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  • 特開-バス送迎支援システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046806
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】バス送迎支援システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/127 20060101AFI20240329BHJP
   G07C 1/10 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G08G1/127 A
G07C1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152102
(22)【出願日】2022-09-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】721000310
【氏名又は名称】渡邉 清仁
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 千登勢
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 健吾
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 千夏
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 清仁
【テーマコード(参考)】
3E138
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138BA01
3E138DA04
3E138EA01
3E138EA06
3E138GA02
3E138HA05
5H181AA06
5H181AA14
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB15
5H181CC04
5H181CC24
5H181MA28
5H181MA29
5H181MA37
(57)【要約】
【課題】比較的安価な初期費用で、被送迎者のバス置き去りを発見するのに好適なバス送迎支援システムを提供する。
【解決手段】被送迎者の乗車時および降車時には、送迎補助者が第1の端末11のカメラでその被送迎者からコードを読み取る。乗車人数が0人となったときに初めてゼロ確認ボタン4が第2の端末12の画面に表示され、そのゼロ確認ボタン4のタップによって第2の端末12のカメラでバス車両のコードを読み取りが可能となる。バス車両のコードは該バス車両の車内後部に付される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを備えた通信可能な端末と、該端末との間でデータの送受信を可能とするインターネット上のサーバとを具備し、前記端末と前記サーバとによって、バス車両による送迎作業を支援するバス送迎支援システムであって、
前記バス車両で送迎される被送迎者には、その被送迎者に対応して発行されたコードが付されること、および、前記バス車両の車内後部には、そのバス車両に対応して発行されたコードが付されることを前提とし、
前記端末は、
前記バス車両の送迎補助者が携帯する第1の端末と、
前記バス車両の運転手が携帯する第2の端末と、を含み、
前記第1の端末は、
前記被送迎者が前記バス車両に乗車する時や同バス車両から降車する時に、該被送迎者のコードを同端末のカメラで読み取る手段、および、前記乗車時や前記降車時にそれぞれ読み取った前記被送迎者のコードを乗車データ、降車データとして前記サーバへ送信する手段として機能し、
前記サーバは、少なくとも、前記第1の端末から送信されてきた前記乗車データおよび前記降車データを受信する手段、受信した乗車データ、降車データを前記第2の端末へ送信する手段として機能し、
前記第2の端末は、前記サーバから送信されてきた前記乗車データ、前記降車データを受信する手段、受信した前記乗車データ、前記降車データに基づいて現在の乗車人数をカウントする手段、該乗車人数が0人となったときに、ゼロ確認ボタンを同端末の画面に表示する、又は同端末の画面に表示されている既表示のゼロ確認ボタンのクリックを可能とする手段、前記運転手による前記ゼロ確認ボタンのタップによって同端末のカメラで前記バス車両の前記コードを読み取り可能とする手段、および、読み取った前記バス車両の前記コードをゼロ確認データとして前記サーバへ送信する手段として機能すること
