(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046654
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】情報処理端末およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240327BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240327BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20240327BHJP
G09G 5/34 20060101ALI20240327BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20240327BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240327BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20240327BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20240327BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20240327BHJP
H04N 21/658 20110101ALI20240327BHJP
【FI】
G09G5/00 510X
G06F3/14 350A
G06F3/14 360A
G06F3/04845
G09G5/00 510H
G09G5/00 520V
G09G5/00 550C
G09G5/00 550H
G09G5/00 550X
G09G5/00 555D
G09G5/34 A
G09G5/373 100
G09G5/373 200
G09G5/37 310
G09G5/37 600
G09G5/14 A
H04N21/431
H04N21/442
H04N21/658
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024003067
(22)【出願日】2024-01-12
(62)【分割の表示】P 2022089773の分割
【原出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】517070729
【氏名又は名称】株式会社teamS
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 良治
(57)【要約】
【課題】ソース端末の画面にて表示されている画面を遠隔端末にて再現するとともに、遠隔端末にて入力された操作内容をソース端末の画面で再現すること。
【解決手段】情報処理端末は、表示部と、複数の他の端末の画面に表示されている画像の画像データを受信する受信部と、各端末から受信した画像データに基づく画像を、前記表示部の表示画面の、前記複数の他の端末の各々と対応付けられた複数の区分画面領域にそれぞれ表示する表示制御部と、前記表示画面上の位置の指定を受付ける受付部と、該受付けた位置が属する区分画面領域に対応付けられた他の端末を特定し、当該区分画面領域に表示されている画像上の位置に対応する、該特定された他の端末の画面上の位置を示す位置情報を算出する算出部と、前記位置情報を該特定された他の端末に送信する送信部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
複数の他の端末の画面に表示されている画像を示す画像データを受信する受信部と、
前記複数の他の端末から受信した画像データに基づく画像を、前記表示部の表示画面の、前記複数の他の端末の各々と対応付けられた複数の区分画面領域にそれぞれ表示する表示制御部と、
前記表示画面上の位置の指定を受付ける受付部と、
該受付けた位置が属する区分画面領域に対応付けられた他の端末を特定し、当該区分画面領域に表示されている画像上の位置に対応する、該特定された他の端末の画面上の位置を示す位置情報を算出する算出部と、
前記位置情報を、該特定された他の端末に送信する送信部と
を有する情報処理端末。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記受付部にて受付けた位置に基づいてユーザの操作内容を特定し、該特定された操作内容に基づいて、該受付けた位置が属する区分画面領域に表示されている画像について、拡大、縮小、回転、又はスクロールを実行し、
ユーザからの指示に応じて、他の端末から受信した画像データに基づく画像に該特定された操作内容が直接反映された画像を前記表示部に表示するとともに、該受付けた位置に基づく位置情報を当該他の端末に送信しない非同期モードと、当該操作内容が直接反映されない画像を前記表示部に表示するとともに、該受付けた位置に基づく位置情報を当該他の端末に送信する同期モードとを切り替える切り替え部を更に有する
請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記複数の区分画面領域のうち、位置が指定された場合に前記位置情報の算出を実行するアクティブ領域と、当該算出を実行しない非アクティブ領域とを設定する設定部を更に有する
請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記設定部は、前記非アクティブ領域内の位置が指定された場合、当該非アクティブ領域を前記アクティブ領域に変更する
請求項3に記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記表示制御部は、各区分画面領域のサイズおよび形状に基づいて、前記画像データに基づく画像の縦横比を保ったまま、表示サイズおよび表示方向を決定する
請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項6】
前記複数の他の端末の各々ついて、当該他の端末の画面において表示されている画像上の位置と当該画面上の位置との対応関係を示す表示機能情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記表示制御部は、通信接続時に特定された各他の端末に対応付けて記憶されている前記表示機能情報に基づいて、前記位置情報の算出を行う
請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記複数の他の端末から受信した画像データのデータ量に基づいて、前記表示部に表示される画像のサイズ、又は解像度を決定する
請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項8】
表示部を有するコンピュータに、
複数の他の端末の画面に表示されている画像を示す画像データを受信するステップと、
前記複数の他の端末から受信した画像データに基づく画像を、前記表示部の表示画面の、前記複数の他の端末の各々と対応付けられた複数の区分画面領域にそれぞれ表示するステップと、
前記表示画面上の位置の指定を受付けるステップと、
該受付けた位置が属する区分画面領域に対応付けられた他の端末を特定し、当該区分画面領域に表示されている画像上の位置に対応する、該特定された他の端末の画面上の位置を示す位置情報を算出するステップと、
