(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046706
(43)【公開日】2024-04-04
(54)【発明の名称】清掃櫛
(51)【国際特許分類】
A45D 24/42 20060101AFI20240328BHJP
A46B 17/06 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
A45D24/42
A46B17/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152015
(22)【出願日】2022-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】中川 和紀
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA11
3B202BB01
3B202DB01
3B202GB12
(57)【要約】
【課題】 ブラシ片を傷つけることなく、絡みついた毛髪を確実に除去することができる清掃櫛を提供する。
【解決手段】 軸体7と、軸体7に一端が固定された基台8の表面側に複数のブラシ片9が植設されたブラシユニット6と、を有するブラシ部材5に絡みついた糸くずや毛髪を除去するための清掃櫛10は、櫛体1を有しており、櫛体1は、略板状であると共に、厚み方向に貫通する溝2が形成されているものであって、櫛体1は、除毛部3を備えており、使用時には、ブラシユニット6を、ブラシユニット6の裏面側から溝2に挿通させることによって、除毛部3が糸くずや毛髪を除去する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸体と、該軸体に一端が固定された基台の表面側に複数のブラシ片が植設されたブラシユニットと、を有するブラシ部材に絡みついた糸くずや毛髪を除去するための清掃櫛であって、
前記清掃櫛は、櫛体を有しており、該櫛体は、略板状であると共に、厚み方向に貫通する溝が形成されているものであって、
前記櫛体は、除毛部を備えており、
使用時には、前記ブラシユニットを、該ブラシユニットの裏面側から前記溝に挿通させることによって、前記除毛部が糸くずや毛髪を除去することを特徴とする清掃櫛
【請求項2】
溝の内側面の形状は、ブラシユニットの外側面の形状に対応して形成されており、使用時には、前記溝と前記ブラシユニットとは略嵌合状態になることを特徴とする請求項1に記載の清掃櫛
【請求項3】
除毛部は、絡みついた毛髪を保持する複数の突起を備えており、該突起は、櫛体の表面側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃櫛
【請求項4】
使用時にブラシユニットを溝に挿通させた場合に、除毛部がブラシユニットの隣り合うブラシ片の間を通過することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の清掃櫛
【請求項5】
除毛部は、ブラシ部材の単一のブラシユニット内における各々のブラシ片の間を通過することを特徴とする請求項4に記載の清掃櫛
【請求項6】
清掃櫛は、少なくとも5面を有する箱体形状に形成されており、そのうちの1面が櫛体を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃櫛
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシ部材に絡みついた糸くずや毛髪を除去するための清掃櫛に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブラシ部材に絡みついた糸くずや毛髪、フケ等を除去するための清掃機能を備えたヘアブラシに関する発明が知られている(特許文献1及び2)。
【0003】
特許文献1に記載の櫛は、紙又は合成樹脂からなる片体を櫛面と同形にして櫛歯通入孔を穿設して着脱自在に櫛面に嵌合させたものである。また、特許文献2に記載のヘアブラシは、ヘアブラシの植毛面側のくしに対応する部分に、くしの径よりも少し大きめの穴のあいたスライド板を設け、くしにスライド板を取り付けた状態で、四隅近傍にあるくしにそれぞれストッパーを設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭48-48898号公報