を特徴とするバス送迎支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、園児あるいは児童等の送り迎えに利用されるバス車両での送迎時の作業を支援するバス送迎支援システムに関し、特に、比較的安価な初期費用で導入でき、かつ、被送迎者のバス置き去りを発見するのに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のバス送迎支援システムとしては、例えば特許文献1に記載された通学情報収集システムが知られている。
【0003】
この特許文献1の通学情報収集システム(以下「従来システム」という)は、園児等の送迎対象者が非接触ICタグを所持し、送迎バスの出入口にゲート装置のアンテナを取り付ける構成、および、そのアンテナで送迎対象者の非接触ICタグからIDコードを読み取り、読み取ったIDコードを通学情報として通学情報収集装置で収集する構成になっている。
【0004】
しかし、前記のような従来システムによると、ゲート装置とそのアンテナを使用する方式であるため、ゲート装置の購入や設置の費用が初期費用として発生する。送迎バスの台数が増えれば、その台数分の初期費用が必要となるため、導入時の初期費用が高価とならざるを得ない。
【0005】
また、従来システムでは、送迎バスでは、その出入口で園児(送迎対象者)の非接触ICタグを読み取るだけのシングルチェックしかなされないし、読み取りエラーが発生しないともいえないことから、送迎バス内での園児の置き去りを防止する確認システムとしては必ずしも好適であるとは言えない。
【0006】
前記従来システムとは別に、バス車両内での園児の置き去りを確認する従来の方式(以下「従来確認方式」という)として、例えば、バス車両の車内後部に確認完了用の物理スイッチを設置し、その物理スイッチが押された時に通信装置を使って職員室等のランプを消灯させる方式が知られている。
【0007】
しかし、この従来確認方式によると、前述の通り、物理スイッチや通信装置を別途新規に導入する必要があるため、前述の従来システムと同じく、導入時の初期費用が高くならざるを得ないし、バス車両では物理スイッチを押すだけのシングルチェックしかなされないし、物理スイッチや通信装置の故障も想定されるため、バス車両内での園児の置き去りを防止する確認システムとしては必ずしも好適であるとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005-174177号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、比較的安価な初期費用で導入でき、かつ、被送迎者のバス置き去りを発見するのに好適なバス送迎支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記問題点を解決するために、本発明は、カメラを備えた通信可能な端末と、該端末との間でデータの送受信を可能とするインターネット上のサーバとを具備し、前記端末と前記サーバとによって、バス車両による送迎作業を支援するバス送迎支援システムであって、前記バス車両で送迎される被送迎者には、その被送迎者に対応して発行されたコードが付されること、および、前記バス車両の車内後部には、そのバス車両に対応して発行されたコードが付されることを前提とし、前記端末は、前記バス車両の送迎補助者が携帯する第1の端末と、前記バス車両の運転手が携帯する第2の端末と、を含み、前記第1の端末は、前記被送迎者が前記バス車両に乗車する時や同バス車両から降車する時に、該被送迎者のコードを同端末のカメラで読み取る手段、および、前記乗車時や前記降車時にそれぞれ読み取った前記被送迎者のコードを乗車データ、降車データとして前記サーバへ送信する手段として機能し、前記サーバは、少なくとも、前記第1の端末から送信されてきた前記乗車データおよび前記降車データを受信する手段、受信した乗車データ、降車データを前記第2の端末へ送信する手段として機能し、前記第2の端末は、前記サーバから送信されてきた前記乗車データ、前記降車データを受信する手段、受信した前記乗車データ、前記降車データに基づいて現在の乗車人数をカウントする手段、該乗車人数が0人となったときに、ゼロ確認ボタンを同端末の画面に表示する、又は同端末の画面に表示されている既表示のゼロ確認ボタンのクリックが不可の状態から可能な状態とする手段、前記運転手による前記ゼロ確認ボタンのタップによって同端末のカメラで前記バス車両の前記コードを読み取り可能とする手段、および、読み取った前記バス車両の前記コードをゼロ確認データとして前記サーバへ送信する手段として機能することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、バス送迎支援システムの具体的な構成として、被送迎者の乗車時および降車時に、送迎補助者が第1の端末のカメラでその被送迎者からコードを読み取る方式を採用することに加えて、さらに(1)乗車人数が0人となったときに初めて、ゼロ確認ボタンが第2の端末の画面に表示される、又は同端末の画面に表示されている既表示のゼロ確認ボタンのクリックが不可の状態から可能な状態になる構成、(2)運転手によるゼロ確認ボタンのタップによって第2の端末のカメラでバス車両のコードを読み取りが可能となる構成、および、(3)その読取りの対象となるバス車両のコードは該バス車両の車内後部に付される構成を採用した。
【0012】
このため、本発明によると、バス車両では送迎補助者と運転手によるダブルチェック(具体的には、送迎補助者によるコードの読取りと運転手によるゼロ確認ボタンのタップとコードの読取り)がなされる点で、バス車両内での園児の置き去りを防止するのに好適である。これに加えてさらに、本発明では、(A)乗車人数が0人になる前に、誤ってゼロ確認ボタンがタップされてしまうといったヒューマンエラーが発生することはない点、(B)運転手は、第2の端末の画面に表示されたゼロ確認ボタンをタップしても、車内後部まで移動しなければ、第2の端末のカメラでバス車両のコードを読み取ることができないから、運転手が最後に車内後部まで移動して被送迎者の置き去りがないかどうかを確認する大事な日常作業をうっかり忘れてしまうようなヒューマンエラーが発生し難い点、(C)運転手がバス車両のコードを読み取りに行く移動の途中で車内に置き去りにされている被送迎者を発見できる点でも、被送迎者のバス置き去りを発見するのに好適なバス送迎支援システムを提供し得る。
【0013】
しかも、本発明によると、第1の端末や第2の端末として既存のスマートフォンやタブレット等を採用することができるので、従来システムや従来確認方式に比べ、ゲート装置の購入や設置に要する費用が不要である、または、物理スイッチや通信装置の購入や設置に要する費用が不要である分、比較的安価な初期費用で、被送迎者のバス置き去りを発見するのに好適なバス送迎支援システムを導入できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明を幼稚園又は保育園の送迎支援システムとして構築した例のシステム構成図。
図2図1の送迎支援システムで採用したウエブサイトの構成図。
図3図2のウエブサイトを構成するウエブページの説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明を幼稚園又は保育園の送迎支援システムとして構築した例のシステム構成図、図2は、図1の送迎支援システムで採用したウエブサイトの構成図、図3は、図2のウエブサイトを構成するウエブページの説明図である。
である。
【0016】
図1を参照すると、同図の送迎支援システムS(以下「本システムS」という)は、カメラを備えた通信可能な端末1と、該端末1との間でデータの送受信を可能とするインターネット上のサーバ2とを備え、該端末1と前記サーバ2とによって、バス車両による送迎作業を支援するものである。
【0017】
本システムでは、バス車両Bで送迎される被送迎者には、その被送迎者に対応して発行されたコードとして、例えば123を含む2次元コードが付される。また、バス車両Bの車内後部には、そのバス車両Bに対応して発行されたコードとして、例えばABCを含む2次元コードが付される。付されるコードは、2次元コードに限定されることはなく、バーコードのような1次元コードでもよい。
【0018】
ここで、被送迎者に『コードが付される』とは、被送迎者に取り付けられる名札等のように、被送迎者に一体に取り付けられた状態になっているタグTの裏面又は表面に、コードを記載した用紙が貼り付けられることや、該コードが印刷で表示されることを含む。以下このタグTを「コードタグT」という。
【0019】
また、バス車両Bの車内後部に『コードが付される』とは、例えばバス車両Bの図示しないリアウインドウガラス等、バス車両Bの車内後部に、コードを記載した用紙が貼り付けられることや、コードが印刷で表示されることを含む。
【0020】
