(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046682
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】安全パラメータを設定する装置、教示装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20240327BHJP
B25J 9/22 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
B25J19/06
B25J9/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024022033
(22)【出願日】2024-02-16
(62)【分割の表示】P 2022113443の分割
【原出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】大島 尚
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 豪
(57)【要約】
【課題】従来、専門知識を有するオペレータが安全機能のための安全パラメータを1つずつ最初から設定する必要があった所、このような安全パラメータの設定作業を簡単化することが求められている。
【解決手段】装置70は、産業機械36による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定するパラメータ設定部66と、予め用意された安全パラメータのサンプルを記憶する記憶部52と、記憶部52に記憶されたサンプルを選択するための入力を受け付ける入力受付部62と、選択されたサンプルを記憶部52から読み出してパラメータ設定部66へインポートするインポート部68とを備え、パラメータ設定部66は、インポートされたサンプルを、新たな安全パラメータとして設定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定するための装置であって、
複数種の前記安全パラメータのサンプルをセットで格納した複数のサンプルセットを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記複数のサンプルセットのうちの1つを選択するための第1の入力と、選択された該サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するための第2の入力と、を受け付ける入力受付部と、を備える、装置。
【請求項2】
前記安全パラメータは、前記機械の動作を制限する制限パラメータと、前記機械のモデルデータと、を有し、
1つの前記サンプルセットには、前記制限パラメータの前記サンプルとしての制限値サンプルと、前記モデルデータの前記サンプルとしてのモデルサンプルと、がセットで格納される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つのサンプルセットには、さらに、異なる複数の前記制限値サンプルを組み合わせて格納した複合サンプルが、セットで格納される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ロボットと周辺装置による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定するための装置であって、
複数種の前記安全パラメータのサンプルをセットで格納したサンプルセットを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記サンプルセットを選択するための第1の入力と、選択された該サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するための第2の入力と、を受け付ける入力受付部と、を備え、
1つの前記サンプルセットには、
前記ロボットの動作を制限するための制限値サンプル、及び、前記周辺装置の動作を制限するための制限値サンプルの少なくとも一方と、
前記ロボットのモデルサンプル、及び、前記周辺装置のモデルサンプルの少なくとも一方と、
が、セットで格納される、装置。
【請求項5】
機械による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定するための装置であって、
複数種の前記安全パラメータのサンプルをセットで格納したサンプルセットを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記サンプルセットを選択するための第1の入力と、選択された該サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するための第2の入力と、を受け付ける入力受付部と、
前記サンプルセットを選択するためのサンプルセット選択画像を生成する画像生成部と、を備え、
前記サンプルセット選択画像は、前記記憶部に格納された複数の前記サンプルセットに関連付けられたサンプルセット選択ボタン画像を含み、
前記入力受付部は、前記サンプルセット選択ボタン画像に対する入力操作を、前記第1の入力として受け付ける、装置。
【請求項6】
前記画像生成部は、前記入力受付部が前記第1の入力を受け付けたときに、該第1の入力によって選択された前記サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するためのサンプル選択画像をさらに生成し、
前記サンプル選択画像は、前記格納されたサンプルを選択するためのサンプル選択ボタン画像を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記サンプル選択画像は、
前記サンプル選択ボタン画像を表示する画像領域と、
前記機械をモデル化した機械モデルの画像を表示する画像領域と、を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記安全パラメータを設定する機能を実行するパラメータ設定部と、
前記入力受付部が受け付けた前記第2の入力によって選択された前記サンプルを、前記記憶部から読み出して、前記パラメータ設定部の前記機能へインポートするインポート部と、をさらに備え、
前記パラメータ設定部は、インポートされた前記サンプルを、新たな前記安全パラメータとして設定する、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記サンプルセットに格納された前記サンプルは、第1のフォーマットのデータとして作成され、
前記インポート部は、前記第2の入力によって選択された前記サンプルを、前記第1のフォーマットから第2のフォーマットへ変換して、前記機能へインポートする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
機械による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定するための装置であって、
複数種の前記安全パラメータのサンプルをセットで格納したサンプルセットを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記サンプルセットを選択するための第1の入力と、選択された該サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するための第2の入力と、を受け付ける入力受付部と、
前記安全パラメータを設定する機能を実行するパラメータ設定部と、
前記入力受付部が受け付けた前記第2の入力によって選択された前記サンプルを、前記記憶部から読み出して、前記パラメータ設定部の前記機能へインポートするインポート部と、を備え、
前記パラメータ設定部は、インポートされた前記サンプルを、新たな前記安全パラメータとして設定し、
前記サンプルセットは、前記記憶部の第1の記憶領域に記憶され、
前記パラメータ設定部は、設定した前記新たな安全パラメータを、前記記憶部の、前記第1の記憶領域とは別の第2の記憶領域に記憶する、装置。
【請求項11】
前記記憶部は、異なる組み合わせの前記サンプルのセットを各々格納した複数の前記サンプルセットを記憶する、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
機械による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定するための装置であって、
複数種の前記安全パラメータのサンプルをセットで格納したサンプルセットを記憶する記憶部であって、異なる組み合わせの前記サンプルのセットを各々格納した複数の前記サンプルセットを記憶する、記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記サンプルセットを選択するための第1の入力と、選択された該サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するための第2の入力と、を受け付ける入力受付部と、を備え、
前記安全パラメータは、前記機械のモデルデータを有し、
第1の前記サンプルセットには、前記モデルデータの前記サンプルとして、第1種のエンドエフェクタのモデルサンプルが格納され、
第2の前記サンプルセットには、前記モデルデータの前記サンプルとして、第2種のエンドエフェクタのモデルサンプルが格納される、装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の装置を備える、教示装置。
【請求項14】
機械による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定する方法であって、
複数種の前記安全パラメータのサンプルをセットで格納した複数のサンプルセットを取得するステップと、
前記複数のサンプルセットのうちの1つを選択するための第1の入力と、選択された該サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するための第2の入力と、を受け付けるステップと、を備える、方法。
【請求項15】
前記安全パラメータは、前記機械の動作を制限する制限パラメータと、前記機械のモデルデータと、を有し、
1つの前記サンプルセットには、前記制限パラメータの前記サンプルとしての制限値サンプルと、前記モデルデータの前記サンプルとしてのモデルサンプルと、がセットで格納される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つのサンプルセットには、さらに、異なる複数の前記制限値サンプルを組み合わせて格納した複合サンプルが、セットで格納される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ロボットと周辺装置による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定する方法であって、
