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特開2024-46845電力管理装置、電力管理方法及び電力管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046845
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】電力管理装置、電力管理方法及び電力管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20240329BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240329BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20240329BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240329BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240329BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240329BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240329BHJP
【FI】
H02J3/00 180
H02J3/32
H02J3/46
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J7/35 K
H02J13/00 311T
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152172
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】今村 麻美
(72)【発明者】
【氏名】北川 英隆
(72)【発明者】
【氏名】上段 数馬
(72)【発明者】
【氏名】中村 淳
(72)【発明者】
【氏名】山下 知己
(72)【発明者】
【氏名】石原 直樹
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5G503
5L049
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB21
5G064DA05
5G066AA05
5G066HA17
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA01
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503DA07
5G503EA05
5G503GD06
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】蓄電部に蓄電された電力がもたらす利益を向上し得る電力管理装置を提供する。
【解決手段】本電力管理装置は、商用電力系統から供給される電力を蓄電する蓄電部に接続され、負荷に供給する電力を管理する。本電力管理装置は、将来の所定期間における決定された電力取引価格の変動を取得する取得部と、上記負荷の消費電力を測定する測定部と、上記所定期間において実測された上記負荷の上記消費電力、及び上記電力取引価格の変動を基に、上記所定期間における上記蓄電部の充放電量を決定する決定部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電力系統から供給される電力を蓄電する蓄電部に接続され、負荷に供給する電力を管理する電力管理装置であって、
将来の所定期間における決定された電力取引価格の変動を取得する取得部と、
前記負荷の消費電力を測定する測定部と、
前記所定期間において実測された前記負荷の前記消費電力、及び前記電力取引価格の変動を基に、前記所定期間における前記蓄電部の充放電量を決定する決定部と、を備える、
電力管理装置。
【請求項2】
前記電力管理装置には、さらに、自然エネルギーを基に発電する発電部が接続され、
前記決定部は、前記所定期間において実測された前記発電部による発電量、前記所定期間において実測された前記負荷の前記消費電力、及び前記電力取引価格の変動を基に、前記所定期間における前記蓄電部の充放電量を決定する、
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記発電部による前記発電量が前記消費電力以上であり、かつ、前記電力取引価格が所定の閾値以下の場合、前記発電量から前記消費電力を減算した分の電力を前記発電部から前記蓄電部に蓄電させる、
請求項2に記載の電力管理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記発電部による前記発電量が前記消費電力以上であり、かつ、前記電力取引価格が所定の閾値より大きい場合、前記発電量から前記消費電力を減算した分の電力が売電されるように前記蓄電部の放電量を決定する、
請求項2に記載の電力管理装置。
【請求項5】
前記測定部は、前記商用電力系統から電力の供給を前記負荷が受ける受電点を流れる電流を測定し、
前記決定部は、前記受電点を流れる電流が予め記憶部に記憶された契約電流以下となるように、前記蓄電部の前記放電量を制限する、
請求項4に記載の電力管理装置。
【請求項6】
前記測定部は、前記商用電力系統から電力の供給を前記負荷が受ける受電点を流れる電力を測定し、
前記決定部は、前記受電点を流れる電流が予め記憶部に記憶された契約電流以下となるように、前記蓄電部の充電量を制限する、
請求項2に記載の電力管理装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記発電部による前記発電量が前記消費電力より低く、かつ、前記電力取引価格が所定の閾値以下の場合、前記消費電力から前記発電量を減算した分の電力を前記商用電力系統から前記負荷に供給させる、
