IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リーガル・テクノロジーズの特許一覧

特開2024-46703情報処理装置、情報システム、プログラム、および記憶媒体
<>
  • 特開-情報処理装置、情報システム、プログラム、および記憶媒体 図1
  • 特開-情報処理装置、情報システム、プログラム、および記憶媒体 図2
  • 特開-情報処理装置、情報システム、プログラム、および記憶媒体 図3
  • 特開-情報処理装置、情報システム、プログラム、および記憶媒体 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046703
(43)【公開日】2024-04-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報システム、プログラム、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20240328BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152010
(22)【出願日】2022-09-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】521306247
【氏名又は名称】株式会社リーガル・テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(74)【代理人】
【識別番号】230122390
【弁護士】
【氏名又は名称】石原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148127
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 耕太
(72)【発明者】
【氏名】勝部 泰之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】弁護士ユーザが相談者ユーザに自動で法的な情報アイテムを提示することを可能とし、弁護士業務の負担を軽減する情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置、相談者端末及び弁護士端末がネットワークを介して相互に通信する接続情報処理システムにおいて、相談者端末からの操作で所定の法的な情報アイテムを相談者ユーザに対する回答として提示する情報処理装置1は、相談者ユーザに回答として提示する法的な情報アイテムを回答の作成者と関連させて予め記憶する記憶部と、相談者端末からの操作に応じた情報に基づいて記憶部に記憶された法的な情報アイテムを読み出して回答として提示する回答提示部と、を含む。回答提示部は、相談者端末からの操作に応じた情報を入力するとともに、相談者ユーザに法的な情報アイテムを回答として提示し、回答の作成者が弁護士ユーザ以外のユーザであるときは、法的な情報アイテムを回答として提示しない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相談者ユーザと弁護士ユーザとが利用し、前記相談者端末からの操作によって所定の法的な情報アイテムを前記相談者ユーザに対する回答として提示する情報処理装置であって、
前記相談者ユーザに前記回答として提示する前記法的な情報アイテムを前記回答の作成者と関連させて予め記憶する記憶部と、
前記相談者端末からの操作に応じた情報に基づいて前記記憶部に記憶された前記法的な情報アイテムを読み出して前記回答として提示する回答提示部と、
を備え、
前記回答の作成者は、前記弁護士ユーザおよび前記弁護士ユーザ以外のユーザを含み、
前記回答提示部は、前記相談者端末からの操作に応じた情報を入力するとともに、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示し、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザ以外のユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示しないことを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記回答提示部は、前記弁護士ユーザによる前記法的な情報アイテムの内容を承認する操作に応じた情報に基づいて、前記弁護士ユーザ以外のユーザが作成した回答を前記承認する操作をした弁護士ユーザが作成した回答として提示することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部に記憶された前記法的な情報アイテムについて、前記相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または前記承認する操作をした弁護士ユーザの数を計測する計測部と、
前記計測部により計測された前記相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または前記承認する操作をした弁護士ユーザの数を前記相談者端末からの操作に応じた情報の入力または前記弁護士端末からの操作に応じた情報の入力に基づいて前記相談者ユーザまたは前記弁護士ユーザに対し閲覧可能とする閲覧部と、を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
通知部およびコミュニケーション部を有し、
前記通知部は、前記相談者ユーザが前記弁護士ユーザに対し対人対応を要求する操作に応じた情報の入力をしたときに、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を、前記弁護士ユーザに対し通知し、
前記コミュニケーション部は、前記通知部により前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が前記弁護士ユーザに通知され、かつ、前記
弁護士ユーザが前記弁護士端末から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とすることを特徴とする、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記弁護士ユーザが複数存在する場合において、
前記通知部は、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を前記複数存在する弁護士ユーザに通知し、
