(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046784
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】タグ、情報読取装置、通信距離設定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 19/07 20060101AFI20240329BHJP
G06K 19/073 20060101ALI20240329BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240329BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G06K19/07 240
G06K19/07 020
G06K19/07 090
G06K19/073 009
G06K7/10 176
G06K7/10 144
G07G1/00 311D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152064
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇河 康
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142BA01
3E142GA04
(57)【要約】
【課題】RFIDタグなどのタグの通信距離を容易に設定することである。
【解決手段】RFIDタグ20は、情報を記憶するメモリ212と、アンテナ22を介して、メモリ212に記憶された情報を読み取る情報読取装置との無線通信を行うとともに、無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離(電池の電源ユニット23から電源電力が供給されるアクティブモードに対応する長距離、アンテナ22を介して情報読取装置から受信する電波から得られる電源電力が供給されるパッシブモードに対応する短距離)のいずれか1つを選択可能な通信手段T1と、通信手段T1の通信距離を設定する制御部211と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された情報を読み取る情報読取装置との無線通信を行うとともに、前記無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離のいずれか1つを選択可能な通信手段と、
前記通信手段の通信距離を設定する設定手段と、を備えるタグ。
【請求項2】
前記設定手段は、前記通信手段を介して前記情報読取装置から受信される通信距離の設定指示に基づいて、前記通信手段の通信距離を設定する請求項1に記載のタグ。
【請求項3】
前記設定手段は、手動の切替入力に基づいて、前記通信手段の通信距離を設定する請求項1に記載のタグ。
【請求項4】
情報を記憶する第2の記憶手段を備え、
前記設定手段は、前記第2の記憶手段へのアクセスの許可又は不許可を設定する請求項1に記載のタグ。
【請求項5】
前記通信手段を介して受信された電波から得られる電源電力を前記タグ内の各部に供給する第1の電源手段と、
電池から出力される電源電力を前記タグ内の各部に供給する第2の電源手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記第2の電源手段からの電源電力の供給をオンして前記通信手段の通信距離を第1の距離に設定し、又は前記第2の電源手段からの電源電力の供給をオフして前記通信手段の通信距離を前記第1の距離よりも短い第2の距離に設定する請求項1から4のいずれか一項に記載のタグ。
【請求項6】
前記通信手段は、通信距離が互いに異なる複数のアンテナを有し、電波を送受信するアンテナを前記複数のアンテナのうちのいずれか1つに選択して通信距離を選択可能であり、
前記設定手段は、前記アンテナの選択により前記通信手段の通信距離を設定する請求項1から4のいずれか一項に記載のタグ。
【請求項7】
情報を記憶する第1の記憶手段と、無線通信を行うとともに、前記無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離のいずれか1つを選択可能な第1の通信手段と、を備えるタグから当該情報を読み取る情報読取装置であって、
前記タグと無線通信する第2の通信手段と、
前記第2の通信手段の無線通信により、前記第1の通信手段の通信距離を設定させる指示手段と、を備える情報読取装置。
【請求項8】
前記指示手段は、前記通信距離の操作入力に基づいて、前記第1の通信手段の通信距離を設定させる請求項7に記載の情報読取装置。
【請求項9】
前記タグは、
情報を記憶する第2の記憶手段を備え、
前記指示手段は、前記第2の記憶手段へのアクセスの許可又は不許可を設定させる請求項7に記載の情報読取装置。
【請求項10】
前記タグは、
前記第2の通信手段を介して受信された電波から得られる電源電力を前記タグ内の各部に供給する第1の電源手段と、
電池から出力される電源電力を前記タグ内の各部に供給する第2の電源手段と、
を備え、
前記指示手段は、前記第2の電源手段からの電源電力の供給をオンさせて前記第1の通信手段の通信距離を第1の距離に設定させ、又は前記第2の電源手段からの電源電力の供給をオフさせて前記第1の通信手段の通信距離を前記第1の距離よりも短い第2の短距離に設定させる請求項7から9のいずれか一項に記載の情報読取装置。
【請求項11】
前記第1の通信手段は、通信距離が互いに異なる複数のアンテナを有し、電波を送受信するアンテナを前記複数のアンテナのうちのいずれか1つに選択して通信距離を選択可能であり、
前記指示手段は、前記アンテナの選択により前記第1の通信手段の通信距離を設定させる請求項7から9のいずれか一項に記載の情報読取装置。
【請求項12】
前記第1の記憶手段に記憶された情報を読み取ることで所定の処理を実行させる処理手段、を更に備え、
前記指示手段は、前記処理手段により前記所定の処理を実行された場合に前記第1の通信手段の通信距離を設定させる請求項7に記載の情報読取装置。
【請求項13】
前記処理手段は、前記所定の処理として会計処理又は配送処理を実行させ、
前記指示手段は、前記処理手段により会計処理又は配送処理が実行された場合に、前記通信手段の通信距離を第1の距離から前記第1の距離よりも短い第2の距離に設定させる請求項12に記載の情報読取装置。
【請求項14】
情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された情報を読み取る情報読取装置との無線通信を行うとともに、前記無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離のいずれか1つを選択可能な通信手段と、を備えるタグの通信距離設定方法であって、
前記通信手段の通信距離を設定する工程を含む通信距離設定方法。
【請求項15】
情報を記憶する第1の記憶手段と、無線通信を行うとともに、前記無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離のいずれか1つを選択可能な第1の通信手段と、を備えるタグから当該情報を読み取る情報読取装置が当該タグの通信距離を設定する通信距離設定方法であって、
前記タグと無線通信する第2の通信手段の無線通信により、前記第1の通信手段の通信距離を設定させる工程を含む通信距離設定方法。
【請求項16】
情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された情報を読み取る情報読取装置との無線通信を行うとともに、前記無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離のいずれか1つを選択可能な通信手段と、を備えるタグのコンピュータを、
