(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046622
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/42 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
H01R13/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023150671
(22)【出願日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】22306395.9
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】507017325
【氏名又は名称】コネクトゥール・エレクトリック・ドイチュ
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ティエリ カサー
(72)【発明者】
【氏名】シモン ドゥレイア
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン クエバ
(72)【発明者】
【氏名】マルタン ブルネット
(72)【発明者】
【氏名】サムエル スフル
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087FF04
5E087FF07
5E087GG14
5E087MM05
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR02
5E087RR15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】動的環境のための改良された高電力コネクタを提供する。
【解決手段】内部コネクタ空間45に収容され、第2のコネクタ101の対応する電気コンタクト113a、113bと嵌合するように構成されている少なくとも2つの電気コンタクト13a、13bを備える電気コネクタ1に関し、電気コネクタ1は、ハウジングとレバー49との間の支点51を確立するように、内部空間に収容され、支点は、少なくとも2つの電気コンタクトの間に配置されるように位置し、レバーはさらに、レバーの枢動により少なくとも2つの電気コンタクトの位置がハウジングに対して移動するように配置および構成される。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合軸(AX)に平行な嵌合方向(x)において第2の電気コネクタ(101)と嵌合するように構成されている電気コネクタ(1)であって、
内部コネクタ空間(45)を画定し、前記第2のコネクタ(101)の相手側ハウジング(103)と嵌合するように構成されているハウジング(3)と、
前記内部コネクタ空間(45)に収容され、前記第2のコネクタ(101)の対応する電気コンタクト(113a、113b)と嵌合するように構成されている少なくとも2つの電気コンタクト(13a、13b)と
を備えた電気コネクタ(1)において、
前記ハウジング(3)とレバー(49)との間の機械的接触が前記レバー(49)の支点(51)を確立するように、前記内部空間(45)に収容されている前記レバー(49)をさらに備え、
前記支点(51)は、前記少なくとも2つの電気コンタクト(113a、113b)の間に配置されるように位置し、
前記レバー(49)はさらに、前記レバー(49)の枢動により前記少なくとも2つの電気コンタクト(113a、113b)の位置が前記ハウジング(3)に対して移動するように配置および構成されている、
ことを特徴とする、電気コネクタ(1)。
【請求項2】
前記ハウジング(3)は、シェル(5)およびプッシャ要素(47)をさらに備え、
前記プッシャ要素(47)は、前記内部空間(45)に配され、前記ハウジング(3)の前記シェル(5)に堅固に取り付けられ、特に形状嵌合し、
前記プッシャ要素(47)は、前記支点(51)における前記ハウジング(3)と前記レバー(49)との間の機械的接触を実現する、
請求項1に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項3】
前記レバー(49)は、前記レバー(49)の枢動により、前記少なくとも2つの電気コンタクト(13a、13b)の位置が前記嵌合軸(AX)に沿って平行に前記ハウジング(1)に対して移動するように構成されている、
請求項1または2に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項4】
前記レバー(49)は、前記レバー(49)の面(67)から前記嵌合方向(x)の反対方向に突出する突出部(69)、特に半球形の突出部または膨出部を備え、
前記突出部(69)の先端部は、支点(51)を確立する前記ハウジング(3)との機械的接触点である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項5】
各電気コンタクト(13a、13b)は、対応するコンタクトスリーブ(25a、25b)に保持され、特に形状嵌合および/または摩擦嵌合し、
各コンタクトスリーブ(25a、25b)は、少なくとも1つのせん断部(71a、71b)を外側に備え、
前記せん断部(71a、71b)は、前記レバー(49)との機械的接触を確立するように構成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項6】
前記せん断部(71a、71b)は、前記嵌合方向(x)の反対方向に向く荷重面(75a、75b)を有する突出部(73a、73b)を備え、
前記荷重面(75a、75b)は、前記レバー(49)からの機械的荷重を受けるように構成されている、
請求項5に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項7】
それぞれの前記コンタクトスリーブ(25a、25b)の各荷重面(75a、75b)は、前記レバー(49)のそれぞれの荷重先端部(65a~65d)に当接する、
請求項6に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項8】
前記レバー(49)の前記荷重先端部(65a~65d)は、前記スリーブ(25a、25b)のそれぞれの前記荷重面(75a、75b)に自由に載り、それにより前記荷重面(75a、75b)における前記荷重先端部(65a、65b)の摺動が可能となる、
請求項7に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項9】
安全位置と非安全位置との間で移動可能な少なくとも1つの安全ピン(31a、31b)をさらに備え、
前記非安全位置において、前記安全ピン(31a、31b)は、特に前記ハウジング(3)から前記嵌合方向(x)に突出して前記第2の電気コネクタ(101)を阻止することにより、前記第2の電気コネクタ(101)との前記コネクタ(1)の嵌合を防止するように構成されている、
請求項1から8のいずれか一項に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項10】
各コンタクトスリーブ(25a、25b)について1つの対応する安全ピン(31a、31b)をさらに備え、
各安全ピン(31a、31b)は、それぞれの安全位置とそれぞれの非安全位置との間で移動可能であり、
前記非安全位置において、各安全ピン(31a、31b)は、特に前記ハウジング(3)から前記嵌合方向(x)に突出して前記第2の電気コネクタ(101)を阻止することにより、前記第2の電気コネクタ(101)との前記コネクタ(1)の嵌合を防止するように構成されている、
請求項5から9のいずれか一項に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の電気コネクタ(1)と、第2のコネクタとを備える電気コネクタアセンブリ(200)であって、
前記第2のコネクタ(101)は、前記電気コネクタ(1)の前記ハウジング(3)と嵌合するように構成されている相手側ハウジング(103)、および、前記電気コネクタ(1)の前記電気コンタクト(13a、13b)と嵌合するように構成されている対応する電気コンタクト(113a、113b)を備え、
前記レバー(49)は、各コンタクト(13a、13b)がそれぞれの対応する電気コンタクト(113a、113b)に対して底付きするように、前記支点(51)の周りに枢動する、
電気コネクタアセンブリ(200)。
【請求項12】
嵌合軸に沿って第2の電気コネクタ(101)と嵌合する第1の電気コネクタ(501)、特に請求項1から10のいずれか一項に記載の電気コネクタ(1)を備える、特に50A以上の電流を用いる高電力アプリケーションのためのラグ不使用電気コネクタアセンブリであって、
前記第1の電気コネクタ(501)は、前記第2のコネクタ(601)の相手側の第2のハウジング(603)と嵌合する内部コネクタ空間(545)を画定する第1のハウジング(503)を備え、
前記第1の電気コネクタ(501)は、少なくとも2つの第1の電気コンタクト(513a、513b)をさらに備え、前記少なくとも2つの第1の電気コンタクト(513a、513b)は、前記内部コネクタ空間(545)に収容され、前記第2のコネクタ(601)の対応する電気コンタクト(613a、613b)と嵌合し、
前記第1の電気コンタクト(513a、513b)の各々の末端面、特に遠位端面(522a、522b)は、対応する電気コンタクトレセプタクル(615a、615b)のそれぞれの相手側面(622a、622b)に少なくとも部分的に当接し、
全ての電気コンタクトペア(513a-613a、513b-613b)の当接が、前記嵌合軸(AX)に関する前記相手側の第2のハウジング(603)に対する前記第1のハウジング(503)の傾斜した配置により固定されている、
ラグ不使用電気コネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の電気コネクタ(501)の前記ハウジング(503)は、前記第2のコネクタ(601)に結合され、特にねじ込まれ、
前記相手側の第2のハウジング(603)に対する前記第1のハウジング(503)の傾斜は、前記第1の電気コネクタ(501)の第1の機械的結合装置と前記第2のコネクタ(601)の第2の機械的結合装置との間の間隙ゆとりにより可能とされ、
特に、前記第1の機械的結合装置は雄ねじ(535)であり、前記第2の機械的結合装置は雌ねじ(635)である、
請求項12に記載のラグ不使用電気コネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記傾斜した配置において、前記第1のハウジング(503)および前記第2のハウジング(603)の互いに向き合う面(517、617)は、部分的にのみ当接する、
請求項12または13に記載のラグ不使用電気コネクタアセンブリ。
【請求項15】
嵌合軸(x)に沿って第2の電気コネクタ(1101)と嵌合する第1の電気コネクタ(1001)を備える、特に50A以上の電流を用いる高電力アプリケーションのためのラグ不使用電気コネクタアセンブリであって、
前記第1の電気コネクタ(1001)は、第1のハウジング(1003)を備え、前記第1のハウジング(1003)は、内部コネクタ空間(1045)を画定し、前記第2のコネクタ(1101)の相手側の第2のハウジング(1103)と嵌合し、
前記第1の電気コネクタ(1001)は、電気ソケットコンタクト(1013)を備え、前記電気ソケットコンタクト(1013)は、前記内部コネクタ空間(1045)に収容され、前記第2のコネクタ(1101)の対応する電気コンタクト(1113)と嵌合し、
前記電気ソケットコンタクト(1013)の末端面、特に遠位端面(1022)は、前記対応する電気コンタクト(1113)のそれぞれの相手側末端面、特に遠位端面(1122)に少なくとも部分的に当接し、
特に、前記第1のハウジング(1003)のシェル末端面(1014)は、前記第2のハウジング(1103)のそれぞれのシェル末端面(1114)に当接しない、
ラグ不使用電気コネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記電気ソケットコンタクト(1013)は、第1のコンタクトスリーブ(1025)に保持され、特に取り外し可能に形状嵌合および/または摩擦嵌合し、前記第1のコンタクトスリーブ(1025)は、前記第1のハウジング(1003)に取り外し可能に形状嵌合および/または摩擦嵌合し、かつ/または、
前記対応する電気コンタクト(1113)は、第2のコンタクトスリーブ(1125)に保持され、特に取り外し可能に形状嵌合および/または摩擦嵌合し、前記第2のコンタクトスリーブ(1125)は、前記第2のハウジング(1103)に取り外し可能に形状嵌合および/または摩擦嵌合する、
請求項15に記載のラグ不使用電気コネクタアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の電気コネクタ(1001)は、第1の安全ピン(1031)をさらに備え、かつ/または、前記第2の電気コネクタ(1101)は、第2の安全ピンを備え、
各安全ピン(1031)は、安全位置と非安全位置との間で移動可能であり、前記非安全位置において、前記安全ピン(1031)は、特にそれぞれの前記ハウジング(1003、1103)からそれぞれの前記相手側コネクタ(1001、1101)の方向に突出することにより、前記第1の電気コネクタ(1001)および前記第2の電気コネクタ(1101)の嵌合を防止する、
請求項16に記載のラグ不使用電気コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第2のコネクタと嵌合するように構成されている電気コネクタ、特に高電力の車両アプリケーションのための電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の金属電気コンタクトのコンタクト面が接すると、それぞれの面の表面凹凸が密着する。コンタクト面同士の相対的摺動により、密着した表面凹凸の崩壊が生じ、それにより摩耗くずが発生する。フレッティング腐食という用語は、機械的荷重下での金属電気コンタクトのコンタクト面における、そのような摩耗くずの発生およびそれに続く酸化を指す。
【0003】
フレッティング腐食の発生により、接触抵抗が増大し、これは電気信号の伝送を妨げ、特に熱への電力損失を引き起こす場合がある。フレッティング腐食はまた、疲労強度などの、応力下における腐食した材料の材料特性を劣化させる。例えば、フレッティング腐食は、割れの発生のリスクを増大させる場合がある。
【0004】
一方、モビリティの電化に向けての産業界全体の取り組みの結果として、電気コネクタが、車両アプリケーションにおいて信号伝送のみならず電力伝送の用途でもますます実装されている。例えば、50A以上の直流電流を安全かつ高信頼に伝達するために、高電力コネクタが必要となる場合がある。
【0005】
同時に、多くのタイプの車両、特に電車および航空機においては、動的環境により、電力伝送構成要素に対する重大な振動荷重が発生する場合がある。例えば、航空機においては、数マイクロメートル程度から10mmまでの範囲の振動振幅を有する継続的な振動が一般的である。
【0006】
