたようであれば、その上位数名は前記期限内の入札額よりも高い金額を提示できる可能性があると売手が考えることができる。
【0133】
<実施形態1 承認可否受付部(O)(0114)>
「承認可否受付部(O)」(0114)は、入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付けるように構成されている。
【0134】
入札の承認可否受付は具体的な例としては以下のような場合が考えられる。例えば、入札受付可能期限到来後に、売手に本システムから入札受付可能期限が到来し入札状況を閲覧するよう案内通知が送信される。入札状況閲覧画面に入札の承認可否(例:入札最高額の承認)を入力するボタンが配置されており、売手は「承認可」か「承認拒否」のどちらかを選択して押下する(図22には図示していない)。押下した結果は本システムへ送信され、承認可否受付部(O)にて受け付けられる。このような例である。
【0135】
承認可否について、売手は入札状況を閲覧し、入札された買手希望情報に含まれる買取希望額が自身の売却希望額を満たす入札だったとしても、承認を拒否することができる。
【0136】
例えばオークションが、所定期間内に入札を受け付け、入札受付期間内は入札状況を公開せず、入札受付可能期限到来後に、入札された条件を確認して順位付けを行う入札方式であって、より高い入札金額のほうが良いという入札方式だった場合に、売手が入札状況を閲覧した結果、売却希望額よりも、入札最高額が高かったとしても、売手は承認を拒否できる。前記入札状況閲覧部(N)にて入札状況を売手が閲覧した結果、売却希望額よりも高い入札額ばかりだったとする。その結果を見た売手が、金額交渉すれば入札状況閲覧時の入札最高額よりも高い金額が望めるかもしれないと判断すれば、入札(入札最高額、または入札最高額と最高額に近い数件の入札)を拒否し、後記するように金額交渉を行わせることもできるからである。
【0137】
またはオークションが、入札期間中の入札状況(少なくとも入札最高額を公開する。入札最高額入札者、その他少なくとも上位金額での入札者と入札額が公開されてもよい)が公開され、より高い入札額が落札となる競り上がり方式の場合、入札受付可能期限までの入札額の上がり方を閲覧した売手が、期限となってもまだ上がりそうだと判断した場合には、入札金額上位数名を対象に、後記金額交渉受付部にて金額交渉させるために、売手は入札の承認を拒否することができる。
【0138】
本明細書ではオークションは入札方式で説明しているため、入札受付可能期限内に入札を受付けた入札内容(買手希望情報)は前記期限内には基本的には売手を含め他者へ公開しない。前記期限が到来し、期限内に入札があった場合、入札された買手希望情報と関連付けられた買手識別情報から、一つ又は複数の候補を選出し、売手と、候補となった買手双方へ、入札結果を、本システムから通知連絡する。売手は連絡を受けた入札結果である一つ又は複数の買手希望情報を確認し、その入札結果を承認するか否かを本システムへ返信する。本システムの通知は、例えば図15から図22で説明した本システムを利用するためのアプリを通じて、アプリ上での可否通知や、電子メールやプッシュ通知やショートメッセージで行ってもよいし、利用者の携帯電話などへ自動発信で通知してもよい。自動発信での承認可否は、売手の回答を音声認識してもよいし、電話の数字ボタンを売手に押させて選択させてもよい。
【0139】
本システムから、売手に一つまたは複数の候補の入札の承認可否の問い合わせを送信した際、一の候補の入札のみの問合わせであれば、一の候補の入札の承認可否の判断のみを売手は行う。複数候補の入札の承認可否の問合わせを受けた場合、売手は複数候補の入札すべてを否認する場合のみ否認回答し、複数候補の入札のうち一以上の入札を承認可とする場合は承認可を選択し回答する。または、複数候補の入札ごとに承認可否を選択回答できるように構成してもよい。売手からの回答は、上述のように電子メールやショートメッセージでの返信や、本システムのアプリ上での送付(マイページなどでの回答入力や、アプリのお知らせなどへの返信など)や、電話などで行い、本システムが受け付ける。
【0140】
<実施形態1 金額交渉受付部(P)(0115)>
「金額交渉受付部(P)」(0115)は、承認可否受付部(O)(0114)にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受け付けるのように構成されている。
【0141】
売手が承認拒否の回答をした場合、本システムは売手からの金額交渉の依頼を受け付けるように構成される。売手からの依頼を受付けた本システムが金額交渉を仲介するように構成する。直接本システムがシステム上で売手と買手間での金額交渉の連絡を仲介したり、本システムが仲介者(本システムの管理運営者でもよいし、外部業者へ委託してもよい)へ売手に代わって買手と金額交渉に当たるように指示したりしてもよい。
【0142】
例えば本システムが金額交渉を直接仲介する場合、入札の承認拒否の意向を売手が本システムに通知し、承認可否受付部(O)が受け付ける。承認拒否を受け付けたことにより、金額交渉受付部(P)は、今までこの売却希望対象識別情報(オークション識別情報である場合も含む)で識別される売却希望対象に関する金額交渉を行ったことがなければ、売手へ金額交渉を買手候補と行うか意思の確認のための問い合わせを送信する。その際、金額交渉の相手として、入札最高額入札者または入札最高額とそれに準じる数名(例えば3名)を本システムからの金額交渉相手の候補の提案として前記問合わせ時に売手へ同送する。買手が買手希望情報入力時に自身がその売却希望対象へ支払える最高入札可能額(買取希望額<最高入札可能額)を、買取希望額(入札額)ともに入力していた場合には、最高入札可能額も考慮して金額交渉相手の候補を選択することができる。最高入札可能額は売手に開示せず、本システム(または本システムの管理運営者)が金額交渉相手候補選択時に使用する選択条件としてのみ使用するように構成することができる。例えば入札最高額よりも高い、最高入札可能額を入力している入札者(買手)を候補として選択する。なお第二価格オークション方式であれば、入札額=最高入札可能額の意味を持つ。売手が、金額交渉の意思があれば、前記問い合わせの「金額交渉を依頼する」にチェックを入れて返信を行う。提案された金額交渉相手の候補に同意するのであれば、金額交渉相手候補同意の旨も返信する。提案された候補一人一人にチェック欄を設け、売手側が金額交渉相手候補としてほしい入札者にチェックを入れて返信するように構成してもよい。入札状況を閲覧した売手が、売却希望額を改めて入力してもよい。金額交渉の意思がなければ後記実施形態のように追加入札受付、または流札を選択できるように構成してもよい。売手が金額交渉依頼をする際に、売手自身の希望額をも入力するように構成してもよい。
【0143】
売手から金額交渉の依頼の入力を受け付けたら、本システムは売手へ提示した一つまたは複数の買手候補に対し、売手側が入札金額について承認しない旨を電子メールやFaxなどで送信し、売手と交渉するのであれば入札金額を再入力するように求めたり、本システムから金額交渉担当者へ売手希望情報と買手候補の買手希望情報を送信し金額交渉を行うよう連絡したりする。買手候補が入札金額を再入力したり、金額交渉担当者が交渉した結果買手候補が入札金額を再入力したりした場合には、再度売手へ入札金額を通知し承認可否を問う。承認可を承認可否受付部(O)が受け付ければ落札となり、商品の引き取りや代金支払いに関しての確認協議を売手と買手間で行う。承認拒否を承認可否受付部(O)が再度受け付けた場合には、後記実施形態2で説明するように入札受付可能期限を所定期間延長し、入札の機会を増やすように構成することができる。または売手の意思を確認し交渉終了すなわちオークションへの出品中止(流札)としてもよい。金額交渉時の条件やり取りの回数や、交渉期限などは適宜定めることができる。ここまで本システムを介して行われた金額交渉の履歴を保持する金額交渉履歴保持部をさらに有することが好ましい。
【0144】