前記コミュニケーション部は、前記通知部により前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が前記複数存在する弁護士ユーザに通知され、かつ、前記複数存在する弁護士ユーザの少なくともいずれかが前記弁護士端末から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とすることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コミュニケーション部は、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションの内容を前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザ以外の他の弁護士ユーザに対し非公開とすることを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記回答提示部は、前記コミュニケーション部によるコミュニケーションの前後において、前記回答の提示を前記複数存在する弁護士ユーザの相互間において公開して行うことを特徴する請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置と、前記相談者端末と、前記弁護士端末と、を有し、前記情報処理装置と、前記相談者端末および前記弁護士端末と、を前記通信ネットワークを介して接続することを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
相談者ユーザと弁護士ユーザとが利用し、前記相談者端末からの操作によって所定の法的な情報アイテムを前記相談者ユーザに対する回答として提示する情報処理装置のコンピュータを、
前記相談者ユーザに前記回答として提示する前記法的な情報アイテムを前記回答の作成者と関連させて予め記憶する記憶部と、
前記相談者端末からの操作に応じた情報に基づいて前記記憶部に記憶された前記法的な情報アイテムを読み出して前記回答として提示する回答提示部として機能させるとともに、
前記回答の作成者は、前記弁護士ユーザおよび前記弁護士ユーザ以外のユーザを含み、
前記回答提示部は、前記相談者端末からの操作に応じた情報を入力するとともに、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示し、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザ以外のユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示しないように機能させることを特徴とする、
プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶することを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報システム、プログラム、および記憶媒体に関し、特に、1以上の相談者ユーザと1以上の弁護士ユーザとが利用し、相談者端末からの操作によって所定の情報アイテムを相談者ユーザに対する回答として提示する情報処理装置、情報システム、プログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
弁護士の法的なサービスを利用する場合、最初に法律相談をして自身の状況を把握し、必要があれば依頼等をするのが一般的な流れである。弁護士が法律相談を受ける際、相談者は法的な知識が少ないため、弁護士はそもそもサービスの内容である法的請求の可否や、法令上のルールについて一般的な説明をしなければならないことが多い。
【0003】
例えば、離婚をしたいと考える相談者は、そもそも離婚とはどういうことなのか、どのようにして離婚をすることができるのか、慰謝料や財産分与の請求はどのような場合に可能なのか、ということに関して一般的な知識がない状態で弁護士のサービスを探すことになる。
このような状況下、特許文献1には、法律相談の情報に基づいて弁護士と顧客をマッチングさせる弁護士マッチングサーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-46114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
弁護士は、サービスの説明をする前提として、法律相談において、まずは(1)一般的な法的知識に関する説明を実施し、次に(2)かかる一般的な法的知識をもとに相談者の事例における請求の可否等に関する見通しや、それに要する弁護士費用等を説明し、最後に(3)相談者がかかる見通しや依頼条件等に合意して初めて依頼をするに至ることになる。
【0006】
かかる過程において、(1)の一般的な説明は多くの事例にあてはまるものであり、弁護士が直接口頭で説明する必要は必ずしもない。弁護士は同種事件の顧客のために一般的な説明を一からする手間を省くため、チャットボット等の自動応答システムを構築し、法律相談における(1)のステップを省略できると便利である。
【0007】
しかし、かかる自動応答システムを構築するためには、チャットボットシステム・自動応答アルゴリズムの開発、自動応答に用いるための大量の回答情報の作成・蓄積のために多額のコストがかかり、1人の弁護士や1つの法律事務所が独力で開発・構築することは極めて困難である。
【0008】
また、(1)のプロセスは、一般的な情報提供であるとしても、相談者からの相談に対応する体裁を取っている以上、法律事件に関する「鑑定」に該当する可能性があるため、弁護士以外のサービス提供事業者(株式会社など)が実施すると、弁護士法第72条違反の問題が生じる可能性がある。
【0009】
(1)の一般的な法的知識の説明を自動化することは、弁護士や法律事務所の省力化を実現するだけでなく、独力で法的権利を実現することが困難である一般の相談者に対し、法的知識へのアクセスや法的救済の可能性を提供するという意味において公益に適合する。
【0010】
しかし、弁護士法の規制があることから、弁護士や法律事務所以外の者が主体となってかかるシステムを開発・提供することはできない。かかる弁護士法の規制によってかえって公益実現が阻害されるのであれば本末転倒である。
【0011】
