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特開2024-46789生産システムに関するデータを解析する装置、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046789
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】生産システムに関するデータを解析する装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
G05B23/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152074
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉原 哲朗
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA11
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223FF04
3C223FF12
3C223FF24
3C223FF45
3C223FF52
3C223GG01
3C223HH04
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】製品の品質の不良原因を探るために有用な情報を提供する。
【解決手段】方法は、変数の時系列データを取得するステップと、時系列データの複数のデータ要素に番号を付与するステップとを備える。付与するステップは、繰り返し行なわれる処理単位ごとに、a)当該処理単位の開始タイミングのデータ要素に対して基準番号を付与するステップと、b)当該処理単位に対応する1以上のデータ要素に対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップと、c)当該処理単位の前の処理単位に対応する1以上のデータ要素に対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産システムに関するデータを解析する装置であって、
前記生産システムにおいて計測される変数の時系列データを取得する取得部と、
前記時系列データに含まれる複数のデータ要素の各々に番号を付与する付与部とを備え、
前記付与部は、前記生産システムにおいて繰り返し行なわれる処理単位ごとに、
前記複数のデータ要素のうち、当該処理単位の開始タイミングの第1データ要素に対して基準番号を付与し、
前記複数のデータ要素のうち、当該処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与し、
前記複数のデータ要素のうち、当該処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与する、装置。
【請求項2】
前記基準番号は0であり、
前記1以上の第2データ要素の各々に付与される番号は正であり、
前記1以上の第3データ要素の各々に付与される番号は負である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理単位は、前記生産システムに設置される機器をオン状態に維持する第1処理と、前記第1処理の後に前記機器をオフ状態に維持する第2処理とを含み、
前記開始タイミングは、前記機器がオフ状態からオン状態に変化するタイミングであり、
前記付与部は、前記処理単位ごとに、
当該処理単位に含まれる前記第1処理が行なわれている期間に計測されたデータ要素を前記1以上の第2データ要素として決定し、
当該処理単位の前の処理単位に含まれる前記第2処理が行なわれている期間に計測されたデータ要素を前記1以上の第3データ要素として決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記付与部は、前記処理単位ごとに、
当該処理単位の開始タイミングから当該処理単位の次の処理単位の開始タイミングまでの期間に計測されたデータ要素を前記1以上の第2データ要素として決定し、
当該処理単位の前の処理単位の開始タイミングから当該処理単位の開始タイミングまでの期間に計測されたデータ要素を前記1以上の第3データ要素として決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記付与部は、前記処理単位ごとに、前記第1データ要素の前の予め定められた個数のデータ要素を前記1以上の第3データ要素として決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記基準番号は、前記予め定められた個数の値と同じである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記処理単位ごとに、前記時系列データから、当該処理単位に応じて連番が付与された、前記1以上の第3データ要素、前記第1データ要素および前記1以上の第2データ要素を含むデータセットを抽出し、前記データセットに基づいて生成される提供データを提供する提供部をさらに備え、
前記提供データは、前記変数または前記変数から算出される特徴量の時間変化を示す、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記処理単位ごとに、前記時系列データから、当該処理単位に応じて連番が付与された、前記1以上の第3データ要素、前記第1データ要素および前記1以上の第2データ要素を含むデータセットを抽出し、前記データセットに前記生産システムの異常を示すデータ要素が含まれるか否かを判定する判定部をさらに備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
生産システムに関するデータを解析する方法であって、
前記生産システムにおいて計測される変数の時系列データを取得するステップと、
前記時系列データに含まれる複数のデータ要素の各々に番号を付与するステップとを備え、
前記付与するステップは、前記生産システムにおいて繰り返し行なわれる処理単位ごとに、
前記複数のデータ要素のうち、当該処理単位の開始タイミングの第1データ要素に対して基準番号を付与するステップと、
前記複数のデータ要素のうち、当該処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップと、
前記複数のデータ要素のうち、当該処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップとを含む、方法。
【請求項10】
生産システムに関するデータを解析するプログラムであって、
前記生産システムにおいて計測される変数の時系列データを取得するステップと、
前記時系列データに含まれる複数のデータ要素の各々に番号を付与するステップとをコンピュータに実行させ、
前記付与するステップは、前記生産システムにおいて繰り返し行なわれる処理単位ごとに、
前記複数のデータ要素のうち、当該処理単位の開始タイミングの第1データ要素に対して基準番号を付与するステップと、
前記複数のデータ要素のうち、当該処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップと、
前記複数のデータ要素のうち、当該処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップとを含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生産システムに関するデータを解析する装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、生産システムでは、予め定められた処理単位が繰り返し行われることにより、複数の製品が生産される。処理単位において発生した異常は、製品の品質に影響し得る。そのため、製品の品質が不良である場合、その原因を探るために、当該製品を生産するために行われた処理単位の状況が解析される。