複数種の前記安全パラメータのサンプルをセットで格納したサンプルセットを取得するステップと、
前記サンプルセットを選択するための第1の入力と、選択された該サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するための第2の入力と、を受け付けるステップと、を備え、
1つの前記サンプルセットには、
前記ロボットの動作を制限するための制限値サンプル、及び、前記周辺装置の動作を制限するための制限値サンプルの少なくとも一方と、
前記ロボットのモデルサンプル、及び、前記周辺装置のモデルサンプルの少なくとも一方と、
が、セットで格納される、方法。
【請求項18】
機械による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定する方法であって、
複数種の前記安全パラメータのサンプルをセットで格納したサンプルセットを取得するステップと、
前記サンプルセットを選択するための第1の入力と、選択された該サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するための第2の入力と、を受け付けるステップと、
前記サンプルセットを選択するためのサンプルセット選択画像を生成するステップと、を備え、
前記サンプルセット選択画像は、複数の前記サンプルセットに関連付けられたサンプルセット選択ボタン画像を含み、
前記サンプルセット選択ボタン画像に対する入力操作を、前記第1の入力として受け付ける、方法。
【請求項19】
前記第1の入力を受け付けたときに、該第1の入力によって選択された前記サンプルセットに格納された前記サンプルを選択するためのサンプル選択画像を生成するステップをさらに備え、
前記サンプル選択画像は、前記格納されたサンプルを選択するためのサンプル選択ボタン画像を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記サンプル選択画像は、
前記サンプル選択ボタン画像を表示する画像領域と、
前記機械をモデル化した機械モデルの画像を表示する画像領域と、を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の入力によって選択された前記サンプルを、前記安全パラメータを設定する機能へインポートするステップと、
前記機能を実行することで、インポートされた前記サンプルを、新たな前記安全パラメータとして設定するステップと、をさらに備える、請求項14~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
請求項14~21のいずれか1項に記載の方法をプロセッサに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、安全パラメータを設定する装置、教示装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットの作業の安全性を確保するための安全機能が実装されたシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、専門知識を有するオペレータが、新たな機械システムを構築するときに、安全機能のための安全パラメータを、1つずつ最初から設定する必要があった。このような安全パラメータの設定作業を簡単化することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様において、装置は、機械による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定するパラメータ設定部と、予め用意された安全パラメータのサンプルを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたサンプルを選択するための入力を受け付ける入力受付部と、入力受付部を通して選択されたサンプルを記憶部から読み出してパラメータ設定部へインポートするインポート部とを備える。パラメータ設定部は、インポートされたサンプルを、新たな安全パラメータとして設定する。
【0006】
本開示の一態様において、機械による作業の安全性を確保するための安全パラメータを設定する方法は、予め用意された安全パラメータのサンプルを記憶部に記憶し、プロセッサが、安全パラメータを設定する機能を実行し、記憶部に記憶されたサンプルを選択するための入力を受け付け、入力によって選択されたサンプルを記憶部から読み出して機能にインポートし、インポートされたサンプルを、新たな安全パラメータとして設定する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、オペレータは、予め用意されたサンプルの中から、実機の機械に応じて所望のサンプルを選択するだけで、該機械のための安全パラメータの枠組みを簡単に構築することができる。したがって、安全パラメータを1つずつ最初から設定する従来の方法と比べて、安全パラメータの設定に要する作業を大幅に簡単化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1に示す機械システムのブロック図である。
【
図5】複合サンプルに格納された複数の制限領域の一例を示す。
【
図17】一実施形態に係るネットワークシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する種々の実施形態において、同様の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。まず、
図1及び
図2を参照して、一実施形態に係る機械システム10について説明する。機械システム10は、ワークに対して所定の作業(ワークハンドリング、加工、溶接等)を行う。
【0010】
具体的には、機械システム10は、ロボット12、周辺装置14、制御装置16、及び教示装置18を備える。本実施形態においては、ロボット12は、垂直多関節型ロボットであって、ロボットベース20、旋回胴22、下腕部24、上腕部26、手首部28、及びエンドエフェクタ30を有する。
【0011】
ロボットベース20は、作業セルの床の上に固定される。旋回胴22は、鉛直軸周りに回動可能となるようにロボットベース20に設けられている。下腕部24は、水平軸周りに回動可能となるように旋回胴22に設けられている。上腕部26は、下腕部24の先端部に回動可能に設けられている。手首部28は、上腕部26の先端部に回動可能に設けられている。
【0012】
エンドエフェクタ30は、手首部28の先端部(いわゆる、手首フランジ)に着脱可能に取り付けられる。エンドエフェクタ30は、例えば、ワークを把持可能なロボットハンド、ワークを溶接する溶接トーチ若しくは溶接ガン、又はワークを加工する工具等であって、ワークに対して作業(ワークハンドリング、溶接、加工)を実行する。
【0013】
ロボットベース20、旋回胴22、下腕部24、上腕部26、及び手首部28には、複数のサーボモータ(図示せず)がそれぞれ設けられ、これらサーボモータは、制御装置16からの指令に応じてロボット12の各可動要素(すなわち、旋回胴22、下腕部24、上腕部26、手首部28)を回動させ、これによりエンドエフェクタ30を任意の位置へ移動させる。
【0014】
ロボット12には、ロボット座標系Cが設定される。ロボット座標系Cは、ロボット12の各可動要素を自動制御するための座標系である。本実施形態においては、ロボット座標系Cは、その原点がロボットベース20の中心に配置され、そのz軸が旋回胴22の旋回軸に一致するように、ロボット12に対して設定されている。
【0015】
周辺装置14は、ロボット12の周囲に配置されている。周辺装置14は、例えば、ワークを一方向へ搬送するコンベア、又は、設置されたワークをロボット座標系Cのx-y平面内で移動させるワークテーブル装置であって、作業セルに固定された土台部32と、該土台部32に可動に設けられた可動部34と、該可動部34を駆動するサーボモータ(図示せず)を有する。
【0016】
周辺装置14は、制御装置16からの指令に応じてサーボモータを駆動することで可動部34を移動し、これにより、ロボット12とは異なる作業(ワーク搬送作業等)をワークに対して実行する。こうして、ロボット12と周辺装置14とは、互いに協働してワークに対する作業を行う。よって、ロボット12及び周辺装置14は、ワークに対する作業を行う機械36(具体的には、産業用機械)を構成する。
【0017】
制御装置16は、機械36(ロボット12及び周辺装置14)の動作を制御する。具体的には、制御装置16は、プロセッサ(CPU、GPU等)、及び記憶部(ROM、RAM)等を有するコンピュータである。制御装置16のプロセッサは、動作プログラムOPに従って機械36(ロボット12及び周辺装置14)の各サーボモータへの指令を生成し、該機械36を動作させる。
【0018】
教示装置18は、機械36の動作を教示する。具体的には、
図2に示すように、教示装置18は、プロセッサ50、記憶部52、I/Oインターフェース54、入力装置56、及び表示装置58を有するコンピュータである。プロセッサ50は、CPU又はGPU等を有し、記憶部52、I/Oインターフェース54、入力装置56、及び表示装置58と、バス60を介して通信可能に接続され、これらコンポーネントと通信しつつ、後述する安全パラメータを設定するための演算処理を行う。
【0019】
記憶部52は、RAM又はROM等を有し、プロセッサ50が実行する演算処理で利用される各種データ、及び演算処理の途中で生成される各種データを、一時的又は恒久的に記憶する。I/Oインターフェース54は、例えば、イーサネット(登録商標)ポート、USBポート、光ファイバコネクタ、又はHDMI(登録商標)端子を有し、プロセッサ50からの指令の下、外部機器との間でデータを有線又は無線で通信する。
【0020】
本実施形態においては、制御装置16は、I/Oインターフェース54に通信可能に接続されている。入力装置56は、押しボタン、キーボード、マウス、又はタッチパネル等を有し、オペレータからデータ入力を受け付ける。表示装置58は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を有し、各種データを視認可能に表示する。
【0021】
ここで、機械36が作業を実行しているときに、該作業の安全性を確保するために、機械36(例えば、ロボット12)の動作を制限する安全機能を実行する場合がある。このような安全機能のために、機械36に対して安全パラメータSPが設定される。安全パラメータSPは、機械36(例えば、ロボット12)の制限領域RE及び制限速度V等を定めた制限パラメータRPと、機械36(ロボット12)のモデルデータMDとを有する。
【0022】
以下、
図3及び