本システムが金額交渉を直接仲介せず、仲介者に売手に代わって買手と金額交渉を行うように指示した場合も、仲介者と買手の金額交渉の連絡は本システムを介して行い金額交渉の履歴を、金額交渉履歴保持部に保持することが好ましい。本システムを介せずに金額交渉を行った場合も交渉の履歴を本システムへ入力し金額交渉履歴保持部に保持することが好ましい。
【0145】
本システムの金額交渉受付部(P)が、金額交渉をさせることにより、売手の売却希望額よりも低い入札額しか入札されないような買いたたきを防止でき、売手がより高い金額で売却希望対象を売却することができ、売手の本オークションシステム利用に対する満足度を向上できる。
【0146】
<実施形態1 処理の流れ>
図2は、実施形態1のオークションシステムの動作処理のフローチャートである。オークションシステムの動作方法は、売手識別情報保持保持ステップ(a)(S0201)と、売却希望対象識別情報保持ステップ(b)(S0202)と、売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)(S0203)と、売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)(S0204)と、売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)(S0205)と、売手希望情報入力ステップ(e)(S0206)と、出品受付ステップ(f)(S0207)と、買手識別情報保持ステップ(g)(S0208)と、買取希望対象識別情報保持ステップ(h)(S0209)と、買手希望情報入力ステップ(j)(S0210)と、入札受付ステップ(k)(S0211)と、入札受付可能期限取得ステップ(l)(S0212)と、入札受付中止ステップ(m)(S0213)と、入札状況閲覧ステップ(n)(S0214)と、承認可否受付ステップ(o)(S0215)と、金額交渉受付ステップ(p)(S0216)と、を有する。
【0147】
ここで計算機であるオークションシステムの動作方法は、
売手識別情報保持ステップ(a)(S0201)は、売手の識別情報である売手識別情報を保持する処理を行い、
売却希望対象識別情報保持ステップ(b)(S0202)は、売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する処理を行い、
売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)(S0203)は、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる処理を行い、
売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)(S0204)は、入力された売却希望対象評価用情報を保持する処理を行い、
売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)(S0205)は、保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる処理を行い、
売手希望情報入力ステップ(e)(S0206)は、少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる処理を行い、
出品受付ステップ(f)(S0207)は、入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける処理を行い、
買手識別情報保持ステップ(g)(S0208)は、買手の識別情報である買手識別情報を保持する処理を行い、
買取希望対象識別情報保持ステップ(h)(S0209)は、買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する処理を行い、
買手希望情報入力ステップ(j)(S0210)は、少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる処理を行い、
入札受付ステップ(k)(S0211)は、入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける処理を行い、
入札受付可能期限取得ステップ(l)(S0212)は、オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する処理を行い、
入札受付中止ステップ(m)(S0213)は、入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する処理を行い、
入札状況閲覧ステップ(n)(S0214)は、売手に入札状況を閲覧させる処理を行い、
承認可否受付ステップ(o)(S0215)は、入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける処理を行い、
金額交渉受付ステップ(p)(S0216)は、承認可否受付ステップ(o)(S0215)にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付ける処理を行う。
このような一連の処理を計算機であるオークションシステムに実行させる動作方法である。なお承認可否受付ステップ(o)(S0215)にて、承認可の旨が受け付けられた場合は落札となる。金額交渉受付ステップ(p)(S0216)にて金額交渉をさせた結果、妥結した場合は落札となる。金額交渉で妥結しなかった場合は流札または後記実施形態2のように追加入札の処理を行うように構成することができる。
【0148】
<実施形態1 ハードウェアの説明>
【0149】
<実施形態1 ハードウェア構成>
本実施形態1におけるオークションシステムのハードウェア構成について、図3を用いて説明する。
【0150】
図3は、本実施形態1におけるオークションシステムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態におけるオークションシステムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0151】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0152】
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、売手識別情報保持プログラム(a)と、売却希望対象識別情報保持プログラム(b)と、売却希望対象評価用情報入力プログラム(c)と、売却希望対象評価用情報保持プログラム(d1)と、売却希望対象評価用情報閲覧プログラム(d2)と、売手希望情報入力プログラム(e)と、出品受付プログラム(f)と、買手識別情報保持プログラム(g)と、買取希望対象識別情報保持プログラム(h)と、買手希望情報入力プログラム(j)と、入札受付プログラム(k)と、入札受付可能期限取得プログラム(l)と、入札受付中止プログラム(m)と、入札状況閲覧プログラム(n)と、承認可否受付プログラム(o)と、金額交渉受付プログラム(p)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、売手識別情報、売却希望対象識別情報、売却希望対象評価用情報、買手識別情報、買手希望情報、入札受付可能期限、入札状況、承認可否などが格納されている。
【0153】
「CPU」は以下の処理を行う。
「メインメモリ」に格納されている売手識別情報保持プログラム(a)を実行して、売手の識別情報である売手識別情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている売却希望対象識別情報保持プログラム(b)を実行して、売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する。
「メインメモリ」に格納された売却希望対象評価用情報入力プログラム(c)を実行して、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる。
