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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004677
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】現像カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240110BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G03G15/08 390A
G03G21/16 176
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104412
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晃治
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AA09
2H077AB03
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD35
2H077BA08
2H077BA09
2H077EA15
2H077GA13
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA13
2H171FA28
2H171GA03
2H171GA04
2H171GA12
2H171JA06
2H171JA40
2H171KA06
2H171KA17
2H171KA18
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA26
2H171LA07
2H171LA08
2H171LA13
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB15
2H171QB32
2H171QB41
2H171TA20
2H171WA02
2H171WA07
2H171WA21
2H171WA27
(57)【要約】
【課題】離間動作時に離間部材にかかる荷重を低減できる現像カートリッジを提供する。
【解決手段】現像カートリッジ1は、筐体10、現像ローラ30、シャフト63、および第1カムを備える。シャフト63および第1カムは、筐体10および現像ローラ30に対して第1方向に移動可能である。現像ローラ30は、第3方向における筐体10の一端部に位置する。シャフト63および第1カムは、第3方向における筐体10の他端部に位置する。すなわち、シャフト63および第1カムが、第3方向において、現像ローラ30の反対側に位置する。これにより、シャフト63の位置を、現像カートリッジ1の重心Gと第2方向に並ぶ位置の近くに配置できる。したがって、離間動作時に、現像カートリッジ1を第2方向に移動させるために、シャフト63にかかる荷重を低減できる。
【選択図】図12

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容可能な筐体と、
第1方向に延びる第1軸について回転可能な現像ローラであって、第2方向における現像ローラの周面の一方側が、前記筐体の外側に露出し、前記第2方向における現像ローラの周面の他方側が、前記筐体の内側に位置する現像ローラであり、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向において、前記筐体の一端部に位置する現像ローラと、
前記第1方向に延びる第2軸に沿ったシャフトであって、前記筐体および前記現像ローラに対して前記第1方向に移動可能であるシャフトと、
前記第1方向における前記シャフトの一端部に位置し、前記シャフトとともに前記第1方向に移動可能な第1カムであって、前記第1方向における前記シャフトの他端部から前記一端部に向かうにつれて前記第2方向において前記現像ローラに近づく第1傾斜面を有する第1カムと、
を備える現像カートリッジであって、
前記シャフトおよび前記第1カムは、前記第3方向において、前記筐体の他端部に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の現像カートリッジであって、
前記第1方向に延びる第3軸について回転可能なアジテータであって、前記第1方向に延びるアジテータシャフトを有するアジテータ
をさらに備え、
前記シャフトおよび前記第1カムは、前記第3方向において、前記アジテータシャフトに対して、前記現像ローラの反対側に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記シャフトは、前記現像カートリッジの重心と、前記第2方向に並ぶことを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記筐体は、
前記第3方向において、前記現像ローラと同じ側に位置する第1外表面と、
前記第3方向において、前記シャフトおよび前記第1カムと同じ側に位置する第2外表面と、
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載の現像カートリッジであって、
前記第1カムは、前記第3方向において、前記第1外表面と前記第2外表面との間に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項6】
請求項4に記載の現像カートリッジであって、
前記シャフトは、前記第2外表面に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項7】
請求項6に記載の現像カートリッジであって、
前記第2外表面は、
前記第1方向に延びる溝
を有し、
前記シャフトは、前記溝に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項8】