前記位置情報を、該特定された他の端末に送信するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔表示および遠隔操作を行うための情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理端末(ソース端末という)の処理内容を物理的に離れた場所で確認しつつ当該端末を遠隔操作することを目的として、ソース端末接続して、ソース端末に表示されている画面と同じ画面を表示する(いわゆるミラーリング)とともに、ユーザの操作を受け付けてソース端末に供給する(遠隔操作)を実現するための遠隔端末が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、タッチパネルを有する遠隔端末と複数のソース端末とを接続し、当該タッチパネル上のタッチ位置に応じて、どのソース端末に対する入力操作なのかを判定し、判定の結果に応じて位置情報の送信先を決定することが記載されている。
【0005】
ここで、近年、情報処理端末の種類多岐にわたっており、ソース端末の画面と遠隔端末とでは画面サイズや縦横比といった表示デバイスのハードウェア性能が異なることが想定される。
【0006】
また、仮に、ソース端末と遠隔端末の表示に関するハードウェア性能が同一であったとしても、特許文献1に記載のように、複数のソース端末と同時に接続する場合は、遠隔端末の表示装置において画面領域を分割して各ソース端末から送信された画像を表示することになる。この場合、ソース端末に表示される画像と、遠隔隔末に表示される画像とは、表示態様(画像サイズ等)が異なることになる。このような状況において、遠隔端末においてタッチ操作等によって画面上の位置を指定した場合、遠隔端末の画面上の位置と整合することが保証されない。つまり、遠隔端末にて行ったタッチ操作の内容がソース端末にて正しく再現されない虞がある。
【0007】
本発明は、表示デバイスのハードウェア性能や接続しているソース端末の数に依存することなく、ソース端末の画面にて表示されている画面を遠隔端末にて再現するとともに、遠隔端末にて入力された操作内容をソース端末の画面で再現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一の態様において、表示部と、複数の他の端末の画面に表示されている画像を示す画像データを受信する受信部と、前記複数の他の端末から受信した画像データに基づく画像を、前記表示部の表示画面の、前記複数の他の端末の各々と対応付けられた複数の区分画面領域にそれぞれ表示する表示制御部と、前記表示画面上の位置の指定を受付ける受付部と、該受付けた位置が属する区分画面領域に対応付けられた他の端末を特定し、当該区分画面領域に表示されている画像上の位置に対応する、該特定された他の端末の画面上の位置を示す位置情報を算出する算出部と、前記位置情報を、該特定された他の端末に送信する送信部とを有する情報処理端末を提供する。
【0009】
好ましい態様において、前記表示制御部は、前記受付部にて受付けた位置に基づいてユーザの操作内容を特定し、該特定された操作内容に基づいて、該受付けた位置が属する区分画面領域に表示されている画像について、拡大、縮小、回転、又はスクロールを実行し、ユーザからの指示に応じて、他の端末から受信した画像データに基づく画像に該特定された操作内容が直接反映された画像を前記表示部に表示するとともに、該受付けた位置に基づく位置情報を当該他の端末に送信しない非同期モードと、当該操作内容が直接反映されない画像を前記表示部に表示するとともに、該受付けた位置に基づく位置情報を当該他の端末に送信する同期モードとを切り替える切り替え部を更に有する。
【0010】
好ましい態様において、前記複数の区分画面領域のうち、位置が指定された場合に前記位置情報の算出を実行するアクティブ領域と、当該算出を実行しない非アクティブ領域とを設定する設定部を更に有する。
【0011】
好ましい態様において、前記設定部は、前記非アクティブ領域内の位置が指定された場合、当該非アクティブ領域を前記アクティブ領域に変更する。
【0012】
好ましい態様において、前記表示制御部は、各区分画面領域のサイズおよび形状に基づいて、前記画像データに基づく画像の縦横比を保ったまま、表示サイズおよび表示方向を決定する。
【0013】
好ましい態様において、前記複数の他の端末の各々ついて、当該他の端末の画面において表示されている画像上の位置と当該画面上の位置との対応関係を示す表示機能情報を記憶する記憶部を更に備え、前記表示制御部は、通信接続時に特定された各他の端末に対応付けて記憶されている前記表示機能情報に基づいて、前記位置情報の算出を行う。
【0014】
好ましい態様において、前記表示制御部は、前記複数の他の端末から受信した画像データのデータ量に基づいて、前記表示部に表示される画像のサイズ、又は解像度を決定する。
【0015】
本発明は、他の観点において、表示部を有するコンピュータに、複数の他の端末の画面に表示されている画像を示す画像データを受信するステップと、前記複数の他の端末から受信した画像データに基づく画像を、前記表示部の表示画面の、前記複数の他の端末の各々と対応付けられた複数の区分画面領域にそれぞれ表示するステップと、前記表示画面上の位置の指定を受付けるステップと、該受付けた位置が属する区分画面領域に対応付けられた他の端末を特定し、当該区分画面領域に表示されている画像上の位置に対応する、該特定された他の端末の画面上の位置を示す位置情報を算出するステップと、前記位置情報を、該特定された他の端末に送信するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ソース端末の画面にて表示されている画像を遠隔端末にて再現するとともに、遠隔端末にて入力された操作内容をソース端末上で再現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】情報処理システム100の全体構成の例を示す図。
【
図5】ウィンドウ定義テーブルTb2の例を示す図。
【
図8】表示部202の表示画面SCの構成例を示す図。
【
図9】ソース端末10の画像を区分画面領域に割当てた例を示す図。
【
図10】区分画面領域CR1に表示される画像GR1の例を示す図。
【
図11】情報処理システム100の接続時の動作の例を示すシーケンス図。
【
図12】情報処理端末20の画像処理の動作の流れの例を示すフロー図。
【
図13】位置情報変換処理の動作の流れの例を示すフロー図。
【
図14】ソース端末10の画像を区分画面領域に割当てた他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
<情報処理システムの構成>
図1は、情報処理システム100の全体構成の例を示す図である。
図1に示す通り、情報処理システム100は、ソース端末10A、10B(以下、これらを区別しない場合には単に「ソース端末10」という)と、情報処理端末20とを有する。ソース端末10は、操作対象となる情報資源(ソース)としての画像を表示する端末である。ソース端末10は、例えば、パーソナルコンピュータ用モニタ、スマートフォン、テレビ等である。
【0019】
例えば、
図1に示すソース端末10Aは、サイズが27インチのパーソナルコンピュータ用モニタである。このソース端末10Aの画像解像度は1920×1080でそのアスペクト比(縦横比)は16:9である。
【0020】
また、
図1に示すソース端末10Bは、サイズが6.1インチのスマートフォンである。このソース端末10Bの画像解像度は1284×2778で、そのアスペクト比は約9:19.5である。