【特許文献2】特開平11-192125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載の櫛は、着脱自在の片体の櫛歯通入孔に櫛歯の先端側から挿入する構成となっていることから櫛歯の折れや破損を引き起こし易いという課題を有するものであった。また、上記特許文献2に記載のヘアブラシは、スライド板によって、くしの折れや破損を防ぐことはできたが、スライド板が着脱されるものではないことから、毛髪の除去が不十分になるという課題を有するものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、ブラシ片を傷つけることなく、絡みついた毛髪を確実に除去することができる清掃櫛を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、軸体と、該軸体に一端が固定された基台の表面側に複数のブラシ片が植設されたブラシユニットと、を有するブラシ部材に絡みついた糸くずや毛髪を除去するための清掃櫛であって、前記清掃櫛は、櫛体を有しており、該櫛体は、略板状であると共に、厚み方向に貫通する溝が形成されているものであって、前記櫛体は、除毛部を備えており、使用時には、前記ブラシユニットを、該ブラシユニットの裏面側から前記溝に挿通させることによって、前記除毛部が糸くずや毛髪を除去することを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、清掃櫛を構成する櫛体が厚み方向に貫通する溝と除毛部とを有しており、ブラシユニットの裏面側から溝に挿通可能な構成としているので、表面側に植設されている複数のブラシ片を傷つけることなく、ブラシ部材に絡みついた糸くずや毛髪を除毛部によって確実に除去することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、溝の内側面の形状は、ブラシユニットの外側面の形状に対応して形成されており、使用時には、前記溝と前記ブラシユニットとは略嵌合状態になることを特徴としている。これにより、溝とブラシユニットとの間に形成される隙間が小さくなるので、溝を通過する毛髪等を少なくすることができ、清掃効果を向上させることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、除毛部は、絡みついた毛髪を保持する複数の突起を備えており、該突起は、櫛体の表面側に形成されていることを特徴としている。これにより、ブラシ部材に絡みついた糸くずや毛髪を突起に引っ掛けて除去することができ、清掃効果をさらに向上させることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、使用時にブラシユニットを溝に挿通させた場合に、除毛部がブラシユニットの隣り合うブラシ片の間を通過することを特徴としている。これにより、毛髪がブラシユニットの隣り合うブラシ片の間に掛け渡されるように絡みついている場合でも除毛部によって確実に除去することができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、除毛部は、ブラシ部材の単一のブラシユニット内における各々のブラシ片の間を通過することを特徴としている。これにより、毛髪等が単一のブラシユニット内における各々のブラシ片の間に掛け渡されるように絡みついている場合でも除毛部によって確実に除去することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1又は2の発明において、清掃櫛は、少なくとも5面を有する箱体形状に形成されており、そのうちの1面が櫛体を有していることを特徴としている。これにより、清掃櫛にブラシ部材を収容する箱体としての機能をもたせることができる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の清掃櫛の発明は、ブラシ片を傷つけることなく、ブラシ部材に絡みついた糸くずや毛髪を除毛部によって確実に除去することができる。また、請求項2の発明は、溝を通過する毛髪等を少なくすることができ、清掃効果を向上させることができる。また、請求項3の発明は、ブラシ部材に絡みついた糸くずや毛髪を突起に引っ掛けて除去することができ、清掃効果をさらに向上させることができる。
【0015】
請求項4の発明は、毛髪がブラシユニットの隣り合うブラシ片の間に掛け渡されるように絡みついている場合でも除毛部によって確実に除去することができる。また、請求項5の発明は、毛髪等が単一のブラシユニット内における各々のブラシ片の間に掛け渡されるように絡みついている場合でも除毛部によって確実に除去することができる。また、請求項6の発明は、清掃櫛にブラシ部材を収容する箱体としての機能をもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(a)第1実施形態の清掃櫛を表面側から視た斜視図(b)第1実施形態の清掃櫛を裏面側から視た斜視図
【
図2】(a)第1実施形態の清掃櫛が使用されるブラシ部材の正面側の斜視図(b)第1実施形態の清掃櫛が使用されるブラシ部材の背面側の斜視図
【
図3】(a)~(c)第1実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図
【
図4】(a)~(c)第2実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図
【
図5】(a)~(c)第3実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図
【
図6】(a)~(c)第4実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図
【