図4を参照して、制限パラメータRPについて説明する。
図3は、作業中にロボット12の進入を許可する制限領域RE1を示す。ロボット12に対して制限領域RE1が設定された場合、ロボット12は、監視対象として設定された部位(例えば、エンドエフェクタ30)を、制限領域RE1の内側で移動させる動作は許可される一方、制限領域RE1の外側へ移動させる動作は禁止される。仮に、作業中にロボット12が監視対象の部位を制限領域RE1の外側へ移動させた場合、制御装置16は、ロボット12を緊急停止させる。
【0023】
代替的には、制御装置16は、作業中にロボット12が監視対象の部位を制限領域RE1の外側へ移動させた場合に、ロボット12(具体的には、監視対象の部位)の動作速度Vを、作業時の所要値として定められた通常速度V0から、より低い制限速度V1(<V0)へ減少させるとともに、監視対象の部位を所定の退避経路PTに沿って退避させてもよい。
【0024】
図4は、作業中にロボット12の進入を禁止する制限領域RE2を示す。ロボット12に対して制限領域RE2が設定された場合、ロボット12は、監視対象の部位を、制限領域RE2の内側へ移動させる動作は禁止される一方、制限領域RE2の外側で移動させる動作は許可される。
【0025】
作業中にロボット12が監視対象の部位を制限領域RE2の内側へ移動させた場合、制御装置16は、ロボット12を緊急停止させるか、又は、ロボット12の動作速度Vを、通常速度V0から制限速度V1へ減少させるとともにロボット12を退避経路PTに沿って退避させる。なお、制限領域RE1及びRE2の各々は、ロボット座標系Cの一群の座標P1(x1,y1、z1)、P2(x2,y2、z2)、・・・Pn(xn,yn、zn)として、定められ得る。
【0026】
一方、制限領域RE(RE1又はRE2)とは別に、ロボット12に対し、作業中の最大許容速度を定めた制限速度V2が設定される。例えば、制御装置16は、監視対象として設定されたロボット12の部位(エンドエフェクタ30)が制限速度V2を超えた場合、該ロボット12を緊急停止させる。代替的には、制御装置16は、監視対象の部位が制限速度V2を超えた場合に、監視対象の部位の動作速度Vを、制限速度V2以下に低減させてもよい。これら制限領域RE1及びRE2、制限速度V1及びV2、退避経路PTは、制限パラメータRPを構成する。
【0027】
モデルデータMDは、制限パラメータRPの監視対象とする機械36を設定するためのものであって、機械36の種類、寸法、又は仕様等を示す機械情報MD1、及び、機械36(ロボット12、周辺装置14)をモデル化した機械モデルMD2等を含む。
【0028】
具体的には、ロボット12の機械情報MD1は、ロボット12の本体(ロボットベース20、旋回胴22、下腕部24、上腕部26、及び手首部28の組立体)の種類を識別する識別番号ID(製品番号等)を含む。また、ロボット12の機械情報MD1は、ロボット12の本体の仕様として、ロボット座標系Cの原点から、ロボット12がエンドエフェクタ30を到達させることができる最大到達点までの距離(すなわち、最大到達距離)dMAXを含む。
【0029】
また、ロボット12の機械情報MD1は、エンドエフェクタ30の種類、仕様、寸法、又はエンドエフェクタ取付位置の情報を含んでもよい。一方、機械モデルMD2は、ロボット12の本体の機械モデルMD2_1と、エンドエフェクタ30の機械モデルMD2_2とを含む。ロボット12の本体の機械モデルMD2_1は、ロボット12の本体の図面データMD2_1A(例えば、3次元CADデータ)、及び該本体の監視対象を表す監視モデルMD2_1Bの少なくとも一方を含む。監視モデルMD2_1Bは、ロボット12の本体の部位(例えば、手首部)を包含するように該本体に設定され、監視対象とする該本体の部位を概略的に示すためのデータである。
【0030】
また、エンドエフェクタ30の機械モデルMD2_2は、エンドエフェクタ30の図面データMD2_2A(例えば、3次元CADデータ)、及び該エンドエフェクタ30の監視対象を表す監視モデルMD2_2Bの少なくとも一方を含む。監視モデルMD2_2Bは、ロボット12のエンドエフェクタ30の部位(例えば、指部又は吸着部)を包含するように該エンドエフェクタ30に設定され、監視対象とする該エンドエフェクタ30の部位を概略的に示すためのデータである。
【0031】
制限パラメータRP及びモデルデータMDは、安全機能のための安全パラメータSPとして設定される。本実施形態においては、オペレータは、教示装置18を操作して、これらの安全パラメータSP(制限領域RE、制限速度V、モデルデータMD等)を設定する。
【0032】
以下、安全パラメータSPを設定する方法について説明する。ここで、本実施形態においては、記憶部52は、予め用意された安全パラメータSPのサンプルSP’を複数記憶している。具体的には、記憶部52は、サンプルSP’として、制限パラメータRPのサンプル(制限値サンプル)RP’と、モデルデータMDのサンプル(モデルサンプル)MD’と、複合サンプルCSとを、予め記憶している。
【0033】
制限値サンプルRP’は、制限領域RE1のサンプル(制限値サンプル)RE1’、制限領域RE2のサンプル(制限値サンプル)RE2’、制限速度V1又はV2のサンプル(制限値サンプル)V’、退避経路PTのサンプル(制限値サンプル)PT’を含む。制限値サンプルRE1’及びRE2’は、それぞれ、制限領域RE1及びRE2を定義するロボット座標系Cの一群の座標(xn,yn、zn)(n=1,2,3・・・)のサンプルであって、互いに異なる座標群(xn,yn、zn)を各々有する複数の制限値サンプルRE1’及びRE2’が、記憶部52にそれぞれ記憶される。
【0034】
例えば、記憶部52は、複数の制限値サンプルRE1’(又はRE2’)として、第1の制限値サンプルRE1’_1(又はRE2’_1)を定義する第1群の座標(x1_1,y1_1、z1_1)~(xn_1,yn_1、zn_1)、第2の制限値サンプルRE1’_2(又はRE2’_2)を定義する第2群の座標(x1_2,y1_2、z1_2)~(xn_2,yn_2、zn_2)、・・・第mの制限値サンプルRE1’_m(又はRE2’_m)を定義する第m群の座標(x1_m,y1_m、z1_m)~(xn_m,yn_m、zn_m)を、記憶する。
【0035】
また、互いに異なる複数の制限値サンプルV’が、速度Vの値として、記憶部52に記憶されている。例えば、記憶部52は、第1の制限値サンプルV’_1=10[m/sec]、第2の制限値サンプルV’_2=20[m/sec]、・・・第mの制限値サンプルV’_m=100「m/sec」を、記憶する。また、記憶部52は、複数の制限値サンプルPT’_1、PT’_2、・・・PT’_mを記憶する。制限値サンプルPT’は、例えば、座標系Cの座標として表される。
【0036】
本実施形態においては、モデルサンプルMD’は、ロボット12のエンドエフェクタ30の機械情報MD1と、該エンドエフェクタ30の機械モデルMD2_2(具体的には、図面データMD2_2A及び監視モデルMD2_2B)とを有する。異なる種々のモデルサンプルMD’が、記憶部52に記憶されている。モデルサンプルMD’は、例えば、複数の指部で物体を把持するロボットハンド30Aの一群のモデルサンプルMD’1、吸着部(例えば、電磁石、吸盤又はバキューム装置)で物体を把持するロボットハンド30Bの一群のモデルサンプルMD’2、溶接トーチ30Cの一群のモデルサンプルMD’3、及び、溶接ガン30Dの一群のモデルサンプルMD’4を有する。
【0037】
例えば、記憶部52は、ロボットハンド30Aの一群のモデルサンプルMD’1_1、MD’1_2、・・・MD’1_mと、ロボットハンド30Bの一群のモデルサンプルMD’2_1、MD’2_2、・・・MD’2_mと、溶接トーチ30Cの一群のモデルサンプルMD’3_1、MD’3_2、・・・MD’3_mと、溶接ガン30Dの一群のモデルサンプルMD’4_1、MD’4_2、・・・MD’4_mとを、記憶している。
【0038】
複合サンプルCSは、複数の安全パラメータSPのデータが組み合わせて格納された、1つのサンプルである。この複合サンプルCSについて、
図5を参照して説明する。
図5は、ロボット12が配置された作業セルの例を示す。
図5に示す例では、ロボット12の進入を許可する制限領域RE1として、破線で示す第1の制限領域RE1
_1と、一点鎖線で示す第2の制限領域RE1
_2と、二点鎖線で示す第3の制限領域RE1
_3とが、ロボット12を取り囲むように設定されている。
【0039】
第1の制限領域RE1_1は、作業中のロボット12の許容動作範囲の最外縁を画定するものであって、例えば、作業の全工程において、ロボット12が第1の制限領域RE1_1の外側へ移動するのを禁止するために設定される。第2の制限領域RE1_2は、第1の制限領域RE1_1の内側において、ロボット12から見てロボット座標系Cのy軸プラス方向の側に配置されている。一方、第3の制限領域RE1_3は、第1の制限領域RE1_1の内側において、ロボット12から見てロボット座標系Cのy軸マイナス方向の側に配置されている。
【0040】
また、
図5に示す例では、第1の制限領域RE1
_1に対しロボット座標系Cのx軸プラス方向の側に隣接して、2つのセンサ検知領域SE1及びSE2が設定されている。センサ検知領域SE1は、例えば、物体の進入を非接触で検知可能な第1の物体検知センサ38によって画定され、第2の制限領域RE1
_2に対し、ロボット座標系Cのx軸プラス方向の側に隣接して配置されている。
【0041】
第1の物体検知センサ38は、センサ検知領域SE1へのオペレータAの進入(又は接近)を検知すると、安全信号S1を「ON」(又は「1」)として、制御装置16に送信する。そして、第1の物体検知センサ38は、オペレータAがセンサ検知領域SE1から退出(又は離反)すると、安全信号S1を「OFF」(又は「0」)とする。
【0042】
一方、センサ検知領域SE2は、センサ検知領域SE1の、ロボット座標系Cのy軸マイナス方向の側に隣接するとともに、第3の制限領域RE132に対して、ロボット座標系Cのx軸プラス方向の側に隣接して配置されている。センサ検知領域SE2は、例えば、物体の進入を非接触で検知可能な第2の物体検知センサ40によって画定されている。第2の物体検知センサ40は、センサ検知領域SE2へのオペレータAの進入(又は接近)を検知すると、安全信号S2を「ON」として制御装置16に送信し、オペレータAがセンサ検知領域SE1から退出(又は離反)すると、安全信号S2を「OFF」とする。
【0043】
図5に示すような作業セルにおいて、オペレータAがロボット12と協働で作業(例えば、オペレータAとロボット12との間でワークを受け渡しするワークハンドリング)を行う場合がある。このような場合に、制御装置16は、一例として、以下のような安全機能を実行する。具体的には、制御装置16は、第1の制限領域RE1
_1を作業の全期間で有効とし、作業の全工程においてロボット12が第1の制限領域RE1