【0021】
以下では、説明の便宜上、ソース端末としてソース端末10A、ソース端末10Bのみが登場するが、
図1に情報処理システム100が有するソース端末10の数は2つに限らず、1つでもよいし3つ以上であってもよい。また、ソース端末10は、複数の機器の組合せで構成されてもよい。例えば、ソース端末10は、液晶テレビのマルチメディアインタフェースに画像処理プロセッサを搭載したドングルを装着したものであってもよい。
【0022】
情報処理端末20は、無線通信により1以上のソース端末10に接続し、そのソース端末10を遠隔操作する端末である。例えば、
図1に示す情報処理端末20は、モニタサイズ12インチのタブレットPCである。この情報処理端末20の画像解像度は1920×1200で、そのアスペクト比は16:10である。
【0023】
図1に示す例で情報処理端末20は、2つの異なるソース端末10であるソース端末10A、10Bにそれぞれ接続し、それらに表示されている画像を、自端末の分割した画面にそれぞれ表示させている。ユーザは、情報処理端末20の分割された画面の各領域に対して操作をすることで、ソース端末10A、10Bのそれぞれを操作することができる。
【0024】
<ソース端末の構成>
図2は、ソース端末10の構成の例を示す図である。
図2に示すソース端末10は、通信部101、表示部102、放音部103、記憶部104、音声制御部105、表示制御部106、入力部107、及び制御部110を有する。
【0025】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)
、RAM(Random Access Memory)を有し、CPUがROM及び記憶部104に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読み出して実行するこ
とによりソース端末10の各部を制御する。また、制御部110は、音声制御部105を介して放音部103を、表示制御部106を介して表示部102を、それぞれ制御する。
【0026】
放音部103は、音声制御部105の制御の下で音を放出する装置であり、例えば、スピーカ、ヘッドホン等である。
【0027】
音声制御部105は、制御部110の指示に応じて放音部103を制御する装置であり、例えばサウンドコントローラである。
【0028】
表示部102は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有しており、表示制御部106の制御の下、画像を表示する。
【0029】
表示制御部106は、制御部110の指示に応じて表示部102を制御する装置であり、例えば、ディスプレイコントローラ、グラフィックコントローラである。表示制御部106は、GPU(Graphics Processing Unit)を有してもよいし、描画処理機能を有する1以上のCPUとして実装されてもよい。
【0030】
記憶部104は、半導体メモリ(ソリッドステートドライブ)やハードディスクドライブ等の記憶手段であり、制御部110のCPUに読み込まれる各種のプログラム、データ等を記憶する。
【0031】
入力部107は、各種の指示をするための操作ボタン、キーボード、タッチパネル等の操作子(図示せず)を備えており、ユーザによる操作を受付けてその操作内容に応じた信号を制御部110に送る。また、入力部107は、操作内容特定部108、及び位置情報検出部109を有する。
【0032】
入力部107が有する位置情報検出部109は、ユーザの操作で指示される画面上、又は画像上の位置を示す位置情報を検出する。位置情報検出部109は、例えば、上述したタッチパネルである。このタッチパネルは、透明な材質で形成され、表示部102の表示画面の上に重ねて配置される。位置情報検出部109は、検出した位置情報を操作内容特定部108に送る。
【0033】
入力部107が有する操作内容特定部108は、上述した操作子によって受付けられたユーザの操作を特定する。操作内容特定部108は、ユーザの操作に応じて操作子が発した信号を受信し、例えば、記憶部104に記憶された対応表を参照して、受信した信号のパターンから、ユーザが行った操作の内容を特定する。なお、操作内容特定部108は、上述した位置情報検出部109から受取った位置情報を、ユーザの操作を示す信号として用いる。
【0034】
なお、入力部107の機能の一部、又は全部は、制御部110によって実現されてもよい。
【0035】
通信部101は、無線により通信回線(図示せず)に接続する通信回路である。ソース端末10は、通信部101により、通信回線に接続された他の装置(すなわち、情報処理端末20を含む外部装置)と情報をやり取りする。
【0036】
通信部101は、いわゆる無線LANの規格、例えばIEEE802.11に準拠した方式により、ソース端末10と通信回線とを接続する機能を提供する。なお、ソース端末10は、通信回線を介さずに直接、情報処理端末20と接続してもよい。例えば、各ソース端末10と情報処理端末20とは、近距離無線通信(Near Field Communication、NF
C)の規格、例えばISO/IEC18092(NFCIP-1)、ISO/IEC14443、ISO/IEC15693、又はIEEE802.15に準拠した方式で互いに接続する機能を有していてもよい。例えば、ソース端末10と情報処理端末20とは、Miracast(登録商標)、AirPlay(登録商標)等の1対1の無線通信によるディスプレイ伝送技術を用いて接続されてもよい。
【0037】
また、ソース端末10と情報処理端末20とは、IEEE802.3に準拠した方式等の有線で直接、通信可能に接続されてもよい。この場合、通信部101は、有線通信のインタフェースである。
【0038】
<情報処理端末の構成>
図3は、情報処理端末20の構成の例を示す図である。
図3に示す情報処理端末20は、制御部200、通信部201、表示部202、放音部203、記憶部204、音声制御部205、受付部206、及び表示制御部212を有する。
【0039】
通信部201は、無線により通信回線(図示せず)に接続する通信回路である。情報処理端末20は、通信部201により、通信回線に接続された他の装置(すなわち、ソース端末10を含む外部装置)と情報をやり取りする。なお、通信部201は、有線通信のインタフェースであってもよい。
【0040】
通信部201は、受信部213、及び送信部214を有する。通信部201の受信部213は、複数のソース端末10から、それらの画面に表示されている画像を示す画像データをそれぞれ受信する。つまり、この受信部213は、複数の他の端末の画面に表示されている画像を示す画像データを受信する受信部の例である。
【0041】
通信部201の送信部214は、情報処理端末20から上述した複数のソース端末10へ情報を送信する。
【0042】
制御部200は、CPU、ROM、RAMを有し、CPUがROM及び記憶部204に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより情報処理端末20の各部を制御する。
【0043】
また、制御部200は、音声制御部205を介して放音部203を、表示制御部212を介して表示部202を、それぞれ制御する。
【0044】
放音部203は、音声制御部205の制御の下で音を放出する装置であり、例えば、スピーカ、ヘッドホン等である。
【0045】
