(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046631
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】不可逆電気穿孔のアブレーション装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240327BHJP
A61B 34/00 20160101ALI20240327BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B34/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023152340
(22)【出願日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】202211158718.4
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519211959
【氏名又は名称】上海理工大学
【氏名又は名称原語表記】University Of Shanghai For Science And Technology
【住所又は居所原語表記】China District, Shanghai, Yangpu, Jungong Road, No.516
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】李維傑
(72)【発明者】
【氏名】彭正▲キン▼
(72)【発明者】
【氏名】宗聖堯
(72)【発明者】
【氏名】劉宝林
(72)【発明者】
【氏名】漆琴
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK20
4C160KL03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】不可逆電気穿孔のアブレーション装置を開示する。
【解決手段】コンソール、位置決め装置及び実行装置を含み、位置決め装置と実行装置は両方ともコンソールに信号接続され、コンソールは、位置決め装置を制御して、位置決め装置に接続された実行装置を駆動して病巣の位置に移動させ、実行装置は駆動装置、収容筒、固定板、ガイド板及びナノナイフを含み、収容筒の両端はそれぞれ固定板及びガイド板に接続され、固定板には平行な固定孔が設けられ、ガイド板には、固定孔の位置と一対一に対応するガイドチャネルが設けられ、ナノナイフは、固定板に固定して接続され、固定孔を貫通して収容筒内に入り、駆動装置の出力部材は、固定板に固定して接続され、固定板を駆動して収容筒の内側壁に沿って収容筒内で往復運動させることにより、収容筒内のナノナイフは、ガイドチャネルを貫通して病巣の位置に平行に刺入又は引き抜く。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不可逆電気穿孔のアブレーション装置であって、コンソール、位置決め装置及び実行装置を含み、前記位置決め装置と前記実行装置は両方とも前記コンソールに信号接続され、前記位置決め装置は前記実行装置に接続されて、手術前に画像機器を通じて取得した病巣座標が前記コンソールに入力され、前記コンソールは、前記位置決め装置を制御して、前記実行装置を駆動して病巣の位置に移動させ、前記実行装置は、駆動装置、収容筒、固定板、ガイド板及び少なくとも2つのナノナイフを含み、前記収容筒の一端は前記固定板に接続され、前記収容筒の他端は前記ガイド板に固定して接続され、前記固定板には、少なくとも2つの平行な固定孔が設けられ、前記固定板は、前記収容筒の内側壁に摺動可能に接続され、前記ガイド板には、前記固定孔の位置と一対一に対応するガイドチャネルが設けられ、前記収容筒は、各前記ガイドチャネルと連通しており、前記ナノナイフのいずれか1つは、前記固定板に固定して接続され、1つの前記固定孔を貫通して前記収容筒内に入り、前記駆動装置の出力部材は、前記固定板に固定して接続され、前記駆動装置は、前記固定板を駆動して前記収容筒の内側壁に沿って前記収容筒の一端から他端まで往復運動させることができることにより、前記収容筒内の前記ナノナイフは、前記ガイドチャネルを貫通して患者の病巣の位置に平行に刺入又は引き抜くことを特徴とする不可逆電気穿孔のアブレーション装置。
【請求項2】
前記ナノナイフは、固定部及び穿刺部を含み、前記固定部は前記穿刺部に固定して接続され、前記固定部は、前記ナノナイフを前記固定板に固定できるように前記固定孔にねじ接続され、前記穿刺部はすべて、固定孔を貫通して前記収容筒内に収容することができることを特徴とする請求項1に記載の不可逆電気穿孔のアブレーション装置。
【請求項3】