請求項6に記載の現像カートリッジであって、
前記筐体は、
前記第2外表面から延びるリブ
を有し、
前記シャフトは、前記第2方向において、前記第2外表面と前記リブとの間に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記第1方向に伸縮可能な弾性部材であって、前記第1方向において、前記筐体と前記第1カムとの間に位置する弾性部材
をさらに備えることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記第1方向における前記筐体の一端部に位置するギアカバー
をさらに備え、
前記第1カムは、前記ギアカバーに保持されることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載の現像カートリッジであって、
前記ギアカバーは、前記ギアカバーを前記第1方向に貫通する第1貫通孔を有し、
前記第1カムは、前記第1貫通孔に挿入されることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項12】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記第1方向における前記シャフトの他端部に位置し、前記シャフトとともに前記第1方向に移動可能な第2カムであって、前記第1方向における前記シャフトの他端部から前記一端部に向かうにつれて前記第2方向において前記現像ローラに近づく第2傾斜面を有する第2カム
をさらに備え、
前記第2カムは、前記第3方向において、前記筐体の他端部に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項13】
請求項12に記載の現像カートリッジであって、
前記第1方向における前記筐体の他端部に位置するホルダカバー
をさらに備え、
前記第2カムは、前記ホルダカバーに保持されることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項14】
請求項13に記載の現像カートリッジであって、
前記ホルダカバーは、前記ホルダカバーを前記第1方向に貫通する第2貫通孔を有し、
前記第2カムは、前記第2貫通孔に挿入されることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項15】
請求項13に記載の現像カートリッジであって、
電気的接触面を有する記憶媒体と、
前記電気的接触面を保持するホルダであって、前記第1方向において、前記筐体と前記ホルダカバーとの間に位置するホルダと、
をさらに備え、
前記シャフトおよび前記第1カムは、前記第3方向において、前記ホルダに対して、前記現像ローラの反対側に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項16】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記筐体は、トナー充填口を有し、
前記シャフトおよび前記第1カムは、前記第3方向において、前記トナー充填口に対して、前記現像ローラの反対側に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項17】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記シャフトおよび前記第1カムは、樹脂により一体成形されていることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項18】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
電気的接触面を有する記憶媒体
をさらに備え、
前記第3方向は、前記電気的接触面に交差する方向である、現像カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタやLEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の画像形成装置は、現像カートリッジと、ドラムカートリッジとを有する。現像カートリッジは、現像ローラを有する。ドラムカートリッジは、感光体ドラムを有する。現像カートリッジがドラムカートリッジに装着されると、現像ローラが感光体ドラムに接触する。
【0004】
また、特許文献1の現像カートリッジは、離間部材を有する。離間部材は、現像カートリッジの筐体に対して、移動可能である。ドラムカートリッジに現像カートリッジが装着された状態で、離間部材を移動させると、ドラムカートリッジのフレームに、離間部材が接触する。これにより、ドラムカートリッジに対して現像カートリッジが移動する。その結果、感光体ドラムから現像ローラを離間させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-179128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の現像カートリッジでは、離間部材が、現像カートリッジの筐体の外表面のうち、現像ローラと同じ側の面(特許文献1における蓋10Bの外表面)に配置されている。このような構造では、離間部材を、現像カートリッジの重心と離間方向に並ぶ位置に配置しにくい。このため、現像カートリッジを離間方向に移動させるために、離間部材にかかる荷重が大きくなる。
【0007】