音声制御部205は、放音部203を制御する装置であり、例えばサウンドコントローラである。具体的には、音声制御部205は、各ソース端末10から受信した映像信号から音声信号をそれぞれ分離し、必要に応じてこれらの音声信号をミックスしあるいはユーザから選択され複数のソース端末10のうちユーザが選択した一のソース端末に係る音声信号のみを選択する処理を行い、処理された音声信号を放音部203に供給する。
【0046】
表示部202は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有しており、表示制御部212の制御の下、画像を表示する。
【0047】
表示制御部212は、表示部202を制御する装置であり、例えば、ディスプレイコントローラ、グラフィックコントローラである。表示制御部212は、GPUを有してもよいし、描画処理機能を有する1以上のCPUとして実装されてもよい。
【0048】
上述した受信部213が複数のソース端末10から画像データをそれぞれ受信すると、表示制御部212は、表示部202の画面をソース端末10の数だけ区分する。区分された画面の領域(以下、「区分画面領域」ともいう)は、ソース端末10のそれぞれに対応付けられる。表示制御部212は、複数のソース端末10から受信した画像データに基づく画像を、それぞれそのソース端末10に対応付けられた区分画面領域に表示する。
【0049】
なお、ソース端末10から受信した画像データに基づく画像は、情報処理端末20において、画像のサイズ変更、拡大・縮小、回転(表示方向の変更)等の調整が行われた後の画像を含む。この場合、これらの調整がソース端末10に送られ、ソース端末10は、調整後の画像を表示するとともに、その画像を示す画像データを情報処理端末20に再送信する。情報処理端末20において行われる画像の調整は、他に一部分の切り出し、区分画面領域全体に対する表示位置の調整、解像度/ビットレート/フレームレートの調整等を含む。例えば、ソース端末10における画像のサイズよりも区分画面領域のサイズが小さい場合、情報処理端末20は、その画像の一部分を切り出す。
【0050】
つまり、表示制御部212は、複数の他の端末から受信した画像データに基づく画像を、表示部の表示画面の、複数の他の端末の各々と対応付けられた複数の区分画面領域にそれぞれ表示する表示制御部の例である。
【0051】
受付部206は、各種の指示をするための操作ボタン、キーボード、タッチパネル等の操作子(図示せず)を備えており、ユーザによる操作を受付けてその操作内容に応じた信号を制御部200に送る。なお、受付部206の機能の一部、又は全部は、制御部200によって実現されてもよい。
【0052】
また、受付部206は、操作内容特定部207、及び位置情報検出部208を有する。
【0053】
受付部206が有する位置情報検出部208は、ユーザの操作で指示される画面上、又は画像上の位置を示す位置情報を検出する。位置情報検出部208は、例えば、上述したタッチパネルである。このタッチパネルは、透明な材質で形成され、表示部202の表示画面の上に重ねて配置されてもよい。
【0054】
なお、位置情報検出部208は、ユーザが意図する表示画面上の位置を検出できるものであればタッチパネルに限らない。位置情報検出部208は、例えば、マウス、ジョイスティック、トラックボール、ポインティングスティック等でもよい。位置情報検出部208は、検出した位置情報を操作内容特定部207に送る。
【0055】
受付部206が有する操作内容特定部207は、上述した操作子によって受付けられたユーザの操作を特定する。操作内容特定部207は、ユーザの操作に応じて操作子が発した信号を受信し、例えば、記憶部204に記憶された対応表を参照して、受信した信号のパターンから、ユーザが行った操作の内容を特定する。
【0056】
なお、操作内容特定部207は、上述した位置情報検出部208から受取った位置情報を用いて、ユーザから表示部202の画面上の位置の指定を受付ける。つまり、操作内容特定部207、及び位置情報検出部208を有するこの受付部206は、表示画面上の位置の指定を受付ける受付部の例である。
【0057】
ここで、上述した受付部206がユーザから表示部202の画面上の位置の指定を受付けるとともに、そのユーザの操作の内容を特定すると、表示制御部212は、特定された
この操作の内容に応じて表示部202の区分画面領域に表示されている画像を変化させる。例えば、ユーザの操作が、画像を拡大、縮小、回転、又はスクロールをさせるという内容である場合、表示制御部212は、この内容に応じて区分画面領域に表示されている画像を拡大、縮小、回転、又はスクロールをさせる。
【0058】
なお、ユーザの操作の内容の特定は、受付部206の操作内容特定部207が行っていたが、表示制御部212が行ってもよい。
【0059】
つまり、この表示制御部212は、受付部にて受付けた位置に基づいてユーザの操作内容を特定し、特定されたこの操作内容に基づいて、受付けた位置が属する区分画面領域に表示されている画像について、拡大、縮小、回転、又はスクロールを実行する表示制御部の例である。
【0060】
また、上述した受付部206がユーザから表示部202の画面上の位置の指定を受付けるとともに、そのユーザの操作の内容を特定すると、通信部201の送信部214は、指定された位置を示す位置情報を、その位置を含む区分画面領域に対応付けられたソース端末10に送信する。つまり、この送信部214は、位置情報を、特定された他の端末に送信する送信部の例である。
【0061】
記憶部204は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等の記憶手段であり、各種のプログラム、データ等を記憶する。
【0062】
また、記憶部204は、テーブル群を記憶する。
図3に示すこの記憶部204が記憶するテーブル群は、機能情報管理テーブルTb1、ウィンドウ定義テーブルTb2、画面割当てテーブルTb3、及び表示状態管理テーブルTb4である。
【0063】
<機能情報管理テーブル>
図4は、機能情報管理テーブルTb1の例を示す図である。
図4に示す機能情報管理テーブルTb1は、ソース端末10のそれぞれを識別する識別情報を記述した「ソース端末ID」の欄と、そのソース端末10の機能を記述した「機能情報」の欄とを対応付けて記憶する。
【0064】
「ソース端末ID」の欄は、例えば、ソース端末10のMAC(Media Access Control)アドレスが記述される。
【0065】
「機能情報」の欄は、「画像解像度」の項目と、「座標分解能」の項目とを含む。「画像解像度」の項目は、画像に関する情報のうち、例えば、走査方式におけるプログレッシブ又はインタレースの区別、有効垂直解像度等の情報を含む。
【0066】
「座標分解能」の項目は、例えば、画面内の縦、横に配列されたピクセルの数の情報を含む。なお、画像解像度のみの情報から、画像上の位置から一義的に画面(タッチパネル)上の位置が決定できる必要はない。これらの機能情報は、表示機能情報とも呼ばれる。
【0067】
機能情報管理テーブルTb1は、ソース端末10ごとに、そのソース端末10の画像解像度と座標分解能とを記憶する。したがって、この機能情報管理テーブルTb1を記憶部204に記憶する情報処理端末20は、ソース端末10のそれぞれの表示部102の画面において表示されている画像上の位置と、その画面上の位置との対応関係を特定することができる。つまり、機能情報管理テーブルTb1を記憶する記憶部204は、複数の他の端末の各々ついて、その端末の画面において表示されている画像上の位置とその画面上の位置との対応関係を示す表示機能情報を記憶する記憶部の例である。
【0068】
