(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046850
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】管継手
(51)【国際特許分類】
F16L 21/08 20060101AFI20240329BHJP
F16L 19/028 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
F16L21/08 H
F16L19/028
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152178
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】598000714
【氏名又は名称】ノーラエンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000231121
【氏名又は名称】日本継手株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100142376
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】堀田 幸兵
(72)【発明者】
【氏名】前田 啓博
【テーマコード(参考)】
3H014
【Fターム(参考)】
3H014CA05
(57)【要約】
【課題】 ナットの緩みの抑制が容易とする。
【解決手段】 管継手10は、通路形成部20と、ナット22とを備える。通路形成部20の両端の外周に雄ねじが形成されている。通路形成部20は、係合凸部44を雄ねじ60に加えて有している。係合凸部44は、雄ねじ60の先端から見て雄ねじ60の付け根に隣接する位置に配置される。ナット22が少なくとも1つの係合凹部176を有する。係合凹部176は、ナット22の雌ねじ170が通路形成部20の雄ねじ60に噛み合うとき係合凸部44に対向する位置に配置される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端の外周に雄ねじが形成されており流体の通路を形成する通路形成部と、
前記通路形成部の前記雄ねじに噛み合う雌ねじと前記雌ねじに連なり管の内部が前記通路形成部の前記通路に連通するよう前記管を保持する管連通保持部とを有するナットとを備える管継手において、
前記通路形成部が、前記ナットを前記通路形成部に係合させる係合凸部を前記雄ねじに加えて有しており、
前記係合凸部は、前記雄ねじの先端から見て前記雄ねじの付け根に隣接する位置に前記雄ねじの中心軸を中心とする回転が制限された状態で配置され、かつ、前記雄ねじの中心軸に沿って突出し、
前記ナットが、前記ナットの前記雌ねじが前記通路形成部の前記雄ねじに噛み合うとき前記係合凸部に対向する位置に配置される少なくとも1つの係合凹部をさらに有することを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記通路形成部が、
少なくとも一端の外周に前記雄ねじが形成されている筒状の継手本体と、
前記継手本体が貫通し前記雄ねじの先端から見て前記雄ねじの付け根に隣接する位置に配置される環状の収容部とを有しており、
前記継手本体が、前記雄ねじの中心軸方向についての前記収容部のずれおよび前記雄ねじの中心軸を中心とする円周方向への前記収容部のずれを防止するずれ防止部を有しており、
前記係合凸部が、前記収容部から突出していることを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記収容部には、前記収容部を前記継手本体が貫通するとき前記雄ねじの中心軸に沿って延び前記雄ねじの先端方向に開口する収容空間が形成されており、
前記係合凸部が、
前記収容空間に収容される係合ピンと、
前記係合ピンの一端が前記収容空間から突出する方向の力を前記係合ピンに加える弾性体とを有していることを特徴とする請求項2に記載の管継手。
【請求項4】
前記収容部が、
環状の収容本体部と、
一部が切り欠かれた環状のスペーサとを有しており、
前記係合凸部が、前記収容本体部から突出しており、
前記スペーサが、前記収容部が前記継手本体に固定されるとき前記雄ねじの先端から見た前記収容本体部の裏にて前記収容本体部に隣接する位置に密着し、前記収容本体部と共に前記ずれ防止部により前記雄ねじの中心軸方向についてのずれが防止されることを特徴とする請求項2に記載の管継手。
【請求項5】
前記ナットが、前記雌ねじの中心軸を中心に環状に配置される複数の前記係合凹部を有していることを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項6】
前記係合凹部が、
前記ナットの前記雌ねじが前記通路形成部の前記雄ねじに噛み合うとき前記係合凸部が前記ナットに対向する方向である凸対向方向からみたときの進み回転方向とは反対方向にある一端に配置され前記係合凸部が前記係合凹部内に進入すると前記係合凸部の先端の側面に対向する側面対向領域と、