【0003】
特開2021-196950号公報(特許文献1)は、生産システムに設置されたセンサによって生成された時系列の数値を処理単位の周期ごとにグループに区分し、各グループの数値から得られる特徴量の時間変化を示す表示情報を提供する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-196950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の技術によって提供される表示情報だけでは、製品の品質の不良原因を特定できないケースがあり得る。
【0006】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製品の品質の不良原因を探るために有用な情報を提供できる装置、方法およびプログラムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一例によれば、生産システムに関するデータを解析する装置は、生産システムにおいて計測される変数の時系列データを取得する取得部と、時系列データに含まれる複数のデータ要素の各々に番号を付与する付与部とを備える。付与部は、生産システムにおいて繰り返し行なわれる処理単位ごとに、複数のデータ要素のうち、当該処理単位の開始タイミングの第1データ要素に対して基準番号を付与する。さらに、付与部は、処理単位ごとに、複数のデータ要素のうち、当該処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素に対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与する。付与部は、処理単位ごとに、複数のデータ要素のうち、当該処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素に対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与する。
【0008】
この開示によれば、ユーザは、各処理単位について、基準番号を中心として連番が付与された1以上の第3データ要素、第1データ要素および1以上の第2データ要素を含むデータセットを容易に確認できる。データセットには、対応する処理単位が行われている期間の第1データ要素および第2データ要素だけでなく、対応する処理単位の前の処理単位が行なわれている期間の第3データ要素も含まれる。そのため、例えば、ある製品に不良が発生した場合、ユーザは、当該製品を生産するために行われた処理単位に対応するデータセットを確認することにより、当該処理単位だけでなく、当該処理単位の前の処理単位における異常にも気付くことができる。その結果、不良原因を特定しやすくなる。このように、上記の装置は、製品の品質の不良原因を探るために有用な情報を提供できる。
【0009】
上述の開示において、基準番号は0である。1以上の第2データ要素の各々に付与される番号は正である。1以上の第3データ要素の各々に付与される番号は負である。
【0010】
上記の開示によれば、ユーザは、異常を示すデータ要素の番号が正であるか負であるかを確認することにより、当該異常が発生したタイミングが対象の処理単位を行っているときか1つ前の処理単位を行なっているときかを容易に特定できる。
【0011】
上述の開示において、処理単位は、生産システムに設置される機器をオン状態に維持する第1処理と、第1処理の後に機器をオフ状態に維持する第2処理とを含む。開始タイミングは、機器がオフ状態からオン状態に変化するタイミングである。付与部は、処理単位ごとに、当該処理単位に含まれる第1処理が行なわれている期間に計測されたデータ要素を1以上の第2データ要素として決定する。さらに、付与部は、処理単位ごとに、当該処理単位の前の処理単位に含まれる第2処理が行なわれている期間に計測されたデータ要素を1以上の第3データ要素として決定する。
【0012】
上記の開示によれば、機器の状態に基づいて、第1~第3データ要素が容易に決定される。
【0013】
上述の開示において、付与部は、処理単位ごとに、当該処理単位の開始タイミングから当該処理単位の次の処理単位の開始タイミングまでの期間に計測されたデータ要素を1以上の第2データ要素として決定する。さらに、付与部は、処理単位ごとに、当該処理単位の前の処理単位の開始タイミングから当該処理単位の開始タイミングまでの期間に計測されたデータ要素を1以上の第3データ要素として決定する。
【0014】
上記の開示によれば、各処理単位の開始タイミングに基づいて、第1~第3データ要素が容易に決定される。
【0015】
上述の開示において、付与部は、処理単位ごとに、第1データ要素の前の予め定められた個数のデータ要素を1以上の第3データ要素として決定する。
【0016】
上記の開示によれば、処理単位の開始前の予め定められた個数のデータ要素に、当該処理単位の開始タイミングのデータ要素に付与された基準番号と連続するように連番を付与することができる。
【0017】
上述の開示において、基準番号は、上記の予め定められた個数の値と同じである。これにより、連番が付与された1以上の第3データ要素のうち最も古い第3データ要素に番号「0」が付与される。その結果、ユーザは、連番が付与されたデータ要素の塊のうち最も古いデータ要素を容易に特定できる。
【0018】
上述の開示において、装置は、処理単位ごとに、時系列データから、当該処理単位に応じて連番が付与された、1以上の第3データ要素、第1データ要素および1以上の第2データ要素を含むデータセットを抽出し、データセットに基づいて生成される提供データを提供する提供部をさらに備える。提供データは、変数または変数から算出される特徴量の時間変化を示す。
【0019】
上記の開示によれば、ユーザは、提供データを確認することにより、製品の品質の不良原因を探ることができる。
【0020】
上述の開示において、装置は、処理単位ごとに、時系列データから、当該処理単位に応じて連番が付与された、1以上の第3データ要素、第1データ要素および1以上の第2データ要素を含むデータセットを抽出し、データセットに生産システムの異常を示すデータ要素が含まれるか否かを判定する判定部をさらに備える。
【0021】
上記の開示によれば、判定部による判定結果に応じて、ユーザは、不良の製品が生産されることを抑制するための対策を早期に実施することができる。
【0022】
本開示の別の例によれば、生産システムに関するデータを解析する方法であって、生産システムにおいて計測される変数の時系列データを取得するステップと、時系列データに含まれる複数のデータ要素の各々に番号を付与するステップとを備える。付与するステップは、生産システムにおいて繰り返し行なわれる処理単位ごとに、a)複数のデータ要素のうち、当該処理単位の開始タイミングの第1データ要素に対して基準番号を付与するステップと、b)複数のデータ要素のうち、当該処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素に対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップと、c)複数のデータ要素のうち、当該処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素に対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップとを含む。
【0023】
本開示のさらに別の例によれば、プログラムは、上記の方法をコンピュータに実行させる。
【0024】
これらの開示によっても、製品の品質の不良原因を探るために有用な情報を提供できる。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、製品の品質の不良原因を探るために有用な情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施の形態に係る方法を示す概略図である。
図2】実施の形態に係る生産システムの概要を示す図である。