請求項2から6のいずれか一項に記載の電力管理装置。
【請求項8】
負荷に供給する電力を管理する電力管理方法であって、
商用電力系統から供給される電力を蓄電する蓄電部に接続されたコンピュータが、
将来の所定期間における決定された電力取引価格の変動を取得する取得ステップと、
前記所定期間において測定された前記負荷の消費電力、及び前記電力取引価格の変動を基に、前記所定期間における前記蓄電部の充放電量を決定する決定ステップと、を実行する、
電力管理方法。
【請求項9】
負荷に供給する電力を管理する電力管理方法であって、
商用電力系統から供給される電力を蓄電する蓄電部に接続されたコンピュータに、
将来の所定期間における決定された電力取引価格の変動を取得する取得ステップと、
前記所定期間において測定された前記負荷の消費電力、及び前記電力取引価格の変動を基に、前記所定期間における前記蓄電部の充放電量を決定する決定ステップと、を実行させる、
電力管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理装置、電力管理方法及び電力管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電パネルによって発電された電力を蓄電池に蓄電し、商用電力系統から受ける電力と蓄電池に蓄電された電力とを負荷に供給する電力供給システムが利用されている。このような電力供給システムで使用される蓄電池の充放電量は、太陽光発電パネルによる発電量と需要家による消費電力の予測値とに基づいて決定されたり(例えば、特許文献1参照)、蓄電池の充電率(SOC)によって決定されたり(例えば、特許文献2参照)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/026874号
【特許文献2】特許第6525066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電池から放電した電力を売電したり、商用電力系統から買電した電力を蓄電池に蓄電したりすることが行われている。このような蓄電池からの放電や蓄電池への蓄電は、例えば、電力会社等からの指示に応じて行われる。
【0005】
ところで、電力取引市場における電力の取引価格は変動するため、取引価格が高いときに蓄電池からより多くの電力を放電して売電したり、取引価格が安いときに商用電力系統からより多くの電力を買電して蓄電池を蓄電することで、電力供給システムの利用者の利益を向上させることができる。しかしながら、蓄電池からの放電量や蓄電池への充電量を取引価格を考慮して決定する技術は提案されていなかった。
【0006】
開示の技術の1つの側面は、蓄電部に蓄電された電力がもたらす利益を向上し得る電力管理装置、電力管理方法及び電力管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の1つの側面は、次のような電力管理装置によって例示される。本電力管理装置は、商用電力系統から供給される電力を蓄電する蓄電部に接続され、負荷に供給する電力を管理する。本電力管理装置は、将来の所定期間における決定された電力取引価格の変動を取得する取得部と、上記負荷の消費電力を測定する測定部と、上記所定期間において実測された上記負荷の上記消費電力、及び上記電力取引価格の変動を基に、上記所定期間における上記蓄電部の充放電量を決定する決定部と、を備える。
【0008】
上記電力管理装置によれば、上記取得部によって取得された上記電力取引価格の変動及び上記測定部によって測定された上記負荷の上記消費電力を基に、上記蓄電部の充放電量が決定される。上記電力管理装置によれば、上記電力取引価格の高低のみならず、上記負荷の上記消費電力も考慮して上記蓄電部の充放電量が決定されるため、上記蓄電部に蓄電された電力がもたらす利益を向上し得る。
【0009】
上記電力管理装置は、次の特徴を備えてもよい。上記電力管理装置には、さらに、自然エネルギーを基に発電する発電部が接続され、上記決定部は、上記所定期間において実測
された上記発電部による発電量、上記所定期間において実測された上記負荷の上記消費電力、及び上記電力取引価格の変動を基に、上記所定期間における上記蓄電部の充放電量を決定する。上記発電部は、自然エネルギーを基に発電することから、発電量が変動しやすい。上記電力管理装置によれば、上記所定期間において実測された上記発電部による発電量も考慮して上記蓄電部の充放電量が決定されるため、発電量が変動しやすい上記発電部が含まれる場合でも、上記蓄電部に蓄電された電力がもたらす利益を向上し得る。
【0010】
上記電力管理装置は、次の特徴を備えてもよい。上記決定部は、上記発電部による発電量が上記消費電力以上であり、かつ、上記電力取引価格が所定の閾値以下の場合、上記発電量から上記消費電力を減算した分の電力を上記発電部から上記蓄電部に蓄電させる。上記電力取引価格が上記所定の閾値以下である場合、上記発電部によって発電された電力を売電しても得られる利益は低いと考えられる。このような場合、上記発電部によって発電された電力を上記蓄電部に蓄電しておくことで、上記負荷によって消費される電力を確保しつつ、上記電力取引価格が高くなったタイミングでの売電が可能となる。
【0011】
上記電力管理装置は、次の特徴を備えてもよい。上記決定部は、上記発電部による発電量が上記消費電力以上であり、かつ、上記電力取引価格が所定の閾値より大きい場合、上記発電量から上記消費電力を減算した分の電力が売電されるように上記蓄電部の放電量を決定する。上記電力管理装置は、このような特徴を備えることで、上記負荷によって消費される電力を確保しつつ、上記電力取引価格が高いタイミングでの売電を可能とする。
【0012】