_1の外側へ移動するのを禁止する。
【0044】
作業中にオペレータAがセンサ検知領域SE1に進入(又は接近)し、第1の物体検知センサ38から受信する安全信号S1が「ON」となると、制御装置16は、第3の制限領域RE1_3を有効とし、ロボット12が第3の制限領域RE1_3の外側へ移動するのを禁止する。
【0045】
これにより、ロボット12が、ロボット座標系Cのy軸プラス方向の側(つまり、オペレータAが存在する側)へ進入するのを防止し、以って、オペレータAに衝突するのを防止する。そして、オペレータAがセンサ検知領域SE1から退出(又は離反)し、第1の物体検知センサ38からの安全信号S1が「OFF」となると、制御装置16は、第3の制限領域RE1_3を無効とする。
【0046】
一方、オペレータAがセンサ検知領域SE2に進入(又は接近)し、第2の物体検知センサ40からの安全信号S2が「ON」となると、制御装置16は、第2の制限領域RE1_2を有効とし、ロボット12が第2の制限領域RE1_2の外側へ移動するのを禁止する。これにより、ロボット12が、ロボット座標系Cのy軸マイナス方向の側(つまり、オペレータAが存在する側)へ進入するのを防止し、以って、オペレータAに衝突するのを防止する。そして、オペレータAがセンサ検知領域SE2から退出(又は離反)し、第2の物体検知センサ40からの安全信号S2が「OFF」となると、制御装置16は、第2の制限領域RE1_2を無効とする。
【0047】
このように、複数の安全パラメータSP(制限領域RE1_1、RE1_2、RE1_3)を組み合わせて用いる安全機能が実行される場合がある。複合サンプルCSには、このような複数の安全パラメータSPのデータが組み合わせて格納されており、記憶部52は、様々な組み合わせの安全パラメータSPが各々に格納された、複数の複合サンプルCS1、CS2、・・・CSmを、格納している。
【0048】
具体的には、複合サンプルCS
mには、例えば、
図5に示す第1の制限領域RE1
_1のデータ(一群の座標)、第2の制限領域RE1
_2のデータ、第3の制限領域RE1
_3のデータ、及び、ロボット12の機械モデルMD2が、組み合わせて格納される。複合サンプルCS
mに格納される制限領域RE1
_1、RE1
_2及びRE1
_3のデータは、制限値サンプルRE1’を構成する。なお、複合サンプルCS
mは、安全信号S1及びS2の「ON」/「OFF」と、第2の制限領域RE1
_2及び第3の制限領域RE1
_3の有効/無効との関係を定めた制限領域切り換え情報SIをさらに有してもよい。
【0049】
ここで、本実施形態においては、記憶部52は、制限値サンプルRE1’、制限値サンプルRE2’、モデルサンプルMD’、及び複合サンプルCSが1つずつ格納されたサンプルセットSSを、複数記憶する(サンプルセットSS1、SS2、・・・SSm)。例えば、1つのサンプルセットSSmには、上述した制限値サンプルRE1’_m、制限値サンプルRE2’_m、モデルサンプルMD’1_m、及び複合サンプルCSmがセットで格納される。なお、サンプルセットSSに、制限値サンプルRE1’、制限値サンプルRE2’、モデルサンプルMD’、及び複合サンプルCSのうちの1つのみが格納されてもよい。
【0050】
このように、サンプルセットSSには、複数種のサンプルSP’(制限値サンプルRE1’、制限値サンプルRE2’、モデルサンプルMD’、複合サンプルCS)が格納される。記憶部52は、様々な組み合わせのサンプルSP’が各々に格納された、複数のサンプルセットSS1、SS2、・・・SSmを格納している。
【0051】
上述した種々のサンプルSP’(制限値サンプルRE1’、RE2’及びV’、モデルサンプルMD’、複合サンプルCS)、及びサンプルセットSSは、例えば、教示装置18とは別のコンピュータを用いて、第1のフォーマットFM1(拡張子:「.abc」)のデータとして予め作成され、記憶部52の第1の記憶領域52Aに格納される。
【0052】
オペレータは、これらサンプルSP’及びサンプルセットSSを基に、安全パラメータSPを設定する。安全パラメータSPの設定を開始するとき、オペレータは、入力装置56を操作して、設定開始指令を教示装置18のプロセッサ50に与える。プロセッサ50は、入力装置56を通して設定開始指令を受け付けると、まず、
図6に示すサンプルセット選択画像100の画像データを生成し、表示装置58に表示する。
【0053】
サンプルセット選択画像100は、オペレータがサンプルセットSSを選択可能とするグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)であって、コンピュータグラフィックス(CG)の画像データとして生成される。
図6に示す例では、サンプルセット選択画像100は、複数のサンプルセット選択ボタン画像102と、スクロールバー画像104とを含む。複数のサンプルセット選択ボタン画像102は、それぞれ、記憶部52に格納されているサンプルセットSS
1、SS
2、・・・SS
mに関連付けられている。
【0054】
オペレータは、入力装置56を操作して、サンプルセット選択ボタン画像102のうちの1つを画像上クリックすることで、クリックしたサンプルセット選択ボタン画像102に関連付けられたサンプルセットSSを選択できるようになっている。また、オペレータは、入力装置56を操作してスクロールバー画像104を画像上で上下にスライドさせることで、表示するサンプルセットSSを変更できるようになっている。
【0055】
なお、サンプルセット選択ボタン画像102内に、対応するサンプルセットSSの情報(例えば、格納さているサンプルRE1’、RE2’、MD’及びCSの簡単な説明又は図面)が表示されてもよい。以下、オペレータが、入力装置56を操作して、サンプルセットSSmのサンプルセット選択ボタン画像102をクリックした場合について説明する。
【0056】
この場合、プロセッサ50は、入力装置56から、サンプルセットSS
mを選択するための入力IP1を受け付ける。このように、本実施形態においては、プロセッサ50は、入力IP1を受け付ける入力受付部62(
図2)として機能する。プロセッサ50は、入力IP1を受け付けると、
図7に示すサンプル選択画像110の画像データを生成し、表示装置58に表示する。サンプル選択画像110は、サンプルセットSS
mに格納されたサンプルSP’をオペレータが選択可能とするためのGUIであって、CGの画像データとして生成される。
【0057】
図7に示す例では、サンプル選択画像110は、第1の画像領域112、第2の画像領域114、及び、第3の画像領域116を有する。第1の画像領域112には、ロボット12の本体の機械モデルMD2
_1(例えば、図面データMD2
_1A)が表示されている。一方、第3の画像領域116には、制限値サンプルRE1’を選択するためのボタン画像122、制限値サンプルRE2’を選択するためのボタン画像124、監視対象とするモデルサンプルMD’を選択するためのボタン画像126、及び、複合サンプルCSを選択するためのボタン画像128が表示されている。
【0058】
オペレータは、入力装置56を操作して、ボタン画像122、124、126及び128のうちの1つを画像上クリックすることで、インポートするサンプルSP’を、制限値サンプルRE1’、制限値サンプルRE2’、モデルサンプルMD’、及び複合サンプルCSの中から選択できるようになっている。なお、サンプルSP’のインポートについては、後述する。
【0059】
一方、第2の画像領域114には、サンプル一覧画像118、及び詳細設定画像120が表示されている。
図7に示すように、第3の画像領域116にサンプルSP’を選択するためのボタン画像122、124、126及び128が表示されているとき、サンプル一覧画像118が強調表示される。
【0060】
オペレータが、入力装置56を操作して、制限値サンプルRE1’、制限値サンプルRE2’、モデルサンプルMD’、又は複合サンプルCSを画像上で選択すると、プロセッサ50は、入力受付部62として機能し、入力装置56を通して、制限値サンプルRE1’、制限値サンプルRE2’、モデルサンプルMD’、又は複合サンプルCSを選択する入力IP2を受け付ける。
【0061】
例えば、オペレータが、入力装置56を操作してモデルサンプルMD’を選択するためのボタン画像126をクリックしたとすると、プロセッサ50は、モデルサンプルMD’を選択する入力IP2に応じて、
図8に示すサンプル説明画像130の画像データをCGとして生成し、表示装置58に表示する。
【0062】
サンプル説明画像130は、
図7のサンプル選択画像110で選択されたサンプルSP’を説明するためのGUIである。
図8に示すサンプル説明画像130においては、プロセッサ50は、第1の画像領域112に、選択されたモデルサンプルMD’に含まれる機械モデルMD2
_2(具体的には、図面データMD2
_2A及び監視モデルMD2
_2B)を表示している。
【0063】
このように、本実施形態においては、プロセッサ50は、機械モデルMD2
_2を表示した画像130を生成する画像生成部64(
図2)として機能する。なお、本実施形態では、
図6でサンプルセットSS
mが選択されているので、第1の画像領域112には、モデルサンプルMD’
1_mに含まれる機械モデルMD2
_2が表示されることになる。なお、第1の画像領域112には、監視モデルMD2
_2B(又は図面データMD2
_2A)のみが表示されてもよい。
【0064】
一方、第3の画像領域116には、モデルサンプルMD’1_mの機械情報MD1の説明文132とともに、決定ボタン画像134、及び中止ボタン画像136が表示されている。オペレータは、説明文132を見ることで、選択されているモデルサンプルMD’1_mの機械情報MD1と、設定可能な項目とを、確認することができる。
【0065】
また、オペレータは、入力装置56を操作して、決定ボタン画像134又は中止ボタン画像136を画像上でクリックすることができるようになっている。中止ボタン画像136をクリックする入力IP3を受け付けると、プロセッサ50は、
図7に示すサンプル選択画像110を表示装置58に再度表示する。
【0066】
一方、決定ボタン画像134をクリックする入力IP4を受け付けると、プロセッサ50は、画像生成部64として機能して、
図9に示すサンプルインポート画像140の画像データをCGとして生成し、表示装置58に表示する。サンプルインポート画像140は、選択されたサンプルSP’を、安全パラメータSPを設定する機能FCにインポートするためのGUIである。ここで、安全パラメータSPを設定する機能FCは、教示装置18にアプリケーションとして実装されており、記憶部52にアプリケーションソフトウェアとして格納される。
【0067】
プロセッサ50は、この機能FCを実行することで、安全パラメータFPを設定する。したがって、プロセッサ50は、安全パラメータFPを設定するパラメータ設定部66(
