(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004687
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】車輪間隔変更機能付き移動体
(51)【国際特許分類】
B60B 19/00 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B60B19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104439
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】野村 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】南川 達浩
(57)【要約】
【課題】専用の駆動力を要しないで車輪間隔を変更することができる車輪間隔変更機能付き移動体を提供する。
【解決手段】車輪間隔変更機能付き移動体1は、車輪12と、当該車輪12を回転駆動する駆動装置13とが搭載される可動部材14と、可動部材14を車輪間隔変更方向に案内するガイド部15と、車輪12に対して走行用の回転制御および車輪間隔変更用の回転制御を行う制御部16と、を備える。車輪間隔変更方向は、例えば、車輪12の車輪軸に直交する方向とされる。また、例えば、車輪軸方向に並ぶ複数の車輪12が1つの可動部材14に搭載されており、当該可動部材14は上記車輪軸方向に直交する方向に案内される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪および当該車輪を回転駆動する駆動装置が搭載される可動部材と、上記可動部材を車輪間隔変更方向に案内するガイド部と、上記車輪に対して走行用の回転制御および車輪間隔変更用の回転制御を行う制御部と、を備えることを特徴とする車輪間隔変更機能付き移動体。
【請求項2】
請求項1に記載の車輪間隔変更機能付き移動体において、車輪間隔変更方向が上記車輪の車輪軸に直交する方向であることを特徴とする車輪間隔変更機能付き移動体。
【請求項3】
請求項2に記載の車輪間隔変更機能付き移動体において、上記車輪軸の方向に並ぶ複数の車輪が1つの可動部材に搭載されており、当該可動部材は上記車輪軸の方向に直交する方向に案内されることを特徴とする車輪間隔変更機能付き移動体。
【請求項4】
請求項2に記載の車輪間隔変更機能付き移動体において、1つの車輪が1つの可動部材に搭載されており、上記可動部材は上記車輪軸の方向に直交する方向に案内されることを特徴とする車輪間隔変更機能付き移動体。
【請求項5】
請求項1に記載の車輪間隔変更機能付き移動体において、車輪間隔変更方向が上記車輪軸の方向であることを特徴とする車輪間隔変更機能付き移動体。
【請求項6】
請求項5に記載の車輪間隔変更機能付き移動体において、上記車輪軸の方向に直交する方向に並ぶ複数の車輪が1つの可動部材に搭載されており、当該可動部材は上記車輪軸の方向に案内されることを特徴とする車輪間隔変更機能付き移動体。
【請求項7】
請求項5に記載の車輪間隔変更機能付き移動体において、1つの車輪が1つの可動部材に搭載されており、上記可動部材は上記車輪軸の方向に案内されることを特徴とする車輪間隔変更機能付き移動体。
【請求項8】
請求項1に記載の車輪間隔変更機能付き移動体において、車輪間隔変更方向が各車輪軸の方向と当該車輪軸の方向に直交する方向との間の方向であることを特徴とする車輪間隔変更機能付き移動体。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の車輪間隔変更機能付き移動体において、上記可動部材の位置を固定するロック装置を備えることを特徴とする車輪間隔変更機能付き移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪間隔の変更が可能な車輪間隔変更機能付き移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パーソナル・モビリティ等の小型の移動体であって、折り畳みの際にトレッドを短縮するための機能を備えた小型の移動体の車輪を保持するフレーム装置が開示されている。
【0003】
ところで、例えば、建設中の建物内では、耐火材吹付ユニットを台車に搭載し、建物壁面に耐火材を吹き付ける作業が行われる。このような作業では、上記台車の移動中においては、障害物を避け易くするために、車輪間隔は狭いのが好ましい。一方、建物壁面に耐火材を吹き付ける作業中においては、台車の安定性がよくなるように、車輪間隔は広いのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のフレーム装置は、上記台車の車輪間隔調整に利用しうるとしても、大掛かりな装置であるので、建設中の建物内等の資材が置かれた狭い場所を移動する移動体としては適していない。また、車輪間隔の変更に専用の駆動力が必要になるのでは、移動体が大型・重量化する欠点がある。