そこで、本開示は、離間動作時に離間部材にかかる荷重を低減できる現像カートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願の第1開示は、現像剤を収容可能な筐体と、第1方向に延びる第1軸について回転可能な現像ローラであって、第2方向における現像ローラの周面の一方側が、前記筐体の外側に露出し、前記第2方向における現像ローラの周面の他方側が、前記筐体の内側に位置する現像ローラであり、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向において、前記筐体の一端部に位置する現像ローラと、前記第1方向に延びる第2軸に沿ったシャフトであって、前記筐体および前記現像ローラに対して前記第1方向に移動可能であるシャフトと、前記第1方向における前記シャフトの一端部に位置し、前記シャフトとともに前記第1方向に移動可能な第1カムであって、前記第1方向における前記シャフトの他端部から前記一端部に向かうにつれて前記第2方向において前記現像ローラに近づく第1傾斜面を有する第1カムと、を備える現像カートリッジであって、前記シャフトおよび前記第1カムは、前記第3方向において、前記筐体の他端部に位置することを特徴とする。
【0009】
本願の第2開示は、第1開示の現像カートリッジであって、前記第1方向に延びる第3軸について回転可能なアジテータであって、前記第1方向に延びるアジテータシャフトを有するアジテータをさらに備え、前記シャフトおよび前記第1カムは、前記第3方向において、前記アジテータシャフトに対して、前記現像ローラの反対側に位置することを特徴とする。
【0010】
本願の第3開示は、第1開示または第2開示の現像カートリッジであって、前記シャフトは、前記現像カートリッジの重心と、前記第2方向に並ぶことを特徴とする。
【0011】
本願の第4開示は、第1開示から第3開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、前記筐体は、前記第3方向において、前記現像ローラと同じ側に位置する第1外表面と、前記第3方向において、前記シャフトおよび前記第1カムと同じ側に位置する第2外表面と、を有することを特徴とする。
【0012】
本願の第5開示は、第4開示の現像カートリッジであって、前記第1カムは、前記第3方向において、前記第1外表面と前記第2外表面との間に位置することを特徴とする。
【0013】
本願の第6開示は、第4開示または第5開示の現像カートリッジであって、前記シャフトは、前記第2外表面に位置することを特徴とする。
【0014】
本願の第7開示は、第6開示の現像カートリッジであって、前記第2外表面は、前記第1方向に延びる溝を有し、前記シャフトは、前記溝に位置することを特徴とする。
【0015】
本願の第8開示は、第6開示または第7開示の現像カートリッジであって、前記筐体は、前記第2外表面から延びるリブを有し、前記シャフトは、前記第2方向において、前記第2外表面と前記リブとの間に位置することを特徴とする。
【0016】
本願の第9開示は、第1開示から第8開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、前記第1方向に伸縮可能な弾性部材であって、前記第1方向において、前記筐体と前記第1カムとの間に位置する弾性部材をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
本願の第10開示は、第1開示から第9開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置するギアカバーをさらに備え、前記第1カムは、前記ギアカバーに保持されることを特徴とする。
【0018】
本願の第11開示は、第10開示の現像カートリッジであって、前記ギアカバーは、前記ギアカバーを前記第1方向に貫通する第1貫通孔を有し、前記第1カムは、前記第1貫通孔に挿入されることを特徴とする。
【0019】
本願の第12開示は、第1開示から第11開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、前記第1方向における前記シャフトの他端部に位置し、前記シャフトとともに前記第1方向に移動可能な第2カムであって、前記第1方向における前記シャフトの他端部から前記一端部に向かうにつれて前記第2方向において前記現像ローラに近づく第2傾斜面を有する第2カムをさらに備え、前記第2カムは、前記第3方向において、前記筐体の他端部に位置することを特徴とする。
【0020】
本願の第13開示は、第12開示の現像カートリッジであって、前記第1方向における前記筐体の他端部に位置するホルダカバーをさらに備え、前記第2カムは、前記ホルダカバーに保持されることを特徴とする。
【0021】
本願の第14開示は、第13開示の現像カートリッジであって、前記ホルダカバーは、前記ホルダカバーを前記第1方向に貫通する第2貫通孔を有し、前記第2カムは、前記第2貫通孔に挿入されることを特徴とする。
【0022】
本願の第15開示は、第13開示または第14開示の現像カートリッジであって、電気的接触面を有する記憶媒体と、前記電気的接触面を保持するホルダであって、前記第1方向において、前記筐体と前記ホルダカバーとの間に位置するホルダと、をさらに備え、前記シャフトおよび前記第1カムは、前記第3方向において、前記ホルダに対して、前記現像ローラの反対側に位置することを特徴とする。
【0023】
本願の第16開示は、第1開示から第15開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、前記筐体は、トナー充填口を有し、前記シャフトおよび前記第1カムは、前記第3方向において、前記トナー充填口に対して、前記現像ローラの反対側に位置することを特徴とする。
【0024】
本願の第17開示は、第1開示から第16開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、前記シャフトおよび前記第1カムは、樹脂により一体成形されていることを特徴とする。
【0025】
本願の第18開示は、第1開示から第17開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、電気的接触面を有する記憶媒体をさらに備え、前記第3方向は、前記電気的接触面に交差する方向である。