図3】実施の形態に係るコントローラのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4】コンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5】本実施の形態に係るコントローラの機能構成の一例を示す図である。
図6】各処理単位において実行される処理の推移を示す図である。
図7】番号付与の第1方法の処理の流れを示すフローチャートである。
図8】第1方法に従った番号付与の例を示す図である。
図9図8に示す時系列データから抽出される、処理単位ごとのデータセットを示す図である。
図10】番号付与の第2方法の処理の流れを示すフローチャートである。
図11】第2方法に従った番号付与の例を示す図である。
図12図11に示す時系列データから抽出される、処理単位ごとのデータセットを示す図である。
図13】提供データを用いて生成される画面の例を示す図である。
図14】変形例4に係るコンピュータの機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0028】
§1 適用例
図1を参照して、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、実施の形態に係る方法を示す概略図である。図1には、生産システムに関するデータを解析する方法が示される。
【0029】
図1に示されるように、方法は、生産システムにおいて計測される変数の時系列データ2を取得するステップS100と、時系列データ2に含まれる複数のデータ要素3の各々に番号を付与するステップS200とを備える。時系列データ2は、時刻ごとに、当該時刻と当該時刻において計測された変数の値とを対応付ける。データ要素は、各時刻の変数の値を示す。
【0030】
生産システムでは、複数の製品を生産するために、予め定められた処理単位(「バッチ」とも称される。)が繰り返し行われる。図1において、期間Tkは、k回目の処理単位が行われる期間である。
【0031】
ステップS200は、処理単位ごとに、ステップS201~S203を含む。図1には、k回目の処理単位に対して行われるステップS201~S203が示される。
【0032】
ステップS201は、複数のデータ要素3のうち、対象の処理単位の開始タイミングの第1データ要素3aに対して基準番号を付与するステップである。図1に示す例では、k回目の処理単位の開始タイミングtkの第1データ要素3aに対して基準番号「0」が付与されている。
【0033】
ステップS202は、複数のデータ要素3のうち、対象の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素3bに対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップである。図1に示す例では、k回目の処理単位が行なわれている期間Tkに計測されたN個の第2データ要素3bに対して、時系列に沿って番号「1」,「2」,・・・,「N」が付与されている。
【0034】
ステップS203は、複数のデータ要素3のうち、対象の処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素3cに対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップである。図1に示す例では、k回目の処理単位の前のk-1回目の処理単位が行なわれている期間Tk-1に計測されたM個の第3データ要素3cに対して、時系列に沿って番号「-M」,・・・,「-1」が付与されている。
【0035】
図1に示す例では、時系列データ2は、期間Tkの直前において(枠線8参照)、異常値を示している。枠線8で示される異常値は、当該異常値が計測されたタイミングを含む期間Tk-1に行われている処理単位によって生産された製品ではなく、次の処理単位によって生産された製品の品質に影響を及ぼすことがあり得る。例えば、時系列データ2が加熱機器の温度を示す場合、枠線8で示される異常値は、期間Tk-1における加熱処理後の冷却タイミングに対応し、期間Tk-1に行われている処理単位によって生産された製品の品質には影響しない。しかしながら、枠線8で示される異常値は、次の期間Tkの昇温過程に影響を及ぼし得る。その結果、期間Tkに行われる処理単位によって生産された製品の品質が悪化し得る。経験の浅い作業者は、このような知見を得ていないため、期間Tkに行われた処理単位によって生産された製品が不良である場合、当該期間Tkの処理単位の状況を確認するに留まり、不良原因を特定できなかった。
【0036】
本実施の形態に係る方法によれば、ユーザは、各処理単位について、基準番号を中心として連番が付与された1以上の第3データ要素3c、第1データ要素3aおよび1以上の第2データ要素3bを含むデータセットを容易に確認できる。当該データセットには、対応する処理単位が行われている期間の第1データ要素3aおよび第2データ要素3bだけでなく、対応する処理単位の前の処理単位が行なわれている期間の第3データ要素3cも含まれる。そのため、例えば、ある製品に不良が発生した場合、ユーザは、当該製品を生産するために行われた処理単位に対応するデータセットを確認することにより、当該処理単位だけでなく、当該処理単位の前の処理単位における異常にも気付くことができる。その結果、不良原因を特定しやすくなる。このように、本実施の形態に係る方法によれば、製品の品質の不良原因を探るために有用な情報を提供できる。
【0037】
§2 具体例
<生産システム>
図2は、実施の形態に係る生産システムの概要を示す図である。図2に示されるように、生産システム1は、コントローラ100と、フィールド機器群200と、コンピュータ300とを備える。
【0038】
コントローラ100は、各種の設備や装置などの制御対象を制御する産業用コントローラに相当する。コントローラ100は、制御演算を実行する一種のコンピュータであり、典型的には、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)として具現化されてもよい。コントローラ100は、フィールドバス5を介してフィールド機器群200と接続され、予め定められた周期に従って、フィールド機器群200との間でデータのやり取りを行なう。
【0039】
フィールド機器群200は、生産ラインなどの生産現場(以下、「フィールド」とも称する。)に設けられ、生産作業に関連する複数のフィールド機器を含む。フィールド機器群200は、例えば、フィールドに対して何らかの物理的な作用を与える機器、およびフィールドの状態を計測するセンサなどの入出力デバイスを含む。図2に示す例では、フィールド機器群200は、加熱機器200aと、加熱機器200aの加熱対象となる領域の温度を計測するセンサ200bとを含む。
【0040】
コンピュータ300は、汎用のコンピュータであり、ユーザインターフェイスとして動作する。具体的には、コンピュータ300は、コントローラ100から受信した情報を表示したり、ユーザから入力された情報をコントローラ100に送信したりする。
【0041】
<ハードウェア構成>
図3は、実施の形態に係るコントローラのハードウェア構成例を示すブロック図である。図3に示されるように、コントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などのプロセッサ101と、チップセット102と、主メモリ103と、ストレージ104と、上位ネットワークコントローラ105と、フィールドバスコントローラ106と、USBコントローラ107と、メモリカードインターフェイス108とを含む。
【0042】
プロセッサ101は、ストレージ104に格納された各種プログラムを読み出して、主メモリ103に展開して実行することで、制御対象を制御するための制御演算を実現する。チップセット102は、プロセッサ101と各コンポーネントとのデータ伝送などを制御する。
【0043】
ストレージ104には、基本的な処理を実現するためのシステムプログラム110と、制御演算を実現するためのユーザプログラム111とが格納される。