前記側面対向領域に連なり、前記凸対向方向からみたときの進み回転方向にある他端へ近づくにつれて浅くなる底傾斜領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は管継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、管継手を開示する。この管継手は、端部外周に断面円弧状の膨出部が形成された鋼管同士を接続する。この管継手は、継手本体と、Oリング装着溝と、Oリングと、環状溝と、ストッパリングと、嵌合部と、ナットとを有する。継手本体は、鋼管が挿入される挿入部を有する。継手本体の両端部外周面に雄ねじ部が形成されている。Oリング装着溝は、継手本体の内周面に設けられる。Oリングは、このOリング装着溝に配設される。Oリングは、鋼管の膨出部に当接する。環状溝は、継手本体の雄ねじ部の終端に隣接して設けられる。ストッパリングは、その環状溝内に配設される。嵌合部は、鋼管の膨出部を境にして継手本体と対向し鋼管に嵌まる。ナットは、雌ねじ部と切欠部とを有する。雌ねじ部は、継手本体の雄ねじ部にかみ合う。切欠部は、この雌ねじ部の継手本体側の開口部側の内周面に設けられる。切欠部は、ストッパリングに係合する。特許文献1に開示された管継手によれば、締め付け時の焼付きを防止でき、締め付け後のナットの緩みを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された管継手には、切欠部がストッパリングに係合するよう締付けられるまではナットの緩みを抑制し難いという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、ナットの緩みの抑制が容易な管継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図面に基づいて本発明の管継手が説明される。なお、この欄で図中の符号を使用したのは、発明の内容の理解を助けるためであって、内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
【0007】
上述された目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、管継手10,310は、通路形成部20,320と、ナット22とを備える。通路形成部20,320の少なくとも一端の外周に雄ねじ60が形成されている。通路形成部20,320は流体の通路を形成する。ナット22は、雌ねじ170と、管連通保持部172とを有する。雌ねじ170は、通路形成部20,320の雄ねじ60に噛み合う。管連通保持部172は、雌ねじ170に連なる。管連通保持部172は、管200,202の内部が通路形成部20,320の通路に連通するよう管200,202を保持する。通路形成部20,320は、係合凸部44を雄ねじ60に加えて有している。係合凸部44は、雄ねじ60の先端から見て雄ねじ60の付け根に隣接する位置に配置される。係合凸部44は、雄ねじ60の中心軸100を中心とする回転が制限された状態で配置される。係合凸部44は、雄ねじ60の中心軸100に沿って突出する。係合凸部44は、ナット22を通路形成部20,320に係合させる。ナット22が、少なくとも1つの係合凹部176をさらに有する。係合凹部176は、ナット22の雌ねじ170が通路形成部20,320の雄ねじ60に噛み合うとき係合凸部44に対向する位置に配置される。
【0008】
係合凹部176は、ナット22の雌ねじ170が通路形成部20,320の雄ねじ60に噛み合うとき係合凸部44に対向する位置に配置される。この位置に配置されるので、係合凹部176は、ナット22の雌ねじ170が通路形成部20,320の雄ねじ60に噛み合うとき係合凸部44に係合することとなる。係合凸部44は、雄ねじ60の中心軸100を中心とする回転が制限された状態で配置される。これにより、ナット22が緩もうとするとき、係合凹部176に係合した係合凸部44が係合凹部176から外れ難くなる。係合凸部44が係合凹部176から外れ難いので、ナット22の緩みが抑えられる。ナット22の緩みが抑えられるにあたり、係合凹部176の係合凸部44への係合は少しずつ行われる。その係合が少しずつ行われるので、大きな力を加えなくてもその係合が可能になる。その結果、ナット22の緩みの抑制が容易な管継手10,310が提供される。
【0009】
また、上述された通路形成部20,320が、筒状の継手本体40,340と、環状の収容部42,342とを有していることが望ましい。継手本体40,340の少なくとも一端の外周に雄ねじ60が形成されている。収容部42,342は、継手本体40,340が貫通し雄ねじ60の先端から見て雄ねじ60の付け根に隣接する位置に配置される。この場合、継手本体40,340が、ずれ防止部68を有している。ずれ防止部68は、雄ねじ60の中心軸100方向についての収容部42,342のずれおよび雄ねじ60の中心軸100を中心とする円周方向への収容部42,342のずれを防止する。この場合、係合凸部44が、収容部42,342から突出していることが望ましい。
【0010】
継手本体40,340の貫通方向および雄ねじ60の中心軸100を中心とする円周方向についての収容部42,342のずれが継手本体40,340のずれ防止部68によって防止される。これにより、継手本体40,340と収容部42,342とが一体である場合に比べ、これらそれぞれの形状は単純なものに近くなる。形状が単純なものに近くなるので、通路形成部20,320の製造が容易となる。
【0011】
もしくは、上述された収容部42,342には、収容空間130が形成されていることが望ましい。収容空間130は、収容部42,342を継手本体40,340が貫通するとき雄ねじ60の中心軸100に沿って延びる。収容空間130は、雄ねじ60の先端方向に開口する。この場合、係合凸部44が、係合ピン150と、弾性体152とを有していることが望ましい。係合ピン150は、収容空間130に収容される。弾性体152は、係合ピン150の一端が収容空間130から突出する方向の力を係合ピン150に加える。