コードとして採用した2次元コードは、本システムSの管理者等が作成し発行してもよい。また、本システムSでは、2次元コードとしてQRコード(登録商標)を採用しているが、これに限定されることはない。
【0021】
端末1は、バス車両Bの送迎補助者(具体的には、バス添乗員)が携帯する第1の端末11と、バス車両Bの運転手が携帯する第2の端末12と、で構成される。第1の端末11や第2の端末12の具体的な実施例としては、市販のスマートフォンを採用することができる。なお、第1の端末11と第2の端末12は1台の端末で兼用し、この1台の端末を送迎補助者と運転手で使い回す方式を採用することも可能である。
【0022】
第1の端末11は、被送迎者がバス車両Bに乗車する時や同バス車両Bから降車する時に、該被送迎者の2次元コードを同端末のカメラで読み取り可能とする手段、および、乗車時や降車時にそれぞれ読み取った被送迎者の2次元コードを乗車データ、降車データとしてサーバ2へ送信する手段として機能する。
【0023】
かかる機能(主に第1の端末11における読み取り)を実現するための具体的な実施形態として、本システムSでは、前記サーバ2内にNodejsによるウエブサーバSV1を構築し、ウエブサーバSV1上に第1のウエブサイトWS1を設けている。そして、この第1のウエブサイトWS1を第1の端末11のウエブブラウザで閲覧することにより、第1の端末11は、前記機能(読み取り)を具備するように構成してある。
【0024】
図2を参照すると、第1のウエブサイトWS1には、トップページP1と乗車時閲覧ページP2と降車時閲覧ページP3が設けられている。
【0025】
トップページP1は、html言語で記述され、乗車と降車の選択ボタンBT1、BT2(図3を参照)を備えた構成になっていて、かつ、いずれかの選択ボタンBT1、BT2をタップすることで、乗車時閲覧ページP2か降車時閲覧ページP3のいずれかに遷移するように構成してある。
【0026】
乗車時閲覧ページP2も、html言語で記述され、2次元コードの読取り部として、第1の端末11のカメラで撮影した映像が表示される映像表示部3(図3を参照)を備えている。この点は降車時閲覧ページP3も同様である。
【0027】
また、乗車時閲覧ページP2と降車時閲覧ページP3は、いずれも、それぞれの映像表示部3内に2次元コードが映し出されると、その2次元コードを123等のコードデータとして自動で読み取るように構成してある。
【0028】
前記のような自動での読取りは、乗車時閲覧ページP2と降車時閲覧ページP3それぞれのページ中にJavaScriptによる2次元コード読取りプログラムをスクリプトタグで埋め込むことによって実現できる。
【0029】
したがって、第1の端末11は、そのウエブブラウザで乗車時閲覧ページP2又は降車時閲覧ページP3を閲覧することにより、前述の機能(読み取り)を具備する。
【0030】
また、前記機能(主に第1の端末11における送信)を実現するための具体的な実施形態として、本システムSでは、図1に示したように、サーバ2内にNodejsによるソケット通信サーバSV2を構築している。
【0031】
そして、本システムSでは、第1の端末11がソケット通信サーバSV2を利用可能とするために、乗車時閲覧ページP2や降車時閲覧ページP3のhtmlヘッダタグ内には、ソケット通信用の基本スクリプトタグとして<script>socket.io.js</script>を記述し、これらのページP2、P3のボディタグ内には、ソケット通信におけるデータ送信用のプログラムコードとしてio().emitを記述してある。
【0032】
これにより、第1の端末11は、そのウエブブラウザで乗車時閲覧ページP2または降車時閲覧ページP3を閲覧することで、送信の機能を具備する。
【0033】
第1の端末11のウエブブラウザで乗車時閲覧ページP2を閲覧している最中に読み取った2次元コードは、同端末11の前記送信機能により、乗車データとして、サーバ2へ送信される。
【0034】
第1の端末11のウエブブラウザで降車時閲覧ページP3を閲覧している最中に読み取った2次元コードは、同端末11の前記送信機能により、降車データとして、サーバ2へ送信される。
【0035】
サーバ2は、第1の端末11から送信されてきた乗車データおよび降車データ(具体的には読み取った2次元コード)や、第2の端末12から送信されてきた後述のゼロ確認データなど、各種データを受信する手段、および、その受信した各種データ(例えば前述の乗車データ、降車データ、ゼロ確認データ)を第1の端末11や第2の端末12、あるいは、後述の幼稚園又は保育園のパソコンやスマートフォン、若しくは保護者のスマートフォン等へ送信する手段として機能する。