上記電力管理装置は、次の特徴を備えてもよい。上記測定部は、上記商用電力系統から電力の供給を上記負荷が受ける受電点を流れる電流を測定し、上記決定部は、上記受電点を流れる電流が予め記憶部に記憶された契約電流以下となるように、上記蓄電部の上記放電量を制限する。また、上記電力管理装置は、次の特徴を備えてもよい。上記測定部は、上記商用電力系統から電力の供給を上記負荷が受ける受電点を流れる電力を測定し、上記決定部は、上記受電点を流れる電流が予め記憶部に記憶された契約電流以下となるように、上記蓄電部の充電量を制限する。上記受電点を流れる電流が契約電流を超過すると電気料金の単価が上昇することがある。上記電力管理装置は、このような特徴を備えることで、このような電気料金の単価の上昇を抑制できる。
【0013】
上記電力管理装置は、次の特徴を備えてもよい。上記決定部は、上記発電部による発電量が上記消費電力より低く、かつ、上記電力取引価格が所定の閾値以下の場合、上記消費電力から上記発電量を減算した分の電力を上記商用電力系統から上記負荷に供給させる。上記電力管理装置は、このような特徴を備えることで、上記電力取引価格が安いタイミングで買電できるとともに、必要以上の買電を抑制できる。
【0014】
開示の技術は、電力管理方法及び電力管理プログラムの側面から把握することも可能である。
【発明の効果】
【0015】
開示の技術によれば、蓄電部に蓄電された電力がもたらす利益を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態に係る電力管理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、コントローラのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るコントローラの処理ブロックの一例を示す図である。
図4図4は、決定部によって充放電量を決定する際に用いられる充放電量テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、電力の取引価格、負荷の消費電力及び太陽光発電パネルの発電電の変動の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態におけるコントローラによる充放電の指示を行う処理の処理フローの一例を示す第1の図である。
図7図7は、実施形態におけるコントローラによる充放電の指示を行う処理の処理フローの一例を示す第2の図である。
図8図8は、実施形態におけるコントローラによる充放電量を決定する処理の処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<適用例>
以下、本発明の適用例について、図面を参照して説明する。本発明は、例えば、図1に一例を示す電力管理システム1に適用される。電力管理システム1は、コントローラ10、PCS21、蓄電池22、PCS23及び太陽光発電パネル24を備える。PCS21は蓄電池22を制御し、PCS23は太陽光発電パネル24を制御する。また、電力管理システム1には、商用電力系統40が接続される。電力管理システム1は、商用電力系統40と連系して負荷30に電力を供給する。
【0018】
コントローラ10は、電力の取引価格を電力取引装置50から取得する。電力取引装置50は、例えば、電力の売買を管理する情報処理装置である。電力の取引価格は、例えば、前日に決定される。すなわち、コントローラ10は、電力取引装置50から将来の所定期間における電力の取引価格を取得する。また、コントローラ10は、PCS23から太陽光発電パネル24による発電量を取得する。さらに、コントローラ10は、負荷30の消費電力を測定する。そして、コントローラ10は、電力取引装置50から取得した電力の取引価格とPCS23から取得した太陽光発電パネル24による発電量と負荷30の消費電力とを基に、蓄電池22の充放電量を決定する。
【0019】
コントローラ10は、例えば、電力の取引価格が高い場合、蓄電池22に蓄電された電力を決定した充放電量だけ放電させる。蓄電池22に放電させた電力は、電力の取引市場に売電されればよい。また、コントローラ10は、例えば、電力の取引価格が安く、負荷30の消費電力に対して太陽光発電パネル24による発電量に余裕が無い場合、決定した充放電量だけ商用電力系統40から買電する。そして、コントローラ10は、買電した電力を蓄電池22に蓄電させればよい。電力管理システム1は、このような処理により、蓄電池22に蓄電された電力がもたらす利益を向上させることができる。
【0020】
<実施形態>
以下、図面を参照して電力管理システム1についてさらに説明する。図1は、実施形態に係る電力管理システム1の構成の一例を示す図である。電力管理システム1は、例えば、住宅や店舗等に設置され、住宅や店舗内に設置された空気調和機及び冷蔵庫等によって例示される負荷30に商用電力系統40と連系して電力を供給する。また、電力管理システム1は、商用電力系統40の管理装置41から受ける充放電の指令にしたがって蓄電池22からの充放電を行う。なお、管理装置41は、例えば、アグリゲータによって設置された情報処理装置である。
【0021】
コントローラ10は、情報処理装置である。コントローラ10は、太陽光発電パネル24による発電量をPCS23を介して取得する。コントローラ10は、さらに、受電点2の上流側(商用電力系統40側)に設けられた電流計3から受電点2における電力を取得し、負荷30の消費電力を測定する。なお、コントローラ10は、クラウドシステムによって実現されてもよい。
【0022】
コントローラ10は、商用電力系統40の管理装置41から充放電の指令を受信する。コントローラ10は、管理装置41からの充放電の指令にしたがって蓄電池22からの放電及び蓄電池22への充電を行う。なお、管理装置41からの充放電の指令には、充放電量の指定は含まれない。そこで、コントローラ10は、後述の処理によって蓄電池22の充放電量を決定する。コントローラ10は、充放電の指示及び決定した充放電量をPCS21に通知する。コントローラ10は、「電力管理装置」の一例である。
