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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046794
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】電子時計、プログラム及び時刻修正方法
(51)【国際特許分類】
   G04G 5/00 20130101AFI20240329BHJP
   G04G 21/04 20130101ALI20240329BHJP
   G04R 20/02 20130101ALI20240329BHJP
   G04G 7/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G04G5/00 J
G04G21/04
G04R20/02
G04G7/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152084
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾下 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 千春
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002AA12
2F002AD07
2F002AF01
2F002FA16
2F002GA06
(57)【要約】
【課題】制御部を適切な処理負荷の範囲としながら計数する時刻を精度よく保つことのできる電子時計、プログラム及び時刻修正方法を提供する。
【解決手段】電子時計(1)は、現在時刻情報を外部から取得する衛星電波受信処理部(18)と、時刻を計数する第1マイコン(11)と、衛星電波受信処理部(18)に接続された第2マイコン(12)と、を備える。第1マイコン(11)は、前記第2マイコン(12)が衛星電波受信処理部(18)から取得した現在時刻とともに現在時刻に応じた同期信号を取得し、取得した現在時刻及び同期信号に基づいて、計数している時刻を修正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時刻情報を外部から取得する取得動作部と、
時刻を計数する第1の処理部と、
前記取得動作部に接続された第2の処理部と、
を備え、
前記第1の処理部は、前記第2の処理部が前記取得動作部から取得した現在時刻とともに現在時刻に応じた同期信号を取得し、取得した前記現在時刻及び前記同期信号に基づいて、計数している時刻を修正する
電子時計。
【請求項2】
前記第2の処理部は、前記取得動作部から前記現在時刻を取得し、
前記第1の処理部は、前記取得動作部から前記同期信号を取得し、前記第2の処理部から前記現在時刻を取得し、前記現在時刻を前記同期信号に同期させて、計数している時刻を修正する
請求項1記載の電子時計。
【請求項3】
前記第1の処理部は、前記現在時刻に応じた同期信号を前記取得動作部から取得した場合、タイマー回路による設定時間の計数を開始して、当該設定時間の計数の終了時に前記設定時間と前記第2の処理部から取得した前記現在時刻とに基づいて、計数している時刻を修正する
請求項2記載の電子時計。
【請求項4】
前記第1の処理部は、前記タイマー回路が前記設定時間を計数した場合、前記現在時刻に対して前記設定時間を加えた値に、計数している時刻を修正する
請求項3記載の電子時計。
【請求項5】
前記第2の処理部は、前記取得動作部から前記現在時刻を取得すると、前記第1の処理部へ前記現在時刻及び前記同期信号を出力し、
前記第1の処理部は、前記第2の処理部から前記現在時刻及び前記同期信号を取得し、前記現在時刻を前記同期信号に同期させて、計数している時刻を修正する
請求項1記載の電子時計。
【請求項6】
前記第1の処理部は、前記現在時刻に応じた同期信号を前記第2の処理部から取得した場合、タイマー回路による設定時間の計数を開始して、当該設定時間の計数の終了時に前記設定時間と前記第2の処理部から取得した前記現在時刻とに基づいて、計数している時刻を修正する
請求項5記載の電子時計。
【請求項7】
前記第1の処理部は、前記タイマー回路が前記設定時間を計数した場合、前記現在時刻に前記設定時間を加えた値に、計数している時刻を修正する
請求項6記載の電子時計。
【請求項8】
前記取得動作部は、現在時刻を取得すると、毎秒の切り替わりタイミングで前記同期信号を前記第1の処理部へ出力し、
前記第1の処理部は、前記同期信号が入力されると、前記第2の処理部に現在時刻を要求し、
前記第2の処理部は、前記第1の処理部から前記要求を受け付けると、取得した現在時刻を前記第1の処理部へ出力する
請求項1記載の電子時計。
【請求項9】
前記第2の処理部は、現在時刻を取得すると、取得済通知を前記第1の処理部に出力し、
前記第1の処理部は、前記同期信号及び前記取得済通知が入力されると、前記第2の処理部に現在時刻を要求する
請求項8記載の電子時計。
【請求項10】
前記第2の処理部は、現在時刻の計数を行わない、請求項1~9のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項11】