【発明の効果】
【0026】
本願の第1開示~第18開示によれば、シャフトおよび第1カムが、第3方向において、現像ローラの反対側に位置する。これにより、シャフトを、現像カートリッジの重心と第2方向に並ぶ位置の近くに配置できる。したがって、離間動作時に、現像カートリッジを第2方向に移動させるために、シャフトにかかる荷重を低減できる。
【0027】
また、本願の第3開示によれば、離間動作時に、現像カートリッジを第2方向に移動させるために、シャフトにかかる荷重をより低減できる。
【0028】
また、本願の第7開示によれば、シャフトを溝に配置することにより、シャフトの位置ずれを抑制できる。
【0029】
また、本願の第8開示によれば、離間動作時に、シャフトがリブを第2方向に押圧することにより、ドラムカートリッジに対して筐体を、第2方向に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】画像形成装置の概略図である。
図2】現像カートリッジの斜視図である。
図3】現像カートリッジの斜視図である。
図4】現像カートリッジを第1方向に見た図である。
図5】現像カートリッジを第1方向に対して直交する面で切断した縦断面図である。
図6】現像カートリッジの分解斜視図である。
図7】現像カートリッジの部分斜視図である。
図8】ドラムカートリッジの部分平面図である。
図9】離間動作が実行されていないときの現像カートリッジおよびドラムカートリッジの横断面図である。
図10】離間動作が実行されていないときの現像カートリッジおよびドラムカートリッジの縦断面図である。
図11】離間動作が実行されているときの現像カートリッジおよびドラムカートリッジの横断面図である。
図12】離間動作が実行されているときの現像カートリッジおよびドラムカートリッジの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
なお、以下では、現像ローラ30の第1軸が延びる方向を「第1方向」と称する。また、現像ローラ30の周面うち、筐体10から露出する部分と筐体10の内側に位置する部分とが並ぶ方向を「第2方向」と称する。また、第1方向および第2方向に交差する方向を「第3方向」と称する。
【0033】
第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。第2方向と第3方向とは、互いに交差する。第3方向と第1方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。
【0034】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置100の概略図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタである。具体的には、画像形成装置100は、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。図1に示すように、画像形成装置100は、本体フレーム101、ドラムカートリッジ2、および4つの現像カートリッジ1を備える。
【0035】
4つの現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に対して着脱可能である。また、4つの現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2は、本体フレーム101に対して着脱可能である。
【0036】
4つの現像カートリッジ1は、互いに異なる色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各色)の現像剤を収容する。現像剤は、例えばトナーである。画像形成装置100は、現像カートリッジ1から供給される現像剤により、印刷用紙の表面に画像を印刷する。
【0037】
<2.現像カートリッジの構成>
続いて、現像カートリッジ1の構成について説明する。なお、4つの現像カートリッジ1は、同等の構造を有する。このため、以下では、4つの現像カートリッジ1のうち、1つの現像カートリッジのみについて説明する。図2および図3は、現像カートリッジ1の斜視図である。図4は、現像カートリッジ1を第1方向に見た図である。図5は、現像カートリッジ1を第1方向に対して直交する面で切断した縦断面図である。図6は、現像カートリッジ1の分解斜視図である。
【0038】
図2図6に示すように、現像カートリッジ1は、筐体10、アジテータ20、現像ローラ30、ギア部40、メモリアセンブリ50、および離間部材60を備えている。
【0039】
筐体10は、現像剤を収容可能な容器である。筐体10は、第1端面11と第2端面12とを有する。第1端面11は、第1方向における筐体10の一端部に位置する。第2端面12は、第1方向における筐体10の他端部に位置する。第1端面11と第2端面12とは、第1方向において互いに離れている。
【0040】
また、筐体10は、第1外表面13と第2外表面14とを有する。第1外表面13は、第3方向における筐体10の一端部に位置する。第2外表面14は、第3方向における筐体10の他端部に位置する。第1外表面13と第2外表面14とは、第3方向において互いに離れている。第1外表面13と第2外表面14との間の第3方向の距離は、第1端面11と第2端面12との間の第1方向の距離よりも、短い。第1外表面13は、第3方向において、後述する現像ローラ30と同じ側に位置する。第2外表面14は、第3方向において、後述する離間部材60と同じ側に位置する。
【0041】
図5に示すように、筐体10の内部には、収容室15が設けられている。現像剤は、収容室15に収容される。また、筐体10は、開口16を有する。開口16は、第2方向における筐体10の一端部に位置する。筐体10の外部空間と、収容室15とは、開口16を介して連通する。