他方、弁護士が主体となって法的情報を提供する自動応答チャットボットを提供すること自体は違法でないことから、チャットボットシステムや自動応答の際に利用される回答情報(情報アイテム)は事業会社が準備し、これらのリソースを有償で複数の弁護士に提供するというビジネススキーム自体は合法である。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、弁護士ユーザ以外のユーザが法的な判断を伴う情報提供に関与してしまうことを防止しつつ、弁護士ユーザが相談者ユーザに自動で法的な情報アイテムを提示することを可能とし、弁護士業務の負担を軽減することができる情報処理装置、情報システム、プログラム、および記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、相談者ユーザと弁護士ユーザとが利用し、前記相談者端末からの操作によって所定の法的な情報アイテムを前記相談者ユーザに対する回答として提示する情報処理装置であって、前記相談者ユーザに前記回答として提示する前記法的な情報アイテムを前記回答の作成者と関連させて予め記憶する記憶部と、前記相談者端末からの操作に応じた情報に基づいて前記記憶部に記憶された前記法的な情報アイテムを読み出して前記回答として提示する回答提示部と、を備え、前記回答の作成者は、前記弁護士ユーザおよび前記弁護士ユーザ以外のユーザを含み、前記回答提示部は、前記相談者端末からの操作に応じた情報を入力するとともに、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示し、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザ以外のユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示しないことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、前記回答提示部は、前記相談者端末からの操作に応じた情報を入力するとともに、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示し、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザ以外のユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示しないことにより、弁護士ユーザ以外のユーザが法的な判断を伴う情報提供に関与してしまうことを防止しつつ、弁護士ユーザが相談者ユーザに自動で法的な情報アイテムを提示することを可能とし、弁護士業務の負担を軽減することができる。
【0015】
前記回答提示部は、前記弁護士ユーザによる前記法的な情報アイテムの内容を承認する操作に応じた情報に基づいて、前記弁護士ユーザ以外のユーザが作成した回答を前記承認する操作をした弁護士ユーザが作成した回答として提示することにより、弁護士ユーザ以外のユーザが作成した回答を弁護士ユーザが作成した回答とすることができる。弁護士ユーザが一般的な法律情報を入力することは入力の手間がかかりすぎることから実現が難しいとしても、弁護士ユーザ以外のユーザ(ここでは、すでに法律情報のストックを有する出版社、インターネットや新聞・雑誌で法律に関する情報コンテンツを作成するライター・記者等を想定している)が回答情報を入力し、入力されたこれらの情報の正しさを弁護士が確認した上で自身の回答に取り込み、弁護士の回答として表示することができれば、弁護士ユーザの負担を軽減するとともに、弁護士法違反の問題を解消することができる。また、情報提供の主体を弁護士ユーザとし、弁護士による承認操作を経ていない回答はそもそも相談者ユーザには提示されない構成とすることで、回答内容の正しさをシステム全体で担保することができる。
【0016】
前記記憶部に記憶された前記法的な情報アイテムについて、前記相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または前記承認する操作をした弁護士ユーザの数を計測する計測部と、前記計測部により計測された前記相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または前記承認する操作をした弁護士ユーザの数を前記相談者端末からの操作に応じた情報の入力または前記弁護士端末からの操作に応じた情報の入力に基づいて前記相談者ユーザまたは前記弁護士ユーザに対し閲覧可能とする閲覧部を有することができる。これにより、弁護士ユーザは、相談者ユーザから多くアクセスされている法的な情報アイテムを確認した上で、取り込むべき回答を選別することが可能となる。また、弁護士ユーザから承認されている数が多い法的な情報アイテムは内容が正しい可能性が高いため、弁護士ユーザから承認されている数を計測し、かかる数値を基準にして相談者ユーザに提供する情報を自動的に選別するアルゴリズム等と併用することにより、相談者ユーザに提供される情報の正確性をより高めることが可能となる。さらに、法的な情報アイテムが弁護士ユーザから承認され、承認した弁護士の回答として提示されている場合には、その提示可能とされている期間を自動的に計測した上で利用料を算出し、かかる法的な情報アイテムを作成したユーザに利用料を支払うことが可能となる。これによって、法的な情報アイテムを作成するユーザに対し、価値の高い法的な情報アイテムを作成することによって収益を得られる機会を提供することが可能となり、その結果、より多くの有益かつ正確なデータ(法的な情報アイテム)が作成されることとなる。
【0017】
通知部およびコミュニケーション部を有し、前記通知部は、前記相談者ユーザが前記回答の作成者である弁護士ユーザに対し対人対応を要求する操作に応じた情報の入力をしたときに、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を、前記回答の作成者である弁護士ユーザに対し通知し、前記コミュニケーション部は、前記通知部により前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が前記回答の作成者である弁護士ユーザに通知され、かつ、前記回答の作成者である弁護士ユーザが前記弁護士端末から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とするコミュニケーション部を備えることにより、自動での法的な情報アイテムの提示に続いて弁護士ユーザと相談者ユーザとがリアルなコミュニケーションを取ることが可能となる。
【0018】
前記回答提示部が提示した回答が複数存在するとともに、前記回答の作成者である弁護士ユーザが複数存在する場合において、前記通知部は、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を前記複数存在する弁護士ユーザに通知し、前記コミュニケーション部は、前記通知部により前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が前記複数存在する弁護士ユーザに通知され、かつ、前記複数存在する弁護士ユーザの少なくともいずれかが前記弁護士端末から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とすることにより、自動での法的な情報アイテムの提示に続いて複数の弁護士ユーザと相談者ユーザとがリアルなコミュニケーションを取ることが可能となる。