【0006】
この発明は、専用の駆動力を要しないで車輪間隔を変更することができる車輪間隔変更機能付き移動体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の車輪間隔変更機能付き移動体は、車輪と当該車輪を回転駆動する駆動装置とが搭載される可動部材と、上記可動部材を車輪間隔変更方向に案内するガイド部と、上記車輪に対して走行用の回転制御および車輪間隔変更用の回転制御を行う制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、上記車輪に対して当該車輪の間隔を広げる回転制御を行うことで、専用の駆動力を必要とすることなく、車輪自体の回転力で当該車輪の間隔を拡張できる。この車輪間隔の拡張により、移動体の安定性が高まる。一方、上記車輪に対して当該車輪の間隔を狭める回転制御を行うことで、車輪自体の回転力で当該車輪の間隔が狭まる。これにより、移動体の移動に際して障害物を避け易くなる。また、このように、車輪自体の回転力で当該車輪の間隔が変更されるので、大掛かりな車輪間隔変更機構は不要であり、建設中の建物内等を移動するのに適した移動体となる。
【0009】
車輪間隔変更方向が上記車輪の車輪軸に直交する方向であってもよい(この項において、第1構成という。)。これによれば、上記車輪として一般的な車輪を用いることが可能となる。
【0010】
上記第1構成において、上記車輪軸の方向に並ぶ複数の車輪が1つの可動部材に搭載されており、当該可動部材は上記車輪軸の方向に直交する方向に可動であってもよい。これによれば、可動部材数が少なくて済むので、低コスト化が容易になる。
【0011】
或いは、上記第1構成において、1つの車輪が1つの可動部材に搭載されており、上記可動部材は上記車輪軸の方向に直交する方向に可動であってもよい。これによれば、車輪ごとに車輪間隔を変更することが可能となる。
【0012】
車輪間隔変更方向が上記車輪軸の方向であってもよい(この項において、第2構成という。)。このような構成では、上記車輪として全方向車輪を用いる。
【0013】
上記第2構成において、上記車輪軸の方向に直交する方向に並ぶ複数の車輪が1つの可動部材に搭載されており、当該可動部材は上記車輪軸の方向に可動であってもよい。これによれば、可動部材数が少なくて済むので、低コスト化が容易になる。
【0014】
或いは、上記第2構成において、1つの車輪が1つの可動部材に搭載されており、上記可動部材は上記車輪軸の方向に可動であってもよい。これによれば、車輪ごとに車輪間隔を変更することが可能となる。
【0015】
車輪間隔変更方向が各車輪軸の方向と当該車輪軸の方向に直交する方向との間の方向であってもよい。
【0016】
これらの車輪間隔変更機能付き移動体において、上記可動部材の位置を固定するロック装置を備えてもよい。これによれば、車輪間隔変更状態が、上記ロック装置によって確実に保持される。
【発明の効果】
【0017】
本発明であれば、上記車輪に対して当該車輪の間隔を広げたり、狭めたりする回転制御を行うことで、車輪自体の回転力で当該車輪の間隔が変更され、当該移動体の安定性を高めたり、移動に際して障害物を避け易くしたりすることができる。そして、このように、車輪自体の回転力で当該車輪の間隔が変更できるので、専用の駆動力も大掛かりな車輪間隔変更機構も不要であり、建設中の建物内等を移動するのに適した移動体になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態の車輪間隔変更機能付き移動体を、上側からの斜視および底側からの斜視により示した説明図である。
【
図2】
図1の車輪間隔変更機能付き移動体において車輪間隔を拡張した状態を、上側からの斜視および底側からの斜視により示した説明図である。
【
図3】
図1の車輪間隔変更機能付き移動体の正面図である。
【
図4】同図(A)は
図1の車輪間隔変更機能付き移動体において車輪間隔を拡張した状態を示した側面図であり、同図(B)は車輪間隔を狭めた状態を示した側面図である。
【
図5】
図1の車輪間隔変更機能付き移動体の制御系の概略を示した説明図である。
【
図6】他の実施形態の車輪間隔変更機能付き移動体における車輪間隔を拡張した状態と車輪間隔を狭めた状態とを示した概略の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1、
図2および
図3に示すように、この実施形態の車輪間隔変更機能付き移動体1は、載置台部11と、車輪12と、駆動装置13と、可動部材14と、ガイド部15と、制御部16と、操作部17と、駆動電源部18と、ロック装置19と、を備える。
【0020】
載置台部11上には、一例として、耐火材吹付装置2が搭載される。すなわち、この実施形態の車輪間隔変更機能付き移動体1は、例えば、耐火材吹付装置2の移動装置となる。
【0021】