前記通信手段の通信距離を設定する設定手段、として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
情報を記憶する第1の記憶手段と、無線通信を行うとともに、前記無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離のいずれか1つを選択可能な第1の通信手段と、を備えるタグから当該情報を読み取る情報読取装置のコンピュータを、
前記タグと無線通信する第2の通信手段の無線通信により、前記第1の通信手段の通信距離を設定させる指示手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タグ、情報読取装置、通信距離設定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFID(Radio Frequency IDentifier)技術は、情報読取装置としてのリーダにてRFIDタグに記憶されている情報を読むことでRFIDタグが付された物の管理を行う技術である。RFIDの周波数はUHF(Ultra High Frequency)帯(920MHz)や433MHz帯、そして2.45GHz帯/5.8GHz帯などがある。RFIDは、既に一般的に小売りや倉庫といった場面を中心に運用が行われている。
【0003】
例えば、リーダライタ装置により、格納庫に入庫される物品に取り付けられたRFIDタグに入庫日及び使用期限を書き込む物品管理システムが知られている(特許文献1参照)。この物品管理システムは、格納庫からの物品の取り出しが検出された場合に、リーダライタ装置により、入庫されている物品のRFIDタグに記憶されている入庫日及び使用期限を読み出して、物品管理の先入れ先出しを管理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
RFIDのメリットとして、一般的にRFIDタグは、通信距離が10m離れていても読み取りが行えるという点があるが、同時に読みたくないRFIDタグも読んでしまうおそれがあり、運用上都合が悪いこともある。例えば、商品棚に並べられた販売する商品(未会計の商品)に付されたRFIDタグに記憶された商品の識別情報を読み取ることで在庫商品管理を行う場合に、通信距離が長いと、会計所の会計後の商品のRFIDタグも読み取るおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、タグの通信距離を容易に設定することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のタグは、情報を記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された情報を読み取る情報読取装置との無線通信を行うとともに、前記無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離のいずれか1つを選択可能な通信手段と、前記通信手段の通信距離を設定する設定手段と、を備える。
【0008】
本発明の情報読取装置は、情報を記憶する第1の記憶手段と、無線通信を行うとともに、前記無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離のいずれか1つを選択可能な第1の通信手段と、を備えるタグから当該情報を読み取る情報読取装置であって、前記タグと無線通信する第2の通信手段と、前記第2の通信手段の無線通信により、前記第1の通信手段の通信距離を設定させる指示手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タグの通信距離を容易に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態のRFIDタグシステムを示すブロック図である。
【
図3】実施の形態のRFIDタグの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】(a)は、商品会計の流れを示すフローチャートである。(b)は、返品の流れを示すフローチャートである。
【
図5】距離モード設定指示処理を示すフローチャートである。
【
図6】距離モード設定処理を示すフローチャートである。
【
図7】第1の変形例のRFIDタグの機能構成を示すブロック図である。
【
図8】第2の変形例のRFIDタグの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態及び第1、第2の変形例を順に詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態及び第1、第2の変形例には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施の形態、第1、第2の変形例及びこれらの図示例に限定するものではない。
【0012】
(実施の形態)
図1~
図6を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。まず、
図1~
図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。
図1は、本実施の形態のRFIDタグシステム1を示すブロック図である。
図2は、ECR10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、RFIDタグ20の機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、RFIDタグシステム1は、情報読取装置としてのECR(Electric Cash Resister)10と、タグとしてのRFIDタグ20と、を備える。RFIDタグシステム1は、ECR10とRFIDタグ20との無線通信によりRFIDタグ20に記憶されている情報の読み取り及び書き込みを行うシステムである。RFIDタグシステム1は、衣料品、食料品、家庭電化製品などの商品の販売店の店舗に設けられるものとし、主として当該店舗(以下、単に店舗という)の販売商品の在庫管理を行う。
【0014】
ECR10は、顧客が購入を希望して会計する商品に関する情報の入力を受け付けて会計情報を算出して表示するレジ装置であり、店員に使用される。ECR10は、RFIDタグリーダライタ機能を有する。RFIDタグリーダライタ機能は、RFIDタグ20と無線通信することにより、商品に付されたRFIDタグ20に記憶された情報の読み取り/書き込みを行う機能である。
【0015】
RFIDタグ20は、店舗の商品に付され、当該商品に関する情報を記憶する付け札である。商品に関する情報とは、例えば、商品の種類を識別する商品種類の識別情報とするが、同じ種類の商品を個々に識別する個品管理の識別情報などを含んでもよい。RFIDタグ20は、ECR10などの外部装置との無線通信により、外部装置からの情報受信に応じて、自身に記憶されている情報の読み出し及び当該外部装置への送信や、自身に記憶する情報の書き込みを行う。ここでは、説明を簡単にするため、主として外部装置がECR10である場合を説明する。
【0016】
また、RFIDタグ20は、ECR10から受信した電波の振幅を起電力として得られる電源電力をRFIDタグ20の各部に供給して動作(駆動)できる。さらに、RFIDタグ20は、後述する電源ユニット23(
図3)を有するため、電源ユニット23から電源電力をRFIDタグ20の各部に供給して動作することもできる。ECR10から受信する電波から得られる電源電力の供給によりRFIDタグ20が動作するモードをパッシブモードとし、電源ユニット23から供給される電源電力によりRFIDタグ20が動作するモードをアクティブモードとする。
【0017】