【0023】
太陽光発電パネル24は、太陽光を電力に変換する太陽電池を用いて発電する発電機である。太陽光発電パネル24は、例えば、住宅や店舗の屋根に設置される。太陽光発電パネル24は、PCS23に接続される。太陽光発電パネル24によって発電可能な発電量は、天候等の影響により変動する。太陽光発電パネル24によって発電された電力は、PCS23からの指示に応じて負荷30に供給されたり、蓄電池22に蓄電されたりする。太陽光発電パネル24は、「発電部」の一例である。
【0024】
蓄電池22は、太陽光発電パネル24によって発電された電力や商用電力系統40から買電した電力を蓄電する。蓄電池22は、PCS21に接続される。蓄電池22に蓄電された電力は、PCS20からの指示に応じて負荷30へ供給されたり、商用電力系統40に売電されたりする。蓄電池22は、「蓄電部」の一例である。
【0025】
PCS21及びPCS23は、パワーコンディショナである。PCS21には蓄電池22が接続され、PCS23には太陽光発電パネル24が接続される。PCS21は、蓄電池22の充放電を制御する。PCS21は、例えば、蓄電池22に蓄電された電力を負荷30に供給する。また、PCS21は、例えば、商用電力系統40から買電された電力を蓄電池22に蓄電させる。また、PCS21は、コントローラ10から充放電の指示を受けた場合には、当該指示にしたがって蓄電池22の充放電を行う。また、PCS21は、蓄電池22の充電率をネットワークN1を介してコントローラ10に通知してもよい。
【0026】
PCS23は、太陽光発電パネル24によって発電された電力の出力先を制御する。PCS23は、例えば、太陽光発電パネル24によって発電された電力を負荷30に供給させる。また、PCS23は、例えば、太陽光発電パネル24によって発電された電力を蓄電池22に蓄電させる。また、PCS23は、太陽光発電パネル24の発電量をネットワークN1を介してコントローラ10に通知してもよい。
【0027】
ネットワークN1は、コントローラ10とPCS21及び蓄電池22を接続するコンピュータネットワークである。ネットワークN2は、商用電力系統40の管理装置41とコントローラ10とを接続するコンピュータネットワークである。ネットワークN3は、コントローラ10と電力取引装置50とを接続するコンピュータネットワークである。
【0028】
<コントローラ10のハードウェア構成>
図2は、コントローラ10のハードウェア構成の一例を示す図である。コントローラ10は、CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104及び接続バスB1を備える。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103及び通信部104は、接続バスB1によって相互に接続される。
【0029】
CPU101は、マイクロプロセッサーユニット(MPU)、プロセッサーとも呼ばれる。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサー、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサー、ベクトルプロセッサー、画像処理プロセッサー等の専用プロセッサーで行われてもよい。また
、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。CPU101は、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラーユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。コントローラ10では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、コントローラ10は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、CPU101が読み取り可能な記録媒体である。
【0030】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0031】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続されるPCS20等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置及び外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部103は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0032】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。また、補助記憶部103は、例えば、Compact Disc(CD)ドライブ装置、Digital Versatile Disc(DVD)ドライブ装置、Blu-ray(登録商標) Disc(BD)ドライブ装置等である。また、補助記憶部103は、Network Attached Storage(NAS)あるいはStorage Area Network(SAN)によって提供されてもよい。
【0033】
通信部104は、例えば、ネットワークN1、ネットワークN2及びネットワークN3とのインターフェースである。通信部104は、ネットワークN1、ネットワークN2及びネットワークN3を介して外部の装置と通信を行う。
【0034】
<コントローラ10の処理ブロック>