振動は、振動源から、第2の電気コネクタと嵌合した電気コネクタ、特にレセプタクルコネクタと嵌合したプラグコネクタで構成されている電気接続部に伝達される。その結果、それぞれのコネクタハウジングの、互いに底付きし固定された部分が共に動く。しかしながら、特に製造公差内のコンタクト寸法のばらつきを考慮すると、それぞれのコネクタの嵌合した電気コンタクトは依然として、互いに対して、またそれらの収まるハウジングに対して動き、それによりフレッティング腐食が発生する。
【0007】
この、振動により引き起こされる電気コネクタのフレッティング腐食により、オーミック接触抵抗の不所望な増大、および熱としての不所望なエネルギー損失が生じる。
【0008】
この理由から、今日に至るまで、高電力電気接続部は、高電圧圧縮ラグ接続部を用いて固定されている。ラグ接続部は通常、高電圧下において一方では人間に対する安全性リスクを呈し、他方では電磁放射による車両に対するリスクを呈する、未絶縁の露出部品を含む。特に、露出部品の絶縁の欠如により、環境の湿度レベルと共に変動し得る周囲ガスの絶縁抵抗に応じて、伝送される電力が制限される。ラグは、隣接するラグおよび航空機の金属構造体との空隙によってのみ絶縁されるので、比較的低電圧の用途に調整される必要がある。
【0009】
さらに、ラグ接続部の設置には、時間がかかり、労力を要する場合がある。深いケーブルのスタンピングおよび最初の接続固定には、専用の器具が必要となる。完了した設置ステップを示すために、一連のマーキングがしばしば必要となる。特に、必要となり得るラグ接続部の修理に備えて余分なケーブルの追加のループが割り当てられることが通例であるため、重い金属の高電力ケーブルおよびラグは、操作が煩雑である。それに付随して、これらの追加のケーブルループは、車両の合計質量を増し、したがってエネルギー効率を低下させる。
【0010】
加えて、熱膨張、振動および圧縮応力の全てがラグ接続部を摩耗させるため、接続部の安全な動作を継続させるには、頻繁な再固定が必要な場合がある。したがって、固定のチェックおよび再締め付けを含む予防保全に関する要件は、車両動作におけるコスト要因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記に鑑みて、本発明の目的は、動的環境のための改良された高電力コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、嵌合軸に沿って平行な嵌合方向において第2のコネクタと嵌合するように構成され、内部コネクタ空間を画定し、第2のコネクタの相手側ハウジングと嵌合するように構成されているハウジングと、ハウジングの内部空間に収容され、第2のコネクタの対応する電気コンタクトと嵌合するように構成されている少なくとも2つの電気コンタクトとを備える、電気コネクタ、特に高電力車両アプリケーションのための電気コネクタにより実現される。
【0013】
電気コネクタは、ハウジングとレバーとの間の機械的接触がレバーの支点を確立するように、ハウジングの内部空間に収容されるレバーをさらに備え、支点は、少なくとも2つの電気コンタクトの間に配置されるように位置し、レバーはさらに、レバーの枢動により少なくとも2つの電気コンタクトの位置がハウジングに対して移動するように配置および構成される、ことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る電気コネクタが相手側の第2のコネクタと嵌合すると、レバーは、電気コンタクトの位置をハウジングに対して移動させることで、製造公差の限度内で生じるコンタクトの長さの相違を補償することができる。例えば、製造公差の限度は、公称長さの-0.5mmおよび+0.5mmのずれを許容し得る。特に、第1の電気コンタクトが第2のコネクタの対応する相手側電気コンタクトと底付きすると、コネクタの嵌合中のコネクタハウジングの平行移動が、第1の底付きしたコンタクトを介してレバーに力を及ぼす。すると、レバーが支点の周りに枢動し、それにより、より遠い電気コンタクトどうしも底付きするまで、より遠い電気コンタクトどうしの相対位置を支点の周りに調整する。
【0015】
本発明に係る電気コネクタは、ラグを必要とすることなく、フレッティングの発生源となる相手側電気コンタクト間の相対移動を低減するまたはさらにはなくすことができるので、振動の強い環境においても、相手側コネクタと嵌合したときのフレッティング腐食に対する耐性がより高い。これにより、より迅速かつ簡単な設置およびメンテナンス、ならびに、車両の軽量化に起因するより高い電力性能、より高い電圧、およびより良好な電磁両立性が可能となる。例えば、第1のコネクタはレセプタクルコネクタであってよく、第2のコネクタはプラグコネクタであってよく、またはその逆であってもよく、特に航空宇宙環境において用いられるプラグコネクタおよびレセプタクルコネクタである。
これにより、本発明を、特にフレッティング腐食が発生しやすい、高電圧、高振動の航空宇宙環境に適用することが可能となる。
【0016】
電気コネクタは、それぞれの技術的効果に関して互いに独立であり得、任意に組み合わされ得る様々な有利な態様に従って、さらに改良することができる。
【0017】
本発明の一態様において、ハウジングは、シェルおよびプッシャ要素をさらに備えてよく、プッシャ要素は、内部空間に配され、ハウジングのシェルに堅固に取り付けられ、特に形状嵌合し、プッシャ要素は、支点におけるハウジングとレバーとの間の機械的接触を実現する。相手側の第2のコネクタとの電気コネクタの嵌合および結合を操作するためにハウジングシェルが手動で動かされると、シェルの運動を、支点を介してプッシャからレバーに直接伝達することができる。
【0018】
本発明の一態様において、レバーは、レバーの枢動により、少なくとも2つの電気コンタクトの位置が嵌合軸に沿って平行にハウジングに対して移動するように構成されてよい。この構成において、長さの相違を補償するための電気コンタクトの移動の制御を向上させることができ、フレッティング腐食を低減することができる。
【0019】
本発明の一態様において、レバーは、レバーの面から嵌合方向の反対方向に突出する突出部、特に半球形の突出部または膨出部を備えてよく、突出部の先端部は、支点を確立するハウジングとの機械的接触点である。これにより、レバーに向かってのシェルおよびプッシャの移動を単一の接続位置に有利に集中させ、損傷、摩擦、または擦過を低減させつつレバーを突出部の周りに自由に枢動させることが可能となり得る。
【0020】
本発明の一態様において、各電気コンタクトは、対応するコンタクトスリーブに保持され、特に形状嵌合および/または摩擦嵌合してよく、各コンタクトスリーブは、少なくとも1つのせん断部(shearing portion)を外側に備え、せん断部は、レバーとの機械的接触を確立するように構成される。この構成において、コンタクトスリーブは、コンタクトのための保護ケーシングであってよく、電気コンタクトの機能を損なうまたは妨げることなく、レバーからの機械力を受けることができる。
【0021】
本発明の一態様において、せん断部は、嵌合方向の反対方向に向く荷重面を有する突出部を備えてよく、荷重面は、レバーからの機械的荷重を受けるように構成される。これにより、コンタクトスリーブとレバーとの機械的接触が向上する。
【0022】
本発明の一態様において、それぞれのコンタクトスリーブの各荷重面は、レバーのそれぞれの荷重先端部に当接してよい。レバーの先端部においてレバーとコンタクトスリーブとの間の機械的接触を確立することにより、レバーのてこ特性すなわち機械的利点が向上する。
【0023】
本発明の一態様において、レバーの荷重先端部は、スリーブのそれぞれの荷重面に自由に載ってよく、それにより荷重面における荷重先端部の摺動が可能となる。この構成において、レバーの枢動と共に荷重面において摺動する荷重先端部は、カムとして働くことができる。よって、直線運動が、カムフォロアとして働くコンタクトスリーブにもたらされる。
【0024】
本発明の一態様において、レバーは、所定の最大角度変位範囲内で支点の周りに枢動するように構成されてよく、所定の最大角度変位範囲は、レバーの移動を制限するハウジングの進路制限手段により画定される。よって、コネクタのシェルにおけるレバーの変位は、所望の範囲に制限することが可能であり、コネクタの設計および機能を妨げない。
【0025】
本発明の一態様において、コネクタは、安全位置と非安全位置との間で移動可能な少なくとも1つの安全ピンをさらに備えてよく、非安全位置において、安全ピンは、特にハウジングから嵌合方向に突出して第2の電気コネクタを阻止することにより、第2の電気コネクタとのコネクタの嵌合を防止するように構成される。このように構成された安全ピンは、例えばコネクタハウジングの構成要素が不適切に嵌合されているまたは不完全に設置されている場合に、安全でないまたは意図しないコネクタの嵌合を回避することができる。
【0026】
本発明の一態様において、コネクタは、各コンタクトスリーブについて1つの対応する安全ピンをさらに備えてよく、各安全ピンは、それぞれの安全位置とそれぞれの非安全位置との間で移動可能であり、非安全位置において、各安全ピンは、特にハウジングから嵌合方向に突出して第2の電気コネクタを阻止することにより、第2の電気コネクタとのコネクタの嵌合を防止するように構成される。これにより、各コンタクトの対応するスリーブへの取り付けおよび各スリーブのコネクタハウジングへの取り付けを個別に保護することができ、上記の取り付けの一方が不十分である場合に嵌合を防止することができる。
【0027】
本発明の一態様において、シェルは、嵌合軸に直交する平面において円形の形状を有してよく、シェルの面は、第2のコネクタの相手側機械的結合装置、特に相手側のねじ山または摩擦嵌合装置もしくはクリップ留め装置とコネクタを結合させるための機械的結合装置、特にねじ山または摩擦嵌合装置もしくはクリップ留め装置を備えてよい。そのような結合により、第1の電気コネクタおよび第2の電気コネクタの接続を固定することが可能となる。特に、ねじ山によるコネクタの嵌合は、嵌合の進行の良好な制御を可能とし、嵌合中に電気コネクタの長さの相違に起因して必要となる場合にレバーの枢動を生じさせることができる。
【0028】
本発明の一態様において、各電気コンタクトは、対応するコンタクトスリーブの内部空洞に保持されてよく、各内部空洞は、内部空洞の開口部を封止するように配置される封止要素を備え、特に、封止要素は、三重バリアグロメット、グランドシールまたはブッシュシールである。これにより、水が侵入して電気コンタクトの導電面と接触することを防止することができる。
【0029】
本発明の目的はまた、前述の態様のいずれか1つに係る電気コネクタと第2のコネクタとを備える電気コネクタアセンブリにより、実現することができる。第2のコネクタは、電気コネクタのハウジングと嵌合するように構成されている相手側ハウジング、および、電気コネクタの電気コンタクトと嵌合するように構成されている対応する電気コンタクトを備え、レバーは、各コンタクトがそれぞれの対応する電気コンタクトに対して底付きするように、支点の周りに枢動する。このアセンブリは、上述のコネクタの利点により、フレッティング腐食を低減しつつ高電力の電気的接続を可能とする。
【0030】
アセンブリの一態様において、第2のコネクタは、上述の態様のうちの1つに係る電気コネクタであってもよい。両方の電気コネクタが上述の態様に係るコネクタである場合、相手側の第2の電気コネクタの対応する相手側電気コンタクトの位置が、電気コネクタの電気コンタクトの位置と併せて調整されてよい。この構成において、一方のコネクタはオス型電気コンタクトを有してよく、他方のコネクタはメス型コンタクトを有してよく、またはその逆であってもよく、オス型電気コンタクトおよびメス型電気コンタクトの末端面または遠位端面の間で底付きが生じ得る。
【0031】
本発明の目的はさらに、嵌合軸に沿って第2の電気コネクタと嵌合する第1の電気コネクタ、特に上述の態様のいずれか1つに係る電気コネクタを備える、特に50A以上、特に200A以上の電流を用いる高電力アプリケーションのためのラグ不使用電気コネクタアセンブリにより実現することができる。第1の電気コネクタは、第2のコネクタの相手側の第2のハウジングと嵌合する内部コネクタ空間を画定する第1のハウジングを備える。
【0032】
第1の電気コネクタは、内部コネクタ空間に収容され、第2のコネクタの対応する電気コンタクトと嵌合する少なくとも2つの第1の電気コンタクトをさらに備え、第1の電気コンタクトの各々の末端面、特に遠位端面は、対応する電気コンタクトレセプタクルのそれぞれの相手側面に少なくとも部分的に当接し、全ての電気コンタクトペアの当接が、嵌合軸に関する相手側の第2のハウジングに対する第1のハウジングの傾斜した配置により固定される。
【0033】
ラグ不使用アセンブリは、製造公差内における電気コンタクト長さの相違を、第2のコネクタハウジングに対する第1のコネクタハウジングの傾斜により補償することを可能とする。それらの電気コンタクトのうちの一方の電気コンタクトが他方よりも長く、そのため、嵌合中にその末端面が最初に対応するコンタクトレセプタクルの相手側面に当接する場合、長さの差を吸収するように第1のハウジングを傾斜させることができる。特に、より短い電気コンタクトまたは複数のコンタクトが、それぞれの対応するコンタクトレセプタクルの相手側面に当接するまで前方に移動するように、第1のハウジングを傾斜させることができる。
【0034】
ラグ不使用電気コネクタアセンブリの一態様において、第1の電気コネクタのハウジングは、第2のコネクタに結合され、特にねじ込まれてよく、相手側の第2のハウジングに対する第1のハウジングの傾斜は、第1の電気コネクタの第1の機械的結合装置と第2のコネクタの第2の機械的結合装置との間の間隙ゆとりにより可能とされ、特に、第1の機械的結合装置は雄ねじであり、第2の機械的結合装置は雌ねじである。間隙ゆとりにより、ハウジングを損傷させることなく、第1のハウジングが嵌合軸に沿って第2のハウジングに対して傾斜することが可能となる。特に、間隙ゆとりは、傾斜を、第1の機械的結合装置および第2の機械的結合装置の間の間隙ゆとりに応じた所定の最大角度変位に制限する。
【0035】
ラグ不使用電気コネクタアセンブリの一態様において、傾斜した配置において、第1のハウジングおよび第2のハウジングの互いに向き合う面は、部分的にのみ当接してよい。これにより、コネクタアセンブリのロックの安全性を脅かすことなく、コンタクトの底付きが実現されるまで、第1のコネクタが第2のコネクタに対して傾斜することが可能となり得る。
【0036】
ラグ不使用電気コネクタアセンブリの一態様において、第1の電気コネクタおよび第2の電気コネクタのハウジングは、嵌合軸に直交する平面において矩形の形状を有してよく、第1の電気コネクタのハウジングは、プラグを備え、第2の電気コネクタのハウジングは、ハウジングにおいて中央に延び、プラグを受け入れてプラグと嵌合するように構成されている相手側レセプタクルを備える。この構成において、第2のコネクタとの電気コネクタの結合は、機械的結合装置により、例えばねじ付きプラグをねじ付きレセプタクルにねじ込むことにより行うことができ、これにより、電気コンタクトの長さの相違に起因して必要となる場合に、嵌合中にレバーの枢動を生じさせることができる。
【0037】