RFIDタグ20は、パッシブモードにおいて、ECR10から電波を受信すると、受信した電波から得られる電源電力により返信の電波をECR10に出力(出射)する。それに対して、RFIDタグ20は、アクティブモードにおいて、ECR10からの電波を受信したら自身の電源電力で返信の電波を出射できるので常に安定した強度の電波が出力できる。したがって、アクティブモードは、ECR10とRFIDタグ20との距離が離れていても(通信距離を比較的長くとっても)、通信が可能である。
【0018】
このため、アクティブモードでのRFIDタグ20の通信距離は、例えば5~10m程度に設定されるものとする。同じくパッシブモードでのRFIDタグ20の通信距離は、アクティブモードの通信距離よりも短く、例えば1m以下程度に設定されるものとする。
【0019】
RFIDタグシステム1において、後述する通信手段T1の無線通信の通信距離が互いに異なる距離モードとして、上記のアクティブモード、パッシブモードをRFIDタグ20に設定することが可能である。また、ECR10は、距離モードにかかわらず、通信距離内にある少なくとも1つのRFIDタグ20をまとめて読み取り及び書き込みできる。
【0020】
店舗は、主として、販売する商品(未会計の商品)の商品棚を有する売り場と、ECR10が設置された会計所と、商品棚への陳列前の未会計の商品などが格納されるバックヤードと、を有するものとする。また、商品には、当該商品に対応するRFIDタグ20が付されているものとする。また、店舗において、所定のタイミング(例えば、所定期間ごと)で店舗の店員による商品の棚卸(在庫商品の種類及び数の取得作業)が行われるものとする。
【0021】
商品の棚卸は、ハンディターミナル(図示略)が用いられる。このハンディターミナルは、商品に関する情報の入力を受け付け、入力された情報を管理するための携帯端末であり、RFIDタグ20のリーダライタ機能を有する。店員は、ハンディターミナルを用いて、バックヤード及び売り場にある商品のRFIDタグ20をまとめて読み取る。棚卸では、作業を容易にするために、RFIDタグ20の通信距離を長くするのが好ましい。このため、バックヤード及び売り場にある商品に付されるRFIDタグ20の距離モードは、アクティブモードに設定される。
【0022】
逆に、会計後(販売後)の商品に付されたRFIDタグ20については、会計後の商品が在庫商品でないので、バックヤード及び売り場での棚卸で読み取られないことが必要である。このため、通信距離を短くするため、会計後の商品に付されたRFIDタグ20の距離モードは、パッシブモードに設定される。
【0023】
さらに、会計後の商品については、顧客の返品申請があると返品処理がなされ、必要に応じて再度バックヤード又は売り場に戻される。このとき、RFIDタグ20を再利用して、返品商品に付されたRFIDタグ20の距離モードは、再度アクティブモードに設定されることが必要である。
【0024】
また、店舗の出入口には、窃盗防止ゲート(図示略)が配置されているものとする。窃盗防止ゲートは、悪意ある人物が未会計の商品を所持したまま出入口を通過して店舗を退場する場合に、当該人物の所持する商品に付されたRFIDタグ20(に記憶された情報)を読み取り、当該読み取りがなされた場合に、窃盗のおそれがある旨をブザーなどにより店員に報知する。窃盗防止ゲートは、未会計の商品に付されたRFIDタグ20が読み取り対象となるため、通信距離が長いRFIDタグ20を読み取るが、会計後の商品に付されたRFIDタグ20まで読み取ると、誤読となる。このため、会計後の商品に付されたRFIDタグ20の距離モードをパッシブモードにして、窃盗防止ゲートにより顧客会計後の商品に付されたRFIDタグ20が読み取られないことが好ましい。
【0025】
ついで、
図2を参照して、ECR10の内部の機能構成を説明する。ECR10は、指示手段、処理手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶部15と、通信部16と、第2の通信手段としての無線通信部17と、ドロア18と、印刷部19と、を備える。ECR10の各部は、バスB1を介して接続されている。
【0026】
CPU11は、ECR10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0027】
CPU11は、例えば、会計処理として、無線通信部17により、顧客が会計所に持ってきた商品の付されたRFIDタグ20を読み取り、読み取られた商品の種類及び個数と、あらかじめ記憶部15に記憶された各商品種類の単価情報とに基づいて、当該商品の金額の合計金額などの会計情報を算出する。そして、CPU11は、会計情報を表示部14に表示し、店員による顧客からの金銭の受け取り及びドロア18への格納後に、印刷部19によりレシートを印刷して会計を終了する。
【0028】
また、CPU11は、後述する距離データ算出処理設定指示処理により、会計後の商品の距離モードをアクティブモードからパッシブモードに変更し、返品された商品の距離モードをパッシブモードからアクティブモードに変更する。
【0029】
操作部12は、数字キーや各種機能キーなどを備え、ユーザによるキー入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。また、操作部12は、表示部14の表示画面に一体的に形成されたタッチパネルを含む構成としてもよい。
【0030】
RAM13は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリである。RAM13は、CPU11に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0031】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro-Luminescent)ディスプレイなどにより構成され、CPU11の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。表示部14は、店員用の表示部と、顧客用の表示部と、からなる構成としてもよい。
【0032】
記憶部15は、フラッシュメモリ、電池によりバックアップされたRAMなど、情報の読み出し及び書き込みが可能な不揮発性の記憶部により構成され、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部15は、後述する距離モード設定指示処理を実行するための距離モード設定指示プログラムP1を記憶しているものとする。
【0033】
通信部16は、有線又は無線の通信部であり、有線又は無線で通信接続されたサーバなどの外部機器と通信を行う。
【0034】
無線通信部17は、アンテナ、変復調部、信号処理部などを有し、所定の周波数帯の電波を送受信してRFIDタグ20とRFID規格の無線通信を行う無線通信部である。無線通信部17の所定の周波数帯は、UHF帯(920MHz)、433MHz帯、2.45/5.8GHz帯などである。CPU11は、無線通信部17を介して、通信距離内の少なくとも1つのRFIDタグ20との無線通信により、RFIDタグ20に記憶されている情報の読み取り又は書き込みを行う。
【0035】
印刷部19は、CPU11の制御に従い、レシートやジャーナルなどを用紙に印刷して出力する。
【0036】
ドロア18は、金銭、商品券等を格納する引き出しであり、CPU11による制御下で開放する開放機構を有する。
【0037】
ついで、
図3を参照して、RFIDタグ20の内部の機能構成を説明する。RFIDタグ20は、IC(Integrated Circuit)21と、アンテナ22と、第2の電源手段としての電源ユニット23と、第2の記憶手段としての追加メモリ24と、を備える。アンテナ22及び電源ユニット23を第1の通信手段としての通信手段T1とする。
【0038】