図7】(a)第5実施形態の清掃櫛が設置された洗濯機の斜視図(b)第5実施形態の清掃櫛が設置された洗濯機の概略断面図
【
図8】(a)~(c)第5実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1(a)は、第1実施形態の清掃櫛を表面側から視た斜視図であり、
図1(b)は、清掃櫛を裏面側から視た斜視図である。また、
図2(a)は、第1実施形態の清掃櫛が使用されるブラシ部材の正面側の斜視図であり、
図2(b)は、同ブラシ部材の背面側の斜視図である。また、
図3(a)~(c)は、第1実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図である。使用時は、
図3(a)の状態から清掃櫛10を移動させ、
図3(b)となるように清掃櫛10とブラシ部材5を嵌合した後、
図3(c)の状態となるように清掃櫛10を移動させて使用する。尚、本実施形態のブラシ部材は、毛髪を整えるヘアブラシを想定しており、清掃櫛はヘアブラシに絡みついた毛髪を除去する櫛を想定している。これらの図を用いて第1実施形態の清掃櫛について説明する。
【0018】
第1実施形態の清掃櫛10は、櫛体1を有しており、櫛体1は、略板状であると共に、厚み方向に貫通する複数の溝2、2・・が形成されている。また、櫛体1は、糸くずや毛髪を除去することができる除毛部3を備えている。具体的には、複数の溝2、2・・と、溝2と溝2の間の櫛体1と、後述する複数の小突起4a、4a・・及び複数の大突起4b、4b・・・とが除毛部3を構成している。また、櫛体1の外周は外枠1aが形成されている。
【0019】
第1実施形態の清掃櫛が使用されるブラシ部材5は、
図2(a)及び(b)に示すように、下方に把持部7aが形成された軸体7と、軸体7に一端が固定された基台8の表面側に複数のブラシ片9、9・・が植設された複数のブラシユニット6、6・・とを有している。尚、中央3列のブラシ片9aは、馬毛で形成されており、中間部2列のブラシ片9bは豚毛で形成されており、外側2列のブラシ片9cはナイロンピンで形成されている。尚、ブラシ片は、樹脂や毛材、金属など材質に限定されるものではなく、略棒状の1本又は複数本からなる毛材束も本発明に含まれる。
【0020】
尚、ブラシユニットが1個のみ形成されているブラシ部材に使用する場合の清掃櫛も本発明に含まれる。同様に、溝が1個のみ形成されている清掃櫛も本発明に含まれる。また、隣り合う溝2、2の中心点を直線で結んだ場合には、中間に必ず除毛部3が介在する形状としているので、隣り合う溝2、2に挿通される隣り合うブラシ片9、9の間に毛髪が掛け渡されるように絡みついている場合でも除毛部3によって除去することができる。
【0021】
清掃櫛10の溝2の内側面の形状は、ブラシユニット6の外側面の形状に対応して形成されており、使用時には、溝2とブラシユニット6とは略嵌合状態になるようにしている。これにより、溝2とブラシユニット6との間に形成される隙間が小さくなるので、溝2を通過する毛髪等を少なくすることができ、清掃効果を向上させることができる。
【0022】
除毛部3は、絡みついた毛髪を保持する複数の小突起4a、4a・・と、絡みついた毛髪を引っ掛ける複数の大突起4b、4b・・・とを備えており、小突起4a及び大突起4bは、櫛体1の表面側に形成されている。これにより、ブラシ部材5に絡みついた糸くずや毛髪を小突起4aに保持できると共に、保持した糸くずや毛髪が溝2からこぼれ落ちるのを大突起4bで引っ掛けることで捕捉することができ、清掃効果をさらに向上させることができる。尚、小突起4aは櫛体1の除毛部3に形成することが好ましいが、櫛体1の表面全体に形成した場合も本発明に含まれる。また、大突起4bは除毛部3の溝2の近傍に形成することが好ましいが、除毛部3の全体に形成した場合や、櫛体1の表面全体に形成した場合も本発明に含まれる。
【0023】
そして、使用時には、ブラシユニット6を、ブラシユニット6の裏面側から溝2に挿通させることによって、除毛部3が糸くずや毛髪を除去することができる。これにより、表面側に植設されている複数のブラシ片9、9・・を傷つけることなく、ブラシ部材5に絡みついた糸くずや毛髪を除毛部3によって確実に除去することができる。特にブラシ片9aやブラシ片9bのような毛材束の場合は、根元から毛材の長手方向に広がりを持つテーパ形状であるため、先端側からの挿入時に特に毛材を傷つける恐れがあり、その課題を解決することができる。また、ブラシユニット6の基台8と清掃櫛10の溝2とを、直接嵌め合わせながら挿通させることができるため、嵌め合わせが容易であると共に、嵌め合わせに伴う使用時の煩わしさを軽減することができる。さらに、ブラシ片9aやブラシ片9bのような毛材束の場合は、清掃櫛10の溝2が毛材束の根元側から先端側に向かい摺接しながら毛材を整えるため、ヘアブラシの使用時に広がった毛材を補修することができる。
【0024】
第1実施形態の清掃櫛10は、
図3に示すように、使用時にブラシユニット6を溝2に挿通させた場合に、除毛部3がブラシユニット6の隣り合うブラシ片9、9の間を通過するようにしている。これにより、毛髪がブラシユニット6の隣り合うブラシ片9、9の間に掛け渡されるように絡みついている場合でも除毛部3によって確実に除去することができる。