本発明の目的はまた、嵌合軸に沿って第2の電気コネクタと嵌合する第1の電気コネクタを備える、特に50A以上の電流を用いる高電力アプリケーションのためのラグ不使用電気コネクタアセンブリにより実現され、第1の電気コネクタは、内部コネクタ空間を画定し、第2のコネクタの相手側の第2のハウジングと嵌合する第1のハウジングを備え、第1の電気コネクタは、内部コネクタ空間に収容され、第2のコネクタの対応する電気コンタクトと嵌合する電気ソケットコンタクトを備え、第1の電気コンタクトの末端面、特に遠位端面は、対応する電気コンタクトのそれぞれの相手側末端面、特に遠位端面に少なくとも部分的に当接し、特に、第1のハウジングのシェル末端面は、第2のハウジングのそれぞれのシェル末端面に当接しない。
【0038】
ラグ不使用コネクタアセンブリにより、第1の電気コネクタおよび第2の電気コネクタの底付きが、コネクタハウジングではなく、それぞれの電気コンタクトにおいて生じることが確実になる。嵌合力は、接合し合う、正面で接触するコンタクト面に主に印加されるため、振動により引き起こされるあらゆる相対運動を低減するまたはなくすことができる。結果として、フレッティング腐食の発生を低減するまたはなくすことができる。
【0039】
アセンブリの一態様において、電気ソケットコンタクトは、第1のコンタクトスリーブに保持され、特に取り外し可能に形状嵌合および/または摩擦嵌合してよく、第1のコンタクトスリーブは、第1のハウジングに取り外し可能に形状嵌合および/または摩擦嵌合し、かつ/または、対応する電気コンタクトは、第2のコンタクトスリーブに保持され、特に取り外し可能に形状嵌合および/または摩擦嵌合し、第2のコンタクトスリーブは、第2のハウジングに取り外し可能に形状嵌合および/または摩擦嵌合する。コンタクトスリーブは、コンタクトのための保護ケーシングとして、かつ、通電されるコンタクトを他のコネクタハウジング構成要素から絶縁するための絶縁装置として機能することができる。取り外し可能なスリーブにより、接続メンテナンスに関して電気コンタクトを定期的に検査し交換することが可能となり得る。
【0040】
アセンブリの一態様において、第1の電気コネクタは、第1の安全ピンをさらに備えてよく、かつ/または、第2の電気コネクタは、第2の安全ピンを備えてよく、各安全ピンは、安全位置と非安全位置との間で移動可能であり、非安全位置において、安全ピンは、特にそれぞれのハウジングからそれぞれの相手側コネクタの方向に突出することにより、第1の電気コネクタおよび第2の電気コネクタの嵌合を防止する。安全ピンは、例えば第1のハウジングまたは第2のハウジングの構成要素が不適切に嵌合されているまたは不完全に設置されている場合に、安全でないまたは意図しないコネクタの嵌合のリスクを低減することができる。
【0041】
アセンブリの一態様において、第1のハウジングは、第1の機械的結合装置、特に雌ねじを備えてよく、第2のハウジングは、第2の機械的結合装置、特に雄ねじを備えてよく、第1の機械的結合装置および第2の機械的結合装置は、第1の電気コネクタおよび第2の電気コネクタを結合する、特に共にねじ込むことを可能とするように構成される。第1の機械的結合装置および第2の機械的結合装置は、第1の電気コネクタおよび第2の電気コネクタの結合を実現する助けとなることができる。
【0042】
本発明はまた、電気コネクタにおける電気コンタクトのための電気コンタクトスリーブを除去するための、特に前述の態様のうちの1つに係るコネクタから前述の態様のうちの1つに係るコンタクトスリーブを除去するためのスリーブ除去器具に関する。スリーブ除去器具は、対応する貫通孔に挿入可能であり、安全ピン、特に本開示の態様のうちの1つにおいて説明した安全ピンを安全位置から非安全位置へと変位させるように構成される。
【0043】
本発明の目的はさらに、嵌合軸に沿って、第1のハウジングの内部コネクタ空間に設けられる少なくとも1つの電気コンタクトを有する第1の電気コネクタを、相手側の第2のハウジングの内部空間に設けられる少なくとも1つの相手側電気コンタクトレセプタクルを有する相手側の第2の電気コネクタとラグ不使用で接続する方法により、実現することができる。本方法は、
a)第1の電気コネクタの少なくとも1つの電気コンタクトの末端面、特に遠位端面を、第2の電気コネクタの少なくとも1つの相手側電気コンタクトレセプタクルの相手側面に当接させるステップと、
c)第1のハウジングと第2のハウジングとの間の摩擦嵌合および/または形状嵌合の接続を実現することにより、電気的接続を機械的に固定するステップと
を含む。
【0044】
複数のコネクタをラグ不使用で接続するこの方法を適用することで、フレッティング腐食のない接続の利点を実現することができる。
【0045】
第1の電気コネクタが第1のハウジングの内部コネクタ空間に設けられる少なくとも1つの第1の電気コンタクトを有し、第2の電気コネクタが相手側の第2のハウジングの内部コネクタ空間に設けられる少なくとも1つの相手側の第2の電気コンタクトレセプタクルを有する本方法の一態様において、本方法は、
b)第1の電気コンタクトの末端面、特に遠位端面を相手側の第1の電気コンタクトレセプタクルの相手側面に当接した状態に保ちつつ、第1の電気コネクタの第2の電気コンタクトの末端面、特に遠位端面を、第2の電気コネクタの第2の電気コンタクトレセプタクルの相手側面に当接させるステップ
をさらに含んでよい。
【0046】
この方法により、2つのコンタクトが単一のコネクタハウジングに保持されるシナリオにおいて、フレッティング腐食のない接続を得ることが可能となり得る。
【0047】
本発明の別の態様であるが、個別にまたは組み合わせで上述の態様のうちの1つと組み合わされ得る態様によれば、動的環境のための改良されたコネクタ、特に高電力コネクタを提供する目的はまた、嵌合軸に沿って第2のコネクタと嵌合するように構成され、ハウジングと、ハウジングに収容される少なくとも1つのコンタクトスリーブとを備える、特に50A以上の電流を用いる高電力アプリケーションのための電気コネクタにより実現され、コンタクトスリーブは、電気コンタクトを収容するように構成され、コンタクトスリーブは、ハウジングにおいてロック位置とロック解除位置との間で移動可能である。ロック解除位置において、コンタクトスリーブは、特に電気コンタクトと共に、ハウジングから除去することができる。
これに対して、ロック位置においては、コンタクトスリーブが正しく配置され、ハウジングに堅固に取り付けられる。
【0048】
本発明の本態様によれば、コネクタ自体を完全に交換する必要なく、コンタクトスリーブを点検および/または交換することが可能となる。
【0049】
電気コネクタは、安全位置と非安全位置との間で移動可能な少なくとも1つの安全ピンをさらに備え、非安全位置において、安全ピンは、特にハウジングから嵌合方向に突出して第2の電気コネクタを阻止することにより、第2の電気コネクタとのコネクタの嵌合を防止するように構成され、それにより、電気コンタクトを有するコンタクトスリーブがロック解除位置にあるときに、電気コネクタと第2のコネクタとの間で電気的接続を確立することができない。
【0050】
これに対して、安全ピンはさらに、コンタクトスリーブがロック位置に正しく配置されている場合に、電気コネクタと第2のコネクタとの間の電気的接続を確立することができるように構成されてよい。好ましくは、安全ピンは、安全位置において、ハウジングから嵌合方向に突出していなくてよく、それにより、コネクタ間の嵌合が可能となる。
【0051】
安全ピンにより、コンタクトスリーブが正しくハウジングと組み付けられている場合にのみ、コネクタの嵌合が可能となることが確実になる。一実施形態によれば、コンタクトスリーブが未だロック位置に移動していない限り、安全ピンが非安全位置から安全位置に移動することが、コンタクトスリーブにより、特にコンタクトスリーブの外側における突出部により機械的に阻止される。
【0052】
よって、安全ピンは、スリーブが正しくハウジングと組み付けられた場合にのみ、安全位置へと移動することができる。
【0053】
一実施形態によれば、安全ピンは、安全位置にあるときに、コンタクトスリーブがロック位置からロック解除位置に移動することを防止するように構成されてよい。よって、不所望な分解を防止することができる。
【0054】
一実施形態において、電気コネクタは、非安全位置において、特にコンタクトスリーブの外側における突出部により、ばね構成体に荷重がかけられるように、かつ、ばね構成体がばね復元力により安全位置に移動して、特にそれにより安全ピンを非安全な突出位置から安全な非突出位置に移動させるように構成されているばね構成体を備えてよい。
【0055】
一実施形態において、移動可能な安全ピンは、電気コネクタの組み立て中におけるコンタクトスリーブの挿入方向に沿ってハウジングに配置されてよく、それにより、予荷重がかかったばね構成体は、コンタクトスリーブがロック解除位置にある限り、コンタクトスリーブの挿入運動に反作用を及ぼす。よって、コンタクトスリーブは、ロック位置に移動されていない限り、ハウジングにおいて復元力下で挿入方向の反対方向へと反発される。
【0056】
一実施形態において、電気コネクタは、上述のように、各コンタクトスリーブについて1つの対応する安全ピンを備えてよい。
【0057】
本発明のこれらのおよび他の目的および利点が、本発明の現在好適な例示的態様および実施形態についての以下のより詳細な説明を添付の図面と併せて入念に検討することにより、より完全に理解および認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1A】本発明の第1の態様の一実施形態に係る電気コネクタの斜視図である。
【
図1B】
図1Aの電気コネクタと嵌合するように構成されているコネクタを示す図である。
【
図1C】中間嵌合状態における
図1Aの電気コネクタおよび
図1Bの第2のコネクタを示す図である。
【
図1D】コネクタが後退した安全ピンを有する、
図1Aの電気コネクタの異なる斜視図である。
【
図2B】
図1Aおよび
図1Bの電気コネクタにおけるレバーおよびプッシャ要素の配置を示す図である。
【
図2C】
図1Aおよび
図1Bの電気コネクタにおけるレバーおよびコンタクトスリーブの配置を示す図である。
【
図2E】本発明に係る第1の電気コネクタおよび第2の電気コネクタをラグ不使用で接続する方法を示す図である。
【
図3A】電気コネクタの電気コンタクトが公称長さを有する例における、
図2Aの断面の接触領域を示す図である。
【
図3B】電気コネクタの電気コンタクトが製造公差内の最小長さを有する例における、図の断面の接触領域を示す図である。
【
図3C】電気コネクタの電気コンタクトが製造公差内の最大長さを有する場合における、
図2Aの断面の接触領域を示す図である。
【
図3D】製造公差内において、1つのコンタクトが最小長さを有し、別のコンタクトが最大長さを有する場合における、
図2Aの断面の接触領域を示す図である。
【
図4】発明の第1の態様の第2の実施形態に係る電気コネクタのためのレバーを示す図である。
【
図5】本発明の第2の態様の一実施形態に係るコネクタアセンブリを示す図である。
【
図6】本発明の第2の態様に係るコネクタアセンブリの異なる実施形態を示す図である。
【
図7A】本発明の第3の態様の一実施形態に係るラグ不使用コネクタアセンブリのためのコネクタの斜視図である。
【
図7B】
図7Aのコネクタを備えるラグ不使用コネクタアセンブリの断面図である。
【
図8】スリーブ除去器具を用いたコンタクトスリーブの除去に関連する
図1Bの第2のコネクタの図である。
【
図9】代替的な一対の電気コンタクトの比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1Aは、本発明の第1の態様の一実施形態に係る電気コネクタ1の斜視図を示す。電気コネクタ1は、嵌合軸AXに平行な嵌合方向xにおいて相手側の第2のコネクタ、例えば
図1Bに示す第2の電気コネクタと嵌合するように構成される。
【0060】
本実施形態において、電気コネクタ1は、レセプタクルコネクタとも称される固定されたまたは移動不可能な相手側の第2のコネクタと手動で嵌合することになる、プラグコネクタとも称される移動コネクタである。例えば、電気コネクタ1は、電気車両、例えば電気航空機における電力ケーブルのための電力伝送接続を確立するのに適している。
【0061】
電気コネクタ1は、アウターシェル7により取り囲まれるインナーシェル5を含むハウジング3を備える。インナーシェル5およびアウターシェル7は、同心円状の断面を有する。下記でさらに説明するように、アウターシェル7は、インナーシェル5の周囲に回転可能に配置される。アウターシェル7の最外面9は、インナーシェル5に対するアウターシェル7の回転のために、手による把持性を向上させるための凹凸面部11を備える。
【0062】
電気コネクタ1は、インナーシェル5の内側に配置される2つの電気コンタクト13a、13bをさらに備える。電気コンタクト13a、13bは、好適な実施形態において、導電性および耐腐食性を向上させるために、金めっきまたは銀めっきされた銅コンタクトである。本実施形態において、電気コンタクト13a、13bは、相手側の第2のコネクタのオス型コンタクトを受け入れるように構成されている円筒形レセプタクル15a、15bを備えるメス型コンタクトまたはソケットコンタクトである。ただし、代替的実施形態において、電気コンタクト13a、13bは、対応するメス型コンタクトに受け入れられることになるオス型コンタクトであってもよい。
【0063】
電気コンタクト13a、13bは、ハウジング3の内側で嵌合軸AXに平行に延び、レセプタクル15a、15bは、嵌合方向xの反対方向に延びる相手側オス型コンタクトを受け入れるように構成される。
【0064】
インナーシェル5は、熱可塑性電気絶縁物体17が、インナーシェル5の内部空間を封止し電気的に絶縁することにより外部環境から隔離するように配される、嵌合方向xに向く円形開口部を有する。絶縁物体17は、嵌合方向xに垂直なy-z平面に配され、2つの空洞化された円筒形突出部19a、19bを備え、各突出部19a、19bは、絶縁物体17を通りインナーシェル5の内部空間に至る通路を提供する開口部21a、21bを備える。
【0065】
電気コンタクト13a、13bは、コンタクト13a、13bのそれぞれのレセプタクル15a、15bが絶縁物体17の開口部21a、21bに合致するように、絶縁物体17の突出部19a、19bに配される。特に、開口部21a、21bは、嵌合中に相手側の第2のコネクタのオス型電気コンタクトを受け入れ、下記でさらに説明するように、コネクタ1のメス型相手側面22a、22bとのオス型電気コンタクトのオス型遠位端面の当接を実現するように構成される。
【0066】
絶縁物体17の境界面23は、嵌合したときに相手側の第2のコネクタとの接触面として機能する。完全に嵌合した状態において、かつ、相手側コネクタとのコネクタ1の電気接続部が通電されると、絶縁物体は、導電要素間、特に電気コンタクト13a、13bおよびコネクタハウジング3の間の電気的絶縁を提供する。
【0067】
ロックインサートとも称される2つのコンタクトスリーブ25a、25b(25aは
図1Aでは視認不可能)は、インナーシェル5の内部空間から嵌合方向xの反対方向において嵌合軸AXに平行に延びる。
図2Aおよび
図2Bに関して説明するように、コンタクトスリーブ25a、25bは、電気コンタクト13a、13bを保持するために空洞化される。スリーブ25a、25bは、電気コンタクト13a、13bをハウジング3に収めてロックするために用いられる。