なお、この機能情報管理テーブルTb1は、情報処理端末20がソース端末10と接続する度に更新してもよい。この場合、情報処理端末20の制御部200は、ソース端末10との通信接続時に、そのソース端末10に対応付けて記憶されている表示機能情報を特定する。
【0069】
<ウィンドウ定義テーブル>
図5は、ウィンドウ定義テーブルTb2の例を示す図である。
図5に示すウィンドウ定義テーブルTb2は、「区分画面領域」の欄、「エリアの位置・形状・サイズ」の欄、及び「アクティブ/非アクティブ指定」の欄を対応付けて記憶する。
【0070】
「区分画面領域」の欄は、情報処理端末20の表示部202において区分された表示画面の区分画面領域のそれぞれに割当てられた識別情報(ここでは通し番号)を記憶する。
【0071】
「エリアの位置・形状・サイズ」の欄は、対応する通し番号で識別される区分画面領域の位置、形状、サイズの情報を記憶する。
【0072】
「アクティブ/非アクティブ指定」の欄は、対応する通し番号で識別される区分画面領域がアクティブであるか、非アクティブであるかの区別を記憶する。
【0073】
<画面割当てテーブル>
図6は、画面割当てテーブルTb3の例を示す図である。
図6に示す画面割当てテーブルTb3は、「区分画面領域」の欄と、「ソース端末ID」の欄とを対応付けて記憶する。画面割当てテーブルTb3における「区分画面領域」の欄は、ウィンドウ定義テーブルTb2における「区分画面領域」の欄に対応している。また、画面割当てテーブルTb3における「ソース端末ID」の欄は、機能情報管理テーブルTb1における「ソース端末ID」の欄に対応している。すなわち、画面割当てテーブルTb3によって、機能情報管理テーブルTb1と、ウィンドウ定義テーブルTb2とは、関連づけられる。
【0074】
<表示状態管理テーブル>
図7は、表示状態管理テーブルTb4の例を示す図である。
図7に示す表示状態管理テーブルTb4は、「区分画面領域」の欄と、「表示状態」の欄とを対応付けて記憶する。ここで表示状態管理テーブルTb4における「区分画面領域」の欄は、ウィンドウ定義テーブルTb2における「区分画面領域」の欄に対応している。
【0075】
図7に示す表示状態管理テーブルTb4における「表示状態」の欄は、「拡大・縮小率」、「画像の中心位置」、及び「向き」の項目を有する。
【0076】
「拡大・縮小率」の項目は、対応する通し番号で識別される区分画面領域に表示された画像の拡大率、又は縮小率を示す。この「拡大・縮小率」の項目は、例えば、ソース端末10における画像の大きさを基準にしたときの情報処理端末20における画像の大きさの割合を百分率で表した数値を記憶する。
【0077】
「画像の中心位置」の項目は、対応する通し番号で識別される区分画面領域において表示されている、ソース端末10の表示画面を示す画像(元画像ともいう)の中心位置を記憶する。
【0078】
「向き」の項目は、対応する通し番号で識別される区分画面領域に表示された画像の、元画像に対する向きを記憶する。例えば、区分画面領域に表示された画像の上下左右と、元画像の上下左右が一致している場合、この項目は「オリジナル」である。一方、区分画
面領域に表示された画像が、元画像を90度左回転させたものである場合、この項目は「90度左回転」である。
【0079】
<制御部の機能的構成>
図3に示す制御部200は、上述したプログラムを実行することにより、算出部209、モード切替部210、及び設定部211として機能する。
【0080】
制御部200により実現される設定部211は、受付部206がユーザから受付けた指示に応じて、上述した記憶部204に含まれるウィンドウ定義テーブルTb2を更新する。これにより、設定部211は、区分画面領域のそれぞれについて、アクティブであるか非アクティブであるかの指定を設定する。
【0081】
アクティブ指定がされた区分画面領域は、位置が指定された場合にその位置を示す位置情報の算出を実行する区分画面領域である。一方、非アクティブ指定がされた区分画面領域は、位置が指定された場合にその位置を示す位置情報の算出を実行しない区分画面領域である。
【0082】
つまり、この設定部211は、複数の区分画面領域のうち、位置が指定された場合に位置情報の算出を実行するアクティブ領域と、この算出を実行しない非アクティブ領域とを設定する設定部の例である。
【0083】
なお、アクティブであるか非アクティブであるかの指定は、上述した通り、区分画面領域ごとに行われてもよいが、一つの区分領域内にアクティブ・非アクティブがそれぞれ設定されてもよい。
【0084】
制御部200により実現されるモード切替部210は、受付部206がユーザの操作の内容を特定し、特定されたその操作の内容がモードの切替を示している場合に、表示のモードを切り替える。表示のモードは、非同期モード及び同期モードである。
【0085】
非同期モードは、ユーザからの指示に応じて、ソース端末10から受信した画像データに基づく画像に処理を施すとともに、受付けた位置に基づく位置情報をソース端末10に送信しないモードである。なお、表示制御部212は、上述した処理が施された画像、つまり、ユーザの操作内容が情報処理端末20の内部で直接反映された画像を表示部202に表示する。
【0086】
同期モードは、ソース端末10から受信した画像データに基づく画像に対し、ユーザからの指示に応じた処理を情報処理端末20の内部で直接反映させず、受付けた位置に基づく位置情報をソース端末10に送信するモードである。
【0087】
つまり、このモード切替部210は、ユーザからの指示に応じて、他の端末から受信した画像データに基づく画像に特定された操作内容が直接反映された画像を表示部に表示するとともに、受付けた位置に基づく位置情報を他の端末に送信しない非同期モードと、操作内容が直接反映されない画像を表示部に表示するとともに、受付けた位置に基づく位置情報を他の端末に送信する同期モードとを切り替える切り替え部の例である。
【0088】
このモード切替部210によるモードの切り替えにより、情報処理端末20は、自端末における表示画像に対してなされたタッチ、長押し、ピンチイン、ピンチアウト等の各種操作をソース端末10の画面で表示される画像に反映させる「完全ミラーリング」と、反映させない「不完全ミラーリング」と、を使い分けることができる。例えば、ソース端末10の処理結果を監視することが目的である場合は、同期モードを選択してソース端末1
0の画面に表示される内容と情報処理端末20の画面に表示された表示内容とをリアルタイムに同期させる一方、ソース端末10の画面に表示された内容をじっくり詳細に確認したい場合に非同期モードを選択し、拡大やスクロール等の操作を行って必要な確認をした後に再び同期モードに変更する、といった使用方法が考えられる。非同期モードでは、ソース端末10との間の通信を行う必要がないので、非同期モードに比べて、拡大やスクロール等の表示処理が高速化するため、操作レスポンスが向上する。このように、モードを適宜切り替える機能を設けることで、ユーザ利便性が向上する。
【0089】
図8は、表示部202の表示画面SCの構成例を示す図である。情報処理端末20の表示部202は、液晶ディスプレイ等の表示画面SCを有する。この表示画面SCは、情報処理端末20において実行されるアプリケーションプログラム自体に対しての指示を受け付ける領域ORと、ソース端末10で表示されている画像に対しての指示を受け付ける領域CRと、を有する。
図8に示す通り、2つのソース端末10を操作する場合に、領域CRは、区分画面領域CR1、及び区分画面領域CR2に区分される。
【0090】