前記取得動作部は、測位衛星からの電波を受信する受信部を有し、前記測位衛星から受信した電波に基づいて現在時刻を特定する、請求項1~9のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項12】
前記第2の処理部は、
低負荷処理時の電力効率が前記第1の処理部よりも低く、
高負荷処理時の電力効率が前記第1の処理部よりも高い、
請求項1~9のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項13】
現在時刻情報を外部から取得する取得動作部と、時刻を計数する第1の処理部と、前記取得動作部に接続された第2の処理部と、を備える電子時計のコンピュータを、
前記第1の処理部が、前記第2の処理部が前記取得動作部から取得した現在時刻とともに前記現在時刻に応じた同期信号を取得する取得手段、
前記第1の処理部が、取得した前記現在時刻及び前記同期信号に基づいて、計数している時刻を修正する修正手段、
として機能させるプログラム。
【請求項14】
前記第2の処理部が、前記取得動作部から前記現在時刻を取得し、
前記修正手段は、前記第1の処理部が、前記取得動作部から前記同期信号を取得し、前記第2の処理部から前記現在時刻を取得し、前記現在時刻を前記同期信号に同期させて、計数している時刻を修正する
請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
前記第2の処理部は、前記取得動作部から前記現在時刻を取得すると、前記第1の処理部へ前記現在時刻及び前記同期信号を出力し、
前記修正手段は、前記第1の処理部が、前記第2の処理部から前記現在時刻及び前記同期信号を取得し、前記現在時刻を前記同期信号に同期させて、計数している時刻を修正する
請求項13記載のプログラム。
【請求項16】
現在時刻情報を外部から取得する取得動作部と、計時部に接続された第1の処理部と、前記取得動作部に接続された第2の処理部と、を備える電子時計の時刻修正方法であって、
前記第1の処理部が、前記第2の処理部が前記取得動作部から取得した現在時刻とともに、前記現在時刻に応じた同期信号を取得するステップ、
前記第1の処理部が、取得した前記現在時刻及び前記同期信号に基づいて、前記計時部が計数している時刻を修正するステップ、
を含む時刻修正方法。
【請求項17】
前記第2の処理部が、前記取得動作部から前記現在時刻を取得し、
前記第1の処理部が、前記取得動作部から前記同期信号を取得し、前記第2の処理部から前記現在時刻を取得し、前記現在時刻を前記同期信号に同期させて、計数している時刻を修正する
請求項16記載の時刻修正方法。
【請求項18】
前記第2の処理部は、前記取得動作部から前記現在時刻を取得すると、前記第1の処理部へ前記現在時刻及び前記同期信号を出力し、
前記第1の処理部は、前記第2の処理部から前記現在時刻及び前記同期信号を取得し、前記現在時刻を前記同期信号に同期させて、計数している時刻を修正する
請求項16記載の時刻修正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子時計、プログラム及び時刻修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートウォッチや多機能電子時計など、多様な処理を行う電子時計では、従来の電子時計で利用されているプロセッサ(マイコン)では演算処理能力が不足しがちである。一方、電子時計では、多機能処理を行わずに、従来の日時の計数及び表示に係る処理を行う時間も長い。したがって、電子時計において、多機能処理を行うのに十分な演算処理能力を有するプロセッサを常時動作させると、電力消費が不要に増大する。そこで、電子時計が演算処理能力の異なる2種類のプロセッサを備え、必要に応じて演算処理能力が高い方のプロセッサの動作をオンオフさせる技術がある。
【0003】
このように複数のプロセッサに処理を分割すると、プロセッサ間でデータのやり取りが必要となる場合がある。このような電子時計では、主に演算処理能力が低い方のプロセッサにおける処理に応じてリアルタイム処理に不都合が生じ得る。特許文献1では、日時を計数する処理と表示画面への表示制御処理とを異なるプロセッサの処理に割り当てる場合の表示制御に係る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-86442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、外部からの時刻情報の取得に係る制御を演算処理能力の高い制御部に行わせる場合、当該制御部と演算処理能力の低い制御部との間でずれが生じ得る。その結果、電子時計では、計数する時刻の修正が正確に行われない場合が生じるという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、制御部を適切な処理負荷の範囲としながら計数する時刻を精度よく保つことのできる電子時計、プログラム及び時刻修正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、
現在時刻情報を外部から取得する取得動作部と、