【0025】
また、除毛部3は、ブラシ部材5の単一のブラシユニット6内における各々のブラシ片9、9の間を通過するようにしている。これにより、毛髪等が単一のブラシユニット6内における各々のブラシ片9、9の間に掛け渡されるように絡みついている場合でも除毛部3によって確実に除去することができる。尚、隣り合うブラシ片9、9の軸中心を結ぶ線上を除毛部3が通過する構成とすることで、より確実に絡みついた毛髪を除去することができるものであり、例えば隣り合うブラシ片9、9間の基台8を屈曲又は湾曲させた形状が考えられる。
【0026】
図4(a)~(c)第2実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図である。使用時は、
図4(a)の状態から清掃櫛20を移動させ、
図4(b)となるように清掃櫛20とブラシ部材5を嵌合した後、
図4(c)の状態となるように清掃櫛20のみを上方にスライドさせて使用する。第2実施形態の清掃櫛20は、5面を有する箱体形状に形成されており、そのうちの1面が櫛体21を有する構成としている。これにより、清掃櫛20にブラシ部材5を収容する箱体としての機能をもたせることができる。櫛体21は、略板状であると共に、厚み方向に貫通する複数の溝22、22・・が形成されている。また、櫛体21は、糸くずや毛髪を除去することができる除毛部23を備えている。また、除毛部23は、絡みついた毛髪を保持する複数の小突起24a、24a・・と絡みついた毛髪を引っ掛ける複数の大突起24b、24b・・・とを備えており、小突起24a及び大突起24bは、櫛体21の表面側に形成されている。尚、清掃櫛20の箱体形状は、5面に限定するものではなく、少なくとも5面を有していれば本発明に含まれる。尚、
図4(b)に示すようにブラシ部材5の裏面側が清掃櫛20の内底面に接した状態でブラシ部材5のブラシ片9の先端が櫛体21の裏面と接触しないように空間部が形成されており、
図4(c)に示すように清掃櫛20を上方へスライドさせてもブラシ片9を傷つけることがない構成としている。また、ブラシ部材5を清掃櫛20の内部に収容した状態で保管することで、ブラシ部材を清潔に維持することができる。
【0027】
図5(a)~(c)第3実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図である。使用時は、
図5(a)の状態から清掃櫛30を移動させ、
図5(b)となるように清掃櫛30とブラシ部材35を嵌合した後、
図5(c)の状態となるように清掃櫛30のみを移動させて使用する。第3実施形態の清掃櫛30は、使用されるブラシ部材35の形状に対応する櫛体31の形状となっている。具体的には、ブラシ部材35は、下方に把持部37aが形成された軸体37と、軸体37に一端が固定された基台38の表面側に複数のブラシ片39、39・・が植設された複数のブラシユニット36、36・・とを有しているものであって、複数のブラシユニット36、36・・は軸体37の左側のみに形成されている。また、清掃櫛30は、櫛体31を有しており、櫛体31は、略板状であると共に、厚み方向に貫通する複数の溝32、32・・が形成されている。また、櫛体31は、糸くずや毛髪を除去することができる除毛部33を備えている。また、除毛部33は、絡みついた毛髪を保持する複数の小突起34a、34a・・を備えており、小突起34aは、櫛体31の表面側に形成されている。尚、隣り合うブラシ片39、39の軸中心を結ぶ線上を除毛部33が通過する構成とすることで、より確実に絡みついた毛髪を除去することができるものであり、例えば隣り合うブラシ片39、39間の基台38を屈曲又は湾曲させた形状が考えられる。本実施形態とすることで、軸体37の形状によることなく、清掃櫛30の溝32とブラシユニット36とを嵌め合わせるだけの簡単な動作で、絡まった毛髪を除去することができる。
【0028】
図6(a)~(c)第4実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図である。使用時は、
図6(a)の状態から清掃櫛40を移動させ、
図6(b)となるように清掃櫛40とブラシ部材45を嵌合した後、
図6(c)の状態となるように清掃櫛40のみを移動させて使用する。第4実施形態の清掃櫛40は、使用されるブラシ部材45の形状に対応する櫛体41の形状となっている。具体的には、ブラシ部材45は、下方に把持部47aが形成されていると共に、上方は平面視ロ字状に形成された軸体47と、軸体47に両端が固定された基台48の表面側に複数のブラシ片49、49・・が植設された複数のブラシユニット46、46・・とを有しているものである。また、清掃櫛40は、櫛体41を有しており、櫛体41は、略板状であると共に、厚み方向に貫通する複数の溝42、42・・が形成されている。また、櫛体41は、糸くずや毛髪を除去することができる除毛部43を備えている。また、除毛部43は、絡みついた毛髪を保持する複数の小突起44a、44a・・を備えており、小突起44aは、櫛体41の表面側に形成されている。また、櫛体41の裏面側には使用者が操作し易いように持ち手41aが形成されている。本実施形態とすることで、ブラシ部材45の略中央を、清掃櫛40の除毛部43が通過する構成となるため、ブラシ部材45に絡まった毛髪を効果的に除去することができる。