図2)として機能する。なお、安全パラメータSPを設定する機能FC(つまり、パラメータ設定部66の機能)については、
図10を参照して後述する。
【0068】
図9に示すサンプルインポート画像140では、第1の画像領域112に、
図8に示すサンプル説明画像130と同様に、機械モデルMD2
_2が表示される一方、第3の画像領域116には、監視対象設定画像142、インポートボタン画像144、及び中止ボタン画像136が表示されている。
【0069】
監視対象設定画像142は、選択されているモデルサンプルMD’
1_mを監視対象として機能FCにインポートするときの識別番号(又は、設定先のアドレス番号)Nを付与するためのものである。具体的には、監視対象設定画像142は、識別番号Nを入力するための番号入力画像146を有する。オペレータは、入力装置56を操作して、識別番号Nを番号入力画像146に入力できるようになっている。
図9に示す例では、番号入力画像146に、識別番号N:「1」が入力されている。
【0070】
インポートボタン画像144は、選択されたサンプルSP’(
図9では、モデルサンプルMD’
1_m)を、安全パラメータSPを設定する機能FCにインポートするためのものであって、オペレータは、入力装置56を操作して、インポートボタン画像144を画像上でクリックすることができるようになっている。
【0071】
入力装置56を通してインポートボタン画像144をクリックする入力IP5を受け付けると、プロセッサ50は、選択されているサンプルSP’を記憶部52から読み出して、機能FCにインポートする。したがって、本実施形態においては、プロセッサ50は、サンプルSP’をインポートするインポート部68(
図2)として機能する。
【0072】
そして、プロセッサ50は、パラメータ設定部66として機能して、インポートされたサンプルSP’を、新たな安全パラメータSP”として機能FCに設定するとともに、記憶部52の第2の記憶領域52Bに格納する。この第2の記憶領域52Bは、サンプルSP’及びサンプルセットSSを格納するための第1の記憶領域52Aとは別の、記憶部52の記憶領域である。
【0073】
例えば、プロセッサ50は、入力IP5を受け付けたときに、インポート部68として機能して、記憶部52の第1の記憶領域52AからサンプルSP’を読み出す。そして、プロセッサ50は、読み出したサンプルSP’のデータ形式を、第1のフォーマットFM1から、機能FCに適合する第2のフォーマットFM2(拡張子:「.efg」)に変換して機能FCにインポートするとともに、第2の記憶領域52Bに、仮の安全パラメータSP”として格納してもよい。
【0074】
図9に示す例の場合、プロセッサ50は、インポートボタン画像144をクリックする入力IP5を受け付けると、選択されているモデルサンプルMD’
1_mを、識別番号「1」の監視対象として機能FCにインポートするとともに、新たな安全パラメータSP”として第2の記憶領域52Bに格納する。
【0075】
そして、プロセッサ50は、画像生成部64として機能して、
図10に示すサンプル調整画像150の画像データをCGとして生成し、表示装置58に表示する。一方、プロセッサ50は、中止ボタン画像136をクリックする入力IP3を受け付けると、
図7に示すサンプル選択画像110を表示装置58に再度表示する。
【0076】
図10に示すサンプル調整画像150は、オペレータの入力操作により安全パラメータSPを設定する機能FCを実行するためのGUIである。
図10に示す例では、第1の画像領域112に、インポートされたモデルサンプルMD’
1_mの機械モデルMD2
_2が表示される。また、第2の画像領域114では、詳細設定画像120が強調表示される。
【0077】
一方、第3の画像領域116には、パラメータ表示画像152、及びパラメータ調整画像154が表示されている。パラメータ表示画像152は、機能FCで新たに設定されている安全パラメータSP”の一覧を示す。なお、後述する調整を行う前の初期の安全パラメータSP”は、インポートされたサンプルSP’と同一である。
【0078】
パラメータ表示画像152は、制限領域表示画像156、及び監視対象表示画像158を含む。制限領域表示画像156は、安全パラメータSP”として設定されている(つまり、インポートされた)制限領域REを示す。なお、制限領域表示画像156については、後述する。
【0079】
監視対象表示画像158は、安全パラメータSP”に監視対象として設定されているモデルサンプルMD’を示す。例えば、
図9では、モデルサンプルMD’
1_mを、識別番号「1」の監視対象としてインポートしたので、該モデルサンプルMD’
1_mは、識別番号「1」の監視対象として安全パラメータSP”に設定されるとともに、監視対象表示画像158中の「No.1」の監視対象として表示される。
【0080】
オペレータは、
図7~
図9で説明した方法により、複数のモデルサンプルMD’を、識別番号Nを付与するとともに、機能FCにインポートできる。モデルサンプルMD’がインポートされる毎に、監視対象表示画像158に表示される監視対象が、「No.1」、「No.2」、「No.3」、・・・というように、増えていくことになる。このようにして、オペレータは、複数のモデルサンプルMD’をインポートし、識別番号Nによって識別可能な形式で、安全パラメータSP”に設定できる。
【0081】
パラメータ調整画像154は、設定されている仮の安全パラメータSP”を調整するためのものである。
図10に示す例では、パラメータ調整画像154は、寸法調整画像160、及び取付位置調整画像162を含む。寸法調整画像160は、安全パラメータSP”として設定されているモデルサンプルMD’の機械情報MD1を調整するためのものである。
【0082】
本実施形態においては、寸法調整画像160において、機械情報MD1に含まれる、モデルサンプルMD’の寸法(例えば、ロボットハンド30Aの指部、ロボットハンド30Bの吸着部、溶接トーチ30C、又は、溶接ガン30Dのアームの寸法)を調整できるようになっている。
【0083】
図10に示す例では、監視対象表示画像158で「No.1」の監視対象が選択されているので、寸法調整画像160において、監視対象No.1としてのモデルサンプルMD’
1_mの寸法を調整できる。具体的には、寸法調整画像160には、モデルサンプルMD’
1_mの寸法として「長さ」、「幅」及び「高さ」の数値が表示されるとともに、数値増加ボタン画像164及び数値減少ボタン画像166が表示されている。
【0084】
オペレータは、入力装置56を操作して、寸法調整画像160の「長さ」、「幅」又は「高さ」を画像上で選択し、選択した「長さ」、「幅」又は「高さ」の数値を、数値増加ボタン画像164又は数値減少ボタン画像166を画像上でクリックすることによって増加又は減少させることができるようになっている。なお、オペレータは、入力装置56を操作して、数値増加ボタン画像164又は数値減少ボタン画像166をクリックすることなく、「長さ」、「幅」又は「高さ」の数値を直接入力してもよい。
【0085】
一方、取付位置調整画像162は、モデルサンプルMD’の機械情報MD1に含まれるエンドエフェクタ取付位置を調整するためのものである。具体的には、取付位置調整画像162には、エンドエフェクタ取付位置として、「手首部」、「上腕部」及び「下腕部」が表示され、オペレータは、入力装置56を操作して、エンドエフェクタ取付位置を、「手首部」、「上腕部」及び「下腕部」の中から画像上で選択できるようになっている。例えば、
図10に示す例の場合、「手首部」が選択されているので、選択されたモデルサンプルMD’
1_mのエンドエフェクタ取付位置は、ロボット12の手首部28に設定されることになる。
【0086】
なお、プロセッサ50は、エンドエフェクタ取付位置を、取付位置調整画像162に示される「手首部」、「上腕部」及び「下腕部」に対する相対位置を示す座標として受け付けるように構成されてもよい。例えば、プロセッサ50は、取付位置調整画像162に、「手首部」、「上腕部」及び「下腕部」に対する相対位置を示すロボット座標系Cの座標(x,y,z)を入力するための座標入力画像をさらに表示してもよい。オペレータは、座標入力画像を通して座標(x,y,z)を入力することで、エンドエフェクタ取付位置を、取付位置調整画像162で選択された「手首部」、「上腕部」又は「下腕部」から該座標(x,y,z)だけ離隔した位置に、設定できる。この構成によれば、オペレータは、エンドエフェクタ取付位置を、より詳細に設定できる。
【0087】
こうして、オペレータは、入力装置56を操作して、仮の安全パラメータSP”として設定されているモデルサンプルMD’1_mの機械情報MD1(寸法、エンドエフェクタ取付位置)を調整するための入力IP6をプロセッサ50に与える。プロセッサ50は、パラメータ設定部66として機能し、受け付けた入力IP6に応じて、安全パラメータSP”(ここでは、モデルサンプルMD’1_mの寸法及びエンドエフェクタ取付位置)を調整し、これにより、安全パラメータSP”を更新する。
【0088】
次に、
図7を参照して複合サンプルCSのインポートについて説明する。オペレータが、入力装置56を操作して複合サンプルCS
mを選択するためのボタン画像128をクリックすると、プロセッサ50は、入力受付部62として機能して、複合サンプルCS
mを選択するための入力IP2を受け付け、画像生成部64として機能して、
図11に示すサンプル説明画像130の画像データを生成して表示装置58に表示する。
【0089】
図11に示す例では、第1の画像領域112に、複合サンプルCS
mに格納されている第1の制限領域RE1
_1、第2の制限領域RE1
_2、及び第3の制限領域RE1
_3(つまり、制限値サンプルRE1’)が、ロボット12の機械モデルMD2とともに、表示されている。また、第1の画像領域112においては、センサ検知領域SE1及びSE2が表示されている。このセンサ検知領域SE1及びSE2のデータ(具体的には、座標系Cの座標)は、複合サンプルCS
mに制限値サンプルとして格納されてもよい。
【0090】
オペレータは、この第1の画像領域112を見ることで、複合サンプルCS
mに格納されている第1の制限領域RE1
_1、第2の制限領域RE1
_2、第3の制限領域RE1
_3、センサ検知領域SE1及びSE2のロボット12に対する位置関係を、容易に確認することができる。一方、第3の画像領域116には、
図8に示すサンプル説明画像130と同様に、複合サンプルCS
mの説明文132とともに、決定ボタン画像134、及び中止ボタン画像136が表示されている。
【0091】
入力装置56を通して決定ボタン画像134をクリックする入力IP4を受け付けると、プロセッサ50は、画像生成部64として機能して、
図12に示すサンプルインポート画像140の画像データをCGとして生成し、表示装置58に表示する。
図12に示すサンプルインポート画像140においては、第1の画像領域112に、