時刻を計数する第1の処理部と、
前記取得動作部に接続された第2の処理部と、
を備え、
前記第1の処理部は、前記第2の処理部が前記取得動作部から取得した現在時刻とともに現在時刻に応じた同期信号を取得し、取得した前記現在時刻及び前記同期信号に基づいて、計数している時刻を修正する
電子時計である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に従うと、制御部を適切な処理負荷の範囲としながら計数する時刻を精度よく保つことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の電子時計の機能構成を示すブロック図である。
図2】衛星電波受信処理部、第1マイコン及び第2マイコンの間での日時修正に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
図3】第2マイコンによる日時取得制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
図4】第1マイコンによる日時修正制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態の電子時計の機能構成を説明するブロック図である。
図6】第2実施形態の電子時計における日時修正に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
図7】第2実施形態の電子時計における日時取得制御処理の制御手順と、日時修正制御処理の制御手順とをそれぞれ示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
【0011】
電子時計1は、第1マイコン11(マイクロコントローラユニット、MCU)(第1の処理部)と、第2マイコン12(第2の処理部)と、記憶部13と、計時部14と、表示部15と、操作受付部16と、通信部17と、衛星電波受信処理部18(取得動作部)と、計測部19などを備える。
【0012】
第1マイコン11は、CPU111(Central Processing Unit)と、RAM112(Random Access Memory)などを備える。CPU111は、演算処理を行いプログラムに従って制御動作を行うプロセッサである。RAM112は、CPU111に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。また、第1マイコン11は、図示略の入出力インターフェイスなどを有している。第1マイコン11は、計時部14、表示部15、操作受付部16及び通信部17を直接制御する。第1マイコン11は、継続的に動作する。第1マイコン11は、後述のようにタイマー計数が可能である。タイマー計数は、CPU111が行うものであってもよいし、別途タイマー回路を有していてもよい。第1マイコン11は、低負荷の演算処理、特に時刻の計数及びその表示に係る制御動作に好適に設計されており、低負荷時に低消費電力で効率よく動作する。一方で、第1マイコン11は、高負荷がかかると処理効率が低下して、消費電力が負荷の増大分に比して大きく上昇する。第1マイコン11は、電力供給が不足しているなどの場合を除き継続的に動作を行う。
【0013】
第2マイコン12は、CPU121と、RAM122などを備える。CPU121は、CPU111よりも演算処理能力が高い。これに伴い、第2マイコン12は、基本となる消費電力が第1マイコン11よりも大きい。一方で高負荷処理時には、第2マイコン12は、効率のよい処理により第1マイコン11よりも処理全体での消費電力が小さくなる。したがって、第2マイコン12は、低負荷処理時の電力効率が第1マイコン11よりも低く、高負荷処理時の電力効率が第1マイコン11よりも高い。RAM122は、CPU121に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。また、第2マイコン12は、図示略の入出力インターフェイスなどを有している。第2マイコン12は、衛星電波受信処理部18と、計測部19とを直接的に制御し、これらから得られた計測データや算出データの処理を行う。第2マイコン12は、必要の無い場合には第1マイコン11の制御により又は自発的に動作が停止される。
【0014】
記憶部13は、プログラム131や各種設定データなどを記憶する不揮発性メモリである。記憶部13は、例えば、フラッシュメモリであるがこれに限られない。記憶部13は、少なくとも一部が第1マイコン11及び第2マイコン12のいずれからも直接アクセスが可能である。
【0015】
計時部14は、図示略の発振回路が出力するある周波数、例えば、約32.768kHzの周波数信号を分周し、適宜な頻度で間引いて1秒ごとに計時信号を出力する論理緩急部を有する。第1マイコン11は、この計時部14から出力された計時信号に基づいて現在日時(時刻)を計数、特定する。これにより、第1マイコン11は、概ね通常の電子時計1の日時計数精度、例えば、一日当たり0.5秒以下のずれの範囲内で現在日時を特定することができる。
【0016】
