IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ▲き▼邦科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特開2024-46616接着層を有するパッケージ構造及びそのパッケージ方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046616
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】接着層を有するパッケージ構造及びそのパッケージ方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240327BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20240327BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L25/04 Z
H01L25/08 H
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149194
(22)【出願日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】111135998
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼宇中
(72)【発明者】
【氏名】蔡欣諺
(72)【発明者】
【氏名】陳法仲
(72)【発明者】
【氏名】林政帆
(72)【発明者】
【氏名】王晨聿
(57)【要約】
【課題】接着層を有するパッケージ構造を提供する。
【解決手段】第1再配線層110と、接着層120と、第1電子素子130と、を含んで構成されている。第1再配線層110は第1上面111及び第1下面112を含む。第1上面111は複数の上部バンプ111aを有する。第1下面112は複数の導電性パッド112aを有する。接着層120は第1再配線層110の第1上面111に位置し、上部バンプ111aを囲繞する。第1電子素子130は接着層120に設置されている。第1電子素子130は第1能動面及び複数の導体を有する。導体は第1能動面に露出される。第1能動面は第1上面111に向けられる。各導体は各上部バンプ111aに接続されている。接着層120の2面の接着面は第1上面111及び第1能動面にそれぞれ接着されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の上部バンプ(111a)を有している第1上面(111)、及び複数の導電性パッド(112a)を有している第1下面(112)を含む第1再配線層(110)と、
前記第1再配線層の前記第1上面に位置している接着層(120)であって、前記接着層は前記上部バンプを囲繞している前記接着層と、
前記接着層に設置されている第1電子素子(130)であって、前記第1電子素子は第1能動面及び複数の導体を有し、前記導体は前記第1能動面に露出され、前記第1能動面は前記第1上面に向けられ、各前記導体は各前記上部バンプに接続され、前記接着層の2面の接着面は前記第1上面及び前記第1能動面にそれぞれ接着されている第1電子素子と、を備えていることを特徴とする接着層を有するパッケージ構造。
【請求項2】
前記接着層は有機接着材料が硬化することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接着層を有するパッケージ構造。
【請求項3】
前記第1再配線層の前記第1下面に位置していると共に、前記導電性パッドのそれぞれに接続されている複数の導電性素子を備えていることを特徴とする請求項1に記載の接着層を有するパッケージ構造。
【請求項4】
前記第1電子素子は、第1封止体(131)と、第1ダイ(132)と、複数の第1はんだバンプ(133)と、を有し、前記第1はんだバンプは前記第1ダイに位置し、前記第1封止体は前記第1ダイ及び前記第1はんだバンプを囲繞し、前記第1封止体の第1露出面(131a)は前記第1はんだバンプのそれぞれの第1接続面(133a)を露出させ、前記第1露出面は前記第1電子素子の前記第1能動面であり、前記第1はんだバンプは前記第1電子素子の前記導体であることを特徴とする請求項1に記載の接着層を有するパッケージ構造。
【請求項5】