図11に示すサンプル説明画像130と同様に、制限領域RE1
_1、RE1
_2及びRE1
_3、センサ検知領域SE1及びSE2、並びに機械モデルMD2が表示されている。
【0092】
一方、第3の画像領域116には、制限領域設定画像170、監視対象設定画像142、インポートボタン画像144、及び中止ボタン画像136が表示されている。制限領域設定画像170は、複合サンプルCSmに格納されている第1の制限領域RE1_1、第2の制限領域RE1_2、及び第3の制限領域RE1_3を機能FCにインポートするときの識別番号(又は、設定先のアドレス番号)Nを付与するためのものである。
【0093】
具体的には、制限領域設定画像170は、第1の制限領域RE1_1の識別番号Nを入力するための番号入力画像172と、第2の制限領域RE1_2の識別番号Nを入力するための番号入力画像174と、第3の制限領域RE1_3の識別番号Nを入力するための番号入力画像176とを含む。
【0094】
なお、本実施形態においては、制限領域設定画像170において、第1の制限領域RE1_1を説明する「オペレータが近くにいない」という説明文と、第2の制限領域RE1_2を説明する「オペレータがロボットの右側に接近」という説明文と、第3の制限領域RE1_3を説明する「オペレータがロボットの左側に接近」という説明文とが、番号入力画像172、174及び176の左隣に併記されている。
【0095】
オペレータは、入力装置56を操作して、識別番号Nを番号入力画像172、174及び176に入力できるようになっている。
図12に示す例では、番号入力画像172に識別番号N:「1」が入力され、番号入力画像174に識別番号N:「2」が入力され、番号入力画像176に識別番号N:「3」が入力されている。一方、監視対象設定画像142の番号入力画像146には、
図9と同様に、識別番号N:「1」が入力されている。
【0096】
オペレータが入力装置56を操作してインポートボタン画像144を画像上でクリックすると、プロセッサ50は、インポートボタン画像144をクリックする入力IP5を受け付け、インポート部68として機能して、複合サンプルCSmに格納されている第1の制限領域RE1_1、第2の制限領域RE1_2、第3の制限領域RE1_3のデータを記憶部52から読み出して機能FCにインポートする。
【0097】
このとき、プロセッサ50は、複合サンプルCSm(制限領域RE1_1、RE1_2及びRE1_3のデータ)を第1の記憶領域52Aから読み出し、複合サンプルCSmのデータ形式を第1のフォーマットFM1から第2のフォーマットFM2に変換して機能FCにインポートするとともに、第2の記憶領域52Bに格納してもよい。そして、プロセッサ50は、パラメータ設定部66として機能して、インポートされた複合サンプルCSm(制限領域RE1_1、RE1_2及びRE1_3のデータ)を、新たな安全パラメータSP”として機能FCに設定する。
【0098】
図12に示す例の場合、プロセッサ50は、入力IP5を受け付けると、第1の制限領域RE1
_1を識別番号「1」の制限領域(制限領域No.1)とし、第2の制限領域RE1
_2を識別番号「2」の制限領域(制限領域No.2)とし、第3の制限領域RE1
_3を識別番号「3」の制限領域(制限領域No.3)として、機能FCにインポートする。
【0099】
これとともに、プロセッサ50は、安全パラメータSP”に設定されている監視対象No.1(
図10)を、インポートした制限領域No.1(つまり、第1の制限領域RE1
_1)、制限領域No.2(つまり、第2の制限領域RE1
_2)、及び制限領域No.3(つまり、第3の制限領域RE1
_3)の監視対象として設定する。
【0100】
こうして、プロセッサ50は、新たな安全パラメータSP”として、インポートされた制限領域No.1~No.3(すなわち、制限値サンプルRE1’である制限領域RE1_1、RE1_2、RE1_3のデータ)を、インポートされた監視対象No.1(モデルサンプルMD’1_m)に対して設定する。このように、オペレータは、機能FCにインポートして寸法等を編集した監視対象No.N(N=1,2,3・・・)を、機能FCにインポートした制限領域No.1、No.2及びNo.3の監視対称に指定できる。
【0101】
なお、
図12の番号入力画像146に、機能FCにインポートされていない監視対象の識別番号N(例えば、N=16)が入力され、インポートボタン画像144がクリックされた場合、プロセッサ50は、サンプルセットSS
mに格納されたモデルサンプルMD’
1_mを、監視対象No.16として、機能FCに新たにインポートしてもよい。この場合、監視対象表示画像158(
図10)に、監視対象No.16が新たに追加され、インポートされた制限領域No.1、No.2及びNo.3の監視対称に設定されることになる。
【0102】
次いで、プロセッサ50は、画像生成部64として機能して、
図13に示すサンプル調整画像150の画像データをCGとして生成し、表示装置58に表示する。
図13に示すサンプル調整画像150においては、第1の画像領域112に、
図11と同様に、インポートされた複合サンプルCS
m(制限領域RE1
_1、RE1
_2及びRE1
_3、及びセンサ検知領域SE1及びSE2)、及び機械モデルMD2が表示される。
【0103】
一方、第3の画像領域116のパラメータ表示画像152においては、監視対象表示画像158に、インポートされた監視対象No.1、No.2、No.3、・・・が表示されるとともに、制限領域表示画像156に、インポートされた制限領域No.1(第1の制限領域RE1_1)、制限領域No.2(第2の制限領域RE1_2)、及び制限領域No.3(第3の制限領域RE1_3)が表示されている。
【0104】
なお、図示してはいないが、プロセッサ50は、センサ検知領域SE1及びSE2についても、制限領域No.1~No.3と同様に、
図12に示すサンプルインポート画像140を通して識別番号Nの入力を受け付け、機能FCにインポートされたセンサ検知領域SE1及びSE2を制限領域表示画像156に表示してもよい。
【0105】
第3の画像領域116のパラメータ調整画像154には、領域調整画像180が表示されている。領域調整画像180は、仮の安全パラメータSP”として設定されている制限領域No.1、No.2、又はNo.3のパラメータ(具体的には、座標系Cの座標)を調整するためのものであって、数値増加ボタン画像182及び数値減少ボタン画像184を含む。以下、領域調整画像180の機能について説明する。
【0106】
オペレータは、領域調整画像180を通して、制限領域No.1、No.2、又はNo.3を任意に編集できる。例えば、オペレータが、入力装置56を操作して制限領域表示画像156中の制限領域No.1を画像上で選択すると、プロセッサ50は、
図14に示すサンプル調整画像150を生成して表示装置58に表示する。
図14に示す例では、制限領域表示画像156において、制限領域No.1が選択されたことを視覚的に示すように、強調表示される。
【0107】
また、第1の画像領域112において、選択された制限領域No.1(つまり、第1の制限領域RE1_1)のみが機械モデルMD2とともに表示され、制限領域No.1(第1の制限領域RE1_1)を画定する複数の頂点P1、P2、P3及びP4が、視認可能に表示される。また、パラメータ調整画像154に、制限領域No.1の頂点P1、P2、P3及びP4に対応する「位置P1」、「位置P2」、「位置P3」及び「位置P4」の座標(x,y,z)が、それぞれ表示される。
【0108】
オペレータは、入力装置56を操作して、位置P1~P4の座標(x,y,z)を画像上で選択し、選択した座標(x,y,z)の座標値を、数値増加ボタン画像182又は数値減少ボタン画像184を画像上でクリックすることによって増加又は減少させることができるようになっている。なお、オペレータは、入力装置56を操作して、数値増加ボタン画像182又は数値減少ボタン画像184をクリックすることなく、座標(x,y,z)の座標値を直接入力してもよい。これにより、制限領域No.1のパラメータ(座標)が調整される。
【0109】
一方、オペレータが、入力装置56を操作して、制限領域表示画像156に示される制限領域No.2を画像上で選択すると、プロセッサ50は、
図15に示すサンプル調整画像150を生成して表示装置58に表示する。オペレータは、制限領域No.1のパラメータの調整と同様に、入力装置56を操作して、
図15に示すサンプル調整画像150を通して、制限領域No.2の各頂点P1~P5の座標(x,y,z)を調整できる。
【0110】
こうして、オペレータは、入力装置56を操作して、仮の安全パラメータSP”として設定されている制限領域No.1~No.3を調整するための入力IP6をプロセッサ50に与える。プロセッサ50は、パラメータ設定部66として機能し、受け付けた入力IP6に応じて、仮の安全パラメータSP”(ここでは、制限領域No.1~No.3の座標)を調整し、これにより、安全パラメータSP”を更新する。
【0111】
なお、プロセッサ50は、オペレータによる入力装置56からの入力に応じて、制限領域No.1~No.3と同様に、センサ検知領域SE1及びSE2の座標を調整してもよい。また、プロセッサ50は、オペレータによる入力装置56からの入力に応じて、安全信号S1及びS2の「ON」/「OFF」と、第2の制限領域RE1_2及び第3の制限領域RE1_3の有効/無効との関係を定めた制限領域切り換え情報SIを調整してもよい。この場合において、プロセッサ50は、センサ検知領域SE1及びSE2の座標、又は制限領域切り換え情報SIを調整するための画像を、パラメータ調整画像154に表示してもよい。
【0112】
再度、
図7を参照して、オペレータは、上述した複合サンプルCS
mと同様に、入力装置56を操作してボタン画像122又は124をクリックすることで、サンプルセットSS
mに格納された制限値サンプルRE1’
_m又はRE2’
_mを選択し、機能FCへインポートすることができる。
【0113】
例えば、制限値サンプルRE1’
_m又はRE2’
_mを選択した場合、
図12に示すサンプルインポート画像140の第3の画像領域116には、制限値サンプルRE1’
_m又はRE2’
_mの識別番号Nを指定するための1つの番号入力画像172と番号入力画像146とが表示される。
【0114】
そして、インポートボタン画像144がクリックされると、プロセッサ50は、インポート部68として機能して、制限値サンプルRE1’_m又はRE2’_mを、番号入力画像172に入力された識別番号Nを付与するとともに、制限領域No.Nとして、新たな安全パラメータSP”として設定する。
【0115】
このようにして、オペレータは、予め用意されたサンプルSP’(具体的には、複数のサンプルSP’が格納されたサンプルセットSS)を機能FCにインポートし、インポートしたサンプルSP’を基に、安全パラメータSP”を機能FCで設定することができる。