表示部15は、例えば、デジタル表示画面を有し、第1マイコン11の制御に基づいて現在時刻やその他の機能動作に応じた内容の表示をこの表示画面に行わせる。デジタル表示画面は、特には限られないが液晶表示画面(LCD)である。
【0017】
操作受付部16は、ユーザなどの外部からの入力操作を受け付けて、入力操作に応じた操作信号を第1マイコン11へ出力する。操作受付部16は、例えば、表示画面に重なって位置するタッチパネルを有する。これに加えて又は代えて、操作受付部16は、押しボタンスイッチや回転操作部(りゅうず)などを有していてもよい。
【0018】
通信部17は、外部機器との間でデータの送受信が可能な通信規格に従ってデータ通信を制御する。通信部17は、例えば、ブルートゥース(登録商標)に係る通信制御が可能なアンテナ及びモジュールを有する。この場合の通信規格は、大容量データを高速転送するようなものではなくてもよく、例えば、ブルートゥースローエナジーであってもよい。
【0019】
衛星電波受信処理部18は、受信部181を有し、GNSS(Global Navigation Satellite System)に係る測位衛星からの電波を受信、復調する。受信対象の測位衛星には、例えば、GPS(Global Positioning System)に関連する衛星が含まれていてもよい。衛星電波受信処理部18は、復調された電波信号に基づいて現在日時を特定し(外部から現在時刻情報を取得し)、また、現在位置を算出(測位)する。
【0020】
衛星電波受信処理部18は、第2マイコン12により動作制御され、必要に応じて電力供給(動作)の有無を切り替えられる。衛星電波受信処理部18は、動作時には定期的に秒同期信号と、特定された情報(日時及び位置)並びにその精度の情報と、を出力する。秒同期信号は、測位動作により現在日時が特定された場合には、特定された現在日時に同期するように変更される。
【0021】
計測部19は、物理量の計測を行うセンサなどを有し、当該センサの計測結果を第2マイコン12へ出力する。センサには、例えば、ユーザの運動状態や移動方向を計測するための加速度センサ、磁気センサ、気圧センサなどが含まれる。これに加えて又は代えて、計測部19は、ユーザのバイタルの状態を検出するための脈拍センサなどを有していてもよい。
【0022】
次に、電子時計1における計数日時の修正動作(本実施形態の時刻修正方法)について説明する。
上記のように日時を計数する動作の制御が第1マイコン11で行われている一方で、衛星電波受信処理部18から正確な日時を受信する動作の制御は第2マイコン12により行われる。第1マイコン11は、第2マイコン12に対して衛星電波受信処理部18を動作させて当該衛星電波受信処理部18から現在日時を取得するよう要求を行う。第2マイコン12が現在日時を取得すると、第1マイコン11は、第2マイコン12から現在日時を取得する。
【0023】
このとき、第1マイコン11は、正確な秒の切り替わりタイミング(秒の小数点以下が0となる正秒のタイミング)に一致させて現在日時を修正する必要がある。第2マイコン12は、直接に日時の計数を行わないので、衛星電波受信処理部18から正秒のタイミングを取得する必要はない。そこで、衛星電波受信処理部18は、毎秒の切り替わりタイミングを示す秒同期信号(同期信号)を第1マイコン11へ出力する。第1マイコン11は、秒同期信号に同期させて、第2マイコン12から取得した現在日時に基づいて計数する日時(時刻)を修正する。
【0024】
図2は、衛星電波受信処理部18、第1マイコン11及び第2マイコン12の間での日時修正に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【0025】
第1マイコン11から日時取得要求が第2マイコン12に送信され、これを受けて第2マイコン12が衛星電波受信処理部18を動作させて日時情報を要求する。
【0026】
衛星電波受信処理部18は、(起動されていない場合には)起動された後、測位衛星からの電波受信を開始する。衛星電波受信処理部18は、1機又は複数機の測位衛星からの受信電波に基づいて日時を取得する。衛星電波受信処理部18は、秒同期信号を第1マイコン11へ出力する。また、衛星電波受信処理部18は、現在日時を第2マイコン12へ出力する。第2マイコン12は、現在日時が入力されると、日時取得通知(取得済通知)を第1マイコン11へ出力する。
【0027】
第1マイコン11は、秒同期信号を受けてタイマーの計数を開始する。タイマーは、秒単位(N秒)であり、ここでは例えば1秒である。第1マイコン11は、タイマーの計数開始後(秒同期信号の入力後)に第2マイコン12から日時取得通知が入力されると、現在日時の要求を第2マイコン12へ返す。
【0028】
現在日時の要求に対し、第2マイコン12は第1マイコン11へ現在日時を出力する。第1マイコンはこの現在日時を取得する。タイマーの計数開始から現在日時の取得までが上記N秒以内に終了するように秒数Nが定められる。第1マイコン11は、タイマーの計数が終了するタイミングに合わせて、取得した現在日時+N秒の日時に計数日時を修正する。
【0029】
図3は、第2マイコン12による日時取得制御処理の制御手順を示すフローチャートである。この日時取得制御処理は、第1マイコン11から日時取得要求が取得された場合に開始される。
【0030】