前記第1電子素子は第2再配線層(134)を有し、前記第2再配線層は第2下面(134a)及び第2上面(134b)を有し、前記第2下面の複数の下部再配線パッド(134c)は前記上部バンプに接続され、前記第2上面の複数の上部再配線パッド(134d)は前記第1はんだバンプに接続され、前記第2下面は前記第1電子素子の前記第1能動面であり、前記下部再配線パッドは前記第1電子素子の前記導体であることを特徴とする請求項4に記載の接着層を有するパッケージ構造。
【請求項6】
第2電子素子(150)及び第3再配線層(160)を含み、前記第2電子素子は、第2封止体(151)と、第2ダイ(152)と、複数の第2はんだバンプ(153)と、を有し、前記第2ダイは下部導電面(152a)及び上部導電面(152b)を有し、前記第2はんだバンプの両端は前記下部導電面及び前記第3再配線層の複数の上部導電性パッド(161)にそれぞれ接続され、前記第2封止体は前記第2ダイ及び前記第2はんだバンプを囲繞し、前記第2ダイの前記上部導電面及び前記第2はんだバンプの第2接続面(153a)は前記第2封止体の外に露出され、前記第2ダイの前記上部導電面は前記第1再配線層の前記導電性パッドに接続されていることを特徴とする請求項5に記載の接着層を有するパッケージ構造。
【請求項7】
第3再配線層の複数の下部導電性パッド(162)に接続されている複数の導電性素子(140)を備えていることを特徴とする請求項6に記載の接着層を有するパッケージ構造。
【請求項8】
複数の上部バンプを有している第1上面、及び複数の導電性パッドを有している第1下面を含む第1再配線層を提供するステップと、
前記第1再配線層の前記第1上面に位置していると共に、前記上部バンプを囲繞する接着層を前記第1再配線層に形成するステップと、
前記接着層を平坦化し、前記上部バンプを前記接着層に露出するステップと、
前記接着層に第1電子素子を設置し、前記第1電子素子は第1能動面及び複数の導体を有し、前記導体は前記第1能動面に露出され、前記第1能動面は前記第1上面に向けられているステップと、
前記第1電子素子及び前記第1再配線層を熱圧着し、各前記導体を各前記上部バンプに接続させ、前記接着層の2面の接着面は熱圧着中に前記第1上面及び前記第1能動面にそれぞれ接着するステップと、を含むことを特徴とする接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法。
【請求項9】
前記第1再配線層に前記接着層を形成するステップは、有機接着材料を前記第1再配線層に塗布するステップと、前記有機接着材料を加熱すると共に冷却することで前記接着層として硬化させるステップと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法。
【請求項10】
前記接着層を平坦化するステップでは、フライカットプロセス(Fly-cut)により前記接着層を切削することを特徴とする請求項8に記載の接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法。
【請求項11】
前記第1電子素子及び前記第1再配線層を熱圧着した後、前記接着層を再度昇温及び冷却し、最終硬化を完了するステップを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法。
【請求項12】
複数の導電性素子を前記第1再配線層の前記第1下面に設置し、且つ各前記導電性素子を各前記導電性パッドに接続するステップを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法。
【請求項13】
前記第1電子素子の製造方法は、第1ダイに複数の第1はんだバンプを形成し、前記第1ダイ及び前記第1はんだバンプを被覆する第1封止体を形成し、前記第1封止体を平坦化して第1露出面を形成し、前記第1露出面からは前記第1はんだバンプのそれぞれの第1接続面を露出し、前記第1露出面は前記第1電子素子の前記第1能動面であり、前記第1はんだバンプは前記第1電子素子の前記導体であることを特徴とする請求項8に記載の接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法。
【請求項14】
前記第1電子素子の製造方法は、第1ダイに複数の第1はんだバンプを形成し、前記第1ダイ及び前記第1はんだバンプを被覆する第1封止体を形成し、前記第1封止体を平坦化して第1露出面を形成し、前記第1露出面からは前記第1はんだバンプのそれぞれの第1接続面を露出し、第2下面及び第2上面を有している第2再配線層を前記第1露出面に形成し、前記第2上面の複数の上部再配線パッドを前記第1はんだバンプに接続し、前記第2下面は前記第1電子素子の前記第1能動面であり、前記第2下面の複数の下部再配線パッドは前記第1電子素子の前記導体であり、前記第1電子素子及び前記第1再配線層が熱圧着されると、前記第2下面の複数の下部再配線パッドが前記上部バンプに接続されることを特徴とする請求項8に記載の接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法。