「メインメモリ」に格納した売却希望対象評価用情報保持プログラム(d1)を実行して、入力された売却希望対象評価用情報を保持する。
「メインメモリ」に格納した売却希望対象評価用情報閲覧プログラム(d2)を実行して、保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる。
「メインメモリ」に格納した売手希望情報入力プログラム(e)を実行して、少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる。
「メインメモリ」に格納した出品受付プログラム(f)を実行して、入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した買手識別情報保持プログラム(g)を実行して、買手の識別情報である買手識別情報を保持する。
「メインメモリ」に格納した買取希望対象識別情報保持プログラム(h)を実行して、買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する。
「メインメモリ」に格納した買手希望情報入力プログラム(j)を実行して、少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる。
「メインメモリ」に格納した入札受付プログラム(k)を実行して、入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した入札受付可能期限取得プログラム(l)を実行して、オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する。
「メインメモリ」に格納した入札受付中止プログラム(m)を実行して、入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する。
「メインメモリ」に格納した入札状況閲覧プログラム(n)を実行して、売手に入札状況を閲覧させる。
「メインメモリ」に格納した承認可否受付プログラム(o)を実行して、入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した金額交渉受付プログラム(p)を実行して、前記の承認可否受付プログラム(o)の実行にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付ける。
【0154】
本実施形態によって、少なくとも売手の売却希望額を含む売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けてオークションの出品を受け付け、少なくとも買手の買取希望額を含む買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品に対する入札を受け付け、入札受付中止後に売手がその入札の承認拒否した場合に金額交渉をさせるオークションシステムを提供することができる。本システムが売手からの入札承認拒否の旨を受付けた場合に金額交渉を行うことによって、オークションでの入札時に低い金額しか入札されないような買いたたきを防止できる。
【0155】
<実施形態2 概要>主に請求項2
実施形態2は実施形態1のオークションシステムを基礎として、追加入札受付部(Q)をさらに有し、金額交渉が不調に終わった場合に追加の入札を受付けるように構成されているものである。
【0156】
<実施形態2 構成>
図4に実施形態1を基礎とした実施形態2のオークションシステム(0400)の機能ブロック図を示す。実施形態1に対し前述のようにさらに、追加入札受付部(Q)(0416)を有するように構成されている。追加入札受付部(Q)(0416)以外は実施形態1と同様のため、以下、追加入札受付部(Q)(0416)についてのみ説明する。
【0157】
<実施形態2 構成の説明>
<実施形態2 追加入札受付部(Q)(0416)>
「追加入札受付部(Q)」(0416)は、金額交渉が不調に終わった場合に追加の入札を受け付けるように構成されている。
【0158】
オークションの入札開始後に最初に入札受付可能期限が到来し、受け付けた入札の買手希望条件を確認し、買手希望額を売手が承認拒否した場合、売手からの金額交渉依頼を受けて、前記実施形態1で説明したように売手と買手間で、本システムが仲介し金額交渉が行われる。所定期間又は/及び所定回数にわたって金額交渉を行い合意しない場合には、入札受付可能期限を所定期間延長し、さらに追加入札を受付けるように構成する。追加入札は、前回入札した買手も再度入札できるように構成したほうが入札の機会を増やすこととなり好ましい。入札受付可能期間の延長は、金額交渉が不調に終わった場合に自動で行われるように基本構成するが、売手の依頼を受けて延長する(売手に延長の意思がなければ、流札とする)ように構成してもよい。前回(初回)の入札状況(入札金額と順位など)を追加入札期間中に参考として閲覧可能とすると、売手が承認拒否したような金額で再度入札されることを防止できる。なお延長ではなく、再度出品受付手続はしないが、新たにオークションを行うように構成することもできる。
【0159】
金額交渉が不調に終わった場合に追加入札の受付けを開始し、追加入札の入札受付可能期限を取得し、前記期限が到来するまで入札を受付ける。追加入札も初回の入札時と同様の入札受付可能期限としてもよいし、長くしても短くしてもよい。初回入札受付可能期限と同様であれば24時間程度が追加入札受付可能期限として好ましい。
【0160】
追加入札受付時には入札対象者を限定しないことが望ましい。初回の入札に応じた者も追加入札時に新たに入札し直せることが好ましい。また初回入札しなかった者に対しても入札できるようにすることは、機会を増やし入札件数を増やすという意味でも望ましい。
【0161】
実施形態1及び本実施形態2では、売手が入札の承認可否を求められる場合には主に入札金額に基づいて承認可否を判断した。金額以外に、引取日程や支払日程などをも承認可否の判断基準に含めるように構成することもできる。引取日程や支払日程などの金額以外の条件を理由に入札受付中止後に売手から入札の承認拒否あった場合、金額交渉と同様に日程等他条件交渉をさせるように構成することができる。条件交渉したが不調に終わった場合、金額交渉の時と同様、追加入札を受付けるように構成することが好ましい。
【0162】
追加入札を受付け、追加入札に対しても入札受付可能期限が到来したら入札受付を中止し、売手に入札の承認可否を問う。もし売手が再度承認拒否した場合には、再々度の追加入札とはせずに一旦オークションへの出品を中止とする(流札)。なお、承認可否受付回数(売手が承認拒否する回数)の上限を規定しない構成も考えられるが、規定しなければ何回も追加入札を繰り返す可能性があるため、上限回数を規定する方が好ましい。追加の上限回数としては、1回程度が好ましい。1度承認拒否し金額交渉が不調に終わって、追加入札した入札結果に対しての承認可否受付(2回目の受付)が最後の機会となる構成である。2回目の承認可否受付の結果、承認可であれば落札、承認拒否であれば流札となる。
【0163】
<実施形態2 処理の流れ>
図5は、実施形態1を基礎とする実施形態2のオークションシステムの動作処理のフローチャートである。オークションシステムの動作方法は、売手識別情報保持保持ステップ(a)(S0501)と、売却希望対象識別情報保持ステップ(b)(S0502)と、売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)(S0503)と、売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)(S0504)と、売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)(S0505)と、売手希望情報入力ステップ(e)(S0506)と、出品受付ステップ(f)(S0507)と、買手識別情報保持ステップ(g)(S0508)と、買取希望対象識別情報保持ステップ(h)(S0509)と、買手希望情報入力ステップ(j)(S0510)と、入札受付ステップ(k)(S0511)と、入札受付可能期限取得ステップ(l)(S0512)と、入札受付中止ステップ(m)(S0513)と、入札状況閲覧ステップ(n)(S0514)と、承認可否受付ステップ(o)(S0515)と、金額交渉受付ステップ(p)(S0516)と、追加入札受付ステップ(q)(S0517)と、を有する。