【0044】
上位ネットワークコントローラ105は、上位ネットワークを介して、外部機器(例えば、MES(Manufacturing Execution System)サーバなどを含む)とのデータのやり取りを制御する。
【0045】
フィールドバスコントローラ106は、フィールドバス5を介して、フィールド機器群200とのデータのやり取りを制御する。
【0046】
USBコントローラ107は、USB接続を介した外部装置(例えば、コンピュータ300)とのデータのやり取りを制御する。
【0047】
メモリカードインターフェイス108は、メモリカード120を着脱可能に構成されており、メモリカード120に対してデータを書き込み、メモリカード120から各種データ(ユーザプログラムなど)を読み出すことが可能になっている。
【0048】
図3には、プロセッサ101がプログラムを実行することで必要な処理が提供される構成例を示したが、これらの提供される処理の一部または全部を、専用のハードウェア回路(例えば、ASICまたはFPGAなど)を用いて実装してもよい。あるいは、コントローラ100の主要部を、汎用的なアーキテクチャに従うハードウェア(例えば、汎用パソコンをベースとした産業用パソコン)を用いて実現してもよい。この場合には、仮想化技術を用いて、用途の異なる複数のOSを並列的に実行させるとともに、各OS上で必要なアプリケーションを実行させるようにしてもよい。
【0049】
図4は、コンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。コンピュータ300は、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有する。図4に示されるように、コンピュータ300は、CPUやMPUなどのプロセッサ301と、メモリ302と、ストレージ303と、通信インターフェイス304と、表示装置305と、入力装置306とを含む。これらの各部は、バスを介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0050】
プロセッサ301は、ストレージ303に記憶されている各種のプログラムをメモリ302に展開して実行することで、本実施の形態に従う各種処理を実現する。
【0051】
メモリ302は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置であり、ストレージ303から読み出されたプログラムなどを記憶する。ストレージ303は、典型的には、ハードディスクトライブなどの不揮発性の磁気記憶装置である。
【0052】
通信インターフェイス304は、プロセッサ301と外部デバイス(コントローラ100を含む)との間のデータ伝送を仲介する。通信インターフェイス304は、典型的には、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)などを含む。
【0053】
表示装置305は、例えば液晶ディスプレイである。入力装置306は、例えばマウス、キーボード、タッチパネルを含む。
【0054】
<機能構成>
図5は、本実施の形態に係るコントローラの機能構成の一例を示す図である。図5に示されるように、コントローラ100は、記憶部10と、取得部11と、付与部12と、提供部13と、判定部14と、制御部15とを備える。記憶部10は、主メモリ103およびストレージ104によって実現される。取得部11は、フィールドバスコントローラ106とユーザプログラム111を実行するプロセッサ101とによって実現される。付与部12、提供部13、判定部14、および制御部15は、プロセッサ101がユーザプログラム111を実行することにより実現される。
【0055】
取得部11は、生産システム1において計測される変数の時系列データ2を取得する。取得部11は、取得した時系列データ2を記憶部10に格納する。例えば、取得部11は、センサ200b(図2参照)から、温度の時系列データ2を取得する。具体的には、取得部11は、予め定められた周期に従って、温度を示すデータ要素3をセンサ200bから取得する。取得部11は、計測時刻と対応付けられたデータ要素3を、記憶部10が記憶する時系列データ2に追加する。
【0056】
付与部12は、時系列データ2に含まれる複数のデータ要素3の各々に番号を付与する。付与部12は、生産システム1において繰り返し行なわれる処理単位ごとに、複数のデータ要素3のうち、当該処理単位の開始タイミングの第1データ要素3aに対して基準番号を付与する。基準番号は例えば「0」である。さらに、付与部12は、処理単位ごとに、複数のデータ要素3のうち、当該処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素3bに対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与する。基準番号が「0」である場合、1以上の第2データ要素3bに対して正の番号が付与される。付与部12は、処理単位ごとに、複数のデータ要素3のうち、当該処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素3cに対して、基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与する。基準番号が「0」である場合、1以上の第3データ要素3cに対して負の番号が付与される。
【0057】
提供部13は、処理単位ごとに、時系列データ2から、当該処理単位に応じて連番が付与された、1以上の第3データ要素3c、第1データ要素3aおよび1以上の第2データ要素3bを含むデータセットを抽出する。すなわち、提供部13は、時系列データ2から、基準番号を中心として連番が付与されたデータ要素3の塊を1つのデータセットとして抽出すればよい。
【0058】
提供部13は、抽出したデータセットに基づいて生成される提供データを提供する。提供データは、変数または変数から算出される特徴量の時間変化を示す。提供データは、例えば、変数または特徴量の時間変化を示すグラフを含む画面を生成するために用いられる。提供部13は、提供データをコンピュータ300に提供する。これにより、ユーザは、コンピュータ300を操作することにより、処理単位ごとに、当該処理単位の開始タイミングより前のタイミングからの変数または特徴量の時間変化を確認できる。
【0059】
提供部13は、特許文献1に開示の差分値を特徴量として算出してもよい。具体的には、提供部13は、時系列データ2から複数のデータセットを抽出する。提供部13は、番号ごとに、複数のデータセットから当該番号が付与されたデータ要素3を抽出し、抽出したデータ要素3によって示される値の統計値を算出する。例えば、提供部13は、複数のデータセットから番号「m」が付与されたデータ要素3を抽出し、抽出したデータ要素3によって示される値の統計値を「番号「m」の統計値」として算出する。統計値は、例えば、平均値、中央値、標準偏差、最大値、最小値、尖度、歪度などである。提供部13は、データセットに含まれる各データ要素3によって示される値と、当該データ要素3に付与された番号の統計値との差分値を統計量として算出する。
【0060】
判定部14は、提供部13と同様に、処理単位ごとに、時系列データ2から、当該処理単位に応じて連番が付与された、1以上の第3データ要素3c、第1データ要素3aおよび1以上の第2データ要素3bを含むデータセットを抽出する。そして、判定部14は、抽出したデータセットに生産システム1の異常を示すデータ要素3が含まれるか否かを判定する。
【0061】
例えば、判定部14は、各データセットから1以上の特徴量を算出し、算出した各特徴量と閾値との比較結果に基づいて異常の有無を判定する。
【0062】
特徴量として、上記のように、特許文献1に開示の差分値が算出されてもよい。差分値が大きい場合、生産システム1に何らかの異常が生じていることが推定される。そのため、判定部14は、統計値との差分値が閾値を超える値を示すデータ要素3を含む場合に、データセットに生産システム1の異常を示すデータ要素3が含まれると判定する。