車輪12は、例えば、メカナムホイールであり、前側2輪と後側2輪の合計4本設けられている。駆動装置13は、各車輪12を個別に回転駆動する電動モーターである。
【0022】
可動部材14は、載置台部11の底面側に2個設けられている。これら2個の可動部材14は、移動体1の移動方向に互いに独立して移動することができる。各可動部材14の長手方向(移動体1の移動方向に直交する方向)の各端には、鉛直板部が設けられており、各鉛直板部の外側に車輪12が位置し、各鉛直板部の内側に駆動装置13が位置している。
【0023】
ガイド部15は、各可動部材14を車輪間隔変更方向に案内する。車輪間隔変更方向は、この実施形態では、車輪12の車輪軸に直交する方向(移動体1の移動方向)としている。ガイド部15は、載置台部11の底面に固定された複数本の固定側レール部と、各固定側レール部の下面側に設けられた可動側レール部とを備えている。例えば、上記固定側レール部は車輪間隔変更方向に4本設けられており、上記可動側レール部は、各固定側レール部に対して2本互いに独立して設けられている。一方の可動部材14は、上記の2本互いに独立して設けられた一方の側の可動側レール部に取り付けられており、他方の可動部材14は、他方の側の可動側レール部に取り付けられている。
【0024】
制御部16は、各駆動装置13に対して走行用の回転制御および車輪間隔変更用の回転制御を行う。各駆動装置13へは、駆動電源部18から導線で電力が供給され、この電力供給が制御部16によって制御される。
【0025】
制御部16は、走行用の回転制御として4個の車輪12を制御する。例えば、制御部16は、操作部17において前進ボタンが操作されると、前進となる通電を各駆動装置13に対して行い、4個の車輪12を前進方向に回転させる。一方、制御部16は、操作部17において後進ボタンが操作されると、後進となる通電を各駆動装置13に対して行い、4個の車輪12を後進方向に回転させる。また、車輪12は、メカナムホイールであるので、制御部16は、走行用の回転制御として、4個の車輪12に対して、時計回り/半時計回りの旋回、左右平行移動、斜め前進/斜め後進となる制御も行うことができる。
【0026】
一方、制御部16は、車輪間隔変更用の回転制御においては、一方の可動部材14における2個の車輪12と、他方の可動部材14における2個の車輪12を互いに逆方向に回転させる。
【0027】
例えば、制御部16は、操作部17において車輪間隔拡張ボタンが操作されたときには、前進となる通電を前側の可動部材14における2個の駆動装置13に対して行う一方で、後進となる通電を後側の可動部材14における2個の駆動装置13に対して行う。逆に、制御部16は、操作部17において車輪間隔狭小ボタンが操作されたときは、後進となる通電を前側の可動部材14における2個の駆動装置13に対して行う一方で、前進となる通電を後側の可動部材14における2個の駆動装置13に対して行う。
【0028】
このように、2個の可動部材14において互いに離間する方向にそれぞれの車輪12が回転すると、
図4(A)にも示すように、車輪間隔が拡張されることになり、逆に、2個の可動部材14において互いに接近する方向にそれぞれの車輪12が回転すれば、
図4(B)にも示すように、車輪間隔が狭まることになる。
【0029】
操作部17は、移動体1に固定されることに限らず、移動体1から離脱して無線や有線で遠隔的に制御部16に指令を出すこともできる。
【0030】
ロック装置19は、各可動部材14における車輪間隔拡張状態および車輪間隔狭小状態をそれぞれ保持する。ロック装置19は、例えば、制御部16により制御される電磁ソレノイドと、この電磁ソレノイドの動作部材に固定されたピンとからなり、載置台部11の下面側に設けられる。電磁ソレノイドの動作部材の上下動作により、ピンの上昇(非ロック状態)と降下(ロック状態)が切り替わる。そして、各可動部材14には、
図5に示すように、車輪間隔拡張時ロック用孔14aと、車輪間隔狭小時ロック用孔14bとが車輪間隔変更方向に互いにずれた位置に形成されており、車輪間隔拡張時には、車輪間隔拡張時ロック用孔14aがロック装置19(ピン)の下側に位置し、車輪間隔狭小時には、車輪間隔狭小時ロック用孔14bがロック装置19(ピン)の下側に位置する。
【0031】
制御部16は、車輪間隔変更用の車輪回転制御を開始する際に、ロック装置19を制御して、上記ピンを上昇させてロックを解除し、車輪間隔変更用の車輪回転制御が終了すると、ロック装置19を制御して、上記ピンを降下させる。車輪間隔変更の終了判断は、例えば、各可動部材14の位置を検出する近接スイッチからの信号に基づいて行うことができる。
【0032】