【0164】
ここで計算機であるオークションシステムの動作方法は、
売手識別情報保持ステップ(a)(S0501)は、売手の識別情報である売手識別情報を保持する処理を行い、
売却希望対象識別情報保持ステップ(b)(S0502)は、売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する処理を行い、
売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)(S0503)は、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる処理を行い、
売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)(S0504)は、入力された売却希望対象評価用情報を保持する処理を行い、
売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)(S0505)は、保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる処理を行い、
売手希望情報入力ステップ(e)(S0506)は、少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる処理を行い、
出品受付ステップ(f)(S0507)は、入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける処理を行い、
買手識別情報保持ステップ(g)(S0508)は、買手の識別情報である買手識別情報を保持する処理を行い、
買取希望対象識別情報保持ステップ(h)(S0509)は、買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する処理を行い、
買手希望情報入力ステップ(j)(S0510)は、少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる処理を行い、
入札受付ステップ(k)(S0511)は、入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける処理を行い、
入札受付可能期限取得ステップ(l)(S0512)は、オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する処理を行い、
入札受付中止ステップ(m)(S0513)は、入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する処理を行い、
入札状況閲覧ステップ(n)(S0514)は、売手に入札状況を閲覧させる処理を行い、
承認可否受付ステップ(o)(S0515)は、入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける処理を行い、承認可を受付けた場合には落札となり、
金額交渉受付ステップ(p)(S0516)は、承認可否受付ステップ(o)(S0515)にて1回目の承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付ける処理を行い、
金額交渉にて妥結すれば、落札となり、
追加入札受付ステップ(q)(S0517)は、金額交渉が不調に終わった場合に追加の入札を受け付ける処理を行い、以降の処理を入札受付可能期限取得ステップ(l)(S0512)の前へ戻し、2回目の入札が行われ、入札受付可能期限取得ステップ(l)(S0512)と、入札受付中止ステップ(m)(S0513)と、入札状況閲覧ステップ(n)(S0514)と、承認可否受付ステップ(o)(S0515)の2回目の処理が行われ、
承認可否受付ステップ(o)(S0515)の2回目の処理で、承認可の旨が受け付けられた場合は落札となり、承認拒否の旨が受け付けられた場合には流札となる。
このような一連の処理を計算機であるオークションシステムに実行させる動作方法である。
【0165】
<実施形態2 ハードウェアの説明>
【0166】
<実施形態2 ハードウェア構成>
本実施形態2におけるオークションシステムのハードウェア構成について、図5を用いて説明する。
【0167】
図5は、実施形態1を基礎とした実施形態2におけるオークションシステムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態におけるオークションシステムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0168】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0169】
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、売手識別情報保持プログラム(a)と、売却希望対象識別情報保持プログラム(b)と、売却希望対象評価用情報入力プログラム(c)と、売却希望対象評価用情報保持プログラム(d1)と、売却希望対象評価用情報閲覧プログラム(d2)と、売手希望情報入力プログラム(e)と、出品受付プログラム(f)と、買手識別情報保持プログラム(g)と、買取希望対象識別情報保持プログラム(h)と、買手希望情報入力プログラム(j)と、入札受付プログラム(k)と、入札受付可能期限取得プログラム(l)と、入札受付中止プログラム(m)と、入札状況閲覧プログラム(n)と、承認可否受付プログラム(o)と、金額交渉受付プログラム(p)と、追加入札受付プログラム(q)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、売手識別情報、売却希望対象識別情報、売却希望対象評価用情報、買手識別情報、買手希望情報、入札受付可能期限、入札状況、承認可否などが格納されている。
【0170】
「CPU」は、以下の処理を行う。
「メインメモリ」に格納されている売手識別情報保持プログラム(a)を実行して、売手の識別情報である売手識別情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている売却希望対象識別情報保持プログラム(b)を実行して、売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する。
「メインメモリ」に格納された売却希望対象評価用情報入力プログラム(c)を実行して、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる。
「メインメモリ」に格納した売却希望対象評価用情報保持プログラム(d1)を実行して、入力された売却希望対象評価用情報を保持する。
「メインメモリ」に格納した売却希望対象評価用情報閲覧プログラム(d2)を実行して、保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる。
「メインメモリ」に格納した売手希望情報入力プログラム(e)を実行して、少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる。
「メインメモリ」に格納した出品受付プログラム(f)を実行して、入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した買手識別情報保持プログラム(g)を実行して、買手の識別情報である買手識別情報を保持する。