【0068】
図1Aはさらに、アウターシェル7の鋸歯状の外周隆起部27、無線周波数干渉フィルタリングのための金属バンド29、および2つの安全ピン31a、31bを示す。安全ピン31a、31bは、電気コンタクト13a、13bまたはコンタクトスリーブ25a、25bがインナーシェル5に完全にロックされていない場合に、コネクタ1が相手側の第2のコネクタと嵌合することを防止するための任意選択的な安全機構に相当する。
【0069】
図1Aの図において、電気コンタクト13a、13bまたはコンタクトスリーブ25a、25bは、ハウジング3に完全にロックされておらず、これは、安全ピン31a、31bがハウジング3から嵌合方向xにおいて突出していることにより示されている。安全ピン31a、31bは、電気コンタクト13a、13bがハウジング3に完全にロックされていない間、相手側の第2のコネクタとの嵌合を阻止するように突出する。特に、突出している安全ピン31a、31bは、相手側の第2のコネクタのハウジングに当接するように構成される。
【0070】
一方、電気コンタクト13a、13bおよびコンタクトスリーブ25a、25bがハウジング3に完全にロックされている場合、安全ピン31a、31bは、予荷重がかかったばね構成体によりインナーシェル5の内側に後退する。安全ピン31a、31bは、インナーシェル5の内側に後退している間、コンタクト13a、13bを所定位置に保持するコンタクトスリーブ25a、25bをロックして固定する。コンタクトスリーブ25a、25bがロックされ固定された位置にあるとき、それらの位置は、専用の器具を用いてのみ再び解放することができる。この器具については、
図8を参照してより詳細に説明する。ロックされ固定されたスリーブ25a、25bを有するコネクタ1の図が、
図1Dに示されている。
【0071】
金属バンド29は、インナーシェル5の外面に配され、同心円状のインナーシェル5およびアウターシェル7の間のシェル間空間33において視認可能である。シェル間空間33の内側において、アウターシェル7のシェルねじ山が、ねじ面部35を提供する。具体的には、ねじ面部35は、アウターシェル7の内側管状壁において周方向に配置される。ねじ山は、嵌合軸AXに沿って延び、相手側の第2のコネクタの合致するねじ部と係合したときに、嵌合方向xにおけるコネクタ1の嵌合のために機能する。
【0072】
本実施形態において、ねじ面部35は、相手側の第2のコネクタの外面におけるねじ側のねじ山、すなわち雄ねじと合致するように構成されているねじ付きレセプタクルを形成するナット側のねじ山、すなわち雌ねじである。ただし、代替的実施形態においては、電気コネクタが、別の相手側の第2のコネクタのナット側のねじ山と合致するインナーシェル5の外面におけるねじ側のねじ山を備えることもあり得る。
【0073】
外周隆起部27は、嵌合方向xの反対方向に向き、鋸歯状であり、それにより複数の三角形の歯を呈する。鋸歯状隆起部27の歯は、相手側の第2のコネクタとの嵌合および結合中におけるコネクタ1の歯ごとの締め付けまたはねじ込みの制御のためにコネクタ1に設置されることになる装備品に対するインターフェースを提供する。
【0074】
加えて、中心合わせキー37が、インナーシェル5の外面に設けられる。中心合わせキー37は、相手側の第2のコネクタとの位置合わせを簡略化するために、相手側の第2のコネクタにおける相手側機構に形状嵌合するように配置される。
【0075】
図1Bは、
図1Aを参照して説明した実施形態の電気コネクタ1との嵌合に好適な相手側の第2のコネクタである第2の電気コネクタ101を示す。第2のコネクタ101は、レセプタクルコネクタとも称される、固定されたまたは移動不可能な相手側の第2のコネクタであり、シェル105およびベースプレート107を備える相手側ハウジング103を備える。ベースプレート107は、例えば本体パネルへの、ベースプレート107のねじ固定のための貫通孔111を備える。
【0076】
シェル105の最外面109において、ねじ面部135が、ねじ付きプラグを形成するねじ側のねじ山を提供するように周方向に配置される。ねじ面部135は、嵌合軸AXに沿って延び、それにより電気コネクタ1のねじ面部35のねじ山と合致する。本発明の変形例においては、ねじ面部135に代えて、面部が例えば摩擦嵌合装置またはクリップ留め装置を備えてもよい。
【0077】
ハウジング103のシェル105の内側には、相手側境界面123を呈する境界絶縁物体117が配置される。境界絶縁物体117は、接続部を封止し電気的に絶縁するように配置されるエラストマーである。境界絶縁物体117は、嵌合軸AXに沿って延び、空洞開口部121a、121bにおいて境界面123を横断する2つの円筒形空洞119a、119bを備える。オス型電気コンタクト113a、113bが、絶縁物体117の空洞119a、119bに配され、空洞開口部121a、121bを通してアクセス可能である。コンタクト113a、113bは、コネクタ1のコンタクト13a、13bに対応する相手側電気コンタクトである。オス型コンタクト113a、113bの先端部は、嵌合方向xに直交するy-z平面に延びる遠位端面122a、122bを備える。コンタクト113a、113bは、ハウジング103に形状嵌合するコンタクトスリーブ125a、125bに保持され、
図1Bではスリーブ125bのみが視認可能である。
【0078】
一実施形態において、絶縁物体117における円筒形空洞119a、119bは各々、周方向に配置される複数の、例えば3つのリング状リブを備えてよい。コネクタ1の突出部19a、19bがそれぞれの空洞119a、119bに挿入されると、それにより電気接続部が水封される。
【0079】
第2のコネクタ101の絶縁物体117は、絶縁物体117の周面129とシェル105との間に環状中間空間133が形成されるように、コネクタ1のインナーシェル5に設置される。環状中間空間133は、コネクタ1、101の嵌合中にコネクタ1のハウジング3のインナーシェル5を受け入れるように構成される。
【0080】
電気コネクタ1と同様に、第2のコネクタ101は、電気コンタクト113a、113bまたはコンタクトスリーブ125a、125bがハウジング103に完全にロックされていない場合に嵌合を防止するように構成されている2つの安全ピン131a、131bを備える。
図1Bの図において、電気コンタクト113a、113bおよびスリーブ125a、125bは、ハウジング103に完全にロックされており、これは、安全ピン131a、131bがインナーシェル105の内側に後退していることにより示されている。特に、安全ピン131a、131bは、予荷重がかかったばね構成体により後退する。電気コンタクト113a、113bが完全にロックされていない場合、
図1Aに関して説明した電気コネクタ1において説明し示したように、それぞれの安全ピン131a、131bが、嵌合方向xの反対方向に延び、嵌合を阻止する。
【0081】
嵌合方向に向くシェル105の外周隆起部127は、第1のコネクタ1の隆起部27と同様に鋸歯状である。さらに、コネクタ1の中心合わせキー37を受け入れて形状嵌合を確立するように構成されている中心合わせ窪み137が、環状中間空間133へと向くようにシェル105に形成される。特に、嵌合中において、中心合わせキー37と中心合わせ窪み137との間の形状嵌合が、コネクタ1のインナーシェル5と第2のコネクタ101のシェル105との間の回転運動を阻止し、それにより、アウターシェル7をコネクタ101のシェル105の周囲にねじ込むことによりコネクタ1、101を嵌合させることが可能となる。加えて、キー37および窪み137により、適切な結合が簡略になる。
【0082】
図1Cは、組み立ての中間嵌合状態における
図1Aの電気コネクタ1および
図1Bの第2のコネクタ101を示す。視認性のために、第1のコネクタ1のアウターシェル7およびインナーシェル5の、ならびに第2のコネクタ101のシェル105の、対応する有角部分は、内部構成要素を可視化し中間嵌合状態を説明するために取り除かれている。
【0083】
図1Cにおいて、移動コネクタ1は、第2のコネクタ101に向かって移動されている。それにより、第2のコネクタ101のシェル105が、コネクタ1のインナーシェル5およびアウターシェル7の間のシェル間空間33に挿入され、インナーシェル5が、第2のコネクタの絶縁物体117およびシェル105の間の環状中間空間133に挿入された。しかしながら、この中間嵌合状態において、コネクタ1のアウターシェル7のねじ面部35は、第2のコネクタ101のシェル105におけるねじ面部135に未だ達していない。したがって、それぞれの雄ねじおよび雌ねじが組み合うことができず、嵌合が進むことができない。
【0084】
実際、
図1Cは、ハウジング1においてコンタクトスリーブ25a、25bがそれぞれの電気コンタクト13a、13bと正しくロックされていない架空の説明例を示す。例えば、
図1Cの例においては、コンタクト13aが存在しないまたは欠けており、コンタクト13bが「緩んで」おり、コンタクトスリーブ25bから嵌合方向xの反対方向において外方に突出している。これは、コンタクト13bが部分的にのみ挿入されており、コンタクトスリーブ25bに完全にロックされていないことを示す。コンタクト13bの例示的な位置は、ハウジング1への誤ったロックを例示することのみを目的としており、スリーブ25a、25bにおけるコンタクト13a、13bの典型的な定常状態に対応するものではない。
【0085】
図1Cは、配線レセプタクル39bがコンタクト13bの端部に形成されることを示す。特に、これは、レセプタクル15bが形成される端部とは反対の端部に形成される。配線レセプタクル39bは、高電力ケーブルのワイヤを受け入れるように構成される。配線レセプタクル39bの構造は、
図2Aに関してより明確に視認可能であり、説明される。
【0086】
図1Cはさらに、封止要素41aがコンタクトスリーブ25aの内側の内部空洞26aに設けられることを示す。封止要素41aは、電気コンタクト13aの配線レセプタクルに取り付けられることになる、コンタクトスリーブ25aの内部空洞26aに挿入される高電力ケーブルの通路を封止するために用いられる。封止要素41aは、特に高電力ケーブルの円形ワイヤに適した三重バリアグロメットである。代替的に、例えばグランド/ブッシュのソリューションのような、より強力な封止システムが用いられてもよい。
【0087】
電気コネクタ1のコンタクトスリーブ25a、25bがハウジング3に完全にかつ適切にロックされていないので、安全ピン31a、31bは、
図1Aにも示すように完全に伸張している。同様に、第2の電気コネクタ101の安全ピン131a、131bは、嵌合方向xの反対方向に突出するように伸張しており、これは、コンタクト113a、113bまたはスリーブ125a、125bがハウジング103に完全にロックされていないことを示す。伸張した安全ピン131a、131bは、電気コネクタ1の絶縁物体17の境界面23に当接し、それぞれのコネクタ1、101のねじ山35、135が組み合うことを防止し、それにより、一方のコンタクトが適切に安定してロックされていない限り嵌合を阻止する。
【0088】
例示の目的で、
図1Dは、
図1Aとは異なる視点からの電気コネクタ1を示す。特に、
図1Dは、電気コンタクト13aがハウジング3においてコンタクトスリーブ25a(
図1Dでは視認不可能)と完全にロックされており、突出部19aにおいて正しく配置されている場合のコネクタ1を示す。よって、また
図1Aの場合とは対照的に、安全ピン31aは、ハウジング3へと完全に後退しており、絶縁物体17の境界面23から突出しない。したがって、安全ピン31aは、コネクタ1が相手側の第2のコネクタ、例えば
図2Aに示すような第2の電気コネクタ101と嵌合することを阻止しない。
【0089】
図2Aは、完全に嵌合した状態におけるコネクタアセンブリ200を示し、アセンブリ200は、上述の電気コネクタ1および第2の電気コネクタ101を備える。
図2Aは、
図1Cに示すようなx,y平面に沿ったコネクタ1、101の第1の断面図である。
【0090】
図2Aの断面図は、摩擦リング42が実質的に管状のインナーシェル5およびアウターシェル7の間に配されることを示す。特に、摩擦リング42は、アウターシェル7と部分的に摩擦接触するようにインナーシェル5の周囲に周方向に配される。部分的な摩擦接触により、インナーシェル5の周りでのアウターシェル7の不所望な回転運動に対する抵抗の増大が生じる。コネクタ1、101は、追加の分離防止装置、例えばクリッカーナットシステムまたはボールロックシステムをさらに備えてよい。分離防止装置は、アウターシェル7をインナーシェル5に対する所与の回転状態において位置を静的に維持する。
【0091】
インナーシェル5は、絶縁物体17および背面カバー43と共に、コネクタ1の内部コネクタ空間45を画定する。
【0092】
内部コネクタ空間45の内側には、プッシャ要素47およびレバー49が設けられる。コンタクトスリーブ25a、25bは、メス型電気コンタクト13a、13bをスリーブ25a、25bのそれぞれの内部空洞26a、26bに保持する。コンタクトスリーブ25a、25bは、背面カバー43の開口部を通して少なくとも部分的に内部コネクタ空間45へと延びる。プッシャ要素47およびレバー49は、支点51を画定する単一の境界接触点において機械的に接触する。
【0093】
プッシャ要素47およびレバー49の構造的特徴、ならびに内部コネクタ空間の内側におけるそれらの配置については、
図2B~
図2Dに関して詳細に説明する。
【0094】
スリーブ25a、25bは、形状嵌合装置により、コンタクト13a、13bを絶縁物体17のそれぞれの絶縁物体突出部19a、19bにおける所定位置にロックする。特に、コンタクト13a、13bは、コンタクト13a、13bの外面における周方向突出部79a、79bと合致する内周レッジ77a、77bにより絶縁物体17に対してロックされる。レッジ77a、77bおよび突出部79a、79bについては、
図2Dに関してさらに説明する。コンタクト13a、13bがそれぞれのコンタクトスリーブ25a、25bにより所定位置に完全にロックされている場合にのみ、
図1Aの安全ピン31a、31bが内部空間45の内側に後退する。
【0095】
配線レセプタクル39a、39bは、レセプタクル15a、15bが形成される先端部とは反対のコンタクト13a、13bの先端部に形成される。配線レセプタクル39a、39bは、電気コンタクト13a、13bの内側で嵌合軸AXに平行に延び、高電力導体ケーブル終端部を受け入れるように構成される。電気コンタクト13a、13bにおける貫通孔81a、81bが、配線レセプタクル39a、39bに通じ、コンタクト13a、13bの配線レセプタクル39a、39bにおけるワイヤ終端部の位置決めの視覚的確認を容易にする。
【0096】
さらに、それぞれのコンタクトスリーブ25a、25bの各内部空洞26a、26bには、三重バリアグロメット41a、41bが設けられる。グロメット41a、41bは、高電力導体ケーブルがコンタクト13a、13bに装着されたときに、水が侵入して導電面と接触することを防止するように構成される。
【0097】