IC21は、RFIDタグ20の各種機能を実現するための集積回路である。IC21は、設定手段としての制御部211と、第1の記憶手段としてのメモリ212と、第1の通信手段としての通信部213と、第1の電源手段としての電源部214と、を有する。制御部211は、RFIDタグ20の各部を制御する制御回路であり、特に後述する距離モード設定処理を実行する。制御部211は、例えば、CPU、RAMにより構成される。
【0039】
メモリ212は、情報の読み取り及び書き込みが可能な不揮発性の半導体メモリである。メモリ212には、RFIDタグ20に関する情報(例えば、RFIDタグ20が付される商品の商品種類の識別情報)が記憶される。また、メモリ212には、後述する距離モード設定処理を実行するための距離モード設定プログラムが記憶されている。
【0040】
通信部213は、ECR10から送信された電波に基づくアンテナ電流がアンテナ22から入力され、当該アンテナ電流に復調、信号処理などを施し受信情報を取得する高周波回路である。また、通信部213は、制御部211から入力される送信情報に信号処理、変調などを施し、アンテナ電流としてアンテナ22に出力する。通信部213及びアンテナ22を通信手段T1とする。
【0041】
電源部214は、ECR10から送信されてアンテナ22で受信された電波の振幅を起電力(電波受信によりアンテナ22に流れるアンテナ電流の電圧)として得られる電源電力をRFIDタグ20の各部に供給する(電流を流す)電源回路である。電源部214は、距離モードがパッシブモードの場合に電力供給の動作をする。
【0042】
アンテナ22は、ECR10から送信された所定周波数の電波を受信してアンテナ電流をIC21に出力し、またIC21から入力されたアンテナ電流に従い所定周波数の電波をECR10に送信する。
【0043】
電源ユニット23は、一次電池、二次電池などの電池を有し、当該電池から出力(放電)される電源電力をRFIDタグ20の各部に供給して動作させるユニットであり、電力の供給のオン/オフが切り替え可能な構成を有する。このため、制御部211は、電源ユニット23からの電力供給のオン/オフの切り替え制御を行う。電源ユニット23は、距離モードがアクティブモードの場合に電力供給の動作をする。なお、電源ユニット23が、外部電源に接続されている構成としてもよい。
【0044】
追加メモリ24は、情報のアクセス(読み取り及び書き込み)が可能な不揮発性の半導体メモリで構成され、メモリ212に追加するメモリである。追加メモリ24には、常時アクセスが可能なメモリ212に記憶されない特殊な情報が記憶される。特殊な情報とは、例えば、セキュリティに関する情報である。追加メモリ24に記憶する情報は、後述する距離モード設定指示処理及び距離モード設定処理により、アクセスの許可/不許可が設定可能である。追加メモリ24に記憶する情報は、例えば、商品の会計前に店員にアクセスを許可し会計後に顧客などにアクセスを許可しないセキュリティ情報とする。また、距離モードの設定とは関連せずに独立して(後述する距離モード設定指示処理及び距離モード設定処理とは別に)、追加メモリ24へのアクセスの許可/不許可の設定も可能であるものとする。なお、逆に、追加メモリ24に記憶する情報は、商品の会計前に店員にアクセスを許可せず会計後にアクセスを許可する情報としてもよく、店舗の運用に従った任意の情報としてもよい。
【0045】
つぎに、
図4(a)~
図6を参照して、RFIDタグシステム1の動作を説明する。
図4(a)は、商品会計の流れを示すフローチャートである。
図4(b)は、返品の流れを示すフローチャートである。
図5は、距離モード設定指示処理を示すフローチャートである。
図6は、距離モード設定処理を示すフローチャートである。
【0046】
まず、
図4(a)を参照して、店舗における商品会計の流れを簡単に説明する。あらかじめ、店舗には、初期状態として距離モード情報及びメモリアクセス可否情報が設定されたRFIDタグ20が商品に付されて売り場の商品棚に陳列されているものとする。ここで、RFIDタグ20に設定されメモリ212に記憶されている距離モードを距離モード情報とする。RFIDタグ20に設定されメモリ212に記憶されている、追加メモリ24へのアクセスの許可/不許可を示すメモリアクセス可否をメモリアクセス可否情報とする。ここでは、初期状態の距離モード情報は、アクティブモードであり、初期状態のメモリアクセス可否情報は、許可であるものとする。しかし、これに限定されるものではなく、初期状態の距離モード情報及びメモリアクセス可否情報は、RFIDタグ20の運用に応じて、任意に設定されてもよい。
【0047】
また、顧客が店舗に来店したものとする。そして、
図4(a)に示す商品会計の流れが開始される。まず、顧客が、売り場の購入希望の商品を持って会計所に移動し、店員はECR10を用いて当該商品の会計処理を行う(ステップST1)。ECR10において、会計処理として、CPU11は、無線通信部17により、顧客が会計所に持ってきた商品の付されたRFIDタグ20のメモリ212に記憶された商品の種類の識別情報を読み取り、読み取られた商品の種類及び個数を取得し、あらかじめ記憶部15に記憶された当該商品の商品種類の単価情報などを読み出す。そして、CPU11は、取得した商品の種類及び個数と、読み出した各商品種類の単価情報とに基づいて、当該商品の合計金額を算出して表示部14に表示する。店員は、顧客から商品の支払い用の現金を受け取り、操作部12を介して現金の金額を入力する。そして、CPU11は、お釣りなどを計算して表示部14に表示する。店員は、支払い代金をドロア18に格納しお釣りを顧客に手渡す。そして、CPU11は、印刷部19により会計情報をレシートに印刷して、会計処理が終了する。なお、ECR10は、商品の会計済である情報をRFIDタグ20に書き込む構成としてもよい。
【0048】
そして、店員は、ECR10により、後述する距離モード設定指示処理を実行して、会計後の商品に付されているRFIDタグ20のメモリ212に記憶されている距離モード情報をアクティブモードからパッシブモードに変更する(ステップST2)。ステップST2では、メモリ212に記憶されているメモリアクセス可否情報も許可から不許可に変更される。そして、顧客は、距離モードが変更されたRFIDタグ20が付された会計後の商品を店員から受け取り、その商品を持って店舗を退店し(ステップST3)、商品会計が終了する。このようにRFIDタグ20の通信距離(距離モード情報)を切り替えることで、RFIDタグ20へのアクセス可能距離の制限をRFIDタグ20側に持たせることが可能となる。例えば、UHF帯は一般的に離れていてもRFIDタグを読み取れ、複数のRFIDタグを同時に読み取れるという特長がある。あえて短距離しか読み取れない状態にRFIDタグ20側を制御することによって運用シーンの幅を広げることができる。具体的には、商品会計の実行前における商品に付されたRFIDタグ20への通信距離が長いアクティブモードの設定により、店舗の棚卸により、会計前の在庫商品に付されたRFIDタグ20をまとめて容易かつ正確に読み取ることができ、窃盗防止ゲートも活用できる。同じく、商品会計時の通信距離が短いパッシブモードの設定により、会計後の商品に付されたRFIDタグ20が、店舗の棚卸で二重読みされず、また窃盗防止ゲートに反応しなく、最低限の使用しかされないように運用することが可能となる。
【0049】
ついで、
図4(b)を参照して、店舗における返品の流れを簡単に説明する。あらかじめ、ある顧客が店舗で商品を購入した後、会計後の商品の中に、返品希望の商品があるものとする。
【0050】
そして、
図4(b)に示す返品の流れが開始される。まず、顧客が、返品希望の商品を持って店舗の会計所に移動し、店員はECR10を用いて当該商品の返品処理を行う(ステップST4)。ECR10において、返品処理として、CPU11は、無線通信部17により、顧客が会計所に持ってきた商品の付されたRFIDタグ20を読み取り、読み取られた商品の種類及び個数を取得し、操作部12を介して店員から返品するレシートの識別情報の入力を受け付ける。そして、CPU11は、取得された商品の種類及び個数を返品登録し、購入金額などの返品用の情報を表示部14に表示する。店員は、ドロア18から購入金額を取り出して顧客に手渡す。