【請求項15】
前記第1再配線層は第2電子素子及び第3再配線層に設置され、前記第2電子素子は、第2封止体と、第2ダイと、複数の第2はんだバンプと、を有し、前記第2ダイは下部導電面及び上部導電面で構成され、前記第2はんだバンプの両端は前記下部導電面及び前記第3再配線層の複数の上部導電性パッドにそれぞれ接続され、前記第2封止体は前記第2ダイ及び前記第2はんだバンプを囲繞し、前記第2ダイの前記上部導電面及び前記第2はんだバンプの第2接続面は前記第2封止体の外に露出され、前記第2ダイの前記上部導電面は前記第1再配線層の前記導電性パッドに接続されていることを特徴とする請求項14に記載の接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法。
【請求項16】
複数の導電性素子を前記第3再配線層の複数の下部導電性パッドに設置し、各前記導電性素子を各前記下部導電性パッドに接続するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ構造及びそのパッケージ方法に関し、更に詳しくは、接着層を有するパッケージ構造及びそのパッケージ方法(A package structure with adhesive layer and a method of manufacturing the same)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体のパッケージは、半導体チップの信号伝送速度及びパワー密度を高めるために、構造の高密度化に向けて発展している。よくあるパッケージ構造は、Si貫通電極(TSV)により異なるダイを垂直に堆積し、Si貫通電極の金属により信号を伝送している。また、再配線層(RDL)により異なるダイを同じパッケージ構造に設置可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来のパッケージ技術では、ダイと再配線層とを熱圧着する場合、ダイ自体の応力により反り返りやすく、接合強度が影響を受けた。また、ダイのはんだバンプと再配線層の接合バンプとの間に位置偏差が生じやすく、バンプとバンプとの間の接触面積が小さくなり、その接合強度に影響が及ぶ。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、接着層により再配線層及び電子素子を接着することで、2つの素子間の接合強度を大幅に高め、より複雑なパッケージ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る接着層(120)を有するパッケージ構造は、第1再配線層(110)と、接着層(120)と、第1電子素子(130)と、を含んで構成されている。前記第1再配線層は第1上面(111)及び第1下面(112)を含み、前記第1上面は複数の上部バンプ(111a)を有し、前記第1下面は複数の導電性パッドを有し、前記接着層は前記第1再配線層の前記第1上面に位置し、前記接着層は前記上部バンプを囲繞し、前記第1電子素子は前記接着層に設置されている。前記第1電子素子は第1能動面及び複数の導体を有し、前記導体は前記第1能動面に露出され、前記第1能動面は前記第1上面に向けられ、前記導体のそれぞれは前記上部バンプのそれぞれに接続されている。前記接着層の2面の接着面は前記第1上面及び前記第1能動面にそれぞれ接着されている。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明はさらに接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法を提供する。
本発明に係る接着層を有するパッケージ構造のパッケージ方法は、複数の上部バンプを有している第1上面、及び複数の導電性パッドを有している第1下面を含む第1再配線層を提供するステップと、第1再配線層の第1上面に位置していると共に、上部バンプを囲繞する接着層を第1再配線層に形成するステップと、接着層を平坦化し、上部バンプを接着層に露出するステップと、接着層に第1電子素子を設置し、第1電子素子は第1能動面及び複数の導体を有し、導体は第1能動面に露出され、第1能動面は第1上面に向けられているステップと、第1電子素子及び第1再配線層を熱圧着し、導体のそれぞれを上部バンプのそれぞれに接続させ、接着層の2面の接着面は熱圧着中に第1上面及び第1能動面にそれぞれ接着するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明は接着層により第1再配線層及び第1電子素子を接着することで、第1再配線層と第1電子素子との間の接合強度を大幅に高め、パッケージ構造を更に複雑で簡潔な設計にし、信号伝送速度及びパワー密度を高めている。