第2マイコン12のCPU121は、衛星電波受信処理部18を必要に応じて起動させ、測位衛星から日時取得に係る電波の受信を要求する(ステップS201)。CPU121は、衛星電波受信処理部18から入力を待ち受け、現在日時を取得する(ステップS202)。
【0031】
CPU121は、日時取得通知を第1マイコン11へ出力する(ステップS203)。CPU121は、第1マイコン11から現在日時の出力要求があったか否かを判別する(ステップS204)。第1マイコン11から現在日時の出力要求がないと判別された場合には(ステップS204で“NO”)、CPU121は、ステップS204の判別処理を繰り返す。
【0032】
第1マイコン11から現在日時の出力要求があったと判別された場合には(ステップS204で“YES”)、CPU121は、第1マイコン11に対して現在日時を出力する(ステップS205)。CPU121は、現在日時の取得後、現在日時のデータを消去してもよい。そして、CPU121は、日時取得制御処理を終了する。
【0033】
図4は、第1マイコン11による日時修正制御処理の制御手順を示すフローチャートである。この日時修正制御処理は、予め定められたタイミング(例えば、毎日特定の時刻など)に自動で、又はユーザによる操作受付部16へのある入力操作などに応じて開始される。
【0034】
第1マイコン11のCPU111は、第2マイコン12に対して日時情報の取得を要求する(ステップS101;要求手段)。CPU111は、衛星電波受信処理部18からの秒同期信号が入力されたか否かを判別する(ステップS102)。秒同期信号が入力されていないと判別された場合には(ステップS102で“NO”)、CPU111は、ステップS102の判別処理を繰り返す。
【0035】
秒同期信号が入力(取得)されたと判別された場合には(ステップS102で“YES”)、CPU111は、タイマーによる設定時間(N秒)の計数を開始する(ステップS103)。このステップS103の処理は、秒同期信号の入力タイミングで(ここでいう「タイミングで」とは、判別処理の間隔、CPU111の処理速度や信号伝送時間といった処理上のやむをえない遅延時間の範囲で、ステップS102で“YES”に分岐する判別処理から遅滞なく)行われる必要がある。
【0036】
CPU111は、第2マイコン12から日時取得通知が入力済であるか否かを判別する(ステップS104)。日時取得通知が入力済ではない(入力されていない)と判別された場合には(ステップS104で“NO”)、CPU111は、ステップS104の判別処理を繰り返す。
【0037】
日時取得通知が入力済であると判別された場合には(ステップS104で“YES”)、CPU111は、第2マイコン12に対して現在日時を要求する(ステップS105)。CPU111は、第2マイコン12からの入力を待ち受け、現在日時を取得する(ステップS106;取得手段)。
【0038】
CPU111は、タイマーの計数開始から設定時間(N秒)が経過したか否かを判別する(ステップS107)。例えば、タイマー回路は、設定時間を計数するとCPU111に対して割込み信号などを出力する。設定時間が経過していない(上記割込み信号などを検出していない)と判別された場合には(ステップS107で“NO”)、CPU111は、ステップS107の判別処理を繰り返す。設定時間が経過した(上記割込み信号などが検出された)と判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU111は、取得した日時にN秒を加えた日時に現在日時を修正する(ステップS108;修正手段)。すなわち、CPU111は、秒同期信号のタイミングで(秒同期信号に同期させて;すなわち、実際にはステップS107の判別処理で“YES”に分岐してから遅滞なく)現在日時を修正する。そして、CPU111は、日時修正制御処理を終了する。
【0039】
以上のように、第1実施形態の電子時計1は、現在時刻情報を外部(測位衛星)から取得する衛星電波受信処理部18と、時刻(日時)を計数する第1マイコン11と、衛星電波受信処理部18に接続された第2マイコン12と、を備える。第1マイコン11は、第2マイコン12が衛星電波受信処理部18から取得した現在時刻とともに衛星電波受信処理部18又は第2マイコン12から現在時刻に応じた秒同期信号を取得する。そして、第1マイコン11は、取得した現在時刻及び秒同期信号に基づいて、計数している時刻を修正する。
このように、秒同期信号が第1マイコン11へ送られることで、第2マイコン12は現在時刻を中継するだけで、容易に第1マイコン11の計数する時刻が正確に保たれる。これにより、衛星電波受信処理部18の制御を第2マイコン12に担わせても時刻の計数に問題が生じない。したがって、第1マイコン11は、処理負荷が適切に低減され、かつ正確な時刻を取得してこれを計数することができる。よって、電子時計1は、第1マイコン11及び第2マイコン12の負荷を適切な範囲に抑えつつ、計数する日時を正確に保つことができる。したがって、電子時計1は、時計動作に係る消費電力を顕著に抑え、長期間安定して日時の計数及び表示を継続させて、時計としての基本的役割を果たすことができる。
【0040】