「メインメモリ」に格納した買取希望対象識別情報保持プログラム(h)を実行して、買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する。
「メインメモリ」に格納した買手希望情報入力プログラム(j)を実行して、少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる。
「メインメモリ」に格納した入札受付プログラム(k)を実行して、入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した入札受付可能期限取得プログラム(l)を実行して、オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する。
「メインメモリ」に格納した入札受付中止プログラム(m)を実行して、入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する。
「メインメモリ」に格納した入札状況閲覧プログラム(n)を実行して、売手に入札状況を閲覧させる。
「メインメモリ」に格納した承認可否受付プログラム(o)を実行して、入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した金額交渉受付プログラム(p)を実行して、前記の承認可否受付プログラム(o)の実行にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付ける。
「メインメモリ」に格納した追加入札受付プログラム(q)を実行して、金額交渉が不調に終わった場合に追加の入札を受け付ける。
【0171】
金額交渉が不調に終わったときに、追加入札を行うことで、初回入札時に応札しなかった者も入札に参加することができるうえ、最初の入札に参加した者も追加入札時に対しての再入札を許容すれば、初回入札時よりも幅広い入札を期待できる。
【0172】
<実施形態3 概要>主に請求項3
実施形態3は実施形態1又は2のいずれか一のオークションシステムを基礎として、落札された場合にそのオークションの事後処理を記録するように構成される。
【0173】
<実施形態3 構成>
図7に、実施形態1を基礎とした実施形態3のオークションシステム(0700)の機能ブロック図を示す。実施形態3では実施形態1の構成を基礎として、さらに事後処理記録部(R)(0717)を有する。そのため実施形態3の説明では、事後処理記録部(R)(0717)のみ説明する。なお実施形態2を基礎としても同様の効果が得られる。
【0174】
<実施形態3 構成の説明>
<実施形態3 事後処理記録部(R)(0717)>
「事後処理記録部(R)」(0717)で落札があった場合にそのオークションの事後処理を記録するように構成される。
【0175】
「オークションの事後処理」とは、例えばそのオークションにおいて、落札に至ったことを本システムが、落札した入札者以外の他の入札者へ通知したり、本システム上での該当商品(落札に至った売却希望対象)の紹介ウェブページに落札済などの記載を追加したり、落札者である買手へ出品者である売手の連絡先を提示したり、または落札者と出品者間で正式な売買契約締結までの期間落札者と出品者間の連絡を本システムが仲介したりするような処理である。他に例えば売却希望対象に対して金額条件のみで売手と買手が合意に至った場合に、商品の引き取り日程や引取方法(輸送用のトラックの業者やドライバの氏名や連絡先)、代金の支払日程や支払方法(金融機関の振込先口座、電子マネーの振込先IDなど)の調整(本システムが仲介しない場合も含む)や、実際に引取と支払いが実行されたかどうか確認など、契約締結から商品引き渡しと代金支払いまでの処理も含めることができる。金額に加え日程関連が入札条件となって合意に至った場合も同様である。本システムが代金の支払代行を行う場合は、代金の支払代行も事後処理に含むことができる。
【0176】
「事後処理の記録」は、上記のような「事後処理」の記録である。事後処理の記録では何事も異常なく取引が終了し、売手と買手双方が満足したという記録が正常な記録である。事後処理の記録には、買手または買手から委託された輸送業者が引き取りに行った際に現品の状態をみて、売却希望対象評価用情報に含まれ入札時に開示された情報と齟齬がないか、または入力されていなかった(開示されていなかった)情報がないか確認した結果を含めてもよい。売手が写真を加工して退色をごまかしていた場合や、傷や凹みを隠していた場合や、写真には写っていないタイヤの減りやブレーキパッドの減りが激しかった場合や、ランプ類の点灯異常がある場合などがあったときに、取引を中止したり、入札額の減額をその場で交渉したり、不備が軽微であったために許容してそのまま取引続行して引き取ったりしたことなどを、記録することも含む。もし現品確認した結果、開示されていなかった商品価値を著しく損なうような異常があったがために取引が中止となった場合には、その情報も本システムに記録する。記録した結果を本システムまたはその管理運営者が確認し、記録された内容が妥当である場合、売却希望対象評価用情報の入力に対して再発防止のための改善策を、前記管理運営者が講じることができる。再発防止に結び付けられる情報を引き出す動機付けのために、取引中止情報の入力がなされた場合には、入力した買手に対し報奨(補償の一端を兼ねてもよい)を与えるための処理を行うように構成できる。褒賞は現金や電子マネーまたは本システム利用時に得られる利用ポイントなどを与えるように構成できる。
【0177】
<実施形態3 処理の流れ>
図8は、実施形態1を基礎とする実施形態3のオークションシステムの動作処理のフローチャートである。オークションシステムの動作方法は、売手識別情報保持保持ステップ(a)(S0801)と、売却希望対象識別情報保持ステップ(b)(S0802)と、売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)(S0803)と、売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)(S0804)と、売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)(S0805)と、売手希望情報入力ステップ(e)(S0806)と、出品受付ステップ(f)(S0807)と、買手識別情報保持ステップ(g)(S0808)と、買取希望対象識別情報保持ステップ(h)(S0809)と、買手希望情報入力ステップ(j)(S0810)と、入札受付ステップ(k)(S0811)と、入札受付可能期限取得ステップ(l)(S0812)と、入札受付中止ステップ(m)(S0813)と、入札状況閲覧ステップ(n)(S0814)と、承認可否受付ステップ(o)(S0815)と、金額交渉受付ステップ(p)(S0816)と、事後処理記録ステップ(r)(S0817)を有する。なお実施形態2を基礎としても同様の効果が得られる。
【0178】
ここで計算機であるオークションシステムの動作方法は、
売手識別情報保持ステップ(a)(S0801)は、売手の識別情報である売手識別情報を保持する処理を行い、
売却希望対象識別情報保持ステップ(b)(S0802)は、売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する処理を行い、
売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)(S0803)は、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる処理を行い、
売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)(S0804)は、入力された売却希望対象評価用情報を保持する処理を行い、
売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)(S0805)は、保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる処理を行い、