【0116】
安全パラメータSP”の設定及び調整が完了すると、オペレータは、機能FCによって設定された安全パラメータSP”を、実際の作業で機械36を動作させるための動作条件OCに適用するための指令を入力する。例えば、プロセッサ50は、サンプル調整画像150に、安全パラメータSP”を動作条件OCに適用するための適用ボタン画像(図示せず)を表示する。
【0117】
オペレータが、入力装置56を操作して適用ボタン画像を画像上でクリックすると、プロセッサ50は、入力装置56を通して適用ボタン画像の入力IP7を受け付け、この時点で設定されている安全パラメータSP”を、正式な安全パラメータSPとして、動作条件OCに登録する。
【0118】
この動作条件OCには、安全パラメータSPとともに、実際の作業で機械36を動作させるのに要する諸条件が登録されてもよい。プロセッサ50は、動作条件OCを、第2のフォーマットFM2のデータとして、記憶部52の第2の記憶領域52B(又は、動作条件OCのための第3の記憶領域52C)に格納してもよい。
【0119】
代替的には、プロセッサ50は、動作条件OCを、第3のフォーマットFM3(拡張子:「.xyz」)のデータとして第2の記憶領域52B(又は第3の記憶領域52C)に格納してもよい。この場合において、プロセッサ50は、入力IP7を受け付けたときに、安全パラメータSP”のデータ形式を、第2のフォーマットFM2から第3のフォーマットFM3へ変換し、正式な安全パラメータSPとして動作条件OCに登録してもよい。こうして、オペレータは、機能FCを用いて安全パラメータSPを設定することができる。
【0120】
以上のように、プロセッサ50は、入力受付部62、画像生成部64、パラメータ設定部66、及びインポート部68として機能して、記憶部52に記憶されたサンプルSP’を基に、安全パラメータSPを設定する。したがって、プロセッサ50(入力受付部62、画像生成部64、パラメータ設定部66、インポート部68)及び記憶部52は、安全パラメータSPを設定する装置70(
図2)を構成する。
【0121】
この装置70においては、記憶部52が、予め用意されたサンプルSP’を少なくとも1つ記憶し、入力受付部62が、記憶部52に記憶されたサンプルSP’を選択するための入力IP2を受け付け、インポート部68が、入力受付部62を通して選択されたサンプルSP’(モデルサンプルMD、複合サンプルCSm)を記憶部52から読み出してパラメータ設定部66(機能FC)へインポートし、パラメータ設定部66が、インポートされたサンプルSP’を、新たな安全パラメータSP”として設定している。
【0122】
この装置70によれば、オペレータは、予め用意されたサンプルSP’の中から、実機の機械36に応じて所望のサンプルSP’を選択するだけで、該機械36のための安全パラメータSP(制限領域RE等)の枠組みを簡単に構築することができる。したがって、安全パラメータSPを1つずつ最初から設定する従来の方法と比べて、安全パラメータSPの設定に要する作業を大幅に簡単化できる。
【0123】
また、装置70においては、パラメータ設定部66が、入力受付部62が受け付けた入力IP6に応じて、設定された安全パラメータSP”(モデルサンプルMD’1_mの寸法及びエンドエフェクタ取付位置、並びに、制限領域No.1~No.3の座標)を調整している。
【0124】
この構成によれば、オペレータは、インポートしたサンプルSP’を、実機の機械36に対応するように適宜調整した上で、正式な安全パラメータSPとして設定できるので、様々な形態の機械36に対し、安全パラメータSPを、より簡単に設定することが可能となる。
【0125】
また、装置70においては、入力受付部62が、記憶部52に記憶されたサンプルセットSSを選択するための入力IP1と、選択された該サンプルセットSSに格納されたサンプルSP’を選択するための入力IP2を受け付けている。この構成によれば、オペレータは、複数種のサンプルSPがセットで格納されたサンプルセットSSを用いて安全パラメータSPを設定できることから、安全パラメータSPの設定をより簡単に行うことができる。
【0126】
また、装置70においては、1つのサンプルである複合サンプルCSに、複数の安全パラメータSPのデータ(第1の制限領域RE1
_1、第2の制限領域RE1
_2、第3の制限領域RE1
_3)が組み合わせて格納され、パラメータ設定部66は、インポートされた複合サンプルCSに格納されたデータを、新たな安全パラメータSP”として設定する。この構成によれば、
図5を参照して説明した安全機能を実現するための安全パラメータSPを、簡単に設定できる。
【0127】
また、装置70においては、インポート部68は、入力受付部62を通して選択された制限値サンプル(複合サンプルCSに格納された制限領域RE1_1、RE1_2及びRE1_3のデータ)とモデルサンプルMD’1_mとを、記憶部52から読み出してパラメータ設定部66へインポートし、パラメータ設定部66は、新たな安全パラメータSP”として、インポートされた制限値サンプルRE1_1、RE1_2及びRE1_3を、インポートされたモデルサンプルMD’1_mに対して設定する。この構成によれば、オペレータは、インポートしたモデルサンプルMD’1_mを、インポートした制限値サンプルRE1_1、RE1_2及びRE1_3の監視対象として容易に設定できる。
【0128】
また、装置70においては、画像生成部64が、入力受付部62がモデルサンプルMD’を選択するための入力IP2を受け付けたときに、該モデルサンプルMD’に含まれる機械モデルMD2、MD2_2を表示した画像140を生成する。この構成によれば、オペレータは、選択したモデルサンプルMD’のタイプ及び構造を、容易に確認することができる。
【0129】
また、装置70においては、パラメータ設定部66が、入力受付部62が受け付けた入力IP7に応じて、安全パラメータSP”を動作条件OCに設定する。この構成によれば、オペレータは、サンプルSP’を基に設定した安全パラメータSP”を、正式な安全パラメータSPとして、動作条件OCに簡単に登録できる。
【0130】
なお、上述の実施形態では、記憶部52がサンプルセットSSを記憶し、プロセッサ50が、
図6に示すサンプルセット選択画像100を通して、サンプルセットSSを選択する入力IP1を受け付ける場合について述べた。しかしながら、これに限らず、記憶部52は、サンプルセットSSを記憶せずに、サンプルSP’(制限値サンプルRE1’、RE2’、V’及びPT’、モデルサンプルMD’、並びに複合サンプルCS)だけを記憶してもよい。
【0131】
以下、このような形態について説明する。本実施形態においては、プロセッサ50は、設定開始指令を受け付けると、
図7に示すサンプル選択画像110の画像データを生成し、表示装置58に表示する。そして、プロセッサ50は、入力受付部62として機能して、入力装置56からボタン画像122、124、126又は128をクリックする入力IP2を受け付けると、
図16に示すサンプルリスト画像190の画像データを生成し、表示装置58に表示する。
【0132】
図16は、オペレータが
図7中のボタン画像122(制限値サンプルRE1’)をクリックした場合のサンプルリスト画像190の例を示す。サンプルリスト画像190は、複数のサンプル選択ボタン画像192、及びスクロールバー画像104を含む。複数のサンプル選択ボタン画像192は、それぞれ、記憶部52に格納されている第1の制限値サンプルRE1’
_1、第2の制限値サンプルRE1’
_2、・・・第mの制限値サンプルRE1’
_mに関連付けられている。また、オペレータは、スクロールバー画像104を画像上でスライドすることで、表示する制限値サンプルRE1’を変更できるようになっている。
【0133】
例えば、オペレータが、入力装置56を操作して、第mの制限値サンプルRE1’
_mに対応するサンプル選択ボタン画像192を画像上でクリックすると、プロセッサ50は、
図12に示すような、第mの制限値サンプルRE1’
_mのためのサンプルインポート画像140を生成する。
【0134】
このサンプルインポート画像140では、第1の画像領域112に、選択された第mの制限値サンプルRE1’_mを表示するとともに、第3の画像領域116に、第mの制限値サンプルRE1’_mに付与する識別番号Nを入力するための番号入力画像172と、番号入力画像146とが表示される。
【0135】
仮に、オペレータが番号入力画像172にN=5を入力し、番号入力画像146にN=6を入力してインポートボタン画像144をクリックしたとすると、プロセッサ50は、インポートボタン画像144をクリックする入力IP5に応じて、第mの制限値サンプルRE1’_mを、制限領域No.5として機能FCにインポートするとともに、安全パラメータSP”に設定されている監視対象No.6を、インポートした制限領域No.5の監視対象として設定する。こうして、第mの制限値サンプルRE1’_mをインポートして安全パラメータSP”に設定できる。
【0136】
なお、オペレータが、
図7に示す他のボタン画像124(制限値サンプルRE2’)、ボタン画像126(モデルサンプルMD’)、又はボタン画像128(複合サンプルCS)を選択した場合も、プロセッサ50は、同様にして、選択されたサンプルSP’(RE2’、MD’、CS)をインポートすることができることを理解されよう。
【0137】
なお、プロセッサ50は、パラメータ設定部66として機能して、機能FCにインポートされたモデルサンプルMD’に含まれる機械情報MD1に応じて、インポートされた制限値サンプルRP’を自動で調整してもよい。具体的には、モデルサンプルMD’の機械情報MD1は、ロボット12の本体の種類を識別する識別番号ID、又は、ロボット12の最大到達距離dMAXをさらに含む。
【0138】
そして、プロセッサ50は、モデルサンプルMD’をインポートした後に、
図12に示すサンプルインポート画像140を通して制限値サンプルRE1’又はRE2’(複合サンプルCSに格納されたデータを含む)をインポートしたときに、該制限値サンプルRE1’又はRE2’の座標を、識別番号ID又は最大到達距離d
MAXに応じて、自動で調整する。
【0139】
一例として、プロセッサ50は、インポートした制限値サンプルRE1’又はRE2’の座標を、制限値サンプルRE1’又はRE2’で表される制限領域RE1又はRE2が最大到達距離dMAXの範囲内に収まるように、該座標及び該最大到達距離dMAXに基づいて自動で調整する。
【0140】
他の例として、記憶部52は、識別番号IDと、該識別番号で識別されるロボット12に適合する制限領域RE1又はRE2の座標とが互いに関連付けて格納されたデータテーブルDTをさらに記憶する。そして、プロセッサ50は、モデルサンプルMD’をインポートしたときに識別番号IDを取得し、該識別番号IDに対応する制限領域RE1又はRE2の座標を、データテーブルDTから読み出す。