【0051】
そして、店員は、ECR10により、後述する距離モード設定指示処理を実行して、返品対象の商品に付されているRFIDタグ20のメモリ212に記憶されている距離モード情報をパッシブモードからアクティブモードに変更する(ステップST5)。ステップST5では、メモリ212に記憶されているメモリアクセス可否情報も不許可から許可に変更される。そして、店員は、返品された商品が再び販売できるものと判断すると、当該商品を店舗の売り場(又はバックヤード)に戻し(ステップST6)、返品が終了する。
【0052】
ついで、
図5及び
図6を参照して、RFIDタグシステム1で実行される距離モード設定指示処理及び距離モード設定処理を説明する。先に、
図5を参照して、ECR10で実行される距離モード設定指示処理を説明する。距離モード設定指示処理は、店舗での商品会計後や、商品の返品時に、設定対象のRFIDタグ20の距離モード及び追加メモリ24へのアクセスの許可/不許可を設定する処理である。また、ここでは、ECR10が、1つの設定対象のRFIDタグ20の距離モード及び追加メモリ24へのアクセスの許可/不許可を設定する処理を説明するが、2つ以上の設定対象のRFIDタグ20に対しても、各RFIDタグ20に対する設定処理を並行して同時に実行すればよい。
【0053】
ECR10において、例えば、操作部12を介して会計所の店員から距離モード設定指示処理の実行指示が入力されたこと又は商品会計のステップST1の会計処理が終了したことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された距離モード設定指示プログラムP1に従い、距離モード設定指示処理を実行する。
【0054】
あらかじめ、RFIDタグ20の初期状態の設定情報が記憶部15に記憶されているものとする。RFIDタグ20の設定情報とは、RFIDタグ20に設定する距離モードの設定情報(設定距離モードとする)と、追加メモリ24へのアクセスの許可/不許可を示す設定情報(設定メモリアクセス可否とする)と、である。RFIDタグ20の初期状態の設定情報は、例えば、設定距離モードがパッシブモード、設定メモリアクセス可否が不許可に設定されているものとするが、これに限定されるものではない。
【0055】
図5に示すように、まず、CPU11は、操作部12を介して、店員からRFIDタグ20の設定情報の入力があるか否かを判別する(ステップS11)。例えば、
図4(a)のステップST2に対応して、商品の会計処理後に、会計処理後の商品に付されたRFIDタグ20の距離モードをパッシブモードに変更するために、設定距離モードとして、パッシブモードが入力される。また、
図4(b)のステップST5に対応して、商品の返品時に、商品から取り外されているRFIDタグ20の距離モードをアクティブモードに変更するために、設定距離モードとして、アクティブモードが入力される。設定メモリアクセス可否は、店員により許可/不許可に任意に入力される。ステップS11では、設定情報の変更が必要である場合(商品会計後に新たに返品が発生した場合や、その返品が完了した場合)にのみ設定情報が入力される。
【0056】
RFIDタグ20の設定情報の入力がある場合(ステップS11;YES)、CPU11は、記憶部15に記憶されている設定情報をステップS11で入力された設定情報で更新する(ステップS12)。
【0057】
RFIDタグ20の設定情報の入力がない場合(ステップS11;NO)、又はステップS12の実行後、CPU11は、無線通信部17を介して、設定対象のRFIDタグ20への無線通信でのアクセスを開始する(ステップS13)。ステップS13では、CPU11は、無線通信部17を介して、ECR10からのアクセス開始情報を設定対象のRFIDタグ20へ送信するものとする。アクセス開始情報は、距離モード設定指示処理におけるアクセス開始の旨の情報であって、例えば、ECR10の識別情報を含む。
【0058】
そして、CPU11は、無線通信部17を介して、設定対象のRFIDタグ20に設定されている距離モード情報の要求を当該設定対象のRFIDタグ20に送信し、要求した距離モード情報を当該設定対象のRFIDタグ20から受信する(ステップS14)。
【0059】
そして、CPU11は、ステップS14で受信した距離モード情報が設定距離モードであるか否かを判別する(ステップS15)。設定距離モードでない場合(ステップS15;NO)、CPU11は、無線通信部17を介して、設定対象のRFIDタグ20の距離モード情報を設定距離モードに変更させる距離モード情報変更コマンドを設定対象のRFIDタグ20に送信し、距離モード情報を変更させる(ステップS16)。
【0060】
設定距離モードである場合(ステップS15;YES)、又はステップS16の実行後、CPU11は、無線通信部17を介して、設定対象のRFIDタグ20に設定されている追加メモリ24へのメモリアクセス可否情報の要求を当該設定対象のRFIDタグ20に送信し、要求したメモリアクセス可否情報を当該設定対象のRFIDタグ20から受信する(ステップS17)。
【0061】
そして、CPU11は、ステップS17で受信したメモリアクセス可否情報が設定メモリアクセス可否であるか否かを判別する(ステップS18)。設定メモリアクセス可否でない場合(ステップS18;NO)、CPU11は、無線通信部17を介して、設定対象のRFIDタグ20のメモリアクセス可否情報を設定メモリアクセス可否に変更させるメモリアクセス可否情報変更コマンドを設定対象のRFIDタグ20に送信し、メモリアクセス可否情報を変更させる(ステップS19)。
【0062】
設定メモリアクセス可否である場合(ステップS17;YES)、又はステップS19の実行後、CPU11は、無線通信部17を介して、設定対象のRFIDタグ20の設定状態を示す状態情報(距離モード情報及びメモリアクセス可否情報)を当該設定対象のRFIDタグ20に送信し、要求した状態情報を当該設定対象のRFIDタグ20から受信する(ステップS20)。
【0063】
そして、CPU11は、ステップS20で受信した状態情報(距離モード情報及びメモリアクセス可否情報)が、設定距離モード及び設定メモリアクセス可否と同じで、ベリファイがOKであるか否かを判別する(ステップS21)。ベリファイがNGである場合(ステップS21;NO)、ステップS14に移行される。ベリファイがOKである場合(ステップS21;YES)、距離モード設定指示処理が終了する。
【0064】
ついで、
図6を参照して、設定対象のRFIDタグ20で実行される距離モード設定処理を説明する。距離モード設定処理は、設定対象のRFIDタグ20としての自装置の状態情報を、距離モード設定指示処理により指示された設定情報に変更設定する処理である。
【0065】
設定対象のRFIDタグ20は、アクティブモードの設定中で電源ユニット23から電力供給開始されたこと、又はパッシブモードの設定中で電源部214により電力が供給開始されて起動される。そして、設定対象のRFIDタグ20において、
図5の距離モード設定指示処理のステップS13に対応して通信手段T1を介してアクセス開始情報をECR10から受信したことをトリガとして、制御部211は、メモリ212に記憶された距離モード設定プログラムに従い、距離モード設定処理を実行する。また、距離モード設定処理は、アクティブモード又はパッシブモードでの電力供給中に、所定周期で繰り返し実行されるものとする。また、設定対象のRFIDタグ20のメモリ212には、初期状態又は前回の距離モード設定処理により設定された状態情報(距離モード情報及びメモリアクセス可否情報)が記憶されているものとする。
【0066】