売手希望情報入力ステップ(e)(S0806)は、少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる処理を行い、
出品受付ステップ(f)(S0807)は、入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける処理を行い、
買手識別情報保持ステップ(g)(S0808)は、買手の識別情報である買手識別情報を保持する処理を行い、
買取希望対象識別情報保持ステップ(h)(S0809)は、買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する処理を行い、
買手希望情報入力ステップ(j)(S0810)は、少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる処理を行い、
入札受付ステップ(k)(S0811)は、入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける処理を行い、
入札受付可能期限取得ステップ(l)(S0812)は、オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する処理を行い、
入札受付中止ステップ(m)(S0813)は、入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する処理を行い、
入札状況閲覧ステップ(n)(S0814)は、売手に入札状況を閲覧させる処理を行い、
承認可否受付ステップ(o)(S0815)は、入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける処理を行い、
金額交渉受付ステップ(p)(S0816)は、承認可否受付ステップ(o)(S0815)にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付ける処理を行い、
事後処理記録ステップ(r)(S0817)は、承認可否受付ステップ(o)(S0815)にて承認可の旨が受け付けられた場合すなわち落札があった場合にそのオークションの事後処理を記録する処理を行う。
また図8に記載のように、金額交渉受付ステップ(p)(S0816)で金額交渉させた結果、金額妥結した場合も落札となるため、事後処理記録ステップ(r)(S0817)にてそのオークションの事後処理を記録する処理を行う。なお金額交渉で妥結しなかった場合は流札または前記実施形態2のように追加入札の処理を行うように構成することができる。
このような一連の処理を計算機であるオークションシステムに実行させる動作方法である。
【0179】
<実施形態3 ハードウェアの説明>
【0180】
<実施形態3 ハードウェア構成>
実施形態1又は2のいずれか一を基礎とする本実施形態3におけるオークションシステムのハードウェア構成について、図を用いて説明する。
【0181】
図9は、実施形態1を基礎とする本実施形態3におけるオークションシステムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態におけるオークションシステムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態2を基礎としても同様の効果が得られる。
【0182】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0183】
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、売手識別情報保持プログラム(a)と、売却希望対象識別情報保持プログラム(b)と、売却希望対象評価用情報入力プログラム(c)と、売却希望対象評価用情報保持プログラム(d1)と、売却希望対象評価用情報閲覧プログラム(d2)と、売手希望情報入力プログラム(e)と、出品受付プログラム(f)と、買手識別情報保持プログラム(g)と、買取希望対象識別情報保持プログラム(h)と、買手希望情報入力プログラム(j)と、入札受付プログラム(k)と、入札受付可能期限取得プログラム(l)と、入札受付中止プログラム(m)と、入札状況閲覧プログラム(n)と、承認可否受付プログラム(o)と、金額交渉受付プログラム(p)と、事後処理記録プログラム(r)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、売手識別情報、売却希望対象識別情報、売却希望対象評価用情報、買手識別情報、買手希望情報、入札受付可能期限、入札状況、承認可否、事後処理記録などが格納されている。
【0184】
「CPU」は、以下の処理を行う。
「メインメモリ」に格納されている売手識別情報保持プログラム(a)を実行して、売手の識別情報である売手識別情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている売却希望対象識別情報保持プログラム(b)を実行して、売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する。
「メインメモリ」に格納された売却希望対象評価用情報入力プログラム(c)を実行して、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる。
「メインメモリ」に格納した売却希望対象評価用情報保持プログラム(d1)を実行して、入力された売却希望対象評価用情報を保持する。
「メインメモリ」に格納した売却希望対象評価用情報閲覧プログラム(d2)を実行して、保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる。
「メインメモリ」に格納した売手希望情報入力プログラム(e)を実行して、少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる。
「メインメモリ」に格納した出品受付プログラム(f)を実行して、入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した買手識別情報保持プログラム(g)を実行して、買手の識別情報である買手識別情報を保持する。
「メインメモリ」に格納した買取希望対象識別情報保持プログラム(h)を実行して、買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する。
「メインメモリ」に格納した買手希望情報入力プログラム(j)を実行して、少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる。
「メインメモリ」に格納した入札受付プログラム(k)を実行して、入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した入札受付可能期限取得プログラム(l)を実行して、オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する。
「メインメモリ」に格納した入札受付中止プログラム(m)を実行して、入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する。
「メインメモリ」に格納した入札状況閲覧プログラム(n)を実行して、売手に入札状況を閲覧させる。
「メインメモリ」に格納した承認可否受付プログラム(o)を実行して、入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した金額交渉受付プログラム(p)を実行して、前記の承認可否受付プログラム(o)の実行にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付ける。
「メインメモリ」に格納した事後処理記録プログラム(r)を実行して、前記の承認可否受付プログラム(o)の実行にて承認可の旨が受け付けられた場合すなわち落札があった場合にそのオークションの事後処理を記録する。