【0019】
前記コミュニケーション部は、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションの内容を前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザ以外の他の弁護士ユーザに対し非公開とすることにより、他の弁護士ユーザに対するリアルなコミュニケーションの内容の秘密性を担保することができる。
【0020】
前記回答提示部は、前記コミュニケーション部によるコミュニケーションの前後において、前記回答の提示を前記複数存在する弁護士ユーザに公開して行うことにより、弁護士ユーザの相互間において提示された回答を共有することができる。これにより、弁護士ユーザが共有された回答を参酌して相談者ユーザとコミュニケーションを行うことができる等、弁護士ユーザが相談者ユーザと効率よくコミュニケーションを行うことができる。
【0021】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理システムは、上記の情報処理装置と、前記相談者端末と、前記弁護士端末と、を有し、前記情報処理装置と、前記相談者端末および前記弁護士端末と、を前記通信ネットワークを介して接続することを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するために、本発明のプログラムは、相談者ユーザと弁護士ユーザとが利用し、前記相談者端末からの操作によって所定の法的な情報アイテムを前記相談者ユーザに対する回答として提示する情報処理装置のコンピュータを、前記相談者ユーザに前記回答として提示する前記法的な情報アイテムを前記回答の作成者と関連させて予め記憶する記憶部と、前記相談者端末からの操作に応じた情報に基づいて前記記憶部に記憶された前記法的な情報アイテムを読み出して前記回答として提示する回答提示部として機能させるとともに、前記回答の作成者は、前記弁護士ユーザおよび前記弁護士ユーザ以外のユーザを含み、前記回答提示部は、前記相談者端末からの操作に応じた情報を入力するとともに、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示し、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザ以外のユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示しないように機能させることを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、上記のプログラムを記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、弁護士ユーザ以外のユーザが法的な判断を伴う情報提供に関与してしまうことを防止しつつ、弁護士ユーザが相談者ユーザに自動で法的な情報アイテムを提示することを可能とし、弁護士業務の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの全体構成の概要を示すブロック図である。
図2】同情報検索システムの弁護士端末、相談者端末、および情報処理装置のコンピュータの構成を示すブロック図である。
図3】同情報処理システムにおける情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4】同情報処理システムの情報検索方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの全体構成の概要を示すブロック図、図2は、同情報検索システムの弁護士端末、相談者端末、および情報処理装置のコンピュータの構成を示すブロック図、図3は、同情報処理システムにおける情報処理装置の構成を示すブロック図、図4は、同情報処理システムの情報検索方法を説明するためのフローチャートである。
【0027】
本発明の情報処理システム100の概要を説明すると、情報処理システム100は、図1に示すように、情報処理装置1と、相談者端末200と、弁護士端末300と、を有している。情報処理装置1と、相談者ユーザの有する相談者端末200および弁護士ユーザの有する弁護士端末300と、は無線または有線の通信ネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されており、相互に信号情報の入出力を行うことができる。ネットワーク通信回線NTは、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信回線を含むことができる。
【0028】
相談者端末200は、法的な情報アイテムを検索する相談者ユーザが有しており、専用の端末装置の他、タブレット端末、スマートホン、携帯電話機、パーソナルコンピュータを含むことができる。相談者検索端末200は、情報処理システム100における相談者ユーザのインターフェースとして機能するものである。
【0029】
弁護士端末300は、法的な情報アイテムを提供する弁護士ユーザが有しており、専用の端末装置の他、タブレット端末、スマートホン、携帯電話機、パーソナルコンピュータを含むことができる。弁護士検索300は、情報処理システム1における弁護士ユーザのインターフェースとして機能するものである。
【0030】
情報処理装置1、相談者端末200、および弁護士端末300は、コンピュータとしての一般的構成を備えている。
【0031】
すなわち、情報処理装置1、相談者端末200、および弁護士端末300は、図2に示すように、相互にバス1A,200A,300Aを介して接続された中央処理装置(CPU、GPU、DSP)1B,200B,300B、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク、キャッシュメモリ)1C,200C,300C、入力装置(キーボード、タッチパネル、マウス)1D,200C,300D、表示装置(液晶ディスプレー)1E,200E,300E等を有している。記憶装置1C,200C,300Cは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体として機能する。
【0032】
情報処理装置1は、1以上の相談者ユーザと1以上の弁護士ユーザとが利用し、相談者ユーザの有する相談者端末200からの操作によって所定の法的な情報アイテムを相談者ユーザに対する回答として提示することができる。
【0033】
情報処理装置1は、図3に示すように、記憶部10、回答提示部30、計測部33、閲覧部36、通知部40、およびコミュニケーション部50を備えている。各部は、相互に信号情報の入出力を行うことができる。