領域ORは、モード切替ボタンIC1を有する。ユーザがこのモード切替ボタンIC1を押す操作をすると、受付部206は、この操作の内容を、「モードを切り替える操作」として特定する。これによりモード切替部210は、表示部202の表示のモードを切り替える。切り替えの対象となる表示は、全ての区分画面領域であってもよいし、直前に操作された区分画面領域であってもよい。また、この切り替えの対象となる表示は、上述した「アクティブ指定」がされた区分画面領域であってもよい。
【0091】
算出部209は、受付部206がユーザから表示部202の画面上の位置の指定を受付けると、記憶部204に記憶された上述のテーブル群を参照し、受付けた位置が属する区分画面領域に対応付けられたソース端末10を特定する。そして、この算出部209は、上述したテーブル群に基づいて、区分画面領域に表示されている画像上の、上述した位置に対応する、ソース端末10の画面上の位置を示す位置情報を算出する。
【0092】
つまり、この算出部209は、受付けた位置が属する区分画面領域に対応付けられた他の端末を特定し、この区分画面領域に表示されている画像上の位置に対応する、この特定された他の端末の画面上の位置を示す位置情報を算出する算出部の例である。
【0093】
また、記憶部204に記憶された上述のテーブル群のうち、いずれかは情報処理端末20がソース端末10と接続する度に更新されることがある。この場合、算出部209は、ソース端末10との通信接続時にその表示機能情報を特定し、その表示機能情報に基づいて、位置情報の算出を行う。すなわち、この算出部209は、通信接続時に特定された他の端末のそれぞれに対応付けて記憶されている表示機能情報に基づいて、その端末の画面上の位置を示す位置情報を算出する算出部の例である。
【0094】
図9は、ソース端末10の画像を区分画面領域に割当てた例を示す図である。上述した通り、領域CRは、区分画面領域CR1、及び区分画面領域CR2に区分されている。区分画面領域CR1の幅はW1で高さはH1である。また、区分画面領域CR2の幅はW2で高さはH2である。
【0095】
算出部209は、画面割当てテーブルTb3を参照して、各区分画面領域に対応付けられたソース端末10の識別情報(ソース端末ID)を特定する。また、算出部209は、機能情報管理テーブルTb1を参照して、ソース端末10のそれぞれの機能情報を特定する。
【0096】
そして、算出部209は、各ソース端末10に表示されている画像の大きさを、アスペ
クト比維持の有無、及び表示方向維持の有無に応じて、それぞれ対応する区分画面領域の高さ、幅に対応させ、その画像の代表の位置(ここでは中心座標)と拡大・縮小率を算出する。算出された代表の位置、及び拡大・縮小率は、表示状態管理テーブルTb4に記憶される。
【0097】
図9に示す区分画面領域CR1は、
図1に示すソース端末10Aに対応付けられている。例えば、アスペクト比を変えず、回転せずに(オリジナルの向きのまま)ソース端末10Aの画面上の画像の全体を区分画面領域CR1に表示させるように設定されている場合、まず、算出部209は、区分画面領域CR1の幅W1と高さH1のアスペクト比を算出するとともに、ソース端末10Aの機能情報から画像解像度を取得する。
【0098】
ここで、ソース端末10Aの画像解像度が「1080p」であるなら、画像のアスペクト比は16:9と特定される。算出部209は、このアスペクト比と、区分画面領域CR1のアスペクト比とを比較し、ソース端末10Aの画像が区分画面領域CR1に、例えば、ちょうど収まるように拡大・縮小率、及び代表位置を算出する。
【0099】
つまり、この算出部209は、各区分画面領域のサイズおよび形状に基づいて、画像データに基づく画像の縦横比を保ったまま、表示サイズおよび表示方向を決定する算出部の例である。
【0100】
算出部209は、ソース端末10Aの画像を区分画面領域CR1に表示させるにあたって、
図9に示すように高さCH1、幅CW1を算出し、拡大・縮小率、代表位置等を算出して、これらにより表示状態管理テーブルTb4を更新する。また、算出部209は、ウィンドウ定義テーブルTb2に、区分画面領域CR1内に表示される画像の位置・形状・サイズを記憶してもよい。
【0101】
これにより、算出部209は、受付部206がユーザから表示部202の画面上の位置の指定を受付けたときに、その位置に対応する、ソース端末10の画面上の位置を示す位置情報を算出することができる。
【0102】
上述の例で算出部209は、ソース端末10の画面上の画像の全体を対応する区分画面領域に表示させる設定のとき、その区分画面領域に全体が表示される最大の拡大・縮小率を算出したが、他の設定のときに異なる数値を算出してもよい。例えば、算出部209は、拡大・縮小率が決められている場合、それに応じた表示位置を算出してもよい。また、ソース端末10におけるオリジナルの画像のサイズをそのまま用いる設定がされている場合、算出部209は、それに応じた表示位置を算出してもよい。また、縦、横のうち、いずれか一方を優先するように設定されている場合、算出部209は、優先されている方の長さが区分画面領域の長さに合う最大の拡大・縮小率を算出してもよい。
【0103】
また、算出部209は、受付部206の操作内容特定部207において特定された操作内容に応じて、区分画面領域に表示させる画像の拡大・縮小率、代表位置等を算出する。
【0104】
図10は、区分画面領域CR1に表示される画像GR1の例を示す図である。算出部209は、ソース端末10Aの画像GR1を、アスペクト比を変えず、かつ、回転させずに区分画面領域CR1に表示させる場合、その指示に応じた拡大・縮小率、代表位置等を算出する。その結果、情報処理端末20は、
図10の(a)に示したように画像GR1を区分画面領域CR1に表示させる。
【0105】
例えば、受付部206がユーザからピンチイン操作を受付けた場合、算出部209は、その操作に応じた拡大・縮小率で代表位置を算出する。ピンチイン操作とは、画面をつま
むようにして複数本の指を近づける操作である。その結果、情報処理端末20は、
図10の(b)に示したように画像GR1を区分画面領域CR1に表示させる。
【0106】
また、例えば、受付部206がユーザから下向きのフリック操作を受付けた場合、算出部209は、その操作に応じて代表位置を算出する。その結果、情報処理端末20は、
図10の(c)に示したように画像GR1を区分画面領域CR1の下端まで移動させて表示させる。
【0107】
また、例えば、受付部206がユーザから左90度回転のジェスチャー操作を受付けた場合、算出部209は、その操作に応じて拡大・縮小率、代表位置等を算出する。その結果、情報処理端末20は、
図10の(d)に示したように画像GR1をオリジナルの向きに対して90度だけ左向きに回転させて区分画面領域CR1の大きさに合うように拡大、縮小して表示させる。
【0108】
また、例えば、受付部206がユーザからピンチアウト操作を受付けた場合、算出部209は、その操作に応じた拡大・縮小率で代表位置を算出する。ピンチアウト操作とは、画面上の操作対象を広げるように複数本の指を離していき、画面を拡大させる操作である。その結果、情報処理端末20は、
図10の(e)に示したように画像GR1を
図10の(a)に示したよりも拡大させて区分画面領域CR1に表示させる。
【0109】
ここで、例えば、受付部206がユーザから左向きのフリック操作を受付けた場合、算出部209は、その操作に応じて代表位置を算出する。その結果、情報処理端末20は、
図10の(f)に示したように画像GR1を左にスクロールさせる。画像GR1のスクロールは、その右端が区分画面領域CR1の右端に現れると停止される。