【0036】
かかる機能(サーバ2における受信と送信)のうち、受信については、ソケット通信サーバSV2において、データ受信用プログラムコード(io().on)で待ち受けをするものとし、送信については、前述のデータ送信用プログラムコード(io().emit)で送信をするものとしている。
【0037】
第2の端末12は、サーバ2から送信されてきた乗車データ、降車データを受信する手段、受信した乗車データ、降車データに基づいて現在の乗車人数をカウントする手段、乗車人数が0人となったときに初めて、ゼロ確認ボタン4を同端末12の画面に表示する手段、ゼロ確認ボタン4のタップによって同端末12のカメラでバス車両の2次元コードを読み取り可能とする手段、および、読み取ったバス車両の2次元コードをゼロ確認データとしてサーバ2へ送信する手段として機能する。
【0038】
かかる機能(第2の端末12における受信、カウント、表示、読み取り、送信)を実現するための具体的な実施形態として、本システムSでは、前述のウエブサーバSV1上に第2のウエブサイトWS2を設けている。そして、この第2のウエブサイトWS2を第2の端末12のウエブブラウザで閲覧することにより、第2の端末12は、前記機能(第2の端末12における受信、カウント、表示、読み取り、送信)を具備するように構成してある。
【0039】
図2を参照すると、第2のウエブサイトWS2には、運転手閲覧ページP4と置去り確認時閲覧ページP5が設けられている。
【0040】
そして、本システムSでは、第2の端末12が前述のソケット通信サーバSV2を利用可能とする手段として、運転手閲覧ページP4のhtmlヘッダタグ内には、ソケット通信用の基本スクリプトタグ<script>socket.io.js</script>を記述し、同ページP4のボディタグ内には、ソケット通信におけるデータ受信用のプログラムコード(io().on)を記述してある。
【0041】
これにより、第2の端末12は、そのウエブブラウザで運転手閲覧ページP4を閲覧することで、前述の受信の機能を具備する。
【0042】
また、運転手閲覧ページP4のボディタグ内には、JavaScript言語でカウンタが記述されている。これにより、第2の端末12は、そのウエブブラウザで運転手閲覧ページP4を閲覧することで、カウントの機能を具備する。
【0043】
第2の端末12のウエブブラウザで運転手閲覧ページP4を閲覧している最中に、サーバ2から送信された乗車データを受信すると、その都度自動的に、カウンタの値は、現在の乗車人数が1人増えたものとして、インクリメントでカウントアップする。
【0044】
この一方、第2の端末12のウエブブラウザで運転手閲覧ページP4を閲覧している最中に、サーバ2から送信された降車データを受信すると、その都度自動的に、現在の乗車人数が1人減ったものとして、カウンタの値は、デクリメントでカウントダウンするように構成してある。
【0045】
したがって、第2の端末12において受信した乗車データと降車データの数が一致するとき、当該カウンタの値は0になる。カウンタの値が0のとき、現在の乗車人数は0人になる。
【0046】
運転閲覧ページP4には、乗車人数表示欄5(図3を参照)が設けられている。
【0047】
前述の乗車人数は、変数として、乗車人数表示欄5に反映される。したがって、第2の端末12のウエブブラウザで運転手閲覧ページP4を閲覧している最中は、その端末12の画面に最新の乗車人数がリアルタイムで表示される。表示された乗車人数は、前述のカウントアップとカウントダウンに応じて更新される。
【0048】
運転手閲覧ページP4には、ボタン表示エリア6(図3を参照)が設けられている。
【0049】
前述のカウントアップもカウントダウンも行われていない初期状態において、第2の端末12のウエブブラウザで運転手閲覧ページP4を閲覧したときは、カウンタの値は0であり、これに応じて、第2の端末12の画面に表示される乗車人数も0人である。
【0050】
前記のような初期状態のときに、第2の端末12のウエブブラウザで運転手閲覧ページP4を閲覧しても、運転手閲覧ページP4のボタン表示エリア6には、ゼロ確認ボタン4の表示用タグが未だ追記されていない。このため、第2の端末12の画面には、ゼロ確認ボタン4が表示されていない。
【0051】