【0034】
記憶部10は、相談者ユーザに回答として提示する法的な情報アイテムを回答の作成者と関連させて予め記憶することができる。回答の作成者は、弁護士ユーザおよび弁護士ユーザ以外のユーザを含んでいる。なお、記憶部10が記憶する法的な情報アイテムとは、弁護士法の制限を受ける可能性のある法的な内容を含む情報アイテムであり、例えば、法令情報若しくはその解説、法的制度の概要、裁判事例の紹介若しくはその解説、その他法律相談において事前に説明される一般的な法的知識に関する情報を含む。
【0035】
回答提示部30は、相談者ユーザの有する相談者端末200からの操作に応じた情報に基づいて記憶部10に記憶された法的な情報アイテムを読み出して回答として相談者端末200を介して提示することができる。相談者端末200からの操作に応じた情報とは、例えば、相談者ユーザによる相談者端末200の入力装置200Cからの操作に応じて出力される検索クエリ等の文字情報を含むことができる。
【0036】
すなわち、回答提示部30は、相談者ユーザの有する相談者端末200からの操作に応じた情報を入力するとともに、該入力した情報を含む法的な情報アイテム(入力した情報をキーワードとして含む法的な情報アイテムや入力した情報を内容的に含む法的な情報アイテム)を記憶部10から読み出す。そして、回答提示部30は、読み出した法的な情報アイテムの回答の作成者が弁護士ユーザであるか否かを判断し、回答作成者が弁護士ユーザであるときは相談者ユーザに法的な情報アイテムを回答として相談者端末200を介して提示し、回答の作成者が弁護士ユーザ以外のユーザであるときは相談者ユーザに法的な情報アイテムを回答として提示しない構成とする。
【0037】
また、回答提示部30は、弁護士ユーザによる法的な情報アイテムの内容を承認する操作に応じた情報に基づいて、弁護士ユーザ以外のユーザが作成した回答を弁護士ユーザが作成した回答として提示することができる。弁護士ユーザによる法的な情報アイテムの内容を承認する操作に応じた情報とは、例えば、弁護士ユーザによる弁護士端末300の入力装置300Cからの操作に応じて出力される信号情報や文字情報を含む。
【0038】
計測部33は、記憶部10に記憶された法的な情報アイテムについて、相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または承認する操作をした弁護士ユーザの数を計測することができる。
【0039】
閲覧部36は、計測部33により計測された相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または承認する操作をした弁護士ユーザの数を相談者ユーザの有する相談者端末200からの操作に応じた情報の入力または弁護士ユーザの有する弁護士端末300からの操作に応じた情報の入力に基づいて相談者ユーザまたは弁護士ユーザに対し閲覧可能とすることができる(たとえば、弁護士ユーザのみがアクセスできる管理画面において任意に指定した期間におけるアクセス数、承認数を閲覧することを可能としたり、相談者ユーザに法的な情報アイテムを表示する際にアクセス数や承認数を付加情報として表示したり、アクセス数や承認数が多い法的な情報アイテムであることを示して表示することができる)。
【0040】
通知部40は、相談者ユーザが回答の作成者である弁護士ユーザに対し対人対応を要求する相談者端末200からの操作に応じた情報の入力をしたときに、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を、回答の作成者である弁護士ユーザに対し弁護士端末300を介して通知することができる。
【0041】
通知部40は、回答提示部30が提示した回答が複数存在するとともに、回答の作成者である弁護士ユーザが複数存在する場合において、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を複数存在する弁護士ユーザに弁護士端末300を介して通知することができる。
【0042】
コミュニケーション部50は、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が回答の作成者である弁護士ユーザに弁護士端末300を介して通知され、かつ、回答の作成者である弁護士ユーザが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とする(なお、操作に応じた情報とは、例えば、弁護士ユーザによる弁護士端末300の入力装置300Cからの操作に応じて出力される信号情報や文字情報を含む)。
【0043】
コミュニケーション部50は、回答提示部30が提示した回答が複数存在するとともに、回答の作成者である弁護士ユーザが複数存在する場合において、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が複数存在する弁護士ユーザに弁護士端末300を介して通知され、かつ、複数存在する弁護士ユーザの少なくともいずれかが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とする(なお、操作に応じた情報とは、例えば、弁護士ユーザによる弁護士端末300の入力装置300Cからの操作に応じて出力される信号情報や文字情報を含む)。
【0044】
コミュニケーション部50は、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションの内容を対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザ以外の他の弁護士ユーザに対し非公開とすることができる。これにより、他の弁護士ユーザに対するリアルなコミュニケーションの内容の秘密性を担保することができる。
【0045】
ここで、コミュニケーション部50が行う弁護士ユーザと相談者ユーザとのコミュニケーションには、例えば、チャットツールを用いて構築された種々のSNS(Social networking service)により弁護士ユーザと相談者ユーザとが文字情報を直接相互に交換して行うコミュニケーション、弁護士ユーザと相談者ユーザとが音声情報や画像情報を直接相互に送受信して行うコミュニケーション等、弁護士ユーザと相談者ユーザの各種の直接的なコミュニケーションを含む。コミュニケーション部50を介してのコミュニケーションには、例えば、一般的な法的知識をもとに相談者の個々の事例における請求の可否等に関する見通しや、それに要する弁護士費用等の説明が含まれる。コミュニケーション部50を介して弁護士ユーザと相談者ユーザが直接的なコミュニケーションを可能とすることで回答提示部30では提示が困難な個々の事例における回答を得ることができる。