本実施形態においては、電気コネクタ1と同様に、プッシャ要素147およびレバー149が第2のコネクタ101の内部空間145に配置される。内部空間145は、電気コネクタ1と同様に、シェル105、絶縁物体117、および背面カバー143により形成される。加えて、絶縁物体117とコンタクト113a、113bとの間に配される二次絶縁体118、例えば熱可塑性物質のような絶縁物体17が、さらなる電気的絶縁を提供する。ただし、変形例において、第2のコネクタは、プッシャ要素147およびレバー149を有しないコネクタであってもよい。
【0098】
図2Aの嵌合済み状態においては、アウターシェル7が、ねじ部35、135を合致させることにより第2のコネクタのシェル105の上にねじ込まれている。
【0099】
本発明によれば、コネクタ1の絶縁物体17の突出部19a、19bが第2のコネクタ101の空洞119a、119bに受け入れられ、それにより、第2のコネクタ101のオス型コンタクト113a、113bがメス型コンタクト13a、13bのレセプタクル15a、15bに受け入れられる。さらに、本発明によれば、遠位端面122a、122bがメス型相手側面22a、22bに当接することにより、電気コンタクト13a、13bがそれぞれのオス型コンタクト113a、113bと底付きする。これに対して、第1のコネクタ1のハウジング3および第2のコネクタ101のハウジング103は、シェル間空間33の底部におけるインナーシェル5の末端面14と第2のコネクタのシェル105の相手側末端面114との間の間隙D1により離隔している。
面14、114は、間隙D1により離隔しているため、底付きしていない。
【0100】
以下でさらに明らかにするように、これは、コンタクト13a、13bを、ハウジング3、103よりも前に、特に面14、114よりも前に当接するような寸法とすることにより実現される。特に、アウターシェル7が第2のコネクタ107のシェル105にねじ込まれると、回転運動が平行運動としてプッシャ47に伝達され、プッシャ要素47から支点51を介してレバー49に集中する。するとレバーは、製造公差内のコンタクト13a、13b、113a、113bのそれぞれの長さに応じて、すなわち嵌合軸AXに沿ったコンタクトペア13a-113a、13b-113bのそれぞれの当接位置に応じて、全てのペア13a-113a、13b-113bが互いに底付きするまで、嵌合力をコンタクト保持スリーブ25a、25bに分散させる。
【0101】
図2Bは、電気コネクタ1の内側に配置されるレバー49およびプッシャ要素47の斜視図を示す。プッシャ要素47は、インナーシェル5により画定される内部空間45を直径方向に横断するように構成されている直線状のクロスビーム部分53を備える。クロスビーム部分53は、
図2Aおよび
図2Dに示すようにインナーシェル5に装着されると、嵌合方向xに直交する方向zに沿って内部空間5を横断し、y-z平面において矩形の断面を有する。
【0102】
プッシャ要素47は、方向zに沿った両端部において、プッシャ要素47から嵌合方向xに延び、レバー49を緩く取り囲む横アーム55a、55bを備える。横アーム55a、55bの外方面57a、57bには、下記でさらに説明する
図2Dにおいて見ることができるように、窪み59a、59bがインナーシェル5へのプッシャ要素49の形状嵌合を容易にするために形成される。
【0103】
レバー49は、平坦な直方体の形状を有し、当該直方体形状の2つの反対の側から2つの半円筒形開削部61a、61bが形成されている。開削部61a、61bは、コンタクトスリーブ25a、25bを収容するように構成される。開削部61a、61bは、4つのアーム63a、63b、63c、63dが直方体の1つの遠位角部に1つずつ形成されるように、直方体に開削される。アーム63a、63b、63c、63dの各々は、嵌合方向xに突出するそれぞれの丸み付き荷重末端部65a~65dを備える。
【0104】
周囲切取り部64a、64b、64cが、半円筒形開削部61a、61bの周壁に沿って直方体において切り取られる。切取り部64a、64b、64cは、スリーブ25a、25bが装着中にレバー49に挿通されたときに、
図2Cに示すようにコンタクトスリーブ25a、25bの外面に形成されるせん断突出部(shearing protrusions)の通過を容易にする。よって、コンタクトスリーブ25a、25bおよび電気コンタクト13a、13bを、同じコネクタ内において必要な場合に交換することができる。
【0105】
嵌合方向xの反対方向に向くレバー49の頂面67は、その中心または中心付近に半球形の膨出部69を備える。代替的に、膨出部69は、嵌合方向xの反対方向に突出する半球形または異なる丸み付きの形状であってよい。
【0106】
プッシャ要素47は、レバー49の平面z-xに沿って延びる鏡映対称平面に沿って、頂面67に面するようにレバー49を横断して配置される。プッシャ要素47は、開削部61a、61bを覆わずにスリーブ25a、25bの挿入を可能とするように、開削部61a、61bの間に延びる。レバー49およびプッシャ要素47は、レバー49の頂面67に対する半球形の膨出部69の頂点51における単一の境界点において機械的に接触する。よって、プッシャ要素47におけるレバー49の枢動のための支点51が実現される。特に、
図2Cに関して説明するように、点51においてプッシャ要素47によりレバーに及ぼされる力Fは、荷重先端部65a、65b、65c、65d(65c、65dは
図2Bでは視認不可能であるが
図2Cで視認可能である)のうちのいずれかにおいて、それらが係合した場合に、反力を生成し得る。
【0107】
図2Cは、電気コネクタ1の内側に配置されるレバー49およびコンタクトスリーブ25a、25bの斜視図を示す。プッシャ要素47は、部分的にのみ示されている。本図においては、内部機構を示すために、コンタクトスリーブ25a、およびスリーブ25aに保持されたコンタクト13aが部分的に開かれている。
【0108】
スリーブ25aおよびコンタクト13aの部分的に開いた部分において見ることができるように、コンタクト13aは、嵌合方向xに延びる円筒形状を有する。円筒形状は、メス型相手側面22aを有する相手側レセプタクル15aを形成するように、嵌合方向xに向く前側端部において空洞化されている。上記面22aは、コンタクト113aのオス型遠位端面122aに対して底付きするように構成される。コンタクト13aは、嵌合方向xの逆に向く背部側端部において、貫通孔81aを有する配線レセプタクル39aを形成するように空洞化されている。
【0109】
各スリーブ25a、25bは、その外方向きの面38a、38bにおいてせん断部71a、71bを備え、せん断部71a、71bに、またせん断部71a、71bから、機械的せん断力が伝達される。本実施形態において、せん断部71a、71bは、ブロック形状のせん断突出部73a、73bを備える。ブロック形状のせん断突出部73a、73bは、機械的せん断力または荷重が相互に伝達され得るように、レバー49の荷重先端部65b、65cと接する。
【0110】
ブロック形状のせん断突出部73a、73bは各々、嵌合方向xの反対方向に向く荷重面75bを備える。レバー49の荷重先端部65b、65cは、せん断突出部73a、73bのそれぞれの荷重面75a、75bに自由に載る。これにより、レバー49がz軸の周りの両方向矢印により示すように枢動することに伴い、荷重先端部65b、65cが荷重面75a、75bに沿って摺動し、一方で力が軸xに沿う方向およびその逆方向に伝達される。よって、レバー49の枢動運動が、スリーブ25a、25bの長手方向の運動に変換される。
【0111】
コネクタ1、101の嵌合および結合中において、嵌合力Fがインナーシェル5に形状嵌合するプッシャ要素47により膨出部69に印加されるので、コネクタ1が第2のコネクタ101に向かって進むことに伴い、コンタクト13a、13bがコネクタ1と共に進む。特に、嵌合力は、レバー49の頂面67の中心に配置された膨出部69に印加される。力Fは、第1のコンタクトの底付きに達するまで、レバー49を、それによりコンタクト13a、13bを前方に移動させる。例えば、コンタクト13bがN+0.5mmなどの製造公差内の最大長さを有し、コンタクト13aが公称長さNを有する場合、面22b、122bが当接することに伴い、コンタクト13bが最初にその相手側コンタクト113bに対して底付きする場合がある。
【0112】
第1のコンタクトの底付きが生じ、コネクタ1、101の嵌合動作が継続されると、荷重先端部65cが荷重面75bを押圧し、嵌合方向xと逆向きの反力C1が荷重先端部65cに印加される。よって、支点51における軸zの周りでのレバー49の枢動が生じ、荷重先端部65bがレバーと共に回転し、少なくとも部分的に嵌合方向xに移動し、せん断突出部73aを押し込む。したがって、荷重先端部65bは、コンタクト13aが相手側コンタクト面22a、122aにおいて対応するコンタクト113aに対して底付きするまで、スリーブ25aの重量の抵抗力に抗してコンタクトスリーブ25aを嵌合方向に移動させる。
【0113】
各コンタクトスリーブ25a、25bは、それぞれのコンタクト13a、13bの外面における周方向突出部79aと合致する内周レッジ77aをさらに備える。レッジ77aは、スリーブ25a、25bのそれぞれの内部空洞26a、26bの内側における所定の深さにおいて、スリーブ25a、25bがそれぞれのコンタクト13a、13bの上を滑ることを阻止する。特に、合致するレッジ77aおよび突出部79aは、配線レセプタクル39aを備えるコンタクト13aの端部がスリーブ25aの内部空洞26aの内側に保持され、相手側レセプタクル15aを備えるコンタクト13aの端部がスリーブ25aの外側に保持されるように、それぞれスリーブ25aおよびコンタクト13aに形成される。
【0114】
代替的実施形態において、コンタクトスリーブ25a、25bは、スリーブ25a、25bの内面から内周レッジ77aを省略することにより、簡略化されてもよい。この構成においては、それぞれのコンタクト13a、13bの外面における周方向突出部79a、79bが、スリーブ25a、25bの管状壁の縁部において直接阻止されるように外方に延長されてよい。
【0115】
図2Dは、ここでは
図1Cに示すようなx-z平面に沿った、コネクタ1、101の第2の断面図を示す。
図2Aと同様に、コネクタ1、101は、完全に嵌合した状態にある。第2のコネクタ101の絶縁物体117は、コネクタ1の絶縁物体17に当接し、それにより、境界面23および相手側境界面123が接触している。アウターシェル7のねじ面部35は、シェル105のねじ面部135にねじ込まれている。安全ピン31a、131aは、それぞれの内部コネクタ空間45、145へと後退している。
【0116】
図2Dは、
図2Aと共に、シェル5、絶縁物体17、および背面カバー43により画定される第1のコネクタの内部コネクタ空間45の配置を示す。特に、
図2Dは、プッシャ要素47およびコンタクトスリーブ25a、25bに対するレバー49の配置を示す。
【0117】
コネクタ1のインナーシェル5とプッシャ要素47との間の形状嵌合接続は、インナーシェル5に形成される相手側凹部83a、83bに形状嵌合する、プッシャ要素47の横アーム63a、63bの窪み59a、59bにより実現される。プッシャ要素47は、膨出部69の頂点における支点51においてレバー49と接する。レバー49の荷重先端部65dは、スリーブ25bに形成されるせん断突出部73dの荷重面75dに自由に載る。スリーブ25bの反対側の荷重先端部65cは、突出部73cの対応する荷重面75cに載る。荷重面75cおよび突出部73cは、絶縁物体17の安定化要素76により隠れている。
【0118】
図2Dは、本実施形態において、相手側の第2のコネクタ101が、シェル105に形状嵌合するプッシャ要素147の対応する配置を備え、レバー149が、レバー149における膨出部149により実現される支点151においてプッシャ要素147と接続されることを示す。さらに、本実施形態では視認不可能であるが、コンタクトスリーブ125bは、上記の説明と同様にレバー149と相互作用し、よって、第2のコネクタ101は、コネクタ1と同じ利点を享受する。ただし、代替的配置において、第2のコネクタ101は、これらの要素を欠き、一般的な配置のスリーブおよびコンタクトを有してもよい。
【0119】
ここで、嵌合の順序ならびにレバー49およびプッシャ要素47の役割について、
図2Eに関してより詳細に説明する。
図2Eは、2つの電気コンタクトE13a、E13bを有する第1の電気コネクタE1を、2つの電気コンタクトE113a、E113bを有する相手側の第2の電気コネクタE101とラグ不使用で接続する方法を模式的に示す。
【0120】
コンタクトE13a、E13b、E113a、E113bは、簡潔性のために
図2Dから省略されているそれぞれのコネクタハウジングの内部コネクタ空間に設けられる。コンタクトE13a、E13b、E113a、E113bの各々は、製造公差範囲内の値を有するコンタクト長さを有する。製造公差範囲は、製造の精度および一貫性における制限に関連する。よって、電気コンタクトは、非ゼロの長さの差を有する。
図2Eにおいて、コンタクトE113a、E113bは、長さの差Δを有し、コンタクトE113bがコンタクトE113aよりも長い。
【0121】
第1のステップAにおいて、第1のコネクタE1が第2のコネクタE101に向かって近づけられる。第1のコネクタE1は、第1のコンタクトの底付きが生じるまで、第2のコネクタE101に向かって近づけられる。第1のコネクタE1が第2のコネクタE101に向かって近づけられると、電気コンタクトE13bの遠位端面E22bが、最初に相手側コンタクトE113bの相手側面E122bに当接する。よって、コネクタE1、E101のハウジングまたはシェルのいかなる底付きよりも前に、第1のコンタクトの底付きが実現される。
【0122】
第2のステップBにおいて、第1のコンタクトE13bの一方の遠位端面E22bが当接すると、コネクタE1が他方のコネクタE101に対してさらに進むことで、コンタクトE113bおよびコネクタE101のハウジングに接続されたレバーE149の枢動が生じ、機械的荷重をもたらす。レバーE149の枢動により、第2の、未だ当接していないコンタクトE13a、E113aが、互いに対して底付きするまで接近する。同時に、コネクタE1がE101に向かって進み続けることに伴い、面E22b、E122bは当接したままとなる。
【0123】
第3のステップCにおいて、レバー149が各電気コンタクトペアE13a-E113a、E13b-E113bの底付きを実現するように枢動した後、枢動した配置が機械的に固定される。例えば、ねじ付きハウジングの回転部品間の摩擦嵌合接続を実現するリング42などの摩擦リングにより、配置が固定されてよい。よって、振動にさらされる場合であっても、各コンタクトペアE13a-E113a、E13b-E113bの底付きが固定される。接続を固定する他の手段、特に、スナップ式接続部のような形状嵌合および/または摩擦嵌合に基づく固定手段が用いられてもよい。
【0124】
上述の方法は、特に上述のコネクタ1、101の接続に適用されてよい。したがって、アウターシェル7を第2のコネクタ101のシェル105にねじ込むことによりコネクタ1が嵌合することに伴い、コンタクト13aまたは13bのいずれかの第1のコンタクトが底付きするまで、支点51にかかる力がコンタクトスリーブ25a、25bに分散される。この時点において、全てのコンタクトがそれぞれのコンタクト113a、113bに対して完全に底付きするまで、作用力がコンタクト13aまたは13bのいずれかのそれぞれの第2のコンタクトに効率的に伝達される。よって、コネクタ1、101の底付きは、ハウジング1、3において実現されるのではなく、電気コンタクトペア13a-113a、13b-113bにおいて直接実現される。