【0063】
制御部15は、判定部14の判定結果に応じた制御を行なう。例えば、制御部15は、データセットに異常を示すデータ要素3が含まれると判定された場合、フィールド機器群200に含まれる警報機器に対して、警報を発する旨の指示を出力する。あるいは、制御部15は、データセットに異常を示すデータ要素3が含まれると判定された場合、フィールド機器群200に含まれる1以上のフィールド機器に対して、動作停止の指示を出力してもよい。
【0064】
<番号付与の第1方法>
図6図9を参照して、データ要素3への番号付与の第1方法について説明する。
【0065】
図6は、各処理単位において実行される処理の推移を示す図である。各処理単位は、生産システム1に設置される加熱機器200aをオン状態に維持する第1処理と、第1処理の後に加熱機器200aをオフ状態に維持する第2処理とを含む。処理単位が行われる期間(例えば、図6に示す期間Tk-3~Tk+1)は、加熱機器200aがオン状態に維持される期間Taと、加熱機器200aがオフ状態に維持される期間Tbとを含む。
【0066】
各処理単位の開始タイミングは、第1処理の開始タイミングと一致する。そのため、付与部12として動作するプロセッサ101は、加熱機器200aがオフ状態からオン状態に変化するタイミングを処理単位の開始タイミングとして決定する。そして、プロセッサ101は、当該開始タイミングのデータ要素3を第1データ要素3aとして決定し、第1データ要素3aに基準番号を付与する。
【0067】
さらに、付与部12として動作するプロセッサ101は、処理単位ごとに、当該処理単位に含まれる第1処理が行なわれている期間Taに計測された各データ要素3を第2データ要素3bとして決定する。加えて、付与部12として動作するプロセッサ101は、処理単位ごとに、当該処理単位の前の処理単位に含まれる第2処理が行なわれている期間Tbに計測された各データ要素3を第3データ要素3cとして決定する。
【0068】
図7は、番号付与の第1方法の処理の流れを示すフローチャートである。図8は、第1方法に従った番号付与の例を示す図である。
【0069】
図8の(a)に示されるように、時系列データ2は、時刻ごとに、センサ200bによって計測された温度と加熱機器200aの状態とを示すデータ要素3を含む。加熱機器200aの状態は、加熱機器200aから取得されるデータによって示される。なお、図8に示す時系列データ2は、テーブル形式を有する。時系列データ2において、下のレコードほど、温度の計測時刻が新しい。
【0070】
図7に示すステップS1において、プロセッサ101は、時系列データ2において、未選択のデータ要素3が存在するか否かを判定する。未選択のデータ要素3が存在しない場合(ステップS1でNO)、処理は終了する。
【0071】
未選択のデータ要素3が存在する場合(ステップS1でYES)、プロセッサ101は、時系列データ2から、未選択のデータ要素3のうちの最も古いデータ要素3を選択する(ステップS2)。以下、ステップS2において選択されたデータ要素3を「選択データ要素」と称する。
【0072】
次に、プロセッサ101は、選択データ要素がオン状態を示すか否かを判定する(ステップS3)。
【0073】
選択データ要素がオフ状態を示す場合(ステップS3でNO)、処理はステップS1に戻る。図8の(a)に示されるように、時系列データ2において、1~4行目のデータ要素3は、全てオフ状態を示している。そのため、ステップS1~S3が4回繰り返され、1~4行目のデータ要素3は、番号が付与されることなく、選択済みとなる。
【0074】
選択データ要素がオン状態を示す場合(ステップS3でYES)、プロセッサ101は、選択データ要素の1つ前のデータ要素3がオフ状態を示すか否かを判定する(ステップS4)。
【0075】
1つ前のデータ要素3がオフ状態を示す場合(ステップS4でYES)、プロセッサ101は、選択データ要素を第1データ要素3aとして決定し、選択データ要素に対して基準番号(例えば「0」)を付与する(ステップS5)。
【0076】
図8の(b)に示されるように、5行目のデータ要素3がオン状態を示し、4行目のデータ要素3がオフ状態を示すため、5行目のデータ要素3は、ステップS2において選択されたときに、第1データ要素3aとして決定される。その結果、5行目のデータ要素3に基準番号「0」が付与される。
【0077】
次に、プロセッサ101は、iを1に設定する(ステップS6)。プロセッサ101は、選択データ要素のi個前のデータ要素を第3データ要素3cとして決定し、選択データ要素のi個前のデータ要素に番号「基準番号-i」を付与する(ステップS7)。例えば基準番号が「0」である場合、プロセッサ101は、選択データ要素のi個前のデータ要素に番号「-i」を付与する。
【0078】
次に、プロセッサ101は、iに1を加算する(ステップS8)。次に、プロセッサ101は、選択データ要素のi個前のデータ要素3がオフ状態を示すか否かを判定する(ステップS9)。選択データ要素のi個前のデータ要素3がオフ状態を示す場合(ステップS9でYES)、処理はステップS7に戻る。選択データ要素のi個前のデータ要素3がオン状態を示す場合(ステップS9でNO)、処理はステップS1に戻る。
【0079】
図8の(c)に示されるように、時系列データ2において、1~4行目のデータ要素3は、5行目のデータ要素3が計測されたときに行われている処理単位よりも1つ前の処理単位の第2処理が行われている期間Tbにおいて計測される。期間Tbでは、加熱機器200aがオフ状態に維持される。そのため、5行目のデータ要素3がステップS2において選択されているとき、ステップS5~S8が4回繰り返されることにより、1~4行目のデータ要素3が第3データ要素3cとして決定される。そして、1~4行目の第3データ要素3cには、基準番号「0」と連続するように、時系列に沿って「-4」~「-1」の連番が付与される。
【0080】
一方、ステップS4でNOの場合(すなわち、選択データ要素の1つ前のデータ要素3がオン状態を示す場合)、プロセッサ101は、選択データ要素を第2データ要素3bとして決定し、選択データ要素に対して、1つ前のデータ要素3に付与した番号に1加算した番号を付与する(ステップS10)。ステップS10の後、処理はステップS1に戻る。
【0081】
オン状態を示すデータ要素3が連続すると、ステップS9が繰り返される。そのため、図8の(d)に示されるように、第1処理が行われている期間Taに計測された6~10行目のデータ要素3が第2データ要素3bとして決定される。そして、6~10行目のデータ要素3には、基準番号「0」と連続するように、時系列に沿って「1」~「5」の連番が付与される。
【0082】
ステップS1~S10は、未選択のデータ要素3がなくなるまで繰り返される。そのため、図8の(e)に示されるように、次の処理単位の第1処理の開始タイミングにおいて計測された14行目のデータ要素3が第1データ要素3aとして決定され、14行目のデータ要素3に基準番号「0」が付与される。その後、図8の(f)に示されるように、直前の第2処理が行われている期間Tbに計測された11~13行目のデータ要素3が第3データ要素3cとして決定される。その結果、14行目のデータ要素3に付与された基準番号と連続するように、11~13行目のデータ要素3に連番が付与される。さらに、図8の(g)に示されるように、第1処理が行われている期間Taに計測された15~17行目のデータ要素3が第2データ要素3bとして決定される。その結果、14行目のデータ要素3に付与された基準番号と連続するように、15~17行目のデータ要素3に連番が付与される。
【0083】
図9は、図8に示す時系列データから抽出される、処理単位ごとのデータセットを示す図である。データセットに含まれるデータ要素は、センサ200bによって計測された温度を示す。図9には、1回目の処理単位(バッチ)に対応するデータセット4aと、2回目の処理単位(バッチ)に対応するデータセット4bとが示される。データセット4aは、「-4」~「5」の連番が付与された10個のデータ要素を含む。データセット4bは、「-3」~「3」の連番が付与された7個のデータ要素を含む。