前記収容筒の側壁には摺動溝が設けられ、前記摺動溝は、前記収容筒の軸線に沿って前記収容筒の一端から他端まで設けられ、前記出力部材は、前記摺動溝を貫通して前記固定板に固定して接続され、前記固定板を駆動して前記摺動溝に沿って摺動させることができることを特徴とする請求項1に記載の不可逆電気穿孔のアブレーション装置。
【請求項4】
前記位置決め装置は、3自由度ロボットアームを含み、前記3自由度ロボットアームは、順に接続されたベース、下部折り畳みアームアセンブリ及び上部折り畳みアームアセンブリを含み、前記ベースは手術台に接続され、手術台の長さ方向及び/又は幅方向に沿って摺動可能であり、前記下部折り畳みアームアセンブリの一端と前記ベースは、第1軸線の周りを回転するように接続され、前記第1軸線は前記ベースの摺動方向に平行であり、前記下部折り畳みアームアセンブリの他端と前記上部折り畳みアームアセンブリの一端は、第2軸線の周りを回転するように接続され、前記第2軸線は前記第1軸線に垂直であり、前記上部折り畳みアームアセンブリの他端は前記実行装置に固定して接続されることを特徴とする請求項1に記載の不可逆電気穿孔のアブレーション装置。
【請求項5】
さらに位置決め板を含み、前記位置決め板は位置決め溝を有し、前記位置決め溝の内壁表面形状は、患者が手術過程において安定した手術姿勢を保つように、患者の背中と同じ輪郭に従って3D印刷技術によって作られ、前記位置決め板は手術台に固定して接続されることを特徴とする請求項1に記載の不可逆電気穿孔のアブレーション装置。
【請求項6】
前記コンソールは前記駆動装置に信号接続されることを特徴とする請求項1に記載の不可逆電気穿孔のアブレーション装置。
【請求項7】
各前記ガイドチャネルの前記収容筒に近い一端には、フィレットが設けられることを特徴とする請求項1に記載の不可逆電気穿孔のアブレーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、特に不可逆電気穿孔のアブレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人々が腫瘍又はがんに直面したとき、最初に考えられた治療法は、患者に大きな苦痛を与える放射線療法及び化学療法又はリスクが非常に高く、再発しやすい外科的切除治療である。現在、固形腫瘍の治療に対して、上記の方法に加えて、低侵襲腫瘍アブレーション技術も肝臓、肺、腎臓などの固形腫瘍の臨床治療に広く用いられている。アブレーション療法には、化学的アブレーション及びエネルギーアブレーションが含まれ、そのうち、エネルギーアブレーションは、多くの場合、腫瘍組織を不活性化及び溶解するために、医療機器から提供されるエネルギーの支援が必要である。
【0003】
エネルギーアブレーションは、動作原理によって、熱アブレーション、冷凍アブレーション及び不可逆電気穿孔のアブレーションなどに分けられる。熱アブレーションは、他の形態のエネルギーを熱エネルギーに変換し、標的腫瘍組織に作用し、腫瘍組織を長時間にわたる高温の作用下で凝固壊死させ、腫瘍組織を切除するという目的を達成するものであるが、熱アブレーションは、治療領域の制御が難しく、正常組織に損傷を与えやすく、範囲が限られている上、ヒートシンク効果のため、血管、カテーテルの近くにある腫瘍に適さない。冷凍アブレーションは、腫瘍細胞を死滅させることができるが、腫瘍の周囲の良性組織に一定の損傷を与えることもある。
【0004】
不可逆電気穿孔のアブレーションは、腫瘍の内部に経皮的に穿刺された一対のナノナイフによって短パルスの高電圧電場を発生させ、腫瘍細胞膜上に永久的なナノスケール電気穿孔を発生させ、細胞膜の内部及び外部環境の破壊を引き起こし、アポトーシスと壊死を引き起こし、単球-マクロファージ免疫系を活性化し、アポトーシス細胞を貪食して除去し、他の小さな病巣又は転移病巣も消滅させる、唯一の非熱的低侵襲腫瘍アブレーション技術である。不可逆電気穿孔のアブレーションを実施する場合、電場のアブレーション効果を制限するために、ナノブレードは互いに平行(角度は10度を超えることができない)であることが要求される。既存の不可逆電気穿孔の腫瘍アブレーション手術はすべて手動で操作され、超音波、CT及びMRIなどによって画像ナビゲーション及び監視を行うことができるが、手動操作のミス率が高く、ナノナイフが互いに平行であるという要件を迅速かつ正確に達成することができず、しかも、手動操作ではナノナイフのプローブの位置にずれが生じる可能性があり、患者の健康な組織にさらなる損傷をもたらす。特許文献1には、経皮的不可逆電気穿孔のアブレーション術に使用されるプローブ固定装置が開示されており、該装置は、人体の内部に挿入された電極プローブを固定し、プローブを平行に保ち、電極プローブが患者の呼吸、高電圧電流出力などの原因で偶発的に移動することを防止するためにのみ用いられるが、電極プローブの挿入は依然として手動で完了する必要がある。