【0110】
<情報処理システムの接続時の動作>
図11は、情報処理システム100の接続時の動作の例を示すシーケンス図である。複数のソース端末10は、それぞれ自端末の識別情報を含む無線信号を発信する(ステップS601)。遠隔操作端末である情報処理端末20は、この無線信号を受信し、これを発信したソース端末10に向けて接続を要求する(ステップS602)。
【0111】
情報処理端末20は、ソース端末10の識別情報であるソース端末IDを確認し(ステップS603)、機能情報管理テーブルTb1から機能情報(表示機能情報)を読み出す(ステップS604)。
【0112】
例えば、機能情報管理テーブルTb1にソース端末10の機能情報が記憶されていない場合、情報処理端末20は、ソース端末10に機能情報を要求する(ステップS605)。ソース端末10は、この要求に応じて情報処理端末20に機能情報を送信する(ステップS606)。これにより、情報処理端末20、及びソース端末10は、互いに画像、音声、動画等を共有する接続を確立する(ステップS607)。
【0113】
<情報処理端末の画像処理の動作>
図12は、情報処理端末20の画像処理の動作の流れの例を示すフロー図である。情報処理端末20の制御部200は、受付部206を監視してユーザのタッチ操作を検知したか否かを判断する(ステップS502)。制御部200は、タッチ操作を検知していないと判断する間(ステップS502;NO)、この判断を続ける。
【0114】
一方、タッチ操作を検知したと判断した場合(ステップS502;YES)、制御部200は、ユーザにタッチされた位置が操作アイコン(モード切替ボタンIC1等)を指定するものであるか否かを判断する(ステップS504)。タッチされた位置が操作アイコ
ンを指定するものであると判断した場合(ステップS504;YES)、制御部200は、タッチされた各操作アイコンに応じた処理を行い(ステップS506)、処理をステップS502に戻す。
【0115】
一方、タッチされた位置が操作アイコンを指定するものではない、と判断した場合(ステップS504;NO)、制御部200は、タッチされたその位置がアクティブ領域内であるか否かを判断する(ステップS508)。タッチされた位置がアクティブ領域内でないと判断した場合(ステップS508;NO)、制御部200は、ユーザのタッチ操作を無視し(ステップS510)、処理をステップS502に戻す。
【0116】
なお、ステップS510において、制御部200は、タッチされた領域をアクティブ指定にしてもよい。この場合、情報処理端末20は、タッチ等により位置が指定された非アクティブ領域をアクティブ領域に変更する。つまり、この情報処理端末20は、非アクティブ領域内の位置が指定された場合、その非アクティブ領域をアクティブ領域に変更する設定部の例である。これにより、情報処理端末20は、タッチ等の簡単な操作で、領域を非アクティブからアクティブに切り替えることができる。
【0117】
この場合、位置が指定された非アクティブ領域がアクティブ領域に変更される直前までアクティブ領域であった他の区分画面領域は、非アクティブ領域に変更されてもよい。
【0118】
タッチされた位置がアクティブ領域内である、と判断する場合(ステップS508;YES)、制御部200は、そのタッチされた位置を含む区分画面領域に同期モードが設定されているか否かを判断する(ステップS512)。
【0119】
タッチされた位置を含む区分画面領域に同期モードが設定されている、と判断する場合(ステップS512;YES)、制御部200は、タッチされたその位置を示す位置情報の変換を行う(ステップS514)。すなわち、制御部200は、記憶部204のテーブル群を参照して、ユーザによりタッチされたその位置の表示部202における位置情報を、ソース端末10の表示部102における位置情報に変換する。そして、制御部200は、通信部201の送信部214からソース端末10へ、変換した位置情報の送信を行う(ステップS516)
【0120】
タッチされた位置を含む区分画面領域に同期モードが設定されていない、と判断する場合(ステップS512;NO)、制御部200は、受付けた操作内容の特定を行い(ステップS518)、その操作内容に応じた描画処理を行う(ステップS520)。
【0121】
図13は、位置情報変換処理の動作の流れの例を示すフロー図である。情報処理端末20の制御部200は、記憶部204に記憶されたテーブル群を参照し、例えば、ユーザから受付けた操作によって指定される、情報処理端末20の表示部202の表示画面上の位置を特定する(ステップS702)。次に制御部200は、特定した位置を、この位置が属する区分画面領域内で定義された座標に変換する(ステップS704)。
【0122】
さらに制御部200は、上述した位置を変換した座標を、区分画面領域に表示されている画像(つまりコンテンツ)上の位置に変換する(ステップS706)。そして、制御部200は、その画像上の位置をソース端末10の画面上の位置に変換する(ステップS708)。
【0123】
これにより、情報処理端末20は、ユーザから受付けた操作が示す位置を、ソース端末10の画面上の位置に変換する。したがって、情報処理端末20から変換された位置の情報を受けたソース端末10は、情報処理端末20のユーザが指定した位置を、あたかもソ
ース端末10で指定されたかのように取り扱うことができる。
【0124】
以上、説明した構成により情報処理システム100は、ソース端末10のそれぞれの画面にて表示されているコンテンツ(静止画、動画)を情報処理端末20(遠隔操作端末)にて再現するとともに、情報処理端末20にて入力された操作内容をソース端末10上で再現することができる。
【0125】
特に、複数のソース端末10のそれぞれの画面と、情報処理端末20の画面とで、サイズや形状(縦横比)等の表示機能上の違いがあっても、情報処理端末20は、ソース端末10の画像を適切に表示することができる。また、情報処理端末20で入力された操作は、ソース端末10で適切に反映される。
【0126】
また、ソース端末10は、コンテンツの出力機能と変換された位置情報とを受信する機能を備えていれば、情報処理端末20から受信した位置情報を、自端末の画面(ソース端末10がドングル等である場合には、自端末が直接、接続された表示装置の画面)に対してなされたタッチ操作やマウス等による操作が示す位置情報と同等に扱うことができる。
【0127】
<変形例>
制御部110、及び制御部200は、汎用的なプロセッサであるCPUを有していたが、他のプロセッサを有してもよい。ここで用いられる他のプロセッサは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、他のプログラマブル論理デバイスであってもよい。
【0128】
上述した実施形態において、制御部200は、算出部209として機能していたが、表示制御部212が算出部209として機能してもよい。この場合、この表示制御部212は、各区分画面領域のサイズおよび形状に基づいて、画像データに基づく画像の縦横比を保ったまま、表示サイズおよび表示方向を決定する表示制御部の例である。
要するに、本発明に係る情報処理システムにおいて、表示部を有するコンピュータと一以上の他の端末とが接続され、前記1以上の他の端末の画面に表示されている画像を示す画像データを受信するステップと、前記1以上の他の端末から受信した画像データに基づく画像を、前記表示部の表示画面の、前記1以上の他の端末の各々と対応付けられた区分画面領域にそれぞれ表示するステップと、前記表示画面上の位置の指定を受付けるステップと、該受付けた位置が属する区分画面領域に対応付けられた他の端末を特定し、当該区分画面領域に表示されている画像上の位置に対応する、該特定された他の端末の画面上の位置を示す位置情報を算出するステップと、前記位置情報を、該特定された他の端末に送信するステップとが実行されていればよい。