また、第2マイコン12は、衛星電波受信処理部18から現在時刻を取得する。第1マイコン11は、衛星電波受信処理部18から同期信号を取得し、第2マイコン12から現在時刻を取得し、現在時刻を同期信号に同期させて、計数している時刻を修正する。
このように、現在時刻の情報と別個に、当該現在時刻を特定する衛星電波受信処理部18から直接第1マイコン11へ同期信号だけを送ることで、第1マイコン11は、時刻のタイミング情報を高精度で得ることができる。したがって、第1マイコン11は、第2マイコン12から別途取得する現在時刻を正しいタイミングで適用して時刻を修正することができる。
【0041】
また、第1マイコン11は、現在時刻に応じた同期信号を衛星電波受信処理部18から取得した場合、タイマー回路による設定時間の計数を開始して、当該設定時間の計数の終了時に設定時間と第2マイコン12から取得した現在時刻とに基づいて、計数している時刻を修正する。
衛星電波受信処理部18から第1マイコン11へ送られる同期信号と、第2マイコン12を経て得られる現在時刻とでは、タイムラグが生じる場合がある。したがって、同期信号の入力からある設定時間の経過後に時刻の修正をするように定めることで、電子時計1は、タイムラグによるずれなどを生じさせずに正確に時刻の修正を行うことができる。
【0042】
また、第1マイコン11は、タイマー回路が設定時間を計数した場合、現在時刻に対して設定時間を加えた値に、計数している時刻を修正する。上記のように設定時間の経過後に時刻を修正するので、その設定時間分だけ衛星電波受信処理部18から取得した現在時刻を遅延させて時刻修正を行う。これにより、電子時計1は、正確な時刻を得ることができる。
【0043】
また、衛星電波受信処理部18は、現在時刻を取得すると、毎秒の切り替わりタイミングで秒同期信号を第1マイコン11へ出力する。第1マイコン11は、秒同期信号が入力されると、第2マイコン12に現在時刻を要求する。第2マイコン12は、第1マイコン11から要求を受け付けると、取得した現在時刻を第1マイコンへ出力する。
このように、第1マイコン11は、秒同期信号の受信後に適切なタイミングで現在時刻を要求、取得することで、タイムラグによる時刻ずれを生じさせずに正確な時刻が得られる。
【0044】
また、第2マイコン12は、現在時刻を取得すると、日時取得通知を第1マイコン11に出力する。第1マイコン11は、秒同期信号及び日時取得通知が入力されると、第2マイコン12に現在時刻を要求する。第1マイコン11は、更に第2マイコン12からの通知も確認してから現在時刻を取得することで、より確実に時刻ずれを防ぎ正しい時刻が得られる。
【0045】
また、第2マイコン12は、現在時刻の計数を行わない。上記のように継続的に動作する第1マイコン11が正しい時刻の計数を保つことができるので、第2マイコン12では現在時刻の計数が必要ない。これにより、電子時計1は、第1マイコン11と第2マイコン12との間で計数する日時の同期を頻繁にとる必要がなくなる。また、電子時計1は、第2マイコン12が時刻を計数するための計時部を電子時計1が備える必要がなくなる。
【0046】
また、衛星電波受信処理部18は、測位衛星からの電波を受信する受信部181を有する。衛星電波受信処理部18は、測位衛星から受信した電波に基づいて現在時刻を特定する。このような衛星電波受信処理部18の制御を高演算処理能力の第2マイコン12で行うことができる。したがって、第1マイコン11と第2マイコン12の処理負荷がより適正化され、電子時計1は、より安定して正確な時刻の計数を続けることができる。
【0047】
また、電子時計1は、第2マイコン12の低負荷処理時の電力効率が第1マイコン11よりも低く、かつ高負荷処理時の電力効率が第1マイコン11よりも高い。すなわち、この電子時計1は、第1マイコン11の演算処理能力を日時の計数及び表示に係る機能に必要な範囲から大きく超過しないように抑えている。このような電子時計1において、負荷の高い衛星電波受信処理部18の動作管理を第2マイコン12に行わせ、かつ正確な時刻情報を適切に第1マイコン11に伝えることができる。よって、この電子時計1は、より効率よく日時の正確な計数を継続させることができる。
【0048】
また、本実施形態のプログラム131は、現在時刻情報を外部から取得する衛星電波受信処理部18と、時刻を計数する第1マイコン11と、衛星電波受信処理部18に接続された第2マイコン12と、を備える電子時計1のコンピュータを、第1マイコン11が、第2マイコン12が衛星電波受信処理部18から取得した現在時刻とともに現在時刻に応じた秒同期信号を(衛星電波受信処理部18又は第2マイコン12から)取得する取得手段、第1マイコン11が、現在時刻を秒同期信号に同期させて、計数している時刻を修正する修正手段、として機能させる。
このように、このプログラム131は、日時を計数する第1マイコン11が、第2マイコン12を介して現在日時を取得する場合に当該第1マイコン11の動作を制御する。この制御において、第1マイコン11は、秒同期信号を衛星電波受信処理部18又は第2マイコン12から受ける。これにより、第2マイコン12が衛星電波受信処理部18から現在日時に基づいて日時を計数せずとも、容易に正確な日時が第1マイコン11へ伝えられる。したがって、電子時計1は、衛星電波受信処理部18が第2マイコン12によって動作制御されても正確な日時の計数に問題が生じず、各マイコンの処理負荷も適切に抑えられる。