手動で電極プローブを操作して人体に刺入する時の角度及び刺入の深さは、予め計算された結果とずれる可能性があり、手術の効果に影響を与える。該装置は同時に最大9本のプローブしか固定できないため、治療可能な腫瘍体積が限られることを意味する。したがって、手術プロセス全体を完全に機械化させ、手術過程においてリアルタイムな画像ナビゲーション及び監視技術を組み合わせ、ナノナイフを互いに平行に保ち、同じ挿入深さで病巣の位置に挿入できるようにし、手術操作過程における人為的ミスを低減させ、そして、手術過程においてナノナイフが互いの平行を維持でき、患者の呼吸、高電圧電流出力などによる偶発的なずれが発生せず、手術全体をより効率的かつ正確にし、病巣残存率を減少させることは非常に必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国実用新案第209018929号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に存在する問題を解決し、ナノナイフの刺入深さが同じであることを確保し、ナノナイフ間の平行度を向上させ、手術をより効率的かつ正確にし、手術操作のミス率を低下させる、不可逆電気穿孔の腫瘍アブレーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の解決手段を提供する。
【0008】
本発明は、不可逆電気穿孔のアブレーション装置を提供し、コンソール、位置決め装置及び実行装置を含み、前記位置決め装置と前記実行装置は両方とも前記コンソールに信号接続され、前記位置決め装置は前記実行装置に接続されて、手術前に画像機器を通じて取得した病巣座標が前記コンソールに入力され、前記コンソールは、前記位置決め装置を制御して、前記実行装置を駆動して病巣の位置に移動させ、前記実行装置は、駆動装置、収容筒、固定板、ガイド板及び少なくとも2つのナノナイフを含み、前記収容筒の一端は前記固定板に接続され、前記収容筒の他端は前記ガイド板に固定して接続され、前記固定板には、少なくとも2つの平行な固定孔が設けられ、前記固定板は前記収容筒の内側壁に摺動可能に接続され、前記ガイド板には、前記固定孔の位置と一対一に対応するガイドチャネルが設けられ、前記収容筒は各前記ガイドチャネルと連通しており、前記ナノナイフのいずれか1つは、前記固定板に固定して接続され、1つの前記固定孔を貫通して前記収容筒内に入り、前記駆動装置の出力部材は前記固定板に固定して接続され、前記駆動装置は、前記固定板を駆動して前記収容筒の内側壁に沿って前記収容筒の一端から他端まで往復運動させることができることにより、前記収容筒内の前記ナノナイフは、前記ガイドチャネルを貫通して患者の病巣の位置に平行に刺入又は引き抜く。
【0009】
好ましくは、前記ナノナイフは、固定部及び穿刺部を含み、前記固定部は前記穿刺部に固定して接続され、前記固定部は、前記ナノナイフを前記固定板に固定できるように前記固定孔にねじ接続され、前記穿刺部はすべて、固定孔を貫通して前記収容筒内に収容することができる。
【0010】
好ましくは、前記収容筒の側壁には摺動溝が設けられ、前記摺動溝は、前記収容筒の軸線に沿って前記収容筒の一端から他端まで設けられ、前記出力部材は、前記摺動溝を貫通して前記固定板に固定して接続され、前記固定板を駆動して前記摺動溝に沿って摺動させることができる。
【0011】
好ましくは、前記位置決め装置は、3自由度ロボットアームを含み、前記3自由度ロボットアームは、順に接続されたベース、下部折り畳みアームアセンブリ及び上部折り畳みアームアセンブリを含み、前記ベースは手術台に接続され、手術台の長さ方向及び/又は幅方向に沿って摺動可能であり、前記下部折り畳みアームアセンブリの一端と前記ベースは第1軸線の周りを回転するように接続され、前記第1軸線は前記ベースの摺動方向に平行であり、前記下部折り畳みアームアセンブリの他端と前記上部折り畳みアームアセンブリの一端は第2軸線の周りを回転するように接続され、前記第2軸線は前記第1軸線に垂直であり、前記上部折り畳みアームアセンブリの他端は前記実行装置に固定して接続される。
【0012】
好ましくは、さらに位置決め板を含み、前記位置決め板は位置決め溝を有し、前記位置決め溝の内壁表面形状は、患者が手術過程において安定した手術姿勢を保つように、患者の背中と同じ輪郭に従って3D印刷技術によって作られ、前記位置決め板は手術台に固定して接続される。
【0013】
好ましくは、前記コンソールは前記駆動装置に信号接続される。
【0014】
好ましくは、各前記ガイドチャネルの前記収容筒に近い一端には、フィレットが設けられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、従来技術に対して以下の技術的効果を取得する。