【0012】
弾性体152は係合ピン150の一端が収容空間130から突出する方向の力を係合ピン150に加える。これにより、係合ピン150は、押されると収容空間130内に押し込まれ、その力がなくなると収容空間130内から突出することとなる。これにより、係合ピン150が係合凹部176に係合する前に係合ピン150が障害となってナット22の回転が困難になる恐れは低くなる。
【0013】
もしくは、上述された収容部42,342が、環状の収容本体部90と、一部が切り欠かれた環状のスペーサ92とを有していることが望ましい。この場合、係合凸部44が、収容本体部90から突出していることが望ましい。この場合、スペーサ92が、収容部42,342が継手本体40,340に固定されるとき雄ねじ60の先端から見た収容本体部90の裏にて収容本体部90に隣接する位置に密着することが望ましい。この場合、スペーサ92は、収容本体部90と共にずれ防止部68により雄ねじ60の中心軸100方向についてのずれが防止されることが望ましい。
【0014】
収容部42,342が継手本体40,340に固定されるとき、スペーサ92が雄ねじ60の先端から見た収容本体部90の裏にて収容本体部90に隣接する位置に密着する。スペーサ92の形状は、一部が切り欠かれた環状である。これにより、収容本体部90を残してスペーサ92を引き抜くことが可能になる。スペーサ92は、収容本体部90と共にずれ防止部68により雄ねじ60の中心軸100方向についてのずれが防止される。収容本体部90を残してスペーサ92が引き抜かれると、残された収容本体部90は雄ねじ60の中心軸100方向について移動可能になる。収容本体部90がそのように移動可能になると、収容本体部90から突出している係合凸部44を係合凹部176から離すことが可能になる。その結果、ナット22の緩みの抑制が容易である一方、必要に応じてそのナット22を緩めることが可能な管継手10,310が提供される。
【0015】
もしくは、上述されたナット22が、雌ねじ170の中心軸102を中心に環状に配置される複数の係合凹部176を有していることが望ましい。
【0016】
複数の係合凹部176が環状に配置されていると、それら複数の係合凹部176のいずれかに係合凸部44が係合するとナット22の緩み止めが可能となる。その緩み止めが可能となると、そうでない場合に比べ、係合凹部176へ係合凸部44を係合させるため無理にナット22を締め付ける必要がなくなる。その緩み止めが可能となると、そうでない場合に比べ、係合凹部176へ係合凸部44を係合できないままナット22の締め付けを断念する可能性が低くなる。これにより、ナット22を必要以上に強く締め付けるリスクもナット22の締め付けが不十分になるリスクも低くなる。
【0017】
また、上述された係合凹部176が、側面対向領域190と、底傾斜領域192とを有する。側面対向領域190は、凸対向方向からみたときの進み回転方向とは反対方向にある一端に配置される。凸対向方向は、ナット22の雌ねじ170が通路形成部20,320の雄ねじ60に噛み合うとき係合凸部44がナット22に対向する方向である。側面対向領域190は、係合凸部44が係合凹部176内に進入すると係合凸部44の先端の側面に対向する。底傾斜領域192は、側面対向領域190に連なる。底傾斜領域192は、凸対向方向からみたときの進み回転方向にある他端へ近づくにつれて浅くなる。
【0018】
係合凹部176が側面対向領域190と底傾斜領域192とを有すると、ナット22を締め付ける際には係合凸部44が容易に係合凹部176から外れる。この場合、ナット22が緩む際には側面対向領域190が係合凸部44の先端の側面に係合するので係合凸部44が係合凹部176から外れ難い。その結果、ナット22の締め付けが容易でこれが緩み難い管継手10,310が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ナットの緩みの抑制が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる管継手の外観図である。
【
図2】本発明の第1実施形態にかかる通路形成部の外観図である。
【
図3】本発明の第1実施形態にかかるずれ防止部の構成が示される図である。
【
図4】本発明の第1実施形態にかかる収容本体部の外観図である。
【
図6】本発明の第1実施形態にかかるナットの外観図である。
【
図7】本発明の第1実施形態にかかる係合凹部の断面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態において係合ピンが係合凹部へ近づきつつある状況が示される図である。
【
図9】本発明の第2実施形態にかかる管継手の外観図である。
【
図10】本発明の第2実施形態にかかる通路形成部の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態が説明される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能は同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返されない。
【0022】
〈第1実施形態〉
[管継手の構成]
図1は、本実施形態にかかる管継手10の外観図である。
図1において、本実施形態にかかる管継手10には2本の管200,202が接続されている。