【0084】
なお、処理単位が行われる期間の長さは一般的に一定ではない。そのため、プロセッサ101は、各データセットに含まれるデータ要素の個数が一定となるように、第2データ要素3bおよび第3データ要素3cの個数に応じて、欠損値を示すデータ要素をデータセットに追加してもよい。図9において、欠損値は「NA」と表記されている。
【0085】
<番号付与の第2方法>
図10図12を参照して、データ要素3への番号付与の第2方法について説明する。
【0086】
付与部12として動作するプロセッサ101は、処理単位ごとに、当該処理単位の開始タイミングから当該処理単位の次の処理単位の開始タイミングまでの期間に計測されたデータ要素3を1以上の第2データ要素3bとして決定する。さらに、プロセッサ101は、処理単位ごとに、当該処理単位の前の処理単位の開始タイミングから当該処理単位の開始タイミングまでの期間に計測されたデータ要素3を1以上の第3データ要素3cとして決定する。
【0087】
各処理単位の開始タイミングは、例えば、当該処理単位の開始を示すトリガを受けたタイミングである。例えば、コントローラ100は、図示しない上位コントローラから上記のトリガを受けてもよい。あるいは、コントローラ100は、フィールド機器群200に含まれるフィールド機器から上記のトリガを受けてもよい。あるいは、トリガは、フィールド機器群200から受けたデータに基づいて生成されてもよい。例えば、加熱機器200aから受けるデータによって示される状態がオン状態からオフ状態に変化したタイミングにおいてトリガが生成される。
【0088】
図10は、番号付与の第2方法の処理の流れを示すフローチャートである。図11は、第2方法に従った番号付与の例を示す図である。
【0089】
図11の(a)に示されるように、時系列データ2は、時刻ごとに、センサ200bによって計測された温度と、当該タイミングにおいて行われている処理単位を識別するバッチIDとを示すデータ要素3を含む。プロセッサ101は、センサ200bから温度を示すデータを取得するたびに、当該データを取得したタイミングにおいて設定されているバッチIDと当該データとを組み合わせたデータ要素3を生成し、生成したデータ要素3を時系列データ2に追加する。プロセッサ101は、処理単位の開始を示すトリガを受けたタイミングでバッチIDを更新すればよい。これにより、同じ処理単位が行われている期間に計測されたデータ要素3は、同じバッチIDを示す。なお、図11に示す時系列データ2は、テーブル形式を有する。時系列データ2において、下のレコードほど、温度の計測時刻が新しい。
【0090】
図10に示すステップS11において、プロセッサ101は、時系列データ2において、未選択のデータ要素3が存在するか否かを判定する。未選択のデータ要素3が存在しない場合(ステップS11でNO)、処理は終了する。
【0091】
未選択のデータ要素3が存在する場合(ステップS11でYES)、プロセッサ101は、時系列データ2から、未選択のデータ要素3のうち、最も古いデータ要素3を選択する(ステップS12)。以下、ステップS12において選択されたデータ要素3を「選択データ要素」と称する。
【0092】
図11の(a)に示す例では、1~10行目のデータ要素3が選択済みであるため、ステップS12において、11行目のデータ要素3が選択される。なお、1~10行目のデータ要素3には、既に番号「0」~「9」がそれぞれ付与されている。
【0093】
次に、プロセッサ101は、選択データ要素が計測されたタイミングにおいて、処理単位の開始を示すトリガを受けたか否かを判定する(ステップS13)。プロセッサ101は、選択データ要素によって示されるバッチIDと、選択データ要素の1つ前のデータ要素3によって示されるバッチIDとが異なることに応じて、選択データ要素が計測されたタイミングにおいてトリガを受けたと判定すればよい。
【0094】
選択データ要素が計測されたタイミングにおいてトリガを受けた場合(ステップS13でYES)、プロセッサ101は、選択データ要素を第1データ要素3aとして決定し、選択データ要素に対して基準番号(例えば「0」)を付与する(ステップS14)。
【0095】
図11の(b)に示されるように、11行目のデータ要素3によって示されるバッチID「2」と、10行目のデータ要素3によって示されるバッチID「1」とが異なるため、11行目のデータ要素3が計測されたタイミングにおいてトリガを受けたと判定される。その結果、11行目のデータ要素3が第1データ要素3aとして決定され、11行目のデータ要素3に基準番号「0」が付与される。
【0096】
次に、プロセッサ101は、iを1に設定する(ステップS15)。プロセッサ101は、選択データ要素のi個前のデータ要素3を第3データ要素3cとして決定し、選択データ要素のi個前のデータ要素3に番号「基準番号-i」を付与する(ステップS16)。例えば基準番号が「0」である場合、プロセッサ101は、選択データ要素のi個前のデータ要素3に番号「-i」を付与する。
【0097】
次に、プロセッサ101は、iに1を加算する(ステップS17)。次に、プロセッサ101は、選択データ要素のi個前のデータ要素3によって示されるバッチIDが選択データ要素の1個前のデータ要素3によって示されるバッチIDと同一か否かを判定する(ステップS18)。バッチIDが同一である場合(ステップS18でYES)、処理はステップS16に戻る。バッチIDが同一でない場合(ステップS18でNO)、処理はステップS11に戻る。
【0098】
図11の(c)に示されるように、時系列データ2において、1~10行目のデータ要素3は、いずれもバッチID「1」を示す。そのため、11行目のデータ要素3がステップS2において選択されているとき、ステップS15~S18が実行されることにより、1~10行目のデータ要素3が第3データ要素3cとして決定される。そして、1~10行目のデータ要素3には、基準番号「0」と連続するように、時系列に沿って「-10」~「-1」の連番が付与される。なお、上述したように、1~10行目のデータ要素3には、既に番号「0」~「9」がそれぞれ付与されている。そのため、1~10行目のデータ要素3には、2つの番号(0または正の番号と負の番号)が付与されることになる。
【0099】
一方、ステップS13でNOの場合(すなわち、選択データ要素が計測されたタイミングにおいてトリガを受けていない場合)、プロセッサ101は、選択データ要素を第2データ要素3bとして決定し、選択データ要素に対して、選択データ要素の1つ前のデータ要素3に付与した番号に1加算した番号を付与する(ステップS19)。ステップS19の後、処理はステップS11に戻る。
【0100】
同じバッチIDを示すデータ要素3が連続する場合、ステップS19が繰り返される。そのため、図11の(d)に示されるように、バッチID「2」を示す12~19行目のデータ要素3がステップS12において順に選択されると、ステップS19において当該データ要素3が第2データ要素3bとして決定される。そして、12~19行目のデータ要素3には、11行目のデータ要素3に付与された基準番号「0」と連続するように、時系列に沿って「1」~「8」の連番が付与される。
【0101】
ステップS11~S19は、未選択のデータ要素3がなくなるまで繰り返される。そのため、図11の(e)に示されるように、次の処理単位の開始タイミングにおいて計測された20行目のデータ要素3が第1データ要素3aとして決定され、20行目のデータ要素3に基準番号「0」が付与される。その後、図11の(f)に示されるように、11~19行目のデータ要素3が第3データ要素3cとして決定される。その結果、20行目のデータ要素3に付与された基準番号と連続するように、11~19行目のデータ要素3に連番が付与される。さらに、図11の(g)に示されるように、20行目のデータ要素3と同じバッチIDを示す21~25行目のデータ要素3が第2データ要素3bとして決定される。その結果、20行目のデータ要素3に付与された基準番号と連続するように、21~25行目のデータ要素3に連番が付与される。