本発明は、不可逆電気穿孔の腫瘍アブレーション装置を提供し、複数のナノナイフは固定孔を介して固定板に平行に固定され、固定板は駆動装置の駆動により推進装置の内壁に沿って摺動し、収容筒内に位置するナノナイフがガイドチャネルを貫通するようにし、ガイドチャネルの位置は固定孔の位置と一対一に対応し、収容筒内のナノナイフ間の角度がわずかにずれている場合、ガイドチャネルは、ナノナイフがガイド装置から出る時に互いに平行を保ち、刺入深さが同じであることを確保することもでき、手術過程において、人体内のナノナイフが患者の呼吸や高電圧電流の影響を受けてずれる場合、ガイドチャネルは、ナノナイフのずれ角度を制限して、ナノナイフができるだけ互いに平行な状態を維持することを確保し、腫瘍アブレーションの均一性を向上させることもでき、駆動装置を介してナノナイフが人体に刺入する深さを操作し、人為的に操作する時にプローブの平行及び刺入深さを制御しにくく、操作エラーが大きいことを回避し、手術効率を向上させ、手術操作のミス率を低下させ、病巣残存率を効果的に減少させる。
さらに、患者の背中の輪郭に従って3D印刷技術によって作られた位置決め板は、横臥状態での患者の腫瘍の位置を正確に確保することができ、横臥による病巣の相対位置のずれを回避し、ナノナイフが病巣の位置に正確に挿入することを容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例で使用する必要のある図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明する図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0017】
【
図6】本発明の位置決め装置、実行装置及び手術台の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明した実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を要さずに取得したすべての他の実施例は、いずれも本発明の技術的範囲に属する。
【0019】
本発明は、上記従来技術に存在する問題を解決し、ナノナイフの刺入深さが同じであることを確保し、ナノナイフ間の平行度を向上させ、手術をより効率的かつ正確にし、手術操作のミス率を低下させる、不可逆電気穿孔の腫瘍アブレーション装置を提供することを目的とする。
【0020】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明らかで分かりやすくするために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0021】
図1~6に示すように、本発明は、不可逆電気穿孔のアブレーション装置を提供し、コンソール(図示せず)、位置決め装置2及び実行装置1を含み、位置決め装置2と実行装置1は両方ともコンソールに信号接続され、位置決め装置2は実行装置1に接続され、手術前に超音波、CTなどの画像機器を使用して患者の病巣の位置を位置決めし、患者の椎骨の第1頚椎の中心を座標原点とし、病巣の位置から変換された三次元座標をコンソールに入力し、コンソールは、位置決め装置2及び実行装置1が病巣の正確な位置に移動し、プローブを配置するように制御し、実行装置1は駆動装置、収容筒11、固定板12、ガイド板13及び少なくとも2つのナノナイフ15を含み、収容筒11の両端は開口を有し、収容筒11の一端は固定板12に接続され、収容筒11の他端はスナップフィットによってガイド板13に固定して接続され、取り外し可能であり、固定板12には、少なくとも2つの平行な固定孔16が設けられ、固定板12は収容筒11の内側壁に摺動可能に接続され、ガイド板13には、固定孔12の位置と一対一に対応するガイドチャネル17が設けられ、収容筒11は各ガイドチャネル17と連通しており、ナノナイフ15のいずれか1つは、固定板12に固定して接続され、1つの固定孔16を貫通して収容筒11内に入り、駆動装置の出力部材14は固定板11に固定して接続され、病巣領域に応じて固定板12に適切な数のナノナイフ15を配置し、駆動装置は、固定板12を駆動して収容筒11の内側壁に沿って収容筒11の一端から他端まで往復運動させることができることにより、収容筒11内のナノナイフ15は、ガイドチャネル17を貫通して患者の病巣の位置に平行に刺入又は引き抜き、固定孔16がガイドチャネル17の位置と一対一に対応するため、ナノナイフ15は推進されてガイドチャネル17に正確に入ることができ、ガイドチャネル17は、ナノナイフ15の移動経路を制限して、駆動装置がすべてのナノナイフを病巣アブレーションの標的領域に平行に入れるように同期推進することを実現でき、刺入深さが同じであることを確保することができ、人為的に操作する時にプローブの平行を制御しにくく、刺入深さを調整する時にエラーが大きいという問題を回避し、ナノナイフが人体に刺入する時に互いに平行を保つことを実現し、刺入深さが制御可能であり、ナノナイフが人体に刺入して手術位置に到達すると、コンソールは駆動装置の運動を自動的に停止し、治療プログラムを起動し、コンソールは、予め設定された治療計画に従ってナノナイフに通電し、病巣領域に高電圧の電気パルスを導入し、治療終了後、駆動装置が再び起動し、固定板及びナノナイフが人体から引き抜くように駆動し、続いて、コンソールは、位置決め装置を制御して、実行装置を駆動して初期位置に移動させ、手術過程全体において、ナノナイフを平行に保ち、挿入深さが同じであり、アブレーションの均一性を向上させ、病巣残存率を効果的に減少させることができ、手術をより効率的かつ正確にし、手術操作のミス率を低下させる。
【0022】
本発明の実施例において、より好ましくは、ナノナイフ15は固定部151及び穿刺部152を含み、固定部151は穿刺部152に固定して接続され、固定部151は、ナノナイフ15を固定板12に固定できるように固定孔16にねじ接続され、穿刺部152はすべて、固定孔16を貫通して収容筒11内に収容することができ、固定部151の直径が大きく、手術時の把持操作に用いることができ、固定部151の外側には雄ねじが設けられ、固定孔16には雄ねじに適合する雌ねじが設置され、ねじを締めることによってナノナイフ15を固定板12に固定することができ、ねじ接続の方式で着脱しやすく、穿刺部152の直径が小さくて人体の皮膚に刺入するために用いられる。
【0023】
本発明の実施例において、より好ましくは、収容筒11の側壁には摺動溝111が設けられ、摺動溝111は、収容筒11の軸線に沿って収容筒11の一端から他端まで設けられ、出力部材14は、摺動溝111を貫通して固定板12に固定して接続され、固定板12を駆動して摺動溝111に沿って収容筒11の内側壁において往復摺動させることができる。
【0024】
本発明の実施例において、より好ましくは、位置決め装置2は3自由度ロボットアームを含み、3自由度ロボットアームは、順に接続されたベース、下部折り畳みアームアセンブリ及び上部折り畳みアームアセンブリを含み、ベースは手術台3に接続され、手術台3の長さ方向及び/又は幅方向に沿って摺動可能であり、すなわち、手術台3は、その長辺及びそれに隣接する幅広辺に、連通する摺動溝が設けられ、ベースは、摺動溝内で摺動可能であり、下部折り畳みアームアセンブリの一端とベースは、第1軸線の周りを回転するように接続され、第1軸線はベースの摺動方向に平行であり、下部折り畳みアームアセンブリの他端と上部折り畳みアームアセンブリの一端は、第2軸線の周りを回転するように接続され、第2軸線は第1軸線に垂直であり、上部折り畳みアームアセンブリの他端は実行装置1に固定して接続される。本発明は、3自由度ロボットアームに限定されず、使用ニーズに応じて多自由度のロボットアームを選択して位置決め操作を実施することもできる。
【0025】
本発明の実施例において、より好ましくは、不可逆電気穿孔のアブレーション装置はさらに位置決め板を含み、位置決め板は位置決め溝を有し、手術前に、患者の背中の輪郭を予め走査し、3D印刷技術を用いて患者の背中に完全にフィットする位置決め板を作り、位置決め溝の内壁表面形状は、患者の背中の輪郭に従って3D印刷技術によって作られ、位置決め板は手術台3に固定して接続され、患者の手術過程において手術姿勢を固定することができ、患者が手術中に横臥姿勢の変化による病巣の位置のずれを引き起こさないことを確保し、病巣の位置に正確な座標を確立することができる。
【0026】
本発明の実施例において、より好ましくは、コンソールは駆動装置に信号接続され、駆動装置はステッピングモータによって推進され、推進の安定性を維持することができる。
【0027】
本発明の実施例において、より好ましくは、各ガイドチャネル14の収容筒11に近い一端には、フィレットが設けられ、ナノナイフ15の穿刺部152は剛性構造であり、直径が約1ミリメートルのみであり、フィレットの設計はナノナイフ15のガイドの役割を果たし、ナノナイフ15の固定部151が固定板12にわずかな角度ずれで固定される場合、ガイドチャネル17にスムーズに入ることを確保することができ、ガイドチャネル17の長さが比較的長く、スリーブを貫通して漏出するナノナイフの長さが手術に十分に使用されることを確保することができ、穿刺部152が皮膚に刺入する時に、減衰により挿入経路がずれることがないことを確保することもでき、手術過程において、ガイドチャネル17は、ナノナイフ15のずれ角度を制限して、ナノナイフが振れないことを確保することもできる。
【0028】