図3は、実施形態に係るコントローラ10の処理ブロックの一例を示す図である。コントローラ10は、第1取得部11、第2取得部12、測定部13、受付部14及び決定部15を備える。コントローラ10は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記コントローラ10の、第1取得部11、第2取得部12、測定部13、受付部14及び決定部15等の各部としての処理を実行する。
【0035】
第1取得部11は、電力取引装置50から電力の取引価格を取得する。電力取引装置50では、例えば、翌日における電力の取引価格が決定される。すなわち、第1取得部11は、翌日において電力が売買される際の取引価格の変動を取得することになる。第2取得部12は、PCS23から太陽光発電パネル24によって現在発電されている発電量を取得する。第1取得部11は、「取得部」の一例である。
【0036】
測定部13は、受電点2における電力を測定することで負荷30の現在の消費電力を測定する。受付部14は、管理装置41からの充放電の指令を受け付ける。また、受付部14は、管理装置41または電力管理システム1のユーザから充放電の条件(図4参照)の設定を受け付けてもよい。設定された充放電の条件は、例えば、補助記憶部103に記憶される。測定部13は、「測定部」の一例である。
【0037】
決定部15は、第1取得部11によって前日に取得された本日の取引価格と第2取得部12によって取得された太陽光発電パネル24の発電量と測定部13によって測定された負荷30の消費電力とを基に、蓄電池22の充放電量を決定する。決定部15は、決定した充放電量の充放電を蓄電池22が行うようにPCS21に指令を出力する。PCS21は、決定部15から受けた指示にしたがった充放電を蓄電池22に実行させる。決定部15は、「決定部」の一例である。
【0038】
ここで、蓄電池22の充電率が高い状態では、蓄電池22への蓄電を行うことは難しくなる。また、蓄電池22の充電率が低い状態では、蓄電池22からの放電を行うことは難しくなる。そこで、決定部15は、第1取得部11によって取得された電力の取引価格の変動を基に、蓄電池22の充電率が所望の充電率となるように蓄電池22の充放電の量を決定してもよい。
【0039】
決定部15は、例えば、電力の取引価格が所定の価格よりも高くなる前に蓄電池22の充電率が高くなる(例えば、充電率が90%以上となる)ように、蓄電池22の充放電量を決定してもよい。また、決定部15は、例えば、電力の取引価格が所定の価格よりも低くなる前に蓄電池22の充電率が低くなる(例えば、充電率が5%以下となる)ように、蓄電池22の充放電量を決定してもよい。このように蓄電池22の充電率が制御されることで、取引価格が高い状態における蓄電池22に蓄電された電力の売電や、取引価格が安い状態において商用電力系統から買電した電力を蓄電池22に蓄電させることが可能となる。
【0040】
図4は、決定部15によって充放電量を決定する際に用いられる充放電量テーブル151の一例を示す図である。充放電量テーブル151は、例えば、補助記憶部103に記憶される。充放電量テーブル151は、「充放電」、「条件」、「決定方法」の各項目を含む。「充放電」には、充電または放電を示す情報が格納される。「条件」には、充放電を行う際に設定される条件を示す情報が格納される。「決定方法」には、充放電量の決定方法を示す情報が格納される。充電または放電の指定は、例えば、管理装置41からコントローラ10への充放電指令によって指定される。
【0041】
なお、充放電量テーブル151の「条件」のうち、例えば、「指定電力」、「最大定格」、「受電点一定」及び「負荷消費分」の指定は、受付部14によって受け付けられて補助記憶部103に記憶されてもよい。また、「指定電力」、「最大定格」、「受電点一定」及び「負荷消費分」の指定は、管理装置41からの充放電の指令に含まれてもよい。また、「条件」のうち、「PV不足」及び「PV余剰」のいずれの条件を充足するかは、例えば、第2取得部12によって取得された太陽光発電パネル24の発電量及び測定部13によって測定された負荷30の消費電力を基に決定部15によって判定される。指定された条件(例えば、「指定電力」)と判定された条件(例えば、「PV不足」)のいずれを優先して「決定方法」を決定部15が選択するかの指定は、コントローラ10の補助記憶部103に記憶されればよい。なお、「指定電力」、「最大定格」、「受電点一定」及び「負荷消費分」のいずれも指定されなかった場合には、決定部15は判定された条件を基に「決定方法」を選択すればよい。
【0042】
決定部15は、例えば、管理装置41から放電指令を受け、指定電力の条件が設定され
た場合、指定された電力を蓄電池22に放電させる。決定部15は、例えば、管理装置41から放電指令を受け、最大定格の条件が設定された場合、蓄電池22の最大定格で蓄電池22に放電させる。決定部15は、例えば、管理装置41から放電指令を受け、受電点一定の条件が設定された場合、受電点2を流れる電流が電力管理システム1のユーザが契約した契約電流以下となるように、蓄電池22に放電させる電力量を決定する。契約電流は、例えば、補助記憶部103に予め記憶される。
【0043】
決定部15は、例えば、管理装置41から放電指令を受け、太陽光発電パネル24によって発電される電力が負荷30の消費電力に満たない場合、負荷30の消費電力から太陽光発電パネル24の発電電力を減算した分の電力を蓄電池22に放電させる。決定部15は、例えば、管理装置41から放電指令を受け、太陽光発電パネル24によって発電される電力が負荷30の消費電力以上である場合、太陽光発電パネル24の発電電力から負荷30の消費電力を減算した分の電力を蓄電池22に放電させる。
【0044】