【0102】
図12は、図11に示す時系列データから抽出される、処理単位ごとのデータセットを示す図である。データセットに含まれるデータ要素は、センサ200bによって計測された温度を示す。図12には、1回目の処理単位(バッチ)に対応するデータセット4aと、2回目の処理単位(バッチ)に対応するデータセット4bと、3回目の処理単位(バッチ)に対応するデータセット4cとが示される。データセット4aは、「0」~「9」の連番が付与された10個のデータ要素を含む。データセット4bは、「-10」~「8」の連番が付与された19個のデータ要素を含む。データセット4cは、「-9」~「5」の連番が付与された15個のデータ要素を含む。
【0103】
第2方法によれば、図11に示されるように、各データ要素3には、0以上の番号と負の番号との2種類の番号が付与され得る。そのため、データセット4aに含まれるデータ要素3の一部は、データセット4bにも含まれる。例えば、データセット4aにおいて番号「0」~「9」が付与されたデータ要素3は、データセット4bにおいて番号「-10」~「-1」が付与されたデータ要素3とそれぞれ同一である。
【0104】
なお、処理単位が行われる期間の長さは一般的に一定ではない。そのため、プロセッサ101は、各データセットに含まれるデータ要素の個数が一定となるように、第2データ要素3bおよび第3データ要素3cの個数に応じて、欠損値を示すデータ要素をデータセットに追加してもよい。図12において、欠損値は「NA」と表記されている。
【0105】
<画面例>
図13は、提供データを用いて生成される画面の例を示す図である。図13に示す画面6は、例えば、コントローラ100からコンピュータ300に提供される提供データに基づいて生成され、コンピュータ300の表示装置305に表示される。
【0106】
画面6は、1~5回目の処理単位(バッチ)の各々に対応するデータセットに基づいて生成された、特徴量の時間変化を示すグラフ7を含む。グラフ7の横軸は、データ要素3に対して時系列に沿って付与された番号を表す。グラフ7の縦軸は、特徴量を表す。特徴量は、特許文献1に開示の差分値である。
【0107】
画面6において、3回目の処理単位に対応するグラフ7の番号「83」~「85」の差分値と、4回目の処理単位に対応するグラフ7の番号「-3」~「-1」の差分値とが、残りの番号の差分値と大きく異なる。そのため、ユーザは、4回目の処理単位によって生産された製品の不良原因の候補として、4回目の処理単位に対応するデータセットにおいて番号「-3」~「-1」が付与されたデータ要素3の計測されたタイミングにおける生産システム1の異常に気付くことができる。
【0108】
基準番号として「0」が付与されることにより、ユーザは、異常を示す特徴量の番号が正であるか負であるかを確認することにより、当該異常が発生したタイミングが対象の処理単位を行っているときか1つ前の処理単位を行なっているときかを容易に特定できる。
【0109】
<変形例1>
上記の説明では、プロセッサ101は、各データセットに含まれるデータ要素の個数が一定となるように、第2データ要素3bおよび第3データ要素3cの個数に応じて、欠損値を示すデータ要素をデータセットに含ませるものとした(処理(A))。
【0110】
しかしながら、プロセッサ101は、各データセットに含まれるデータ要素の個数が一定となるように、処理単位ごとに抽出されたデータセットに対して、処理(A)の代わりに以下の処理(B)または処理(C)を行なってもよい。
【0111】
処理(B):プロセッサ101は、時系列データ2から抽出される複数のデータセットに含まれる第2データ要素3bの最少個数M1を特定する。プロセッサ101は、各データセットから、「M1+1」以上の番号が付与された第2データ要素3bを削除する。同様に、プロセッサ101は、時系列データ2から抽出される複数のデータセットに含まれる第3データ要素3cの最少個数M2を特定する。プロセッサ101は、各データセットから、「-(M2+1)」以下の番号が付与された第3データ要素3cを削除する。
【0112】
処理(C):プロセッサ101は、各データセットから、予め定められた番号M3(正の番号)以上の番号が付与された第2データ要素3bを削除する。同様に、プロセッサ101は、各データセットから、予め定められた番号M4(負の番号)以下の番号が付与された第3データ要素3cを削除する。番号M3,M4は、処理単位が行われる期間のうち製品の品質に影響のある時間帯に応じて予め定められる。
【0113】
あるいは、プロセッサ101は、処理(A)~(C)のうち予めユーザによって指定された処理を行なってもよい。
【0114】
<変形例2>
付与部12として動作するプロセッサ101は、上記の第1方法および第2方法以外の方法で番号を付与してもよい。例えば、プロセッサ101は、第1データ要素3aの直前の予め定められた個数(以下、「指定個数」と称する。)のデータ要素3を第3データ要素3cとして決定してもよい。指定個数は、例えば、処理単位における生産システム1の状況に影響を及ぼし得る、当該処理単位の直前の期間の時間Tcを、変数の値の取得周期Pで割った値(Tc/P)である。
【0115】
<変形例3>
上記の説明では、基準番号として「0」が付与される例について説明した。しかしながら、基準番号は「0」に限定されない。例えば、基準番号として、正の値が予め設定されてもよい。
【0116】
例えば、変形例2と変形例3とを組み合わせ、基準番号として上記の指定個数と同じ値が設定されてもよい。これにより、1以上の第3データ要素3cのうち最も古い第3データ要素3cに番号「0」が付与されることになる。その結果、ユーザは、対象の処理単位のデータセットを確認することにより、当該処理単位の開始タイミングより時間Tc前のタイミングからの生産システム1の状況を把握できる。
【0117】
<変形例4>
上記の説明では、コントローラ100が時系列データ2の各データ要素3に番号を付与するものとした。しかしながら、時系列データ2の各データ要素3への番号の付与は、コンピュータ300によって行われてもよい。
【0118】
図14は、変形例4に係るコンピュータの機能構成を示す図である。図14に示されるように、変形例4に係るコンピュータ300Aは、記憶部30と、取得部31と、付与部32と、提供部33と、判定部34とを備える。コンピュータ300Aは、図4に示すコンピュータ300と同じハードウェア構成を有する。記憶部30は、メモリ302およびストレージ303によって実現される。取得部31は、通信インターフェイス304とストレージ303に格納されたプログラムを実行するプロセッサ301とによって実現される。付与部32、提供部33および判定部34は、プロセッサ301がストレージ303に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0119】
取得部31は、コントローラ100から時系列データ2を取得し、取得した時系列データ2を記憶部30に格納する。取得部31は、定期的にコントローラ100から時系列データ2を取得してもよい。あるいは、取得部31は、ユーザ操作に応じて、コントローラ100から時系列データ2を取得してもよい。
【0120】
付与部32は、付与部12と同じ機能を有し、記憶部30に格納された時系列データ2に含まれる複数のデータ要素3の各々に番号を付与する。
【0121】
提供部33は、提供部13と同じ機能を有し、処理単位ごとに、時系列データ2からデータセットを抽出し、データセットに基づいて生成される提供データを提供する。具体的には、提供部33は、提供データに基づいて、変数または特徴量の時間変化を示す画面を生成し、生成した画面を表示装置305に表示する。
【0122】
判定部34は、判定部14と同じ機能を有し、処理単位ごとに、時系列データ2からデータセットを抽出し、抽出したデータセットに生産システム1の異常を示すデータ要素3が含まれるか否かを判定する。さらに、判定部34は、判定結果を表示装置305に表示してもよい。
【0123】