【0042】
また、図6に示すように、筐体10は、トナー充填口17およびキャップ18を有する。トナー充填口17は、筐体10の第1端面11に位置する。キャップ18は、トナー充填口17に取り付けられて、トナー充填口17を塞ぐ。筐体10に現像剤を充填するときには、第1端面11からキャップ18が取り外される。そして、トナー充填口17を介して収容室15へ、現像剤が充填される。
【0043】
アジテータ20は、アジテータシャフト21とフィルム22とを有する。アジテータシャフト21は、第1方向に延びる。フィルム22は、アジテータシャフト21から筐体10の内表面へ向けて広がる。すなわち、フィルム22は、アジテータシャフト21から径方向外側へ向けて広がる。アジテータシャフト21の一部と、フィルム22とは、筐体10の収容室15内に位置する。
【0044】
ギア部40に含まれるアジテータギアは、第1方向におけるアジテータシャフト21の一端部に取り付けられる。より具体的には、ギア部40に含まれるアジテータギアは、第1方向におけるアジテータシャフト21の一端部に固定される。アジテータギアが回転すると、アジテータシャフト21およびフィルム22は、第1方向に延びる軸(第3軸)について回転する。そして、フィルム22の回転により、収容室15内の現像剤が撹拌される。
【0045】
現像ローラ30は、第1方向に延びる軸(第1軸)について回転可能なローラである。現像ローラ30は、筐体10の開口16に位置する。すなわち、現像ローラ30は、第2方向における筐体10の一端部に位置する。第2方向における現像ローラ30の周面の一方側は、筐体10の外側に位置する。第2方向における現像ローラ30の周面の他方側は、筐体10の内側に位置する。
【0046】
また、現像ローラ30は、第3方向において、第1外表面13と同じ側に位置する。すなわち、現像ローラ30は、第3方向における筐体10の一端部に位置する。
【0047】
図5に示すように、現像ローラ30は、現像ローラ本体31と現像ローラシャフト32とを有する。現像ローラ本体31は、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体31は、例えば、弾性を有するゴムからなる。現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。現像ローラ本体31は、現像ローラシャフト32に対して固定される。現像ローラシャフト32は、金属または導電性を有する樹脂からなる。
【0048】
ギア部40に含まれる現像ローラギアは、第1方向における現像ローラシャフト32の一端部に取り付けられる。より具体的には、ギア部40に含まれる現像ローラギアは、第1方向における現像ローラシャフト32の一端部に固定される。現像ローラギアが回転すると、現像ローラシャフト32および現像ローラ本体31は、第1方向に延びる軸(第1軸)について回転する。筐体10内の現像剤は、現像ローラ本体31の外表面に担持される。
【0049】
ギア部40は、筐体10の第1端面11に位置する。ギア部40は、ギアカバー41と、カップリング42と、複数のギアとを有する。ギアカバー41は、第1方向における筐体10の一端部に位置する。より具体的には、ギアカバー41は、筐体10の第1端面11に固定される。複数のギアは、上述したアジテータギアおよび現像ローラギアを含む。複数のギアの少なくとも一部は、第1方向において、第1端面11とギアカバー41との間に位置する。
【0050】
図3および図4に示すように、カップリング42は、ギアカバー41から露出する。現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、画像形成装置100に装着されると、画像形成装置100の駆動シャフトが、カップリング42に接続される。そして、駆動シャフトの回転が、カップリング42およびアジテータギアを介して、アジテータ20に伝達される。また、駆動シャフトの回転が、カップリング42および現像ローラギアを介して、現像ローラ30に伝達される。
【0051】
メモリアセンブリ50は、筐体10の第2端面12に位置する。メモリアセンブリ50は、記憶媒体であるメモリ51と、メモリ51を保持するホルダ52とを有する。メモリ51は、例えばICチップである。メモリ51は、電気的接触面511を有する。電気的接触面511は、導体である金属からなる。メモリ51のうち、少なくとも電気的接触面511は、ホルダ52の外表面に保持される。電気的接触面511は、第3方向に対して交差する。
【0052】
メモリ51は、現像カートリッジ1に関する種々の情報を記憶可能である。具体的には、メモリ51は、現像ローラ30を使用した累積印刷枚数、現像ローラ30の累積回転数、および現像剤の累積消費量、の少なくともいずれか1つを記憶する。これらの情報は、現像カートリッジ1の寿命を表す情報である。また、メモリ51は、現像カートリッジ1の製造番号、適合機種などの情報を記憶してもよい。
【0053】
図3図5に示すように、現像カートリッジ1は、ホルダカバー53を有する。ホルダカバー53は、第1方向における筐体10の他端部に位置する。具体的には、ホルダカバー53は、筐体10の第2端面12に取り付けられる。より具体的には、ホルダカバー53は、筐体10の第2端面12に固定される。ホルダ52は、ホルダカバー53に保持される。ホルダ52は、第1方向において、筐体10とホルダカバー53との間に位置する。
【0054】
現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、画像形成装置100の本体フレーム101に装着されると、メモリ51の電気的接触面511は、本体フレーム101内の電気接点に接触する。これにより、画像形成装置100の制御部は、メモリ51からの情報の読み出しおよびメモリ51への情報の書き込みを行うことができる。
【0055】