【0009】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施例に係るパッケージ構造を示す断面図である。
図2】本発明の第2実施例に係るパッケージ構造を示す断面図である。
図3】本発明の第3実施例に係るパッケージ構造を示す断面図である。
図4】本発明の第4実施例に係るパッケージ構造を示す断面図である。
図5a】本発明の第1実施例に係るパッケージ構造のパッケージ方法を示すフローチャートである。
図5b】本発明の第1実施例に係るパッケージ構造のパッケージ方法を示すフローチャートである。
図5c】本発明の第1実施例に係るパッケージ構造のパッケージ方法を示すフローチャートである。
図6a】本発明の第3実施例に係るパッケージ構造のパッケージ方法を示すフローチャートである。
図6b】本発明の第3実施例に係るパッケージ構造のパッケージ方法を示すフローチャートである。
図6c】本発明の第3実施例に係るパッケージ構造のパッケージ方法を示すフローチャートである。
図7a】本発明の第4実施例に係るパッケージ構造のパッケージ方法を示すフローチャートである。
図7b】本発明の第4実施例に係るパッケージ構造のパッケージ方法を示すフローチャートである。
図7c】本発明の第4実施例に係るパッケージ構造のパッケージ方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
<第1実施例>
【0012】
図1は本発明の第1実施例に係る接着層を有するパッケージ構造100を示す断面図である。第1再配線層110と、接着層120と、第1電子素子130と、を含んで構成されている。第1再配線層110は第1上面111及び第1下面112を含み、第1上面111は複数の上部バンプ111aを有し、第1下面112は複数の導電性パッド112aを有している。第1再配線層110は少なくとも1つの回路層及び絶縁層を更に有し、回路層は上部バンプ111aのそれぞれと導電性パッド112aのそれぞれとの間を電気的に接続するために用いられ、絶縁層は金属層を積載及び絶縁するために用いられている。第1再配線層110内部の回路層の実施方式は多様であり、本発明の主要な技術的特徴ではないため、図中では数個のブロックで図示するのみとする。
【0013】
接着層120は第1再配線層110の第1上面111に位置すると共に上部バンプ111aを囲繞している。本実施例では、接着層120は有機接着材料が硬化することで形成され、好ましくは、接着層120の熱膨張係数は第1再配線層110の絶縁層に相似し、後続の高温プロセスで熱膨張が不均一になって反り返る問題の発生を防いでいる。第1電子素子130は接着層120に設置され、第1電子素子130は第1能動面及び複数の導体を有し、導体は第1能動面に露出されている。第1能動面は第1上面111に向けられ、導体のそれぞれは上部バンプ111aのそれぞれに接続されている。接着層120の2面の接着面は第1上面111及び第1能動面にそれぞれ接着されている。
【0014】
図1に示すように、本実施例では、第1電子素子130は、第1封止体131と、第1ダイ132と、複数の第1はんだバンプ133と、を有し、第1はんだバンプ133は第1ダイ132に位置し、第1封止体131は第1ダイ132及び第1はんだバンプ133を囲繞し、第1封止体131の第1露出面131aには第1はんだバンプ133のそれぞれの第1接続面133aが露出されている。第1封止体131の第1露出面131aは第1電子素子130の第1能動面であり、第1はんだバンプ133は第1電子素子130の導体である。本実施例では、第1封止体131はパッケージエポキシ樹脂封止材(Epoxy Molding Compound、EMC)であり、第1はんだバンプ133は金属合金または単一の金属である。
【0015】