【0125】
これについては、4つの異なる電気的接触構成を表す
図3A~
図3Dに関してさらに示す。
図3A~
図3Dは、異なる電気コンタクト長さのシナリオにおける、完全に嵌合した状態のコネクタ1、101の接触領域の断面図を示す。図示の4つのシナリオ例は、製造公差内のコンタクト長さの変動の結果として通常生じ得るケースに対応する。これらの変動は、フレッティング振動が生じるリスクを増大させる。しかしながら、以下で説明するように、これらの例の各々において、アセンブリ200は、コネクタ1、101のシェル5、7、105の面のいずれかが当接する前に、相手側面におけるコンタクトの底付きを固定することができる。
【0126】
断面
図3A~3Dは、
図2Aに示すようなx-y平面における切断に対応する。特に、
図3Aにおいて、電気コンタクト113a、113bは両方、公称長さNを有し、コネクタ1、101の末端面14、114は、間隙D1により離隔している。したがって、
図3Aは、接触領域のみに焦点を当てた
図2Aの切り取りに対応する。
【0127】
図3Bにおいて、電気コンタクト113a’、113b’は、製造公差内の最小長さ、例えばN-0.4mmを有する。コネクタ1、101は、間隙D2により離隔している。
【0128】
図3Cにおいて、電気コンタクト113a’’、113b’’は、製造公差内の最大長さ、例えばN+0.4mmを有する。コネクタ1、101は、間隙D3により離隔している。
【0129】
図3Dにおいて、一方の電気コンタクト113a’’’は最小長さ、例えばN-0.4mmを有し、他方の電気コンタクト113b’’’は最大長さ、例えばN+0.4mmを有する。コネクタ1、101は、間隙D4により離隔している。
【0130】
図示の4つの構成の全てにおいて、コネクタ1の電気コンタクト13a、13bは、本発明の例示を容易にするために、同じ公称長さを有する。ただし、コネクタ1のコンタクト13a、13bにおける公称長さからのずれも、本発明による対応するものであってよい。
【0131】
図3Aおよび
図2Aの例において、全てのコンタクト113a、113b、13a、13bは、N+/-0.0mmの公称長さを有する。遠位端面122a、112bは、メス型相手側面22a、22bに当接し、コンタクトペア13a-113a、13b-113bは、互いに底付きしている。コンタクトペア13a-113a、13b-113bの間で底付きが生じているので、インナーシェル5の末端面14と第2のコネクタ101のシェル105の相手側末端面114との間の間隙D1が存在する。この間隙D1は、コネクタ長さの公差よりも大きい、ここでは例えば0.5mmよりも大きい公称値を有する。
【0132】
前述したように、コンタクトペア13a-113a、13b-113bが互いに底付きするまで、ねじ山接続部からの嵌合作用力が、アウターシェル7からスリーブ25a、25bに、またレッジ77a、77bを介してスリーブ25a、25bからコンタクト13a、13bに伝達される。シェル5、105は互いに底付きしないように寸法調整されているので、嵌合作用力の全てが相手側コンタクト面22a-122a、22b-122bに伝達される。したがって、スリーブ25a、25bと絶縁物体17との間のゆとり間隙S1、およびスリーブ125a、125bと絶縁物体117との間のゆとり間隙S1’は、例えば0.2mmの公称値に維持される。公称のゆとり間隙S1、S1’により、
図3Dに関して説明するように、必要な長さ補償に応じた、コンタクトスリーブ25a、25bとの絶縁物体の弾性移動が可能となる。しかしながら、スリーブ25a、25bと絶縁物体17との間に相対移動または機械力が生じることに伴って、ゆとり間隙S1が変化することはない。
【0133】
図3Bにおいて、コンタクト113a’、113b’は製造公差内の最小長さを有するので、アウターシェル7のねじ込みによる嵌合および結合は、嵌合方向xにおいてより大きく進行し、ユーザは、電気コンタクトペア13a’-113a’、13b’-113b’が当接するまで、より大きくアウターシェル7をねじ込む必要がある。この場合もやはり、相手側シェルの末端面14、114の当接は生じない。依然として、コネクタ1のインナーシェル7におけるシェル105の底付きの間の間隙D2が存在するが、上記間隙D2は、間隙D1よりも小さく、例えば0.1mmである。上記で説明したように、コンタクトペア13a’-113a’、13b’-113b’が均等に底付きするので、ゆとり間隙S1、S1’は不変のままである。
【0134】
図3Cにおいて、コンタクト113a’’、113b’’は製造公差内の最大長さを有するので、より早く底付きが生じ、アウターシェル7のねじ込みによる嵌合および結合は、嵌合方向xに沿った進行がより小さい。したがって、第2のコネクタ101のシェル105におけるアウターシェル7の底付きの間の間隙D3は、間隙D1よりも大きく、ここでは例えば0.9mmである。コンタクトペアが均等に底付きするので、ゆとり間隙S1、S1’は不変のままである。ここでもやはり、電気コンタクト13a’’-113a’’、13b’’-113b’’の端面の間で底付きが生じ、シェル5、7、105では生じない。
【0135】
図3Dにおいて、電気コンタクト113a’’’は、電気コンタクト113b’’’よりも短い。よって、コンタクト13a’’’および113a’’’が底付きしない、すなわち当接状態に保持されない場合、振動により蓄積するフレッティング腐食が生じ得る。本発明の本実施形態に係るコネクタ1は、枢動レバー49を設けることにより、このリスクを解決する。枢動レバー49は、全てのコンタクトペア13a’’’-113a’’’、13b’’’-113b’’’が底付きするまで、コンタクト13a’’’、13b’’’の位置をずらす。
【0136】
特に、より長いオス型相手側コンタクト113b’’’がメス型電気コンタクト13b’’’に当接すると、シェル105へのアウターシェル7のねじ込みの継続によるさらなる嵌合の進行により、力がレバー49に伝達される。特に、より短いコンタクトペア13a’’’-113a’’’も同様に底付きするまで、レバー49が軸zの周りに枢動するように、プッシャ要素47により支点51に力が加えられる。これは、コンタクト13aおよびそのスリーブ25aがハウジング3内で移動することができるために可能である。
【0137】
コンタクトの位置ずれは、絶縁物体17、117とコンタクトスリーブ25a、25bとの間のゆとりにより吸収される。したがって、
図3Dのコンタクト構成において、レバー49の枢動により、「長い」コンタクトペア13b’’’-113b’’’と絶縁物体17、117との間の間隙S2、S2’が増大する。例えば、レバー49が「短い」コンタクトペア13a’’’、113a’’’に向かって傾斜して、コンタクト13a’’’、13b’’’の相対位置がハウジング3に対してずれると、間隙S2、S2’が0.2mmから0.4mmに増大する。
【0138】
同時に、より短いコンタクト113a’’’およびその相手側コンタクト13a’’’と絶縁物体17、117との間の間隙S3、S3’は、例えば0.2mmから0.0mmに低減する。したがって、「短い」コンタクトペアの側では、0.4mmのゆとりが消費される。間隙S1、S1’と比較して間隙S2、S2’の大きさが増大すると共に、面14、114が当接することなく、コンタクト113a’’’と113b’’’との間の0.8mmの長さの差が吸収される。換言すれば、枢動レバー49によりコンタクト長さの差が補償されており、コンタクト13a’’’、13b’’’の位置がハウジング3に対して、特にインナーシェル5の末端面14に対してずれるので、コンタクトペア13a’’’-113a’’’、13b’’’-113b’’’は、それらのコンタクト長さの差に関わらず、完全に底付きする。
【0139】
よって、本発明によれば、振動荷重下におけるフレッティング腐食耐性を有する高電力接続部が実現される。先行技術から知られているように、固定されるラグ接続部を手段とする必要なく、要求される弾性水準を満たすことができる。これにより、より迅速かつ簡単な設置およびメンテナンスが可能となるとともに、高電力下の導電体が露出しなくなるため、より高い安全性を得ることが可能となる。さらに、接続部の合計質量がより小さく、また接触抵抗がより小さくなるので、より高い電力性能が実現される。さらに、より高い電圧を利用することができ、他の車載機器とのより良好な電磁両立性を確保することができる。最後に、寿命の向上を認めることができる。
【0140】
本発明のさらなる実施形態においては、電気コネクタにより保持される電気コンタクトの数を、例えば3つに増加させることができる。
図4は、第3のコンタクトスリーブ、例えばコンタクトスリーブ25a、25bに加えて第3のスリーブを収容するように形成される、本発明の代替的実施形態に係る電気コネクタのためのレバー49’を示す。レバー49’は、頂面67’から突出する中央突出膨出部69、および、3回回転対称性を得るように膨出部69の周囲に均等に分散した3つの半円筒形開削部61a’、61b’、61c’を備える。半円筒形開削部61a’、61b’、61c’は、3つのコンタクトスリーブを収容するように構成される。レバー49’は、各半円筒形開削部61a’、61b’、61c’に隣接するそれぞれの荷重先端部65eをさらに備える。
【0141】
この構成において、レバーは、軸zの周りにx-y平面において二次元的に枢動するのではなく、三次元的に任意の軸の周りに自由に枢動することで、対応する電気コンタクトの互いおよびハウジングに対する長さのばらつきを吸収することができる。これは、長さの異なる3つの電気コンタクトが、それらの遠位端面の3つの中心点の間で平面を画定することができるために可能となる。レバーおよび3つの対応するコンタクトスリーブの三次元的な枢動の移動を吸収するために、対応するプッシャ要素が、
図2Bに示すようなクロスビームに代えて、例えばy-z平面においてY字形状に形成されてよい。
【0142】
さらに多くのコンタクトを収容するために、さらなる代替的実施形態は、追加のレバーの膨出部がレバー49の荷重先端部65a~65dの下に配置されるようにレバー49の下に積層される追加のレバーを設けてもよい。そのような「縦続配置(cascading arrangement)」では、コネクタにおける電気コンタクトの自己調整性を維持することができる。
【0143】
本発明の第1の態様に関して上記で説明した実施形態、および本発明に係る方法の説明されている実施形態は、電気コンタクトの遠位端面、特に相手側遠位端面22a-122a、22b-122b、およびE22b、E122bの当接に関する。
図9の説明に照らして、本発明は、任意の相手側末端面で実現可能であり、電気コンタクトの遠位端面の当接に限定されないことが明確となるであろう。
【0144】
本発明の第2の態様の一実施形態について、
図5を参照して説明する。
図5は、嵌合軸AXに沿って嵌合する第1の電気コネクタ501および第2の電気コネクタ601を備えるコネクタアセンブリ1000を示す。
図5において、コネクタ501、601は、完全に嵌合した状態にある。
【0145】
コネクタアセンブリ1000は、ラグ接続部を備える、用いるまたは手段とするものではなく、よってラグ不使用である。さらに、コネクタアセンブリ1000は、50A以上の電流を用いる高電力アプリケーションに向けた、特に50A~1000Aの間の電流に向けた絶縁性および導電性を有するように設計される。
【0146】
第1のコネクタ501は、内部コネクタ空間545を画定する第1のハウジング503を備え、第2のコネクタ601は、第2の内部コネクタ空間645を画定する第2のハウジング603を備える。
【0147】
第1の電気コネクタ501は、内部コネクタ空間545に収容される2つの第1の電気コンタクト513a、513bを備える。コンタクト513a、513bは、第2のコネクタの対応する電気コンタクト613a、613bと嵌合する。
図5の実施形態において、コネクタ601は、移動コネクタ(mobile connector)であり、メス型電気コンタクト613a、613bを有する。コネクタ601は、オス型電気コンタクト513a、513bを有する固定コネクタ501にねじ込まれるように構成される。変形例によれば、オス型コンタクトが移動コネクタと共にあり、メス型コンタクトが固定コネクタと共にあるように、配置が反転されることもあり得る。本実施形態において、第1の電気コネクタ501および第2の電気コネクタ601は、第1の態様に関連して説明したコネクタ1、101に関して既に説明したように、ハウジングシェルの表面におけるねじ山機構を有する。
特に、第1のコネクタ501は雄ねじ535を有し、第2のコネクタ601は雌ねじ635を有する。上記で述べたように、他のタイプの接続固定手段を用いることもできる。
【0148】
第1の電気コンタクト513a、513bの各々の遠位端面522a、522bは、相手側の対応する電気コンタクト613a、613bのレセプタクル615a、615bのそれぞれの相手側面622a、622bに当接する。加えて、ハウジング503、603の互いに向き合う面523、623も当接する。遠位端面522a、522bは、特に平面接触により、電気的接触および電力伝送を行うように構成されている電気コンタクトの前端面である。例えば、平面接触は、嵌合方向xに垂直である。
【0149】
この例において、コンタクト513aは、製造公差内の長さの差だけコンタクト513bよりも長く、例えば0.5mm長い。よって、この長さの差は、
図5では視認不可能であるが、しかし存在し、振動荷重下におけるフレッティング腐食のリスク要因となる。したがって、前述の態様において説明したようなねじ込みによるコネクタ501とのコネクタ601の嵌合および結合中において、コンタクト面522aおよび622aが最初に当接する。
【0150】
コンタクト面522a、622aの第1の当接の後にハウジング503、603の嵌合および結合が継続すると、ハウジング501は、より短いコンタクト513bの側に向かって嵌合軸AXに関してハウジング503に対して傾斜する。
【0151】
この傾斜は、角度αにより
図5において誇張した形で示されている。角度αでの傾斜は、第1の電気コネクタ501の第1のねじ山535と第2のコネクタ601の第2のねじ山635との間のねじ山ゆとりにより可能とされ、機械的に固定される。角度αでの傾斜に起因して、ハウジング503が傾斜して離れる側においてハウジング503、603の互いに向き合う面523、623の当接が解放され、面523、623は部分的にのみ当接する。
【0152】
第1のハウジング503の傾斜により、より短い電気コンタクト513bは、その遠位端面522bがそれぞれの対応するコンタクトレセプタクル615aの相手側面622bに当接するまで、前方に移動する。特に、第1のハウジング503の傾斜により、面522b、622bにおける第2の当接を、面522a、622aも当接した状態に保ちながら実現することが可能となる。
【0153】
よって、全ての電気コンタクトペア513a-613a、513b-613bの当接が、嵌合軸AXに関する相手側の第2のハウジング603に対する第1のハウジング503の傾斜した配置により固定される。
【0154】