図6に示すように、まず、制御部211は、距離モード設定指示処理のステップS14に対応して、通信手段T1を介して、距離モード情報要求をECR10から受信したか否かを判別する(ステップS31)。距離モード情報要求を受信していない場合(ステップS31;NO)、ステップS31に移行される。
【0067】
距離モード情報要求を受信した場合(ステップS31;YES)、制御部211は、メモリ212に記憶されている状態情報の距離モード情報を読み出し、通信手段T1を介して、読み出した距離モード情報をECR10に送信する(ステップS32)。そして、制御部211は、距離モード設定指示処理のステップS16に対応して、通信手段T1を介して、距離モード情報変更コマンドをECR10から受信したか否かを判別する(ステップS33)。
【0068】
距離モード情報変更コマンドを受信した場合(ステップS33;YES)、制御部211は、メモリ212に記憶されている距離モード情報の内容を、ステップS34で受信された距離モード情報変更コマンドに基づいて、設定距離モードに変更して設定する(ステップS34)。ステップS34において、制御部211は、商品会計時に、距離モード情報をパッシブモードに変更設定する場合に、電源ユニット23からの電源電力供給をオフに切り替え、電源部214に電源電力を供給させる。同様に、返品時に、制御部211は、距離モード情報をアクティブモードに変更設定する場合に、電源ユニット23からの電源電力供給をオンに切り替える。
【0069】
ステップS34の実行後、又は距離モード情報変更コマンドを受信していない場合(ステップS33;NO)、制御部211は、距離モード設定指示処理のステップS17に対応して、通信手段T1を介して、メモリアクセス可否情報要求をECR10から受信したか否かを判別する(ステップS35)。メモリアクセス可否情報要求を受信していない場合(ステップS35;NO)、ステップS35に移行される。
【0070】
メモリアクセス可否情報要求を受信した場合(ステップS35;YES)、制御部211は、メモリ212に記憶されている状態情報のメモリアクセス可否情報を読み出し、通信手段T1を介して、読み出したメモリアクセス可否情報をECR10に送信する(ステップS36)。そして、制御部211は、距離モード設定指示処理のステップS19に対応して、通信手段T1を介して、メモリアクセス可否情報変更コマンドをECR10から受信したか否かを判別する(ステップS37)。
【0071】
メモリアクセス可否情報変更コマンドを受信した場合(ステップS37;YES)、制御部211は、メモリ212に記憶されているメモリアクセス可否情報の内容を、ステップS37で受信されたメモリアクセス可否情報変更コマンドに基づいて、設定メモリアクセス可否に変更して設定する(ステップS38)。
【0072】
ステップS38の実行後、又はメモリアクセス可否情報変更コマンドを受信していない場合(ステップS37;NO)、制御部211は、距離モード設定指示処理のステップS20に対応して、通信手段T1を介して、状態情報要求をECR10から受信したか否かを判別する(ステップS39)。状態情報要求を受信していない場合(ステップS39;NO)、ステップS39に移行される。
【0073】
状態情報要求を受信した場合(ステップS39;YES)、制御部211は、メモリ212に記憶されている状態情報を読み出し、通信手段T1を介して、読み出した状態情報をECR10に送信し(ステップS40)、距離モード設定処理を終了する。
【0074】
距離モード設定処理実行後に、制御部211は、ECR10、ハンディターミナルなどのリーダライタから、追加メモリ24へのアクセス要求がある場合に、メモリ212に記憶されているメモリアクセス可否情報を参照する。そして、制御部211は、参照したメモリアクセス可否情報が許可に設定されている場合に、追加メモリ24に記憶されている情報のアクセス(読み出し、書き込み)を行い、同じく不許可に設定されている場合に、追加メモリ24に記憶されている情報のアクセスを行わない。
【0075】
以上、本実施の形態によれば、RFIDタグ20は、情報を記憶するメモリ212と、アンテナ22を介して、メモリ212に記憶された情報を読み取るECR10との無線通信を行うとともに、前記無線通信における通信距離として互いに異なる複数の通信距離(長距離、短距離)のいずれか1つを選択可能な通信手段T1と、通信手段T1の通信距離を設定する制御部211と、を備える。
【0076】
また、ECR10は、RFID20から情報を読み取る。ECR10は、RFIDタグ20と無線通信する無線通信部17と、無線通信部17の無線通信により、通信手段T1の通信距離を設定させるCPU11と、を備える。
【0077】
このため、RFIDタグ20の通信距離を容易に設定できる。また、このようにRFIDタグ20の通信距離(距離モード)を切り替えることで、RFIDタグ20へのアクセス可能距離の制限をRFIDタグ20側に持たせることが可能となる。例えば、UHF帯は一般的に離れていてもRFIDタグを読み取れ、複数のRFIDタグを同時に読み取れるという特長がある。あえて短距離しか読み取れない状態にRFIDタグ20側を制御することによって運用シーンの幅を広げることができる。また、具体的には、通信距離が長いアクティブモードの設定により、店舗の棚卸により、会計前の在庫商品に付されたRFIDタグ20をまとめて容易かつ正確に読み取ることができ、窃盗防止ゲートも活用できる。同じく、通信距離が短いパッシブモードの設定により、会計後の商品に付されたRFIDタグ20が、店舗の棚卸で二重読みされず、また窃盗防止ゲートに反応しなく、最低限の使用しかされないように運用することが可能となる。
【0078】
また、RFIDタグ20の制御部211は、通信手段T1を介してECR10から受信される通信距離の切り替えの要求に基づいて、通信手段T1の通信距離を設定する。ECR10のCPU11は、操作部12を介する通信距離の操作入力に基づいて、通信手段T1の通信距離をRFIDタグ20に設定させる。このため、ユーザ(店員)の操作入力に基づいて、RFIDタグ20の通信距離を容易に設定できる。また、ECR10側からRFIDタグ20の通信距離を変更できるので、ユーザ側にとっても運用用途が広がるので新しいソリューション展開にもつながる。
【0079】
また、RFIDタグ20は、情報を記憶する追加メモリ24を備える。制御部211は、追加メモリ24へのアクセスの許可又は不許可を設定する。ECR10のCPU11は、追加メモリ24へのアクセスの許可又は不許可をRFIDタグ20に設定させる。このため、RFIDタグ20の追加メモリ24に記憶されているセキュリティ情報などの特殊な情報へのアクセスの許可/不許可を容易に設定できる。
【0080】
また、RFIDタグ20は、通信手段T1を介して受信された電波から得られる電源電力をRFIDタグ20内の各部に供給する電源部214と、電池から出力(放電)される電源電力をRFIDタグ20内の各部に供給する電源ユニット23と、を備える。制御部211は、電源ユニット23からの電源電力の供給をオンして通信手段T1の通信距離を長距離に設定し、又は電源ユニット23からの電源電力の供給をオフして通信手段T1の通信距離を長距離よりも短い短距離に設定する。また、ECR10のCPU11は、電源ユニット23からの電源電力の供給をオンさせて通信手段T1の通信距離を長距離に設定させ、又は電源ユニット23からの電源電力の供給をオフさせて通信手段T1の通信距離を短距離に設定させる。このため、アクティブモードとパッシブモードとの切替により、RFIDタグ20の通信距離を長距離又は短距離に容易に切り替えて設定できる。
【0081】
また、ECR10のCPU11は、RFIDタグ20のメモリ212に記憶された情報(商品の種類の識別情報)を読み取ることで所定の処理として会計処理(ステップST1)を実行させる。CPU11は、会計処理を実行された場合に通信手段T1の通信距離を設定させる(RFIDタグ20の通信距離を長距離から短距離に設定させる(ステップST2))。このため、会計処理の実行に続いて、RFIDタグ20の通信距離を容易に変更できる。