上記の構成であれば、車輪12に対して当該車輪12の間隔を広げる回転制御を行うことで、専用の駆動力を必要とすることなく、車輪12自体の回転力で当該車輪12の間隔の間隔を拡張できる。この車輪間隔の拡張により、移動体1の安定性が高まる。一方、車輪12に対して当該車輪12の間隔を狭める回転制御を行うことで、車輪12自体の回転力で当該車輪12の間隔が狭まる。これにより、移動体1の移動に際して障害物を避け易くなる。また、このように、車輪12自体の回転力で当該車輪12の間隔が変更されるので、大掛かりな車輪間隔変更機構は不要であり、小型軽量化によって、建設中の建物内等を移動するのに適した移動体となる。さらに、車輪間隔の変更時には車輪12が回転するので、車輪12と地面の摩擦を小さくできる。これにより、車輪12の摩耗を抑制し、その交換頻度を少なくすることができる。
【0033】
車輪12としてメカナムホイールを用いたが、車輪間隔変更方向が車輪12の車輪軸に直交する方向であるので、車輪12として一方向車輪を用いることもできる。
【0034】
上記車輪軸の方向に直交する方向に並ぶ複数の車輪12が1つの可動部材14に搭載されていると、可動部材14の数が少なくて済むので、低コスト化が容易になる。なお、この実施形態では、可動部材14を2個設けたが、これに限らず、可動部材14を1個とし、他は固定部材としてもよい。ただし、このような構成では、車輪間隔変更量が小さくなる。
【0035】
また、可動部材14を4個備え、各可動部材14に車輪12および駆動装置13を搭載する構造としてもよい。これによれば、車輪12ごとに車輪間隔を変更することが可能となる。また、可動部材14を1~3個備え、他は固定部材とする構造としてもよい。このような構造では、車輪間隔拡張時の車輪12を結ぶ線が方形にならない場合があるものの、車輪間隔は部分的に拡張され、移動体1を安定させることができる。
【0036】
(実施形態2)
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、実施形態1と同様の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。
図6に示すように、この実施形態の車輪間隔変更機能付き移動体1の車輪間隔変更方向は、車輪12の車輪軸方向となっている。また、4つの独立した可動部材14Aが各々ガイド部15によって、車輪12の車輪軸方向に移動自在に設けられている。車輪12はメカナムホイール等の全方向移動車輪である。
【0037】
制御部16は、操作部17において車輪間隔拡張ボタンが操作されたときには、前進となる通電を、前側の2個の可動部材14Aにおける2個の駆動装置13に対して行う一方で、後進となる通電を、後側の2個の可動部材14Aにおける2個の駆動装置13に対して行う。これにより、前側と後側の各々の2個の可動部材14Aにおいて互いに離間する方向にそれぞれの車輪12が回転し、車輪軸方向に車輪間隔が拡張されることになる。逆に、制御部16は、操作部17において車輪間隔狭小ボタンが操作されたときは、後進となる通電を、前側の2個の可動部材14Aにおける2個の駆動装置13に対して行う一方で、前進となる通電を、後側の2個の可動部材14Aにおける2個の駆動装置13に対して行う。これにより、前側と後側の各々の2個の可動部材14Aにおいて互いに接近する方向にそれぞれの車輪12が回転し、車輪軸方向に車輪間隔が狭められることになる。
【0038】
なお、この実施形態2では、4個の車輪12を全て回転させて車輪間隔を変更したが、これに限らず、少なくとも1個の車輪12を回転させることで車輪間隔の変更(拡張)が行える。このような態様では、車輪間隔拡張時の車輪12を結ぶ線が方形にならないものの、車輪間隔は部分的に拡張されることになり、移動体1を安定させることができる。また、各車輪12を個別に可動部材14Aによって支持したが、右サイド側の2個の車輪、左サイド側の2個の車輪を、各々1つの可動部材によって支持してもよい。
【0039】
車輪12の車輪間隔変更のガイド方向は、実施形態1のような車輪軸に直交する方向や、実施形態2のような車輪軸に平行な方向だけでなく、車輪軸に直交する方向と車輪軸に平行な方向との中間方向(斜め方向)とすることもできる。この斜め方向の車輪間隔変更では、各車輪12は個別に可動部材14Aに搭載される。
【0040】
また、車輪12としてオムニホイールを用い、車輪12の数を3個とし、載置台部11の形状を車輪12の位置を頂点とする三角形とした構造において、車輪12の車輪間隔変更のガイド方向を、各車輪12の車輪軸方向としてもよい。車輪間隔の変更制御は、例えば、前進/後進に際して回転駆動されない車輪12に対するロックを解除した状態で、他の2個の車輪12を回転させると、上記の回転駆動されない車輪12を搭載する可動部材14Aが、当該車輪12の車輪軸方向に移動されることになる。
【0041】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 :車輪間隔変更機能付き移動体
2 :耐火材吹付装置
11 :載置台部
12 :車輪
13 :駆動装置
14 :可動部材
14A :可動部材
14a :車輪間隔拡張時ロック用孔
14b :車輪間隔狭小時ロック用孔
15 :ガイド部
16 :制御部
17 :操作部
18 :駆動電源部
19 :ロック装置