本実施例は熱圧着により第1電子素子130の第1はんだバンプ133のそれぞれと第1再配線層110の上部バンプ111aのそれぞれとを共晶接合し、熱圧着の加熱温度により接着層120を再度溶融すると共に第1電子素子130の第1露出面131a及び第1再配線層110の第1上面111を接着し、接着層120を熱圧着完了後に冷却して硬化し、熱圧着の加温により接着層120の溶剤を揮発させることで硬度を高めている。本実施例は接着層120により第1電子素子130及び第1再配線層110を接着し、金属バンプの共晶接合により2つの素子間の接合強度を大幅に高めているのみならず、第1電子素子130が熱圧着プロセス中に反り返るのを防止し、接着層を有するパッケージ構造100を更に複雑な設計としている。
【0016】
図1を参照すると、接着層を有するパッケージ構造100は複数の導電性素子140を更に備え、導電性素子140は第1再配線層110の第1下面112に位置していると共に導電性パッド112aのそれぞれに接続されている。導電性素子140により接着層を有するパッケージ構造100と回路基板やフレキシブル回路基板のような他の電子素子とを相互に接続すると共に信号を伝送させている。本実施例では、導電性素子140ははんだボールであり、他の実施例では、導電性素子140は、はんだバンプ、異方性導電フィルム(ACF)、またはワイヤ・ボンディング(Wire bonding)でもよい。
【0017】
図1に示すように、本実施例では、第1封止体131は2つの第1ダイ132を有し、他の実施例では、第1封止体131は1つまたは複数の第1ダイ132のみを有しているが、本発明は第1ダイ132の数量に制限はない。
<第2実施例>
【0018】
或いは、図2は本発明の第2実施例に係るパッケージ構造を示す断面図である。本実施例の第1実施例との相違点について、第1再配線層110は2つの第1電子素子130を有し、2つの第1電子素子130はそれぞれCPUチップ及びメモリチップであり、且つ2つの電子素子130は第1再配線層110により相互に電気的に接続されているか、第1再配線層110の第1下面112に位置している導電性素子140に導電するように接続され、SiP(System in Package)の構造を達成している。
<第3実施例>
【0019】
図3は本発明の第3実施例に係るパッケージ構造を示す断面図である。本実施例の第1実施例との相違点について、第1電子素子130は第2再配線層134を更に有し、第2再配線層134は第2下面134a及び第2上面134bを含み、第2下面134aの複数の下部再配線パッド134cは上部バンプ111aに接続され、第2上面134bの複数の上部再配線パッド134dは第1はんだバンプ133に接続されている。本実施例では、第2下面134aは第1電子素子130の第1能動面であり、下部再配線パッド134cは第1電子素子130の導体である。第2再配線層134を設置することで、下部再配線パッド134cのそれぞれと上部バンプ111aのそれぞれとの間の接触面積を増やし、第1電子素子130と第1再配線層110との間に更に柔軟な回路レイアウトを有している。また、好ましくは、第2再配線層134は支持及び絶縁するための絶縁体を有し、絶縁体は有機接着材料または接着層120の熱膨張係数と相似する有機ポリマーで製造され、同様に第2再配線層134及び接着層120が熱圧着される際に、熱膨張係数の違いにより剥離するのを防止している。
<第4実施例>
【0020】
図4は本発明の第4実施例に係るパッケージ構造を示す断面図である。本実施例の第3実施例との相違点について、第2電子素子150及び第3再配線層160を更に含み、第2電子素子150は、第2封止体151と、第2ダイ152と、複数の第2はんだバンプ153と、を有している。第2ダイ152は下部導電面152a及び上部導電面152bを含み、第2はんだバンプ153の両端は下部導電面152a及び第3再配線層160の複数の上部導電性パッド161にそれぞれ接続され、第2封止体151は第2ダイ152及び第2はんだバンプ153を囲繞している。第2ダイ152の上部導電面152b及び第2はんだバンプ153の第2接続面153aは第2封止体151の外に露出され、第2ダイ152の上部導電面152bは第1再配線層110の導電性パッド112aに接続されている。本実施例では、導電性素子140は第3再配線層160の複数の下部導電性パッド162に接続され、導電性素子140を介して第1電子素子130及び第2電子素子150が外部に信号を伝送する。
【0021】
本発明は接着層120により第1再配線層110及び第1電子素子130を接着することで、第1再配線層110と第1電子素子130との間の接合強度を大幅に高め、接着層を有するパッケージ構造100を更に複雑で簡潔な設計にし、信号伝送速度及びパワー密度を高めている。
【0022】