【0046】
なお、回答提示部30は、コミュニケーション部50によるコミュニケーションの前後において、該回答提示部30による回答の提示については複数存在する弁護士ユーザの相互間において弁護士端末300を介して公開して行うことができる。これにより、弁護士ユーザの相互間において提示された回答を共有することができる。すなわち、このような回答の共有により、弁護士ユーザが共有された回答を参酌して相談者ユーザとコミュニケーションを行うことができる等、弁護士ユーザが相談者ユーザと効率よくコミュニケーションを行うことができる。回答提示部30により提示される回答は、一般的な法的知識に関するものであり、秘密性は相対的に少ない。
【0047】
ここで、上述した記憶装置1Cは、上記の各部を機能させるためのプログラム1aが記憶されている。すなわち、記憶装置1Cに記憶されているプログラム1aは、1以上の相談者ユーザと1以上の弁護士ユーザとが利用し、相談者ユーザの有する相談者端末200からの操作によって所定の法的な情報アイテムを相談者ユーザに対する回答として提示する情報処理装置1のコンピュータを、記憶部10、回答提示部30、計測部33、閲覧部36、通知部40、およびコミュニケーション部50として機能させることができる。
【0048】
次に、情報処理システム100における情報処理方法を図4のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0049】
まずステップS10において、相談者ユーザが相談者端末200を介して所定の操作を行う。
【0050】
次いで、ステップS20において、回答提示部30が、相談者端末200からの操作に応じた情報を入力するとともに、該入力した情報を含む法的な情報アイテムを記憶部10から読み出して回答として相談者端末200を介して提示する。回答提示部30は、回答の作成者が弁護士ユーザであるときは相談者ユーザに法的な情報アイテムを回答として提示する一方で、回答の作成者が弁護士ユーザ以外のユーザであるときは相談者ユーザに法的な情報アイテムを回答として提示しない構成とする。回答提示部30は、弁護士ユーザによる法的な情報アイテムの内容を承認する操作に応じた情報に基づいて、弁護士ユーザ以外のユーザが作成した回答を弁護士ユーザが作成した回答として提示することができる。
【0051】
なお、計測部33は、記憶部10に記憶された法的な情報アイテムについて、相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または承認する操作をした弁護士ユーザの数を計測することができる。また、閲覧部36は、計測部33により計測された相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または承認する操作をした弁護士ユーザの数を相談者ユーザの有する相談者端末200からの操作に応じた情報の入力または弁護士ユーザの有する弁護士端末300からの操作に応じた情報の入力に基づいて相談者ユーザまたは弁護士ユーザに対し閲覧可能とすることができる。
【0052】
続いて、ステップS30において、通知部40が、相談者ユーザが回答の作成者である弁護士ユーザに対し対人対応を要求する相談者端末200からの操作に応じた情報の入力をしたときに、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を、回答の作成者である弁護士ユーザに対し弁護士端末300を介して通知する。通知部40は、回答提示部30が提示した回答が複数存在するとともに、回答の作成者である弁護士ユーザが複数存在する場合において、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を複数存在する弁護士ユーザに弁護士端末300を介して通知する。
【0053】
次に、ステップS40において、コミュニケーション部50が、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が回答の作成者である弁護士ユーザに弁護士端末300を介して通知され、かつ、回答の作成者である弁護士ユーザが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とする。
【0054】
また、コミュニケーション部50は、回答提示部30が提示した回答が複数存在するとともに、回答の作成者である弁護士ユーザが複数存在する場合において、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が複数存在する弁護士ユーザに弁護士端末300を介して通知され、かつ、複数存在する弁護士ユーザの少なくともいずれかが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザの少なくともいずれかと、のコミュニケーションを可能とする。
【0055】
以上説明したように、本発明によれば、回答提示部30は、相談者ユーザの有する相談者端末200からの操作に応じた情報を入力するとともに、回答の作成者が弁護士ユーザであるときは相談者ユーザに法的な情報アイテムを回答として提示し、回答の作成者が弁護士ユーザ以外のユーザであるときは相談者ユーザに法的な情報アイテムを回答として提示しないことにより、弁護士ユーザ以外のユーザが法的な判断を伴う情報提供に関与してしまうことを防止することができる。
【0056】
また、回答提示部30は、弁護士ユーザによる法的な情報アイテムの内容を承認する操作に応じた情報に基づいて、弁護士ユーザ以外のユーザが作成した回答を弁護士ユーザが作成した回答として提示することにより、弁護士ユーザ以外のユーザが作成した回答を弁護士ユーザが作成した回答とすることができる。弁護士ユーザが一般的な法律情報を入力することは入力の手間がかかりすぎることから実現が難しいとしても、弁護士ユーザ以外のユーザ(ここでは、すでに法律情報のストックを有する出版社、インターネットや新聞・雑誌で法律に関する情報コンテンツを作成するライター・記者等を想定している)が回答情報を入力し、入力されたこれらの情報の正しさを弁護士が確認した上で自身の回答に取り込み、弁護士の回答として表示することができれば、弁護士ユーザの負担を軽減するとともに、弁護士法違反の問題を解消することができる。また、情報提供の主体を弁護士ユーザとし、弁護士による承認操作を経ていない回答はそもそも相談者ユーザには提示されない構成とすることで、回答内容の正しさをシステム全体で担保することができる。
【0057】