【0082】
(第1の変形例)
図7を参照して、上記実施の形態の第1の変形例を説明する。
図7は、本変形例のRFIDタグ20Aの機能構成を示すブロック図である。
【0083】
本変形例の装置構成は、上記実施の形態のRFIDタグシステム1において、RFIDタグ20をRFIDタグ20Aに代えた構成とする。このため、RFIDタグ20Aの装置構成を主として説明する。また、RFIDタグ20Aの各部のうち、RFIDタグ20と同様の部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0084】
RFIDタグ20Aは、電源ユニット23を有しないため、アクティブモードに設定することができず、常時パッシブモード(ECR10の電波から得られるアンテナ電流の電圧を起電力として動作)として機能する。このため、距離モードとしては、アクティブモードがない。
【0085】
ただし、RFIDタグ20Aは、パッシブモードにおいて通信距離が互いに異なる2つのアンテナ221,222(
図7)を備える。アンテナ221は、上記実施の形態のアンテナ22の周波数帯と同様の所定の周波数帯で電波を送受信し、その通信距離は、上記実施の形態のアクティブモードと同様に、長距離(例えば10m程度)になるようにチューニングされている。アンテナ222は、アンテナ221と同じ所定の周波数帯で電波を送受信し、その通信距離は、上記実施の形態のパッシブモードと同様に、短距離(例えば20cm程度)になるようにチューニングされている。このため、本変形例において、RFIDタグ20Aの距離モードは、アンテナ221を用いる長距離モードと、アンテナ222を用いる短距離モードと、を有する。
【0086】
図7に示すように、RFIDタグ20Aは、IC21Aと、アンテナ221,222と、追加メモリ24と、スイッチ25と、を備える。IC21Aは、制御部211Aと、メモリ212と、通信部213Aと、電源部214Aと、を有する。通信部213A、アンテナ221,222及びスイッチ25を、通信手段T1Aとする。
【0087】
IC21Aは、上記実施の形態のIC21と同様の構成であるが、上記実施の形態の制御部211、通信部213、電源部214に代えて、制御部211A、通信部213A、電源部214Aを有する。制御部211Aは、上記実施の形態の制御部211と同様に、
図6の距離モード設定処理などの処理を行う回路部である。ただし、制御部211Aは、電源ユニットの電力供給のオン/オフの切替処理を行わない。
【0088】
また、通信部213Aは、アンテナ221又は222に対応する無線通信用の高周波回路である。電源部214Aは、アンテナ221又は222から入力されるアンテナ電流の電圧を起電力としてRFIDタグ20Aの各部に供給する電源回路である。電源部214Aは、距離モードが長距離モード、短距離モードのいずれの場合でも、ECR10から電波を受信する場合に、電力供給の動作をする。このように、通信部213A、電源部214Aは、アンテナ221,222の共用の回路部である。
【0089】
アンテナ221は、長距離モードの通信距離でECR10と電波の送受信が可能なアンテナである。アンテナ222は、短距離モードの通信距離でECR10と電波の送受信が可能なアンテナである。アンテナ221,222は、例えば、アンテナの物理的な構造(大きさ、形状、指向性など)の違いにより、通信距離が互いに異になるようにチューニングされている。
【0090】
スイッチ25は、IC21Aと、アンテナ221,222との間の接続線において、IC21Aとアンテナ221との間の接続と、IC21Aとアンテナ222との間の接続と、のいずれか一方をオンするスイッチである。このため、制御部211Aは、スイッチ25を介して、無線通信用のアンテナをアンテナ221又は222に切り替えることが可能である。
【0091】
本変形例のRFIDタグシステム1の動作として、ECR10のCPU11は、
図5の距離モード設定指示処理を実行する。ただし、距離モードは、「アクティブモード」→「長距離モード」、「パッシブモード」→「短距離モード」として置き換えるものとする。
【0092】
また、RFIDタグ20Aの制御部211Aは、
図6の距離モード設定処理を実行する。ただし、ステップS34において、制御部211は、距離モード情報を長距離モードに変更する場合に、スイッチ25を介して、電波を送受信するアンテナをアンテナ221に切り替える。同様に、制御部211は、距離モード情報を短距離モードに変更する場合に、電波を送受信するアンテナをアンテナ222に切り替える。
【0093】
以上、本変形例によれば、RFIDタグ20Aの通信手段T1Aは、通信距離が互いに異なるアンテナ221,222を有し、スイッチ25により電波を送受信するアンテナ221又は222に選択して通信距離を選択可能である。制御部211Aは、アンテナ221又は222の選択により通信手段T1Aの通信距離を設定する。ECR10のCPU11は、アンテナ221又は222の選択により通信手段T1Aの通信距離を設定させる。このため、電波を送受信するアンテナの選択(切替)により、RFIDタグ20Aの通信距離を長距離又は短距離に容易に切り替えて設定できる。
【0094】
(第2の変形例)
図8を参照して、上記実施の形態の第2の変形例を説明する。
図8は、本変形例のRFIDタグ20Bの機能構成を示すブロック図である。
【0095】
本変形例の装置構成は、上記実施の形態のRFIDタグシステム1において、RFIDタグ20をRFIDタグ20Bに代えた構成とする。このため、RFIDタグ20Bの装置構成を主として説明する。また、RFIDタグ20Bの各部のうち、RFIDタグ20と同様の部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0096】
RFIDタグ20Bは、IC21Bと、アンテナ22と、電源ユニット23と、追加メモリ24と、手動スイッチ26と、を備える。IC21Bは、制御部211Bと、メモリ212と、通信部213と、電源部214と、を有する。
【0097】
手動スイッチ26は、電源ユニット23に接続され、ユーザからの手動入力により、電源ユニット23からRFIDタグ20Bの各部への電力供給のオン/オフを行うスイッチである。つまり、手動スイッチ26がオン入力されると、電源ユニット23からRFIDタグ20Bの各部へ電源電力が供給されるため、距離モードがアクティブモードに設定される。
【0098】
つまり、手動スイッチ26がオン入力されると、電源ユニット23からRFIDタグ20Bの各部へ電源電力が供給されるため、距離モードがアクティブモードに設定される。また、手動スイッチ26がオフ入力されると、電源ユニット23からRFIDタグ20Bの各部へ電源電力が供給されないため、距離モードがパッシブモードに設定される。制御部211Bは、手動スイッチ26の手動入力により、距離モードが変更された場合に、変更後の距離モードを距離モード情報としてメモリ212に記憶する。
【0099】
このため、ECR10からRFIDタグ20Bへの距離モードの設定が行われない。ECR10のCPU11は、
図5の距離モード設定指示処理の全てを実行しないものの、RFIDタグ20Bのメモリ212に記憶されるメモリアクセス可否情報の読み取り及びメモリアクセス可否情報の変更設定(ステップS14~S16以外の処理の実行)を実行可能である。
【0100】
また、RFIDタグ20Bの制御部211Bは、
図6の距離モード設定処理の全てを実行しないものの、メモリ212に記憶されるメモリアクセス可否情報の送信及びメモリアクセス可否情報の変更設定(ステップS31~S35以外の処理の実行)を実行可能である。
【0101】