決定部15は、例えば、管理装置41から充電指令を受け、指定電力の条件が設定された場合、商用電力系統40から供給される電力及び太陽光発電パネル24の発電電力のうち指定された電力を蓄電池22に蓄電させる。決定部15は、例えば、管理装置41から充電指令を受け、最大定格の条件が設定された場合、蓄電池22の最大定格で蓄電池22に充電させる。決定部15は、例えば、管理装置41から充電指令を受け、受電点一定の条件が設定された場合、受電点2を流れる電流が電力管理システム1のユーザが契約した契約電流以下となるように、蓄電池22に充電させる電力量を決定する。
【0045】
決定部15は、例えば、管理装置41から充電指令を受け、太陽光発電パネル24によって発電される電力が負荷30の消費電力以上である場合、太陽光発電パネル24の発電電力から負荷30の消費電力を減算した分の電力を太陽光発電パネル24から蓄電池22に蓄電させる。決定部15は、例えば、管理装置41から充電指令を受け、太陽光発電パネル24によって発電される電力が負荷30の消費電力に満たない場合、負荷30の消費電力から太陽光発電パネル24の発電電力を減算した分の電力を蓄電池22に放電させる。
【0046】
ここで、決定部15による充放電を決定する処理の一例について図5を参照して説明する。図5は、電力の取引価格、負荷30の消費電力及び太陽光発電パネル24の発電電力(図5では、「PV発電電力」と記載)の変動の一例を示す図である。図5の横軸は時間を例示する。また、図5の縦軸は、電力の取引価格、負荷30の消費電力及び太陽光発電パネル24の発電電力を例示する。図5には、ある日(以下、A日とする)における電力の取引価格、負荷30の消費電力及び太陽光発電パネル24の発電電力の変動が例示される。また、図5には、決定部15による取引価格の高低の判定に用いられる閾値σ1も例示される。図5を参照して、決定部15による充放電量の決定の一例について説明する。
【0047】
例えば、日本卸電力取引所(JEPX)によって翌日の取引価格が決定される。図5には、A日の前日((A-1)日)において第1取得部11によって電力取引装置50から取得されたA日の電力の取引価格が例示される。すなわち、図5に例示される電力の取引価格のA日における変動は、予め決定されたものである。A日は、(A-1)日に対する「将来の所定期間」の一例である。
【0048】
PV発電電力は、太陽光発電パネル24によって発電される電力である。PV発電電力は、第2取得部12によってPCS23から取得される。消費電力は、測定部13によって測定される負荷30の消費電力である。すなわち、PV発電電力及び消費電力は、実測値である。
【0049】
決定部15は、電力の取引価格、PV発電電力及び負荷30の消費電力に基づいて、蓄電池22の充放電量を決定する。例えば、図5のR1で示される時間帯では、取引価格が閾値σ1よりも高い。そのため、蓄電池22に蓄電された電力を放電する。そこで、決定部15は、R1で示される時間帯に管理装置41から放電指令を受けると、蓄電池22に蓄電された電力を放電する。
【0050】
図5のR2で示される時間帯では、PV発電量が消費電力よりも高い一方で、取引価格が閾値σ1よりも低い。そのため、蓄電池22に蓄電された電力が放電されて売却されても得られる利益は低くなる。そこで、決定部15は、R2で示される時間帯に充電指令を管理装置41から受けた場合には、「充放電」が「充電」かつ「条件」が「PV余剰」に対応する電力量の決定方法を充放電量テーブル151から取得する。すなわち、決定部15は、太陽光発電パネル24によって発電される電力から負荷30の消費電力を減算した分の電力(太陽光発電パネル24の余剰分)を蓄電池22に蓄電させる。
【0051】
図5のR3で示される時間帯では、PV発電量が消費電力よりも高く、取引価格が閾値σ1よりも高い。そのため、太陽光発電パネル24によって発電された電力の余剰分を放電して売却することで高い利益を得ることができる。そこで、決定部15は、R3で示される時間帯に「条件」として「最大定格」を指定する放電指令を管理装置41から受けた場合には、「充放電」が「放電」かつ「条件」が「最大定格」に対応する電力量の決定方法を充放電量テーブル151から取得する。すなわち、決定部15は、蓄電池22から最大定格で放電させることを決定する。蓄電池22から電力が放電されることで、例えば、電力取引市場への売電が可能となる。
【0052】
図5のR4で示される時間帯では、PV発電量が消費電力よりも低い一方で、取引価格が閾値σ1よりも高い。取引価格が閾値σ1よりも高いことから、商用電力系統40からの電力の購入が抑制された方が好ましい。そこで、決定部15は、R4で示される時間帯に放電指令を管理装置41から受けた場合には、「充放電」が「放電」かつ「条件」が「PV不足」に対応する電力量の決定方法を充放電量テーブル151から取得する。すなわち、決定部15は、負荷30による消費電力から太陽光発電パネル24によって発電される電力を減算した分の電力を蓄電池22に放電させることを決定する。蓄電池22に放電させた電力は、例えば、負荷30に供給されればよい。なお、決定部15は、蓄電池22に蓄電された電力が負荷30の供給に不足する場合には、商用電力系統40から電力を購入し、購入した電力を負荷30に供給することを決定してもよい。
【0053】
なお、電力管理システム1のユーザと商用電力系統40とが契約した電流の上限を受電点2を流れる電流が超過すると電気料金の単価が上昇することがある。そこで、決定部15は、受電点2を流れる電流が予め補助記憶部103に記憶した上限値以下となるように、商用電力系統40と売買する電力の電力量を調整してもよい。
【0054】
<コントローラ10の処理フロー>
図6及び図7は、実施形態におけるコントローラ10による充放電の指示を行う処理の処理フローの一例を示す図である。図6の「A」は、図7の「A」に接続する。以下、図6及び図7を参照して、コントローラ10による充放電の指示を行う処理の処理フローの一例について説明する。
【0055】