図1において、図示されている物はその一部が切り欠かれた状態で示されている。以下、
図1に基づき、本実施形態にかかる管継手10の構成が説明される。
【0023】
本実施形態にかかる管継手10は、2本の管200,202を互いに接続させるために用いられる。本実施形態にかかる管継手10は、通路形成部20と、ナット22,22の対と、環状のシール材24,24の対とを備える。
【0024】
通路形成部20は流体の通路を形成する。その流体は、2本の管200,202の一方から他方へ流れるものである。通路形成部20の具体的構成は後述される。
【0025】
ナット22,22の対の一方が管200を貫通する。そのナット22は管200を通路形成部20に接続する。ナット22,22の対の他方が管202を貫通する。そのナット22は管202を通路形成部20に接続する。ナット22の具体的構成も後述される。
【0026】
シール材24,24は、いずれも通路形成部20内に収容される。管200はシール材24,24の対の一方を貫通する。そのシール材24が管200と通路形成部20との間をシールする。管202はシール材24,24の対の他方を貫通する。そのシール材24が管202と通路形成部20との間をシールする。
【0027】
図2は、本実施形態にかかる通路形成部20の外観図である。
図2において、図示されている物の一部は切り欠かれている。以下、
図2に基づき、本実施形態にかかる通路形成部20の構成が説明される。
【0028】
本実施形態の場合、通路形成部20は、筒状の継手本体40と、環状の収容部42,42の対と、複数(本実施形態の場合は合計4つ)の係合凸部44とを有している。
【0029】
本実施形態の場合、継手本体40は、雄ねじ60,60の対と、シール材収容部62,62の対と、管収容部64,64の対と、本体空間形成部66と、ずれ防止部68とを有している。
【0030】
本実施形態の場合、雄ねじ60,60は、継手本体40の両端の外周に形成されている。本実施形態にかかる雄ねじ60,60は周知の右ねじである。
【0031】
シール材収容部62,62は、継手本体40の内周のうち両端の開口に直接接続されている。シール材収容部62,62の対それぞれにシール材24が収容される。
【0032】
管収容部64,64は、シール材収容部62,62にそれぞれ接続されている。管収容部64,64の対の一方に管200の先端が収容される。管収容部64,64の対の他方に管202の先端が収容される。
【0033】
本体空間形成部66は、管収容部64,64の対の間に配置される。本体空間形成部66は上述された流体が流れる空間を形成する。
【0034】
本実施形態の場合、ずれ防止部68は、雄ねじ60の中心軸100方向およびこれを中心とする円周方向についての収容部42のずれを防止する。ずれ防止部68の具体的構成は後述される。
【0035】
本実施形態の場合、収容部42,42の対を継手本体40が貫通する。収容部42,42は、各々に近い方の雄ねじ60の先端から見て雄ねじ60の付け根に隣接する位置に配置される。本実施形態の場合、収容部42は、収容本体部90と、スペーサ92とを有している。収容本体部90は、係合凸部44の一部を収容する。スペーサ92は、収容部42が継手本体40に固定されるとき雄ねじ60の先端から見た収容本体部90の裏にて収容本体部90に隣接する位置に配置される。スペーサ92の形状は、一部が切り欠かれた環状である。本実施形態の場合、スペーサ92の素材は、周知のエラストマーである。もちろんスペーサ92の素材はエラストマーに限定されない。本実施形態にかかる収容本体部90の具体的構成は後述される。
【0036】
本実施形態の場合、係合凸部44は収容部42に保持されている。本実施形態の場合、1つの収容部42は2つの係合凸部44を保持する。上述されたように、本実施形態の場合、通路形成部20は、収容部42,42の対を有する。これにより、本実施形態の場合、通路形成部20は4つの係合凸部44を有することとなる。上述されたように、本実施形態の場合、収容部42,42は、各々に近い方の雄ねじ60の先端から見て雄ねじ60の付け根に隣接する位置に配置される。これにより、係合凸部44は、雄ねじ60の先端から見て雄ねじ60の付け根に隣接する位置に配置されることとなる。係合凸部44は、収容部42から、雄ねじ60の中心軸100に沿って突出する。係合凸部44は、ナット22を通路形成部20に係合させた後にナット22の緩みを防止するためのものである。
【0037】
図3は、本実施形態にかかるずれ防止部68の構成が示される図である。以下、
図3に基づき、本実施形態にかかるずれ防止部68の構成が説明される。
【0038】
本実施形態の場合、ずれ防止部68は、外周壁部80と、外周突起82,82の対と、回転防止ピン84とを有している。外周壁部80は、継手本体40の外周のうち中央付近から継手本体40の外周を取り巻くように突出する。本実施形態の場合、その形状は円環状である。外周突起82は、継手本体40の外周のうち雄ねじ60の先端から見て雄ねじ60の付け根に隣接する位置から継手本体40の外周を取り巻くように突出する。上述された収容部42は、外周壁部80と外周突起82とによって挟まれる。本実施形態の場合、収容部42のうち収容本体部90の内周の縁が外周突起82に係合し、スペーサ92が外周壁部80に接触する。本実施形態の場合、このことによってスペーサ92は外周壁部80と収容本体部90とによって圧縮される。この圧縮により、雄ねじ60の中心軸100方向についての収容部42のずれが防止されることとなる。回転防止ピン84は、外周壁部80に形成されている孔を貫通する。収容本体部90にも孔が形成されている。回転防止ピン84はその孔とスペーサ92のうち切り欠かれた部分とを貫通する。これにより、雄ねじ60の中心軸100を中心とする円周方向についての収容部42のずれが防止される。