ねじ山535、635におけるねじ山ゆとりにより、ハウジング503、603を損傷させるまたは接続部の機械的安全性を脅かすことなく、第1のハウジング603が嵌合軸AXに沿って第2のハウジング503に対して傾斜することが可能となる。特に、ねじ山ゆとりは、傾斜を、ねじ山ゆとりの第1のねじ山535および第2のねじ山635に応じた所定の最大角度変位に制限する。
【0155】
ラグ不使用アセンブリ1000は、製造公差内における電気コンタクト長さの相違を、第2のコネクタハウジング603に対する第1のコネクタハウジング503の傾斜により補償することを可能とする。
【0156】
本発明の第2の態様の別の実施形態について、
図6を参照して説明する。
図6は、50A以上の電流を用いる高電力アプリケーションに好適な、本発明に係るラグ不使用電気コネクタアセンブリの第1のコネクタ701および第2のコネクタ801の斜視図を提供する。第1のコネクタ701は電気プラグコネクタであり、第2のコネクタ801は電気レセプタクルコネクタである。第1のコネクタ701および第2のコネクタ801は、嵌合するように構成されるが、
図6の図では未だ共に組み付けられていない。
【0157】
第1の電気コネクタ701は第1のハウジング703を有し、第2の電気コネクタ801は相手側の第2のハウジング803を有する。本実施形態において、第2のコネクタ801は固定コネクタであり、第1のコネクタ701は移動コネクタである。
【0158】
第1の電気コネクタ701のハウジング703および第2の電気コネクタ801のハウジング803は、嵌合軸AXに直交するy-z平面において矩形の形状を有する。上述のコネクタ501、701とは対照的に、第1のハウジング703はねじ付きプラグ735を備え、第2のハウジング803はねじ付きレセプタクル835を備える。よって、嵌合および結合は、例えばコネクタ1、101に関して説明したような外部シェルのねじ込みによってではなく、ねじ付き中央プラグのねじ込みによって生じる。
【0159】
第1の電気コネクタは、ハウジング703に収容され、相手側メス型電気コンタクトと嵌合するように構成されている4つのオス型電気コンタクト713をさらに備える。特に、遠位端面722は、対応する電気コンタクトのそれぞれの相手側面に当接するように構成される。
【0160】
ねじ付きプラグ735およびねじ付きレセプタクル835は、それぞれのハウジング703、803の中央に延び、プラグ735は、嵌合中にレセプタクル735と合致するように構成される。特に、コネクタ701、801を嵌合させるために、ハウジング703、803は、ねじ山どうしが組み合うまでプラグ735がレセプタクルに挿入されるように嵌合する。次いで、ねじ付きプラグ735がレセプタクル835に手動でねじ込まれる。
【0161】
コンタクト713は、ハウジング703に収容される傾斜要素734において2つずつ配分される。特に、傾斜要素734は、嵌合方向xに直交する方向zに平行なそれぞれの傾斜軸の周りに傾斜することができるようにヒンジ736に接続されることにより、ハウジング703に傾斜可能に配置される。例えば、傾斜要素734は、ハウジング703において例示の角度α’、α’’だけヒンジ736の周りに傾斜することができる。
【0162】
傾斜可能な配置により、前述の配置に関して既に説明したように、コンタクト長さの差の補償が可能となる。すなわち、第1のコンタクトの底付きが生じ、例えばプラグ735をレセプタクル835にねじ込むことによる嵌合が進むと、ヒンジ736の周りに傾斜可能な配置により、第2の底付きが実現されるまで傾斜要素734が傾斜することが可能となる。よって、ハウジング703、803が底付きする前に全てのコンタクトペアの底付きが実現され、フレッティング腐食のリスクが低減する、またはなくなる。
【0163】
第2の態様のさらなる代替的実施形態において、第1の電気コネクタは、本発明の第1の態様に関して説明した電気コネクタ、例えば
図1Bのコネクタ101であってよい。別の代替的実施形態において、第2の電気コネクタは、本発明の第1の態様、特に
図1Aに関して説明した相手側コネクタであってよい。さらなる代替的実施形態においては、第1のコネクタおよび第2のコネクタの両方が、
図1Cに示すような第1の態様のコネクタ1および101であってよい。
【0164】
よって、本発明によれば、振動荷重下におけるフレッティング腐食耐性を有する高電力コネクタアセンブリが実現される。先行技術から知られているように、固定されるラグ接続部を手段とする必要なく、要求される弾性水準を満たすことができる。これにより、より迅速かつ簡単な設置およびメンテナンスが可能となるとともに、高電力下の導電体が露出しなくなるため、より高い安全性を得ることが可能となる。さらに、接続部の合計質量がより小さく、また接触抵抗がより小さくなるので、より高い電力性能が実現される。さらに、より高い電圧を利用することができ、他の車載機器とのより良好な電磁両立性を確保することができる。最後に、寿命の向上を認めることができる。
【0165】
本発明の第2の態様に関して上記で説明した実施形態は、電気コンタクトの遠位端面、特に相手側遠位端面522a-622a、522b-622bおよび722の当接に関する。
図9の説明に照らして、本発明は、任意の相手側末端面で実現可能であり、電気コンタクトの遠位端面の当接に限定されないことが明確となるであろう。
【0166】
ここで、本発明の第3の態様に係るラグ不使用コネクタアセンブリの一実施形態について、
図7Aおよび
図7Bを参照して説明する。
【0167】
図7Aは、本発明の第3の態様の一実施形態に係るラグ不使用コネクタアセンブリのための第1の電気コネクタ1001の斜視図を示す。第1の電気コネクタ1001は、本発明の第1の実施形態に関して
図1Aに示されている電気コネクタ1と多数の構造的要素を共有する。
【0168】
特に、第1の電気コネクタ1001は、嵌合軸AXに平行な嵌合方向xにおいて相手側の第2の電気コネクタ、例えば
図7Bに示す第2の電気コネクタ1101と嵌合するように構成される。電気コネクタ1001もまた、レセプタクルとも称される固定されたまたは移動不可能な相手側の第2のコネクタと手動で嵌合することになる、プラグコネクタとも称される移動コネクタである。例えば、電気コネクタ1001は、電気車両、例えば電気航空機における電力ケーブルのための電力伝送接続を確立するのに適している。
【0169】
電気コネクタ1001はまた、シェル末端面1014を有するインナーシェル1005を含み、最外面1009および凹凸面部1011を有するアウターシェル1007により取り囲まれるハウジング1003を備える。シェル末端面1014は、相手側コネクタとの嵌合の方向、すなわち嵌合方向xにおけるコネクタ1001の最も遠い、または最も外側の面またはリッジである。
【0170】
電気コネクタ1001は、突出部1019を有する境界熱可塑性絶縁物体1017、インナーシェル1005の外面に設けられる中心合わせキー1037、アウターシェル1007における鋸歯状外周隆起部1027、およびシェル1005、1007の間の金属バンド1029をさらに備える。コネクタ1001はまた、ねじ面部1035を備える。ねじ面部1035は、相手側の第2の電気コネクタとのコネクタ1001の結合のための機械的結合装置を実現する雌ねじである。本発明の変形例においては、摩擦嵌合装置またはクリップ留め装置などの他の機械的結合装置が用いられてよい。
【0171】
ただし、他の実施形態とは対照的に、電気コネクタ1001は、ハウジング1003の内側で嵌合軸AXに平行に延びる、インナーシェル1005の内側に配置される1つのみの電気ソケットコンタクト1013のみを備える。コンタクト1013は、相手側の第2のコネクタのオス型コンタクトを受け入れるように構成されているレセプタクル1015を備える。コンタクト1013のレセプタクル1015は、絶縁物体1017における開口部1021に合致する。レセプタクル1015は、電気ソケットコンタクト1013の主要な電力接触面となる端面1022を備える。
【0172】
電気ソケットコンタクト1013は、電気コンタクト1013をハウジング1003に収めてロックするために用いられる中空状コンタクトスリーブ1025に保持される。加えて、コネクタ1001は、安全位置と非安全位置との間で移動可能な安全ピン1031を備える。
図7Aの図において、電気コンタクト1013およびコンタクトスリーブ1025は、ハウジング1003に完全にロックされており、これは、ピン1031がハウジング1003の内側に完全に後退している安全位置にある安全ピン1031により示されている。
例えばスリーブ1025またはコンタクト1013のいずれかがハウジング1003に不適切に組み付けられている場合、安全ピン1031は、ピン1031がハウジング1003から対応する相手側コネクタ、例えば第2の電気コネクタ1101の嵌合方向xに突出する非安全位置へと移動する。非安全位置において、突出する安全ピン1031は、相手側電気コネクタとのコネクタ1001の嵌合を防止する。
【0173】
図7Bは、
図7Aのコネクタ1001および第2の電気コネクタ1101を備えるラグ不使用コネクタアセンブリ2000を断面図で示す。
図7Bの図は、単一コンタクトのラグ不使用コネクタアセンブリに関し、2連コンタクトのコネクタアセンブリに関する
図2Aおよび
図5に示す図に対応する。コネクタ1001、1101の内部構成は、前述の態様に関して説明したコネクタの内部構成と合致するが、単一の電気コンタクトのみを備えるように簡略化されている。
【0174】
特に、コネクタ1001は、第1のハウジング1003の雌ねじ1035を、第2の電気コネクタ1101の第2のハウジング1103のシェル1105に形成されるプラグねじ山1135と共にねじ込むことにより、第2の電気コネクタ1101と嵌合する。代替的実施形態において、コネクタ1001および第2の電気コネクタ1101は、ねじ山1035、1135とは異なる機械的結合手段により結合されてよい。例えば、スナップ嵌合のクリップ留め装置などの、コネクタ1001、1101の結合のための他の摩擦嵌合および/または形状嵌合の機械的結合手段が用いられてよい。
【0175】
図7Bに示すように、第1の電気コネクタ1001の第1のハウジング1003は、内部コネクタ空間1045を画定し、電気コンタクト1013を保持するコンタクトスリーブ1025を収容する。これに対応して、第2のハウジング1103は、対応する電気コンタクト1113を収容する。第2のハウジング1103はまた、第1のコネクタ1001の絶縁物体1017に嵌合する絶縁物体1117、例えばエラストマーを収容する。第2のハウジング1103における二次絶縁層1118が、さらなるコンタクトの取り付けおよび絶縁特性を提供する。第2のコネクタ1101のシェル1105の内側におけるOリング1144が、第1のコネクタ1001との結合のためのさらなる封止を提供する。
第1の態様に関して説明したように、摩擦リング1042が、アウターシェル1007と部分的に摩擦接触し、インナーシェル1005に対するアウターシェル1007の回転状態を固定するように、インナーシェル1005の周囲に周方向に配される。
【0176】
コンタクト1013は電気ソケットまたはメス型コンタクトであるので、対応する電気コンタクト1113はオス型コンタクトである。
図1A~
図2Dを参照して説明した第1の態様の実施形態から既知であるように、対応する電気コンタクト1113は、コンタクトスリーブ1125に取り外し可能に形状嵌合し、コンタクトスリーブ1125はハウジング1101に取り外し可能に形状嵌合する。
【0177】
図7Bは、第1の電気コンタクト1013の遠位端面1022が、対応する電気コンタクト1113の対応する相手側オス型遠位端面1122に当接する、完全に嵌合し結合した状態における第1の電気コネクタ1001および第2の電気コネクタ1101のアセンブリを示す。遠位端面1022、1122は、特に平面接触により、電気的接触および電力伝送を行うように構成されている電気コンタクトの前端面である。例えば、平面接触は、嵌合方向xに垂直である。例えば、コンタクト1113などのメス型電気コンタクトの場合、遠位端面は、コンタクトレセプタクル1115の底面である。
【0178】
特に、遠位端面1022および1122は当接するが、ねじ部1035、1135を介して嵌合する第1のハウジング1003および第2のハウジング1103は、互いに底付きしない。これは例えば、第1の電気コネクタ1001の第1のハウジング1003のシェル末端面1014が第2の電気コネクタ1101の第2のハウジング1103の対応するシェル末端面1114に当接しないように、コンタクト1013、1113の公称長さおよびそれらのハウジング1003、1103への取り付けを調整することにより、実現することができる。
【0179】
その代わり、コンタクトの遠位端面1022、1122は互いに底付きするが、シェル末端面1014、1114は距離D11により離隔している。同様に、第1の電気コネクタ1001のハウジング1003のインナーシェル1005は、第2の電気コネクタ1101のハウジング1103の面において嵌合方向xに底付きせず、依然として距離D12により離隔している。嵌合方向xにおけるハウジング1003、1103の代替的先端面も、
図7Bに示すように、依然として距離D12により離隔している。よって、前述の態様と同様に、コネクタの底付きが、ハウジング1003、1103からコンタクト1013、1113、特に接触する端面1022および遠位端面1122に移る。よって、底付きしたコンタクト1013、1113は、振動により引き起こされる相対運動を生じにくく、フレッティング腐食が低減するまたはなくなる。
【0180】
図7Bはまた、分離防止装置1024を示す。分離防止装置1024は、分離防止装置1024のばね作動ボールロック1024aがアウターシェル1007に当接するように、ハウジング1003のインナーシェル1005の一部分に配置される。これは、特にボールがアウターシェル1007の対応する凹部に入ると、アウターシェル1007を、インナーシェル1005に対する所与の回転状態において位置を静的に維持し、よって不所望な分離を防止する。
【0181】
本発明の第3の態様に関して上記で説明した実施形態は、電気コンタクトの遠位端面、特に相手側遠位端面1022-1122の当接に関する。
図9の説明に照らして、本発明は、任意の相手側末端面で実現可能であり、電気コンタクトの遠位端面の当接に限定されないことが明確となるであろう。
【0182】
ここで、電気コネクタ101からコンタクトスリーブ125を除去するための器具および方法について、
図8を参照して説明する。電気コネクタからのコンタクトスリーブ125の除去の発明概念は、
図1~
図7に関して上述したコネクタとは無関係に、任意の種類の電気コネクタ、特に高電力車両アプリケーションのための電気コネクタについて実現されてもよい。
【0183】
図8は、本発明の第1の態様に従って前述した第2のコネクタ101の部分的切断図を示す。第2のコネクタ101については、
図1B、
図1C、
図2A、
図2Dおよび
図3A~
図3Dに関して、特に
図1Bに関して既に詳細に説明した。既に用いられた参照番号を有する特徴については、改めて詳細に説明はせず、それらについての上記の説明を参照されたい。
【0184】
図8は、コネクタ101の中心を外れた断面図、すなわち、内部構成要素を可視化するためにコネクタ101の中心軸に対応する嵌合軸Axから横方向にずれた断面図に対応する。
【0185】