図5a、図5b及び図5cは本発明の第1実施例に係る接着層を有するパッケージ構造100のパッケージ方法を示すフローチャートである。まず、図5aの例では、第1再配線層110を提供する。第1再配線層110は第1接着剤t1により第1キャリアs1に設置し、第1再配線層110は第1上面111及び第1下面112を含み、第1上面111は複数の上部バンプ111aを有し、第1下面112は複数の導電性パッド112aを有している。次は、第1再配線層110に接着層120を形成し、接着層120を第1再配線層110の第1上面111に位置させると共に上部バンプ111aを囲繞させる。本実施例では、接着層120を形成するステップは、有機接着材料を第1再配線層110に塗布するステップと、有機接着材料を加熱すると共に冷却することで接着層120として硬化させるステップと、を含む。最後に、接着層120を平坦化し、上部バンプ111aを接着層120に露出させる。好ましくは、本実施例では、フライカットプロセス(Fly-cut)により硬化した接着層120を切削する。
【0023】
次は、図5bの例では、第1実施例に係る第1電子素子130の製造方法は、まず第2接着剤t2により複数の第1ダイ132を第2キャリアs2に設置し、第1ダイ132に複数の第1はんだバンプ133を形成する。次は、第1ダイ132及び第1はんだバンプ133を被覆する第1封止体131を形成する。最後に、第1封止体131を平坦化して第1露出面131aを形成し、第1露出面131aには第1はんだバンプ133のそれぞれの第1接続面133aを露出する。第1露出面131aは第1電子素子130の第1能動面であり、第1はんだバンプ133は第1電子素子130の導体である。
【0024】
図5a及び図5bのフローチャートが完了した後、図5cを参照すると、第1電子素子130を接着層120に裏返して設置し、第1封止体131の第1露出面131a及び第1はんだバンプ133のそれぞれの第1接続面133aを第1上面111に向けた後、第1電子素子130及び第1再配線層110を熱圧着し、第1はんだバンプ133のそれぞれと上部バンプ111aのそれぞれとを共晶接合する。接着層120を熱圧着の高温により再度溶融し、接着層120の2面の接着面を熱圧着中に第1上面111及び第1露出面131aにそれぞれ接着し、熱圧着の完了後に接着層120を再度冷却して硬化することで成形する。
【0025】
また、接着層120を形成する有機接着材料の特性により、有機接着材料内の溶剤を完全に揮発させるための熱圧着の温度が不足している場合、第1電子素子130及び第1再配線層110を熱圧着した後に、接着層120を再度昇温して余剰の溶剤を揮発させてから再度冷却し、最終硬化を完了するステップを更に含む。最後に、第1接着剤t1及び第1キャリアs1を除去すると共に複数の導電性素子140を第1再配線層110の第1下面112に設置し、導電性素子140のそれぞれを導電性パッド112aのそれぞれに接続した後、第2接着剤t2及び第2キャリアs2を除去して接着層を有するパッケージ構造100の製作を完了する。
【0026】
図6a、図6b及び図6cは本発明の第3実施例に係る接着層を有するパッケージ構造100のパッケージ方法を示すフローチャートである。図6aの製作フローチャートは第1実施例の図5aと同じであるため、ここで、その説明を繰り返さない。図6bは第3実施例に係る第1電子素子130の製造方法であり、まず、第2接着剤t2により複数の第1ダイ132を第2キャリアs2に設置し、第1ダイ132のそれぞれに第1はんだバンプ133を形成する。次は、第1ダイ132及び第1はんだバンプ133を被覆する第1封止体131を形成する。次は、第1封止体131を平坦化して第1露出面131aを形成し、第1露出面131aに第1はんだバンプ133のそれぞれの第1接続面133aを露出する。最後に、第2下面134a及び第2上面134bを有している第2再配線層134を第1露出面131aに形成し、第2上面134bの複数の上部再配線パッド134dを第1はんだバンプ133に接続する。第2下面134aは第1電子素子130の第1能動面であり、第2下面134aの複数の下部再配線パッド134cは第1電子素子130の導体である。
【0027】
図6a及び図6bのフローチャートが完了した後、図6cを参照すると、第1電子素子130を接着層120に裏返して設置し、第2再配線層134の第2下面134aを第1上面111に向けて、第1電子素子130及び第1再配線層110を熱圧着することで、第2下面134aの下部再配線パッド134cのそれぞれを上部バンプ111aのそれぞれに共晶接合する。接着層120を熱圧着の高温により再度溶融し、接着層120の2面の接着面を熱圧着中に第1上面111及び第2下面134aにそれぞれ接着し、熱圧着の終了後に接着層120を再度硬化して成形する。