【0039】
図4は、本実施形態にかかる収容本体部90の外観図である。以下、
図4に基づき、本実施形態にかかる収容本体部90の構成が説明される。
【0040】
本実施形態の場合、収容本体部90は、環状の貫通孔形成体96と、周知の手段により貫通孔形成体96に接続される環状の脱落防止体98とを有する。貫通孔形成体96には、後述される貫通孔が形成される。脱落防止体98は、係合凸部44の脱落を防止する。
【0041】
本実施形態の場合、貫通孔形成体96は、接触内面形成部110と、収容貫通孔形成部112,112の対と、固定貫通孔形成部114とを有する。
【0042】
接触内面形成部110は、継手本体40の外周に対向しこれに接触する面を形成する。上述された外周突起82が係合するのはこの接触内面形成部110の縁である。収容貫通孔形成部112は、次に述べられる収容空間130を貫通孔として形成する。この収容空間130は、係合凸部44の一部が収容されるものである。固定貫通孔形成部114は、上述された回転防止ピン84が貫通する貫通孔を形成する。収容空間130に1つの係合凸部44の一部が収容され、上述されたように収容本体部90は収容貫通孔形成部112,112の対を有する。これにより、本実施形態の場合、1つの収容部42は2つの係合凸部44を保持することとなる。
【0043】
図5は、
図4のA-A断面図である。ただし、
図5では、本実施形態にかかる係合凸部44が収容されている状態が示されている。上述されているように、収容貫通孔形成部112は、係合凸部44の一部が収容される収容空間130を貫通孔として形成する。この収容空間130は、収容部42を継手本体40が貫通するとき雄ねじ60の中心軸100に沿うように延びる。この収容空間130は、雄ねじ60の先端方向と、その雄ねじ60の先端から見て裏側とにおいて開口する。これら両端の開口のうち先端側開口136の内径は、これら両端の開口のうち裏側開口138の内径より小さい。
【0044】
脱落防止体98は、収容貫通孔形成部112のうち裏側開口138側を塞ぐ。これにより、収容空間130にその一部が収容されている係合凸部44が裏側開口138から脱落することが防止される。脱落防止体98には、図示されない貫通孔が設けられている。この貫通孔は、固定貫通孔形成部114が形成する貫通孔に対向するよう配置される。これにより、固定貫通孔形成部114が形成する貫通孔を上述された回転防止ピン84が貫通可能となる。
【0045】
図5に基づいて、本実施形態にかかる係合凸部44の構成が説明される。上述されたように、係合凸部44の一部は収容部42の収容空間130に収容されている。係合凸部44の残る部分はその収容空間130から突出したりその収容空間130内に押し込まれたりする。
【0046】
本実施形態にかかる係合凸部44は、係合ピン150と、コイルばね152とを有する。係合ピン150は、後述される係合凹部176に係合する。コイルばね152は、係合ピン150の一端が収容空間130から突出する方向の力を係合ピン150に加えるための弾性体である。
【0047】
本実施形態の場合、係合凸部44は、収容空間130に収容されている。そのため、原則としてこれ全体が収容空間130の外に出て移動することはない。一方、上述されたように、雄ねじ60の中心軸100を中心とする円周方向についての収容部42のずれが防止される。これらにより、係合凸部44は、雄ねじ60の中心軸100を中心とする回転が制限された状態で配置されることとなる。
【0048】
図6は、本実施形態にかかるナット22の外観図である。以下、
図6に基づき、本実施形態にかかるナット22の構成が説明される。
【0049】
本実施形態にかかるナット22は、雌ねじ170と、管連通保持部172と、凸対向面174と、複数の係合凹部176とを有する。
【0050】
雌ねじ170は、ナット22が通路形成部20に接続されるとき、継手本体40の雄ねじ60に噛み合う。本実施形態の場合、雌ねじ170は、周知の右ねじである。これにより、同じく周知の右ねじである雄ねじ60と噛み合うことが可能である。
【0051】
管連通保持部172は、雌ねじ170に連なる。管連通保持部172は、雌ねじ170から離れるにつれ窄まる。管連通保持部172は、管200,202の内部が通路形成部20の通路に連通するよう管200,202を保持する。
【0052】
凸対向面174は、ナット22の雌ねじ170が通路形成部20の雄ねじ60に噛み合うとき係合凸部44に対向する。係合凹部176は、雌ねじ170の中心軸102を中心に環状に配置される。係合凹部176は、いずれも凸対向面174に囲まれる。これにより、係合凹部176は、ナット22の雌ねじ170が通路形成部20,320の雄ねじ60に噛み合うとき係合凸部44に対向することとなる。本実施形態の場合、雌ねじ170の中心軸102から係合凹部176の中央(その中心軸102に直交する方向についての中央)までの距離は、収容部42が継手本体40に固定されるときの雄ねじ60の中心軸100から係合ピン150の中心軸106までの距離に等しい。これにより、係合凹部176は、ナット22の雌ねじ170が通路形成部20の雄ねじ60に噛み合うとき係合凸部44に係合することとなる。
【0053】