また、上記した計測部33と、閲覧部36と、を有することにより、弁護士ユーザは、相談者ユーザから多くアクセスされている法的な情報アイテムを確認した上で、取り込むべき回答を選別することが可能となる。また、弁護士ユーザから承認されている数が多い法的な情報アイテムは内容が正しい可能性が高いため、弁護士ユーザから承認されている数を計測し、かかる数値を基準にして相談者ユーザに提供する情報を自動的に選別するアルゴリズム等と併用することにより、相談者ユーザに提供される情報の正確性をより高めることが可能となる。さらに、法的な情報アイテムが弁護士ユーザから承認され、承認した弁護士の回答として提示されている場合には、その提示可能とされている期間を自動的に計測した上で利用料を算出し、かかる法的な情報アイテムを作成したユーザに利用料を支払うことが可能となる。これによって、法的な情報アイテムを作成するユーザに対し、価値の高い法的な情報アイテムを作成することによって収益を得られる機会を提供することが可能となり、その結果、より多くの有益かつ正確なデータ(法的な情報アイテム)が作成されることとなる。
【0058】
更に、通知部40は、相談者ユーザが回答の作成者である弁護士ユーザに対し対人対応を要求する操作に応じた情報の入力をしたときに、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を、回答の作成者である弁護士ユーザに対し通知し、コミュニケーション部50は、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が回答の作成者である弁護士ユーザに通知され、かつ、回答の作成者である弁護士ユーザが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とするコミュニケーション部50を備えることにより、自動での法的な情報アイテムを提示に続いて弁護士ユーザと相談者ユーザとがリアルなコミュニケーションを取ることが可能となる。
【0059】
更にまた、回答提示部30が提示した回答が複数存在するとともに、回答の作成者である弁護士ユーザが複数存在する場合において、通知部40は、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を複数存在する弁護士ユーザに通知し、コミュニケーション部50は、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が複数存在する弁護士ユーザに通知され、かつ、複数存在する弁護士ユーザの少なくともいずれかが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザの少なくともいずれかと、のコミュニケーションを可能とすることにより、自動での法的な情報アイテムを提示に続いて複数の弁護士ユーザと相談者ユーザとがリアルなコミュニケーションを取ることが可能となる。
【0060】
また、一つの情報処理装置に自動応答機能だけでなく対人コミュニケーションを可能とする機能を併せて提供することにより、自動応答により適切な回答が得られなかった場合や、自動応答により提供された法的な情報アイテムの意味が理解できなかった場合などに直接弁護士に質問して確認することが可能となり、より利便性が高まる。
【0061】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
【0062】
すなわち、上述した実施形態においては、通知部40は、相談者ユーザが回答の作成者である弁護士ユーザに対し対人対応を要求する操作に応じた情報の入力をしたときに、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を、回答の作成者である弁護士ユーザに対し通知し、コミュニケーション部50は、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が回答の作成者である弁護士ユーザに通知され、かつ、回答の作成者である弁護士ユーザが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とし、更には、回答提示部30が提示した回答が複数存在するとともに、回答の作成者である弁護士ユーザが複数存在する場合において、通知部40は、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を複数存在する弁護士ユーザに通知し、コミュニケーション部50は、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が複数存在する弁護士ユーザに通知され、かつ、複数存在する弁護士ユーザの少なくともいずれかが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザの少なくともいずれかと、のコミュニケーションを可能とすることとしているが、回答提示部30による回答の提示を前提とせず、回答提示部30が回答を提示しない場合においても、通知部40は、単に、相談者ユーザが弁護士ユーザに対し対人対応を要求する操作に応じた情報の入力をしたときに、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を、弁護士ユーザに対し通知し、コミュニケーション部50は、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が弁護士ユーザに通知され、かつ、弁護士ユーザが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能し、更には、弁護士ユーザが複数存在する場合において、通知部40は、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を複数存在する弁護士ユーザに通知し、コミュニケーション部50は、通知部40により対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が複数存在する弁護士ユーザに通知され、かつ、複数存在する弁護士ユーザの少なくともいずれかが弁護士ユーザの有する弁護士端末300から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザの少なくともいずれかと、のコミュニケーションを可能とすることとしても所要の効果を奏することができる。
【0063】
また、上述した実施形態にあっては、相談者端末200は、相談者ユーザの有する相談者端末200、弁護士端末300は、弁護士ユーザの有する弁護士端末300とすることとしているが、相談者ユーザや弁護士ユーザが有する端末200,300以外の相談者ユーザや弁護士ユーザが利用可能な端末も含むことができる。
【符号の説明】
【0064】
NT:通信ネットワーク
1:情報処理装置
1a:プログラム
1A:バス
1B:中央処理装置
1C:記憶装置
1D:入力装置
1E:表示装置
10:記憶部