§3 付記
以上のように、本実施の形態は以下のような開示を含む。
【0124】
(構成1)
生産システム(1)に関するデータを解析する装置(100,300)であって、
前記生産システム(1)において計測される変数の時系列データ(2)を取得する取得部(11,31,101,301)と、
前記時系列データ(2)に含まれる複数のデータ要素(3)の各々に番号を付与する付与部(12,32,101,301)とを備え、
前記付与部(12,32,101,301)は、前記生産システム(1)において繰り返し行なわれる処理単位ごとに、
前記複数のデータ要素(3)のうち、当該処理単位の開始タイミングの第1データ要素(3a)に対して基準番号を付与し、
前記複数のデータ要素(3)のうち、当該処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素(3b)に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与し、
前記複数のデータ要素(3)のうち、当該処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素(3c)に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与する、装置(100,300)。
【0125】
(構成2)
前記基準番号は0であり、
前記1以上の第2データ要素(3b)の各々に付与される番号は正であり、
前記1以上の第3データ要素(3c)の各々に付与される番号は負である、構成1に記載の装置(100,300)。
【0126】
(構成3)
前記処理単位は、前記生産システム(1)に設置される機器(200a)をオン状態に維持する第1処理と、前記第1処理の後に前記機器(200a)をオフ状態に維持する第2処理とを含み、
前記開始タイミングは、前記機器がオフ状態からオン状態に変化するタイミングであり、
前記付与部(12,32,101,301)は、前記処理単位ごとに、
当該処理単位に含まれる前記第1処理が行なわれている期間に計測されたデータ要素を前記1以上の第2データ要素(3b)として決定し、
当該処理単位の前の処理単位に含まれる前記第2処理が行なわれている期間に計測されたデータ要素を前記1以上の第3データ要素(3c)として決定する、構成1または2に記載の装置(100,300)。
【0127】
(構成4)
前記付与部(12,32,101,301)は、前記処理単位ごとに、
当該処理単位の開始タイミングから当該処理単位の次の処理単位の開始タイミングまでの期間に計測されたデータ要素を前記1以上の第2データ要素(3b)として決定し、
当該処理単位の前の処理単位の開始タイミングから当該処理単位の開始タイミングまでの期間に計測されたデータ要素を前記1以上の第3データ要素(3c)として決定する、構成1または2に記載の装置。
【0128】
(構成5)
前記付与部(12,32,101,301)は、前記処理単位ごとに、前記第1データ要素の前の予め定められた個数のデータ要素を前記1以上の第3データ要素(3c)として決定する、構成1または2に記載の装置(100,300)。
【0129】
(構成6)
前記基準番号は、前記予め定められた個数の値と同じである、構成5に記載の装置(100,300)。
【0130】
(構成7)
前記処理単位ごとに、前記時系列データ(2)から、当該処理単位に応じて連番が付与された、前記1以上の第3データ要素(3c)、前記第1データ要素(3a)および前記1以上の第2データ要素(3b)を含むデータセット(4a~4c)を抽出し、前記データセット(4a~4c)に基づいて生成される提供データを提供する提供部(13,33,101,301)をさらに備え、
前記提供データは、前記変数または前記変数から算出される特徴量の時間変化を示す、構成1から6のいずれかに記載の装置(100,300)。
【0131】
(構成8)
前記処理単位ごとに、前記時系列データ(2)から、当該処理単位に応じて連番が付与された、前記1以上の第3データ要素(3c)、前記第1データ要素(3a)および前記1以上の第2データ要素(3b)を含むデータセット(4a~4c)を抽出し、前記データセット(4a~4c)に前記生産システム(1)の異常を示すデータ要素が含まれるか否かを判定する判定部(14,34,101,301)をさらに備える、構成1から7のいずれかに記載の装置(100,300)。
【0132】
(構成9)
生産システム(1)に関するデータを解析する方法であって、
前記生産システム(1)において計測される変数の時系列データ(2)を取得するステップ(S100)と、
前記時系列データ(2)に含まれる複数のデータ要素(3)の各々に番号を付与するステップ(S200)とを備え、
前記付与するステップ(S200)は、前記生産システムにおいて繰り返し行なわれる処理単位ごとに、
前記複数のデータ要素(3)のうち、当該処理単位の開始タイミングの第1データ要素(3a)に対して基準番号を付与するステップ(S201)と、
前記複数のデータ要素(3)のうち、当該処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素(3b)に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップ(S202)と、
前記複数のデータ要素(3)のうち、当該処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素(3c)に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップ(S203)とを含む、方法。
【0133】
(構成10)
生産システム(1)に関するデータを解析するプログラムであって、
前記生産システム(1)において計測される変数の時系列データ(2)を取得するステップ(S100)と、
前記時系列データ(2)に含まれる複数のデータ要素(3)の各々に番号を付与するステップ(S200)とをコンピュータに実行させ、
前記付与するステップ(S200)は、前記生産システムにおいて繰り返し行なわれる処理単位ごとに、
前記複数のデータ要素(3)のうち、当該処理単位の開始タイミングの第1データ要素(3a)に対して基準番号を付与するステップ(S201)と、
前記複数のデータ要素(3)のうち、当該処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第2データ要素(3b)に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップ(S202)と、
前記複数のデータ要素(3)のうち、当該処理単位の前の処理単位が行なわれている期間に計測された1以上の第3データ要素(3c)に対して、前記基準番号と連続するように時系列に沿って連番を付与するステップ(S203)とを含む、プログラム。
【0134】
本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0135】
1 生産システム、2 時系列データ、3 データ要素、3a 第1データ要素、3b 第2データ要素、3c 第3データ要素、4a~4c データセット、5 フィールドバス、6 画面、7 グラフ、10,30 記憶部、11,31 取得部、12,32 付与部、13,33 提供部、14,34 判定部、15 制御部、100 コントローラ、101,301 プロセッサ、102 チップセット、103 主メモリ、104,303 ストレージ、105 上位ネットワークコントローラ、106 フィールドバスコントローラ、107 USBコントローラ、108 メモリカードインターフェイス、110 システムプログラム、111 ユーザプログラム、120 メモリカード、200 フィールド機器群、200a 加熱機器、200b センサ、300,300A コンピュータ、302 メモリ、304 通信インターフェイス、305 表示装置、306 入力装置。
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