図7は、本実施形態にかかる係合凹部176の断面図である。以下、
図7に基づき、本実施形態にかかる係合凹部176の構成が説明される。
【0054】
本実施形態にかかる係合凹部176は、側面対向領域190と、底傾斜領域192とを有する。側面対向領域190は、凸対向方向からみたときの進み回転方向とは反対方向にある一端に配置される。上述された通り、凸対向方向は、ナット22の雌ねじ170が通路形成部20の雄ねじ60に噛み合うとき係合凸部44がナット22に対向する方向である。側面対向領域190は、係合凸部44の先端の側面に対向する。底傾斜領域192は、側面対向領域190に連なる。底傾斜領域192は、上述された凸対向方向からみたときの進み回転方向にある他端へ近づくにつれて浅くなる。なお、本実施形態の場合における「進み回転方向」とは、時計回り方向および反時計回り方向のうち、ねじを回すことによってそのねじがその付け根からその先端へ向かう方向へ進む方向を言う。したがって、ねじが周知の右ねじの場合、時計回り方向が「進み回転方向」となる。この場合、反時計回り方向が「進み回転方向とは反対方向」となる。ねじが周知の左ねじ(「逆ねじ」とも言う)の場合、反時計回り方向が「進み回転方向」となり時計回り方向が「進み回転方向とは反対方向」となる。
【0055】
[管継手の接続方法]
本実施形態にかかる管継手10の接続方法は以下の通りである。まず、作業者は、一方の管200にナット22,22の対の一方を貫通させる。次いで、作業者は、周知の方法により、一方の管200のうちナット22,22の対の一方を貫通した先端部分に拡径部212を形成する。次いで、作業者は、他方の管202にナット22,22の対の他方を貫通させる。次いで、作業者は、周知の方法により、他方の管202のうちナット22,22の対の他方を貫通した先端部分に拡径部214を形成する。
【0056】
次いで、作業者は、一方の管200の拡径部212をナット22の管連通保持部172に接触させる。次いで、作業者は、一方の管200の先端を継手本体40の内部へ挿入する。これにより、一方の管200の先端はシール材収容部62内に収容されている環状のシール材24を貫通して管収容部64内へ進入する。次いで、作業者は、ナット22の雌ねじ170を継手本体40の雄ねじ60へねじ込む。これにより、ナット22の管連通保持部172が一方の管200の拡径部212をシール材24に押付けることとなる。これにより、一方の管200の外周面と継手本体40の内周面との間がシールされることとなる。
【0057】
図8は、係合ピン150が係合凹部176へ近づきつつある状況が示される図である。引き続き作業者がナット22の雌ねじ170を継手本体40の雄ねじ60へねじ込むにつれ、係合ピン150に対向する係合凹部176は順次変わっていく。それに伴い、係合ピン150とこれに対向する係合凹部176との距離は次第に近づく。
【0058】
その後、係合ピン150が凸対向面174へ接触している状態でナット22の雌ねじ170が継手本体40の雄ねじ60へ引き続きねじ込まれると、係合ピン150はある係合凹部176の側面対向領域190に嵌まる。ナット22の雌ねじ170がさらにねじ込まれると、係合ピン150は底傾斜領域192に沿ってその係合凹部176から出る。ナット22の雌ねじ170が継手本体40の雄ねじ60へ引き続きねじ込まれると、係合ピン150は別の係合凹部176の側面対向領域190に嵌まりその係合凹部176の底傾斜領域192に沿ってその係合凹部176から出る。これを繰り返すことで、一方の管200は本実施形態にかかる管継手10に接続される。
【0059】
次いで、作業者は、同様の手順で他方の管202を本実施形態にかかる管継手10に接続する。これが終了すると、本実施形態にかかる管継手10と2本の管200,202との接続は完了する。その結果、管200,202の内部が通路形成部20の通路に連通するよう、ナット22,22それぞれの管連通保持部172は管200,202を保持することとなる。
【0060】
その後、何らかの理由でナット22へこれが緩むトルクがかかったとする。その場合、係合凹部176へ嵌まった係合ピン150はその係合凹部176の側面対向領域190へ近づく。その後、係合ピン150がその側面対向領域190へ接触すると、その側面対向領域190には係合ピン150の先端の側面が押し当てられることとなる。その側面対向領域190に係合ピン150の先端の側面が押し当てられるので、さらなるナット22の緩みは抑えられる。
【0061】
一方、本実施形態にかかる管継手10から2本の管200,202のいずれかを抜こうとする場合、作業者は、スペーサ92を通路形成部20から抜き取る。上述されたように、スペーサ92の形状は、一部が切り欠かれた環状である。上述されたように、本実施形態の場合、スペーサ92の素材は、周知のエラストマーである。これにより、スペーサ92を通路形成部20から抜き取ることが可能となっている。スペーサ92が通路形成部20から抜き取られると、係合ピン150を係合凹部176から離すことが可能になる。係合ピン150が係合凹部176から離れると、ナット22をこれが緩むように回すことが可能になる。これにより、本実施形態にかかる管継手10から2本の管200,202のいずれかを抜くことが可能になる。
【0062】
[本実施形態にかかる効果の説明]
以上のようにして、本実施形態にかかる管継手10によれば、ナット22の緩みの抑制が容易となる。
【0063】