ところで、第2の端末12のウエブブラウザで運転手閲覧ページP4を閲覧している最中に、前述のカウントアップとカウントダウンが行われ、その結果、カウンタの値が0となったとき、すなわち、乗車人数が0人となったときに、ゼロ確認ボタン4の表示用タグが当該ボタン表示エリア6に追加される。この追加は、カウンタの値が0になったことをトリガとしてJavaScriptによるプログラミングで実現できる。
【0052】
前記のようにゼロ確認ボタン4の表示用タグがボタン表示エリア6に追加されることにより、第2の端末12の画面には、初めてゼロ確認ボタン4が表示される。
【0053】
以上の説明から分かるように、第2の端末12は、そのウエブブラウザで運転手閲覧ページP4を閲覧することによって、ゼロ確認ボタン4を同端末の画面に表示する機能を具備する。
【0054】
ゼロ確認ボタン4には、置去り確認時閲覧ページP5に遷移するためのリンクが貼られており、ゼロ確認ボタンのタップにより、第2の端末12の画面には、置去り確認時閲覧ページP5が表示される。
【0055】
置去り確認時閲覧ページP5は、html言語で記述され、2次元コードの読取り部として、第2の端末12のカメラで撮影した映像が表示される映像表示部3を備えている。また、この置去り確認時閲覧ページP5は、その映像表示部3内に2次元コードが映し出されると、その2次元コードを456等のコードデータとして自動で読み取るように構成してある。この点については、先に説明した乗車時閲覧ページP2や降車時閲覧ページP3と同様である。
【0056】
置去り確認時閲覧ページP5のhtmlヘッダタグ内には、ソケット通信用の基本スクリプトタグとして<script>socket.io.js</script>を記述してあり、同ページP5のボディタグ内には、ソケット通信におけるデータ送信用のプログラムコードとしてio().emitを記述してある。
【0057】
これにより、第2の端末12は、そのウエブブラウザで置去り確認時閲覧ページP5を閲覧することで、前述の送信の機能を具備する。
【0058】
第2の端末12のウエブブラウザで置去り確認時閲覧ページP5を閲覧している最中に読み取った2次元コードは、同端末12の前記送信機能により、ゼロ確認データとしてサーバ2へ送信される。
【0059】
次に、本システムSの動作ないしは使い方について説明する。
【0060】
幼稚園又は保育園のバス車両Bは、定刻になると、出発する。このとき、バス車両Bには運転手と送迎補助者だけが乗車しているものとする。被送迎者は乗車しておらず0人である。
【0061】
また、バス車両Bの出発時に、送迎補助者は第1の端末11を携帯し、運転者は第2の端末12を携帯するものとする。被送迎者となる園児はコードタグTを所持しているものとする。
【0062】
そして、被送迎者の2次元コードを読み取る準備作業として、第1の端末11では、そのウエブブラウザにより、乗車時閲覧ページP2にアクセスし閲覧した状態とするのが好ましい。一方、乗車人数を確認する準備作業として、第2の端末12では、そのウエブブラウザにより、運転手閲覧ページP4にアクセスし閲覧した状態とするのが好ましい。
【0063】
最初のバス停車地で、バス車両Bは一時停車する。このとき、送迎補助者はバス車両Bから降り、バス停車地で待っている被送迎者のコートタグTから第1の端末11で2次元コードを読み取る。被送迎者が複数人の場合は、順番に読み取る。この際、運転者は、第2の端末12で乗車人数のカウントアップを確認してもよい。また、2次元コードの読取りはバス車両Bの中で行ってもよい。
【0064】
送迎補助者による2次元コードの読取りが完了したら、送迎補助者は、被送迎者をバス車両内に誘導し、着席させる。
【0065】
被送迎者の着席を確認したところで、運転者はバス車両Bを出発させ、次のバス停車地へ向かう。次の停車地でも、送迎補助者は、前の停車地と同様の作業、すなわち2次元コードの読取り、読取り完了後の誘導等を行う。
【0066】
最終停車地を出発したバス車両は、幼稚園または保育園に戻って、被送迎者を乗せたまま停車する。その後、停車したバス車両から最初に送迎補助者が降車する。降車した送迎補助者は、バス車両から一人ずつ降車するように注意を喚起する。
【0067】
そして、送迎補助者は、バス車両Bの出入口ドア付近において、最初に降車した被送迎者のコートタグTから2次元コードを第1の端末10で読み取る。この読取りの作業はバス車両Bに乗車している被送迎者全員に対して行う。その間、運転手は、第2の端末12で、乗車人数を確認する。このとき、乗車人数は2次元コードの読取りに応じてカウントダウンする。乗車人数が0人になると、第2の端末12の画面にはゼロ確認ボタン4が表示される。
【0068】