【0141】
そして、プロセッサ50は、読み出した座標に基づいて(例えば、一致させるように)、インポートした制限値サンプルRE1’又はRE2’の座標を自動で調整する。このようにして、プロセッサ50(パラメータ設定部66)は、機械情報MD1に応じて、インポートされた制限値サンプルRE1’、RE2’を自動で調整できる。この構成によれば、安全パラメータSPの設定に掛かる作業を、さらに簡単化できる。
【0142】
なお、上述の実施形態において、プロセッサ50は、モデルサンプルMD’をインポートしたときに、取得した識別番号ID又は最大到達距離d
MAXに適合する制限値サンプルRP’、複合サンプルCS、又はサンプルセットSSを、記憶部52から自動で検索してもよい。そして、プロセッサ50は、入力IP1又はIP2を受け付けたときに、
図6に示すサンプルセット選択画像100、又は
図16に示すサンプルリスト画像190に、検索した制限値サンプルRP’、複合サンプルCS、又はサンプルセットSSを表示してもよい。
【0143】
次に、
図17を参照して、一実施形態に係るネットワークシステム200について説明する。ネットワークシステム200は、機械システム10、外部機器202、及びネットワーク204を備える。外部機器202は、例えば外部サーバであって、プロセッサ及び記憶装置を備えるコンピュータである。
【0144】
ネットワーク204は、例えば、LAN(イントラネット等)又はインターネットであって、外部機器202と教示装置18(具体的には、I/Oインターフェース54)とを通信可能に接続する。なお、外部機器202と制御装置16とがネットワーク204を介して接続され、教示装置18は、制御装置16及びネットワーク204を介して、外部機器202に接続されてもよい。
【0145】
例えば、外部機器202は、第1の施設に設置される一方、機械システム10は、第1の施設からは離れた第2の施設に設置される。上述のサンプルSP’又はサンプルセットSSは、外部機器202で作成される。そして、外部機器202は、制御装置16又は教示装置18からの要求に応じて、サンプルSP’又はサンプルセットSSを、ネットワーク204を介して、教示装置18へ送信する。
【0146】
教示装置18のプロセッサ50は、I/Oインターフェース54を通してサンプルSP’又はサンプルセットSSを取得し、記憶部52に記憶する。こうして、安全パラメータSPの設定作業を行う前に、サンプルSP’又はサンプルセットSSが用意される。この構成によれば、外部機器202のオペレータがサンプルSP’又はサンプルセットSSを順次更新すれば、機械システム10のオペレータは、実機の機械36に適した最新のサンプルSP’又はサンプルセットSSを、ネットワーク204を通して外部機器202から随時入手することができる。
【0147】
なお、外部機器202は、外部サーバに限らず、外付けメモリ(フラッシュメモリ等)であってもよい。この場合、該外付けメモリが、サンプルSP’又はサンプルセットSSを記憶し、I/Oインターフェース54に接続される。そして、プロセッサ50は、オペレータからの入力に応じて、外付けメモリとしての外部機器202からサンプルSP’又はサンプルセットSSを取得し、記憶部52に記憶する。
【0148】
なお、上述の実施形態において、プロセッサ50は、サンプルSP’を基に新たな安全パラメータSP”を設定したときに、該新たな安全パラメータSP”を用いて、機械36の動作のシミュレーションを実行してもよい。具体的には、プロセッサ50は、オペレータからの入力に応じて、例えば
図13の第1の画像領域112に示される機械モデルMD2(例えば、図面データ)と制限領域RE1
_1、RE1
_2及びRE1
_3とを3次元仮想空間に生成する。
【0149】
一方、プロセッサ50は、機械36の動作プログラムOPを取得し、動作プログラムOPに従って仮想空間内で機械モデルMD2を模擬的に動作させる。このとき、安全パラメータSP”に設定されている制限パラメータRPが、機械36の動作に適用される。オペレータは、このようなシミュレーションを通して、サンプルSP’を基に新たに設定された安全パラメータSP”の適否を判断することができる。
【0150】
なお、上述の実施形態においては、エンドエフェクタ30のモデルサンプルMD’を監視対象として設定する場合について述べた。しかしながら、これに限らず、ロボット12の本体の任意の部位(ロボットベース20、旋回胴22、下腕部24、上腕部26、又は手首部28)を監視対象として設定することもできる。
【0151】
この場合において、例えば、
図10又は
図13に示すサンプル調整画像150に、監視対象としてロボット12の本体の部位を選択するための画像を表示してもよい。また、
図11~
図15の第1の画像領域112に示される機械モデルMD2において、監視対象として設定された部位(ロボットベース20、旋回胴22、下腕部24、上腕部26、手首部28、又はエンドエフェクタ30)を、視覚的に認識可能な形態(色付け等)で強調表示してもよい。
【0152】
また、上述の実施形態では、
図7に示すサンプル選択画像110で、制限値サンプルRE1’、制限値サンプルRE2’、モデルサンプルMD’、又は複合サンプルCSを選択する場合について述べた。しかしながら、サンプル選択画像110に、制限値サンプルV’又はPT’を加えて、プロセッサ50は、制限値サンプルV’又はPT’を機能FCにインポートするように構成されてもよい。制限値サンプルV’又はPT’についても、制限値サンプルRE1’及びRE2’、並びに複合サンプルCSと同様に、上述した方法でインポートできることを理解されたい。
【0153】
また、上述の実施形態では、エンドエフェクタ30のモデルサンプルMD’をインポートする場合について述べたが、ロボット12の本体又は周辺装置14のモデルサンプルMD’を、上述の方法によりインポートできることを理解されたい。この場合、記憶部52は、ロボット12の本体又は周辺装置14のモデルサンプルMD’と、ロボット12の本体又は周辺装置14のモデルサンプルMD’のための制限値サンプルRP’又は複合サンプルCSとを、それぞれ複数記憶する。
【0154】
そして、プロセッサ50は、オペレータからの入力に応じて、モデルサンプルMD’と、制限値サンプルRP’又は複合サンプルCSとをインポートし、新たな安全パラメータSP”として、インポートした制限値サンプルRP’又は複合サンプルCSを、インポートしたロボット12の本体又は周辺装置14のモデルサンプルMD’に対して設定する。
【0155】
また、ロボット12と周辺装置14との干渉を防止するために、プロセッサ50は、オペレータからの入力に応じて、安全パラメータSP”において、インポートされた周辺装置14のモデルサンプルMD’の領域を制限領域RE2に設定してもよい。この場合において、例えば
図13に示すサンプル調整画像150において、周辺装置14のモデルサンプルMD’の領域を制限領域RE2に設定するための設定画像を表示してもよい。
【0156】
また、上述の実施形態において、複合サンプルCSに、ロボット12の進入を禁止する制限領域RE2のデータが格納されてもよい。また、上述の
図7~
図18に示す画像110、130、140、150から、第1の画像領域112を省略してもよい。この場合においても、オペレータは、サンプルSP’を選択して機能FCにインポートすることができる。すなわち、この場合、装置70から画像生成部64を省略できる。
【0157】
また、上述の実施形態においては、パラメータ設定部66が、入力IP6に応じて、新たに設定された安全パラメータSP”を調整する場合について述べた。しかしながら、これに限らず、新たな安全パラメータSP”を調整する機能を、装置70とは別の機器に求めることもできる。この場合において、装置70は、新たに設定した安全パラメータSP”を、該別の機器に送信する。又は、安全パラメータSP”としてインポートしたサンプルSP’を、調整せずに、安全パラメータSPとして使用することも可能である。
【0158】
また、上述の実施形態においては、パラメータ設定部66が、入力受付部62が受け付けた入力IP7に応じて、新たな安全パラメータSP”を動作条件OCに設定する場合について述べた。しかしながら、これに限らず、新たな安全パラメータSP”を動作条件OCに設定する機能を、装置70とは別の機器に求めることもできる。
【0159】
また、上述の実施形態においては、安全パラメータSPがモデルデータMDを有する場合について述べた。しかしながら、モデルデータMDは、必ずしも安全パラメータSPに含まれなくてもよい。よって、記憶部52は、モデルサンプルMD’を記憶しなくてもよい。また、安全パラメータSPは、制限パラメータRPのような機械36(例えば、ロボット12)の動作を制限するためのものに限らず、例えば制御装置14の通信の安全性を確保するためのパラメータを含んでもよい。
【0160】
また、上述の実施形態において、プロセッサ30は、インポート部68として機能し、サンプルSP’を、動作条件OCに登録される正式な安全パラメータSPと同じデータ形式(具体的には、第2のフォーマットFM2又は第3のフォーマットFM3)のデータとして、機能FCにインポートしてもよい。
【0161】
また、
図6~
図16に示すGUIを用いた安全パラメータSPの設定方法は、一例に過ぎず、本開示はこれに限定されない。例えば、
図9又は
図12に示すサンプルインポート画像140で識別番号を付与するプロセスを省略してもよく、インポートしたモデルサンプルMD’を、インポートした制限サンプルRP’又は複合サンプルCSの監視対象として設定するプロセスは、如何なるものであってもよい。
【0162】
また、上述の実施形態においては、装置70が、教示装置18に組み込まれる場合について述べた。しかしながら、これに限らず、装置70は、制御装置16に組み込まれてもよいし、又は、他の如何なるコンピュータ(デスクトップ型又はタブレット型のPC)に組み込まれてもよい。この場合、制御装置16又は他のコンピュータのプロセッサ及び記憶部が、装置70を構成することになる。
【0163】
また、上述の実施形態においては、ロボット座標系Cを制限値サンプルRP’の基準として用いる場合について述べた。しかしながら、これに限らず、例えば、周辺装置14を制御するために該周辺措置14に設定される周辺装置座標系C、ワークに対して設定されるワーク座標系、作業セルの3次元空間を規定するワールド座標系等、如何なる座標系を制限値サンプルRP’の基準として用いてもよい。以上、実施形態を通じて本開示を説明したが、上述の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0164】
10 機械システム
12 ロボット
14 周辺装置
16 制御装置
18 教示装置
30 エンドエフェクタ
50 プロセッサ
52 記憶部
62 入力受付部
64 画像生成部
66 パラメータ設定部
68 インポート部
70 装置