また、本実施形態にかかる管継手10は、各部分がそれぞれ複数の部品に分かれている。これにより、それぞれの部品の形状を単純なものに近づけることが可能となる。それぞれの部品の形状を単純なものに近づけることが可能になると、それらの部品の製造が容易になる。
【0064】
また、本実施形態にかかる管継手10において、係合ピン150は、押されると収容部42内に押し込まれ、その力がなくなると収容部42内から突出することとなる。これにより、係合ピン150が係合凹部176に係合する前に係合ピン150が障害となってナット22の回転が困難になる恐れは低くなる。
【0065】
また、本実施形態にかかる管継手10の場合、収容本体部90を残してスペーサ92を引き抜くことが可能になる。収容本体部90を残してスペーサ92が引き抜かれると、残された収容本体部90は雄ねじ60の中心軸100方向について移動可能になる。収容本体部90がそのように移動可能になると、収容本体部90から突出している係合凸部44を係合凹部176から離すことが可能になる。
【0066】
また、本実施形態にかかる管継手10では複数の係合凹部176が環状に配置されている。これにより、それら複数の係合凹部176のいずれかに係合凸部44が係合するとナット22の緩み止めが可能となる。その結果、ナット22を必要以上に強く締め付けるリスクもナット22の締め付けが不十分になるリスクも低くなる。
【0067】
また、本実施形態にかかる管継手10では、係合凹部176が側面対向領域190と底傾斜領域192とを有する。これにより、ナット22を締め付ける際には係合凸部44が容易に係合凹部176から外れる。この場合、ナット22が緩む際には側面対向領域190が係合凸部44の先端の側面に係合するので係合凸部44が係合凹部176から外れ難い。
【0068】
〈第2実施形態〉
[管継手の構成]
図9は、本実施形態にかかる管継手310の外観図である。
図9において、本実施形態にかかる管継手310には2本の管204,200が接続されている。
図9において、図示されている物はその一部が切り欠かれた状態で示されている。以下、
図9に基づき、本実施形態にかかる管継手310の構成が説明される。
【0069】
本実施形態にかかる管継手310は、2本の管204,200を互いに接続させるために用いられる。本実施形態にかかる管継手310は、通路形成部320と、ナット22と、環状のシール材24とを備える。
【0070】
通路形成部320は流体の通路を形成する。その流体は、一方の管200と他方の管204とのうち一方から他方へ流れるものである。通路形成部320の具体的構成は後述される。
【0071】
本実施形態にかかるシール材24は、他方の管204内に収容されることにより、間接的に通路形成部320内に収容される。そのシール材24が2本の管204,200の間をシールする。
【0072】
図10は、本実施形態にかかる通路形成部320の外観図である。
図10において、図示されている物の一部は切り欠かれている。以下、
図10に基づき、本実施形態にかかる通路形成部320の構成が説明される。
【0073】
本実施形態の場合、通路形成部320は、筒状の継手本体340と、環状の収容部342と、複数(本実施形態の場合は2つ)の係合凸部44とを有している。
【0074】
本実施形態の場合、継手本体340は、雄ねじ60と、第1管収容部362と、第2管収容部364と、第3管収容部366とを有している。本実施形態の場合、雄ねじ60は、継手本体340の一端の外周に形成されている。第1管収容部362は、継手本体340の内周のうち一端の開口に直接接続されている。第1管収容部362に他方の管204の先端が収容される。第2管収容部364は、第1管収容部362に連なる。第2管収容部364は、第1管収容部362に比べると内径が小さい。第2管収容部364が形成する空間を他方の管204が貫通する。第3管収容部366は、第2管収容部364に連なる。第3管収容部366は、第2管収容部364に比べると内径が小さい。第3管収容部366は、継手本体340の内周のうち他端の開口にも直接接続されている。第3管収容部366が形成する空間を他方の管204が貫通する。
【0075】
収容部342は、次に述べられる2点を除けば、第1実施形態にかかる収容部42と同様である。それらのうち1点目は、収容部342が有する回転防止ピン384が第1実施形態にかかる回転防止ピン84よりも短い点である。これは、継手本体340が収容部342,342の対を有しておらず単一の収容部342を有しているためである。回転防止ピン384はその分短くなっている。それらのうち2点目は、外周突起82が1か所となっている点である。これも、継手本体340が収容部342,342の対を有しておらず単一の収容部342を有しているためである。これら2点を除けば本実施形態にかかる収容部342は第1実施形態にかかる収容部42と同様である。したがって、収容部342の詳細な説明は繰り返されない。
【0076】
その他の点は第1実施形態と同様である。したがって、その詳細な説明は繰り返されない。
【0077】
[管継手の接続方法]
本実施形態にかかる管継手310の接続方法は以下の通りである。まず、作業者は、他方の管204に通路形成部320の継手本体340を貫通させる。これにより、他方の管204が継手本体340の第2管収容部364および第3管収容部366を貫通する。次いで、作業者は、他方の管204のうち継手本体340を貫通した先端部分に、
図9に示されるような第1拡径部410と第2拡径部412とを形成する。そのための具体的な方法は周知なのでここではその詳細な説明は繰り返されない。次いで、作業者は、第1拡径部410が第1管収容部362に収容され第2拡径部412が第2管収容部364に収容されるよう、他方の管204を引っ張る。次いで、作業者は、第1拡径部410内にシール材24を収容する。