【0049】
また、本実施形態の時刻修正方法は、現在時刻情報を外部から取得する衛星電波受信処理部18と、計時部14に接続された第1マイコン11と、衛星電波受信処理部18に接続された第2マイコン12と、を備える電子時計1の時刻修正方法であって、第1マイコン11が、第2マイコン12が衛星電波受信処理部18から取得した現在時刻とともに秒同期信号を取得するステップ、第1マイコン11が現在時刻を秒同期信号に同期させて、計数している時刻を修正するステップ、を含む。
このような時刻修正方法により、衛星電波受信処理部18から取得した現在時刻に基づいて、第1マイコン11が計数する時刻を修正し、正確な日時の計数を維持することができる。また、これと同時に、衛星電波受信処理部18の動作制御を第2マイコン12に行わせることができる。したがって、第1マイコン11の処理負荷が過大となることを抑制し、第1マイコン11は、継続的に安定して正確な時刻の計数を行うことができる。
【0050】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態の電子時計1aの機能構成を説明するブロック図である。この電子時計1aは、第1マイコン11と衛星電波受信処理部18との間に秒同期信号を送信する接続がない点を除いて第1実施形態の電子時計1と同一構成である。同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
図6は、第2実施形態の電子時計1aにおける衛星電波受信処理部18、第1マイコン11及び第2マイコン12の間での日時修正に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【0052】
第2マイコン12から日時情報の要求を受けた衛星電波受信処理部18は、現在日時が取得されると、現在日時(現在時刻)とともにタイミング信号(タイミング)を第2マイコン12へ出力する。この場合のタイミング信号は、正秒のタイミングに限られなくてもよい。現在日時は、秒未満の時刻、例えばミリ秒単位で表されたものであってもよい。
【0053】
第2マイコン12は、タイミング信号からの経過時間を計数し、正秒のタイミングで秒同期信号(同期信号)を第1マイコン11に出力する。また、第2マイコン12は、正秒のタイミング以後の現在日時を秒単位で第1マイコン11へ出力する。第2マイコン12は、計時部、すなわち論理緩急の回路を有さないので、秒同期までの時間は、単純に入力されたクロック信号を計数することで定められる。しかしながら、1~2秒程度の時間であれば、計数誤差は1ミリ秒以下であるので、第1マイコン11に伝えられる現在日時の誤差は無視可能な大きさである。
【0054】
第1マイコン11は、秒同期信号が入力されると、N秒(例えば1秒)のタイマー計数を開始する。タイマーの計数が終了すると、第1マイコン11は、第2マイコン12から取得した現在日時にN秒を追加した日時に現在日時を修正する。
【0055】
図7は、第2実施形態の電子時計1aにおける(a)第2マイコン12による日時取得制御処理の制御手順と、(b)第1マイコン11による日時修正制御処理の制御手順とをそれぞれ示すフローチャートである。
【0056】
日時取得制御処理は、第1実施形態の日時取得制御処理におけるステップS202以降の処理がステップS212~S215の処理に置き換えられている。
【0057】
ステップS201の処理の後、第2マイコン12のCPU121は、衛星電波受信処理部18から現在日時(ミリ秒単位可)とタイミング信号を取得する(ステップS212)。CPU121は、タイミング信号の入力タイミングから正秒のタイミングまでの時間を計数する(ステップS213)。
【0058】
CPU121は、正秒のタイミングで(正秒となった場合に、遅滞なく)第1マイコン11へ秒同期信号を出力する(ステップS214)。CPU121は、正秒のタイミングにおける日時(秒単位)を第1マイコン11へ出力する(ステップS215)。そして、CPU121は、日時取得制御処理を終了する。
【0059】
第2実施形態の日時修正制御処理は、第1実施形態の日時修正制御処理におけるステップS104、S105の処理が削除されたのみである。その他の同一処理内容には同一の符号が付され、説明が省略される。
【0060】
以上のように、第2実施形態の電子時計1aは、第2マイコン12が衛星電波受信処理部18から現在日時を取得すると、第1マイコン11へ現在日時及び秒同期信号を出力する。第1マイコン11は、第2マイコン12から現在日時を秒同期信号を取得し、現在日時を秒同期信号に同期させて、計数している日時を修正する。
このように、衛星電波受信処理部18から第1マイコン11へ直接秒同期信号を出力する代わりに、第2マイコン12が秒同期信号を生成して出力してもよい。この場合には、衛星電波受信処理部18と第1マイコン11との間をつなぐ必要がない。第2マイコン12の処理負荷が若干増えるが、日時の計数を行う第1マイコン11に対する悪影響はない。よって、電子時計1aは、容易に正確な時刻を取得して現在時刻を修正し、正しい時刻を保つことができる。