ステップS1では、コントローラ10は、管理装置41から放電の指令を受けたか充電の指令を受けたかを判定する。放電の指令を受けた場合(ステップS1で放電指令)、処理はステップS2に進められる。充電の指令を受けた場合(ステップS1で充電指令)、処理はステップS5に進められる。
【0056】
ステップS2では、決定部15は、閾値σ1よりも取引価格が高いか否かを判定する。第1取得部11は、電力取引装置50から電力の取引価格を取得する。決定部15は、閾値σ1と第1取得部11によって取得された電力の取引価格とを比較する。閾値σ1よりも取引価格が高い場合(ステップS2でYES)、処理はステップS3に進められる。閾値σ1よりも取引価格が高くない場合(ステップS2でNO)、蓄電池22からの放電は行われずに処理は終了される。ステップS2の処理は、「取得ステップ」の一例である。
【0057】
ステップS3では、決定部15は、蓄電池22から放電して売電する電力量を決定する。電力量を決定する処理の詳細については、図8を参照して後述する。ステップS3の処理は、「決定ステップ」の一例である。
【0058】
ステップS4では、決定部15は、閾値σ1よりも取引価格が高いタイミングでステップS3で決定した電力量分の電力を蓄電池22に放電させるように、PCS21に対して指示する。
【0059】
ステップS5では、決定部15は、閾値σ1よりも取引価格が低いか否かを判定する。第1取得部11は、電力取引装置50から電力の取引価格を取得する。決定部15は、閾値σ1と第1取得部11によって取得された電力の取引価格とを比較する。閾値σ1よりも取引価格が低い場合(ステップS5でYES)、処理はステップS6に進められる。閾値σ1よりも取引価格が低くない場合(ステップS5でNO)、処理はステップS8に進められる。
【0060】
ステップS6では、決定部15は、第1の時間帯(例えば、2時から10時)における取引価格と、第1の時間帯の後の第2の時間帯(例えば、10時から18時)における取引価格との差が所定の閾値以下であるか否かを判定する。所定の閾値以下である場合(ステップS6でYES)、処理はステップS7に進められる。所定の閾値より大きい場合(ステップS6でNO)、処理はステップS9に進められる。
【0061】
ステップS7では、決定部15は、蓄電池22に蓄電する電力量を決定する。電力量を決定する処理の詳細については、図8を参照して後述する。ステップS7の処理は、「決定ステップ」の一例である。
【0062】
ステップS8では、決定部15は、第1の時間帯に商用電力系統40からステップS7で決定した電力量分の電力を買電し、買電した電力を蓄電池22に蓄電するように、PCS21に対して指示する。
【0063】
ステップS9では、決定部15は、太陽光発電パネル24による発電量に余剰分が存在するか否かを判定する。すなわち、決定部15は、太陽光発電パネル24による発電量が負荷30の消費電力より大きいか否かを判定する。余剰分が存在する場合(ステップS9でYES)、処理はステップS10に進められる。余剰分が存在しない場合(ステップS9でNO)、処理は終了される。
【0064】
ステップS10では、決定部15は、蓄電池22に蓄電する電力量を決定する。電力量を決定する処理の詳細については、図8を参照して後述する。ステップS10の処理は、「決定ステップ」の一例である。
【0065】
ステップS11では、決定部15は、太陽光発電パネル24による発電量のうちステップS10で決定した電力量分の電力を蓄電池22に蓄電するように、PCS21に対して指示する。
【0066】
図8は、実施形態におけるコントローラ10による充放電量を決定する処理の処理フローの一例を示す図である。以下、図8を参照して、コントローラ10による充放電量を決定する処理の処理フローの一例について説明する。
【0067】
ステップS21では、測定部13は、受電点2の電力を測定する。ステップS22では、決定部15は、補助記憶部103に記憶された充放電の条件を取得する。
【0068】
ステップS23では、決定部15は、充放電量テーブル151を参照して、充放電量を決定する。決定部15は、例えば、管理装置41から放電指令を受けるとともに、ステップS22で受電点一定の条件が受け付けられた場合、充放電量テーブル151から「充放電」が「放電」、「条件」が「受電点一定」に対応する「決定方法」を取得する。そして、決定部15は、ステップS21で測定された電力からステップS22で指定された指定電力を減算した分の電力を蓄電池22から放電させることを決定し、当該決定をPCS21に通知する。
【0069】
<実施形態の作用効果>
本実施形態では、第1取得部11によって取得された電力の取引価格の変動、測定部13によって測定された負荷30の消費電力及び第2取得部12によって取得された太陽光発電パネル24の発電量を基に、蓄電池22の充放電量が決定される。本実施形態によれば、電力の取引価格の高低のみならず、負荷30の消費電力や太陽光発電パネル24の発電量も考慮して蓄電池22の充放電量が決定されるため、蓄電池22に蓄電された電力がもたらす利益を向上し得る。なお、電力管理システム1から太陽光発電パネル24が省略されてもよく、この場合、第1取得部11によって取得された電力の取引価格の変動、及び、測定部13によって測定された負荷30の消費電力を基に、蓄電池22の充放電量が決定されればよい。
【0070】
本実施形態では、例えば、決定部15は、太陽光発電パネル24による発電量が負荷30の消費電力以上であり、かつ、電力の取引価格が閾値σ1以下の場合、太陽光発電パネル24の発電量から負荷30の消費電力を減算した分の電力を太陽光発電パネル24から蓄電池22に蓄電させる。電力の取引価格が閾値σ1以下である場合、太陽光発電パネル24によって発電された電力を売電しても得られる利益は低いと考えられる。このような場合、太陽光発電パネル24によって発電された電力を蓄電池22に蓄電しておくことで、負荷30によって消費される電力を確保しつつ、電力の取引価格が高くなったタイミングでの売電が可能となる。
【0071】