ゼロ確認ボタン4が表示されたら、運転手は、車内後部へ移動し、そこに付されている2次元コードを第2の端末12で読み取る。この移動の際に、車内に被送迎者が置去りとなっていないか、この点をチェックすることは言うまでもない。
【0069】
以上で、バス車両による送迎は完結する。
【0070】
他の実施形態として、2次元コードの中には、被送迎者やバス車両に対応する123やABC等のID情報のほか、被送迎者の氏名やバス車両Bのナンバーなど、被送迎者やバス車両Bを特定する情報(以下「被送迎者等特定情報」という)を含むことができる。
【0071】
この場合、乗車時閲覧ページP2の閲覧により第1の端末11で読み取られる2次元コードの中には被送迎者等特定情報が含まれているので、2次元コードの中から被送迎者等特定情報を抽出して乗車リストを作成し、かかる乗車リストを乗車時閲覧ページP2の一部に表示してもよい。
【0072】
また、2次元コードを受信した第2の端末12では、受信した2次元コードの中から被送迎者等特定情報を抽出して乗車リストを作成し、かかる乗車リストを運転手閲覧ページP4の一部に表示してもよい。
【0073】
前記被送迎者等特定情報を採用した場合には、降車時閲覧ページP2の閲覧により第1の端末11で読み取られる2次元コードの中にも、被送迎者等特定情報が含まれているので、上述した乗車リストの場合と同じく、第2の端末12では、降車リストを作成し、かかる降車リストを降車時閲覧ページP2の一部に表示してもよい。また、2次元コードを受信した第2の端末12では、受信した2次元コードの中から被送迎者等特定情報を抽出して降車リストを作成し、かかる降車リストを運転手閲覧ページP4の一部に表示してもよい。
【0074】
前記のような乗車リストや降車リストを表示する構成を採用した場合、運転手閲覧ページP4の一部には、乗車リストと降車リストの双方が表示される。これとは別の表示構成として、乗車リストだけを表示し、この乗車リストの中から降車した被送迎者等特定情報をその都度削除することにより、乗車人数が0人となったときは乗車リストが空の状態になる表示構成してもよい。
【0075】
このような構成によると、乗車人数が0人の表示と乗車リストが空の状態とが一致するので、0人であることが直感的に分かりやすいと考えられる。
【0076】
さらに、他の実施形態として、先に説明したウエブサーバSV1上に第3のウエブサイトWS3を設け、この第3のウエブサイトWS3(図2参照)に幼稚園又は保育園閲覧ページP6を設けてもよい。この場合、幼稚園又は保育園閲覧ページP6は、運転手閲覧ページP4と同様の受信を可能とするように構成する。
【0077】
これにより、幼稚園又は保育園の担当者側がパソコンやスマートフォン等で幼稚園又は保育園閲覧ページP6を閲覧したときは、ソケット通信によって、第1の端末11からサーバ2経由で送信された乗車データ、降車データをリアルタイムで受信するほか、さらに第2の端末12から同サーバ2経由で送信されたゼロ確認データもリアルタイムで受信するので、リモートでも乗車、降車および置去り確認の状態が手に取るように分かる。
【0078】
また、幼稚園又は保育園閲覧ページP6の他の構成として、例えば、前述のように受信した乗車データ、後者データに基づいて現在の乗車人数を算出し、乗車人数が0人になってから所定時間経過しても、ゼロ確認データを受信していないときは、例えば音声で置去り未確認であることを知らせるなど、人間の五感で認識可能な置去り未確認の警告をする手段(警告手段)を採用することもできる。
【0079】
前記のような警告手段については、後述の保護者閲覧ページP7で採用したり、前述のトップページP1、乗車時閲覧ページP2、降車時閲覧ページP3、あるいは運転手閲覧ページP4で採用したりすることもできる。
【0080】
さらに、前述のウエブサーバSV1上に第4のウエブサイトWS4を設け、この第4のウエブサイトWS4(図2参照)に保護者閲覧ページP7を設けてもよい。この場合、保護者閲覧ページP7もまた、運転手閲覧ページP4や幼稚園又は保育園閲覧ページP6と同様の受信を可能とするように構成する。
【0081】
これにより、被送迎者の保護者がパソコンやスマートフォン等で保護者閲覧ページP7を閲覧することで、その保護者も、乗車、降車、置去り確認の状態が手に取るように分かる。
【0082】