【0185】
本実施形態3によって、落札があった場合にそのオークションの事後処理(例:売手と買手と本システム間の事後処理)の記録を残すことができる。
【0186】
<実施形態4 概要>主に請求項4
実施形態4は実施形態1から3のいずれか一のオークションシステムを基礎として、落札があった場合に買手と売手間での売買契約を締結するための契約部(S)を有するように構成されているものである。
【0187】
<実施形態4 構成>
図10に、実施形態1を基礎とした実施形態4のオークションシステム(1000)の機能ブロック図を示す。実施形態1の構成に加え前述のようにさらに、契約部(S)(1018)を有するように構成されている。契約部(S)(1018)以外は実施形態1と同様のため、以下、契約部(S)(1018)についてのみ説明する。なお実施形態2叉は3のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0188】
<実施形態4 構成の説明>
<実施形態4 契約部(S)(1018)>
「契約部(S)」(1018)は、落札があった場合に買手と売手間での売買契約を締結するように構成される。
【0189】
落札があった場合には、出品者である売手と、落札者である買手間でオークションにかけられた売却希望対象の引渡と代金の支払いに関しての取り決めである売買契約を締結しなければならない。本システムの契約部(S)は、売手と買手の双方に対し、落札があった場合に、落札決定後から契約締結までの流れに沿って手順を通知して誘導するように構成してもよい。手順は一括で通知してもよいし、段階ごとに次の手順を通知してもよいし、一括通知と段階通知の組合せでもよい。売買契約締結まで、少なくとも売手が自身の連絡先等の個人情報を買手に開示したくない場合は、本システムが売手と買手間の仲介をすることができる。買手が利用可能な売買契約書のひな型を所持していない場合には、契約部(S)が保持する複数種類の売買契約書のひな型から適宜選択して利用するように構成することができる。これは複数の売買契約書のひな型を保持する売買契約書ひな形保持手段を契約部(S)内に有するように構成することで達成できる。
【0190】
売買契約は、紙に記載された売買契約書にお互いが記名捺印する形でもよいし、本システム上に電子データとして掲載した売買契約書に両者が合意することで締結する形でもよい。前者の場合は、紙媒体をスキャナやカメラによって電子データとして本システムに取り込むように構成することができる。後者の場合、売手と買手双方の本人確認を顔写真付きの普通自動車運転免許証やパスポートやマイナンバーカードで行ったうえで、タッチパネルなどの電子的手段を介して自筆署名を電子データである売買契約書に関連付けて記録するように構成するとよい。
【0191】
売買契約締結は、商品引き取り(引渡し)前に仮締結し、商品現品引取時に現品確認した後で本締結するといった2段階の締結でもよい。1段階締結でも2段階締結であっても契約部(S)にて契約内容を売手買手以外の第三者である本システム及びその管理運営者が確認することによって、落札後に買手が売手に対し売買契約締結時に買取金額を下げる(買いたたき)を防止することができる。
【0192】
契約部(S)での売買契約の締結までの処理についても、オークションの事後処理の記録として事後処理記録部(R)にて記録されるように構成できる。
【0193】
<実施形態4 処理の流れ>
図11は、実施形態1を基礎とする実施形態4のオークションシステムの動作処理のフローチャートである。オークションシステムの動作方法は、売手識別情報保持保持ステップ(a)(S1101)と、売却希望対象識別情報保持ステップ(b)(S1102)と、売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)(S1103)と、売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)(S1104)と、売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)(S1105)と、売手希望情報入力ステップ(e)(S1106)と、出品受付ステップ(f)(S1107)と、買手識別情報保持ステップ(g)(S1108)と、買取希望対象識別情報保持ステップ(h)(S1109)と、買手希望情報入力ステップ(j)(S1110)と、入札受付ステップ(k)(S1111)と、入札受付可能期限取得ステップ(l)(S1112)と、入札受付中止ステップ(m)(S1113)と、入札状況閲覧ステップ(n)(S1114)と、承認可否受付ステップ(o)(S1115)と、金額交渉受付ステップ(p)(S1116)と、契約ステップ(s)(S1117)を有する。なお実施形態2叉は3のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0194】
ここで計算機であるオークションシステムの動作方法は、
売手識別情報保持ステップ(a)(S1101)は、売手の識別情報である売手識別情報を保持する処理を行い、
売却希望対象識別情報保持ステップ(b)(S1102)は、売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する処理を行い、
売却希望対象評価用情報入力ステップ(c)(S1103)は、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる処理を行い、
売却希望対象評価用情報保持ステップ(d1)(S1104)は、入力された売却希望対象評価用情報を保持する処理を行い、
売却希望対象評価用情報閲覧ステップ(d2)(S1105)は、保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる処理を行い、
売手希望情報入力ステップ(e)(S1106)は、少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる処理を行い、
出品受付ステップ(f)(S1107)は、入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける処理を行い、
買手識別情報保持ステップ(g)(S1108)は、買手の識別情報である買手識別情報を保持する処理を行い、
買取希望対象識別情報保持ステップ(h)(S1109)は、買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する処理を行い、
買手希望情報入力ステップ(j)(S1110)は、少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる処理を行い、
入札受付ステップ(k)(S1111)は、入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける処理を行い、
入札受付可能期限取得ステップ(l)(S1112)は、オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する処理を行い、
入札受付中止ステップ(m)(S1113)は、入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する処理を行い、
入札状況閲覧ステップ(n)(S1114)は、売手に入札状況を閲覧させる処理を行い、
承認可否受付ステップ(o)(S1115)は、入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける処理を行い、
金額交渉受付ステップ(p)(S1116)は、承認可否受付ステップ(o)(S1115)にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付ける処理を行い、
契約ステップ(s)(S1117)は、落札があった場合に買手と売手間での売買契約を締結する処理を行う。