30:回答提示部
40:通知部
50:コミュニケーション部
100:情報処理システム
200:相談者端末
200A:バス
200B:中央処理装置
200C:記憶装置
200D:入力装置
200E:表示装置
300:弁護士端末
300A:バス
300B:中央処理装置
300C:記憶装置
300D:入力装置
300E:表示装置
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相談者ユーザと弁護士ユーザとが利用し、相談者端末からの操作によって所定の法的な情報アイテムを前記相談者ユーザに対する回答として提示する情報処理装置であって、
前記相談者ユーザに前記回答として提示する前記法的な情報アイテムを前記回答の作成者と関連させて予め記憶する記憶部と、
前記相談者端末からの操作に応じた情報に基づいて前記記憶部に記憶された前記法的な情報アイテムを読み出して前記回答として提示する回答提示部と、
を備え、
前記回答の作成者は、前記弁護士ユーザおよび前記弁護士ユーザ以外のユーザを含み、
前記回答提示部は、前記相談者端末からの操作に応じた情報を入力するとともに、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示し、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザ以外のユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示しないことを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記回答提示部は、前記弁護士ユーザによる前記法的な情報アイテムの内容を承認する操作に応じた情報に基づいて、前記弁護士ユーザ以外のユーザが作成した回答を前記承認する操作をした弁護士ユーザが作成した回答として提示することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部に記憶された前記法的な情報アイテムについて、前記相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または前記承認する操作をした弁護士ユーザの数を計測する計測部と、
前記計測部により計測された前記相談者ユーザによってアクセスされた回数および/または前記承認する操作をした弁護士ユーザの数を前記相談者端末からの操作に応じた情報の入力または弁護士端末からの操作に応じた情報の入力に基づいて前記相談者ユーザまたは前記弁護士ユーザに対し閲覧可能とする閲覧部と、を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
通知部およびコミュニケーション部を有し、
前記通知部は、前記相談者ユーザが前記弁護士ユーザに対し対人対応を要求する操作に応じた情報の入力をしたときに、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を、前記弁護士ユーザに対し通知し、
前記コミュニケーション部は、前記通知部により前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が前記弁護士ユーザに通知され、かつ、前記弁護士ユーザが弁護士端末から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とすることを特徴とする、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記弁護士ユーザが複数存在する場合において、
前記通知部は、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報を前記複数存在する弁護士ユーザに通知し、
前記コミュニケーション部は、前記通知部により前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザの情報が前記複数存在する弁護士ユーザに通知され、かつ、前記複数存在する弁護士ユーザの少なくともいずれかが前記弁護士端末から対人対応を承認する操作を行い該操作に応じた情報を入力した場合に、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションを可能とすることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コミュニケーション部は、前記対人対応を要求する操作をした相談者ユーザと、前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザと、のコミュニケーションの内容を前記対人対応を承認する操作をした弁護士ユーザ以外の他の弁護士ユーザに対し非公開とすることを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記回答提示部は、前記コミュニケーション部によるコミュニケーションの前後において、前記回答の提示を前記複数存在する弁護士ユーザの相互間において公開して行うことを特徴する請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置と、相談者端末と、弁護士端末と、を有し、前記情報処理装置と、前記相談者端末および前記弁護士端末と、を前記通信ネットワークを介して接続することを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
相談者ユーザと弁護士ユーザとが利用し、相談者端末からの操作によって所定の法的な情報アイテムを前記相談者ユーザに対する回答として提示する情報処理装置のコンピュータを、
前記相談者ユーザに前記回答として提示する前記法的な情報アイテムを前記回答の作成者と関連させて予め記憶する記憶部と、
前記相談者端末からの操作に応じた情報に基づいて前記記憶部に記憶された前記法的な情報アイテムを読み出して前記回答として提示する回答提示部として機能させるとともに、
前記回答の作成者は、前記弁護士ユーザおよび前記弁護士ユーザ以外のユーザを含み、
前記回答提示部は、前記相談者端末からの操作に応じた情報を入力するとともに、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示し、前記回答の作成者が前記弁護士ユーザ以外のユーザであるときは前記相談者ユーザに前記法的な情報アイテムを回答として提示しないように機能させることを特徴とする、
プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶することを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。