以上、本変形例によれば、RFIDタグ20Bの制御部211Bは、手動スイッチ26を介するユーザ(店員)からの手動の切替入力(電源ユニット23からの電源電力の供給をオン又はオフ(電源部214からの電源電力の供給)に切り替える入力)に基づいて、通信手段T1の通信距離を設定する。このため、ECR10を用いることなく、アクティブモードとパッシブモードとの切替により、RFIDタグ20Bの通信距離を長距離又は短距離に容易に切り替えて設定できる。
【0102】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの記憶部15、メモリ212を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、他の不揮発性メモリ、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0103】
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係るタグ、情報読取装置、通信距離設定方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0104】
上記実施の形態及び第1、第2の変形例の少なくとも2つを組み合わせる構成としてもよい。例えば、実施の形態及び第2の変形例を組合せて、RFIDタグシステム1が、ECR10と、RFIDタグ20Bとを備える構成としてもよい。この構成では、距離モード設定指示処理により、ECR10が、RFIDタグ20Bの距離モード(アクティブモード、パッシブモード)を変更できるとともに、ユーザからの手動スイッチ26の手動入力によっても、RFIDタグ20Bの距離モードを変更できる。
【0105】
また、例えば、第1、第2の変形例を組合せる構成としてもよい。より具体的には、RFIDタグ20Aのスイッチ25が、ユーザの手動の切替入力により、電波を送受信するアンテナをアンテナ221又は222に切り替える構成である。この構成においても、距離モード設定指示処理により、ECR10が、RFIDタグ20Aの距離モード(長距離モード、短距離モード)を変更できるとともに、ユーザからのスイッチ25の手動の切替入力によっても、RFIDタグ20Aの距離モードを変更できる。
【0106】
また、実施の形態及び第1の変形例では、RFIDタグ20,20Aの通信距離をECR10側から当該RFIDタグ20,20Aに設定させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、RFIDタグのリーダライタ機能を有するハンディターミナル、タブレットPC(Personal Computer)などの携帯端末や、レジ装置などの他の装置からRFIDタグ20,20Aに通信距離を設定させる構成としてもよい。
【0107】
例えば、RFIDタグのリーダライタ機能を有するハンディターミナル(以下、単にハンディターミナルとする)を用いる場合を簡単に説明する。
図4(a)の商品会計のステップST1の会計処理は、通常のECRで実行される。そして、商品会計のステップST2の距離モード変更では、店員がハンディターミナルを用いて、
図5の距離モード設定処理と同様の処理をハンディターミナルに実行させて、RFIDタグ20に記憶されている距離モード情報をアクティブモード(長距離モード)からパッシブモード(短距離モード)に変更設定させる。
図4(b)の返品のステップST5の距離モード変更では、店員がハンディターミナルを用いて、
図5の距離モード設定処理と同様の処理をハンディターミナルに実行させて、RFIDタグ20に記憶されている距離モード情報をパッシブモード(短距離モード)からアクティブモード(長距離モード)に変更設定させる。
【0108】
また、ハンディターミナルは、倉庫の商品管理に用いる構成としてもよい。例えば、倉庫が、商品を格納する格納庫(倉)と、商品を配送ドライバーに引き渡す前室と、を有するものとする。格納庫に格納されかつ距離モード情報がアクティブモード(長距離モード)に設定されているRFIDタグが付された商品を、配送先への配送のため、前室に移動して配送ドライバーに引き渡す場合に、倉庫の作業員は、前室においてハンディターミナルを用いて、
図5の距離モード設定指示処理と同様の処理をハンディターミナルの制御部に実行させる。より具体的には、ハンディターミナルの制御部がRFIDタグのメモリに記憶されている商品識別情報を読み取ることで当該商品についての配送処理(出荷処理)を実行させるとともに、RFIDタグに記憶されている距離モード情報を変更設定させる。配送処理は、例えば配送のため配送ドライバーに引き渡す商品の商品識別情報の登録を含む。このとき、引き渡す商品に付されたRFIDタグに記憶されている距離モード情報をアクティブモード(長距離モード)からパッシブモード(短距離モード)に変更設定させる。作業員がハンディターミナルを用いて格納庫の商品の棚卸をする場合に、前室にある引渡し用の商品に付されたパッシブモード(短距離モード)のRFIDタグの誤読を防止できる。このとき、距離モード設定処理と同様に、RFIDタグの追加メモリに記憶された、配送ドライバーにアクセスさせたくない情報に対して、メモリアクセス可否情報を不許可に設定することもできる。
【0109】
このように、ハンディターミナルの制御部は、RFIDタグのメモリに記憶された情報(商品識別情報)を読み取ることで所定の処理として配送処理を実行させる。ハンディターミナルの制御部は、配送処理を実行された場合にRFIDタグの通信手段の通信距離を設定させる(RFIDタグの通信距離を長距離から短距離に設定させる)。このため、配送処理の実行に続いて、RFIDタグ20の通信距離を容易に変更できる。
【0110】
さらに、配送ドライバーから引き渡し後の商品の返品がある場合にも、倉庫の作業員は、前室においてハンディターミナルを用いて、
図5の距離モード設定処理と同様の処理をハンディターミナルに実行させる。そして、返品する商品に付されたRFIDタグに記憶されている距離モード情報をパッシブモード(短距離モード)からアクティブモード(長距離モード)に変更設定させる。
【0111】
また、ECR10、ハンディターミナルなどにおいて、距離モード設定指示処理のステップS11,S12は、設定の権限のある人物(店舗の店長など)が使用する場合に行うことができる構成としてもよい。
【0112】
また、実施の形態及び変形例では、RFIDタグ20,20A,20Bの通信距離を長距離及び短距離の2段階に切り替える構成としたが、これに限定されるものではない。RFIDタグ20,20A,20Bの通信距離を3段階以上に切り替える構成としてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態及び変形例では、RFIDタグシステム1を店舗の商品の管理に適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、RFIDタグシステム1は、動物や人物などの対象物にRFIDタグ20,20A,20Bを付して管理する管理システムなど、他の管理などの用途に適用が可能である。
【0114】
本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態及び変形例に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0115】
1 RFIDタグシステム
10 ECR
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 通信部
17 無線通信部
18 ドロア
19 印刷部
B1 バス
20,20A,20B RFIDタグ
21,21A,21B IC
211,211A,211B 制御部
212 メモリ
213,213A 通信部
T1,T1A 通信手段
214,214A 電源部
22,221,222 アンテナ
23 電源ユニット
24 追加メモリ
25 スイッチ
26 手動スイッチ
30 ハンディターミナル
31 CPU
32 表示部
33 RAM
34 表示部
35 記憶部
36 通信部
37 無線通信部
38 撮像部
B2 バス