図8はまた、第2のコネクタ101に加えて、外部のスリーブ除去器具T1を示す。スリーブ除去器具T1は、1つの部品として共に形成される第1の円筒形部分T3および第2の円筒形部分T5を備える。第2の部分T5は、第1の部分T3から同軸に延びる。第1の部分T3は、第2の部分T5よりも大きい、特に2~4倍大きい直径を有する。器具T1の手による把持および操作を容易にするために、第2の部分T5の直径は、第2のコネクタ101に配置される対応する開口部128bに挿入されるように適合される。
【0186】
代替的実施形態において、第2の部分T5の把持をさらに容易にするために、拡大された第2の部分T5は、円筒形に代えて、例えばキー形状または直方体であってもよい。
【0187】
開口部128bは、特に背面カバー143において、コンタクトスリーブ125bの位置に隣接して配置される。開口部128bは、コンタクトスリーブ125bの直径よりも5倍超、特に10倍超小さい直径を有する。
【0188】
スリーブ除去器具T1は、電気コネクタ101における電気コンタクトのための電気コンタクトスリーブ125bの除去を可能とするために必要とされる。スリーブ除去器具T1は、対応する開口部128bに挿入可能であり、本開示の態様のうちの1つ、例えば
図1Bにおいて説明したように、安全ピン131bを変位させるためのものである。
【0189】
ピン131bは、安全位置と非安全位置との間で移動可能であり、非安全位置において、安全ピンは、
図1Cに示すように、絶縁物体117からコネクタ101の外側に突出し、電気コネクタ1とのコネクタ101の嵌合を防止する。
【0190】
図8において、安全ピン131bは、安全ピン131bがコネクタ101の内側に完全に後退している安全位置に移動している。安全ピン131bは、第2のコネクタ101の全体にわたって、特にエラストマー絶縁物体117、二次熱可塑性絶縁物体118および背面カバー143における切取り空間を通して延びる。
図1A~
図2Dに関して上記で既に説明したように、安全ピン131bは後退しているので、コネクタ101から突出せず、よって、もはや相手側電気コネクタ1とのコネクタ101の嵌合および/または結合を阻止しない。
【0191】
安全ピン131bは、L字形状本体を有し、本体の長いアーム132aが、第2のコネクタ101を通して嵌合軸Axに沿って延びる。短いアーム132bが、嵌合方向xに向くコネクタ101の側において嵌合方向xに直交するように配される。短いアーム132bの先端部132cが、開口部128bにより形成される空間へと延びる。よって、安全ピン131bの先端部132cを、物体の挿入により、特に器具T1の第2の部分T5の挿入により、開口部128bに嵌め入れることができる。
【0192】
図1A~
図3Dにおける本発明の第1の態様の上記の説明で述べたように、第2のコネクタ101は、ばね構成体を備える。特に、
図8に示すように、コネクタ101は、ばね空間136の内側に収容されるばね要素134を備える。本実施形態において、ばね要素134は、嵌合軸Axに平行に、すなわち復元ばね力FSが嵌合軸Axに平行な向きになるように配置される螺旋コイルばねである。
【0193】
ばね要素134の第1の端部134aが、コネクタ101、特に二次熱可塑性絶縁物体117に当接している。ばね要素134の第2の端部134bが、安全ピン131bの短いアーム132bの先端部132cに当接している。このばね構成体において、ばね要素134には、ばね力FSが安全ピン131bの先端部132cに作用し、それを嵌合軸Axに沿って嵌合方向xにおいてコネクタ101のカバー149に押し付けるように予荷重がかけられる。
【0194】
後退した安全ピン131bは、スリーブ125bが、例えば不所望な手動のまたは環境による作用に起因して、その中心軸A125Bの周りに回転することを阻止する。安全位置におけるスリーブ125bのその軸A125Bの周りでの回転の阻止は、せん断突出部73bによって得られ、その構造および機能は、
図2Cを参照して上記で詳細に説明されているが、
図8では視認不可能である。せん断突出部73bは、外方向きの面38bから突出し、したがって、せん断突出部73bが後退した安全ピン131bに当たると、スリーブ125bのその軸A125Bの周りでの回転が阻止される。
【0195】
コンタクトスリーブ125bを除去して、例えば取り付けられた電気コンタクト113bを検査、保守または交換するために、スリーブ除去器具T1の第2の部分T5が開口部128bに差し込まれる。除去器具T1が少なくとも所定の力FTで開口部128bに押し入れられることに伴い、復元ばね力FSに打ち勝つことができ、安全ピン131bは、安全位置から、安全ピン131bが第2のコネクタ101から境界面123から外方に突出する非安全位置へと嵌合軸に沿って変位する。
【0196】
非安全位置において、せん断突出部73bがコネクタの内側の凹部における位置から移動して、安全ピン131bの長いアーム132aにより阻止されなくなるように、コンタクトスリーブ125bをその軸A125bの周りに回転させることができる。特に、コンタクトスリーブ125bは、せん断突出部73bをコネクタ101における対応する案内空間174a、174bに通過させることによりコンタクトスリーブ125bをコネクタ101から引き抜くことができる位置へと、回転させることができる。
【0197】
反対に、非安全位置において、コンタクトスリーブ125bは、その軸A125bの周りに正しくロックされる位置へと回転しない。よって、せん断突出部73bは、コンタクトスリーブ125bと共にその最終位置へと回転せず、少なくとも部分的に案内空間74bに残り、外方に延びる安全ピン131bの、再びコネクタ101へと後退するためのばねにより作動される上方への移動を阻止する。
【0198】
このように、安全ピン131bの配置により、コンタクトスリーブ125bがその中心軸A125Bの周りの所期の回転位置に正しく設置されない限り、相手側コネクタ1とのコネクタ101の嵌合を防止することができる。
【0199】
同じ機構を、同様に取り外し可能に配置される第2のコンタクトスリーブ125aについても見込むことができる。
【0200】
対応する機構、特に対応するばねおよび貫通孔が、他方の安全ピン31aおよびコンタクトスリーブ25aに関して、他方側、すなわちコネクタ101の
図8では視認不可能な側に配置されてよい。
【0201】
本発明の第1の態様の第2のコネクタ101に関して上記で説明した方法および構造的特徴は、任意の他のコネクタ、特に本発明に係るコネクタ1に、同様に適用されてよい。
【0202】
図9は、代替的な一対の電気コンタクトの比較図を示す。特に、
図9は、上述のような電気コンタクトペア13a-13b、113a-113b、513a-513b、613a-613b、1013-1113に対応する第1の一対の電気コンタクトA13a-A13b、および、代替例としての第2の一対の電気コンタクトB13a-B13bを並べて示す。
【0203】
電気コンタクトA13aはプラグ型の電気コンタクトであり、他方の電気コンタクトA13bはレセプタクル型の電気コンタクトである。
図9において、相手側電気コンタクトA13a、A13bは、それぞれの末端面A22a、A22bにおいて底付きする。ここで、遠位端面A22aは、末端面A22bに対応するメス型レセプタクルの底部に当接する。
【0204】
ただし、本発明は、このタイプのコネクタに限定されない。
図9の電気コンタクトB13a、B13bは、代替例を示す。代替例において、電気コンタクトB13bは、電気コンタクトA13bに対応し、レセプタクル型の電気コンタクトであり、電気コンタクトB13aは、やはりプラグ型の電気コンタクトである。
【0205】
コンタクトB13aのプラグB13a_pは、後退部分B13a_sにより囲まれる中央突出部B13a_cを有し、後退部分B13a_sは、嵌合方向xにおいて突出部B13a_cまでは延びない。ここで、後退部分B13a_sは、レセプタクルコンタクトB13bのレセプタクルシェルB13b_sの遠位端面B22bに当接し底付きする。よって、本実施形態においては、電気コンタクトB13bの遠位端面B22bが、電気コンタクトB13aの後退部分B22_sの末端面B22aに当接する。
【0206】
図9の例において、面A22a、A22bおよびB22aは、平面状であり、嵌合方向xに直交する。ただし、電気コンタクトの相手側末端面は、嵌合軸xに対して傾斜していてもよい。
【0207】
本発明の各態様を特定の例に関して説明したが、本発明は、説明されている実施形態に限定されず、本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、開示の実施形態に対する多数の変更がなされてよい。様々な実施形態に含まれる個々の特徴は、本発明に係るさらなる実施形態または例を得るために、互いに自由に組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0208】
1 コネクタ
3 ハウジング
5 インナーシェル
7 アウターシェル
9 最外面
11 最外面の凹凸面部
13a、13b 電気ソケットコンタクト
14 コネクタのアウターシェルの末端面
15a、15b 電気ソケットコンタクトのレセプタクル
17 絶縁物体
19a、19b 絶縁物体の突出部
21a、21b 絶縁物体の突出部の開口部
22a、22b メス型相手側面
23 絶縁物体の境界面
25a、25b コンタクトスリーブ
26a、26b スリーブの内部空洞
27 鋸歯状隆起部
29 金属バンド
31a、31b 安全ピン
33 シェル間空間
35 ねじ面部
37 中心合わせキー
38a、38b コンタクトスリーブの外方向きの面
39b 配線レセプタクル
41a、41b 三重バリアグロメット
42 摩擦リング
43 背面カバー
45 内部コネクタ空間
47 プッシャ要素
49、49’ レバー
51 支点
53 プッシャ要素のクロスビーム
55a、55b プッシャ要素の横アーム
57a、57b 横アームの外方面
59a、59b 横アームの窪み
61a、61b、61a’、61b’、61c’ 半円筒形開削部
63a~63d レバーアーム
64a、64b、64c 半円筒形開削部の周囲切取り部
65a~65d 荷重先端部
65e 3つのコンタクトの実施形態におけるレバーの荷重先端部
67、67’ 頂面
69 膨出部
71a、71b せん断部
73a、73b せん断突出部
75a、75b 荷重面
77a スリーブの内側のレッジ
79a コンタクト13aの突出部
81a、81b 配線レセプタクルへの貫通孔
83a、83b 凹部
101 第2のコネクタ
103 第2のコネクタのハウジング
105 第2のコネクタのシェル
107 ベースプレート
109 第2のコネクタのシェルの最外面
111 貫通孔
113a、113b 対応するオス型電気コンタクト
113a’、113b’ 最小長さを有する対応するオス型電気コンタクト
113a’’、113b’’ 最大長さを有する対応するオス型電気コンタクト
113a’’’、113b’’’ 不均等な長さを有する対応するオス型電気コンタクト
114 第2のコネクタのシェルの相手側末端面
117 第2のコネクタの絶縁物体
118 二次絶縁層
119a、119b 空洞
121a、121b 空洞開口部
122a、122b 遠位端面
123 相手側境界面
125a、125b コンタクトスリーブ
127 鋸歯状隆起部
128b 貫通孔
129 絶縁物体の周面
131a、131b 安全ピン
132a 長いアーム
132b 安全ピンの短いアーム
132c 安全ピンの短いアームの先端部
134 ばね要素
134a、134b ばね要素の第1の端部および第2の端部
136 ばね空間
133 環状中間空間
135 第2のコネクタのねじ面部
137 中心合わせ窪み
141a、141b 三重バリアグロメット
143 背面カバー
145 内部空間
147 プッシャ要素
149 レバー
174a、174b せん断突出部のための案内空間
200 コネクタアセンブリ
501 第1の電気コネクタ
503 第1のハウジング
513a、513b 第1の電気コンタクト
522a、522b 第1の電気コンタクトの遠位端面
523 第1の電気コネクタの境界面
535 第1のコネクタの雄ねじ
601 第2の電気コネクタ
603 第2のハウジング
613a、613b 第2の電気コンタクト
615a、615b 第2の電気コンタクトのレセプタクル
622a、622b 第2の電気コンタクトの相手側面
623 第2の電気コネクタの境界面
635 第2のコネクタの雌ねじ
701 電気プラグコネクタ
703 ハウジング
713 電気コンタクト
722 コンタクトのオス型相手側面
735 ねじ付きプラグ
736 傾斜要素のためのヒンジ
801 電気レセプタクルコネクタ
803 コネクタのためのハウジング
835 ねじ付きレセプタクル
1001 本発明の第3の態様の一実施形態に係る第1の電気コネクタ
1003 第1のハウジング
1005 第1のハウジングのインナーシェル
1007 第1のハウジングのアウターシェル
1009 アウターシェルの最外面
1011 最外面の凹凸面部
1013 電気ソケットコンタクト
1014 シェル末端面
1015 電気ソケットコンタクトレセプタクル
1017 熱可塑性絶縁物体
1019 絶縁物体の突出部
1022 電気コンタクトの遠位端面
1025 第1のコンタクトスリーブ
1027 鋸歯状隆起部
1029 金属バンド
1031 第1の安全ピン
1035 ねじ面部
1037 中心合わせキー
1042 摩擦リング
1045 内部コネクタ空間
1101 本発明の第3の態様の一実施形態に係る第2の電気コネクタ
1103 第2のハウジング
1105 第2のハウジングのシェル
1113 対応する電気コンタクト
1114 シェル末端面
1117 エラストマー絶縁物体
1118 熱可塑性二次絶縁層
1122 遠位端面
1024 分離防止装置
1024a 分離防止装置のボールロック
1125 第2のコンタクトスリーブ
1135 ねじ面部
1144 封止Oリング
2000 本発明の第3の態様の一実施形態に係るラグ不使用コネクタアセンブリ
x 嵌合方向
y、z 直交平面軸
AX 嵌合軸
A125B コンタクトスリーブ125bの中心軸
A13a、A13b 従来の電気コンタクトの嵌合ペア
A22a、A22b 相手側末端面
B13a、B13b 代替的な電気コンタクトの嵌合ペア
B13a_c 電気コンタクトの中央突出部
B13a_p 電気コンタクトのプラグ
B13a_s 電気コンタクトの後退部分
B13b_s 電気コンタクトのレセプタクルシェル
B22a、B22b 電気コンタクトの相手側末端面
C1 反力
D1、D2、D3、D4 異なるコンタクト長さ構成に応じたハウジング間隙
D11、D12 本発明の第3の態様に係る一実施形態におけるハウジング間隙
E1、E101 接続方法におけるコネクタ
E13a、E13b、E113a、E113b 接続方法におけるコンタクト
E22b、E122b 電気コンタクトの相手側面
E149 レバー
F 嵌合力
FS ばね力
FT 器具の力
S1、S1’ 公称条件における絶縁物体とスリーブとの間のゆとり間隙
S2、S2’ 不均等な条件における長い側のゆとり
S3、S3’ 不均等な条件における短い側のゆとり
T1 スリーブ除去器具
T3 スリーブ除去器具の第1の部分
T5 スリーブ除去器具の第2の部分
N 公称長さ
α、α’、α’’ 傾斜角度
Δ 長さの差
【外国語明細書】