【0078】
次いで、作業者は、一方の管200にナット22を貫通させる。次いで、作業者は、一方の管200のうちナット22を貫通した先端部分に
図9に示されるような拡径部214を形成する。そのための具体的な方法は周知なのでここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0079】
次いで、作業者は、一方の管200の拡径部214をナット22の管連通保持部172に接触させる。次いで、作業者は、一方の管200の先端を他方の管204の第1拡径部410の内部へ挿入する。これにより、一方の管200の先端は第1拡径部410内に収容されている環状のシール材24を貫通して第2拡径部412内へ進入する。次いで、作業者は、ナット22の雌ねじ170を継手本体340の雄ねじ60へねじ込む。これにより、ナット22の管連通保持部172が一方の管200の拡径部214をシール材24に押付けることとなる。これにより、一方の管200の外周面と一方の管204の内周面との間がシールされることとなる。
【0080】
引き続き、作業者は、ナット22の雌ねじ170を継手本体340の雄ねじ60へねじ込む。これにより、第1実施形態の場合と同様にして、ナット22が通路形成部320に接続される。また、一方の管200は本実施形態にかかる管継手310に接続される。その結果、本実施形態にかかる管継手310と2本の管204,200との接続は完了する。第1実施形態の場合と同様にナット22の緩みが抑えられる。必要な際には本実施形態にかかる管継手310から2本の管204,200を抜くことが可能になる。
【0081】
[本実施形態にかかる効果の説明]
以上のようにして、本実施形態にかかる管継手310によれば、ナット22の緩みの抑制が容易となる。
【0082】
また、本実施形態にかかる管継手310は、各部分がそれぞれ複数の部品に分かれている。これにより、それぞれの部品の形状を単純なものに近づけることが可能となる。それぞれの部品の形状を単純なものに近づけることが可能になると、それらの部品の製造が容易になる。
【0083】
また、本実施形態にかかる管継手310において、係合ピン150が障害となってナット22の回転が困難になる恐れは低くなる。
【0084】
また、本実施形態にかかる管継手310によれば、収容本体部90から突出している係合凸部44を必要に応じて係合凹部176から離すことが可能になる。
【0085】
また、本実施形態にかかる管継手310では、ナット22を必要以上に強く締め付けるリスクもナット22の締め付けが不十分になるリスクも低くなる。
【0086】
また、本実施形態にかかる管継手310では、係合凸部44が係合凹部176から外れ難い。
【0087】
[変形例]
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述された実施形態に基づいて制限されるものではない。もちろん、上述された実施形態に対して本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよい。
【0088】
例えば、上述された係合凹部の構成は上述されたものに限定されない。当然、その形状は特に限定されない、例えば、係合凹部は断面が半球状の凹部であってもよい。凸対向面174と係合凹部との位置関係も特に限定されない。例えば、係合凹部のいずれかの端が凸対向面174のうち雌ねじ170の中心軸102側の縁に達していてもよい。さらに、ナットにおける係合凹部の個数は限定されない。
【0089】
また、通路形成部の構成は上述されたものに限定されない。そのため、係合凸部は押されても通路形成部内に収容されないものであってもよい。
【0090】
また、外周壁部の形状は特に限定されない。例えばその外周形状は六角柱状その他の角柱状であってもよい。
【0091】
また、収容本体部の構成は特に限定されない。例えば収容本体部は収容貫通孔形成部112のうち裏側開口138側が脱落防止体98によって塞がれるものに限定されない。その場合、例えば収容貫通孔形成部112のうち裏側開口138側の端に雌ねじが形成されていてもよい。その場合、係合凸部44が周知のプラグねじを有していても良い。そのプラグねじは、収容貫通孔形成部112のうち裏側開口138側の端の雌ねじにねじ込まれるものである。これにより、係合凸部44の脱落が防止される。
【符号の説明】
【0092】
10,310…管継手
20,320…通路形成部
22…ナット
24…シール材
40,340…継手本体
42,342…収容部
44…係合凸部
60…雄ねじ
62…シール材収容部
64…管収容部
66…本体空間形成部
68…ずれ防止部
80…外周壁部
82…外周突起
84,384…回転防止ピン
90…収容本体部
92…スペーサ
96…貫通孔形成体
98…脱落防止体
100,102,106…中心軸
110…接触内面形成部
112…収容貫通孔形成部
114…固定貫通孔形成部
130…収容空間
136…先端側開口
138…裏側開口
150…係合ピン
152…コイルばね
170…雌ねじ
172…管連通保持部
174…凸対向面
176…係合凹部
190…側面対向領域
192…底傾斜領域
200,202,204…管
212,214…拡径部
362…第1管収容部
364…第2管収容部
366…第3管収容部
410…第1拡径部
412…第2拡径部