また図11に記載のように、金額交渉受付ステップ(p)(S1116)で金額交渉させた結果、金額妥結した場合も落札となるため、契約ステップ(s)(S1117)にて買手と売手間での売買契約を締結する処理を行う。なお金額交渉で妥結しなかった場合は流札または前記実施形態2のように追加入札の処理を行うように構成することができる。
このような一連の処理を計算機であるオークションシステムに実行させる動作方法である。
【0195】
<実施形態4 ハードウェアの説明>
【0196】
<実施形態4 ハードウェア構成>
実施形態1から3のいずれか一を基礎とする本実施形態4におけるオークションシステムのハードウェア構成について、図を用いて説明する。
【0197】
図12は、実施形態1を基礎とする本実施形態4におけるオークションシステムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態におけるオークションシステムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態2叉は3のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0198】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0199】
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、売手識別情報保持プログラム(a)と、売却希望対象識別情報保持プログラム(b)と、売却希望対象評価用情報入力プログラム(c)と、売却希望対象評価用情報保持プログラム(d1)と、売却希望対象評価用情報閲覧プログラム(d2)と、売手希望情報入力プログラム(e)と、出品受付プログラム(f)と、買手識別情報保持プログラム(g)と、買取希望対象識別情報保持プログラム(h)と、買手希望情報入力プログラム(j)と、入札受付プログラム(k)と、入札受付可能期限取得プログラム(l)と、入札受付中止プログラム(m)と、入札状況閲覧プログラム(n)と、承認可否受付プログラム(o)と、金額交渉受付プログラム(p)と、契約プログラム(s)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、売手識別情報、売却希望対象識別情報、売却希望対象評価用情報、買手識別情報、買手希望情報、入札受付可能期限、入札状況、承認可否、売買契約などが格納されている。
【0200】
「CPU」は、以下の処理を行う。
「メインメモリ」に格納されている売手識別情報保持プログラム(a)を実行して、売手の識別情報である売手識別情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている売却希望対象識別情報保持プログラム(b)を実行して、売手の売却希望対象を識別する売却希望対象識別情報(オークションを識別する情報であるオークション識別情報である場合を含む。以下同じ。)を保持する。
「メインメモリ」に格納された売却希望対象評価用情報入力プログラム(c)を実行して、売手識別情報と売却希望対象識別情報と関連付けて売手の売却希望対象の価値評価に影響を及ぼす情報である売却希望対象評価用情報を入力させる。
「メインメモリ」に格納した売却希望対象評価用情報保持プログラム(d1)を実行して、入力された売却希望対象評価用情報を保持する。
「メインメモリ」に格納した売却希望対象評価用情報閲覧プログラム(d2)を実行して、保持されている売却希望対象評価用情報を売却希望対象識別情報と関連付けて閲覧させる。
「メインメモリ」に格納した売手希望情報入力プログラム(e)を実行して、少なくとも売手の売却希望額を含む売手の売却希望条件の情報である売手希望情報を売却希望対象識別情報と関連付けて入力させる。
「メインメモリ」に格納した出品受付プログラム(f)を実行して、入力された売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けて、オークションの出品を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した買手識別情報保持プログラム(g)を実行して、買手の識別情報である買手識別情報を保持する。
「メインメモリ」に格納した買取希望対象識別情報保持プログラム(h)を実行して、買手識別情報と売却希望対象識別情報とを関連付けて保持する。
「メインメモリ」に格納した買手希望情報入力プログラム(j)を実行して、少なくとも買手の買取希望額を含む買手の買取希望条件の情報である買手希望情報を入力させる。
「メインメモリ」に格納した入札受付プログラム(k)を実行して、入力された買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品された売却希望対象に対する入札を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した入札受付可能期限取得プログラム(l)を実行して、オークション出品時を基準として入札受付可能期限を取得する。
「メインメモリ」に格納した入札受付中止プログラム(m)を実行して、入札受付可能期限が到来した場合に新規の入札の受付を中止する。
「メインメモリ」に格納した入札状況閲覧プログラム(n)を実行して、売手に入札状況を閲覧させる。
「メインメモリ」に格納した承認可否受付プログラム(o)を実行して、入札受付中止後に売手からその入札(売却希望額を満たした入札を含む)の承認可否を受け付ける。
「メインメモリ」に格納した金額交渉受付プログラム(p)を実行して、前記の承認可否受付プログラム(o)の実行にて承認拒否の旨が受け付けられた場合に、金額交渉をさせるために売手から入力を受付ける。
「メインメモリ」に格納した契約プログラム(s)を実行して、落札があった場合に買手と売手間での売買契約を締結する。
【0201】
本実施形態4により、オークションで落札があった場合に買手と売手間での売買契約を締結させることができる。売買契約締結に際し本システムで監視することができ、落札後の買いたたきの発生を防止できる。
【0202】
<効果>
以上の構成を有する本オークションシステムを利用することにより、少なくとも売手の売却希望額を含む売手希望情報を売手識別情報及び売却希望対象識別情報と関連付けてオークションの出品を受け付け、少なくとも買手の買取希望額を含む買手希望情報を買手識別情報と関連付けて、出品に対する入札を受け付け、入札受付中止後に売手がその入札の承認拒否した場合に金額交渉をさせるオークションシステムを提供することができる。金額交渉の機会を設けることにより、入札時に低い金額しか入札されないような買いたたきを防止できる。さらには金額交渉が不調に終わった場合に機会を増やすために追加の入札を受付けるオークションシステムを提供することができる。また、落札があった場合に、事後処理を記録したり、売手と買手間の売買契約を締結させたりすることができる。
【符号の説明】
【0203】
オークションシステム ・・・0100
売手識別情報保持部(A) ・・・0101
売却希望対象識別情報保持部(B) ・・・0102
売却希望対象評価用情報入力部(C)・・・0103
売却希望対象評価用情報保持部(D1)・・・0104
売手希望情報入力部(E) ・・・0105
買取可能価額取得ルール保持部(F)・・・0106
出品受付部(F) ・・・0107
買手識別情報保持部(G) ・・・0108
買取希望対象識別情報保持部(H)・・・0109
買手希望情報入力部(J) ・・・0110
入札受付部(K) ・・・0111
入札受付可能期限取得部(L) ・・・0112
入札状況閲覧部(N) ・・・0113
承認可否受付部(O) ・・・0114
金額交渉受付部(P) ・・・0115
図1
図2
図3
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図5
図6
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