【0129】
また、上述した算出部209として機能する場合、この表示制御部212は、通信接続時に特定された各他の端末に対応付けて記憶されている表示機能情報に基づいて、位置情報の算出を行う表示制御部の例である。
【0130】
上述した実施形態、又は変形例において、制御部200は、例えば、ソース端末10との通信接続時に、機能情報管理テーブルTb1を参照し、そのソース端末10の表示機能情報を特定していた。しかし、制御部200は、ソース端末10との通信接続時に、そのソース端末10に表示機能情報を要求してもよい。また、制御部200は、ソース端末10から受信する画像データのデータ量に基づいて、そのソース端末10の表示機能情報を決定してもよい。
【0131】
この決定は、表示制御部212が行ってもよい。つまり、この場合、表示制御部212は、他の端末から受信した画像データのデータ量に基づいて、表示部に表示される画像の
サイズ、又は解像度を決定する表示制御部の例である。
【0132】
例えば、情報処理端末20は、動画のストリーミング再生を行う場合等において、ソース端末10から単位時間当たりに受信する画像データの送料が所定値に達したら、そのソース端末10に対応する区分画面領域に表示する画像の解像度を下げてもよい。この場合、情報処理端末20は、画像処理の負荷が軽減される。
【0133】
上述した実施形態において、2つのソース端末10を操作する場合に、領域CRは、左右に配置された区分画面領域CR1、及び区分画面領域CR2に区分されていた。しかし、情報処理端末20の表示部202に定められた領域CRに割当てられるソース端末10の数は2つに限らない。
【0134】
情報処理端末20は、1つのソース端末10を1つの領域CRに割当ててもよい。この場合、領域CRは分割(区分)されることなく、そのまま1つのソース端末10に割当てられる。また、情報処理端末20は、領域CRをソース端末10の数だけ区分して、3つ以上のソース端末10を割当ててもよい。
【0135】
また、領域CRを複数の区分画面領域に区分する場合、それぞれの区分画面領域は、様々に配置され得る。
【0136】
図14は、ソース端末10の画像を区分画面領域に割当てた他の構成例を示す図である。情報処理端末20は、複数の区分画面領域を横に配置するのではなく、
図14の(a)に示すように、一方が他方に包含されるように配置してもよい。
図14の(a)に示す例で、区分画面領域CR2は、区分画面領域CR1に包含されている。この例において、区分画面領域CR1と区分画面領域CR2とは、いわゆる「親子」の配置関係となっている。また、区分画面領域は、完全分離の配置、包含の配置に限らず、一部が重複した配置(いわゆる「オーバーラップ」の配置)であってもよい。ある区分画面領域が他の区分画面領域と重複、又は包含関係にあるとき、アクティブ、非アクティブの指定は、区分画面領域内の特定の領域に設定されてもよい。
【0137】
また、情報処理端末20は、領域CRをソース端末10の数以上に区分して、区分したそれらの区分画面領域にソース端末10を割当ててもよい。換言すると、接続しているいずれのソース端末の画面も表示されない領域が、領域CR内に設定されてもよい。例えば、情報処理端末20は、
図14の(b)に示すように、領域CRを3つの区分画面領域CR1、CR2、CR3に区分し、そのうちの2つにソース端末10を割当ててもよい。例えば、ソース端末10Aが区分画面領域CR1に、ソース端末10Bが区分画面領域CR2に割当てられると、区分画面領域CR3は、いずれのソース端末10にも割当てられていない領域となる。この区分画面領域CR3は、ソース端末10が割当てられていないため、ユーザの操作が行われても、その操作が反映されるソース端末10が存在しない。
【0138】
また、ソース端末10が割当てられない区分画面領域を、ソース端末10が割当てられる区分画面領域同士の間に配置してもよい。例えば、情報処理端末20は、
図14の(d)に示すように、区分画面領域CR1と区分画面領域CR2との間に、いずれのソース端末10にも割当てられていない区分画面領域CR3を配置する。これにより、一方の区分画面領域に対して行ったスワイプ操作等が、他の区分画面領域に侵入して誤認識される可能性が低減される。
【0139】
例えば、
図14の(d)に示す画面において情報処理端末20が、区分画面領域CR1に触れたユーザの指を検知したとする。この指が区分画面領域CR1から区分画面領域CR3を経由して区分画面領域CR2まで移動したことを検知した場合、情報処理端末20
の制御部200は、(1)区分画面領域CR1への指の接触開始を検知し、(2)区分画面領域CR3内を触れたまま横切る指を検知し、(3)区分画面領域CR3との境界から区分画面領域CR2に入った指を検知する。この検知の順序とそれぞれの時間との組合せからなるパターンを予め決められた条件と照合し、制御部200は、区分画面領域CR2に対する操作を無効として、区分画面領域CR1への操作のみを有効と判断してもよい。
【0140】
つまり、いずれのソース端末10にも割当てられていない区分画面領域を設けて、操作を受け付ける画面領域を制限することで、情報処理端末20は、スワイプ操作時等の誤操作を防止することができる。
【0141】
上述した情報処理端末20の制御部200により実行されるプログラムは、磁気テープ及び磁気ディスク等の磁気記録媒体、光ディスク等の光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の、コンピュータ装置が読取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムは、インターネット等の通信回線経由でダウンロードされてもよい。
【0142】
この制御部200により実行されるプログラムは、表示部を有するコンピュータに、1以上の他の端末の画面に表示されている画像を示す画像データを受信するステップと、1以上の他の端末から受信した画像データに基づく画像を、表示部の表示画面の、1以上の他の端末の各々と対応付けられた複数の区分画面領域にそれぞれ表示するステップと、表示画面上の位置の指定を受付けるステップと、受付けた位置が属する区分画面領域に対応付けられた他の端末を特定し、区分画面領域に表示されている画像上の位置に対応する、特定された他の端末の画面上の位置を示す位置情報を算出するステップと、位置情報を、特定された他の端末に送信するステップと、を実行させるためのプログラムの例である。
【符号の説明】
【0143】
10(10A、10B)…ソース端末、100…情報処理システム、101…通信部、102…表示部、103…放音部、104…記憶部、105…音声制御部、106…表示制御部、107…入力部、108…操作内容特定部、109…位置情報検出部、110…制御部、20…情報処理端末、200…制御部、201…通信部、202…表示部、203…放音部、204…記憶部、205…音声制御部、206…受付部、207…操作内容特定部、208…位置情報検出部、209…算出部、210…モード切替部、211…設定部、212…表示制御部、213…受信部、214…送信部、Tb1…機能情報管理テーブル、Tb2…ウィンドウ定義テーブル、Tb3…画面割当てテーブル、Tb4…表示状態管理テーブル。