前記保護者閲覧ページP7の他の構成例として(1)保護者閲覧ページP7が乗車時閲覧ページP2等のような映像表示部3を備える構成、(2)その映像表示部3内に2次元コードが映し出されると、その2次元コードを123等のコードデータとして自動で読み取る構成、(3)読み取った2次元コードを記憶する構成、および、(4)第1の端末11からサーバ2経由で乗車データ、降車データとして受信した2次元コードと前記記憶した2次元コードとを比較し、両者が一致する場合に初めて乗車、降車の情報を表示するように構成してもよい。
【0083】
この場合、保護者は、その保護者の園児である被送迎者に付された2次元コードをコピーで所有するものとし、保護者は、自宅で、当該コピーの2次元コードを読み取ることにより、当該保護者の園児に限定して、乗車、降車の情報を取得することが可能となる。他の園児の乗車、降車の情報を取得することはない。
【0084】
本システムSでは、その具体的な構成として、被送迎者の乗車時および降車時に、送迎補助者が第1の端末11のカメラでその被送迎者から2次元コードを読み取る方式を採用することに加えて、さらに(1)乗車人数が0人となったときに初めてゼロ確認ボタン4が第2の端末12の画面に表示される構成、(2)運転手によるゼロ確認ボタン4のタップによって第2の端末12のカメラでバス車両Bの2次元コードを読み取りが可能となる構成、および、(3)その読取りの対象となるバス車両Bの2次元コードは該バス車両Bの車内後部に付される構成を採用した。
【0085】
このため、本システムSによると、バス車両Bでは送迎補助者と運転手によるダブルチェック(具体的には、送迎補助者による2次元コードの読取りと運転手によるゼロ確認ボタン4のタップと2次元コードの読取り)がなされる点で、バス車両B内での園児の置き去りを防止するのに好適である。これに加えてさらに、本システムSでは、(A)乗車人数が0人になる前に、誤ってゼロ確認ボタン4がタップされてしまうといったヒューマンエラーが発生することはない点、(B)運転手は、第2の端末12の画面に表示されたゼロ確認ボタン4をタップしても、車内後部まで移動しなければ、第2の端末12のカメラでバス車両Bの2次元コードを読み取ることができないから、運転手が最後に車内後部まで移動して被送迎者の置き去りがないかどうかを確認する大事な日常作業をうっかり忘れてしまうようなヒューマンエラーが発生し難い点、(C)運転手がバス車両Bの2次元コードを読み取りに行く移動の途中で車内に置き去りにされている被送迎者を発見できる点でも、被送迎者のバス置き去りを発見するのに好適である。
【0086】
また、本システムSによると、第1の端末11や第2の端末12として既存のスマートフォンやタブレット等を採用することができるので、前述の従来システムや従来確認方式に比べ、ゲート装置の購入や設置に要する費用が不要である、または、物理スイッチや通信装置の購入や設置に要する費用が不要である分、比較的安価な初期費用で、被送迎者のバス置き去りを発見するのに好適なバス送迎支援システムを導入できる。
【0087】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により多くの変形が可能である。
【0088】
例えば、前述の本システムSでは、乗車人数が0人となったときに、ゼロ確認ボタン4が第2の端末12の画面に表示される構成を採用したが、これに代えて、そのようなときに、同端末12の画面に表示されている既表示のゼロ確認ボタンのクリックが不可の状態から可能な状態になる構成を採用してもよく、この構成でも前述の本システムと同様な作用効果が得られる。ゼロ確認ボタンのクリックを不可の状態から可能な状態とする方式としては、例えば確認ボタンのタグに設定されているdisabled属性をJavaScriptで有効化する(具体的にはnullの設定)等、周知の手段を採用すればよい。
【0089】
また、本発明は、幼稚園又は保育園に通う園児以外の他の者をバス車両で送迎する場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0090】
S 送迎支援システム(本システム)
1 端末
11 第1の端末
12 第2の端末
2 サーバ
3 映像表示部
4 ゼロ確認ボタン
5 乗車人数表示欄
6 ボタン表示エリア
B バス車両
BT1、BT2 選択ボタン
P1 トップページ
P2 乗車時閲覧ページ
P3 降車時閲覧ページ
P4 運転手閲覧ページ
P5 置去り確認時閲覧ページ
P6 幼稚園又は保育園閲覧ページ
P7 保護者閲覧ページ
SV1 ウエブサーバ
SV2 ソケット通信サーバ
T タグ(コードタグ)
WS1 第1のウエブサイト
WS2 第2のウエブサイト
WS3 第3のウエブサイト
WS4 第4のウエブサイト
図1
図2
図3