本実施形態では、決定部15は、太陽光発電パネル24による発電量が負荷30の消費電力以上であり、かつ、電力の取引価格が閾値σ1より大きい場合、太陽光発電パネル24による発電量から負荷30の消費電力を減算した分の電力を売電させる。売電する電力は、太陽光発電パネル24によって発電された電力であってもよいし、蓄電池22に蓄電された電力であってもよい。本実施形態によれば、負荷30によって消費される電力を確保しつつ、電力の取引価格が高いタイミングで売電できる。
【0072】
本実施形態では、測定部13は受電点2を流れる電流を測定し、決定部15は、受電点2を流れる電流が予め補助記憶部103に記憶された契約電流以下となるように、売電する電力を制限する。また、本実施形態では、測定部13は受電点2を流れる電力を測定し、決定部15は、受電点2を流れる電流が予め記憶部に記憶された契約電流以下となるように、買電する電力を制限する。受電点2を流れる電流が契約電流を超過すると電気料金の単価が上昇することがある。本実施形態によれば、このような電気料金の単価の上昇を抑制できる。また、本実施形態によれば、電気自動車を充電する場合のように大電流を用いる場合でも、受電点2を流れる電流を契約電流以下とすることができる。
【0073】
本実施形態では、決定部15は、太陽光発電パネル24による発電量が負荷30の消費電力より低く、かつ、電力の取引価格が閾値σ1以下の場合、負荷30の消費電力から太陽光発電パネル24の発電量を減算した分の電力を商用電力系統40から買電し、買電した電力を負荷30に供給させる。本実施形態によれば、電力の取引価格が安いタイミングで買電できるとともに、必要以上の買電を抑制できる。
【0074】
<変形例>
以上説明した実施形態では、コントローラ10は管理装置41からの充電指令または放電指令にしたがって、蓄電池22からの充放電を行った。しかしながら、コントローラ10は、管理装置41からの充電指令または放電指令を受けずに、蓄電池22からの充電または放電を実行してもよい。この場合、決定部15は、例えば、電力の取引価格が閾値σ1以上である場合には蓄電池22から放電した電力の売電を決定し、電力の取引価格が閾値σ1未満の場合には商用電力系統40から買電した電力の蓄電池22への蓄電を決定してもよい。
【0075】
以上説明した実施形態では、電力取引装置50によって翌日の電力の取引価格が決定されることから、第1取得部11は電力取引装置50から翌日の電力の取引価格を取得する。しかしながら、第1取得部11は翌日の電力の取引価格を取得することに限定されない。第1取得部11は、例えば、電力取引装置50によって1時間後の取引価格が決定される場合には、1時間後の取引価格を取得してもよい。すなわち、第1取得部11は、電力取引装置50によって決定された将来の所定期間における電力の取引価格を取得すればよい。
【0076】
以上説明した実施形態では、決定部15は、閾値σ1を基に取引価格が高いか低いかを判定する。しかしながら、取引価格の高低の判定には複数の閾値が用いられてもよい。決定部15は、例えば、閾値σ1よりも取引価格が高い場合には図6のステップS2の判定で肯定判定(ステップS2でYES)を行い、閾値σ1よりも取引価格が低い場合には図6のステップS2の判定で否定判定(ステップS2でNO)を行ってもよい。また、決定部15は、閾値σ1よりも低い閾値σ2よりも取引価格が低い場合には図7のステップS5の判定で肯定判定(ステップS5でYES)を行い、閾値σ2よりも取引価格が高い場合には図7のステップS5の判定で否定判定(ステップS5でNO)を行ってもよい。
【0077】
以上説明した実施形態では、太陽光発電パネル24が採用されたが、太陽光発電パネル24以外の風力発電機や水力発電機等の自然エネルギーを基に発電する様々な発電機が採用されてもよい。
【0078】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0079】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0080】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compa
ct Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリー、外付け型のハードディスクドライブやSolid State Drive(SSD)等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体として内蔵型のハードディスクドライブ、SSDやROM等がある。
【0081】
<付記>
商用電力系統(40)から供給される電力を蓄電する蓄電部(22)に接続され、負荷(30)に供給する電力を管理する電力管理装置(10)であって、
将来の所定期間における決定された電力取引価格の変動を取得する取得部(11)と、
前記負荷(30)の消費電力を測定する測定部(13)と、
前記所定期間において実測された前記負荷(30)の消費電力及び前記電力取引価格の変動を基に、前記所定期間における前記蓄電部(24)の充放電量を決定する決定部(15)と、を備える、
電力管理装置(10)。
【符号の説明】
【0082】
1・・電力管理システム
2・・受電点
3・・電流計
10・・コントローラ
11・・第1取得部
12・・第2取得部
13・・測定部
14・・受付部
15・・決定部
21・・PCS
22・・蓄電池
23・・PCS
24・・太陽光発電パネル
30・・負荷
40・・商用電力系統
41・・管理装置
50・・電力取引装置
101・・CPU
102・・主記憶部
103・・補助記憶部
104・・通信部
151・・充放電量テーブル
B1・・接続バス
N1・・ネットワーク
N2・・ネットワーク
N3・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8