【0029】
図7(a)は、第5実施形態の清掃櫛とブラシ部材が設置された洗濯機の斜視図であり、
図7(b)は、第5実施形態の清掃櫛とブラシ部材が設置された洗濯機の概略断面図である。また、
図8(a)~(c)は、第5実施形態の清掃櫛の使用手順を示す斜視図である。これらの図を用いて第5実施形態の清掃櫛について説明する。
【0030】
洗濯機60は、乾燥機能を備えており、前面にドア19aを備え、槽体19c内に回転自在に配置され衣類などを収容する回転ドラム19b内に、送風手段(ファン)13及び加熱手段12により発生した温風を、循環ダクト11a、11b、11cを経て循環供給して衣類を乾燥可能とするとともに、循環ダクト11a、11b、11cの槽体19cからの排気側にフィルター清掃装置14が設置されている。また、洗濯機60の正面右側下部には、ブラシ部材(リントフィルター)55を取り出すことができる蓋15を備えており、この蓋15の内部に設けられた円筒状のフィルターケース16内にブラシ部材55が設置されている。フィルターケース16は、機内排水ホース17aによって回転ドラム19bと連通している。また、フィルターケース16は、排水弁18を備えた排水管17bとも連通している。このように構成されるため、槽体19cからの排水する時は、排水が機内排水ホース17aを通ってフィルターケース16に流れ込み、ブラシ部材55によって排水中の糸くずや毛髪などのリントが除去される。そして、排水は排水管17bを通って洗濯機60の外に排出される。
【0031】
ブラシ部材(リントフィルター)55は、下方に把持部57aが形成された軸体57と、軸体57に一端が固定された基台58の表面側に複数のブラシ片59、59・・が植設されたブラシユニット56とを有している。また、清掃櫛50は、櫛体51を有しており、櫛体51は、略板状であると共に、厚み方向に貫通する複数の溝52、52・・が形成されている。また、櫛体51は、糸くずや毛髪を除去することができる除毛部53を備えている。尚、隣り合うブラシ片59、59の軸中心を結ぶ線上を除毛部53が通過する構成とすることで、より確実に絡みついた毛髪を除去することができるものであり、例えば隣り合うブラシ片59、59間の基台58を屈曲又は湾曲させた形状が考えられる。
【0032】
ブラシ部材(リントフィルター)55は、第5実施形態の清掃櫛50が組付けられた状態で、洗濯機20に設置されており、清掃作業時には、
図8(a)に示すように,清掃櫛50が組付けられた状態のブラシ部材55を洗濯機20から取り出した後、
図8(b)に示すように、清掃櫛50をブラシ部材55の上方へ移動させることによって、除毛部53が糸くずや毛髪を除去する構成としている。そして、
図8(c)に示すように、糸くずや毛髪が除去された清掃櫛50をブラシユニット56の裏面側から溝に挿入してブラシ部材55に固定した後、洗濯機に設置される。
【0033】
尚、清掃櫛50を構成する複数の溝52、52・・の各々は、ブラシユニット56の外形よりも大きく形成されている。そして、ブラシ部材55に清掃櫛50が組付けられた状態で槽体からの水が溝52とブラシユニット56との間に形成される僅かな隙間から排水されるようにしている。この僅かな隙間は、隣り合うブラシ片59、59間の隙間よりも小さいため、通常は、隣り合うブラシ片59、59間の隙間から排水されるが、この隙間を糸くずや毛髪で塞がれた場合に溝52とブラシユニット56との間に形成される僅かな隙間から排水することができるようにしている。この場合、排水に含まれる糸くずや毛髪は、清掃櫛50の除毛部53により捕捉することができる。また、図示しないが、第1実施形態や第2実施形態で採用した、複数の小突起や複数の大突起を清掃櫛50の表面側に形成することにより、清掃効果をより向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る清掃櫛は、ブラシ部材に絡みついた糸くずや毛髪を除去するための道具として利用される。
【符号の説明】
【0035】
1、21、31、41、51 櫛体
1a 外枠
2、22、32、42、52 溝
3、23、33、43、53 除毛部
4a、24a、34a、44a 小突起
4b、24b 大突起
5、35、45、55 ブラシ部材
6、36、46、56 ブラシユニット
7、37、47、57 軸体
7a、37a、47a、57a 把持部
8、38、48、58 基台
9、39、49、59 ブラシ片
9a 馬毛
9b 豚毛
9c ナイロンピン
10、20、30、40、50 清掃櫛
11a、11b、11c 循環ダクト
12 加熱手段
13 送風手段(ファン)
14 フィルター清掃装置
15 蓋
16 フィルターケース
17a 機内排水ホース
17b 排水管
18 排水弁
19a ドア
19b 回転ドラム
19c 槽体
25 空間部
41a 持ち手