現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、画像形成装置100に装着された状態において、画像形成装置100は、現像カートリッジ1に対して、離間動作を行うことが可能である。離間動作は、感光体ドラム80に対して現像ローラ30を、感光体ドラム80に接触する接触位置から、感光体ドラム80から離れる離間位置へ、移動させる動作である。画像形成装置100は、現像カートリッジ1を使用しない場合、その現像カートリッジ1に対して、離間動作を行う。これにより、使用しない現像カートリッジ1の現像ローラ30を、感光体ドラム80から離れた状態とする。
【0056】
離間部材60は、現像ローラ30を、上述した接触位置と離間位置との間で切り替えるための部材である。離間部材60は、第3方向における筐体10の他端部に位置する。具体的には、離間部材60は、筐体10の第2外表面14に位置する。すなわち、離間部材60は、第3方向において、アジテータシャフト21に対して、現像ローラ30の反対側に位置する。また、離間部材60は、第3方向において、ホルダ52に対して、現像ローラ30の反対側に位置する。また、離間部材60は、第3方向において、トナー充填口17に対して、現像ローラ30の反対側に位置する。
【0057】
図3および図6に示すように、離間部材60は、第1カム61、第2カム62、およびシャフト63を有する。第1カム61、第2カム62、およびシャフト63は、樹脂により一体成形されている。
【0058】
シャフト63は、第1方向に延びる軸(第2軸)に沿って、直線状に延びる。シャフト63は、筐体10の第2外表面14に位置する。具体的には、図5および図6に示すように、筐体10の第2外表面14は、第1方向に延びる溝65を有する。シャフト63は、溝65に位置する。これにより、シャフト63が、筐体10に対して第1方向に移動可能な状態で保持される。シャフト63が溝65に位置することにより、第1方向に対して交差する方向におけるシャフト63の位置ずれを抑制できる。
【0059】
図5に示すように、シャフト63の外表面は、平坦な接触面631を有する。接触面631は、第2軸を中心とする回転方向に対して交差する方向に広がる。接触面631は、溝65の表面に接触する。これにより、シャフト63が、筐体10に対して、第2軸について回転することが抑制される。
【0060】
また、図5および図6に示すように、筐体10は、リブ66を有する。リブ66は、筐体10の第2外表面14から延びる。リブ66は、溝65の一部を覆う。シャフト63は、第2方向において、溝65とリブ66との間に位置する。このように、シャフト63が第2外表面14とリブ66との間に位置することにより、第1方向に対して交差する方向におけるシャフト63の位置ずれを、より抑制できる。
【0061】
第1カム61は、第1方向におけるシャフト63の一端部に位置する。第1カム61は、筐体10の第1端面11に位置する。第1カム61は、第1傾斜面611を有する。第1傾斜面611は、シャフト63を中心とする第1カム61の周面の一部に位置する。第1傾斜面611は、第1方向に対して傾斜する。より具体的には、第1傾斜面611は、第1方向においてシャフト63の他端部から一端部へ向かうにつれて、シャフト63に対する径方向においてシャフト63から離れる。また、第1傾斜面611は、第1方向においてシャフト63の他端部から一端部へ向かうにつれて、第2方向において現像ローラ30に近づく。
【0062】
第1カム61は、ギアカバー41に保持される。具体的には、ギアカバー41は、第1貫通孔411を有する。第1貫通孔411は、ギアカバー41を第1方向に貫通する。第1カム61の一部は、第1貫通孔411に挿入される。これにより、第1カム61が、ギアカバー41に対して第1方向に移動可能な状態で保持される。また、第1カム61が、ギアカバー41に対して、第2軸について回転することが抑制される。ただし、第1傾斜面611は、第1貫通孔411に挿入されることなく、ギアカバー41から露出する。
【0063】
図4に示すように、第1カム61は、第3方向において、第1外表面13と第2外表面14との間に位置する。すなわち、第1カム61は、第2外表面14よりも、第3方向における筐体10の他端部側に突出しない。これにより、現像カートリッジ1の外形寸法を低減できる。
【0064】
第2カム62は、第1方向におけるシャフト63の他端部に位置する。第2カム62は、筐体10の第2端面12に位置する。第2カム62は、第2傾斜面621を有する。第2傾斜面621は、シャフト63を中心とする第2カム62の周面の一部に位置する。第2傾斜面621は、第1方向に対して傾斜する。より具体的には、第2傾斜面621は、第1方向においてシャフト63の他端部から一端部へ向かうにつれて、シャフト63に対する径方向においてシャフト63から離れる。また、第2傾斜面621は、第1方向においてシャフト63の他端部から一端部へ向かうにつれて、第2方向において現像ローラ30に近づく。
【0065】
第2カム62は、ホルダカバー53に保持される。具体的には、ホルダカバー53は、第2貫通孔531を有する。第2貫通孔531は、ホルダカバー53を第1方向に貫通する。第2カム62の一部は、第2貫通孔531に挿入される。これにより、第2カム62が、ホルダカバー53に対して第1方向に移動可能な状態で保持される。また、第2カム62が、ホルダカバー53に対して、第2軸について回転することが抑制される。ただし、第2傾斜面621は、第2貫通孔531に挿入されることなく、ホルダカバー53から露出する。
【0066】
第1カム61と同様に、第2カム62も、第3方向において、第1外表面13と第2外表面14との間に位置する。すなわち、第2カム62は、第2外表面14よりも、第3方向における筐体10の他端部側に突出しない。これにより、現像カートリッジ1の外形寸法を低減できる。
【0067】