【0028】
最後に、第1接着剤t1及び第1キャリアs1を除去すると共に複数の導電性素子140を第1再配線層110の第1下面112に設置し、導電性素子140のそれぞれを導電性パッド112aのそれぞれに接続した後、第2接着剤t2及び第2キャリアs2を除去して接着層を有するパッケージ構造100の製作を完了する。
【0029】
図7a、図7b及び図7cは本発明の第4実施例に係る接着層を有するパッケージ構造100のパッケージ方法を示すフローチャートである。図7bの製作フローチャートは第3実施例の図6bと同じであるため、ここで、その説明を繰り返さない。図7aの例では、第1再配線層110を提供する。本実施例では、第1再配線層110は第2電子素子150及び第3再配線層160に設置され、第2電子素子150は、第2封止体151と、第2ダイ152と、複数の第2はんだバンプ153と、を有している。第2ダイ152は下部導電面152a及び上部導電面152bを含み、第2はんだバンプ153の両端は下部導電面152a及び第3再配線層160の複数の上部導電性パッド161にそれぞれ接続されている。第2封止体151は第2ダイ152及び第2はんだバンプ153を囲繞し、第2ダイ152の上部導電面152b及び第2はんだバンプ153の第2接続面153aは第2封止体151の外に露出されている。第2ダイ152の上部導電面152bは第1再配線層110の導電性パッド112aに接続されている。第1再配線層110、第2電子素子150、及び第3再配線層160は第1接着剤t1により第1キャリアs1に設置されている。次は、第1再配線層110には接着層120が形成され、接着層120は第1再配線層110の第1上面111に位置していると共に上部バンプ111aを囲繞している。本実施例では、接着層120を形成するステップは、第1再配線層110に有機接着材料を塗布するステップと、有機接着材料を加熱すると共に冷却し、接着層120として硬化させるステップと、を含む。最後に、接着層120を平坦化し、上部バンプ111aを接着層120に露出させる。好ましくは、本実施例では、フライカットプロセス(Fly-cut)により接着層120を切削する。
【0030】
図7a及び図7bのフローチャートが完了した後、図7cを参照すると、第1電子素子130を接着層120に裏返して設置し、第2再配線層134の第2下面134aを第1上面111に向けて、第1電子素子130及び第1再配線層110を熱圧着し、第2下面134aの下部再配線パッド134cのそれぞれを上部バンプ111aのそれぞれに共晶接合する。接着層120は熱圧着の高温により再度溶融され、接着層120の2面の接着面が熱圧着中に第1上面111及び第2下面134aにそれぞれ接着され、熱圧着終了後に接着層120が再度硬化して成形される。
【0031】
最後に、第1接着剤t1及び図第1キャリアs1を除去すると共に複数の導電性素子140を第3再配線層160の複数の下部導電性パッド162に設置し、導電性素子140のそれぞれを下部導電性パッド162のそれぞれに接続した後、第2接着剤t2及び第2キャリアs2を除去して接着層を有するパッケージ構造100の製作を完了する。
【0032】
本発明は第1再配線層110に接着層120が形成され、第1電子素子130が第1再配線層110に熱圧着される際に接着層12が高温により溶融されることで第1電子素子130及び第1再配線層110が接着されている。接合強度を大幅に高めることで、接着層を有するパッケージ構造100が密度がより高く、更に複雑な構造に設計されている。
【0033】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0034】
100 接着層を有するパッケージ構造
110 第1再配線層
111 第1上面
111a 上部バンプ
112 第1下面
112a 導電性パッド
120 接着層
130 第1電子素子
131 第1封止体
131a 第1露出面
132 第1ダイ
133 第1はんだバンプ
133a 第1接続面
134 第2再配線層
134a 第2下面
134b 第2上面
134c 下部再配線パッド
134d 上部再配線パッド
140 導電性素子
150 第2電子素子
151 第2封止体
152 第2ダイ
152a 下部導電面
152b 上部導電面
153 第2はんだバンプ
153a 第2接続面
160 第3再配線層
161 上部導電性パッド
162 下部導電性パッド
t1 第1接着剤
s1 第1キャリア
t2 第2接着剤
s2 第2キャリア
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c