【0061】
また、第1マイコン11は、現在時刻に応じた同期信号を第2マイコン12から取得した場合、タイマー回路による設定時間の計数を開始して、当該設定時間の計数の終了時に設定時間と第2マイコン12から取得した現在時刻とに基づいて、計数している時刻を修正する。
同期信号と現在時刻とがいずれも第2マイコン12から得られる場合であっても、処理による僅かな遅延などを考慮して、同期信号の入力からある設定時間の経過後に時刻を修正することができる。これにより、電子時計1は、より正確に時刻の修正を行うことができる。
【0062】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、第2マイコン12は、例えば、制御するアプリケーションプログラムからの要求などの必要に応じて日時を計数する場合があってもよい。この場合は、第2マイコン12は、単純に第1マイコン11から計数している日時を取得してもよい。
【0063】
また、上記実施の形態では、第2マイコン12から日時取得通知を第1マイコン11へ出力して、タイミングずれを防いだが、この通知を出力しなくてもよい。また、第1マイコン11から第2マイコン12への現在日時要求も行われなくてもよい。一方で、第1マイコン11から現在日時の要求を受けたときに第2マイコン12が現在日時をまだ取得していなかったり、現在日時を取得してから基準時間以上の間隔が開いていたりした場合には、第2マイコン12がエラー信号を出力して第1マイコン11に日時の修正を行わせないようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、日時の修正時に第1マイコン11に対して秒同期信号を入力させることとしたが、秒同期信号でなくてもよい。第1マイコン11の処理負荷が過大にならなければ、より周波数の高い同期信号などであってもよい。あるいは、同期信号は、秒の切り替わりタイミングに同期した信号ではなくてもよい。
【0065】
また、電子時計1は、第2マイコンを複数個有していてもよい。いずれかの第2マイコンが衛星電波受信処理部18の動作を制御すればよい。
【0066】
また、第1マイコン11が第2マイコン12に現在日時の取得要求を行わなくてもよい。第2マイコン12が定期的に自動で衛星電波受信処理部18を動作させて、現在日時を取得し、また、衛星電波受信処理部18から第1マイコン11へ秒同期信号を出力させてもよい。
【0067】
また、上記実施の形態では、現在日時(日付及び時刻)を取得して修正するものとして説明したが、修正対象は、時刻のみであってもよい。
【0068】
また、現在日時の取得は、衛星電波受信処理部18によらなくてもよい。例えば、第2マイコン12に接続されて当該第2マイコン12により制御される通信部により現在日時が取得されてもよい。この場合、例えば、第2マイコン12が現在日時を取得したタイミングに基づいて(必要に応じて通信遅延などを考慮して)、タイミング信号を生成してもよい。通信部は、例えば、ブルートゥース(登録商標)による通信が可能であり、スマートフォンなどを通信接続先として当該通信接続先から現在日時とタイミング信号を取得してもよい。第2マイコン12は、必要に応じてタイミング信号の受信遅延を補正してもよい。
あるいは、第2マイコン12には、標準電波を受信、復調及び解読して日時を特定する標準電波受信処理部が接続されていてもよい。この場合、標準電波受信処理部は、現在日時が特定され次第、当該現在日時とタイミング信号を第2マイコン12へ出力してもよい。また、第2マイコン12が標準電波の解読、各秒タイミングの決定及び日時の特定を行う構成であってもよい。この場合には、第2マイコン12は、標準電波受信処理部から時刻情報として復調された標準電波信号(各秒のタイミングに同期して信号強度が変化する)を取得する。第2マイコン12は、この標準電波信号に基づいてタイミング信号の生成と現在時刻の特定とを行う。
【0069】
また、上記実施形態では、第1マイコン11自身がタイマー回路として動作する又は内蔵する他のタイマー回路を有するものとして説明したが、これに限られない。外部のタイマー回路が第1マイコン11に接続されて、CPU111の要求によりタイマー計数を行ってもよい。
【0070】
また、以上の説明では、本発明の日時修正の制御に係るプログラム131を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどからなる記憶部13を例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD、MRAMなどの他の不揮発性メモリや、CD-ROM、DVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0071】
1、1a 電子時計
11 第1マイコン
111 CPU
112 RAM
12 第2マイコン
121 CPU
122 RAM
13 記憶部
131 プログラム
14 計時部
15 表示部
16 操作受付部
17 通信部
18 衛星電波受信処理部
181 受信部
19 計測部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7