離間部材60は、第1方向において、第1位置と第2位置との間で、筐体10および現像ローラ30に対して移動可能である。第1位置から第2位置への移動は、第1カム61から第2カム62へ向かう方向の移動である。
【0068】
図7は、ギアカバー41を取り外した状態の現像カートリッジ1の部分斜視図である。図6および図7に示すように、現像カートリッジ1は、弾性部材67を有する。弾性部材67は、第1方向に伸縮可能なばねである。弾性部材67は、筐体10の第1端面11に位置する。弾性部材67は、第1方向において、筐体10と第1カム61との間に位置する。第1方向における弾性部材67の一端部は、第1カム61に接触する。第1方向における弾性部材67の他端部は、筐体10の第1端面11に接触する。
【0069】
弾性部材67は、第1方向において、自然長よりも圧縮されている。このため、弾性部材67は、筐体10に対して離間部材60を、第2位置から第1位置へ向けて、第1方向に付勢する。したがって、離間部材60は、後述する押圧シャフト102に押圧されていない状態では、第1位置に位置する。
【0070】
なお、離間部材60を用いた離間動作の詳細については、後述する。
【0071】
<3.ドラムカートリッジの構成>
図1に示すように、ドラムカートリッジ2は、4つの感光体ドラム80と、ドラムフレーム90とを備える。
【0072】
4つの感光体ドラム80は、ドラムフレーム90に支持されている。4つの感光体ドラム80は、第2方向におけるドラムフレーム90の一端部に位置する。4つの感光体ドラム80は、第3方向に間隔をあけて配列されている。各感光体ドラム80は、第1方向に延びるドラム軸について回転可能である。各感光体ドラム80は、ドラム軸を中心とする円筒状の外表面を有する。感光体ドラム80の外周面は、感光材料に覆われている。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着されると、現像ローラ30の外表面は、感光体ドラム80の外表面に接触する。
【0073】
ドラムフレーム90は、4つの現像カートリッジ1を支持するフレームである。4つの現像カートリッジ1は、ドラムフレーム90に対して着脱される。
【0074】
図8は、ドラムカートリッジ2の部分平面図である。図8に示すように、ドラムフレーム90は、第1サイドフレーム91および第2サイドフレーム92を有する。第1サイドフレーム91は、第1方向におけるドラムフレーム90の一端部に位置する。第2サイドフレーム92は、第1方向におけるドラムフレーム90の他端部に位置する。第1サイドフレーム91と第2サイドフレーム92とは、第1方向において互いに離れている。
【0075】
感光体ドラム80は、第1方向において、第1サイドフレーム91と第2サイドフレーム92との間に位置する。また、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された状態において、現像カートリッジ1の筐体10は、第1方向において、第1サイドフレーム91と第2サイドフレーム92との間に位置する。
【0076】
第1サイドフレーム91は、第1受け部93を有する。第1受け部93は、第1方向におけるドラムフレーム90の一端部に位置する。第1受け部93は、離間動作を行うときに、現像カートリッジ1の第1カム61が接触する部分である。本実施形態の第1受け部93は、第1サイドフレーム91に形成された角部である。ただし、第1受け部93は、第1カム61と接触しつつ回転するローラであってもよい。
【0077】
第2サイドフレーム92は、第2受け部94を有する。第2受け部94は、第1方向におけるドラムフレーム90の他端部に位置する。第2受け部94は、離間動作を行うときに、現像カートリッジ1の第2カム62が接触する部分である。本実施形態の第2受け部94は、第2サイドフレーム92に形成された角部である。ただし、第2受け部94は、第2カム62と接触しつつ回転するローラであってもよい。
【0078】
<4.離間動作について>
続いて、画像形成装置100の離間動作について、説明する。図9は、離間動作が実行されていないときの現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の横断面図である。図10は、離間動作が実行されていないときの現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の縦断面図である。図11は、離間動作が実行されているときの現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の横断面図である。図12は、離間動作が実行されているときの現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の縦断面図である。
【0079】
図10および図12に示すように、ドラムカートリッジ2は、加圧機構95を有する。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された場合、現像ローラ30は、加圧機構95により、感光体ドラム80へ向けて押圧される。これにより、図9および図10のように、現像ローラ30の外表面が、感光体ドラム80の外表面と接触する。すなわち、現像ローラ30の位置が、上述した接触位置となる。
【0080】
また、図9および図11に示すように、画像形成装置100は、押圧シャフト102を有する。4つの現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、本体フレーム101に装着された状態において、押圧シャフト102は、現像カートリッジ1の第1カム61と第1方向に向かい合う。
【0081】