本発明では、具体的な例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想を理解するのを助けるためのものに過ぎない。また、当業者であれば、本発明の趣旨に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲のいずれも変化できる。要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0029】
図中:1-実行装置;11-収容筒;111-摺動溝;12-固定板;13-ガイド板;14-出力部材;15-ナノナイフ;151-固定部;152-穿刺部;16-固定孔;17-ガイドチャネル;2-位置決め装置;3-手術台。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
図1~6に示すように、本発明は、不可逆電気穿孔のアブレーション装置を提供し、コンソール(図示せず)、位置決め装置2及び実行装置1を含み、位置決め装置2と実行装置1は両方ともコンソールに信号接続され、位置決め装置2は実行装置1に接続され、手術前に超音波、CTなどの画像機器を使用して患者の病巣の位置を位置決めし、患者の椎骨の第1頚椎の中心を座標原点とし、病巣の位置から変換された三次元座標をコンソールに入力し、コンソールは、位置決め装置2及び実行装置1が病巣の正確な位置に移動し、プローブを配置するように制御し、実行装置1は駆動装置、収容筒11、固定板12、ガイド板13及び少なくとも2つのナノナイフ15を含み、収容筒11の両端は開口を有し、収容筒11の一端は固定板12に接続され、収容筒11の他端はスナップフィットによってガイド板13に固定して接続され、取り外し可能であり、固定板12には、少なくとも2つの平行な固定孔16が設けられ、固定板12は収容筒11の内側壁に摺動可能に接続され、ガイド板13には、固定孔1
6の位置と一対一に対応するガイドチャネル17が設けられ、収容筒11は各ガイドチャネル17と連通しており、ナノナイフ15のいずれか1つは、固定板12に固定して接続され、1つの固定孔16を貫通して収容筒11内に入り、駆動装置の出力部材14は固定板1
2に固定して接続され、病巣領域に応じて固定板12に適切な数のナノナイフ15を配置し、駆動装置は、固定板12を駆動して収容筒11の内側壁に沿って収容筒11の一端から他端まで往復運動させることができることにより、収容筒11内のナノナイフ15は、ガイドチャネル17を貫通して患者の病巣の位置に平行に刺入又は引き抜き、固定孔16がガイドチャネル17の位置と一対一に対応するため、ナノナイフ15は推進されてガイドチャネル17に正確に入ることができ、ガイドチャネル17は、ナノナイフ15の移動経路を制限して、駆動装置がすべてのナノナイフを病巣アブレーションの標的領域に平行に入れるように同期推進することを実現でき、刺入深さが同じであることを確保することができ、人為的に操作する時にプローブの平行を制御しにくく、刺入深さを調整する時にエラーが大きいという問題を回避し、ナノナイフが人体に刺入する時に互いに平行を保つことを実現し、刺入深さが制御可能であり、ナノナイフが人体に刺入して手術位置に到達すると、コンソールは駆動装置の運動を自動的に停止し、治療プログラムを起動し、コンソールは、予め設定された治療計画に従ってナノナイフに通電し、病巣領域に高電圧の電気パルスを導入し、治療終了後、駆動装置が再び起動し、固定板及びナノナイフが人体から引き抜くように駆動し、続いて、コンソールは、位置決め装置を制御して、実行装置を駆動して初期位置に移動させ、手術過程全体において、ナノナイフを平行に保ち、挿入深さが同じであり、アブレーションの均一性を向上させ、病巣残存率を効果的に減少させることができ、手術をより効率的かつ正確にし、手術操作のミス率を低下させる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本発明の実施例において、より好ましくは、各ガイドチャネル17の収容筒11に近い一端には、フィレットが設けられ、ナノナイフ15の穿刺部152は剛性構造であり、直径が約1ミリメートルのみであり、フィレットの設計はナノナイフ15のガイドの役割を果たし、ナノナイフ15の固定部151が固定板12にわずかな角度ずれで固定される場合、ガイドチャネル17にスムーズに入ることを確保することができ、ガイドチャネル17の長さが比較的長く、スリーブを貫通して漏出するナノナイフの長さが手術に十分に使用されることを確保することができ、穿刺部152が皮膚に刺入する時に、減衰により挿入経路がずれることがないことを確保することもでき、手術過程において、ガイドチャネル17は、ナノナイフ15のずれ角度を制限して、ナノナイフが振れないことを確保することもできる。