押圧シャフト102は、退避位置(図9の位置)と、退避位置よりも現像カートリッジ1に近い突出位置(図11の位置)との間で、第1方向に移動可能である。画像形成装置100は、離間動作を行う場合、押圧シャフト102を、退避位置から突出位置へ移動させる。これにより、押圧シャフト102が、第1カム61に接触する。そして、押圧シャフト102は、離間部材60を、第1方向において、第1カム61から第2カム62へ向かう方向に、押圧する。そうすると、弾性部材67が縮むことにより、筐体10に対して離間部材60が、第1位置から第2位置へ第1方向に移動する。すなわち、ドラムフレーム90に対して離間部材60が、第1位置から第2位置へ第1方向に移動する。
【0082】
離間部材60が第1位置から第2位置へ移動すると、第1カム61の第1傾斜面611は、ドラムカートリッジ2の第1受け部93に接触しつつ、第1方向に移動する。このとき、第1カム61は、第1受け部93から受ける抗力によって、ドラムフレーム90に対して、感光体ドラム80から離れる向きに移動する。
【0083】
同様に、離間部材60が第1位置から第2位置へ移動すると、第2カム62の第2傾斜面621は、ドラムカートリッジ2の第2受け部94に接触しつつ、第1方向に移動する。このとき、第2カム62は、第2受け部94から受ける抗力によって、ドラムフレーム90に対して、感光体ドラム80から離れる向きに移動する。
【0084】
また、第1カム61および第2カム62が、感光体ドラム80から離れる向きに移動すると、シャフト63が、筐体10のリブ66を、第2方向において感光体ドラム80から離れる向きに押圧する。これにより、筐体10および現像ローラ30は、離間部材60とともに、ドラムフレーム90に対して、第2方向において感光体ドラム80から離れる向きに移動する。その結果、現像ローラ30が、感光体ドラム80に接触する接触位置から、感光体ドラム80から離れる離間位置へ、移動する。
【0085】
特に、本実施形態では、離間部材60が、筐体10の第1外表面13ではなく第2外表面14に位置する。すなわち、第1カム61、第2カム62、およびシャフト63が、第3方向において、現像ローラ30の反対側に位置する。このようにすれば、離間部材60が筐体10の第1外表面13に位置する場合よりも、シャフト63の位置を、現像カートリッジ1の重心Gと第2方向に並ぶ位置の近くに配置できる。これにより、現像カートリッジ1を第2方向に移動させるために、シャフト63にかかる荷重を低減できる。したがって、離間動作を行うときに、押圧シャフト102が第1カム61を第1方向に押圧する力を低減できる。
【0086】
図10および図12の例では、現像カートリッジ1の重心Gと、シャフト63とが、第2方向に並んでいる。この場合、現像カートリッジ1を第2方向に移動させるために、シャフト63にかかる荷重を最小化できる。したがって、離間動作を行うときに、押圧シャフト102が第1カム61を第1方向に押圧する力を、より低減できる。
【0087】
なお、現像カートリッジ1の重心Gの位置は、現像剤の使用量によって変化する。具体的には、筐体10内の現像剤が少なくなるにつれて、現像カートリッジ1の重心Gの位置は、現像ローラ30に近づく方向に移動する。このため、未使用の状態から使用済みの状態までの全ての状態において、現像カートリッジ1の重心Gと、シャフト63とが、第2方向に並んでいなくてもよい。例えば、未使用の状態から使用済みの状態までのいずれかの状態において、現像カートリッジ1の重心Gと、シャフト63とが、第2方向に並んでいればよい。
【0088】
なお、ホルダ52は、筐体10およびホルダカバー53に対して、第2方向に移動可能である。このため、離間動作を行っていないときと、離間動作を行っているときの、いずれの状態においても、電気的接触面511は、本体フレーム101内の電気接点と接触した状態に維持される。
【0089】
<5.変形例>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0090】
上記の実施形態では、離間部材60の第1カム61が、ギアカバー41に保持されていた。しかしながら、第1方向におけるシャフト63の一端部が、ギアカバー41に保持されていてもよい。
【0091】
また、上記の実施形態では、離間部材60の第2カム62が、ホルダカバー53に保持されていた。しかしながら、第1方向におけるシャフト63の他端部が、ホルダカバー53に保持されていてもよい。
【0092】
また、上記の実施形態では、離間部材60は、第1カム61と第2カム62とを有していた。しかしながら、離間部材60は、第2カム62を有していなくてもよい。また、上記の実施形態では、ドラムフレーム90が、第1受け部93および第2受け部94を有していた。しかしながら、ドラムフレーム90は、第2受け部94を有していなくてもよい。
【0093】
また、上記の実施形態では、第1カム61、第2カム62、およびシャフト63が、樹脂により一体成形されていた。しかしながら、第1カム61、第2カム62、およびシャフト63は、互いに別部品であってもよい。また、シャフト63は、鉄などの金属により形成されていてもよい。
【0094】
上記の実施形態では、1つのドラムカートリッジ2に、4つの現像カートリッジ1が装着可能であった。しかしながら、ドラムカートリッジ2に装着される現像カートリッジ1の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0095】
また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 現像カートリッジ
2 ドラムカートリッジ
10 筐体
13 第1外表面
14 第2外表面
20 アジテータ
30 現像ローラ
40 ギア部
50 メモリアセンブリ
60 離間部材
61 第1カム
62 第2カム
63 シャフト
65 溝
66 リブ
67 弾性部材
80 感光体ドラム
90 ドラムフレーム
93 第1受け部
94 第2受け部
100 画像形成装置
G 重心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12